特許第5763275号(P5763275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5763275コンピュータプログラム及び無線リソースコントローラ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5763275
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム及び無線リソースコントローラ
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/02 20090101AFI20150723BHJP
   H04W 76/04 20090101ALI20150723BHJP
   H04W 80/08 20090101ALI20150723BHJP
【FI】
   H04W76/02
   H04W76/04
   H04W80/08
【請求項の数】21
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-525006(P2014-525006)
(86)(22)【出願日】2012年4月10日
(65)【公表番号】特表2014-527355(P2014-527355A)
(43)【公表日】2014年10月9日
(86)【国際出願番号】US2012032922
(87)【国際公開番号】WO2013106060
(87)【国際公開日】20130718
【審査請求日】2014年3月13日
(31)【優先権主張番号】61/522,623
(32)【優先日】2011年8月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】グプタ,マルチ
(72)【発明者】
【氏名】コチ,アリ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァニタムビー,ラート
【審査官】 松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−109537(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/096195(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/018506(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の無線デバイスの無線リソースコントローラに無線リソース制御(RRC)のための処理方法を実行させるコンピュータプログラムであって、前記処理方法は、
RRCコネクションを設定するために使用されるRRCパラメータのうち、変化する頻度に基づいて選択されたRRCパラメータを前記第一の無線デバイスのメモリに保存する段階と
前記メモリに保存された前記選択されたRRCパラメータを前記RRCコネクションの設定に実際に使用する保持期間をカウントするためのRRCリソースパラメータ保持タイマを設定する段階と
前記RRCコネクションを設定するために第二の無線デバイスへRRC接続メッセージを送信する段階であって、前記RRCリソースパラメータ保持タイマが満了したか否かを確認することにより、前記選択されたRRCパラメータが前記RRC接続メッセージから除外されるか否かが決定される、段階と
有する、コンピュータプログラム
【請求項2】
第一の無線デバイスの無線リソースコントローラに無線リソース制御(RRC)のための処理方法を実行させるコンピュータプログラムであって、前記処理方法は、
RRCコネクションを設定するために使用されるRRCパラメータのうち、変化する頻度に基づいて選択されたRRCパラメータを前記第一の無線デバイスのメモリに保存する段階と
前記メモリに保存された前記選択されたRRCパラメータを前記RRCコネクションの設定に実際に使用する保持期間をカウントするためのRRCリソースパラメータ保持タイマを設定する段階と
前記RRCコネクションを設定するために第二の無線デバイスからRRC接続メッセージを受信する段階と
前記RRCリソースパラメータ保持タイマが満了していない場合、前記第二の無線デバイスから受信した記RRC接続メッセージにおいて除外されているRRCパラメータのために、前記メモリに保存されている前記選択されたRRCパラメータを使用することにより、前記RRCコネクションを設定する段階と
有する、コンピュータプログラム
【請求項3】
前記選択されたRRCパラメータは、前記第一の無線デバイスを前記第二の無線デバイスと接続するために使用される、以前のRRC接続メッセージから取得される請求項1又は2に記載のコンピュータプログラム
【請求項4】
前記以前のRRC接続メッセージは、前記第二の無線デバイスと通信する前記第一の無線デバイスにより生成される請求項3に記載のコンピュータプログラム
【請求項5】
前記以前のRRC接続メッセージは、前記第一の無線デバイスにより、前記第二の無線デバイスから受信される請求項3に記載のコンピュータプログラム
【請求項6】
記第二の無線デバイスと通信する前記第一の無線デバイスにおいて、前記選択されたRRCパラメータを前記メモリに保存する時点と記RRC接続メッセージを送信する時点との間に、アイドル状態が生ずる請求項1又は2に記載のコンピュータプログラム
【請求項7】
前記処理方法が、前記RRCコネクションを設定した後に、前記RRCリソースパラメータ保持タイマをリセットする段階をさらに有する、請求項1又は2に記載のコンピュータプログラム
【請求項8】
前記処理方法が、前記保持期間を前記第二の無線デバイスに通知する段階をさらに有する、請求項1に記載のコンピュータプログラム
【請求項9】
前記処理方法が、前記保持期間の通知を前記第二の無線デバイスから受る段階をさらに有する、請求項2に記載のコンピュータプログラム
【請求項10】
前記選択されたRRCパラメータは、非連続受信(DRX)パラメータ、バッファ報告レポート(BSR)のサイズ、前記BSRの頻度、シグナリング無線ベアラ0(SRB0)情報、SRB1情報、SRB2情報、SRB3情報、調整された送信電力レベル及びこれらの組み合わせを有するグループから選択される請求項1又は2に記載のコンピュータプログラム
【請求項11】
記RRC接続メッセージは、RRC接続要求、RRC接続設定、RRC接続設定完了、RRC接続再設定、RRC接続再設定完了及びこれらの組み合わせを有するグループから選択される請求項1又は2に記載のコンピュータプログラム
【請求項12】
前記第一の無線デバイスは、ユーザ端末(UE)及び移動局(MS)を有するグループから選択され、
前記第一の無線デバイスは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)及び無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)のうちの少なくとも一つに接続するよう成され、
前記第一の無線デバイスは、アンテナ、タッチセンサー式のディスプレイスクリーン、スピーカ、マイク、グラフィクスプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、内蔵メモリ、不揮発メモリポート、又はそれらの組み合わせを有し、
前記第二の無線デバイスは、進化型NodeB(eNodeB)、基地局(BS)、マクロ進化型NodeB(macro-eNB)、低電力ノード(LPN)、マクロeNB、ピコeNB、フェムトeNB、ホームeNB(HeNB)、ベースバンドユニット(BBU)、リモート無線ヘッド(RRH)、リモート無線装置(RRE)及びリモート無線ユニット(RRU)を有するグループの中から選択される、
請求項1又は2に記載のコンピュータプログラム
【請求項13】
前記処理方法は、さらに、
前記RRCリソースパラメータ保持タイマの満了前に、前記第一の無線デバイスにおいて、前記第二の無線デバイスから、第二のRRC接続メッセージを受信する段階であって、前記第二のRRC接続メッセージの選択されたRRCパラメータは、前記メモリに保存された前記選択されたRRCパラメータと異なる値を有する、段階と
前記メモリに保存された前記選択されたRRCパラメータを、前記第二のRRC接続メッセージの前記選択されたRRCパラメータと置き換える段階と
さらに有する、請求項1に記載のコンピュータプログラム
【請求項14】
記第二の無線デバイスRRC接続メッセージを送信する段階は、前記選択されたRRCパラメータが変化した場合に、変化した該RRCパラメータを前記RRC接続メッセージに含め、変化していない少なくとも一つの他のRRCパラメータ記RRC接続メッセージから除外することを含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム
