(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アナログ入力信号を受信し、該アナログ入力信号を、デジタル出力信号の最上位ビット部分に対応する第1のデジタル信号に変換するよう構成される第1のアナログ−デジタル変換器を有し、該第1のアナログ−デジタル変換器は逐次近似レジスタを有し、前記アナログ入力信号と前記第1のデジタル信号との間の値の差に対応する残留電圧を生成するよう構成され、
前記第1のアナログ−デジタル変換器へ結合され、前記残留電圧を受け、該残留電圧を、前記デジタル出力信号の最下位ビット部分に対応する第2のデジタル信号に変換するよう構成される第2のアナログ−デジタル変換器を有し、
前記デジタル出力信号は、前記アナログ入力信号のデジタル表現であり、
前記第2のアナログ−デジタル変換器は、
時間デジタル変換器と、
前記残留電圧を閾電圧と比較して、前記第2のアナログ−デジタル変換器を停止する制御信号を生成するよう構成される比較器と、
前記比較器へ結合され、略一定の割合で前記残留電圧をドレーンするよう構成される電流源と
を有する、装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の実施形態は、添付の図面に示される限定されない実施例を用いて記載される。図面において、同じ参照符号は、同様の要素を表す。
【0009】
以下の詳細な説明において、その一部を形成する添付の図面が参照される。図面では、本開示が実施され得る実施形態が一例として示されている。他の実施形態が利用されてよく、且つ、構造上の又は論理的な変更が本開示の適用範囲から逸脱することなしに行われてよいことが、理解されるべきである。従って、以下の詳細な説明は、限定の意味において解されるべきではなく、本開示に従う実施形態の適用範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等によって定義される。
【0010】
様々な動作は、本開示の実施形態を理解するのを助けるように、順に複数の別個の動作として記載されることがある。しかし、記載される順序は、それらの動作が順序に依存することを暗示していると解釈されるべきではない。
【0011】
記載のために、形式“A/B”における又は形式“A及び/又はB”における言い回しは、(A)、(B)、又は(A及びB)を意味する。記載のために、形式“A、B、及びCの中の少なくとも1つ”における言い回しは、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B及びC)を意味する。記載のために、形式“(A)B”における言い回しは、(B)又は(AB)、すなわち、Aが任意の要素であること、を意味する。
【0012】
記載は、“実施形態において”又は“一実施形態において”との表現を用いることがあり、これは夫々、同じか又は異なる実施形態の中の1以上を参照してよい。更に、本開示の実施形態に関して使用される語“有する”、“含む”、“備える”等は同義である。
【0013】
記載は、様々な実施形態において使用される様々な構成要素を記載するために、“比較器”、“キャパシタ”、“スイッチ”及び“ラッチ”等のような様々な用語を用いることがある。それらの構成要素は、様々な方法において実施され、且つ/あるいは、同じ機能の構成要素によって置換されてよいことが理解される。例えば、“キャパシタ”は、CMOSキャパシタ、又は金属酸化膜キャパシタのように、半導体プロセスに基づき実施されてよい。そして、“スイッチ”は、1以上のトランジスタによって実施されてよい。更に、それらの構成要素は、単一の特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit;ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gated Array;FPGA)、等に集積されてよい。従って、本開示の全体を通して使用される用語は、単なる説明のためであり、限定として解釈されるべきではない。
【0014】
本開示の様々な実施形態は、二段式ADC回路と、該二段式ADC回路に基づく時間インターリーブシステムとについて記載する。二段式ADC回路は、第1の段のための逐次近似レジスタ(SAR)と、第2の段のための電荷に基づく時間−デジタル変換器(TDC)とを有してよい。二段式ADC回路は、高性能シリアルI/O用途において用いられ得る。
【0015】
