特許第5763269号(P5763269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5763269逐次近似レジスタ(SAR)及び時間−デジタル変換器(TDC)を用いる二段式アナログ−デジタル変換器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5763269
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】逐次近似レジスタ(SAR)及び時間−デジタル変換器(TDC)を用いる二段式アナログ−デジタル変換器
(51)【国際特許分類】
   H03M 1/38 20060101AFI20150723BHJP
   H03M 1/50 20060101ALI20150723BHJP
   H03M 1/14 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
   H03M1/38
   H03M1/50
   H03M1/14 A
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-515858(P2014-515858)
(86)(22)【出願日】2012年6月1日
(65)【公表番号】特表2014-519793(P2014-519793A)
(43)【公表日】2014年8月14日
(86)【国際出願番号】US2012040511
(87)【国際公開番号】WO2013002957
(87)【国際公開日】20130103
【審査請求日】2013年12月12日
(31)【優先権主張番号】13/174,689
(32)【優先日】2011年6月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,ジェンニーン
【審査官】 岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−164914(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/036697(WO,A1)
【文献】 特開2011−015294(JP,A)
【文献】 特開2006−020282(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/095751(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/069144(WO,A1)
【文献】 米国特許第06124818(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0066583(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 1/00−1/88
H04N 5/30−5/378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログ入力信号を受信し、該アナログ入力信号を、デジタル出力信号の最上位ビット部分に対応する第1のデジタル信号に変換するよう構成される第1のアナログ−デジタル変換器を有し、該第1のアナログ−デジタル変換器は逐次近似レジスタを有し、前記アナログ入力信号と前記第1のデジタル信号との間の値の差に対応する残留電圧を生成するよう構成され、
前記第1のアナログ−デジタル変換器へ結合され、前記残留電圧を受け、該残留電圧を、前記デジタル出力信号の最下位ビット部分に対応する第2のデジタル信号に変換するよう構成される第2のアナログ−デジタル変換器を有し、
前記デジタル出力信号は、前記アナログ入力信号のデジタル表現であり、
前記第2のアナログ−デジタル変換器は、
時間デジタル変換器と、
前記残留電圧を閾電圧と比較して、前記第2のアナログ−デジタル変換器を停止する制御信号を生成するよう構成される比較器と、
前記比較器へ結合され、略一定の割合で前記残留電圧をドレーンするよう構成される電流源と
を有する、装置。
【請求項2】
前記第1のアナログ−デジタル変換器は、キャパシタのアレイと、スイッチのアレイを有し、
前記キャパシタのアレイに含まれる夫々のキャパシタの一端は、前記スイッチのアレイの中の対応するスイッチへ結合され、前記キャパシタのアレイに含まれる夫々のキャパシタの他端は、共通ノードへ結合される、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記残留電圧は、リファレンス電圧に基づく、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記スイッチのアレイに含まれる夫々のスイッチは、前記アナログ入力信号、リファレンス電圧、又は接地電圧と結合されるよう構成される、
請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のアナログ−デジタル変換器及び前記第2のアナログ−デジタル変換器は、アナログ−デジタル変換器回路の第1チャネルの部分であり、
