特許第5762983号(P5762983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5762983ファイバプローブ用コネクタおよび該コネクタに適応されたファイバプローブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5762983
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】ファイバプローブ用コネクタおよび該コネクタに適応されたファイバプローブ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20150723BHJP
   G02B 6/32 20060101ALI20150723BHJP
   G02B 6/36 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
   G02B6/42
   G02B6/32
   G02B6/36
【請求項の数】21
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-553554(P2011-553554)
(86)(22)【出願日】2010年3月12日
(65)【公表番号】特表2012-520479(P2012-520479A)
(43)【公表日】2012年9月6日
(86)【国際出願番号】IB2010000969
(87)【国際公開番号】WO2010103406
(87)【国際公開日】20100916
【審査請求日】2013年1月4日
(31)【優先権主張番号】61/159,709
(32)【優先日】2009年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504243970
【氏名又は名称】マウナ ケア テクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ロシャー、アレクサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ドウソウクス、フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】クラード、ソフィー
(72)【発明者】
【氏名】プティート、シルヴァイン
(72)【発明者】
【氏名】ボウラロト、ニコラス
【審査官】 奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】 特表昭62−501588(JP,A)
【文献】 特開2000−010021(JP,A)
【文献】 特開2008−220683(JP,A)
【文献】 特開昭55−129028(JP,A)
【文献】 特開平05−019140(JP,A)
【文献】 特開平05−224089(JP,A)
【文献】 特開平06−148465(JP,A)
【文献】 特開昭62−119508(JP,A)
【文献】 特開昭62−140755(JP,A)
【文献】 特開昭62−267710(JP,A)
【文献】 特開2006−020715(JP,A)
【文献】 特開平07−181399(JP,A)
【文献】 実開平04−059811(JP,U)
【文献】 特表2005−532883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/00− 6/54
G02B 23/24−23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイバ束プローブを光注入モジュールと接続するためのコネクタであって、
ファイバ束プローブを縦軸方向にけるよう適応された特定形状の開口を有する締め付けカムと、
締め付けカムと結合されたカム駆動部と、を備え、
締め付けカムはカム駆動部の縦軸周りの回転に応じて締め付けカムがブロックされるまで前記縦軸周りに螺旋状運動を行うよう構成され、
前記特定形状の開口は、前記締め付けカムの前記螺旋状運動により前記ファイバ束プローブを縦軸方向に押しつけるよう適応され、
本コネクタはさらに、
カム駆動部が回転により駆動され、かつ、締め付けカムがブロックされた場合に抵抗するよう構成された少なくともひとつのバネであって、締め付けカムとカム駆動部との間に延びる少なくともひとつのバネと、
カム駆動部を選択位置に固定するための固定機構と、を備える、コネクタ。
【請求項2】
