【実施例】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0031】
図1は本発明の第1実施例を示すモバイル乗車券の改札処理システムの模式図である。なお、モバイル乗車券として、以下二次元コード乗車券を例に説明する。
【0032】
この図において、1は駅、2はICカード乗車券リーダライタ2Aと二次元コード乗車券リーダ2Bとを備える共用型自動改札機、3はこの共用型自動改札機2に接続される乗車券情報伝送装置、4は乗車券情報伝送装置3に接続されるネットワーク、5はネットワーク4に接続される乗車券情報管理サーバ、6は乗車券情報管理サーバ5に接続される携帯情報伝送装置、7は伝送基地局、8は二次元コード乗車券9を表示できる利用者10が携帯する携帯端末である。自明の事項であるので、実施例中の記載を省くが、携帯端末8と携帯情報伝送装置6間の通信は伝送基地局7を介して行う。
【0033】
このように、この改札処理システムは、ICカード乗車券リーダライタ2Aと二次元コード乗車券リーダ2Bとを配置した共用型自動改札機3によりICカード乗車券はICカード乗車券リーダライタ2Aで、二次元コード乗車券は、二次元コード乗車券リーダ2Bで処理できる
。
【0034】
図2は本発明の第2実施例を示すモバイル乗車券の改札処理システムの模式図である。なお、モバイル乗車券として、以下二次元コード乗車券を例に説明する。
【0035】
この図において、11は駅、12はICカード乗車券リーダライタ12Aを備えたICカード乗車券用自動改札機、13は二次元コード乗車券リーダ13Aを備えた二次元コード乗車券用自動改札機、14はICカード乗車券用自動改札機12と二次元コード乗車券用自動改札機13に接続される乗車券情報伝送装置、15は乗車券情報伝送装置14に接続されるネットワーク、16はネットワーク15に接続される乗車券情報管理サーバ、17は乗車券情報管理サーバ16に接続される携帯情報伝送装置、18は伝送基地局、19は二次元コード乗車券20を表示できる利用者10が携帯する携帯端末である。自明の事項であるので、実施例中の記載を省くが、携帯端末19と携帯情報伝送装置17間の通信は伝送基地局18を介して行う。
【0036】
このように、この改札処理システムは、ICカード乗車券リーダライタ12Aを有するICカード乗車券用自動改札機12と、二次元コード乗車券リーダ13Aを有する二次元コード乗車券用自動改札機13が個別に配置されており、利用者10はその何れかを選択して、改札処理を行うことができる。
【0037】
そこで、以下のような仕組みを導入することにより、二次元コード乗車券の不正利用を防止できる改札処理システムとすることができる。
【0038】
(1)利用者10は携帯端末19を用いて、携帯情報伝送装置17を介して乗車券情報管理サーバ16にアクセスして事前に利用区間の二次元コード乗車券20を購入することができる。
【0039】
(2)利用者10が携帯端末19を使って二次元コード乗車券20を購入すると、まず入場用の二次元コード乗車券20が発行され、携帯端末19のディスプレイに送信・表示される。これを二次元コード乗車券用自動改札機13の二次元コード乗車券リーダ13Aにかざすことにより二次元コード乗車券用自動改札機13を通過できる。
【0040】
(3)二次元コード乗車券用自動改札機13は、駅単位で乗車券情報伝送装置14と接続されており、利用者10の二次元コード乗車券20の通過情報を他の自動改札機と共有している。これにより、同じ乗車券を自駅内の他の改札機で利用することを抑止する(自らの改札機も当然であるが重複使用のチェックを行う)。
【0041】
(4)乗車券情報伝送装置14は、二次元コード乗車券用自動改札機13からの二次元コード乗車券の使用状況の情報をネットワーク15経由で乗車券情報管理サーバ16に伝送する。
【0042】
(5)乗車券情報管理サーバ16は、携帯端末19への二次元コード乗車券20の発行および二次元コード乗車券用自動改札機13からの乗車券使用状況の情報を収集しており、乗車券に関する情報を管理するとともに、携帯情報伝送装置17を介して入場用および出場用の二次元コード乗車券を利用者10に発行する。
【0043】
(6)利用者10が乗り継ぎを行う場合は、出場時に二次元コード乗車券用自動改札機13を通過すると、乗車券情報管理サーバ16より、乗り継ぎ用の入場用二次元コード乗車券20を発行する。
【0044】
次に、本発明の第2実施例を示す改札機の処理の流れ(通常の入場・出場の場合)について説明する。ここでは、通常の同一事業者内・同一交通手段内における利用者の入場から出場までの処理の流れを説明する。
【0045】
図3は本発明の第2実施例を示す改札処理の流れ(通常の入場・出場の場合)を示すフローチャートである。
【0046】
(1)携帯情報伝送装置17を介し、利用者10は携帯端末19を使って乗車券情報管理サーバ16にアクセスし、事前に利用区間の二次元コード乗車券20を購入し、入場用の二次元コード乗車券20の発行を受ける(ステップS1)。
【0047】
