(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記保護フィルムは、複数枚から成り、少なくとも1枚は、その全体が無色透明の前記視認部を構成する無色フィルムであり、残りのフィルムは、その全体が有色のフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のパイプ。
【背景技術】
【0002】
電線布設工事、エアコン設置工事等の配線・配管材を使用する各種工事の施主は、施工直後においては、1本のパイプであっても、外面が無傷の新品のままを望むのが当然であり、設置当初から外面に傷の付いたパイプの存在は、施主の意向に背く結果となる。
【0003】
上記したパイプは、多数本が纏められて箱に収容された状態で、保管・運搬されて、工事現場において、箱内の多数本のパイプをバラして、1本ずつ使用している。
【0004】
従来のパイプは、外面が保護されることなく、露出したままで取り扱われていた。従って、箱内に多数本のパイプを収容する際、或いは収容された状態において、隣接するパイプ同士が互いに接触、或いは衝突し合うことにより、外面に擦り傷や汚れが生ずる。また、施工時においても、パイプを1本ずつ取り扱う際に、周辺部材に接触することによっても、外面に同様の擦り傷類が発生する。
【0005】
特許文献1には、多数本の長尺の雨樋をバンドにより結束した状態で、両端面部を覆う第1保護部材と、全体の外周面を覆う第2保護部材とから成る梱包材が開示されている。しかし、この梱包材を使用する場合でも、多数本の雨樋をバンドにより結束すると、結束時、及び運搬時の双方において、接触している雨樋同士は、互いに擦られて、表面塗装が剥離されたりして、表面に傷が付いてしまう。また、雨樋には、種々の長さが存在するため、長さの異なる雨樋の梱包には、第1保護部材の共用は可能であるとしても、第2保護部材に関しては、共用できないため、雨樋の長さに対応したものをそれぞれ製作する必要があって、梱包材自体の管理も面倒である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、工事現場に設置されるまでは、外面に擦り傷類が一切発生しないように保護され、しかも地色を視認可能なパイプの提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するための請求項1の発明は、保護フィルムにより外面全体が被覆されたパイプであって、前記保護フィルムは、短冊状であって、短手方向及び長手方向がそれぞれ前記パイプの周方向及び長手方向に沿うようにして、当該パイプに剥離可能にして貼着される1枚又は複数枚で構成され、前記保護フィルムは、パイプの周方向に配置された短手方向の一方の端部が、自身の他方の端部、又は他の保護フィルムの短手方向の端部と重合した状態で、パイプの外面全体を被覆しており、1又は複数の保護フィルムで被覆されたパイプの外面色が視認可能となるように、当該保護フィルムには、パイプの周方向における一部又は全部に無色透明の視認部が長手方向に沿って設けられ、
前記パイプの外面に形成される1ないし複数の保護フィルムの重合部のうち少なくとも1つの重合部の各端部の少なくとも一方には色彩が施されて、当該色彩による識別により、前記視認部に対して当該端部が識別可能になっていることを特徴としている。
【0009】
請求項1の発明によれば、パイプは、その外面全体が1又は複数枚の保護フィルムにより被覆されていて、施工時に前記保護フィルムを剥がすことにより、パイプの保管・運搬時、及び取扱い時において、パイプ同士が接触したり、或いはパイプが他の部材に接触しても、パイプの外面に擦り傷類が発生するのを確実に防止できる。また、パイプの外面を被覆する保護フィルムが1枚又は複数枚のいずれの場合でも、パイプの周方向に配置される保護フィルムの短手方向の端部が、自身の他方の端部、又は別の保護フィルムの端部と重合した状態でパイプに被覆され、しかも、
