特許 5763271 高耐久性のレセプタクルコネクタ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】5763271

(24)【登録日】2015年6月19日

(45)【発行日】2015年8月12日

(54)【発明の名称】高耐久性のレセプタクルコネクタ

(51)【国際特許分類】

   H01R 13/56 20060101AFI20150723BHJP

   H01R 13/64 20060101ALI20150723BHJP

   H01R 13/52 20060101ALI20150723BHJP

   H01R 13/512 20060101ALI20150723BHJP

【ＦＩ】

   H01R13/56

   H01R13/64

   H01R13/52 302Z

   H01R13/52 301F

   H01R13/512

【請求項の数】20

【全頁数】10

(21)【出願番号】特願2014-518530(P2014-518530)

(86)(22)【出願日】2011年7月7日

(65)【公表番号】特表2014-523085(P2014-523085A)

(43)【公表日】2014年9月8日

(86)【国際出願番号】US2011043174

(87)【国際公開番号】WO2013006179

(87)【国際公開日】20130110

【審査請求日】2014年2月4日

(73)【特許権者】

【識別番号】514005386

【氏名又は名称】ウッドヘッド インダストリーズ インコーポレイテド

(74)【代理人】

【識別番号】100116207

【弁理士】

【氏名又は名称】青木 俊明

(74)【代理人】

【識別番号】100096426

【弁理士】

【氏名又は名称】川合 誠

(72)【発明者】

【氏名】ジョセフ エフ マーフィー

(72)【発明者】

【氏名】ランダル イー ストーン

【審査官】 石川 貴志

(56)【参考文献】

【文献】 特表平１１−５１４７８８（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開昭６２−２４１２７８（ＪＰ，Ａ）

【文献】 実開昭５８−０９５５１２（ＪＰ，Ｕ）

【文献】 特開２００５−０５０５５５（ＪＰ，Ａ）

【文献】 実開平０４−０４０４８２（ＪＰ，Ｕ）

【文献】 米国特許第０３１２９９９３（ＵＳ，Ａ）

【文献】 特開平０４−３０６５７４（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００１−３３２３３９（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｈ０１Ｒ １３／５６

Ｈ０１Ｒ １３／５１２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

複数の導体を有する電気ケーブルを受容するように適合される電気レセプタクルコネクタであって、
前記電気ケーブルを受容するように適合され、かつ第１のネジ付き端部を有するブッシングと、
前記電気ケーブルを受容するように適合され、かつ前記ブッシングの第１のネジ付き端部に連結される第２のネジ付き端部を有するシェルと、
前記電気ケーブルの長さの一部分に配置され、かつそれに沿って延在する、細長くて薄い強度部材と、
該強度部材に接続され、かつ開放内側部分および部分的に円形の周辺部分を有するスプリットワッシャであって、前記複数の導体が、前記スプリットワッシャの開放内側部分に配置され、かつそれを通って延在し、前記スプリットワッシャの部分的に円形の周辺部分が、前記ブッシングの第１のネジ付き端部と接触して配置され、前記ブッシングの第１のネジ付き端部と前記シェルの第２のネジ付き端部との間の連結が強化されると、前記スプリットワッシャが前記シェルと堅固に取り付け係合され、前記複数の導体から張力が除去される一方で、前記強度部材に印加される張力が増加する、スプリットワッシャと、
を備える、電気レセプタクルコネクタ。

【請求項2】

前記強度部材が、多重撚り線鋼製ケーブルである、請求項１に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項3】

前記鋼製ケーブルに取り付けられ、かつ前記スプリットワッシャと係合する停止スリーブをさらに備える、請求項２に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項4】

圧着停止スリーブが、前記鋼製ケーブルに取り付けられ、かつ前記スプリットワッシャと係合する、請求項２に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項5】

前記停止スリーブが、銅からなる、請求項３に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項6】

前記スプリットワッシャが、そこを通って延在するスロットを含み、前記強度部材が、前記スプリットワッシャとの連結を確実にするために、前記スロットと堅固に取り付け係合して配置される、請求項１に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項7】

前記スプリットワッシャが、高強度金属からなる、請求項１に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項8】

前記シェルが、前記第２のネジ付き端部に相対して配置され、かつレセプタクルコネクタを構造部材に取り付けるための連結部材を受容するように適合される第３のネジ付き端部をさらに含む、請求項１に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項9】

