(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アンテナ基板に結合され、且つ前記ミリ波ネットワーク上での伝送のためにデータ信号をミリ波周波数へと変調するように構成された無線周波数(RF)モジュール、を更に有する請求項2に記載の装置。
前記第1のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子は、前記表面に対して第1の最大放射の角度を有し、前記第2のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子は、前記表面に対して前記第1の最大放射の角度とは異なる第2の最大放射の角度を有する、請求項1乃至3の何れかに記載の装置。
当該装置は更に、前記第1及び第2のアレイの頂部に配置された誘電体層を有し、該誘電体層は、前記第1及び第2のアレイそれぞれのアンテナ素子を覆ってそれぞれ前記第1の最大放射の角度又は前記第2の最大放射の角度をもたらすレンズを形成する、請求項4に記載の装置。
前記1つ以上のアンテナ素子の前記第1のアレイは前記表面の中央部に配置され、前記第1の最大放射の角度は前記表面に対して約90°であり、前記1つ以上のアンテナ素子の前記第2のアレイは前記表面の周辺部に配置され、前記第2の最大放射の角度は前記表面に対して90°未満である、請求項4に記載の装置。
前記第1のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子はマイクロストリップアンテナであり、前記第2のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子はビバルディラジエータ又はベントパッチである、請求項8に記載の装置。
当該装置は更に、前記表面上に配置された1つ以上のアンテナ素子の第3のアレイを有し、該第3のアレイは、前記第1及び第2の角度範囲とは異なる第3の角度範囲で前記信号ビームを操舵するように構成されている、請求項1に記載の装置。
前記表面は第1表面であり、当該方法は更に、前記第1表面とは反対側の前記アンテナ基板の第2表面に無線周波数(RF)モジュールを取り付けることを有し、該RFモジュールは、前記ミリ波ネットワーク上での伝送のためにデータ信号をミリ波周波数へと変調するように構成される、請求項12に記載の方法。
前記第1のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子は、前記表面に対して第1の最大放射の角度を有し、前記第2のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子は、前記表面に対して前記第1の最大放射の角度とは異なる第2の最大放射の角度を有する、請求項11乃至13の何れかに記載の方法。
当該方法は更に、前記第1及び第2のアレイの頂部に誘電体層を形成することを有し、該誘電体層は、前記第1及び第2のアレイそれぞれのアンテナ素子を覆ってそれぞれ前記第1の最大放射の角度又は前記第2の最大放射の角度をもたらすレンズを含む、請求項14に記載の方法。
前記第1のアレイ又は前記第2のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子を形成することは、前記アンテナ基板の前記表面上に1つ以上の金属層を形成することを含む、請求項11に記載の方法。
前記第1のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子は、前記表面に対して第1の最大放射の角度を有し、前記第2のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子は、前記表面に対して前記第1の最大放射の角度とは異なる第2の最大放射の角度を有する、請求項17に記載のシステム。
当該システムは更に、前記第1及び第2のアレイの頂部に配置された誘電体層を有し、該誘電体層は、前記第1及び第2のアレイそれぞれのアンテナ素子を覆ってそれぞれ前記第1の最大放射の角度又は前記第2の最大放射の角度をもたらすレンズを形成する、請求項18に記載のシステム。
前記アンテナ基板は第1のアンテナ基板であり、前記アンテナ基板の前記表面は第1表面であり、前記RFモジュールは前記第1表面とは反対側の前記アンテナ基板の第2表面に結合され、
且つ当該システムは更に、
前記第1のアンテナ基板とは反対側で前記RFモジュールに結合された第2のアンテナ基板であり、前記第1のアンテナ基板の前記第1表面とは反対を向いた第1表面を有する第2のアンテナ基板と、
前記第2のアンテナ基板の前記第1表面上に配置され、且つ前記第2のアンテナ基板の前記第1表面に対して第3の角度範囲で前記信号ビームを操舵するように構成された1つ以上のアンテナ素子の第3のアレイと、
前記第2のアンテナ基板の前記第1表面上に配置され、且つ前記第2のアンテナ基板の前記第1表面に対して前記第3の角度範囲とは異なる第4の角度範囲で前記信号ビームを操舵するように構成された1つ以上のアンテナ素子の第4のアレイと
を有し、
前記第1、第2、第3及び第4のアレイは独立に活性化されるように構成される、