当該パイプの外面に形成される1ないし複数の保護フィルムの重合部のうち少なくとも1つの重合部の各端部の少なくとも一方には色彩が施されて、当該色彩による識別により、前記視認部に対して当該端部が識別可能になっているため、重合部において外側に配置された保護フィルムの端部を容易に剥がすことができて、保護フィルムの剥し作業が容易となる。更に、保護フィルムには、パイプの地色が視認可能となるように無色透明の視認部が、周方向の一部又は全部において長手方向に設けられているために、パイプが保護フィルムで被覆された状態において、当該視認部においてパイプの地色を視認できて、地色のみ異なる同一又は近似の呼径のパイプの誤配管を未然に防止できる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記保護フィルムは、複数枚から成り、少なくとも1枚は、その全体が無色透明の前記視認部を構成する無色フィルムであり、残りのフィルムは、その全体が有色のフィルムであることを特徴としている。
【0011】
請求項2の発明によれば、有色フィルムの短手方向の端部が重合部となるので、保護フィルムを剥がす部位である短手方向の端部が色彩識別可能となる。このため、重合部の位置を容易に探し出すことが可能となって、保護フィルムの引き剥がし作業が容易になると共に、複数枚の保護フィルムのうち少なくとも1枚は無色フィルムであるので、当該無色フィルムの部分においてパイプの地色を視認できる。
【0012】
請求項3の発明は、
保護フィルムにより外面全体が被覆されたパイプであって、前記保護フィルムは、短冊状であって、短手方向及び長手方向がそれぞれ前記パイプの周方向及び長手方向に沿うようにして、当該パイプに剥離可能にして貼着される複数枚で構成され、複数の保護フィルムの少なくとも1枚は、その全体が
パイプの地色を視認可能な無色透明の視認部を構成する無色フィルムであり、残りのフィルムは、その全体が有色のフィルムであり、前記有色フィルムと無色フィルムの短手方向の各端部の重合部は、有色フィルムが無色フィルムの外側に配置されていることを特徴としている。
【0013】
請求項3の発明によれば、有色と無色で構成される複数枚のフィルムの短手方向の各端部の重合部において、有色フィルムが外側に配置されているため、重合部の位置を見付け易い有色フィルムの端部を先に部分的に剥がして、その後に、当該重合部の無色フィルムの端部を部分的に剥がすことにより、有色と無色で構成される複数枚のフィルムを容易に引き剥がすことができる。
また、複数の保護フィルムの少なくとも1枚は、その全体がパイプの地色を視認可能な無色透明の視認部を構成する無色フィルムであるために、保護フィルムの被覆状態で、パイプの地色を視認できる。
【0014】
請求項4の発明は、
保護フィルムにより外面全体が被覆されたパイプであって、前記保護フィルムは、短冊状であって、短手方向及び長手方向がそれぞれ前記パイプの周方向及び長手方向に沿うようにして、当該パイプに剥離可能にして貼着される2枚で構成され、一方の保護フィルムは、パイプの地色を視認可能な無色透明の視認部を構成する無色フィルムであり、残りのフィルムは、有色フィルムであり、前記有色フィルムの短手方向の両端部は、いずれも無色フィルムの短手方向の両端部の外側に配置されて重合していることを特徴としている。
【0015】
請求項4の発明によれば、有色と無色の2枚の保護フィルムの短手方向の各端部の重合部において、有色フィルムが外側に配置されているため、重合部の位置を見付け易い有色フィルムの端部を先に部分的に引き剥がして、その後に、当該重合部の無色フィルムの端部を部分的に剥がすことにより、有色と無色の2枚の保護フィルムを容易に剥がすことができる。
また、無色フィルムで覆われている部分において、パイプの地色を視認できる。
【0016】
請求項5の発明は、
