(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、特許文献1に記載された技術では、食品すくい上げ部材における食品をすくい上げる面は常に同じであるため、このすくい上げ面に付着した食品は、食品と接触した際に食品同士が互いに接触することですくい上げ面から落とされる。しかしながら、すくい上げ面と反対側の面に付着した食品は、食品に接触することがないため、食品すくい上げ部材に滞留していた。そして、この滞留する食品を落とすには、撹拌工程を一時的に停止させて食品すくい上げ部材自体を洗浄する必要があり、大変煩わしいものとなっていた。
【0006】
また、特許文献1に記載された技術には、固定された回転軸心に回転可能に支持された食品すくい上げ部材が提案されている。しかしながら、この方式では、回転軸心が固定されているために、食品すくい上げ部材が常に同じ位置で回転している。そのため、食品すくい上げ部材の回転方向に沿って食品を片側へ送り込むだけとなり、食品の撹拌効率が低下する、という問題を有していた。
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術における実情を考慮し、食品の撹拌効率を下げることなく、食品を撹拌する撹拌子に食品が付着し滞留することを防ぐことができる食品撹拌装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の食品撹拌装置は、ドラム部材と、撹拌部材と、移動機構と、回転機構と、を備えている。ドラム部材は、中空の略円筒形に形成されて食品が投入される投入口を有し、軸心を水平方向と略平行又は水平方向に対して傾斜させて配置される。撹拌部材は、ドラム部材の筒孔内にドラム部材の軸方向と略平行に配置される撹拌軸及び撹拌軸に設けられて食品を撹拌する撹拌子とを有する。移動機構は、撹拌部材を移動可能に支持し、撹拌部材をドラム部材の前記筒孔内を周回移動させる。回転機構は、撹拌部材を撹拌軸の軸心を中心に回転させる。
【0009】
この構成によれば、撹拌部材をドラム部材内で周回移動させることで、食品を上側に持ち上げることができると共に、撹拌部材が撹拌軸を中心に回転することで、撹拌子における食品と接触する面が変化する。これにより、撹拌子に付着した食品を食品同士で互いに接触させることができるため、撹拌子に付着した食品を落とすことができ、撹拌子に食品が滞留することを防ぐことが可能となる。さらに、撹拌子が回転し、かつ周回移動することで、食品を押し上げると共に落下させることができる。これにより、食品の撹拌効率を向上させることができる。
【0010】
また、回転機構は、移動機構における撹拌部材を周回移動させる回転方向と同じ向きに撹拌部材を回転可能としてもよい。この構成によれば、撹拌部材が撹拌軸を中心に周回移動させる回転方向と同じ向きに回転することで、食品が撹拌子の表面を流れ落ちる。その結果、食品同士が互いに接触するため、食品を撹拌しながら撹拌子に付着した食品を落とすことができる。
【0011】
撹拌子は、撹拌軸の周囲から半径外方向に向けて突出する複数の撹拌羽根を有するようにしてもよい。この構成によれば、撹拌羽根の先端部が、食品を切るようにして食品内に入りこむため、食品を切り混ぜることができ、炊飯された米のような粉状あるいは粒状の食品のかたまりをほぐすことができる。
【0012】
また、移動機構は、撹拌部材をドラム部材の内壁面に接近及び離反させ、撹拌部材を内壁面に接近させた際、所定の角度範囲において撹拌部材を内壁面に沿って移動させてもよい。そして、移動機構は、撹拌部材を略楕円軌道を描いて移動させてもよい。このような構成によれば、ドラム部材の筒孔の上部にスペースを空けることができ、この空いたスペースに食品を投入する投入部や各種部品を配置することができる。
【0013】
さらに、回転機構による撹拌部材の回転速度を、移動機構による撹拌部材の周回速度と異なる速度に設定してもよい。このような構成によれば、撹拌子が食品を押し上げる面を変化させることができる。
【発明の効果】
【0014】
上記構成の食品撹拌装置によれば、食品の撹拌効率を下げることなく、撹拌子に付着した食品を落とすことができ、撹拌子に食品が滞留することを防ぐことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態例にかかる食品撹拌装置及び食品連続炒め方法を
図1〜
図3を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0017】
