特許第5763183号(P5763183)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5763183宝石をセットするためのマーキングを有する指輪
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5763183
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】宝石をセットするためのマーキングを有する指輪
(51)【国際特許分類】
   A44C 9/00 20060101AFI20150723BHJP
【FI】
   A44C9/00
【請求項の数】15
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-514144(P2013-514144)
(86)(22)【出願日】2010年6月10日
(65)【公表番号】特表2013-528104(P2013-528104A)
(43)【公表日】2013年7月8日
(86)【国際出願番号】US2010038163
(87)【国際公開番号】WO2011155940
(87)【国際公開日】20111215
【審査請求日】2013年6月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】512318039
【氏名又は名称】ジョセフ、マルドカ
【氏名又は名称原語表記】JOSEPH MARDKHA
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ、マルドカ
【審査官】 平田 慎二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−330805(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3139065(JP,U)
【文献】 特開2005−261675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
様々な指のサイズの指輪のシャンクの内側表面の複数の部分に複数の宝石の比例的な配置のための複数のマーキングの位置を決定するための方法であって、
前記複数のマーキングは、前記複数の宝石の配置のための複数の中心点を特定し、
前記シャンクは、1つまたは2つ以上のマーキング領域と、1つまたは2つ以上の非マーキング領域と、を有し、
前記複数の宝石は、1つまたは2つ以上のサイズからなり、
前記方法は、
a)内側のシャンクの周囲、非マーキング領域の数、および、各非マーキング領域の最小サイズに基づいて、利用可能な宝石のマーキング領域を決定する工程と、
b)宝石のマーキングの量、宝石のサイズの数、前記内側のシャンクの周囲、前記非マーキング領域の数、および、各非マーキング領域の前記最小サイズに基づいて、マーキング間のスペースの数を決定する工程と、
c)宝石のサイズの数が1つである場合には、前記利用可能な宝石のマーキング領域と、前記マーキング間のスペースの数とマーキング間の予め定められた最小スペースとの積と、の差に基づいて、宝石のサイズを決定する工程であって、前記宝石のサイズは、隣接する宝石のガードル間に少なくとも0.1mmを許容し、2mm〜3mmの幅の指輪のシャンクに対して、前記宝石のサイズは、宝石のガードルから前記指輪のシャンクの縁までに少なくとも0.4mmを許容する、という工程と、
d)前記宝石のサイズの数が2つである場合には、相対的に小さい宝石の量、相対的に大きい宝石の量、前記マーキング間の予め定められた最小スペース、前記利用可能な宝石のマーキング領域、前記マーキング間のスペースの数、および、相対的に大きい宝石のサイズと相対的に小さい宝石のサイズとの差、からなる群のうち1つまたは2つ以上に基づいて、相対的に大きい宝石のサイズと相対的に宝石のサイズとを決定する工程であって、
d1)前記指輪のシャンクの幅が2mmである時、前記相対的に大きい宝石のサイズは、前記相対的に小さい宝石のサイズより少なくとも0.3mm大きく、前記相対的に大きい宝石のサイズと前記相対的に小さい宝石のサイズとは、宝石のガードルから前記指輪のシャンクの縁までに少なくとも0.4mmを許容し、
d2)前記指輪のシャンクの幅が3mm以上であり、かつ、前記指のサイズが4〜6.5である時、前記相対的に大きい宝石のサイズは、大きくとも1.8mmであり、かつ、前記相対的に小さい宝石のサイズより少なくとも0.3mm大きく、
d3)前記指輪のシャンクの幅が3mm以上であり、かつ、前記指のサイズが7である時、前記相対的に大きい宝石のサイズは、大きくとも1.9mmであり、かつ、前記相対的に小さい宝石のサイズより少なくとも0.4mm大きく、
d4)前記指輪のシャンクの幅が3mm以上であり、かつ、前記指のサイズが7.5以上である時、前記相対的に大きい宝石のサイズは、前記相対的に小さい宝石のサイズが1.5mm以下である時には、前記相対的に小さい宝石のサイズより少なくとも0.3mm大きく、前記相対的に大きい宝石のサイズは、前記相対的に小さい宝石のサイズが1.6mm以上である時には、前記相対的に小さい宝石のサイズより少なくとも0.4mm大きい、という工程と、
e)前記宝石のマーキングの量、前記予め定められた宝石のサイズ、前記内側のシャンクの周囲、前記非マーキング領域の数、および、前記非マーキング領域の最小サイズに基づいて、前記シャンクの内側表面に沿って前記1つまたは2つ以上のマーキング領域内に複数のマーキングのための位置を決定する工程と、
