特許第5763012号(P5763012)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンナイ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5763012-加熱調理器用の検出装置 図000002
  • 特許5763012-加熱調理器用の検出装置 図000003
  • 特許5763012-加熱調理器用の検出装置 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5763012
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】加熱調理器用の検出装置
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20150723BHJP
【FI】
   F24C3/12 R
   F24C3/12 J
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-130609(P2012-130609)
(22)【出願日】2012年6月8日
(65)【公開番号】特開2013-253759(P2013-253759A)
(43)【公開日】2013年12月19日
【審査請求日】2013年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】倉地 大修
【審査官】 長浜 義憲
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−083085(JP,A)
【文献】 特開2005−078852(JP,A)
【文献】 実開平04−096918(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3094335(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
突出方向に弾性的に付勢され、調理容器の底面に当接して、前記調理容器の載置により下方に移動する当接部と、
前記当接部に配設されて、前記調理容器の底面の温度を検出する感熱素子と、
前記当接部を上下動自在に支持する支持パイプと、
前記支持パイプと連通し、内部に弾性を有する半円弧状端部が離間するように設けられた複数の接点端子を有するスイッチ部と、
前記感熱素子に接続されるとともに、前記支持パイプ内及び前記スイッチ部内に挿通され、前記当接部の移動に伴って進退自在に設けられた感熱素子用リード線と、
前記感熱素子用リード線の所定位置に固定され、前記感熱素子用リード線の移動に連動して前記スイッチ部内を感熱素子用リード線の延びる方向に沿って進退自在に移動する導電性部分と非導電性部分とが一体に形成された作動部と、を備え、
前記作動部は、前記調理容器の載置に関わらず、前記スイッチ部内の複数の接点端子における半円弧状端部と接触しており、
前記複数の接点端子の半円弧状端部間を前記作動部移動することにより、前記導電性部分と前記複数の接点端子の半円弧状端部とが接離する加熱調理器用の検出装置。
【請求項2】
請求項に記載の加熱調理器用の検出装置であって、
前記スイッチ部は、前記支持パイプと螺合により連設されている加熱調理器用の検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の加熱調理器用の検出装置であって、
前記支持パイプは、上端部で当接部と接続され、上下方向に延在する縦パイプ部と、前記縦パイプ部の下端部から屈曲されて水平方向に延在する横パイプ部とを有し、
前記スイッチ部は、前記横パイプ部と連通しており、
前記複数の接点端子は、前記スイッチ部内の下方側に複数設けられている加熱調理器用の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器用の検出装置に関する。特に、本発明は、加熱調理器の五徳上に鍋などの調理容器が載置されているかどうかを検出する存否検出と、調理容器の底面の温度を検出する温度検出とを行う検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスコンロなどの加熱調理器では、鍋などの調理容器の有無を検出するとともに、調理容器の底面の温度を検出するための検出装置が設けられている。上記の検出装置としては、調理容器の底面に当接し、コイルばねなどの弾性体により上下動自在に設けられた当接部と、当接部に設けられたサーミスタなどの感熱素子と、感熱素子に接続された感熱素子用リード線と、感熱素子用リード線に支持された近接スイッチと、加熱調理器内の所定位置に固定された磁石体とを有するものが知られている(例えば、特許文献1〜2)。この種の検出装置では、五徳上での調理容器の有無によって当接部が上下に移動し、それに伴って感熱素子用リード線に固定された近接スイッチが磁石体と近接、離間することにより、近接スイッチと磁石体とが非接触の状態で調理容器の存否が検出される。また、五徳上に調理容器が載置されていれば、調理容器の底面に当接部が当接し、調理容器の底面の温度が感熱素子に伝熱され、感熱素子の出力が回路部に出力されて温度検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−214473号公報
