特許第5763134号(P5763134)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許57631348−[{1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−2−オンの塩を含む錠剤処方物およびそれから作製される錠剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5763134
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】8−[{1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−2−オンの塩を含む錠剤処方物およびそれから作製される錠剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/438 20060101AFI20150723BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20150723BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20150723BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20150723BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20150723BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20150723BHJP
   A61P 1/08 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
   A61K31/438
   A61K47/38
   A61K47/26
   A61K47/32
   A61K47/12
   A61K9/20
   A61P1/08
【請求項の数】4
【外国語出願】
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-154185(P2013-154185)
(22)【出願日】2013年7月25日
(62)【分割の表示】特願2009-554571(P2009-554571)の分割
【原出願日】2008年3月20日
(65)【公開番号】特開2013-216694(P2013-216694A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2013年8月23日
(31)【優先権主張番号】60/919,501
(32)【優先日】2007年3月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510087760
【氏名又は名称】オプコ ヘルス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】チュー チーホイ
(72)【発明者】
【氏名】ウィン−キー フィリップ チョウ
(72)【発明者】
【氏名】チャオ ナー
(72)【発明者】
【氏名】ビクター ミン−シー ウォン
【審査官】 高橋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2002/24166(WO,A1)
【文献】 特表2005−513068(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/063243(WO,A1)
【文献】 特表2006−506353(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/097076(WO,A2)
【文献】 特表2002−531403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/438
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮性処方物から形成される錠剤であって、該圧縮性処方物の250gは、以下:
100gの(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンの結晶性一水和物塩酸塩;
25gの微結晶性セルロース;
5gのクロスカルメロースナトリウム;
51.25gのラクトース一水和物;および
12.5gのポビドンK−30
を含む顆粒と、
7.5gのクロスカルメロースナトリウム;
1.25gのステアリン酸マグネシウム;および
47.5gの微結晶性セルロース
を含む顆粒外在成分と
を含む、錠剤。
【請求項2】
圧縮性処方物から形成される錠剤であって、該圧縮性処方物の400gは、以下:
200gの(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンの結晶性一水和物塩酸塩;
50gの微結晶性セルロース;
10gのクロスカルメロースナトリウム;
102.5gのラクトース一水和物;および
25gのポビドンK−30
を含む顆粒と、
10.5gのクロスカルメロースナトリウム;および
2gのステアリン酸マグネシウム;
を含む顆粒外在成分と
を含む、錠剤。
【請求項3】
前記錠剤は、少なくとも200mgの(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンの結晶性一水和物塩酸塩を含む、請求項2に記載の錠剤。
【請求項4】
吐き気および/または嘔吐を処置するために使用するための、請求項1〜3のいずれか1項に記載の錠剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2007年3月22日に出願された米国仮出願第60/919,501号(この出願
は、その全体が参考として本明細書に援用される)の優先権の利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本出願は、一般に、錠剤型経口剤形を調製するのに有用な8−[{1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−2−オンの塩を含む医薬処方物およびそれを用いた治療方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本節または本出願の任意の節におけるどの出版物、特許、または特許出願の特定も、そうした出版物が本発明の先行技術であると容認するものではない。
【0004】
特定のジアザスピロデカン−2−オン、例えば8−[{1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−2−オン、例えば(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オン(式Iの化合物)は、特定の病状、例えば細胞毒性を有する化学療法の衰弱性の最も強い副作用の2つである遅延相の吐き気および嘔吐(vomiting)(化学的に誘発される吐き気や嘔吐(emesis)、CINE)を治療するのに有用な神経ペプチドニューロキニン−1受容体のアンタゴニスト(「NK−1」受容体アンタゴニスト)である。細胞毒性を有する化学療法を用いる治療において、遅延相CINEは化学療法処置の2日〜5日後に現れてくる。急性相CINEは、しばしばコルチコステロイド、例えばデキサメタゾンと併用して、5HT3受容体アンタゴニスト(例えば、オンダンセトロン)を投与することによって処置されている。この治療は遅延相CINEを処置するのには効果的ではない。急性相CINEと遅延相CINEは異なる生理学的現象によって起こると考えられる。式IのNK−1受容体アンタゴニストまたはその塩、例えば(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ−[4.5]デカン−2−オンの1つもしくは複数の塩を、単独か、またはコルチコステロイド、例えばデキサメタゾンおよび/または5HT3受容体アンタゴニスト、例えばオンデンセトロン(ondensetron)、グラニセトロン、パロノセトロン、ドラセトロンまたはトロピセトロンの1つもしくは複数と併用して投与すると、ヒトにおけるCINEの処置に効果的な治療法が提供されると考えられる。