締め付けカムとカム駆動部との間の結合は、カム駆動部の内周面の接線方向であって、カム駆動部の回転軸に直交する方向に設けられた2つのバネを含む、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
固定機構は、プッシュロックデバイス、プッシュプッシュデバイスおよびプッシュイジェクトデバイスからなるグループから選択されたひとつを含む、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
固定機構はオス要素およびメス要素を含み、オス要素およびメス要素のうちの一方はカム駆動部に固定され、他方は光注入モジュールの壁に固定される、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
カム駆動部はモータを使用して駆動される、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
特定形状は、三角形、丸められた角を有する三角形、正方形および菱形からなるグループから選択されたひとつを含む、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項7】
請求項1に記載のコネクタを使用して光注入モジュールと接続されるべきファイバ束プローブであって、
中空路を有するマウントと、
光を伝達するためのファイバ束と、を備え、
ファイバ束の先端はマウントの端において中空路の中に嵌るよう構成され、
本ファイバ束プローブはさらに、マウントの側方に設けられたカラーを備え、
カラーはコネクタの締め付けカムの開口内に嵌るような対応する形状を有し、
マウントおよびファイバ束の端は平坦な面を形成するよう研磨される、ファイバ束プローブ。
【請求項8】
研磨は、3μmよりも小さい平坦さおよび約0.2°よりも小さい傾きで行われる、請求項7に記載のファイバ束プローブ。
【請求項9】
対応する形状は、三角形、丸められた角を有する三角形、正方形および菱形からなるグループのひとつを含む、請求項7に記載のファイバ束プローブ。
【請求項10】
マウントの端とカラーとの距離は約7mmである、請求項7に記載のファイバ束プローブ。
【請求項11】
マウントはステンレス鋼から形成される、請求項7に記載のファイバ束プローブ。
【請求項12】
請求項1に記載のコネクタを使用して光注入モジュールと接続されるべきファイバ束プローブであって、
光を伝達するためのファイバ束と、
ファイバ束の端部を包むよう構成された管状フェルールと、
中空路を有するマウントと、を備え、
管状フェルールは前記マウントの端において中空路の中に嵌るよう構成され、
本ファイバ束プローブはさらに、マウントの側方に設けられたカラーを備え、
カラーはコネクタの締め付けカムの開口内に嵌るような対応する形状を有し、
マウント、ファイバ束およびフェルールの端は平坦な面を形成するよう研磨される、ファイバ束プローブ。
【請求項13】
研磨は、約3μmよりも小さい平坦さおよび約0.2°よりも小さい傾きで行われる、請求項12に記載のファイバ束プローブ。
【請求項14】
フェルールはガラスから形成される、請求項12に記載のファイバ束プローブ。
【請求項15】
対応する形状は、三角形、丸められた角を有する三角形、正方形および菱形からなるグループの少なくともひとつを含む、請求項12に記載のファイバ束プローブ。
【請求項16】
マウントの端とカラーとの距離は約7mmである、請求項12に記載のファイバ束プローブ。
【請求項17】
光注入モジュールと、
光を伝達するためのファイバ束ファイバ束プローブと、
請求項1に記載のコネクタと、を備え、
ファイバ束プローブはコネクタを使用して光注入モジュールと接続される、イメージングシステム。
【請求項18】
光注入モジュールは、ファイバ束プローブがコネクタを使用して光注入モジュールと接続されたときファイバ束と対向するオブジェクティブを含み、
オブジェクティブは、マッシュルーム状レンズおよび円錐状レンズからなるグループからの少なくともひとつのレンズを有する、請求項17に記載のイメージングシステム。
【請求項19】
オブジェクティブの位置はモータ化されたシステムを使用して調整される、請求項18に記載のイメージングシステム。
【請求項20】
コネクタは光注入モジュールの壁に組み付けられ、ファイバ束プローブの先端はコネクタを通じて壁の空洞に挿入され、その空洞はファイバ束プローブのマウントを受けるよう適応された形状を有する、請求項18に記載のイメージングシステム。