前記連結部材が、前記レセプタクルコネクタを支持パネルに取り付けるための連結ナットである、請求項８に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項10】

それぞれ各電気導体の末端および電気絶縁体に接続される複数の電気接点をさらに備え、前記電気絶縁体が、前記シェルの第３のネジ付き端部内に配置され、かつそこを通って延在する複数の離間したスロットを含み、前記離間したスロットがそれぞれ、前記電気接点のうちの各１つを受容するように適合される、請求項１に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項11】

前記電気絶縁体の外側端部が、相補的多導体電気コネクタに連結するように適合される、請求項１０に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項12】

前記電気絶縁体の外側端部が、前記電気レセプタクルコネクタが相補的構成の電気コネクタにのみ連結されることを可能にするための鍵穴を含む、請求項１１に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項13】

前記鍵穴が、前記絶縁体の外側側面上に配置される線形スロットの形態である、請求項１２に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項14】

前記ブッシング内に配置され、前記導体を相互から電気的に分離するために該導体を封入し、かつ該導体を前記ブッシング内の固定位置に維持する電気絶縁埋め込み樹脂をさらに含む、請求項１に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項15】

前記ブッシングが、該ブッシング内に配置され、かつそれを通って延在する第１および第２のスロットを含み、それぞれ、前記埋め込み樹脂が前記ブッシング内に配置されることを可能にする一方で、該ブッシングへの前記埋め込み樹脂の注入中に、空気が前記ブッシングから排出することを可能にする、請求項１４に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項16】

前記ブッシングの外部表面上に配置され、かつ前記ブッシングと前記電気ケーブルとの間の接合点を被覆する伸縮性チューブをさらに備える、請求項１に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項17】

前記電気ケーブルの長さの少なくとも一部分内に配置され、かつそれに沿って延在するセンタリング／分離部材であって、前記電気ケーブル内の強度部材を封入し、かつセンタリングする、センタリング／分離部材をさらに備える、請求項１に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項18】

前記センタリング／分離部材が、中心部分から半径方向に外側に延在する前記強度部材および複数の離間した部材を封入する前記中心部分を含み、それぞれの離間した部材が、電気導体に隣接して中間に配置される、請求項１７に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項19】

前記センタリング／分離部材が、可塑性のプラスチック材料からなる、請求項１７に記載の電気レセプタクルコネクタ。

【請求項20】

多導体電気ケーブルおよびレセプタクルコネクタ配列構造であって、
前記電気ケーブルを受容するように適合され、かつ第１のネジ付き端部を有するブッシングと、
前記電気ケーブルを受容するように適合され、かつ前記ブッシングの第１のネジ付き端部に連結される第２のネジ付き端部を有するシェルと、
前記電気ケーブルの長さの一部分内に配置され、かつそれに沿って延在する細長くて薄い強度部材と、
開放内側部分および部分的に円形の周辺部分を有する保持部材であって、前記電気ケーブルの複数の導体が前記保持部材の開放内側部分を通って延在し、前記強度部材が前記保持部材に接続され、該保持部材の部分的に円形の周辺部分が、前記強度部材に張力を与えるとともに前記複数の導体にゆとりを与えるために、前記ブッシングの第１のネジ付き端部と接触して配置される、保持部材と、
前記電気ケーブルの長さの少なくとも一部分内に配置され、かつそれに沿って配置される細長いセンタリングおよび分離部材であって、前記センタリングおよび分離部材が、前記強度部材を前記電気ケーブル内にセンタリングし、かつ前記複数の導体を相互に均等に離間した関係で維持しながら前記複数の導体を前記強度部材から分離するために、前記強度部材の周辺および隣接した複数の導体の中間に配置される、細長いセンタリングおよび分離部材と、
を備える、多導体電気ケーブルおよびレセプタクルコネクタ配列構造。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、概して、電気レセプタクルコネクタに関し、具体的には、コネクタに連結される電気ケーブル内に配置される内部構造部材を有する電気レセプタクルコネクタを対象とし、ケーブルとコネクタの組み合わせに高い強度を提供する。