保護フィルムにより外面全体が被覆されたパイプであって、前記保護フィルムは、1枚の短冊状であって、短手方向及び長手方向がそれぞれ前記パイプの周方向及び長手方向に沿うようにして、当該パイプに剥離可能にして貼着され、前記1枚の保護フィルムの短手方向の両端部は、長手方向に連続して互いに異なる有色部が設けられるか、又は有色部と無色部とが設けられて、短手方向の両端部を除く残部は、
パイプの地色を視認可能な無色透明の視認部であることを特徴としている。
【0017】
請求項5の発明によれば、1枚の保護フィルムの短手方向の両端部の重合部
の少なくとも一方は、色彩識別が可能であるため、当該重合部の位置が容易に視認できるため、保護フィルムの引き剥しが容易となる
と共に、保護フィルムの両端部又は一方の端部を除く部分は、無色透明であるために、パイプの地色の視認が可能となる。また、保護フィルムが1枚であるために、当該保護フィルムの引き剥し、及び管理の双方が容易となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、施工現場において設置されるまでは、パイプの外面全体が保護フィルムで被覆されていて、当該パイプの外面全体が保護されるために、運搬・保管時、或いは取扱い時において、パイプ同士が接触しても外面に擦り傷類が付くことが一切なく、設置当初において、常に外面が無傷の新品のままのパイプを設置できる。また、パイプの周方向に配置された保護フィルムの短手方向の一方の端部が、自身の他方の端部、又は他の保護フィルムの短手方向の端部と重合した状態で、パイプの外面全体が被覆されていて、しかも
前記パイプの外面に形成される1ないし複数の保護フィルムの重合部のうち少なくとも1つの重合部の各端部の少なくとも一方には色彩が施されて、当該色彩による識別により、保護フィルムに設けられた視認部に対して当該端部が識別可能になっているために、保護フィルムの重合部において、上側の保護フィルムの端部を容易に
探し出して引き剥がすことができて、パイプの外面全体に被覆された保護フィルムを容易に、かつ確実に剥がすことができる。更に、保護フィルムには、短手方向の一部又は全部に長手方向に沿って無色透明の視認部が設けられているため、当該視認部によりパイプの地色が視認可能になって、地色の異なる同一又は近似の呼径のパイプの誤配管を未然に防止できる。
【0019】
また、重合部において、保護フィルムの色彩が施された短手方向の一方の端部が、自身の他方の端部、又は別の保護フィルムの端部の上側に配置されている場合には、当該保護フィルムの引き剥し作業が一層容易となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、最良の実施形態を複数挙げて本発明について更に詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
図1、
図2及び
図5(a)に、実施例1のパイプP
1 が示されている。パイプP
1 は、塩化ビニール樹脂等から成る断面円形の樹脂管であって、電線を収容する電線管、エアコンの冷媒を通すエ
アコン冷媒管、エアコンの排水管等として使用され、電線の太さ、或いはエアコンの容量に応じて呼径(外径)の異なるものが使用される。また、パイプは、呼径の異なるものが選択して使用されるが、全ての呼径のパイプの外周の色、即ち「地色」は統一色が使用される。パイプの「地色」としては、ベージュ、ミルキーホワイト等が多く使用される。
【0023】
パイプP
1 は、無色透明の無色フィルムF
1 と有色フィルムF
2 との2種類の保護フィルムにより外面全体が被覆される。無色及び有色の各保護フィルムF
1 ,F
2 は、樹脂フィルムで構成されて、短冊状或いは帯状を呈していて、パイプP
1 の外径をD
1 〔
図5(a)参照〕とした場合に、各保護フィルムF
1 ,F
2 の短手方向の長さL
1 〔
図1(a)参照〕は、いずれも〔L
1 =(πD
1 / 2)+α〕となっていて、パイプP
