(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記細長いスロットにスライド自在に受け入れ可能な要素は、前記2つの開創器ブレードのそれぞれから延出するポストを含み、それぞれの前記ポストは、それぞれの前記開創器ブレードに対して概ね垂直に延出し、前記ポストは、前記第1の端部の開放部を通って前記細長いスロットに受け入れられるように寸法決めされ、前記ポストは、前記2つの開創器ブレードからの前記クロスバーコネクタの離脱を防ぐための、前記スロットの高さより大きい広げられた端部をさらに有する、
請求項1に記載の開創器組立体。
前記2つの開創器ブレードの前記ポストは前記細長いスロットに沿ってスライドできる一方、前記補足的開創器ブレードは、前記2つの開創器ブレードの開放又は閉鎖を可能にするために固定位置に維持される、
請求項2に記載の開創器組立体。
前記クロスバーコネクタの前記後面は、前記クロスバーコネクタに対する前記補足的開創器ブレードの所望の深さを維持するよう、前記補足的開創器ブレードの一連の溝と連結するように構成される、
請求項2に記載の開創器組立体。
前記複数の開創器ブレードが、少なくとも3つの開創器ブレードを含み、前記少なくとも3つの開創器ブレードが、尾側ブレード、頭側ブレード、および中央ブレードを含み、前記クロスバーコネクタが前記尾側ブレードおよび前記頭側ブレードと係合する、
請求項1に記載の開創器組立体。
前記中央ブレードは、電極部材に結合するように構成された電極ブレードであり、前記電極部材は、前記電極ブレードと取り外し可能に結合可能であり、電気刺激信号を、前記中央ブレードの遠位端に隣接した組織に伝送するように構成される、
請求項6に記載の開創器組立体。
前記開創器本体が、前記開創器ブレードの遠位端が前記開創器ブレードの近位端よりも幅広く延出するように、前記複数の開創器ブレードのうちの少なくとも1つを広げるようにも操作可能であり、前記少なくとも1つの開創器ブレードを広げることが、前記開創器本体内に据えられたギアによって制御される、
請求項1に記載の開創器組立体。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態例に従って、患者の体側を経て標的の椎間板腔への側方アプローチによる外科的アクセスシステムで形成された側方アクセス経路の作成を示す上から見た図である。
【
図2】本発明の一実施形態による外科的アクセスシステムの部分を形成する組織開創器組立体の一例の斜視図を、完全に開創された、つまり「開いた」位置で示す。
【
図3】
図2の組織開創器組立体の上面斜視図を、完全に開創された、つまり「開いた」位置で示す。
【
図4】
図2の組織開創器組立体の上面斜視図を完全に閉じた位置で示す。
【
図5】
図2の組織開創器組立体の斜視図を完全に閉じた位置で示す。
【
図6】
図2の組織開創器組立体の上面斜視図を、本発明に従って半ば開いた位置で示す。
【
図7】
図2の組織開創器組立体の斜視図を、本発明に従って半ば開いた位置で示す。
【
図8】本発明の外科的アクセスシステムの部分を形成する輪郭形成シム(contoured shim)の一例のそれぞれ、正面および裏面の斜視図である。
【
図9】本発明の外科的アクセスシステムの部分を形成する輪郭形成シム(contoured shim)の一例のそれぞれ、正面および裏面の斜視図である。
【
図10】開創器ブレードに連結された
図8の輪郭形成シムの斜視図である。
【
図11】本発明の外科的アクセスシステムの部分を形成する固定シムの一例のそれぞれ正面斜視図および裏面斜視図である。
【
図12】本発明の外科的アクセスシステムの部分を形成する固定シムの一例のそれぞれ正面斜視図および裏面斜視図である。
【
図14】本発明の一実施形態によるシム除去ツールの一例の斜視図である。
【
図17】グリップ延長部を取り除いた、
図15のシム除去ツールの遠位部の斜視図である。
【
図18】
図2の組織開創器組立体のアームの上面図である。
【
図19】
図2の組織開創器組立体のアームの底面図である。
【
図20】
図2の組織開創器組立体の部分を含むアーム部材の斜視図である。
【
図21】
図20のアーム部材の部分を形成する遠位旋回軸部材およびギア部材の分解および斜視図である。
【
図22】
図20のアーム部材の部分を形成する遠位旋回軸部材およびギア部材の分解および斜視図である。
【
図23】
図20のアーム部材の部分を形成する遠位旋回軸部材およびギア部材の分解および斜視図である。
【
図24】
図20のアーム部材の部分を形成する遠位旋回軸部材およびギア部材の分解および斜視図である。
【
図25】
図2の組織開創器システムの部分を形成する前部開創器ブレードの後面斜視図である。
【
図28】
図25の前部開創器ブレードが取り付けられた、組織開創器システムのブレード組立体部分の斜視図である。
【
図29】
図2の組織開創器システムのブレード組立体部分の上面斜視図を、完全に閉じた位置で示す。
【
図30】
図29のブレード組立体部分の上面斜視図を、半ば開いた位置で示す。
【
図31A】後部開創器ブレードを
図2の組織開創器システムに取り付けるために使用する止めねじの斜視図である。
【
図32】本発明の一態様に従って、レンチおよび取付けアームと係合した、
図2の組織開創器システムの部分を形成する後部平行移動(posterior translation)機構の上面斜視図である。
【
図39】
図35の取付けアームと係合した、
図2の組織開創器組立体の上面斜視図である。
【
図40】本発明の一実施形態に従って、
図1の組織開創器システムの部分を形成する使い捨て電極の一例の側面図および斜視図をそれぞれ示す。
【
図41】本発明の一実施形態に従って、
図1の組織開創器システムの部分を形成する使い捨て電極の一例の側面図および斜視図をそれぞれ示す。
【
図42】
図41の使い捨て電極と取り外し可能に接続するように構成された
図1の組織開創器システムの部分を構成する開創器ブレードの一例の斜視図である。
【
図43】
図41の使い捨て電極と取り外し可能に接続するように構成された
図1の組織開創器システムの部分を構成する開創器ブレードの一例の斜視図である。
【
図45】
図42の開創器ブレードに結合された
図40の使い捨て電極を含む組立体の斜視図である。
【
図46】
図42の開創器ブレードに結合された
図40の使い捨て電極を含む組立体の斜視図である。
【
図47】
図45の使い捨て電極/ブレード組立体を含む、
図2の組織開創器組立体の斜視図である。
【
図48】
図45の使い捨て電極/ブレード組立体を含む、
図2の組織開創器組立体の斜視図である。
【
図49】中央ブレードから神経生理学的モニタリングが実行される場合に中央ブレードからの電流分流を防ぐために、
図2の組織開創器システムの部分を形成する中央ブレードとともに使用される絶縁された固定シムの一例を示す。
【
図50】中央ブレードから神経生理学的モニタリングが実行される場合に中央ブレードからの電流分流を防ぐために、
図2の組織開創器システムの部分を形成する中央ブレードとともに使用される絶縁された固定シムの一例を示す。
【
図51】中央ブレードから神経生理学的モニタリングが実行される場合に中央ブレードからの電流分流を防ぐために、
図2の組織開創器システムの部分を形成する中央ブレードとともに使用される絶縁された固定シムの一例を示す。
【
図52】
図49の固定シムとともに使用するシム除去ツールの一例を示す。
【
図53】
図49の固定シムとともに使用するシム除去ツールの一例を示す。
【
図54】
図49の固定シムとともに使用するシム除去ツールの一例を示す。
【
図55】
図49の固定シムとともに使用するシム除去ツールの一例を示す。
【
図56】
図49の固定シムとともに使用するシム除去ツールの第2の例を示す。
【
図57】本発明に従い、
図2の外科的アクセスシステムを使用して、手術の標的部位への手術経路の作成前、作成中および作成後に、神経モニタリングを実行するようにプログラムミングされた神経モニタリングシステムの一例の斜視図である。
【
図58】
図57に示す神経モニタリングシステムのブロック図である。
【
図59】
図57の神経モニタリングシステムの使用中に、例示的な特徴およびユーザーに伝達される情報を示す画面表示の一例である。
【
図60】