【請求項21】
光注入モジュールはレーザ源およびレーザアイソレータを含む、請求項17に記載のイメージングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光注入モジュールに接続されるよう構成されたファイバ束に基づく光プローブおよびそのようなプローブのためのコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、例えば米国特許出願第2005/0242298号に記載されるように、生物組織を生体内でかつそのままの状態でイメージングするために、ファイバ束プローブに基づく共焦点イメージングシステムを開発した。米国特許出願第2005/0242298号は、参照により本明細書に組み入れられる。そのようなシステムは例えば図8に模式的に示される。レーザ4はファイバ束プローブ1の近接面112に亘って走査される。ファイバ束プローブ1はコネクタ2を介して光注入モジュール3と接続される。光注入モジュール3はオブジェクティブを備え、レーザからの光が適切にファイバ束プローブの各ファイバに注入されることを確かなものとしている。ファイバ束の近接面を走査することにより、光をファイバごとに注入することが可能となり、束の先端111では観察対象を点状に照射することが可能となる。その結果、観察対象の各照射点は光を再放出し、そのような光は集められて同じファイバを介してファイバ束の近接端112へと移送され、最終的には同じ走査プロセスを通じてディテクタに伝送される。そのような共焦点システムでは、レーザの光はファイバごとに束の視野全体へと注入されるので、高精度な光のフォーカシングが要求され、また光注入モジュールに対するプローブの位置決めにおける許容誤差は2μm程度となる。
【0003】
現在、いくつかの他のシステムが光源と接続されたファイバ束をイメージングのために組み入れている。例えば、米国特許第6370422号は、反射率イメージングにおける、ファイバ束に基づくファイバプローブの使用を説明する。米国特許第6388809号は、ファイバプローブに基づくイメージングシステムを開示する。そのシステムでは、走査スキームは特定のデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)走査アーキテクチャに基づく。各ファイバコアはDMDマトリックスの個々のミラーによって指定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらのシステムは、ファイバ束と注入モジュールとの間に、フェルールコネクタ/フィジカルコネクタ(FC/PC)やサブミニチュアA(SMA)コネクタなどの標準的なコネクタを組み入れてもよい。これらのコネクタの縦方向の位置決めはねじのスペックに依存し、そのようなスペックは縦方向に15μm程ずれうる。したがって、そのようなコネクタを使用すると、光の焦点を再度合わせる必要があるかもしれないし、また、ファイバ束を光注入モジュールに対して手で再度位置合わせする必要があるかもしれない。これらの操作は熟練した専門家によってなされ得るが、医療の現場における使用には適していない。医療の現場では、ユーザは、装置が最小の時間および最小の努力で使用可能であることを期待している。さらに、これらのコネクタは、複数回の再使用に適したものではなく、ファイバ束近接面に擦り傷をつけてしまうリスクが伴う。
【0005】
本出願人は以下にファイバ束プローブと光注入モジュールとの間のコネクタを提案する。このコネクタは、位置決め精度、再現性、耐衝撃性および耐振動性を改善することができる。本出願人はまた、前記コネクタに適応されたファイバ束プローブを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
少なくともひとつの態様において、本明細書で開示される実施の形態はファイバ束プローブを光注入モジュールと接続するためのコネクタに関する。このコネクタは、ファイバ束プローブを受けるよう適応された特定形状の開口を有する締め付けカムと、締め付けカムと結合されたカム駆動部と、を含んでもよい。締め付けカムはカム駆動部の回転に応じて締め付けカムがブロックされるまで平行移動するよう構成される。本コネクタは、カム駆動部が回転により駆動され、かつ、締め付けカムがブロックされた場合に抵抗するよう構成された少なくともひとつのバネであって、締め付けカムとカム駆動部との間に延びる少なくともひとつのバネを含んでもよい。本コネクタは、カム駆動部を選択位置に固定するための固定機構を含んでもよい。
