【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、独立請求項に記載される方法およびデバイスによって、この目的は達成される。従属請求項は、本発明の好ましい、または有利な実施形態を定義する。
一態様によると、連続プロセスプラントにおいて処理される材料の湿式化学処理の方法が提供される。この方法において、処理される材料は処理容器を通して輸送され、そしてその処理容器中で、処理液で処理される。本発明によると、不活性気体が処理容器に供給される。
【0011】
処理される材料は、特に、処理される平坦な材料、例えば、プリント回路基板、導電性フィルム、シート材料などであることが可能である。処理される材料は、導電性構造を有することが可能である。処理液は、特に、処理溶液への酸素の移入が、処理溶液自体および/または処理される材料の処理プロセスおよび/またはプロセスラインまたは処理モジュールの運転に悪影響を有する溶液であることが可能である。
【0012】
不活性気体を供給することによって、処理容器中で大気酸素の置き換えが起こる。この方法において、処理容器中の酸素濃度を低下させることができて、したがって、処理液への酸素の移入を低下させることができる。特に、ほんのわずかの酸素を含有するか、または酸素を含有しない気体クッションを、処理液の浴の上に、浴表面に直接隣接させて生じさせることができる。これによって、処理される材料が処理容器に輸送され、そして処理容器から輸送される連続プロセスプラントにおいて、処理溶液への酸素の移入が低減される。
【0013】
不活性気体の供給は、廃物空気が処理容器から放出される1つまたは複数の領域から間隔を置いて配置された処理容器の1つまたは複数の領域で実行することができる。例えば、不活性気体を、処理容器の少なくとも1つの第1の領域で、処理容器に供給することができる一方、第1の領域から間隔を置いて配置された処理容器の第2の領域で、処理容器から不活性気体は放出され、例えば、吸引または放出によって除去される。このことから、第1の領域および第2の領域の適切な配置によって、酸素を処理容器から移動させることが可能となる。
【0014】
不活性気体を、処理容器のエッジ領域を介して、処理モジュールから放出することができる。連続プロセスプラントにおいて、輸送方向で処理モジュールを区切る処理容器のジャケットの部分に、例えば、処理容器と、隣接している処理モジュールとの間の分割壁に、エッジ領域を配置することができる。少なくとも、輸送方向で処理容器を区切る処理容器の2つのジャケットの部分から間隔を置いて、特に、それらの間の実質的に中央に配置された領域において、処理容器への不活性気体の供給を行うことができる。これにより処理容器の長さにわたって酸素を移動させることができる。
【0015】
処理容器は、処理される材料がそれを通して処理容器に輸送されるインレットスロット、および処理される材料がそれを通して処理容器から輸送されるアウトレットスロットを
有することが可能であり、不活性気体は、インレットスロットおよび/またはアウトレットスロットを通して処理容器から放出される。不活性気体は、特に、吸引によって、インレットスロットを通して、そしてアウトレットスロットを通して、処理容器から除去することができる。これによって、処理される材料の通過のために処理容器に提供された1つのスロットを通して、特に、2つのスロットを通して、処理容器から廃物空気を放出することが可能となる。したがって、それらのスロットを通しての処理容器への空気の進入を防ぐことが可能である。
【0016】
処理容器の蒸気空間の圧力を、処理容器外の周囲圧力より高くなるように調節することができる。その結果、例えば、インレットスロットおよび/またはアウトレットスロットを通しての環境から処理容器への大気酸素の進入を低減させることができる。
【0017】
不活性気体を連続的に処理容器に供給することができる。その結果、連続プロセスプラントの連続運転の間、酸素を処理容器から移動させることができる。
不活性気体を処理容器に供給するために、不活性気体を少なくとも処理液に導入することができる。これによって、不活性気体が処理容器に供給される時に、処理液に溶解した酸素、または処理プロセスの間に形成する処理液に溶解した有害な気体を、処理液から追い出すことが可能となる。
【0018】
不活性気体を、処理液の浴水位より低く配置された位置で処理液に導入することができる。特に、不活性気体を、浴水位より少なくとも10mm、特に少なくとも100mm低く配置された位置で処理液に導入することができる。その結果、発泡を防止することができ、均一な気泡分布を達成することができ、そして、不活性気体気泡と処理液浴との間の長時間の接触時間を達成することができる。
【0019】
さらに、不活性気体を、浴または処理液の渦巻き(swirling)が達成されるように、処理液に導入することができる。その結果、残渣量でなお存在し得るいずれものスラリーの渦巻きを達成することができて、そのため、スラリーの濾過がより容易に可能となる。したがって、メンテナンス間隔を延長することができて、プロセスラインのより高い有効性を達成することができる。
【0020】
処理容器にサンプを備えることができ、その中で、処理液が少なくともある水位まで蓄積され、そこから処理液が処理部材へ運搬され、不活性気体は、その水位より低い位置で処理容器に導入される。その結果、低い酸素含有量を有する処理液が1つまたはそれ以上の処理部材を介して運搬および送達される様式で、不活性気体を、目的にかなって、処理液に導入することができる。そのような様式において、酸素および/または有害な気体を、処理容器中の処理液の大部分から追い出すことができる。
【0021】
不活性気体を、処理液に、特に、処理液を処理部材へ運搬するコンベアデバイスの吸入領域で導入することができる。特に、処理液を循環するコンベアデバイスに大量の液体が流入する位置もしくは領域で、および/またはコンベアデバイスの吸入開口部への流速が有限である位置もしくは領域で、サンプに蓄積された処理液に不活性気体を導入することができる。
【0022】
