特許第5763209号(P5763209)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5763209
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】ジベンゾアート系可塑剤のブレンド
(51)【国際特許分類】
   C08K 5/10 20060101AFI20150723BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20150723BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20150723BHJP
   C09D 5/02 20060101ALI20150723BHJP
   C09D 7/12 20060101ALI20150723BHJP
   C09D 11/02 20140101ALI20150723BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20150723BHJP
   C09J 131/04 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
   C08K5/10
   C09D201/00
   C08L101/00
   C09D5/02
   C09D7/12
   C09D11/02
   C09J11/06
   C09J131/04
【請求項の数】13
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2013-547646(P2013-547646)
(86)(22)【出願日】2011年12月28日
(65)【公表番号】特表2014-507514(P2014-507514A)
(43)【公表日】2014年3月27日
(86)【国際出願番号】US2011067572
(87)【国際公開番号】WO2012092366
(87)【国際公開日】20120705
【審査請求日】2013年8月21日
(31)【優先権主張番号】61/460,329
(32)【優先日】2010年12月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/460,330
(32)【優先日】2010年12月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/464,731
(32)【優先日】2011年3月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512116941
【氏名又は名称】エメラルド・カラマ・ケミカル・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Emerald Kalama Chemical,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(72)【発明者】
【氏名】アレント、ウィリアム・ディー.
(72)【発明者】
【氏名】マクブライド、エミリー
【審査官】 新留 豊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−083665(JP,A)
【文献】 特開昭60−210655(JP,A)
【文献】 米国特許第04584215(US,A)
【文献】 特表2001−512150(JP,A)
【文献】 米国特許第05990214(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01329445(EP,A1)
【文献】 特表2005−501906(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0092808(US,A1)
【文献】 特開2005−054187(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0049341(US,A1)
【文献】 特開2008−144166(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0139680(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08K3/00− 13/08
C08L1/00−101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可塑剤トリブレンド組成物であって、
前記トリブレンド組成物の総重量に基づいて、
.10重量%から90重量%の範囲の量で存在するジ安息香酸ジエチレングリコール、
.1重量%から50重量%の範囲の量で存在するジ安息香酸ジプロピレングリコール、および
.10重量%から90重量%の範囲の量で存在するジ安息香酸1,2−プロピレングリコール
を含み、
前記トリブレンドが、低溶媒和性可塑剤の相溶性および加工性を改善するために、単独で一次可塑剤としてまたは特殊ブレンディング可塑剤としてのいずれかで有用である、可塑剤トリブレンド組成物。
【請求項2】
前記ジ安息香酸ジエチレングリコールが、少なくとも60重量%の量で存在し、
前記ジ安息香酸ジプロピレングリコールが、少なくとも10重量%の量で存在し、
前記ジ安息香酸1,2−プロピレングリコールが、少なくとも20重量%の量で存在する、
請求項1に記載の可塑剤トリブレンド組成物。
【請求項3】
前記ブレンドが、前記可塑剤トリブレンドの総重量に基づいて、80重量%のジ安息香酸ジエチレングリコールとジ安息香酸ジプロピレングリコールとの混合物であって、DEGDB対DPGDBの比が4:1である混合物、および20重量%のジ安息香酸1,2−プロピレングリコールを含む、請求項1に記載の可塑剤トリブレンド組成物。
【請求項4】
フタル酸エステル;リン酸エステル;アジパート、アゼラート、オレアート、およびセバケートの化合物;スクシナート;テレフタラート;1,2−シクロヘキサンジカルボキシラート;エポキシ可塑剤;脂肪酸エステル;グリコール誘導体;スルホンアミド;セルロースエステル;フェノール樹脂;アミノ樹脂;アミドおよびタンパク質プラスチック;炭化水素および炭化水素誘導体;モノベンゾアート;ジイソ酪酸2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール;ならびにそれらの混合物からなる群から選択される通常の可塑剤をさらに含む、請求項1に記載の可塑剤トリブレンド。
【請求項5】
a.有機ポリマーの分散相;ならびに
b.ジ安息香酸ジエチレングリコール、ジ安息香酸ジプロピレングリコール、およびジ安息香酸1,2−プロピレングリコールを含む、液相の非フタラート系高溶媒和性可塑剤トリブレンドであって、ジ安息香酸1,2−プロピレングルコール、ジ安息香酸ジエチレングリコール及びジ安息香酸ジプロピレングリコールを、それぞれ、20重量%、64重量%、及び16重量%含んでいる可塑剤トリブレンド
を含むプラスチゾル組成物であって、
前記プラスチゾル組成物の加工粘度が、その成分の粘度と比較した場合に予想されるよりも良好であり且つ通常のジベンゾアートジブレンドで達成されるものと少なくとも同等であり、前記プラスチゾルが、フタラート系可塑剤と比較して優れた防汚性を有する、プラスチゾル組成物。
【請求項6】
前記分散相中の有機ポリマーが、100重量部で存在し、
前記可塑剤トリブレンドが、ポリマーの100重量部につき、1重量部から300重量部で存在する、
請求項5に記載のプラスチゾル組成物。
【請求項7】
前記可塑剤トリブレンドが、ポリマーの100重量部につき、70重量部で存在する、請求項6に記載のプラスチゾル組成物。
【請求項8】
a.アクリル、ビニルアクリル、VAE、もしくはスチレン化アクリルポリマー、またはそれらの任意の組合せ、
b.請求項1に記載の可塑剤トリブレンド、
c.1種以上の通常のコーティング添加剤、および
d.任意に、通常の可塑剤または融合助剤
を含む、コーティング組成物。
【請求項9】
a.ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルエチレンコポリマー、またはそれらの混合物、
b.請求項1に記載の可塑剤トリブレンド、および
c.少なくとも1種の接着剤添加剤
を含む、接着剤組成物。
【請求項10】
ラテックス系ポリマー、請求項1に記載の可塑剤、任意に賦形剤および少なくとも1種の通常のコーキング材またはシーラント添加剤を含む、コーキング材またはシーラント。
【請求項11】
請求項1に記載の可塑剤を含む、プラスチゾルスクリーンインク組成物。
【請求項12】
請求項1に記載の可塑剤を含む、グラフィックアート用途に使用するためのオーバープリントワニス。
【請求項13】
a.ジ安息香酸ジエチレングリコールと、ジ安息香酸ジプロピレングリコールと、ジ安息香酸1,2−プロピレングリコールとを一緒にブレンドして、ジ安息香酸1,2−プロピレングルコール、ジ安息香酸ジエチレングリコール及びジ安息香酸ジプロピレングリコールを、それぞれ、20重量%、64重量%及び16重量%含んでいる可塑剤トリブレンドを形成する工程、および
b.前記可塑剤トリブレンド中にPVCまたはアクリルポリマーを分散させる工程
を含む、プラスチゾル組成物を調製する方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
発明の分野
本発明は、全てが互いに相溶性であるジベンゾアート系可塑剤を特定の割合で含む非フタラート系可塑剤トリブレンドであって、限定されるものではないが、プラスチゾル、接着剤、コーキング材、建築用コーティング、工業用コーティング、OEMコーティング、インク、オーバープリントワニス、その他のコーティング、つや出しなどの、伝統的に可塑剤を必要とする様々なポリマー用途に用いることができる可塑剤トリブレンドに関する。本発明の可塑剤ブレンドは、ポリマーの性能特性、例えば、とりわけ、加工性ならびに防汚性および耐抽出性を改善する。また、本発明は、この可塑剤トリブレンドを含むポリマー組成物、例えば、プラスチゾルおよび接着剤も対象とする。
