(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フレーム(500)をさらに備えており、前記一つ以上のシール部材(509,522)は、前記壁パネルと前記フレームの間に前記真空密接シールを形成するために、前記壁パネルと前記フレームの間に設けられる、請求項1〜3のいずれか一つの真空チャンバー。
前記接続部材は、前記キットセットが組み立てられるときに、前記壁パネルの端に真空密接シールを提供する位置に向けて前記壁パネル(510)を案内するように適合されている、請求項11のキットセット。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下は、本発明のさまざまな実施形態の説明であり、単なる例として図面を参照して与えられる。
【0028】
荷電粒子リソグラフィシステム
図1は、荷電粒子リソグラフィシステム100の実施形態の単純化した概略図を示している。そのようなリソグラフィシステムは、たとえば米国特許第6,897,458号と第6,958,804号と第7,019,908号と第7,084,414号と第7,129,502号、米国特許出願公開2007/0064213号、同時継続中の米国特許出願61/031,573号と61/031,594号と61/045,243号と61/055,839号と61/058,596号と61/101,682号に説明されており、それらはすべて本発明の所有者に譲渡されており、参照によってそっくりそのまますべてここに組み込まれる。
図1に示された実施形態では、リソグラフィシステムは、拡大する電子ビーム120を生成するための荷電粒子源たとえば電子源101を備えている。拡大する電子ビーム20は、コリメーターレンズシステム102によってコリメートされる。コリメートされた電子ビーム121は、開口アレイ103に衝突し、それは、ビームの一部を遮断して複数の電子サブビーム122を作り出す。
【0029】
サブビーム122は、ビームストップアレイ105の平面にサブビームを合焦させる集光レンズアレイ104を通過する。合焦されたサブビーム122は、第二の開口アレイ105に衝突し、それは、サブビームの一部を遮断して、各サブビーム122から一群のビームレット123を作り出す。システムは、多数のビームレット123、好ましくはおよそ10,000ないし1,000,000のビームレットを生成する。
【0030】
第二の開口アレイ105はまた、ビームレットブランカーアレイ105を備えており、それは、一つ以上の電子ビームレットを個々に偏向するための複数のブランカーを備えている。偏向および非偏向電子ビームレット123はビームストップアレイ108に到着し、それは、複数の開口を有している。ビームレットブランカーアレイ105とビームストップアレイ108は連携して、ビームレット123を遮断または透過するように動作する。ビームレットブランカーアレイ105がビームレットを偏向すれば、それは、ビームストップアレイ108中の対応する開口を通過せず、その代りに遮断される。しかし、ビームレットブランカーアレイ105がビームレットを偏向しないならば、それは、ビームストップアレイ108中の対応する開口を通過し、ビーム偏向器アレイ109と投影レンズアレイ110を通過する。
【0031】
ビーム偏向器アレイ109は、ターゲット130の表面を横切ってビームレットを走査するために、非偏向ビームレットに実質的に垂直なXおよび/またはY方向の各ビームレット124の偏向を提供する。次に、ビームレット124は、投影レンズアレイ110を通過し、ターゲット130上に投影される。投影レンズ設備は、好ましくはおよそ100ないし500倍の縮小率を提供する。ビームレット124は、ターゲットを運ぶための移動可能ステージ132上に配置されたターゲット130の表面に衝突する。リソグラフィ応用装置に関しては、ターゲットは、通常、荷電粒子感応層またはレジスト層が設けられたウェーハで構成される。
【0032】
荷電粒子リソグラフィ装置は、真空環境中で動作する。真空は、荷電粒子ビームによってイオン化され得る粒子を除去するために望まれる。そのような粒子は、源に引きつけられ得、分離されてマシンコンポーネント上に堆積され得、荷電粒子ビームを分散させ得る。荷電粒子リソグレフィマシンのために少なくとも10
−3mBarの真空が一般に必要とされる。真空環境を維持するために、荷電粒子リソグラフィ装置は真空チャンバー140内に設置されている。リソグラフィシステムの主要な要素のすべては、荷電粒子源と、ビームレット開口および抹消システムと、ビームレットをウェーハ上に投影するための投影系機システムと、移動可能ウェーハステージを含み、好ましく共通の真空チャンバー内に収納されている。別の実施形態では、荷電粒子源は個別の真空チャンバー内に収納されてよい。
【0033】
モジュール式リソグラフィシステム
図2は、モジュール式リソグラフィシステムの主要な要素を示している単純化したブロック図を示している。リソグラフィシステムは、好ましくは、保守の容易さを与えるためにモジュール式方式に設計されている。主要なサブシステムは、好ましくは、自己充足的かつ取り外し可能モジュールで建造され、それにより、それらは、他のサブシステムへの可能な限り少ない外乱で、リソグラフィマシンから取り外されることが可能である。これは、真空チャンバー内に閉じ込められたリソグラフィマシンにとって特に有利であり、そこではマシンへのアクセスは限定される。したがって、不必要に他のシステムを分離または妨害することなく、欠陥のあるサブシステムがすばやく除去され交換されることが可能である。
【0034】
図2に示される実施形態では、これらのモジュール式サブシステムは、荷電粒子ビーム源101とビームコリメート系102を有する照明光学モジュール201と、開口アレイ103と集光レンズアレイ104を有する開口アレイおよび集光レンズモジュール202、ビームレットブランカーアレイ105を有するビームスイッチモジュール203と、ビームストップアレイ108とビーム偏向器アレイ109と投影レンズアレイ110を有する投影光学モジュール204を有している。モジュールは、整列フレームに滑り入るおよびそこから滑り出るように設計されている。
図3に示された実施形態では、整列フレームは、整列内側サブフレーム205と整列外側サブフレーム206を備えている。フレーム208は、振動減衰マウント207を介して整列サブフレーム205と206を支持している。ウェーハ130はウェーハテーブル209上にもたれており、それは、今度はチャック210に装着されている。チャック210は、ステージショートストローク211とロングストローク212上に鎮座している。リソグラフィマシンは、真空チャンバー240中に閉じ込められており、それは、一つまたは複数のミューメタル遮蔽層215を有している。マシンは、フレーム部材221によって支持されたベースプレート220上にもたれている。
【0035】
各モジュールは、多数の電気信号および/または光信号と、その動作のための電力を必要とする。真空チャンバーの内側のモジュールは、一般にチャンバーの外側に設置されたコントロールシステムからこれらの信号を受け取る。真空チャンバーは、コントロールシステムから真空ハウジングの中に信号を運ぶケーブルを、ケーブルの周囲の真空シールを維持しながら取り込むための、ポートと呼ばれる開口を有している。各モジュールは、好ましくは、そのモジュールに専用の一つ以上のポートを通って引き回される電気的、光学的、および/または電力のケーブル接続の収集体を有している。これは、特定のモジュールのためのケーブルが、他のどのモジュールのためのケーブルを邪魔することなく、分離、除去、および交換されることを可能にする。
【0036】
リソグラフィマシンのクラスター
図3Aは、共通ウェーハ搬入システムと共働するリソグラフィマシン300の群のレイアウトの一例を示している。この例では、マシンの単一のクラスターを形成するために十個のリソグラフィマシン301が五つの二つ列に配置されているけれども、より少ないまたはより多い数のマシンが一つのクラスターに組み込まれてよい。各リソグラフィシステムはそれ自体の真空チャンバー内に包含されており、各チャンバーの前部は中央通路310に面し、各チャンバーの後部はアクセス廊下306に面している。
【0037】
中央通路は、各リソグラフィマシン301におよびそこからウェーハを搬送するための搬送ロボット305と、ウェーハをマシンの中および外に搬入および搬出するための各マシン301のためのウェーハハンドリングロボット303と、マシンのウェーハステージをその真空チャンバーの内側で移動させるための各マシンのためのステージアクチュエーター304を収容している。
【0038】
共通搬送ロボット305は一つよりも多くのロボットユニットを備えていてよく、各ロボットユニット、共通ロボット305に割り当てられた機能をおこなうように構成されている。あるロボットユニットが正常に働かないならば、別のロボットユニットがその機能を引き継いでよく、それは、ロボット故障によるクラスターの中断時間を最小限にする。正常に働かないロボットユニットはクラスターから取り除かれてロボット記憶装置307に移送されてよく、そこで、クラスターの動作を邪魔することなく保守点検され得る。
【0039】
各真空チャンバーは、ウェーハを受け入れるためのウェーハ搬入開口をその前部壁に有している。ロードロック(およびロボット)は好ましくは、ほぼリソグラフィマシンのウェーハステージの高さに、すなわち、およそ真空チャンバーの高さの半分に配置されている。ロードロックまたはウェーハ搬入ユニット303と、ステージアクチュエーター304は、
図3Aに横並びに示されているけれども、これらは、好ましくは、
図3Bの設備に示されるように、ロードロックまたはウェーハ搬入ユニット303をステージアクチュエーター304の上方にして配置される。各真空チャンバーはまた、メンテナンスと修理と運用上の調整のためにリソグラフィマシンへのアクセスを許すためのドアをその後部壁に有している。
【0040】
各リソグラフィマシンは好ましくは、それ自体の真空チャンバー内に配置されている。荷電粒子源[??]と、ウェーハ上にビームレットを投影するための投影機システムと、移動可能ウェーハステージを含め、荷電粒子リソグラフィシステムの主要要素のすべては、共通の真空チャンバー内に好ましくは収納されている。荷電粒子リソグラフィシステムを収納するための真空チャンバー400のさまざまな実施形態が以下に詳細に説明される。各マシンのためのウェーハハンドリングロボットとステージアクチュエーターは、リソグラフィマシンを備えた同一真空チャンバー内に配置されてもよく、または、個別の真空チャンバー内に配置されてもよい。ステージアクチュエーターは一般に、リニア電気モーターなどの電気モーターを有しており、それらは、好ましくは磁場遮蔽によってリソグラフィマシンから分離されている。これは、リソグラフィマシンを収納する真空チャンバーの壁に一つ以上のミューメタル層を設け、ステージアクチュエーターを個別のチャンバー内に設置するによって実施されてよい。
【0041】