図57の神経モニタリングシステムの使用中に、例示的な特徴およびユーザーに伝達される情報を示す画面表示の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の例証となる実施形態を以下で説明する。明確にするため、本明細書では、実際の実施態様の全ての特徴は説明しない。任意のかかる実際の実施形態の開発において、システム関連およびビジネス関連の制約など、開発者の特定の目標を達成するために多数の実施態様固有の判断が行わる必要があり、それらは実施態様ごとに異なることがもちろん理解されるであろう。さらに、かかる開発の努力は複雑で時間のかかるものであるが、それにもかかわらず、本開示を利用する当業者が取り組む日常の業務であることが理解されるであろう。その上、以下では、主として脊髄手術のコンテキスト内で説明するが、本発明の外科的アクセスシステムは、体全体にわたる任意の数の異なる手術標的部位へのアクセスを提供するために、任意の数の解剖学的設定において採用され得ることが容易に理解される。本明細書では概して、腰椎における好ましい側面手術のコンテキスト内で示し、説明するが、説明するアクセスシステムの一部または全部のコンポーネントは、任意の数の他の脊髄手術アクセスアプローチにおいて採用され得ることも明確に留意されたい。例として、腰部椎間板腔へのアクセス(例えば、固定術、全椎間板置換、椎体切除術などのため)に加えて、外科的アクセスシステムまたはそのコンポーネントの一部が、胸椎の外側面(例えば、固定術、全椎間板置換、椎体切除術などのため)、および後方脊椎(例えば、後方除圧のため)にアクセスするために使用され得る。さらなる例として、外科的アクセスシステムまたはそのコンポーネントの一部は、脊椎の後方、後外側、前方、および前外側の面のいずれかにアクセスするために使用され得、また、腰部、胸部、および/または頸部の脊椎で採用され得ると考えられる。
【0012】
本明細書に記載する器具および方法は、腰椎への側方アクセス経路を作成するために設計され、最適化される。側方アクセス経路から標的の脊髄部位へのアクセスは、後方アクセス(例えば、背中の筋肉組織を切り開き、薄膜、椎間関節、および棘突起のような後部骨構造の部分を縮小するか、または切り取る必要があり得る)および前方アクセス(例えば、標的部位に達するために、様々な臓器および血管を経路から移動させるアクセス外科医(access surgeon)の利用)に関連するいくつかの欠点を回避する。一例によれば、標的とする脊髄腔(spinal space)への側方アクセスアプローチは、「Surgical Access System and Related Methods」という名称の米国特許7,207,949号、および/または「Surgical Access System and Related Methods」という名称の米国特許7,905,840号に記載の方法に従って実行され得、それら特許の全内容が、全体として本明細書に明記されているかのように、各々、参照により本明細書に組み込まれる。
【0013】
図1〜
図2を参照すると、側方アクセス方法の考察が簡潔な詳細で提供されている。体の側面を下にして横にされた患者1に対して、外科的アクセスシステム6が切開部2から、後腹膜腔3へ進み、次いで、標的とする脊髄部位(例えば、一対の隣接する椎体間の椎間板腔5)に到達するまで、腰筋4を通って進む。アクセスシステム6は、少なくとも1つの組織拡張器を含み得、好ましくは、初期拡張器8および直径が増大する1つまたは複数の追加の拡張器9を備えた順次拡張システム7、ならびに組織開創器組立体10を含み得る。分かるとおり、初期拡張器8が、好ましくは、まず標的部位に進められ、次いで、直径が増大する追加の拡張器9の各々が、以前の拡張器を越えて同様に進められる。初期拡張器8が標的部位に進められる前に、それと同時に、または進められた後に、kワイヤー(図示せず)が標的部位に進められ、(例えば、kワイヤーを椎間板に挿入することにより)適切な位置で結合され得る。順次拡張システム7を標的部位に隣接して位置付け(および、随意にkワイヤーを用いて適切な位置に結合して)、開創器組立体10が、次いで、順次拡張システム7を越えて、標的部位に進められる。
【0014】
図示する実施形態によれば、開創器組立体10は、開創器ブレード12、16、18、および本体20を含む。好ましい方法によれば、開創器組立体10は、中央開創器ブレード12が最後部ブレードになるように、拡張システム7を越えて進められる。順次拡張システム7が取り除かれ、開創器組立体10が手術経路を拡張するように操作される。すなわち、開創器ブレード12、16、および18が分離されて(
図1)、器具およびインプラントがそこを通って標的部位に進められ得る側方アクセス経路を提供する。側方アクセス経路を通じて、任意の数の手術が脊椎に関して実施され得る(例えば、外科医は、固定術、全椎間板置換術、椎体切除術などを実施し得る)ことが理解されるであろう。一例によれば、後部ブレード12は、開創器ブレードを開く前に、脊椎に対して適切な位置に固定され得る。これは、例えば、シムをブレードに(例えば、ブレードの内側上に形成されたあり溝(dove trail groove)を含むブレードトラックで)取り付けて、シムの遠位端を椎間板腔に挿入することにより、達成され得る。代替として、または追加で、後部ブレード12は、関節動作式アームを手術台(または他の適切な台)と中央ブレード12に関連する平行移動アームとの間に連結することにより適切な位置に固定され得る。このように、後部ブレード12は、(腰筋の後方部分に位置する神経組織に向かって)後方に移動しない。代わりに、ブレード16および18がアクセス経路を拡張するために、後部ブレード12から離れる。
【0015】
さらに、神経モニタリング(神経に近接していることおよび随意に方向性の判断を含む)が、好ましくは、アクセスシステム6の各コンポーネントが腰筋を通って進む際に実行されて、‘949特許および‘668出願に記載されているように、腰筋を通って走る神経組織を保護する。神経への近接のモニタリングは、アクセスシステムが脊椎に進められる際に、外科医が繊細な神経を回避できるようにするだけでなく、神経の位置を判断することにより、外科医が後部ブレードをさらに後方(例えば、出ている神経根(exiting nerve root)のはるか後ろまで)に位置付けることができるようにもして、他の方法で安全に達成可能なよりも、標的部位の大きい部分を露出させる。
【0016】
形成された側方アクセス経路を通じて、標的部位が手術され得る。例えば、側方アクセス経路から固定術が実施される場合、椎間板腔5がインプラント挿入のために準備され得る。椎間板腔の準備は、環状切除術(annulotomy)、椎間板物質の除去、および終板の掻爬を含み得、環状切除用ナイフ(annulotomy knife)、下垂体製剤(pituitaries)、キュレット、椎間板カッター(disc cutter)、終板スクレーパなどの器具が使用され得る。インプラントが椎間板腔に挿入され得る。固定促進材料が、インプラント内および周辺の椎間板腔5内部に注入され得る。固定術は、側方アクセス経路を通じて、または異なるアプローチで、実施され得る。
【0017】
本明細書に記載する開創器組立体は、前述したように、腰椎への側方アクセス経路の作成に良く適している。
図2〜
図7は、本体20から延出する複数の開創器ブレード12、16、18を含めて、本発明に従った外科的アクセスシステムの部分を形成する組織開創器組立体10を示す。単なる例として、本体20は、第1の開創器ブレード12、第2の開創器ブレード16、および第3の開創器ブレード18が備わっている。
図2は、開創器ブレード12、16、18が、手術の標的部位(例えば、椎間板の弁輪)までそれらの間を延出する手術経路15を形成するように互いに離れて位置付けられた、完全に開創された、つまり「開いた」形態の組織開創器組立体10を示す。一態様例では、
図2および
図3を合わせて参照すると最も良く分かるように、ブレード16、18は、ハンドル20に対して旋回または回転することができる。
図4〜
図5は、開創器ブレード12、16、18が概ね互いに隣接している、最初の「閉じた」形態での組織開創器組立体10を示す。
図6〜
図7は、「半ば開いた」形態での組織開創器組立体10を示す。
【0018】
本体20は、手術台(図示せず)に取り付けられた関節動作式アームの使用を通じてなど、手術部位に対して一定の関係で、本体20を厳格に登録するための任意の数の機構に結合され得る。本体20は、大まかに30で示す、結合機構を通じて蝶番で結合された、第1および第2のアーム部材26、28を含む。第2の開創器ブレード16は、第1のアーム部材26の端部と(概ね垂直に)しっかりと連結される。第3の開創器ブレード18は、第2のアーム部材28の端部と(概ね垂直に)しっかりと連結される。第1の開創器ブレード12は、平行移動部材17と(概ね垂直に)しっかりと連結され、それは、14で大まかに示す、連動組立体を通じて本体20と連結される。連動組立体14は、1対の手動ノブ部材36を有するローラー部材34を含み、その手動ノブ部材は、ユーザーによる手動操作で回転されると、ローラー部材34上の歯35を、平行移動部材17内のラチェット状溝37に係合させる。従って、ノブ36の手動操作が、平行移動部材17を第1および第2のアーム部材26、28に関連して動かす。
