(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5763122
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】圧電振動モジュール
(51)【国際特許分類】
B06B 1/06 20060101AFI20150723BHJP
【FI】
B06B1/06 Z
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-98907(P2013-98907)
(22)【出願日】2013年5月8日
(65)【公開番号】特開2013-233545(P2013-233545A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2013年5月8日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0048711
(32)【優先日】2012年5月8日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100089347
【弁理士】
【氏名又は名称】木川 幸治
(74)【代理人】
【識別番号】100154379
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】キム,ゼ キュン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ドン ソン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,イェン ホ
【審査官】
下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−030975(JP,A)
【文献】
特開2001−104880(JP,A)
【文献】
特開2000−140759(JP,A)
【文献】
特開平10−117472(JP,A)
【文献】
特開平09−225401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B06B 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源の印加によって膨張及び収縮変形を繰り返して振動力を生成する圧電素子と、
下部が開放されており、前記圧電素子が線形に振動するように内部空間を形成し、内側面から中心に向かって突出されたダンパを備えた上部ケースと、
前記上部ケースの下部面に結合され、前記上部ケースの内部空間を遮蔽する下部ケースと、
平坦な下部プレートに前記圧電素子が備えられており、前記上部ケースと前記下部ケースの内部に配置されて上下方向に駆動する振動プレートと、からなり、
前記振動プレートは、
前記下部プレートと、
前記下部プレートの両側面の中心から垂直上方に立設された一対の上部プレートと、
前記圧電素子の振動力を増大させるために前記一対の上部プレートの間に配置された重量体と、からなることを特徴とする圧電振動モジュール。
【請求項2】
前記ダンパは、前記振動プレートと同一高さに設けられることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動モジュール。
【請求項3】
前記振動プレートの長さは、前記二つのダンパの間の隔離距離より短く延びていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動モジュール。
【請求項4】
前記ダンパは、前記上部ケースと同一材料で形成されることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動モジュール。
【請求項5】
前記ダンパは、堅質の剛性材料で形成されることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動モジュール。
【請求項6】
前記ダンパと振動プレートの両端部との間の離隔距離は、1mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動モジュール。
【請求項7】
外部電源の印加によって膨張及び収縮変形を繰り返して振動力を生成する圧電素子と、
下部が開放されており、前記圧電素子が線形に振動するように内部空間を形成する上部ケースと、
前記上部ケースの下部面に結合され、前記上部ケースの内部空間を遮蔽する下部ケースと、
前記圧電素子が取り付けられ、両端部にダンパを備えており、前記上部ケースと前記下部ケースの内部に配置されて上下方向に駆動する振動プレートと、からなり、
前記振動プレートは、
前記圧電素子が取り付けられた前記下部プレートと、
前記下部プレートの両側面の中心から垂直上方に立設された一対の上部プレートと、
前記圧電素子の振動力を増大させるために前記一対の上部プレートの間に配置された重量体と、からなることを特徴とする圧電振動モジュール。
【請求項8】
前記上部ケースの内部の長さは、振動プレートの長さより長く形成されていることを特徴とする請求項7に記載の圧電振動モジュール。
【請求項9】
前記ダンパは、振動プレートと同一材料で形成されることを特徴とする請求項7に記載の圧電振動モジュール。
【請求項10】
