特許第5762949号(P5762949)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5762949材料を蒸着するための製造装置及び当該装置において使用される電極
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5762949
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】材料を蒸着するための製造装置及び当該装置において使用される電極
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/44 20060101AFI20150723BHJP
   H05B 3/03 20060101ALI20150723BHJP
   H05B 3/00 20060101ALI20150723BHJP
   C01B 33/03 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
   C23C16/44 B
   H05B3/03
   H05B3/00 350
   C01B33/03
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-505006(P2011-505006)
(86)(22)【出願日】2009年4月13日
(65)【公表番号】特表2011-522959(P2011-522959A)
(43)【公表日】2011年8月4日
(86)【国際出願番号】US2009002293
(87)【国際公開番号】WO2009128887
(87)【国際公開日】20091022
【審査請求日】2012年4月3日
(31)【優先権主張番号】61/044,703
(32)【優先日】2008年4月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503060684
【氏名又は名称】ヘムロック・セミコンダクター・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(72)【発明者】
【氏名】ヒラブランド,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ナップ,セオドアー
【審査官】 今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭53−106626(JP,A)
【文献】 特開2006−016243(JP,A)
【文献】 特開昭55−132035(JP,A)
【文献】 米国特許第4179530(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/44
C01B 33/03
H05B 3/00
H05B 3/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いから離間され且つ各々においてソケットが配置される第1の端部及び第2の端部を備える担体において材料を蒸着するための製造装置であって、
チャンバを画定するハウジングと、
前記チャンバへと気体を導入するよう前記ハウジングを通って画定される入口と、
前記気体を前記チャンバから排出するよう前記ハウジングを通って画定される出口と、
前記ソケットを接続するよう適合された接触領域を備える外部表面を有する少なくとも1つの電極であって、前記少なくとも1つの電極が、第の端部及び第の端部を有するシャフトであって、前記シャフトの前記第の端部及び前記第の端部の一方において前記電極に配置されるヘッドを備える前記シャフトを含む、少なくとも1つの電極と、
該電極に対して電流を与えるよう該電極に対して結合される電源装置と、
前記電極と前記ソケットとの間における熱伝達を保持するよう前記電極の前記接触領域において配置される接触領域コーティングと、
を有し、
前記電極は前記ハウジングを通って配置され、該電極は、前記ソケットと結合するよう前記チャンバ内において少なくとも部分的に配置され、
前記接触領域コーティングは、少なくとも9×10ジーメンス/メートルの導電率、及び銀より高い耐食性を備え、
前記接触領域コーティングとは異なるものであり、前記接触領域の外側の前記ヘッド及び前記シャフトの少なくとも一方に配置される、外部コーティングを有する、
製造装置。
【請求項2】
前記ヘッドは銅を有し、
前記接触領域コーティングを有する前記電極の前記外部表面は、前記チャンバにおいて少なくとも部分的に配置される、
請求項1記載の製造装置。
【請求項3】
前記接触領域コーティングは、金、プラチナ、及びパラジウムのうち少なくとも1つを有する、
請求項1又は2記載の製造装置。
【請求項4】
前記接触領域コーティングは、0.00254乃至0.254mmの厚さを備える、
請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の製造装置。
【請求項5】
互いから離間され且つ各々においてソケットが配置される第1の端部及び第2の端部を備える担体上へと材料を蒸着するための製造装置に使用される電極であって、
の端部及び第の端部を備えるシャフトと、