【0005】
【化1】
式Iの化合物の塩の合成は、2006年5月23日発行の特許文献1(’320号特許)、2007年3月22日出願の米国仮特許出願番号第60/919,666号、および2008年3月20日付けの米国弁護士側整理番号(Attorney’s docket
no.)CD06628L01 USのもと米国受理官庁(U.S.receiving office)に本出願と共出願された国際出願に記載されている。これらのそれぞれを全体として参照により本明細書に組み込む。
【0006】
その治療特性の利点を生かすためには、治療活性を有する化合物を適切な処方で患者に提供しなければならない。一般に、経口投与に適した剤形が好ましい。経口処方物は非侵襲的手法を用いて投与するのに容易である。経口剤形は、取り扱われ、投与され貯蔵される環境において強固な形態の医薬品を提供する。さらに、錠剤型経口剤形は、様々な離散した投薬サイズで医薬品を好都合に提供し、また投薬単位当たり最少容積で活性医薬成分を提供することができる。さらに、錠剤はカプセル型剤形より少ない数の単位操作で作製することができ、錠剤「スコア」を提供することによって、錠剤は、単一の投薬単位を用いて、ユーザー選択可能な複数の投薬強度の提供の可能性をもたらす。カプセル剤形ではそうした便利良さは得られない。他方、多くの場合、医薬処方物で用いる活性医薬成分(API、本明細書では「製剤原料」とも称する)、特に結晶形態を有するものは、それ自体では錠剤、特に直接圧縮技術を用いて形成する錠剤を形成させるのには適していない。錠剤からの材料の破壊または損失が起こることなく取扱いかつ貯蔵できる錠剤(すなわち、低い破砕性(percentage friability)を有する錠剤)の作製を可能にするためには、その製剤原料を、使用時までの取扱および貯蔵に耐えるのに十分強固な錠剤の形成を可能にする処方で賦形剤と混合しなければならない。さらに、一旦錠剤として形成されたら、錠剤化された処方物は、最終使用者に投与したときに胃腸管内において所望の時点でAPIを容易に放出できるものでなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,049,320号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記観点から、望ましいのは、式Iの化合物の塩を含む錠剤型剤形を提供するのに適した圧縮性処方物、およびそれから得られる錠剤型剤形である。治療上有効な治療剤血中濃度を提供し、かつ、取り扱われ、貯蔵される環境条件下での劣化に対して強固である剤形も望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によって上記および他の目的は提供される。本発明は、一態様では、(a)少なくとも1つの式Iの結晶塩、顆粒内在の(intragranular)微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、第1の崩壊剤および結合剤を含む顆粒;ならびにそれと乾式ブレンドされた、(b)顆粒外在の(extragranular)微結晶性セルロース、第2の崩壊剤およびステアリン酸マグネシウムを含む粉末医薬処方物であって、前記顆粒を調製するために用いられる成分の量および凝集技術は、錠剤プレスで圧縮して少なくとも10kpの硬さを有する圧縮錠剤を得る処方をもたらすように選択される粉末医薬処方物を提供する。
したがって、本発明は、以下の項目を提供する:
(項目1)
(a)少なくとも1つの式Iの結晶塩、顆粒内在の微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、第1の崩壊剤および結合剤を含む顆粒;ならびにそれと乾式ブレンドされた(b)顆粒外在の微結晶性セルロース、第2の崩壊剤およびステアリン酸マグネシウムを含む粉末医薬処方物であって、錠剤プレスで圧縮されて少なくとも10kpの硬さを有する圧縮錠剤を提供する、処方物。
(項目2)
上記第1および上記第2の崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムである、項目1に記載の処方物。
(項目3)
上記結合剤がポビドンK30、アルファ化デンプンおよびヒプロメロース2910(6cp)から選択される、項目1に記載の処方物。
(項目4)
(a)上記顆粒を形成させるために用いる上記結合剤がデンプンである場合、約10重量%〜約20重量%のデンプンを有する上記生成処方物を提供する量で上記結合剤を使用し、(b)上記顆粒を形成させるために用いる上記結合剤がポビドンK30である場合、約3重量%〜約10重量%のポビドンK30を有する上記生成処方物を提供する量で上記結合剤を使用し、(c)上記顆粒を形成させるために用いる上記結合剤がヒプロメロース2910(6cp)である場合、約3重量%〜約6重量%のヒプロメロース2910(6cp)を有する上記生成処方物を提供する量で上記結合剤を使用する、項目3に記載の処方物。
(項目5)
(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンの結晶性塩酸塩、顆粒内在の微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、顆粒内在のクロスカルメロースナトリウムおよび結合剤としてのポビドンK30を含む顆粒であって、約0.54g/ml〜約0.57g/mlのかさ密度と約0.67g/ml〜約0.7g/mlのタップ密度を有する顆粒。
(項目6)
上記塩酸塩が、(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンの一水和物塩酸塩形態I型を含む、項目5に記載の顆粒。
(項目7)
顆粒外在の微結晶性セルロース、顆粒外在のクロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムと乾式ブレンドされた項目5または6に記載の顆粒を含む圧縮性の粉末処方物であって、錠剤プレスで圧縮されて、少なくとも10kpの硬さを有する圧縮錠剤を提供する処方物。
(項目8)
上記処方物に使用するクロスカルメロースナトリウムの総量が、約2重量%〜約8重量%であり、顆粒内在のクロスカルメロースナトリウムと顆粒外在のクロスカルメロースナトリウムの重量比が約1:1〜約1:1.5である、項目7に記載の処方物。
(項目9)
上記第1の崩壊剤と第2の崩壊剤の重量比が約1:1.5である、項目1に記載の処方物。
(項目10)
上記顆粒を、約70ミクロン未満の平均粒径を有する顆粒内在の微結晶性セルロースを用いて調製する、項目1から6および9のいずれかに記載の処方物。
(項目11)
上記顆粒外在の微結晶性セルロースが約70ミクロンを超える平均粒径を有する、項目1から4のいずれかに記載の処方物。
(項目12)
上記顆粒内在の微結晶性セルロースを、上記生成処方物の約8重量%〜約20重量%を構成する量で使用する、項目1から6および9のいずれかに記載の処方物。
(項目13)
上記顆粒外在の微結晶性セルロースを、約19重量%〜約40重量%を構成する量で使用する、項目12に記載の処方物。
(項目14)
