特許第5763244号(P5763244)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5763244
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】セル機能停止に対処する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/04 20090101AFI20150723BHJP
   H04W 92/12 20090101ALI20150723BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20150723BHJP
【FI】
   H04W24/04
   H04W92/12
   H04W52/02
【請求項の数】16
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-101260(P2014-101260)
(22)【出願日】2014年5月15日
(62)【分割の表示】特願2013-506474(P2013-506474)の分割
【原出願日】2011年4月27日
(65)【公開番号】特開2014-168299(P2014-168299A)
(43)【公開日】2014年9月11日
【審査請求日】2014年5月22日
(31)【優先権主張番号】201010169453.9
(32)【優先日】2010年4月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ ラン
(72)【発明者】
【氏名】ツァン カイ
【審査官】 桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】 Huawei, HiSilicon,OAM Policy for inter-eNB Energy Saving[online], 3GPP TSG-RAN WG3#69 R3-102054,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_69/Docs/R3-102054.zip>,2010年 8月23日
【文献】 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Telecommunications Management; Self-Healing OAM; Concepts and Requirements (Release 10),3GPP TS 32.541 V1.2.0 (2010-03),3GPP,2010年 3月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セル機能停止に対処する方法であって、
第3のセルが第1の基地局に属し、第2のセルが前記第3のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであるとして、
セル機能停止が前記第2のセルに起こったことを統合参照ポイント・マネージャ(IRPマネージャ)が判定し、
前記IRPマネージャが前記第2のセルのセル機能停止が解決済みであることを突き止めるまで、前記IRPマネージャが、OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、前記第3のセルを非エネルギー節約状態に維持するように前記第1の基地局に指示するステップ
を備える方法。
【請求項2】
前記IRPマネージャが、前記セル機能停止が前記第2のセルに起こったことを判定するステップは、
前記IRPマネージャが、第2の基地局によって送信される前記第2のセルのセル識別子と前記セル機能停止が前記第2のセルに起こったことを指示するセル機能停止指示情報とを受信するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記IRPマネージャが前記第2のセルのセル機能停止が解決済みであることを突き止めるまで、前記IRPマネージャが、前記OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、前記第3のセルを非エネルギー節約状態に維持するよう前記第1の基地局に指示するステップは、
エネルギー節約機能を無効にする理由情報がセル機能停止の原因値であるとして、前記IRPマネージャが、前記OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、前記エネルギー節約機能を無効にする前記理由情報を前記第1の基地局に送信するステップを備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
エネルギー節約機能が無効にされた対象の識別子が前記第3のセルのセル識別子、または、前記第1の基地局の識別子であるとして、前記IRPマネージャが、前記OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、エネルギー節約機能が無効にされた前記対象の前記識別子、または、構成パラメータ情報を前記第1の基地局に送信するステップをさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
構成パラメータ修正コマンドが前記第3のセルの構成パラメータと前記構成パラメータを修正する理由とを含み、前記修正の理由がセル機能停止の原因値または前記修正が非セル機能停止によって引き起こされた修正とは異なることを指示する原因値であるとして、前記IRPマネージャが、前記構成パラメータ修正コマンドを前記第1の基地局に送信するステップをさらに備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記IRPマネージャが、前記セル機能停止が前記第2のセルに起こったことを判定する前に、
指示情報が前記第3のセルの隣接セル関係情報中で搬送されるエネルギー節約補償セル情報であるか、または、前記指示情報が前記第3のセルのセル属性情報中で搬送される許可されたエネルギー節約の識別子情報であるとして、前記IRPマネージャが、前記OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、エネルギー節約が前記第3のセルのため許可されたことを指示する指示情報を前記第1の基地局に送信するステップをさらに備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
エネルギー節約機能を有効にする理由情報が解決済みの機能停止の原因値であるとして、前記第2のセルのセル機能停止が終了したことを突き止めるとき、前記IRPマネージャが、前記OAMノースバウンド・インターフェイスを介してエネルギー節約機能を有効にする前記理由情報を前記第1の基地局に送信するステップをさらに備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記エネルギー節約機能を有効にする識別子が前記第3のセルのセル識別子または前記第1の基地局の識別子であるとして、前記IRPマネージャが、前記OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、前記エネルギー節約機能を有効にする前記識別子を前記第1の基地局に送信するステップをさらに備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
受信モジュールおよび対処モジュールを備え、
前記受信モジュールは、セル機能停止が第2のセルに起こったことを判定するように構成され、
前記対処モジュールは、前記受信モジュールが前記第2のセルのセル機能停止が解決済みであることを突き止めるまで、OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、第3のセルを非エネルギー節約状態に維持することを第1の基地局に命令するように構成され、前記第3のセルが前記第1の基地局に属し、前記第2のセルが前記第3のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであるとして構成される、
装置。
【請求項10】
前記受信モジュールは、第2の基地局によって送信される前記第2のセルのセル識別子と前記セル機能停止が前記第2のセルに起こったことを指示するセル機能停止指示情報とを受信することで前記セル機能停止が前記第2のセルに起こったことを判定するように構成され、前記第2のセルは前記第2の基地局に属する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記対処モジュールは、前記OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、前記第3のセルを前記非エネルギー節約状態に維持することを前記第1の基地局に命令するためにエネルギー節約機能を無効にする理由情報を前記第1の基地局に送信するように構成され、前記エネルギー節約機能を無効にする前記理由情報がセル機能停止の原因値である、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記対処モジュールは、前記OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、エネルギー節約機能が無効にされた対象の識別子、または、構成パラメータ情報を前記第1の基地局に送信するようにさらに構成され、エネルギー節約機能が無効にされた前記対象の前記識別子が前記第3のセルのセル識別子、または、前記第1の基地局の識別子である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記対処モジュールは、構成パラメータ修正コマンドを前記第1の基地局に送信するようにさらに構成され、前記構成パラメータ修正コマンドが前記第3のセルの構成パラメータと前記構成パラメータを修正する理由とを含み、前記修正の理由がセル機能停止の原因値または前記修正が非セル機能停止によって引き起こされた修正とは異なることを指示する原因値である、請求項9または10に記載の装置。