【0007】
本開示の他の態様および利点は、以下の説明および添付の請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態に係る、光注入モジュールとファイバプローブとの間のコネクタの縦断面図である。
【0009】
図2】本開示の実施の形態に係る、光注入モジュールのフレームと接触するファイバプローブの縦断面図である。
【0010】
図3図3a、図3bおよび図3cは、本開示の実施の形態に係るプローブロッキングの種々のフェーズを示す、コネクタの横断面図である。
【0011】
図4図4aおよび図4bは、本開示の実施の形態に係るコネクタの前方斜視図および後方斜視図である。
【0012】
図5】本開示の実施の形態に係る、光注入モジュールのフレームと接触するファイバプローブを示す図である。
【0013】
図6図6Aおよび図6Bはそれぞれ、本開示の実施の形態に係る、ファイバプローブの先端の縦断面図および正面図である。
【0014】
図7】本開示の実施の形態に係る、ファイバプローブのマウントの縦断面図である。
【0015】
図8】ファイバ束プローブに基づく共焦点イメージングシステムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の特定の実施の形態が添付の図面を参照して詳述されるであろう。種々の図面における同様の要素は同様の符号により表されることがある。本開示の実施の形態は、光注入モジュールと接続されるよう適応されたファイバ束を伴う光プローブ、およびそのようなプローブと光注入モジュールとを接続するためのコネクタに関する。
【0017】
図1は、本開示の実施の形態に係る、ファイバ束プローブ1、光注入モジュール3およびコネクタ2を示す。ファイバプローブ1は、縦軸Δに沿ってコネクタ2を通じて光注入モジュール3と接触させられるべきものである。特に、プローブが光注入モジュールと接触させられた場合、本明細書で開示される実施の形態に係るコネクタ2は、ファイバプローブを光注入モジュールに対して所定量の結合力で締め付けることを可能とする。
【0018】
ファイバ束プローブ1は、ファイバ束10、カラー(collar)11、(例えばステンレス鋼製の)マウント12、および案内ショルダ13を含む。カラー11、マウント12および案内ショルダ13はプローブの先端を形成する。(ステンレス鋼)マウント12はファイバ束10の先端を保護してもよい。カラー11は、プローブ1の先端がコネクタ2を通じて光注入モジュール3と接触させられる場合、コネクタ2によってプローブ1に圧力が加えられることを可能とする。カラーは配向スロットなどの特定の形状を有してもよく、この場合、プローブ1をコネクタ2に所望の向きで挿入できる。別の実施の形態では、ファイバプローブ1は特定の配向スロットを有してもよい。さらに、案内ショルダ13は管状であってもよく、ある実施の形態ではプラスチックの持ち手をプローブに取り付けることができるようにしてもよい。マウント12、カラー11および案内ショルダ13は同軸となるよう組み立てられてもよく、マウント12はプローブ先端のさらに端にあり、その後ろにはカラー11がある。カラー11は案内ショルダ13と並置されている。別の実施の形態では、カラーは例えば案内ショルダ13に別の態様で配置されていてもよい。案内ショルダ13、カラー11およびマウント12は、ファイバ束が内部に収められる中空路を有してもよい。ファイバ束10は中空路の内部に収まっており、ステンレス鋼製のマウント12の端に出現する。本開示に係るプローブの例が以下に説明されるであろう。
【0019】
選択的な実施の形態では、ファイバプローブ1は光注入モジュール3の(管状)フレーム30と接続されてもよい。ファイバプローブが光注入モジュール3と接続される場合、フレーム30の壁321の第1の側はプローブの端に対してエンドストップとして作用してもよい。マウント31は例えば管状であり少なくともひとつのレンズ33を有する。マウント31は壁321の第2の側の近くでフレーム30に挿入されてもよく、その結果、プローブが壁321の第1の側と接触させられたとき、レンズ33はプローブに近づけられる。壁321の第2の側はフレーム30の内側の部分のなかにあってもよい。マウント31および少なくともひとつのレンズ33はオブジェクティブを形成する。選択的な実施の形態では、レンズ33はマッシュルーム状に設計されてもよい。