【背景技術】

【0002】

電気レセプタクルコネクタは、電気ケーブルに接続され、かつプラグを受容するように適合される接続金具である。ケーブルは電力を運び、あるいは、１つまたは複数の電気信号を運ぶ導体を含み得る。レセプタクルコネクタは随時電気パネル部材に取り付けられる。厳しい環境内で採用されるときは、大きな力がレセプタクルコネクタに加えられる場合があり、レセプタクルコネクタからケーブルが緩んだり、分離したり、また電力あるいは電気信号の損失を生じる場合がある。これらの大きな力に対応するため、いくつかのコネクタには強度材料が提供される。これらの高強度材料の１つの形態は、Ｋｅｖｌａｒ（登録商標）として知られる。Ｋｅｖｌａｒ（登録商標）は高強度を有するパラアラミド合成繊維である。Ｋｅｖｌａｒ（登録商標）は典型的にはロープまたは繊維シートとして形成され、あるいは複合材料構成要素における原料として使用され得る。Ｋｅｖｌａｒ（登録商標）は高引張強度−重量率を発揮し、等しい重量で見た場合には鋼鉄より５倍強いと言われている。しかしながら、空間あるいは量を基準にした場合、鋼鉄と同一の強度を提供するためには、実質的にずっと大量のＫｅｖｌａｒ（登録商標）が必要となる。したがって、空間要件が第一の場合には、電気コネクタおよび構成要素等の分野においては、Ｋｅｖｌａｒ（登録商標）の用途はやや限定される。さらに、Ｋｅｖｌａｒ（登録商標）は典型的には非常に多くの長さの異なる個々の撚り線からなるため、全撚り線の累積効果は、電気ケーブルおよびコネクタアセンブリ等においては、細長いＫｅｖｌａｒ（登録商標）部材の全体長にわたって実現されず、この環境においてはＫｅｖｌａｒ（登録商標）により発揮される強度は限定される。さらに、Ｋｅｖｌａｒ（登録商標）撚り線は典型的には結束によって別の部材と固定され、電気コネクタの小寸法環境においては実際的ではない。

【0003】

本発明は、３００ポンドの高張力値に遭遇する厳しい任務環境で動作可能な、高強度電気レセプタクルコネクタを提供することを意図している。

【発明の概要】

【課題を解決するための手段】

【0004】

したがって、本発明の目的は、封止された形で容易に接続され、また切り離され、そして構成において雌または雄のいずれかが可能な、高強度、コンパクトな電気レセプタクルコネクタを提供することである。

【0005】

本発明の別の目的は、単一シールドケーブル内の複数の導体で使用するように適合された電気レセプタクルコネクタを提供することであり、これは、固定され、離間した保持された導体を維持するため、またレセプタクルコネクタ内で隣接する導体間の物理的および電気的分離を提供するための、細長い不導体挿入物を含む。

【0006】

本発明のさらに別の目的は、電気レセプタクルコネクタ内にスプリットワッシャを提供することであり、これは高強度のレセプタクルコネクタを提供するために高強度鋼製ケーブルと確実に連結され、そしてレセプタクルコネクタが容易に組み立てられることを可能としている。

【0007】

本発明のさらに別の目的は、末端間様式でともにネジ止め可能に連結されるブッシングとシェルの組み合わせからなる電気レセプタクルコネクタを提供することであり、これは、高強度を提供するために複数の導体を有するケーブルおよび鋼製ケーブルに接続され、ネジによって連結されたブッシングとシェルを締め付けることにより、鋼製ケーブルを増加された張力のもとに置き、同時に電気導体内にゆとりを導入する。

【0008】

本発明は複数の導体を有する電気ケーブルを受容するように適合される電気レセプタクルコネクタを企図する。電気レセプタクルコネクタは、電気ケーブルを受容するように適合され、第１のネジ付き端部を有するブッシングと、電気ケーブルを受容するように適合され、ブッシングの第１のネジ付き端部に連結される第２のネジ付き端部を有するシェルと、電気ケーブルの長さの一部分に配置され、かつそれに沿って延在する細長くて薄い強度部材と、強度部材に接続され、開放内側部分および複数の円形周辺部分を有するスプリットワッシャと、を備え、複数の導体は、スプリットワッシャの開放内側部分内に配置され、かつそこを通って延在し、スプリットワッシャの部分的に円形の周辺部分は、ブッシングの第１のネジ付き端部と接触して配置され、ブッシングの第１のネジ付き端部とシェルの第２のネジ付き端部との間の連結の強化は、スプリットワッシャにシェルとの堅固な取り付け係合を促し、複数の導体から張力を除去しながら、強度部材に増加した張力を印加する。