図1は、本開示の様々な実施形態に従って、SAR及びTDCを用いる二段式ADC回路を表すブロック図である。様々な実施形態において、二段式ADC回路100は、互いに結合された第1の段のADC110(SARを設けられる。)及び第2の段のADC120(TDCを設けられる。)を有してよい。様々な実施形態において、第1の段のADC110は、アナログ入力信号101を受信するよう構成されてよい。第1の段のADC110は、アナログ入力信号101の第1のアナログ−デジタル変換を介して第1のデジタル出力102を生成するよう構成されてよい。例えば、第1の段のADC110は、アナログ信号101を第1のデジタル出力102に粗変換するよう構成されてよい。第1の段のADC110はまた、アナログ残留信号103を生成してよい。残留信号103は、アナログ入力信号101と第1のデジタル出力102との間の値の差に対応してよい。様々な実施形態において、第2の段のADC120は、第2のアナログ−デジタル変換を介して、残留信号103に基づき第2のデジタル出力104を生成するよう構成されてよい。様々な実施形態において、第1のデジタル出力102は、1又はそれ以上のビットを含んでよく、第2のデジタル出力104は、1又はそれ以上のビットを含んでよい。様々な実施形態において、第1のアナログ−デジタル変換は、SAR変換プロセスに基づいてよく、一方、第2のアナログ−デジタル変換は、以下でより完全に記載されるTDCプロセスに基づいてよい。
【0016】
図1には図示されていないが、第1のデジタル出力102及び第2のデジタル出力104は、デジタル出力信号のMSB部分として第1のデジタル出力102の1又はそれ以上のビットを用い且つデジタル出力信号のLSB部分として第2のデジタル出力104の1又はそれ以上のビットを用いて、単一のデジタル出力信号を形成するよう結合されてよい。然るに、第1のデジタル出力102はデジタル出力信号のMSB部分に対応してよく、第2のデジタル出力104はデジタル出力信号のLSB部分に対応してよい。様々な実施形態において、第1のデジタル出力102及び/又は第2のデジタル出力104はまた、それらが結合される前に、1以上の処理段階を受けてよい。そのような処理は、パリティチェック、周期的冗長検査(cyclic redundancy check;CRC)、及び他の形式のデジタルエラー訂正を含んでよい。
【0017】
理解の容易のために、
図1は、2つの別個の構成要素、すなわち、110及び120を有するADC100を表すが、それら2つの構成要素は単一の構成要素に統合されるか、又は更なる構成要素に更に細分されてよいことが知られる。
【0018】
図2は、本開示の様々な実施形態に従って、より詳細に
図1の二段式ADC回路を表すブロック図である。表されるように、二段式ADC回路200は、第1の段のADC210及び第2の段のADC220を含む2つの領域に分けられてよい。第1の段のADC210は、
図2において破線の左側に配置されている構成要素を含んでよく、第2の段のADC220は、破線の右側に配置されている構成要素を含んでよい。理解の容易のために、
図2は、ADC200の特定の配置で分けられている第1の段のADC210及び第2の段のADC220を表すが、そのような分割は単に説明のためであり、第1の段のADC210及び第2の段のADC220は単一の構成要素に統合されるか、又は更なる構成要素に分割されてよいことが知られる。
【0019】
実施形態に関し、第1の段のADC210は、アナログ入力電圧信号V
inを第1の出力214に変換する第1変換を行うよう構成されてよい。様々な実施形態において、第1の段のADC210は、サンプリングスイッチ211と、第1の比較器212と、SARロジック213と、キャパシタ216及び217のアレイと、スイッチ206及び207の対応するアレイとを有してよい。様々な実施形態において、キャパシタ216及び217、スイッチ211、206及び207、比較器212、並びにSARロジック213は、直接に又は間接に、互いと結合されてよい。
【0020】
様々な実施形態において、表されるように、比較器212は、ノード218にある電圧V
xを接地信号V
ssと比較するよう構成されてよい。変換プロセスの間、ノード218にある電圧V
xは、キャパシタ216及び217の上側にある瞬時電圧に相当し、この瞬時電圧は、リファレンス電圧V
ref及びアナログ入力電圧信号V
inに関連している。V
x、V
ref及びV
inの間の詳細な関係は、本開示の後の項目において開示される。
【0021】
理解の容易のために、
図2は、第1の入力端子で電圧V
xを受け且つ第2の入力端子で接地信号V
ssを受けることによって電圧V
xを接地信号V
ssと比較するよう構成される比較器212を表すが、比較器212は、比較の結果が同じままである限り他の電圧信号を比較するよう構成されてよいことが知られる。例えば、V