【0002】
発明の背景
ポリマー添加剤としての可塑剤は、主要なライン添加剤として確立されており、一世紀前より知られている。大量の可塑剤のほとんどは、主としてビニルおよび他のポリマー物質と使用するために、過去70年間に開発されてきたものである。相当の量が販売されており、可塑剤は、特にポリ塩化ビニル(PVC)用途において、他のタイプのポリマー添加剤のいずれよりも多く使用されている。PVCは、膨大な数の製品に配合することができ、無数の用途に有用である。可塑剤は、PVCに汎用性を与え、ビニル配合者にとって鍵となる成分および手段である。それらは、限定することなく可撓性ビニル用途を含めて、硬度(または軟度)を調整し、防汚性を付与し、多数の用途に対して必要に応じて引張り特性(例えば、強度、伸びまたは可撓性)および加工性を変更するために使用される。数百の可塑剤が製造されてきたが、ビニルまたは他のポリマー材料と組み合わせる場合、許容できる性能特性を有するほんの少数が残るのみである。
【0003】
いくつかの異なる型の可塑剤、すなわち、1)汎用、2)特殊型(例えば、高溶媒和剤)、ならびに二次型(油)および希釈型(例えば、安息香酸イソデシル)がある。可塑剤添加剤は、多種多様な代替の化学物質中で利用できる。
【0004】
化学物質の種類に加えて、可塑剤は、分散固体ポリマーを溶媒和するそれらの能力ならびに/またはプラスチゾル中のそれらのゲル化および溶融温度に基づいて、分類および区別される。ゲル化および溶融温度は、生産の速度を決定づけ、可塑剤の溶媒和力によって影響される。一例として、ジベンゾアート系可塑剤を含有するプラスチゾルのゲル化および溶融の温度は、汎用フタラートを含有するプラスチゾルよりも低く、したがって、その特定の用途における加工の速度を可能にする。
【0005】
可塑剤は、樹脂(ポリマー)粒子、例えば、PVCの分散体のためのビヒクルとして役立つ。分散体は、最初に2相の不均一系である。ポリマー分散体中の可塑剤の使用は、均一系の形成を促進し、加熱時にはポリマーの溶融が起こる。溶媒力が高いほど、均一系が溶融する温度は低く、その結果、滞留時間が減少し、ポリマー組成物が最終製品に加工し得る速度が増加し、より速く、より効率的でかつ経済的な方法が得られる。
【0006】
汎用可塑剤
汎用可塑剤は、ほとんどの用途について性能特性と経済性の間の優れた妥協を与える。一部の例には、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DEHPまたはDOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジオクチル(DNOP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジプロピルヘプチル(DPHP)、テレフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOTPまたはDEHT)、およびジイソノニル−1,2−シクロヘキサンジカルボキシレート(DIDCまたはDINCH(登録商標))(米国特許第7,855,430号に記載されたとおりの)が含まれる。汎用フタラートは、毎年購入される可塑剤の売買高の大半を占め、軟質ビニルの配合に最もよく選択される。
【0007】
毎年、可塑剤生産は、120億ポンドの範囲にあり、汎用フタラートDOPは、汎用フタラートの使用に直面した健康および環境問題からの圧力にもかかわらず、消費される可塑剤のポンド数の約半分を占める。
【0008】
フタラート使用の現行の厳密な調査を考慮すると、フタラート代替物に対する必要性が生じている。DOTPとDIDCの両方は、汎用市場におけるフタラート置きかえの競合物である。これらの2種類の可塑剤は、「次世代」の、汎用「非フタラート系」可塑剤と考えられる。DOTPは化学的にはフタラートであるけれども、それはオルトオルトフタラートではなく、その使用は、増大する規制圧力下に置かれている。これらの「次世代」フタラート代替物は、実現可能である。しかしながら、それらは、ビニル組成物、特にプラスチゾルにおいて望まれた性能を常に与えるとは限らない(すなわち、それらは、より不良な相溶性、遅い速度、高いゲル化温度、低いゲル強度を有する)。性能を調整するために可塑剤のブレンドを用いることができるが、この手法に対して一部の制限があり得る。
【0009】
DOTPおよびDIDCに加えて、持続可能な「グリーン」タイプの可塑剤も、汎用可塑剤市場を得ようと競合している。例としては、ひまし油および大豆油に基づく可塑剤が含まれる。
【0010】
しかしながら、一部の用途は、汎用可塑剤単独の使用で達成し得ない性能を必要とする。油および溶剤に対してより良好な耐性を必要とする用途が、このような例の一つである。汎用フタラートは、非極性溶媒、例えばヘキサンで容易に抽出され、その結果、代替可塑剤が非常に良好な選択となる。PVCおよび他のポリマー用途のためのより高い溶媒和剤である可塑剤に対する必要性もある。
【0011】
特殊型可塑剤
特殊型可塑剤は、高溶媒和剤に対する要求を満たすために開発されてきており、最もよく知られているものは、より低分子量のフタラートである。このような可塑剤の例は、フタル酸ブチルベンジル(BBP)であり、これは、高溶媒和性可塑剤としてしばしば用いられる。フタル酸ジ−n−ブチル(DBP)およびフタル酸ジイソブチル(DIBP)も、有用な高溶媒和剤の特殊型可塑剤である。非フタラート系の高溶媒和性可塑剤の他の例には、一部のクエン酸エステル、アルキルスルホン酸エステル、およびある種のホスファートが含まれる。テレフタル酸ジブチル(DBTP)およびN−アルキルピロリドンも、特殊型の高溶媒和剤可塑剤として提案されている。
【0012】
高溶媒和剤可塑剤のすべて(型にかかわらず)は、ビニル組成物の価値を高める。これは、従来の汎用可塑剤ができないことである。そうであっても、高溶媒和剤可塑剤の多くは、フタラートであり、より安全なその代替物が求められている。
【0013】
安息香酸エステル系可塑剤
安息香酸エステル系可塑剤も、特殊型可塑剤として開発されてきた。安息香酸エステル系可塑剤は、PVC用途の有用な可塑剤として1940年代から認められており、その後、これらの安息香酸エステル系可塑剤のあるものは、商業化された。安息香酸エステル系可塑剤は、十分に確立されており、いまや数十年間PVC用途で使用されている。それらの性質からして、安息香酸エステル系可塑剤は、非フタラートである。しかしながら、それらは、そのことに基づいて作製されたのでも特に確立されたものでもなく、フタラート代替物への需要が生まれるよりかなり前に使用されていた。安息香酸エステル系可塑剤には、とりわけ、モノベンゾアートおよびジベンゾアートが含まれる。
【0014】
可塑剤として有用なモノ安息香酸エステルには、安息香酸イソデシル、安息香酸イソノニル、および安息香酸2−エチルヘキシルが含まれる。「半エステル」モノベンゾアートには、モノ安息香酸ジプロピレングリコールおよびモノ安息香酸ジエチレングリコールが含まれ、これらは、ジベンゾアートの生産の副生成物であるが、それらは、大体の場合、生産の対象ではない。モノベンゾアートは、それらが、その関連で使用されてもよいが、高溶媒和剤であることについては一般に留意されていない。モノベンゾアートはまた、ジベンゾアート系可塑剤ほど有用でもないが、それらが、PVCとの対応するジベンゾアートよりもあまり相溶性でないからである。しかし、半エステルは、エマルションポリマー、例えば、アクリル酸エステルおよび/またはビニルエステルポリマーと相溶性である。
【0015】
古典的に、ジベンゾアート系可塑剤は、高溶媒和性可塑剤として十分に機能し、PVC用途のための最良の高溶媒和剤の一部として今日認められている。歴史的に、ジ安息香酸ジエチレングリコール(DEGDB)およびジ安息香酸ジプロピレングリコール(DPGDB)のエステルは、周知であり、ビニル産業も含めて、過去に多くの用途で使用されてきた。DEGDBは、優れた可塑剤であるが凝固点が高いため、DPGDBとのブレンドも、DEGDBの有用性およびより低いコストを生かすために開発された。数年前に、DEGDB、DPGDBおよびジ安息香酸トリエチレングリコール(TEGDB)のブレンドが、高溶媒和性ジベンゾアート系ブレンドとして導入された。
【0016】
最新技術
安息香酸エステル系可塑剤は、単独でまたは他の可塑剤とのブレンドで市販されており、文献および従来特許に記載されている。プラスチゾルおよびオルガノゾル組成物、接着剤、コーキング材、つや出し、インク、ならびにベンゾアート系可塑剤を含有する広範なコーティングも、当技術分野で公知である。
【0017】
一例として、Arendtの米国特許第4,950,702号には、安息香酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテルまたは安息香酸トリプロピレングリコールモノメチルエーテルで可塑化されたポリビニル樹脂を含むプラスチゾル組成物が開示されている。
【0018】
Arendtの米国特許第5,236,987号には、塗料組成物、およびプラスチゾルの調製に用いられる融合助剤としての安息香酸イソデシルの使用が開示されている。
【0019】
Nakamuraらの米国特許第5,319,028号には、PVC樹脂、および単独または組み合わせて用いられる可塑剤(いくかある可塑剤の中で特に、グリコール誘導体、例えば、DEGDB、DPGDB、およびジ−2−エチルヘキサン酸TEGを挙げることができる)を含むプラスチゾル組成物が記載されている。
【0020】
ジ安息香酸エステルを単独でまたはそれらの対応するモノ安息香酸エステルと組み合わせて使用することは、Arendtらの米国特許第5,676,742号に記載されており、これには、ラテックスコーキング材として有用な可塑化水性ポリマー組成物が開示されている。
【0021】
プラスチゾル組成物のための一次可塑剤として用いられるジベンゾアート系可塑剤ブレンドが、Arendtらの米国特許第5,990,214号に記載されており、これには、プラスチゾル用途に用いられるDEGとトリエチレングリコールの両方のジベンゾアートを含むブレンドが開示されている。
