特許第5763186号(P5763186)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5763186
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】圧力容器用の電磁弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20150723BHJP
   F17C 13/04 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
   F16K31/06 305L
   F17C13/04 301C
   F16K31/06 385F
   F16K31/06 385Z
   F16K31/06 305Z
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-517097(P2013-517097)
(86)(22)【出願日】2011年7月4日
(65)【公表番号】特表2013-537601(P2013-537601A)
(43)【公表日】2013年10月3日
(86)【国際出願番号】EP2011003306
(87)【国際公開番号】WO2012003952
(87)【国際公開日】20120112
【審査請求日】2013年2月20日
(31)【優先権主張番号】102010026548.9
(32)【優先日】2010年7月8日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510017000
【氏名又は名称】マグナ ステアー ファールゾイヒテクニーク アーゲー ウント コ カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】ツィーガー, アンドレアス
【審査官】 関 義彦
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−202770(JP,U)
【文献】 特開昭56−94082(JP,A)
【文献】 特開平11−222119(JP,A)
【文献】 特開2002−115798(JP,A)
【文献】 特開平6−241341(JP,A)
【文献】 米国特許第4286768(US,A)
【文献】 米国特許第5762087(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力容器用の電磁弁(1)であって、手動遮断手段と電磁遮断手段とを備えており、当該電磁遮断手段は、
封止要素(5)、電磁コイル(8)、タペット(3)、可動停止部(22)およびばね要素(4)を備え、
前記電磁コイル(8)を無電流に切り換えて作動停止させると、前記ばね要素(4)により前記封止要素(5)に押圧されている前記タペット(3)が、前記封止要素(5)を第2開口部(12)に押し付けることにより、前記圧力容器からの流体接続が抑制され、
前記電磁コイル(8)を作動させると、前記タペット(3)が前記封止要素(5)から離間して可動停止部(22)まで移動することができ、これにより、流体接続が解放され、
前記手動遮断手段は、前記可動停止部(22)により形成され、
前記タペット(3)は、当該可動停止部(22)との間の形状結合によって当該可動停止部(22)と係合する連結部(23)を有し、当該可動停止部(22)が前記タペット(3)を移動させることができる
ことを特徴とする、圧力容器用の電磁弁。
【請求項2】
前記可動停止部(22)が、前記電磁遮断手段の前記封止要素(5)を、直接駆動し、および/または、
前記封止要素(5)が前記開口部(12)を閉鎖するように、前記可動停止部(22)により前記封止要素(5)を第1の方向に移動させることができ、または、
前記封止要素(5)が前記開口部(12)を解放するように、前記可動停止部(22)により前記封止要素(5)を第2の方向に移動させることができる
ことを特徴とする、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項3】
前記可動停止部(22)が、前記タペット(3)を移動させるために前記タペット(3)に機械的に連結されている
ことを特徴とする、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項4】
スレッド駆動またはスピンドル駆動を具備する機構により、前記可動停止部(22)を移動させることができる
ことを特徴とする、請求項3に記載の電磁弁。
【請求項5】
前記連結部(23)が前記可動停止部(22)内の空洞(25)に係合し、および/または、
前記電磁コイル(8)が無電流に切り換えられて作動停止したときに、前記タペット(3)と前記可動停止部(22)との間に隙間(26)が形成される
ことを特徴とする、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項6】
前記電磁コイル(8)を作動させたときに、前記タペット(3)と前記可動停止部(22)との間の隙間(26)を復元させて、前記可動停止部(22)を前記タペット(3)の停止手段として使用する