上記顆粒中の上記ラクトース一水和物が微細グレードのラクトース一水和物である、項目1から4のいずれかに記載の処方物。
(項目15)
上記顆粒が、
(a)(i)(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オン(API)の結晶形態1型塩酸塩一水和物の塩と、
(ii)約70ミクロン未満の平均粒径を有する顆粒内在の微結晶性セルロースと、
(iii)ラクトース一水和物(微細グレード)と、
(iv)顆粒内在のクロスカルメロースナトリウムと
を乾式ブレンドして第1の乾式ブレンド粉末を提供するステップと、
(f)水およびポビドンK−30を含む顆粒化流体を用いて、ステップ「a」で作製した第1の乾式ブレンド粉末を、高せん断造粒機で凝集化させるステップと、
(g)ステップ「b」で調製した凝集物を湿式粉砕することによって顆粒を形成させるステップと、
(h)ステップ「c」からの湿式粉砕顆粒を乾燥するステップと、
(i)ステップ「d」からの乾燥顆粒を乾式粉砕して250ミクロンの平均粒径を有する顆粒を提供するステップと
を含む方法によって調製される、項目1から6および9のいずれかに記載の処方物。
(項目16)
上記第1の乾式ブレンド粉末が、上記第1の乾式ブレンド粉末中に含まれるAPIの量の約5.0重量%である量で顆粒内在のクロスカルメロースナトリウムを含む、項目15に記載の処方物。
(項目17)
上記顆粒内在の微結晶性セルロースが、上記第1の乾式ブレンド粉末中に存在するAPIの量の約25重量%である量で上記第1の乾式ブレンド粉末中に存在する、項目15に記載の処方物。
(項目18)
上記第1の乾式ブレンド粉末中に存在するラクトース一水和物の量が、上記第1の乾式ブレンド粉末中に存在するAPIの量の約51重量%〜約52重量%である、項目15から17のいずれかに記載の処方物。
(項目19)
ステップ「b」で調製した凝集した第1の乾式ブレンド粉末が、APIの量の約12.5重量%であるポビドンK30の量を含む、項目15から18のいずれかに記載の処方物。
(項目20)
ステップ「b」の凝集化の終点が、上記造粒機からの粉末の損失のない小さな顆粒の出現を含む、項目15から19のいずれかに記載の処方物。
(項目21)
ステップ「c」での湿式粉砕過程を実施して2mmの平均粒径を有する顆粒を生成する、項目15から20のいずれかに記載の処方物。
(項目22)
ステップ「d」の上記乾燥顆粒が約3.0重量%未満の水分含量を有する、項目15から21のいずれかに記載の処方物。
(項目23)
ステップ「d」の上記乾燥顆粒が、約0.54g/ml〜約0.57g/mlのかさ密度と約0.67g/ml〜約0.7g/mlのタップ密度を有する、項目15から22のいずれかに記載の処方物。
(項目24)
ステップ「a(i)」で使用した(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンの上記結晶形態1型塩酸塩一水和物の塩が、回折角(2θで、すべての値は±0.2の正確度を示す)で表現された次の特性ピーク、16.1;18.4;21.6;23.5、を含むX線粉末回折パターンを提供する、項目15から23のいずれかに記載の処方物。
(項目25)
項目1から24のいずれかに記載の処方物の直接圧縮によって作製される錠剤。
(項目26)
約10kp〜約16kpの硬さと0.8%未満の破砕性を有する、項目25に記載の錠剤。
(項目27)
平板状の突出部を含む形態を含む、項目26に記載の錠剤。
(項目28)
シンカーを使用することなく75RPMで操作し、USP2パドル型攪拌装置で測定して、pH4.5の0.05M酢酸ナトリウムで緩衝化した0.25%ドデシル硫酸ナトリウム溶液を含む900mlの溶解媒体中で以下:
【表10】

の溶解プロファイルをもたらす、100mg用量の塩酸塩一水和物を提供する(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンの結晶形態1型塩酸塩一水和物の塩の量を含む、項目25から27のいずれかに記載の錠剤。
(項目29)
フィルムコーティングをさらに含む、項目25から28のいずれかに記載の錠剤。
(項目30)
シンカーを使用することなく75RPMで操作し、USP2パドル型攪拌装置で測定して、pH4.5の0.05M酢酸ナトリウムで緩衝化した0.25%ドデシル硫酸ナトリウム溶液を含む900mlの溶解媒体中で以下:
【表11】

の溶解プロファイルをもたらす、100mg用量の塩酸塩一水和物を提供する(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンの結晶形態1型塩酸塩一水和物の塩の量を含む、項目29に記載の錠剤。
(項目31)
治療有効量の項目1から24のいずれかに記載の処方物を哺乳動物に投与するステップを含む哺乳動物の嘔吐および/または吐き気を治療および/または予防する方法。
(項目32)
治療有効量の項目25から30のいずれかに記載の処方物を哺乳動物に投与するステップを含む哺乳動物の嘔吐および/または吐き気を治療および/または予防する方法。
(項目33)
使用する結合剤の種類および量ならびに上記結合剤から作製された顆粒の残留水分の量を、約0.54g/ml〜約0.57g/mlのかさ密度を有する顆粒が得られるように選択する、項目1から4のいずれかに記載の処方物。
(項目34)
上記第1の崩壊剤および上記第2の崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムを含み、上記処方物に用いられるクロスカルメロースナトリウムの総量が約2重量%〜約8重量%であり、使用する上記第1の崩壊剤の量と上記第2の崩壊剤の量の重量比が約1:1〜約1:1.5である、項目1に記載の処方物。
(項目35)
上記顆粒を、約70ミクロン未満の平均粒径を有する顆粒内在の微結晶性セルロースを用いて調製する、項目8に記載の処方物。
(項目36)
上記顆粒を、約70ミクロン未満の平均粒径を有する顆粒内在の微結晶性セルロースを用いて調製する、項目9に記載の処方物。
(項目37)
上記顆粒とブレンドされた上記顆粒外在の微結晶性セルロースが、約70ミクロンを超える平均粒径を有する項目7に記載の処方物。
(項目38)
上記顆粒とブレンドされた上記顆粒外在の微結晶性セルロースが、約70ミクロンを超える平均粒径を有する、項目8に記載の処方物。
(項目39)
上記顆粒内在の微結晶性セルロースを、上記生成処方物の約8重量%〜約20重量%を構成する量で使用する、項目10に記載の処方物。
(項目40)
上記顆粒内在の微結晶性セルロースを、上記生成処方物の約8重量%〜約20重量%を構成する量で使用する、項目11に記載の処方物。
(項目41)
上記顆粒内在の微結晶性セルロースが、上記第1の乾式ブレンド粉末中に存在するAPIの量の約25重量%である量で上記第1の乾式ブレンド粉末中に存在する、項目16に記載の処方物。
(項目42)
上記顆粒とブレンドされた上記顆粒外在の微結晶性セルロースが、約70ミクロンを超える平均粒径を有する、項目10に記載の処方物。
(項目43)
上記顆粒を調製する過程の乾燥ステップであるステップ「d」において、乾燥を流動層乾燥機で実施する、項目15に記載の処方物。
(項目44)
(a)少なくとも1つの式Iの結晶塩、顆粒内在の微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、顆粒内在の崩壊剤および結合剤を含む顆粒;ならびに(b)顆粒外在の微結晶性セルロース、顆粒外在の崩壊剤およびステアリン酸マグネシウムを含む錠剤であって、少なくとも10kpの硬さと0.8%未満の破砕性を有する錠剤。
(項目45)
上記式Iの結晶塩が一水和物塩酸塩を含む、項目44に記載の錠剤。
(項目46)