請求項17乃至19の何れかに記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示に係る実施形態により、インターリーブされた複数のアンテナサブアレイを有する単一パッケージフェイズドアレイモジュール、並びに関連する技術及び構成が記述される。以下の記載においては、当業者が自身の仕事の内容を他の当業者に伝えるために一般に使用する用語を用いて、例示の実装例の様々な態様が説明される。しかしながら、当業者に明らかなように、本開示に係る実施形態は、記載される態様のうちの一部のみを用いて実施されてもよい。例示の実装例の完全なる理解を提供するために、説明目的で、具体的な数、材料及び構成が説明される。しかしながら、当業者に明らかなように、本開示に係る実施形態はそのような具体的な詳細事項を用いずに実施されてもよい。また、例示の実装例を不明瞭にしないよう、周知の機構は省略あるいは単純化されている。
【0007】
以下の詳細な説明においては、その一部をなす添付図面を参照する。図面全体を通して、同様の部分は似通った参照符号で指し示され、また、図面には、本開示の主題が実施され得る実施形態が例として示される。理解されるように、他の実施形態も用いられることができるのであり、本開示の範囲を逸脱することなく構造的あるいは論理的な変更が為され得る。故に、以下の詳細な説明は限定的な意味で参酌されるべきではなく、実施形態の範囲は、添付の請求項及びその均等範囲によって定められるものである。
【0008】
本開示の目的で、“A及び/又はB”という言い回しは、(A)、(B)、又は(A及びB)を意味する。本開示の目的で、“A、B及び/又はC”という言い回しは、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B及びC)を意味する。
【0009】
この説明は、例えば頂部/底部、内/外、上方/下方、及びこれらに類するものなど、視点に基づく記述を使用することがある。このような記述は、単に説明を容易にするために使用されており、ここに記載の実施形態の適用を特定の向きに限定することを意図したものではない。
【0010】
この説明は、“一実施形態において”又は“実施形態において”という言い回しを使用することがあるが、これらは各々、同じあるいは異なる実施形態のうちの1つ以上に言及するものである。また、本開示の実施形態に関して使用されるとき、用語“有する”、“含む”、“持つ”及びこれらに類するものは同義である。
【0011】
ここでは、用語“〜と結合される”及びその派生語が使用されることがある。“結合される”は以下に挙げるもののうちの1つ以上を意味し得る。“結合される”は、2つ以上の要素が物理的あるいは電気的に直接的に接触していることを意味し得る。しかしながら、“結合される”はまた、2つ以上の要素が、互いに間接的に接触しながら、依然として互いに協働あるいは相互作用することを意味することもあるし、互いに結合されると言われる要素同士の間に1つ以上のその他の要素が結合あるいは接続されることを意味することもある。用語“直接的に結合される”は、2つ以上の要素が直接的に接触していることを意味し得る。
【0012】
様々な実施形態において、“第2の機構上に形成、堆積、あるいはその他の方法で配置される第1の機構”という言い回しは、第1の機構が第2の機構上に形成、堆積あるいは配置されて、第1の機構の少なくとも一部が第2の機構の少なくとも一部と直接的に接触(例えば、物理的且つ/或いは電気的に直接的に接触)あるいは間接的に接触(例えば、第1の機構と第2の機構との間に1つ以上の他の機構を有する)していることを意味し得る。
【0013】
図1は、様々な実施形態に従った無線通信デバイス100を例示している。無線通信デバイス100は、無線通信ネットワーク上で信号を通信(例えば、送信及び/又は受信)し得る。一部の実施形態において、無線通信ネットワークはミリ波(mm波)ネットワークとし得る。無線通信デバイス100は、トランシーバ(送受信器)104に結合されたアンテナモジュール102を含み得る。一部の実施形態において、アンテナモジュール102及びトランシーバ104は同一のパッケージ内に含められ得る。このような実施形態において、無線通信デバイス100は単一パッケージ無線通信デバイス100と称され得る。
【0014】
様々な実施形態において、トランシーバ104は、少なくとも図示のように互いに結合されたスイッチモジュール116とベースバンドモジュール118と無線周波数(RF)モジュール120とを含み得る。ベースバンドモジュール118及びRFモジュール120は、同一チップ又は別々のチップに含まれ得る。一部の実施形態において、ベースバンドモジュール118及びRFモジュール120の双方が、アンテナモジュール102とともに同一パッケージに含められ得る。他の実施形態において、RFモジュール120はアンテナモジュール102とともに同一パッケージに含められ、ベースバンドモジュール118はアンテナモジュール102から遠隔に配置され得る。
【0015】
様々な実施形態において、ベースバンドモジュール118はベースバンドデータ信号をRFモジュール120に提供し得る。RFモジュール120は、無線ネットワーク上での伝送のため、そのデータ信号をRF周波数へと変調し得る。無線ネットワークがミリ波ネットワークである実施形態において、上記RF周波数はミリ波周波数とし得る。例えば、ミリ波周波数は、例えば一部の実施形態において約60GHzなど、約30GHzから約300GHzとし得る。RFモジュール120は、変調したデータ信号をスイッチモジュール116に渡し得る。
【0016】
様々な実施形態において、アンテナモジュール102は、実質的に平面状の表面を有するアンテナ基板(例えば、
図2A−2Bに示されるアンテナ基板202)を含み得る。アンテナモジュール102は、上記表面上に配置された1つ以上のアンテナ素子のアレイを複数含み得る。例えば、