前記アナログ−デジタル変換器回路は、時間インターリーブ形式において前記第1チャネルとともに動作するよう構成される第2チャネルを更に有し、該第2チャネルは、前記第1のアナログ−デジタル変換器と同様に構成される第3のアナログ−デジタル変換器と、前記第2のアナログ−デジタル変換器と同様に構成される第4のアナログ−デジタル変換器とを有する、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
二段式アナログ−デジタル変換器によってアナログ入力信号を受信するステップと、
前記アナログ−デジタル変換器の第1の段によって、前記アナログ入力信号を、逐次近似変換プロセスを介して、デジタル出力信号の最上位ビット部分に対応する第1のデジタル信号に変換する第1変換ステップと、
前記アナログ−デジタル変換器の前記第1の段によって、前記アナログ入力信号と前記第1のデジタル信号との間の値の差に対応する残留電圧を生成するステップと、
前記アナログ−デジタル変換器の第2の段によって、前記残留電圧を、時間−デジタル変換プロセスを介して、前記デジタル出力信号の最下位ビット部分に対応する第2のデジタル信号に変換する第2変換ステップと
を有し、
前記デジタル出力信号は、前記アナログ入力信号のデジタル表現であり、
前記第2変換ステップは、前記アナログ−デジタル変換器の電流源によって略一定の割合で前記残留電圧を放電することを含む、方法。
【請求項7】
前記デジタル出力信号を形成するよう前記第1のデジタル信号と前記第2のデジタル信号とを結合するステップ
を更に有する請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のデジタル信号は、エラー訂正のための1以上のビットを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2変換ステップは、前記残留電圧が閾電圧レベルに達したと決定すると前記放電を停止することを含む、
請求項6乃至8のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1変換ステップは、前記アナログ入力信号、リファレンス電圧、又は接地電圧と結合されるよう複数のスイッチの1以上を制御することを含む、
請求項6乃至9のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
有形な非一時的大容量記憶デバイスと、
前記大容量記憶デバイスへ結合され、該大容量記憶デバイスとの間でデータをやり取りするよう構成される入出力インターコネクトと
を有し、
前記入出力インターコネクトは、
アナログ入力信号を受信し、該アナログ入力信号を、デジタル出力信号の最上位ビット部分に対応する第1のデジタル信号に変換する第1変換を行うよう構成される第1のアナログ−デジタル変換器を有し、該第1のアナログ−デジタル変換器は逐次近似レジスタを有し、前記アナログ入力信号と前記第1のデジタル信号との間の値の差に対応する残留電圧を生成するよう構成され、
前記第1のアナログ−デジタル変換器へ結合され、前記残留電圧を受け、該残留電圧を、前記デジタル出力信号の最下位ビット部分に対応する第2のデジタル信号に変換する第2変換を行うよう構成される第2のアナログ−デジタル変換器を有し、
前記デジタル出力信号は、前記アナログ入力信号のデジタル表現であり、
前記第2のアナログ−デジタル変換器は、
時間デジタル変換器と、
前記残留電圧を閾電圧と比較して、前記第2のアナログ−デジタル変換器を停止する制御信号を生成するよう構成される比較器と、
前記比較器へ結合され、略一定の割合で前記残留電圧をドレーンするよう構成される電流源と
を有する、システム。
【請求項12】
前記第1のアナログ−デジタル変換器は、キャパシタのアレイと、スイッチのアレイを有し、
前記キャパシタのアレイに含まれる夫々のキャパシタの一端は、前記スイッチのアレイの中の対応するスイッチへ結合され、前記キャパシタのアレイに含まれる夫々のキャパシタの他端は、共通ノードへ結合される、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記残留電圧は、リファレンス電圧に基づく、
請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記スイッチのアレイに含まれる夫々のスイッチは、前記アナログ入力信号、リファレンス電圧、又は接地電圧と結合されるよう構成される、
請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のアナログ−デジタル変換器及び前記第2のアナログ−デジタル変換器は、アナログ−デジタル変換器回路の第1チャネルの部分であり、
前記アナログ−デジタル変換器回路は、時間インターリーブ形式において前記第1チャネルとともに動作するよう構成される第2チャネルを更に有し、該第2チャネルは、前記第1のアナログ−デジタル変換器と同様に構成される第3のアナログ−デジタル変換器と、前記第2のアナログ−デジタル変換器と同様に構成される第4のアナログ−デジタル変換器とを有する、