上記顆粒内在の崩壊剤および顆粒外在の崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムを含む、項目45に記載の錠剤。
(項目47)
上記顆粒内在の微結晶性セルロースが、約70ミクロン未満の平均粒径を有する粉末に由来する、項目46に記載の錠剤。
(項目48)
上記顆粒外在の微結晶性セルロースが、約70ミクロンを超える平均粒径を有する粉末に由来する、項目47に記載の錠剤。
【発明を実施するための形態】
【0010】
いくつかの実施形態では、前記崩壊剤としてクロスカルメロースナトリウムが好ましい。いくつかの実施形態では、ポビドンK30、アルファ化デンプンおよびヒプロメロース2910(6cp)から前記結合剤を選択することが好ましく、より好ましくは前記結合剤はポビドンK30である。いくつかの実施形態では、前記顆粒物を調製するために、結合剤を含む顆粒化流体を使用する凝集技術を含むことが好ましく、その結合剤はポビドンK30およびヒプロメロース2910(6cp)から選択される。より好ましくは前記顆粒化流体中の前記結合剤はポビドンK30である。いくつかの実施形態では、約0.50g/ml〜約0.60g/mlのかさ密度と約0.65g/ml〜約0.72g/mlのタップ密度(tapped density)を有する顆粒を提供する結合剤を含む顆粒化流体を使用する凝集技術を用いることが好ましい。いくつかの実施形態では、前記圧縮性処方物の顆粒成分を提供するために、凝集に続いて、湿式造粒技術を用いることが好ましい。
【0011】
いくつかの実施形態では、(a)前記顆粒を形成させるために用いる前記結合剤がデンプンである場合、約10重量%〜約20重量%のデンプンを有する前記生成処方物を提供する量を用いることが好ましく、(b)前記顆粒を形成させるために用いる前記結合剤がポビドンK30である場合、約3重量%〜約10重量%のポビドンK30を有する前記生成処方物を提供する量を用いることが好ましく、(c)前記顆粒を形成させるために用いる前記結合剤がヒプロメロース2910(6cp)である場合、約3重量%〜約10重量%のヒプロメロース2910(6cp)を有する前記生成処方物を提供する量を用いることが好ましい。
【0012】
一態様では、本発明は、(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンの結晶性塩酸塩、顆粒内在の微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、顆粒内在のクロスカルメロースナトリウム、および結合剤としてのポビドンK30を含む顆粒を提供する。いくつかの実施形態では、顆粒中の塩酸塩として、(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンの一水和物塩酸塩形態I型を用いることが好ましい。いくつかの実施形態では、約0.54g/ml〜約0.57g/mlのかさ密度と約0.67g/ml〜約0.7g/mlのタップ密度を有する顆粒を調製することが好ましい。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記処方物中で約2重量%〜約8重量%の総量のクロスカルメロースナトリウムを用いることが好ましい。いくつかの実施形態では、前記処方物中で使用する顆粒内在のクロスカルメロースナトリウムと顆粒外在のクロスカルメロースナトリウムの重量比は約1:1〜約1:1.5の比であることが好ましく、より好ましくは、顆粒内在のクロスカルメロースナトリウムと顆粒外在のクロスカルメロースナトリウムの重量比は約1:1.5である。
【0014】
いくつかの実施形態では、顆粒内在の微結晶性セルロースとして約70ミクロン未満の平均粒径の特性を有する微結晶性セルロースを用いることが好ましい。いくつかの実施形態では、前記生成処方物の約2重量%〜約20重量%を構成する顆粒内在の微結晶性セルロースの量を用いることが好ましい。いくつかの実施形態では、前記生成処方物の約10重量%を構成する微結晶性セルロースの量を用いることが好ましい。
【0015】
いくつかの実施形態では、顆粒外在の微結晶性セルロースとして約70ミクロンを超える平均粒径の特性を有する微結晶性セルロースを用いることが好ましい。いくつかの実施形態では、最大で前記生成処方物の約40重量%、好ましくは前記生成処方物の約19重量%〜約40重量%、より好ましくは前記生成処方物の約19重量%を構成する顆粒外在の微結晶性セルロースの量を用いることが好ましい。
【0016】
他の態様では、本発明は、
(a)(i)(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オン(API)の結晶形態1型塩酸塩一水和物の塩と、
(ii)約70ミクロン未満の平均粒径を有する顆粒内在の微結晶性セルロースと、
(iii)ラクトース一水和物(微細グレード(impalpable grade))と、
(iv)顆粒内在のクロスカルメロースナトリウムと
を乾式ブレンドして第1の乾式ブレンド粉末を提供するステップと、
(b)水およびポビドンK−30を含む顆粒化流体を用いて、ステップ「a」で調製した前記第1の乾式ブレンド粉末を、高せん断造粒機で凝集化させるステップと、
(c)ステップ「b」で調製した前記凝集物を湿式粉砕することによって顆粒を形成させるステップと、
(d)ステップ「c」からの前記湿式粉砕顆粒を乾燥するステップと、
(e)ステップ「d」からの前記乾燥顆粒を乾式粉砕して250ミクロンの平均粒径を有する顆粒を提供するステップと
を含む方法によって調製された顆粒を提供する。
【0017】
いくつかの実施形態では、ステップ「c」の湿式粉砕過程を、COMIL型湿式ミルを用いて実施することが好ましい。いくつかの実施形態では、ステップ「c」の顆粒材料を湿式粉砕して2mmの平均粒径を有する顆粒を提供することが好ましい。いくつかの実施形態では、ステップ「d」において、前記顆粒を乾燥して3.0重量%未満の水分含量にすることが好ましい。いくつかの実施形態では、ステップ「d」において、前記湿式粉砕した顆粒を約5.0重量%未満の残留水分含量まで乾燥することが好ましい。いくつかの実施形態では、約0.50g/ml〜約0.60g/mlのかさ密度と約0.65g/ml〜約0.72g/mlのタップ密度を有するステップ「d」の乾燥顆粒を提供することが好ましい。いくつかの実施形態では、ステップ「d」を流動層乾燥機で実施することが好ましい。
【0018】
いくつかの実施形態では、顆粒調製の際に、前記第1の乾式ブレンド粉末”中に存在するAPIの量の約5.0重量%の量の顆粒内在のクロスカルメロースナトリウムを加えることが好ましい。いくつかの実施形態では、顆粒調製の際に、前記第1の乾式ブレンド粉末中に存在するAPIの量の約25重量%の量の顆粒内在の微結晶性セルロースを加えることが好ましい。いくつかの実施形態では、顆粒調製の際に、第1の乾式ブレンド粉末中に存在するAPIの量の約51重量%〜約52重量%の量のラクトース一水和物を加えることが好ましい。
【0019】
この方法のいくつかの実施形態では、顆粒調製の際に、ステップ「a」からの前記第1の乾式ブレンド粉末を凝集させるためにステップ「b」で用いる前記顆粒化流体が、前記第1の乾式ブレンド粉末中に存在するAPIの量の約12.5重量%のポビドンK30の量を提供することが好ましい。いくつかの実施形態では、ステップ「b」における凝集化の終点が、前記第1の乾式ブレンド粉末が凝集物の形成に消費されている、より好ましくは、ステップ「b」の凝集化の終点が前記造粒機からの粉末損失のない小さい顆粒物の出現であるという目視での確認であることが好ましい。
【0020】