代替的な実施の形態では、レンズ33は円錐形状を有してもよい。これらの様々な形状により、オブジェクティブを正しい縦軸方向の位置に置くことができる。オブジェクティブがこの正しい縦軸方向の位置にある場合、ファイバ束10の視野全体に亘って各ファイバについて光のフォーカスが最適化される。壁321は孔322を有してもよく、オブジェクティブはこの孔322に対して中心が合わされていてもよい。オブジェクティブを使用して光源(不図示)からの光をファイバ束10に集束させてもよい。プローブが壁321と接触させられた場合、ファイバ束10は孔322と対向してもよい。プローブ1と対向する壁321の第1の側は、空洞32を形成するような形状を有してもよい。空洞32は、プローブのマウント12がその中に挿入された場合、プローブ1のマウント12およびカラー11の両方を受けるよう幾何学的に構成されていてもよく、また、ファイバ束10のファイバが孔322と対向するよう構成されていてもよい。空洞32の底部は、プローブが光注入モジュールと接触させられた場合にマウント12を受けるものであり、円柱形状を有してもよい。前記円柱は約10mmの直径および約7.2mmの長さを有してもよい。空洞の上部はプローブが光注入モジュールと接触させられた場合にカラーを受けるものであり、正三角形プリズム形状を有してもよい。三角形の一辺は約13mmから14mmであり、プリズムの長さは約3から5mmである。
【0020】
コネクタ2は、カム駆動部20と、締め付けカム21と、カム駆動部20と締め付けカム21とを結合する弾性手段22と、を備えてもよい。選択的な実施の形態では、弾性手段22は、縦軸に対して接線方向にかつ対称的に設けられたひとつ以上のバネを含んでもよい。カム駆動部はその縦軸の周りに回転駆動されてもよい。コネクタ2が光注入モジュール3に組み付けられた場合、コネクタ2はフレーム30の壁321を覆う。カム駆動部20および締め付けカム21はそれぞれ、プローブ1の先端をコネクタを通じて光注入モジュール3に挿入するためのカム駆動部開口26および締め付けカム開口25を有する。
【0021】
選択的な実施の形態では、締め付けカム開口25およびカム駆動部開口26のうちの少なくともひとつは、例えばカラー11の形状に対応する特定形状を有することによって、プローブを縦方向に方向付けることを可能とするよう構成されてもよい。これにより、プローブ1をコネクタ2にどのように挿入すべきかを決定することができる。例えば、締め付けカム21は所定寸法の三角形開口を有してもよく、プローブのカラー11は同じ寸法の普通の三角形状を有してもよい。選択的な実施の形態では、カラーは菱形を有してもよい。代替的な実施の形態では、カラー11は正三角形の形状を有してもよい。配向スロットおよび締め付けカム開口25が対応する正三角形の形状を有する場合、プローブ1は、縦軸Δに沿った3つの可能な向きでコネクタ2に挿入されうる。それら3つの向きのなかから好ましい向きを決めるために、追加的な幾何学要素が追加されてもよい。
【0022】
カム駆動部20は縦軸Δの周りの回転によって駆動されてもよい。弾性手段22は締め付けカム21とカム駆動部20とを結合させてもよく、その結果、カム駆動部20の回転によって締め付けカム21が回転し、締め付けカム21は壁321に向けて動かされ、それによって締め付けカム21はカラー11を押し、プローブをフレーム30の壁321に対して押しつける。カム駆動部20を回すことによって締め付けカム21をフレーム30に向けて螺旋状に動かすことができる。これにより、締め付けカム21とカラーとが接触した場合、締め付けカム開口25のの三角形状とカラー11の形状とはマッチしない。したがって、締め付けカムはカラーを押すことができる。これは、締め付けカム21上に引かれた螺旋溝27と、締め付けカム21とフレーム30とを前記螺旋溝を通じて機械的に結合するピンまたはねじと、を使用して実行されてもよい。選択的な実施の形態では、カム駆動部20は締め付けカム21と共に平行移動してもよい。
【0023】