請求項11乃至14のうちいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、エレクトニクスの分野、特に、逐次近似レジスタ(successive approximation registers;SAR)及び時間−デジタル変換器(time-to-digital converters;TDC)を用いる二段式アナログ−デジタル変換器に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで別なふうに示されない限り、本項目において記載される題材は、本願における特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、本項目における包含をもって先行技術であるとは認められない。
【0003】
アナログ−デジタル変換器(analog-digital converters;ADC)は、様々なバックプレーン及び/又はインターコネクトのデジタルシリアル入出力(I/O)受信器において使用され得る。そのようなデジタルシリアルI/Oバックプレーン/インターコネクトの例には、PCI(Peripheral Component Interconnect)−SIG(Special interest Group)によって2010年11月に公表されたPCIe(Peripheral Component Interconnect express)バージョン3.0、又はUSB(Universal Serial Bus)−IF(Implementers Forum)によって2008年11月に公表されたUSBバージョン3.0等に従って実施されるものがある。
【0004】
今日使用されている従来のADCの多くは、全くデジタルI/OベースのADCというわけではない。一般に使用され得るADCのタイプは、フラッシュADC、例えば、フラッシュコンバータである。フラッシュADCは、比較的高速な変換速度の点で優れている。しかし、フラッシュADCは、比較的高い入力キャパシタンスによる高電力消費を欠点とする。そのようなものとして、フラッシュADCは、低電力且つ高性能の用途には適さない。例えば、10Gb/sを超える帯域幅をサポートするI/O用途に関し、フラッシュADCは約500mWの電力を消費する。
【0005】
二段式ADCは、変換レイテンシーが増大する代わりに、消費電力が小さくなる。名前が示すように、二段式ADCは、第1の段のADCと、第2の段のADCとを有してよい。第1の段のADCは、入力されたアナログ信号を第1のデジタル出力信号に粗変換する。その場合に、入力されたアナログ信号と第1のデジタル出力信号との間の差が生成され、この差は“残留信号”と呼ばれることがある。第2の段のADCは残留信号を取り、それを第2のデジタル出力信号に変換する。第1及び第2のデジタル出力信号は、次いで、単一のデジタル出力信号にまとめられる。第1のデジタル出力信号は、結合デジタル出力信号の最上位ビット(most significant bit(s);MSB)部分に対応し、第2のデジタル出力信号は、結合デジタル出力信号の最下位ビット(least significant bit(s);LSB)部分に対応する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の二段式ADC設計では、第1及び第2の両段のADCはフラッシュADCであってよい。2つの段の間では、デジタル−アナログ変換器(digital-to-analog converter;DAC)が、第1のデジタル出力信号をアナログ信号へ逆変換し、減算器が、最初に入力されたアナログ信号からこの変換後のアナログ信号を減じて残留信号を生成する。通常は、閉ループオペアンプも、スイッチドキャパシタシステムのコアとして、且つ/あるいは、残留信号を第2の段のADCへ供給され得る前に増幅するために、必要とされ得る。然るに、二段式ADCの測度及び精度は、閉ループオペアンプ及びDACの性能に基づく。しかし、高性能I/O用途の帯域幅、レイテンシー及び電力消費の要件を満たす高性能オペアンプは、特に100mn以下の機構長さを有するMOSトランジスタの固有(内在)ゲイン及び低い供給電圧に起因して設計するのが難しい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の様々な実施形態に従って、SAR及びTDCを用いる二段式ADC回路の概観を表すブロック図である。
図2】本開示の様々な実施形態に従って、更に詳細に、図1の二段式ADC回路を表すより詳細なブロック図である。
図3】本開示の様々な実施形態に従って、図2で表されるTDCの更なる詳細を表すブロック図である。
図4】本開示の様々な実施形態に従って、時間インターリーブ式のADCシステムを表すブロック図である。
図5】本開示の様々な実施形態に従って、二段式ADC回路の動作の一部を表すフロー図である。
図6】本開示の実施形態に従って、記載される方法及び/又は装置の様々な態様を組み込まれた例となるコンピュータシステムを表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の実施形態は、添付の図面に示される限定されない実施例を用いて記載される。図面において、同じ参照符号は、同様の要素を表す。
【0009】