いくつかの実施形態では、回折角(2θで、すべての値は±0.2の正確度を示す)、格子「d」間隔(オングストロームで)および相対ピーク強度(「RI」)で示した、以下の特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンの結晶形態1型塩酸塩一水和物の塩を含むAPIを用いて顆粒を調製することが好ましい。
【0021】
【表1】
本発明の他の態様は、
(a)結合剤水溶液で湿式顆粒化された、(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンの結晶性塩酸塩一水和物の塩、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、およびデンプングリコール酸ナトリウムおよびクロスカルメロースナトリウムから選択される崩壊剤を含む顆粒;ならびに
(b)微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウムおよびクロスカルメロースナトリウムから選択される崩壊剤、およびステアリン酸マグネシウム
からなる乾式ブレンドを含む粉末医薬処方物の直接圧縮によって作製される錠剤であって、その処方物が少なくとも10kp(キロポンド)の硬さを有する圧縮錠剤をもたらす錠剤の提供である。
【0022】
一態様では、本発明は、(a)少なくとも1つの式Iの結晶塩、顆粒内在の微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、顆粒内在の崩壊剤および結合剤を含む顆粒、ならびに(b)顆粒外在の微結晶性セルロース、顆粒外在の崩壊剤およびステアリン酸マグネシウムを含む錠剤であって、少なくとも10kpの硬さと0.8%未満の破砕性を有する錠剤を提供する。いくつかの実施形態では、前記錠剤を構成する前記式Iの結晶塩は一水和物塩酸塩を含むことが好ましい。いくつかの実施形態では、前記顆粒内在の崩壊剤および顆粒外在の崩壊剤はクロスカルメロースナトリウムであることが好ましい。いくつかの実施形態では、前記錠剤を調製するために用いる顆粒内在の微結晶性セルロースは約70ミクロン未満の平均粒径の特性を有するものであることが好ましい。いくつかの実施形態では、前記錠剤を調製するために用いる顆粒外在の微結晶性セルロースは約70ミクロンを超える平均粒径の特性を有するものであることが好ましい。
【0023】
いくつかの実施形態では、約10kp〜約16kpの硬さと0.8%未満の破砕性を有する錠剤になるように圧縮することが好ましい。いくつかの実施形態では、約10kp〜約16kpの硬さと0.8%未満の破砕性を有する、平板状の(tabular)突出部をもつ成形錠剤になるように圧縮することが好ましい。いくつかの実施形態では、シンカーを使用することなく75RPMで操作し、USP2パドル型攪拌装置(Apparatus Paddle Stirrer)で測定して、pH4.5の0.05M酢酸ナトリウムで緩衝化した0.25%ドデシル硫酸ナトリウム溶液を含む900mlの溶解媒体中で以下の溶解プロファイルをもたらす、100mg用量の塩酸塩一水和物を提供する(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンの結晶形態1型塩酸塩一水和物の塩の量を含む錠剤になるように圧縮することが好ましい。
【0024】
【表2】
いくつかの実施形態では、錠剤にフィルムコーティング、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースをベースとした(HPMCベースの)コーティング材料を含むフィルムコーティングを付与することが好ましく、より好ましくはHPMCベースのコーティング材料はOpadry II White(登録商標)、Opadry II Pink(登録商標)およびOpadry Fx purple(登録商標)から選択される。HPMCベースのコーティングが錠剤に付与された実施形態では、コーティングされた錠剤が、シンカーを使用することなく75RPMで操作し、USP2パドル型攪拌装置で測定して、pH4.5の0.05M酢酸ナトリウムで緩衝化した0.25%ドデシル硫酸ナトリウム溶液を含む900mlの溶解媒体中で以下の溶解プロファイルをもたらす、100mg用量の塩酸塩一水和物を提供する(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンの結晶形態1型塩酸塩一水和物の塩の量を含むことが好ましい。
【0025】
【表3】
本発明の他の態様は、治療上有効な量の上記処方物および錠剤のいずれかを投与することを含む、哺乳動物の嘔吐および/または吐き気の治療および/または予防方法を提供する。
【0026】
上記したように、式IのNK−1受容体アンタゴニスト化合物の調製は、2006年5月23日発行の米国特許第7,049,320号(’320号特許)、および米国弁護士側整理番号CD06628のもとで本出願と共出願された国際出願に記載されている。これらのそれぞれを全体として参照により本明細書に組み込む。
【0027】
【化2】
式II(以下に示す)の一水和物塩酸塩および種々のトシラート塩を含む(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)−フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オン(式Iの化合物の塩)の塩の調製は、それぞれが2006年4月5日に出願されている仮出願番号第60/789,280号および第60/789,513号に記載されている。これらのそれぞれを全体として参照により本明細書に組み込む。本発明は、式Iの化合物の様々な塩を用いて実施することができるが、いくつかの実施形態では、式IIの化合物の塩酸塩、より好ましくは、2θ(すべての値は±0.2の正確度を示す)、関連する格子「d」間隔(オングストロームで)および相対ピーク強度(「RI」)で示した、表Iに示したものと等しい回折角で存在する特性ピークを含むX線粉末回折スペクトルを有する、(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オン
【0028】
【化3】
の結晶性塩酸塩一水和物の塩形態I型(式IIの塩酸塩一水和物)を用いることが好ましい。
【0029】
【表4】
この塩酸塩の提供は、上記の仮出願番号第60/798,280号、および米国弁護士側整理番号CD06628のもと本出願と共出願された上記国際出願に詳細に記載されている。
【0030】
驚くべきことに、本発明者等は、活性医薬成分(API)として(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンの塩を含む適切な錠剤を、圧縮助剤、崩壊剤および滑剤と混合すると、その顆粒が、有用な薬物動態(PK)特性を有すると考えられ、かつ、例えば、化学的に誘発された吐き気および嘔吐(CINE)の遅延相の治療および/または予防において、吐き気および/または嘔吐を防止および/または治療するのに適切な溶解特性を有する、経口投与に適した錠剤を直接圧縮によって提供するのに適した圧縮性の粉末処方物をもたらすAPIを含む顆粒を提供することによって調製できることを見出した。
【0031】
本発明の圧縮性処方物で使用するのに適したAPIを含む顆粒は、スキームI、ステップ1〜4に概略を示した方法を用いて調製することができる。次いで顆粒を顆粒外在の圧縮助剤および顆粒外在の崩壊剤とブレンドし、ブレンドした粉末を滑剤とブレンドして適切な圧縮性処方物を得る。
【0032】
【化4】
