(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
鬱病、疼痛、精神病、パーキンソン病、統合失調症、不安症又は注意欠陥多動障害(ADHD)の処置のための医薬の製造のための、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物の使用。
【技術分野】
【0001】
本発明は、式:
【化1】
[式中、
R
1は、
【化2】
であるか、あるいはフェニル、ピリジニル又はピリダジニルであり、ここでフェニル、ピリジニル及びピリダジニルは、シアノ、低級アルキル、ハロゲン置換フェニル、低級アルキル置換[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルで、又は2−オキソ−ピペリジン−1−イルで場合により置換されていてよく;
Xは、NR又はOであり;
Rは、−C(O)−低級アルキル、低級アルキルで置換されている−C(O)−シクロアルキル、シクロアルキルであるか、あるいはフェニル、ピリジニル又はピリダジニルであり、ここでフェニル、ピリジニル及びピリダジニルは、低級アルキル、低級アルコキシ、シアノ、−C(O)−低級アルキル、ハロゲン又はハロゲンで置換されている低級アルキルで場合により置換されていてよく;
R
2は、水素又は低級アルキルであり;
R
3は、水素、ハロゲン、シアノ、低級アルキル又はハロゲンで置換されている低級アルキルであり;
R
4は、水素又は低級アルキルであり;ここでR
2及びR
4は、同時に水素又は低級アルキルであることはなく;
R
5は、低級アルキルであり;
R
6は、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンで置換されている低級アルキル、S(O)
2−低級アルキル又はシアノである]で示される化合物又はその薬学的に適切な酸付加塩に関する。
【0002】
本発明は、すべてのラセミ体混合物、すべてのそれらの対応するエナンチオマー及び/又は光学異性体を包含する。加えて、式Iで示される化合物のすべての互変異性型も本発明に包含される。
【0003】
本発明の化合物は、鬱病、疼痛、精神病、パーキンソン病、統合失調症、不安症及び注意欠陥多動障害(ADHD)の処置のための、高い可能性を持ったNK−3受容体アンタゴニストであることが見出された。
【0004】
三つの主要な哺乳動物のタキキニンである、サブスタンスP(SP)、ニューロキニンA(NKA)及びニューロキニンB(NKB)は、Phe−X−Gly−Leu−Met−NH
2という共通のCOOH−末端ペンタペプチド配列を共有する神経ペプチドのファミリーに属する。神経伝達物質として、これらのペプチドは、NK−1、NK−2及びNK−3と称される、三種の異なるニューロキニン(NK)受容体を介して、その生物学的活性を発揮する。SPはNK−1受容体に、NKAはNK−2に、そしてNKBはNK−3受容体に優先的に結合する。
【0005】
NK−3受容体は、CNSにおける顕著な発現を特徴とし、中枢性モノアミン作動系の調節への関与が示されている。これらの性質は、NK−3受容体を、中枢神経系障害、例えば不安症、鬱病、双極性障害、パーキンソン病、統合失調症及び疼痛に関する潜在的標的にしている(Neurosci. Letters, 2000, 283, 185 -188; Exp. Opin. Ther. Patents 2000, 10, 939-960; Neuroscience, 1996, 74, 403-414; Neuropeptides, 1998, 32, 481-488)。
【0006】
統合失調症は、重度で慢性的な精神障害を特徴とする、主要な精神神経障害の一種である。この重篤な疾患は、世界の人口の約1%が罹患している。症状は、成人早期に始まり、それに対人及び社会的機能障害の期間が続く。統合失調症は、幻聴及び幻視、パラノイア、妄想(陽性症状)、感情鈍麻、抑うつ、快感消失、会話の貧困、記憶及び注意の欠損並びに引きこもり(陰性症状)として現れる。
【0007】
数十年の間、科学者及び臨床家は、統合失調症の薬理学的処置のための理想的な薬剤の発見を目指して努力してきた。しかしながら、多様な症状が原因となるこの障害の複雑さが、それらの努力を妨げてきた。統合失調症の診断のための具体的な重要特性はなく、すべての患者に一貫して存在する単一症状はない。結果として、単一の障害としての、又は多様な異なる障害としての統合失調症の診断が議論されてきたが、未だ解決していない。統合失調症のための新薬開発における主な困難は、この疾患の原因及び性質に関する知識の欠如である。幾つかの神経化学的仮説、すなわちドーパミン、セロトニン及びグルタミン酸仮説が、薬理学的研究に基づいて提唱され、対応する治療法の開発が合理的に説明された。しかし、統合失調症の複雑さを考慮すると、陽性及び陰性の兆候及び症状に対して有効であるためには、適切な多受容体親和性プロファイルが必要とされるであろう。さらに、統合失調症患者のアドヒアランス(服薬遵守)が低いことから、統合失調症に対する理想的な薬物は、好ましくは1日1回の投薬を可能にする低投薬量を有するであろう。
【0008】
近年、選択的NK1及びNK2受容体アンタゴニストを用いた臨床研究が文献に発表され、その研究は、嘔吐、鬱病、不安症、疼痛及び偏頭痛(NK1)並びに喘息(NK2及びNK1)の処置に関する結果を示した。最も興味を引くデータは、NK1受容体アンタゴニストを用いた化学療法誘発性嘔吐、悪心及び鬱病の処置、並びにNK2受容体アンタゴニストを用いた喘息の処置で示された。対照的に、NK3受容体アンタゴニストに関する臨床データは、2000年までの文献には見られない。Sanofi-Synthelaboのオサネタント(SR142,801)は、統合失調症の有力な処置のための、NK3タキキニン受容体に関して記載された、最初に同定された強力で選択的な非ペプチド性アンタゴニストであり、これは文献(Current Opinion in Investigational Drugs, 2001,2(7), 950-956及びPsychiatric Disorders Study 4, Schizophrenia, June 2003, Decision Recources, Inc., Waltham, Massachusetts)に報告された。提案された薬物SR142,801は、第II相試験において、統合失調症の陽性症状、例えば行動の変化、妄想、幻覚、極端な感情、運動活動の興奮及び支離滅裂な言葉に活性であるが、陰性症状(抑うつ、快感消失、社会的隔離又は記憶及び注意欠損)の処置には不活性であることが示された。
【0009】
ニューロキニン−3受容体アンタゴニストは、疼痛又は炎症及び統合失調症に有用であると記載された(Exp. Opinion.Ther. Patents (2000), 10(6), 939-960及びCurrent Opinion in Investigational Drugs, 2001, 2(7), 950-956及びPsychiatric Disorders Study 4, Schizophrenia, June 2003, Decision Recources, Inc., Waltham, Massachusetts)。
【0010】
本発明の目的は、新規な式(I)で示される化合物、それらの調製、本発明に従う化合物に基づく医薬及びその製造、並びに、疾患、例えば鬱病、疼痛、双極性障害、精神病、パーキンソン病、統合失調症、不安症及び注意欠陥多動性障害(ADHD)の制御又は予防における、式(I)で示される化合物の使用である。
【0011】
本発明の化合物を用いる好適な適応症は、鬱病、精神病、パーキンソン病、統合失調症、不安症及び注意欠陥多動障害(ADHD)である。
【0012】
本明細書で用いる、用語「低級アルキル」は、1〜7個の炭素原子を含有する、飽和直鎖又は分岐鎖の基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、2−ブチル、t−ブチル等を表す。好適なアルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する基である。
【0013】
本明細書で用いる、用語「低級アルコキシ」は、アルキル残基が、先に定義したとおりであり、そしてそれが、酸素原子を介して結合している基を表す。
【0014】
本明細書で用いる、用語「ハロゲンで置換されている低級アルキル」は、少なくとも1個の水素原子が、ハロゲンで置き換えられている、例えばCF
3、CHF
2、CH
2F、CH
2CF
3、CH
2CH
2CF
3、CH
2CF
2CF
3等、先に定義したとおりのアルキル基を表す。
【0015】
用語「ハロゲン」は、塩素、ヨウ素、フッ素及び臭素を表す。
【0016】