以下の詳細な説明において、その一部を形成する添付の図面が参照される。図面では、本開示が実施され得る実施形態が一例として示されている。他の実施形態が利用されてよく、且つ、構造上の又は論理的な変更が本開示の適用範囲から逸脱することなしに行われてよいことが、理解されるべきである。従って、以下の詳細な説明は、限定の意味において解されるべきではなく、本開示に従う実施形態の適用範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等によって定義される。
【0010】
様々な動作は、本開示の実施形態を理解するのを助けるように、順に複数の別個の動作として記載されることがある。しかし、記載される順序は、それらの動作が順序に依存することを暗示していると解釈されるべきではない。
【0011】
記載のために、形式“A/B”における又は形式“A及び/又はB”における言い回しは、(A)、(B)、又は(A及びB)を意味する。記載のために、形式“A、B、及びCの中の少なくとも1つ”における言い回しは、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B及びC)を意味する。記載のために、形式“(A)B”における言い回しは、(B)又は(AB)、すなわち、Aが任意の要素であること、を意味する。
【0012】
記載は、“実施形態において”又は“一実施形態において”との表現を用いることがあり、これは夫々、同じか又は異なる実施形態の中の1以上を参照してよい。更に、本開示の実施形態に関して使用される語“有する”、“含む”、“備える”等は同義である。
【0013】
記載は、様々な実施形態において使用される様々な構成要素を記載するために、“比較器”、“キャパシタ”、“スイッチ”及び“ラッチ”等のような様々な用語を用いることがある。それらの構成要素は、様々な方法において実施され、且つ/あるいは、同じ機能の構成要素によって置換されてよいことが理解される。例えば、“キャパシタ”は、CMOSキャパシタ、又は金属酸化膜キャパシタのように、半導体プロセスに基づき実施されてよい。そして、“スイッチ”は、1以上のトランジスタによって実施されてよい。更に、それらの構成要素は、単一の特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit;ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gated Array;FPGA)、等に集積されてよい。従って、本開示の全体を通して使用される用語は、単なる説明のためであり、限定として解釈されるべきではない。
【0014】
本開示の様々な実施形態は、二段式ADC回路と、該二段式ADC回路に基づく時間インターリーブシステムとについて記載する。二段式ADC回路は、第1の段のための逐次近似レジスタ(SAR)と、第2の段のための電荷に基づく時間−デジタル変換器(TDC)とを有してよい。二段式ADC回路は、高性能シリアルI/O用途において用いられ得る。
【0015】
図1は、本開示の様々な実施形態に従って、SAR及びTDCを用いる二段式ADC回路を表すブロック図である。様々な実施形態において、二段式ADC回路100は、互いに結合された第1の段のADC110(SARを設けられる。)及び第2の段のADC120(TDCを設けられる。)を有してよい。様々な実施形態において、第1の段のADC110は、アナログ入力信号101を受信するよう構成されてよい。第1の段のADC110は、アナログ入力信号101の第1のアナログ−デジタル変換を介して第1のデジタル出力102を生成するよう構成されてよい。例えば、第1の段のADC110は、アナログ信号101を第1のデジタル出力102に粗変換するよう構成されてよい。第1の段のADC110はまた、アナログ残留信号103を生成してよい。残留信号103は、アナログ入力信号101と第1のデジタル出力102との間の値の差に対応してよい。様々な実施形態において、第2の段のADC120は、第2のアナログ−デジタル変換を介して、残留信号103に基づき第2のデジタル出力104を生成するよう構成されてよい。様々な実施形態において、第1のデジタル出力102は、1又はそれ以上のビットを含んでよく、第2のデジタル出力104は、1又はそれ以上のビットを含んでよい。様々な実施形態において、第1のアナログ−デジタル変換は、SAR変換プロセスに基づいてよく、一方、第2のアナログ−デジタル変換は、以下でより完全に記載されるTDCプロセスに基づいてよい。
【0016】
図1には図示されていないが、第1のデジタル出力102及び第2のデジタル出力104は、デジタル出力信号のMSB部分として第1のデジタル出力102の1又はそれ以上のビットを用い且つデジタル出力信号のLSB部分として第2のデジタル出力104の1又はそれ以上のビットを用いて、単一のデジタル出力信号を形成するよう結合されてよい。然るに、第1のデジタル出力102はデジタル出力信号のMSB部分に対応してよく、第2のデジタル出力104はデジタル出力信号のLSB部分に対応してよい。様々な実施形態において、第1のデジタル出力102及び/又は第2のデジタル出力104はまた、それらが結合される前に、1以上の処理段階を受けてよい。そのような処理は、パリティチェック、周期的冗長検査(cyclic redundancy check;CRC)、及び他の形式のデジタルエラー訂正を含んでよい。