【0022】
Arendtらの米国特許第7,812,080号には、分散相および液相を有するプラスチゾルであって、該液相は、比較的高い半エステルモノベンゾアート含量を示す約30以上のヒドロキシル価を有するジベンゾアート系可塑剤プレンドを含むプラスチゾルが記載されている。与えられるプラスチゾルは、改善された色を有する発泡組成物を与えるのに有効であると述べられている。
【0023】
Stanhopeらの米国特許第6,583,207号には、ジ安息香酸DEGに少なくとも約30重量%のモノ安息香酸DEGまたはDPGの半エステルを添加して、約28℃で液体混合物を形成することが記載されている。同様に、Stanhopeらの米国特許第7,056,966号には、少なくとも1種のジベンゾアートに少なくとも20重量%の少なくとも1種の半エステルモノベンゾアートを添加して、約28℃で液体混合物を形成することが記載されている。これらの液体混合物は、水性ポリマー組成物、例えば、接着剤およびコーキング材用に有効な可塑剤として記載されている。
【0024】
Stanhopeらの米国特許第7,071,252号には、一次可塑剤を含有する非水性で溶媒が少ないプラスチゾルのための二次可塑剤として半エステルモノベンゾアートの使用が記載されている。
【0025】
Strepkaらの米国特許第7,872,063号には、芳香族ジベンゾアートであるDEGDBおよびDEGMBを含む可塑剤ブレンドと組み合わせて、膜形成成分として少なくとも1種のアクリルまたは酢酸ビニルポリマーを含む、膜形成組成物、例えば、つや出し、コーティング、接着剤、またはインクが記載されている。
【0026】
Godwinらの米国特許第7,629,413号には、粘度を低下させ、フタラートに関連した汚染問題を軽減するために安息香酸C9〜C11アルキルをフタラート系可塑剤と組み合わせて含むPVCプラスチゾル組成物が記載されている。
【0027】
Arendtらの米国特許第8,034,860号には、有機希釈剤と組み合わせて、安息香酸と二価アルコールとのジエステルである可塑剤を含むオルガノゾルプラスチゾル組成物が記載されている。安息香酸と一価アルコールとのモノエステルも補助的可塑剤として記載されている。
【0028】
Joshiらの米国特許出願公開第2009/0036581号には、最小限87重量パーセントのジベンゾアートを含有する、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールのモノベンゾアートおよびジベンゾアートのブレンドをベースとした、ポリマー用の可塑剤が記載されており、これは、安息香酸ジプロピレングリコールと組み合わせて使用することができる。
【0029】
要約すると、DPGDBとDEGDBとのブレンドを含む安息香酸エステルは、多くの用途で使用されてきた。ジベンゾアート系可塑剤は、多くのポリマー用途に有利であるいくつかある特性の中で特に、改善された加工性、速い溶融および防汚性を与える。
【0030】
本発明の焦点は、非フタラート系の高溶媒和剤可塑剤組成物にあるが、その理由は、汎用フタラート系可塑剤が、−ビニルにおいて広く使用され、有効かつ経済的であるが−、効率的な溶媒和剤ではないからである。さらに、フタラートの使用は、それらの使用に伴う環境、健康および安全問題のために政府機関による増大した攻撃下にずっとあってきている。そして、特殊フタラート系可塑剤であるフタル酸ブチルベンジル(BBP)が、それが、低粘度および望ましいレオロジープロファイルを有する、優れた(高)溶媒和剤である点で可塑剤の聖杯(holy grail)として広くみなされた一方で、それも、いまや潜在的催奇性物質および毒素として冷遇されるようになってきた。
【0031】
したがって、現在利用できる高溶媒和性フタラート系可塑剤の代替物に対する必要性が依然として存在し、それ故に、ベンゾアート系可塑剤およびそれらのブレンドは、それらの高溶媒和性のために実行可能な代替物である。
【0032】
本発明で特に重要なものは、ジベンゾアート系可塑剤であり、これは、上で検討されたように、様々な用途でそれらの高溶媒和性について知られており、かつ使用されてきた。そうであっても、プラスチゾルにおけるジベンゾアートの使用は、可塑剤が溶媒和し続けるにつれて、高いプラスチゾル粘度、および時間にわたる望ましくないレオロジーによって制限され得る。プラスチゾル組成物は老化するにつれて、ますます粘性になる。さらに、高溶媒和剤可塑剤は、あまり熱および紫外線安定性であり得ない。それらはまた、汎用可塑剤よりも濃厚であり、ポリマー製品、例えば、プラスチゾルにおいて使用される場合、汎用型よりも高い移行を示す。
【0033】
これらの制限は、上述のArendtらの'860号に記載されている。'860特許には、プラスチゾル粘度において25倍の増加をもたらした、分散ポリマー、およびジ安息香酸DEG/DPGブレンドを含むプラスチゾルが記載されており、これは、従来の装置を用いて加工するにはあまりにも粘性であり過ぎた。この公報には、分散ポリマー、ジベンゾアート系可塑剤(とりわけ)および有機希釈剤(溶媒)を含むプラスチゾル組成物がさらに開示されており、ここで、粘度増加は、a)ポリマーのヒルデブランド溶解度パラメータと、b)プラスチゾル中に存在する有機希釈剤(溶媒)、可塑剤および任意の他の液体成分のヒルデブランド溶解度パラメータの重み付け平均との特定の差に基づいて成分を選択しおよび適合させることによって、回避または軽減させた。aとbとの差は、一方で高過ぎるプラスチゾル粘度または他方でプラスチゾルから形成された物品からの液体の滲出の可能性を回避するために、規定限界内にあることが必要である。可塑剤は、安息香酸と二価アルコール、例えば、プロピレングリコール、およびオリゴマーエーテルグリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよび1,3−ブタンジオール)とのジエステル、ならびにフタル酸と一価アルコールとのジエステルからなる群から選択された。
【0034】
PVC産業における継続した必要性に応えて、ポリマー組成物の性能および取扱いに対して最適化することができ、特にプラスチゾルレオロジーに関して、一部の通常のベンゾアート系可塑剤およびブレンドを上回って改善を与える新たなジベンゾアートトリブレンドの基盤が開発されてきた。この新規なブレンドは、意外なことに、個々の成分の粘度に基づいて予想される粘度制限を少ししか示さない3種のジベンゾアート系可塑剤を含む。ジベンゾアート系可塑剤のブレンド、すなわち、特定の比率のDEGDBおよびDPGDBは、ジ安息香酸1,2−プロピレングリコール(PGDB)と組み合わせて本発明の可塑剤トリブレンドのベースを形成する。ジ安息香酸1,2−プロピレングリコールは、PVCと一緒に単独で、または本発明のトリブレンドとは無関係の可塑剤ブレンドで以前に用いられた公知の成分である。ジ安息香酸1,2−プロピレングリコールは、Bedoukianの米国特許第3,652,291号に記載されたとおりの飲料のための香味料としても公知であった。
【0035】
本発明のトリブレンドは、プラスチゾル用途における高溶媒和性可塑剤として有用であり、予想外にも、その組合せは、比較的低い粘度、およびトリブレンドの個々の成分のそれぞれのレオロジー特性に基づいて予期されるものを上回るプラスチゾルにおける改善されたレオロジー特性を与える。新規なトリブレンドは、プラスチゾル配合物中で使用される場合、相溶性で、効率的であり、かつ一次可塑剤としてまたは低溶媒和性可塑剤と併用してブレンディング可塑剤として使用されるかどうかにかかわらず、改善された加工性を与える。DPGDBと、DEGDBと、PGDBとの新規なトリブレンドは、過去に用いられたことがなかった。
【0036】
本発明の焦点は、フローリング用途に用いる新規なプラスチゾル組成物を配合するための本発明ブレンドの使用にある。しかし、本発明は、フローリング用途に限定されない。本発明の可塑剤トリブレンドは、限定されるものではないが、接着剤、コーキング材、建築用コーティング、工業用コーティング、OEMコーティング、他の種類のプラスチゾル、シーラント、オーバープリントワニス、つや出し、インク、溶融配合ビニル、ポリスルフィド、ポリウレタン、エポキシド、スチレン化アクリル樹脂およびそれらの組合せを含む用途において、個別におよび他の可塑剤とのブレンドで使用され得る。他の用途は、本明細書での開示に基づいて当業者に明らかである。
【0037】
本発明のトリブレンドの主要な用途には、以下が含まれる:
PVC:本発明のトリブレンドは、高溶媒和性可塑剤であることが示されており、予想外にも、個々の成分の粘度に基づいて予想されるものよりも、粘度は低い。
【0038】
コーティング:本発明のトリブレンドは、建築用および工業用コーティング産業で用いられるポリマーと優れた相溶性を有する、主に低VOC融合助剤としてコーティング技術で有用性を有することが示されている。この用途は、同時係属出願の主題である。本発明のトリブレンドは、他のコーティングおよび膜形成組成物、例えば、とりわけ、つや出し、インクおよびオーバープリントワニスにも使用され得る。
【0039】
接着剤:本発明のトリブレンドは、高度に相溶性であり、良好な粘度応答およびTg(ガラス転移温度)抑制を有する。
【0040】
シーラントおよびコーキング材。
【0041】
本発明の目的は、限定することなく、PVC用途を含めて、可塑剤を伝統的に必要とするポリマー組成物中一次可塑剤としてまたは特殊可塑剤としての使用のための非フタラート系可塑剤組成物を提供することである。
【0042】
本発明の別の目的は、広範なポリマー組成物と相溶性であり、高溶媒和性を有し、低溶媒和性可塑剤の相溶性および加工性を改善するための特殊ブレンディング可塑剤として有用である非フタラート系可塑剤組成物を提供することである。
【0043】
本発明のさらに別の目的は、高溶媒和性を有する一方で、プラスチゾル中の高溶媒和剤の使用に伴う高粘度およびレオロジー不良の付随する不利点を最小化する、プラスチゾルに使用される非フタラート系可塑剤組成物を提供することである。
【0044】
本発明のさらなる目的は、非フタラート系可塑剤を用いるプラスチゾル配合物を提供することであり、これは、達成されるべき比較的速い加工および経済的効率性を可能にする。