【請求項15】
前記処理方法前記選択されたRRCパラメータを除外するRRC接続メッセージ受信された場合において、前記RRCリソースパラメータ保持タイマが満了した場合に、前記第一の無線デバイスから前記第二の無線デバイスへ、RRC接続失敗メッセージを送信する段階をさらに有する、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
第一の無線デバイスにおいて無線リソース制御(RRC)を行う無線リソースコントローラであって、
RRCコネクションを設定するために使用されるRRCパラメータのうち、変化する頻度に基づいて選択されたRRCパラメータを保存するメモリモジュールと
前記メモリモジュールに保存された前記選択されたRRCパラメータを前記RRCコネクションの設定に実際に使用する保持期間をカウントするためのRRCリソースパラメータ保持タイマと、
前記RRCコネクションを設定するために第二の無線デバイスへRRC接続メッセージを送信する通信モジュールであって、前記RRCリソースパラメータ保持タイマが満了したか否かを確認することにより、前記選択されたRRCパラメータが前記RRC接続メッセージから除外されるか否かが決定される、通信モジュール
を有する無線リソースコントローラ。
【請求項17】
第一の無線デバイスにおいて無線リソース制御(RRC)を行う無線リソースコントローラであって、
RRCコネクションを設定するために使用されるRRCパラメータのうち、変化する頻度に基づいて選択されたRRCパラメータを保存するメモリモジュールと
前記メモリモジュールに保存された前記選択されたRRCパラメータを前記RRCコネクションの設定に実際に使用する保持期間をカウントするためのRRCリソースパラメータ保持タイマと、
前記RRCコネクションを設定するために第二の無線デバイスからRRC接続メッセージを受信する通信モジュールと、
を有し、前記RRCリソースパラメータ保持タイマが満了していない場合、前記第二の無線デバイスから受信した記RRC接続メッセージにおいて除外されているRRCパラメータのために、前記メモリモジュールに保存されている前記選択されたRRCパラメータを使用することにより、前記RRCコネクションを設定する、無線リソースコントローラ。
【請求項18】
前記RRCリソースパラメータ保持タイマは、前記RRCコネクションの設定にリセットされる請求項16又は17に記載の無線リソースコントローラ。
【請求項19】
前記通信モジュールは、前記保持期間を前記第二の無線デバイスに通知するように形成される請求項16又は17に記載の無線リソースコントローラ。
【請求項20】
前記選択されたRRCパラメータは、非連続受信(DRX)パラメータ、バッファ報告レポート(BSR)のサイズ、前記BSRの頻度、シグナリング無線ベアラ0(SRB0)情報、SRB1情報、SRB2情報、SRB3情報、調整された送信電力レベル及びこれらの組み合わせを有するグループから選択される請求項16又は17に記載の無線リソースコントローラ。
【請求項21】
記RRC接続メッセージは、RRC接続要求、RRC接続設定、RRC接続設定完了、RRC接続再設定、RRC接続再設定完了及びこれらの組み合わせを有するグループから選択される、
請求項16又は17に記載の無線リソースコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線リソース制御の状態遷移中のシグナリングオーバヘッドを低減する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線モバイル通信技術は、送信局と無線モバイルデバイスとの間でデータを送信するための様々な規格やプロトコルを利用する。いくつかの無線デバイスは、物理層を通じて、直行周波数分割多重(OFDM;orthogonal frequency-division multiplexing)方式のデジタル変調方式を用いる。OFDM規格とそのプロトコルは、3GPP(third generation partnership project)のLTE(long term evolution)、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 802.16規格(例えば、802.16e、802.16m)、IEEE 802.11規格を含む。IEEE 802.16規格は、WiMAX(Worldwide interoperability for Microwave Access)(登録商標)という業界団体として一般に知られており、IEEE802.11規格は、WiFi(登録商標)という業界団体として一般に知られている。LTEシステムの3GPP 無線アクセスネットワーク(RAN)において、送信局とは、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network) Node Bs(一般に、進化型Node Bs、拡張されたNode Bs、又はeNBsで表される)と、ユーザ端末(UE;user equipment)として知られる、無線モバイルデバイスと通信するE−UTRAN内の無線ネットワークコントローラ(RNC;Radio Network Controller)との組み合わせである。ダウンリンク(DL)伝送とは、送信局(又はeNodeB)から無線モバイルデバイス(又はUE)への通信であり、アップリンク(DL)伝送とは、無線モバイルデバイスから送信局への通信である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
LTEネットワークにおいて、UEがeNodeBと通信を開始するか、eNodeBがUEと通信を開始する度に、その通信をセットアップするためのシグナリングが用いられる可能性がある。かかるシグナリングは、UEとeNodeBとの間の接続を確立するために、無線リソース制御(RRC;radio resource control)のような、制御プレーンのプロトコルを用いる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決し目的を達成するため、本発明の一実施形態における記録媒体は、
無線リソース制御(RRC)の状態遷移の間のシグナリングオーバヘッドを低減するための命令を格納する一以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記命令は、コンピュータで実行されることにより、該コンピュータに:
第一の無線デバイスのメモリに、選択されたRRCパラメータを保存する段階であって、前記選択されたRRCパラメータは、前記選択されたRRCパラメータの変化する低い頻度に基づいて特定される、段階と;
前記メモリに保存された、前記選択されたRRCパラメータを使用する保持期間をカウントするためのRRCリソースパラメータ保持タイマを設定する段階と;
前記RRCリソースパラメータ保持タイマが満了していない場合、前記第一の無線デバイスから第二の無線デバイスへ、前記選択されたRRCパラメータが除外された、低減されたRRC接続メッセージを送信する段階と;
を実行させる。
【0005】
また、他の実施形態における記録媒体は、
無線リソース制御(RRC)の状態遷移の間のシグナリングオーバヘッドを低減するための命令を格納する一以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記命令は、コンピュータで実行されることにより、該コンピュータに:
第一の無線デバイスのメモリに、選択されたRRCパラメータを保存する段階であって、前記選択されたRRCパラメータは、前記選択されたRRCパラメータの変化する低い頻度に基づいて特定される、段階と;
前記メモリに保存された、前記選択されたRRCパラメータを使用する保持期間をカウントするためのRRCリソースパラメータ保持タイマを設定する段階と;
前記第一の無線デバイスにおいて、第二の無線デバイスから、前記選択されたRRCパラメータが除外された、低減されたRRC接続メッセージを受信する段階と;
前記RRCリソースパラメータ保持タイマが満了していない場合、前記低減されたRRC接続メッセージにおいて除外された前記RRCパラメータのために、前記メモリに保存された、RRC接続プロトコルにおいて用いられる前記選択されたRRCパラメータを使用する段階と;
を実行させる。
【0006】
また、他の実施形態における無線リソースコントローラは、
無線リソース制御(RRC)の状態遷移の間のシグナリングオーバヘッドを低減する無線リソースコントローラであって、