【0017】
理解の容易のために、図1は、2つの別個の構成要素、すなわち、110及び120を有するADC100を表すが、それら2つの構成要素は単一の構成要素に統合されるか、又は更なる構成要素に更に細分されてよいことが知られる。
【0018】
図2は、本開示の様々な実施形態に従って、より詳細に図1の二段式ADC回路を表すブロック図である。表されるように、二段式ADC回路200は、第1の段のADC210及び第2の段のADC220を含む2つの領域に分けられてよい。第1の段のADC210は、図2において破線の左側に配置されている構成要素を含んでよく、第2の段のADC220は、破線の右側に配置されている構成要素を含んでよい。理解の容易のために、図2は、ADC200の特定の配置で分けられている第1の段のADC210及び第2の段のADC220を表すが、そのような分割は単に説明のためであり、第1の段のADC210及び第2の段のADC220は単一の構成要素に統合されるか、又は更なる構成要素に分割されてよいことが知られる。
【0019】
実施形態に関し、第1の段のADC210は、アナログ入力電圧信号Vinを第1の出力214に変換する第1変換を行うよう構成されてよい。様々な実施形態において、第1の段のADC210は、サンプリングスイッチ211と、第1の比較器212と、SARロジック213と、キャパシタ216及び217のアレイと、スイッチ206及び207の対応するアレイとを有してよい。様々な実施形態において、キャパシタ216及び217、スイッチ211、206及び207、比較器212、並びにSARロジック213は、直接に又は間接に、互いと結合されてよい。
【0020】
様々な実施形態において、表されるように、比較器212は、ノード218にある電圧Vを接地信号Vssと比較するよう構成されてよい。変換プロセスの間、ノード218にある電圧Vは、キャパシタ216及び217の上側にある瞬時電圧に相当し、この瞬時電圧は、リファレンス電圧Vref及びアナログ入力電圧信号Vinに関連している。V、Vref及びVinの間の詳細な関係は、本開示の後の項目において開示される。
【0021】
理解の容易のために、図2は、第1の入力端子で電圧Vを受け且つ第2の入力端子で接地信号Vssを受けることによって電圧Vを接地信号Vssと比較するよう構成される比較器212を表すが、比較器212は、比較の結果が同じままである限り他の電圧信号を比較するよう構成されてよいことが知られる。例えば、Vを接地信号Vssと比較するよりむしろ、比較器212は、入力電圧VinをVrefの関数に基づく電圧と比較するよう構成されてよく、これは、VをVssと比較するのと同じ結果を得ることができる。
【0022】
様々な実施形態において、SAR213は、比較器212の出力を受けるよう構成されてよい。SAR213は、スイッチ211、206及び207へ結合されてよい。アナログ−デジタル変換の間、SAR213は、キャパシタ216及び217において蓄積された電荷を再分配するために比較器212の出力に基づきスイッチ211、206及び207を制御するよう構成されてよい。変換後、SAR213はまた、スイッチ206及び207の状態に基づき第1の出力214を生成するよう構成されてよい。
【0023】
様々な実施形態において、キャパシタ216及び217の下側は夫々、スイッチ206及び207のアレイと結合されてよく、キャパシタ216及び217の上側は、共通ノード218へ結合されてよい。理解の容易のために、図2は、上側及び下側を夫々備えるキャパシタ216及び217を表すが、“上側”及び“下側”といった用語は、単に、回路図におけるキャパシタの相対位置を表すために使用され、従って、構成要素の間の如何なる物理的な関係も示さないことが知られる。同様に、理解の容易のために、図2は、様々な開放及び/又は閉成位置を備える様々なスイッチ211及び205−207を表すが、それらのスイッチは1以上のトランジスタによって実施されてよく、“開放”又は“閉成”といったスイッチ211及び205−207の状態は、トランジスタの様々なモードに基づき論理的に実施されてよいことが知られる。更に、図2は、単一のスイッチとしてスイッチの各1つを表すが、スイッチの各1つは、スイッチ等の1以上の他の構成要素を含んでよいことが知られる。
【0024】
様々な実施形態において、キャパシタアレイは、2進重み付けされてよい。例えば、キャパシタ216はCのキャパシタンスを有してよく、キャパシタ217は2Cのキャパシタンスを有してよい。Cは単位キャパシタンスである。Cの正確な値は場合毎に様々であってよく、回路200の全体設計及び用途に基づき調整されてよい。様々な実施形態において、Cは50pFであってよい。キャパシタアレイにおけるキャパシタの数は、第1の段のADC210の設計される分解能に対応してよい。例えば、表されるように、ADC210は、2ビットデジタル出力信号214をサポートするために、キャパシタアレイにおいて2つのキャパシタ216及び217を有してよい。図2は、2つのキャパシタ(すなわち、216及び217)を表すが、ADC210は、2ビットよりも高い又は低い変換分解能をサポートするよう、より多い又は少ないキャパシタを有してよいことが理解される。
【0025】