図1に示すように、アンテナモジュール102は、1つ以上のアンテナ素子108を含む第1のアレイ106と、1つ以上のアンテナ素子112を含む第2のアレイ110とを有し得る。従って、アンテナモジュール102は、単一パッケージアンテナモジュールと称され得る。
【0017】
様々な実施形態において、アンテナ素子108は、上記表面に対して第1の最大放射の角度(以下、“第1放射角”)の周りの或る角度範囲内で信号を送信し、アンテナ素子112は、上記表面に対して、第1放射角とは異なる第2の最大放射の角度(以下、“第2放射角”)の周りの或る角度範囲内で信号を送信し得る。例えば、一部の実施形態において、第1放射角は、約90°(例えば、アンテナ基板の表面に垂直)とすることができ、第2放射角は約0°(例えば、アンテナ基板の表面に平行)とすることができる。所与のアンテナ素子によって送信される信号の放射は、その放射角で最大の強度を有することができ、角度がそのアンテナ素子の放射角から離れるにつれて強度は概して低下し得る。ミリ波周波数では、RFスペクトル内のより低い周波数と比較して、指向性が特に明白になり得る。
【0018】
様々な実施形態において、個々のアレイの複数のアンテナ素子(例えば、第1のアレイ106のアンテナ素子108、又は第2のアレイ110のアンテナ素子112)は、組み合わさって、そのアレイによって生成される全体信号ビームを形成し得る。アレイは、そのアレイの個々のアンテナ素子の位相を別々に制御することによって、全体信号ビームの角度を制御し得る。例えば、アレイは、アンテナ素子群によって生成される信号が信号角では互いに建設的に干渉し且つ信号角以外の角度では互いに相殺的に干渉するようにアンテナ素子群の位相を制御することによって、全体信号ビームを該信号角に送信し得る。従って、全体信号ビームの放射強度はその信号角で最大となり得る。
【0019】
様々な実施形態において、スイッチモジュール116は、データ信号を無線ネットワーク上に送信するために、第1のアレイ106及び/又は第2のアレイ110を別々に活性化し得る。トランシーバ104は更に、第1のアレイ106及び/又は第2のアレイ110によって生成される信号ビームを、それぞれ第1放射角又は第2放射角を含む或る角度範囲にわたって操舵し得る。例えば、一部の実施形態において、第1のアレイ106は、信号ビームの第1の角度範囲で活性化され、第2のアレイ110は、第1の角度範囲とは異なる信号ビームの第2の角度範囲で活性化され得る。従って、第1のアレイ106及び第2のアレイ110は、互いにインターリーブされていると云うことができる。一部の実施形態において、第1及び第2の角度範囲は重なりを有していてもよい。すなわち、第1及び第2の角度範囲が重なっている角度範囲では、第1のアレイ106及び第2のアレイ110の何れもが活性化され得る。
【0020】
図2A及び2Bは、様々な実施形態に従った単一パッケージ通信デバイス200の、それぞれ、上面図及び側断面図を示している。通信デバイス200は、トランシーバ210に結合されたアンテナモジュール201を含み得る。アンテナモジュール201は、実質的に平面状の第1表面204を有するアンテナ基板202を含み得る。通信デバイスは更に、第1のアレイ206aをなす複数のアンテナ素子208aと、第2のアレイ206bをなす複数のアンテナ素子208bと、第3のアレイ206cをなす複数のアンテナ素子208cと、第4のアレイ206dをなす複数のアンテナ素子208dと、第5のアレイ206eをなす複数のアンテナ素子208eとを含み得る。アンテナ素子208a−eは全て第1表面204上に配置され得る。
【0021】
明らかになるように、他の実施形態は、第1表面204上に、如何なる好適な数、構成及び/又は向きのアンテナモジュール206a−e又はアンテナ素子208a−eを含んでいてもよい。
【0022】
様々な実施形態において、アンテナ素子208aは、第1表面204に対して約90°(例えば、第1表面204に垂直)の放射角を有し得る。従って、アンテナ素子208aは、上方放射アンテナ素子208aとも称し得る。対照的に、アンテナ素子208b−eは、第1表面204に対して約0°の放射角を有し得る。従って、アンテナ素子208b−eは、側方放射アンテナ素子とも称し得る。また、アンテナモジュール206b−eそれぞれのアンテナ素子208b−eの放射角は、第1表面204の面内で異なるように方向付けられ得る。例えば、
図2Aの上面図を参照するに、アンテナ素子208bはアンテナ基板202の概して右側に放射し、アンテナ素子208cはアンテナ基板202の概して下側に放射し、アンテナ素子208dはアンテナ基板202の概して左側に放射し、アンテナ素子208eはアンテナ基板202の概して上側に放射し得る。
【0023】
一部の実施形態において、
図2Aに示すように、上方放射アンテナ素子208aは第1表面204の中央部に配置され、側方放射アンテナ素子208b−eは、第1表面204のエッジに対して中央部よりも近い第1表面204の周辺部に配置され得る。この位置付けは、側方放射アンテナ素子208b−eが、信号が上方放射アンテナ素子208aによって干渉(例えば、阻止あるいは吸収)されることなく、横向きに信号の送信及び/又は受信を行うことを可能にし得る。
【0024】