前記ソケットと結合するよう該シャフトの前記端部のうち一方において配置されるヘッドと、
前記電極と前記ソケットとの間における熱伝達を保持するよう前記電極の接触領域において配置される接触領域コーティングと、
を有し、
前記ヘッドは、前記ソケットに接触するよう適合される接触領域を備える外部表面を有し、
前記接触領域コーティングは、少なくとも9×10ジーメンス/メートルの導電率、及び銀より高い耐食性を備え、
前記接触領域コーティングとは異なるものであり、前記接触領域の外側の前記電極の前記外部表面に配置される、外部コーティングを有する、
電極。
【請求項6】
前記接触領域コーティングは、金、プラチナ、及びパラジウムのうち少なくとも1つを有する、
請求項5記載の電極。
【請求項7】
前記電極の前記シャフトは、前記シャフトの外部表面において配置される前記外部コーティングを有する
請求項5又は6記載の電極。
【請求項8】
前記シャフトは、外部表面において配置されるシャフトコーティングを有さない、
請求項5又は6記載の電極。
【請求項9】
前記接触領域コーティングは、0.00254乃至0.254mmの厚さを備える、
請求項5乃至8のうちいずれか一項記載の電極。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年4月14日に出願された米国仮特許出願第61/044703号明細書の優先権及び全ての利点を主張するものである。
【0002】
本願発明は製造装置に係る。より具体的には、本願発明は、製造装置内において利用される電極に係る。
【背景技術】
【0003】
担体(carrier body)上における材料の蒸着(deposition)に対する製造装置は、技術的に知られている。かかる製造装置は、チャンバを画定するハウジングを有する。一般的に担体は、互いから離間された第1の端部及び第2の端部を備える実質的にU字形状である。典型的には、ソケットが担体の各端部において配置される。一般的に、2つ又はそれより多くの電極は、担体の第1の端部及び第2の端部において配置される夫々のソケットを受容するようチャンバ内において配置される。電極はまた接触領域を有し、該接触領域は、ソケット及び最終的には担体を支持し、担体がハウジングに対して動くことを防ぐ。接触領域は、ソケットに直接接触するよう適合される電極の一部であり、電極からソケットまで、並びに担体への一次電流路を与える。
【0004】
電源供給装置は、担体に対して電流を供給するよう電極に対して結合される。電流は、電極及び担体を加熱する。電極及び担体は各々温度を有し、担体の温度は蒸着温度まで加熱される。加工された担体は、担体上に材料を蒸着することによって形成される。
【0005】
技術的に知られている通り、電極及びソケットの形状は、担体が蒸着温度まで加熱される際に担体上に蒸着される材料の熱膨張の起因となるよう多種存在する。かかる方法の1つは、グラファイトスライディングブロック(graphite sliding block)の形状であるソケット及び平電極(フラットヘッド電極)を利用する。グラファイトスライディングブロックは、担体と平電極との間における橋(ブリッジ)としての役割を有する。接触領域において作用するグラファイトスライディングブロック及び担体の重量は、グラファイトスライディングブロックと平電極との間の接触抵抗を低減させる。前出の方法のうち他の1つは、二電極(two-part electrode)の使用を伴う。二電極は、ソケットを圧迫(押圧)するよう第1の半分と第2の半分を有する。スプリング要素は、ソケットを圧迫するための力を与えるよう二電極の第1の半分及び第2の半分に対して結合される。他の方法は、カップを画定する電極の使用を伴い、該カップ内に接触領域が位置決めされる。ソケットは、電極のカップへと嵌め合うよう、また電極のカップ内に位置決めされる接触領域に接触するよう、適合される。あるいは電極は、カップを画定することなく外側表面上に接触領域を画定し得、ソケットは、電極の外側表面上に位置決めされる接触領域に接触するよう電極の上方において嵌め合うキャップとして構成され得る。
【0006】
電極の付着物(汚れ、fouling)は、堆積物(deposits)の蓄積により接触領域上に発生する。堆積物は、時間の経過と共にソケットと電極との間において不適切な嵌め合いをもたらす。不適切な嵌め合いは、接触領域とソケットとの間において小さな電気アークを引き起こし、結果として担体上に蒸着される材料の金属汚染(metal contamination)をもたらす。金属汚染は、蒸着される材料の純度が低くなるため、担体の価値を低減する。更に、付着物は、電極とソケットのとの間の熱伝達を低減させ、結果として電極は、ソケット、ひいては担体を効果的に加熱するようより高い温度に達する。電極のより高い温度は、電極上の材料の増進された蒸着をもたらす。このことは、単一又は主要金属として銀又は銅を有する電極に特に当てはまる。
【0007】
電極は、以下に挙げる状態の1つ又はそれより多くが発生したときに交換されなければならない。該状態とは、第一に、担体上へと蒸着される材料の金属汚染が閾値レベルを超過したとき;第二に、電極の接触領域の付着物が電極とソケットとの間における接続を優れないものにしたとき;第三に、電極の接触領域の付着物により、電極に対する過度の動作温度が求められるとき、である。電極は、上述された状態のうち1つが発生する前に電極が加工され得る担体の数によって定められる寿命を備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