様々な実施形態において、SARロジック213の制御下で、スイッチ206及び207は、アナログ入力信号Vin、リファレンス信号Vref又は接地信号Vssを受信するよう構成されてよい。様々な実施形態において、ADC210の動作のサンプリング相の間、SAR213は、サンプリングスイッチ211をその閉成位置へ切り替え、且つ、スイッチ206及び207をアナログ入力電圧信号Vinと結合させてよい。サンプリング相の終わりに、キャパシタ216及び217の下側はVinの電圧を有してよい。結果として、キャパシタ216及び217の上側、すなわち、ノード218にある電圧Vは、−Vinに等しい。
【0026】
様々な実施形態において、ADC210のサンプリング相の終わりに、SAR213は、サンプリングスイッチ211をその開放位置へ切り替え、且つ、スイッチ206及び207を接地信号Vssへ結合させてよい。その後、SAR213は、最初にスイッチ207をリファレンス信号Vrefへ切り替えて電圧VをVref/2だけ増大させることによって、変換プロセスを開始してよい。後に、比較器212は、電圧Vを接地信号Vssと比較し、比較の結果をSAR213へ供給してよい。比較の結果により電圧VがVssよりも低いことが示される場合は、SAR213はスイッチ207をリファレンス信号Vrefに保ってよい。比較器212の出力により電圧VがVssよりも高いことが示される場合は、SAR213は、スイッチ207をVssへ切り替えて電圧Vを−Vinに下げ戻してよい。次いで、SAR213は、スイッチ206をVrefに切り替えて、ノード218での電圧VをVref/4だけ増大させることによって、変換プロセスの次のチャネルヘ進んでよい。次いで、SAR213は、同じように比較器212の出力に基づきスイッチ206を調整してよい。変換プロセスは、キャパシタのアレイにおける全てのチャネルが利用されるまで続いてよい。
【0027】
様々な実施形態において、2ビットSAR ADCに関し、第1の段のADC210は、2クロック周期において変換相を完了してよい。様々な実施形態において、各クロック周期は約125ピコ秒であってよく、ADC210の総遅延は約250ピコ秒であってよい。様々な実施形態において、2ビットSAR変換の後、ノード218での電圧Vは:

=−Vin+(b/2+b/2)・Vref

と表され得る。式中、b及びbは第1の出力214のビット値であり、夫々、スイッチ207及び206の状態に対応する。然るに、Vは、アナログ入力信号Vin及びVrefに基づき決定され得る。特に、Vは、アナログ入力信号Vinと第1の出力214との間の値の差に等しい。従って、第1の変換の終わりに、ノード218での電圧Vは、図1に表される残留信号103に対応する。残留信号はVresと表されてよい。
【0028】
様々な実施形態において、残留電圧信号Vresの精度は、キャパシタ整合に基づき調整されてよい。キャパシタ整合は、最高8ビットまでの変換分解能を有するADCについて校正なしで既知のCMOSプロセスを用いることによって達成され得る。様々な実施形態において、オフセット相殺スキームが、例えば、電流トリミングDACを用いることによって、第1の比較器212の入力オフセットを除去するために使用されてよい。
【0029】
様々な実施形態において、第1の段のADC210は、相補キャパシタ215と、対応する相補スイッチ205とを更に有してよい。様々な実施形態において、相補キャパシタ215はキャパシタ216と同じキャパシタンスを有してよい。様々な実施形態において、相補キャパシタ215はCのキャパシタンスを有してよい。相補スイッチ205はSAR213へ結合されてよい。様々な実施形態において、サンプリング相の間、SAR213は、アナログ入力電圧信号Vinへ結合されるようスイッチ205を制御してよい。変換相の間、スイッチ205は、接地信号Vssへ結合されたままであってよい。相補スイッチ205はスイッチ206及び207と同じように調整されないが、相補キャパシタ215は、スイッチ206及び207を調整することでADC210の残りの総キャパシタンスの半分に対応する電荷が変換プロセスの各チャネルにおいて再分配されるようにすることを確かにするのを助ける。様々な他の実施形態において、相補キャパシタ215は任意であってよい。
【0030】
様々な実施形態において、第2の段のADC220は、残留信号Vresの時間−デジタル変換を実行してよい。様々な実施形態において、第2の段のADC220は、直接に又は間接に互いと結合されたスイッチ221、電流源222、第2の比較器223、TDC224、及びラッチ225を有してよい。様々な実施形態において、ラッチ225はDQラッチであってよい。様々な実施形態において、TDC224及びラッチ225は、単一の構成要素に一体化されてよい。
【0031】
様々な実施形態において、スイッチ221は、第1の段のADC210のSAR変換の間、開放されたままであってよい。残留電圧信号Vresが生成されると、スイッチ221は閉じられてよく、残留電圧信号Vresが第2の段のADC220の残りへ伝播することを可能にする。様々な実施形態において、スイッチ221はまた、SAR213へ結合されて、SAR213の制御下で動作してよい。
【0032】