用語「シクロアルキル」は、3〜6個の炭素環原子を含有するアルキレン環である。
【0017】
用語「薬剤学的に許容しうる酸付加塩」は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のような、無機及び有機酸との塩を包含する。
【0018】
本発明の一実施態様は、R
3及びR
6がハロゲンである、化合物である。
【0019】
本発明のさらなる実施態様は、R
4がメチルであり、そしてR
2が水素である化合物であり、例えば下記の化合物である:
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−シクロヘキシル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(4−シアノ−ベンゾイル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−1−(1−アセチル−ピペリジン−4−カルボニル)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−(6−メチル−ピリダジン−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−{(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−[1−(1−メチル−シクロプロパンカルボニル)−ピペリジン−4−カルボニル]−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−(5’−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−シアノ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−{(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−[1−(4−シアノ−フェニル)−ピペリジン−4−カルボニル]−3−メチル−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−1−(5’−アセチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−フルオロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−クロロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(6−シアノ−ピリジン−3−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−(5’−トリフルオロメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(4’−フルオロ−ビフェニル−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−{(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−[4−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−ベンゾイル]−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(6’−シアノ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,3’]ビピリジニル−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−{(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−[1−(6−メトキシ−ピリダジン−3−イル)−ピペリジン−4−カルボニル]−3−メチル−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−{(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−[4−(2−オキソ−ピペリジン−1−イル)−ベンゾイル]−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル。
【0020】
本発明のさらなる実施態様は、R
4が水素であり、そしてR
2がメチルである化合物、例えば、下記の化合物である:
rac−{(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−1−[1−(1−メチル−シクロプロパンカルボニル)−ピペリジン−4−カルボニル]−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−{(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−[1−(4−シアノ−フェニル)−ピペリジン−4−カルボニル]−4−メチル−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−フルオロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−シクロヘキシル−ピペリジン−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(4−シアノ−ベンゾイル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−1−(1−アセチル−ピペリジン−4−カルボニル)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−1−(5’−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−シアノ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−1−(5’−アセチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−クロロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−1−(5’−トリフルオロメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(6’−シアノ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,3’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−{(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−[1−(6−メトキシ−ピリダジン−3−イル)−ピペリジン−4−カルボニル]−4−メチル−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−{(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−1−[4−(2−オキソ−ピペリジン−1−イル)−ベンゾイル]−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル。
【0021】
本発明のさらなる一つの実施態様 は、式Ia:
【化3】
[式中、
Xは、NR又はOであり;
Rは、−C(O)−低級アルキル、低級アルキルで置換されている−C(O)−シクロアルキル、シクロアルキルであるか、あるいはフェニル、ピリジニル又はピリダジニルであり、ここでフェニル、ピリジニル及びピリダジニルは、低級アルキル、低級アルコキシ、シアノ、−C(O)−低級アルキル、ハロゲン又はハロゲンで置換されている低級アルキルで場合により置換されていてよく;
R
2は、水素又は低級アルキルであり;
R
3は、水素、ハロゲン、シアノ、低級アルキル又はハロゲンで置換されている低級アルキルであり;
R
4は、水素又は低級アルキルであり;ここでR
2及びR
4は、同時に水素又は低級アルキルであることはなく;
R
5は、低級アルキルであり;
R
6は、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンで置換されている低級アルキル、S(O)
2−低級アルキル又はシアノである]で示される化合物又はその薬学的に適切な酸付加塩である。
【0022】
この化合物の群の実施態様は、XがNRであるそれら、例えば下記の化合物である:
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−シクロヘキシル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−1−(1−アセチル−ピペリジン−4−カルボニル)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−{(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−[1−(1−メチル−シクロプロパンカルボニル)−ピペリジン−4−カルボニル]−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−(5’−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−シアノ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−{(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−[1−(4−シアノ−フェニル)−ピペリジン−4−カルボニル]−3−メチル−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−1−(5’−アセチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−フルオロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−クロロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−(5’−トリフルオロメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(6’−シアノ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,3’]ビピリジニル−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−{(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−[1−(6−メトキシ−ピリダジン−3−イル)−ピペリジン−4−カルボニル]−3−メチル−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−{(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−1−[1−(1−メチル−シクロプロパンカルボニル)−ピペリジン−4−カルボニル]−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−{(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−[1−(4−シアノ−フェニル)−ピペリジン−4−カルボニル]−4−メチル−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−フルオロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−シクロヘキシル−ピペリジン−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−1−(1−アセチル−ピペリジン−4−カルボニル)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−1−(5’−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−シアノ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−1−(5’−アセチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−クロロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−1−(5’−トリフルオロメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(6’−シアノ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,3’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル又は
rac−{(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−[1−(6−メトキシ−ピリダジン−3−イル)−ピペリジン−4−カルボニル]−4−メチル−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル.
【0023】
式Iaで示される化合物のさらなる実施態様は、XがOであるそれら、例えば下記化合物である。
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル又は
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル。
【0024】
本発明のさらなる実施態様は、式Ib:
【化4】
[式中、
R
1は、フェニル、ピリジニル又はピリダジニルであり、ここでフェニル、ピリジニル及びピリダジニルは、シアノ、低級アルキル、ハロゲン置換フェニル、低級アルキル置換[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルで、又は2−オキソ−ピペリジン−1−イルで場合により置換されていてよく;
R
2は、水素又は低級アルキルであり;
R
3は、水素、ハロゲン、シアノ、低級アルキル又はハロゲンで置換されている低級アルキルであり;
R
4は、水素又は低級アルキルであり;ここでR
2及びR
4は、同時に水素又は低級アルキルであることはなく;
R
5は、低級アルキルであり;
R
6は、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンで置換されている低級アルキル、S(O)
2−低級アルキル又はシアノである]で示される化合物;又はその薬学的に適切な酸付加塩である。
【0025】
式Ibからの化合物の群は、例えば、下記化合物である。
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(4−シアノ−ベンゾイル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−(6−メチル−ピリダジン−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(6−シアノ−ピリジン−3−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(4’−フルオロ−ビフェニル−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−{(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−[4−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−ベンゾイル]−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−{(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−[4−(2−オキソ−ピペリジン−1−イル)−ベンゾイル]−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(4−シアノ−ベンゾイル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル又は
rac−{(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−1−[4−(2−オキソ−ピペリジン−1−イル)−ベンゾイル]−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル。
【0026】
式Iで示される本発明の化合物及びそれらの薬学的に許容しうる塩は、当技術分野で公知の方法、例えば、以下に記載する方法であって、
式:
【化5】
の化合物を常法で脱保護し、そして、式:
【化6】
の化合物とカップリングして、式:
【化7】
の化合物を得ること、