電極の付着物に関連する前述された問題を考慮すると、生産性を高め且つ電極の寿命を延ばすために電極とソケットとの間における接続を保持するよう電極の付着物を少なくとも遅延させる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、担体における材料の蒸着に対する製造装置、及び当該製造装置と共に使用される電極に係る。担体は、互いから離間された第1の端部及び第2の端部を備える。ソケットは、担体の端部の各々において配置される。
【0010】
製造装置は、チャンバを画定するハウジングを有する。ハウジングはまた、気体をチャンバへと導入する入口、及び気体をチャンバから排出する出口を画定する。少なくとも1つの電極は、ハウジングを通って配置され(disposed through the housing)、電極は少なくとも部分的に、ソケットに対して結合するようチャンバ内において配置される。電極は、ソケットに接触するよう適合される接触領域を備える外部表面を有する。接触領域コーティングは、電極の外部表面の接触領域上に配置される。接触領域コーティングは、少なくとも9×10ジーメンス/メートルの導電率、及び電解質としての室温の海水に基づいて電位列において銀より高い耐食性を備える。電源供給装置は、電極に対して電流を与えるよう電極に対して結合される。
【0011】
電極の外部表面における接触領域コーティングの種類及び位置を制御することの利点は多くある。該利点の1つは、付着物の源に基づいて異なる材料を有して電極の外部表面における接触領域コーティングを調整することによって、電極の付着物を遅延させることが可能である、ということである。付着物を遅延させることによって、電極の寿命は延ばされ、結果としてより低い製造コストをもたらし、加工された担体の製造時間を短縮する。更に、導電率に関する考察は、接触領域の外側と比較して外部表面における接触領域内においてより大きな重要性を持ち、それによって接触領域コーティングにおいて耐食性及び導電率を満たす材料を使用することの利点を与える。
【0012】
本発明の他の利点は、添付の図面と併せて考察されるときに以下の詳細な説明の参照によってよりよく理解されるため、容易に評価され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】電極を有する担体において材料を蒸着するための製造装置の断面図である。
図2A】内部表面を示された図1中の製造装置と共に利用される電極の第1の斜視図である。
図2B】接触表面が一部内において位置付けられるカップを画定する図2A中の電極の第2の斜視図である。
図3図2中の電極の線3−3に沿った断面図である。
図4】カップ内において配置されるソケットを示された図3中の電極の一部の拡大断面図である。
図5】循環システムの一部を接続された図3中の電極の断面図である。
図6】接触領域コーティング、外部コーティング、及び電極上に配置されたチャネルコーティングを有する、図2乃至5中の電極の他の実施例の断面図である。
図7】担体における材料の蒸着中の図1中の製造装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図中、類似する参照符号は複数の図にわたって同等又は対応の部分を示す。図1及び6は、担体24における材料22の蒸着に対する製造装置20を示す。一実施例において、蒸着される材料22はシリコン(ケイ素、silicon)である。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく製造装置20が担体24において他の材料を蒸着するよう使用され得る、ことは理解されるべきである。
【0015】
典型的には、ジーメンス法等である技術的に知られている化学蒸着(chemical vapor deposition)を有する方法において、担体24は実質的にU字形状であり、互いに対して平行に離間された第1の端部54及び第2の端部56を備える。ソケット57は、担体24の第1の端部54及び第2の端部56の各々において配置される。
【0016】
製造装置20は、チャンバ30を画定するハウジング28を有する。典型的にハウジング28は、内部シリンダ32、外側シリンダ34、及び基部プレート36を有する。内部シリンダ32は、互いから離間された開放端38及び閉鎖端40を有する。外側シリンダ34は、内部シリンダ32と外側シリンダ34との間において空隙(void)42を画定するよう内部シリンダ32の周囲に配置され、典型的には循環される冷却流体(図示せず)を収容するようジャケット(被覆物、jacket)としての役割を有する。空隙42は、限定的ではないが従来のヴェッセルジャケット(導管被覆物、vessel jacket)、バッフルジャケット(baffled jacket)、又はハーフパイプジャケット(half-piped jacket)であり得る、ことは当業者によって理解される。
【0017】