【特許文献2】特開2006−34783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような検出装置ではいずれも、近接スイッチと磁石体との近接、離間によって調理容器の存否検出が行われるため、調理時の熱によって磁石体の磁力が低下しやすく、検出不良が発生する虞がある。そのため、当接部と近接スイッチとを離して配置させることも考えるが、長い感熱素子用リード線が必要となって、近接スイッチと磁石体の位置関係にばらつきが生じやすい。その結果、加熱調理器への検出装置の組み付け時に、近接スイッチと磁石体の位置関係を高い精度で調整する必要が生じる。さらに、近接スイッチや磁石体などの部品は高価であり、しかも磁石体の近くに磁性体があると磁界が変わってしまうため、磁石体の周囲を非磁性金属で作製しなければならず、製造コストが嵩むという問題がある。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、安価で、簡易な構造を有する加熱調理器用の検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、突出方向に弾性的に付勢され、調理容器の底面に当接して、前記調理容器の載置により下方に移動する当接部と、
前記当接部に配設されて、前記調理容器の底面の温度を検出する感熱素子と、
前記当接部を上下動自在に支持する支持パイプと、
前記支持パイプと連通し、内部に弾性を有する半円弧状端部が離間するように設けられた複数の接点端子を有するスイッチ部と、
前記感熱素子に接続されるとともに、前記支持パイプ内及び前記スイッチ部内に挿通され、前記当接部の移動に伴って進退自在に設けられた感熱素子用リード線と、
前記感熱素子用リード線の所定位置に固定され、前記感熱素子用リード線の移動に連動して前記スイッチ部内を感熱素子用リード線の延びる方向に沿って進退自在に移動する導電性部分と非導電性部分とが一体に形成された作動部と、を備え、
前記作動部は、前記調理容器の載置に関わらず、前記スイッチ部内の複数の接点端子における半円弧状端部と接触しており、
前記複数の接点端子の半円弧状端部間を前記作動部移動することにより、前記導電性部分と前記複数の接点端子の半円弧状端部とが接離する加熱調理器用の検出装置である。
【0007】
上記検出装置によれば、当接部の移動によって進退自在に設けられた感熱素子用リード線に導電性部分を有する作動部が固定され、該作動部が感熱素子用リード線の移動に連動して、弾性を持った半円弧状端部を有する複数の接点端子が設けられたスイッチ部内を感熱素子用リード線の延びる方向に沿って進退自在に移動するから、導電性部分と複数の接点端子の半円弧状端部との接触、離間により、調理容器の有無を検出することができる。
【0009】
また、上記検出装置によれば、作動部が感熱素子用リード線の延びる方向に沿って導電性部分と非導電性部分とを有するから、スイッチ部内での作動部の移動により確実に調理容器の有無をすることができる。さらに、導電性部分と非導電性部分とが一体化され、作動部を常時、接点端子と接触させていれば、非導電性部分が導電性部分のガイドとなり、作動部が移動する際に安定して導電性部分と接点端子とを接離させることができる。
【0010】
好ましくは、上記の検出装置において、
前記スイッチ部は、前記支持パイプと螺合により連設される。
【0011】
導電性部分と接点端子との接離により調理容器の有無を検出する場合、オン・オフ検出を確実に行うために、導電性部分と接点端子との位置関係を調整する必要があるが、上記検出装置では、接点端子が配設されたスイッチ部と支持パイプとが螺合により連設されるから、検出装置の組み立て時に容易に導電性部分と接点端子とを位置決めすることができる。
【0012】
好ましくは、上記の検出装置において、
前記支持パイプは、上端部で当接部と接続され、上下方向に延在する縦パイプ部と、前記縦パイプ部の下端部から屈曲されて水平方向に延在する横パイプ部とを有し、
前記スイッチ部は、前記横パイプ部と連通しており、
前記複数の接点端子は、前記スイッチ部内の下方側に複数設けられる。
【0013】