第一の無線デバイスを第二の無線デバイスと接続するために用いられるRRC接続メッセージから、選択されたRRCパラメータを取得するよう構成されるRRC送受信モジュールであって、前記選択されたRRCパラメータは、前記選択されたRRCパラメータの変化する低い頻度に基づいて特定される、RRC送受信モジュールと;
前記選択されたRRCパラメータを保存するよう構成されるメモリモジュールと;
前記メモリモジュールに保存された、前記選択されたRRCパラメータを使用する保持期間をカウントするためのRRCリソースパラメータ保持タイマと;
を有し、
前記RRC送受信モジュールは、前記RRCリソースパラメータ保持タイマが満了していない場合、前記第一の無線デバイスと前記第二の無線デバイスとの間での通信のための、低減されたRRC接続メッセージを生成するようさらに構成され、
前記低減されたRRC接続メッセージは、前記選択されたRRCパラメータを除外する。
【0007】
また、他の実施形態における無線リソースコントローラは、
無線リソース制御(RRC)の状態遷移の間のシグナリングオーバヘッドを低減する無線リソースコントローラであって、
第一の無線デバイスを第二の無線デバイスと接続するために用いられるRRC接続メッセージから、選択されたRRCパラメータを取得するよう構成されるRRC送受信モジュールであって、前記選択されたRRCパラメータは、前記選択されたRRCパラメータの変化する低い頻度に基づいて特定される、RRC送受信モジュールと;
前記選択されたRRCパラメータを保存するよう構成されるメモリモジュールと;
前記メモリモジュールに保存された、前記選択されたRRCパラメータを使用する保持期間をカウントするためのRRCリソースパラメータ保持タイマと;
前記RRCリソースパラメータ保持タイマが満了していない場合に、低減されたRRC接続メッセージから除外されたRRCパラメータのために、前記メモリモジュールに保存された、RRC接続プロトコルにおいて用いられる前記選択されたRRCパラメータを使用するよう構成されたRRC接続モジュールと;
を有し、
前記RRC送受信モジュールは、前記第一の無線デバイスにおいて、前記第二の無線デバイスから、前記選択されたRRCパラメータが除外された、前記低減されたRRC接続メッセージを受信するようさらに構成される。
【0008】
本開示の特徴と利点は、以下の詳細な説明及び添付される図面から明らかとなるであろう。詳細な説明及び図面は、例示する目的で、本開示の特徴を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施例に従い、無線リソース制御(RRC)の状態遷移中に、シグナリングオーバヘッドを低減する例示的な処理を表す図。
図2】本発明の一実施例に従い、無線リソース制御(RRC)の状態遷移中に、シグナリングオーバヘッドを低減するためのフローチャート。
図3】本発明の一実施例に従い、無線リソース制御(RRC)の状態遷移中に、シグナリングオーバヘッドを低減するための処理のフローチャート。
図4】本発明の一実施例に従い、無線リソース制御(RRC)の状態遷移中に、シグナリングオーバヘッドを低減するための処理のフローチャート。
図5】本発明の一実施例に従う無線リソースコントローラのブロック図。
図6】本発明の一実施例に従う無線デバイスを表す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例示的な実施形態を参照し、具体的な用語を使用して、それらの実施形態を説明する。それによって、本発明の範囲の制限がなされていないことが理解されるであろう。
【0011】
本発明を開示し説明する前に、本発明は、本明細書で開示される特定の構造、処理のステップ又は材料に限定されないが、関連する技術分野における当業者によって理解されることにより、本発明は、その均等物にまで拡張されることが理解されるべきである。ここで用いられる専門用語は、特定の実施例を説明するためだけに使用されるものであり、限定する意図で使用されていないことが理解されるべきである。同一の参照番号は、異なる図面において、同一の要素を表す。フローチャートや処理において提供される番号は、ステップや動作の説明を明確にするために提供され、必ずしも、特定の順序又は並びを示すものではない。
【0012】
まず、技術的な実施形態についての冒頭の概要を以下に示し、次いで、特定の技術的な実施形態の詳細をさらに説明する。かかる冒頭の概要は、読者が技術内容をより早く理解できるようにするためのものであり、本技術のキーとなる特徴や本質的な特徴を識別するものではなく、また、クレームされる主題の範囲限定することを意図したものでもない。
【0013】
モバイルデバイスと送信局との間の無線通信は、レイヤと呼ばれる、様々な部分へと細分されることがある。LTEシステムにおいて、通信レイヤは、物理層(PHY;physical)、メディアアクセス制御層(MAC;media access control)、無線リンク制御層(RLC;radio link control)又は論理層、パケットデータコンバージェンスプロトコル層(PDCP;packet data convergence protocol)及び無線リソース制御層(RRC;radio resource control)を含み得る。物理層は、ハードウェアの電装部品と、無線通信システムのソフトウェアモジュールを含み得る。RRC層は、MAC層の構成を制御することができる。
【0014】
RRCプロトコルは、送信局(例えば、eNB)を介した、モバイルデバイス(例えば、ユーザ装置(UE))と、無線アクセスネットワーク(RAN)との間の、制御プレーンのシグナリングを管理することができる。RRCプロトコルは、接続の確立と解放、システム情報のブロードキャスト、無線ベアラの確立/再構成及び解放、RRC接続のモビリティ手続き、ページングの通知及び解放、並びに/又は、アウターループの電力制御の機能を有する。例えば、一のRRC接続は、モバイルデバイスに対して、常に開かれ得る。
【0015】
過剰なシグナリングのオーバヘッドが、4G LTE(Long Term Evolution)ネットワークのような、ブロードバンドモバイルネットワークにおいて、さらなるネットワークの輻輳を発生させることがある。過剰なシグナリングは、モバイルデバイス(例えば、無線デバイス)をアイドル状態から接続状態へと繰り返し遷移させる可能性のある、頻繁な無線リソース状態変更イベントにより発生し得る。そのような頻繁な変更は、スマートフォンやタブレットのようなモバイルデバイスを使用するユーザの、様々なトラフィックの活動パターンにより、発生し得る。様々なトラフィックの活動パターンは、ユーザによる、インターネットへの、高頻度かつ短時間のバースト的なアクセス又は散発的でバースト的なアクセスを含む。開示される方法及びシステムは、RRC状態変更イベントのシグナリングオーバヘッドを低減させることができる(例えば、RRC状態遷移中のシグナリングを低減させる)。
【0016】
図1は、モバイルデバイス(例えば、UE)が、送信局(例えば、eBN)を介して、RAN(例えば、LTEネットワーク)に接続する場合の、シグナリングメッセージの交換の一例を表す。RANは、コアネットワーク(CN)(例えば、進化型パケットコア(EPC;evolved packet core))とモバイルデバイスとの間の接続機能を提供することができる。モバイルデバイスは、RANに最初に接続すると、待機状態304(例えば、RRC_Idle状態)となる。モバイルデバイス(例えば、UE)か、送信局(例えば、eBN)のいずれかは、接続要求を開始することができる。図1は、RRC接続要求306(例えば、RRC_Connection_Request)を開始するモバイルデバイスを表す。送信局は、RRC接続設定308メッセージ(RRC_Connection_Setup)を用いて、モバイルデバイスに応答することができる。モバイルデバイスは、RRC接続完了310メッセージ(RRC_Connection_Complete)を用いて、送信局に回答することができる。RRC接続完了310メッセージは、EPCに対する、進化型パケットシステムモビリティ管理(EMM;evolved packet system (EPS) mobility management)アタッチ要求を含んでもよい。
【0017】
送信局は、バックボーンネットワークにおける必要な情報を設定するため、EPCに接続することができる。送信局は、EMMアタッチ要求を含む、初期化要求メッセージ(例えば、S1初期UEメッセージ312)を、EPCに送信することができる。EPCは、初期化設定メッセージ(例えば、S1初期コンテキストメッセージ314)を用いて、送信局に返答することができる。初期化設定メッセージは、EMMアタッチ承諾メッセージを含んでもよい。EMMアタッチ承諾メッセージは、デフォルトベアラ有効化要求を含んでもよい。