前記ダンパは、堅質の剛性材料で形成されることを特徴とする請求項7に記載の圧電振動モジュール。
【請求項11】
前記ダンパは、前記上部プレートの両端部から外部に向かって突出されていることを特徴とする請求項7に記載の圧電振動モジュール。
【請求項12】
前記ダンパと上部ケースの内側面との間の離隔距離は、1mm以下であることを特徴とする請求項7に記載の圧電振動モジュール。
【請求項13】
外部電源の印加によって膨張及び収縮変形を繰り返して振動力を生成する圧電素子と、
下部が開放されており、前記圧電素子が線形に振動するように内部空間を形成する上部ケースと、
前記上部ケースの下部面に結合され、前記上部ケースの内部空間を遮蔽する下部ケースと、
前記下部ケース上に位置固定され、前記圧電素子が取り付けられた下部プレート、及び前記下部プレートの両側面の中心から垂直上方に立設された一対の上部プレートを備えた振動プレートと、からなり、
前記上部プレートの両端部が前記上部ケースの内側面と接触されないように延びていることを特徴とする圧電振動モジュール。
【請求項14】
前記上部プレートの両端部と上部ケースの内側面との間の離隔距離は、1mm以下であることを特徴とする請求項13に記載の圧電振動モジュール。
【請求項15】
前記振動プレートは、前記圧電素子の振動力を増大させるために前記一対の上部プレートの間に重量体をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の圧電振動モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、携帯電話、電子ブック(E―book)端末、ゲーム機、PMPなどの携帯用電子機器において、振動機能が様々な用途に活用されている。
【0003】
特に、このような振動を発生させるための振動発生装置は、携帯用電子機器に主に搭載され、無音の着信信号である警報機能として利用されている。
【0004】
このような携帯用電子機器の多機能化に伴い、現在、振動発生装置においても小型化だけでなく集積化、及び様々な高機能化が求められている状況である。
【0005】
さらに、近年、携帯用電子機器を簡便に使用しようとするユーザの要求により、携帯用電子機器をタッチして入力するタッチ方式のデバイスが一般的に採択されている。
【0006】
現在、一般に通用されているハプティックデバイスは、タッチして入力する概念の他にも、インターフェースユーザの直観的な経験を反映して、タッチに対するフィードバックをより多様化する概念まで広範囲に含む。
【0007】
このようなハプティックデバイスは、通常、圧電素子の外部電源の印加によって膨張及び/または収縮変形を繰り返して振動を提供するが、このような圧電素子は、特許文献1の超音波リニアモータ(linear motor)に開示されているように、耐湿性及び耐久性を改善させることができる。
【0008】
特許文献1による超音波リニアモータは、高湿度環境や塵埃の発生が多い環境下で、圧電素子の性能及び寿命を向上させるために、圧電素子が保護材、例えば、シリコンゴムで覆われて、超音波リニアモータを構成する多数の構成部材との衝突を予め防止できるようにする。
【0009】
しかし、特許文献1による超音波リニアモータは、並進運動によって振動力を発生させる圧電素子の一部を除いた残りを覆っているため、膨張または収縮変形率が著しく減少するしかない。
【0010】
即ち、従来技術の保護材が、却って、圧電素子の振動力を低下させる要因として作用する恐れがあるため、圧電素子を外部要因から保護するための他の方案が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】実開平2−94486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述の問題点を解決するために導き出されたものであって、外部衝撃、特に、横方向衝突から振動プレートの圧電素子を保護することができる圧電振動モジュールを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を果たすために、本発明の第1実施例による圧電振動モジュールは、外部電源の印加によって膨張及び収縮変形を繰り返して振動力を生成する圧電素子と、下部が開放されており、振動プレートが線形に振動するように内部空間を形成し、内側面から中心に向かって突出されたダンパを備えた上部ケースと、上部ケースの下部面に結合され、上部ケースの内部空間を遮蔽する下部ケースと、
圧電素子が取り付けられた平坦な下部プレートと、下部プレートの両側面の中心から垂直上方に立設された一対の上部プレートと、圧電素子の振動力を増大させるために一対の上部プレートの間に配置された重量体と、を備え、上部ケースと下部ケースの内部に配置されて上下方向に駆動する振動プレートと、からなることを特徴とする。
【0015】
本実施例において、ダンパは、振動プレートと同一高さに設けられ、好ましくは上部プレートと同一高さに設けられる。
【0016】
本実施例において、振動プレートの長さは、二つのダンパの間の隔離距離より短く延びて、振動プレートとダンパとが直接的に接触されないようにする。好ましくは、ダンパと振動プレートの両端部との間の離隔距離は、1mm以下である。
【0017】