【0019】
ハンドルエクステンダ31、33を使用して、第2および第3の開創器ブレード16、18が互いに離れるように、アーム26、28が同時に開かれ得る。このようにして、手術経路15の寸法および/または形状が、平行移動部材17がアーム26、28に関連して操作される程度に応じて調整され得る。つまり、手術経路15は、概ね円形断面、概ね楕円形断面、概ね三角形断面、および/または長円形断面を含むが、それらに限定されず、任意の数の適切な断面形状を提供するように調整され得る。光を手術経路15の先に向けるために、随意的な発光装置(図示せず)が開創器ブレード12、16、18のうちの1つまたは複数に連結され得る。
【0020】
開創器ブレード12、16、18は、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、および/または透明ポリカーボネートを含むがそれらに限定されず、組織伸延(distraction)中の剛性を確実にし得る、人体内またはその周囲への導入に適した任意の剛性材料で構成され得る。開創器ブレード12、16、18は、随意に、強度および耐久性を向上させるため、カーボンファイバー強化被覆でコーティングされ得る。開創器ブレード12、16、18は、随意に、撮像中(例えば、X線撮影、MRI、CT、螢光透視装置など)に、外科医の可視性を高めるため、部分的または全体的に放射線透過性材料(例えば、アルミニウム、PEEK、カーボンファイバー)から構築され得る。同様に、開創器本体は、特に、アルミニウム、ステンレス鋼、カーボンファイバー、およびチタンを含むがそれらに限定されず、任意の数の剛性材料から成り得る。好ましい実施形態によれば、開創器ブレード12、16および18、ならびに本体は、ステンレス鋼から成る。ステンレス鋼は、他のもっと放射線透過性の材料(例えば、アルミニウム)よりも強度な剛性をもち、従って、ブレードの内側へのトーイング(toeing)(ブレードの柔軟性)および潜在的な手術中の破損を取り除くか、または少なくとも削減する。ステンレス鋼は、脊椎開創器に対してしばしば使用される他の材料の放射線透過性特性を有していないが、(ブレード回転ギア79の設計に加えて)追加された剛性が、本体をより少ない材料で構築可能にする。従って、本体を貫く切開部および本体の縮小された形状は、開創器の強度および剛性を犠牲にすることなく、必要に応じ、開創器組立体10全体にわたる蛍光透視可視性を可能にする。ほんの一例として、平行移動アーム17の切開部17aおよび17bならびにくぼみ17cは、剛性を犠牲にすることなく、関連のある領域(例えば、側方蛍光透視画像内の椎体の後縁)の最適な可視化を可能にする。開創器ブレード12、16、18は、(例えば、)20mm〜180mmの範囲など、解剖学的環境および外科的アプローチに応じて、任意の数の適切な数で提供され得る。サイズのこの範囲に基づき、本発明の組織開創器組立体10は、極めて用途が広く、単に、所望のサイズの開創器ブレード12、16、18を選択し、それらを本明細書で説明するように本体20に取り付けることにより、側方、後方、後外側、前方、および前外側を含むがそれらに限定されず、様々な所望の外科的アプローチのいずれでも採用され得る。
【0021】
開創器ブレード12、16、18は、様々な追加の特徴またはコンポーネントを備え得る。ほんの一例として、開創器ブレード12、16、18のうちの1つまたは複数は、
図8〜
図13に示すように、輪郭形成(contoured)エクステンダシム22または固定シム25などの、シムを備え得る。好ましい実施形態では、輪郭形成エクステンダシム22は尾側/頭側の開創器ブレード16、18との係合に適しているが、椎間板間固定シム25は、中央ブレード12との係合に適している。しかし、本発明の範囲から逸脱することなく、任意のシム22、25が、任意のブレード12、16、18と共に使用され得ることに留意すべきである。
図8〜
図10を参照すると、輪郭形成エクステンダシム22が、器具または生物学的構造(例えば、神経、脈管構造など)の手術経路15内への進入または手術経路からの退出を防ぐためのバリアを形成するために、(
図10で、1つの開創器ブレード18上に示すように)開創器ブレード16、18から延出する。ほんの一例として、輪郭形成エクステンダシム22は、手術経路の一部を形成するように構成され、概ね凹面300を有する前面を含む。輪郭形成エクステンダシム22は、開創器ブレード18に面するように構成され、概ね凸形状を有する背面302をさらに含む。輪郭形成エクステンダシム22は、開創器ブレード18の内面の全長にわたる細長いスロット部材306と摺動自在に係合するように構成されている1対の細長いタブ部材304をさらに有する。輪郭形成エクステンダシム22は、輪郭形成エクステンダ22の近位端の近くに屈折可能(deflectable)タブ308をさらに含む。屈折可能タブ308は、輪郭形成エクステンダシム22の裏面上にある屈折可能タブ308から離れて延出するノブ310を含む。ノブ310は、使用中に、輪郭形成エクステンダシム22を適切な位置に固定するロック停止(lock−stop)機構を提供するため、開創器ブレード18に沿って配置された刻み目312と係合するように構成される。このように、輪郭形成エクステンダ22は、開創器ブレード18に沿って、所望の位置に達するまで、遠位に進められる。輪郭形成エクステンダシム22の輪郭形成遠位端は、椎体と、特に前部ドロップ(anterior drop)の近くで最大限に接触し、組織が曝露に忍び込むのを防ぐため、椎体に適合するように形成される。例えば、遠位端は、輪郭形成エクステンダシム22の1つの縦の縁部が他の縦の縁部より長くなるように、曲面を有する。例えば、遠位端23の形状は、開創器が前方に開かれるときに、前部ドロップが椎体から離れるように輪郭形成可能にする。
【0022】
図11〜
図13を参照すると、固定椎間板間シム25は、隣接する椎体をそらせる(distract)か(それにより椎間板の高さを復元する)、かつ/またはブレード12を脊椎に対してしっかりと固定する目的で、椎間板腔内に進められ得る遠位先細領域45を有する。輪郭形成エクステンダシム22と同じ方法で、固定椎間板間シム25も、器具または生物学的構造(例えば、神経、脈管構造など)の手術経路15内への進入または手術経路からの退出を防ぐためのバリアを形成する。固定椎間板間シム25は、シムが除去されて、開創器が標的とする場所から移動できるようになるのを防ぐため、開創器ブレード12上の適切な位置に固定する。ブレード上の位置に固定するため、シム25は、開創器ブレード12の内面上の刻み目312を下方に進めるようにする傾斜した前縁49のある可撓性係合タブ320を有する。係合タブ320の後縁27が、除去ツール43を使用することなく、刻み目312からの係合が外れるのを防ぐ(従って、望まないシムのバックアウトを防ぐ)ために正方形される。係合タブ320は、以下で説明するように、シム除去ツールと係合するように構成された、T字形除去リップ(removal lip)55も含む。係合タブ320のT字形除去リップ55は、除去ツール43が正方形のリップ27を開創器ブレード12から持ち上げて、シム25を取り除くことができるようにする。固定椎間板間シム25は、開創器ブレード12の内面の全長にわたる細長いスロット部材306と摺動自在に係合するように構成されている1対の細長いタブ部材322を有する。固定椎間板間シム25は、以下でさらに詳述するように、シム除去ツールとの係合用に構成されたシム25の近位端の近くに位置する窪みまたは開口部56を含む。
【0023】
図14〜