スキームIのステップ1〜4によれば、顆粒の作製は、API、顆粒内在の圧縮助剤、顆粒内在の崩壊剤および充てん剤を乾式ブレンドして第1の乾式ブレンド粉末を形成させるステップを含む方法である。いくつかの実施形態では、結晶性一水和物塩酸塩の形態のAPIを使用することが好ましい。いくつかの実施形態では、第1の乾式ブレンド粉末の成分を密に混合した後、その粉末を、結合剤を含む顆粒化流体を用いて高せん断造粒機で粉末を湿式顆粒化することによって凝集させる。いくつかの実施形態では、凝集に続いて、COMIL湿式ミルを用いて、凝集した材料を湿式粉砕して2mmの平均粒径を有する顆粒生成物を提供することが好ましい。いくつかの実施形態では、湿式粉砕に続いて、流動層乾燥機で湿潤顆粒を乾燥することが好ましい。いくつかの実施形態では、湿式粉砕した顆粒を約5.0重量%未満の残留水分含量まで乾燥することが好ましい。いくつかの実施形態では、顆粒を約3.0重量%未満の残留水分含量まで乾燥することが好ましい。いくつかの実施形態では、乾燥に続いて、乾燥顆粒を乾式粉砕し、それによって、約250ミクロンの平均粒径を有するAPI含有顆粒を提供することが好ましい。250ミクロンの平均粒径を有するAPI含有顆粒を提供する場合、そのAPI含有顆粒は約50ミクロン〜約850ミクロン粒径分布を有することが好ましい。
【0033】
スキームIのステップ(4)に続く、本発明の圧縮性処方物の調製の第2の段階において、乾式粉砕し分級した顆粒を、圧縮助剤(顆粒外在の圧縮助剤)および崩壊剤(顆粒外在の崩壊剤)と、均一な粉末が形成されるまで乾式ブレンドする。次いでその均一粉末に滑剤を加え、混合物を再度均一になるまでブレンドし、直接圧縮によって錠剤を作製するのに適した粉末処方物(圧縮性医薬処方物)を得る。
【0034】
続いて、顆粒および圧縮性処方物の成分、ならびに錠剤化およびその圧縮性処方物から作製された錠剤の詳細を以下にさらに詳しく論じる。
【0035】
上記したように、圧縮性処方物は、API、顆粒内在の圧縮助剤、顆粒内在の崩壊剤および充てん剤、好ましくはラクトース一水和物充てん剤を含むAPI含有顆粒を含む。本発明のいくつかの実施形態では、APIは式Iの化合物の結晶性一水和物塩酸塩形態I型であることが好ましい。本発明の処方物で用いるのに適した結晶性一水和物塩酸塩形態I型は2006年4月5日出願の米国仮特許出願番号第60/789,280号(’280号出願)(その全体を参照により本明細書に組み込む)に記載されているようにして調製することができる。本発明の錠剤および圧縮性処方物において、APIの他の塩形態、非晶質形態および遊離塩形態を含むAPIの他の形態を使用できることを理解されよう。そうした形態物の調製は、上記’320号特許、’280号出願、および2006年4月5日出願の米国仮特許出願番号第60/789,513号(これらの全体を参照により本明細書に組み込む)の1つまたは複数に記載されている。いくつかの実施形態では、より大きな平均結晶サイズを有するAPIを微粉化するか、または、制御結晶化で結晶を析出させて所望の平均結晶サイズと所望の粒径範囲を有する結晶を生成させることによって、望ましいサイズ範囲を有する結晶サイズのAPIを得ることが好ましい。本発明の錠剤処方物に適したAPIは、約40ミクロン〜約100ミクロンの平均結晶サイズ、より好ましくは約80ミクロンの平均結晶サイズを有することが好ましい。
【0036】
充てん剤としてラクトース一水和物を用いるいくつかの実施形態では、微細グレード(一般に450メッシュ)を使用することが好ましく、最大で処方物量の約20重量%を使用することが好ましいが、より少ない量を使用するかまたは充てん剤を排除することもできる。いくつかの実施形態では、最終の錠剤で約20.5重量%のラクトース一水和物をもたらす充てん剤の量を用いることが好ましい。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1の乾式ブレンド粉末に加える顆粒内在の圧縮助剤は、好ましくは、顆粒内でのAPIの良好な結合が得られるように選択された小さい平均粒径を有する微結晶性セルロースである。第1の乾式ブレンド粉末が凝集すると、添加された顆粒内在の圧縮助剤の一部またはすべては、それが凝集過程で形成された顆粒に取り込まれるので、凝集過程でその特徴的な粒径を失うことを理解されよう。いくつかの実施形態では、第1の乾式ブレンド粉末に加える顆粒内在の圧縮助剤は、好ましくは約70ミクロン未満の平均粒径、より好ましくは約57ミクロン未満の平均粒径の特性を有し、さらには約0.35g/ml未満のかさ密度と約0.41g/mlのタップ密度の特性を有する微結晶性セルロースである。本発明の処方物での顆粒内在の微結晶性セルロースの使用に適した市販の圧縮助剤の例には、これらに限定されないが、約56.3ミクロンの平均粒径、約0.34g/mlのかさ密度および約0.41g/mlのタップ密度の特性を有するAvicel PH101(FMC Biopolymer)が含まれる。
【0038】
いくつかの実施形態では、生成圧縮性処方物の約8重量%〜約20重量%の量を提供する顆粒内在の圧縮助剤の量を顆粒に加えることが好ましい。顆粒内在の圧縮助剤は、それが混ぜ込まれる顆粒の約12.7重量%〜約13.2重量%、より好ましくはそれが混ぜ込まれる顆粒の約12.9重量%を構成する量で加えることが好ましい。
【0039】
いくつかの実施形態では、顆粒内在の崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムおよびクロスカルメロースナトリウムから選択することが好ましく、それはクロスカルメロースナトリウムであることがより好ましい。顆粒内在の崩壊剤および顆粒外在の崩壊剤(以下で詳細に論じる)は、異なる物理的仕様、例えば異なる平均粒径および密度を有していても、同じ成分からなる材料となるように選択することが好ましい。圧縮性処方物のいくつかの実施形態では、使用する崩壊剤の総量(使用する顆粒外在の崩壊剤と顆粒内在の崩壊剤の合計)は、圧縮性処方物の約2重量%〜約8重量%である。
【0040】
顆粒内在の崩壊剤としてクロスカルメロースナトリウムを使用する実施形態では、それを、最終顆粒の約1.3重量%〜約5.2重量%の量で用いることが好ましく、最終顆粒の約2.4重量%〜約2.8重量%の量で用いることがより好ましく、最終顆粒の約2.58重量%の量で用いることがより好ましい。圧縮性処方物に対して、顆粒内在の崩壊剤は、圧縮性処方物の約2重量%を提供する量で用いることが好ましい。
【0041】
いくつかの実施形態では、結合剤はアルファ化デンプン、ポビドンK30およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)から選択することが好ましく、結合剤はポビドンK30であることがより好ましい。スキームIを参照すると、結合剤としてデンプンを選択する場合、それを粉末成分として加え、第1の乾式ブレンド粉末に均一にブレンドさせることが好ましい。結合剤としてポビドンかまたはヒプロメロースを選択する場合、それを、第1の乾式ブレンド粉末を凝集させるのに使用する顆粒化流体中に溶解させることによって、顆粒に加えることが好ましい。
【0042】
いくつかの実施形態では、結合剤としてアルファ化デンプンを用いる場合、それを、最終顆粒の約10重量%〜約20重量%を提供する量で第1の乾式ブレンド粉末中に乾式ブレンドすることが好ましい。第1の乾式ブレンド粉末がデンプンを含む場合、顆粒化流体として純水を用いて凝集化を実施する。その純水は、第1の乾式ブレンド粉末に含まれる結合剤を可溶化させ、第1の乾式ブレンド粉末を凝集させる。
【0043】
結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用するいくつかの実施形態では、ヒプロメロース2910(6cp)を選択することが好ましいが、替わりに他のグレードのものを用いることもできる。ヒプロメロース2910(6cp)を使用する場合、顆粒の約3重量%〜約6重量%を提供する量で用いることが好ましい。一般に、結合剤としてヒプロメロースを使用する場合、それを、約12重量%〜約13重量%のヒプロメロース2910(6cp)を含む水溶液として用いて顆粒成分の均一ブレンドを凝集させる。