fabの床面積は、fabを建造し管理する高いコストと、fabが増大するにつれたコストの増大のために、大切である。したがって、fab床面積の効率的な使用は重要であり、リソグラフィマシンは好ましくは、可能な限り少なく床面積を占めるように、また可能な限り効率良く他のマシンに取り付けられるように設計される。
【0042】
真空チャンバーは好ましくは実質的に正方形の設置面積を有している(すなわち、チャンバーの床は正方形またはほぼ正方形である)。これは、円形ウェーハを露光するために特に設計されたリソグラフィマシンを収納するための効率的な配置を可能にし、たとえば
図3Aに示されるような複数リソグラフィマシンの効率的な配置を作り出す。さらに、チャンバーは箱形状を有していてよく、好ましくは必要なfab面積のさらなる低減を可能にする高さに制限されている。いくつかの実施形態では、チャンバーは実質的に立方体に形づくられる(すなわち、チャンバーの高さはその幅と深さとほぼ同じである)。
【0043】
代替配置では、真空チャンバーは、横並びに配置されるほかに、またはそれに加えて、鉛直に積み重ねられる。
図3Bは、そのような配置の複数の真空チャンバーの一列の斜視図を示している。たとえば、
図3Aに示されるような同一床面積に(二層で)20チャンバーまたは(三層で)30チャンバーの配置を作り出すために、二つ、三つまたは可能なより多くの真空チャンバーの層が使用されてよい。複数チャンバーは、共通の真空ポンプシステムと、共通の搬送ロボットシステムを利用してよい。代わりに、共通の真空ポンプシステムと共通の搬送ロボットシステムは、チャンバーの各層に対して、またはチャンバーの各列に対して利用されてよい。
【0044】
モジュール式真空チャンバー
従来の設計では、チャンバー400は、壁を合わせてそれらの端を溶接することによって建造される。しかしながら、壁を溶接することは、たとえば、真空チャンバー壁を変形させることなく高精度真空耐密溶接をおこなう困難さのために、遅く高価になることがある。さらに、これは、最終目的地へ運送する前に工場で真空チャンバーが完全に組み立てられることを通常必要とし、運送する物品の大きさを増大させ、運送の費用を増大させる。これは、チャンバーが飛行機で送られることになっている場合(海上輸送によって引き起こされる腐食や他の問題を回避するために好まれ得る)、さらに重要になる。
【0045】
いくつかの実施形態では、真空チャンバー400は、壁が固定またはヒンジ連結されたフレームを備えていてよい。このように、真空チャンバーは、取り外されたフラットパック形状で運送され、現場またはその最終地に近い場所で組み立てられることが可能であるキットセットとして建造されることが可能である。真空チャンバーのコンポーネントは溶接することなく組み立てられてよく、チャンバーがポンプ吸引されるときに、チャンバーの内部の真空の力が、壁パネルの間のあらゆるすきまを閉じ、パネルを合わせて密接に保持するように働く力を及ぼすことによって、真空密接構造物を形成することを支援するようにチャンバーが建造されてよい。
【0046】
この種の構造物は、従来の設計に対して多数の長所を有している。真空チャンバーの一部は、規格化コンポーネントとして設計され、より大きい製造量で製造されてよく、平行して製造されてよく、および/または、製造は、所要時間とコストを低減するために専門家製造業者に外部委託されてよい。コンポーネントの最終組立は、カスタマイズされた工具や重機械なしでおこなわれてよく、必要な溶接の量を低減し、製造工程を単純化し、製造時間を低減する。チャンバーは、運送容積を低減するとともに異なるコンポーネントの個別の船積みを可能にするために分解されて運送されることが可能であるので、モジュール式設計は、チャンバーを運送することに、より大きい柔軟性を提供する。モジュール式設計はまた、工場からのチャンバーの船積みの後においても、真空チャンバーの明細たとえばチャンバーの大きさと形状を変更することに、より大きい柔軟性を提供する。
【0047】
ここに説明される真空チャンバーは荷電粒子リソグラフィマシンを収納するために好適であるが、真空環境が必要ところならどこでも、他の目的のために使用されてよいことに注意されたい。ここに使用されるように、「真空」は、完全な真空を指すものではなく、チャンバーを取り囲む環境内の圧力よりも低い真空チャンバーの内部空間内の内部圧力を指す。たとえば、少なくとも10−3mbar、好ましくは10−6mbarの真空は荷電粒子リソグラフィマシンにとって好適であるが、真空チャンバーの他の用途は、チャンバー内に形成されるべき真空に対して異なる要件を有し得る。容積1m×1m×1mの真空チャンバーと1barの各壁を横切る圧力差に対して、各1m×1m壁パネルに及ぼされる力は105Nである。この力のもとにおける壁パネルおよびフレーム部材の変形の量は好ましくは、はっきり目に見えるよりも小さく、たとえば10mm未満である。
【0048】
図4Aは、真空チャンバーのためのフレーム500を示しており、角部構成物502によって接続されたロッドまたは支柱の形態をしているフレーム部材501を有している。
図4Bは、チャンバーの一実施形態中の支柱501を接続している角部構成物502の詳細を示している。角部構成物502は、単一の部品中のフレーム部材501の一部として形成されてよい。たとえば、フレーム部材のいくつかは、一端または両端に形成された一体的角部構成物を備えて作られてよく、その一方で、フレーム部材のいくつかは、いかなる角部構成物も備えることなく作られる。別の設備では、フレームは二つの部品から形成されてよく、そのおのおのは、正方形または長方形の形態の一つの一体部品に形成された四つのフレーム部材と四つの角部構成物を備えており、二つの部品はそれから四つの個別のフレームによって接続されて組立フレームを形成する。代わりに、角部構成物は、フレーム部材501が互いに直接接続するように、完全に省略されてよく、フレーム部材の端部は、以下により詳しく説明されるような接続に適合されている。
【0049】
たとえば
図7Aと7Bに示されるように、壁パネル510は、内部空間を取り囲んで真空チャンバーを形成する。壁パネルは、壁パネルを所定の配置に設置する接続部材を使用してフレーム500に取り外し可能に付けられてチャンバーを形成し、内部空間に真空を形成する結果として壁パネルの端に真空密接シールが形成されるようにシール部材が壁パネルの端に設けられる。
【0050】
この種の構造物は、アルミニウム、ステンレススチールまたは他の適切な材料の組立式および規格化コンポーネントから真空チャンバーが建造されることを可能にする。規格角部構成物502はフレーム部材501と組み合わされることが可能であり、それは、変化する大きさと形状の迅速建造真空チャンバーを可能にするために規格化長さのひとそろいに組立式に製造されることが可能である。壁パネルは、同様に、規格化サイズに組立式に製造されることが可能である。
【0051】
フレーム部材501は、接着剤、ピン、ボルト、連結突出部、および/および/または他の適切な接続方法によって、角部構成物502に、または互いに接続されてよい。
図4Bは、フレーム部材501を角部構成物502に固定または設置するためのピンまたはボルトの504で構成される接続要素を収容するための切り欠き部503を有している角部構成物502の一例を示している。フレーム部材はまた、フレーム部材と角部構成物の間で塗布された接着剤たとえばアラルダイト20/20を使用して角部構成物に好ましくは固定される。
【0052】
真空チャンバーの表面の清潔は、特に荷電粒子リソグラフィマシンに使用されるとき、しばしば重要である。クリーニングは、ここに説明される実施形態において提供されるような、表面の粗さが低いより大きい平らな構造体に対して最も容易である。清掃をより容易にするために、また気体抜けや脱気などの他の問題を低減するために、真空の内側の総表面積を最小にすることと、真空の内側の角部と空洞を最小にすることも好ましい。したがって単純立方設計は有益である。
【0053】
真空チャンバーのコンポーネントに使用された材料は、真空下における気体抜けや脱気を制限するように好ましくは選択される。低蒸気圧混合物のない金属は内側表面に好ましく、水または有機化合物からの汚染をもたらすことがある非金属は避けるべきである。(亜鉛なしの)アルミニウムは内側表面に好適である。
【0054】
図5Aは、フレーム部材501と角部構成物502の間の継ぎ目を通る断面図を示しており、フレーム部材501を固定または設置するためのピンまたはボルト504は所定の位置にある。
図5Bは、代替実施形態を示しており、突出部512が、角部品502の対応凹部と連結するためにフレーム部材501の端に形成されている。フレーム部材に凹部があり、角部構成物の接続表面に突出部が代替的に形成されてもよい。
図5Cは、別の実施形態を示しており、合せピン513が、フレーム部材501と角部構成物502の両方の凹部にはまっている。省略されてもよいけれども、好ましくは、接着剤もこれらの実施形態に使用される。ボルトとピンと突出部は、好ましくは、接続される部品(すなわちフレーム部材と角部構成物)を一時的に設置するように、また、好ましくは、接着剤が硬化するあいだ張力を与えるように機能する。これは、組み立てを単純化し、また、接着剤が塗布された後だが硬化する前に、フレームが傍観されるか接触されないままにされなければならい時間を低減する。
【0055】
図6Aは、真空チャンバーの真空密接を改善するために接合部間に形成されたシールを改善するためにフレーム部材と角部構成物の間に配置されたシール部材509を備えた継ぎ目を通る断面図を示している。接着剤が、シール部材と一緒に、またはシール部材の代わりに使用されてよい。
図6Bは、二つの部品の間に塗布された接着剤506を示している。接着剤型507が、継ぎ目の外側表面を(図中に示された方向508に)押して、接着剤の表面を平らにして、
図6Cに示されるような、壁パネルがもたれる滑らかな表面を確実にするために使用されてよい。
【0056】
シール部材は、シート、ディスク、ホイル、平ワッシャー、Oリング、または同様物であってよい。銅やインジウムなどの、好ましくは通常の室温と圧力で弾性的に変形可能な軟金属材料が使用されてよく、または、ポリテトラフルオロエチレンやPTFEなどの合成材料が使用されてよい。シール部材はまた、低揮発性真空グリースまたは接着剤などのシール剤で構成されてよい。シール部材は接着剤と一緒に使用されてもよく、または、シール部材がまた接着剤として機能してもよい。
【0057】
壁パネル510は
図7Aに示されるようにフレーム上に配置されており、その図は、フレームに固定された一枚の壁パネルを備えた部分的な組立体を示しており、また、
図7Bは、真空チャンバーの角部にある三つの壁パネル510を示している。壁パネルは、後述するさまざまな方法を使用して、それらの端で互いに、および/または、フレームに固定されてよい。
【0058】
図8Aは、壁を直接合わせてそれらの端で取り付けることによって作られる構造物を示している。段付き端を備えた二つの壁510が、
図8A示されるように連結され、接着剤506および/またはシール部材509が隣接する表面間に適用される。適切な接着剤の一例はアラルダイト2020であり、上に説明したようなシール部材は使用されてもよい。一つの壁を貫通して別の壁の凹部まで延在する(ボルトまたは設置ピンなどの)接続部材504は、接着工程のあいだ壁を設置するために使用されてよい。