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6の定義は、上記のとおりである]、そして、所望であれば、得られた化合物を薬学的に許容しうる酸付加塩に変換することを含む方法により調製することができる。
【0027】
本発明の式Iで示される化合物の調製は、逐次合成又は合流型合成経路で実施できる。本発明で示される化合物の合成を、下記スキーム1及び具体的な化合物1〜36の調製に関する記載に示す。反応を実施し、そして得られた生成物の精製を行うために必要な技能は、当業者に公知である。下記の方法の記載において使用する置換基及び指数は、反する指示がない限り、先に与えた意味を有する。
【0028】
一般的実験の部
【化8】
式中、R
1〜R
6は、先に定義したとおりであり、R’’は、Me、Et等(任意の適切なエステル官能性)である。
【0029】
下記スキーム1は、式Iで示される化合物の調製方法をより詳細に記載する。式IIの出発材料は、公知の化合物であるか、又は当技術分野で公知の方法により調製しうる。
【0030】
スキーム1に従って、3,4−二置換ピロリジンIIIを、触媒量の酸(例えば、TFA)の存在下、不飽和のエステル誘導体IIとN−(メトキシメチル)−N−(フェニルメチル)−N−(トリメチルシリル)メチルアミンからインサイチュで生成したアゾメチンイリドとの立体特異的な1,3−双極子付加環化を経て調製した。標準条件(例えばtert−ブタノール中のジフェニルホスホリルアジド(diphenylphosphoryl azide))を用いて、遊離酸(liberated acid)のクルチウス転位を行い、それぞれのBoc保護アミンを得た。これは、塩基(例えば、NEt
3又はNaH)の存在下、アルキルハライドを用いて、遊離NH位置で都合よくアルキル化される。続いて、Boc−保護基を、酸(例えば、TFA又はHCl)を用いた酸性条件下で切断する。アミノ部分を、イソシアナート又はそれぞれ当量のホスゲン及びそれぞれのアルコール又はアミンを用いて、それぞれのピロリジン誘導体IVへと変換する。次に、芳香族環の置換パターンに対応する幾つかの公知の手順を用いて、選択的N−脱ベンジルを行い、遊離ピロリジンを得る。最後に、適切な酸塩化物又はカルボン酸とのカップリングを経て、誘導体Iを調製する。
【0031】
式Iで示される化合物及びそれらの薬学的に使用可能な付加塩は、有益な薬理学的特性を有する。具体的には、本発明の化合物は、NK3受容体に対して良好な親和性を有するということが見出された。
【0032】
本化合物を、以下に記載する試験に従って調べた。
【0033】
[
3H]SR142801競合結合アッセイ
[
3H]SR142801(カタログ番号TRK1035、比活性:74.0Ci/mmol、Amersham、GE Healthcare UK limited、Buckinghamshire、UK)及び組換えヒトNK3受容体を一過性発現するHEK293細胞から単離した膜を用いて、hNK3受容体結合実験を行った。解凍後、膜破砕物を、4℃で10分間、48,000×gで遠心分離し、ペレットを、50mMのTris−HCl、4mMのMnCl
2、1μMのホスホラミドン、0.1%BSA結合緩衝液(pH7.4)に再懸濁し、最終アッセイ濃度を5μgタンパク質/ウェルにした。阻害実験のために、膜を、放射性リガンドのK
D値に等しい濃度の[
3H]SR142801と10種の濃度の阻害化合物(0.0003〜10μM)(全反応体積500μl)と、室温(RT)で75分間インキュベートした。インキュベートの終了時に、膜を、Filtermate196ハーベスター(Packard BioScience)を用いて、ユニフィルター(0.3%PEI+0.3%BSAで1時間プレインキュベートした、GF/Cフィルター付きの96穴白色マイクロプレート、Packard BioScience、Meriden、CT)上に濾過し、そして氷冷した50mMのTris−HCl(pH7.4)緩衝液で4回洗浄した。両方の放射性リガンドに対して、非特異的結合を10μMのSB222200の存在下で測定した。45μlのマイクロシント40(Canberra Packard S.A., Zurich, Switzerland)を添加し、1時間振とうした後、フィルター上の放射活性をクエンチング補正してPackard Top-countマイクロプレートシンチレーションカウンターで計測した(5分間)。Hill式:y=100/(1+(x/IC
50)
nH)(式中、n
H=傾斜係数)に従い、Excel-fit 4 software(Microsoft)を使用して阻害曲線を適合させた。IC
50値を阻害曲線から誘導し、Cheng-Prussoff式:K
i=IC
50/(1+[L]/K
D)(式中、[L]は、放射性リガンドの濃度であり、K
Dは、飽和等温線から誘導された受容体での解離定数である)を用いて、親和定数(K
i)値を算出した。すべての実験を二重反復で実施し、個々のK
i値の平均値±標準偏差(SEM)を算出した。
【0034】
良好なhNK−3受容体親和性を有する化合物の結果を、以下の表1に示す。
【表1】
【0035】
式Iで示される化合物並びにその薬学的に使用可能な酸付加塩を、医薬として、例えば、医薬製剤の形態で使用することができる。医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質及び軟質ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で経口投与することができる。しかし、投与は、また、例えば、坐剤の剤形で直腸内に、あるいは、例えば、注射剤の剤形で非経口的に行うこともできる。
【0036】
式Iで示される化合物及びその薬学的に使用可能な酸付加塩は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬質ゼラチンカプセル剤の製造のために、薬学的に不活性な無機又は有機賦形剤と共に製剤化することができる。ラクトース、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等を、例えば、錠剤、糖衣錠及び硬質ゼラチンカプセル剤等のための賦形剤として使用することができる。
【0037】
軟質ゼラチンカプセル剤のための適切な賦形剤は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオール等である。
【0038】
液剤及びシロップ剤を製造するための適切な賦形剤は、例えば、水、ポリオール、サッカロース、転化糖、グルコース等である。
【0039】
注射剤のための適切な賦形剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等である。
【0040】
坐剤のための適切な賦形剤は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体ポリオール等である。
【0041】
さらに、本医薬製剤は、防腐剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、香味料、浸透圧を変えるための塩類、緩衝液、マスキング剤又は抗酸化剤を含有することができる。これらは、その他の治療上有益な物質もさらに含有することができる。
【0042】
投与量は、広い範囲で変更することができ、当然、それぞれの特定の症例ごとに個々の要件に適合されるであろう。一般的に、経口投与の場合、一般式Iの化合物の、1人当たり約10〜1000mgの1日投与量が適切であるが、必要であれば上記の上限を超えてもよい。
【0043】
実施例A
常法で下記組成の錠剤を製造する:
mg/錠剤
活性物質 5
乳糖 45
トウモロコシデンプン 15
微結晶性セルロース 34
ステアリン酸マグネシウム 1
錠剤重量 100
【0044】
実施例B
下記組成のカプセル剤を製造する:
以下の組成のカプセル剤を製造する:
mg/カプセル
活性物質 10
乳糖 155
トウモロコシデンプン 30
タルク 5
カプセル充填重量 200
【0045】
活性物質、ラクトース及びトウモロコシデンプンを、最初にミキサーで、次に、微粉砕機で混合する。混合物をミキサーに戻し、そこにタルクを添加して十分に混合する。混合物を、機械で硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0046】
実施例C
下記組成の坐剤を製造する:
実施例C
以下の組成の坐剤を製造する:
mg/坐剤
活性物質 15
坐剤用錬剤 1285
合計 1300
【0047】
坐剤用練剤を、ガラス又はスチール容器で溶融し、十分に混合して45℃に冷却する。その後、微粉末の活性物質をそこに添加し、完全に分散するまで撹拌する。混合物を適切なサイズの坐剤用鋳型に注いで、放冷した後、坐剤を鋳型から取り出し、パラフィン紙又は金属箔で個別に包装する。
【0048】