1.食品撹拌装置の構成例
まず、食品撹拌装置の構成例(以下、「本例」という)について、
図1〜
図3を参照して説明する。
図1は、食品撹拌装置を示す側面図である。
図2は、食品撹拌装置を示す正面図である。
図3は、食品撹拌装置の要部を拡大して示す説明図である。
【0018】
図1に示す食品撹拌装置1は、特に炒飯やピラフを製造する際に用いられる装置である。食品撹拌装置1は、食品が投入されるドラム部材11と、支持台12と、食品を撹拌する撹拌部材13と、回転駆動する回転機構14と、移動駆動部15と、支持リング16と、ドラム部材11を加熱する不図示の加熱部とを有している。そして、この移動駆動部15と支持リング16により移動機構17が構成される。
【0019】
[ドラム部材]
ドラム部材11は、中空の略円筒状に形成されており、軸方向の両端が開口している。ドラム部材11における軸方向の一端側の開口は、食品(本例では炊飯米)が投入される投入口11aであり、ドラム部材11における軸方向の他端側の開口は、食品が排出される排出口11bである。
【0020】
ドラム部材11としては、熱伝導性に優れたステンレス鋼や、鉄鋼材料、銅系材料等の金属材料を用いることが好ましい。また、ドラム部材11は、局部的な焦げ付き防止とムラのない平均的な加熱を行うために十分な肉厚を有することが好ましい。さらに、ドラム部材11の内周面は、地肌のままでもよく、あるいはフッ素樹脂コーティング、フッ素樹脂含浸処理、金属粉末の溶射処理等の表面処理を施してもよい。
【0021】
また、ドラム部材11は、支持台12に設けられた軸受け部12aによって回転可能に支持される。そして、ドラム部材11は、支持台12により投入口11a側が排出口11bよりも上下方向に高く配置されている。すなわち、ドラム部材11の軸方向は、水平方向に対して傾斜している。そのため、ドラム部材11で撹拌された食品は、ドラム部材11の傾斜によって排出口11b側へ送られ、排出口11bにおける上下方向の下部から筒孔の外側へ排出される。また、ドラム部材11は、不図示の駆動部により回転駆動する。
【0022】
なお、本例では、ドラム部材11を回転駆動させた例を説明したが、これに限定されるものではなく、ドラム部材11を固定しても本発明の目的は達成できるものである。
【0023】
ドラム部材11の筒孔11c内には、撹拌部材13がドラム部材11の軸方向に貫通して配置される。
【0024】
[撹拌部材]
次に、
図1及び
図2を参照して撹拌部材13について説明する。
図1に示すように、撹拌部材13は、撹拌軸22と、撹拌子23とを有している。撹拌軸22は、ドラム部材11の筒孔11cを軸方向に沿って貫通している。また、撹拌軸22の軸方向の一端部は、移動駆動部15に移動可能に支持され、撹拌軸22の軸方向の他端部は、支持リング16に移動可能に支持されている。さらに、撹拌軸22の軸方向の一端には、回転機構14が設けられている。そして、撹拌軸22は、その軸方向がドラム部材11の軸方向と略平行に配置される。また、撹拌軸22の軸方向の中途部には、撹拌子23が固定されている。
【0025】
図2に示すように、撹拌子23は、断面形状が略十字状に形成されている。また、
図1に示すように、撹拌子23は、撹拌軸22の軸方向に沿って延在している。この撹拌子23における撹拌軸22の軸方向の長さは、ドラム部材11の軸方向の長さと略等しいか、あるいは若干短くなるように設定されている。
【0026】
また、
図2に示すように、撹拌子23は、撹拌軸22が貫通し、嵌合する嵌合孔24と、4つの略平板状の撹拌羽根25とを有している。4つの撹拌羽根25は、撹拌軸22の周囲から半径外方向に向けて放射状に突出している。さらに、4つの撹拌羽根25は、撹拌軸22周りに略等角度間隔(本例では、90度)に配置されている。
【0027】
さらに、撹拌部材13における断面形状の大きさは、撹拌する食品や、必要な撹拌力に応じて適宜設定されるものである。
【0028】
なお、本例では、撹拌子23の断面形状を略十字状に形成した例を説明したが、撹拌子23の形状はこれに限定されるものでない。撹拌子23の形状としては、三角柱、四角柱や六角柱でもよく、あるいは平板状に形成してもよい。これにより、撹拌子23の構成を単純化することができる。さらに、撹拌羽根25を3つ以下、あるいは5つ以上設けてもよい。
【0029】