基部プレート36は、チャンバ30を画定するよう内部シリンダ32の開放端38において配置される。基部プレート36は密封部(図示せず)を有し、該密封部は、内部シリンダ32が基部プレート36において配置されると、チャンバ30を密封するよう内部シリンダ32と位置合わせされて配置される。一実施例において、製造装置20は、ジーメンス型化学蒸着リアクタである。
【0018】
ハウジング28は、チャンバへと気体45を導入するための入口44、及びチャンバ30から気体45を排出するための出口46を画定する。典型的には、入口管48は気体45をハウジング28に対して運搬するよう入口44に対して接続され、排出管50は気体45をハウジング28から除去するよう出口46に対して接続される。排出管50は、水又は工業用の熱伝導流体等である冷却流体で被覆され(jacketed)得る。
【0019】
少なくとも1つの電極52は、ソケット57に結合するようハウジング28を通って配置される。一実施例において、図1及び6に示される通り、少なくとも1つの電極52は、担体24の第1の端部54のソケット57を受容するようハウジング28を通って配置される第1の電極52、及び担体24の第2の端部56のソケット57を受容するようハウジング28を通って配置される第2の電極56を有する。電極52は、平電極、二電極、又はカップ電極等である技術的に知られているなんらかの種類の電極であり得る、ことが理解されるべきである。更に、少なくとも1つの電極52は、チャンバ30内において少なくとも部分的に配置される。一実施例において、電極52は基部プレート36を通って配置される。
【0020】
電極52は、少なくとも14×10ジーメンス/メートル又はS/mを有する室温における最小導電率を備える導電性材料を有する。例えば電極52は、各々が上述された導電率パラメータを満たす銅、銀、ニッケル、Inconel(インコネル、登録商標)、及び金のうち少なくとも1つを有し得る。更に電極52は、上述された導電率パラメータを満たす合金を有し得る。典型的に電極52は、約58×10S/mである室温における最小導電率を備える導電性材料を有する。典型的に電極52は銅を有し、該銅は、電極52の重量に基づいて約100重量パーセントの量で存在する。銅は、無酸素電気銅グレードUNS 10100であり得る。
【0021】
図2A、2B及び3も参照すると、電極52は外部表面60を備える。電極52の外部表面60は接触領域66を備える。特に、本願で定義付けられる接触領域66は、電極52の外部表面60の一部であり、該一部は、ソケット57と直接接触するよう適合され、且つ電極52からソケット57を通って担体24への一次電流路を与える。したがって、製造装置20の通常作動中、接触領域66は、担体24上に蒸着される材料22に対する露出から保護される。接触領域66がソケット57と直接接触するよう適合され、且つ一般的に担体24における蒸着中に材料22に対して露出されないため、接触領域66は、電極52の他の部分とは異なる更に後述される設計検討を行なわれる。
【0022】
一実施例において電極52は、第1の端部61及び第2の端部62を備えるシャフト58を有する。存在する場合、シャフト58は更に、電極52の外部表面60を画定する。一般的に第1の端部61は、電極52の開放端である。一実施例においてシャフト58は、円筒形状にされたシャフトをもたらす円形断面形状を備え、直径Dを画定する。しかしながらシャフト58が本発明から逸脱することなく矩形、三角形、又は楕円形の断面形状を備えてもよい、ことは理解されるべきである。
【0023】
電極52はまた、シャフト58の端部61,62の一方において配置されるヘッド64を有し得る。ヘッド64はシャフト58に対して一体にされ得る、ことが理解されるべきである。典型的には、ヘッド64が存在するとき、接触領域66はヘッド64において位置決めされる。ソケット57を電極52に対して接続する方法は、本発明から逸脱することなく用途に応じて変えられ得る、ことが当業者によって理解されるべきである。例えば、平電極(図示せず)等に対する一実施例において、接触領域は単に電極52のヘッド64における上部の平らな表面であり得、ソケット57は、接触領域に接触するよう電極52のヘッド64にわたって嵌め合うソケットカップ(図示せず)を画定する。あるいは、図示されてはいないが、ヘッド64はシャフト58の端部61,62に存在しないことがあり得る。この実施例において、電極52は、シャフト58の外部表面60において接触領域を画定し得、ソケット57は、シャフト58の外部表面60において位置決めされる接触領域に接触するよう電極52のシャフト58にわたって嵌め合うキャップとして構成され得る。図2A,2B,3及び4に示される他の実施例において、電極52はソケット57を受容するようカップ68を画定する。電極52がカップ68を画定するとき、接触領域66はカップ68の一部内に位置決めされる。ソケット57及びカップ68は、担体24が製造装置20から取られるときにソケット57が電極52から取り外され得るよう、設計される。典型的には、ヘッド64はシャフト58の直径Dより大きな直径Dを画定する。基部プレート36は、電極52のシャフト58を受容するよう穴(参照符号無し)を画定し、電極52のヘッド64がチャンバ30を密封するようチャンバ30内に残るようにする。
【0024】