(2)利用者10が入場用の二次元コード乗車券20が表示された携帯端末19をかざして二次元コード乗車券用自動改札機13を通過すると、乗車券情報伝送装置14を介して、二次元コード乗車券用自動改札機13は通過した二次元コード乗車券20の情報を乗車券情報管理サーバ16に送信する(ステップS2)。
【0048】
(3)乗車券情報管理サーバ16は、二次元コード乗車券20が正規に利用されているかどうかをチェックする(ステップS3)。正規利用の場合は、出場用の二次元コード乗車券20を発行し、携帯情報伝送装置17を介して携帯端末19に送信する(ステップS4)。不正使用(例えば、重複使用)の場合は、不正使用であることを利用者10の携帯端末19に通知し、出場用の二次元コード乗車券20は発行しない(ステップS5)。
【0049】
(4)正規の利用者は、出場用の二次元コード乗車券20を携帯端末19で受信し、二次元コード乗車券20が表示された携帯端末19を二次元コード乗車券用自動改札機13にかざして出場する(ステップS6)。このとき、二次元コード乗車券用自動改札機13は二次元コード乗車券20の有効性(区間判定、日時判定など)をチェックするだけでなく、正規の時間内で利用したかどうかをチェックし、所定の時間内に有効な乗車券を利用しているのであれば、正規の利用者として通過を許可する。また、後述する第3実施例で説明するが、乗車券情報を乗車券情報管理サーバ16へ送信し、二次元コード乗車券が乗り継ぎ乗車券であるか否かのチェックも行う。
【0050】
(5)不正利用者(例えば、重複使用で入場した利用者)は、利用者の携帯電話に不正利用である旨が通知されるのみで出場用の二次元コード乗車券20が発行されないので、自動改札機を使って駅11から出ることが困難となり、係員窓口で処理(精算等)を行うことになるので、不正利用を抑止することができる。
【0051】
図4は本発明の第3実施例を示す改札処理の流れ(乗り継ぎ乗車券の場合)を示すフローチャートである。
【0052】
ここでは、列車や路面電車、バスなど各々に乗り継
ぐ時など、異なる事業者間・異なる交通手段間で乗り継ぎにより運賃の割引が適用になる乗り継ぎ乗車券の発行に本発明を適用した場合について説明する。なお、乗り継ぎ乗車の場合は、券売機で乗り継ぎの指定をして目的の駅まで事前に切符を購入するものとする(この場合、別々に切符を購入するより安価な金額で切符を購入できる)。
【0053】
図4のフローチャートに示すように、本発明では以下のように乗り継ぎ時の改札処理を行う。
【0054】
(1)携帯情報伝送装置17を介し、利用者10は携帯端末19を使って、乗車券情報管理サーバ16にアクセスし、事前に乗り継ぎを指定して利用区間の二次元コード乗車券20を購入し、携帯端末19に入場用の二次元コード乗車券20の発行を受ける(ステップS11)。
【0055】
(2)第2実施例のS2〜S5の処理を行う(ステップS12)
(3)利用者10が出場用の二次元コード乗車券20が表示された携帯端末19をかざして二次元コード乗車券用自動改札機13を通過して出場すると、二次元コード乗車券用自動改札機13は、乗車券情報伝送装置14を介して通過した二次元コード乗車券20の情報を乗車券情報管理サーバ16に送信する(ステップS13)。
【0056】
(4)乗車券情報管理サーバ16は通過した二次元コード乗車券20は乗り継ぎ乗車券であるか否かをチェックする(ステップS14)。
【0057】
(5)乗り継ぎ乗車券である場合、乗車券情報管理サーバ16は乗り継ぎ用の二次元コード乗車券20を発行し、携帯情報伝送装置17を介して利用者10の携帯端末19に乗り継ぎ用の二次元コード乗車券を送信する(ステップS15)。
【0058】
(6)利用者10は乗り継ぎ用の二次元コード乗車券20を使って乗り継ぎ先の交通手段に乗車する(ステップS16)。
【0059】
なお、この乗り継ぎ用乗車券を使って乗車した時にも、この乗り継ぎ用乗車券に対する出場用乗車券が発行され、上記したステップS3〜ステップS6の手順で出場できる。
【0060】
本発明によれば、以下のような効果がある。
【0061】
(1)利用者は事前にモバイル乗車券を購入することができる。
【0062】
(2)自駅内の改札機は乗車券情報を共有しているので、重複利用を防止することができる。
【0063】
(3)ネットワークは必要になるが、通過したモバイル乗車券の情報を乗車券情報管理サーバに送信するだけなので、比較的簡易なネットワークでシステム構築ができる。
【0064】
(4)改札機を通過する前の時間は任意であるが(直前に乗車券を購入する必要がない)、改札機を通過(入場)してから利用できる時間および乗り継ぎ時間をチェックできるので、不正利用を抑止することができる。
【0065】
上記した2つの実施例に示した以外に、以下のようなバリエーションが考えられる。
【0066】
(1)乗車券としては、二次元コードの代わりにカラーコードやバーコードを用いても良い。
【0067】
(2)乗車券を購入する際はWebページ上の購入画面から購入するが、購入した乗車券(入場用・出場用)の表示方法としては、指定のWebページを表示する方法と、二次元コード乗車券のイメージをメールで送信する方法などが考えられる。
【0068】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。