様々な実施形態において、アンテナ素子208a−eは、それぞれの放射角を実現するために如何なる好適な構造を有していてもよい。一部の実施形態において、アンテナ素子は、第1表面204に配置された1つ以上のレイヤ(例えば、1つ以上の金属層を含む)内に形成され得る。従って、一部の実施形態において、アンテナ素子は、多層基板へと、基板202とともに一体化され得る。一部の実施形態において、上方放射アンテナ素子208aは、側方放射アンテナ素子208b−eとは異なる設計を有し得る。例えば、一部の実施形態において、上方放射アンテナ素子208aはマイクロストリップアンテナとし得る。これに加えて、あるいは代えて、一部の実施形態において、側方放射アンテナ素子208b−eはビバルディラジエータ又はベントパッチとし得る。
【0025】
図2Bに示すように、トランシーバ210は、第1表面204とは反対側のアンテナ基板202の第2表面212に結合され得る。トランシーバ210は、例えばはんだボール214及び/又は直接金属間ボンディングを介して、アレイ206a−eに電気的に結合され得る。一部の実施形態において、トランシーバ210は1つのダイ内に含められ得る。トランシーバ210は、スイッチモジュール(例えば、スイッチモジュール116)及び/又はRFモジュール(例えば、RFモジュール120)を含み得る。ミリ波ネットワークでは、RFモジュールがアンテナ素子208a−eの近くにあることが重要であり得る。一部の実施形態において、トランシーバ210は更にベースバンドモジュール(例えば、ベースバンドモジュール118)を含み得る。他の実施形態において、トランシーバ210のRFモジュールは、通信デバイス200から離隔して配置されたベースバンドモジュールに結合されてもよい。
【0026】
様々な実施形態において、トランシーバ210は、第1表面204に対して或る角度範囲で信号ビームを操舵することができるとともに、アレイ206a−eを異なる角度範囲で(例えば、スイッチモジュールを用いて)別々に活性化し得る。例えば、
図2Bは、1つの断面における角度範囲例を示している。
図2Bに示されるように、アレイ206aは信号ビームの第1の角度範囲220で活性化され、アレイ206bは信号ビームの第2の角度範囲222で活性化され、アレイ206dは信号ビームの第3の角度範囲224で活性化され得る。例えば、第2の範囲222は約0°から約30°までとすることができ、第1の範囲220は約30°から約150°までとすることができ、第3の範囲224は約150°から約180°までとすることができる。他の実施形態において、異なる角度範囲が使用されてもよく、且つ/或いは角度範囲が重なり合っていてもよい。
【0027】
一部の実施形態において、通信デバイス200は更に、アンテナ基板202に結合されたセカンドレベル(第2階層)インターコネクト(SLI)226を含み得る。SLI226は、無線通信システムのその他のコンポーネントへの通信デバイス200の結合を支援し得る。
【0028】
図3は、通信デバイス200と同様であるがトランシーバ210のアンテナモジュール201とは他方側に結合された第2のアンテナモジュール301を含んだ通信デバイス300を例示している。第2のアンテナモジュール301は、アンテナモジュール201と同様の構造を含み得る。例えば、アンテナモジュール301は、第1表面304を有するアンテナ基板302を含み得る。第1表面304は、アンテナモジュール201の第1表面204とは反対向きとし得る。アンテナモジュール301は更に、表面304に配置されたアンテナ素子の複数のアレイ、例えば、それぞれ複数のアンテナ素子308a−cを含むアレイ306a−cを含み得る。異なるアンテナモジュールのアンテナ素子308a−cは、互いに異なる放射角を有し得る。
図3は第2のアンテナモジュール301の一断面のみを示しているが、一部の実施形態において、アンテナモジュール301は、
図2Aに示したアンテナモジュール201と同様の構成をしたアレイ及び/又はアンテナ素子を有し得る。トランシーバ210は、それぞれのアレイ306a−c及び206a−eを独立に活性化し得る。従って、通信デバイス300は、信号ビームを表面204(又は304)に対して実質的に360°操舵することができ得る。
【0029】
一部の実施形態において、トランシーバ210は、シリコン貫通ビア(TSV)310を含み得る。TSV310は、トランシーバ210の両側に配置されたアンテナモジュール201及び301とトランシーバ210との間の通信を容易にし得る。これに代えて、あるいは加えて、トランシーバ210は、それぞれのアンテナモジュール201又は301に信号を経路付けるための複数のダイを含んでいてもよい。
【0030】
一部の実施形態において、通信デバイス300は、無線通信システムのその他のコンポーネントと通信デバイス300との間の通信を支援するためのリボンケーブル312を含み得る。例えば、リボンケーブル312は、通信デバイス300へ/から低周波数信号(例えば、ベースバンド)を経路付けるために使用され得る。
【0031】
上述のように、一部の実施形態において、異なるアレイのアンテナ素子は異なる設計を有することができ、且つ/或いは、アンテナ基板の表面上で異なるように方向付けられることができる。代替的に、あるいは追加的に、それぞれのアンテナ素子上にレンズを形成するようにアレイの頂部に誘電体層を配置して、アンテナ素子それぞれの放射角を実現してもよい。
【0032】
例えば、
図4は、一部の実施形態に従ったアンテナモジュール400の簡略化した断面図を示している。アンテナモジュール400は、平面状の表面404を有するアンテナ基板402を含み得る。アンテナモジュール400は更に、複数のアンテナ素子406a−eを含み得る。アンテナ素子406a−eは、ここで説明されるように1つ以上のアレイに含まれ得る。一部の実施形態において、アンテナ素子406a−eは同じ設計を有していてもよく、且つ/或いは表面404に対して同じように方向付けられていてもよい。