ことを特徴とする、請求項5に記載の電磁弁。
【請求項7】
第1開口部(11)を通じて前記タペット(3)と前記電磁遮断ユニットの封止要素(5)との間に延在する室(13)内に前記流体を導くことができ、これにより、前記室(13)内の昇圧が可能になり、かつ
前記電磁コイル(8)を作動させたときに前記タペット(3)が第1変位経路を覆うことができ、その結果、前記封止要素(5)内の貫通孔(6)が解放されるとともに、この工程の間、封止要素(5)がその位置に留まる
ことを特徴とする、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項8】
前記封止要素(5)内の貫通孔(6)が前記タペット(3)により解放されると、前記第1開口部(11)と前記貫通孔(6)とを通る流体の流れにより、前記第2開口部(12)において逆圧の上昇が可能になり、
前記電磁コイル(8)の磁力を起動すると、前記タペット(3)が第2変位経路を覆い、この場合、前記電磁コイル(8)の力および前記封止要素(5)の2つの側面(19、20)の圧力比が、この目的のために十分になり次第、前記封止要素(5)は、前記駆動装置(7)によりその位置から移動して前記第2開口部(12)を解放することができ、
これにより、前記第1開口部(11)と第2開口部(12)との間において、貫通孔(6)より大きい流体接続が解放される
ことを特徴とする、請求項7に記載の電磁弁。
【請求項9】
前記駆動装置(7)が、前記封止要素(5)の方に向いた第1凹部(16)を有しており、前記封止要素(5)が第2凹部(18)を具備しており、
支持要素(17)が前記第1凹部(16)と前記第2凹部(18)とに係合するように挿入されており、
前記第1凹部(16)および前記第2凹部(18)の形状は、前記タペット(3)が、前記封止要素(5)の位置を変化させずに前記第1変位経路を覆うように設計されている
ことを特徴とする、請求項8に記載の電磁弁。
【請求項10】
前記圧力容器が、請求項1に記載の電磁弁(1)を有している
ことを特徴とする、圧力容器
【請求項11】
圧力容器における請求項1に記載の電磁弁(1)の作動方法であって、
−前記電磁コイル(8)を非通電状態に維持することにより前記電磁弁(1)を遮断し、前記タペット(3)が弾発力により前記封止要素(5)に押圧されて、当該封止要素(5)が第2開口部(12)を閉鎖し、および/または、
−前記電磁コイル(8)を通電させたときに、磁力によって前記タペット(3)を弾発力に抗して移動させることにより前記電磁弁(1)を電磁開放し、前記タペット(3)と共に前記封止要素(5)が移動して、前記第2開口部(12)を開放し、および/または、
前記電磁弁(1)を手動で遮断または開放する方法であって、
−前記可動停止部(22)を第1の方向に移動させることにより、前記封止要素(5)を前記開口部(12)の方に移動させて開口部(12)を手動で遮断し、および/または、
−前記可動停止部(22)を第2の方向に移動させることにより、前記封止要素(5)を前記開口部(12)から離間させて開口部(12)を手動で開放する
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記タペット(3)および/または前記封止要素(5)が、前記可動停止部(22)と共に移動する
ことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記可動停止部(22)と前記タペット(3)との間の形状連結を利用して、前記タペット(3)を前記可動停止部(22)により移動させ、および/または、
前記タペット(3)と前記封止要素(5)との間の形状連結、一体連結および/または力学的連結を利用して、前記タペット(3)により前記封止要素(5)を移動させる
ことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブルによる圧力容器用の電磁弁、および請求項13のプレアンブルによる圧力容器における電磁弁の作動方法、および圧力容器、特に複合容器に関する。
【背景技術】
【0002】
液状またはガス状媒体、好ましくは水素または天然ガスを貯蔵するための圧力容器は、液状またはガス状媒体を囲繞するための少なくとも1つの貯蔵容器を具備し、貯蔵容器は、弁を挿入する少なくとも1つの開口部を有する。液状またはガス状媒体を弁本体に組み込まれたスイッチング素子および制御素子によって充填および排出する。媒体を排出するとき、電磁弁に電流を流し、この弁を能動的に開放する。充填工程の間は、電磁弁に電流が流れない。安全上の理由から、無電流状態では電磁弁を閉鎖する。
【0003】
消費電力を低く抑える圧力容器では、一般的にパイロット作動弁が電磁弁として用いられる。
【0004】