xを接地信号V
ssと比較するよりむしろ、比較器212は、入力電圧V
inをV
refの関数に基づく電圧と比較するよう構成されてよく、これは、V
xをV
ssと比較するのと同じ結果を得ることができる。
【0022】
様々な実施形態において、SAR213は、比較器212の出力を受けるよう構成されてよい。SAR213は、スイッチ211、206及び207へ結合されてよい。アナログ−デジタル変換の間、SAR213は、キャパシタ216及び217において蓄積された電荷を再分配するために比較器212の出力に基づきスイッチ211、206及び207を制御するよう構成されてよい。変換後、SAR213はまた、スイッチ206及び207の状態に基づき第1の出力214を生成するよう構成されてよい。
【0023】
様々な実施形態において、キャパシタ216及び217の下側は夫々、スイッチ206及び207のアレイと結合されてよく、キャパシタ216及び217の上側は、共通ノード218へ結合されてよい。理解の容易のために、
図2は、上側及び下側を夫々備えるキャパシタ216及び217を表すが、“上側”及び“下側”といった用語は、単に、回路図におけるキャパシタの相対位置を表すために使用され、従って、構成要素の間の如何なる物理的な関係も示さないことが知られる。同様に、理解の容易のために、
図2は、様々な開放及び/又は閉成位置を備える様々なスイッチ211及び205−207を表すが、それらのスイッチは1以上のトランジスタによって実施されてよく、“開放”又は“閉成”といったスイッチ211及び205−207の状態は、トランジスタの様々なモードに基づき論理的に実施されてよいことが知られる。更に、
図2は、単一のスイッチとしてスイッチの各1つを表すが、スイッチの各1つは、スイッチ等の1以上の他の構成要素を含んでよいことが知られる。
【0024】
様々な実施形態において、キャパシタアレイは、2進重み付けされてよい。例えば、キャパシタ216はCのキャパシタンスを有してよく、キャパシタ217は2Cのキャパシタンスを有してよい。Cは単位キャパシタンスである。Cの正確な値は場合毎に様々であってよく、回路200の全体設計及び用途に基づき調整されてよい。様々な実施形態において、Cは50pFであってよい。キャパシタアレイにおけるキャパシタの数は、第1の段のADC210の設計される分解能に対応してよい。例えば、表されるように、ADC210は、2ビットデジタル出力信号214をサポートするために、キャパシタアレイにおいて2つのキャパシタ216及び217を有してよい。
図2は、2つのキャパシタ(すなわち、216及び217)を表すが、ADC210は、2ビットよりも高い又は低い変換分解能をサポートするよう、より多い又は少ないキャパシタを有してよいことが理解される。
【0025】
様々な実施形態において、SARロジック213の制御下で、スイッチ206及び207は、アナログ入力信号V
in、リファレンス信号V
ref又は接地信号V
ssを受信するよう構成されてよい。様々な実施形態において、ADC210の動作のサンプリング相の間、SAR213は、サンプリングスイッチ211をその閉成位置へ切り替え、且つ、スイッチ206及び207をアナログ入力電圧信号V
inと結合させてよい。サンプリング相の終わりに、キャパシタ216及び217の下側はV
inの電圧を有してよい。結果として、キャパシタ216及び217の上側、すなわち、ノード218にある電圧V
xは、−V
inに等しい。
【0026】
様々な実施形態において、ADC210のサンプリング相の終わりに、SAR213は、サンプリングスイッチ211をその開放位置へ切り替え、且つ、スイッチ206及び207を接地信号V
ssへ結合させてよい。その後、SAR213は、最初にスイッチ207をリファレンス信号V
refへ切り替えて電圧V
xをV
ref/2だけ増大させることによって、変換プロセスを開始してよい。後に、比較器212は、電圧V
xを接地信号V
ssと比較し、比較の結果をSAR213へ供給してよい。比較の結果により電圧V
xがV
ssよりも低いことが示される場合は、SAR213はスイッチ207をリファレンス信号V
refに保ってよい。比較器212の出力により電圧V
xがV
ssよりも高いことが示される場合は、SAR213は、スイッチ207をV
ssへ切り替えて電圧V
xを−V
inに下げ戻してよい。次いで、SAR213は、スイッチ206をV
refに切り替えて、ノード218での電圧V
xをV
ref/4だけ増大させることによって、変換プロセスの次のチャネルヘ進んでよい。次いで、SAR213は、同じように比較器212の出力に基づきスイッチ206を調整してよい。変換プロセスは、キャパシタのアレイにおける全てのチャネルが利用されるまで続いてよい。