以下の実施例1〜36は、本発明を例示するが、限定するものではない。温度は、すべて摂氏で示される。
【0049】
実施例1
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化9】
a) rac−(3R,4R)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−ピロリジン−3−カルボン酸メチルエステル
【化10】
DCM 100mL中の(E)−メチル3−(4−クロロフェニル)−2−メチルアクリラート(新たに蒸留した)8.8g(41.8mmol)、TFA 0.476g(4.18mmol)及びN−(メトキシメチル)−N−(トリメチルシリルメチル)ベンジルアミン 12.4g(52.2mmol)の混合物を、0〜5℃で1時間、さらに室温で撹拌した。NEt
3を加え、そして混合物を濃縮した。残留物を、酢酸エチル及びヘプタンから形成される勾配により溶離するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、生成物を含有する画分の蒸発後、標記化合物7.55g(53%)を無色の油状物として得た。MS m/e: 344.1 [M+H]
+。
【0050】
b) rac−(3R,4R)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−ピロリジン−3−カルボン酸
【化11】
THF 80mL中のrac−(3R,4R)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−ピロリジン−3−カルボン酸メチルエステル 7.7g(22.4mmol)及びLiOH
.H
2O 1.41g(22.4mmol)、水80mL及びメタノール8mLの混合物を、一晩還流加熱した。有機溶媒を真空下で除去し、そしてHCl水溶液(1N)を加えることにより、pHを4〜5に調整した。混合物を、酢酸エチル/THF(2:1)で抽出し、そして合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾取し、そして蒸発乾固した。残留物を乾燥させて、標記化合物7.2g(97%)を淡褐色の泡状物として得た。MS m/e: 328.3 [M+H]
+。
【0051】
c) rac−[(3R,4S)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化12】
tert−ブタノール120mL中のrac−(3R,4R)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−ピロリジン−3−カルボン酸 5.6g(17mmol)、DIPEA 2.4g(18.7mmol)及びジフェニルホスホリルアジド 5.14g(18.7mmol)の混合物を、一晩還流加熱した。混合物を真空下で濃縮し、ヘプタン及び酢酸エチルから形成される勾配で溶離するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、生成物を含有する画分を蒸発させた後、標記化合物4.63g(68%)を、黄色の粘性油状物として得た。MS m/e: 401.3 [M+H]
+。
【0052】
d) rac−[(3R,4S)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化13】
DMSO 80mL中のrac−tert−ブチル(3R,4S)−1−ベンジル−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イルカルバマート 2.49g(6.21mmol)、カリウムtert−ブトキシド 0.836g(7.45mmol)及び硫酸ジメチル0.98g(7.76mmol)の混合物を、室温で1時間撹拌した。混合物を氷水に注ぎ、そしてTBMEで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾取し、そして蒸発乾固した。残留物を、DCM 40mLに溶解し、そしてTFA 7.68g(67.3mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、そして氷水を加えた。pHを12に調整し、そして有機層をブラインで洗浄した。水層を、DCMで抽出し、そして合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濾取し、そして蒸発乾固した。残留物を、DCM 40mL及びDIPEA 1.04g(8.08mmol)に溶解し、そして−15℃で、4−フルオロフェニルクロロホルマート 1.29g(7.41mmol)を加えた。混合物を2時間にわたり、0℃に撹拌し、そして真空下で濃縮した。残留物を、ヘプタン及び酢酸エチルの勾配で溶離するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、生成物を含有する画分を蒸発させた後、標記化合物1.68g(59%)を、淡褐色の粘性油状物として得た。MS m/e: 453.1 [M+H]
+。
【0053】
e) rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化14】
トルエン40mL中のrac−[(3R,4S)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル 1.65g(3.64mmol)、DIPEA 0.75g(5.83mmol)及び1−クロロエチルクロロホルマート 0.78g(5.46mmol)の混合物を、室温で撹拌し、そして蒸発乾固した。残留物を、40mLメタノールに溶かし、そして室温で2時間撹拌し、蒸発乾固して、粗標記化合物を得て、これをさらに精製することなく次の工程で用いた。
【0054】
f) rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
DMF 2mL中のrac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート34mg(0.093mmol)、1−イソブチリルピペリジン−4−カルボン酸14.9mg(0.075mmol)、HATU 34.2(0.09mmol)及びDIPEA 58mg(0.45mmol)の混合物を、室温で3時間振とうした。混合物を、アセトニトリル、水及びNEt
3から形成される勾配で溶離する逆相分取HPLCによる精製に付し、生成物を含有する画分を蒸発させた後、標記化合物26.8(66%)を、淡黄色の粘性油状物として得た。MS m/e: 544.2 [M+H]
+。
【0055】
実施例2
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−シクロヘキシル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化15】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び1−シクロヘキシルピペリジン−4−カルボン酸から、黄色の粘性油状物として調製した。MS m/e: 556.3 [M+H]
+。
【0056】
実施例3
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(4−シアノ−ベンゾイル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化16】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び4−シアノ安息香酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 492.2 [M+H]
+。
【0057】
実施例4
rac−[(3R,4S)−1−(1−アセチル−ピペリジン−4−カルボニル)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化17】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び1−アセチルピペリジン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 516.2 [M+H]
+。
【0058】
実施例5
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化18】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及びテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 475.2 [M+H]