なお、本例では、撹拌子23の嵌合孔24に撹拌軸22を嵌合させることで、撹拌子23と撹拌軸22とを一体に固定させた例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、撹拌子23と撹拌軸22を接着や固定ネジ等その他各種の固定方法で固定してもよい。さらに、撹拌子23と撹拌軸22を一つの部材から削り出すことで、一体に形成してもよく、あるいは金型によって撹拌子23と撹拌軸22を一体に成型してもよい。
【0030】
[移動機構]
次に、移動駆動部15及び支持リング16から構成される移動機構17について説明する。
図1に示すように、ドラム部材11の投入口11a側である軸方向の一方には、移動駆動部15が配置され、ドラム部材11の排出口11b側である軸方向の他方には、支持リング16が配置されている。支持リング16と排出口11bの間隔は、移動駆動部15と投入口11aの間隔よりも広く設定されている。このように、ドラム部材11と支持リング16との隙間を広く開けることで、食品を排出口11bから排出する際に、支持リング16に食品が付着することを防止している。
【0031】
また、移動駆動部15は、撹拌軸22の軸方向の一端部に配置され、支持リング16は、撹拌軸22の軸方向の他端部に配置されている。支持リング16は、略楕円形の開口を有するリング状の部材である。支持リング16の略楕円形の開口には、撹拌軸22の軸方向の他端部が挿入される。そして、撹拌軸22の軸方向の他端部は、支持リング16の開口の縁部に沿って摺動する。また、支持リング16の開口の原点O1は、ドラム部材11の軸心Q1よりも上下方向の下方に位置している。
【0032】
移動駆動部15が駆動すると、撹拌部材13は、支持リング16の開口に沿って略楕円軌道を描いて周回移動する(
図2参照)。そのため、撹拌部材13の撹拌子23は、ドラム部材11の内壁面11dに接近及び離反を繰り返す。また、
図2に示すように、撹拌部材13は、ドラム部材11の内壁面11dに接近した際には、所定の角度範囲でドラム部材11の内壁面11dに沿って撹拌部材13が移動する。さらに、支持リング16の原点O1がドラム部材11の軸心Q1よりも上下方向の下方に位置しているため、撹拌部材13は、ドラム部材11の内壁面11dにおける上下方向の下部側に接近する。
【0033】
支持リング16の開口の大きさは、ドラム部材11の軸心Q1よりも上下方向の下半分に収まる大きさに設定されている。そのため、撹拌部材13は、ドラム部材11における筒孔11cの軸心Q1よりも上下方向の下半分の領域内で移動する。このように、撹拌部材13が移動する領域を小さくすることで、撹拌部材13がドラム部材11の内壁面11dから離反する点(以下、「離反点」という)T1から、直ぐに内壁面11dに接近する点(以下、「接近点」という)P1に移動させることができる。
【0034】
また、撹拌部材13を接近及び離反させることで、ドラム部材11における筒孔11cの軸心Q1の上下方向の上半分の領域にスペースを空けることができる。その結果、この空いたスペースに食品を投入する投入部や各種部品を配置することができる。
【0035】
移動機構17は、接近点P1がドラム部材11に投入された食品M1における上下方向の下端部の近傍に位置し、離反点T1が食品M1における上下方向の上端部の近傍に位置するように撹拌部材13を移動させる。なお、撹拌部材13におけるドラム部材11の内壁面11dに接近して、ドラム部材11の内壁面11dに沿って移動させる距離、すなわち接近点P1から離反点T1までの距離は、ドラム部材11に投入される食品M1の量に応じて適宜設定するようにしてもよい。
【0036】
なお、移動機構の構成として、上述した移動駆動部15及び支持リング16に限定されるものではなく、例えばクランク機構からなるスイングアームやロボットアーム等その他各種の機構を用いることができる。
【0037】
さらに、本例では、撹拌部材13を略楕円軌道を描いて移動するように構成した例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、撹拌部材13をドラム部材11の筒孔11cの直径と略等しい円軌道で内壁面11dに沿って移動させてもよい。なお、少なくとも接近点P1から離反点T1の間では、撹拌部材13がドラム部材11の内壁面11dに沿うように移動させればよい。そして、撹拌部材13が離反点T1から接近点P1に移動する際の軌道は、直線状や円弧状等どのような軌道であってもよい。
【0038】
[回転機構]
次に、回転機構14について説明する。
回転機構14は、撹拌部材13における撹拌軸22の軸方向の一端に設けられている。そして、回転機構14は、撹拌部材13を回転可能に支持している。また、回転機構14は、移動機構17における撹拌部材13を周回移動させる回転方向A1と、同じ回転方向A1に撹拌部材13を回転させる。本例では、