本実施例において、ダンパは、上部ケースと同一材料で形成される。
【0018】
本実施例において、ダンパは、堅質の剛性材料で形成される。
【0019】
本発明の第2実施例による圧電振動モジュールは、外部電源の印加によって膨張及び収縮変形を繰り返して振動力を生成する圧電素子と、下部が開放されており、振動プレートが線形に振動するように内部空間を形成する上部ケースと、上部ケースの下部面に結合され、上部ケースの内部空間を遮蔽する下部ケースと、
圧電素子が取り付けられた下部プレートと、下部プレートの両側面の中心から垂直上方に立設された一対の上部プレートと、圧電素子の振動力を増大させるために一対の上部プレートの間に配置された重量体と、を備え、上部ケースと下部ケースの内部に配置されて上下方向に駆動する振動プレートと、からな
り、振動プレートの上部プレートはこの両端部にダンパを備えることを特徴とする。
【0021】
本実施例において、上部ケースの内部の長さは、振動プレートの長さより長く形成されて、両端部にダンパを備えた振動プレートが上部ケースの内側面と直接的に接触されない。好ましくは、ダンパと上部ケースの内側面との間の離隔距離は、1mm以下である。
【0022】
本実施例において、ダンパは、振動プレートと同一材料で形成される。
【0023】
本実施例において、ダンパは、堅質の剛性材料で形成される。
【0024】
本発明の第3実施例による圧電振動モジュールは、外部電源の印加によって膨張及び収縮変形を繰り返して振動力を生成する圧電素子と、下部が開放されており、圧電素子が線形に振動するように内部空間を形成する上部ケースと、上部ケースの下部面に結合され、上部ケースの内部空間を遮蔽する下部ケースと、下部ケース上に位置固定され、圧電素子が取り付けられた下部プレート、及び下部プレートの両側面の中心から垂直上方に立設された一対の上部プレートを備えた振動プレートと、からなり、上部プレートの両端部が上部ケースの内側面と接触されないように延びていることを特徴とする。
【0025】
本実施例において、上部プレートの両端部と上部ケースの内側面との間の離隔距離は、1mm以下である。
【0026】
本実施例において、振動プレートは、一対の上部プレートの間に重量体をさらに備える。
【発明の効果】
【0027】
上記の本発明によると、振動力を提供する圧電素子で構成された駆動体を外部衝撃から確実に保護することができる圧電振動モジュールが提供される。
【0028】
特に、本発明によると、圧電振動モジュールの長さ方向、即ち、横方向衝突から保護するために、振動プレートの両端部にダンパのような衝突緩衝部材を備える。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の第1実施例による圧電振動モジュールの斜視図である。
【
図2】
図1に図示された圧電振動モジュールの分解斜視図である。
【
図3】
図1のIII−III線に沿って切断した圧電振動モジュールを概略的に図示した断面図である。
【
図4A】
図3に図示された圧電振動モジュールの駆動過程を図示した図面である。
【
図4B】
図3に図示された圧電振動モジュールの駆動過程を図示した図面である。
【
図4C】
図3に図示された圧電振動モジュールの駆動過程を図示した図面である。
【
図5】本発明の第2実施例による圧電振動モジュールを概略的に図示した断面図である。
【
図6】本発明の第3実施例による圧電振動モジュールを概略的に図示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は、添付図面に係る以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、「一面」、「他面」、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。以下、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不明瞭にする可能性がある係る公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0031】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0032】
図1は、本発明の第1実施例による圧電振動モジュールの斜視図であり、
図2は、
図1に図示された圧電振動モジュールの分解斜視図である。
【0033】
図示されたように、本発明の第1実施例による圧電振動モジュール100は、上部ケース110と、振動プレート120と、重量体130と、下部ケース140と、からなる。
【0034】
このような圧電振動モジュール100は、タッチスクリーンパネル(touch screen panel、不図示)に振動力を伝達するための手段として用いられる。
【0035】
上部ケース110は、一側面が開放された箱状からなっており、その内部空間に、駆動体、換言すれば、圧電素子123が取り付けられた振動プレート120を収容する。
【0036】
振動プレート120は、圧電素子123と一体に膨張及び収縮変形を繰り返して圧電素子123の振動力を外部部品に伝達するものであって、平坦な下部プレート121を備えている。下部プレート121の平坦な一面には、圧電素子123が取り付けられ、下部プレート121の他面には、重量体130が配置または取り付けられる。この振動プレート120は、圧電素子123を駆動するための電源を印加するPCB(不図示)を備えることができる。