【0059】
代替建造方法が
図8Bに示される。壁510の端は角度が付けられており、一片部材516は壁の端の間に配置されている。たとえばボルトまたはピンの形態の接続部材517が壁と一片を設置するために使用されてよく、また、(バイトンOリングなどの)OリングやCリング522などのシール部材または上に説明したような他のシール部材が、壁510と一片516の間の継ぎ目を封止するために使用されてよい。接続部材517は、好ましくは、Oリング522の外側に組み込まれてよい。代わりに、壁部材510の角度付き端が直接接合されるように一片部材516が省略されることが可能であってよい。壁パネルが付加的に継ぎ目を封止するものであるならば、シール層515が内側表面に適用されてよい。
【0060】
これらの構造物は、チャンバー内の真空によって作り出された圧力が、壁の継ぎ目を引っぱってより良いシールを作り出すのを助ける自己締め付け設備をもたらす。
図8A実施形態の壁パネルの連結段付き端と
図8B実施形態の角度付き端と(追加の一片部材を伴う)角度付き端は、チャンバーをポンプ吸引することに起因する力のもとで、一つの壁パネルが他を支持し、要素間の継ぎ目がより密接に保持されることをもたらす。角部品と合わさって一片を同様の一片に異なる向きで接続する一片516は、真空チャンバー壁に組み込まれる自己圧迫フレーム構造を形成し得る。
【0061】
図9Aは、壁パネル510がフレーム部材501に固定される実施形態を示している。ピンやボルトや同様物の形態の接続部材504は、壁パネルをフレーム部材に固定または設置するために設けられる。前の実施形態でのように壁パネルをフレーム部材に接続するために接着剤が使用されてもよい。ピン/ボルトは、
図9Aに示されるように、壁パネルを貫通し、フレーム部材中の凹部の中に入ってよい。OリングまたはCリング522などのシール部材または上に説明された他のシール部材が、壁パネル510とフレーム部材501の間に設けられてよい。OリングまたはCリングなどのシール部材を収容する凹部が、
図9Aに示されるようにフレーム部材に、および/または、壁パネルの内側表面に設けられてよい。真空チャンバーがポンプ吸引されるとき、チャンバーの内部の真空の力が、壁510をフレーム部材501により密に接触させて引き込み、したがって、壁パネルの端の周囲に真空密接シールを形成することを支援する。
【0062】
図9Bは、壁パネル510Aと510Bをより容易に正しい位置に設置するように設計された断面を備えたフレーム部材501を有している別の代替構造物を示している。フレーム部材は、上に説明したような角部構成物を備えたフレームに組み立てられてよい。壁パネルは、フレーム部材501の切り欠き部552にぴったり入る。壁パネル510は、接続部材504によって固定および/または設置されてよく、追加のシールが、OリングまたはCリング522などのシール部材によって壁パネルとフレーム部材の間に設けられてよい。前の実施形態でのように壁パネルをフレーム部材に接続するために接着剤が使用されてもよい。
【0063】
フレーム部材501の形状は、気密チャンバーを作り出す真空力を利用する頑丈な構造物をもたらす。真空チャンバーがポンプ吸引されるとき、チャンバーの真空は壁パネルを内側に押す力を及ぼす。この力は、
図9Bの矢印AとBによって概略的に示される。方向Aの力は、壁510Aをフレーム部材501に押し当てるように働き、それらの間のあらゆるすきまを低減し、それらの間のシールを改善する。チャンバー内に十分な高真空がつくり出されるとき、フレーム部材がわずかに曲がることがあることが予期され得る。しかしながら、フレーム部材の形状のおかげで、それは隣接する壁パネル510Bによって強化される。壁510Aがフレーム部材501に十分な力で押し当たるとき、フレーム部材は、壁パネル510Bの端部に押し当たり(
図9Bに矢印A’によって概略的に表わされる)、フレーム部材のさらなるゆがみを防止する。方向Bの力の結果として同様の効果が起こる。壁510Bがフレーム部材501を十分な力で押し当たるとき、フレーム部材は、壁パネル510Aの端部に押し当たり、フレーム部材のさらなる歪みを防止する。これは、単純なモジュール構造をもたらす。
【0064】
図9Cは、
図9Aに示される構造物の変形例を示している。一つの壁パネルが
図9Aに示されるように配置されており、一方、別のものが迅速解放ラッチ524でフレーム部材501に固定されている。前の実施形態と同様に壁パネルをフレーム部材とシール部材に接続するために接着剤が使用されてもよい。
【0065】
図9Dは、
図9Aに示される構造物の別の変化例を示しており、一つの壁パネルがヒンジ設備に装着されている。フレーム部材501からの突出部526は、ヒンジピン528を収容するための溝527を有している。対応する接続部品または壁パネル525の突出部または拡張部もまた、ヒンジピン528を収容するための穴を有している。これは、一つ(以上)の壁パネルを、方向530にヒンジで動く真空チャンバーのためのドアとして利用する単純な構造物を可能にする。接続部品525は、壁パネル510Bへの取り付けのためのピンまたはボルト504で図面に示されているけれども、接着や溶接やその他などの他の取り付けの手段が等しく使用されることが可能であろう。壁パネル510Bの他の端は、壁パネル510Aと同一方法で対応するフレーム部材に固定されてよく、前の実施形態のようにシール部材が使用されてよい。代わりに、壁パネル510Bは、他の一つ以上の端にヒンジ設備を有していてもよい。一実施形態では、真空チャンバーの横の壁パネルはすべて、壁パネルの各鉛直端のヒンジ設備を使用して、フレームに装着される。
【0066】
ポンプ吸引されたチャンバー内の真空によって及ぼされる力のもとで、壁パネル510Bが内側に移動し、フレーム部材501(および存在するならばOリングまたはCリング522または他のシール部材)に対して封止することを可能にするために、ヒンジ設備は、ヒンジに十分な遊びがあるように好ましくは設計されている。この遊びは、たとえば、
図9Dの実施形態の溝527によって提供される。必要ならば、容易な初期組み立てのために、またチャンバーからの壁パネル510Bの完全な取り外しのために、現場での容易な組立および分解のためにヒンジピン528が設計されてよい。
【0067】
チャンバーの壁パネルの一つ以上は、壁パネル510Bと同様にヒンジが付けられてよく、チャンバーのための一つ以上のドアを供給する。
図9Eは、そのような設計を示しており、ドア510Aと510Bの両方がヒンジ設備525と526を使用してフレーム部材501に取り付けられている。少なくとも一つのドアは、好ましくは、真空チャンバーの一つの全体の壁として形づくる。この設備は、リソグラフィシステムのコンポーネントをチャンバーの中および外に移動させるために最大の幅および高さを提供し、それは、モジュール式設計を有しているリソグラフィシステムの重要な利点である。それは、モジュールからスライドし、続いてそれを交換することを、たとえば、真空チャンバーに入る必要なくして保守点検されることを可能にする。
【0068】
壁パネルは、それらのすべての端でヒンジ装置によってフレームに取り付けられてよい。
図10は、上に説明したようなヒンジ設備を使用するフレームへの取り付けのために壁のすべての端に接続部品525を有している壁パネル510を示している。一つまたは複数のドアが、側方、上方または下方に開くように配置されてよい。いくつかの装置では、ドアは実質的に垂直に開くように配置されてよく、リソグラフィマシンに必要な床面積を最小にする。この配置は、他の機器または壁が真空チャンバーの比較的すぐ近くに配置されることを可能にし、または作業またはアクセス空間を必要とするドアブロック有することを避ける。いくつかの実施形態では、ドアは、ドアが上方に揺動することを可能にするヒンジ付きアームに装着され、他の実施形態では、ドアは、巻き上げシステムによって開かれる。
【0069】
ドアとして機能するヒンジ付き壁パネルは、好ましくは、チャンバーから手で取り外すのに十分に軽い。前の真空チャンバー設計は、およそ300kgの重量であるドアを特色としたが、真空チャンバーの好ましい実施形態は、アルミニウムの積層構造物を使用し、およそ25kgの重量に作られた、より小さい壁パネル/ドアを有している。
【0070】
図11Aと11Bは、ヒンジ設備の追加の詳細を示している。
図11Aは、フレーム部材501に取り付けられた壁パネル510Bの端面図であり、接続部品525と突出部526とヒンジピン528の配置を示している。ヒンジピンを適所に維持するためにクリップ529が使用されてよい。
図11Bは、両方の突出部526を形成する単一の部品を通る断面図を示しており、また、壁パネル/ドアが開いているのに対応する回転された位置の接続部品525を示している。この設計では、ボルト531が突出部部品526をフレーム部材に取り付け、ボルトは、ヒンジピン528が凹部532内のボルト531を保持するように凹部532内に配置されている。
【0071】
図12は、壁パネルが互いに直接取り付けられているまた別の配置を示す示している。示された実施形態では、パネル510Aと510Bは、ヒンジ設備(接続部品525とヒンジピン528)を使用して互いに取り付けられているけれども、ラッチや締め付けや他の接続デバイスなどの多くの他の手段が使用されてもよい。
【0072】
図13は、二つのドアパネル540と541に分割された真空チャンバーの壁パネル510を示している。ドアパネルが出合うところである端542は、ドアパネルの間のシールを容易にするために波打ち形状を有している。パネルの硬さと強さを増大させるために壁パネルを強化するための横梁545が使用されてもよい。
【0073】
図14Aは、モジュール式真空チャンバーの別の設備を示している。チャンバーは、フレーム部材501と角部構成物502を備えたフレームを備えている。角部構成物は、フレーム部材の一部として形成されてよく、または省略されてよい。壁パネル510は、交差部材561を備えて建造され、それは、描かれた実施形態の壁パネルの内側表面に配置されている。
図14B〜14Dは、真空チャンバーの追加の詳細を示している。交差部材561は、それらの端に形成された溝または凹部564を有しており、それは、フレーム部材501の対応する位置に取り付けられたピンまたは突出部565と係合する。描かれた実施形態は、各壁パネルの内側表面に一つの水平および一つの垂直の交差部材を有しているけれども、異なる数の交差部材が、水平、垂直または斜めに配置して使用されてもよい。さらに設備を強くするために隅要素562が組み込まれてもよい。
【0074】
この設備では、壁パネルは適所に置かれ、必要なときに取り外されてよい。壁パネルは、フレーム部材に決まった位置でぴったりはまり、交差部材と、ピン/突出部565とつがう溝/凹部564は、壁パネルを所定の位置に設置するように機能する。壁パネルは、好ましくは、パネルの重量を支える巻き上げ機やヒンジ設備を必要とすることなく、それらが一人の人または二人の人によって持ち上げられることが可能であるように十分に軽い。壁パネルの手作業による配置と取り外しを支援するためにハンドル563が設けられてよい。