【0009】

本発明は、複数導体電気ケーブルおよびレセプタクルコネクタの配列をさらに企図する。この配列は、電気ケーブルを受容するように適合され、第１のネジ付き端部を有するブッシングと、電気ケーブルを受容するように適合され、ブッシングの第１のネジ付き端部に連結される第２のネジ付き端部を有するシェルと、電気ケーブルの長さの一部内に配置され、かつそれに沿って延在する細長くて薄い強度部材と、開放内側部分および部分的に円形の周辺部分を有する保持部材であって、複数の導体および強度部材が、保持部材の開放内側部分内に配置され、かつそれに沿って延在し、保持部材の部分的に円形の周辺部分が、電気ケーブルレセプタクルおよびコネクタ配列の強度を増加させるために、ブッシングの第１のネジ付き端部と接触して配置される、保持部材と、ケーブルの長さの少なくとも一部分内に沿って配置される細長いセンタリングおよび分離部材であって、導体を相互から均等に離間して維持しながら、ケーブル内に強度部材をセンタリングし、かつ導体を強度部材から分離するために、強度部材の周辺および隣接した導体の中間に配置される、細長いセンタリングおよび分離部材と、を備える。

【0010】

付随する請求項は、本発明を特性化する新規の特徴を明記している。しかしながら、発明それ自体は、さらにまた目的およびその利点も、付属図面と関係付けられた好ましい実施形態の以下の詳細な記述を参照することによって、最もよく理解されるであろう。複数の図面において、同じ参照符号は同じ要素を表す。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】本発明の原理に従う高耐久型レセプタクルコネクタの側面図である。

【図2】発明された高耐久型レセプタクルコネクタの縦断面図である。

【図3】発明された高耐久型レセプタクルコネクタの一部の組立図である。

【図4】発明の追加詳細を解説する、発明された高耐久型レセプタクルコネクタの別の組立図である。

【図5】発明された高耐久型レセプタクルコネクタの内部詳細を説明する断面図である。

【図6】本発明の高耐久型レセプタクルコネクタを使用するように適合された多導体ケーブルの断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0012】

図１を参照すると、本発明の原理に従う高耐久型レセプタクルコネクタ１０の側面図が示されている。発明されたレセプタクルコネクタ１０の縦断面図は、図２に示されている。図３および４は、発明されたレセプタクルコネクタ１０の追加詳細を解説する組立図である。

【0013】

レセプタクルコネクタ１０は、レセプタクルブッシング１２およびレセプタクルシェル１４を含む。ブッシング１２およびシェル１４は、大体円筒形状であり、好ましくは、鋼鉄等の高強度金属からなり、シールド電気ケーブル１８を受容するためのそこを通って延在する各センタースロットを含む。

【0014】

ケーブル１８は、その長さに沿って延在する複数の離間した電気導体１６ａ〜１６ｄを含む。図６の断面図で示されるように、細長い不導体センタリング／分離部材４６がケーブル１８内および個々の導体１６ａ〜１６ｄ間に配置され、好ましくは、非硬性プラスチックからなる。センタリング／分離部材４６は、ケーブル１８の長さに沿って延在し、４つの離間した部材４６ａ〜４６ｄを含み、それぞれがセンタリング／分離部材から半径方向に外側に延在する。４つの離間した半径方向に延在する部材４６ａ〜４６ｄのそれぞれは、センタリング／分離部材４６の中心部分４６ｅと一体的に形成されることが好ましい。第１の離間した４６ａが、第１および第２の電気導体１６ａ、１６ｂ間に配置される一方で、第２の離間した部材４６ｂは、第２および第３の電気導体１６ｂ、１６ｃ間に配置される。同様に、第３の離間した部材４６ｃが、第３および第４の電気導体１６ｃ、１６ｄの間に配置される一方で、第４の離間した部材４６ｄは、第４および第５の電気導体１６ｄ、１６ａの間に配置される。センタリング／分離部材４６の隣接する離間した部材は、電気導体１８の製造中は各電気導体を固定位置に維持し、隣接する電気導体間の電気的分離を提供する。