【0045】
本発明のさらに別の目的は、非フタルラート系可塑剤を用いるプラスチゾル配合物を提供することであり、これは、比較的高い引張り強度ならびに防汚性および耐抽出性を与える。
【0046】
本発明のなおさらなる目的は、本発明の非フタラート系可塑剤トリブレンドを用いる接着剤配合物およびオーバープリントワニスを提供することである。
【0047】
本発明の他の目的は、本明細書での説明から明らかとなる。
【0048】
発明の概要
本発明の可塑剤ブレンドは、3種のジ安息香酸エステル、すなわち、ジ安息香酸ジエチレングリコール(DEGDB)と、ジ安息香酸ジプロピレングリコール(DPGDB)と、ジ安息香酸1,2−プロピレングリコール(PGDB)との独特のブレンドを含む。これらの可塑剤は、互いに、ならびに種々のポリマー、例えば、エラストマー、熱可塑性樹脂、および熱硬化性樹脂;例えば、ポリ塩化ビニルおよびそのコポリマー、種々のポリウレタンおよびそのコポリマー;種々のポリアクリレートおよびそのコポリマー;種々のポリスルフィドおよびそのコポリマー;種々のエポキシドおよびそのコポリマー;ならびに酢酸ビニルおよびそのコポリマーと相溶性である。
【0049】
本発明の可塑剤トリブレンドは、高溶媒和剤としてPVC用途で機能するが、予想外にも、個々のトリブレンド成分単独に基づいて予想されるよりも、粘度は低く、レオロジー特性は改善される。
【0050】
一態様において、本発明は、本発明のトリブレンドからなる液相中に分散したポリマーを含む、新規なプラスチゾル組成物であって、該プラスチゾルの粘度は、4:1のDEGDB/DPGDBブレンドとブレンドされたPGDBの使用によって、予想されたものよりも低いプラスチゾル組成物を対象とする。
【0051】
別の態様において、本発明は、本発明のトリブレンドからなる液相中に分散したポリマーを含む接着剤組成物であって、該接着剤のTgは、PGDB単独で達成されるものより予想外に低く、4:1のDEGDB/DPGDBブレンドで達成されるものと同様である接着剤組成物を対象とする。本発明の可塑剤トリブレンドは、接着剤ポリマーの軟化の際にPGDB単独よりも効率的であり、製造の効率性およびコスト低減をもたらす。
【0052】
さらに別の態様において、本発明は、本発明のトリブレンドからなる液相中に分散したポリマーを含む通常のコーティング組成物であって、該コーティングのVOC含量は、他の通常の融合助剤および可塑剤と比較して実質的に減少しているコーティング組成物を対象とする。
【0053】
なおさらなる態様において、本発明は、本発明のトリブレンドからなる液相中に分散したポリマーを含む、スクリーンインクまたはオーバープリントワニス組成物を対象とする。
【0054】
本明細書で記載される可塑剤トリブレンドの使用に起因し得る改善された特性には、効率的なTg抑制(接着剤のための)、汎用型可塑剤によって達成されるよりもより速い加工時間、可塑剤凝固点の低下、低いゲル化および溶融の温度、低VOC含量、予想外にもより低い適用粘度、汎用フタラートで達成されるものよりも高い引張り強度、ならびに優れた防汚性および耐抽出性が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1図1は、DINP、DIDCまたはDINCH(登録商標)、BBP、ジベンゾアートエステルジブレンド(DEGDB/DPGDB)、およびPGDBと比較して、本発明のトリブレンドについてブルックフィールド粘度(20RPM、23℃)を示すチャートである。
図1A図1Aは、DINP、DIDC、BBP、ジベンゾアートジブレンド、およびPGDBと比較して、本発明のトリブレンドについて7日目/初期粘度比を示すチャートである。
図2図2は、本発明のトリブレンド、DINP、DIDC、BBP、ジベンゾアートジブレンド(DEGDB/DPGDB)およびPGDBについて得られた結果を示す1日目剪断速度スキャン(70PHR)である。
図3図3は、本発明のトリブレンド、DINP、DIDC、BBP、ジベンゾアートジブレンド(DEGDB/DPGDB)、およびPGDBについてゲル/溶融曲線を示すグラフである。
図4図4は、本発明のトリブレンド、ジベンゾアートジブレンド(DEGDB/DPGDB)、DINP、DIDC、およびBBPについてショアA硬度データを示すチャートである。
図5図5aは、本発明のトリブレンド、ジベンゾアートジブレンド(DEGDB/DPGDB)、PGDB、DINP、DIDC、およびBBPについて引張り強度(psi)データを示すチャートである。図5bは、本発明のトリブレンド、ジベンゾアートジブレンド(DEGDB/DPGDB)、PGDB、DINP、DIDC、およびBBPについて伸び(%)データを示すチャートである。図5cは、本発明のトリブレンド、ジベンゾアートジブレンド(DEGDB/DPGDB)、PGDB、DINP、DIDC、およびBBPについて100%モジュラスデータを示すチャートである。
図6図6は、本発明のトリブレンド、ジベンゾアートジブレンド(DEGDB/DPGDB)、DINP、DIDC、およびBBPについて揮発性データを示すグラフでる。
図7図7は、ヘプタン、ラッカセイ油および1%IVORY石鹸中、本発明のトリブレンド、ジベンゾアートジブレンド(DEGDB/DPGDB)、DINP、DIDC、およびBBPについて、耐抽出性データを示すチャートである。
図8図8は、本発明のトリブレンド、ジベンゾアートジブレンド(DEGDB/DPGDB)、PGDB、DINPまたはBBPを含む典型的な基本スプレッドコーティングタイプ配合物について、ブルックフィールド粘度(mPa’s)を示すグラフである。
図9図9は、本発明のトリブレンド、ジベンゾアートジブレンド(DEGDB/DPGDB)、PGDB、DINPまたはBBPを含む典型的な基本スプレッドコーティングタイプ配合物について、種々の剪断速度(1/s)に対する粘度(mPa’s)を示す初期剪断速度スキャンである。
図10図10は、本発明のトリブレンド、ジベンゾアートジブレンド(DEGDB/DPGDB)、PGDB、DINPまたはBBPを含む典型的な基本スプレッドコーティングタイプ配合物について、ゲル/溶融曲線を示すグラフである。
図11図11は、アスファルト、KIWI(登録商標)Brown Shoeつや出し、マスタードおよび1%Oil Brownの汚染物質(stainant)を用いて、弾性フローリング用プラスチゾル配合物中のDINP、BBP、ジベンゾアートジブレンド(DEGDB/DPGDB)、PGDB、および本発明のトリブレンドの防汚性を比較する、防汚性(ΔE)試験を示すチャートである。
図12図12は、本発明のトリブレンド、ジベンゾアートジブレンド(DEGDB/DPGDB)、PGDB、DINP、DIDC、BBP、DBT、またはDOTPを含む基本プラスチゾル配合物について基本レオロジー選別の結果を示すグラフである。
図13図13は、本発明のトリブレンド、ジベンゾアートジブレンド(DEGDB/DPGDB)、PGDB、DINP、DIDC、BBP、DBT、DOTPまたはアルキルピロリドン(300)を含む基本プラスチゾル配合物についてゲル溶融曲線を示すグラフである。
図14図14は、基本スプレッドコーティング配合物中1時間および1日目における本発明のトリブレンドについて基本レオロジー選別を示すグラフである。
図15図15は、基本スプレッドコーティング配合物中の本発明のトリブレンドについてのゲル/溶融曲線を示すグラフである。
図16図16は、PGDB、ジベンゾアートジブレンド(DEGDB/DPGDB)、本発明のトリブレンド、DINP、DINP/DIHPブレンド、およびBBPと一緒のビニルの防汚性を示す写真である。
図17図17は、本発明のトリブレンド、DINP、および本発明のトリブレンドとDINPとの50:50ブレンドを含む、プラスチゾルスクリーンインクについてゲル/溶融曲線を示すグラフである。
図18図18は、本発明のトリブレンド、DINP、および本発明のトリブレンドとDINPとの50:50ブレンドを含む、プラスチゾルスクリーンインクについて得られたレオロジーデータを示すグラフである。
図19図19は、本発明のトリブレンド、市販のジベンゾアートジブレンド(KFLEX(登録商標)850S)またはPGDBを含む、PVAcホモポリマーについてTg抑制曲線を示すグラフである。
図20図20は、本発明のトリブレンド、市販のジベンゾアートジブレンド(KFLEX(登録商標)850S)またはPGDBを含む、PVA/EコポリマーについてTg抑制曲線を示すグラフである。
図21図21は、本発明のトリブレンド、市販のジベンゾアートジブレンド(KFLEX(登録商標)850S)またはPGDBを含み、10%または15%可塑剤レベルを用いて、1日目におけるPVAcホモポリマーについて得られた粘度レベルを示すチャートである。
図22図22は、本発明のトリブレンド、市販のジベンゾアートジブレンド(KFLEX(登録商標)850S)またはPGDBを含み、5%または10%可塑剤レベルを用いて、1日目におけるPVA/Eコポリマーについて得られた粘度レベルを示すチャートである。
図23図23は、本発明のトリブレンド(6%負荷)、ジベンゾアートジブレンド(DEGDB/DPGDB)(6%負荷)、DEGDB、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、2−EHB、モノベンゾアート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを含み、または融合助剤を含まないオーバープリントワニス配合物についてアルミニウムパネル上のケーニッヒ(Konig)硬度データを示すチャートである。
【0056】
発明の詳細な説明
本発明は、本明細書で検討される量および/または比率における、3種の可塑剤、すなわち、DEGDBと、DPGDBと、ジ安息香酸1,2−プロピレングリコール(PGDB)との新規なブレンドを対象とする。本発明の可塑剤は、一般にしばしば通常の可塑剤の代替物として多数の熱可塑性、熱硬化性、またはエラストマー性ポリマーと一緒に用いることができる。特に、本発明のトリブレンドは、本発明によって、粘度が低下したPVCまたはアクリルプラスチゾルを調製するために使用され得る。