図2に示すように、ドラム部材11の片側から見ると、反時計回りに、撹拌部材13を周回移動させ、かつ撹拌部材13を回転させている。
【0039】
図2及び
図3に示すように、この回転機構14が回転駆動すると、撹拌軸22の軸心S1を中心として撹拌軸22及び撹拌子23が回転する(
図2及び
図3参照)。回転機構14としては、撹拌軸22にモータを直接取り付けてもよく、あるいはモータからの回転力をベルトやギア等を介して撹拌軸22に伝達するようにしてもよい。
【0040】
また、回転機構14による撹拌部材13の回転速度と、移動機構17による撹拌部材13の周回速度に差を設けている。例えば、本例では、移動機構17によって撹拌部材13は、一分間に楕円軌道を15回転し、回転機構14によって撹拌部材13は、一分間に軸心S1を中心に40回転する。なお、撹拌部材13を回転及び移動させる速度は、撹拌する食品や撹拌量に応じて適宜設定されるものである。
【0041】
さらに、撹拌子23に設けた撹拌羽根25の数が多くなると、撹拌軸22及び撹拌子23を回転させる回転速度を下げ、撹拌羽根25の数が少なくなると、撹拌軸22及び撹拌し23を回転させる回転速度を上げることが好ましい。
【0042】
なお、本例では、回転機構14は、移動機構17における撹拌部材13を周回移動させる回転方向A1と、同じ回転方向A1に撹拌部材13を回転させた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、回転機構14は、移動機構17における撹拌部材13を周回移動させる回転方向A1と反対向きに撹拌部材13を回転させてもよい。
【0043】
2.食品の撹拌方法
次に、上述した構成を有する食品撹拌装置1を用いた食品の撹拌方法について説明する。
まず、
図1に示すように、ドラム部材11の投入口11aから筒孔11c内に食品を投入する。なお、炒飯を製造する際は、炊飯された米(炊飯米)をドラム部材11に投入する。また、ドラム部材11は、予め不図示の加熱部により所定の温度に加熱されていると共に油が投入される。卵炒飯を製造する際は、加熱凝固する卵液も投入される。そして、
図2に示すように、ドラム部材11に投入された食品M1は、筒孔11cの上下方向の下端部に溜まる。
【0044】
次に、
図2に示すように、不図示の駆動部、移動機構17の移動駆動部15及び回転機構14を駆動する。そして、ドラム部材11が軸受け部12a(
図1参照)に支持された状態で回転する。このドラム部材11が回転することで、筒孔11cの下端部に溜まった食品M1は、筒孔11cの下端部から内壁面11dに沿って所定の高さまで持ち上げられる。
【0045】
さらに、撹拌部材13が略楕円軌道を描いて移動すると共に撹拌軸22の軸心S1(
図3参照)を中心に回転する。なお、食品M1を投入する前に、不図示の駆動部、移動機構17の移動駆動部15及び回転機構14を駆動させてもよい。
【0046】
図2に示すように、撹拌部材13が接近点P1まで移動すると、撹拌部材13は、内壁面11dに接近すると共に、筒孔11cの上下方向の下端部から内壁面11dに沿って上下方向の上方に向けて移動する。そして、
図3に示すように、撹拌部材13が内壁面11dに接近し、かつ内壁面11dに沿って移動すると、撹拌子23の撹拌羽根25が食品M1内に入り込む。
【0047】
さらに、接近点P1がドラム部材11に投入された食品M1における上下方向の下端部の近傍に位置し、離反点T1が食品M1における上下方向の上端部の近傍に位置するように撹拌部材13を移動させている。これにより、撹拌部材13が一回、内壁面11dに接近して離反する際に、撹拌子23を食品M1の略全体に接触させることができ、撹拌効率を向上させることができる。
【0048】
そして、撹拌子23は、接近点P1から離反点T1までの間、食品M1の略全体を所定の高さまで押し上げる。そして、撹拌部材13が
図2に示す離反点T1から内壁面11dから離反すると、食品M1は、内壁面11dに沿って筒孔11cの下端部まで落下する。これにより、食品M1における内壁面11dに接触する箇所と接触していない箇所とを変化させることができる。
【0049】
また、撹拌部材13は、回転機構14によって撹拌軸22の軸心S1を中心に筒孔11c内を周回移動する回転方向A1と同じ回転方向A1に回転している。これにより、撹拌部材13が移動することで撹拌部材13の前方に食品M1が集まる。そして、この集められた食品M1は、撹拌子23の撹拌羽根25によって、内壁面11dからすくい上げられると共に撹拌部材13が周回移動する方向と反対側に落下する。このように、撹拌部材13が回転することで、食品M1を細かく撹拌することができ、食品撹拌装置1全体の撹拌能力を向上させることができる。