+。
【0059】
実施例6
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−(6−メチル−ピリダジン−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化19】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び6−メチルピリダジン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 483.4 [M+H]
+。
【0060】
実施例7
rac−{(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−[1−(1−メチル−シクロプロパンカルボニル)−ピペリジン−4−カルボニル]−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化20】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び1−(1−メチルシクロプロパンカルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 556.3 [M+H]
+。
【0061】
実施例8
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−(5’−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化21】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び1−(5−メチルピリジン−2−イル)ピペリジン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 565.3 [M+H]
+。
【0062】
実施例9
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−シアノ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化22】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び1−(5−シアノピリジン−2−イル)ピペリジン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 576.3 [M+H]
+。
【0063】
実施例10
rac−{(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−[1−(4−シアノ−フェニル)−ピペリジン−4−カルボニル]−3−メチル−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化23】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び1−(4−シアノフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 575.4 [M+H]
+。
【0064】
実施例11
rac−[(3R,4S)−1−(5’−アセチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化24】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び1−(5−アセチルピリジン−2−イル)ピペリジン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 593.5 [M+H]
+。
【0065】
実施例12
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−フルオロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化25】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び1−(5−フルオロピリジン−2−イル)ピペリジン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 569.3 [M+H]
+。
【0066】
実施例13
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−クロロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化26】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び1−(5−クロロピリジン−2−イル)ピペリジン−4−カルボン酸から、黄色の粘性油状物として調製した。MS m/e: 585.2 [M+H]
+。
【0067】
実施例14
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(6−シアノ−ピリジン−3−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化27】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び6−シアノニコチン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 493.2 [M+H]
+。
【0068】
実施例15
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−(5’−トリフルオロメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化28】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び1−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 619.3 [M+H]
+。
【0069】
実施例16
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(4’−フルオロ−ビフェニル−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化29】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び4’−フルオロビフェニル−4−カルボン酸から、黄色の粘性油状物として調製した。MS m/e: 561.3 [M+H]
+。
【0070】
実施例17
rac−{(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−[4−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−ベンゾイル]−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化30】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)安息香酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 549.3 [M+H]
+。
【0071】
実施例18
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(6’−シアノ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,3’]ビピリジニル−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化31】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び6’−シアノ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,3’]ビピリジニル−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 576.3 [M+H]
+。
【0072】
実施例19
rac−{(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−[1−(6−メトキシ−ピリダジン−3−イル)−ピペリジン−4−カルボニル]−3−メチル−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化32】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び1−(6−メトキシピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 582.2 [M+H]