1 の周長の半分よりも僅かに長くなっている。各保護フィルムF
1 ,F
2 の長手方向の長さは、パイプP
1 の長さと同一であるか、或いはパイプP
1 の長さよりも短くなっている。パイプP
1 の外面全体を2枚の各保護フィルムF
1 ,F
2 で被覆した場合において、当該パイプP
1 の対向位置に形成される重合部R
1 の重合幅W
1 が等しい場合には、〔α=W
1 〕となる〔
図5(a)参照〕。各保護フィルムF
1 ,F
2 の長手方向の長さがパイプP
1 の長さよりも短い場合には、パイプP
1 の長手方向(軸方向)に沿って複数枚の各保護フィルムF
1 ,F
2 が長手方向の途中で接続して使用される。各保護フィルムF
1 ,F
2 は、その一方の面のみに、全面に亘って貼着剤が塗布されている。有色フィルムF
2 の色彩は、パイプP
1 の地色以外の色彩が選択され、パイプP
1 の地色がベージュの場合には、例えば、水色、橙色等が選択される。
【0024】
このため、
図2及び
図5(a)に示されるように、パイプP
1 の外面全体を有色及び無色の各保護フィルムF
1 ,F
2 で被覆するに際して、無色フィルムF
1 の短手方向の両端部の外側に、有色フィルムF
2 の短手方向の両端部が配置されるようにする。パイプP
1 の外径D
1 に対する各保護フィルムF
1 ,F
2 の短手方向の長さL
1 が上記した関係になっているので、パイプP
1 の対向する2箇所において各保護フィルムF
1 ,F
2 の短手方向の両端部が互いに重合された重合部R
1 を形成した状態で、パイプP
1 の外面全体を各保護フィルムF
1 ,F
2 で被覆する。
【0025】
これにより、
図1及び
図2に示されるように、無色フィルムF
1 の全部分は、パイプP
1 の地色を透視して視認可能とする視認部2となっている。無色フィルムF
1 と有色フィルムF
2 との境界線3が、当該パイプP
1 の長手方向(軸方向)に沿って連続して存在し、しかも当該境界線3は、視認可能である。また、各保護フィルムF
1 ,F
2 の短手方向の両端部の重合部R
1 においては、有色フィルムF
2 が無色フィルムF
1 の外側に配置されている。
【0026】
このため、有色と無色の境界である前記境界線3は容易に視認でき、当該視認に基づいて、前記重合部R
1 の部分において、外側の有色フィルムF
2 の短手方向の端部を所定域だけ引き剥がして、引き剥し部4を形成した状態で、内側の無色フィルムF
1 の短手方向の端部を仮に引き剥がして、仮引き剥し部5を形成しておいて、有色フィルムF
2 の全てを引き剥がした後に、無色フィルムF
1 の前記仮引き剥し部5によって、無色フィルムF
1 の全てを引き剥がす。これにより、有色フィルムF
2 の全てを引き剥がした後に、無色フィルムF
1 の短手方向の端部を探し出す困難を解消できる。なお、
図1(b)及び
図2において6は、無色フィルムF
1 の端縁ラインを示す。
【0027】
このように、パイプP
1 は、その外面全体が無色及び有色の2枚の各保護フィルムF
1 ,F
2 により被覆されているので、例えば、
図9に示されるように、多数本のパイプP
1 を結束バンドBにより結束した状態で保管・運搬する場合において、相隣接するパイプP
1 同士が互いに接触しても、各保護フィルムF
1 ,F
2 の存在により、パイプP
1 の外面に擦り傷類が付けられることはない。よって、パイプP
1 の設置時において、上記した各保護フィルムF
1 ,F
2 の引き剥がしを行うことにより、外面に擦り傷類が一切付いていない新品のパイプP
1 を現場に設置することができる。
【0028】
なお、実施例1のパイプP
1 の外面全体を被覆している無色及び有色の2枚の各保護フィルムF
1 ,F
2 の短手方向の長さは等しいが、無色フィルムF
1 と有色フィルムF
2 の短手方向の各長さの比を、(2:1)或いは(3:1)等として、各保護フィルムF
1 ,F