【0050】
このように、撹拌部材13が周回移動する方向と、同じ向きに撹拌部材13を回転させることで、食品M1をすくい上げる動作と、落下させる動作を同時に行うことができる。そして、すくい上げられた食品M1が、撹拌部材13の撹拌子23の表面に沿って流れ落ちる際に、撹拌子23に付着した食品M1と接触する。これにより、撹拌子23上で食品M1同士が接触することで、撹拌子23に付着した食品M1を落とすことができる。
【0051】
なお、撹拌部材13が周回移動する方向と、逆向きに撹拌部材13を、撹拌軸22を中心に回転させた場合、撹拌部材13の周回移動によって押し上げられた食品M1は、撹拌部材13の回転によって筒孔11cの内壁面に沿ってかき戻される。そのため、逆向きの場合では、同じ向きに比べて撹拌部材13による食品M1の押し上げ効果が軽減する。したがって、撹拌部材13を回転される向きは、撹拌部材13が周回移動する方向と同じ向きにすることが好ましい。
【0052】
さらに、撹拌子23が回転しながら食品M1と接触することで、4つの撹拌羽根25のうち食品M1と接触する撹拌羽根25が変化する。すなわち、撹拌子23における食品M1と接触する面が随時変化する。これにより、撹拌子23に食品M1が付着しても、食品M1と接触する面が随時変化することで、撹拌子23に付着した食品M1とドラム部材11に溜まる食品M1とを接触させて、撹拌子23から食品M1を落とすことができる。その結果、撹拌動作を行いながら、撹拌子23に付着した食品M1を落とすことができるため、撹拌工程を一時停止させて撹拌子23を洗浄する必要がない。
【0053】
また、4つの撹拌羽根25は、それぞれ略平板状に形成されて、撹拌子23における嵌合孔24の軸心から半径外方向に向けて突出している。そのため、回転しながら内壁面11dに接近することで、撹拌羽根25における嵌合孔24と反対側の端部が、食品M1を切るようにして食品M1内に入りこむ。このように、4つの撹拌羽根25が食品M1に順次入り込むことで、食品M1を切り混ぜることができ、炊飯された米のような粉状あるいは粒状の食品のかたまりをほぐすことができる。
【0054】
回転機構14による撹拌部材13の回転速度と、移動機構17による撹拌部材13の周回速度に差を設けているため、撹拌部材13が接近点P1に移動して食品M1に接触する際に、前回と異なる撹拌羽根25を食品M1に接触させることができる。また、撹拌部材13の回転速度は、撹拌部材13の周回速度の整数倍とならないように設定することが好ましい。
【0055】
図1に示すように、ドラム部材11の軸方向は、水平方向に対して傾斜しており、排出口11bは投入口11aよりも上下方向の高さが低く設定されている。そのため、撹拌部材13によって撹拌された食品M1は、ドラム部材11の傾斜によって排出口11bに向けて送られる。そして、食品M1は、排出口11bからドラム部材11の外側に排出される。これにより、本例の食品撹拌装置1を用いた食品の撹拌作業が完了する。
【0056】
なお、本例では、撹拌部材13を常に回転機構14によって回転させた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、撹拌部材13が接近点P1に移動するまでは回転を停止させ、接近点P1から離反点T1を移動する間に一時的に回転させてもよい。また、撹拌部材13に付着した食品M1を検知するセンサを設け、このセンサが食品M1の付着を検知した際に、撹拌部材13を回転させるようにしてもよく、あるいは定期的に撹拌部材13を回転させるようにしてもよい。
【0057】
なお、本例では、炒飯を製造する例を説明したが、本例の食品撹拌装置1は、これに限定されるものではなく、例えば、焼きそばや野菜炒め等の紐状や裁断された食品を撹拌する際に用いてもよく、あるいは粉状の食品を撹拌する際に用いてもよい。さらに、本例の食品撹拌装置1は、撹拌する食品に応じて他の食品混合装置と共に使用することができる。
【0058】
以上、食品撹拌装置及び食品連続炒め方法の実施の形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の食品撹拌装置及び食品連続炒め方法は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。