【0027】
様々な実施形態において、2ビットSAR ADCに関し、第1の段のADC210は、2クロック周期において変換相を完了してよい。様々な実施形態において、各クロック周期は約125ピコ秒であってよく、ADC210の総遅延は約250ピコ秒であってよい。様々な実施形態において、2ビットSAR変換の後、ノード218での電圧V
xは:
V
x=−V
in+(b
0/2+b
1/2
2)・V
ref
と表され得る。式中、b
0及びb
1は第1の出力214のビット値であり、夫々、スイッチ207及び206の状態に対応する。然るに、V
xは、アナログ入力信号V
in及びV
refに基づき決定され得る。特に、V
xは、アナログ入力信号V
inと第1の出力214との間の値の差に等しい。従って、第1の変換の終わりに、ノード218での電圧V
xは、
図1に表される残留信号103に対応する。残留信号はV
resと表されてよい。
【0028】
様々な実施形態において、残留電圧信号V
resの精度は、キャパシタ整合に基づき調整されてよい。キャパシタ整合は、最高8ビットまでの変換分解能を有するADCについて校正なしで既知のCMOSプロセスを用いることによって達成され得る。様々な実施形態において、オフセット相殺スキームが、例えば、電流トリミングDACを用いることによって、第1の比較器212の入力オフセットを除去するために使用されてよい。
【0029】
様々な実施形態において、第1の段のADC210は、相補キャパシタ215と、対応する相補スイッチ205とを更に有してよい。様々な実施形態において、相補キャパシタ215はキャパシタ216と同じキャパシタンスを有してよい。様々な実施形態において、相補キャパシタ215はCのキャパシタンスを有してよい。相補スイッチ205はSAR213へ結合されてよい。様々な実施形態において、サンプリング相の間、SAR213は、アナログ入力電圧信号V
inへ結合されるようスイッチ205を制御してよい。変換相の間、スイッチ205は、接地信号V
ssへ結合されたままであってよい。相補スイッチ205はスイッチ206及び207と同じように調整されないが、相補キャパシタ215は、スイッチ206及び207を調整することでADC210の残りの総キャパシタンスの半分に対応する電荷が変換プロセスの各チャネルにおいて再分配されるようにすることを確かにするのを助ける。様々な他の実施形態において、相補キャパシタ215は任意であってよい。
【0030】
様々な実施形態において、第2の段のADC220は、残留信号V
resの時間−デジタル変換を実行してよい。様々な実施形態において、第2の段のADC220は、直接に又は間接に互いと結合されたスイッチ221、電流源222、第2の比較器223、TDC224、及びラッチ225を有してよい。様々な実施形態において、ラッチ225はDQラッチであってよい。様々な実施形態において、TDC224及びラッチ225は、単一の構成要素に一体化されてよい。
【0031】
様々な実施形態において、スイッチ221は、第1の段のADC210のSAR変換の間、開放されたままであってよい。残留電圧信号V
resが生成されると、スイッチ221は閉じられてよく、残留電圧信号V
resが第2の段のADC220の残りへ伝播することを可能にする。様々な実施形態において、スイッチ221はまた、SAR213へ結合されて、SAR213の制御下で動作してよい。
【0032】
様々な実施形態において、ADC220は、電流源222を介して残留電圧信号V
resを放電し、同時に第2の出力226を生成するようTDC224をトリガすることによって、残留電圧信号V
resの時間−デジタル変換を実行してよい。様々な実施形態において、ADC220は、残留電圧信号V
resが閾電圧V
thresholdに達する場合に時間−デジタル変換を停止してよい。電流源222は、略一定の割合でノード218にある残留電圧信号V
resを放電するよう構成されてよい。然るに、残留電圧信号V
resをV
thresholdまで放電するために必要とされる時間の量Tは、残留電圧信号V
resに比例してよい。例えば、Tは:
T=(V
res−V
thres)・C
total/I
c
と表され得る。式中、I
cは電流源222の値であり、C
totalは第1の段のADC210の総キャパシタンスであり、これはキャパシタ215−217のキャパシタンスを含んでよい。様々な実施形態において、TDC224によって生成される第2の出力は、Tの値に対応する。
【0033】
様々な実施形態において、電流源222は、閾電圧V