図17は、固定椎間板間シム25を開創器ブレード12から引き抜くためのシム除去ツール43の一例を示し、それは、提供された例では、ケリソン型の除去ツールと似ている。ほんの一例として、本明細書では、除去ツール43は、固定椎間板間シム25と関連して示され、説明されるが、除去ツール43は、本発明の範囲から逸脱することなく、同様の方法で他の固定シムで採用され得ることが容易に理解される。除去ツール43は、握れる(squeezable)ハンドル46、固定アーム330および平行移動アーム332を含む細長い領域47、ならびに遠位端48を含む。握れるハンドル46は、前部ハンドル46aおよび後部ハンドル46bを含む。前部ハンドル46aは、平行移動アーム332に旋回可能に連結され、他方、後部ハンドル46bは、固定アーム330に固定して連結される。遠位端48は、開創器ブレード12および椎間板間固定シム25の両方と相互作用するように構成されたグリップ延長部334を含む。グリップ延長部334は、シム22、25に関して前述したように、細長いスロット部材306と摺動自在に係合するトラックガイド336を含む。グリップ延長部334の遠位端は、概ね平行にグリップ延長部334から遠位に延出する1対のアーム338を含む。アーム338は、アーム338のそれらの遠位端での厚さが、それらがグリップ延長部334から延出するそれらの近位端でのアーム338の厚さより、かなり薄くなるように傾斜した傾斜面340を含む。傾斜面340は、本発明の範囲から逸脱することなく、平面状であり得るか、または凹曲度(concave curvature)を有し得る。平行移動アーム332の遠位端は、平行移動板342を含む。平行移動板は、概ね平面状であり、平行移動板342の下側面346に配置された窪みまたは凹み344を含む。凹み344は、除去ツールが中立位置にある場合(すなわち、ハンドル46a、46bが解放されている場合)、固定ボール348を受け入れるように構成される。
【0024】
除去ツール43を使用するため、グリップ延長部334を含む遠位端43は、中立位置にあるハンドル46とともに開創器ブレード12に沿って、傾斜アーム338がシム25の除去リップ55と係合するまで、摺動自在に進められる。ハンドル46が中立位置にある場合、固定ボール348は、平行移動板342の凹みに落ち込んで、グリップ延長部334の遠位端48がシム25と平らに係合できるようになる。傾斜アーム338が椎間板間固定シム25の除去リップ25と係合する場合、リップ55は、外側に反らされて、係合タブ320を開創器ブレード12から持ち上げる。同時に、固定ボールが固定シム25の開口部56に位置付けられるようになる。前部ハンドル46aを握ると、平行移動アーム332が固定アーム330に対して摺動自在に前方に平行移動させられる。これは、固定ボール348が凹み344に入るのを防ぐように、平行移動板342上の凹み344の位置を平行移動させる。固定ボールが開口部56内に位置付けられると、除去ツール43がここで、開創器ブレード12に対して近位方向に力を加えることによってシム25が取り除かれ得るように、固定シム25に固定される。このように、除去ツールのハンドル46を握ると、係合タブ320のリップ55を開創器ブレード12の刻み目から外しながら、遠位端48を椎間板間固定シム25に固定して、ユーザーがシムを引き上げて除去できるようにする。
【0025】
シム要素22、25は、生物学的に適合したプラスチックおよび/または金属(アルミニウム、PEEK、カーボンファイバーおよびチタンなど)を含むがそれらに限定されず、人体内での使用に適した任意の剛性材料から作成され得る。一例によれば、エクステンダシム22は、プラスチックから作られ得、椎間板間シム25は、金属から作られ得る。椎間板間シム25は、開創器ブレード12の遠位端に位置付けられた電極からの電流分流または密度変化を防ぐために、絶縁被覆(例えば、パリレン被覆)でコーティングもされ得る。開創器のエクステンダシム22は、開創器ブレードから横方向に延出しない、対称な狭い形態(
図8〜
図9)、および/または、開創器ブレードの各側面から横方向に延出する幅広い形態(図示せず)、および/または、開創器ブレードの一方の側面から横方向に延出する非対称の形態(図示せず)を有し得る。シム要素22、25は、加圧滅菌されると破壊を引き起こし得る材料(ガラス微粒子の一部を含むポリマーなど)から成り得、それは、開創器の(無菌状態でユーザーに提供される)エクステンダシム22および/またはシム要素25の許可されていない再利用の防止において好都合であり得る。
【0026】
ここで
図18〜
図24を参照しながら、アーム部材26、28に関連する機構についてさらに詳細に説明する。発明に関する特徴は、第1のアーム部材26に関してのみ説明するが、第2のアーム部材28は、実質的に第1のアーム部材26の鏡像であるため、第1のアーム部材26に関して示し、説明する特徴が、本発明の範囲から逸脱することなく、第2のアーム部材28に関して存在し得ることが理解されるべきである。まず、
図18〜
図19を参照すると、本体20の遠位領域がより詳細に示されている。各アーム部材26、28は、遠位旋回軸部材70および近位アーム部71を含む。第1のアーム部材26をさらに詳細に示す、
図20も参照すると、遠位旋回軸部材70は、近位アーム部71から遠位に延出し、近位アーム部71内に収容される回転ギア機構79(以下で詳細に説明する)を含む。開創器ブレードおよび手術経路の近位にあるギア機構のこの位置は、調整中に、経路の可視化を阻害することなく、ブレードを広げられるようにする。近位アーム部71は、結合要素がその中を通る結合開口部72、ハンドルエクステンダ31が取り付けられ得る近位取付け領域74、ノブ36が通る開口部76、ならびに開創器ブレードの回転を与えるためのポストヘッド374へのアクセスを可能にするため、ギア機構79の上部キャップ364およびポストヘッド(post head)374の通過を可能にするように構成されたギア開口部352を含む。本体20は、開創器ブレードに対して許容可能な角形成の角度を一致協力して制限する遠位旋回軸部材70および近位部71の部分によって形成された制限器要素97をさらに含む。遠位旋回軸部材70の遠位端に、ブレード開口部78およびねじ開口部80がある。ブレード開口部78は、ブレードを本体20に連結するために、開創器ブレード16、18の取付けポストを受け入れるように構成される。ねじ開口部80は、開創器ブレード16、18を本体20に可逆的に固定するために、止めねじ350をねじ止め可能に受け入れる。平行移動部材17が、蛍光透視中に可視性を高める働きをする大きな視認開口部(viewing aperture)17aを有するほんの一例として示される。
【0027】
図21〜
図24は、遠位旋回軸部材70のギア機構79の一例をさらに詳細に示す。ギア機構は、一般に、平行移動ラックを含む送りねじ駆動のラックとピニオンギア(平行移動ギア360)、ならびにピニオンを回転させるセクションギア(回転ギア368)を含む。特定の例として、ギア機構79は、平行移動ギア360、送りねじ362、上部キャップ364、下部キャップ362、および回転ギア368を含む。平行移動ギア360は、その中を通る中央ねじ穴370、および外表面上に概ね水平に向いたギアの歯372を含む。送りねじ362は、ポストヘッド374、ねじ領域376、ポストヘッド374とねじ領域376との間に位置する円周隆起378、およびねじなし脚部380を含む。ポストヘッド374は、ほんの一例として
図21に示す六角形を含むがそれに限定されず、送りねじの回転を生じさせるために回転ツールと係合するのに望ましい任意の形状で構成され得る。ねじ領域376は、平行移動ギア374のねじ穴370と係合するように構成される。以下で詳述するように、動作中、平行移動ギア360は、送りねじ362のねじ領域376に沿って直線的に平行移動する。上部キャップ364は、概ね円形断面を有し、ポストヘッド374をその中を通って受け入れるように構成された中央開口部382、および上部キャップ354をアーム部材26にねじで固定するように構成された円周のねじ山384を含む。下部キャップ366は、送りねじ362の脚部380をその中に受け入れるように構成された中央の閉じた開口部386、および下部キャップ366を第1のアーム部材26にねじで固定するように構成された円周のねじ山388を含む。回転ギア368は、そこから横方向に延出する少なくとも1つの水平なギアの歯390、およびそこから遠位に延出するコネクタポスト392を含む。水平なギアの歯390は、平行移動ギア360のギアの歯372と係合する。コネクタポスト392は、遠位旋回軸部材70内の開口部394内で受け入れられる。ピン396が、コネクタポスト392を遠位旋回軸部材70に固定するために、さらに提供される。
【0028】
使用時に、ユーザーは、回転ツールをポストヘッド374に係合させて、時計回りの方向に回転させる。これにより、送りねじ376が回転する。一例によれば、回転ツールは、開創器ブレードが骨(例えば、骨棘)または特徴に引っかかった場合に、それらの負荷を防ぐためのトルク制限機能を含み得る。送りねじ374は、下部キャップ366の閉じた開口部386内で最も低い位置にある。隆起378は、上部キャップ364の下側面と係合して、送りねじ374が、いかなる並進運動もなく、回転のみできることを確実にする。平行移動ギア360とのねじ係合に起因して、送りねじ362の回転が、平行移動ギア360を送りねじに沿って直線的に平行移動させる。平行移動ギア360のギアの歯372と回転ギア368のギアの歯390との間の相互作用で、回転ギア368を回転させる。回転ギア368は、コネクタポスト392と開口部394との間の接合部分で、遠位旋回軸部材70にしっかりと留められるので、この動作は、結果として、遠位旋回軸部材70を旋回させる。