【請求項14】
前記受信モジュールが、前記セル機能停止が前記第2のセルに起こったことを判定する前に、
前記対処モジュールは、前記OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、エネルギー節約が前記第3のセルのため許可されたことを指示する指示情報を前記第1の基地局に送信するようにさらに構成され、前記指示情報が前記第3のセルの隣接セル関係情報中で搬送されるエネルギー節約補償セル情報であるか、または、前記指示情報が前記第3のセルのセル属性情報中で搬送される許可されたエネルギー節約の識別子情報である、請求項9または10に記載の装置。
【請求項15】
前記対処モジュールは、前記受信モジュールが前記第2のセルのセル機能停止が終了したことを突き止めるとき、前記OAMノースバウンド・インターフェイスを介してエネルギー節約機能を有効にする理由情報を前記第1の基地局に送信するようにさらに構成され、エネルギー節約機能を有効にする前記理由情報が前記解決済みの機能停止の原因値である、請求項9または10に記載の装置。
【請求項16】
コンピュータに、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2010年4月30日付けで出願され、“METHOD FOR HANDLING CELL OUTAGE AND DEVICE THEREOF”と題する中国特許出願第201010169453.9号に基づく優先権を主張し、この中国特許出願は、参照によって全体として本書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、移動体通信の分野、特に、セル機能停止に対処する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
自己組織ネットワーク上の基地局は、自動エネルギー節約機能を有し、セルをエネルギー節約状態のセルと非エネルギー節約状態のセルとに分類することがある。具体的には、基地局は、事前に設定された自動エネルギー節約ポリシーに従って、たとえば、現状および推測されるネットワーク・サービス使用の詳細等の要因により、基地局の一部または全部の機能を無効にすることによって、または、基地局の送信電力を低減することによって、基地局に属している一部または全部のセルを正常状態からエネルギー節約状態に遷移させる。このようにして、ユーザのサービス品質が低減することなく、基地局の電力消費が低減される。
【0004】
セル機能停止(アウテージ)は、ネットワーク・エラー・シナリオである。自己組織ネットワーク上で、セル機能停止のための自動処理機能は、セル機能停止の場合に、セル機能停止を迅速に検出し、そして、セル機能停止を自動的に処理することができる。
【0005】
従来技術では、基地局の自動エネルギー節約機能と、セル機能停止のための自動処理機能とは、自己組織ネットワーク上で衝突することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、セル機能停止に対処する方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態において提供される方法は、エネルギー節約起動メッセージがエネルギー節約機能を無効にするために使用され、第2のセルが第2の基地局に属するとして、セル機能停止が第2のセルに起こったときに、第1の基地局によって、第2の基地局が送信するエネルギー節約起動メッセージを受信するステップ、第1のセルが第1の基地局に属し、第2のセルが第1のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであるとして、第1の基地局によって、エネルギー節約起動メッセージに従って、第1のセルをエネルギー節約状態から正常状態に遷移させるステップ、または、第3のセルが第1の基地局に属し、第2のセルが第3のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであるとして、第1の基地局によって、第2のセルのセル機能停止が解決済みであることを突き止めるまで、エネルギー節約起動メッセージに従って、第3のセルを正常状態に維持するステップ、を含む。
【0008】
本発明の実施形態において提供される方法は、第2のセルが第2の基地局に属するとして、第1の基地局によって、第2の基地局から、セル機能停止が第2のセルに起こったことを指示するために使用される通知メッセージを受信するステップ、第1のセルが第1の基地局に属し、第2のセルが第1のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであるとして、第1の基地局によって、通知メッセージに従って第1のセルをエネルギー節約状態から正常状態に遷移させるステップ、または、第3のセルが第1の基地局に属し、第2のセルが第3のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであるとして、第1の基地局によって、第2のセルのセル機能停止が解決済みであることを突き止めるまで、通知メッセージに従って第3のセルを正常状態に維持するステップ、を含む。
【0009】
本発明の実施形態において提供される方法は、第1のセルが第1の基地局に属し、第2のセルが第1のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであるとして、セル機能停止が第2のセルに起こったことを検出するときに、統合参照ポイント・マネージャによって、OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、第1の基地局が第1のセルをエネルギー節約状態から正常状態に遷移させることを有効にするステップ、または、第3のセルが第1の基地局に属し、第2のセルが第3のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであるとして、セル機能停止が第2のセルに起こったことを検出するときに、統合参照ポイント・マネージャによって、第2のセルのセル機能停止が解決済みであることを突き止めるまで、OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、第3のセルを正常状態に維持するステップ、を含む。
【0010】
本発明の実施形態において提供される基地局は、セル機能停止が第2のセルに起こったことを指示する通知を受信するように構成されている送信モジュールと、第1のセルが基地局に属し、第2のセルが第1のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであるとして、第1のセルをエネルギー節約状態から正常状態に遷移させるように構成されている対処モジュールとを含み、または、対処モジュールは、第3のセルが基地局に属し、第2のセルが第3のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであるとして、第2のセルのセル機能停止が解決されるまで、第3のセルを正常状態に維持するように構成されている。
【0011】
本発明の実施形態において提供される装置は、セル機能停止が第2のセルに起こったことを判定するように構成されている受信モジュールと、第1のセルが基地局に属し、第2のセルが第1のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであるとして、OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、第1のセルをエネルギー節約状態から正常状態に遷移させることを第1の基地局に命令するように構成されている対処モジュールと、を含み、または、対処モジュールは、第3のセルが第1の基地局に属し、第2のセルが第3のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであるとして、OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、第2のセルのセル機能停止が解決済みであることを突き止めるまで、第3のセルを正常状態に維持することを第1の基地局に命令するように構成されている。
【0012】
本発明の実施形態において提供される方法または装置を使用することにより、エネルギー節約状態にある第1のセルによって当初は受信可能とされていた範囲を受信可能とする第2のセルにセル機能停止が起こったときに、受信不可能領域が生じないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(a)は本発明の実施形態による分散型アーキテクチャの略図である、(b)は本発明の別の実施形態による集中型アーキテクチャの略図である。
図2】本発明の別の実施形態によるセル機能停止に対処する方法のフローチャートである。
図3】本発明の別の実施形態によるセル機能停止に対処する方法のフローチャートである。
図4】本発明の別の実施形態によるセル機能停止に対処する方法のフローチャートである。