【0033】
アンテナモジュール400は更に、アンテナ素子406a−eの頂部に配置された誘電体層408を含み得る。誘電体層408は、それぞれのアンテナ素子406a−eを覆うレンズ410a−eを形成し得る。レンズ410a−eは、それぞれのアンテナ素子406a−eによって生成された信号を、(信号線412a−eによって示されるように)アンテナ素子406a−eそれぞれの放射角を提供するように方向付け得る。例えば、レンズ410a−eは、信号を方向付けるように表面404に対して角度を付けられた表面を有し得る。
【0034】
一部の実施形態において、
図4に示すように、中心のアンテナ素子406cは、表面404に実質的に垂直な放射角を有することができ、その他のアンテナ素子のその他の放射角は、そのアンテナ素子が中心のアンテナ素子406cから遠ざかるにつれて(例えば、表面404のエッジに向かって)、垂直から徐々に大きく角度を付けられ得る。例えば、外側のアンテナ素子406a及び406eは、中間のアンテナ素子406b及び406dの放射角より更に垂直から角度を付けられた放射角を有し得る。この構成は、広範囲の信号角にわたってのアンテナ素子406a−eによる信号ビームの送信及び/又は受信を支援し得る。
【0035】
様々な実施形態において、誘電体層408は、例えば有機基質(例えば、液晶ポリマー、テフロン(登録商標))、二酸化シリコン、及び/又はセラミックベースの材料など、RF(例えば、ミリ波)信号を導くことが可能な如何なる好適材料であってもよい。
【0036】
図5は、一部の実施形態に従ったフェイズドアレイモジュールを製造する方法500のフロー図を例示している。方法500は、
図1−4に関連して説明した実施形態に適合し得る。
【0037】
ステップ502にて、方法500は、実質的に平面状のアンテナ基板の表面(例えば、アンテナ基板202の表面204)に、1つ以上のアンテナ素子の第1のアレイ(例えば、アンテナ素子208aのアレイ206a)を形成することを含み得る。一部の実施形態において、1つ以上のアンテナ素子の第1のアレイは、アンテナ基板に一体化された1つ以上の層によって形成され得る。他の実施形態において、第1のアレイのアンテナ素子はアンテナ基板の表面に取り付けられてもよい。一部の実施形態において、アンテナ基板は、当該アンテナ基板のアンテナ素子とは反対側にダイパッドを有するように形成され得る。
【0038】
様々な実施形態において、第1のアレイは、例えばミリ波ネットワークなどの無線ネットワーク上で通信を行うために使用され得る。第1のアレイの上記1つ以上のアンテナ素子は、上記表面に対して第1放射角での放射を有し得る。
【0039】
ステップ504にて、方法500は更に、上記表面に1つ以上のアンテナ素子の第2のアレイ(例えば、アンテナ素子208bのアレイ206b)を形成することを含み得る。第2のアレイの上記1つ以上のアンテナ素子は、上記表面に対して第2放射角での放射を有し得る。一部の実施形態において、1つ以上のアンテナ素子の第2のアレイは、アンテナ基板に一体化された1つ以上の層によって形成され得る。第2のアレイは、一部の実施形態において、第1のアレイと同時に形成され得る。他の実施形態において、第2のアレイのアンテナ素子はアンテナ基板の表面に取り付けられてもよい。
【0040】
第2のアレイのアンテナ素子は、第1のアレイのアンテナ素子と同じ設計であってもよいし、異なる設計であってもよい。一部の実施形態において(
図5には図示せず)、方法500は、第1及び第2のアレイの頂部に誘電体層(例えば、誘電体層408)を形成することを含み得る。この誘電体層は、第1及び第2のアレイそれぞれのアンテナ素子の上方に、それぞれ第1及び第2の放射角を提供するレンズ(例えば、レンズ410a−e)を含み得る。
【0041】
一部の実施形態において、方法500は更に、ステップ506にて、アンテナ基板にスイッチモジュール(例えば、スイッチモジュール116)を取り付けることを含み得る。スイッチモジュールは、第1及び第2のアレイに電気的に結合され、無線ネットワーク上での通信を支援するよう第1及び第2のアレイを別々に活性化するように構成され得る。
【0042】
一部の実施形態において、方法500は更に、ステップ508にて、アンテナ基板にRFモジュール(例えば、RFモジュール520)を取り付けることを含み得る。RFモジュールは、無線ネットワーク上での伝送のため、データ信号を例えばミリ波周波数などの無線周波数へと変調し得る。一部の実施形態において、RFモジュールは、第1及び第2のアレイが搭載された表面とは反対側のアンテナ基板の表面に取り付けられ得る。一部の実施形態において、RFモジュールは、スイッチモジュールと同じダイ内に含められ得る。
【0043】
請求項に係る主題を理解するのに最も役立つように、様々な処理を複数の別個の処理として順々に記載した。しかしながら、記載の順序は、これらの処理が必然的に順序依存であることを意味するものとして解釈されるべきではない。本開示に係る実施形態は、所望のように構成するのに適した如何なるハードウェア及び/又はソフトウェアを用いてシステムに実装されてもよい。
【0044】
図6は、一部の実施形態に従ったコンピューティング装置600を模式的に例示している。コンピューティング装置600は、例えばマザーボード602などのボードを収容し得る。マザーボード602は、以下に限られないがプロセッサ604及び少なくとも1つの通信チップ606を含む多数のコンポーネントを含み得る。プロセッサ604は、マザーボード602に物理的且つ電気的に結合され得る。一部の実装例において、上記少なくとも1つの通信チップ606もマザーボードに物理的且つ電気的に結合され得る。更なる実装例において、通信チップ606はプロセッサ604の一部であってもよい。