第1のスレッド(ねじ山)の組70は、電極52の外部表面60において配置され得る。図1を参照すると、誘電スリーブ72は典型的に、電極52を絶縁するよう電極52の周囲に配置される。誘電スリーブ72はセラミックを有し得る。ナット74は、電極52をハウジング28に対して固定するよう基部プレート36とナット74との間において誘電スリーブ72を圧迫するよう、第1のスレッドの組70において配置される。電極52は、本発明の範囲から逸脱することなくフランジ等である他の方法によってハウジング28に対して固定され得る、ことが理解されるべきである。
【0025】
典型的には、シャフト58及びヘッド64の少なくとも一方は、チャネル78を画定する内部表面76を有する。内部表面76は、シャフト58の第1の端部61から離間された終端部80を有する。終端部80は、概して平坦であり且つ電極52の第1の端部61に対して平行である。円錐形構造、楕円形構造、又は逆円錐形構造(いずれも図示せず)等である終端部80の他の構造が利用され得る、ことは理解されるべきである。チャネル78は、電極52の第1の端部61から終端部80に対して延在する長さLを備える。終端部80は、存在する場合、本発明から逸脱することなく電極52のシャフト58内において配置され得るか、あるいは終端部80は電極52のヘッド64内において配置され得る、ことが理解されるべきである。
【0026】
製造装置20は更に、電流を与えるよう電極に対して結合される電源供給装置82を有する。典型的には電気ワイヤ又はケーブル84は、電源供給装置82を電極52に対して結合する。一実施例において、電気ワイヤ84は、第1のスレッドの組70とナット74との間において電気ワイヤ84を配置することによって電極52に対して接続される。電極52に対する電気ワイヤ84の接続が異なる方法によって達成され得る、ことは理解されるべきである。
【0027】
電極52は、そこを通る電流の通過によって修正される温度を備え、結果的に電極52の加熱をもたらし、それによって電極52の動作温度を確立する。かかる加熱は、ジュール加熱として当業者には知られている。特に電流は、電極52を通り、ソケット57を通り、担体24へと通過し、結果的に担体24のジュール加熱をもたらす。更に、担体24のジュール加熱は、チャンバ30の放射加熱/対流加熱をもたらす。担体24を通る電流の通過は、担体24の動作温度を確立する。
【0028】
図5、並びに図1及び6を参照すると、製造装置20はまた、電極52のチャネル78内において少なくとも部分的に配置される循環システム86を有し得る。存在する場合、循環システム86は、チャネル78内において少なくとも部分的に配置される。循環システム86の一部はチャネル78の外側に配置され得る、ことが理解されるべきである。第2のスレッド(ねじ山)の組88は、循環システム86を電極52に対して結合するよう電極52の内部表面76において配置され得る。しかしながら、循環システム86を電極52に対して結合するためにフランジ又はカップリングの使用等である他の固定方法が使用されてもよい、ことは当業者によって理解されるべきである。
【0029】
循環システム86は、電極52の温度を低減するよう電極52のチャネル78と流体連通する冷却剤を有する。一実施例において、該冷却剤は水である。しかしながら、冷却剤は、本発明から逸脱することなく循環を介して熱を低減させるよう設計されたいかなる流体であってもよい、ことが理解されるべきである。更に循環システム86はまた、電極52とリザーバ(図示せず)との間において結合されるホース90を有する。図5のみを参照すると、ホース90は内側チューブ92及び外側チューブ94を有する。内側チューブ92及び外側チューブ94はホース90に対して一体的にされ得るか、あるいは、内側チューブ92及び外側チューブ94はカップリング(図示せず)を利用することによってホース90に対して取り付けられ得る、ことが理解されるべきである。内側チューブ92はチャネル78内において配置され、電極52内において冷却剤を循環させるようチャネル78の長さLの大半において延在する。
【0030】
循環システム86内における冷却剤は、内側チューブ92及び外側チューブ94を通って冷却剤を押し進めるよう加圧される。典型的に冷却剤は、内側チューブ92を出て、電極52の内部表面76の終端部80に対して加圧され、その後ホース90の外側チューブ94を介してチャネル78を出る。冷却剤が外側チューブ94を介してチャネル78に入り内側チューブ92を介してチャネル78を出るよう、流れ構造を反転させることも可能である、ことが理解されるべきである。熱伝達に関して、終端部80の構造が表面積及び電極52のヘッド64に対する接近により熱伝達率に影響を及ぼす、ことは当業者によって理解されるべきである。上述された通り、終端部80の異なる形状輪郭は、同一の循環流速に対して異なる対流熱伝達係数をもたらす。
【0031】