図5】本発明の別の実施形態による基地局の略図である。
図6】本発明の別の実施形態による装置の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下は、本発明の実施形態において添付図面を参照して本発明の実施形態の技術的課題を明瞭かつ完全に記述する。記述された実施形態が本発明のすべての実施形態ではなく本発明の単に一部の実施形態であることが明白である。本発明の実施形態に基づいて、何ら創造的な努力を行うことなく当業者によって達成されるすべての他の実施形態は、当然に本発明の保護範囲に入るであろう。
【0015】
図1(a)に示されるように、本発明の実施形態における自己組織ネットワークが記述されたアーキテクチャを採用するとき、セルA(cell A)が基地局1(eNB1)に属し、セルB(cell B)が基地局2(eNB2)に属し、X2インターフェイスがeNB1とeNB2との間に存在する。セルAがエネルギー節約状態にあるとき、セルBは、セルAのネットワーク受信可能範囲を引き継ぐ。すなわち、セルBは、セルAを補償する受信可能範囲を提供する能力がある。セルBは、セルAの補償セルと簡略に称されることがある。すなわち、セルAのeNB1が自動エネルギー節約機能を有効にするとき、eNB1は、エネルギー節約機能ポリシーの設定に従って、セルAがある時点にエネルギー節約状態に留まること(すなわち、エネルギー節約状態に入ること)を有効にし、セルBは、セルAのネットワーク受信可能範囲を引き継ぐことがある。
【0016】
図1(b)に示されるように、本発明の実施形態における自己組織ネットワークが集中アーキテクチャを採用するとき、セルA(cell A)は、基地局1(eNB1)に属し、セルB(cell B)は、基地局2(eNB2)に属し、eNB1およびeNB2は、同じ統合参照ポイント・マネージャ(IRPマネージャ)によって管理される。本発明の他の実施形態では、OAMシステムは、IRPマネージャ、または、IRPマネージャを含む複数の装置の組を指すことがある。eNB1は、統合参照ポイント・エージェント(IRPエージェント1)の内部に位置し、IRPエージェントとOAMシステムとの間でOAMノースバウンド・インターフェイス(itf−N)を介して通信することができる。eNB2とIRPエージェント2とは、2台の独立した装置であり、eNB2は、IRPエージェント2内のネットワーク要素マネージャ(Element Manager)と通信するので、eNB2は、IRPエージェント2とOAMシステムとの間でitf−Nインターフェイスを介してOAMシステムと通信する。その上、eNBとIRPエージェントとが本発明の実施形態において独立した装置であるかどうかは、実施形態の実施に影響を与えない。IRPエージェントを使用することによるeNBとOAMシステムとの間の通信は、本発明の実施形態において詳述されることはない。しかし、外部装置IRPエージェントを使用することによるIRPエージェントの内部に位置しているeNBとIRPマネージャとの間の通信と、IRPとIRPマネージャとの間の通信とは、一様にitf−Nインターフェイスを介したeNBとOAMシステムとの間の通信と称される。
【0017】
本発明の実施形態は、分散アーキテクチャ下でのセル機能停止に対処する方法を提供する。図1(a)を一例とすると、セルAがエネルギー節約状態にあるとき、セルBは、セルAのネットワーク受信可能範囲を引き継ぐ、と仮定される。セル機能停止がセルBに起こったとき、セルAは、エネルギー節約状態から正常状態に遷移されるので、セルAは、当初の受信可能範囲を取り戻し、これは、補償セルに起こったセル機能停止がネットワーク受信可能範囲に与える影響を低減する。さらに、セルBのセル機能停止の問題が解決される前に、セルAは、プリセット自動エネルギー節約ポリシーに従って、再びエネルギー節約状態に入らない。その上、セルAが正常状態にあり、セル機能停止がセルBに起こったとき、セルAは、セルBのセル機能停止の問題が解決される(すなわち、セル機能停止が終了する)前に、当初のエネルギー節約ポリシーに従って、エネルギー節約状態に入らない。その結果、ネットワーク内に受信不可能領域が生じないようにすることができるか、または、セルネットワーク受信可能範囲内の頻繁な引き継ぎの変化によるピンポン効果が生じないようにすることができる。
【0018】
図1(a)に示された分散アーキテクチャを一例とすると、本発明の別の実施形態は、セル機能停止に対処する方法を提供する。図2に示されるように、この方法は、以下のステップを含む。
【0019】
S210。eNB2は、セル機能停止がセルBに起こったことを検出する。
【0020】
S220。eNB2は、第1の通知メッセージをeNB1に送信する。
【0021】
たとえば、eNB2は、第1の通知メッセージをすべての隣接eNBに送信する。eNB1は、eNB2の隣接eNBのうちの1台であるので、eNB1は、第1の通知メッセージを受信することがある。
【0022】
別の実施例では、eNB2は、どちらのセルが補償セルとしてセルBを使用することがあるかを判定するためにセルBの関連情報を取得することがあり、その後、eNB2は、第1の通知メッセージを判定された1または複数のセルに送信する。
【0023】
第1の通知メッセージは、セル識別子およびセル機能停止指示情報を含むことがあり、セル機能停止指示情報は、セル機能停止が第1の通知メッセージ中のセル識別子に対応するセルに起こったかどうかを指示するために使用される。たとえば、第1の通知メッセージ中のセル識別子がセルBのセル識別子である場合、セル機能停止指示は、セル機能停止がセルBに起こったことを指示する。
【0024】
所望により、eNB2は、第1の通知メッセージまたは他のメッセージ中で開始遅延時間情報を搬送してもよい。たとえば、開始遅延時間情報は、待機持続時間情報を含み、この待機持続時間は、eNB1が開始時間情報を受信した時点からセルAの状態遷移プロセスが開始する時点までの待機持続時間を指示する。待機持続時間情報に対応する持続時間がTであると仮定すると、eNB1は、開始遅延時間情報を受信した後にTに亘って待機する。セルBのセル機能停止が解決されたことを突き止めていない場合、eNB1は、セルAをエネルギー節約状態から正常状態に遷移させるためにセルAの状態の状態遷移を開始する。別の実施例では、開始遅延時間情報は、開始時間情報を含み、この開始時間情報は、eNB1がセルAの状態遷移プロセスを開始する時点を指示する。開始時間情報が時点tに一致すると仮定する。eNB1がセルBのセル機能停止が時点tに解決されたことを突き止めていない場合、eNB1は、セルAをエネルギー節約状態から正常状態にセルAを遷移させるためにセルAの状態遷移プロセスを開始する。上記処理方法は、セルAが高いネットワーク受信可能範囲要件を有していないシナリオ、たとえば、セルAが重大なセルではないシナリオに適用できる。セル機能停止がセルBに起こった後、セルBは、自力で修復することがある。セル機能停止の問題がある期間内に解決された場合、eNB1は、セルAの状態を変化させる必要がなく、セルAのネットワーク受信可能範囲に大きな影響はない。セル機能停止の問題がある期間内に解決されない場合、eNB1は、セルAをエネルギー節約状態から正常状態に遷移させ、セルAは、前の受信可能範囲を引き継ぐ。
【0025】
S230。eNB1は、第1の通知メッセージを受信し、セルBを補償セルとして使用するセルがエネルギー節約状態にあるかどうかを判定する。エネルギー節約状態にあるセルが存在する場合、S240を実行する。エネルギー節約状態にないセルが存在する場合、S250を実行する。
【0026】
たとえば、eNB2は、第1の通知メッセージをすべての隣接eNBに送信することがあり、eNB1は、第1の通知メッセージによってセル機能停止がセルBに起こったことを突き止め、その後、セルBを補償セルとして使用し得るセルが存在するかどうかを判定するためにeNB1に属する個々のセルの関連情報を取得することがある。たとえば、eNB1は、セルBがセルAの補償セルであるかどうかと、このセルがエネルギー節約状態にあるかどうかを判定するために、セルAの関連情報を取得する。
【0027】
S240。eNB1は、セルBを補償セルとして使用し、かつ、エネルギー節約状態にあるセルの状態を遷移させる。遷移後、セルは、正常状態にある。
【0028】
たとえば、セルAがエネルギー節約状態にあり、かつ、セルBがセルAのネットワーク受信可能範囲を引き継ぐ場合、eNB1は、セルAをエネルギー節約状態から正常状態に遷移させ、その結果、セル機能停止がエネルギー節約状態にあるセルAのネットワーク受信可能範囲を引き継ぐセルに起こったとき、ネットワーク内に受信不可能領域が生じないようにする。
【0029】
所望により、eNB1がeNB2によって送信された開始遅延時間情報を受信した場合、たとえば、S230においてeNB1によって受信された第1の通知メッセージが開始遅延時間情報を含む場合、eNB1は、セルAをエネルギー節約状態から正常状態に遷移させるために開始遅延時間を待機した後にセルBの状態遷移プロセスを開始する。eNB1が開始遅延時間の到着を待機しているときにセルBのセル機能停止の問題が解決されたことを突き止めた場合、eNB1は、セルBのセル機能停止に起因してセルAの状態を遷移させる必要がない。
【0030】
S230では、エネルギー節約状態にあり、セルBによって引き継がれるネットワーク受信可能範囲をもつ複数のセルが存在することをeNB1が判定した場合、eNB1は、これらのセルの全部または一部をエネルギー節約状態から正常状態に遷移させる。
【0031】