上記検出装置によれば、水平方向に延在する横パイプ部にスイッチ部が連設されているから、感熱素子用リード線に固定された作動部はスイッチ部内を水平方向に移動する。このとき、作動部はその自重によりスイッチ部内を傾斜して摺動しやすくなるから、スイッチ部の下方側に複数の接点端子を設ければ、作動部の導電性部分と接点端子とが接触しやすくなり、一層確実に調理容器の有無を検出することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、高価な近接スイッチや磁石体を用いることなく、導電性部分を有する作動部と接点端子との接離により調理容器の存否検出を行うことができる。これにより、安価で、簡易な構造を有する加熱調理器用の検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器の一例を示す概略構成図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器の要部を示す要部概略断面図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る検出装置の要部を示す要部概略部分透視図であり、(a)は五徳上に調理容器が載置されたときの状態を、(b)は五徳上に調理容器が載置されていないときの状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態に係る加熱調理器用の検出装置を具体的に説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る検出装置を組み付けたビルトイン式のガスコンロを示す。このガスコンロ1は、システムキッチンのカウンタトップKに開設された取付口K1へ落とし込み状態で装着されるものであり、カウンタトップK内へ埋設される本体ケースPと、その本体ケースPの上面開口部を覆う天板3とを備えている。
【0018】
天板3には、2つのバーナ用開口20(図2参照)が開設されており、この各バーナ用開口20の外周部には、鍋ややかんなどの調理容器を支持するための五徳21が載置されている。
【0019】
バーナ用開口20には、本体ケースP内に組み込まれた加熱手段としての2つのバーナ2が臨んでおり、これらバーナ2から放出されるガスの燃焼熱によって、五徳21上に載置された調理容器が加熱される。なお、本明細書では、バーナ2の中央に配設される検出装置5の当接部51(図2参照)の突出する方向を上下方向とし、これに直交する方向を水平方向という。
【0020】
図2は、図1の要部概略断面図である。バーナ2は、混合管25と、混合管25の下流端から上方に続くバーナ部22とを備える。混合管25は、上流側に図示しない器具栓と繋がった管部26を、下流側に上下方向に延びる環状のバーナボディ27を備える。
【0021】
バーナ部22は、バーナボディ27上に載置される環状のバーナヘッド23と、バーナヘッド23の上部開口部を覆う環状のバーナキャップ24とから構成されている。バーナヘッド23の下面外周部に設けられた多数の歯形と、バーナボディ27の上端部との間に炎孔28が形成される。バーナボディ27には、点火電極29及び図示しない炎検知器が外付けされている。また、バーナ用開口20には、中央部にバーナ部22が挿通される孔を有するバーナリング4が配設され、バーナリング4は、バーナ用開口20に嵌め合わされるように設置されている。なお、バーナ2は、本体ケースP内の所定箇所に固定されたバーナ支持台(図示せず)に螺子止め等により固定されており、本体ケースP内で位置決めされている。
【0022】
バーナヘッド23及びバーナキャップ24の中央の開口には検出装置5が配設されており、検出装置5は、支持パイプ6の上端部と接続され、調理容器の底面と当接する当接部51を有し、該当接部51は、開放状態で五徳21の上面よりも上方に突出するように設けられている。
【0023】
検出装置5の当接部51は、外筒52及び内筒53と、内筒53の上端に調理容器の底面に接触する集熱板54と、集熱板54と支持パイプ6の上端部との間に介在され、当接部51を上方に付勢するコイルばね7とを備えている。内筒53の下端には、後述する支持パイプ6の縦パイプ部61の上端が固定されている。これにより、当接部51は、ガスコンロ1内に固定されている支持パイプ6に対して上下動自在に配置され、五徳21上に調理容器が載置されている場合、当接部51が下方に移動し、五徳21上に調理容器が載置されていない場合、当接部51が上方に移動する。
【0024】
集熱板54の内面には、調理容器の底面の温度を検出する感熱素子(サーミスタ)8が配設されている。感熱素子8には、一対の感熱素子用リード線81が接続されており、これらの感熱素子用リード線81は、ガラス網組などのチューブ(図示せず)で一体に束ねられた状態で内筒53の内側から支持パイプ6内に挿通されている。また、感熱素子用リード線81の端部は図示しないコネクタを介して調理容器の加熱状態を制御する回路部に接続されている。これにより、調理の種類に応じて調理温度を調整できるとともに、調理容器の過熱を防止できる。