【0037】
選択的に、振動プレート120は、上述の平坦な下部プレート121とともに、この下部プレート121の両側面から垂直上方に立設されている一対の上部プレート122を備えることができる。上部プレート122は、下部プレート121の中心部に結合される。
【0038】
下部プレート121と上部プレート122は、一体型の単一部品からなってもよく、これと異なって様々な接合方式により固定結合されてもよい。
【0039】
振動プレート120は、外部電源の印加によって膨張及び収縮変形を繰り返す圧電素子123と一体に変形することができるように、弾性力を有する金属材料、例えば、SUSからなる。また、振動プレート120と圧電素子123は、互いにボンディング結合方式により結合される場合に接着部材の硬化によって発生しえるバンディング(bending)現象を予め防止するために、圧電素子の熱膨張係数と類似の熱膨張係数を有する材料であるインバー(invar)からなることもできる。
【0040】
上述したように、振動プレート120が圧電素子123と類似の熱膨張係数を有するィンバー材料で形成することにより、圧電素子123は、高温の外部環境下で作動時または熱衝撃時に発生する熱的ストレス(thermal stress)が減少するため、電気的特性が低下する圧電劣化現象を防止することができる。
【0041】
一対の上部プレート122は、例えば、下部プレート121の幅だけ互いに平行に配列されており、一対の上部プレート122の間に重量体130を配置することができる。重量体130は、振動力を最大に増加させるための媒介物であり、振動プレート120の下部プレート121との接触を防止するために、重量体130の中心部から両端部に向かって上向きに傾斜して形成される。上述したように、振動プレート120に上部プレート122が備えられている構造では、重量体130が下部プレート121と接触していないため、圧電素子123を下部プレート121の平坦な一面上に配置することができる。
【0042】
参照に、重量体130は、金属材料で製作することができ、同一体積で相対的に高い密度を有するタングステンで製作することが好ましい。
【0043】
下部ケース140は、図示されたように、全体的に細長い平坦な形状のプレートに形成され、上部ケース110の開放された下部面を閉鎖することができるサイズ及び形状を有するように形成される。
【0044】
上部ケース110と下部ケース140は、当該分野の熟練者において公知されているかしめ(caulking)、熔接またはボンディングなどの様々な方式により結合させることができる。
【0045】
図3は、
図1のIII−III線に沿って切断した圧電振動モジュールを概略的に図示した断面図である。
【0046】
振動プレート120は、下部ケース140と所定間隔を置いて平行に離隔されており、好ましくは、下部プレート121は、その両端部に形成された段差部によって、下部ケース140の両端部に結合されて固定される。
【0047】
これと異なって、下部ケース140の両端部に結合段(不図示)が備えられ、平坦な下部プレート121の両端部が下部ケース140の結合段上に載置されてもよい。
【0048】
図示されたように、本発明の第1実施例による圧電振動モジュール100は、上部ケース110の内側面、具体的には、振動プレート120の両端部と対向する内側面にダンパ111を備える。好ましくは、ダンパ111は、上部ケース110と一体に形成されるが、これに限定されず、様々な結合方式により固定されることができる。
【0049】
ダンパ111は、上部ケース110と同一材料からなっており、弾性係数が高くて弾性変形が殆ど生じない堅質の剛性材料で製作することが好ましい。本発明のダンパ111は、これに限定されず、延性材料で製作してもよい。
【0050】
特に、ダンパ111は、本発明の圧電振動モジュール100の外部衝撃、特に、圧電振動モジュール100の長さ方向(横方向)衝撃が発生する時に、振動プレート120の両端部と上部ケース110との接触による圧電素子123の損傷を防止することができる。そのため、ダンパ111は、上部ケース110と下部ケース140とにより形成された内部空間に配置される振動プレート120と同一高さに、上部ケース110の内側面から中心部に向かって突出させている。
【0051】
振動プレート120の長さは、二つのダンパ111の間の隔離距離より短くなければならない。即ち、ダンパ111は、振動プレート120と直接的に接触せずに振動プレート120の両端部から所定間隔を置いて離隔されている。好ましくは、ダンパ111と振動プレート120の両端部との間の離隔距離は、1mm以下に形成される。
【0052】
横方向衝撃が発生する時に、ダンパ111によって振動プレート120の長さ方向への移動が減少されるため、圧電素子123を保護して、落下信頼性を向上させることができる。
【0053】
圧電素子123に電源が印加される場合、圧電素子123が下部プレート121に完全に付着されているため、膨張または収縮変形によって、下部プレート121の中心部にモーメントが発生する。下部プレート121が下部ケース140の両端部に固定された状態でモーメントが発生するため、振動プレート120の中心部が上下方向に変形することになる。