さらに、eNB1がセルBのセル機能停止が終了したことを突き止めていない前に、eNB1は、セルAがプリセット自動エネルギー節約ポリシーに従って再びエネルギー節約状態に入ることを許可せず、すなわち、eNB1は、セルBのセル機能停止が終了したことを判定するまで、セルAをエネルギー節約ではない正常状態に維持し、その結果、ネットワーク内に受信不可能領域が生じないようにする。
【0032】
S250。セルのセル機能停止が終了する前に、eNB1は、セルBを補償セルとして使用し、かつ、正常状態にあるセルを正常状態に維持する。
【0033】
このステップでは、セルBがセルCの補償セルであること、すなわち、セルBがセルCのネットワーク受信可能範囲を引き継ぐことができる、と仮定される。セル機能停止がセルBに起こり、セルCがエネルギー節約状態にないとき、eNB1は、受信されたセル機能停止指示およびセル識別子を保存し、そして、セルBのセル機能停止が終了する前に、セルCがプリセット自動エネルギー節約ポリシーに従ってエネルギー節約状態に入ることを許可しない。換言すると、eNB1は、セルBのセル機能停止が終了したことを判定するまで、セルCを正常状態に維持することがある。上記処理方法では、eNB1は、セル機能停止指示がプリセット自動エネルギーより高い優先度を享受することを考慮する。たとえば、セルBのセル識別子と対応するセル機能停止指示とが存在する場合、eNB1は、自動エネルギー節約ポリシーを考慮することなく、セルCを正常状態に維持する。セルBのセル機能停止が終了したことを突き止めたとき、eNB1は、保存されたセル機能停止指示を消去し、プリセット自動エネルギー節約ポリシーに従ってセルAをエネルギー節約状態に遷移させるべきかどうかを検討する。上記処理方法は、セル機能停止がセルCのネットワーク受信可能範囲を引き継ぐセルBに起こったときにエネルギー節約状態に入るセルCに起因してネットワーク内に受信不可能領域が生じないようにするか、または、セルCのネットワーク受信可能範囲内でのセルCとセルBとの間の引き継ぎの頻繁な変更に起因するピンポン効果が生じないようにする。
【0034】
図1(a)に示された分散アーキテクチャを一例とすると、本発明の別の実施形態は、セル機能停止に対処する方法を提供する。図3に示されるように、この方法は、以下のステップを含む。
【0035】
S510。セルAがエネルギー節約状態に入るか、または、まもなく入るとき、セルAが属するeNB1は、第2の通知メッセージをセルAの隣接セルであるセルBが属するeNB2に送信する。
【0036】
たとえば、eNB1が第2の通知メッセージをセルAのすべての隣接セルが属するeNB群に送信する場合、eNB2は、第2の通知メッセージを受信し得る。
【0037】
別の実施例では、eNB1は、セルAの補償セルとして使用され得る1つまたは複数のセルを判定するためにセルAの関連情報を取得することがあり、その後、eNB2は、第2の通知メッセージを判定された1つまたは複数のセルに送信する。
【0038】
第2の通知メッセージは、セル識別子およびセルエネルギー節約指示情報を含むことがあり、このセルエネルギー節約指示情報は、セルエネルギー節約が第2の通知メッセージ中のセル識別子に対応するセルに起こったかどうかを指示するために使用される。たとえば、セルAがエネルギー節約状態に入るとき、第2の通知メッセージは、セルAのセル識別子を含み、セルのエネルギー節約指示情報は、セルがエネルギー節約状態に遷移されたことを指示する。
【0039】
このステップでは、セルAがエネルギー節約状態にまもなく入るとき、eNB1は、第2の通知メッセージを送信し、セルAは、eNB1が第2の通知メッセージを送信した後、直ちに、または、ある期間の後に、エネルギー節約状態に入る。ある期間を待機するプロセスにおいて、eNB1は、セルAがエネルギー節約に入るケースに関連した処理を完了することがある。
【0040】
S520。セルBが属するeNB2が第2の通知メッセージを受信し、セルBがセルAのネットワーク受信可能範囲を引き継ぐことを許可する。
【0041】
eNB1は、セルAのすべての隣接セルのeNB群に第2の通知メッセージを送信することがあるので、このステップでは、eNB2は、eNB2に属するセルがセルAの補償セルとして使用され得るセルを含むかどうかを判定することがある。
【0042】
S530。eNB2は、セル機能停止がセルBに起こったことを検出する。
【0043】
S540。eNB2は、セルBを補償セルとして使用し得るセルAが属するeNB1にエネルギー節約起動メッセージを送信し、このエネルギー節約起動メッセージは、セルAを正常状態に遷移させることをeNB1に命令するために使用される。
【0044】
たとえば、eNB2がセルBにセル機能停止が起こったことを検出する前にセルAがエネルギー節約状態にあることを指示する情報を保存した場合、eNB2は、起動される必要があるセルがセルAであることを判定する。
【0045】
別の実施例では、eNB2は、補償セルとしてセルBを使用し得る1つまたは複数のセルを判定するためにセルBの関連情報を取得し、その後、エネルギー節約起動メッセージを判定された1つまたは複数のセルに送信することがあるか、または、eNB2は、エネルギー節約起動メッセージをエネルギー節約状態にある1つまたは複数のセルに送信する。
【0046】
所望により、エネルギー節約起動メッセージは、起動サービス享受セル(Served Cells To Activate)のセル識別子と、起動理由(Reason For Activation)の情報とを含むセル起動要求(CELL ACTIVATION REQUEST)メッセージである。たとえば、eNB2が、セルBの関連情報に従って、セルAがセルBのセル機能停止に起因して起動されるべきであると判定したとき、起動サービス享受セル情報は、セルAのセル識別子であり、起動理由情報は、セル機能停止(CO)の原因値であり、すなわち、原因値は、セルがセル機能停止の発生に起因して起動されたことを指示する。所望により、起動理由は、列挙型でもよく、たとえば、この情報は、セル機能停止の原因値に加えて負荷バランス原因値(LB)をさらに含み、ここで、LBは、エネルギー節約セルが負荷バランスに起因して起動されることを指示するために使用される。換言すると、負荷バランスに起因してセルを起動することを判定するとき、eNB2は、エネルギー節約起動メッセージをセルが属するeNBに送信することがあり、このエネルギー節約起動メッセージは、セルのセル識別子と負荷バランス原因値とを含む。
【0047】
所望により、eNB2は、エネルギー節約起動メッセージ中で開始遅延時間情報をさらに搬送することがあり、開始遅延時間情報は、eNB1が開始遅延時間情報を受信した時点からeNB1がセルAの状態遷移プロセスを開始する時点までの待機持続時間を指示するために使用される。
【0048】
S550。eNB1は、エネルギー節約起動メッセージを受信し、セルAをエネルギー節約状態から正常状態に遷移させる。
【0049】
たとえば、eNB1は、第2の通知メッセージ中の起動理由の情報に従って、起動サービス享受セルのセル識別子に対応するセルがエネルギー節約状態にあるかどうかを判定し、その通りである場合、eNB1は、セルAの状態を正常状態に遷移させる。このようにして、セルAがエネルギー節約状態にあり、かつ、セル機能停止がセルAのネットワーク受信可能範囲を引き継ぐセルに起こったとき、ネットワーク内に受信不可能領域が生じないようにする。
【0050】
eNB1によって受信されたエネルギー節約起動メッセージが開始遅延時間情報を含む場合、eNB1は、開始遅延時間を待機した後、セルBの状態遷移状態を開始し、その結果、セルAの状態は、正常状態に遷移される。eNB1が開始遅延時間の到着を待機するときにセル機能停止の問題が解決されたことを突き止める場合、eNB1は、セルBのセル機能停止に起因してセルAの状態を遷移させる必要がない。
【0051】
さらに、eNB1がセルBのセル機能停止が終了したことを突き止めていない前に、eNB1は、セルAを正常状態に維持する。
【0052】
上記実施形態では、セル機能停止がセルBに起こったとき、eNB2は、セル機能停止がセルBに起こったことを他のeNB群に通知し、通知を受信したeNB群は、特定のセルのための特定の処理方法を判定する。eNB2は、特定のセルのための特定の処理方法を判定し、その後、eNB群が起動処理を実行する必要があることをこのセルが属するeNB群に通知することもあり、たとえば、eNB2は、エネルギー節約起動メッセージを使用することにより、セルAの状態が正常状態に遷移されるようにeNB1がエネルギー節約状態にあるセルAを起動すべきことをeNB1に通知する。eNB1およびeNB2の一方がセル機能停止のため処理されるべきセルを判定するとき、ネットワーク上の自動エネルギー節約機能と、セル機能停止が起こるシナリオとの間の条件付き処理が実施され得る。
【0053】
本発明の個々の実施形態における基地局は、内部データベースまたはデータベース機能をもつ他の外部装置に問い合わせることによりセル間の受信可能範囲補償関係を判定することがある。データベース機能をもつ外部装置は、OAMシステム(IRPマネージャ)を含む。基地局は、問い合わせ先セルのセル識別子を含む問い合わせメッセージをitf−Nインターフェイスを介してOAMシステムに送信し、その後、セル間の受信可能範囲補償関係を判定するためにOAMシステムによって提供された問い合わせ結果を受信することがある。OAMシステムは、インターフェイスメッセージではなく内部データに従って、セル間の受信可能範囲補償関係を判定し得る。この場合、OAMシステムは、より都合良くかつ迅速に基地局を管理し、様々な基地局によって取得された情報が同じであることを保証し、OAMシステム内でセル間の受信可能範囲補償関係を構成し更新する際に運用者を支援する。基地局の内部データベースがセル間の受信可能範囲補償関係を保存する場合、基地局は、インターフェイスセルを使用するのではなく、直接的にセル間の受信可能範囲補償関係を判定し得る。このようにして、より少ないエアーインターフェイス資源が占有され、運用者は、基地局内のセル間の受信可能範囲補償関係を直接的に構成または更新し得る。
