【文献】
荒木 純道 他,アレイアンテナにおける共分散行列の最適推定基準に基づいた信号・雑音電力同時推定法,電子情報通信学会技術研究報告,1999年 6月17日,Vol.99, No.115,pp.29-36,A・P99-39
【文献】
SUI Dan et al.,On the Blind SNR Estimation for IF Signals,Innovative Computing, Information and Control, 2006. ICICIC '06. First International Conference on ,2006年 9月 1日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
直交周波数分割多重(OFDM:orthogonal frequency-division multiplexed)システムのための雑音推定フィルタであって、
OFDM信号ベクトルでユニタリベクトルを乗算し、前記OFDM信号ベクトルのスカラ積を生成するフィルタバンクモジュール手段と、
前記スカラ積を二乗し、前記スカラ積を重み付けし、複数の重み付けされた単一の推定を生成する係数二乗モジュール手段と、
前記重み付けされた単一の推定を加算し、雑音及び干渉電力の推定を生成する加算モジュール手段と
を有する雑音推定フィルタ。
前記係数乗算モジュール手段は、複数の雑音係数を格納し、前記複数の雑音係数の和は、複数の正規化された雑音係数を提供するように1の値を有する、請求項3ないし5のうちいずれか1項に記載の雑音推定フィルタ。
前記OFDM信号ベクトルは、n個の参照信号の長さを有する参照信号のベクトルであり、ただし、nは正の整数である、請求項1ないし8のうちいずれか1項に記載の雑音推定フィルタ。
前記雑音及び干渉電力の推定は、チャネル品質インジケータ(CQI:channel quality indicator)報告、プリコーディング行列インジケータ(PMI:preceding matrix indicator)報告、送信ランクインジケータ(RI:rank indicator)報告、フィードバック報告、干渉軽減、及び白色化を有するグループから選択された雑音機構への入力として使用される、請求項1ないし10のうちいずれか1項に記載の雑音推定フィルタ。
直交周波数分割多重(OFDM:orthogonal frequency-division multiplexed)システムにおいて雑音を推定する方法であって、
フィルタバンクモジュール手段を使用してOFDM信号ベクトルでユニタリベクトルを乗算し、前記OFDM信号ベクトルのスカラ積を生成するステップと、
二乗モジュール手段を使用して前記スカラ積を二乗し、複数の単一の推定を生成するステップと、
複数の重み付された単一の推定を形成する係数乗算モジュール手段を使用して雑音係数で前記単一の推定のそれぞれを重み付けするステップと、
加算モジュール手段を使用して前記重み付けされた単一の推定を加算し、雑音電力の推定を生成するステップと
を有する方法。
前記係数乗算モジュール手段は、複数の雑音係数を格納し、前記複数の雑音係数のうち少なくとも1つは、ゼロの値を有する、請求項12ないし15のうちいずれか1項に記載の方法。
直交周波数分割多重(OFDM:orthogonal frequency-division multiplexed)信号において雑音を推定する方法を実行するように適合されたコンピュータプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムであって、
前記方法は、
OFDM信号ベクトルでユニタリベクトルを乗算し、前記OFDM信号ベクトルのスカラ積を生成するステップと、
前記スカラ積を二乗し、雑音係数により前記スカラ積を重み付けし、複数の重み付けされた単一の推定を生成するステップと、
前記重み付けされた単一の推定を加算し、干渉及び雑音電力の推定を生成するステップと
を有するコンピュータプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0003】
開示の特徴及び利点は、添付図面と共に考慮される以下の詳細な説明から明らかになる。添付図面は、一例としてこの開示の特徴を示している。
【0004】
示される例示的な実施例に言及が行われる。特定の用語は、ここでは同じものを記述するために使用される。それにも拘らず、本発明の範囲の限定はこれによって意図するものではない。
【0005】
本発明を開示及び説明する前に、本発明は、ここに開示される特定の構造、処理ステップ又は素材に限定されず、関係する技術の当業者に認識されるように、その均等物にも広がることが分かる。また、ここで使用される用語は、特定の例のみを説明する目的で使用されており、限定を意図するものではないことも分かる。異なる図面の同じ参照符号は、同じ要素を表す。フローチャート及び処理に提供される数字は、ステップ及び動作を示す際の明瞭性のために提供されており、必ずしも特定の順序又は系列を示すものではない。行列及びベクトルという用語は区別なく使用されることがある。行列(複数の行列)は、数字、シンボル又は表現の矩形の配列でもよい。ベクトル(又はベクトル空間)は、ベクトルの集合(一緒に加算され、スカラと呼ばれる数字により乗算(スケーリング)されるオブジェクト)により形成された数学的構造でもよい。
【0006】
<実施例>
技術的な実施例の最初の概要が以下に提供され、特定の技術的な実施例が後で更に詳細に記載される。最初の概要は、技術を迅速に理解する際の読者の助けを意図しており、技術の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲の対象の範囲を限定することを意図するものでもない。