代替的な実施の形態では、カム駆動部20は締め付けカム21と共に平行移動しなくてもよい。例えば締め付けカムと空洞32に挿入されたプローブ1のカラー11との間の接触により締め付けカム21の動きがブロックされた場合、カム駆動部20の回転は締め付けカム21をさらに駆動し、したがって弾性手段22が引っ張られる。プローブ1の先端をフレーム30に対して押しつけている間に、弾性手段22は線形的に増大する弾性力を生じさせてもよい。弾性手段22によると、プローブを縦方向に固定するために繰り返し力を加えることができる。選択的な実施の形態では、弾性手段22は、締め付けカム21が最初平行移動するときは伸びておらず、プローブがコネクタ2に挿入された場合のそのプローブ1のカラー11と締め付けカム21とが接触すべき位置に締め付けカム21が到着すると伸び始めるよう構成されてもよい。さらに、例えばカム駆動部20を決められた締め付け位置でブロックすることによって弾性手段22をブロックすることにより、一定の締め付け力で固定することができる。これにより、例えば衝撃や振動に対する強力な機械的抵抗性を確保することができ、またプローブ1の位置決めの再現性を増大させることができる。固定デバイス(不図示)はコネクタ2の固定を確かなものとしてもよい。これにより、プローブ1を動作位置に保持することが可能となり、プローブ1をイメージングシステムと共に使用する間予備的較正プロセスの正当性を維持できる。ある実施の形態では、プローブ1は光注入モジュール3に組み付けられたコネクタ2を通じて空洞32の中に差し込まれ、カム駆動部20が駆動されると締め付けカム21は螺旋運動を行い、プローブの端とカラー11との距離は、締め付けカム21が180°回転したときに締め付けカム21がカラー11と接触するよう設定されてもよい。
【0024】
図2は、光注入モジュールのフレーム30と接触するファイバ束プローブ1の先端を示す。(図1では2であった)コネクタは図2では示されていない。図示の通り、フレーム30に挿入されたマウント31は円錐レンズ34を含む。別の実施の形態(例えば上述の図1)では、レンズはマッシュルーム形状を有してもよい。フレーム30の壁321は中央孔を有してもよく、その孔の周りの壁321の厚さは変形に抵抗するために約1mmとされてもよい。ファイバ束10のファイバに光を適切に注入するために、オブジェクティブ31の最終レンズ34の表面は、ファイバ束表面から約0.5mmの距離のところに置かれてもよい。このファイバ束表面から約0.5mmの距離は、前記オブジェクティブ31の動作距離に対応する。オブジェクティブ31はフレーム321の壁の内側に近くなるよう調整されてもよく、レンズは円錐形状に設計されてもよい。この設計によると、オブジェクティブ31(またはレンズ34)を束のファイバに近づけることができ、また、光を束の面に対応する平面上に正しく集束させることができる。
【0025】
図3Aから図3Cは、本開示の実施の形態にかかるプローブ接続のいくつかのフェーズを示す。要素23は固定デバイスのオス突起であり、カム駆動部21上に配置される。要素24は固定デバイスの対応するメスレセプタクル部分であり、フレーム(不図示)のサポート上に配置される。固定デバイスは、カム駆動部21を決められた締め付け位置に固定することを可能とする。したがって、これにより、いつプローブが光注入モジュールに対して適切に位置決めされるかを直感的に決定できる。選択的な実施の形態では、固定デバイスはプッシュロックデバイス、プッシュプッシュデバイスおよびプッシュイジェクトデバイスのうちのいずれかであってもよい。そのような構成によると、プローブを光注入モジュールから容易かつ直感的に取り外すことができる。カム駆動部開口26は広くてもよく、カム駆動部20は実質的に円形形状を有してもよい。
【0026】
図3Aは、コネクタ2のロックされていない位置を示す。固定デバイスのオス部分23は下方にあり、締め付けカム開口25はフレーム(不図示)の孔と揃えられており、バネ22は伸びていない。この位置において、締め付けカム開口25の形状に対応する形状を有するカラー11を有するファイバプローブ1をフレーム30の壁321と接触させて空洞32のなかに差し込む。
【0027】
図3Bは、プローブ1接続の中間フェーズを示す。このフェーズでは、カム駆動部20は回転してもよく、その結果締め付けカム20がフレーム30に向けて移動する。カム駆動部20は平面内に留まる。このフェーズにおいて、締め付けカム21は徐々にプローブ1のカラー11との接触に近づけられる。締め付けカム21は螺旋運動を行ってもよく、この場合、締め付けカム21とカラー11とが接触したときに締め付けカム21の三角形状とカラー11の三角形状とはマッチせず、締め付けカム21がカラーを押すことが可能となる。締め付けカム21の運動がプローブ1のカラー11との接触によってブロックされ、かつカム駆動部20がさらに回されると、締め付けカム21はカラー11を押し、その結果プローブ1の先端はフレームに対してバネ22の伸びによって線形的に増大する弾性力で押しつけられる。図3Bは、締め付けカム21とプローブのカラー11との間の接触前の中間フェーズを示す。バネ22は螺旋運動(不図示)に沿って伸びていない状態であってもよく、締め付けカム21の運動にしたがって動く。
