特許第5763001号(P5763001)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 公益財団法人鉄道総合技術研究所の特許一覧

特許5763001二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システム
<>
  • 特許5763001-二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システム 図000002
  • 特許5763001-二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システム 図000003
  • 特許5763001-二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システム 図000004
  • 特許5763001-二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システム 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5763001
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20150723BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20150723BHJP
【FI】
   G07B15/00 A
   G07B15/00 F
   G06Q50/30 110
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-63118(P2012-63118)
(22)【出願日】2012年3月21日
(65)【公開番号】特開2013-196408(P2013-196408A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2014年6月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100089635
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 守
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】明星 秀一
(72)【発明者】
【氏名】松原 広
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−059249(JP,A)
【文献】 特開2007−149012(JP,A)
【文献】 特開2011−180638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
G06Q 10/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駅にはICカード乗車券リーダライタと二次元コード乗車券リーダを備えた共用型自動改札機を備え、前記共用型自動改札機に接続される乗車券情報伝送装置と、該乗車券情報伝送装置に接続されるネットワークと、該ネットワークに接続される乗車券情報管理サーバと、該乗車券情報管理サーバに接続される携帯情報伝送装置と、該携帯情報伝送装置に接続される伝送基地局と、前記二次元コード乗車券を表示できる利用者が携帯する携帯端末とを具備する二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムにおいて、前記二次元コード乗車券が入場用の二次元コード乗車券と出場用の二次元コード乗車券と乗り継ぎ用の二次元コード乗車券からなることを特徴とする二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システム。
【請求項2】
駅にはICカード乗車券リーダライタを備えたICカード乗車券用自動改札機と、二次元コード乗車券リーダを備えた二次元コード乗車券用自動改札機とを併設し、前記ICカード乗車券用自動改札機と前記二次元コード乗車券用自動改札機に接続される乗車券情報伝送装置と、該乗車券情報伝送装置に接続されるネットワークと、該ネットワークに接続される乗車券情報管理サーバと、該乗車券情報管理サーバに接続される携帯情報伝送装置と、該携帯情報伝送装置に接続される伝送基地局と、前記二次元コード乗車券を表示できる利用者が携帯する携帯端末とを具備する二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムにおいて、前記二次元コード乗車券が入場用の二次元コード乗車券と出場用の二次元コード乗車券と乗り継ぎ用の二次元コード乗車券からなることを特徴とする二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムにおいて、前記利用者が前記二次元コード乗車券を購入すると、前記乗車券情報管理サーバが前記入場用の二次元コード乗車券を発行し、前記利用者が前記携帯端末に前記入場用の二次元コード乗車券を受信し、該入場用の二次元コード乗車券が表示された前記携帯端末のディスプレイを前記共用型自動改札機または二次元コード乗車券用自動改札機の二次元コード乗車券リーダライタにかざすことにより、前記共用型自動改札機または二次元コード乗車券用自動改札機を通過できるようにしたことを特徴とする二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システム。