【0007】
無線移動通信のデータは、
図1に示す一般的なLTE(long term evolution)フレーム構成を使用して、送信局(送信機又はTx)により受信局(受信機又はRx)に物理(PHY)レイヤで送信されてもよい。LTEフレーム構成が示されているが、IEEE802.16標準(WiMax)、IEEE802.11標準(WiFi)又はOFDMを使用した他の種類の通信標準のフレーム構成が使用されてもよい。
【0008】
図1に示す例では、データを送信するために使用される信号の無線フレーム100は、10ミリ秒(ms)の期間T
fを有するように構成されてもよい。各無線フレームは、それぞれ1msの長さの10個のサブフレーム110iに区分又は分割されてもよい。各サブフレームは、更にそれぞれ0.5msの期間T
slotを有する2つのスロット120a及び120bに細分されてもよい。送信局及び受信局により使用されるコンポーネントキャリア(CC:component carrier)の各スロットは、CC周波数帯域幅に基づいて複数のリソースブロック(RB:resource block)130a、130b、130i、130m及び130nを含んでもよい。各RB130iは、サブキャリア毎に12-15kHzのサブキャリア136(周波数軸上)及び6又は7個の直交周波数分割多重(OFDM:orthogonal frequency-division multiplexing)シンボル132を含んでもよい。短いサイクリックプレフィクス又は通常のサイクリックプレフィクスが使用される場合、RBは、7個のOFDMシンボルを使用してもよい。拡張されたサイクリックプレフィクスが使用される場合、RBは6個のOFDMシンボルを使用してもよい。リソースブロックは、短いサイクリックプレフィクス又は通常のサイクリックプレフィクスを使用して、84個のリソースエレメント(RE:resource element)140iにマッピングされてもよく、或いは、リソースブロックは、拡張されたサイクリックプレフィクスを使用して、72個のRE(図示せず)にマッピングされてもよい。REは、1つのOFDMシンボル142×1つのサブキャリア(すなわち、15kHz)146の単位でもよい。各REは、QPSK(quadrature phase-shift keying)変調の場合、2ビット150a及び150bの情報を送信してもよい。各REで多くのビット又は少ないビットを送信するために、他の種類の変調が使用されてもよい。
【0009】
参照信号は、リソースブロックのリソースエレメントを介してOFDMシンボルにより送信されてもよい。参照信号(又はパイロット信号若しくはトーン)は、チャネル及び/又はチャネルの雑音を推定するために使用される既知の信号でもよい。
図2Aに示すように、RBは、特定のアンテナポートの参照信号を送信するために使用される参照信号(RS:reference signal)RE(参照信号OFDMシンボル)222と、特定のポートでの送信に使用されない未使用のRE(未使用のOFDMシンボル)220とを含んでもよい。未使用のREは、他のアンテナポートが参照信号を送信することを可能にする。RBで使用される参照信号REと未使用のREとの数は、アンテナポートの数に依存してもよい。例えば、2つのアンテナポートで構成されたRB202は、
図2Aの第1のアンテナポートについて示すように、4つの参照信号RE(R
0)と、4つの未使用のRE(X)とを含んでもよい。4つのアンテナポートで構成されたRB204は、
図2Bの第1のアンテナポートについて示すように、4つの参照信号RE(R
0)と8個の未使用のRE(X)とを含んでもよい。
【0010】
図3Aは、送信アンテナポート310で単一の無線チャネルを使用し、受信アンテナポート330で単一の無線チャネルを使用する無線通信システムを示している。これは、SISO(single-input single-output)無線ネットワークと呼ばれてもよい。
図3Bは、送信アンテナポート310で単一の無線チャネルを使用し、複数の受信アンテナポート340で複数の無線チャネルを使用する無線通信システムを示している。これは、SIMO(single-input multiple-output)無線ネットワークと呼ばれてもよい。
図3Cは、複数の送信アンテナポート320で複数の無線チャネルを使用し、受信アンテナポート330で単一の無線チャネルを使用する無線通信システムを示している。これは、SIMO(single-input multiple-output)無線ネットワークと呼ばれてもよい。
図3Dは、複数の送信アンテナポート320で複数の無線チャネルを使用し、複数の受信アンテナポート340で複数の無線チャネルを使用する無線通信システムを示している。これは、MIMO(multiple-input multiple-output)無線ネットワークと呼ばれてもよい。input及びoutputという用語は、一般的に信号を伝達する無線チャネルを示し、アンテナを有するデバイスを示すものではない。
【0011】
無線通信システムは、レイヤと呼ばれる様々な部分に細分されてもよい。LTEシステムでは、通信システムは、物理(PHY)レイヤ、媒体アクセス制御(MAC:media access control)レイヤ、無線リンク制御(RLC:radio link control)レイヤ、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP:packet data convergence protocol)レイヤ、及び無線リソース制御(RRC:radio resource control)レイヤを含んでもよい。物理レイヤは、