2 の短手方向の端部の引き剥し部の存在を視覚により認識させて、引き剥しを容易にさせるための有色フィルムF
2 の短手方向の長さを無色フィルムF
1 のそれよりも短くすることも可能であって、無色及び有色の各保護フィルムF
1 ,F
2 の短手方向の各長さの比は、直接的には問題とならない。
【実施例2】
【0029】
図5(b)に、実施例2のパイプP
2 の断面図が示されている。前記パイプP
1 は、その外面全体に、有色及び無色の2枚の各保護フィルムF
1 ,F
2 が被覆されたものであるが、実施例2のパイプP
2 は、その外面全体に、2枚の無色フィルムF
1'と1枚の有色フィルムF
2'が被覆された構成である。3枚の各保護フィルムF
1',F
2'の短手方向の両端部は互いに重合されて、当該各保護フィルムF
1',F
2'の引き剥がしを容易にするための重合部R
2 が形成されている。有色フィルムF
2'の短手方向の両端部は、異なる2枚の無色フィルムF
1'の短手方向の一端部の外側に配置されて重合され、各保護フィルムF
1',F
2'の短手方向の両端部の重合部R
2 を見付け出した後の引き剥がしを容易にしている。実施例2のパイプP
2 においても、2枚の無色フィルムF
1'の全部分が、当該パイプP
2 の地色を視認可能とする視認部2となっており、有色フィルムF
2'の短手方向の両端部は、重合部R
2 を見付け易くしている。実施例2のパイプP
2 においても、3枚の各保護フィルムF
1',F
2'の短手方向の各長さは等しいが、互いに異ならしめることも可能である。
【実施例3】
【0030】
図3、
図4及び
図5(c)に、実施例3のパイプP
3 が示されている。パイプP
3 は、短冊状(長尺状)の1枚の保護フィルムF
3 により外面全体が被覆されている。パイプP
3 の外径をD
3 とした場合に、保護フィルムF
3 の短手方向の長さL
3 は、〔L
3 =πD
3 +W
3 〕となっている。保護フィルムF
3 は、その短手方向の端部に部分的に幅W
3'の有色部7が長手方向に連続して形成されて、残りの大部分は、保護フィルムF
3 で全体が被覆されたパイプP
3 の地色の視認を可能とする無色透明の視認部8となっていて、保護フィルムF
3 の視認部8の側の短手方向の端部の外側に、別の端部である有色部7が重合された状態で、パイプP
3 の外面全体が保護フィルムF
3 により被覆される。実施例3では、有色部7の幅W
3'は、保護フィルムF
3 の短手方向の両端部の重合部R
3 の幅W
3 よりも広い〔W
3'>W
3 〕ために、当該重合部R
3 の内側に、保護フィルムF
3 の有色部7と反対側の視認部8の短手方向の端部の端縁ライン11が隠れた状態で存在する構成となっている。
【0031】
実施例3のパイプP
3 においても、保護フィルムF
3 の重合部R
3 においては、有色部7が無色透明の視認部8の外側に配置されているために、当該有色部7の存在によって、保護フィルムF
3 の重合部R
3 の位置を即座に見付け出すことができると共に、当該重合部R
3 において、外側の有色部7の部分を引き剥がすことにより、当該引き剥し作業が容易となる。また、保護フィルムF
3 は、全体が1枚で構成されているために、保護フィルムF
3 の引き剥し位置の見付け出しが1回で済むために、保護フィルムF
3 の引き剥し作業自体も容易となる。なお、
図3(b)において、12は、保護フィルムF
3 の引き剥し部を示す。
【0032】
また、実施例3のパイプP
3 では、有色部7の幅W
3'は、保護フィルムF
3 の短手方向の両端部の重合部R
3 の幅W
3 よりも広い〔W
3'>W
3 〕ために、当該重合部R
3 の内側に、保護フィルムF
3 の有色部7と反対側の視認部8の短手方向の端部の端縁ライン11が認識されるが、
図4において、実施例1のパイプP
1 と対比して図示されているように、〔W
3'=W