【請求項4】
請求項又は記載の二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムにおいて、前記乗車券情報管理サーバは、前記共用型自動改札機または二次元コード乗車券用自動改札機を通過した前記入場用の二次元コード乗車券が正規に利用されている場合に、前記出場用の二次元コード乗車券を前記携帯端末に発行するようにしたことを特徴とする二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システム。
【請求項5】
請求項記載の二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムにおいて、前記乗車券情報管理サーバは、前記共用型自動改札機または二次元コード乗車券用自動改札機を通過した前記入場用の二次元コード乗車券が正規に利用されている場合に、前記出場用の二次元コード乗車券を前記携帯端末に発行するようにしたことを特徴とする二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の磁気乗車券を用いた改札システムにおいては、磁気乗車券の発券、磁気乗車券システムのメンテナンスの必要があり、また、磁気乗車券は破損したり、紛失しやすいといった問題があるために改善が求められていた。
【0003】
そこで、鉄道やバスなどの交通機関では、ICカードを用いた電子乗車券の利用が広まっている。
【0004】
また、昨今、携帯電話を用いた乗車券処理システムが種々提案されている(下記特許文献1〜5参照)。
【0005】
下記特許文献1では、QR(Quick Response)コード(登録商標)からなるバーコードを用いた券情報処理システムが開示されている。
【0006】
下記特許文献2では、利用者の携帯型端末を用いてチケットを提供することができるチケット管理方法が開示されている。
【0007】
下記特許文献3では、通信網を介して携帯端末装置にチケットを発券するようにした入場管理方法が開示されている。
【0008】
下記特許文献4では、チケット画像のコピーによる不正使用を防止するチケット販売装置が開示されている。
【0009】
下記特許文献5では、携帯電話を含む電子乗車券における電子乗車券決済方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−059249号公報
【特許文献2】特開2004−295649号公報
【特許文献3】特開2003−006682号公報
【特許文献4】特開2004−094468号公報
【特許文献5】特開2004−295710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記したように、近年ICカードを用いた乗車券システムが普及し、鉄道会社で使われるようになってきているが、ICカードを持たない利用者も多いため、鉄道事業者は磁気式乗車券を併用して運用している。
【0012】
この問題を解決するために、最近では二次元コードを利用した出改札システムの提案がなされている。しかしながら、二次元コード乗車券は券紙に印字した二次元コードの情報を用いているために、簡単にコピーすることができるという弱点を持っている。この弱点を解決するために、主に以下の二つの対策が既に提案されている。
【0013】
(1)各駅の自動改札機をネットワークで接続し、発券した各二次元コード乗車券の情報を各自動改札機で共有することにより、重複使用をチェックし、不正使用を防止する。
【0014】
(2)各駅の自動改札機をネットワークで接続しない (利用者が少ない地方都市圏の駅においては、高性能で高価な自動改札機を導入できないため、スタンドアロンで使用することを前提にする) 場合は、自駅内の自動改札機を通信回線によって接続し、通過した乗車券情報を共有することにより自駅内の重複使用を防止した上で、発券機で二次元コード乗車券を発行してから一定時間しか利用できないようにすることで、少しでも不正利用を防止する。
【0015】
しかしながら、上記(1)については現在使用中の各乗車券の利用状況をすべての改札機で共有することが求められるために、各乗車券の情報を全改札機に配信できる高性能なネットワークと、使用中の乗車券の情報を保持できる改札機が必要となり、多額のコストがかかるという問題がある。
【0016】
また、上記(2)については、券売機で乗車券を発券してから一定時間しか利用できないので、事前に乗車券を購入できずに、利用する直前で乗車券を購入しなければならないという問題が発生する。
【0017】
本発明は、上記状況に鑑みて、コストを抑制し、しかも不正利用を防止できる二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムにおいて、駅(1)にはICカード乗車券リーダライタ(2A)と二次元コード乗車券リーダ(2B)を備えた共用型自動改札機(2)を備え、前記共用型自動改札機(2)に接続される乗車券情報伝送装置(3)と、この乗車券情報伝送装置(3)に接続されるネットワーク(4)と、このネットワーク(4)に接続される乗車券情報管理サーバ(5)と、この乗車券情報管理サーバ(5)に接続される携帯情報伝送装置(6)と、この携帯情報伝送装置(6)に接続される伝送基地局(7)と、前記二次元コード乗車券(9)を表示できる利用者(10)が携帯する携帯端末(8)とを具備する二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムにおいて、前記二次元コード乗車券(9)が入場用の二次元コード乗車券と出場用の二次元コード乗車券と乗り継ぎ用の二次元コード乗車券からなることを特徴とする。