図4に示すように、無線通信システム400の基本ハードウェア送信構成要素を含んでもよい。例えば、送信機410では、バイナリ入力データ420は、チャネルエンコーダ422を使用して符号化を通じてプロテクトされ、インターリーバ424を使用してフェージング現象に対してインターリーブされ、マップ器426を使用して信頼性を向上させるようにマッピングされてもよい。マッピングされたデータは、変調器248を使用してOFDMシンボルにOFDM変調されてもよい。変調器は、変調信号(ベクトルx)を生成するために、逆離散フーリエ変換(IDFT:inverse discrete Fourier transform)を計算する逆高速フーリエ変換(IFFT:inverse fast Fourier transform)アルゴリズムを使用してもよい。変調信号は、デジタル・アナログ変換器(DAC)430でアナログ信号に変換されてもよい。アナログ信号は、信号を通信するように動作可能な送信アンテナ440に信号を送信するように構成された無線周波数(RF:radio frequency)送信機(Tx)432を介して送信されてもよい。アナログ信号は、チャネルと呼ばれるパスに従う。そのパスを通過するアナログ信号は、チャネル450信号と呼ばれてもよい。物理レイヤは、直列・並列(S/P)変換器、並列・直列(P/S)変換器、サイクリックプレフィクス(CP:cyclic prefix)挿入器及び削除器、ガードバンド挿入器及び削除器のような他の構成要素(図示せず)を含んでもよい。
【0012】
送信されたチャネル450信号は、雑音452及び干渉を受けてもよい。雑音及び干渉は、チャネル信号への加算454として表され、これは、受信機460において、受信アンテナ490及び無線周波数(RF)受信機(Rx)482により受信されてもよい。雑音及び干渉と結合されたチャネル信号は、アナログ・デジタル変換器(ADC)480でデジタル変調信号に変換されてもよい。デジタル信号は、復調器478を使用してOFDM復調されてもよい。復調器は、復調信号(ベクトルy)を生成するために、離散フーリエ変換(DFT:discrete Fourier transform)を計算する高速フーリエ変換(FFT:fast Fourier transform)アルゴリズムを使用してもよい。チャネル推定器462及び/又は雑音推定フィルタ464は、それぞれチャネル450で生じた雑音及び干渉を推定し、雑音推定を提供するために、復調信号を使用してもよい。復調信号は、デマップ器476を使用してデマッピングされ、インターリーバ474を使用してデインターリーブされ、チャネルデコーダ472を使用して復号化され、受信局の他のレイヤにより使用され得るバイナリ出力データ470を生成してもよい。
【0013】
チャネル推定器462は、OFDM送信における元のチャネルを推定するために使用されてもよい。雑音推定フィルタ464は、OFDMチャネルに関連する雑音の雑音レベルを推定するために使用されてもよい。推定雑音レベルは、チャネル品質インジケータ(CQI:channel quality indicator)報告、プリコーディング行列インジケータ(PMI:preceding matrix indicator)報告、送信ランクインジケータ(RI:rank indicator)報告、及び他のフィードバック報告の入力として使用されてもよい。推定雑音レベルはまた、OFDM信号の干渉軽減及び空間白色化(spatial whitening)に使用されてもよい。
【0014】
図5に示すチャネル推定では、チャネル状況は、参照信号ベクトルy510により表されてもよい。参照信号ベクトルy510は、雑音ベクトルvが加算されたチャネル係数ベクトルhでもよい。参照信号ベクトルyは、
図2A及び2Bに示すR0のような複数の参照信号から構成されてもよい。推定チャネル係数ベクトルE{h}520は、C係数530でのチャネル推定行列530で参照信号ベクトルyを乗算することにより生成されてもよい。推定雑音ベクトルE{v}522は、参照信号ベクトルyから推定チャネル係数ベクトルE{h}を減算することにより生成されてもよい。推定雑音ベクトルE{v}の絶対値534の二乗は、推定雑音レベル528を生成するために、バイアス正規化536を使用してバイアスで正規化されてもよい。
【0015】
チャネル推定器を使用したチャネル及び雑音推定は、雑音推定にかなりの信号“漏れ(leakage)”を有することがあるため、高い信号対干渉及び雑音比(SINR:signal-to-interference and noise ratio)の状況では、
図5に記載のチャネル推定器からの推定は不正確になる可能性がある。チャネル推定器から独立した雑音推定用の専用フィルタは、チャネル推定に依存しない推定雑音レベルを生成する機構を提供してもよい。チャネル推定は、必ずしも雑音推定性能ではなく、チャネル性能に最適化されてもよい。このため、最適化されたチャネル性能が雑音の推定における歪みを生成してもよい。専用雑音推定フィルタは、全体サブフレームのセル特有の参照信号に基づいて、CQI/PMI/RI報告に使用される正確な雑音信号を生成する際に支援する。復調のチャネル推定は、セル特有又はユーザ特有の参照信号に基づいてもよく、サブフレームの一部に適用されてもよい。
【0016】
OFDMシステムは、一式の並列チャネルでのデータの送信と等価になり得る。その結果、OFDMシステムのフェージングチャネルは、時間・周波数平面における2次元格子としてみなされてもよい。