図3,4及び6を参照すると、電極52は電極52の接触領域66において配置される接触領域コーティング96を有する。接触領域コーティング96は、少なくとも9×10ジーメンス/メートルである導電率、より典型的には少なくとも20ジーメンス/メートルである導電率、最も典型的には少なくとも40ジーメンス/メートルである導電率を備え、また、電解質としての室温の海水に基づいて電位列において銀より高い耐食性を備える。かかる電位列試験は、技術的によく知られているものである。電極52と担体24との間における一次電流路にはない電極52の他の部分に対する導電率よりも接触領域コーティング96に対する導電率の重要性が大きいため、また、接触領域コーティング96が蒸着中にソケット57に接触し、担体において蒸着される材料22から多少保護されるため、接触領域コーティング96において使用される特定の材料は、上述された導電率を満たすよう選択される。更に、有利には、腐食に対する閾値抵抗を備え、故に電極52自体に対して使用される材料より遅い速度で汚れる材料が選定される。より遅く汚れていくことは、電極52の寿命を延ばすことに関連する利点を与える。
【0032】
接触領域に対して選択される特定の種類の材料の選定は、担体24の温度、電極52を通って流れる電流、冷却流体流速、及び冷却流体温度の組み合わせにより、電極を取り囲む環境条件、特には電極52の近くにおける温度条件、に依存し得る。
【0033】
図2A,2B,3,4及び5に示されるカップ68を有する電極52の実施例において、腐食は、カップ68の耐性を低め、担体24において配置されるソケット57と電極52のカップ68の一部内において位置決めされる接触領域66との間における嵌め合いの悪さをもたらす。該嵌め合いの悪さは結果として、電流が電極52から担体24まで導かれる際に接触領域66とソケット57との間において小さな電気アークをもたらす。小さな電気アークは、担体24において蒸着される電極52の金属においてもたらされ、それによって担体24において蒸着される材料22の金属汚染をもたらす。一例として、高い純度のシリコンの製造では、金属汚染物質が加工された担体から作られるシリコンインゴット及びウエハに対して不純物を与えるため、蒸着後の加工された担体において金属汚染物質を最小限に維持することは望ましい。ウエハにおける金属汚染物質は、バルクウエハ(bulk wafer)からウエハを有して作られるマイクロ電子デバイスのアクティブ領域へとマイクロ電子デバイスの後工程中に拡散し得る。例えば銅は、加工された担体において銅の濃度が高すぎる場合に、ウエハ内において拡散する傾向が非常にある。一般的に金属汚染が多結晶シリコンにおける閾値レベルを超えると、あるいは、材料22が電極52において蒸着されて加工後に電極52のカップ68からのソケット57の取外しを妨げると、電極52は交換されなければならない。この状態を説明するために、銅ベースの電極による多結晶シリコンの銅汚染は典型的には、0.01ppbaである閾値を下回る。しかしながら、高純度の半導体材料を製造する当業者は、遷移金属汚染に対する規格が特定の適用に基づいて異なる、ことを認識している。例えば、太陽光発電セル(太陽光発電電池)に対するインゴット及びウエハの製造において使用されるシリコンは、寿命及び電池性能に大きな損失を有することなく、例えば100−10,000フォールド(fold)であるような半導体グレードシリコンと比較して非常に高いレベル銅汚染に耐え得る、ことが知られている。したがって、多結晶シリコンに対する各純度規格は、電極交換の必要性に照らされたときに個別に評価され得る。
【0034】
更に、腐食は、特には電極52の接触領域66とソケット57との間である電極52と担体24との間における導電率の効率を低減させる。導電率の効率の低減は、担体24の動作温度を蒸着温度まで加熱するために求められる電流の増大を必要とする。導電率の効率における低減はまた、電極52の動作温度を高める。電極52の動作温度が蒸着温度に到達する際、材料22は電極52上に蒸着される。
【0035】
接触領域コーティング96は、電極52を形成するよう一般的に使用される材料よりも腐食に対するより高い抵抗を与えることによって電極の寿命を延ばす。更には、接触領域66における電極52の腐食は、電極52が交換されなければならないか否かを制御する1つの要因であるため、腐食に対する抵抗に基づいた接触領域コーティング96に対する材料の選定は、腐食がより少ない影響を有し得る電極の他の部分に対する材料の選定と比較して電極52の寿命を延ばすことにおいてより効果的であり得る。したがって、接触領域コーティング96に対して使用される材料の特定の種類は、電極52の導電率を保持すると同時に腐食に対して抵抗しなければならない。
【0036】
接触領域コーティング96に対して使用され得る適切な材料は、金、プラチナ、及びパラジウムを有する。典型的には接触領域コーティング96は、導電率と多種の源からの腐食に対する抵抗との優れた組合せにより、金を有する。接触領域コーティング96は、金、プラチナ、及びパラジウムのうち少なくとも1つが接触領域コーティング96において有される限り、他の材料を有してもよい。例えば一実施例において、接触領域コーティング96は、例えばニッケル/銀合金であるように銀、ニッケル、及びクロムのうち少なくとも1つを更に有し得る。典型的には、接触領域コーティング96は実質的に金、プラチナ、及び/又はパラジウムのみを有する。しかしながら、1つ又はそれより多くの他の材料が存在するときには、金、プラチナ、及びパラジウムの総量は典型的に、接触領域コーティング96の総重量に基づいて少なくとも50重量パーセントである。
【0037】
