【実施例1】
【0012】
図1および
図2を参照して、本発明の回転電機の構成について説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る回転電機の平面図である。
図2は、本発明の実施例1に係る回転電機を
図1の線AAで切断したときの側断面図である。なお、
図1および
図2において、
図7に示した従来の回転電機と同じ構成部品については同じ符号を付している。
【0013】
図1において、回転電機は、フレーム1、固定子鉄心2、固定子巻線3、負荷側ブラケット4、反負荷側ブラケット5、シャフト6、負荷側軸受7、反負荷側軸受8、回転子鉄心9、永久磁石10、エンコーダ11、ボルト13、ボルト14、およびコネクタ22を備える。
フレーム1は、金属製であり、筒状である。固定子鉄心2は、フレーム1の内周面に嵌合固着される。固定子巻線3は、固定子鉄心2に巻装され、回転磁界を発生させる。負荷側ブラケット4は、フレーム1の負荷側端部にボルト13により取り付けられ、反負荷側ブラケット5は、フレーム1の反負荷側端部にボルト14により取り付けられる。フレーム1、固定子鉄心2、固定子巻線3、負荷側ブラケット4、および反負荷側ブラケット5により、略円筒状の固定子が構成される。シャフト6は、負荷側ブラケット4に設けられた負荷側軸受7と、反負荷側ブラケット5に設けられた反負荷側軸受8とを介して、負荷側ブラケット4および反負荷側ブラケット5に対し回転自在に支持される。回転子鉄心9は、シャフト6の外周に取り付けられる。永久磁石10は、回転子鉄心9の外周に設けられ、固定子鉄心2の内周と空隙を介して対向する。回転子鉄心9および永久磁石10により、円筒状の回転子が構成される。エンコーダ11は、シャフト6の反負荷側に設けられ、シャフト6の回転角度を検出する。
【0014】
コネクタ22は、
図1および
図3に示すように、主として、絶縁部材221、複数のコネクタピン222、複数のリード線223、および複数のゴムブッシュ224を備え、複数のコネクタピン222に外部のACサーボモータ駆動電源部15が接続される。
図3は、コネクタ22を
図1の線BBで切断したときの側断面の一部を示す図である。
図3において、絶縁部材221は、筒状であり、絶縁部材221には、固定子の外周と内周との間を貫通する貫通孔221aが形成される。コネクタピン222は、貫通孔221a内に配置され、コネクタピン222の端部222aは固定子の外周側を向いている。リード線223の端部223aは、コネクタピン222の端部222bと電気的に接続され、リード線223の端部223aと反対側の端部(図示省略)は、固定子巻線3と電気的に接続される。具体的には、コネクタピン222の端部222b内にリード線223の導体線223tが設けられることにより、コネクタピン222の端部222bとリード線223の端部223aとが電気的に接続される。
【0015】
ゴムブッシング224は、筒状の弾性部材であり、コネクタピン222の端部222bとリード線223の端部223aとの接続部分を覆うように絶縁補助のために設けられる。
図4は、本発明の実施例1に係るゴムブッシュの側断面図である。
図5は、ゴムブッシュ224を
図4の線CCで切断したときの正断面図である。
ここで、
図4および
図5に示した、コネクタピン222の端部222bを覆うゴムブッシュ224の端部224aの内径R1は、コネクタピン222の端部222bの外径より小さくなっている。同様に、リード線223の端部223aを覆うゴムブッシュ224の端部224bの内径R1は、リード線223の端部223aの外径より小さくなっている。
また、ゴムブッシュ224の端部224aの外径R2は、絶縁部材221の貫通孔221aの内径より小さくなっている。同様に、ゴムブッシュ224の端部224bの外径R2は、絶縁部材221の貫通孔221aの内径より小さくなっている。
また、ゴムブッシュ224の端部224aおよび端部224b以外の部分には、リング状の凸部224cが3つ形成される。この凸部224cの外径R3は、絶縁部材221の貫通孔221aの内径より大きくなっている。
また、ゴムブッシュ224の内周であって3つの凸部224cそれぞれに対応する位置に、リング状の溝224dが形成されている。溝224dは、V字状に形成される。
【0016】
以上に説明したコネクタ22の製造は、次の手順で行われる。
まず、リード線223の端部223aがゴムブッシュ224の端部224aから突出するまで、ゴムブッシュ224内にリード線223を通す。その後、コネクタピン222の端部222b内にリード線223の導体線223tを挿入する。その後、コネクタピン222の端部222bとリード線223の導体線223tとをかしめる。つまり、コネクタピン222の端部222bの上から圧力を加えることにより、リード線223の端部223aとコネクタピン222の端部222bとを接着する。その後、かしめたコネクタピン222とリード線223を、コネクタピン222の端部222aが固定子の外周側を向くように貫通孔221a内に挿入する。その後、リード線223に通していたゴムブッシュ224を、貫通孔221a内に挿入する。