図6は、時間及び周波数平面上で、2次元(2D)雑音推定の最小歪み(正規化後)及び最小相対分散(relative variance)を有する正規化されたフィルタ(未バイアス)でもよい雑音推定フィルタを示している。雑音推定フィルタは、少ない数のシンボル及び/又は高い信号対雑音比(SNR:signal-to-noise ratio)を有する信号の場合に、良好な雑音推定性能を提供してもよい。雑音推定フィルタは、U係数のフィルタバンク550(予め計算されたベクトル係数)で参照信号ベクトルyを乗算することにより、参照信号ベクトルy510の“対角化(diagonalization)”でもよいベクトルz540を生成してもよい。U係数については、以下の説明で更に詳細に説明する。
【0017】
U係数550のフィルタバンクは、参照信号ベクトルyのスカラ積(ベクトルz)540を生成するために、参照信号ベクトルyでユニタリベクトルを乗算してもよい。スカラ積の単一の推定542は、ベクトルzのスカラ積の絶対値552の二乗を取ることにより生成されてもよい。単一の推定は、複数の重み付けされた単一の推定544を生成するために、D係数554(予め計算された合成係数)で乗算されてもよい556。D係数については、以下の説明で更に詳細に説明する。重み付けされた単一の推定は、干渉及び雑音電力546の推定を取得するために、一緒に加算される558。
【0018】
参照信号ベクトルy510は、n個の参照信号の長さを有する参照信号のベクトルでもよい。ただし、nは正の整数である。ユニタリベクトル及びD係数は、予め計算されてもよい(参照信号ベクトルyの受信の前に計算されてもよい)。U係数のフィルタバンク又はユニタリベクトルは、チャネル共分散行列の固有ベクトル行列でもよい。チャネル共分散行列は、一般化されたチャネルモデル、チャネル統計及び/又は他の仮定に基づいてもよい。チャネル統計は、長期の統計に基づいて生成されてもよいため、ユニタリベクトル及びD係数の再計算はあまり頻繁に生じない。D係数は、信号により生じた歪み(バイアス)と推定器の分散(変動)との和を最小化し得る正規化された合成係数を生成することにより最適化されてもよい。一実施例では、ラグランジュ乗数は、D係数を最適化するために使用されてもよい。D係数は、雑音係数でもよく、雑音係数は、
【0019】
【数1】
により表される正の定数でもよい。ただし、
【0020】
【数2】
であり、そうでない場合、雑音係数はゼロの値を有してもよい。
【0021】
式1において、変数iは参照信号1〜nを表し、ただし、nは正の整数であり、λはラグランジュ乗数であり、d
hh,iはチャネル共分散行列Λ
hhの固有値であり、δ
2は雑音の分散である。複数の雑音係数の和は、複数の正規化された雑音係数を提供するために1の値を有してもよい。ラグランジュ乗数λは、
【0022】
【数3】
の値を有してもよく、d
hh,j及びd
hh,kのそれぞれは、チャネル共分散行列の少なくとも1つの固有値を表す。ただし、j及びkは集合1〜nの中の正の整数である。
【0025】
【数5】
により表されてもよい。ただし、
【0030】
図7は、雑音推定フィルタ500の他の例を示している。雑音推定フィルタは、フィルタバンクモジュール560と、係数二乗モジュール570と、加算モジュール590とを含んでもよい。フィルタバンクモジュールは、ベクトルz540を生成するために、U係数のフィルタバンクで参照信号ベクトルy510を乗算してもよい。係数二乗モジュールは、二乗モジュール580と、係数乗算モジュール582とを含んでもよい。ただし、ベクトルzは二乗モジュールへの入力でもよく、二乗モジュールは、ベクトルzのスカラ積を二乗することにより、単一の推定542を生成する。単一の推定は、係数乗算モジュール582への入力を提供してもよく、係数乗算モジュール582は、D係数で単一の推定を乗算することにより、複数の重み付けされた単一の推定544を生成する。加算モジュールは、干渉及び雑音電力546の推定を取得するために、重み付けされた単一の推定を一緒に加算する。
【0031】
強力な参照信号は、yベクトルに対応する受信チャネルへの雑音の寄与をほとんど又は全く有さないと仮定されてもよい。強力な参照信号は、実質的にゼロの値を有する雑音係数を有してもよい。係数乗算モジュール582は、複数の雑音係数を格納してもよく、複数の雑音係数のうち少なくとも1つは、ゼロの値を有してもよい。係数乗算モジュールに格納された複数の雑音係数の和は、複数の正規化された雑音係数を提供するために1の値を有してもよい。
【0032】
図8は、雑音推定フィルタ502の他の例を示しており、雑音推定フィルタは、
図7の雑音推定フィルタ500と同様に、フィルタバンクモジュール560と、係数二乗モジュール572と、加算モジュール590とを含んでもよい。
図8の係数二乗モジュールは、二乗モジュール584と係数乗算モジュール586との順序が逆である。ベクトルz540は、係数乗算モジュール586への入力でもよく、係数乗算モジュール586は、ベクトルzでD係数の正の平方根を乗算(又は重み付け)することにより、重み付けされたスカラ積ベクトル548を生成する。重み付けされたスカラ積ベクトルは、二乗モジュール584への入力を提供してもよく、二乗モジュール584は、重み付けされたスカラ積ベクトル548を二乗することにより、複数の重み付けされた単一の推定544を生成する。係数二乗モジュールにおける二乗モジュールと係数乗算モジュールとの順序は、モジュールの順序の変更によってD係数が調整される限り関係ない。