f)前記複数のマーキングのための前記決定された位置に応じて前記シャンクの前記内側表面にマーキングする工程と、
g)前記複数のマーキングの少なくとも1つにより規定されるサイズおよび位置を有するセッティングを形成する工程と、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記セッティングに前記宝石を挿入する工程、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セッティングにおける前記宝石は、前記指輪が指に嵌められたとき不可視である
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
指輪を加増装飾する方法であって、
前記方法は、
a)その内側表面に複数のマーキングを有する前記指輪を受け取る工程であって、前記複数のマーキングの位置は、
1)内側のシャンクの周囲、非マーキング領域の数、および、各非マーキング領域の最小サイズに基づいて、利用可能な宝石のマーキング領域を決定する工程と、
2)宝石のマーキングの量、宝石のサイズの数、前記内側のシャンクの周囲、前記非マーキング領域の数、および、前記各非マーキング領域の最小サイズに基づいて、マーキング間のスペースの数を決定する工程と、
3)宝石のサイズの数が1つである場合には、前記利用可能な宝石のマーキング領域と、前記マーキング間のスペースの数とマーキング間の予め定められた最小スペースとの積と、の差に基づいて、宝石のサイズを決定する工程であって、前記宝石のサイズは、隣接する宝石のガードル間に少なくとも0.1mmを許容し、2mm〜3mmの幅の指輪のシャンクに対して、前記宝石のサイズは、宝石のガードルから前記指輪のシャンクの縁までに少なくとも0.4mmを許容する、という工程と、
4)前記宝石のサイズの数が2つである場合には、相対的に小さい宝石の量、相対的に大きい宝石の量、前記マーキング間の予め定められた最小スペース、前記利用可能な宝石のマーキング領域、前記マーキング間のスペースの数、および、相対的に大きい宝石のサイズと相対的に小さい宝石のサイズとの差、からなる群のうち1つまたは2つ以上に基づいて、相対的に大きい宝石のサイズと相対的に宝石のサイズとを決定する工程であって、
4.1)前記指輪のシャンクの幅が2mmである時、前記相対的に大きい宝石のサイズは、前記相対的に小さい宝石のサイズより少なくとも0.3mm大きく、前記相対的に大きい宝石のサイズと前記相対的に小さい宝石のサイズとは、宝石のガードルから前記指輪のシャンクの縁までに少なくとも0.4mmを許容し、
4.2)前記指輪のシャンクの幅が3mm以上であり、かつ、前記指のサイズが4〜6.5である時、前記相対的に大きい宝石のサイズは、大きくとも1.8mmであり、かつ、前記相対的に小さい宝石のサイズより少なくとも0.3mm大きく、
4.3)前記指輪のシャンクの幅が3mm以上であり、かつ、前記指のサイズが7である時、前記相対的に大きい宝石のサイズは、大きくとも1.9mmであり、かつ、前記相対的に小さい宝石のサイズより少なくとも0.4mm大きく、
4.4)前記指輪のシャンクの幅が3mm以上であり、かつ、前記指のサイズが7.5以上である時、前記相対的に大きい宝石のサイズは、前記相対的に小さい宝石のサイズが1.5mm以下である時には、前記相対的に小さい宝石のサイズより少なくとも0.3mm大きく、前記相対的に大きい宝石のサイズは、前記相対的に小さい宝石のサイズが1.6mm以上である時には、前記相対的に小さい宝石のサイズより少なくとも0.4mm大きい、という工程と、
5)前記宝石のマーキングの量、前記予め定められた宝石のサイズ、前記内側のシャンクの周囲、前記非マーキング領域の数、および、前記非マーキング領域の最小サイズに基づいて、前記シャンクの内側表面に沿って前記1つまたは2つ以上のマーキング領域内に複数のマーキングのための位置を決定する工程と、
6)前記複数のマーキングのための前記決定された位置に応じて前記シャンクの前記内側表面にマーキングする工程と、
により決定される、という工程と、
b)前記複数のマーキングの少なくとも1つにより規定されるサイズおよび位置を有するセッティングを形成する工程と、
c)前記セッティングに前記宝石を配置する工程と、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項5】
前記相対的に大きい宝石のサイズを決定する工程は、
各マーキング領域のサイズと、前記相対的に小さい宝石の数と前記相対的に小さい宝石のサイズとの積と、の差と等しい第1の量を決定する工程と、
前記第1の量を前記相対的に大きい宝石の数で割った商と等しい前記相対的に大きい宝石のサイズを決定する工程と、
を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記相対的に小さい宝石のサイズを決定する工程は、
1)前記相対的に大きい宝石のサイズと前記相対的に小さい宝石のサイズとの間の差、
前記相対的に小さい宝石の数と前記予め定められた最小スペースとの積、および、
前記相対的に大きい宝石の数と前記予め定められた最小スペースとの積、
の和と等しい第1の量を決定する工程と、
2)前記利用可能な宝石のマーキング領域と、前記第1の量と、の差と等しい残りの領域を決定する工程と、
3)前記残りの領域を前記マーキング間のスペースの数で割った商と等しい前記相対的に小さい宝石のサイズを決定する工程と、
を有する