【0019】
〔2〕二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムにおいて、駅(11)にはICカード乗車券リーダライタ(12A)を備えたICカード乗車券用自動改札機(12)と、二次元コード乗車券リーダ(13A)を備えた二次元コード乗車券(20)用自動改札機(13)とを併設し、前記ICカード乗車券用自動改札機(12)と前記二次元コード乗車券用自動改札機(13)に接続される乗車券情報伝送装置(14)と、この乗車券情報伝送装置(14)に接続されるネットワーク(15)と、このネットワーク(15)に接続される乗車券情報管理サーバ(16)と、この乗車券情報管理サーバ(16)に接続される携帯情報伝送装置(17)と、この携帯情報伝送装置(17)に接続される伝送基地局(18)と、前記二次元コード乗車券(20)を表示できる利用者(10)が携帯する携帯端末(19)とを具備する二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムにおいて、前記二次元コード乗車券(20)が入場用の二次元コード乗車券と出場用の二次元コード乗車券と乗り継ぎ用の二次元コード乗車券からなることを特徴とする。
【0020】
〕上記〔1〕又は〔2〕記載の二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムにおいて、前記利用者(10)が前記二次元コード乗車券を購入すると、前記乗車券情報管理サーバ(5,16)が前記入場用の二次元コード乗車券を発行し、前記利用者(10)が前記携帯端末(8,19)に前記入場用の二次元コード乗車券を受信し、この入場用の二次元コード乗車券(9,20)が表示された前記携帯端末(8,19)のディスプレイを前記共用型自動改札機(2)または二次元コード乗車券用自動改札機(13)の二次元コード乗車券リーダ(2B,13A)にかざすことにより、前記共用型自動改札機(2)または二次元コード乗車券用自動改札機(13)を通過できるようにしたことを特徴とする。
【0021】
〕上記〔1〕又は〔2〕記載の二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムにおいて、前記乗車券情報管理サーバ(5、16)は、前記共用型自動改札機(2)または二次元コード乗車券用自動改札機(13)を通過した前記入場用の二次元コード乗車券が正規に利用されている場合に、前記出場用の二次元コード乗車券を前記携帯端末(8、19)に発行するようにしたことを特徴とする。
【0022】
〔5〕上記〔3〕記載の二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムにおいて、前記乗車券情報管理サーバ(5、16)は、前記共用型自動改札機(2)または二次元コード乗車券用自動改札機(13)を通過した前記入場用の二次元コード乗車券が正規に利用されている場合に、前記出場用の二次元コード乗車券を前記携帯端末(8、19)に発行するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0024】
(1)利用者は事前にモバイル乗車券を購入することができる。
【0025】
(2)自駅内の改札機は乗車券情報を共有しているので、重複利用を防止することができる。
【0026】
(3)ネットワークは必要になるが、通過したモバイル乗車券の情報を乗車券情報管理サーバに送信するだけでよいので、比較的簡易なネットワークでシステム構築ができる。
【0027】
(4)改札機を通過する前の時間は任意であるが(直前に乗車券を購入する必要がない)、改札機を通過(入場)してから利用できる時間をチェックできるので、不正利用を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の第1実施例を示すモバイル乗車券の改札処理システムの模式図である。
図2】本発明の第2実施例を示すモバイル乗車券の改札処理システムの模式図である。
図3】本発明の第2実施例を示す改札処理の流れ(通常の入場・出場の場合)を示すフローチャートである。
図4】本発明の第3実施例を示す改札処理の流れ(乗り継ぎ乗車券の場合)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムは、駅にはICカード乗車券リーダライタと二次元コード乗車券リーダを備えた共用型自動改札機を備え、前記共用型自動改札機に接続される乗車券情報伝送装置と、この乗車券情報伝送装置に接続されるネットワークと、このネットワークに接続される乗車券情報管理サーバと、この乗車券情報管理サーバに接続される携帯情報伝送装置と、この携帯情報伝送装置に接続される伝送基地局と、前記二次元コード乗車券を表示できる利用者が携帯する携帯端末とを具備する二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムにおいて、前記二次元コード乗車券が入場用の二次元コード乗車券と出場用の二次元コード乗車券と乗り継ぎ用の二次元コード乗車券からなる