図24は、様々な部分の方向性のある動きを示す。
【0029】
遠位旋回軸部材70は、開口部394がその中に位置付けられる延長398、および遠位旋回軸部材70の縁端の周囲に部分的に延在する凹み400を含む。凹み400は、制限器要素97の部分を形成し、その中に受け入れる、アーム26上の対応する延長よりも幅が広い。遠位旋回軸部材70が回転する場合、延長と凹み400の壁との間の接触がさらなる移動を防ぐ。従って、凹み400および/または延長のサイズが、ブレードの拡大または回転が所望の範囲内に収まるように、設定できる。ほんの一例として、この範囲は、0度と20度との間であり得る。しかし、本発明の範囲から逸脱することなく、さらに広い範囲の角形成が可能であり得、例えば、0度〜30度および0度〜45度の範囲も検討される。
【0030】
最初に、本発明の開創器組立体10が、開創器ブレード12、16、18を第1の完全に閉じた位置(
図4〜
図5に大まかに示す)で、手術の標的部位に導入される。この形態で、開創器ブレード16、18は、概ね垂直な形態に向けられている。いくつかの場合には、手術経路15の容積を(手術経路の遠位寸法を増やすことによって)増やすために、第2の開創器ブレード16または第3の開創器ブレード18のいずれか(またはその両方)が外側へ旋回することが好ましくあり得る。これを達成するため(ブレード16に関して)、六角形の雌ドライバが第1のアーム26のポストヘッド374に係合される。ポストヘッド374が時計回りの方向に回転されると、ブレード16は、横方向(外側)に旋回する。ポストヘッド374を反時計回りの方向に回転させると、ブレード16は、横方向(内側)に旋回する。採用したブレード拡大機構79は、連続的な拡大を提供する(すなわち、0度から許容される最大の角形成までの任意の角形成まで広げられ得る)。好ましい例によれば、制限器要素97は、角形成が許容される最大の角形成を上回るのを防ぐ。例えば、許容される最大角度は20度であり得る。制限器要素は、ブレードが内側へ0度を越えて広がるのも可能にする。
【0031】
各ブレード16、18に対して異なる角度が得られるように、ブレード18は、ブレード16とは無関係に旋回され得る。それ故、異なる長さのブレードを使用し、なおブレード16、18の遠位端が同一の主平面(general plane)に沿って向けられている対称な手術経路を維持することは望ましくあり得る。組織開創器システム10を手術経路から除去する前に、ポストヘッド374は、反時計回りの方向に回転される必要があり、除去を容易にするために、開創器ブレード16が最初の配置(すなわち、ハンドル20に対して概ね垂直)に戻れるようにする。回転の方向は、作動ねじおよび平行移動ギア上のねじ方向を単に逆にすることによって逆にできることが理解されるであろう。さらに、上部キャップ364および下部キャップ366がアーム26にねじ係合で固定されていると説明してきたが、溶接、圧入、および同様のものを含むがそれらに限定されず、任意のタイプの係合が可能である。
【0032】
図25〜
図28を参照すると、補足的前部開創器ブレード60が、本明細書に記載する組織開創器組立体10とともに随意に使用するために、提供され得る。補足的前部開創器ブレード60は、使用中(または使用前)に、手術経路を形成する開創器ブレードの数を選択的に増やすために提供される。開創器ブレードの数を選択的に増加する能力は、アクセス経路のサイズおよび/または構成に対する追加的なユーザー制御を可能にして、開創器組立体10の多用途性を有利に向上させる。本明細書では、補足的前部開創器ブレード60が、開創器組立体10の3つのブレード構成での使用(それにより、本明細書で参照されるように第4の開創器ブレードを含む)で示され、説明されているが、補足的前部開創器ブレード60は、任意の数の一次開創器ブレードで構成された開創器組立体10とともに使用され得ることが容易に理解される。
【0033】
図25〜
図28に示すように、補足的前部開創器ブレード60は、ハンドル61、結合装置62、溝付き領域64、およびブレード63を含む。補足的前部開創器ブレード60は、開創器ブレード16、18に連結される。結合装置62は、保持ノブ(holding knob)19と摺動自在に連結し(
図29〜
図30)、結合装置62が保持ノブ19と連結している間、開創器ブレード16、18は、自由に動くことができる(すなわち、「開く」および「閉じる」)。保持ノブ19の広い方の端部が、結合装置62が外れるのを防ぐ。前部開創器ブレード60の溝付き領域64は、所望の深さで結合装置と連結する。前部開創器ブレードは、生物学的に適合したプラスチックおよび/または金属(アルミニウム、PEEK、カーボンファイバー、ステンレス鋼、およびチタンなど)を含むがそれらに限定されず、人体内での使用に適した任意の剛性材料から作成され得る。前部開創器ブレード60は、(ほんの一例として)20mm〜180mmの範囲など、解剖学的環境、外科的アプローチ、および一次開創器ブレード12、16、18の長さに応じて、適切な長さの任意の数で提供され得る。
【0034】
図2を参照すると、開創器組立体10とともに補足的ブレード組立体60を使用する好ましい方法が示されている。開創器組立体10は、まず、(組織伸延の後)標的部位に進められ、前述した方法に従って(すなわち、開創器ブレード16、18を「閉じた」位置から「開創した」位置へ移動する)、最初の手術経路が形成される。手術経路が、一次開創器ブレード12、16、18を用いて作成されると、補足的前部開創器ブレード60が、手術経路を拡張するか、かつ/または体内組織が経路に進入するのを防ぐ追加のバリアを提供するために使用され得る。それを行うために、結合装置62が、保持ノブ19上に摺動自在に固定され、溝付き領域64が次いで、結合装置と連結する。これは、組織の圧力とともに、前部開創器ブレードを適切な位置に保持する。好ましくは、組織を開創させる際に、結合装置62が支点として使用され、ハンドル61がてこのように内側に(すなわち、開創器組立体10の方に)引っ張られて、ブレードの遠位端がx軸に沿って外向きの角度で旋回するであろう。
【0035】
図32〜
図35は、開創器組立体10上の平行移動アーム17を置き換え得る平行移動アームに対する検討された代替実施形態の一例を示す。代替平行移動アーム91は、
図32〜
図35に示す、後部平行移動機構90を形成する。後部平行移動機構90は、他の方向(すなわち、尾側−頭側の配置)における開創器本体の位置を妥協することなく、所望であれば、制御された後部平行移動を可能にする。ほんの一例として、後部平行移動機構90は、切開部のサイズを変えることなく、外科医が、手術部位の内部のブレード組立体21の位置を変更できるようにする。レンチ93は、遠位端で六角形の締付けナット92上に固定するが、その遠位端は雌の六角形94である。レンチのハンドル95を時計回りに回すと、六角形の締付けナット9292が緩み、それは、中央の平行移動アーム91と関節動作式アーム取付け具96との間の連結を緩める。これは、開創器組立体10を後方に引っ張ることにより、開創器組立体10が、関節動作式アーム取付け具96に対して後部平行移動スロットの最大長まで(例えば、この例では、10mmまで)後方に平行移動できるようにする。六角形の締付けナット92は、後方平行移動の後、締める必要がる。従って、外科医が手術中に調整を失っても、彼または彼女は、容易かつ安全に開創器組立体10を後方に再調整することができる。
【0036】
図36〜
図39は、本発明の一実施形態に従った関節動作式アーム取付け具100の一例を示す。関節動作式アーム取付け具100は、歯付きコネクタの予備係合のための迅速な位置合わせ機能を含む。この機能は、医師に、コネクタの歯(すなわち、山と谷)の交差を片手で適切かつ安全に位置合わせするための手段を提供する。この機能は、コネクタの歯が適切に位置合わせされる前に、コネクタが一緒に固定されるのを回避する。これは、歯が摩耗した場合に起こり得、あるコネクタの山を他のコネクタの谷に位置合わせするのがさらに困難になる。
【0037】
迅速位置合わせ関節動作式アーム取付け具100は、上側歯付きコネクタ101、下側歯付きコネクタ102、ポスト103、および傾斜したコイルリング104を含む。傾斜したコイルリング104は、下側歯付きコネクタ102内に形成された溝の内側にぴったりおさまる。ポスト103は、上側歯付きコネクタ101の内側にねじ込められて、固定される。ポスト103は、さらに幅の広い遠位端を含む。歯付きコネクタ101、102を連結する場合、ポスト103の遠位端が傾斜したコイルリング104を貫いて押し進み、コイルリングは、ポスト103の遠位端が通過できるように拡張し、次いで、ポスト103が溝107内で先細になるところで収縮する(