コンベアデバイスの吸入開口部より高く、サンプに配置された位置または領域で、サンプに蓄積された処理液中に不活性気体を導入することができる。それによって、コンベアデバイスにダメージを与える可能性のある気体気泡の吸入を防ぐことが可能である。
【0023】
特に、不活性気体を処理液に導入するための、不活性気体を供給するための供給デバイスは、不活性気体が微小気泡の形態で導入されるように構成することができる。供給デバ
イスは、多孔性フリットを有することができ、これを介して不活性気体が処理液に導入される。また供給デバイスは、小さい穴が配列された供給部分を備えることもでき、これを介して不活性気体が処理液に導入される。フリットまたは送達部分が、管状プラスチック部品の形態であることができる。不活性気体が微小気泡の形態で処理液に導入される場合、高度の不活性気体の使用を達成することができる。加えて、望ましくないスプラッシュ(splashes)を低減することができる。
【0024】
処理容器の蒸気空間における所望の酸素濃度を達成するために、処理容器に供給される不活性気体の体積流量率を確立することができる。例えば、処理容器の既知の寸法および運転パラメータ次第で、体積流量率を制御することができる。例えば、処理モジュールの蒸気空間における酸素濃度または他の気体濃度を測定するセンサの出力信号次第で、体積流量率を調節することができる。
【0025】
浴水位より高い処理容器の蒸気空間の酸素濃度が、10体積%未満、特に、5体積%未満、特に2体積%未満であるように、処理容器に供給される不活性気体の体積流量率を確立することができる。
【0026】
この方法およびデバイスにおいて、処理容器の蒸気空間における酸素濃度を0体積%まで低下させる必要はない。例示的な実施形態において、浴水位より高い処理容器の蒸気空間の酸素濃度が、0.1〜15体積%の範囲、特に、3〜12体積%の範囲、特に4〜8体積%の範囲であるように、処理容器に供給される不活性気体の体積流量率を確立することができる。上記の酸素の残留濃度がある場合でさえも、処理される材料が酸素感受性または空気感受性処理溶液で処理される場合に生じる可能性のある問題を首尾よく低減させることができることが示された。
【0027】
単位時間あたり処理容器から放出される廃物空気の量が、単位時間あたり供給される不活性気体、および処理液の蒸発によって単位時間あたり形成される蒸気の量の合計の少なくとも80%であるように、単位時間あたり処理容器に供給される不活性気体の量を確立することができる。単位時間あたり処理容器から放出される廃物空気の量は、そのような合計の少なくとも90%、特に、少なくとも100%であることが可能である。例示的な実施形態において、単位時間あたり処理容器から除去される廃物空気の量は、そのような合計の80%〜120%であることが可能である。そのような様式で、形成する蒸気は、吸引によって安全に除去することができる。
【0028】
m
3/時間で測定される体積流量率と、m
3で測定される、処理容器に存在する処理液の体積との比率が20:1未満、特に10:1未満であるように、処理容器に供給される不活性気体の体積流量率を確立することができる。上記の不活性気体の体積流量率によって、処理される材料が酸素感受性または空気感受性の処理溶液で処理される場合に生ずる可能性のある問題を防ぐことができ、不活性気体の消費を十分に低くさせることができる。
【0029】
処理容器はメンテナンスおよびサービス開口部を有することが可能であり、そのそれぞれは少なくとも1つの閉鎖要素を備えることができる。少なくとも1つの閉鎖要素には、ガスケットを備えることができる。これによって、メンテナンスおよびサービス開口部を介して処理容器の環境から酸素が進入することを防ぐことができる。
【0030】
例えば、窒素または二酸化炭素を不活性気体として使用することができる。
さらなる態様によると、処理される材料、特に、処理される平坦な材料の湿式化学処理のためのデバイスが提供される。このデバイスは、処理液で処理される材料を処理するための処理容器と、処理容器を通して処理される材料を輸送するための輸送デバイスと、不
活性気体を処理容器に供給するための供給デバイスとを備える。
【0031】
不活性気体が処理容器に供給されるようにデバイスが構成されるため、処理容器中の大気酸素を置換することができる。したがって、デバイスは、処理容器中の酸素濃度を低下させ、したがって、処理液への酸素の移入を低減させるように構成される。特に、ほんのわずかの酸素を含有するか、または酸素を含有しない気体クッションを、処理液の浴の上に、浴表面に直接隣接させて生じさせることができる。これによって、連続プロセスプラントにおいて、処理溶液への酸素の移入が低減される。
【0032】
本明細書に記載される様々な例示的な実施形態による方法を実行するためにデバイスを構成することができ、対応するその方法の実施形態と関連して記載された効果を達成することが可能である。デバイスの実施形態は従属請求項においても記載されており、それおぞれ対応するその方法の実施形態と関連して記載された効果を達成することが可能である。
【0033】
本発明のさらなる態様によって、一態様または例示的な実施形態による方法によって処理された物品、特に、プリント回路基板または導体箔が提供される。
本発明の様々な例示的な実施形態による方法およびデバイスによって、処理液への酸素の移入が低減される。特に、処理される材料が処理容器に輸送され、そして処理液による処理後、処理容器から輸送される連続プロセスプラントにおいて、様々な例示的な実施形態による方法およびデバイスによって、処理液への酸素の移入によって生じる可能性のある問題を低減することができる。
【0034】
本発明の例示的な実施形態を、処理される材料が輸送されるプラントにおいて、例えば、プリント回路基板、箔状材料、ストリップ導体などの化学的、特に電気化学的処理のためのプラントにおいて使用することができる。しかしながら、例示的な実施形態は、その分野の用途に限定されない。
【0035】
添付の図面を参照し、本発明を、好ましいか、または例示的実施形態によって、以下、より詳細に説明する。