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記宝石のサイズの量が2つである場合には、
そこでは前記相対的に大きい宝石が前記指輪の内側表面より下方にある、前記相対的に大きい宝石のサイズのためのセッティング深さと、
そこでは前記相対的に小さい宝石のサイズのガードルが前記相対的に大きい宝石のサイズのガードルと一直線に揃えられる、前記相対的に小さい宝石のサイズのためのセッティング深さと、
を決定する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記宝石のサイズの量が1つである場合には、前記複数の宝石が前記指輪の内側表面より下方の予め定められた距離にあるように、前記複数の宝石のためのセッティング深さを決定する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記指輪の幅が2〜3mmの間である場合には、前記宝石のサイズを決定する工程は、宝石のガードルから前記指輪の縁までの最小距離が0.4mmと等しくなるように、前記宝石のサイズを制限する工程を更に有し、
前記指輪の幅が3.5mmより大きい場合には、前記宝石のサイズを決定する工程は、前記隣接する宝石のガードル間の最小距離が0.1mmとなるように、前記宝石のサイズを制限する工程を更に有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記指輪の幅が2mmである場合には、前記相対的に大きい宝石のサイズと前記相対的に小さい宝石のサイズとの間の前記予め定められた差は、0.3mmと等しく、
前記宝石のサイズを決定する工程は、相対的に大きい宝石のガードルから前記指輪の縁までの最小距離が0.4mmと等しくなるように、前記相対的に大きい宝石のサイズを制限する工程を更に有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記指輪の幅が3mm以上であり、かつ、前記指輪のサイズが4〜7の間である場合には、前記相対的に大きい宝石のサイズと前記相対的に小さい宝石のサイズとの間の前記予め定められたサイズの差は、0.3mmと等しく、
前記相対的に大きい宝石のサイズを決定する工程は、相対的に大きい宝石のガードルから前記指輪の縁までの最小距離が0.4mmと等しくなるように、前記相対的に大きい宝石のサイズを制限する工程を更に有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記指輪の幅が3mmである場合には、前記相対的に大きい宝石のサイズと前記相対的に小さい宝石のサイズとの間の予め定められた差は、
1.5mm以下の宝石に対しては0.3mmと等しく、
1.5mmより大きい宝石に対しては0.4mmと等しい
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
d)工程の後に、前記非マーキング領域の最小サイズと、前記計算された宝石のサイズと、に基づいて、各非マーキング領域のサイズをアップデートする工程、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法に従って製造された指輪。
【請求項15】
請求項4に記載の方法に従って製造された指輪。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、将来複数の宝石をセットするための複数の位置を特定するための複数のマーキングを有する指輪、及び、そのような複数の宝石をマーキングされた複数の位置にセットするという目的のために指輪をマーキングするための方法、に関する。
【背景技術】
【0002】
宝飾店及び宝飾品業者は、顧客からの繰り返される訪問から利益を受け得る。宝飾品、特に、結婚式のようなイベントを祝う宝飾品、を購入または着用する顧客は、結婚の毎年年末に1個の宝石を加えることによって、当該イベントの各記念日を祝うことを楽しみ得る。従って、複数の宝石が適切なサイズに形成され且つ適切な間隔を空けられて前記イベントの各記念日に指輪にセットされるように、将来そのような複数の宝石をセットするための複数の位置を特定する複数のマーキングを指輪に設けることが望ましいこともあり得る。時が経過するに従って、購入者または着用者は、そのようなイベントの記念日に宝飾店に戻って来て、1個の宝石を購入すると共に指輪の予め定められ且つマーキングされた位置にセットされた状態にし得る。また、そのような複数の宝石をセットするための繰り返しの訪問は、そのような訪問中に他の商品及びサービスを販売するための付加的な機会を宝飾店にもたらし得る。
【0003】
そのような複数のマーキング無しで指輪に複数の宝石を加えることは、新しい宝石のための位置を特定して、当該新しい宝石を収容するように指輪に穴を開けることを、宝飾店に要求する。宝飾店は、誤った判断をする、誤った計算をする、または、そうでなくても、将来指輪に望ましく配置され得る全ての宝石を収容するように1個(または複数)の新しい宝石が正しいサイズに形成され且つ正しい間隔を空けられることを保証するために必要な正確性を欠く、という可能性がある。さらに、これらの作業は、おそらく多年の間に亘って、1個の宝石が指輪に加えられる毎に繰り返される必要があるため、複数の宝石をあるサイズに形成する又は間隔を空ける際の失敗が、魅力のない指輪、すなわち望まれた全ての宝石を含むためのスペースが不十分である、という結果もたらす可能性が増大する。さらにまた、複数の新しい宝石は異なる複数の宝飾店によって加えられ得るため、品質および美的感性は宝飾店毎に異なっていて、各宝飾店が前回とは異なるやり方をする可能性がある。これは、指輪の美しさに悪影響を与え得る、複数の新しい宝石のサイズ、間隔及び位置の非対称という危険を引き起こすことになる。従って、複数の宝石が適切なサイズに形成され且つ適切に配置されることを保証するために、複数の宝石のためのパターンを作成して、それに応じて指輪にマーキングすることが望ましいこともあり得る。複数のマーキングは、結婚式それ自身、及び、5、10、25、50周年記念日のような節目を考慮すると共に、そのような節目のために、例えば、異なる型、色、サイズ及び種類の複数の異なる宝石を提供することもあり得る。