【0054】
たとえば、本発明の別の実施形態は、基地局によって、セル間の受信可能範囲補償関係を突き止める方法を提供する。本実施形態では、セル間の受信可能範囲補償関係は、問い合わせ先セルが他の(複数の)セルの補償セルとして使用されるかもしれないことを意味する。以下の説明は、問い合わせ先セルがセルBである場合に基づく。
【0055】
所望により、本実施形態での基地局は、セルBのエネルギー節約に関連した隣接セル関係情報、すなわち、セルBの隣接セル関係情報ESCompensatedCellRelationを受信し、このESCompensatedCellRelation情報は、補償セルがセルBでもよいセルのセル情報(esCompensatedCell)を含む。たとえば、esCompensatedCell情報がセルAのセル識別子情報である場合、基地局は、セルBがセルAの補償セルとして使用されることがある、と判定する。基地局によって見つけられたESCompensatedCellRelation情報が複数のセルのセル識別子情報を含む場合、基地局は、セルBが複数のセルの補償セルとして使用されることがある、と判定する。
【0056】
所望により、本実施形態での基地局は、セルBに関連した隣接セル関係情報、すなわち、セルBの隣接セル関係情報EUtranRelationを受信する。EUtranRelation情報は、セルBの隣接セル情報(adjacentCell)を含むことがあり、adjacentCell情報は、adjacentCell情報に対応するセルとセルBとの間に隣接セル関係が存在することを指示し、セルBがadjacentcell情報に対応するセルの補償セルであることを指示するためにも使用される。たとえば、adjacentcell情報がセルAのセル識別子を含む場合、基地局は、セルBがセルAの補償セルとして使用されることがある、と判定する。基地局によって見つけられたadjacentcell情報が複数のセルのセル識別子情報を含む場合、基地局は、セルBが複数のセルの補償セルとして使用されることがある、と判定する。
【0057】
所望により、本実施形態での基地局は、セルBに関連したセル属性情報、すなわち、セルBのセル属性情報EUtranGenericCell情報を受信し、このEUtranGenericCell情報は、補償セルリスト情報(compensatedCellList)を含む。compensatedCellList情報は、補償セルとしてセルBを使用することがあるセル群を指示する。たとえば、compensatedCellList情報がセルAのセル情報(たとえば、セル識別子情報)を含む場合、基地局は、セルBがセルAの補償セルとして使用されることがある、と判定する。基地局によって見つけられた、セルBに関連したcompensatedCellList情報が複数のセルのセル情報(たとえば、セル識別子情報)を含む場合、基地局は、セルBが複数のセルの補償セルとして使用され得る、と判定する。
【0058】
本発明の別の実施形態は、基地局によって、セル間の受信可能範囲補償関係を突き止める方法を提供する。本実施形態は、本実施形態におけるセル間の受信可能範囲補償関係が他の(複数の)セルが問い合わせ先のセルの補償セルとして使用されることがあるので、基地局によってセル間の受信可能範囲補償関係を突き止める上記実施形態とは相違する。以下の説明は、問い合わせ先のセルがセルAであるという事実に基づいている。
【0059】
所望により、本実施形態での基地局は、セルAのエネルギー節約に関連した隣接セル関係、すなわち、セルAの隣接セル関係情報ESCompensatingCellRelationを受信し、このESCompensatingCellRelation情報は、セルAの補償セルとして使用されることがあるセルのセル情報(esCompensatedCell)を含む。たとえば、esCompensatingCell情報がセルBのセル識別子情報である場合、基地局は、セルBがセルAの補償セルとして使用されることがある、と判定する。基地局によって見つけられたESCompensatingCellRelation情報が複数のセルのセル識別子情報を含む場合、基地局は、複数のセルがセルAの補償セルとして使用されることがある、と判定する。
【0060】
所望により、本実施形態での基地局は、セルAに関連した隣接セル関係情報、すなわち、セルAの隣接セル関係情報EUtranRelation情報を受信し、このEUtranRelation情報は、セルA(adjacentCell)の隣接セル情報を含み、adjacentCell情報に対応するセルとセルAとの間に隣接関係が存在することを指示し、adjacentCell情報に対応するセルがセルAの補償セルとして使用されることがあることを指示するためにさらに使用される。たとえば、adjacentCell情報がセルBのセル識別子を含む場合、基地局は、セルAがセルBの補償セルとして使用されることがある、と判定する。基地局によって見つけられたセルAのadjacentcell情報が複数のセルのセル識別子情報を含む場合、eNBは、複数のセルがセルAの補償セルとして使用されることがある、と判定する。
【0061】
所望により、本実施形態での基地局は、セルAに関連したセル属性情報、すなわち、セルAのセル属性情報EUtranGenericCellを受信し、このEUtranGenericCell情報は、補償セルリスト情報(compensatingCellList)を含む。このcompensatingCellList情報は、セルAの補償セルとして使用されることがあるセル群を指示する。たとえば、このcompensatingCellList情報がセルBのセル情報(たとえば、セル識別子情報)を含む場合、基地局は、セルBがセルAの補償セルとして使用されることがある、と判定する。基地局によって見つけられたcompensatingCellList情報が複数のセルのセル情報(たとえば、セル識別子情報)を含む場合、eNBは、複数のセルがセルAの補償セルとして使用されることがある、と判定する。
【0062】
基地局によって、セル間の受信可能範囲補償関係を突き止める方法の上記実施形態では、受信可能範囲補償関係を問い合わせる基地局は、eNBに属するセルの識別子に従って、基地局に属するセルの情報を問い合わせ可能であり、別のセルの情報に従って別のセルの情報をさらに問い合わせ可能であり、2つのセル間に受信可能範囲補償関係が存在するかどうかを判定することが可能である。上記実施形態において提供された方法は、本発明の他の実施形態において提供されたセル機能停止に対処する方法に柔軟に組み合わされ得る。
【0063】
本発明の別の実施形態は、セルがエネルギー節約状態に入ることを許可するかどうかを判定する方法を提供する。この方法は、以下で詳細に説明される。
【0064】
所望により、本実施形態では、eNB1は、セルAに関連した隣接セル関係情報(EUtranRelation)を受信し、このEUtranRelation情報は、セルAのエネルギー節約補償セル情報(isEScompensateCell)を含み、エネルギー節約がセルAのため許可されたかどうかを指示するために使用される。たとえば、eNB1によって受信されたisEScompensateCell情報が、エネルギー節約がセルAのため許可された、と指示する場合、eNB1は、プリセット自動エネルギー節約ポリシーに従って、セルAがエネルギー節約状態に入ることを許可する条件が満たされたかどうかを判定することがあり、その通りである場合、eNB1は、セルAを正常状態からエネルギー節約状態に遷移させることがあり、その結果、セルAは、エネルギー節約状態に入る。
【0065】
所望により、本実施形態では、eNB1は、セルAに関連したセル属性情報(EUtranGenericCell)を受信し、このEUtranGenericCell情報は、セルAの許可されたエネルギー節約の識別子情報(isESAllowed)を含み、エネルギー節約がセルAのため許可されたかどうかを指示するために使用される。たとえば、eNB1によって受信されたisESAllowed情報が、エネルギー節約がセルAのため許可された、と指示する場合、eNB1は、プリセット自動エネルギー節約ポリシーに従って、セルAがエネルギー節約状態に入ることを許可する条件が満たされたかどうかを判定することがあり、その通りである場合、eNB1は、セルAを正常状態からエネルギー節約状態に遷移させることがあり、その結果、セルAは、エネルギー節約状態に入る。
【0066】
本実施形態では、エネルギー節約が基地局によって受信されたセルのため許可されていることを指示する情報は、OAMシステムによって送信されることがあり、すなわち、エネルギー節約がセルのため許可されていることを指示する情報が受信されたかどうかは、OAMシステムによって定式化されたエネルギー節約に関連した構成であると考えられることがある。換言すると、OAMシステムによって定式化された初期構造または更新された構造において、すべてのセルは、エネルギー節約が許可されたセルであるように構成されるとは限らない。その結果、OAMシステムは、エネルギー節約が許可されたセルをエネルギー節約が許可されていないセルから区別し、その後、区別結果に従って、エネルギー節約がセルのため許可されているかどうかを指示する情報を基地局に送信する。このようにして、OAMシステムは、都合良くかつ迅速に基地局を管理し、基地局は、自動エネルギー節約ポリシーが満たされたと判定したときにエネルギー節約状態に入ることが許可されたセル群を突き止め、これらのセル群をエネルギー節約状態に入れることが可能であり、よって、基地局群の電力消費を削減する。