【0025】
当接部51を支持する支持パイプ6は、上下方向に延在し、上端部が当接部51の内筒53の下端と接続される縦パイプ部61と、縦パイプ部61の下端部から水平方向に屈曲し延在する横パイプ部62とを備えた側面視L字状に形成されている。なお、図示しないが、横パイプ部62は、縦パイプ部61の軸心がバーナヘッド23及びバーナキャップ24の開口の中央部に位置するよう、ガスコンロ1内の所定位置に固定されている。
【0026】
図2及び図3に示すように、横パイプ部62の回路側の端部には、スイッチ部9が連設されている。スイッチ部9は、横パイプ部62と同軸で、横パイプ部62の回路側の端部が挿入される連通孔92が形成された筒状の小径部91と、連通孔92よりも大きな内径を有する凹部94を備え、回路側に開口95が形成された筒状の大径部93とが連設されて構成されており、連通孔92及び凹部94は横パイプ部62と連通している。この小径部91の連通孔92の内径は、横パイプ部62が円滑に挿入できるよう、横パイプ部62の外径よりも若干大きく形成されている。また、小径部91の周壁には、螺子孔(図示せず)が穿設されており、小径部91の連通孔92に横パイプ部62の端部を挿入した後、螺子孔に螺子Sを螺入することにより横パイプ部62とスイッチ部9とが連設されるように構成されている。なお、横パイプ部62とスイッチ部9とは一体で形成されていてもよいが、後述するように別体の支持パイプ6とスイッチ部9とを用い、これらを螺合して連設すれば、作動部10と接点端子96との位置決めを容易に調整することができる。
【0027】
なお、スイッチ部9の内部を示すために図示しないが、スイッチ部9の大径部93は連設用パイプとさらに接続されており、感熱素子用リード線81は、連設用パイプ内に挿通され、連設用パイプから露出する感熱素子用リード線81の端部にはコネクタが接続されている。
【0028】
スイッチ部9内には、導電性金属からなる2つの接点端子96,96が上下に対向して配設されている。接点端子96,96はそれぞれ、弾性を有する半円弧状端部を有しており、対向する半円弧状端部間の距離は、作動部10を狭持するために作動部10の外径よりも若干小さく設定されている。また、これらの接点端子96,96はそれぞれ、大径部93の開口95で外方に屈曲され、屈曲された各接点端子96の端部はコネクタハウジング100と接続されている。さらに、コネクタハウジング100は位置検出用リード線101と接続され、位置検出用リード線101は図示しない回路部と接続されている。
【0029】
スイッチ部9内に挿通されている感熱素子用リード線81には、感熱素子用リード線81の延びる方向に沿って棒状の作動部10が固定されている。本実施の形態の作動部10は、導電性金属などからなる導電性部分11と樹脂などからなる非導電性部分12とが同径で一体に形成されており、これらは感熱素子用リード線81を固定するための連通した挿通孔(図示せず)を有している。また、作動部10は、感熱素子用リード線81の移動に連動して接点端子96,96間を円滑に摺動するよう、調理容器の載置に関わらず、常時、導電性部分11あるいは非導電性部分12のいずれかと接触するように設けられている。さらに、作動部10は、接点端子96,96間で作動部10が直線的に摺動するよう、五徳21上に調理容器が載置されていないとき、横パイプ部62内に作動部10の支持パイプ6側の端部が挿入される長さに設けられている。導電性部分11の導電性金属としては、ステンレス、銅、ニッケル−メッキなどを、非導電性部分12の樹脂としては、PET−PBTなどの耐熱性樹脂を用いることができる。なお、感熱素子用リード線81への作動部10の固定は、耐熱性接着剤を用いてもよいし、締結部材を用いてもよい。
【0030】
従って、図3(a)に示すように、五徳21上に調理容器が載置され、当接部51がコイルばね7の付勢力に抗して押し下げられると、感熱素子用リード線81が支持パイプ6内を下方に移動する。そして、感熱素子用リード線81の移動に伴って、感熱素子用リード線81に固定されている作動部10もスイッチ部9内を回路側に移動する。このとき、作動部10の導電性部分11と接点端子96とが接触することにより、電気的に接続され、回路部で調理容器のオン検出がなされる。また、図3(b)に示すように、五徳21上から調理容器を取り除くと、コイルばね7の復帰により、当接部51、及び感熱素子用リード線81が上方に移動する。そして、感熱素子用リード線81の移動に伴って、感熱素子用リード線81に固定された作動部10も当接部51側に移動する。このとき、作動部10の非導電性部分12が接点端子96と接触することにより、回路部で調理容器のオフ検出がなされる。
【0031】