接触領域コーティング96は、0.00254乃至0.254mm、より典型的には0.00508mm乃至0.127mm、最も典型的には0.00508乃至0.0254mmの厚さを備える。
【0038】
理論に制約されることなく、接触領域コーティング96の存在に起因する付着物の遅延は電極52の寿命を延ばす。より具体的には、接触領域コーティング96は、電極52とソケット57との間において導電率を保持し、電極52の動作温度の低減及び電極52上での材料22の蒸着を防ぐ。更には、接触領域コーティング96は、ソケット57と接触領域66との間における接続を保持するよう耐食性を与え、電極52から金属を有する蒸着された材料22の汚染を防ぐ。電極52は、接触領域コーティング96を有さない電極52と比較してより交換される必要がある頻度が少ないため、電極52の寿命を延ばすことは製造コストを低減させる。加えて、電極52の交換の頻度は、電極52が接触領域コーティング96を有さないで使用されるときと比較してより少ないため、担体24上に材料22を蒸着させるための製造時間も低減される。したがって接触領域コーティング96は、製造装置20に対してより少ないダウンタイムをもたらす。
【0039】
電極52は、電極52の寿命を延ばすよう接触領域66以外の場所においてコーティングされ得る。図6を参照すると、一実施例において電極52は、接触領域66の外側における外部表面60において配置される外部コーティング98を有する。特に外部コーティング98は、ヘッド64、接触領域66の外側、並びに電極52のシャフト58のうち少なくとも1つにおいて配置され得る。言い換えれば、外部コーティング98は、接触領域66の外側におけるヘッド64、シャフト58、あるいは接触領域66の外側におけるヘッド64及びシャフト58の両方において配置され得る。
【0040】
シャフト58において有されるとき、外部コーティング98は、ヘッド64からシャフト58における第1のスレッド組70まで延在し得る。外部コーティング98は、少なくとも9×10S/m、より典型的には少なくとも20S/m、最も典型的には少なくとも40S/mである導電率、及び、電解質として室温の海水に基づいて電位列において銀より高い耐食性を備える。電極52自体に対するより外部コーティング98に対する導電率の重要性のほうが小さいため、並びに、外部コーティング98が蒸着中にソケット57と接触するよう意図されないため、担体24と接触するよう意図される電極52の部分に対して使用され得るよりも更に幅広い種類の材料が外部コーティング98に対して使用され得る。更には、担体24と接触するよう意図される電極52の部分に対するよりも外部コーティング98に対する導電率要件を満たす材料の種類の幅がより広いため、選択され得る材料は、より耐食性があり、それ故に電極52自体に使用される材料よりも遅い速度で汚れる。汚れるのがより遅いということは、電極52の寿命を増加させることに関して利点を与える。
【0041】
外部コーティング98に対して使用される特定の種類の材料は、外部コーティング98の特定の場所に依存し得る。例えば、腐食の源、ひいては汚染は、外部コーティング98の特定の場所に依存して異なり得る。外部コーティング98が接触領域66の外側におけるヘッド64の外部表面60上に配置されるとき、外部コーティング98は、チャンバ30内において配置され、故に担体24上に蒸着するよう使用される材料22に対して露出される。かかる状況下において、外部コーティング98は、多結晶シリコンの採取中に塩化物環境における腐食に対する抵抗性を与えること、また更には、蒸着工程中に使用される材料22に対する露出の結果として塩素化及び/又はシリサイド化(silicidation)を介する薬品浸食(chemical attack)に対する抵抗性を与えることが望ましいとされ得る。接触領域66の外側における電極52のヘッド64上の外部コーティング98に対して使用され得る適切な金属は、金、プラチナ、及びパラジウムを有する。外部コーティング98に対して使用され得る他の適切な金属は、銀、ニッケル、及びクロムを有する。外部コーティング98がシャフト58の外部表面60において配置されるとき、外部コーティング98は、接触領域66の外側におけるヘッド64上の外部コーティング98において有される金属と同一の金属又はそれとは異なる金属を有し得る。他の実施例において、シャフト58はその外部表面60においてコーティングを配置されない。更に他の実施例において、ヘッドの外部表面60はコーティングを有さず、外部コーティング98がシャフト58の外部表面60においてのみ配置される、ことがあり得る。
【0042】
外部コーティング98は典型的に、0.0254mm乃至0.254mm、より典型的には0.0508mm乃至0.254mm、最も典型的には0.127mm乃至0.254mmの厚さを備える。
【0043】