【0067】
その上、基地局によって、本発明の他の実施形態において提供されたセル間の受信可能範囲補償関係を突き止める方法を使用することにより、基地局は、エネルギー節約が許可されたセルの補償セルを判定することが可能であり、エネルギー節約が許可されていないセルを補償セルとして使用することがあるセルまたはセル群を判定することがさらに可能である。
【0068】
本実施形態は、本発明の他の実施形態において提供されたセル機能停止に対処する方法と組み合わされることがある。たとえば、エネルギー節約が許可されたセルを決定し、このセルをエネルギー節約状態に遷移させた後、基地局は、本発明の他の実施形態では、セルがエネルギー節約状態に入った後に、ステップ、たとえば、ステップS510をさらに実行することがある。
【0069】
本発明の別の実施形態は、基地局によって、セルのセル機能停止が終了したかどうかを突き止める方法を提供する。この方法では、基地局は、セル機能停止が起こったセルの基地局への問い合わせを開始し、受信されたフィードバックメッセージに従ってセルのセル機能停止が終了したかどうかを判定し、この問い合わせは、周期的に問い合わせメッセージを送信することにより、または、プリセットされた時間に問い合わせメッセージを送信することにより、または、問い合わせフィールドを現在の通信プロセス中のメッセージ内で搬送することにより実施され得る。
【0070】
本実施形態は、本発明の他の実施形態において提供されたセル機能停止に対処する方法と柔軟に組み合わされることがある。eNB1がeNB2に属するセルBのセル機能停止が終了したことを突き止める仕方を一例として、eNB1は、問い合わせメッセージを周期的にeNB2に送信することが可能であり、この問い合わせメッセージは、セルBのセル機能停止が終了したかどうかを問い合わせるために使用される。セル機能停止がセルBに起こっていないこと、すなわち、セルBが既に修復していることを検出したとき、eNB2は、フィードバックメッセージを送信し、このフィードバックメッセージは、セルBのセル機能停止が終了したことを指示するために使用される。セルBが依然としてセル機能停止中であることを検出した場合、eNB2は、フィードバックメッセージを送信するのではなく、セルBのセル機能停止が終了していないという事実をeNB1に通知することがある。
【0071】
本発明の別の実施形態は、基地局によって、セルのセル機能停止が終了したかどうかを突き止める方法をさらに提供する。この方法では、基地局は、積極的には問い合わせを開始しないが、セルが属する基地局によって送信される、セル機能停止が終了したことを指示する通知を待機する。換言すると、基地局がこの通知を受信しないとき、基地局は、セル機能停止が起こったセルをセル機能停止の問題が未だ解決されていないセルであるとみなす。本実施形態は、本発明の他の実施形態において提供されたセル機能停止に対処する方法と柔軟に組み合わされることがあり、これ以上は説明しない。
【0072】
図1(b)に与えられた集中アーキテクチャを一例とすると、本発明の別の実施形態は、セル機能停止に対処する方法をさらに提供する。この方法を使用することにより、OAMシステムは、統一原理で基地局を管理し、基地局のエネルギー節約とセル機能停止対処とが協調されることがある。本実施形態は、OAMシステムがeNB2から通知を受信することによってセル機能停止が第2のセルに起こったことを突き止める所望の場合について説明する。本実施形態において提供されたOAMシステムは、OAMシステムに保存された情報に従って、セル機能停止が第2のセルに起こったことをさらに判定することがあり、このことは、これ以上説明しない。図4に示されるように、本実施形態において提供された方法は、以下のステップを含むことがある。
【0073】
S810。eNB2は、セル機能停止がセルBに起こったことを検出する。
【0074】
S820。eNB2は、セル機能停止がセルBに起こった事実をOAMシステムに通知する。
【0075】
たとえば、eNB2は、第3の通知メッセージをOAMシステムに送信する。第3の通知メッセージは、セル機能停止が起こったセルBのセル識別子と、セル機能停止指示情報とを含み、このセル機能停止指示情報は、セル機能停止が起こったことを指示する。
【0076】
S830。OAMシステムは、第3の通知メッセージを受信し、セルBを補償セルとして使用するセルがエネルギー節約状態にあるかどうかを判定する。エネルギー節約状態にあるこのセルが存在する場合、S840を実行する。エネルギー節約状態にないセルが存在しない場合、S850を実行する。
【0077】
OAMシステムは、OAMシステムに保存されたセル間の受信可能範囲補償関係とセルの状態情報とに従って、第3の通知メッセージ中のセル識別子に対応するセルBを補償セルとして使用するセルがエネルギー節約状態にあるかどうかを判定する。
【0078】
このステップにおけるOAMシステムは、セルBとの受信可能範囲補償関係を有し、かつ、エネルギー節約状態にある複数のセルが存在する、または、セルBとの受信可能範囲補償関係を有し、かつ、正常状態にある複数のセルが存在する、と判定することがある。この場合、OAMシステムは、これらのセルに対して、同時に、または、順番にS840またはS850を実行することがある。
【0079】
S840。OAMシステムは、セルBを補償セルとして使用し、かつ、エネルギー節約状態にあるセルを起動する。
【0080】
たとえば、セルBは、セルAのネットワーク受信可能範囲を引き継ぐことがあり、セル機能停止がセルBに起こったとき、セルAは、エネルギー節約状態にある。OAMシステムは、セル機能停止がセルBに起こった、と判定したとき、OAMシステムはセルAを起動し、これは、セル機能停止がエネルギー節約状態にあるセルAのネットワーク受信可能範囲を引き継ぐセルに起こったとき、ネットワーク内に受信不可能領域が生じないようにする。
【0081】
所望により、OAMシステムは、対応するセルを起動し、このセルを正常状態に維持するために、独立したメッセージを使用することによってES無効情報(DisableES)を基地局に送信することがある。たとえば、メッセージがセルのエネルギー節約機能を無効にする意味を有する場合、基地局は、このメッセージを受信することにより、基地局に属するすべてのセルがデフォルトで処理されるべきである、と判定することがある。このメッセージがエネルギー節約機能を無効にする対象識別子、たとえば、セル識別子または基地局識別子をさらに搬送する場合、基地局は、このメッセージを受信することによってセルを処理する仕方を判定することがある。このメッセージは、伝送の理由が他の(複数の)セルのセル機能停止であるという意味をさらに有することがあり、その結果、このメッセージを受信する基地局は、エネルギー節約を無効にする理由を突き止める。たとえば、OAMシステムは、itf−Nインターフェイスを介して、エネルギー節約無効情報DisableESを含むメッセージをeNB1に送信する。エネルギー節約無効情報が、エネルギー節約が無効にされたセルAのセル識別子を含む場合、eNB1は、セルAが正常状態に遷移されるべきことを突き止め、少なくともセルBのセル機能停止の問題が解決済みであることを突き止めるまで、セルAを正常状態に維持する。エネルギー節約無効情報が基地局識別子を含む場合、eNB1は、セルBのセル機能停止の問題が解決済みであることを突き止めるまで、eNB1に属するすべてのセルが正常状態に維持されるべきことを突き止めることがある。eNB1がエネルギー節約無効情報DisableEsを含むメッセージを受信したとき、eNB1に属するすべてのセルのうちの一部のセルだけがエネルギー節約状態にある場合、eNB1は、セルの状態を正常状態に遷移させ、セルBのセル機能停止の問題が解決済みであることを突き止めるまで、eNB1に属するセル群を正常状態に維持し、よって、ネットワーク内に受信不可能領域が生じないようにする。
【0082】
所望により、OAMシステムは、起動メッセージ中でエネルギー節約無効情報を搬送することがある。たとえば、OAMシステムは、itf−Nインターフェイスを介して、起動メッセージをeNB1に送信し、この起動メッセージは、エネルギー節約無効情報DisableESを含む。所望により、このエネルギー節約無効情報は、エネルギー節約が無効にされたセルまたは基地局の識別子情報を含む。その上、起動メッセージは、エネルギー節約機能を無効にする理由情報をさらに含む。OAMシステムがセルAのセル識別子とセル機能停止の原因値とをeNB1に送信する場合、セル機能停止が他の(複数の)セルに起こり、セルAは、少なくとも他の(複数の)セルのセル機能停止の問題が解決済みであることを突き止めるまで、正常状態に維持されるべきであるので、NB 1は、セルAが正常状態に遷移されるべきことを突き止め、よって、ネットワーク内に受信不可能領域が生じないようにする。OAMシステムがセルAのeNB1の識別子とセル機能停止の原因値とをeNB1に送信する場合、eNB1は、eNB1に属するすべてのセルが他の(複数の)セルのセル機能停止の問題が解決済みであることを突き止めるまで、少なくとも正常状態に維持されるべきことを突き止める。eNB1が起動メッセージを受信したとき、eNB1に属するすべてのセルのうちの一部のセルだけがエネルギー節約状態にある場合、eNB1は、セルの状態を正常状態に遷移させ、セルBのセル機能停止の問題が解決済みであることを突き止めるまで、eNB1に属するセルを正常状態に維持し、よって、ネットワーク内に受信不可能領域が生じないようにする。