thresholdについて適切な値を選択することによって、第2の段のADC220の動作範囲において満足な線形性を保つよう設計されてよい。様々な実施形態において、V
thresholdは、V
resの範囲と、第1の段のADC210及び第2の段のADC220の夫々の設計される分解能とを含む様々な要因に基づき、選択されてよい。例えば、ADC200は、5ビットの総変換分解能を備えるADCであってよく、2ビット分解能を備える第1の段のADC210と、3ビット分解能を備える第2の段のADC220とを有してよい。然るに、残留電圧V
resは0からV
ref/4の間であってよく、閾電圧V
thresholdは0からV
ref/32の間で選択されてよい。様々な実施形態において、閾電圧V
thresholdは0又は接地信号V
ssに設定されてよい。
【0034】
様々な実施形態において、ADC220は、第2の比較器223を用いることによって時間−デジタル変換プロセスの終わりを制御するよう構成されてよい。様々な実施形態において、第2の比較器223は、インバータに基づく閾検出器であってよい。第2の比較器223は、残留電圧信号V
resを受信してよく、残留電圧V
resを閾電圧V
thresholdと比較するよう構成されてよい。第2の比較器223は、第2の比較の出力をTDC224及びラッチ225へ供給してよい。TDC224は、時間−デジタル変換を停止する制御信号(例えば、“Stop”)として第2の比較の出力を使用してよい。同様に、ラッチ225は、第2の出力226をラッチする制御信号として第2の比較の出力を使用してよい。様々な実施形態において、表されるように、TDC224は、SAR213から他の制御信号(例えば、“Start”)を受信してよい。
【0035】
図3は、本開示の様々な実施形態に従って、
図2のTDCの更なる詳細を表すブロック図である。表される実施形態に関し、TDC224は、直接に又は間接に互いと結合された1以上のラッチ311−313、1以上の遅延素子321−323、及び加算器330を有してよい。1以上のラッチはDQラッチであってよい。様々な実施形態において、TDC224は、時間−デジタル変換期間の開始時に“Start”信号を受信してよい。時間−デジタル変換の間、夫々の遅延素子321−323は、時間セグメントT
deltaだけStart信号の伝播を遅延させることができる。様々な実施形態において、T
deltaの値は約5ピコ秒であってよい。各時間セグメントT
deltaに関し、ラッチ311−313の中の対応する1つがトリガされてよい。時間−デジタル変換の終わりに、TDC224は、ラッチ311−313の出力をラッチするStop信号を受信してよい。ラッチ311−313の出力は加算器330によって合算されて、ラッチ225へ供給されてよい。
【0036】
様々な実施形態において、TDC224は、3ビット(例えば、2
3)の時間−デジタル変換をサポートするよう8個の遅延素子及び8個のラッチを有してよい。他の実施形態では、TDC224に含まれる遅延素子及びラッチの数は、異なる分解能をサポートするよう8よりも多くても又は少なくてもよい。更に、様々な実施形態において、TDC224は、デジタルエラー訂正のために更なる遅延素子及び更なるラッチを有してよい。例えば、TDC224は、5ビット出力を生成するのに十分な遅延素子及びラッチを有してよく、パリティチェック後に3ビットを生成してよい。
【0037】
様々な実施形態において、TDC224の遅延偏差は、例えばデジタルルックアップテーブル(LUT)を用いることを含む既知の技術によって、後処理の間、固定されてよい。
【0038】
様々な実施形態において、先に開示されたように、第1の段のADC210としてSARに基づくADCを、及び第2の段のADC220のために電荷に基づくTDC変換器を用いることによって、二段式ADC200は、開ループ方式において残留信号V
resを自動的に生成して、従来の二段式ADC設計においてさもなければ必要とされる複雑な閉ループオペアンプの包含を回避することができる。第1及び第2の段のADCにおいて使用される比較器/閾検出器の数はまた、フラッシュコンバータに基づく従来の二段式ADC(例えば、Mビット分解能を有する二段式ADCについて2
M個の比較器)と比較して大いに削減され得る。SARに基づく第1の段のADC210を用いることによって、入力キャパシタンスも低減され得、これにより電力消費も削減され得る。
【0039】