【0045】
様々な実施形態によれば、通信チップ606のうちの少なくとも1つは、ここに記載されたトランシーバ(例えば、トランシーバ104又は210)を含み得る。通信チップ606は更にアンテナ608に結合され得る。様々な実施形態において、アンテナ608は、ここに記載されたアンテナモジュール(例えば、アンテナモジュール102、201、301又は400)を含み得る。一部の実施形態において、通信チップ606及びアンテナ608は、ここに記載された単一チップ無線通信デバイス(例えば、通信デバイス100、200又は300)を形成し得る。
【0046】
コンピューティング装置600は、その用途に応じて、他のコンポーネントを含むことができ、それら他のコンポーネントは、マザーボード602に物理的及び電気的に結合されたものであってもよいし、結合されていないものであってもよい。それら他のコンポーネントは、以下に限られないが、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリ、グラフィックスプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、暗号プロセッサ、チップセット、アンテナ、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、タッチスクリーンコントローラ、バッテリー、オーディオコーデック、ビデオコーディック、電力増幅器(AMP)、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)デバイス、方位計、ガイガーカウンタ、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、カメラ、及び大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、等々)を含み得る。
【0047】
通信チップ606は、コンピューティング装置600への、及びそれからのデータの伝送のための無線(ワイヤレス)通信を可能にし得る。用語“無線(ワイヤレス)”及びその派生形は、変調された電磁放射線を用いて非固体媒体を介してデータを伝達し得る回路、装置、システム、方法、技術、通信チャネルなどを記述するために使用され得る。この用語は、関連する装置が如何なるワイヤをも含まないことを意味するものではない(一部の実施形態では、如何なるワイヤをも含まないことがあり得る)。通信チップ606は、数多くある無線規格又はプロトコルのうちの何れを実装してもよい。無線規格又はプロトコルは、以下に限られないが、WiFi(IEEE802.11ファミリ)、WiGig、IEEE802.16規格(例えば、IEEE802.16−2005補正)を含むIEEE規格、ロングタームエボリューション(LTE)プロジェクト及びその補正、更新及び/又は改正(例えば、アドバンストLTEプロジェクト)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)プロジェクト(“3GPP2”とも呼ばれている)、等々)を含む。IEEE802.16準拠のBWAネットワークは一般にWiMAXネットワーク(WiMAXはワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェイブ・アクセスを表す頭文字である)と呼ばれており、これは、IEEE802.16規格の適合性・相互運用性試験を合格した製品の証明マークとなっている。通信チップ606は、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーション(GSM(登録商標))、ジェネラル・パケット・ラジオ・サービス(GPRS)、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)、ハイ・スピード・パケット・アクセス(HSPA)、エボルブドHSPA(E−HSPA)、又はLTEネットワークに従って動作してもよい。通信チップ606は、エンハンスト・データレート・フォー・GSMエボリューション(EDGE)、GSM EDGEラジオ・アクセス・ネットワーク(GERAN)、ユニバーサル・テレストリアル・ラジオ・アクセス・ネットワーク(UTRAN)、又はエボルブドUTRAN(E−UTRAN)に従って動作してもよい。通信チップ606は、符号分割多重アクセス(CDMA)、時分割多重アクセス(TDMA)、デジタル・エンハンスト・コードレス・テレコミュニケーションズ(DECT)、エボリューション・データ・オプティマイズド(EV−DO)、これらの派生形、並びに、3G、4G、5G及びそれ以降として指定されるその他の無線プロトコルに従って動作してもよい。一部の実施形態において、通信チップ606はミリ波ネットワーク上で通信し得る。通信チップ606は、他の実施形態において、その他の無線プロトコルに従って動作してもよい。
【0048】
コンピューティング装置600は複数の通信チップ606を含み得る。例えば、第1の通信チップ606は、例えばミリ波、Wi−Fi及び/又はBluetooth(登録商標)など、より短距離の無線通信用にされ、第2の通信チップ606は、例えばGPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev−DO及び/又はその他など、より長距離の無線通信用にされ得る。