図38)。ポスト103が傾斜したコイルリング104を通って押され、コイルが収縮すると、コネクタ101、102は、適切な位置に半ば固定される。ポスト103は、コネクタの歯が適切に位置合わせされる場合に適切な位置に半ば固定されるだけの適切な長さである。コネクタ101、102は、適度な努力で外すことができる(すなわち、ポスト103を傾斜したコイルリング104から引き抜く)。ほんの一例として、アーム取付け具96を連結するため、細長いねじ105に連結するノブ106が、ねじ105を下側コネクタ102にねじ込むことにより、アーム取付け具を組立体に固定するが、下側コネクタ102は、ねじ105をその中に固定する溝を含む。関節動作式アームおよび開創器組立体10の歯付きコネクタ組立体での使用が示されているが、迅速位置合わせコネクタ100は、任意の歯付きコネクタ組立体での使用に適する。
【0038】
前述したように、開創器組立体10の前進および開創中、神経モニタリングが使用され得る。一例によれば、
図29に示すように、開創器システムの神経モニタリングコンポーネントは中央開創器ブレード12であるが、それは、神経モニタリングシステムからの刺激を遠位端に隣接した組織に向けるために、導電材料(例えば、アルミニウム)から作られ、絶縁被覆でコーティングされ得る。刺激を後部ブレード12に向けるため、神経モニタリングシステムの刺激クリップ550が、後部ブレード12を平行移動アーム17に連結するために使用される止めねじ13に連結され得る。刺激信号が刺激クリップ550から送信されると、その刺激信号は、止めねじ13を通り、ブレードとの絶縁されていない接触領域を通じてブレードに伝わるだろう。止めねじと開創器本体20との間の電流分流を低減するため、
図31Aおよび
図31Bに示すように、開創器本体を流れる電流の分流を低減するように構成された特別な止めネジ760が使用され得る。止めねじ760は、止めねじ760が開創器本体と係合する合成物(例えば、PEEK)の接触面762、および止めねじ760が刺激クリップ550と係合する金属の接触面764を有する。これは、開創器ブレード12への刺激クリップ550を通って中央ブレード12に供給される電流を絶縁し、開創器本体を流れる電流の分流を防ぐ。前述したように、ブレードは、通常、陽極酸化アルミニウム構造に基づいて絶縁される。DSC被覆を有する開創器本体は、絶縁されていない。従って、中央ブレード12自体が、止めねじ760を除くすべての接点で、開創器本体からの電流を絶縁する。止めねじ760の下部にあるPEEKコンポーネント762がこれを達成する。
【0039】
図40〜
図48に示す別の実施形態例によれば、組織開創器組立体の神経モニタリングコンポーネントは、2つの主なコンポーネント:使い捨て電極450および、使い捨て電極450に接続するように設計された、中央ブレード12を置き換える、中央(後部)ブレード500を含む。刺激クリップ550は、使い捨て電極を神経モニタリングシステムに接続するために使用され得る。使い捨て電極および付随の中央ブレードを使用する1つの潜在的な利点は、1つの手術を通して、および手術ことに、一貫性があって、繰返し可能な神経モニタリング機能を実現する、高められた能力である(電流分流を引き起こし得るブレード上の絶縁被覆の腐食のリスクがないので)。この一貫性があって、繰返し可能な機能の達成に対する2つの潜在的な障壁は、刺激電極の遠位端のすぐ近くの導電性金属製器具の結果として、神経モニタリング機器の感度に潜在的に影響する可能性のある電極の遠位端における電流分流および電流密度の低下である。この可能性に対抗するため、絶縁被覆を備えた固定椎間板内シム(
図11〜
図13のシムに類似している)が、新しい解決法として開発された。一例として、絶縁被覆は、パリレン被覆であり得る。
【0040】
図40〜
図48は、本発明に従って、組織開創器組立体10で使用するための、取り外し可能に接続可能な使い捨て電極450および開創器ブレード500の一実施形態例を示す。使い捨て電極450は、前述したように(電極23と類似している)、手術経路および手術の標的部位内での組織開創器組立体の挿入および位置付け中に、神経の検出を支援する。使い捨て電極を使用すると、電極ブレード500が、電極に対する劣化の可能性がなく、殺菌され、際限なく再利用されるのを可能にする。これは、その結果として、電極を使用した神経モニタリングの結果が、一貫性があって、電極(または電極の周囲の絶縁領域)が劣化した場合に、ブレード構造全体を取り換える潜在的に高い費用を削減することを確実にする。
【0041】
図40〜
図41は、概ね、使い捨て電極450の長さに沿って置かれた導電性配線451を備えた成型プラスチック部品を含む、使い捨て電極450の一例を示す。好ましくは、使い捨て電極450は、例えば、PVCなどの、壊れることなく曲げにも耐えることができる、概ね剛性材料から作られる。導電性配線451は、電流供給源(刺激クリップ550など)から使い捨て電極450の遠位端への電流供給用の導電性経路を提供する。使い捨て電極450への、および使い捨て電極450からの電流供給を可能にするために導電性配線451が露出されている、使い捨て電極に沿った領域が、通常2つある。例として、使い捨て電極450の近位端は、電流供給源が電流を導電性配線451に供給できるようにする第1の露出領域452を有する。第1の露出領域452は、使い捨て電極450と電流供給装置(例えば、刺激クリップ550など)との間の導電性経路を確保するために、使い捨て電極450の近位端の外周に巻き付き得る。使い捨て電極450の遠位端は、使い捨て電極450の遠位端から電流を放出するための第2の露出領域453(例として三角パッチで示す)を有する。露出領域452、453以外に、導電性配線451の残りが、電流分流を防ぐために誘電体被覆で絶縁される。例えば、銀、または銅などの、電流経路を完結するのに適した任意の数の導電材料が、本発明の範囲から逸脱することなく、導電性配線451で使用され得る。
【0042】
使い捨て電極の第1の露出領域452は、電極と神経モニタリングシステムとの間の接続を容易にするため、概ね円筒形状を有し得る。例えば、
図47〜
図48に示すように、電気連結器が、プランジャークリップの形で示されている。円筒形として示されているが、電流供給装置のための接続場所は、本発明の範囲から逸脱することなく、高品質の電気的接続を行うために必要な任意のサイズおよび形状であり得る。使い捨て電極450の本体の残りは、最小限の厚さで、使い捨て電極450を開創器ブレード500と係合および固定するための様々な機能を備えた、概ね平面であり得る。例えば、羽根455は、以下でさらに詳細に説明するように、開創器ブレード500内の位置決め機構と係合するために、使い捨て電極450の側面から延出し得る。さらに、使い捨て電極450の遠位端は、同じく以下でさらに詳細に説明するように、開創器ブレード500に対して使い捨て電極450の位置決めをさらに固定するための開創器ブレード500の機能と係合するための突起(ledge)456を有し得る。単一サイズの使い捨て電極450は、様々な開創器ブレード500のサイズおよび形状(例えば、開創器ブレードの長さは、概ね20〜180mmの範囲である)で使用されるように設計されているが、使い捨て電極も、様々な形状およびサイズで利用可能であり得る。
【0043】
図45〜
図46は、開創器ブレード500と取り外し可能に接続された、使い捨て電極450の組立体の一例を示す。好ましくは、少なくとも後部ブレードが、使い捨て電極450の接続を可能にするように構成される。使い捨て電極450を開創器ブレード500に取り付ける間、使い捨て電極450の近位端(さらに具体的に言うと、使い捨て電極450の端部にある第1の露出領域452に隣接した)が、通常、開創器ブレード500の遠位端に挿入される。使い捨て電極450の羽根455が係合し、開創器ブレード500の遠位端から近位端に縦方向に延在する、あり溝502によって制約される。あり溝502は、使い捨て電極450が挿入されるときに、使い捨て電極450に対して挿入ガイドを提供し、開創器ブレード500に接続されている間、使い捨て電極450の適切な位置決めを維持するのを支援する。その上、使い捨て電極450の遠位端の近くにある突起456は、使い捨て電極450の開創器ブレード500に対する位置決めの固定をさらに支援するために、開創器ブレード500の遠位端のほぼ近くにある切開部506と係合し得る。それ故、使い捨て電極450は、第2の露出領域453(
図41および
図45に例として三角形で示される)が概ねブレードの外側に沿って露出される(