【0018】
送信局は、RRC接続再設定316メッセージ(例えば、RRC_Connection_Reconfig)を、EPCからのEMMアタッチ承諾メッセージとともに、モバイルデバイスへと送信することができる。モバイルデバイスは、RRC接続再設定完了318メッセージ(例えば、RRC_Connection_Reconfig_Complete)を用いて、送信局に回答することができる。モバイルデバイスは、NAS(non-access stratum)ダイレクト転送メッセージ320を、EPに送信することができる。NASは、モバイルデバイスとコアネットワーク(CN)との間で動作するプロトコルを含むことができる。NASダイレクト転送メッセージは、EMMアタッチ完了メッセージを含んでも良い。EMMアタッチ完了メッセージは、デフォルトベアラ有効化承諾メッセージを含んでも良い。モバイルデバイスは、最終的に、RRC接続再設定完了メッセージを送信局に送信し、アタッチ完了メッセージをEPCに送信する。アタッチ完了メッセージは、ピギーバック方式により、RRC接続再設定完了メッセージとともに送信されてもよい。
【0019】
接続メッセージ(例えば、RRC接続メッセージ)は、特に、モバイルデバイスが同一のセルに留まり、同一の送信局に接続する場合に、時間と共にあまり変化しない、様々なパラメータを含む。RRC接続メッセージの様々なRRCパラメータは、バッファ状態レポート(BSR;buffer status report)のサイズと頻度、非連続受信(DRX;discontinuous reception)パラメータ、CQI(channel quality indicator)フィードバックの頻度、シグナリング無線ベアラ及び/又はシグナリングリソースベアラ(SRBO, SRB1 , SRB2, SRB3)情報を含む。結果として、モバイルデバイスが同一のネットワークに繰り返し接続している場合(例えば、頻繁な短いバーストアクセス又は待機状態と接続状態との間の循環)に、モバイルデバイスは、接続メッセージにより繰り返し提供される同一の情報を受信する必要はない。RRC接続メッセージは、例え、ネットワークの設定に使用されたパラメータが以前に使用されており、それらが比較的一定のものであったとしても、一般に、そのパラメータの完全なセットを含む。RRC接続メッセージが使用されると、モバイルデバイス又は送信局は、以前の接続に関連する情報(例えば、以前のRRC状態遷移)を保持しないことがある。RRC接続メッセージで送信されるパラメータの数を低減することにより、ブロードバンドモバイルネットワークの制御シグナリングオーバヘッドを低減し、ネットワークの輻輳を緩和することができる。
【0020】
RRC状態遷移中のシグナリングオーバヘッドを低減するために、例えば、低減されたRRCコネクションメッセージを受信する無線デバイス(例えば、モバイルデバイス又は送信局)は、メモリとタイマとを有しても良い。無線デバイス(例えば、第一の無線デバイス)は、メモリに、選択されたRRCパラメータ(選択RRCパラメータ)を保存することができる。選択RRCパラメータは、以前のRRC接続状態(図1)において、モバイルデバイスを送信局に接続するために使用された、以前のRRC接続メッセージから取得され得る。選択RRCパラメータは、そのRRCパラメータが変化する、低減された頻度(例えば、低頻度)に基づいて、特定され得る。選択RRCパラメータは、比較的一定であるパラメータ、安定したパラメータ、持続的なパラメータ、半永久的なパラメータ、又は、永久的なパラメータであってもよい。
【0021】
第一の無線デバイスは、メモリに保存された、選択RRCパラメータを使用する保持期間をカウントするための、RRCリソースパラメータ保持タイマを設定することができる。第一の無線デバイスは、第二の無線デバイスから、低減されたRRC接続メッセージを受信することができる。低減されたRRC接続メッセージは、少なくとも一つの、選択RRCパラメータを除外することができる。第一の無線デバイスは、RRCリソースパラメータ保持タイマが満了していない場合に、低減されたRRC接続メッセージから除外されたRRCパラメータと対応する、メモリ内の選択RRCパラメータを使用することができる。選択RRCパラメータは、RRC接続プロトコル内で使用することができる。低減されたRRC接続メッセージは、同様のRRC接続を提供するRRC接続メッセージと比べて、より少ないパラメータを有することができる。従って、ブロードバンドモバイルネットワークにおいて、制御メッセージの帯域を低減する。
【0022】
他の例では、低減されたRRC接続メッセージを送信する無線デバイス(例えば、モバイルデバイス又は送信局)は、メモリとタイマを有しても良い。第一の無線デバイスは、メモリに、選択RRCパラメータを保存することができる。選択RRCパラメータは、モバイルデバイスを送信局に接続するために使用された、以前のRRC接続メッセージから取得することができる。選択RRCパラメータは、RRCパラメータが送信される頻度と比較して、低減された頻度により、特定され得る。第一の無線デバイスは、メモリに保存された、選択RRCパラメータを使用する保持期間をカウントするための、RRCリソースパラメータ保持タイマを設定することができる。第一の無線デバイスは、RRCリソースパラメータ保持タイマが満了していない場合に、低減されたRRC接続メッセージを、第二の無線デバイスへと送信することができる。低減されたRRC接続メッセージは、選択RRCパラメータを除外する。
【0023】
別の例において、送信局はタイマを有し、選択RRCパラメータを保存するメモリを有していない。なぜなら、送信局は、接続メッセージより前に利用可能な他の情報から、選択されたパラメータを含むRRCパラメータを生成し、再構成し、再生成することができるためである。
【0024】
実施例のさらなる詳細な説明を以下に記す。RRC接続の確立は、RRCアイドルモードから、RRC接続モードへの遷移を行うために用いられる。モバイルデバイスは、アプリケーションデータの転送の前か、他のシグナリング手続きの前に、RRC接続モードへと遷移を行う。RRC接続の確立手続きは、モバイルデバイスにより開始されるが、モバイルデバイスか、RAN(送信局を含む)の何れかが、RRC接続の確立を開始しても良い。例えば、モバイルデバイスは、エンドユーザが、インターネットの閲覧や、電子メールの送信のために、アプリケーションを開始したとき、RRC接続の確立を開始してもよい。同様に、モバイルデバイスは、UEが、新たなトラッキングエリアに入るか、トラッキングエリア更新シグナリング手続きを完了したとき、RRC接続の確立を開始しても良い。RANは、ページングメッセージを送信することにより、RRC接続確立手続きを開始することができる。ページングメッセージは、到着したSMS(short message service)メッセージ(例えば、テキストメッセージ)の配送や、ボイスコール又はインターネットプロトコル(IP)パケットの通知を可能とするために使用され得る。
【0025】
RRC接続の確立により、シグナリング無線ベアラ(SRB;signaling radio bearer)1(及び他のSRB)が構成され、後続のシグナリングが、SRB0により使用される共通制御チャネル(CCCH;common control channel)ではなく、専用制御チャネル(DCCH;dedicated control channel)を使用することができる。RRC接続要求メッセージは、ランダムのアクセス手続の一部として、送信され得る。RRC接続要求メッセージは、初期レイヤ3(RRCレイヤ又は転送チャネル)メッセージに対応する。初期レイヤ3メッセージは、CCCHにおいて、SRB0を用いて転送され得る。なぜなら、SRB1、DCCHの何れも、まだ設定されていない可能性があるためである。
【0026】