【0057】
PVCおよびアクリルプラスチゾルに加えて、本発明のトリブレンドは、限定されるものではないが、種々のビニルポリマー(例えば、ポリ塩化ビニルおよびそのコポリマー、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、またはポリビニルブチラール);種々のポリウレタンおよびそのコポリマー;種々のポリスルフィド;硝酸セルロース;ポリ酢酸ビニルおよびそのコポリマー;ならびに種々のポリアクリレートおよびそのコポリマーを含む、他のポリマー組成物で有用であり得る。
【0058】
種々の用途のためのアクリルポリマー組成物も、本発明のトリブレンドと一緒に使用されてもよく、種々のポリアルキルメタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、またはアリルメタクリレート);または種々の芳香族メタクリレート(例えば、ベンジルメタクリレート);または種々のアルキルアクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、または2−エチルヘキシルアクリレート);または種々のアクリル酸(例えば、メタクリル酸)およびスチレン化アクリル樹脂を含む。
【0059】
本発明のトリブレンドが可塑剤として有用であり得る他のポリマーには、エポキシド、フェノールホルムアルデヒド型;メラミン;などが含まれる。さらに他のポリマーは、当業者に明らかである。
【0060】
本発明において、「プラスチゾル」は、ポリマー用の可塑剤を含む液相中に分散した少なくとも1種の非架橋有機ポリマーの粒子状形態を含む、液体ポリマー組成物を意味する。本発明は、いずれの特定のポリマーにも制限されないが、本発明は、ビニルポリマーに関して記載され得る。
【0061】
本明細書で使用される場合、「オルガノゾル」は、可塑剤に加えて、約5重量%を超える量で、所望の加工粘度を達成するために、液体炭化水素、ケトン、または他の有機液体を含むプラスチゾルを意味する。
【0062】
本明細書で使用される場合、「高溶媒和剤」または「高溶媒和性」は、ポリマーに浸透しおよびそれを軟化する際の可塑剤の効率を記述する用語であり、「より高い」溶媒和剤は、ポリマーをより速く軟化させ、したがって、均一相の形成を促進する。
【0063】
本発明の好ましいジベンゾアートは、DEGDB、DPGDB、およびジ安息香酸1,2−プロピレングリコール(PGDB)である。PGDBは、単独でまたは本明細書で開示される本発明に関係しない他の可塑性材料と組み合わせて、ビニル組成物用の高溶媒和性可塑剤としての使用について従来知られている。本発明のジベンゾアートトリブレンドにおけるPGDB(ジ安息香酸1,2−プロピレングリコールと定義される)の使用は、重要であり、その理由は、他のジ安息香酸プロピレングリコールの使用は、以下に検討されるより低い凝固点を与えないからである。
【0064】
本発明の可塑剤トリブレンドの特徴の一つは、DEGDBを含有する一部の現在利用できる市販のジベンゾアートブレンドよりも低い凝固点である。最新の市販のジベンゾアートブレンドのほとんどすべては、優れた溶媒和特性、および費用節減への取り組みのために、ブレンド用のベースとしてDEGDBを含有する。しかしながら、純DEGDBは、通常の室温(28℃)を超えて凝固し、したがって、その使用を妨げる。現在利用できる典型的なジベンゾアートブレンドと比較して本発明のトリブレンドの凝固点(凝固の初期開始)は、以下のとおりである:
発明のトリブレンド:+6℃
典型的なジベンゾアートジブレンド:+12℃
DEGDBを含有するベンゾアートブレンドの取扱いは、典型的な可塑剤、例えば、フタル酸エステルと比べて問題であり得る。したがって、本発明のトリブレンドによって達成される、より低い凝固点は、現在利用できるジベンゾアートブレンドを上回る明確な利点を与える。
【0065】
いずれの特定の理論によっても拘束されることを望まないが、DEGDB/DPGDBブレンドへのPGDBの添加は、凝固点をかなり(約12℃から約6℃に)低下させると考えられ、これは、寒冷気候での取扱いにおいてかなりの利点をもたらし、これは、一部のジベンゾアートおよびブレンドではこれまで考えられなかったことである。
【0066】
本発明のブレンド中の個々の可塑剤の量は、最終用途および望まれる特性に依存して広範に変わり得る。したがって、トリブレンドについて、DEGDBの量は、トリブレンド組成物の総重量に基づいて約10重量%から約90重量%まで変わり得るが、好ましくは約60重量%を超える量で存在する。他の2つの可塑剤のいずれよりもDEGDBのより高い量が、費用の検討(DEGDBは、PGDBおよびDPGDBよりもはるかに安価である)によって好ましい。DPGDBの量は、一般にトリブレンドの総重量に基づいて約1重量%から約50重量%まで変わり得るが、好ましくは約15%を超える量で存在する。PGDBの量は、例えば、ジベンゾアートトリブレンドの総重量に基づいて約10重量%から約90重量%まで広範に変わり得るが、好ましくは約20重量%で存在する。PGDBはまた、DPGDBよりもコストがより低い。
【0067】
好ましい一態様は、以下に示される:
a. 1,2−PGDB 20重量%
b. DEGDB/DPGDB 80/20 80重量%
トリブレンドは、3種の成分を一緒に単にブレンドすることによってまたはそれらを現場で(in situ)一緒に形成することによって、を含めて、当業者に知られた任意の常法で調製され得る。
【0068】
DPGDBは、Emerald Kalama Chemicalによって製造されたK−FLEX(登録商標)DP、Unitex Chemical Corp.によって製造されたUNIPLEX(登録商標)988、Ferroによって製造されたSANTICIZER(登録商標)9100、およびFinetex,Inc.によって製造されたFINSOLV(登録商標)PG−22として市販されている。DEGDBは、K−FLEX(登録商標)DE、およびUNIPLEX(登録商標)245として市販されている。PGDBは、UNIPLEX(登録商標)284として市販されており、過去にK−FLEX(登録商標)MPとして製造されていた。
【0069】
本発明のトリブレンドは、多数の種々の種類のポリマーとともに、および可塑剤を必要とする種々の用途で用いることができる。ジベンゾアートトリブレンドの全量は、例えば、限定することなく上で特定されたものを含めて、1種以上の熱可塑性、熱硬化性、またはエラストマー性ポリマーの全100重量部につき、一般に約1から約300重量部、望ましくは約10から約100重量部、好ましくは約20から約80重量部に、用途に依存して広範に及ぶ。プラスチゾルに特に好ましい態様は、ポリマー(単数または複数)の全100重量部につき70重量部、またはおおよそ40重量%を含む。
【0070】
本発明のトリブレンド組成物は、コーティング中に、コーティングの性質に依存して、その系におけるポリマー固形物の最大で約20%までの量で用いることができる。
【0071】
本発明のトリブレンドは、水性接着剤中、接着剤の総重量に基づいて、最大で約50重量%までの量で用いることができる。
【0072】
本発明のトリブレンドは、オーバープリントワニス中、オーバープリントワニスの総重量に基づいて最大で約20重量%までの量で用いることができる。
【0073】
本発明のトリブレンドは、限定されるものではないが、プラスチゾルにおける相溶性および加工性の改善を含めて、ポリマー組成物の特性を増強または増大させるために、様々な他の通常の可塑剤とブレンドされ得るが、そのようにされることを要求されるものではない。通常の可塑剤には、限定されるものではないが、種々のフタル酸エステル、種々のリン酸エステル、種々のアジパート、アゼララート、オレアート、スクシナートおよびセバカートの化合物、テルフタル酸エステル(例えば、DOTP)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸エステル、種々のエポキシ可塑剤、種々の脂肪酸エステル、種々のグリコール誘導体、種々のスルホンアミド、ならびに二次可塑剤としてしばしば用いられる様々な炭化水素および炭化水素誘導体が含まれる。モノベンゾアート、例えば、安息香酸イソノニル、安息香酸イソデシル、安息香酸2−エチルヘキシル、およびジイソ酪酸2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールも、本発明のトリブレンドとブレンドされ得る。特に、本発明のトリブレンドは、プラスチゾル用途における相溶性および加工性を改善するために、溶媒和性がより不足の可塑剤、例えば、とりわけ、DIDCおよびDOTPへ添加するためのブレンディング可塑剤として有用である。
【0074】
本発明のトリブレンドは、様々な量の通常の添加剤、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、難燃剤、界面活性剤なども含有し得る。添加剤の量は、一般に広範に変わり、しばしばブレンドの100重量部につき約0.1から約75重量部の範囲であり得る。
【0075】
本発明のジベンゾアートブレンドは、通常の可塑剤が現在使用されて場合には常に用いることができる。望ましくは、それらは、接着剤、コーキング材、建築用および工業用コーティング、プラスチゾル、オーバープリントワニス、インク、溶融配合ビニル、ポリスルフィド、ポリウレタン、エポキシド、またはそれらの任意の組合せにおいて用いられる。他の使用は、当業者に明らかである。
【0076】
本発明を、以下の例においてさらに説明する。
【0077】

実験方法論
プラスチゾルおよびビニルの調製
基本選別のために作製したプラスチゾルは、Hobart Model N−50混合機で調製した。速度1(1)での10分間の混合を用いた。1000RPMで10分間の混合を用いて、評価した他のプラスチゾルを調製するために高速度分散機も用いた。プラスチゾルのすべてを、できるだけ完全に空気を含まなくなるまで、1mmHgで脱気した。
【0078】