【0083】
所望により、起動メッセージは、構成パラメータ情報をさらに含み、換言すると、OAMシステムは、セルAに関連する構成パラメータをeNB1に通知し、その結果、eNB1は、セルAに関連した構成パラメータの修正を完了する。このようにして、セルAは、起動された後に、より優れた受信可能範囲を提供する。起動メッセージが構成パラメータ情報を含まない場合、セルAは、前の構成パラメータ情報を使用するか、または、セルAの新しい構成パラメータを含む構成パラメータ修正コマンドを受信する。
【0084】
S850。OAMシステムは、セル機能停止がセルBに起こったことを補償セルとしてセルBを使用し、かつ、正常状態にあるセルに通知する。
【0085】
セルBがセルCのネットワーク受信可能範囲のための補償セルとしての役目を果たすと仮定すると、セル機能停止がセルBに起こったときにセルCがエネルギー節約状態にない場合、OAMシステムは、セル機能停止がセルBに起こったことをセルCのeNB1に通知し、セルBのセル機能停止が終了する前に、eNB1は、プリセット自動エネルギー節約ポリシーに従ってセルCがエネルギー節約状態に入ることを許可しない。換言すると、eNB1は、セルBのセル機能停止が終了したと判定するまで、セルCを正常状態に少なくとも維持することがあり、よって、ネットワーク内に受信不可能領域、または、セルCのネットワーク受信可能範囲下にあるセルCとセルBとの間の頻繁な引き継ぎの変更に起因するピンポン効果が生じないようにする。eNB1の処理方法は、本発明の他の実施形態におけるS250での処理方法に類似するので、これ以上説明しない。
【0086】
このステップでは、OAMシステムは、S840においてエネルギー節約無効情報を送信する処理方法を採用することがあり、DisableES情報は、セルCのセル識別子を含むので、eNB1は、セルCがセルBのセル機能停止の問題が解決済みであることを突き止めるまで、他の(複数の)セルのセル機能停止に起因して正常状態に少なくとも維持されるべきことを突き止める。詳細は、これ以上説明しない。
【0087】
他の実施形態において提供された、基地局によって、セルのセル機能停止が終了したかどうかを突き止める方法は、本実施形態と組み合わされることもあり、または、OAMシステムは、問い合わせメッセージをeNB2に送信し、フィードバックメッセージを受信し、または、OAMシステムは、eNB2によって送信された通知を受信し、セルBのセル機能停止の問題が解決済みであることを突き止める。その後、OAMシステムは、セルBのセル機能停止が解決済みであることをeNB1に通知するので、eNB1は、セル機能停止が終了したことを直ちに突き止め、セルAがエネルギー節約状態に入ることを許可する。
【0088】
本発明の別の実施形態は、セルのエネルギー節約を有効にする方法を提供する。本実施形態は、OAMシステムが正常状態にあるセルのエネルギー節約を有効にする様々なシナリオに適用でき、本発明の他の実施形態において提供された集中アーキテクチャの下でセル機能停止に対処する方法と組み合わせることができる。たとえば、S840またはS850において、eNB1は、セルAのエネルギー節約を無効にし、すなわち、セルAが正常状態を維持することを有効にする。次に、エネルギー節約有効情報を受信した場合、eNB1は、セルAがエネルギー節約状態に入ることを許可されたかどうかを判定するために自動エネルギー節約ポリシーを再使用し、その結果、セルAは、再びエネルギー節約状態に入る機会がある。
【0089】
所望により、OAMシステムは、対応するセルのエネルギー節約機能を有効にするために独立したメッセージを使用することによりエネルギー節約有効情報(EnableES)を基地局に送信することがある。たとえば、メッセージがセルのエネルギー節約機能を有効にする意味を有する場合、基地局は、このメッセージを受信することにより、基地局に属するすべてのセルがデフォルトで処理されるべきである、と判定することがある。メッセージがエネルギー節約機能を有効にする対象識別子、たとえば、セル識別子または基地局識別子をさらに搬送する場合、基地局は、このメッセージを受信することによりこれらのセルを処理する仕方を判定することがある。このメッセージは、伝送の理由が別のセルのセル機能停止であるという指示をさらに有することがあり、その結果、このメッセージを受信した基地局は、エネルギー節約を有効にする理由を突き止める。たとえば、OAMシステムは、itf−Nインターフェイスを介してエネルギー節約有効メッセージEnableESを含むメッセージをeNB1に送信する。EnableES情報がエネルギー節約を許可されたセルAのセル識別子を含む場合、eNB1は、セルAが正常状態に維持される必要がないことを突き止め、自動エネルギー節約ポリシーが満たされる場合、セルAは、エネルギー節約状態に入ることを許可される。エネルギー節約有効情報がeNB1の識別子を含む場合、eNB1は、eNB1に属するすべてのセルが正常状態に維持される必要がないことを突き止めることがある。
【0090】
所望により、OAMシステムは、停止メッセージ中でエネルギー節約有効情報を搬送することがある。たとえば、OAMシステムは、itf−Nインターフェイスを介して停止メッセージをeNB1に送信し、この停止メッセージは、EnableES情報を含む。このEnableES情報は、エネルギー節約が有効にされたセルまたは基地局の識別子を含む。その上、停止メッセージは、エネルギー節約機能を有効にする理由情報をさらに含む。OAMシステムがセルAのセル識別子と解決済みのセル機能停止原因値とをeNB1に送信する場合、eNB1は、セルAが他の(複数の)セルのセル機能停止に起因して正常状態に維持される必要がないことを突き止める。OAMシステムがセルAのeNB1の識別子と解決済みのセル機能停止の原因値とをeNB1に送信する場合、eNB1は、eNB1に属するすべてのセルが他の(複数の)セルのセル機能停止に起因して正常状態に維持される必要がないことを突き止める。
【0091】
本実施形態では、正常状態にあるセルの基地局は、セルのエネルギー節約機能を直ちに回復することが許可されるので、セルは、できるだけ早くエネルギー節約状態に入る機会があり、よって、基地局の電力消費を削減する。
【0092】
本発明の別の実施形態は、セル構成パラメータに関連した処理方法を提供する。この方法は、本発明の他の実施形態において提供された集中アーキテクチャに適用できるセル機能停止に対処する方法と組み合わされることがある。
【0093】
本実施形態では、セルBは、セルAのネットワーク受信可能範囲のための補償セルとしての役目を果たすことがあり、セル機能停止がセルBに起こったとき、OAMシステムは、起動メッセージをセルAのeNB1に送信することによりセルAを起動する。起動メッセージが構成パラメータ情報を含まないとき、eNB1は、構成パラメータ修正コマンドを受信し、構成パラメータ修正コマンドは、セルAに関連した構成パラメータと構成パラメータを修正する理由とを含む。修正の理由は、セル機能停止を指示する原因値でもよく、または、修正が非セル機能停止によって引き起こされた修正とは異なる原因値でもよく、たとえば、構成パラメータを修正する理由は、少なくとも2つの識別子を区別し、一方の識別子は、構成パラメータが他の(複数の)セル(たとえば、セルB)のセル機能停止に起因して修正されたことを指示し、構成パラメータが他の理由に起因して修正されたことを指示する別の識別子とは異なる。eNB1は、修正された構成パラメータと、構成パラメータを修正する理由とをさらに保存する。このようにして、セルのセル機能停止が終了したことを突き止めるとき、eNB1は、セルBのセル機能停止に起因して修正された、セルAに関連した構成パラメータを元の構成パラメータに復元することがあり、よって、セル関連構成パラメータの高速回復を達成し、他の(複数の)セル(たとえば、セルB)のセル機能停止に起因したセル(たとえば、セルA)への影響を低減する。
【0094】
図6に示されるように、本発明の別の実施形態は、基地局eNB1を提供し、この基地局は、送信モジュール1100と対処モジュール1200とを含む。送信モジュール110は、セル機能停止が第2のセルに起こったことを指示する通知を受信するように構成され、対処モジュール1200は、第1のセルがeNB1に属し、第2のセルがこの第1のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであるとして、第1のセルをエネルギー節約状態から正常状態に遷移させ、所望により、第1のセルを正常状態に維持するように構成されている。あるいは、対処モジュール1200は、第2のセルのセル機能停止の問題が解決されるまで、第3のセルを正常状態に維持するように構成されている。第3のセルは、eNB1に属し、第2のセルは、セルCの受信可能範囲を引き継ぐセルである。
【0095】
所望により、送信モジュール1100は、第2のセルのセル識別子と、セル機能停止が第2のセルに起こったことを指示するセル機能停止指示情報とを受信するように構成されている。所望により、送信モジュール1100は、エネルギー節約起動メッセージを受信するように構成され、このエネルギー節約起動メッセージは、第2のセルのセル識別子と起動理由とを含み、この起動理由は、セル機能停止の原因値を含む。たとえば、第2のセルは、第2の基地局に属し、エネルギー節約起動メッセージは、第2の基地局によって送信される。
【0096】