以上のように、本実施の形態の検出装置5によれば、当接部51の移動によって進退自在に設けられた感熱素子用リード線81に作動部10が固定され、該作動部10が感熱素子用リード線81の移動に連動して接点端子96が設けられたスイッチ部9内を進退自在に移動するから、作動部10の導電性部分11と接点端子96との接触、離間により、調理容器の有無を検出することができる。従って、このものでは、高価な近接スイッチや磁石体を用いることなく、調理容器の存否検出を行うことができる。また、作動部10は、感熱素子用リード線81に固定されているだけであるから、調理容器の底面の温度を検出する温度検出が妨げられることもない。さらに、本実施の形態の検出装置5によれば、調理容器の存否検出のために磁石体が用いられないから、調理時の熱による磁石体への影響を考慮する必要がなく、磁石体を用いる場合に比べて当接部51とスイッチ部9との距離を短くすることもできる。さらに、上記検出装置5では、作動部10の導電性部分11と接点端子96との直接接触により存否検出がされるから、近接スイッチと磁石体とが非接触の状態で存否検出を行う場合よりも、より確実に調理容器の有無を検出することができる。そして、熱による検出精度への影響を考慮しなくてよく、また作動部10の導電性部分11と接点端子96との直接接触により存否検出されるから、近接スイッチ及び磁石体を用いる場合に比べて、高い取り付け精度も要求されない。しかも、磁石体を用いる必要がないから、スイッチ部9を高価な非磁性金属で作製する必要がなく、より一層安価な検出装置5を提供することができる。
【0032】
また、上記検出装置5では、作動部10が金属製の導電性部分11と樹脂製の非導電性部分12とを有するから、作動部10の移動により確実に調理器具の有無を検出することができる。さらに、導電性部分11と非導電性部分12とが一体に形成され、調理容器の載置に関わらず、作動部10を常時、接点端子96と接触させているから、作動部10が移動する際に安定して導電性部分11を接点端子96に接離させることができる。
【0033】
また、上記検出装置5では、スイッチ部9と支持パイプ6とが螺合により連設されているから、検出装置5の組み立て時に容易に導電性部分11と接点端子96とを位置決めすることができる。これにより、検出不良をより低減することができる。さらに、上記検出装置5では、スイッチ部9内に接点端子96が複数設けられているから、作動部10が傾いて移動した場合でも、導電性部分11と接点端子96とを確実に接触させることができる。
【0034】
(その他の実施の形態)
(1)上記実施の形態では、作動部10の導電性部分11と接点端子96が接触したときに、オン検出され、作動部10の非導電性部分12と接点端子96が接触したときに、オフ検出されるようオン・オフ制御しているが、導電性部分11と非導電性部分12が形成されている位置を入れ替えて、オン・オフ制御を逆に行ってもよい。
【0035】
(2)上記実施の形態では、接点端子96は2つ用いられているが、接点端子96は1つだけ設けてもよいし、3つ以上設けてもよい。ただし、作動部10と接点端子96との接触を確実に検出するためにも、接点端子96は2以上設けることが好ましい。
【0036】
(3)上記実施の形態では、支持パイプ6が縦パイプ部61と横パイプ部62とを有し、水平方向に延在する横パイプ部62にスイッチ部9が連設されているが、縦パイプ部61のみを有する支持パイプ6を用いてもよい。この場合、作動部10の導電性部分11と接点端子96とを確実に接触させるためにも、好ましくは、接点端子96はスイッチ部9内に3つ以上設けられる。
【0037】
(4)上記実施の形態では、接点端子96はスイッチ部9内で上下に対向するように設けられているが、接点端子96はスイッチ部9内の下方側に隣接して設けてもよい。すなわち、上記実施の形態では、作動部10は水平方向に延在する支持パイプ6内に挿通された感熱素子用リード線81に固定されているため、スイッチ部9内を移動する際、自重により回路側で下方に傾斜しやすくなる。特に、作動部10はスイッチ部9内で進退自在に移動する必要があるため、スイッチ部9の連通孔92の内径よりも作動部10の径は小さく形成される。従って、下方側に接点端子96を設けることにより、作動部10が移動した際により確実に導電性部分11と接点端子96とを接触させることができる。
【0038】
(5)上記実施の形態では、ガスコンロ1の五徳21上での調理容器の存否検出及び調理容器の底面の温度検出に用いられる検出装置を例に挙げて説明したが、グリル庫でのグリル皿などの調理容器の存否検出及び調理容器の底面の温度検出に用いられる検出装置にも本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0039】
5 検出装置
6 支持パイプ
8 感熱素子
9 スイッチ部
10 作動部
11 導電性部分
12 非導電性部分
51 当接部
81 感熱素子用リード線
96 接点端子
図1
図2
図3