【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係る道路用標示体は、車両の接触によって弾性的に曲がる可撓性を有し外側面に反射部を備えたポールを有する柱状の標識部が少なくとも2個並設され、該柱状の標識部のポールの上端間にビーム状の標識部が架設される
道路用標示体であって、
前記ポールの上端にはジョイントが固定されており、
該ジョイントには水平結合部と下方結合部とがそれぞれ設けられ、
前記下方結合部は前記ポールの上端に結合されており、
互いのジョイントの水平結合部が相対するように並設された2個の柱状の標識部の前記各ジョイントの水平結合部に結合されて前記ビーム状の標識部が架設されており、
前記ポールは中空円筒形状体に形成されると共に、前記ビーム状の標識部はパイプ形状に形成され、且つ、可撓性を有し弾性的に曲がる筒形状の前記ポールの内側の中空部分と前記ビーム状の標識部の内側の中空部分とが前記ジョイントの内側で連通して
おり、
前記ジョイントは外力を受けて変形した後に復元可能な弾性を有して、外力を受けたときに前記道路用標示体がねじれるように前記ポールの撓みに加えて前記ジョイントが変形することを特徴としている。
【0008】
本発明に係る道路用標示体によれば、柱状の標識部が外側面に反射部を備えたポールを有するので、正面や側面などから見た場合でも前記の反射部が視認され、道路用標示体の視認性がよい。
また、前記の柱状の標識部が少なくとも2個並設され、これらのポールの上端間にビーム状の標識部が架設されるので、この間を歩行者などの人や車両などが横切ることを防止でき、高い交通規制効果を得ることができる。
また、柱状の標識部のポールは車両の接触によって弾性的に曲がる可撓性を有しているので、道路用標示体が外力を受けたときにはポール全体が撓んでこの外力を逃がし、道路用標示体が破壊されにくいものとなされる。
【0009】
また、前記ビーム状の標識部の外側面に反射部を設けてもよく、並設させて設置させた柱状の標識部の間に架設させた前記ビーム状の標識部が視認され易くなり、道路用標示体の視認性が向上する。またこれによって前記ビーム状の標識部の存在感が向上し、道路用標示体の交通規制効果が高められる。
また、上記の道路用標示体を道路に沿って列状に並設させた場合には、並設された各道路用標示体のビーム状の標識部が線状に配置され、これに設けられた反射部によって道路の形状が車両の運転手などからより把握しやすいものとなされ、好ましい。
【0010】
また、両端に水平結合部と下方結合部とがそれぞれ設けられたL字型のジョイントが前記ポールの上端に固定され、前記下方結合部が前記ポールの上端に結合され、互いのジョイントの水平結合部が相対するように並設された2個の柱状の標識部の各々の水平結合部に結合されて前記ビーム状の標識部が架設されれば、ポールの上端にビーム状の標識部を容易に架設することができ、好ましい。
【0011】
また、前記ジョイントが外力を受けて変形した後に復元可能な弾性を有すれば、道路用標示体が外力を受けたときに、柱状の標識部のポールの撓みに加えて、道路用標示体がねじれるように変形して外力を逃がすので、道路用標示体がより破壊されにくいものとなされるので、好ましい。
【0012】
また、前記ジョイントの下方結合部と前記ポールの上端とが着脱不能に結合され、前記ジョイントの水平結合部と前記ビーム状の標識部とが着脱自在に結合されてもよく、ビーム状の標識部が架設される2個の柱状の標識部の間隔が定まったものでなくとも、この間隔に応じてビーム状の標識部の長さを調整することで、道路用標示体の施工ができるので、あらゆる道路に容易に道路用標示体の施工が可能となり、好ましい。
また、前記ジョイントとビーム状の標識部とが着脱自在に結合されてもよく、ビーム状の標識部が破損や汚損した場合に、これを取り外して交換することができるので、より長期に道路用標示体を利用することができ、好ましい。
また、前記ジョイントの下方結合部と前記ポールの上端とが着脱不能に結合されてもよく、前記ジョイントとポールとを強固に固定でき、道路用標示体の強度が向上するので、好ましい。
【0013】
また、前記ビーム状の標識部がパイプ形状に形成され、前記ビーム状の標識部の端部外側を覆う壁部と、この壁部の内側に設けられたリング状のビーム挿入溝部と、このビーム挿入溝部の内側に設けられビーム状の標識部の端部内側に挿入される内壁部とを前記ジョイントの水平結合部に設けてもよく、ビーム状の標識部を前記のビーム挿入溝部に挿入させ、前記の壁部と内壁部とでビーム状の標識部の端部を挟み込むようにして固定できるので、ビーム状の標識部とジョイントの水平結合部とを強固に固定でき、好ましい。
【0014】
また、前記ジョイントの水平結合部の壁部の外側から挿通させた固定ボルトの雄ねじ部を、前記ビーム挿入溝部に挿入された前記ビーム状の標識部の端部を貫通させて、前記水平結合部の内壁部に備えたナットに螺結させて前記ジョイントと前記ビーム状の標識部とを結合させてもよく、前記ビーム状の標識部が固定ボルトによって強固に前記ジョイントに固定されるので、道路用標示体の強度が大きいものとなされ、好ましい。
【0015】
また、前記内壁部に備えるナットとしてクリップナットを用い、前記ジョイントの内壁部に内方へへこむ凹部を形成し、該凹部に前記クリップナットのクリップ部を挟ませて前記内壁部にクリップナットを固定させてもよく、前記ジョイントの水平結合部の内壁部に容易にナットを備えさせることができ、好ましい。
また、前記内壁部に前記クリップナットを固定させてナットを備えさせてもよく、前記柱状の標識部を廃棄などする場合に、ジョイントからクリップナットを簡単に取り外せるので、クリップナットの再利用や再生利用を容易に行うことができ、好ましい。
また、前記ジョイントの内壁部に内方へへこむ凹部を形成し、該凹部に前記クリップナットのクリップ部を挟ませて前記内壁部にクリップナットを固定させてもよく、ビーム状の標識部の内部に前記内壁部を挿入させたときに、前記クリップナットのクリップ部がビーム状の標識部に接触しないので、前記クリップ部とビーム状の標識部との接触によってクリップナットが位置ずれを起こしたり、ビーム状の標識部が損傷したりする問題が生じないので、好ましい。
【0016】
また、前記ジョイントの水平結合部の壁部の外側から挿通させた固定ボルトの頭部が、前記壁部の外面より内側に内装可能に前記ジョイントの水平結合部を形成してもよく、これを備えた道路用標示体に車両などが衝突しても前記固定ボルトに車両が接触せず、固定ボルトによって車両が傷つくなどの問題が生じないので、好ましい。