一例において、モバイルデバイス(例えば、UE)と送信局(例えば、eNB)の両方は、タイマを有していても良い。タイマは、RRC_Params_Resource_Retain_time(例えば、タイマ値)を保持する、RRCリソースパラメータ保持タイマ又はRRC_Params_Resource_Retain_timerと呼ばれる。タイマにより、モバイルデバイス及び送信局は、タイマ値により示される時間にわたって、ネットワークに参加している間にやりとりされる情報を保持することができる。そのタイマ値は、ほんの数秒の短さであってもよいし、数日の長さであってもよい。別の例において、タイマ値は、1分から4時間の間の長さであってもよい。タイマが満了した後に、モバイルデバイスがネットワークに接続した場合には、モバイルデバイス及び送信局は、その情報を、メモリからフラッシュするか、消去しても良い(あるいは、代わりに、メモリ内で無視されてもよい)。タイマの満了後、送信局又はコアネットワークは、低減された接続メッセージから除外されていた選択RRCパラメータを含む、完全なRRC接続メッセージ内の接続メッセージパラメータを再読み込みすることができる。タイマが満了する前にモバイルデバイスが送信局に接続する場合には、ネットワークは、パラメータが再読み込みされるべきか決定し、モバイルデバイスにかかるパラメータを送信することができる。一例において、タイマ値は、送信局によって設定され、RRC再構成設定メッセージのような、ネットワーク参加処理の間に、パラメータの一つとして、モバイルデバイスへと送信されてもよい。
【0027】
別の例では、送信局は、どのパラメータが省略又は除外され(例えば、選択RRCパラメータ)、どのパラメータが送信されるか(低減されたRRC接続メッセージに含まれるRRCパラメータ)を決定することができる。いくつかの情報及びパラメータは(例えば、非連続受信パラメータ、バッファ状態レポート、SRB0、SRB1、SRB2及びSRB3)は、ほとんど一定であり、接続状態の間、同一の初期値に設定され得る。かかるパラメータは、低減されたRRC接続メッセージからは除外されるRRCパラメータとして選択されてもよい。接続状態である間、又は複数の接続状態間に変化する、RRC接続メッセージ内の情報及びパラメータの種類は、CQIフィードバックにより示されるように、チャネル状態に関連し得る。DRX、BSRのサイズと頻度、SRB0、SRB1、SRB2、SRB3のパラメータは、低減されたRRC接続メッセージから除外され得る選択RRCパラメータとして、明確にリストされる。また、RRC状態遷移の循環に対して低い頻度で変化する、モバイルネットワーク規格における他のパラメータが、低減されたRRC接続メッセージから除外されてもよい。選択されたパラメータは、変化の頻度が低いことに基づき、3GPP仕様書のような、仕様書から決定されてもよい。結果として、RRCメッセージのサイズを低減する。一例において、低減されたRRC接続メッセージの名前は、RRC接続メッセージと区別するために、reduced_RRC_Connection_Request、reduced_RRC_Connection_Setup、reduced_RRC_Connection_Completeのように、変更されても良い。モバイルデバイスが、低減された接続メッセージの設定をサポートしない場合、モバイルデバイスは、低減されたRRC接続メッセージの代わりに、RRC接続メッセージを使用しても良い。つまり、開示される方法及びシステムは、シグナリングオーバヘッドを低減するためのタイマ又はメモリを有さない、従来のモバイルデバイスと、後方互換性を有することができる。低減されたRRC接続メッセージの送信により、無線インタフェースを通じて、貴重な帯域を節約することができ、モバイルデバイスにおける処理のオーバヘッドを低減することができる。
【0028】
選択RRCパラメータは、非連続受信(DRX)パラメータ、バッファ状態レポート(BSR)のサイズと周波数、シグナリング無線ベアラ(SRB)を含み得る。シグナリング無線ベアラは、SRB0、SRB1、SRB2、SRB3又はSRB4を含む。次に、選択RRCパラメータのさらなる詳細を説明する。SRB0は、共通制御チャネル(CCCH;common control channel)を用いる、RRCメッセージングのために使用され得る。SRB0上の情報は、(RLCレイヤ又はMACレイヤにおいて)暗号化されない可能性がある。SRB1、SRB2、SRB3及びSRB4は、専用制御チャネル(DCCH;dedicated control channel)がセットアップされると、DCCH上で使用され得る。SRB1は、DCCH論理チャネルでNASメッセージを送信するための、低優先度のシグナリング(メッセージ)ベアラである。SRB2は、DCCH論理チャネルで送信される、高優先度のシグナリング(メッセージ)ベアラである。SRB3及びSRB4は、モバイルデバイスと送信局との間で、ピギーバック方式によりNASメッセージを伝送するために使用される。データ無線ベアラ(DRB)は、インターネットプロトコル(IP)パケットのベアラである。SRBを含む、ベアラの確立手続きの一部は、認証及び暗号化の有効化を含む。
【0029】
バッファ状態レポート(SBR)は、アップリンクバッファで送信されていないデータを報告するために、モバイルデバイスから送信局へのアップリンクで送信され得る。スケジューリング要求(SR)手続きでは、モバイルデバイスのリソース要件の詳細があまり伝送されない可能性があるため、SR手続きの後に、BSRが、待機中のデータ量のより詳細な情報とともに、最初のアップリンク伝送に付加され得る。モバイルデバイスは、有効な無線ベアラのBSRを送信することができる。BSRに基づいて、送信局は、高優先度のデータを有するモバイルデバイスが優先され、割り当てられたQoS(quality of service)特性を得られるようにする。
【0030】
非連続受信(DRX)方式により、モバイルデバイスは、バッテリの電力を節約するために、定期的に、モバイルデバイスの送信機の電源を切る。その動作や電源を切る時間は、接続のQoSと、モバイルデバイスの現在の動作に基づいて、送信局によって設定され得る。DRXのサイクルは、数ミリ秒から、数秒までの範囲であっても良い。DRXのサイクルは、モバイルデバイスが無線ベアラを有していないとき、ページングのサイクルと同じ長さであってもよい。
【0031】
さらなる実施形態において、モバイルデバイス又は送信局は、モバイルデバイスの位置に基づいて、RRC接続メッセージの代わりに、低減されたRRC接続メッセージを使用するかどうか決定することができる。モバイルデバイスの位置が顕著に変化したとき、選択RRCパラメータは変化する可能性が高い。従って、より少ない数の選択RRCパラメータが、低減されたRRC接続メッセージから除外される。顕著な変化は、異なるセルに移動するか、あるいは、異なる送信局と通信するモバイルデバイスを含んでも良い。一例において、無線デバイスは、選択RRCパラメータがメモリに格納されているとき、最初のモバイルデバイスの位置をメモリに格納しても良い。接続状態である間、モバイルデバイスは、現在のモバイルデバイスの位置を更新することができる。最初のモバイルデバイスの位置及び/又は現在のモバイルデバイスの位置は、送信局に対して送信されても良い。無線デバイス(例えば、モバイルデバイス又は送信局)は、後に検出された位置と比較するために、最初のモバイルデバイスの位置及び/又は現在のモバイルデバイスの位置を、メモリに格納することができる。
【0032】
別の例では、モバイルデバイスは、位置追跡方式、あるいは、RANへの接続がない待機状態の間、現在のモバイルデバイスの位置(例えば、モバイルデバイスの位置の変化)を追跡するモジュールを有していても良い。位置追跡方式は、加速度計、慣性測定ユニット(IMU;inertial measurement unit)、位置センサ及び/又はGPS受信機との接続を含んでも良い。別の例では、位置追跡方式は、現在のモバイルデバイスの位置を決定するために、別個のローカルエリアネットワーク(LAN)の接続を用いても良い。別の例では、無線デバイスは、選択RRCパラメータがメモリに格納されているとき、最初のモバイルデバイスの位置をメモリに格納しても良い。モバイルデバイスが、最初の位置から所定又は特定の距離移動した場合に、無線デバイスは、RRCリソースパラメータ保持タイマの満了条件を生成(あるいは、低減されたRRC接続メッセージの代わりにRRC接続メッセージを使用)しても良い。モバイルデバイスが、最初のモバイルデバイスの位置の近くにあり、完全なRRC接続メッセージを用いてネットワークへの参加している場合、そのネットワークへのアクセスを得るために用いられるパラメータ又は情報は、ネットワークへのより高速な接続のために利用され得る。別の例では、無線デバイスは、モバイルデバイスの最初の位置に対する現在の位置、RRCリソースパラメータ保持タイマ、又は、それらの組み合わせを用いて、RRC接続メッセージの代わりに、低減されたRRC接続メッセージを使う時を決定する。
【0033】