図4は、本開示の様々な実施形態に従って、時間インターリーブ式のADCシステムを表すブロック図である。時間インターリーブ式のADCシステム400は、入力アナログ信号401を受信し、デジタル出力信号402を生成するよう構成されてよい。ADCシステム400は、マスターサンプル/ホールドスイッチ410と、加算器450と、ADCシステム400のチャネルとして動作する複数の二段式ADC回路とを有してよい。各二段式ADC回路は、上述されたようなサンプル/ホールドスイッチ420、第1の段のADC430、及び第2の段のADC440を有してよい。複数の二段式ADC回路の夫々の出力は、加算器450によって結合されてよい。様々な実施形態において、サンプル/ホールドスイッチ410及びサンプル/ホールドスイッチ420は、異なる帯域幅/周波数の下で動作してよい。例えば、10Gb/sの帯域幅を有する4−wayインターリーブ式ADCに関し、スイッチ410は10Gb/sの下で動作してよく、一方、スイッチ420は2.5Gb/sの下で動作してよい。
【0040】
様々な実施形態において、各チャネルが2ビットの第1の変換出力及び3ビットの第2の変換出力を有するとともに、ADCシステム400において上述されたような10Gb/sの帯域幅を有する4−way時間インターリーブ式ADCシステムに関し、シミュレーション結果は、総入力キャパシタンスが約800fFであり且つ総電力消費が約50mWであることを示してよい。
【0041】
図5は、本開示の様々な実施形態に従って、二段式ADC回路の動作の一部を表すフロー図である。ブロック510で、二段式ADC回路100は、入力アナログ信号101を受信してよい。ブロック520で、第1の段のADC110は、入力アナログ信号101に基づき第1の出力102を、及び残留信号103を生成してよい。ブロック530で、第2の段のADC120は、残留信号103に基づき第2の出力104を生成してよい。ブロック540で、第1の出力102及び第2の出力104は、単一のデジタル出力を形成するよう結合されてよい。
【0042】
図6は、本開示の実施形態に従って、上記の方法及び装置の様々な態様と組み合わせされる例となるコンピュータシステムを表す。図示されるように、コンピュータシステム600は、電源ユニット601と、複数のプロセッサ又はプロセッサコア602と、複数の有形な非一時の記憶媒体(例えば、システムメモリ604、及び大容量記憶装置606)と、通信インターフェース610と、I/Oコントローラ608とを有してよい。特許請求の範囲を含む本願のために、用語“プロセッサ”及び“プロセッサコア”は、文脈が別なふうに明らかに必要としない限り、同義と考えられてよい。
【0043】
更に、コンピュータシステム600は、PCIe、USB等のような標準に基づく1以上の有形な非一時のコンピュータ可読大容量記憶装置606(例えば、ディスケット、ハードドライブ、コンパクトディスク読出専用メモリ(CDROM)等)を有してよい。様々な実施形態において、大容量記憶装置606は、I/Oインターコネクト614を介してシステムバス612へ結合されてよい。本開示の様々な実施形態において、I/Oインターコネクト614は、上述されたような且つ
図1乃至4において表されたような1以上の二段式ADC回路を有してよい。システムバス612は、1以上のバスに相当してよい。複数のバスの場合において、それらは1以上のバスブリッジ(図示せず。)によって橋渡しされてよい。データは、I/Oデバイス608からプロセッサ602へと、システムバス612へのI/Oインターコネクト614を通る。
【0044】
システムメモリ604及び大容量記憶装置606は、ここでは集合的に622と示される1以上のオペレーティングシステム、ファームウェアモジュール又はドライバ、アプリケーション等を実施するプログラミング命令の作業コピー及び永久的コピーを記憶するよう用いられてよい。プログラミング命令の永久的コピー(permanent copy)は、例えば、コンパクトディスク(CD)のような配布媒体(図示せず。)を通じて、又は(配布サーバ(図示せず。)から)通信インターフェース610を通じて、工場において、又は現場で、永久記憶装置606に置かれてよい。すなわち、エージェントプログラムの実施を有する1以上の配布媒体は、エージェントを分配し且つ様々なコンピュータ装置をプログラムするために用いられてよい。
【0045】
それらの要素601乃至622の残りの構成は知られており、従って、これ以上は記載されない。
【0046】
具体的な実施形態がここで説明及び記載されてきたが、当業者には明らかなように、本開示の実施形態の適用範囲から逸脱することなしに、多種多様な代替及び/又は同等の実施が図示及び記載される具体的な実施形態と置換されてよい。本願は、ここで論じられている実施形態のあらゆる適応又は変形をカバーするよう意図される。従って、本開示の実施形態は特許請求の範囲及びその均等によってのみ制限されることが明白に意図される。