【0033】
他の例(図示せず)では、フィルタバンク係数(U係数)及び雑音係数(D係数)は、(参照信号を受信する前に)予め計算された後に、行列Aが構成される。A=U・D・U
*であり、()
*はベクトルの共役転置である。雑音推定はδ
2により生成されてもよい。ただし、δ
2=y
*・A・yである。
【0034】
一実施例では、D係数は、
図9に示すように、“注水(water-pouring)”方法を使用して判定されてもよい。水面レベルは、ラグランジュ乗数の定数λでもよく、参照信号の水面充填レベル(water fill level)622、632及び642は、参照信号のフロア値(floor value)610、620、630及び640が水面レベルλ未満である場合、正の値であり、各水面充填レベルの和は、1(又は推定電力レベルの合計“電力”)の値を超えない。そうでない場合、水面充填レベルはゼロの値を有する。参照信号のフロア値は、定数
【0035】
【数10】
でもよい。ただし、iは参照信号1〜nを表し、ただし、nは正の整数であり、d
hh,iはチャネル共分散行列Λ
hhの固有値であり、δ
2は雑音の分散である。推定電力レベルの合計“電力”は、1の値により制限される。水面充填レベルは定数const
i・d
iであり、ただし、
【0036】
【数11】
であり、iは参照信号1〜nを表し、ただし、nは正の整数であり、d
hh,iはチャネル共分散行列Λ
hhの固有値であり、δ
2は雑音の分散である。値d
iは決定されてもよい。d
iの値は、一定のフロア値
【0038】
他の例は、
図10のフローチャートに示すように、OFDM(orthogonal frequency-division multiplexed)信号の雑音を推定する方法700を提供する。この方法は、ブロック710に示すように、OFDM信号ベクトルのスカラ積を生成するために、フィルタバンクモジュールを使用してOFDM信号ベクトルでユニタリベクトルを乗算する動作を含む。ブロック720に示すように、複数の単一の推定を生成するために、二乗モジュールを使用してスカラ積を二乗する動作が続く。方法の次の動作は、ブロック730に示すように、係数乗算モジュール使用して雑音係数で単一の推定のそれぞれを重み付けし、複数の重み付けされた単一の推定を形成することでもよい。この方法は、ブロック740に示すように、雑音電力の推定を生成するために、加算モジュールを使用して重み付けされた単一の推定を加算することを含む。
【0039】
雑音推定フィルタ及びOFDM(orthogonal frequency-division multiplexed)信号の雑音を推定する方法は、SISO無線ネットワークで使用されてもよい(1つの送信アンテナが1つの受信アンテナにより受信され得る各パイロットトーン又は参照信号を送信する)。同様の手法は、2次推定器(quadratic estimator)及び共役モジュールが使用される場合、SIMO無線ネットワーク(1つの送信アンテナから送信されて少なくとも2つの受信アンテナにより受信されるパイロットパターン又は参照信号)又はMIMO無線ネットワーク(少なくとも2つの送信アンテナから送信されて少なくとも2つの受信アンテナにより受信されるパイロットパターン又は参照信号)に使用されてもよい。雑音推定フィルタは、リンクアダプテーション、干渉軽減及び/又はデジタル復調器に含まれてもよい。
【0040】
雑音推定フィルタは、未知のチャネルを通過した後に、変調信号で雑音推定を提供してもよく、雑音と変調信号との間の区別を提供してもよい。雑音の推定は、参照(パイロット)信号の主成分分析(PCA:Principal Component Analysis)(すなわち、直交成分への信号の分解)に基づいてもよい。信号が雑音及び/又は干渉を推定するのに最も弱い場合、数個のPCA成分が使用されてもよい。雑音推定フィルタ及び関連する方法は、雑音及び/又は干渉推定のためにPCA成分の合成の選択を提供してもよい。
【0041】
雑音推定フィルタは、雑音及び/又は干渉のために2次推定器を使用してもよい。測定時間(参照信号が受信される時間)の前に、PCA成分は、参照信号の位置での事前のチャネル共分散行列の固有ベクトルとして予め計算されてもよい。PCA成分毎に、重み係数も予め計算されてもよい。ゼロでない重みを有するPCA成分は、“雑音フィルタ”又は単に“フィルタ”と呼ばれてもよい。強力な信号成分は、ゼロの係数を得てもよい。従って、強力な信号成分は、雑音推定から除去されてもよい。ゼロでない係数を有する残りのフィルタは、“雑音フィルタのバンク”を形成してもよい。
【0042】
測定時間(パイロット信号が受信されるとき)において、OFDM(orthogonal frequency-division multiplexed)信号において雑音を推定する方法は、以下の段階を含んでもよい。まず、バンクからの全てのフィルタを用いて参照信号のスカラ積を計算する。次に、スカラ積の絶対値の二乗に等しい“単一の推定”を計算する。次に、予め計算された合成係数で“単一の推定”を重み付けし、重み付けされた“単一の推定”を一緒に加算する。従って、干渉及び雑音電力の推定が取得され得る。
【0043】
以下の説明は、更なる詳細又は用語の定義を提供し、(パイロット位置での)事前のチャネル共分散行列Λ
hhと、信号電力に対する熱雑音の比でもよい分散δ
2とに基づいて、どのように係数が計算され得るかを提供する。
【0044】
nは推定に使用される参照信号の数である。
【0046】
Λ
hh=E[HH
*]は参照信号ベクトルにおける参照シンボル(RS:reference symbol)の位置における事前のチャネル共分散行列である。