【0028】
図3Cは、コネクタ2の固定位置を示す。この位置では、固定デバイスのオス部分およびメス部分はカム駆動部20を締め付け位置でブロックしてもよい。この位置は、締め付けカム21がカラー11と接触し、プローブ1をフレームに押しつけることによって、決められた力でバネ22を伸ばすことができるよう決定されてもよい。システムを締め付け位置でブロックすることにより、決められた一定の力でファイバプローブ1をオブジェクティブのフレームに押しつけることが可能となる。この一定の力は、バネ定数に依存してもよく、またメスの固定デバイス24の位置によって定まる締め付け位置に依存してもよい。
【0029】
図4Aおよび図4Bは、本明細書で開示される実施の形態に係るコネクタ2の前方斜視図および後方斜視図を示す。締め付けカム21の開口25は三角形状を有してもよい。固定デバイスのオス部分23およびメス部分24はプッシュロックデバイスを形成してもよい。螺旋溝27を使用してピンを受け、締め付けカム21とフレーム30とを結合させてもよい。選択的な実施の形態では、カム駆動部21はモータによって駆動されてもよい。
【0030】
図5は、進歩的なフレーム35と接触するファイバプローブ1を示す(コネクタ2は不図示)。本実施の形態では、マウント36をフレーム35の壁に対して自動的に平行移動させるために線形マイクロモータ38が追加されてもよい。柔らかいバネ37によってマウントを反対方向に戻すことが可能となるであろう。
【0031】
図6A図6Bおよび図7を参照して本開示に係るファイバプローブが説明される。
【0032】
本開示に係る実施の形態に係るプローブは、例えばステンレス鋼により形成されたマウント12の中空路のなかに取り付けられたフェルール123によって保護されたファイバ束10を備えてもよい。そのプローブは、コネクタの開口のジオメトリに適合する形状を有し配向スロットとして機能するカラー11を備えてもよい。カラー11の形状は三角形状であると有利であり、その三角形状の角は丸められていてもよく、それは図6Bにおいてアイテム11に近接して示されている。本明細書で開示される実施の形態によると、プローブの端は研磨されていてもよく、その結果、プローブがコネクタに挿入されたとき研磨面121が光注入モジュールのフレームと接触させられてもよい。この研磨は、直径約10mmの表面に亘って2.5μmより小さい平坦度を有する研磨面121が得られるよう既知の研磨技術を使用して行われてもよい。特にこの研磨のために開発された特定のツールを使用して、研磨面の傾きを0.19°よりも小さくしてもよい。選択的な実施の形態では、研磨を容易とするために、フェルール123をファイバ束と実質的に同じ機械的特性を有する材料から形成してもよい。代替的な実施の形態では、ファイバ束10はマウント12の中空路の中に直接取り付けられてもよい。マウント12は円柱シャンク(shank)および平坦オジーブ(ogive)端を有してもよく、カラー11は正三角形プリズム形状を有してもよい。選択的な実施の形態では、プローブ121の研磨端と三角カラーとの間の長さLhは約7.2mmであってもよく、プローブの平坦な先端の直径D1は約6.4mmであってもよく、マウントの大直径D2は約10mmであってもよく、カラー11を含むマウントの全長Ltは約11.6mmであってもよく、カラーは約4.4mmの長さを有してもよい。
【0033】
本明細書で開示される実施の形態は、光源と、本開示に係るファイバ束プローブであって上述のコネクタを使用して光注入モジュールと接続されるファイバ束プローブと、を備えるイメージングシステムに関してもよい。ある実施の形態では、イメージングシステムはさらに、四分の一波長板などのレーザアイソレータを備えてもよい。これにより、束の表面と光源の光空洞との干渉を、特に光源が大きなコヒーレンス長を有するレーザである場合に抑制することができる。
【0034】
本開示は限られた数の実施の形態について説明されたが、本開示の利益を享受する当業者であれば、本明細書で開示されたような本開示の技術的範囲から逸脱しない他の実施の形態を考え出すことができることを理解するであろう。したがって、開示された発明の範囲は添付の請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8