【0049】
様々な実装例において、コンピューティング装置600は、ラップトップ、ネットブック、ノートブック、ウルトラブック、スマートフォン、タブレット、携帯情報端末(PDA)、ウルトラモバイルPC、携帯電話、デスクトップコンピュータ、サーバ、プリンタ、スキャナ、モニタ、セットトップボックス、娯楽制御ユニット、デジタルカメラ、ポータブル音楽プレーヤ、又はデジタルビデオレコーダとし得る。更なる実装例において、コンピューティング装置600は、データを処理するその他の如何なる電子装置であってもよい。
【0050】
例
様々な実施形態において、実質的に平面状の表面を有するアンテナ基板と、前記表面上に配置され、且つ無線ネットワーク上で無線通信するように構成された1つ以上のアンテナ素子の第1のアレイであり、前記表面に対して第1の角度範囲で信号ビームを操舵するように構成された第1のアレイと、前記表面上に配置され、且つ前記無線ネットワーク上で無線通信するように構成された1つ以上のアンテナ素子の第2のアレイであり、前記表面に対して前記第1の角度範囲とは異なる第2の角度範囲で前記信号ビームを操舵するように構成された第2のアレイと、を含み得る無線ネットワーク上で通信する装置が提供される。
【0051】
一部の実施形態において、装置は更に、前記第1及び第2のアレイに結合され且つ前記第1及び第2のアレイをそれぞれ前記第1及び第2の角度範囲で別々に活性化するように構成されたスイッチモジュールを含み得る。一部の実施形態において、前記無線ネットワークはミリ波(mm波)ネットワークとし得る。一部の実施形態において、装置は更に、前記アンテナ基板に結合され且つ前記ミリ波ネットワーク上での伝送のためにデータ信号をミリ波周波数へと変調するように構成された無線周波数(RF)モジュールを含み得る。
【0052】
一部の実施形態において、前記第1のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子は、前記表面に対して第1の最大放射の角度を有し、前記第2のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子は、前記表面に対して前記第1の最大放射の角度とは異なる第2の最大放射の角度を有する。一部の実施形態において、装置は更に前記第1及び第2のアレイの頂部に配置された誘電体層を含むことができ、該誘電体層は、前記第1及び第2のアレイそれぞれのアンテナ素子を覆ってそれぞれ前記第1の最大放射の角度又は前記第2の最大放射の角度をもたらすレンズを形成し得る。
【0053】
一部の実施形態において、前記1つ以上のアンテナ素子の前記第1のアレイは前記表面の中央部に配置され、前記第1の最大放射の角度は前記表面に対して約90°であり、前記1つ以上のアンテナ素子の前記第2のアレイは前記表面の周辺部に配置され、前記第2の最大放射の角度は前記表面に対して90°未満である。
【0054】
一部の実施形態において、前記第1及び第2のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子は、前記アンテナ基板上の1つ以上の金属層内に形成される。一部の実施形態において、前記第1のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子は、前記第2のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子とは異なる設計を有する。例えば、一部の実施形態において、前記第1のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子はマイクロストリップアンテナであり、前記第2のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子はビバルディラジエータ又はベントパッチである。
【0055】
一部の実施形態において、装置は更に、前記表面上に配置された1つ以上のアンテナ素子の第3のアレイを含むことができ、該第3のアレイは、前記第1及び第2の角度範囲とは異なる第3の角度範囲で前記信号ビームを操舵するように構成され得る。
【0056】
様々な実施形態において、実質的に平面状のアンテナ基板の表面に1つ以上のアンテナ素子の第1のアレイを形成することであり、該第1のアレイは無線ネットワーク上で無線通信するように構成され、且つ該第1のアレイは、前記表面に対して第1の角度範囲で信号ビームを操舵するように構成される、第1のアレイを形成することと、前記表面に1つ以上のアンテナ素子の第2のアレイを形成することであり、該第2のアレイは前記無線ネットワーク上で無線通信するように構成され、且つ該第2のアレイは、前記表面に対して前記第1の角度範囲とは異なる第2の角度範囲で前記信号ビームを操舵するように構成される、第2のアレイを形成することと、を含み得る無線通信デバイスを製造する方法が提供される。
【0057】
一部の実施形態において、方法は更に、前記アンテナ基板にスイッチモジュールを結合することを含むことができ、該スイッチモジュールは、前記第1及び第2のアレイのアンテナ素子をそれぞれ前記第1及び第2の角度範囲で別々に活性化するように構成され得る。方法の一部の実施形態において、前記無線ネットワークはミリ波ネットワークである。方法の一部の実施形態において、前記アンテナ基板の前記表面は第1表面であり、方法は更に、前記第1表面とは反対側の前記アンテナ基板の第2表面に無線周波数(RF)モジュールを取り付けることを含み、該RFモジュールは、前記ミリ波ネットワーク上での伝送のためにデータ信号をミリ波周波数へと変調するように構成される。