主弁体を備えたハウジングを有するガス容器用の弁装置は、ドイツ特許出願公開第102006025965号明細書で知られている。主弁体は、流体が入口とハウジングまたは弁体出口との間を流れる流体接続を有し、連通接続による流体の流れを阻止するために弁棒を移動させることができる。主弁体では、手動遮断弁が、連通接続による流体の流れを選択的に阻止するために弁体内を走行する。2つの弁を使用することにより、このような電磁弁の設置スペースおよびコストが共に増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ、本発明の目的は、電磁弁、電磁弁の作動方法、および圧力容器を提供することであり、この圧力容器では、電磁弁は、手動遮断であっても僅かな設置スペースしか必要としない。さらに、電磁弁の製造では費用効果が高くなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
弁の手動遮断手段と、停止手段と、封止要素と、電磁コイルと、タペットと、ばね要素とを備えた弁の電磁遮断手段とを具備し、電磁遮断では、電磁コイルを無電流に切り換えて作動停止させたときに、ばね要素により封止要素に押圧されているタぺットが、弁もしくは圧力容器へのまたは弁もしくは圧力容器からの流体接続を抑制するために、圧力による力と共に封止要素を第2開口部に押し付け、電磁コイルを作動させたときに、タペットを封止要素から離間させて停止手段まで移動させることができ、タペットが封止要素に機械的に連結されているので、このタペットの離間により、流体接続を解放でき、停止手段が手動遮断手段の可動停止部により形成される圧力容器用の電磁弁により、この目的を達成する。
【0007】
このような電磁弁であれば、電磁弁の手動遮断では、電磁遮断手段の機能要素を手作業で駆動して圧力容器を閉鎖するので、設置スペースが縮小される。このような装置により、電磁弁の電磁開閉と、同一の封止要素を用いた電磁弁の手動開閉の両方が可能となるため、弁の封止要素は1つだけである。更なる実施形態では、可動停止部が、電磁遮断手段の封止要素を好ましくは直接駆動し、および/または、封止要素が開口部を閉鎖するように、可動停止部により封止要素を第1の方向に移動させることができ、または、封止要素が開口部を解放するように、可動停止部により封止要素を第2の方向に移動させることができる。電磁弁に必要な部品点数の削減により、必要となる設置スペースが縮小するだけでなく、同時に封止箇所の数も減少する。
【0008】
特に、可動停止部は、タペットを移動させるためにタペットに機械的に連結されている。この場合、電磁遮断手段の機能要素であるタペットを、可動停止部により手動で駆動する。
【0009】
追加の実施形態では、特にスレッド駆動またはスピンドル駆動を具備する機構により、可動停止部を移動させることができる。
【0010】
好ましくは、タペットは、タペットと停止部との間の形状結合(positive fit)によって停止部がタペットを移動させることができるように、可動停止部に係合する連結部を具備する。したがって、連結部により弁の手動開放が可能となる。このような手動開放は、例えば、サービスの際に、弁を電磁駆動することなく、圧力容器を空にするために必要である。
【0011】
更なる実施形態では、連結部が可動停止部内の空洞に係合し、および/または、電磁コイルを無電流に切り換えて作動停止させたときに、タペットと可動停止部との間に隙間が形成される。このように、電磁駆動時の弁の機能が確実に保証される。
【0012】
1つの変形例では、電磁コイルを作動させたときに、タペットと可動停止部との間の隙間を復元させて、可動停止部をタペットの停止手段として使用する。
【0013】
更なる実施形態では、第1開口部を通じてタペットと電磁遮断ユニットの封止要素との間に延在する室内に流体を導くことができ、これにより、室内での昇圧を可能にし、かつ電磁コイルを作動させたときに、タペットが第1変位経路を覆うことができ、その結果、封止要素内の貫通孔が解放されるとともに、この工程の間、封止要素がその位置に留まる。
【0014】
更なる実施形態では、封止要素内の貫通孔がタペットにより解放されると、第1開口部と貫通孔とを通る流体の流れにより第2開口部での逆圧の上昇が可能になり、電磁コイルの磁力が作動されると、封止要素の両側面の圧力比が十分になり次第、タペットが第2変位経路を覆い、この場合、電磁コイルの力および封止要素の両側面の圧力比がその目的のために十分になり次第、駆動装置は封止要素をその位置から移動させて第2開口部を解放することができ、これにより、第1開口部と第2開口部との間に、好ましくは貫通孔より大きい流体接続が解放される。このような弁の時差開放により、封止要素をその位置から移動させて第2開口部を解放するのに必要な力を減少させる。これは特に、封止要素の第2側面で逆圧が上昇するため達成される。その上、第1開口部と第2開口部との間の駆動装置により、封止要素を十分な圧力比で能動的に開放するので、弁を開放するのにかかる時間が短縮される。
【0015】
追加の変形例では、駆動装置が、封止要素の方に向いた第1凹部を有し、封止要素が第2凹部を具備し、支持要素が第1凹部と第2凹部とに係合するように挿入されており、第1凹部および第2凹部の形状は、タペットが封止要素の位置を変化させずに第1変位経路を覆うように設計されている。
【0016】