基本選別のためのビニルは、Blue Mオーブン中1.2mmの厚さで密閉型中、177℃で15分間溶融させた。汚染試験用のビニルは、0.5mmの厚さでMathisオーブン中、204℃で2.5分間溶融させた。空気流は、1500RPMに設定した。
【0079】
試験/評価
具体的な例で別段に示されない限り、現在利用できる可塑剤と比較して本発明の可塑剤の性能を評価する際に、以下に記載する一般的な試験および/または方法論を用いた。試験および方法は、当業者に公知である。
【0080】
脱気能力−プラスチゾルを混合後、脱気の程度および容易さを決定した。約10ミリリットルを真空シリンダ中に入れ、1mmHg真空を適用した。mL単位での上昇高さを、開始容量によって除し、その値を報告した。破泡(foam break)までの時間を書き留めた。
【0081】
粘度およびレオロジー:低剪断−Brookfield RVT、20RPM、回転示度10。ASTM D1823。高剪断−TA AR2000exを用いた。平行板は、適当な間隙(350ミクロン)に設定した。1000秒-1までの剪断。
【0082】
ゲル/溶融:振動モードのTA AR2000ex。平行板は、適当な間隙(600ミクロン)に設定した。試験温度を40℃で開始し、5℃/分の速度で220℃まで加熱した。
【0083】
ゲル化温度−ホットベンチ式試験(ここで、プラスチゾルの薄肉ビーズを温度勾配プレートに塗布し、3分後にビーズを横切って切断する)。プラスチゾルにおける切断部が再溶融しない温度がゲル化温度であって、すなわち、プラスチゾルは「ゲル化」した。
【0084】
相溶性:ループ(loop)−ASTM D3291。ロール(Roll)−ビニルの緊密ループを吸収紙で転がし、次いで、オーブン中60℃に3日間置く。相溶性は、要約して言えば、滲出の程度で判断した。
【0085】
効率性−ショアA−ASTM D2240;引張り−ASTM D638、タイプIVダイ、50.8cm/分の引き速度。
【0086】
性能−耐抽出性、ASTM D1239。抽出剤−ラッカセイ油(室温で24時間曝露);1%IVORY石鹸溶液(50℃で24時間、および50℃で4時間乾燥);室温でヘプタン(24時間、50℃で4時間乾燥)。活性炭揮発性、ASTM D1203は、1、3、7、14、21、および28日目に評価した。
【0087】
熱安定性試験は、Mathisオーブン中195℃で行った(示した試験間隔で送風機速度1500RPM)。最初に黄変し、そして褐色になる時間を書き留めた。
【0088】
汚染試験:ミネラルスピリット中に溶解させた油性茶色染料(oil brown dye)の1%溶液を汚染剤として用いた。汚染剤をビニルに塗布し、薄葉紙を用いて適所に30分間保持した。汚染をビニルから拭き取り、ビニルをミネラルスピリットで清浄に拭き、結果を記録するために写真を撮った。
【0089】
例1〜6
例1〜6について、本発明のトリブレンドジベンゾアート可塑剤(X20)(20重量%のジ安息香酸1,2−プロピレングリコールおよび80重量%の80/20ジ安息香酸DEG/DPGブレンドを含む)を評価して、標準対照に対する基本性能パラメータを決定し、配合指示を容易にした。例1〜6の評価に用いた対照は、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、およびジイソノニル−1,2−シクロヘキサンジカルボキシレート(DIDC)を含んだ。本発明のトリブレンドに加えて、DEGDB/DPGDBジブレンド可塑剤(X250;4:1のジ安息香酸DEG:ジ安息香酸DPG比)およびPGDB(X100>98%)も別個に評価し、これらの両方ともが、本発明のトリブレンドの成分である。
【0090】
例1〜6で行った試験は、以下を含んだ:相溶性(ループおよびロール噴出(spew));効率(ショアA、引張り特性);耐久性(抽出および揮発性);および加工性(粘度、粘度安定性、剪断速度/レオロジーおよびゲル/溶融)。
【0091】
例1〜6で評価した基本プラスチゾル配合物を、以下の表1に示す:
【表1】
【0092】
基本プラスチゾル配合物の使用は、必要な熱安定剤以外に、他の添加剤からの妨害なしに可塑剤とPVCとの相互作用を実証するためであった。
【0093】
例1−ブルックフィールド粘度
ブルックフィールド粘度試験は、高溶媒和性可塑剤の個々の成分について予想された比較的高い初期粘度を示し、すなわち、DEGDB/DPGDBジブレンド(X250)およびPGDB(X100)は、初期および1日目にすべての対照を上回ってより高い粘度を示した。7日目/初期の比も、X250およびX100の個々の成分についてDINPおよびDIDC対照を上回って比較的高かったが、BBPについてはそうでなかった。トリブレンド(X20)、すなわち、DEGDB/DPGDBとPGDBとの組合せの粘度は、相加性である、すなわち、(ブレンド比に基づいて)個々の成分の粘度間のどこかにあることが予想された。予想外にも、7日目/初期の粘度比は、BBP、またはDEGDB/DPGDB(X250)およびPGDB(X100)成分単独のいずれかについてよりも本発明のトリブレンドについてより低く、DINPおよびDIDCについて得られたものと同等であった。この比が低ければ低いほど、可塑剤粘度はより安定である。一般に、高溶媒和剤は、より低い比を有すると予想されないが、本発明のトリブレンドは、そうであった。
【0094】
例2−1日目剪断速度スキャン
1日目剪断速度スキャン(70PHR)からの結果を、図2に示す。剪断速度が増加するにつれて、ますます高い粘度が予想された。対照について、DINPおよびDIDCの粘度は、依然として同等であるが、BBPは、わずかに増加し、横ばい状態になった。DEGDB/DPGDB(X250)およびPGDB(X100)について、粘度は急激に上昇し、X100について急激に低下したが、X250は、あまり急激でなくわずかに上昇し、比較的高い剪断速度でやや低下した。この場合もやはり、予想外に、トリブレンド(X20)についての1日目剪断速度スキャンは、いずれかの成分単独(すなわち、DEGDB/DPGDB(X250)ブレンドおよびPGDB(X100))について得られたものよりも良好であり、比較的高い粘度ではあるが、BBPと同様の曲線を有した。全体として、PGDB(X100)は、図2に示されるとおりに、本発明のトリブレンドと比較してはるかに不良なレオロジーを有していた。
【0095】
例3−ゲル/溶融
ゲル溶融データは、様々な可塑剤の相対的溶媒和特性を示す。図3および表2は、ゲル/溶融評価の結果を示し、これは、工業標準とみなされるBBP対照と比較して個々の成分(X250およびX100)およびトリブレンド(X20)について同等の結果を示した。この結果は、新規なトリブレンド(X20)およびPGDB(X100)が、DEGDB/DPGDB(X250)ブレンドよりも非常に良好な溶媒和剤であることも示した。
【表2】
【0096】
溶融ビニル特性
例4−相溶性試験
ループ試験、ASTM D3291を用いて、可塑剤とPVCとの相溶性を決定した。試験温度は23℃であり、評価は、1、3および7日後に得た。DIDCを例外として、何らかの滲出を示した可塑剤はなかった。可塑剤のすべては、この試験を用いて相溶性と考えられた。
【0097】
ロール試験を可塑剤に対して行った。試験温度は、60℃3日間であり、評価は、1、2および3日後に得た。DIDCを除く可塑剤のすべては、この試験によって相溶性であった。DIDCは、かなりの滲出を示した。
【0098】
例5−効率性試験
ショアA硬度データを、対照のすべて(BBP、DINPおよびDIDC)、X250ジブレンドおよびX20トリブレンドについて1秒および10秒で得た。結果は、図4に示し、トリブレンド(X20)およびジブレンド(X250)は、対照と同じくらい効率的であったことを示す。
【0099】
対照、ジブレンド(X250)、PGDB(X100)およびトリブレンド(X20)について得た引張りデータは、図5a(破断点引張り);5b(伸び%);および5c(100%モジュラス)に示す。結果は、X20トリブレンドが、ジベンゾアートブレンドおよび対照のほとんどと比較して優れた伸び、ならびに対照と比較してより大きな引張り強度を示した。
【0100】
例6−耐久性試験
対照、ジブレンド(X250)およびトリブレンド(X20)について得た揮発性データを図6に示す。結果は、X20トリブレンドが、対照と比較して中程度の揮発性を有することを示す。
【0101】
ヘプタン、ラッカセイ油および1%IVORY石鹸中の耐抽出性データを、図7に示すとおりに対照、ジブレンド(X250)およびトリブレンド(X20)について得た。結果は、X20トリブレンドが、ヘプタンとラッカセイ油の両方において対照に対して優れた耐抽出性を有したことを示す。IVORY石鹸におけるトリブレンドの耐抽出性は、対照より不良であったが、ジブレンドと比較した場合はなおわずかに良好であった。
【0102】
上の結果は、本発明のトリブレンドが、ジベンゾアートジブレンドのように、対照に対して同様の相溶性を有する高溶媒和剤であることを示した。プラスチゾルでは、本発明のトリブレンドとジブレンドの両方が、遠いフロー、および汎用可塑剤対照よりも高い粘度を示した。全体として、ジベンゾアートブレンドは、汎用可塑剤よりも揮発性であったが、溶媒および油に対してより良好な耐抽出性を示した。ジベンゾアートブレンドは、汎用可塑剤より非常に良好な溶融特性を示した。
【0103】
例7−スプレッドコーティング型配合における性能
性能特性も、典型的な基本スプレッドコーティング型配合物において評価した。基本配合物を以下の表3に示す。
【表3】
【0104】
対照可塑剤であるDINPおよびBBPを、ジブレンド(X250)およびPGDB(X100)の個々の成分ならびに本発明のトリブレンド(X20)と比較した。ブルックフィールド粘度、初期剪断速度スキャン、およびゲル溶融について得た結果を、図8、9および10に示す。得られたゲル溶融データは、表4に示す。
【表4】
【0105】
例8−防汚性