3 〕とすることにより、有色部7の幅方向の内側の端縁ラインと、視認部8の端縁ライン11とが重合して、当該視認部8の端縁ライン11が恰も消失した状態となって、有色部7の存在が一層に際立って、保護フィルムF
3 の引き剥し部12’の探し出しが一層容易となる効果がある。
【0033】
また、上記においては、保護フィルムF
3 の有色部7の幅W
3'を、保護フィルムF
3 によりパイプP
3 の外面全体を被覆した場合に発生する当該保護フィルムF
3 の重合部R
3 の幅(W
3)に対応するように、全体幅に比較して相当に狭くしてある。しかし、保護フィルムF
3 の有色部7と視認部8の各幅を同等にする等しても、パイプP
3 の地色の視認と、保護フィルムF
3 の引き剥し部12の探し出しとの双方を可能にできる。
【実施例4】
【0034】
図6に、実施例4のパイプP
4 が示されている。パイプP
4 の外面全体を被覆可能な保護フィルムF
4 は、短冊状(長尺状)であって、短手方向の中央部に長手方向に沿って一定間隔をおいて多数の無色透明の視認部21が形成されて、残りの大部分を占有する全てが有色透明の有色部22となっている。従って、保護フィルムF
4 の短手方向の両端部は、長手方向の全長に亘って有色部22で構成される。保護フィルムF
4 の短手方向の長さL
4 は、パイプP
4 の外径をD
4 とした場合に、〔L
4 =πD
4 +W
4 〕となっていて、保護フィルムF
4 をパイプP
4 の外面全体に被覆した場合において、当該保護フィルムF
4 の短手方向の両端部の重合部R
4 の幅はW
4 となる。
【0035】
実施例4のパイプP
4 では、保護フィルムF
4 の重合部R
4 は、有色透明の有色部22同士が重合しているために、当該有色部22の重合により、重合部R
4 の色彩は、有色部22の本来の色彩よりも濃く認識されるために、当該重合部R
4 を視覚的に認識できて、重合部R
4 の引き剥し部23を見付け出すことができる。
【実施例5】
【0036】
図7に、実施例5のパイプP
5 が示されている。パイプP
5 は、実施例1のパイプP
1 の有色フィルムF
2 の部分に、大小の各目盛り31,32を軸方向に沿って一定間隔をおいて周方向に予め印刷された構成である。各目盛り31,32の存在は、パイプP
5 を設定長に正確に切断するのを助ける。なお、パイプP
5 において、無色フィルムF
1 の側に大小の各目盛り31,32を印刷することも可能であり、更に、全周に各目盛り31,32を印刷することも可能である。また、前記した他のパイプP
2 〜P
4 においても、保護フィルムF
1', F
2', F
3,F
4 の部分に目盛りを印刷することも可能である。
【0037】
また、
図8に示されるように、いずれのパイプP
1 〜P
5 であっても、1本のパイプP
1 〜P
5 を所定長に切断した場合において、残りの側(切断時点で使用されない側)のパイプP
1'〜P
5'も、当然のことながら、保護フィルムで保護されたまま残る。
【0038】
上記各実施例1〜5において、実施例4の有色部22は、有色透明であることが必要であるが、残りの実施例1〜3,5における有色フィルムF
2,F
2'、有色部7は、有色透明又は有色不透明のいずれであってもよい。
【0039】
また、パイプの外面全体を被覆している保護フィルムには、専用のインクペンにより切断位置、呼径、使用場所等の種々の情報を表示可能であり、しかも、保護フィルムの引き剥し後においては、パイプの外面には、一切の表示情報は消失されて、当該パイプは、擦り傷類の一切存在しない新品状態が実現される。
【0040】
また、有色部を備えたフィルムによりパイプを被覆する場合において、パイプの外面に対するフィルムの被覆構造(例えば、無色フィルムと有色フィルムの2枚のフィルムで全体が被覆された構造)を同一にして、異なる呼径のパイプに対しては、有色部の色彩を異ならしめることで、色彩的に呼径を識別させることも可能である。