加えて、チャネルコーティング100は、電極52と冷却剤との間における熱伝を保持するよう電極52の内部表面76において配置され得る。一般的に、チャネルコーティング100は、電極52の腐食に対する抵抗性と比較して、冷却剤の内部表面76との相互作用によって引き起こされる腐食に対するより高い抵抗性を備える。チャネルコーティング100は典型的に、腐食に抵抗し且つ堆積物の蓄積を抑制する金属を有する。例えば、チャネルコーティング100は、銀、金、ニッケル、及びクロムのうち少なくとも1つを有し得る。典型的には、チャネルコーティング100はニッケルである。チャネルコーティング100は、70.3乃至427W/mK、より典型的には70.3乃至405W/mK、最も典型的には70.3乃至90.5W/mKである熱伝導率を備える。チャネルコーティング100はまた、0.0025mm乃至0.026mm、より典型的には0.0025mm乃至0.0127mm、最も典型的には0.0051mm乃至0.0127mmである厚さを備える。
【0044】
電極52は、チャネルコーティング100において配置される曇り防止層(anti-tarnishing layer)(図示せず)を有し得る。曇り防止層は、チャネルコーティング100の上部に適用される保護薄膜有機層である。Technic Inc.社のTarniban(商標)等である保護システムは、過剰な熱抵抗を有することなくチャネルコーティング100及び電極52において金属の酸化を低減させるよう、電極52のチャネルコーティング100の形成後に使用され得る。例えば、一実施例において、電極52は銀を有し得、チャネルコーティング100は、純銀と比較して堆積物の形成に対して高められた抵抗性を与えるよう、曇り防止層を有する銀を有し得る。典型的には、チャネルコーティング100において配置される曇り防止層を有して、熱伝導率及び堆積物の形成に対する抵抗を最大限にするよう、チャネルコーティング100はニッケルを有し、電極52は銅を有する。
【0045】
電極52は、接触領域コーティング96に加えてなんらかの組合せにおいて外部コーティング98及びチャネルコーティング100のうち少なくとも1つを備え得る、ことが理解されるべきである。チャネルコーティング100、外部コーティング98、及び接触領域コーティング96は、電気メッキによって形成され得る。しかしながら、コーティングの各々は本発明から逸脱することなく異なる方法によって形成され得る、ことが理解されるべきである。また、多結晶シリコン等である高純度半導体材料を製造する当業者は、複数のメッキ工程が第3族元素及び第5族元素(多結晶シリコンを製造する場合に対しては窒素を除外する)等であるドーパントである材料を利用し、適切なコーティング方法の選択が担体24の汚染可能性を最小限に抑え得る、ことを理解する。例えば、ヘッドコーティング108及び接触領域コーティング96等であるチャンバ30内に典型的に配置される電極の範囲は、夫々の電極コーティングにおいて最小限のホウ素及びリンの取り込み(boron and phosphorous incorporation)を有する、ことが望ましい。
【0046】
担体24における材料22の蒸着の典型的な方法は、図6を参照して以下に説明される。担体24はチャンバ30内に置かれ、担体24の第1の端部54及び第2の端部56において配置されるソケット57は電極52のカップ68内に配置されて、チャンバ30は密封される。電流は、電源供給装置82から電極52まで伝達される。蒸着温度は、蒸着される材料22に基づいて算出される。担体24の動作温度は担体24に対する電流の直接通過によって増大されるため、担体24の動作温度は蒸着温度を超える。気体45は、担体24が蒸着温度に到達し次第、チャンバ30へと導入される。一実施例において、チャンバ30へと導入される気体45は、クロロシラン又はブロモシラン等であるハロシランを有する。気体は、水素を更に有し得る。しかしながら、本発明は気体に存在する構成要素に限定されないこと、及び、気体は、特にはシラン、四塩化ケイ素(silicon tetrachloride)、及びトリブロモシラン(tribromosilane)等である分子を含むシリコンである他の蒸着前駆体を有し得ること、は理解されるべきである。一実施例において、担体24はシリコンスリムロッドであり、製造装置20は、その上にシリコンを蒸着するよう使用され得る。特には、本実施例において、気体は典型的にトリクロロシランを含み、シリコンはトリクロロシランの熱分解の結果として担体24上へと蒸着される。冷却剤は、電極52の動作温度が蒸着温度に到達することを防ぐよう利用され、シリコンが電極52上へと蒸着されないことを確実なものとする。材料22は、担体24において所望される材料22の直径が到達されるまで、担体24上へと均等に蒸着される。
【0047】
担体24が加工されると電流が遮断され、電極52及び担体24は、電流を受けることを停止する。気体45はハウジング28の出口46を介して排出され、担体24は冷却され得る。加工された担体24の動作温度が冷却されると、加工された担体24はチャンバ30から取り外され得る。加工された担体24は取り外され、新しい担体24が製造装置20に置かれる。
【0048】
明らかに、本発明の多くの修正及び変形は、上述された教示に照らして可能である。上述された発明は、関連する法的基準に従って説明されており、該説明は、事実上限定的ではなく典型的なものである。開示された実施例に対する変形及び修正は、当業者にとって明らかとなり得、本発明の範囲内にあるものである。したがって、本願発明が与える法的保護の範囲は、添付の請求項を参照することによってのみ判断され得る。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7