【0047】
d
hh,i(i=1,...,n)はΛ
hhの固有値から構成される。
【0048】
a
i(i=1,...,n)はΛ
hhの固有ベクトル(雑音フィルタ)から構成される。
【0049】
di(i=1,...,n)は合成係数から構成される。
【0050】
雑音推定係数は、雑音推定の一般化された形式を使用して導かれてもよい。受信したパイロット(又は参照信号)は、式1により表されてもよい。ただし、hはチャネル係数ベクトルであり、vは雑音ベクトルである。
【0051】
【数13】
雑音振推定は、式2により表されてもよい。ただし、
【0052】
【数14】
は長さNのフィルタのベクトルであり、yは長さNのパイロットのベクトルであり、
【0053】
【数15】
はサイズNフィルタ×Nパイロットの雑音推定フィルタ行列である。雑音推定フィルタ行列
【0054】
【数16】
は、チャネル推定器(
図5)における(I-C)/バイアスと等価でもよい。ただし、Iはユニタリ行列であり、Cはチャネル推定行列である。
【0055】
【数17】
正規化された雑音推定は、式3により表されてもよい。
【0056】
【数18】
雑音推定フィルタ行列の共役転置
【0057】
【数19】
及び雑音推定フィルタ行列
【0059】
【数21】
により表されてもよい。この例では、雑音推定フィルタ行列は、Aの平方根でもよい。同様に、推定は式4により表されてもよい。
【0061】
【数23】
を生成するために、行列Aは、正(非負)定値行列でもよい(すなわち、行列Aは共役対象でもよい(エルミート行列))。負定値行列が有用な解を生成し得る場合には、行列は、負定値行列Aでもよい。
【0062】
行列Aは最適化されてもよい。Aのサイズは、Nパイロット×Nパイロットでもよく、フィルタの数は、A≦Nパイロットのランクとして解釈されてもよい。
【0063】
【数24】
を最適化する代わりにAを最適化する利点は、フィルタの数が最適化に潜在し得ることでもよい。以下の等価が存在してもよい。
【0064】
【数25】
従って、Aを使用した最適化は
【0065】
【数26】
を使用した完全な最適化より簡単であり、少ないパラメータ(行列係数)を最適化し得る。
【0066】
推定器y
*Ayの2次形式は一般的に(例えば、最尤法の意味で)最適でなくてもよいが、推定器y
*Ayは、2次の基準(最小平均二乗誤差等)にとって最適になり得る。
【0067】
以下では、チャネルh及び雑音vについてガウス確率分布が仮定されてもよい(チャネル及び雑音が独立する場合)。これは式5、6及び7により表されてもよい。
【0070】
【数29】
仮定は、SISO無線ネットワークについてでもよく、ベクトルは時間及び周波数においてパイロット位置上のものでもよい。
【0071】
バイアス正規化のため、受信したパイロットベクトルyは、チャネルがないと仮定されてもよい(すなわち、
【0072】
【数30】
であり、yは雑音のみ(分散σ
2の白色雑音)に等しくてもよい)。雑音推定は、n×nの正方行列のtrace(すなわち、trace(A))である式8により表されてもよい。Aは主対角線(左上から右下への対角線)の要素の和として定義されてもよい。
【0073】
【数31】
補足的に、雑音がなく、受信したパイロットベクトルyがチャネルのみに等しい(すなわち、
【0074】
【数32】
)ことを仮定して、歪み表現が導かれてもよい。チャネルは、関係するパイロット位置において時間及び周波数領域で考慮されてもよい。歪み関数は、推定処理後の予想チャネル応答でもよい。歪み関数は式9により定められてもよい。
【0075】
【数33】
チャネル及び雑音で構成されたチャネル(式1又は
【0076】
【数34】
)については、正規化された推定行列Aの使用は、式10を生成してもよい。ただし、SNRは信号対雑音比である。
【0077】
【数35】
推定器の分散は、式1と式4とを結合して式11を生成することにより表された雑音とチャネルとの双方の分散からの寄与を受け取ってもよい。式12は、式4に分散関数を適用することにより生成されてもよい。
【0079】
【数37】
相対分散を取得するために、式11は
【0081】
yの要素は相関してもよいため、一般的な場合の分散の簡単な表現を得ることは困難になり得る。
【0082】
従って、正定値行列Aを見つけるとした最適化基準が定義されてもよい。これは、平均歪み及び相対分散を最小にし、バイアス正規化(すなわち、式8又はtrace(A)=1)に従って式13により表されてもよい。ただし、αは重み係数であり、相対分散と歪みとの間の比を制御する。
【0083】
【数39】
最適化の異なるターゲットを得るために、αの差分値が選択されてもよい。係数αは、表記α(SNR,N
pilots)によるSNR及びパイロットの数の係数でもよい。係数αの可能な選択は、単に
【0084】
【数40】
又はα=SNRでもよい。これは歪みの正規化に従ってもよい。
【0085】
係数αを選択するために使用される基準は、最小平均二乗誤差の基準と等価でもよい。
【0086】
高いSNRの場合には、歪みが優勢であるため、係数αは大きい値になってもよい。他方、低いSNRの場合には、相対分散が優勢になるため、係数αは小さくなってもよい。雑音推定フィルタは、重み係数αを使用して異なるSNRの範囲について最適化を提供することにより、低いSNR及び高いSNRの場合の双方に良好な雑音推定を提供してもよい。
【0087】