別の例では、調整された送信電力レベルが、選択RRCパラメータとともに提供されても良い。モバイルデバイスと送信局との間で接続が確立されたとき(あるいは、接続確立の一部として)、モバイルデバイスの送信電力レベルが決定されるか、あるいは、適切な(あるいは最適な)電力レベルが決定されるまで、様々なシグナリングメッセージを通じて繰り返される。適切な送信電力レベルを決定するためのシグナリングメッセージは、RANのシグナリングオーバヘッドに加わる可能性がある。送信電力レベルは、接続の確立により、RANのシグナリングオーバヘッドを加えながら、決定され得る。適切な送信電力レベルは、モバイルデバイスの電力の節約と、高い送信帯域(CQI、PMI(preceding matrix indicator)、伝送RI(rank indicator)、又は、信号対雑音干渉比(signal to interference plus noise ratio)を決定するために用いられる他のデータ伝送指標)とのバランスを保つことができる。送信電力は、送信局に対するモバイルデバイスの位置、干渉、及び、信号の電力及び品質に影響する他の要因によって変化し得る。モバイルデバイスの、ある位置での適切な送信電力レベルが一度決定されると、適切な送信電力レベル(例えば、調整された送信電力レベル)は、後の接続で再利用することができる。なぜなら、後の送信電力レベルは、先に決定された、適切な送信電力レベルと、実質的に同様である可能性があるためである。保持時間の間、あるいは、現在のモバイルデバイスの位置が、最初の位置から特定の距離離れるまで、調整された送信電力レベルがメモリに保存されると、送信電力レベルの調整のためのシグナリングメッセージが削減される。これにより、シグナリングオーバヘッドが減少する。保存された、調整された送信電力レベルは、適切な送信電力レベルをうまく調整するために、開始値として用いられてもよい。
【0034】
図2は、無線リソース制御(RRC)の状態遷移の間に、シグナリングオーバヘッドを低減する方法及びシステムを示す。当該方法は、ステートマシン上で実行されるか、あるいは、マシン上の命令として実行され得る。命令は、少なくとも一つのコンピュータ読み取り可能な媒体に含まれる。無線デバイスは、RRC_Params_Resource_Retainタイマを、メモリに保存された、選択RRCパラメータを用いるための保持期間に設定することができる(202)。RRC接続が開始される(例えば、メッセージが生成されるか、メッセージが受信される)と、無線デバイスは、RRC_Params_Resource_Retainタイマが満了したかどうかを決定することができる(204)。RRC_Params_Resource_Retainタイマが満了している場合、無線デバイスは、RRC接続メッセージを用いることができる(206)。RRC_Params_Resource_Retainタイマが満了していない場合、無線デバイスは、低減されたRRC接続メッセージを用いることができる(208)。RRC接続が、低減されたRRC接続メッセージを用いて確立されている場合(210)、無線デバイスは、RRC_Params_Resource_Retainタイマをリセットすることができる(212)。RRC接続が、低減されたRRC接続メッセージを用いて確立されていない場合、無線デバイスは、完全なRRC接続メッセージを用いる(再送する)ことができる。別の例において、RRC_Params_Resource_Retainタイマが満了した後に、無線デバイスが、低減されたRRC接続メッセージを受信した場合、無線デバイスは、低減されたRRC接続メッセージのパラメータを用いることができる。さらに、無線デバイスは、第二の無線デバイスに、次の通信では完全なRRC接続メッセージを送信するよう指示するか、あるいは、完全なRRC接続メッセージを用いた応答を送信するよう指示することができる。別の例では、RRC_Params_Resource_Retainタイマが満了した後に、無線デバイスが、低減されたRRC接続メッセージを受信した場合、無線デバイスは、RRCの確立を失敗させてもよいし、あるいは、否定応答(NACK;negative acknowledgement)を送信してもよい。
【0035】
RRC状態遷移の間のシグナリングオーバヘッドを低減する当該方法及びシステムは、既知又は保存済みの情報を再送信する代わりに、メモリに保存され得る、最近の接続からの情報を再使用することができる。当該方法及びシステムは、モバイルデバイスが既に得ている情報を、再使用することができる。従って、モバイルデバイスがネットワークに参加する処理を高速化し、RRCの状態がRRC_IdleからRRC_Connectedに変わることによるシグナリングオーバヘッドを低減することができる。
【0036】
図3のフローチャートは、無線リソース制御(RRC)の間のシグナリングオーバヘッドを低減する方法500の例を示す。当該方法は、少なくとも一つのコンピュータ読み取り可能な媒体で読み込まれる、マシン上の命令として実行され得る。ブロック510において、選択RRCパラメータを第一の無線デバイスのメモリに保存する。選択RRCパラメータは、そのRRCパラメータが変化する、低い頻度に基づいて、特定される。ブロック520において、メモリに保存された選択RRCパラメータを使用するための、保持期間をカウントするRRCリソースパラメータ保持タイマが設定される。ブロック530において、RRCリソースパラメータ保持タイマが満了しておらず、低減されたRRC接続メッセージが選択RRCパラメータを除外している場合、第一の無線デバイスから第二の無線デバイスに、低減されたRRC接続メッセージを送信することができる。
【0037】
選択RRCパラメータは、第一の無線デバイスと第二の無線デバイスとを接続するために使用された、以前のRRC接続メッセージから取得することができる。以前のRRC接続メッセージは、第二の無線デバイスと通信するために、第一の無線デバイスによって生成され得る。別の例において、以前のRRC接続メッセージは、第一の無線デバイスにより、第二の無線デバイスから受信され得る。第二の無線デバイスと通信する、第一の無線デバイスの待機状態は、選択RRCパラメータをメモリに保存する命令と、低減されたRRC接続メッセージを送信する命令との間に、生じ得る。
【0038】
当該方法は、さらに、RRC接続後に、RRCリソースパラメータ保持タイマをリセットする、第一の無線デバイスを含んでいても良い。別の例において、当該方法は、さらに、第二の無線デバイスに保持期間を送信する、第一の無線デバイスを含んでいても良い。選択RRCパラメータは、非連続受信(DRX)パラメータ、バッファ報告レポート(BSR)のサイズ、BSRの頻度、シグナリング無線ベアラ(SRB)0、SRB1情報、SRB2情報、SRB3情報、調整された送信電力レベル、又は、これらの選択RRCパラメータの組み合わせを含んでもよい。低減されたRRC接続メッセージ及びRRC接続メッセージは、RRC接続要求、RRC接続設定、RRC接続設定完了、RRC接続再設定、RRC接続再設定完了、あるいは、これらの接続メッセージの組み合わせを含んでもよい。第一の無線デバイスは、ユーザ端末(UE)又は移動局(MS;mobile station)を含んでも良い。第一の無線デバイスは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)のうちの一つと接続するよう構成されても良い。第一の無線デバイスは、アンテナ、タッチスクリーン、スピーカ、マイク、グラフィクスプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、内蔵メモリ、不揮発メモリポート又はかかる部品の組み合わせを有しても良い。第二の無線デバイスは、進化型NodeB(eNodeB)、基地局(BS)、マクロ進化型NodeB(macro-eNB)、低電力ノード(LPN)、マクロeNB、ピコeNB、フェムトeNB、ホームeNB(HeNB)、ベースバンドユニット(BBU)、リモート無線ヘッド(RRH)、リモート無線装置(RRE)又はリモート無線ユニット(RRU)を含んでも良い。
【0039】
別の例では、当該方法は、RRCリソースパラメータ保持タイマの満了前に、第二の無線デバイスから、第二のRRC接続メッセージを受信する、第一の無線デバイスを含む。第二のRRC接続メッセージにおける選択RRCパラメータは、メモリに保存された選択RRCパラメータと異なるパラメータを有する。第一の無線デバイスは、メモリに保存された選択RRCパラメータを、第二のRRC接続メッセージのおける選択RRCパラメータで、置き換えることができる。別の例では、低減されたRRC接続メッセージは、さらに、複数の選択RRCパラメータを除外することができる。第一の無線デバイスから第二の無線デバイスへの、低減されたRRC接続メッセージの送信は、さらに、低減されたRRC接続メッセージ内に同梱される選択RRCパラメータが変化したとき、その同梱される選択RRCパラメータを含むようにしても良い。ここで、少なくとも一つの他の選択RRCパラメータは、低減されたRRC接続メッセージから除外される。