好ましい実施形態では、封止要素は、少なくとも部分的に、特に完全に、金属材料またはプラスチックから成る。
【0017】
更なる実施形態では、タペットおよび/または弁ハウジングおよび/または駆動装置および/または弁本体は、少なくとも部分的に、特に完全に、金属(例えば、鋼またはアルミニウム)から成る。
【0018】
本特許出願に記載の方法は、弁により都合よく実施可能である。
【0019】
本発明による圧力容器、特に複合容器は、本特許出願に記載の弁を具備する。
【0020】
本発明による、圧力容器内の電磁弁の作動方法であって、この方法では、電磁コイルを非通電状態に維持することにより弁を遮断し、弾発力および任意の圧縮力により封止要素にタペットを押圧することによって封止要素が第2開口部を閉鎖し、および/または、電磁コイルを通電させたときに、磁力によってタペットを弾発力に抗して移動させることにより弁を電磁開放し、好ましくは、封止要素内の貫通孔による圧力補償後に、封止要素がタペットと共に移動して第2開口部を開放し、弁を手動で遮断または開放し、ここで、手動遮断のためには、停止部を第1の方向に移動させることにより、封止要素を第2開口部の方に移動させて第2開口部を閉鎖し、および/または、手動開放のためには、停止部を第2の方向に移動させることにより、封止要素を第2開口部から離間させて第2開口部を開放する。構成要素の数を抑えているにも関わらず、弁を確実に電磁駆動することができ、確実に手動開閉することもできる。
【0021】
追加の変形例では、タペットおよび/または封止要素が、停止部と共に移動する。
【0022】
好ましくは、停止部とタペットとの間の形状連結を利用してタペットを停止部により移動させ、および/または、好ましくは、タペットと封止要素との間の形状連結、一体連結および/または力学的連結を利用して封止要素を移動させる。
【0023】
以下の添付図面を参照しながら、本発明の例示的な実施形態を下記でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は電磁弁の断面図を示す。
図2図2図1による電磁弁の詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に図示する電磁弁1は、液体またはガス(例えば、水素または天然ガス)(以下、流体という)を圧力容器から排出するまたは圧力容器に充填するために(図示せず)使用される。
【0026】
電磁弁1は弁ハウジング2から成り、その内部にはタペット3が配置されている。そして、タペット3は、ばね要素4によって封止要素5に押圧されている。この場合、封止要素5は、2つの異なる断面を有する連続した開口部の形状の貫通孔6を有する。貫通孔6は、タペット3の方向に小径を有し、その反対方向に延在する大径がこの小径に連なっている。電磁コイル8は、弁ハウジング2ひいては弁ハウジング2内に配置されたタペット3をも取り囲んでいる。タペット3は、その端面を介して封止要素5の凸部15に着座する。封止要素5自体は、第2開口部12における圧力容器の弁本体21に着座し、これにより、周囲環境に対して弁1を閉鎖する。封止要素5のこの部分を主弁座という。それに対して、封止要素5内の貫通孔6が閉鎖された状態の、タペット3が封止要素5の凸部15上に占める部分をパイロット弁座9という。
【0027】
タペット3は、封止要素5から離れた側に、可動停止部22内の空洞25に係合するキノコ型の連結部23を有する。電磁コイル8を作動停止させたときに、可動停止部22およびタペット3は、隙間26により隔てられる。可動停止部22は、電磁コイル8の間に配置されており、弁構造から突出した六角部24に連結されている。ねじ具を用いて、外ねじが設けられた可動停止部22を内ねじを有する弁ハウジング2内に、六角部24によって外側から手動で移動させる。弁1を手動で閉鎖する場合、停止部22は、タペット3と接触して(図示せず)隙間26がなくなるまで、六角部24を用いてタペット3に向かう第1の方向に封止要素5に向けて内側にねじ込まれる。タペット3もまた、任意に電磁コイル8の磁力に抗して封止要素5に対して下向に押圧され、次に、封止要素5が第2開口部12に押し付けられ、この開口部を閉鎖し、これにより、弁1が手動で閉鎖され、電磁コイル8を作動させたとしても、弁1を開放できない。封止要素5は、タペット3を介して停止部22によりこの位置で保持され、これにより、開口部12が閉鎖状態のままであるので、圧力容器もまた、開口部12内が開口部11内の圧力より高圧であっても、この状態では充填できない。
【0028】
弁1の手動開放もまた可能である。可動停止部22は、六角部24によって弁ハウジング2から第2の方向にねじ込みが解除され、これにより、連結部23が空洞25の下側の境界で静止し(図示せず)、タペット3がばね要素4の弾発力に抗して引き上げられるので、タペット3の連結部23は可動停止要素22と共に移動する。停止部22の移動の第1および第2の方向は、反対方向を向いている。タペット3は、封止要素5のパイロット弁座9を解放する。圧力補償(以下の説明を参照)の直後に、封止要素5はタペット3の方向に移動し、これにより、封止要素5が開口部12を解放し、弁1が開放される。