図45に最も良く示す)ように、開創器ブレード500に適応する。さらに、使い捨て電極450の近位端が、開創器ブレード500の近位端で機械加工による空洞504(
図44に最も良く示す)から突き出る。ブレードの高さに応じて、手術経路を遮らないように、近位端が曲げられるか、または折り畳まれ得る。本明細書では、使い捨て電極450および関連する開創器ブレード500が、開創器組立体10での、特に、腰椎への側方アクセスに対する使用について説明されているが、使い捨て電極と開創器ブレードとの組合せは、様々な外科手術(例えば、前部頸椎にアクセスするための開創中に、神経の状態をモニタリングするために反回神経を刺激するための頸部手術)で有用であり得ると考えられる。切開部506は、開創器組立体が適切に位置合わせされていることを確実にするための位置合わせツールとしても有用であり得る。例として、頭側および尾側ブレードが直接前方に拡張するように、椎間板腔に垂直に位置合わせされた後部ブレードを有することは一般に好ましい。頭側および尾側ブレードの各遠位端に、穴部(図示せず)が提供され得る。穴部は、それらがX線不透過性物体によって遮られていなければ、蛍光透視画像上で見られる場合に、識別可能であろう。開創器組立体が椎間板腔と適切に位置合わせされ、開創器ブレードが閉じた位置にある場合、切開部506が側方蛍光透視画像内で可視であり、穴部が切開部506とぴったりと合い、同様に可視である。穴部が可視でなければ、開創器を再調整する必要があり得る。別の例によれば、開創器組立体10の脊椎に対する水平位置合わせも評価され得るように、位置合わせ穴部の第2のセットが(穴部の第1のセットの上または下に)含まれ得る。
【0044】
図49は、一実施形態例に従って、中央ブレード500および使い捨て電極450とともに使用するために設計された固定椎間板内シム600を示す。固定椎間板内シム600は、
図10〜
図12のシム25に類似しているので、同様の要素全ての説明は、ここでは繰り返さない。
図49の固定椎間板内シム600は、使い捨て電極の遠位端での電流分流および電流密度に対する変化を軽減するために、好ましくは、絶縁パリレン被覆でコーティングされる。パリレンは、防湿バリアおよび電気絶縁体として使用される様々な化学蒸着したポリ(p−キシレン)重合体に対する商標である。かかる重合体の中で、パリレンCが、そのバリア特性および製造利点の組合せにより、特に適し得る。固定椎間板内シム600は、固定機構として機能するリップ部材604を備えた屈折可能タブ602を含む。シム600は、除去ツールの係合タブを受け入れる切開部606を含む。
図50〜
図51は、ブレード500の遠位端と接続され、かつ、そこから延出する、
図49の固定椎間板内シムを、同じくブレード500に接続された使い捨て電極450とともに示す。
【0045】
図52〜
図55は、第2の実施形態例に従ったシム除去ツール700を示す。ほんの一例として、シム除去ツール700は、本明細書では、
図49および
図50の固定椎間板内シム600と関連して示され、説明されるが、シム除去ツールは、本発明に従った別の固定シムで、同様の方法で採用され得ることが容易に理解される。
【0046】
シム除去ツール700は、近位グリップケージ(grip cage)702、遠位係合領域704、およびその間に延在する細長軸706を含む。近位グリップケージは、概ね長方形の形状であり得、ツールを操作するためのグリップを提供し、必要であれば、器具に影響を与えるための衝突面(strike surface)も提供する。グリップケージ702は、親指リリース708の周りも囲み、それは、ばね機構710を介して遠位領域704と連結される。遠位領域704は、シムフォーク712およびリリースフォーク714を含む。シムフォーク712は、開創器ブレード内のトラック(前述した)と係合するガイドトラック716を含む。シムフォーク712の遠位端の分割傾斜板(split ramp)718が、シム600の前面に沿って滑り込み、リップ部材604の裏側で係合して、除去リップ604の裏面上の係合タブを持ち上げ、トラックガイドからタブを外す。これは、シム600をブレードから完全に除去するため、または単にシムをブレードトラックの長さに沿ってさらに高く(もしくはさらに低く)再配置するために行うことができる。分割傾斜板718が除去リップ604の周囲に完全に据えられると、シムフォーク712上の係合タブ720が、シム600内の切開部606内に引っかかって、シムフォーク712をシム600に固定する。リリースフォーク714が、シムフォーク712の係合タブ720をシム600から除去するために係合され得る。親指リリース708を押すと、リリースフォーク714が、リリースフォーク714の分割傾斜板718がシムフォーク712の除去リップ722の後ろで係合する場所に遠位に移動し、係合タブ720をシム600内の切開部606から持ち上げる。同時に、リリースフォーク714上のノブ724が、シム600上で遠位に押し進められると、シムフォーク714が近位に滑り、シム600の除去リップ604から外れる。
【0047】
図56は、第3の実施形態例に従ったシム除去ツール750を示す。シム除去ツール750は、シムフォーク752のみを含み、リリースフォークを含まないという点を除き、
図52のシム除去ツール700と同様に機能する。従って、シムフォーク752が係合されると、シムは、ツールが外れ得る前にブレードトラックから除去される必要がある。シムフォーク750は、除去ツール700に関して説明したように機能する。除去ツール700は、嵌入力を除去ツールに加えるための受板(strike plate)754を含む。受板754は、スラップハンマー(シムの除去を支援するため)などの追加器具を連結するためのねじ穴を含む。
【0048】
前述したように、外科的アクセスシステム6の拡張器組立体7および開創器組立体10は、組織の拡張および/または開創中に、神経構造の存在(ならびに随意にそこまでの距離および/またはその方向)を検出するように構成され得る。これは、以下のステップを採用することにより達成される:(1)1つまたは複数の刺激電極が、様々な拡張および/または開創器コンポーネント上に提供される;(2)刺激源(例えば、電圧または電流)が刺激電極に接続される;(3)様々なコンポーネントが手術の標的部位に向かって進められるか、またはその部位で、もしくはその近くで維持されるとき、刺激信号が刺激電極から送信される;および(4)刺激信号が、組織内の神経または神経構造に関連する筋肉を刺激するかを判断するために患者がモニタリングされる。神経が刺激されると、これは、神経構造が、伸延および/または開創器コンポーネントにごく近接している可能性があることを示し得る。
【0049】
神経モニタリングは、任意の市販の「従来型の」筋電図検査(EMG)システム(つまり、通常、神経生理学者によって操作される)を含むがそれに限定されず、任意の数のモニタリングシステムのみならず、組織内で見つかりそうな神経構造に関連する筋群内の視覚的痙攣の観察を含むがそれらに限定されず、任意の数の適切な方法で達成され得る。かかるモニタリングは、前で参照した‘949および‘840特許、ならびにPCT出願のPCT/US02/30617およびPCT/US2008/004427で示し、記載されている外科医主導のEMGモニタリングシステムによっても実行でき、その両方のPCT出願は、本明細書に明記されているかのように、参照によって本明細書に組み込まれる。いずれの場合も(視覚モニタリング、従来型のEMGおよび/または外科医主導のEMGモニタリング)、本発明のアクセスシステムが、通常、安全でない、または望ましくないと考えられていた組織を横断するために有利に使用され得、それにより、所与の手術の標的部位がアクセスされ得る方法の数を広げる。
【0050】
図57〜
図58は、ほんの一例として、本発明の外科的アクセスシステム6での使用に適した、1つのかかるモニタリンスシステム170を示す。モニタリンスシステム170は、本発明の外科的アクセスシステム(
図2の開創器組立体10、
図1の拡張器8および9、