【0017】
以上のように、本実施例では、コネクタピン222の端部222bを覆うゴムブッシュ224の端部224aの内径R1は、コネクタピン222の端部222bの外径より小さくなっている。同様に、リード線223の端部223aを覆うゴムブッシュ224の端部224bの内径R1も、リード線223の端部223aの外径より小さくなっている。
これにより、コネクタピン222の端部222bとリード線223の端部223aとの接続部分にゴムブッシュ224を固定することができる。その結果、
図8に示した従来の熱収縮チューブ124を用いずに済み、作業者は、ヒートガンなどを用いて熱収縮チューブ124を加熱収縮させずに済むため、作業効率が向上する。
【0018】
また、本実施例では、ゴムブッシュ224の端部224aの外径R2は、絶縁部材221の貫通孔221aの内径より小さくなっている。
これにより、作業者は、ゴムブッシュ224を絶縁部材221の貫通孔221aに容易に挿入できるため、作業効率がさらに向上する。
【0019】
また、本実施例では、ゴムブッシュ224の端部224bの外径R2は、絶縁部材221の貫通孔221aの内径より小さくなっている。
これにより、作業者は、ゴムブッシュ224内にリード線223を通す際、ゴムブッシュ224の方向を気にすることなく作業することができる。その結果、作業効率がさらに向上する。
【0020】
また、本実施例では、ゴムブッシュ224の端部224aおよび端部224b以外の部分に、外径が絶縁部材221の貫通孔221aの内径より大きい凸部224cが形成されている。
ここで、
図8に示した従来のコネクタ12では、熱収縮チューブ124の外周と絶縁部材121の貫通孔121aとの間に隙間121sが形成されるため、コネクタピン122及びリード線123が、がたつきを起こす。その際、隣り合うコネクタピン122間でレアショートを起こしてしまう危険性があった。また、コネクタピン122と絶縁部材121の勘合部が磨耗してしまうという問題があった。
これに対し、本実施例では、ゴムブッシュ224に、外径が絶縁部材221の貫通孔221aの内径より大きい凸部224cが形成されている。よって、
図3に示すように、この凸部224cが絶縁部材221の貫通孔221aの中でつぶれる形となり、コネクタピン222及びリード線223のがたつきを抑えることができる。
【0021】
また、本実施例では、ゴムブッシュ224の内周であって3つの凸部224cそれぞれに対応する位置に、リング状の溝224dが形成されている。
これにより、凸部224cが絶縁部材221の貫通孔221aの中でつぶれやすくなるので、溝224dが形成されないときと比べて、ゴムブッシュ224を貫通孔221a内に挿入しやすくなる。さらに、ゴムブッシュ224を貫通孔221a内に挿入した際、
図3に示すように、凸部224cが絶縁部材221の貫通孔221aの中でつぶれるのに応じて、溝224dの内面がリード線223の端部223aとコネクタピン222の端部222bの外周に密着する。このため、コネクタピン222の端部222bとリード線223の端部223aとの接続部分を均一な圧力をかけるようにして覆うことができるので、当該接続部分の接続をより確実に保護することができる。
【0022】
なお、上述では、弾性部材として、ゴムからなるゴムブッシュ224を用いていたが、これに限定されない。弾性部材は、ゴムブッシュ224と同一形状であって、ゴム以外の他の弾性材料で構成された部材であってもよい。
【0023】
また、上述では、コンタクトピン222、リード線223、およびゴムブッシュ224をそれぞれ複数備えていたが、これに限定されず、それぞれ1つであってもよい。
【0024】
また、上述では、(1)ゴムブッシュ224の端部224aの内径R1をコネクタピン222の端部222bの外径より小さくし、ゴムブッシュ224の端部224bの内径R1をリード線223の端部223aの外径より小さくする点、(2)ゴムブッシュ224の端部224aの外径R2を、絶縁部材221の貫通孔221aの内径より小さくする点、(3)ゴムブッシュ224の端部224bの外径R2を、絶縁部材221の貫通孔221aの内径より小さくする点、(4)ゴムブッシュ224に凸部224cを3つ形成する点、(5)ゴムブッシュ224に溝224dを形成する点、の全てを具備する構成について説明したが、これに限定されない。少なくとも(1)を具備すれば、従来よりも作業効率を向上させることができる。なお、他の(2)〜(5)を任意に選択し、選択したものを(1)と組み合わせてもよい。
【0025】
また、上述では、ゴムブッシュ224に凸部224cを3つ形成していたが、3つに限らず1つでもよい。この場合でも、コネクタピン222及びリード線223のがたつきを抑えることができる。
【0026】
また、上述では、溝224dがV字状に形成されていたが、円弧状であってもよい。この場合でも、V字状の場合と同様の効果を得ることができる。