【0075】
図14Eは、真空チャンバーでの使用のための角部構成物502のさまざまな形状を、接続部材(たとえばピンまたはボルト504)を収容するための切り欠き部503と、接続部材を収容するための穴または凹部505と共に示している。
【0076】
図14F〜14Gは、OリングやCリングなどのシール部材を収容するための溝または凹部570を有している角部構成物502とフレーム部材501を示している。溝は、フレームと壁パネルの間にシールを形成するようにシール部材を位置決めするように設置されている。
図14Gに示されるように、溝570は、壁パネルの一つ以上の端の周囲を封止するために設置されてよい。他の実施形態のために説明されたシール部材のいずれもが、角部構成物とフレーム部材の間を、および/または、フレームと壁パネルの間を封止するために、この実施形態に使用されてよい。
【0077】
真空チャンバーの角部地点は、真空密接を達成するための重要地点である。角部構成物にある溝は、シール部材を案内し、チャンバーの角部の真空密接シールを確実にするように動作する。フレーム部材と角部構成物を接着することによって、またさまざまなコンポーネントが接合されるところである領域を表面処理することによって、角部において、また壁パネルの端の周囲の個所において、シールも改善されることが可能である。壁パネルの端に封止するための平滑表面を確実にするためにフレーム部材と角部構成物の組み立ての後に最終フライス工程段階がおこなわれてもよい。シールが形成される表面の粗さは好ましくはおよそ0.8Raである。
【0078】
図14Hは、真空チャンバーの内部空間に真空がもし形成されたときに構造体に作用する力を示している14Aの真空チャンバーの一部を切り取った図を示している。チャンバーの内部空間に真空が形成されるとき、チャンバーの外側の大気圧が壁パネル上の力を及ぼし、それらを内側に、より密接にフレームに押し当てる。この力は、より良いシールをフレームによりかかる壁パネルの端の周囲に形成するのを支援する。壁パネルに及ぼされる力はフレーム部材に伝達され、それは、チャンバー内に高真空が形成されるときに圧力のもとでわずかに内側に曲がる傾向がある。この実施形態では、交差部材は、フレーム部材の曲がりを低減または防止するとともに構造体の剛性を増大させる反力を及ぼすことによって追加の支持を提供する。
【0079】
上に説明された実施形態のすべてにおいて、接続部材は、壁パネルの小さい所定の範囲の移動を提供しながら壁パネルを設置するように適合されてよい。壁パネルがわずかに移動することを許すことによって、接続部材は、真空チャンバーの内部空間に真空が形成されるときに、壁パネルが少量だけ内側に移動し、より密接にシール部材に封止することを可能にし、それにより、チャンバー内に真空を形成する動作によって真空密接シールが作り出される。接続部材は、壁パネルの端に真空密接シールを実際に提供することなく、壁パネルを適所に設置するように設計されてよい。代わりに、接続部材が、壁パネルの端にほぼ真空密接シールを提供してもよい。真空がチャンバーの内側に真空が形成されるとき、チャンバーの外側の大気圧の力によって壁パネルが内側に押されるときに密接シールが作り出される。接続部材は、壁パネルの端に真空密接シールが形成される位置に向けて壁パネルを案内するように動作してよい。
【0080】
壁パネルの端の周囲に真空密接シールが形成されるのを可能にするために、チャンバーの中への空気漏れの流量よりも十分に高いポンプ能力を有している真空ポンプを使用することによって真空チャンバー内に真空が形成される。チャンバーの中への漏れ量は、チャンバーの設計と、使用されるシール部材のタイプに依存する。メタルシールを通る気体漏れは、シールを横切る10
−6mbarの圧力で無視できるが、一般的なOリングシールは気体に対して透過性がある。水に対して5mm径Oリングのおおよその透過度は、Oリング長のメートルあたり秒あたりおよそ1.8×10
−6mbar−literであり、窒素に対しては0.8×10
−6mbar−l/s/m、酸素に対しては0.2×10
−6mbar−l/s/mである。各壁パネルの四つの端領域の周囲を封止するための単一シール部材を備えた大きさ1m×1m×1mの真空チャンバーは、ほぼ24mの総シール部材長と、およそ43×10
−6mbarl/sの水に対する透過度を有している。これは一般に単に、真空ポンプ能力の小さいパーセンテージである。
【0081】
真空ポンプは、たとえば後述するようなポートを介して真空チャンバーの内部空間に接続される。壁は適所に置かれて内部空間を取り囲み、ポンプはチャンバーから空気を取り除くように動作される。真空ポンプがチャンバーの内側の圧力を低下させるとき、真空密接シールがまだ形成されていないところの壁パネルの端の周囲からチャンバーの中へ空気が漏れる。チャンバーの内側の圧力が落ちるにつれて、外部の圧力が壁パネルに力を及ぼし、それらをフレームに、より密接に押し当てて、壁パネルの端の周囲に、より良いシールを形成する。真空ポンプの空気排除能力が内部空間の中へ漏れる空気の流量よりも十分に大きければ、壁パネルに作用する力は、真空密接シールを作り出すのに十分であり、チャンバー内に所望の真空が形成されることが可能である。
【0082】
真空チャンバー形状
上記の実施形態のいずれかにしたがって建造された真空チャンバー400は、いろいろな形状と大きさを有しているリソグラフィマシンまたは他のタイプの機器を収容するようにさまざまな方法で構成されてよい。
図15Aは、正方形または長方形断面をもつ主要部470を備えるように、また、横柱の形態の追加部471と突出箱の形態の472を備えるように構成された真空チャンバー400を示している。これらの追加部は、上に説明された同一モジュール式タイプ構造物を使用し、フレーム部材と角部構成物と壁パネルを利用して建造されてよい。
図15Bは、横柱471を収容する切り欠き部550を備え、それにより主要部470と横柱471が一つの単一内部容積を備えた真空チャンバーを形成する横壁パネル510C示している。
【0083】
図15Cは、主要真空チャンバー部470に付いている柱部471の分解組立図を示している。柱部471はフレーム部材501Aと角部構成物502を備えている。柱部471のフレーム部材は、主要部の追加フレーム部材501Bに、フレーム部材501Bの凹部または穴547の中に延びるボルトまたはピンを使用して接続されてよい。これらの凹部または穴は、現場での迅速な組み立てのために、あらかじめ空けられ、またふさがれてよく、真空チャンバーに対するボルトオン拡張の構造物を可能にする。真空チャンバーに対する変化する要求に応じたさまざまな形状へのフレームの迅速な組み立てを可能にするために、フレーム部材510Bに沿った規格化位置にひとそろいの穴があらかじめ空けられてよい。
【0084】
これらの拡張部は、正規の立方体または長方形輪郭の外側にマシンの主要部から突出するリソグラフィマシンのさまざまな部品を収容するように配置されることが可能である。壁パネルは、主要部と拡張部のいくつかまたはすべてを含めて単一の真空密閉箱が作り出されるように追加された拡張部を備えてフレームに取り付けられてよい。代わりに、壁パネルは、複数の個別の真空密閉箱を作り出す方法で取り付けられてよい。
【0085】
図16A〜16Cは、フレーム部材501にあらかじめ空けられた穴または凹部547を、ピンまたはボルト548またはストッパー549でふさぐためのさまざまな設備を示している。OリングやCリング522などのシール部材が、これらの設備のいずれか一つと共に使用されてよい。
【0086】
図17Aは、ステージアセンブリ220と電気光学鏡筒221と源チャンバー222を備えているリソグラフィマシンを収納している立方体真空チャンバーを示している。図面で理解されることが可能であるように、真空チャンバーの正方形形状は、特に領域240に、チャンバーの内部の大量の未使用空間をもたらす(図面は二次元表現に過ぎず、チャンバーの前部および後部領域に起こり得る同様の結果を示していないことに注意されたい)。この未使用空間は、真空チャンバーの容積を不必要に増大させ、ポンプ吸引するより大きい容積と、より遅いポンプ吸引またはより大きい真空ポンプの必要を招く。未使用空間はまた、追加の機器を収納するために使用されたかもしれないfab内の空間を消費する。
【0087】
図17Bに示されるように、真空チャンバーは、真空チャンバー内の未使用空間を低減するように建造されてよい。
図17Bでは、真空チャンバー400が、リソグラフィマシンの輪郭に、より接近して合うように構成され、より狭い上方部とより広い下方部をもたらす。これは、ポンプ吸引するより小さい容積をもたらし、また、fab内の追加の床面積を消費することなく、また組立体全体の高さを増大させることなく、真空チャンバーの隣に機器ラックまたはキャビネット477と(真空ポンプなどの)他の機器を設置する空間を解放する。この設備は、
図3Bに示される積み重ね鉛直配置を達成するのを支援し、一般的な組立体の高さをおよそ3mからおよそ1m〜1.5mに低減し得る。クリーンルームの標準の天井高さは3.5mであるので、この設備は、三つの(関連機器を備えた)真空チャンバーが積み重ねられることを、好ましくは他の支持体の棚置きで可能にし得る。
【0088】
機器ラックまたはキャビネット477は、好ましくはリソグラフィマシンのすぐ近くに配置される高圧コントロール回路類とビーム切替およびビーム走査偏向電子回路類を収納するために使用されてよい。そして、この機器から真空チャンバー内のリソグラフィマシンまでの接続は、矢印478によって示されるようなラックまたはキャビネットの横において非常に短い接続ケーブルおよびワイヤーを使用してなされることが可能である。
【0089】
図17Cは、
図17Bのように形成された真空チャンバーの斜視図を示しており、それは、より狭い上部475とより広い下方部476を備えている。メンテナンスアクセスの容易さのために機器ラックまたはキャビネットをスライドさせるためのトラック479が設けられてよい。上に説明したように、機器は、上部475の周囲と、下方部476の上方に配置されてよい。一つの設備では、頻繁なアクセスを必要としない真空ポンプは上部475の後ろおよび/または前に設置され、リソグラフィマシンのための電気および電子回路類は、それらがより容易にアクセスされることが可能である上部475の横にあるラックまたはキャビネット内に設置される。
【0090】
角部構成物なしのフレーム
上に説明したように、真空チャンバーフレーム500は角部構成物の使用なしで建造されてよい。これらの実施形態では、フレーム部材の間に角部において確実な接続がなされることを可能にするために、フレーム部材501は連結端部を備えるように作られてよい。これらの接続は好ましくは、チャンバー内に真空が形成されるときに及ぼされる力が、フレーム部材が互いにより密接に封止するようにそれらを合わせてより密接に押すように、また、フレーム部材が連結して強く硬い構造物を形成してこれらの力に対抗するように動作するようになされる。