【0015】

センタリング／分離部材４６の中央部分４６ｅの長さに沿って延在し、中に配置されるのは強度部材２０であり、やはり図６に示されている。強度部材２０は様々な形態を取り得るが、しかし好ましい実施形態においては多重撚り線鋼鉄航空機ケーブルであり、これは、以下に詳細に記述されているように、高耐久型レセプタクルコネクタ１０のための高強度を提供する。センタリング／分離部材４６は高強度部材２０をケーブル１８内で確実にセンタリングも行い、そして強度部材２０からの４つの導体４６ａ〜４６ｄの物理的分離を提供する。

【0016】

レセプタクルブッシング１２は、外部ネジ付き端部１２ａを含み、これは、レセプタクルシェル１４の内部ネジ付き端部１４ａと係合するように適合されている。レセプタクルシェル１４は、第２の外部ネジ付部分１４ｃと中間拡大肩部分１４ｂをさらに含み、これは、レセプタクルシェルの内部ネジ付部分１４ａとその前述の外部ネジ付部分との間に配置される。レセプタクルシェルの拡大肩部分１４ｂの外部周辺は、図１に示されているように複数の平坦部分１４ｄが提供されており、図２に示されるように平坦パネル２７等の構造部材に対して発明されたレセプタクルコネクタ１０を確実にマウントするため、レセプタクルシェルをナット２８に取り付けるための、レンチ（図示されていない）によるレセプタクルシェル１４の係合を容易にする。レセプタクルシェル１４の外部ネジ付部分１４ｃは複数の離間した平坦部分１４ｅも提供されており、これも図１に示されている。そしてこれらはパネル２７内のカット部分（図示されていない）内で付き合わされる平坦部分によって受容され、ナット２８の取り付け中にシェル１４が回転しないようにする。最後に、レセプタクルブッシング１２の外部周辺表面は、図３、４および５に示されているように複数の離間した平坦部分１２ｃが提供されており、レンチ等の工具によってレセプタクルブッシングを操作するのを容易としている。

【0017】

第１〜第４導体１６ａ〜１６ｄのそれぞれの隣接端は、図３に示されているように、各電気接点２６ａ〜２６ｄを受容するように適合されている。電気接点２６ａ〜２６ｄのそれぞれは、円筒絶縁体２９内で各スロットを通って挿入されるように適合されている。図３に示されているように、４つのスロット３８を含む円筒絶縁体２９は、レセプタクルシェル１４を通って延在する円形スロット内に挿入される。スロット付円筒絶縁体２９の端２９ｂおよび４つの電気接点２６ａ〜２６ｄの端は、レセプタクルシェル１４の端から外側に延在する。４つの電気接点２６ａ〜２６ｄは、簡素化のために図には示されていないが、相補的コネクタの各電気接点に対して電気接続を行うように適合される。さらに、４つの電気接点２６ａ〜２６ｄは、相補的雄接点を受容するためにスロット付円筒絶縁体２９内の各スロット３８の１つの中に陥没して示されているが、本発明は、簡素化のために図には示されていないが、相補的電気コネクタ内の４つの雌接点との電気的係合を行うために、雄構成、または吐出型、における４つの電気接点の使用も企図する。最後に、円筒絶縁体２９内の側部内の細長いスロット２９ａは、絶縁体の末端の接点およびその関連する４つの電気接点２６ａ〜２６ｄを相補的に構成されたコネクタと合わせることを許すための鍵穴を形成する。

【0018】

レセプタクルコネクタ１０はさらに、ケーブル１８に取り付けられ、シールドケーブル１８の長さに沿って延在するドレインワイヤ３０ａを含む、ドレインワイヤ付属物３０を含む。ドレインワイヤ付属物３０は接地電位に維持されるレセプタクルブッシング１２と電気的に接触しており、これはレセプタクルブッシングが接地電位にある構造部材２７と接触しているレセプタクルシェル１４と接続されているためである。ドレインワイヤ付属物３０とそのドレインワイヤ３０ａの組み合わせは、ケーブル１８の全長に沿ってケーブルの内部電導シースを同一の電位に維持し、ケーブルのための効果的電磁干渉（ＥＭＩ）シールドを提供する。第１のＯリング３４は、封止された形で、レセプタクルシェル１４の内側部分と構造部材２７の間に位置付けられる。ＵＶ埋め込み材料の小型ビード４４は、レセプタクルシェル１４の内部表面と共に封止を形成するために、絶縁体３６の外部周辺表面上に堆積される。