【0004】
長い時間をかけて複数の宝石が加えられる指輪には、複数の宝石によってまだ塞がれていないマーキングされた複数の位置があり得て、これにより、複数のマーキングがシャンクの外側にある場合には、指輪は不完全または未完成のように見え得る。これを考慮すると、または、着用者がプライバシーを維持することを望み得るため、指輪が着用された時に他人には不可視である指輪のシャンクの内側表面に複数のマーキング及び複数の宝石を配置することが望ましいこともあり得る。
【0005】
指輪の内側表面に複数のマーキングを配置することは、宝飾店に特別な課題を課し得る。例えば、好ましい数の宝石を内側表面に配置することは、複数の宝石のサイズ及び数、指輪の幅及びサイズ(内周)、及び、宝石が存在しない刻印領域、によって影響を受け得る。反対に、好ましい数の宝石を外側表面に配置することは、少なくとも、当該外側表面に刻印領域が存在しないという理由により、及び、複数の宝石を収容するためのより大きな領域を提供するために指輪の高さ及び外周を増大させるように原料が指輪に加えられ得るため指輪のサイズ(内周)が制限因子として縮小され得るという理由により、より容易に達成され得る。
【0006】
前述の課題を鑑みると、指輪、及び、信頼でき且つ繰り返し可能なやり方で指輪の内側表面に複数の望ましいマーキングを作成するための、及び、様々な指輪のサイズ及び型に亘って製作するという目的のためにプロセスを自動化するための、技術を提供するという、指輪をマーキングするための方法、を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
当該シャンクの内側表面の予め定められた位置に複数の標識を有するシャンクを備え、当該複数の標識は複数の宝石をセットするための複数の好ましい位置を特定している指輪である。当該複数の好ましい位置は、前記複数の宝石の数及びサイズ、及び/または、予め定められたパターン、に基づき得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは、本開示の指輪の斜視図を示している。
図1B図1Bは、本開示の指輪の一部分の拡大図を示している。
図2図2は、本開示の指輪の内側表面の図を示している。
図3A図3Aは、本開示の指輪の斜視図及び展開図を示している。
図3B図3Bは、本開示の指輪の斜視図及び展開図を示している。
図4図4は、本開示の指輪の平面視断面図を示している。
図5A図5Aは、本開示の指輪の斜視図及び展開図を示している。
図5B図5Bは、本開示の指輪の斜視図及び展開図を示している。
図6図6は、本開示の指輪の平面視断面図を示している。
図7図7は、本開示による3通りの指輪のサイズのための複数の宝石の位置を示している。
図8A図8Aは、本開示の指輪の斜視図及び展開図を示している。
図8B図8Bは、本開示の指輪の斜視図及び展開図を示している。
図9図9は、本開示の指輪の平面視断面図を示している。
図10A図10Aは、本開示の指輪の斜視図及び展開図を示している。
図10B図10Bは、本開示の指輪の斜視図及び展開図を示している。
図11図11は、本開示の指輪の平面視断面図を示している。
図12A図12Aは、本開示の指輪の斜視図及び展開図を示している。
図12B図12Bは、本開示の指輪の斜視図及び展開図を示している。
図13図13は、本開示の指輪の平面視断面図を示している。
図14A図14Aは、本開示の指輪の斜視図及び展開図を示している。
図14B図14Bは、本開示の指輪の斜視図及び展開図を示している。
図15図15は、本開示の指輪の平面視断面図を示している。
図16A図16Aは、本開示の指輪の斜視図及び展開図を示している。
図16B図16Bは、本開示の指輪の斜視図及び展開図を示している。
図17図17は、本開示の指輪の平面視断面図を示している。
図18A図18Aは、本開示の指輪の斜視図及び展開図を示している。
図18B図18Bは、本開示の指輪の斜視図及び展開図を示している。
図19図19は、本開示の指輪の平面視断面図を示している。
図20図20は、本開示の指輪の側面視断面図を示している。
図21図21は、本開示の方法の一態様によるフローチャートを示している。
図22図22は、本開示の方法の一態様によるフローチャートを示している。
図23図23は、本開示の方法の一態様によるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の指輪及び方法は、付随する図面を用いて詳細に記述され得て、そこでは、同様の参照数字が複数の図を通して同一の又は対応する部分を示している。
【0010】
指輪
図1Aは、当該指輪10の内側表面に将来複数の宝石を配置するための複数の標識としての複数のマーキング20を有する指輪10を示している。図1Aは、個人的な彫刻、家柄の標識または指輪10の材料組成のような、文字、記号または他の図形を含み得る刻印領域(stamping area)40も示している。