【0091】
図18Aは、角部構成物なしのフレーム部材の間の接続の分解組立図を示している。フレーム部材501Cは、フレーム部材501Dの端部を収容するための切り欠き部550を備えた、他のフレーム部材の端領域と連結するための端領域を有している。突出部551は、フレーム部材501Dの端部に重なり、フレーム部材に接続するための接続部材504を収容するための穴または凹部を有している。上に説明されたような接着剤および/またはシール部材がフレーム部材の間に使用されてよい。接続されたフレーム部材の端面図を示している、たとえば
図18Bに示されるような、さまざまな異なる配置が、角部構成物なしの連結の仕方でフレーム部材を接続するために可能である。
【0092】
図19Aは、角部構成物なしのフレーム部材の間の代替接続の分解組立図であり、
図19Bは、組み立てられたときのフレーム部材を示している。この実施形態中のフレーム部材は、
図9Bに示されるフレーム部材の輪郭に類似した、二つの垂直壁パネルの端を収容するための二つの凹部または切り欠き部552を備えた断面輪郭を有している。フレーム部材501Eは、フレーム部材501Fの端部を収容するための切り欠き部550を備えた、他のフレーム部材の端領域と連結するための端領域を有している。突出部551は、フレーム部材501Fの端部に重なり、フレーム部材を接続するための接続部材504を収容するための穴または凹部を有している。上に説明されたような接着剤および/またはシール部材がフレーム部材の間に使用されてよい。この分野の当業者によって認められるように、さまざまな異なる配置が、角部構成物なしの連結の仕方でフレーム部材を接続するために可能である。この実施形態のフレーム部材はまた、
図9Bの実施形態について説明されるような壁パネルとの連結設備を形成し、それにより、一つの壁パネルの外側表面に対して及ぼされる力は、第一の壁パネルがフレーム部材の切り欠き部に対してより密接に封止し、第二の壁パネルが別のフレーム部材の切り欠き部に対してより密接に封止することをもたらす。
【0093】
OリングまたはCリングなどのシール部材を収容するために、凹部または溝の570が、フレーム部材の凹部または切り欠き部552に設けられてよい。壁パネルの端は、壁パネルの内側表面が溝570内のシール部材と接合してフレームと壁パネルの間にシールを形成するように、切り欠き部552の内部に鎮座するように配置される。他の実施形態のために説明されたシール部材のいずれもがこの実施形態に使用されてもよい。
【0094】
フレームなしの構造物
フレームを備えたモジュール式真空チャンバーのための上に説明されたのと同じ原理がまた、個別のフレーム構造を有していない構造物において達成されてよい。
図8Aは、壁パネルがそれらの端で直接取り付けられた真空チャンバーを示している。隣接する表面の間に接着剤506および/またはシール部材509を伴って、段付き端を備えた二つの壁510が連結されている。一つの壁を通って別の壁の凹部内に延びている(ボルトまたは設置ピンなどの)接続部材504が、壁を設置するために使用されてよい。
【0095】
図20Aは、壁パネル510Dと壁パネル510Eの間を封止するために、壁パネルの連結部の溝または凹部内にOリングまたはCリング522を備えた同じタイプの構造物を示している。
図8Aに示されるように、壁パネルを互いに接続するために接続部材が使用されてよい。
図20Bは、段付き端のすべての四辺に沿って配置されたシール部材522を備えた三次元図の壁パネル510Dを示している。シール部材は、溝内この位置に保持されてよく、または壁パネル端にシール部材を加硫することによって、または接着剤を使用することによって壁パネルに付着されてよい。これは、真空チャンバーの現場での組み立てを支援する。
【0096】
これらの構造物は、壁パネルが互いに連結して所定の位置に支持および設置するのを助ける自己支持と自己締め付け設備をもたらす。チャンバー内に真空が形成されるとき、その結果として生じる力は、壁の継ぎ目を合わせてより密接に押し当て、より良いシールを作り出し、それにより、真空密接シールが形成される。壁パネルの連結段付き端または(
図8B実施形態に示されるような追加の一片部材を備えた)角度付き壁パネル端は、チャンバーをポンプ吸引するに起因する力のもとで、一つの壁パネルが他のものを支持し、要素間の継ぎ目が合わせてより密接に保持されることをもたらす。
【0097】
真空チャンバーのこれらの実施形態と他の実施形態に三次元シール部材が使用されてよい。
図21は、組み立て中の壁パネルの端の周囲にぴったりはまるための、三次元立方体形態に形成されたOリングまたはCリングを示している。シール部材はまた、おのおのが
図20Bに示されるように壁パネルたとえば床または天井パネルにぴったりはめられる二つのループと、チャンバーを形成する他の四つの壁パネルの間を封止するための四つの長さとして形成されてよい。
【0098】
これらの実施形態では、壁パネルは、ここに説明された他の実施形態のいくつかのようにフレームに取り付けられるのではなく、接続部材を使用して、互いに取り外し可能に取り付けられる。壁パネルの連結領域は、チャンバーの内部空間に形成される真空の影響下におけるパネルの移動を妨げる。第一の壁パネルの外側表面に対して及ぼされる力が、第二の壁パネルの前記段付き端に前記第一の壁パネルがより密接に封止することをもたらし、また、前記第二の壁パネルの外側表面に対して及ぼされる力が、前記第一の壁パネルの前記段付き端に前記第二の壁パネルがより密接に封止することをもたらす連結設備を形成する段付き端。壁パネルの対抗する段付き端の間に接着剤が使用されてよく、壁パネルを設置するために接続部材が使用されてよい。
【0099】
フレーム部材がチャンバーの構造要素として働くフレーム部材を備えた、および、壁パネルがチャンバーの構造要素でありフレームを備えていないチャンバーの実施形態について、10
−6mbarの真空を保持するための1m×1m×1mチャンバーのための真空チャンバーコンポーネントの適切な構造の詳細が以下に与えられる。チャンバーの構造要素としてフレームが組み込まれる場合、一つのチャンバーにつき168kgのフレーム部材の総重量に対して、70mm×70mmの断面と、9.4mmの真空下の変形と、14kgの重量をもつ中実アルミニウムフレーム部材が使用されてよい。中空アルミフレーム部材が使用されてよく、おのおのが120mm×120mmの断面と、5mmの壁厚と、3.7mmの変形と、6.25kgの重量をもち、一つのチャンバーにつき75kgのフレーム部材の総重量である。これらの選択はいずれも比較的少量で製造され得、また大量生産に好適である。
【0100】
真空チャンバーの構造要素として壁パネルが使用される場合、一つのチャンバーにつき246kgの壁パネルの総重量に対して、厚さ15mmの中実アルミニウム壁パネルが使用されてよく、19mmの真空下の変形、一つのパネルにつき41kgの重量である。20mmの厚さよりも厚い中実アルミニウム壁パネルが使用されてもよく、一つのチャンバーにつき324kgの壁パネルの総重量に対して、8mmの変形、一つのパネルにつき54kgの重量である。一つのチャンバーにつき97kgの壁パネルの総重量に対して、厚さ60mm、1.6mmの変形、一つのパネルにつき16.2kgの重量の、より軽くより強い複合サンドイッチ壁パネルが使用されてよい。中実壁パネルは比較的少量で製造され得、また大量生産に好適であるが、複合壁パネルは大量生産するのがより難しく、少量を作るには比較的高価である。
【0101】
ミューメタルと壁構造体
真空チャンバーが荷電粒子リソグラフィマシンを収納するために使用される場合、チャンバーは好ましくは、チャンバーの外部の磁場からの隔離を提供する一つ以上の遮蔽層を有する。そのような磁場は、電子ビームに影響を及ぼし、リソグラフィシステムの正確な動作に障害を与えることがある。一つ以上のミューメタル層が、壁パネルの内側または外側表面と、もし使用されるならば一辺部材またはフレーム部材に組み込まれてよい。多層複合構造体が使用されるとき、ミューメタル層はまた、他の材料の層の間の壁/一片部材構造物の内部に挟まれてよい。このように、チャンバー壁の遮蔽は、真空チャンバーの構造体に全体に組み込まれた(連続的な)遮蔽を備えたキットセットスタイル真空チャンバーをもたらす構造体全体にわたって中断されなく連続されていることが可能である。リソグラフィマシン(ウェーハステージと荷電粒子カラム)の脚または支持体やステージのためのアクチュエータロッドなどのチャンバーから突出している部品も好ましくは、ミューメタル層たとえばミューメタルの蛇腹構造物によって覆われる。
【0102】
図22Aは、ミューメタルの二つの層を備えた真空チャンバーのための壁パネルの実施形態を示している。壁の外側表面に(追加)強化梁602たとえば
図13の強化梁545を備えたチャンバー壁601の一部が示されている。第一のミューメタル層603は、ミューメタル層603とチャンバー壁601の間に、それらの間の空間を作り出すリブの形態のスペーシング部材604を有している。別のミューメタル層605は、二つのミューメタル層の間に、それらの間の空間を作り出すスペーシング部材606を有している。ミューメタル層は、チャンバーが空にされるときに、真空チャンバー内の圧力差の発生を防ぐためにそれらの中に穴を有している。
【0103】
図22Bは、ミューメタルの二つの層603と605を分離する開口層610を備えた壁パネルの代替実施形態の分解組立図を示しており、層610は、ハニカムなどの開口構造体を好ましくは有している。層は、明りょうさのために図面では分離されて示されているが、層は、実際には、単一の複合壁に形成されている。層610は、サンドイッチ構造体を作り出すために二つのミューメタル層を分離する軽量だが強固な壁を提供し、それにより、
図22Aの実施形態のスペーシング部材604と606が省略されることが可能である。この構造物はまた、強化梁が除去されることを可能にし得る。層601と607は金属層、好ましくはアルミニウム層である。層610は好ましくはアルミニウムハニカム層である。結果として生じる複合壁構造体は、製造するのに容易かつ安価であり、組立式に製造されることが可能であり、軽量かつ強固である壁パネルを提供し、ハニカム層が必要な強度を提供し、ミューメタル層が外部電磁場からの保護を提供する。
【0104】
ミューメタル層は、炭素繊維および/またはガラス強化プラスティックの合成層などの絶縁層によって好ましくは分離される。複合壁の一実施形態は、第一の絶縁層とアルミニウムハニカム層とミューメタル層と第二の絶縁層と中実アルミニウム層を備えているサンドイッチ構造体を備えている。ミューメタル層と絶縁層の追加のひとそろいが、チャンバー壁の磁場遮蔽を増大させるために付け加えられてよい。中実アルミニウム層は好ましくは真空側にある。ハニカムアルミニウムはサンドイッチの強さを提供する。ハニカム層の厚さは増大されてよく、または、追加のハニカム層が、壁の硬さを増大させるために使用されてよい。層は好ましくは合わせて接着される。開口層610が絶縁材料から作られるとき、それ自体が、ミューメタル層を分離する絶縁層を提供することができる。この構造物を使用する複合壁パネルは、組立式に製造され、必要レベルの磁気遮蔽を備えて設計されることが可能である軽量で強固な壁を提供する。この構造体は、真空チャンバーの壁の中にミューメタル遮蔽を組み込み、必要な強度を得るために厚い中実金属層を使用することを回避する。上に説明された複合壁のいずれもが、ここに説明された真空チャンバーの実施形態のいずれに使用されてよいことに注意されたい。