+。
【0073】
実施例20
rac−{(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−1−[4−(2−オキソ−ピペリジン−1−イル)−ベンゾイル]−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化33】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−4−フルオロフェニル(3R,4S)−4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピロリジン−3−イル(メチル)カルバマート及び4−(2−オキソピペリジン−1−イル)安息香酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 564.3 [M+H]
+。
【0074】
実施例21
rac−{(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−1−[1−(1−メチル−シクロプロパンカルボニル)−ピペリジン−4−カルボニル]−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化34】
a) rac−(3S,4R)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−カルボン酸メチルエステル
【化35】
DCM30mL中の(E)−メチル3−(4−クロロフェニル)ブタ−2−エノアート(Organic Letters 2008, 2131-2134)11.7g(55.5mmol)、N−(メトキシメチル)−N−(トリメチルシリルメチル)ベンジルアミン 16.5g(69.4mmol)及びTFA 0.63g(5.5mmol)を、0〜5℃で1時間、次いで室温で一晩撹拌した。混合物をNEt
3で中和し、そして蒸発させた。残留物を、isoluteの上に取り、そして酢酸エチル及びヘプタンから形成される勾配により溶離するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含有する画分を蒸発させた後、標記化合物9.6g(50%)を無色の油状物として単離した。MS m/e: 344.1 [M+H]
+。
【0075】
b) rac−(3S,4R)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−カルボン酸
【化36】
THF 50mL/水 50mL及びメタノール5mL中の、rac−(3S,4R)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−カルボン酸メチルエステル9.56g(27.8mmol)及びLiOH
.H
2O 3.5g(83.4mmol)の混合物を、還流まで加熱し、そして一晩撹拌した。有機溶媒を真空下で除去し、そして水相を1N HCl水溶液でpH=4〜5に調整した。残留物から水をデカントして除去し、そしてTHFを加えた。混合物を酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで洗浄した。水層を、酢酸エチル/THF(1:1)で逆抽出し、そして有機層を蒸発させて、標記化合物8.9g(97%)を、オフホワイトの固体として得た。MS m/e: 328.3 [M-H]。
【0076】
c) rac−[(3S,4R)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化37】
tert−ブタノール80mL中の、rac−(3S,4R)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−カルボン酸4.9g(14.9mmol)、ジフェニルホスホリルアジド4.5g(16.3mmol)及びDIPEA 2.1g(16.3mmol)の混合物を、一晩還流加熱した。混合物を濃縮し、isoluteの上に取り、そしてヘプタン及び酢酸エチルから形成される勾配で溶離するシリカクロマトグラフィーによる精製に付して、生成物を含有する画分を蒸発させた後、標記化合物3.8g(64%)を、淡黄色の粘性油状物として得た。MS m/e: 401.4 [M+H]
+。
【0077】
d) rac−[(3S,4R)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−アミン
【化38】
DMSO 40mL中のrac−[(3S,4R)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル2g(4.99mmol)、カリウムtert−ブトキシド0.67g(5.99mmol)及び硫酸ジメチル0.786(6.24mmol)の混合物を、室温で1時間撹拌した。混合物をNaOH(1N)を含有する氷水に注ぎ、そしてTBMEで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。残留物を、DCM 30mLに溶解し、TFA5.69g(49.9mmol)を加え、そして混合物を室温で15時間撹拌した。氷水を加え、そしてpHをNaOH水溶液で12に調整し、そして15分撹拌した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、そして水層を、DCMで抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。残留物を、isoluteの上に取り、そしてDCM、メタノール及びNEt
3から形成される勾配で溶離するシリカクロマトグラフィーによる精製に付し、生成物を含有する画分を蒸発させた後、標記化合物0.83g(53%)を、淡黄色の油状物として得た。MS m/e: 315.1 [M+H]
+。
【0078】
e) rac−[(3S,4R)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化39】
rac−[(3R,4S)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程d)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−アミン及び4−フルオロフェニルクロロカルバマートから、無色の粘性油状物として調製した。MS m/e: 452.3 [M+H]
+。
【0079】
f) rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化40】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程e)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−1−ベンジル−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステルから、1−クロロギ酸クロロエチル/メタノールでの保護基の開裂を経て調製し、そしてさらに精製することなく続く工程において用いた。
【0080】
g) rac−{(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−1−[1−(1−メチル−シクロプロパンカルボニル)−ピペリジン−4−カルボニル]−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル及び4−(1−メチルシクロプロパンカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 556.2 [M+H]
+。
【0081】
実施例22
rac−{(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−[1−(4−シアノ−フェニル)−ピペリジン−4−カルボニル]−4−メチル−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化41】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル及び1−(4−シアノフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 575.3 [M+H]
+。
【0082】
実施例23