防汚性試験は、様々な汚染物質、すなわち、アスファルト、KIWI(登録商標)Brown Shoe Polish、マスタード、および1%Oil Brownに対する、表3の配合物中のDINP、BBP、X250(ジブレンド)、X100(PGDB)およびX20(トリブレンド)の防汚性を比較して行った。Oil Brownは、高交通汚染をシミュレートするために用いられる業界基準である。Oil Brownを除いて、汚染物質のすべては、試料の上に置き、約2時間放置し、Oil Brown汚染物質は、30分間放置した。次いで、汚染物質を清浄なミネラルスピリットで除去した。色の変化は、デルタE測定値(ΔEまたはdE)を用いて評価し、これは、色間の差を数値的に示す。本発明のトリブレンドは、アスファルト、マスタードおよび1%Oil Brownに対して優れた防汚性を示した。本発明のトリブレンドは、KIWI(登録商標)Brown Shoe Polishに対して対照よりも良好であった。防汚性結果は図11に示す。
【0106】
例9〜11
以下の可塑剤を例9〜11において評価した:
フタル酸ジイソノニル(DINP)、
フタル酸ブチルベンジル(BBP)、
テレフタル酸ジ−2−エチルエキシル(DOTP)、
ジイソノニル−1,2−シクロヘキサンジカルボキシレート(DIDC)、
テレフタル酸ジブチル(DBTP)、
N−C8−10アルキルピロリドン(300)、
X−20 本発明のジベンゾアートトリブレンド、
X−250 PVC産業に合わせたジベンゾアートジブレンド、
X−100 ジ安息香酸1,2プロピレングリコール(98%)。
【0107】
単純なプラスチゾル配合物中の上の可塑剤の基本性能データの評価に加えて、可塑剤の他の2つの評価を行った−1つは、フローリング磨耗層または典型的なスプレッドコーティング開始配合物におけるもの、およびもう1つは、プラスチゾルスクリーンインク用の開始配合物におけるもの。上記のとおり、プラスチゾルの基本選別は、4つの基本性能パラメータ、すなわち、相溶性、効率性、耐久性および加工性を考慮した。以下の例は、性能を実証するために用いた基本特性を特定する。
【0108】
スプレッドコーティング処方について、粘度、レオロジー、ゲル/溶融および汚染性を決定し、ゲル/溶融およびレオロジーは、プラスチゾルスクリーンインク配合物について決定した。
【0109】
以下の表5は、可塑剤を評価するために用いた単純なプラスチゾル配合物を示す。以下の表6は、可塑剤を評価するために用いたスプレッドコーティング処方を示し、以下の表7は、評価したプラスチゾルスクリーンインク配合物を示す。
【表5】
【表6】
【表7】
【0110】
例9−基本選別−プラスチゾル
単純プラスチゾル配合物(表5)を用いて基本選別で得た結果を、以下の表8および9に示し、図12および13でさらに示す。
【表8】
【表9】
【0111】
上のデータは、本発明のジベンゾアートブレンドが、特にループ試験およびロール試験データで示されるように、ビニルと一緒の汎用非フタラートよりも相溶性であったことを示す。ジベンゾアートブレンドの粘度/レオロジーは、汎用可塑剤よりも劣ることが知られている。しかしながら、予想外にも、本発明のトリブレンドである高溶媒和剤は、予想されたよりも低い粘度を示し(図12)、これは、高溶媒和剤型可塑剤を必要とするプラスチゾルの配合物に対する実行可能な選択肢を与える一方で、標準的なジベンゾアート系可塑剤ブレンドについてこれまで知られた粘度/レオロジーの制限を最小化する。
【0112】
振動モードのTA AR2000exレオメータを用いて、溶媒和剤特性を評価するためにゲル/溶融特性を生じさせた。表9は、得られたデータを列挙し、図13は、データに基づいて生成した曲線を示す。データに基づいて、ジベンゾアート、BBP、DBTPおよび300は、汎用型可塑剤のすべてより、非常に良好な溶媒和剤であったことが明らかである。これは、より低い温度で完全な強度を得ることが、本発明のブレンドを用いて可能であり、これは、生産の速度に転換することを実証した。古典的なゲル点データも、この点を実証した。300は、最も積極的な高溶媒和剤であったが、非常に低いゲル強度を生じた。
【0113】
効率性に関して、得られたデータは、ジベンゾアートブレンドが、DINPよりいくらかより効率的であるが、他のフタラートおよび高溶媒和剤は、ジベンゾアートよりもいくらかより効率的であったことを示す。X100は、最も効率的でなかった。
【0114】
抽出および揮発性に関して、データは、汎用可塑剤は、溶媒および油によって大量に抽出されるが、水溶液に対しては良好であることを示した。その反対は、高溶媒和剤に当てはまった。また、汎用可塑剤は、より高い溶媒和剤よりはあまり揮発性でなかった。300およびDBTは、試験した他の高溶媒和剤と比較して非常に揮発性であったが、BBPは、揮発性が最も低かった。本発明のトリブレンドであるX20、およびジブレンドであるX250は、揮発性で同様であったが、それぞれ、BBPよりもあまり揮発性でなかった。揮発性についての活性炭試験は、全般に1日間のみ行う。この例について、試験は、28日間まで延長して、長期にわたって曝露される可塑剤で何が起こるか実証した。ジベンゾアート系可塑剤は、時間とともに早期に抜ける傾向がある残存反応生成物を常に含有し、これはデータによって裏付けられた。X100は、ジベンゾアートブレンドよりも揮発性であった。
【0115】
ジベンゾアートで可塑化されたビニル、および、実に、高溶媒和剤で可塑化されたビニルのすべては、汎用可塑化ビニルよりも熱安定性不良を示した。300は、極めて不良な熱安定性を有した。
【0116】
全体として、他の高溶媒和剤と比較して、ジベンゾアートは極めて良好に機能した。これは、特により新しい非フタラート型可塑剤であるN−アルキルピロリドン(300)と比較して当てはまった。
【0117】
例10−スプレッドコーティング開始配合物の性能
可塑剤を、表6に示したスプレッドコーティング開始配合物で評価した。図14は、配合物中の本発明のトリブレンドであるX20によって実証された優れたレオロジーおよび粘度を示す。図15は、X20について得られた優れたゲル/溶融特性を示す。
【0118】
図16は、DINP、DINPのDIHPとのブレンド、およびBBPと比較して、X100、X250およびX20と一緒のビニルの防汚性を示す。ベンゾアートのすべては、Oil Brown染料(歩行者汚染の指標)に対する優れた防汚性を示した。目視検査によって、X20で可塑化されたビニルは、ジベンゾアートの中で最も防汚性であるようにみえた。
【0119】
例11−プラスチゾルスクリーンインクの性能
評価した開始プラスチゾルスクリーンインクは、表7に示す。X20、X20とDINPの50:50ブレンド、DINP単独を、インク配合物中可塑剤として評価した。図17および18に示されるように、優れたレオロジオーおよび粘度がX20について得られた。X20についてのゲル/溶融特性も優れていた。ブレンド(X20およびDINP)は、同様に改善された特性を示し、高溶媒和剤X20が、汎用可塑剤の性能を増強したことを示す。
【0120】
上述のすべてに基づいて、本発明のジベンゾアートブレンドおよび新たなグレードのジ安息香酸グリコールは、ビニル用途用の高溶媒和剤として新たな選択肢を与えた。本来、ジ安息香酸エステルは、常に非フタラートであり、性能の証明された実績を有する使用に対して安全な製品である。それでも、新しいジベンゾアートのトリブレンドであるX20は、高溶媒和剤として良好な取扱い特性および優れた性能を示した。プラスチゾルレオロジーは、良好であり、X20で可塑化したビニルの防汚性は、利用できる汎用可塑剤およびジブレンドよりも優れていた。
【0121】
X250であるジブレンドは、ビニルにおいて効率的であった。
【0122】
X100であるジ安息香酸プロピレングリコールは、ビニルに対して優れた高溶媒和剤代替物を与えるが、本発明のトリブレンド、およびジブレンドよりはいくらか効率的でない。その高モジュラスは、一部の用途で有利であり得る。
【0123】
本発明のトリブレンドは、非フタラート系の高溶媒和剤可塑剤代替物として優れた選択肢であることが示された。それは、プラスチゾルにおける相溶性および加工性を改善するために他の低溶媒和性可塑剤とのブレンドで、または用途の要件に合わせるために様々な他の可塑剤とのブレンディング可塑剤としても使用され得る。
【0124】
例12−接着剤評価
新規なトリブレンドであるX20の性能を、確立された可塑剤に対して通常のラテックス系接着剤で評価した。評価した配合物は、以下を含んだ:
ポリマー:
ポリ酢酸ビニルホモポリマー、PVOH保護(PVAc)
ポリ酢酸ビニル/エチレンコポリマー、0℃Tg、PVOH保護(PVA/E)
可塑剤:
X20、本発明のジベンゾアートトリブレンド
市販のジ安息酸DEG/DPGのジブレンド(K−FLEX850S)
X100、PGDB
評価したPVAc中の可塑剤のレベルは、湿潤接着剤基準で5、10、15および20%であった。評価したPVA/E中の可塑剤のレベルは、湿潤接着剤基準で5、10および15%であった。VOC含量試験は、正味の可塑剤で行った。接着剤に関して、粘度応答および安定性、相溶性(乾燥膜)、水減少、レオロジー、セットおよびオープン時間、湿潤タック(レオロジー的決定)、Tおよび180°引き剥がし粘着力を行った。
【0125】
PVAcは、標準的な工業用接着剤ポリマーである。添加時に、可塑剤はポリマー中に取り込まれて、グルー(glue)の一部になる。可塑化グルーは、比較的低いガラス転移を有し、これは、より可撓性のPVAcポリマーをもたらし、グルーをより効率的にさせた。様々なレベルで得られたTgの結果を、図19および20に示す。PGDBは、本発明のトリブレンドのTg抑制と比較してTgの抑制にあまり効率的でなかった。本発明のトリブレンドのTg抑制は、そのPGDB含量を4:1のDEGDB/DPGDBジブレンドと組み合わせて考慮して予想されるよりも良好であった。本発明のトリブレンドのTg抑制は、市販のK−FLEX850Sによって達成されるものと同等であり、接着剤に用いられる実行可能な選択肢を与えた。
【0126】
得られた粘度結果を図21および22に示す。優れた粘度応答が、本発明のトリブレンドであるX20について示された。
【0127】