【0105】
図22Cは、
図8Bに示される構造物に類似する、複合壁パネルのための壁パネル継ぎ目の一例を示している。壁510の端は角度が付けられており、一片部材516は壁の端の間に配置され、接続部材517によって設置されている。OリングやCリング522などのシール部材が、壁510と一片516の間の継ぎ目を封止するために使用されてよい。壁および一片部材は、おのおの、複合サンドイッチ構造を有しており、この実施形態では、外側金属層と、中央ハニカム層と、一つの壁パネルから別のそれまでの二つの本質的に連続的な遮蔽層を形成するように配置されたミューメタル層603と605を備えている。この構造物を使用することによって、ミューメタル層によって提供される遮蔽は、壁パネルの端の接続部においても連続的である。
【0106】
図23Aは、チャンバー内に収納されたリソグラフィマシンを支持するフレームと接合する真空チャンバー400の底壁(床)を通る断面図を示している。フレーム部材702は、チャンバー壁を通って延び、ベースプレート701にもたれて示されている。チャンバー壁703は、フレーム部材702に接し、フレーム部材に溶接されてよい(溶接部705)。二つのミューメタル層704も、外部磁場がチャンバーに入ることを許すことができるすきまを避けるためにフレーム部材702に接している。
【0107】
リソグラフィマシンの安定性に影響する可能性のあるベースプレート701と真空チャンバー400の間の音響および振動結合を低減するために、代替実施形態が
図23Bと23Cに示される。これらの実施形態では、チャンバー壁703は、フレーム部材702に強固に固定されておらず、壁とフレーム部材の間の小さいすきまを有している。壁は、部分的に空気マウントなどの振動減衰要素710によって支持されている。ミューメタル層704は、遮蔽のいかなるすきまも除去するためにフレーム部材702の上に、または代わりに下に、延びている。蛇腹部712がまた、ベースプレートとチャンバー壁の間の機械的結合を低減するためにいくらか曲がることを許しながら、フレーム部材の周囲にシールを提供しつつ、チャンバー壁に追加の支持を提供するために、フレーム部材702の上に延びて、設けられている。
図23Bの実施形態では、蛇腹部712は、ミューメタル層704に結合されている。
図23Cの実施形態では、蛇腹部712は、代わりに、チャンバー壁703に結合されている。加えて、ミューメタル層704は、たとえば締め付けによって、チャンバー壁705に結合されている。
【0108】
ポート
リソグラフィマシンは、動作するために多数の電気および光信号を必要とし、それらは、一般にチャンバーの外側に設置される電力およびコントロールシステムへの接続のためにチャンバーを出なければならない。真空チャンバーは、これらのシステムから真空ハウジングの中に信号を運ぶケーブルを取り込むための、ここにおいてポートと呼ばれる開口を有している(開口はまた、真空ポンプがチャンバーをポンプ吸引することを可能にするために必要とされる)。ポートは、ケーブルの周囲に真空シールを作るように設計されている。さまざまな重要なサブシステムが、他のサブシステムを邪魔することなく、システムから取り外され交換されることが可能であるように、リソグラフィシステムは好ましくはモジュール式構造を有している。この設計を容易にするために、そのような各モジュール式サブシステムは、好ましくは、そのモジュールに専用の一つ以上のポートを通って引き回される電気的、光学的、および/または電力のケーブル接続の収集体を有している。これは、特定のモジュールのためのケーブルが、他のどのモジュールのためのケーブルを邪魔することなく、分離、除去、および交換されることを可能にする。ポートは、ケーブルとコネクターとポートふたの取り外しと交換を容易にために一つのユニットたとえば電子ユニットとして好ましくは設計されている。真空チャンバーはまた、チャンバーを空にするためにチャンバーから空気をポンプ吸引する一つ以上の真空ポンプのための開口を必要とする。
【0109】
いくつかの実施形態では、ポートと真空ポンプは、真空チャンバーのたった一つの壁パネルたとえば上部パネルまたは後部パネルだけに設置される。真空ポンプたとえばターボポンプは、チャンバーの一つの壁に用意されたポートに接続される。ポートからのケーブルは、ケーブルラックに用意された導管を介して連合コントロールシステムに引き回される。
図17Bと17Cに示される実施形態では、ポートは、チャンバー400の上部475の側壁で設置され、真空ポンプは、上部475に後ろ(または前)に設置される。
【0110】
図24Aは、ポート420を示す真空チャンバー400の壁パネルを通る断面図を示している。上部壁の一部801は、ふた802によって開口が閉じられた状態で示されている。二つのミューメタル層804と805も、対応する開口を有している。上側ミューメタル層804は、層804の縁にぴったりはまるキャップ806を有しており、キャップが適所にあるときに完全な遮蔽層を提供する。ケーブル810は、ポートふた802とキャップ806を通って真空チャンバーに入り、コネクター811で終端している。ミューメタル層の穴は、コネクター811が通るのに十分に大きくなければならず、それにより、コネクター811とケーブル810とキャップ806とふた802の組立体が、必要なときに取り外され交換されることが可能である。
【0111】
図24Bは、ポート420の代替実施形態を示している。各ミューメタル層804,805はキャップ807,808を有している。ミューメタルキャップは、ボルトまたは接続ピン809によって、スプリングまたはスプリング状要素と共に、ふた802に取り付けられている。ポートが閉じられるとき、ミューメタルキャップ807と808がそれぞれのミューメタル層804と805に押し当てられて、ミューメタル層の開口の上にキャップの確実な閉鎖を作り出す。これは、ポートが閉じられるときに、ミューメタル層にすきまがないことを確実にする。構造体はまた、ミューメタルキャップ807と808をポートふた802に固定する。
【0112】
図24Cは、ポート420のための別の代替設備を示している。単純化のためにポートの片側だけが図面に示されている。この設備では、チャンバー壁は第二の壁層820を有しており、第三のミューメタルキャップ821がまた組み込まれている。前の実施形態のように、三つのミューメタルキャップが、ボルトまたは接続ピン809によって、スプリングまたはスプリング状要素と共に、ふた802に取り付けられている。ポートが閉じられるとき、ミューメタルキャップ807と808がそれぞれのミューメタル層804と805に押し当てられ、ミューメタルキャップ821が壁層820に押し当てられる。各ミューメタル層804と805は、ミューメタル層にすきまがないことをさらに確実にするために縁を有している。代わりにまたは加えて、ミューメタルキャップに縁が設けられてもよい。
【0113】
図25Aに示されるように、ポート420と真空ポンプ開口431は、円形、正方形または長方形であってよい。ポートは、チャンバー内のマシンの特定のモジュール式サブシステムに好ましくは専用であり、サブシステムに必要なケーブル接続の数にしたがった大きさにつくられてよい。たとえば、
図25Bに示されるように、照明光学サブシステムは大きいポート421を必要とし、投影光学サブシステムはわずかに小さいポート422を必要とし、他のサブシステムはより小さいポート423と424を必要とし得る。
【0114】
真空ポンプ
真空チャンバー400は、一つ以上の専用真空ポンプ430を有していてよい。また、一つ以上の真空ポンプは、いくつかの真空チャンバー間で共有されてよい。各チャンバーは、小さい真空ポンプを有していてよく、また、より大きい真空ポンプを共有していてよい。真空チャンバー400内の真空を実現するために一つよりも多くのポンプを使用する能力は、真空動作の信頼度を改善し得る真空ポンプ余剰を作り出す。ある真空ポンプが機能不全ならば、別の真空ポンプがその機能を引き継ぐことが可能である。
【0115】
図26は、五つの真空チャンバー400が二つのターボ真空ポンプ800を共有している設備を示している。真空ポンプは、共有ダクトまたはパイプ432の各端に用意されている。ある実施形態では、ポンプ430とダクトまたはパイプ432は、二列のチャンバー400に中央位置から仕える。共有ポンプの数は、すなわち一つ以上に変更してよい。ダクトまたはパイプ432は、フラップまたはバルブ433を介して各真空チャンバーに接続されている。フラップまたはバルブ433は好ましくは、ミューメタルで作られているか、遮蔽を提供するミューメタル層を有している。
【0116】
水蒸気クライオポンプ460は、たとえば一つ以上のクライオポンプ遮蔽の形態であり、チャンバー内の水蒸気を捕獲してチャンバー内の真空を形成することを支援するために各真空チャンバーに付加的に組み込まれてよい。これは、適切な真空を生成するために必要とされる真空ポンプのサイズを低減し、ポンプ吸引時間を低減し、低温(<4K)システムの他のタイプによって一般に引き起こされる振動を導入しないように可動部を使用していない。水蒸気クライオポンプ460は、バルブ461と冷媒供給ライン462を介してクライオポンプコントロールシステム463に接続されている。
【0117】
したがって、真空チャンバー内の真空は、ターボ真空ポンプ430とクライオポンプシステムの水蒸気クライオポンプ460の両方によって生成されることが可能である。好ましくは、ターボポンプ430が最初に作動され、それに真空を生成するクライオポンプコントロールシステム463によるクライオポンプシステムの作動が続いてもよい。水蒸気クライオポンプ460に先立つターボ真空ポンプ430の作動は、真空ポンプ作動の他のコントロール計画よりも効率的な真空ポンプ手順をもたらし得る。効率をさらに高めるために、一つまたは複数のターボポンプ430は、その作動に続いてある程度の期間の後に真空チャンバーから分離されてよい。そのような期間は、ある所定のしきい値よりも低い圧力値を得るために必要な時間に相当してよい。一つまたは複数のターボポンプ430の分離の後、水蒸気クライオポンプ460は、真空の生成を完了するために動作し続けてよい。
【0118】
図26に示される設備は、多層の積み重ね真空チャンバーを収容するように変更されてよく、真空チャンバーは、横並びに配置されるほかに、またはそれに加えて、鉛直に積み重ねられる。たとえば、
図26に示された設備では(二層で)10チャンバーまたは(三層で)15チャンバーの配置を作り出すために、二つ、三つまたは可能なより多くの真空チャンバーの層が使用されてよい。複数チャンバーは共通真空ポンプシステムを利用してよく、共通真空ポンプシステムはチャンバーの各層に対して利用されてよい。ある実施形態では、ひとそろいの真空チャンバーに属する真空チャンバー内の真空は、共通真空ポンプシステムによって各チャンバーを別々にポンプ吸引することによって実現されてよい。