【0044】
結合剤としてポビドンを使用するいくつかの実施形態では、好ましくは、顆粒の約3重量%〜約10重量%、より好ましくは顆粒の約6重量%〜約7重量%、より好ましくは顆粒の約6.6重量%を提供する量でポビドンK30を用いることが好ましい。一般に、結合剤としてポビドンK30を使用する場合、顆粒成分の均一ブレンドを凝集させるために、それを、約16.7重量%のポビドンK30を含む水溶液として用いる。
【0045】
顆粒組成物で使用する成分、成分の相対量、および顆粒を凝集させ作製するのに用いる条件は、顆粒状固形物のかさ密度およびタップ密度を測定するための標準的技術を用いて測定して、約0.5g/ml〜約0.6g/ml、好ましくは約0.54g/ml〜約0.57g/mlのかさ密度と約0.65g/ml〜約0.72g/ml、好ましくは約0.67g/ml〜約0.70g/mlのタップ密度を有する乾燥した顆粒を得るための、上記の相対成分量、成分の種類、ならびに得られた顆粒組成物の凝集化、粉砕および分級の方法の上記説明によって選択され、かつ導出される。理論に拘泥するわけではないが、本発明の方法によって顆粒を調製する場合、これらの範囲内のかさ密度およびタップ密度を有する顆粒は、許容される溶解特性を維持しながら、低い破砕性と適切な硬さを有する本発明の錠剤をもたらす圧縮性処方物を提供すると確信している。
【0046】
本発明の方法のいくつかの実施形態では、API含有顆粒の提供に続いて、顆粒を、顆粒外在の圧縮助剤および顆粒外在の崩壊剤と乾式混合して均一粉末を形成させ、次いでこれを、一定分量の滑剤、好ましくはステアリン酸マグネシウムと乾式ブレンドして再び均一粉末を形成させる。滑剤としてステアリン酸マグネシウムを使用する場合、それを20メッシュのふるいで分級し、次いでブレンドして処方物にすることが好ましい。いくつかの実施形態では、圧縮性処方物の約1.0重量%未満、好ましくは最終処方物の約0.5重量%となるステアリン酸マグネシウムの量を用いることが好ましい。
【0047】
上記したいくつかの実施形態では、好ましくは顆粒外在の崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムおよびクロスカルメロースナトリウムから選択され、より好ましくは、顆粒外在の崩壊剤はクロスカルメロースナトリウムである。顆粒外在の崩壊剤は、API含有顆粒(顆粒)を作製するのに用いる顆粒内在の崩壊剤と同じ材料を選択することが好ましい。いくつかの実施形態では、顆粒を作製するのに用いられた顆粒内在の崩壊剤の量と合わせて、圧縮性処方物の約2重量%〜圧縮性処方物の約8重量%を提供する顆粒外在の崩壊剤の量を使用することが好ましい。クロスカルメロースナトリウムを用いるいくつかの実施形態では、圧縮性処方物の約3重量%を提供するクロスカルメロースナトリウムの量を使用することが好ましい。
【0048】
いくつかの実施形態では、顆粒外在の圧縮助剤(微結晶性セルロース)は、約70ミクロンを超える、好ましくは約100ミクロンを超える平均粒径、より好ましくは約113ミクロンを超える平均粒径の特性を有し、さらには、約0.36g/mlのかさ密度と約0.42g/mlのタップ密度の特性を有することが好ましい。適切な市販の微結晶性セルロース材料の例には、約113.8ミクロンの平均粒径、約0.36g/mlのかさ密度および約0.42g/mlのタップ密度を有するAvicel PH102が含まれる。いくつかの実施形態では、圧縮性処方物でできた錠剤において適切な錠剤硬さおよび破砕性、好ましくは約10kp(キロポンド)〜約16kpの硬さと約0.8%未満の破砕性を有する錠剤を提供する顆粒外在の圧縮助剤の量を使用することが好ましい。いくつかの実施形態では、圧縮性処方物の最大で約40重量%、より好ましくは圧縮性処方物の約19重量%〜約40重量%を提供する顆粒外在の圧縮助剤、より好ましくは圧縮性処方物の約19重量%を提供する量を使用することが好ましい。
【0049】
いくつかの実施形態では、以下の表IVで示す錠剤処方物を使用することが好ましい。この表では、顆粒の成分の量を最初に示し、次に、直接圧縮法によってそれから本発明の錠剤を作製できる圧縮性処方物の顆粒外在の成分の量を示す。表IVにおける成分重量の記入は、単一の錠剤に含まれる圧縮性処方物の量のうちの成分のグラム数を示す。圧縮性処方物を大量に製造するためには、この重量を幾何学的にスケールアップする。一般に、1回の製造運転で最大50kgの圧縮性処方物を処方することが好ましい。
【0050】
【表5】
*注記:示したコーティングは卵形錠剤についてのものである。葉形錠剤を圧縮する場合、それらを、250mgのコアに対して7.5mgのOpadry II Pink(登録商標)と7.5mgのOpadry fx Purple(登録商標)の組合せでコーティングし、265mgのコーティング錠剤を得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、以下の表Vに示す錠剤処方物を使用することが好ましい。この表では、顆粒の成分の量を最初に示し、次に、直接圧縮法によってそれから本発明の錠剤を作製できる圧縮性処方物の顆粒外在の成分の量を示す。表Vにおける成分重量の記入は、単一の錠剤に含まれる圧縮性処方物の量のうちの成分のグラム数を示す。この処方物を用いて、それ以外の量のAPIを含む錠剤を形成させることができるが、少なくとも約200mgのAPIを含む錠剤を形成させる場合には、表Vに示す処方物を用いるのがベストであろう。圧縮性処方物を大量に製造するためには、表Vに示す賦形剤の重量を幾何学的にスケールアップすることができ、一般に、1回の製造運転で最大約50kgの圧縮性処方物を処方することが好ましい。
【0052】
【表6】
*注記:示したコーティングは卵形錠剤についてのものである。葉形錠剤を圧縮する場合、それらを、400mgのコアに対して7.5mgのOpadry II Pink(登録商標)と7.5mgのOpadry fx Purple(登録商標)の組合せでコーティングし、415mgのコーティング錠剤を得る。
【0053】
驚くべきことに、本発明者等は、結合剤としてポビドンK30を選択し、滑剤として最終処方物中にステアリン酸マグネシウムを0.5重量%以下用いた場合、上記の圧縮性処方物は直接圧縮法による錠剤の作製に適しており、その錠剤は許容できる硬さと低い破砕性を有する強固なものであることを見出した。本発明の処方物は、通常の丸型ダイならびに錠剤に楕円形状を付与するダイを用いて、約10kp(キロポンド)〜約16kpの硬さと約0.8%未満の破砕性を有する直接圧縮錠剤を提供することができる。楕円形の錠剤の例には、これらに限定されないが、卵形の錠剤および「葉形」の錠剤が含まれる。葉形の錠剤は、円形または卵形の中心部分を含み、そこから、錠剤のその中心部分から延在する、例えば「角状」、または「平板状」ということができる突出部がでている。そうした特徴的な形状は、医薬品を視覚的に素早く識別するのに有益であり、かつ、指の機能に障害のある、例えば微細な運動技能が不十分かまたは手袋をはめた人が、剤形を掴んで扱うのをより容易にすることができるが、このような錠剤の突出部分は、錠剤の突出部分に機械的力を集中させる。したがって、そうした錠剤は、取扱いおよび貯蔵の際に、最突出部分が「砕ける(chip)」か、または錠剤の中心部分から材料が割れ落ちる(crack away)傾向があり、したがって、高い破砕性に起因する問題をもたらし、かつ/または美容上および美的面で末端消費者に受け入れがたいものを提示することになる。驚くべきことに、上記した本発明の処方物は、製薬工業の基準(USPの1216章を参照されたい)によって行われる試験条件のもとでの約0.8%未満の破砕性と、約10kp〜約16kpの硬さを有する楕円形状の錠剤を提供する。驚くべきことに、低い破砕性とこの範囲内の硬さを有する形状の錠剤は、本発明の圧縮性処方物を用いて約9kN〜約18kNの範囲の圧縮圧力で得ることができる。さらに、これらの機械的特性を有する錠剤は許容可能な溶解特性も有している。