【0011】
指輪10は、プラチナ合金、金合金、銀合金、または他の合金を含むがそれらに限定されるものではない貴重な材料または非貴重な材料から作られ得る。指輪10は、複数の追加の宝石を収容するための1つの台枠(不図示)を有し得る。
【0012】
図1Bにより詳細に示されるように、複数のマーキング20は、複数の宝石の位置を特定し得て、円のような記号または他の識別子であり得る。複数のマーキング20は、将来に当該位置を塞ぎ得る宝石の位置、及び、任意でサイズまたは型、を宝飾店に特定するために設けられ得る。複数のマーキング20は、セットされるべき複数の宝石のサイズに形成され得るか、そうでなければ当該複数の宝石のサイズを示す又は当該複数の宝石のサイズに対応し得る。図1Bは、複数のマーキング20−4及び20−5を示している。マーキング20−4は、1個の宝石の配置の中心点を特定し得る中心点マーキング24−Aと、その位置を塞ぎ得る1個の宝石のサイズを示し得る外円マーキング22−Aと、を含んでいる。すなわち、外円マーキング径26−Aは、その位置を塞ぐべき1個の宝石に略等しいサイズであり得る。限定されない一実施例では、略0.7mmの宝石のための位置は、略0.7mmの外円マーキング径26−Aを有する外円マーキング22−Aと共に、好ましい宝石位置の中心に配置された中心点マーキング24−Aを有するマーキング20−4によって特定され得る。
【0013】
あるいは、外円マーキング径26−Aは、その位置を塞ぐべき宝石のサイズより小さい又は大きいこともあり得る。他の態様では、複数の外円が使用され得る、または、外円マーキング22−Aが存在しないこともあり得る。
【0014】
図1Bは、マーキング20−4に関して、外円から指輪の縁までの距離28−Aを示している。図1Bは、更に、26−Aよりも大きい外円マーキング径26−Bによって図示されているように、マーキング20−4用よりも大きい宝石のための第2マーキング20−5と、28−Aよりも小さい、外円から指輪の縁までの距離28−Bと、を示している。
【0015】
図1Bは、更に、外円マーキング22−A及び22−Bの間の距離30と、中心点マーキング24−A及び24−Bの間の距離32と、を示している。リング幅34も示されている。
【0016】
当然のことながら、マーキング20は、プラス記号(「+」)又はアスタリスク(「*」)のような、他の文字、記号または図形であり得る。マーキング20は、窪み(indentation)、彫刻(engraving)、または、引掻き(scoring)、であり得る。
【0017】
図2は、複数のマーキング20−1乃至20−12のパターンを有する指輪10の内側表面の一部分の展開図を示している。当該パターンは、4個の相対的に小さいマーキング20−1乃至20−4と、5個目の相対的に大きいマーキング20−5と、を示している。当該パターンは、4個の相対的に小さいマーキング20−6乃至20−9と、マーキング20−10と、に関して繰り返しており、このパターンは、指輪の内側の周りで繰り返され得る。この限定されない実施例では、記念日のようなイベントを祝うために1個の相対的に小さい宝石が購入されてマーキング20−1にセットされ得る。4年間の各年に追加の相対的に小さい宝石が購入されてマーキング20−2乃至20−4にセットされ得る。5周年に、5周年記念日を祝うために相対的に大きな宝石が購入されてマーキング20−5にセットされ得る。マーキング20−6乃至20−9は、6乃至9周年の間に購入されてセットされ得る相対的に小さい宝石の位置及びサイズを示している一方、マーキング20−10は、10周年の間に購入されてセットされ得る相対的に大きい宝石の位置及びサイズを示している。この実施例に続いて、15周年及び20周年記念日に相対的に大きい宝石が購入されてセットされると共に、その間の年に相対的に小さい宝石が使用されることもあり得る。更に別の態様では、宝石及びマーキングが同じサイズであり得る。
【0018】
2つのサイズの26個の宝石と、1つの刻印領域と、を有する指輪10の図が、図3A図3B及び図4に示されている。図4は、複数の位置に嵌め込まれた宝石を明らかにしている指輪10の平面視断面図を示している。
【0019】
2つのサイズの26個の宝石と、2つの刻印領域と、を有する指輪10の図が、図5A図5B及び図6に示されている。図7は、3通りの指輪のサイズのための一例としての複数の宝石の位置及びサイズを示しており、各々が2つの大きさの26個の宝石と、2つの刻印領域と、を有している。図7では、全ての指輪は2.0mmのバンドリング(band)であり、小さい宝石(例えば、20−1乃至20−4)は0.8mmであり、大きい宝石(例えば、20−0、20−5及び20−10)は1.10mmである。この構造を有するサイズ3の指輪は、0.559mmで離れてセットされた全ての宝石と、4.382mmの刻印領域と、を有している。この構造を有するサイズ8の指輪は、0.968mmで離れてセットされた全ての宝石と、5.648mmの刻印領域と、を有している。この構造を有するサイズ13の指輪は、1.385mmで離れてセットされた全ての宝石と、6.913mmの刻印領域と、を有している。
【0020】
2つのサイズの26個の宝石と、宝石を含む1つの刻印領域と、を有する指輪10の図が、図8A図8B及び図9に示されている。
【0021】