【0119】
本発明は、上に論じられたある実施形態への参照によって説明された。さまざまな構造物や代替案が説明されたが、それらは、この分野の当業者に良く知られるように、ここに記述した構造物や実施形態のいずれかと共に使用されてよいことに注意すべきである。これらの実施形態は、本発明の真意および範囲から逸脱することなく、この分野の当業者に良く知られるさまざまな修正および代替形態が可能であることが認められよう。従って、特定の実施形態が説明されたけれども、これらは単なる例であり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]内部空間を取り囲む複数の壁パネル(510)を備えている真空チャンバー(400)であり、
前記壁パネルは、複数の接続部材(504,524,528)を使用して組み立てられてチャンバーを形成し、前記接続部材は前記壁パネルを所定の配置で設置し、
前記真空チャンバーは、前記壁パネルの端に設けられた一つ以上のシール部材(509と522)をさらに備えており、
前記壁パネルは、前記内部空間に真空を形成する結果として前記壁パネルの端に真空密接シールが形成されるように配置され、
前記接続部材は前記壁パネルを設置するように適合されており、特に、前記内部空間内に前記真空が形成されるときに前記壁パネルが前記シール部材に向かって移動してより密接に封止することを許すように適合されてよい、真空チャンバー。
[2]前記接続部材は、前記壁パネルを取り外し可能に接続するように、また分解を可能にするように適合されている、[1]の真空チャンバー。
[3]前記接続部材は、前記壁パネルの小さい所定の範囲の移動を提供しながら前記壁パネルを設置するように適合されている、[1]または[2]の真空チャンバー。
[4]前記接続部材は、前記壁パネルの端に前記真空密接シールを提供することなく、前記壁パネルを設置するように適合されている、[1]〜[3]のいずれか一つの真空チャンバー。
[5]前記接続部材は、前記壁パネルの端に前記真空密接シールを提供する位置に向けて前記壁パネルを案内するように適合されている、[1]〜[4]のいずれか一つの真空チャンバー。
[6]前記接続部材は、前記壁パネルの端にほぼ真空密接シールを提供する位置に前記壁パネルを設置するように適合されている、[1]〜[5]のいずれか一つの真空チャンバー。
[7]前記壁パネルの端の前記密接シールは、前記内部空間に接続された吸引デバイスの動作によって実現され、前記吸引デバイスは、前記内部空間内に前記真空を生成する前記ほぼ真空密接シールを通る前記内部空間の中への空気の流量よりも十分に大きい空気排除能力を有している、[6]の真空チャンバー。
[8]前記壁パネルの隣接するものは、前記接続部材(504,524,528)を使用して、互いに取り外し可能に付けられている、[1]〜[7]のいずれか一つの真空チャンバー。
[9]前記壁パネルの一つ以上は、前記内部空間内に形成された前記真空の影響下における前記壁パネルの移動を抑制するための、他の壁パネルの一つ以上と連結するための連結領域を備えている、[1]〜[8]のいずれか一つの真空チャンバー。
[10]前記チャンバーの前記内部空間内に前記真空が形成されるときに前記壁パネルに及ぼされる力によって前記壁パネル(510)の間に真空密接シールが形成される、[1]〜[9]のいずれか一つの真空チャンバー。
[11]前記一つ以上のシール部材(509,522)は、前記壁パネル(510)と前記フレーム部材(501)の間に一つのシール部材を備えており、前記壁パネルは、前記真空チャンバーの前記内部空間に前記真空が形成されるときに前記壁パネルが前記シール部材に向かってより密接に押し当てられるように配置されている、[1]〜[10]のいずれか一つの真空チャンバー。
[12]前記壁パネル(510)の間の一片部材(516)をさらに備えており、前記壁パネルは、前記真空チャンバーの前記内部空間内に前記真空が形成されるときに前記壁パネルが前記一片部材に向かってより密接に押し当てられるように配置されている、[1]〜[11]のいずれか一つの真空チャンバー。
[13]前記壁パネル(510)の一つ以上は、段付き端を有している、[12]の真空チャンバー。
[14]前記壁パネル(510)の少なくとも二つは、連結設備を形成する段付き端を有しており、前記二つの壁パネルの第一のそれの外側表面に対して及ぼされる力が、前記二つの壁パネルの第二のそれの前記段付き端に前記第一の壁パネルがより密接に封止することをもたらし、また、前記第二の壁パネルの外側表面に対して及ぼされる力が、前記第一の壁パネルの前記段付き端に前記第二の壁パネルがより密接に封止することをもたらす、[1]〜[13]のいずれか一つの真空チャンバー。
[15]前記複数の壁パネル(510)の対向する段付き端の間に接着剤(506)が塗布される、[14]の真空チャンバー。
[16]前記接続部材(504)は、前記壁パネルの厚さの一部だけを貫通する、[1]〜[15]のいずれか一つの真空チャンバー。
[17]前記接続部材(504)はピンまたはボルトで構成される、[15]または[16]の真空チャンバー。
[18]前記壁パネル(510)の二つの傾斜端の間に挿入された一片部材(516)を備えており、各壁パネルの傾斜端は、前記一片部材の対向表面に対するシールを形成する、[1]〜[17]のいずれか一つの真空チャンバー。
[19]各壁パネル(510)の前記傾斜端と前記一片部材(516)の前記対向表面の間に配置されたOリング(522)をさらに備えている、[18]の真空チャンバー。
[20]前記壁パネル(510)と前記一片部材(516)を接続するための接続部材(517)をさらに備えている、[18]または[19]の真空チャンバー。
[21]各壁パネル(510)の前記傾斜端と前記一片部材(516)の前記対向表面の間の接着剤(506)をさらに備えている、[18]〜[20]のいずれか一つの真空チャンバー。
[22]フレーム(500)をさらに備えており、前記壁パネルは、前記接続部材(504,524,528)を使用して前記フレームに取り付けられる、[1]〜[21]のいずれか一つの真空チャンバー。
[23]フレーム(500)をさらに備えており、前記一つ以上のシール部材(509,522)は、前記壁パネルと前記フレームの間に前記真空密接シールを形成するために、前記壁パネルと前記フレームの間に設けられる、[1]〜[22]のいずれか一つの真空チャンバー。
[24]前記フレームは、前記内部空間内に形成された前記真空の影響下において前記壁パネルまたは前記フレームの移動を禁じるための、前記壁パネルの一つ以上と連結するための連結領域を備えている、[22]または[23]の真空チャンバー。
[25]前記壁パネル(510)と前記フレーム(500)は、前記内部空間内に前記真空が形成されるときに、前記壁パネルと前記フレーム部材(501)が密接に連結されて前記真空チャンバーの剛性を増大させるように配置される、[1]〜[24]のいずれか一つの真空チャンバー。
[26]前記フレームは、複数の相互接続フレーム部材(501)を備えており、前記フレーム部材は接続部材(504)によって接続されている、[22]〜[25]のいずれか一つの真空チャンバー。
[27]前記フレーム部材の一つ以上は、他のフレーム部材の端領域と連結するための一つ以上の凹部(550)を端領域に備えている、[26]の真空チャンバー。
[28]前記フレーム部材(501)の少なくとも一つは、前記壁パネル(510)の一つの端を収容するための切り欠き部(552)を備えた断面輪郭を有している、[26]または[27]の真空チャンバー。
[29]前記フレーム部材(501)の少なくとも一つは、二つの切り欠き部(552)、前記壁パネル(510)の第一のそれの端を収容するための第一の切り欠き部と、前記壁パネル(510)の第二のそれの端を収容するための第二の切り欠き部を備えた断面輪郭を有している、[26]〜[28]のいずれか一つの真空チャンバー。
[30]前記少なくとも一つのフレーム部材は、第一および第二の壁パネル(510)の連結設備を形成し、前記第一の壁パネルの外側表面に対して及ぼされる力が、前記フレーム部材の前記第一の切り欠き部(552)に前記第一の壁パネルがより密接に封止し、また、前記フレーム部材の前記第二の切り欠き部(552)が前記第二の壁パネルの端に押し当たることをもたらす、[29]の真空チャンバー。
[31]前記少なくとも一つのフレーム部材(501)と前記壁パネル(510)は連結設備を形成し、前記真空チャンバー内のより低い圧力は、前記フレーム部材の前記複数の切り欠き部(552)の第一のそれに向かって前記第一の壁パネルをより密接に押し当てる方向に作用する前記複数の壁パネルの第一のそれの外側表面に対して及ぼされる第一の力と、前記フレーム部材の前記複数の切り欠き部(552)の第二のそれに向かって前記第二の壁パネルをより密接に押し当てる方向に作用する前記複数の壁パネルの第二のそれの外側表面に対して及ぼされる第二の力をもたらす、[22]の真空チャンバー。
[32]前記フレーム部材(501)の一つ以上は、追加フレーム部材の接続のための固定具を受けるための凹部または穴(547)を備えている、[26]〜[31]のいずれか一つの真空チャンバー。
[33]前記フレーム部材(501)中の凹部または穴(547)は、前記真空チャンバーの組み立ての前に、あらかじめ空けられ、ふさがされる、[32]の真空チャンバー。
[34]前記フレーム部材(501)中の凹部または穴(547)は、前記チャンバーの内側から前記凹部または穴の中へ延びるボルトまたはピンでふさがれる、[33]の真空チャンバー。
[35]前記凹部または穴(547)は、前記フレーム部材(501)の一つ以上に沿って規格化位置にあらかじめ空けられる、[34]の真空チャンバー。
[36]前記フレームは、複数の相互接続フレーム部材と、前記フレームの角部にある複数の角部構成物(502)を備えており、前記フレーム部材(501)は前記角部構成物を接続する、[22]〜[35]のいずれか一つの真空チャンバー。
[37]前記フレーム部材(501)と前記角部構成物(502)の間の接続を封止するためにシール部材(509,522)が使用される、[36]の真空チャンバー。
[38]前記フレーム部材と前記角部構成物の間の接続を封止するために複数の接続部材(504,512,513)が使用される、[36]または[37]の真空チャンバー。
[39]前記フレーム部材と前記角部構成物の間の接続のために前記接続部材(504,524,528)が使用される、[22]〜[38]のいずれか一つの真空チャンバー。
[40]前記接続部材はピンまたはボルトで構成される、[1]〜[39]のいずれか一つの真空チャンバー。
[41]前記接続部材(524)はラッチを備えている、[1]〜[40]のいずれか一つの真空チャンバー。
[42]前記接続部材(525,526,528)はヒンジを備えている、[1]〜[41]のいずれか一つの真空チャンバー。
[43]前記シール部材(509,522)の一つ以上は、隣接する壁パネル(510)の間に配置される、[1]〜[42]のいずれか一つの真空チャンバー。