【0040】
図4に示されるフローチャートは、無線リソース制御(RRC)の状態遷移の間のシグナリングオーバヘッドを低減する方法600の別の例を表す。当該方法は、少なくとも一つのコンピュータ読み取り可能な媒体で読み込まれる、マシン上の命令として実行され得る。ブロック610において、選択RRCパラメータを第一の無線デバイスのメモリに保存する。選択RRCパラメータは、そのRRCパラメータが変化する、低い頻度に基づいて、特定される。ブロック620において、メモリに保存された選択RRCパラメータを使用するための、保持期間をカウントするRRCリソースパラメータ保持タイマが設定される。ブロック630において、第一の無線デバイスが第二の無線デバイスから、選択RRCパラメータが除外された、低減されたRRC接続メッセージを受信する。ブロック640において、RRCリソースパラメータ保持タイマが満了しておらず、選択RRCパラメータがRRC接続プロトコルで使用されている場合、低減されたRRC接続メッセージから除外されたRRCパラメータのために、メモリに保存された選択RRCパラメータを使用する。
【0041】
選択RRCパラメータは、第一の無線デバイスと第二の無線デバイスとを接続するために使用された、以前のRRC接続メッセージから取得することができる。以前のRRC接続メッセージは、第二の無線デバイスと通信するために、第一の無線デバイスによって生成され得る。別の例において、以前のRRC接続メッセージは、第一の無線デバイスにより、第二の無線デバイスから受信され得る。第二の無線デバイスと通信する、第一の無線デバイスの待機状態は、選択RRCパラメータをメモリに保存する命令と、低減されたRRC接続メッセージを送信する命令との間に、生じ得る。
【0042】
当該方法は、さらに、RRC接続後に、RRCリソースパラメータ保持タイマをリセットする、第一の無線デバイスを含んでいても良い。別の例において、当該方法は、さらに、第二の無線デバイスに保持期間を受信する、第一の無線デバイスを含んでいても良い。選択RRCパラメータは、非連続受信(DRX)パラメータ、バッファ報告レポート(BSR)のサイズ、BSRの頻度、シグナリング無線ベアラ(SRB)0、SRB1情報、SRB2情報、SRB3情報、調整された送信電力レベル、又は、これらの選択RRCパラメータの組み合わせを含んでもよい。低減されたRRC接続メッセージ及びRRC接続メッセージは、RRC接続要求、RRC接続設定、RRC接続設定完了、RRC接続再設定、RRC接続再設定完了、あるいは、これらの接続メッセージの組み合わせを含んでもよい。第一の無線デバイスは、ユーザ端末(UE)又は移動局(MS;mobile station)を含んでも良い。第二の無線デバイスは、進化型NodeB(eNodeB)、基地局(BS)、マクロ進化型NodeB(macro-eNB)、低電力ノード(LPN)、マクロeNB、ピコeNB、フェムトeNB、ホームeNB(HeNB)、ベースバンドユニット(BBU)、リモート無線ヘッド(RRH)、リモート無線装置(RRE)又はリモート無線ユニット(RRU)を含んでも良い。別の例において、当該方法は、低減されたRRC接続メッセージが受信され、RRCリソースパラメータ保持タイマが満了したとき、RRC接続失敗メッセージを第二の無線デバイスに送信する、第一の無線デバイスを含んでも良い。
【0043】
図5は、無線リソース制御(RRC)の状態遷移の間のシグナリングオーバヘッドを低減する、例示的な無線リソースコントローラ710を示す。無線リソースコントローラは、第一の無線デバイス、第二の無線デバイス、モバイルデバイス、又は、送信局に含まれ得る。第一及び第二の無線デバイスは、モバイルデバイス又は送信局であってもよい。モバイルデバイスは、ユーザ端末(UE)又は移動局(MS)であってもよい。送信局は、ノード、進化型NodeB(eNodeB)、基地局(BS)、マクロ進化型NodeB(macro-eNB)、低電力ノード(LPN)、マクロeNB、ピコeNB、フェムトeNB、ホームeNB(HeNB)、ベースバンドユニット(BBU)、リモート無線ヘッド(RRH)、リモート無線装置(RRE)又はリモート無線ユニット(RRU)を含んでも良い。
【0044】
無線リソースコントローラ710は、RRC送受信モジュール712と、メモリモジュール714と、RRCリソースパラメータ保持タイマ716とを有することができる。無線リソースコントローラは、さらに、RRC接続モジュール718と、位置追跡モジュール(図示しない)を有しても良い。位置追跡モジュールは、最初のモバイルデバイスの位置及び/又は現在のモバイルデバイスの位置を生成するよう構成され得る。RRC送受信モジュールは、第一の無線デバイスを第二の無線デバイスと接続するために使用されるRRC接続メッセージから、選択RRCパラメータを取得するよう構成される。選択RRCパラメータは、選択RRCパラメータが変化する、低い頻度に基づいて、特定され得る。メモリモジュールは、選択RRCパラメータを保存するよう構成され得る。RRCリソースパラメータ保持タイマは、メモリに保存された選択RRCパラメータを用いる保持期間をカウントするよう構成され得る。RRC送受信モジュールは、さらに、RRCリソースパラメータ保持タイマが満了していないとき、第一の無線デバイスと第二の無線デバイスとの間の通信のために、低減されたRRC接続メッセージを生成するよう構成され得る。低減されたRRC接続メッセージは、選択RRCパラメータを除外することができる。
【0045】
1つの例において、RRCリソースパラメータ保持タイマ716は、RRC接続後、RRCリソースパラメータ保持タイマをリセットするよう構成されてもよい。RRC送受信モジュール712は、保持期間を、第二の無線デバイスに送信するよう構成され得る。選択RRCパラメータは、非連続受信(DRX)パラメータ、バッファ報告レポート(BSR)のサイズ、BSRの頻度、シグナリング無線ベアラ(SRB)0、SRB1情報、SRB2情報、SRB3情報、調整された送信電力レベル、又は、これらの選択RRCパラメータの組み合わせを含み得る。低減されたRRC接続メッセージ及びRRC接続メッセージは、RRC接続要求、RRC接続設定、RRC接続設定完了、RRC接続再設定、RRC接続再設定完了、あるいは、これらの接続メッセージの組み合わせを含み得る。
【0046】
別の例において、無線リソースコントローラ710のRRC送受信モジュール712は、第一の無線デバイスを第二の無線デバイスと接続するために用いられたRRC接続メッセージから、選択RRCパラメータを取得するよう構成されても良い。選択RRCパラメータは、選択RRCパラメータが変化する、低い頻度に基づいて、特定され得る。メモリモジュール714は、選択RRCパラメータを保存するよう構成され得る。RRCリソースパラメータ保持タイマ716は、メモリに保存された選択RRCパラメータを用いる保持期間をカウントするよう構成され得る。第一の無線デバイスにおけるRRC送受信モジュールは、第二の無線デバイスから、低減されたRRC接続メッセージを受信するよう構成され得る。低減されたRRC接続メッセージは、選択RRCパラメータを除外することができる。RRC接続モジュールは、RRCリソースパラメータ保持タイマが満了していないとき、低減されたRRC接続メッセージから除外されたRRCパラメータのために、メモリに保存された選択RRCパラメータを用いるよう構成され得る。選択RRCパラメータは、RRC接続プロトコルにおいて使用され得る。
【0047】
一つの例として、RRCリソースパラメータ保持タイマ716は、RRC接続後、RRCリソースパラメータ保持タイマをリセットするよう構成されても良い。RRC送受信モジュール712は、さらに、保持期間を第二の無線デバイスに送信するよう構成されても良い。選択RRCパラメータは、非連続受信(DRX)パラメータ、バッファ報告レポート(BSR)のサイズ、BSRの頻度、シグナリング無線ベアラ(SRB)0、SRB1情報、SRB2情報、SRB3情報、調整された送信電力レベル、又は、これらの選択RRCパラメータの組み合わせを含んでもよい。低減されたRRC接続メッセージ及びRRC接続メッセージは、RRC接続要求、RRC接続設定、RRC接続設定完了、RRC接続再設定、RRC接続再設定完了、あるいは、これらの接続メッセージの組み合わせを含んでもよい。
【0048】
別の例において、第一の無線デバイス及び第二の無線デバイスは、送信局又はモバイルデバイスであってもよい。送信局は、モバイルデバイスと無線で通信することができる。
【0049】