図57のKワイヤー42)を含め、制御装置172、患者モジュール174、ならびに患者モジュール174に連結されたEMGハーネス176および戻り電極(return electrode)178、ならびに患者モジュール174と任意の数の手術用付属品196との間の電気通信を確立するためのケーブル182を含む。手術用付属品196は、脊椎頸ねじ(pedicle screw)テストを実施するための装置(ねじテスト探針198など)、神経病理学モニタリング装置(神経根開創器200など)、手術器具をシステム170に電子的に接続するための結合装置(電気的結合装置202、204、および刺激装置ドライバ206など)、およびパイロット穴形成コンポーネント(タップ部材208、脊椎頸アクセス探針210、または他の同様の装置など)をさらに含み得るが、それらに必ずしも限定されない。さらに具体的に言うと、この電気通信は、例として、刺激信号を(ハンドヘルド刺激コントローラ206上の手動で操作されるボタンの操作により)1つまたは複数のコネクタ(例えば、結合装置202、204)に選択的に提供できるハンドヘルド刺激ドライバ206を提供することによって達成できる。結合装置202、204は、ハンドヘルド刺激コントローラ206と、(ほんの一例として)Kワイヤー42上の刺激電極、拡張器8および9、開創器ブレード12、16、18、ならびに/またはシム部材22、25(まとめて、「外科的アクセス器具」)との間に電気通信を確立するのに適している。
【0051】
モニタリングシステム170を使用するために、次いで、これらの外科的アクセス器具が、結合装置202、204(または、それらの相当物)のうちの少なくとも1つに連結され、その時点で、ユーザーは、制御装置172から特定の外科的アクセス器具への刺激信号(好ましくは、電流信号)を選択的に開始し得る。手術経路を確立する前、確立中、および/または確立後に、これらの外科的アクセス器具上の電極を刺激すると、外科的アクセス器具に近づいているか、または比較的近接している神経を脱分極させ(depolarize)て、刺激された神経に関連する筋節内に反応を引き起こす。
【0052】
制御装置172は、タッチスクリーンディスプレイ190および基部192を含み、それらは全体として、モニタリングシステム170を制御するための本質的な処理機能(ソフトウェアおよび/またはハードウェア)を含む。制御装置172は、神経に対する手術用要素の位置に従って音を出す音声装置168を含み得る。患者モジュール174は、データケーブル194を介して制御装置172に接続され、データケーブルは、制御装置172と患者モジュール174との間に電気的接続および通信(デジタルおよび/またはアナログ)を確立する。制御装置172の主な機能には、ユーザーコマンドをタッチスクリーンディスプレイ190を用いて受信すること、外科的アクセス器具上の刺激電極を作動させること、定義されたアルゴリズムに従って信号データを処理すること、受信したパラメータおよび処理したデータを表示すること、ならびにシステム状態をモニタリングし障害状態を報告することが含まれる。タッチスクリーンディスプレイ190は、好ましくは、情報をユーザーに伝達し、ユーザーから命令を受信することが可能なグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)を備えている。ディスプレイ190および/または基部192は、刺激源に命令し、デジタル化信号および他の情報を患者モジュール174から受信し、EMG反応を処理して各筋群に対する特性情報を抽出し、そして、処理されたデータをディスプレイ190を用いてオペレータに表示する、患者モジュールインタフェース回路(ハードウェアおよび/またはソフトウェア)を含み得る。
【0053】
一実施形態では、モニタリングシステム170は、手術の標的部位への手術経路の作成前、作成中、および/または作成後に、1つまたは複数のKワイヤー42、拡張器8および9、開創器ブレード12、16、18、および/またはシム要素22、25に対する神経方向を判断することが可能である。モニタリングシステム170は、これを、制御装置172および患者モジュール174を協働させて、電気刺激信号をこれらの器具上に提供された刺激電極に送信させることによって達成する。患者内の(もっと詳しく言うと、任意の神経構造への)外科的アクセスシステム10の位置に応じて、刺激信号は、外科的アクセスシステム10に隣接しているか、または概ねその近くの神経を脱分極させ得る。これは、筋群に刺激させ、EMG反応を生成させて、それが、EMGハーネス176で感知できる。システム170の神経方向機能は、システム170によりEMGハーネス176でモニタリングされる様々な筋肉の筋節の誘発反応の評価に基づき得る。
【0054】
神経に関連する筋節を(EMGハーネス176および記録用電極177を用いて)モニタリングし、結果として生じたEMG反応を(制御装置172を用いて)評価することにより、外科的アクセスシステム10は、かかる神経の存在(ならびに随意に、そこまでの距離および/またはその方向)を検出することが可能である。これは、手術経路が確立した後に、いかなる神経構造も外科的アクセスシステム6に接触するように移動しないことを確実するためのモニターに加えて、特定の手術の標的部位への手術経路を安全かつ再生可能な方法で形成するために、かかる神経を能動的に迂回する又は越える能力を提供する。例えば、脊髄手術では、これは、外科的アクセスシステム6が、脊柱の骨性後部要素を回避するような後外側経腰筋方式で、椎間の標的部位への手術経路の確立に特に適し得るという点において、特に有利である。
【0055】
図59〜
図60は、
図57〜
図58に関連して示し、説明したモニタリングシステムの神経方向機能の一実施形態を示す例示的な(ディスプレイ190上に表示される)画面表示である。これらの画面表示は、様々な情報を外科医に解釈し易い方法で伝達することを意図している。この情報には、機能の表示230(この場合「方向」)、患者のグラフィカル表現231、モニタリングされている筋節レベル232、表示されている筋節に関連する神経またはグループ233、使用している器具の名前234(この場合、拡張器)、使用している器具のサイズ235、刺激閾値電流236、器具の神経への相対方向を示す基準点を提供するための、使用している器具のグラフィカル表現237(この場合、拡張器8または9の断面図)、刺激電極238に加えている刺激電流238、ユーザーに対する指示239(この場合、「進む(ADVANCE)」および/または「留まる(HOLD)」)、および器具から神経への方向を示す矢印240を含み得るが、必ずしもそれらに限定されない。この情報は、視覚的兆候(英数字文字、発光要素、および/またはグラフィックスなど)および音声通信(スピーカー要素など)を含むがそれらに限定されず、任意の数の適切な方法で伝達され得る。具体的に拡張カニューレに関連して示している(234におけるように)が、本発明は、拡張器組立体7(すなわち、Kワイヤー42ならびに拡張器8および9)および/もしくは開創器ブレード12またはシム要素22、25を含めて、本発明の外科的アクセスシステム6を形成する一部または全部の様々な器具の使用中に、ディスプレイ190上の同様な情報を提供することを含むと考えられることが容易に理解される。
【0056】
前述の説明および図からはっきり分かるように、本発明は、従来の「開腹(open)」手術よりも低侵襲的な方法で、手術の標的部位へアクセスするという目標を達成し、その上、その手術の標的部位への手術経路を確立するために、通過する(または近くを通る)必要のある神経構造にかかわらず、かかる手術の標的部位へアクセスする能力を提供する方法でそれを行う。本発明は、手術経路が確立された後に実施される任意の手術中に、手術の標的部位に隣接した組織または領域内で神経モニタリングを実行する能力をさらに提供する。本発明の外科的アクセスシステムは、本明細書で議論した脊髄用途に加えて、任意の多岐にわたる外科的または医学的用途で使用できる。かかる脊髄用途には、椎間板切除術、固定術(側方アプローチまたは遠位側方アプローチで達成され、かつ、例として、骨製製品(同種移植片または自家移植片など)ならびに/または、セラミック、金属、および/もしくはプラスチック構造(メッシュなど)および/もしくは骨形態形成タンパク質などの化合物を有する装置の導入および/もしくは除去を伴う、PLIF、ALIF、TLIFおよび任意の固定術)、全椎間板置換などを含むがそれらに限定されず、器具、装置、インプラントおよび/または化合物が手術の標的部位内に、または隣接して導入される任意の手術を含み得る。
【0057】
その上、本発明の外科的アクセスシステムは、神経または神経構造を含む組織を通過して、またはその近くに手術経路を確立しながら、かかる神経または神経構造に接触する恐れを取り除くか、または大幅に減少させることにより、「低侵襲的な」方法で、増加した数の手術の標的部位へアクセスする可能性を開く。その際、本発明の外科的アクセスシステムは、(「低侵襲的」アクセスならびに、手術経路の確立前、確立中、および確立後に、神経接触リスクの低減および除去による痛みの削減による)患者ケアの改善および(「低侵襲的」アクセスに基づく入院期間の短縮および神経モニタリングに基づく適切な手術の標的部位の増加した数による)医療費の削減を可能にする大幅な進歩を表す。全体として、これは、国内外の両方で、患者集団が利用可能な、全体として標準的なケアに対する大幅な改善になる。