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−フルオロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化42】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル及び1−(5−フルオロピリジン−2−イル)ピペリジン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 569.2 [M+H]
+。
【0083】
実施例24
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化43】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル及び1−イソブチリルピペリジン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 544.2 [M+H]
+。
【0084】
実施例25
[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−シクロヘキシル−ピペリジン−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化44】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル及び1−シクロヘキシルピペリジン−4−カルボン酸から、淡黄色の粘性油状物として調製した。MS m/e: 556.3 [M+H]
+。
【0085】
実施例26
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(4−シアノ−ベンゾイル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化45】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル及び4−シアノ安息香酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 492.2 [M+H]
+。
【0086】
実施例27
rac−[(3S,4R)−1−(1−アセチル−ピペリジン−4−カルボニル)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化46】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル及び1−アセチルピペリジン−4−カルボン酸から、黄色の粘性油状物として調製した。MS m/e: 516.2 [M+H]
+。
【0087】
実施例28
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化47】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル及びテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 475.2 [M+H]
+。
【0088】
実施例29
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−1−(5’−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化48】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル及び1−(5−メチルピリジン−2−イル)ピペリジン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 565.5 [M+H]
+。
【0089】
実施例30
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−シアノ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化49】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル及び1−(5−シアノピリジン−2−イル)ピペリジン−4−カルボン酸から、黄色の粘性油状物として調製した。MS m/e: 576.3 [M+H]
+。
【0090】
実施例31
rac−[(3S,4R)−1−(5’−アセチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化50】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル及び1−(5−アセチルピリジン−2−イル)ピペリジン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 593.4 [M+H]
+。
【0091】
実施例32
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(5’−クロロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化51】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル及び1−(5−クロロピリジン−2−イル)ピペリジン−4−カルボン酸から、黄色の粘性油状物として調製した。MS m/e: 585.3 [M+H]
+。
【0092】
実施例33
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−1−(5’−トリフルオロメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化52】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル及び1−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−4−カルボン酸から、黄色の粘性油状物として調製した。MS m/e: 619.5 [M+H]
+。
【0093】
実施例34
rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(6’−シアノ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,3’]ビピリジニル−4−カルボニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化53】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル及び1−(6−シアノピリジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 576.4 [M+H]
+。
【0094】
実施例35
rac−{(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−[1−(6−メトキシ−ピリダジン−3−イル)−ピペリジン−4−カルボニル]−4−メチル−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化54】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル及び1−(6−メトキシピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 582.3 [M+H]
+。
【0095】
実施例36
rac−{(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−1−[4−(2−オキソ−ピペリジン−1−イル)−ベンゾイル]−ピロリジン−3−イル}−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル
【化55】
rac−[(3R,4S)−4−(4−クロロ−フェニル)−1−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−カルボニル)−3−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル(実施例1、工程f)の合成に関して記載した手順と同様に、標記化合物を、rac−[(3S,4R)−4−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸4−フルオロ−フェニルエステル及び4−(2−オキソピペリジン−1−イル)安息香酸から、オフホワイトの固体として調製した。MS m/e: 564.4 [M+H]
+。