【0058】
方法の一部の実施形態において、前記第1のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子は、前記表面に対して第1の最大放射の角度を有し、前記第2のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子は、前記表面に対して前記第1の最大放射の角度とは異なる第2の最大放射の角度を有する。一部の実施形態において、方法は更に、前記第1及び第2のアレイの頂部に誘電体層を形成することを含むことができ、該誘電体層は、前記第1及び第2のアレイそれぞれのアンテナ素子を覆ってそれぞれ前記第1の最大放射の角度又は前記第2の最大放射の角度をもたらすレンズを含み得る。
【0059】
方法の一部の実施形態において、前記第1のアレイ又は前記第2のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子を形成することは、前記アンテナ基板の前記表面上に1つ以上の金属層を形成することを含む。
【0060】
様々な実施形態は、実質的に平面状の表面を有するアンテナ基板と、前記表面上に配置された1つ以上のアンテナ素子の第1のアレイであり、前記表面に対して第1の角度範囲で信号ビームを操舵するように構成された第1のアレイと、前記表面上に配置された1つ以上のアンテナ素子の第2のアレイであり、前記表面に対して前記第1の角度範囲とは異なる第2の角度範囲で前記信号ビームを操舵するように構成された第2のアレイと、前記アンテナ基板に結合され、且つミリ波(mm波)ネットワーク上での伝送のためにデータ信号を変調するように構成された無線周波数(RF)モジュールと、前記アンテナ基板に結合され、且つ前記ミリ波ネットワーク上に前記データ信号を送信するように前記第1及び第2のアレイのアンテナ素子を別々に活性化するように構成されたスイッチモジュールと、を含む無線ネットワーク上で通信するシステムを提供し得る。
【0061】
システムの一部の実施形態において、前記第1のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子は、前記表面に対して第1の最大放射の角度を有し、前記第2のアレイの前記1つ以上のアンテナ素子は、前記表面に対して前記第1の最大放射の角度とは異なる第2の最大放射の角度を有する。一部の実施形態において、システムは更に、前記第1及び第2のアレイの頂部に配置された誘電体層を含み、該誘電体層は、前記第1及び第2のアレイそれぞれのアンテナ素子を覆ってそれぞれ前記第1の最大放射の角度又は前記第2の最大放射の角度をもたらすレンズを形成する。
【0062】
一部の実施形態において、システムは更に、前記アンテナ基板に搭載され且つ前記データ信号を前記RFモジュールに提供するように構成されたベースバンドモジュールを含み得る。一部の実施形態において、前記RFモジュールは、前記アンテナ基板から離隔して配置されたベースバンドモジュールから前記データ信号を受信するように構成される。一部の実施形態において、前記アンテナ基板、前記第1及び第2のアレイ、前記RFモジュール、及び前記スイッチモジュールは、同一パッケージ内に含まれる。
【0063】
システムの一部の実施形態において、前記アンテナ基板は第1のアンテナ基板であり、前記アンテナ基板の前記表面は第1表面であり、前記RFモジュールは前記第1表面とは反対側の前記アンテナ基板の第2表面に結合され、且つ当該システムは更に、前記第1のアンテナ基板とは反対側で前記RFモジュールに結合された第2のアンテナ基板であり、前記第1のアンテナ基板の前記第1表面とは反対を向いた第1表面を有する第2のアンテナ基板と、前記第2のアンテナ基板の前記第1表面上に配置され、且つ前記第2のアンテナ基板の前記第1表面に対して第3の角度範囲で前記信号ビームを操舵するように構成された1つ以上のアンテナ素子の第3のアレイと、前記第2のアンテナ基板の前記第1表面上に配置され、且つ前記第2のアンテナ基板の前記第1表面に対して前記第3の角度範囲とは異なる第4の角度範囲で前記信号ビームを操舵するように構成された1つ以上のアンテナ素子の第4のアレイとを有し、前記第1、第2、第3及び第4のアレイは独立に活性化されるように構成される。
【0064】
様々な実施形態は、上述の実施形態の好適な組み合わせを含み得る。また、一部の実施形態は、実行されたときに上述の実施形態の何れかの作用をもたらす命令を格納した1つ以上の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体を含み得る。また、一部の実施形態は、上述の実施形態の様々な処理を実行するのに好適な手段を有する装置又はシステムを含み得る。
【0065】
例示した実装例の以上の説明は、要約書に記載した事項も含めて、網羅的であることや、本開示に係る実施形態を開示そのままの形態に限定することを意図したものではない。具体的な実施形態及び例は、例示目的でここに記載したものであり、当業者が認識するように、本開示の範囲内で様々な均等な変更が可能である。
【0066】
そのような変更は、以上の詳細な説明を踏まえて、本開示に係る実施形態に対して為され得るものである。請求項中で使用される用語は、本開示に係る様々な実施形態を明細書及び特許請求の範囲にて開示された具体的な実装形態に限定するように解釈されるべきでない。むしろ、範囲はもっぱら、確立されたクレーム解釈の原則に則って解釈される請求項によって決定されるものである。