1つのサイズの26個の宝石と、1つの刻印領域と、を有する指輪10の図が、図10A図10B及び図11に示されている。1つのサイズの26個の宝石と、2つの刻印領域と、を有する指輪10の図が、図12A図12B及び図13に示されている。1つのサイズの26個の宝石と、宝石を含む1つの刻印領域と、を有する指輪10の図が、図14A図14B及び図15に示されている。
【0022】
1つのサイズの51個の宝石と、1つの刻印領域と、を有する指輪10の図が、図16A図16B及び図17に示されている。2つのサイズの51個の宝石と、1つの刻印領域と、を有する指輪10の図が、図18A図18B及び図19に示されている。当然のことながら、複数の宝石及び複数の刻印領域の他の配置も利用可能である。
【0023】
当然のことながら、指輪10における複数の宝石の数は、任意の数であり得る。より詳細に検討された限定されない実施例の2つでは、26個の宝石及び51個の宝石が示されている。これらの実施例では、結婚式の日を祝うために1個の宝石がセットされ得て、続く25又は50年のそれぞれに年1回の記念日を祝うために残りの25個又は50個の宝石がセットされ得る。
【0024】
指輪の意匠及び製作
図21は、51個の宝石の配置のために指輪にマーキングするためのプロセスのフローチャートを示している。ユーザは、ステップ100において指のサイズを、ステップ105において指輪10の幅を、入力し得る。ステップ110は、このプロセスが51個の宝石の配置を決定することになることを示している。ステップ115において全ての宝石が同じサイズあることをユーザが選択すれば、当該プロセスはステップ125において配置公式を用いることになる。
【0025】
ステップ125では、当該プロセスは、指の周囲のサイズから刻印領域40の最小サイズを減算して、その差が利用可能な宝石領域である。一実施例では、刻印領域40の最小サイズは、略8.0mmであり得る。当該プロセスは、複数の宝石間の間隔の数を複数の宝石間の最小間隔によって積算し、次にその総計を利用可能な宝石領域から減算して予備的な最大可能宝石サイズを決定する。一実施例では、複数の宝石間の最小間隔は0.1mであり得て、51個の宝石の指輪にとって複数の宝石間の間隔の数は、1つの刻印領域40を有する指輪にとっては50間隔であり得る、または、2つの刻印領域40を有する指輪にとっては49間隔であり得る。ステップ135において刻印領域40に追加される、または、複数の宝石間の間隔に追加及び/又は分配される、残りの領域と共に、予備的な最大可能宝石サイズよりも小さい径を有する宝石が使用され(または必要とされ)得る。一態様では、1つのサイズの51個の宝石が選択される時、指輪の内側表面に沿って取り付けられることになる通常相対的に小径の宝石のために、宝石径のサイズは指輪の幅によって制限されないこともあり得る。
【0026】
ステップ120において宝石が2つのサイズであることをユーザが選択すれば、当該プロセスはステップ130において配置公式を用いることになる。ステップ130では、当該プロセスは、指の周囲のサイズから刻印領域40の最小サイズを減算して、その差が利用可能な宝石サイズである。一実施例では、刻印領域40の最小サイズは、略8mmであり得る。
【0027】
当該プロセスは、相対的に小さい宝石ための複数の位置の数を最小の相対的に小さい宝石サイズによって積算し、次にその総計を利用可能な宝石領域から減算して第1の量を決定する。一実施例では、51個の宝石の指輪は、40個の相対的に小さい宝石と、0.6mmの最小の相対的に小さい宝石サイズと、を有し得る。当該プロセスは、第1の量を相対的に大きい宝石のための複数の位置の数によって除算して相対的に大きい宝石サイズを決定する。一実施例では、51個の宝石の指輪は、11個の相対的に大きい宝石を有し得る。相対的に小さい宝石よりも少なくとも0.3mm大きい、相対的に大きい宝石を有することが望ましいこともあり得る。複数の要因によって、相対的に小さい及び相対的に大きい宝石サイズを増大させることも可能であり得る。
【0028】
別の態様では、宝石サイズは、複数の宝石間の予め定められた最小間隔と、相対的に小さい宝石と相対的に大きい宝石との間の宝石サイズの予め定められた差と、を用いて決定され得る。限定されない一実施例では、複数の宝石間の最小間隔は0.1mmであり得ると共に、宝石サイズの予め定められた差は0.3mmであり得る。相対的に小さい宝石の数と最小間隔との積は、相対的に大きい宝石の数と最小間隔との積に予め定められた差を加えたものに加算され得て、この量が利用可能な宝石領域から減算されて残りの領域が形成され得る。当該残りの領域は複数の宝石間の間隔の数によって除算されて、相対的に小さい石のための予備的な最大可能宝石サイズが算出され得る。宝石サイズは、相対的に大きい石と相対的に小さい石との間の相対的なサイズの差を維持するように調整され得る。
【0029】
ステップ125またはステップ130の後に、当該プロセスはステップ135に進行して、そこでは、上述の宝石サイズを決定した後に利用可能な追加スペースによって刻印領域40のサイズが増大され得る。
【0030】
ステップ140では、刻印領域40の1つの様式が実現され得る。この実施例では、3様式のうちの1つが実現され得る。ステップ145は、1つの刻印領域40を示している。ステップ150は、当該刻印領域40内に配置された1個の宝石を含む1つの刻印領域40を示している。あるいは、刻印領域全体が複数の刻印領域40に亘って分配され得る。ステップ155は、2つの刻印領域を示しており、それらは隣接して配置され得る、または、他のやり方で、例えば指輪の向かい合う側に、配置され得る。
【0031】