【0019】

４つの導体１６ａ〜１６ｄが、ケーブル１８の長さ内に沿って配置され、そしてその中にセンタリング／分離部材４６によって固定位置に維持された状態で、センタリング／分離部材内に配置される強度部材２０の端は、スロット２２ａを通してスプリットワッシャ２２内に挿入される。銅等の導電性材料からなる停止スリーブ２４は、図３で示されるように、停止スリーブを強度部材に確実に取り付けるために、強度部材２０の端に圧着される。強度部材がスプリットワッシャ２２から切り離されることを防ぐため、ストップ部材を強度部材２０の端に確実に取り付けるために利用可能な様々な他のアプローチがあり、図に示されている固着配列は、レセプタクルコネクタ１０のこれら２つの構成要素を確実に取り付けるための、本発明の好ましい方法である。

【0020】

ケーブル１８がレセプタクルブッシング１２内に配置され、かつそこを通って延在し、４つの導体１６ａ〜１６ｄおよび強度部材２０がスプリットワッシャ２２の開放内側部分２２ｃを通って延在した状態で、レセプタクルブッシング１２の外部ネジ付部分１２ａはレセプタクルシェル１４の内部ネジ付部分１４ａと接触して位置付けられる。レセプタクルブッシング１２とレセプタクルシェル１４の内の１つまたは両方の、他方との間の相対的回転は、これら２つのレセプタクルコネクタ構成要素間の確実な係合を生む。レセプタクルブッシング１２とレセプタクルシェル１４間のネジによる係合を強化する間、スプリットワッシャ２２の外部周辺部分は、図５の断面図に示されているように、レセプタクルブッシング１２の端部１２ｂと接触して、またその外部ネジ付部分１２ａと隣接して位置付けされる。レセプタクルブッシング１２とレセプタクルシェル１４間のネジ係合を強化することを継続すると、強度部材２０に張力が適用される。レセプタクルコネクタ１０が堅固な組み立てられて使用されているときは、その張力は強度部材２０上に維持され、それによって４つの導体１６ａ〜１６ｄからすべての張力を取り除き、結果としてこれらすべての導体にゆとりを生じる。第１〜第４導体１６ａ〜１６ｄのそれぞれにおけるゆとりは、これら導体のそれぞれの曲げ部分として、図２、３および４に示されている。このことは、大きい軸方向の力のレセプタクルコネクタ１０への適用時に、いずれかの導体がその関連する端部接点から外れる可能性を削減する。好ましい実施形態においては、強度部材２０は、軸張力３００ポンドに耐えることのできる航空機ケーブルの形態である。また好ましい実施形態においては、レセプタクルブッシング１２の外部表面およびケーブル１８とのその連結部は、伸縮性チューブ４２の薄い層でカバーされる。

【0021】

発明されたレセプタクルコネクタ１０が一旦組み立てられると、硬度計の高い値を有する挿入半硬性埋め込み樹脂は、第１のスロット３２を介してレセプタクルブッシング１２内へ注入される。エポキシまたはポリウレタン等のポリマーから典型的になる埋め込み樹脂は、電気導体１６ａ〜１６ｄを所定位置および構成で封入し、固定する。レセプタクルブッシング１２内の第２のスロット３３は、埋め込み樹脂がブッシング内に注入されるにつれ、空気がブッシングから漏れることを容認する。

【0022】

本発明の特定の実施形態を説明してきたが、本発明のより広範囲の態様において、そこから逸脱することなく変更および修正が可能であることは当業者にとって明白であろう。したがって、添付した特許請求の範囲の目的は、本発明の真の趣旨および範囲内に含まれるその様なすべての変更および修正をカバーすることである。前述の記述および添付した図面に明記された事柄は、例示としてのみ提供されるものであり、限定されるものではない。本発明の実際の範囲は、先行技術に基づく適切な観点から以下の請求項において定義されることが意図されている。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】