所望により、基地局は、開始遅延時間情報を受信するように構成された受信モジュール1300をさらに含み、開始遅延時間情報は、待機持続時間情報を含む。対処モジュール1200は、受信モジュール1300が開始遅延時間情報を受信した後、待機持続時間に達したときに、第1のセルの状態遷移プロセスを開始するようにさらに構成されている。
【0097】
所望により、基地局は、開始遅延時間情報を受信するように構成された受信モジュール1300をさらに含み、この開始遅延時間情報は、開始時間情報を含む。対処モジュール1200は、受信モジュール1300からもたらされる開始時間に達したときに、第1のセルの状態遷移プロセスを開始するようにさらに構成されている。
【0098】
所望により、対処モジュール1200は、第2のセルが第1のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルである、と判定するようにさらに構成されている。
【0099】
所望により、受信モジュール1300は、対処モジュール1200が第2のセルは第1のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであると判定した後、セル機能停止が第2のセルに起こったことを指示する通知を受信するように構成されている。所望により、対処モジュール1200は、受信モジュール1300が第2のセルにセル機能停止が発生したことを指示する通知を受信した後、第2のセルが第1のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであることを判定するように構成されている。
【0100】
所望により、送信モジュール1100は、受信モジュール1300が第2のセルにセル機能停止が起こったことを指示する通知を受信する前、かつ、対処モジュール1200が第2のセルは第1のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであると判定した後、第1のセルのセル識別子とセルエネルギー節約指示情報とを送信するようにさらに構成され、このセルエネルギー節約情報指示は、第1のセルがエネルギー節約状態に入ることを指示する。
【0101】
所望により、対処モジュール1200は、受信モジュール1100によって受信された第2のセルの識別子に従って第2のセルが第1のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであると判定するように構成されている。たとえば、受信モジュール1100は、隣接セル関係情報ESCompensatedCellRelation、または、エネルギー節約補償セル情報EUtranRelation情報、または、セル属性情報EUtranGenericCellを受信し、この隣接セル関係情報情報、または、エネルギー節約補償セル情報、または、セル属性情報は、第2のセルの識別子情報を搬送する。
【0102】
所望により、送信モジュール1100は、受信モジュール1100が第2のセルの識別子を受信する前に、たとえば、IRPマネージャに第1のセルのセル識別子を送信するようにさらに構成されている。
【0103】
所望により、受信モジュール1100は、第1のセルの構成パラメータと構成パラメータを修正する理由とを含む構成パラメータ修正コマンドを受信するようにさらに構成され、この修正の理由は、セル機能停止の原因値、または、修正が非セル機能停止によって引き起こされた修正とは異なることを指示する原因値である。
【0104】
所望により、受信モジュール1100は、第2のセルのセル機能停止が終了したことを指示する通知を受信するようにさらに構成され、対処モジュール1200は、自動エネルギー節約ポリシーに従って、第1のセルを正常状態に維持するために、または、第1のセルを正常状態からエネルギー節約状態に遷移させるようにさらに構成されている。
【0105】
本実施形態において提供された基地局を使用することにより、ネットワーク内の受信不可能領域は、エネルギー節約状態にある第1のセルのネットワーク受信可能範囲を引き継ぐ第2のセルにセル機能停止が起こったときに生じないようにされ得る。
【0106】
図6に示されるように、本発明の別の実施形態は、装置を提供する。この装置は、受信モジュール3100と対処モジュール3200とを含む。受信モジュール3100は、たとえば、第2のセルのセル識別子と、セル機能停止が第2のセルに起こったことを指示するセル機能停止指示情報とを受信することにより、セル機能停止が第2のセルに起こったことを判定するように構成されている。対処モジュール3200は、第1のセルがeNB1に属し、第2のセルが第1のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルであるとして、OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、第1のセルをエネルギー節約状態から正常状態に遷移させることを第1の基地局に命令し、所望により、第1のセルを正常状態に維持するように構成されている。あるいは、対処モジュール3200は、OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、第2のセルのセル機能停止の問題が解決済みであることを突き止めるまで第3のセルを正常状態に維持することを第1の基地局に命令するように構成され、この第3のセルは、第1の基地局に属し、この第2のセルは、第3のセルの受信可能範囲を引き継ぐセルである。所望により、セル機能停止指示情報が第2のセルの第2の基地局によって送信される。
【0107】
所望により、対処モジュール3200は、OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、エネルギー節約機能を無効にする理由情報を第1の基地局に送信するように構成され、このエネルギー節約機能を無効にする理由情報は、セル機能停止の原因値である。対処モジュール3200は、OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、エネルギー節約が無効にされた対象の識別子を送信するようにさらに構成され、たとえば、エネルギー節約が無効にされた対象の識別子は、第1のセルのセル識別子、または、第1の基地局の識別子である。
【0108】
所望により、対処モジュール3200は、起動メッセージを受信するように構成され、この起動メッセージは、エネルギー節約機能を無効にする理由、または、エネルギー節約機能を無効にする識別子を含み、この起動メッセージは、第1のセルの構成パラメータ情報をさらに含む。
【0109】
所望により、対処モジュール3200は、構成パラメータ修正コマンドを第1の基地局に送信するようにさらに構成され、この構成パラメータ修正コマンドは、第1のセルの構成パラメータと、構成パラメータを修正する理由とを含み、修正の理由は、セル機能停止の原因値、または、修正が非セル機能停止によって引き起こされた修正とは異なることを指示する原因値である。
【0110】
所望により、対処モジュール3200は、受信モジュール3100が第2のセルのセル識別子とセル機能停止が第2のセルに起こったことを指示するセル機能停止指示情報とを受信する前に、第1のセルに関連した指示情報を第1の基地局に送信するようにさらに構成され、この指示情報は、エネルギー節約が第1のため許可されていることを指示するために使用される。たとえば、指示情報は、隣接セル関係情報EUtranRelation情報内のエネルギー節約補償セル情報isEScompensateCell、または、第1のセルのセル属性情報EUtranGenericCell内のエネルギー節約許可情報isESAllowedである。
【0111】
所望により、受信モジュール3100は、セルBのセル機能停止が終了したことを指示する通知を受信するようにさらに構成され、対処モジュール3200は、OAMノースバウンド・インターフェイスを介して、エネルギー節約機能を有効にする理由情報を第1の基地局に送信するようにさらに構成され、たとえば、エネルギー節約機能を有効にする理由情報は、解決済みのセル機能停止の原因値である。
【0112】
所望により、対処モジュール3200は、OAMノースバウンド・インターフェイスを介してエネルギー節約が許可された対象の識別子を送信するようにさらに構成され、たとえば、エネルギー節約が許可された対象の識別子は、第1のセルのセル識別子、または、第1の基地局の識別子である。
【0113】
本実施形態において提供された装置は、IRPマネージャでもよい。本実施形態において提供された基地局を使用することにより、ネットワーク内の受信不可能領域は、セル機能停止がエネルギー節約状態にある第1のセルの領域を受信可能範囲に含む第2のセルに起こったときに生じないようにされ得る。
【0114】
本実施形態において提供された装置を適用するさらに所望の方法は、他の実施形態において提供された方法を参照することが可能であり、これ以上説明しない。
【0115】
当業者は、前述の実施形態におけるステップの全部または一部が関連したハードウェアに命令するプログラムによって完成されてもよいことを理解するであろう。このプログラムは、ROM/RAM、磁気ディスク、または、コンパクトディスクのようなコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に保存されることがある。
【0116】
以上の説明は、本発明の単なる例示的な実施形態であり、当業者は、発明の原理から逸脱することなく、様々な改善および改良を行うことがあることに注意すべきである。すべてのこのような修正および改良は、本発明によって網羅されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6