様々な実施形態において、ADC220は、電流源222を介して残留電圧信号Vresを放電し、同時に第2の出力226を生成するようTDC224をトリガすることによって、残留電圧信号Vresの時間−デジタル変換を実行してよい。様々な実施形態において、ADC220は、残留電圧信号Vresが閾電圧Vthresholdに達する場合に時間−デジタル変換を停止してよい。電流源222は、略一定の割合でノード218にある残留電圧信号Vresを放電するよう構成されてよい。然るに、残留電圧信号VresをVthresholdまで放電するために必要とされる時間の量Tは、残留電圧信号Vresに比例してよい。例えば、Tは:

T=(Vres−Vthres)・Ctotal/I

と表され得る。式中、Iは電流源222の値であり、Ctotalは第1の段のADC210の総キャパシタンスであり、これはキャパシタ215−217のキャパシタンスを含んでよい。様々な実施形態において、TDC224によって生成される第2の出力は、Tの値に対応する。
【0033】
様々な実施形態において、電流源222は、閾電圧Vthresholdについて適切な値を選択することによって、第2の段のADC220の動作範囲において満足な線形性を保つよう設計されてよい。様々な実施形態において、Vthresholdは、Vresの範囲と、第1の段のADC210及び第2の段のADC220の夫々の設計される分解能とを含む様々な要因に基づき、選択されてよい。例えば、ADC200は、5ビットの総変換分解能を備えるADCであってよく、2ビット分解能を備える第1の段のADC210と、3ビット分解能を備える第2の段のADC220とを有してよい。然るに、残留電圧Vresは0からVref/4の間であってよく、閾電圧Vthresholdは0からVref/32の間で選択されてよい。様々な実施形態において、閾電圧Vthresholdは0又は接地信号Vssに設定されてよい。
【0034】
様々な実施形態において、ADC220は、第2の比較器223を用いることによって時間−デジタル変換プロセスの終わりを制御するよう構成されてよい。様々な実施形態において、第2の比較器223は、インバータに基づく閾検出器であってよい。第2の比較器223は、残留電圧信号Vresを受信してよく、残留電圧Vresを閾電圧Vthresholdと比較するよう構成されてよい。第2の比較器223は、第2の比較の出力をTDC224及びラッチ225へ供給してよい。TDC224は、時間−デジタル変換を停止する制御信号(例えば、“Stop”)として第2の比較の出力を使用してよい。同様に、ラッチ225は、第2の出力226をラッチする制御信号として第2の比較の出力を使用してよい。様々な実施形態において、表されるように、TDC224は、SAR213から他の制御信号(例えば、“Start”)を受信してよい。
【0035】
図3は、本開示の様々な実施形態に従って、図2のTDCの更なる詳細を表すブロック図である。表される実施形態に関し、TDC224は、直接に又は間接に互いと結合された1以上のラッチ311−313、1以上の遅延素子321−323、及び加算器330を有してよい。1以上のラッチはDQラッチであってよい。様々な実施形態において、TDC224は、時間−デジタル変換期間の開始時に“Start”信号を受信してよい。時間−デジタル変換の間、夫々の遅延素子321−323は、時間セグメントTdeltaだけStart信号の伝播を遅延させることができる。様々な実施形態において、Tdeltaの値は約5ピコ秒であってよい。各時間セグメントTdeltaに関し、ラッチ311−313の中の対応する1つがトリガされてよい。時間−デジタル変換の終わりに、TDC224は、ラッチ311−313の出力をラッチするStop信号を受信してよい。ラッチ311−313の出力は加算器330によって合算されて、ラッチ225へ供給されてよい。
【0036】
様々な実施形態において、TDC224は、3ビット(例えば、2)の時間−デジタル変換をサポートするよう8個の遅延素子及び8個のラッチを有してよい。他の実施形態では、TDC224に含まれる遅延素子及びラッチの数は、異なる分解能をサポートするよう8よりも多くても又は少なくてもよい。更に、様々な実施形態において、TDC224は、デジタルエラー訂正のために更なる遅延素子及び更なるラッチを有してよい。例えば、TDC224は、5ビット出力を生成するのに十分な遅延素子及びラッチを有してよく、パリティチェック後に3ビットを生成してよい。
【0037】
様々な実施形態において、TDC224の遅延偏差は、例えばデジタルルックアップテーブル(LUT)を用いることを含む既知の技術によって、後処理の間、固定されてよい。
【0038】
様々な実施形態において、先に開示されたように、第1の段のADC210としてSARに基づくADCを、及び第2の段のADC220のために電荷に基づくTDC変換器を用いることによって、二段式ADC200は、開ループ方式において残留信号Vresを自動的に生成して、従来の二段式ADC設計においてさもなければ必要とされる複雑な閉ループオペアンプの包含を回避することができる。第1及び第2の段のADCにおいて使用される比較器/閾検出器の数はまた、フラッシュコンバータに基づく従来の二段式ADC(例えば、Mビット分解能を有する二段式ADCについて2個の比較器)と比較して大いに削減され得る。SARに基づく第1の段のADC210を用いることによって、入力キャパシタンスも低減され得、これにより電力消費も削減され得る。