【実施例】
【0054】
本発明の処方物の作製には標準的な薬剤製造方法を用いた。乾式ブレンドおよび凝集化はFielder社製の高せん断造粒機で実施した。湿式粉砕はCOMIL社製の湿式ミルで実施した。流動層による乾燥はGlatt Air Technology社製の実験室規模の流動層乾燥機で実施した。分級および篩分操作は、製薬工業での標準的技法による機能を有する手動式のふるい装置を用いて実施した。乾式粉砕操作はCOMIL社製の14メッシュのスクリーンを備えた実験室規模の粉砕機で実施した。
【0055】
そうではないとの言及のない限り、処方物に用いるすべての材料は、米国薬局方/国民医薬品集(USP/NF)の現在の要件を満たす市販物品であった。
【0056】
実施例の処方物を調製するのに使用する活性医薬成分(API)は、2007年3月22日出願の米国仮特許出願番号第60/789,280号および仮出願番号第60/919,666号のそれぞれに記載されている方法によって調製した。
【0057】
実施例で用いたAPIは、2θ(すべての値は±0.2の正確度を示す)、関連する格子「d」間隔(オングストロームで)および相対ピーク強度(「RI」)で表して、表IIで示したものに等しい回折角で見られる特徴的なX線粉末回折ピークを有する、(5S,8S)−8−[{(1R)−1−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル)−エトキシ}−メチル]−8−フェニル−1,7−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンの形態I型一水和物塩酸塩の形態である。
【0058】
【表7】
(実施例1)
錠剤化に適した粉末処方物
直接圧縮により錠剤を得るのに適した粉末処方物を、20メッシュふるいで分級した100mgの上記のAPIをFielder造粒機にかけて作製した。25mgのAvicel PH101微結晶性セルロース、51.25mgのラクトース一水和物(微細グレード、NF−Formost Farms、受け入れたものをそのまま使用)、および5mgのクロスカルメロースナトリウム(FMC、NF/Ph.Eur.グレード品)をAPIに加えた。造粒機を稼働させて、成分を乾式ブレンドし、均一なブレンドを得た。均一なブレンドを得た後、62.5mlの蒸留水に溶解した12.5mgのポビドンK30からなる顆粒化流体を用いて造粒機を稼働させて、乾式ブレンド粉末を凝集化させた。造粒機を稼働させて、粉末の損失なく小さな顆粒が認められるまで、粉末を凝集させた。
【0059】
湿潤した凝集粉末をCOMIL湿式ミルに取り出し、湿式粉砕して2mmの平均粒径を有する顆粒を得た。湿潤した粉砕顆粒をGlatt Air Technologies社の流動層乾燥機に送り、乾燥により顆粒の残留水分含量が5.0重量%未満(乾燥減量)になるまで乾燥し、COMIL実験室用粉砕機で乾式粉砕して、250ミクロンの平均粒径と50ミクロン〜850ミクロンの粒径分布を有する顆粒を得た。得られた顆粒は0.55g/mlのかさ密度と0.70g/mlのタップ密度を有していた。
【0060】
上記のようにして作製した粉砕顆粒(192mg)を、47.5mgのAvicel PH102微結晶性セルロースおよび7.5mgのクロスカルメロースナトリウム(どちらもFMC、NF/Ph.からのEurグレード、受け入れたものをそのまま使用)と一緒にFielder造粒機にチャージし、造粒機を稼働させて、乾燥した成分の均一なブレンドを得た。均一粉末が得られたら、造粒機に1.25mgのステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt、NF、非ウシ由来(non−bovine)、使用前に20メッシュのふるいで分級)を加え、均一な粉末が得られるまでブレンドした。
【0061】
(実施例2a)
錠剤の作製
上記実施例1で調製した250mgの分量の粉末を、卵型ダイ(Elizabeth Carbide)を備えた錠剤プレス(Key Press)にかけ、粉末を圧縮して錠剤にすることによって、それぞれ100mgのAPIを含む錠剤コアを作製した。これらの錠剤の硬さ(破壊荷重)を、製薬工業の基準(USPの1217章を参照されたい)によって行われる試験条件のもとで試験し、結果は10kp〜16kpの硬さであった。また、その破砕性を、製薬工業の基準(USPの1216章を参照されたい)によって行われる試験条件のもとで試験し、結果は0.8%未満の破砕性であった。
【0062】
同じ仕方で、上記実施例1で調製した250mgの分量の粉末を、葉形ダイ(Elizabeth Carbide)を備えた錠剤プレスにかけ、粉末を圧縮して10kp〜16kpの硬さを有する錠剤にすることによって、100mgのAPIをそれぞれ含む錠剤コアを作製した。これらの葉形錠剤の硬さ(破壊荷重)を、製薬工業の基準(USPの1217章を参照されたい)によって行われる試験条件のもとで試験し、結果は10kp〜16kpの硬さであった。これらの錠剤の破砕性を、製薬工業の基準(USPの1216章を参照されたい)によって行われる試験条件のもとで試験し、結果は0.8%未満の破砕性であった。
【0063】
上記で作製した複数の卵型錠剤を溶解試験用に選択した。溶解試験にはUSP2パドル型攪拌装置を用いた。pH4.5の0.05M酢酸ナトリウムで緩衝化した0.25%ドデシル硫酸ナトリウム溶液を含む900mlの溶解媒体中で6つの試料の平均溶解プロファイルを、シンカーを使用することなく75RPMで操作し、USP2パドル型攪拌装置で測定した。これらの溶解試験の結果を表2に示す。
【0064】
【表8】
これらのデータは、許容される硬さおよび破砕性を有する圧縮錠剤が、許容される溶解特性も有していることを示している。
【0065】
(実施例2b)
錠剤のコーティング
純水中に20重量/重量%のOpadry II white(Colorcon、受け入れたものをそのまま使用)を含む水分散液を調製した。実施例Iで作製したOval
250mg錠剤コアを、入口空気の温度および流量と出口空気流量を調節して生成物層温度を45℃〜50℃の温度に保持しながら、十分に穴を開けたコーティング用パン中でコーティングした。計算した3.0%のコーティング重量が錠剤コアに被覆されるまで噴霧を続行した。
【0066】
溶解試験用に、作製した複数のコーティング錠剤を選択した。溶解試験にはUSP2パドル型攪拌装置を用いた。pH4.5の0.05M酢酸ナトリウムで緩衝化した0.25%ドデシル硫酸ナトリウム溶液を含む900mlの溶解媒体で6つの試料の平均溶解プロファイルを、シンカーを使用することなく75RPMで操作してUSP2パドル型攪拌装置を用いて得た。これらの溶解試験の結果を表3に示す。
【0067】
【表9】
これらのデータは、コーティングされた錠剤が、コーティングされていないコアと同じ許容可能な溶解特性を有していることを示している。
【0068】
上記のようにして作製した十分な数の錠剤を投与して治療上有効なAPIの血中濃度がもたらされると、そうした治療および/または予防を必要とする患者の吐き気および/または嘔吐を治療および/または予防するのに有効であることが理解されよう。
【0069】
本発明の上記説明は例示的なものであり、それを限定しようとするものではない。当業者は、本明細書で説明した実施形態の様々な変更形態または修正形態を想起されよう。本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、そうした変更を加えることができる。