ステップ115において1つの宝石サイズが選択された場合、次に当該プロセスはステップ160に進行し、そこでは、宝石のパラメータと配置とが決定される。当該プロセスは、宝石のセッティング深さを計算することになる。セッティング深さは、宝石のテーブル面が指輪10の内側表面より下方に予め定められた深さ、例えば0.05mm、であることを保証するために計算され得る。そうすることは、宝石を損傷から防ぐと共に、着用者にとってより快適なフィットをもたらし得る。
【0032】
ステップ120において2つの宝石サイズが選択された場合、次に当該プロセスはステップ165に進行し、そこでは、当該プロセスはセッティング深さを計算する。セッティング深さは、相対的に大きい宝石の宝石テーブル面が指輪10の内側表面より下方に予め定められた深さ、例えば0.05mm、であることを保証するために計算され得る。図20に示されるように、相対的に小さい宝石20−4は、水平な破線によって図示されるように、当該相対的に小さい宝石20−4のガードルが相対的に大きい宝石20−5のガードルと一直線に揃えられるように、ある深さ52にセッティングされ得る。これが起こるために、相対的に小さい宝石20−4の深さ52は、相対的に大きい宝石20−5の深さ50より大きいことがあり得る。
【0033】
ステップ160またはステップ165の後に、当該プロセスはステップ170に進行し、そこでは、宝石位置が計算される。このステップでは、当該プロセスは、指輪の内側表面に沿って複数の宝石の位置を生成すると共に、それらの位置の角度による測定を生成する。
【0034】
これらの計算が実行されると、当該複数の位置が指輪10の内側表面にマーキングされ得る。
【0035】
図22は、26個の宝石の配置のために指輪にマーキングするためのプロセスのフローチャートを示している。前述のように、ユーザは、指のサイズ(ステップ100)及び指輪10の幅(ステップ105)を入力し得る。ステップ200は、このプロセスが26個の宝石の配置を決定することになることを示している。
【0036】
ステップ205では、当該プロセスは刻印領域を決定する。26個の宝石の指輪における相対的に少量の宝石のために、より多くの、刻印領域40のためのスペース及び複数の宝石間の間隔が存在し得る。刻印領域40は、最小刻印領域、例えば小さい指輪サイズに対しては、宝石のガードルから宝石のガードルまでの8.0mm、を用いて計算され、次に図7に示されるように相対的に大きい指輪サイズに対して推定され得る。図7に示されるように、刻印領域全体は、指輪10の内側表面において互いに向かい合うように、または他の位置に、配置された2つの刻印領域40に亘って広げられ得る。
【0037】
ステップ210では、刻印領域40の1つの様式が実現される。この実施例では、3つの様式のうちの1つが実現され得る。ステップ215は、1つの刻印領域40を示している。ステップ220は、当該刻印領域40内に配置された1つの宝石を含む1つの刻印領域40を示している。あるいは、刻印領域全体が複数の刻印領域40に亘って分配され得る。ステップ225は、2つの刻印領域を示していて、それらは隣接して配置され得るか、または他の位置に、例えば指輪の向かい合う側に、配置され得る。
【0038】
ステップ230において全ての宝石が同じサイズであることをユーザが選択する場合、次に当該プロセスは、幅2.0mm〜3.0mmを有するバンドリングのためにステップ240において宝石サイズ選択を使用し得る、または、当該プロセスは、幅3.5mm以上を有するバンドリングのためにステップ245において宝石サイズ選択公式を使用し得る。
【0039】
ステップ240では、最大宝石サイズは、宝石のガードルから指輪の縁までの、例えば0.4mmの、最小距離を維持することによって選択され得る。これは、宝石が指輪内に適合してセットされることを可能にすると共に、指輪に対する損傷を防ぐためである。最大宝石サイズは、複数の宝石のガードル間に少なくとも0.1mmが存在するように選択されることもあり得る。
【0040】
ステップ245では、指輪の幅が相対的に大きいため、複数の宝石のガードル間に少なくとも0.1mmが存在するように最大宝石サイズが選択され得る。
【0041】
1つの宝石サイズの配置のために宝石サイズが決定されると、当該プロセスはステップ260に移動する。
【0042】
ステップ260では、当該プロセスは刻印領域のサイズを指の周囲のサイズから減算して、次にその総量を複数の宝石間のスペースの数、この場合は25、によって除算して、ステップ245及び245において説明された規則に従って最大宝石サイズを生成する。次に、当該プロセスは、複数の宝石間の予め定められた距離、例えば0.1mm、を残して複数の宝石を等間隔に配置する。当該プロセスは、宝石のセッティング深さを計算することになる。セッティング深さは、宝石のテーブル面が指輪10の内側表面より下方に予め定められた深さ、例えば0.05mm、であることを保証するために計算され得る。そうすることは、宝石を損傷から防ぐと共に、着用者により快適なフィットをもたらし得る。
【0043】
複数の宝石が2つのサイズ(ステップ235)であることをユーザが選択する場合、次に当該プロセスは、幅2.0mm(全ての指サイズ)または3.0mm以上(指サイズ4−7)を有するバンドリングのためにステップ250において宝石サイズ選択を使用する、または、当該プロセスは、幅3.0mm以上(指サイズ7.5以上)を有するバンドリングのためにステップ255において宝石サイズ選択公式を使用することになる。
【0044】