[44]前記真空チャンバーはフレームを備えており、前記シール部材(509,522)の一つ以上は、前記壁パネル(510)と前記フレームの間に配置される、[1]〜[43]のいずれか一つの真空チャンバー。
[45]前記シール部材の一つ以上はOリングまたはCリング(522)で構成される、[43]または[44]の真空チャンバー。
[46]前記シール部材の一つ以上は、銅またはインジウムなどの金属で構成される、[45]の真空チャンバー。
[47]前記シール部材の一つ以上は、真空グリース、ポリテトラフルオロエチレンまたは接着剤の少なくとも一つで構成されたシール剤で構成される、[1]〜[46]のいずれか一つの真空チャンバー。
[48]前記真空チャンバーはフレーム(500)を備えており、前記壁パネル(510)の一つ以上は前記フレームに接着される、[22]〜[47]のいずれか一つの真空チャンバー。
[49]前記一つ以上のシール部材は、一つ以上の壁パネルの複数の端にあるすきまを封止するように適合されたシール材料の単一の可撓部品(522)で構成される、[1]〜[48]のいずれか一つの真空チャンバー。
[50]前記シール材料の単一の可撓部品(522)は、六つの壁パネルの複数の端にあるすきまを封止するように適合された十二の延長部を備えている、[49]の真空チャンバー。
[51]前記一つ以上のシール部材は、一つ以上の壁パネルの複数の端にあるすきまを封止するように適合された一つ以上のOリングまたはCリングで構成される、[1]〜[50]のいずれか一つの真空チャンバー。
[52]前記壁パネルの一つ以上は、前記一つ以上のシール部材(522)を部分的に収容するための溝(570)を有している、[1]〜[51]のいずれか一つの真空チャンバー。
[53]前記真空チャンバーはフレームを備えており、前記フレームは、前記一つ以上のシール部材(522)を部分的に収容するための溝(570)を有している、[1]〜[52]のいずれか一つの真空チャンバー。
[54]前記壁パネル(510)の少なくとも一つはヒンジ設備を介して前記フレームに接続され、前記ヒンジ設備には、前記壁パネル(510)が内側に移動して前記フレーム(500)に対して真空密接シールを提供することを可能にするために前記ヒンジに遊びが設けられている、[1]〜[53]のいずれか一つの真空チャンバー。
[55]前記壁パネル(510)の少なくとも一つはヒンジ設備を介して前記フレームに接続され、ヒンジ付き壁パネル(510)は、前記チャンバーの一つの壁全体を形成するドアで構成される、[1]〜[54]のいずれか一つの真空チャンバー。
[56]前記真空チャンバーはフレームを備えており、前記壁パネル(510)の少なくとも一つは、前記壁パネルのすべての辺にあるヒンジ設備を介して前記フレームに接続される、[1]〜[55]のいずれか一つの真空チャンバー。
[57]前記真空チャンバーはフレームを備えており、前記壁パネル(510)の少なくとも一つは、前記フレームと連結する追加補強部材を有している、[1]〜[56]のいずれか一つの真空チャンバー。
[58]前記追加補強部材は、前記フレームの前記角部の間に位置する点において前記フレームと連結する、[57]の真空チャンバー。
[59]前記チャンバー(400)の前記壁パネルはアルミニウムで構成される、[1]〜[58]のいずれか一つの真空チャンバー。
[60]前記チャンバー(400)の前記壁パネルの少なくとも一つの面はミューメタルで実質的に覆われている、[1]〜[59]のいずれか一つの真空チャンバー。
[61]前記チャンバー(400)の前記壁パネルは、ミューメタルの一つ以上の層(603,605)を有する複合構造体を備えている、[1]〜[60]のいずれか一つの真空チャンバー。
[62]前記チャンバー(400)の前記壁パネルは、アルミニウムの層(601,607)とミューメタルの層(603,605)を有する複合構造体を備えている、[1]〜[61]のいずれか一つの真空チャンバー。
[63]前記アルミニウムの層は、複数の層(604,606)によってミューメタルの層から分離されている、[62]の真空チャンバー。
[64]前記チャンバー(400)の前記壁パネルは、ハニカム層などの開口構造体を備えた層(610)を有する複合構造体を備えている、[1]〜[63]のいずれか一つの真空チャンバー。
[65]前記ミューメタル層(603,605)を絶縁するための一つ以上の電気的絶縁層さらに備えている、[64]の真空チャンバー。
[66]前記チャンバー(400)の中に突出している部分は、ミューメタル(704)の一つ以上の層で構成されるかそれを覆っている蛇腹構造体(712)によって覆われている、[1]〜[65]のいずれか一つの真空チャンバー。
[67]前記蛇腹構造体(712)は、前記ミューメタル(704)の一つ以上の層に結合されている、[66]の真空チャンバー。
[68]前記真空チャンバーの輪郭は、前記チャンバー内に設置される機器の輪郭に順応するように変化している、[1]〜[67]のいずれか一つの真空チャンバー。
[69]前記真空チャンバーは、単一の真空密閉箱を形成するより狭い上方部(475)とより広い下方部(476)を備えている、[1]〜[68]のいずれか一つの真空チャンバー。
[70]電気的、光学的および/または電力のケーブルまたはワイヤーが前記チャンバー(400)の中へ入ることを許すための一つ以上のポート(420)をさらに備えており、前記ポートは前記ケーブルまたはワイヤーの周囲にシールを提供する、[69]の真空チャンバー。
[71]前記ポート(420)は、上方部(475)の周囲と下方部(476)の上方に配置された機器からケーブルまたはワイヤーが入ることを許すために前記チャンバーの上方部(475)の一つ以上の側壁に配置されている、[70]の真空チャンバー。
[72]前記チャンバー(400)には、電気的、光学的および/または電力のケーブルまたはワイヤーが前記チャンバー(400)の中へ入ることを許す複数のポート(420)が設けられており、前記ポートは前記ケーブルまたはワイヤーの周囲のシールを提供する、[1]〜[71]のいずれか一つの真空チャンバー。
[73]各ポート(420)は、前記真空チャンバー内に配置されたリソグラフィマシンの単一のモジュールのためのケーブルまたはワイヤーが入ることを許す、[72]の真空チャンバー。
[74]前記ポート(420)の少なくとも一つは、ふた(802)と一つ以上のミューメタルキャップ(806,807,808)を備えている、[72]または[73]の真空チャンバー。
[75]前記ポートふた(802)と前記一つ以上のミューメタルキャップ(806,807,808)は一つのユニットとして配置される、[74]の真空チャンバー。
[76]前記ポートふた(802)と、一つ以上のミューメタルキャップ(806,807,808)と、前記ポートを通る前記電気的、光学的および/または電力のケーブルまたはワイヤー(810)と、前記ケーブルまたはワイヤーを終端するコネクター(811)は、一つのユニットとして取り外され交換されるように配置される、[75]の真空チャンバー。
[77]前記一つ以上のミューメタルキャップ(806,807,808)は、前記ポートふた(802)が閉じられたときに、対応するミューメタル壁層(804,805)に向かって押される、[74]〜[76]のいずれか一つの真空チャンバー。
[78]前記チャンバー(400)には、一つ以上の真空ポンプ開口(431と433)が設けられており、前記開口は、ミューメタルで構成されたフラップまたはバルブを有している、[1]〜[77]のいずれか一つの真空チャンバー。
[79]真空チャンバー(400)の中への組み立てのためのコンポーネントのキットセットであり、複数の壁パネル(510)と、内部空間を取り囲む所定の配置で壁パネルを設置するために前記壁パネルに取り外し可能に付いているように適合された複数の接続部材(504,524,528)と、前記壁パネルの端に真空密接シールを形成するように適合された一つ以上のシール部材(509,522)を備えている、キットセット。
[80]前記壁パネルと前記接続部材は、前記キットセットが組み立てられ、前記内部空間に真空が形成されるときに、前記壁パネルの端に真空密接シールを形成するように適合されている、[79]のキットセット。
[81]前記接続部材は、前記キットセットが組み立てられるときに、前記壁パネルの小さい所定の範囲の移動を提供しながら前記壁パネルを設置するように適合されている、[79]または[80]のキットセット。
[82]前記接続部材は、前記内部空間に真空が形成されるときに前記壁パネルが前記シール部材に向かって移動してより密接に封止することを許しながら前記キットセットが組み立てられるときに前記壁パネルを設置するように適合されている、[79]〜[81]のいずれか一つのキットセット。
[83]前記接続部材は、前記キットセットが組み立てられるときに、前記壁パネルの端に真空密接シールを提供する位置に向けて前記壁パネルを案内するように適合されている、[79]〜[82]のいずれか一つのキットセット。
[84]前記接続部材は、前記キットセットが組み立てられるときに、前記壁パネルの端にほぼ真空密接シールを提供する位置に前記壁パネルを設置するように適合されている、[79]〜[83]のいずれか一つのキットセット。
[85]モジュール式真空チャンバー(400)内での使用のため壁パネルであり、前記壁パネルは、別の壁パネルまたはフレーム部材と連結するための段付き端を備えており、前記段付き端は、前記壁パネルと前記別の壁パネルまたは前記フレーム部材の間に真空密接シールを形成するように適合されたシール部材(509,522)を収容するための溝または凹部の(570)を備えており、前記壁パネルは、前記壁パネルに前記別の壁パネルまたはフレーム部材に取り外し可能に取り付けるように適合された複数の接続部材(504,524,528)を収容するための穴または凹部をさらに備えている、壁パネル。
[86]前記壁パネルは正方形また長方形であり、四つの他の壁パネルまたはフレーム部材と連結するために前記壁パネルの四つのすべての端に段付き端が形成されており、前記溝または凹部(570)と前記シール部材(509,522)は、前記壁パネルと前記四つの他の壁パネルまたはフレーム部材の間に真空密接シールを形成するために前記壁パネルの四つのすべての端の周囲に延在しており、前記接続部材(504,524,528)を収容するための穴または凹部は、前記壁パネルに前記四つの他の壁パネルまたはフレーム部材に取り外し可能に取り付けるために前記壁パネルの四つのすべての端の上の位置に設置される、[85]の壁パネル。
[87]真空チャンバーを建造する方法であり、内部空間を取り囲むように複数の壁パネルを位置決めすることと、前記壁パネルの端の周囲にほぼ真空密接シールを形成するために複数の接続部材を使用して壁パネルを所定の位置に設置することと、前記内部空間の中への気体の漏れ量よりも大きい流量で前記真空チャンバーの前記内部空間から気体を除去することを備えており、前記内部空間の圧力が、前記壁パネルに内向きの力を及ぼすのに十分に下げられて、前記壁パネルの前記端の周囲に真空密接シールを作り出す、方法。