【0054】
さらに、圧電素子123は、単層型または多層型に積層させて構成することができる。多層型に積層された圧電素子は、低い外部電圧でも圧電素子の駆動に必要な電界を確保することができる。従って、本発明による圧電振動モジュール100の駆動電圧を低めるという効果を奏することができるため、本発明では、多層型に積層された圧電素子123を採用することが好ましい。
【0055】
当該分野の熟練者において公知されているように、圧電素子123は、様々な材料で製作することができ、特に、ポリマーで製作する。
【0056】
図4Aから
図4Cは、
図3に図示された圧電振動モジュール100の駆動過程を図示した図面であり、本発明の第1実施例による圧電振動モジュール100は、タッチスクリーンパネルまたはLCDなどの画像表示部に結合されて振動力を外部に伝達する。
【0057】
図4Aは、外部電源が印加される前の状態を図示した圧電振動モジュール100の断面図である。
図4Bは、電源が印加された時に圧電素子123の長さが膨張される圧電振動モジュール100の断面図であり、圧電素子123の長さが長くなると、下部プレート121の変形率が相対的に小さく、下部プレート121が下部ケース140に固定されているため、振動プレート120は、下側方向に撓み変形して駆動することになる。反対に、
図4Cは、電源が印加された時に圧電素子123の長さが収縮される圧電振動モジュール100の断面図であり、圧電素子123の長さが短くなると、下部プレート121は、上側に撓み変形して駆動することになる。
【0058】
図示されたように、上/下方向の振動により、圧電素子123を備えたハプティックデバイスのユーザは、振動フィードバックを検知することができる。
【0059】
図5は、本発明の第2実施例による圧電振動モジュール100´の断面図である。
【0060】
図5に図示された本発明の第2実施例による圧電振動モジュール100´は、
図3に図示された本発明の第1実施例による圧電振動モジュール100のダンパ111の配列状態を除いて同様である。従って、本発明の明瞭な理解のために、類似または同一の構成部材についての説明は省略する。
【0061】
図5に図示されたように、本発明の第2実施例による圧電振動モジュール100´は、振動プレート120の両端部にダンパ124を備えることを特徴とする。
【0062】
このダンパ124は、振動プレート120と一体に形成されるが、これに限定されず、様々な結合方式により固定させることができる。
【0063】
ダンパ124は、振動プレート120、特に、上部プレート122の両端部から長さ方向に延びており、振動プレート120と同一材料で製作される。ダンパ124は、剛性材料で製作され、弾性係数が高くて弾性変形が殆ど生じない堅質の材料で製作される。必要に応じて、本発明のダンパ124は、延性材料で製作されてもよい。
【0064】
両端部にダンパ124を備えた振動プレート120の長さは、上部ケース110の長さ方向の内部長さより短く形成されて、上部ケース110とダンパ124とが直接的に接触されないようにすることが好ましい。特に、ダンパ124と上部ケース110の内側面との間の離隔距離は、1mm以下に形成される。
【0065】
このような構造により、ダンパ124は、本発明の圧電振動モジュール100´の外部衝撃、特に圧電振動モジュール100´の長さ方向(横方向)衝撃が発生する時に、振動プレート120と上部ケース110の離隔距離を減少させて、圧電素子123に加えられる衝撃力だけでなく、衝突を防止することができる。
【0066】
横方向衝撃が発生する時に、振動プレート120の長さ方向への移動が減少されて、圧電素子123を保護して、落下信頼性を向上させることができる。
【0067】
図6は、本発明の第3実施例による圧電振動モジュール100´´を概略的に図示した断面図であり、上述した本発明の第1実施例による圧電振動モジュール100及び本発明の第2実施例による圧電振動モジュール100´と類似または同一の構成部材についての説明は省略する。
【0068】
本発明の第3実施例による圧電振動モジュール100´´は、上述の第1実施例で備えたダンパ111(
図3参照)及び第2実施例で備えたダンパ124(
図5参照)を備えていない。本発明の第3実施例による圧電振動モジュール100´´は、振動プレート120の両端部と上部ケース110の内側面との間が、直接的に接触せずに所定距離を置いて離隔されるように配列されている。
【0069】
換言すれば、本発明の圧電振動モジュール100´´は、振動プレート120、特に、上部プレート122の両端部と上部ケース110の内側面との間の離隔距離Lを有するが、隔離距離Lを1mm以下にする。
【0070】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0071】
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、圧電振動モジュールに適用可能である。
【符号の説明】
【0073】
100、100´、100´´ 圧電振動モジュール
110 上部ケース
111 ダンパ
120 振動プレート
121 下部プレート
122 上部プレート
123 圧電素子
124 ダンパ
130 重量体
140 下部ケース