【実施例】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0031】
図1は本発明の第1実施例を示すモバイル乗車券の改札処理システムの模式図である。なお、モバイル乗車券として、以下二次元コード乗車券を例に説明する。
【0032】
この図において、1は駅、2はICカード乗車券リーダライタ2Aと二次元コード乗車券リーダ2Bとを備える共用型自動改札機、3はこの共用型自動改札機2に接続される乗車券情報伝送装置、4は乗車券情報伝送装置3に接続されるネットワーク、5はネットワーク4に接続される乗車券情報管理サーバ、6は乗車券情報管理サーバ5に接続される携帯情報伝送装置、7は伝送基地局、8は二次元コード乗車券9を表示できる利用者10が携帯する携帯端末である。自明の事項であるので、実施例中の記載を省くが、携帯端末8と携帯情報伝送装置6間の通信は伝送基地局7を介して行う。
【0033】
このように、この改札処理システムは、ICカード乗車券リーダライタ2Aと二次元コード乗車券リーダ2Bとを配置した共用型自動改札機3によりICカード乗車券はICカード乗車券リーダライタ2Aで、二次元コード乗車券は、二次元コード乗車券リーダ2Bで処理できる
【0034】
図2は本発明の第2実施例を示すモバイル乗車券の改札処理システムの模式図である。なお、モバイル乗車券として、以下二次元コード乗車券を例に説明する。
【0035】
この図において、11は駅、12はICカード乗車券リーダライタ12Aを備えたICカード乗車券用自動改札機、13は二次元コード乗車券リーダ13Aを備えた二次元コード乗車券用自動改札機、14はICカード乗車券用自動改札機12と二次元コード乗車券用自動改札機13に接続される乗車券情報伝送装置、15は乗車券情報伝送装置14に接続されるネットワーク、16はネットワーク15に接続される乗車券情報管理サーバ、17は乗車券情報管理サーバ16に接続される携帯情報伝送装置、18は伝送基地局、19は二次元コード乗車券20を表示できる利用者10が携帯する携帯端末である。自明の事項であるので、実施例中の記載を省くが、携帯端末19と携帯情報伝送装置17間の通信は伝送基地局18を介して行う。
【0036】
このように、この改札処理システムは、ICカード乗車券リーダライタ12Aを有するICカード乗車券用自動改札機12と、二次元コード乗車券リーダ13Aを有する二次元コード乗車券用自動改札機13が個別に配置されており、利用者10はその何れかを選択して、改札処理を行うことができる。
【0037】
そこで、以下のような仕組みを導入することにより、二次元コード乗車券の不正利用を防止できる改札処理システムとすることができる。
【0038】
(1)利用者10は携帯端末19を用いて、携帯情報伝送装置17を介して乗車券情報管理サーバ16にアクセスして事前に利用区間の二次元コード乗車券20を購入することができる。
【0039】
(2)利用者10が携帯端末19を使って二次元コード乗車券20を購入すると、まず入場用の二次元コード乗車券20が発行され、携帯端末19のディスプレイに送信・表示される。これを二次元コード乗車券用自動改札機13の二次元コード乗車券リーダ13Aにかざすことにより二次元コード乗車券用自動改札機13を通過できる。
【0040】
(3)二次元コード乗車券用自動改札機13は、駅単位で乗車券情報伝送装置14と接続されており、利用者10の二次元コード乗車券20の通過情報を他の自動改札機と共有している。これにより、同じ乗車券を自駅内の他の改札機で利用することを抑止する(自らの改札機も当然であるが重複使用のチェックを行う)。
【0041】
(4)乗車券情報伝送装置14は、二次元コード乗車券用自動改札機13からの二次元コード乗車券の使用状況の情報をネットワーク15経由で乗車券情報管理サーバ16に伝送する。
【0042】
(5)乗車券情報管理サーバ16は、携帯端末19への二次元コード乗車券20の発行および二次元コード乗車券用自動改札機13からの乗車券使用状況の情報を収集しており、乗車券に関する情報を管理するとともに、携帯情報伝送装置17を介して入場用および出場用の二次元コード乗車券を利用者10に発行する。
【0043】
(6)利用者10が乗り継ぎを行う場合は、出場時に二次元コード乗車券用自動改札機13を通過すると、乗車券情報管理サーバ16より、乗り継ぎ用の入場用二次元コード乗車券20を発行する。
【0044】
次に、本発明の第2実施例を示す改札機の処理の流れ(通常の入場・出場の場合)について説明する。ここでは、通常の同一事業者内・同一交通手段内における利用者の入場から出場までの処理の流れを説明する。
【0045】
図3は本発明の第2実施例を示す改札処理の流れ(通常の入場・出場の場合)を示すフローチャートである。
【0046】
(1)携帯情報伝送装置17を介し、利用者10は携帯端末19を使って乗車券情報管理サーバ16にアクセスし、事前に利用区間の二次元コード乗車券20を購入し、入場用の二次元コード乗車券20の発行を受ける(ステップS1)。
【0047】
(2)利用者10が入場用の二次元コード乗車券20が表示された携帯端末19をかざして二次元コード乗車券用自動改札機13を通過すると、乗車券情報伝送装置14を介して、二次元コード乗車券用自動改札機13は通過した二次元コード乗車券20の情報を乗車券情報管理サーバ16に送信する(ステップS2)。
【0048】