全体として、上記結果は、新たなジベンゾアートのトリブレンドが、典型的なラテックス系接着剤ポリマーと相溶性であり、同様に機能し、ある場合には、標準的なジベンゾアートの二元ブレンド(ジブレンド)よりも良好であることを示した。
【0128】
例13−オーバープリントワニス評価
本発明のトリブレンドを、グラフィックアート用途に有用な水性オーバープリントワニス(「OPV」)で評価した。この産業セグメントで用いられるポリマーの多くは、室温で非膜形成物である。その結果、膜を適当に形成するのに役立てて、これらの硬質ポリマーとの性能特性の十分な展開を保証するために、可塑剤および/または融合助剤が必要とされる。グラフィックアート産業で用いられる融合助剤は、典型的にはより揮発性のタイプであった。伝統的に、グリコールエーテル、フタル酸エステル(例えば、BBP)および安息香酸エステル(2−EHB)が、OPVのための可塑剤/融合助剤として用いられてきた。これらは十分に機能するが、VOC含量が問題である。古典的に、フタラート、例えば、DBPまたはBBPが、グラフィックアート産業で用いられてきたが、最近は代替物が求められている。
【0129】
この用途で用いられるポリマーとのその広範な相溶性に基づいて、本発明のトリブレンドは、他の通常の可塑剤または融合助剤と一緒に、OPV配合物において評価した。
【0130】
最初に、正味の可塑剤/融合助剤の揮発特性を決定した(データは示さず)。本発明のトリブレンドX20と、ジブレンドX250の両方は、モノイソ酪酸2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール(TMPDMB)(塗料および他のコーティングにおける最適の歴史的融合助剤)、BBP、2−EHB、およびいくつかのエーテル(ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノメチルエーテル)よりもあまり揮発性でないことを決定し、それを許容できる低VOC代替物とした。
【0131】
粘度応答、MFFTおよびケーニッヒ硬度の評価で用いた基本オーバープリントワニス配合物を、以下の表10に示し、これは、4%可塑剤/融合助剤の添加を反映する。
【表10】
【0132】
ベースエマルションの粘度応答は、試験した可塑剤/融合助剤の相溶性を示す。粘度データは、1日の老化で得た。4%可塑剤/融合助剤によるOPV粘度応答は、本発明のトリブレンドX20、およびジブレンドX250について予想された範囲であって、DEGDBと同等であった(100〜150mPaの範囲)。ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、およびジエチレングリコールモノメチルエーテルについての粘度応答は、より低かった。
【0133】
4%に代えて6%の融合助剤を有するOPV配合物中のジベンゾアートを選択する粘度応答も測定した。X−250とX−20のOPVの両方とも、250mPa’sの粘度を有し、これは、比較的低い添加レベル(2%の増加)が、これらの種類の可塑剤/融合助剤によってOPV粘度にかなりの影響を与えることを実証した。
【0134】
表11は、4%および6%の添加レベルを有する様々なOPV配合物のMFFT(最小膜形成温度)を列挙する。データは、配合物のすべてが室温条件で十分に膜を形成したことを示す。水溶性融合助剤型は、MFFT抑制により有効であった。MFFT低下が、エーテルよりジベンゾアートの場合いくらか少ないので、X20およびX250について6%湿量で負荷を有するOPVのMFFTも決定した。結果は、追加の2%未満の添加が、エーテルと同様のMFFT抑制結果を達成するために必要であることを示した。最もありそうには、この追加の量は、完全な性能特性の所望の進展を達成するためには必要でない。
【表11】
【0135】
揮発性融合助剤に代えて実際の可塑剤の使用に関する問題の一つは、パラメータ、例えば、乾燥時間に対する影響である。OPVの指触乾燥時間は、本発明のトリブレンドX20、ジブレンドX250、DEGDB、2−EHB、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノメチルエーテルについて決定した。揮発性および不揮発性可塑剤または融合助剤との間の指触乾燥までの時間の有意な差はないことが留意された。
【0136】
光沢値も、OPVについて決定し、本発明のトリブレンドX20、ジブレンドX250、DEGDB、2−EHB、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノメチルエーテルについて同様であることがわかった。
【0137】
図23は、本発明のトリブレンドX20、およびOPVで用いられる通常の融合助剤を含む、可塑剤で配合されたOPVについて得られたケーニッヒ硬度データを示す。可塑剤は、それらが、融合助剤よりも耐久性があり、したがって、そのままとどまり、膜を軟化し、性能不良をもたらすという考えに基づいて、OPVでの使用についてしばしば好ましく思われない。図23に示すように、ケーニッヒ硬度データは、この一般に抱かれている考えの誤りを立証した。6%可塑剤の膜(X20およびX250)は、他の融合助剤よりもいくらか軟らかいが、上のMFFTデータでわかるとおりに、それらは、過剰造膜されてしまったことがあり得る。4%可塑剤の膜はすべて、非常により揮発性の、造膜されたOPVと同様であった。
【0138】
全体として、OPV評価は、本発明のトリブレンドが、低い揮発性、良好な相溶性、ならびに同等の乾燥時間、光沢、および硬度を有し、したがって、OPV用途における代替物としての使用に適することを示した。
【0139】
特許法に従って、最良の形態および好ましい態様を示してきたが、本発明の範囲は、それらに限定されず、むしろ添付の特許請求の範囲によって限定される。
以下に、本願の発明の実施態様を付記する。
[1]可塑剤トリブレンド組成物であって、
前記トリブレンド組成物の総重量に基づいて、
a.約10重量%から約90重量%の範囲の量で存在するジ安息香酸ジエチレングリコール、
b.約1重量%から約50重量%の範囲の量で存在するジ安息香酸ジプロピレングリコール、および
c.約10重量%から約90重量%の範囲の量で存在するジ安息香酸1,2−プロピレングリコール
を含み、
前記トリブレンドが、低溶媒和性可塑剤の相溶性および加工性を改善するために、単独で一次可塑剤としてまたは特殊ブレンディング可塑剤としてのいずれかで有用である、可塑剤トリブレンド組成物。
[2]前記ジ安息香酸ジエチレングリコールが、少なくとも60重量%の量で存在し、
前記ジ安息香酸ジプロピレングリコールが、少なくとも約10重量%の量で存在し、
前記ジ安息香酸1,2−プロピレングリコールが、少なくとも約20重量%の量で存在する、[1]に記載の可塑剤トリブレンド組成物。
[3]前記ブレンドが、前記可塑剤トリブレンドの総重量に基づいて、80重量%のジ安息香酸ジエチレングリコールとジ安息香酸ジプロピレングリコールとの混合物であって、DEGDB対DPGDBの比が約4:1である混合物、および20重量%のジ安息香酸1,2−プロピレングリコールを含む、[1]に記載の可塑剤トリブレンド組成物。
[4]フタル酸エステル;リン酸エステル;アジパート、アゼラート、オレアート、およびセバケートの化合物;スクシナート;テレフタラート;1,2−シクロヘキサンジカルボキシラート;エポキシ可塑剤;脂肪酸エステル;グリコール誘導体;スルホンアミド;セルロースエステル;フェノール樹脂;アミノ樹脂;アミドおよびタンパク質プラスチック;炭化水素および炭化水素誘導体;モノベンゾアート;ジイソ酪酸2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール;ならびにそれらの混合物からなる群から選択される通常の可塑剤をさらに含む、[1]に記載の可塑剤トリブレンド。
[5]a.有機ポリマーの分散相;ならびに
b.ジ安息香酸ジエチレングリコール、ジ安息香酸ジプロピレングリコール、およびジ安息香酸1,2−プロピレングリコールを含む、液相の非フタラート系高溶媒和性可塑剤トリブレンド
を含むプラスチゾル組成物であって、
前記プラスチゾル組成物の加工粘度が、その成分の粘度と比較した場合に予想されるよりも良好であり且つ通常のジベンゾアートジブレンドで達成されるものと少なくとも同等であり、前記プラスチゾルが、フタラート系可塑剤と比較して優れた防汚性を有する、プラスチゾル組成物。
[6]
前記分散相中の有機ポリマーが、100重量部で存在し、
前記可塑剤トリブレンドが、ポリマーの100重量部につき、約1重量部から約300重量部で存在する、[5]に記載のプラスチゾル組成物。
[7]前記可塑剤トリブレンドが、ポリマーの100重量部につき、約70重量部で存在する、[6]に記載のプラスチゾル組成物。
[8]a.アクリル、ビニルアクリル、VAE、もしくはスチレン化アクリルポリマー、またはそれらの任意の組合せ、
b.請求項1に記載の可塑剤トリブレンド、
c.1種以上の通常のコーティング添加剤、および
d.任意に、通常の可塑剤または融合助剤
を含む、コーティング組成物。
[9]a.ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルエチレンコポリマー、またはそれらの混合物、
b.請求項1に記載の可塑剤トリブレンド、および
c.少なくとも1種の接着剤添加剤
を含む、接着剤組成物。
[10]ラテックス系ポリマー、[1]に記載の可塑剤、任意に賦形剤および少なくとも1種の通常のコーキング材またはシーラント添加剤を含む、コーキング材またはシーラント。
[11][1]に記載の可塑剤を含む、プラスチゾルスクリーンインク組成物。
[12][1]に記載の可塑剤を含む、グラフィックアート用途に使用するためのオーバープリントワニス。
[13]a.ジ安息香酸ジエチレングリコールと、ジ安息香酸ジプロピレングリコールと、ジ安息香酸1,2−プロピレングリコールとを一緒にブレンドして、可塑剤トリブレンドを形成する工程、および
b.前記可塑剤トリブレンド中にPVCまたはアクリルポリマーを分散させる工程
を含む、プラスチゾル組成物を調製する方法。
図1
図1A
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23