推定行列Aは、異なる数のパイロット(異なる数のシンボル)について設計されてもよい。推定行列Aは、最小の数のパイロット(すなわち、部分使用されるサブキャリア[PUSC又は部分使用されるサブチャネル]1クラスタ×2シンボル)の最悪の場合について設計されてもよい。パイロットの数が増加すると、計算の数も2次的に増加し得る。増加する計算の対策は、まず、AのランクがNpilotsより非常に小さい場合、行列AはNfilters(=Aのランク)のフィルタに分解され、Nfiltersのフィルタを使用してもよい。第2に、Aの最も大きいNfiltersの固有値が使用されてもよい。第3に、小さい数のパイロットの最適化された行列Aは、ブロック対角行列Aを得るために複製されてもよい。
【0088】
式14により表されてもよいチャネル応答Λ
hhの予想共分散行列を得る。
【0089】
【数41】
正定値行列として、行列Aは、式15及び式16により表される固有ベクトル及び固有値に分解される。ただし、Uは正規直交列を有するユニタリの固有ベクトル行列であり、D
hhは固有値の対角行列である。
【0091】
【数43】
前に(例えば式4で)使用された行列Aは、式17により表されるΛ
hhと同じ固有ベクトルで構成されてもよい。
【0092】
【数44】
従って、非負の対角行列Dを選択して、非負の定値行列Aが生成される。Aの平方根は式18により表されるため、第iの推定フィルタは、
【0093】
【数45】
に等しい。ただし、u
iはUの第i列であり、d
iはDの第iの対角要素である。
【0094】
【数46】
解の説明は以下のようになる。ベクトルyの“対角化”でもよい新たなベクトルzを定義する。ただし、ベクトルzは
【0095】
【数47】
により表される。zのサンプルは相関しない変数でもよい(且つガウスの場合に独立する)。ベクトルy及びベクトルzの固有ベクトルの適用は、それぞれ式19及び式20により表されてもよい。
【0097】
【数49】
次に、フィルタリングなしのサンプルの二乗(Dの平方根である対角A)が解を提供してもよい。
【0099】
【数50】
として定義される。これは、ベクトルzの推定行列でもよい。行列Bは、対角行列Dと行列Cの対角でない要素とに分割されてもよい(行列Cは交さ項のみを含み、対角はゼロでもよい)。以下に示すように、行列Cはゼロに等しくてもよい。ベクトルy及びベクトルzの推定器の分散は、それぞれ式21及び式22により表されてもよい。
【0101】
【数52】
非負の行列Aについての最適化制約条件は、式23により表されてもよい。ただし、全称記号
【0102】
【数53】
は、“領域におけるxの全ての値について”を意味する。バイアス正規化についての他の制約条件は、式24により表されてもよい。
【0104】
【数55】
歪みの計算では、推定器の予想(式8)が式25を生成するために、最適化制約条件で使用される。従って、歪みは、前述の式9を使用して計算され、式26になる。行列Cの非対角値は、予想に寄与しなくてもよい(zCzの予想はゼロでもよい)。
【0106】
【数57】
分散を計算する場合、部分zDzは、部分zCzに相関しないため、全分散は2つの部分の分散の和になってもよい。分散は非負でもよいため、部分zCzの分散は、式27により表されるように、全分散を拡大してもよい。従って、分散を最小化する場合、行列Cが分散を拡大してもよく、予想に寄与しなくてもよいため、式28(式12から導かれる)により表されるように、行列Cは(ゼロの値で)省略されてもよい。
【0108】
【数59】
従って、行列Dの項の全体最適化関数は、αが
【0109】
【数60】
になるようにされた場合、式29により表される。ただし、s.t.は“〜するように(such that)”(又は〜するため(so that))を意味してもよい。
【0110】
【数61】
全体最適化関数は、分散及び歪みについて最適化される。分散の最適化で、行列Dは、
【0111】
【数62】
により表される。歪みの最適化で、行列Dは、
【0112】
【数63】
により表される。ただし、0はゼロの行列であり、1はD
hhの最小の固有値の位置に対応する。
【0113】
分散と歪みとの双方を使用した解は、異なるSNR値に適してもよい最適化基準の間の比に依存してもよい。
【0114】
ラグランジュ乗数は、式29により表される関数を最適化するために使用され、式30を生成してもよい。
【0115】
【数64】
式30の関数の導関数を得て、導関数とゼロとを比較することは、式31により表される雑音推定フィルタで使用され得る雑音係数を生成するために使用される。式31は、前述の式1及び式2と類似してもよい。
【0116】
【数65】
雑音推定フィルタ(
図6〜8に示す)は、少ない数のシンボル及び/又は高い信号対雑音比(SNR:signal-to-noise ratio)を有する信号の場合に、良好な雑音推定性能を提供してもよい。雑音推定フィルタは、U係数のフィルタバンク550(予め計算されたベクトル係数)で参照信号ベクトルyを乗算することにより、参照信号ベクトルy510の“対角化(diagonalization)”でもよいベクトルz540を生成してもよい。スカラ積の単一の推定542は、ベクトルzのスカラ積の絶対値552の二乗を取ることにより生成されてもよい。単一の推定は、複数の重み付けされた単一の推定544を生成するために、D係数554(予め計算された合成係数)で乗算されてもよい556。重み付けされた単一の推定は、干渉及び雑音電力546の推定を取得するために、一緒に加算される558。
【0117】