(3)乗車券情報管理サーバ16は、二次元コード乗車券20が正規に利用されているかどうかをチェックする(ステップS3)。正規利用の場合は、出場用の二次元コード乗車券20を発行し、携帯情報伝送装置17を介して携帯端末19に送信する(ステップS4)。不正使用(例えば、重複使用)の場合は、不正使用であることを利用者10の携帯端末19に通知し、出場用の二次元コード乗車券20は発行しない(ステップS5)。
【0049】
(4)正規の利用者は、出場用の二次元コード乗車券20を携帯端末19で受信し、二次元コード乗車券20が表示された携帯端末19を二次元コード乗車券用自動改札機13にかざして出場する(ステップS6)。このとき、二次元コード乗車券用自動改札機13は二次元コード乗車券20の有効性(区間判定、日時判定など)をチェックするだけでなく、正規の時間内で利用したかどうかをチェックし、所定の時間内に有効な乗車券を利用しているのであれば、正規の利用者として通過を許可する。また、後述する第3実施例で説明するが、乗車券情報を乗車券情報管理サーバ16へ送信し、二次元コード乗車券が乗り継ぎ乗車券であるか否かのチェックも行う。
【0050】
(5)不正利用者(例えば、重複使用で入場した利用者)は、利用者の携帯電話に不正利用である旨が通知されるのみで出場用の二次元コード乗車券20が発行されないので、自動改札機を使って駅11から出ることが困難となり、係員窓口で処理(精算等)を行うことになるので、不正利用を抑止することができる。
【0051】
図4は本発明の第3実施例を示す改札処理の流れ(乗り継ぎ乗車券の場合)を示すフローチャートである。
【0052】
ここでは、列車や路面電車、バスなど各々に乗り継時など、異なる事業者間・異なる交通手段間で乗り継ぎにより運賃の割引が適用になる乗り継ぎ乗車券の発行に本発明を適用した場合について説明する。なお、乗り継ぎ乗車の場合は、券売機で乗り継ぎの指定をして目的の駅まで事前に切符を購入するものとする(この場合、別々に切符を購入するより安価な金額で切符を購入できる)。
【0053】
図4のフローチャートに示すように、本発明では以下のように乗り継ぎ時の改札処理を行う。
【0054】
(1)携帯情報伝送装置17を介し、利用者10は携帯端末19を使って、乗車券情報管理サーバ16にアクセスし、事前に乗り継ぎを指定して利用区間の二次元コード乗車券20を購入し、携帯端末19に入場用の二次元コード乗車券20の発行を受ける(ステップS11)。
【0055】
(2)第2実施例のS2〜S5の処理を行う(ステップS12)
(3)利用者10が出場用の二次元コード乗車券20が表示された携帯端末19をかざして二次元コード乗車券用自動改札機13を通過して出場すると、二次元コード乗車券用自動改札機13は、乗車券情報伝送装置14を介して通過した二次元コード乗車券20の情報を乗車券情報管理サーバ16に送信する(ステップS13)。
【0056】
(4)乗車券情報管理サーバ16は通過した二次元コード乗車券20は乗り継ぎ乗車券であるか否かをチェックする(ステップS14)。
【0057】
(5)乗り継ぎ乗車券である場合、乗車券情報管理サーバ16は乗り継ぎ用の二次元コード乗車券20を発行し、携帯情報伝送装置17を介して利用者10の携帯端末19に乗り継ぎ用の二次元コード乗車券を送信する(ステップS15)。
【0058】
(6)利用者10は乗り継ぎ用の二次元コード乗車券20を使って乗り継ぎ先の交通手段に乗車する(ステップS16)。
【0059】
なお、この乗り継ぎ用乗車券を使って乗車した時にも、この乗り継ぎ用乗車券に対する出場用乗車券が発行され、上記したステップS3〜ステップS6の手順で出場できる。
【0060】
本発明によれば、以下のような効果がある。
【0061】
(1)利用者は事前にモバイル乗車券を購入することができる。
【0062】
(2)自駅内の改札機は乗車券情報を共有しているので、重複利用を防止することができる。
【0063】
(3)ネットワークは必要になるが、通過したモバイル乗車券の情報を乗車券情報管理サーバに送信するだけなので、比較的簡易なネットワークでシステム構築ができる。
【0064】
(4)改札機を通過する前の時間は任意であるが(直前に乗車券を購入する必要がない)、改札機を通過(入場)してから利用できる時間および乗り継ぎ時間をチェックできるので、不正利用を抑止することができる。
【0065】
上記した2つの実施例に示した以外に、以下のようなバリエーションが考えられる。
【0066】
(1)乗車券としては、二次元コードの代わりにカラーコードやバーコードを用いても良い。
【0067】
(2)乗車券を購入する際はWebページ上の購入画面から購入するが、購入した乗車券(入場用・出場用)の表示方法としては、指定のWebページを表示する方法と、二次元コード乗車券のイメージをメールで送信する方法などが考えられる。
【0068】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムは、コストを抑制し、しかも不正利用を防止できる二次元コードを用いたモバイル乗車券の改札処理システムとして利用可能である。
【符号の説明】
【0070】
1,11 駅
2 共用型自動改札機
2A,12A ICカード乗車券リーダライタ
2B,13A 二次元コード乗車券リーダ
3,14 乗車券情報伝送装置
4,15 ネットワーク
5,16 乗車券情報管理サーバ
6,17 携帯情報伝送装置
7,18 伝送基地局
8,19 携帯端末
9,20 二次元コード乗車券
10 利用者
12 ICカード乗車券用自動改札機
13 二次元コード乗車券用自動改札機
図3
図4
図1
図2