【0039】
図4は、本開示の様々な実施形態に従って、時間インターリーブ式のADCシステムを表すブロック図である。時間インターリーブ式のADCシステム400は、入力アナログ信号401を受信し、デジタル出力信号402を生成するよう構成されてよい。ADCシステム400は、マスターサンプル/ホールドスイッチ410と、加算器450と、ADCシステム400のチャネルとして動作する複数の二段式ADC回路とを有してよい。各二段式ADC回路は、上述されたようなサンプル/ホールドスイッチ420、第1の段のADC430、及び第2の段のADC440を有してよい。複数の二段式ADC回路の夫々の出力は、加算器450によって結合されてよい。様々な実施形態において、サンプル/ホールドスイッチ410及びサンプル/ホールドスイッチ420は、異なる帯域幅/周波数の下で動作してよい。例えば、10Gb/sの帯域幅を有する4−wayインターリーブ式ADCに関し、スイッチ410は10Gb/sの下で動作してよく、一方、スイッチ420は2.5Gb/sの下で動作してよい。
【0040】
様々な実施形態において、各チャネルが2ビットの第1の変換出力及び3ビットの第2の変換出力を有するとともに、ADCシステム400において上述されたような10Gb/sの帯域幅を有する4−way時間インターリーブ式ADCシステムに関し、シミュレーション結果は、総入力キャパシタンスが約800fFであり且つ総電力消費が約50mWであることを示してよい。
【0041】
図5は、本開示の様々な実施形態に従って、二段式ADC回路の動作の一部を表すフロー図である。ブロック510で、二段式ADC回路100は、入力アナログ信号101を受信してよい。ブロック520で、第1の段のADC110は、入力アナログ信号101に基づき第1の出力102を、及び残留信号103を生成してよい。ブロック530で、第2の段のADC120は、残留信号103に基づき第2の出力104を生成してよい。ブロック540で、第1の出力102及び第2の出力104は、単一のデジタル出力を形成するよう結合されてよい。
【0042】
図6は、本開示の実施形態に従って、上記の方法及び装置の様々な態様と組み合わせされる例となるコンピュータシステムを表す。図示されるように、コンピュータシステム600は、電源ユニット601と、複数のプロセッサ又はプロセッサコア602と、複数の有形な非一時の記憶媒体(例えば、システムメモリ604、及び大容量記憶装置606)と、通信インターフェース610と、I/Oコントローラ608とを有してよい。特許請求の範囲を含む本願のために、用語“プロセッサ”及び“プロセッサコア”は、文脈が別なふうに明らかに必要としない限り、同義と考えられてよい。
【0043】
更に、コンピュータシステム600は、PCIe、USB等のような標準に基づく1以上の有形な非一時のコンピュータ可読大容量記憶装置606(例えば、ディスケット、ハードドライブ、コンパクトディスク読出専用メモリ(CDROM)等)を有してよい。様々な実施形態において、大容量記憶装置606は、I/Oインターコネクト614を介してシステムバス612へ結合されてよい。本開示の様々な実施形態において、I/Oインターコネクト614は、上述されたような且つ図1乃至4において表されたような1以上の二段式ADC回路を有してよい。システムバス612は、1以上のバスに相当してよい。複数のバスの場合において、それらは1以上のバスブリッジ(図示せず。)によって橋渡しされてよい。データは、I/Oデバイス608からプロセッサ602へと、システムバス612へのI/Oインターコネクト614を通る。
【0044】
システムメモリ604及び大容量記憶装置606は、ここでは集合的に622と示される1以上のオペレーティングシステム、ファームウェアモジュール又はドライバ、アプリケーション等を実施するプログラミング命令の作業コピー及び永久的コピーを記憶するよう用いられてよい。プログラミング命令の永久的コピー(permanent copy)は、例えば、コンパクトディスク(CD)のような配布媒体(図示せず。)を通じて、又は(配布サーバ(図示せず。)から)通信インターフェース610を通じて、工場において、又は現場で、永久記憶装置606に置かれてよい。すなわち、エージェントプログラムの実施を有する1以上の配布媒体は、エージェントを分配し且つ様々なコンピュータ装置をプログラムするために用いられてよい。
【0045】
それらの要素601乃至622の残りの構成は知られており、従って、これ以上は記載されない。
【0046】
具体的な実施形態がここで説明及び記載されてきたが、当業者には明らかなように、本開示の実施形態の適用範囲から逸脱することなしに、多種多様な代替及び/又は同等の実施が図示及び記載される具体的な実施形態と置換されてよい。本願は、ここで論じられている実施形態のあらゆる適応又は変形をカバーするよう意図される。従って、本開示の実施形態は特許請求の範囲及びその均等によってのみ制限されることが明白に意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6