ステップ250では、小さい宝石と大きい宝石との間のサイズの差が、2.0mmの指輪の幅にとっては0.3mmであり得ると共に、最大宝石サイズが、ガードルから指輪の縁まで0.4mmを割り当てなければならないという指輪の幅によって制限され得る。例えば、幅2.0mmの指輪は、1.1mmの最大宝石サイズを有して、宝石の頂部及び底部に0.4mm、円筒形(非四角形)のリング形状には更に0.1mm、を割り当て得る。幅3.0mm以上及び指のサイズ4〜6.5を有する指輪にとって、小さい宝石が最大1.5mmであると共に大きい宝石が最大1.8mmであるという状態では、小さい宝石と大きい宝石との間のサイズの差は0.3mmであり得る。幅3.0mm以上及び指サイズ7を有する指輪にとって、小さい宝石が最大1.5mmであると共に大きい宝石が最大1.9mmであるという状態では、小さい宝石と大きい宝石との間のサイズの差は0.4mmであり得る。
【0045】
ステップ255では、指のサイズ7.5以上にとっては、1.5mm以下の小さい宝石のためには小さい宝石と大きい宝石との間のサイズの差は0.3mmであり得て、1.5mmより大きい小さい宝石のためには小さい宝石と大きい宝石との間のサイズの差は0.4mmであり得る。2つの宝石サイズの配置のために宝石のサイズが決定されると、当該プロセスはステップ265に進行する。
【0046】
幅3.0mm及び指のサイズ9以上の指輪にとって、宝石のサイズは、ガードルから指輪の縁まで0.4mmを割り当てなければならないという指輪の幅によって制限され得る。幅3.0mm及び指のサイズ9未満の指輪、及び、幅3.0mmより大きい指輪にとって、宝石のサイズは、最小0.1mmのガードル間の近接によって制限される。
【0047】
ステップ265では、当該プロセスは、刻印領域40のサイズを指の周囲のサイズから減算して、その差が利用可能な宝石領域である。一実施例では、刻印領域40の最小サイズは、略8mmであり得る。
【0048】
当該プロセスは、相対的に小さい宝石のための複数の位置の数を、相対的に小さい宝石の最小サイズによって積算して、次にその総量を利用可能な宝石領域から減算して第1の量を決定する。一実施例では、26個の宝石の指輪は、20個の相対的に小さい宝石と、0.6mmの相対的に小さい宝石の最小サイズと、を有し得る。当該プロセスは、第1の量を相対的に大きい宝石のための複数の位置の数によって除算して相対的に大きい宝石サイズを決定する。一実施例では、26個の宝石の指輪は、6個の相対的に大きい宝石を有し得る。相対的に小さい宝石より少なくとも0.3mm大きい相対的に大きい宝石を有することが望ましいこともあり得る。複数の要因によって、相対的に小さい及び相対的に大きい宝石のサイズを増大させることも可能であり得る。
【0049】
このステップでは、当該プロセスは、また、セッティング深さを計算する。セッティング深さは、相対的に大きい宝石の宝石テーブル面が指輪10の内側表面より下方に予め定められた深さ、例えば0.05mm、であることを保証するために計算され得る。図20に示されるように、相対的に小さい宝石は、当該相対的に小さい宝石のガードルが相対的に大きい宝石のガードルと一直線に揃えられるような深さにセットされる。
【0050】
ステップ160またはステップ165の後に、当該プロセスは、宝石位置が計算されるステップ170へと進行する。このステップでは、当該プロセスは、指輪の内側表面に沿って複数の宝石の位置を生成すると共に、それらの位置の角度による測定を生成する。
【0051】
これらの計算が実行されると、当該複数の位置が指輪10の内側表面にマーキングされ得る。
【0052】
図23は、指輪10をマーキングするプロセスのフローチャートである。ステップ300では、当該プロセスは、入力として、具体的な指のサイズのための、刻印領域及び型、複数のマーキングの位置、複数のマーキングの型、及び、複数のマーキングのサイズを、制御ソフトウェア内に受け得る。一態様では、Crawford−LaserStar Technologies 6−watt Marking Laser,3700 Seriesのようなレーザ彫刻システムを制御するために、Visual LaserStar Write(VLW)のようなソフトウェアが使用され得る。他の態様では、複数のマーキングはCNC機械によって作成され得る。ステップ305では、指輪10はレーザ彫刻システム内に挿入され得て、当該システムは複数のマーキングを彫刻し得る。ステップ310では、文字のような図形が1つ又は2つ以上の刻印領域に任意に彫刻され得る。
【0053】
ステップ305の後しばらくしてから、ステップ315において、当該指輪10に1つの宝石をセットするために、指輪10は権限を与えられた個人または会社に送られる。ステップ320において、宝石を収容するために1つ又は2つ以上のマーキングに穴を開けるために、フライス盤が使用され得る。マーキングのサイズ、型及び複数の位置を含むマーキングは、穴のサイズ及び位置に穴を開けるためのガイドとして使用され得る。1つの宝石は当該穴にセットされ得る。ステップ325では、指輪10は所有者に戻され得て、当該プロセスは次のイベントまたは記念日に繰り返され得る。
【0054】
前述の教示を鑑みて、本件開示の多数の付加的な変更及び変化が可能である。従って、当然のことながら、添付の特許請求の範囲の範囲内で、本件開示はここに具体的に記載されたのとは違うようにも実行され得る。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22
図23