様々な技術若しくは特定の態様又はその一部は、有形の媒体(フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM、ハードドライブ又は他の機械可読記憶媒体等)に具現されたプログラムコード(すなわち、命令)の形式になってもよい。プログラムコードが機械(コンピュータ等)にロードされて実行された場合、機械は、様々な技術を実行する装置になる。プログラム可能なコンピュータでのプログラムコードの実行の場合、コンピュータデバイスは、プロセッサと、プロセッサにより読み取り可能な記憶媒体(揮発性及び不揮発性メモリ及び/又は記憶要素を含む)と、少なくとも1つの入力デバイスと、少なくとも1つの出力デバイスとを含んでもよい。揮発性及び不揮発性メモリ及び/又は記憶要素はRAM、EPROM、フラッシュドライブ、光学ドライブ、磁気ハードドライブ、又は電子データを記憶する他の媒体でもよい。基地局及び移動局はまた、トランシーバモジュール、カウンタモジュール、処理モジュール及び/又はクロックモジュール若しくはタイマモジュールを含んでもよい。ここに記載の様々な技術を実装又は利用し得る1つ以上のプログラムは、アプリケーションプログラミングインタフェース(API:application programming interface)、再利用可能制御等を使用してもよい。このようなプログラムは、コンピュータシステムと通信するためにハイレベルの手続き型又はオブジェクト指向型プログラミング言語で実装されてもよい。しかし、プログラムは、必要に応じて、アセンブル言語又は機械言語で実装されてもよい。いずれの場合でも、言語は、コンパイル済言語又はインタープリタ型言語でもよく、ハードウェアの実装と組み合わされてもよい。
【0118】
この明細書に記載の多くの機能ユニットは、特に実装の独立性を強調するために、モジュールとしてラベル付されていることが分かる。例えば、モジュールは、カスタムVLSI回路若しくはゲートアレイ、論理チップのような既製の半導体、トランジスタ、又は他の別個の構成要素を有するハードウェア回路として実装されてもよい。モジュールはまた、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラム可能アレイロジック、プログラム可能論理デバイス等のようなプログラム可能なハードウェアデバイスにも実装されてもよい。
【0119】
モジュールはまた、様々な種類のプロセッサにより実行されるソフトウェアに実装されてもよい。実行可能コードの特定のモジュールは、例えば、コンピュータ命令の1つ以上の物理又は論理ブロックを有してもよい。コンピュータ命令の1つ以上の物理又は論理ブロックは、例えば、オブジェクト、プロシージャ又は関数として構成されてもよい。それにも拘らず、特定のモジュールの実行ファイルは、物理的に一緒に存在する必要はなく、異なる位置に格納された別個の命令を有してもよい。これらは、一緒に論理的に連結された場合、モジュールを有し、モジュールの前述の目的を実現する。
【0120】
実際に、実行可能なコードのモジュールは、単一の命令でもよく、複数の命令でもよく、更に、異なるプログラムの間且つ複数のメモリデバイスに複数の異なるコードセグメントで分散されていてもよい。同様に、動作データは、ここではモジュール内に識別されて示されるが、如何なる適切な形式に具現されてもよく、如何なる適切な種類のデータ構造内に構成されてもよい。動作データは、単一のデータセットとして集約されてもよく、異なる記憶デバイスを含む異なる位置に分散されてもよく、少なくとも部分的に単にシステム又はネットワーク上の電気信号として存在してもよい。モジュールは、所望の機能を実行するように動作可能なエージェントを含み、パッシブ又はアクティブでもよい。
【0121】
この明細書を通じて“例”又は“一例”に対する言及は、その例に関して記載した特定の機能、構成又は特徴が、本発明の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。従って、この明細書の様々な場所に“一例では”という語句が現れることは、必ずしも同じ実施例を示しているとは限らない。
【0122】
ここで使用される複数の項目、構造上の要素、構成要素及び/又は素材は、便宜上で共通のリストで提示されることがある。しかし、これらのリストは、リストの各メンバが別々の固有のメンバとして個別に識別されるように解釈されるべきではない。従って、このようなリストの個々のメンバは、逆の指示がなければ、単に共通のグループに提示されることに基づいて、同じリストの他のメンバの事実上の等価物として考えられるべきではない。更に、本発明の様々な実施例及び例は、ここでは、この様々な構成要素の代案と共に示されることがある。このような実施例、例及び代案は、相互の事実上の等価物として解釈されるべきではなく、本発明の別個の独立した表現として考えられるべきである。
【0123】
更に、記載の機能、構成又は特徴は、いずれか適切な方法で1つ以上の実施例に組み合わされてもよい。以下の説明では、本発明の実施例の完全な理解を提供するために、レイアウト、距離、ネットワーク例等のような複数の特定の詳細が提供される。しかし、当業者は、本発明が1つ以上の特定の詳細なしに実施されてもよく、他の方法、構成要素、レイアウト等で実施されてもよいことを認識する。他の場合にも、周知の構成、素材又は動作は、本発明の態様を曖昧にすることを回避するために、詳細には図示又は記載されない。
【0124】
前述の例は、1つ以上の特定の用途における本発明の原理を示しており、発明能力を発揮せずに、本発明の原理及び概念から逸脱することなく、実装の形式、使用及び詳細において複数の変更が行われてもよいことが当業者に明らかである。従って、以下に示す特許請求の範囲を除き、本発明が限定されるものではないことを意図する。