図6は、ユーザ端末(UE)、移動局(MS)、モバイル無線デバイス、モバイル通信デバイス、タブレット、ヘッドセット又は他の種類のモバイル無線デバイスのような、モバイルデバイスの例を表す。モバイルデバイスは、基地局(BS)、進化型NodeB(eNB)、ベースバンドユニット(BBU)、リモート無線ヘッド(RRH)、リモート無線装置(RRE)、中継局(RS)、無線装置(RE)又は他の種類の無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)のアクセスポイントのような、送信局と通信するよう構成された1以上のアンテナを有する。モバイルデバイスは、3GPP LTE、WiMAX、HSPA(High Speed Packet Access)、Bluetooth(登録商標)、及びWiFi(登録商標)を含む、少なくとも一つの無線通信規格を用いて通信するよう構成されても良い。モバイルデバイスは、無線通信規格ごとの個別のアンテナを用いるか、複数の無線通信規格の共有アンテナを用いて通信することができる。モバイルデバイスは、WLAN(wireless local area network)、WPAN(wireless personal area network)及び/又はWWANにおいて通信することができる。
【0050】
図6は、モバイルデバイスからの音声の入出力のために用いられるマイクと1以上のスピーカの例を表す。ディスプレイスクリーンは、液晶ディスプレイ(LCD)スクリーンか、あるいは、有機EL(organic light emitting diode)ディスプレイのような、他の種類のディスプレイスクリーンである。ディスプレイスクリーンは、タッチスクリーンとして構成されても良い。タッチスクリーンは、静電容量方式、抵抗膜方式、又は、他の種類のタッチスクリーン技術を用いることができる。アプリケーションプロセッサ及びグラフィクスプロセッサは、処理機能及び表示機能を提供するために、内蔵メモリと接続される。不揮発メモリポートは、ユーザにデータの入出力の選択を提供するために用いられる。不揮発メモリポートは、モバイルデバイスのメモリ機能を拡張するために用いられても良い。キーボードは、モバイルデバイスと統合されるか、あるいは、追加のユーザ入力を提供するため、モバイルデバイスと無線で接続される。仮想キーボードが、タッチスクリーンを用いて提供されても良い。
【0051】
様々な技術又はその特定の太陽若しくは一部は、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、ハードドライブ、不揮発性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は他の機会読取可能な媒体のような、有形の媒体において具体化されたプログラムコード(すなわち、命令)の形状をとることができる。プログラムコードが、コンピュータのような機械に読み込まれ、その機械によって実行されるとき、その機械は、様々な技術を実行する装置となる。プログラム可能なコンピュータ上でプログラムコードが実行されるとき、その計算装置は、プロセッサ、プロセッサにより読み取り可能な記憶媒体(揮発メモリ及び不揮発メモリ並びに/又はストレージ部品を含む)、少なくとも一つの入力装置及び少なくとも一つの出力装置を有する。揮発メモリ及び不揮発メモリ並びに/又はストレージ部品は、RAM、EPROM、フラッシュドライブ、光学ドライブ、磁気ハードドライブ又は電子データを格納する他の媒体である。基地局及びモバイルステーションは、送受信モジュール、カウンタモジュール、処理モジュール及び/又はクロック若しくはタイマモジュールを有しても良い。本明細書に記載された様々な技術を実現し、利用することのできる1以上のプログラムは、API(application programming interface)、再利用可能な制御等を用いても良い。そのようなプログラムは、コンピュータシステムとやりとりするために、高水準の手続き型プログラミング言語又はオブジェクト指向型プログラミング言語で実装されても良い。しかしながら、プログラムは、必要に応じて、アセンブリ言語又は機械語で実装されても良い。いずれの場合においても、プログラミング言語は、コンパイル型又はインタープリタ型であり、ハードウェアの実装と組み合わせられる。
【0052】
本明細書に記載される多くの機能ユニットは、実装の独立性をより具体的に強調するために、モジュールとしてラベル付けされていることが理解されるべきである。例えば、モジュールは、カスタムVLSI回路若しくはゲートアレイ、論理チップのような既製品の半導体、トランジスタ、あるいは、他の個別の部品として実装され得る。モジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイス等のような、プログラム可能なハードウェアデバイスにおいて、実装され得る。
【0053】
モジュールは、様々な種類のプロセッサにより実行されるソフトウェアにおいて実装され得る。実行可能なコードの特定のモジュールは、例えば、オブジェクト、手続き又は関数として構造化されたコンピュータ命令の、1以上の物理ブロック又は論理ブロックを含んでも良い。しかしながら、特定のモジュールの複数の実行ファイルは、物理的に同じ場所にある必要はなく、異なる場所に保存される、異種の命令を含んでも良い。そのような命令は、論理的に結合されたとき、そのモジュールを構成し、そのモジュールの目的を達成することができる。
【0054】
実際に、実行可能なコードのモジュールは、単一の命令であっても良いし、多数の命令であってもよい。また、実行可能なコードのモジュールは、いくつかの異なるコードセグメントにわたって分散されても良いし、異なるプログラムに分散されても良いし、いくつかのメモリ装置に分散されても良い。同様に、使用可能なデータは、モジュール内で特定され、本明細書で示される。使用可能なデータは、任意の適合する形式で実現され、任意の適合する種類のデータ構造で構成される。使用可能なデータは、単一のデータセットとして収集されるか、あるいは、異なるストレージデバイスのような、異なる場所に分散されて収集される。使用可能なデータは、システムまたはネットワーク上の、少なくとも単なる電気的な信号の一部として存在することができる。モジュールは、所望の機能を実行することのできるエージェントのような、パッシブ型又はアクティブ型のモジュールであってもよい。
【0055】
本明細書を通じて、「一つの例」への言及は、その例に関して記載される特定の特徴、構造又は特徴が、本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれるということを意味する。従って、本命妻子を通じて様々な場所に現れる「一つの例では」という表現は、必ずしも、同一の実施形態について全て言及しているものではない。
【0056】
本明細書で用いられるように、複数の項目、構造的要素、組成要素及び/又は部品は、利便性のために、一般的なリスト形式で示されている。しかしながら、かかるリストは、リストの各要素が、個別又はユニークな番号として独立に特定されると解釈されるべきではない。従って、そのようなリストのいかなる個別の要素も、単に、同一のリスト内の任意の他のメンバの実質的な均等物ではないとの指示なしに、共通するグループで表現されているということのみに基づいて、同一のリストの任意の他のメンバの実質的な均等物と解釈されるべきではない。
さらに、本発明の様々な実施形態及び実施例は、それらの様々な要素の代替物とともに、ここで参照される。なお、そのような実施形態、実施例及び代替物は、互いの事実上の均等物と解釈されるべきでなく、本発明の別個の自立した説明であると解釈されるべきである。
【0057】
さらに、記載された特徴、構造又は特性は、1以上の実施形態において、任意の適合する方法で、組み合わせることができる。以下の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、配置、距離、ネットワークの例等のような、多数の固有の詳細が提供される。関連する技術の当業者は、1以上の特定の詳細がなくとも、あるいは、他の方法、部品、配置等を用いて、本発明が実現可能であることを理解するであろう。また、既知の構造、部品、又は動作は、本発明の態様を曖昧にすることを避けるために、詳細に記載されていない。
【0058】
上述した実施例は、1以上の特定の応用において本発意の原理を示すものであるが、本技術分野の当業者にとって、発明の能力の発揮なく、かつ、本発明の原理又は概念から離れることなく、実装や使用に関する多数の改良が可能であることは明らかであろう。従って、これらの実施例は、以下で説明されるクレームの組を除き、本発明を限定する目的でなされたものではない。
図1
図2
図3
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図5
図6