【0029】
弁1の手動開閉に加えて、この弁を電磁駆動することも可能であり、それを以下に説明する。
【0030】
パイロット弁座9では、環状空間13が、タペット3と封止要素5との間に形成され(図2)、かつ通路14を介して開口部11に連結されており、開口部11は圧力容器に通じている。その上、タペット3は駆動装置7と一体に形成されており、駆動装置7は封止要素5をほぼ取り囲んでいる。封止要素5は、封止要素5の下部に開口部12の方向に沿って形成された第1環状溝18を有する。支持要素17は、この環状溝18に挿入されている。この支持要素17は、封止要素5よりも径方向外側に突出するように形成されており、駆動装置7の第2環状溝16に係合している。この場合、この第2環状溝16は、支持要素17の厚さが環状溝16の軸方向の広がりと一致するように形成されており、そのため、支持要素17は駆動装置7の凹部16内を移動することができない。これに対して、封止要素5の第1環状溝18の軸方向の広がりは、支持要素17の厚さよりも外側に突出しており、そのため、支持要素17は、封止要素5の環状溝18の内壁から離間して配置されている。
【0031】
電磁弁1の作動原理を以下により詳細に説明する。図2に図示する弁1の位置から始めて、支持要素17は、封止要素5の環状溝18の中央に配置されている。この例では、流体は、圧力容器から排出され(より詳細には図示せず)、弁1から開口部12を通って流れる。この場合、流体はまず、開口部11を通り通路14を経由して室13、特に環状室13内に流入する。電磁コイル8を作動させる前に、圧力容器で囲繞された圧力容器内部に通じる第1開口部11の圧力と実質的に同じ圧力が、環状室13において第1開口部11と環状室13との間にもたらされる流体接続に起因して、環状室13または室13内に存在する。この圧力により、封止要素5の第1側面19に力が加わり、封止要素5を弁本体21に押し付けるので、第2開口部12が閉鎖される。弁1を備えた圧力容器を車両において使用するのであれば、第2開口部12は、例えば、内燃機関または燃料電池、および充填接続に通じる。
【0032】
電磁コイル8を作動させた場合、タペット3が、第1変位経路において封止要素5の凸部15から離間して、貫通孔6を解放する。タペット3により覆われる第1変位経路においては、タペット3の移動に起因して駆動装置7と共に移動する支持要素17が、封止要素5の第2凹部18内をさらに移動する。このため、封止要素5はその位置に留まる。流体は、環状室13からタペット3により解放された貫通孔6を通って流れ、反対側の封止要素5から流出する。このためには、封止要素5のこの第2側面20での逆圧の上昇を必要とし、この逆圧が封止要素5を外側から押圧する、そのため、封止要素5を第2開口部12から低力で離間させることができる。
【0033】
電磁コイル8を継続して作動させ、環状室13と第2開口部12との間で圧力補償が十分になされた場合、タペット3は第2変位経路を覆い、この場合、次に支持要素17が駆動装置7により封止要素5の環状溝18の壁に押圧され、封止要素5がその位置から押し出される。封止要素5の第2側面20に設定された逆圧により、封止要素5をその位置から移動させるのに比較的低い力しか必要とせずに、弁本体21内の開口部12が解放される。この封止要素5の移動により、開口部11が開口部12に直接連結されるが、この場合、貫通孔6を通って流出するよりも流体が圧力容器から大量に流出し得る。
【0034】
排出工程が完了次第、電磁コイル8を無電流に切り換える。このとき、開口部11は開口部12に直接連結されているので、環状室13内と開口部12内の両方にほぼ同じ圧力が存在する。それゆえ、圧縮力は、封止要素5の位置に僅かな影響しか及ぼさない。そのため、コイルを無電流に切り換えると、封止要素5は、ばね要素4の力により弁ハウジング21内の開口部12に押し付けられ、これにより、開口部12を閉鎖する。
【0035】
次に、圧力容器に充填する場合、電磁コイル8を無電流に切り換える。電磁コイル8が無電流に切り換えられた作動停止状態であるために、タペット3は、ばね要素4の効果的な弾発力により封止要素5に押し付けられて、弁1を閉鎖する。封止要素5の第2側面20に力を加える流入する流体の圧力により、封止要素5およびタペット3が、ばね4の力に抗して押圧され、弁ハウジング2内の開口部12が解放される。可動停止部22内の空洞25は、その形状により移動自在であるように連結部23の空洞25内での移動を可能にするので、弁1の電磁駆動のためにタペット3を移動させることができる。停止部22は、この目的で対応する位置に位置している。それゆえ、停止部22は、タペット3の移動を妨げないように、弁1の電磁開閉のためにその位置になければならない。
【0036】
全体として考慮すると、重要な利点は、本発明による電磁弁1に関連している。弁1の手動駆動のために電磁遮断手段の機能要素(タペット3および封止要素5など)を使用するには、弁1には単に追加の停止部22が1つあれば十分である。弁1の構造設計により、弁1の設置スペースをかなり縮小し、部品点数を大幅に削減する。
図1
図2