特許第5763291号(P5763291)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5763291
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/04 20060101AFI20150723BHJP
   H02K 3/50 20060101ALI20150723BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
   H02K3/04 J
   H02K3/50 A
   H02K5/22
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2009-169229(P2009-169229)
(22)【出願日】2009年7月17日
(65)【公開番号】特開2011-24380(P2011-24380A)
(43)【公開日】2011年2月3日
【審査請求日】2012年2月29日
【審判番号】不服2014-12912(P2014-12912/J1)
【審判請求日】2014年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】100104503
【弁理士】
【氏名又は名称】益田 博文
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 昭太
(72)【発明者】
【氏名】松浦 賢司
【合議体】
【審判長】 堀川 一郎
【審判官】 松永 謙一
【審判官】 中川 真一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−074709(JP,A)
【文献】 特表平03−502853(JP,A)
【文献】 実開平06−045274(JP,U)
【文献】 特開昭54−098987(JP,A)
【文献】 特開2003−109702(JP,A)
【文献】 特開2004−095564(JP,A)
【文献】 特開2004−014168(JP,A)
【文献】 特開2002−051513(JP,A)
【文献】 特開平10−067034(JP,A)
【文献】 特開平07−142117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K3/00-3/52
H02K5/00-5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の回転子と、
前記回転子の外周側に設けられ、固定子巻線により回転磁界を発生させて内周側で前記回転子を回転させる円筒状の固定子と、
前記固定子に設けられ、前記固定子の内周と外周の間を貫通する貫通孔が形成された絶縁部材と、
前記貫通孔内に設けられたコネクタピンと、
一方端部が前記固定子巻線と電気的に接続され、他方端部が前記コネクタピンの一方端部と接続されたリード線と、
前記コネクタピンの一方端部と前記リード線の他方端部との接続部分を覆うように前記貫通孔内に設けられた弾性部材と、
を備え、
前記弾性部材は、
前記コネクタピンの前記一方端部から前記リード線の前記他方端部にかけて延設され、前記コネクタピンの外径よりも小さくかつ前記リード線の外径よりも小さい内径を備えるとともに、前記貫通孔の内径よりも小さい外径を備えた円筒部と、
前記円筒部の外周部の軸方向中間部において、他の部位よりも径方向外側に突出するように軸方向に複数個設けられ、前記貫通孔の内径よりも大きい外径を備えた凸部と、
前記円筒部の内周部の前記複数個の凸部に対応する軸方向位置において、他の部位よりも径方向外側に凹むように軸方向に複数個設けられた溝部と、
を有し、
前記複数個の凸部は、
前記円筒部の前記外周部の軸方向中央部に配置された第1凸部と、前記第1凸部から前記一方の側及び前記他方の側にそれぞれ振り分け配置された第2凸部及び第3凸部と、からなり
前記複数個の溝部は、
前記円筒部の前記内周部の軸方向中央部に、前記第1凸部と同一の軸方向位置にて配置された第1溝部と、前記第1溝部から前記一方の側及び前記他方の側に、前記第2凸部及び前記第3凸部と同一の軸方向位置にそれぞれ振り分け配置された第2溝部及び第3溝部と、からなり
前記第1溝部、前記第2溝部、及び前記第3溝部からなる前記複数個の溝部のそれぞれは、V字状の断面形状を備えたV字溝である
ことを特徴とする、回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機に関し、より特定的には、固定子巻線と電気的に接続されたリード線を外部へ引き出すコネクタを備えた回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来において、回転電機に、固定子巻線と電気的に接続されたリード線を外部へ引き出すコネクタを設けることが一般的に知られている(例えば、特許文献1)。このようなコネクタを設けた従来の回転電機の一例として、図6および図7に示される回転電機が提案されている。図6は、従来の回転電機の平面図である。図7は、従来の回転電機を図6の線AAで切断したときの側断面図である。
【0003】
図6および図7において、回転電機は、フレーム1、固定子鉄心2、固定子巻線3、負荷側ブラケット4、反負荷側ブラケット5、シャフト6、負荷側軸受7、反負荷側軸受8、回転子鉄心9、永久磁石10、エンコーダ11、ボルト13、ボルト14、およびコネクタ12を備える。フレーム1は、金属製であり、筒状である。固定子鉄心2は、フレーム1の内周面に嵌合固着される。固定子巻線3は、固定子鉄心2に巻装される。負荷側ブラケット4は、フレーム1の負荷側端部にボルト13により取り付けられ、反負荷側ブラケット5は、フレーム1の反負荷側端部にボルト14により取り付けられる。フレーム1、固定子鉄心2、固定子巻線3、負荷側ブラケット4、および反負荷側ブラケット5により、略円筒状の固定子が構成される。シャフト6は、負荷側ブラケット4に設けられた負荷側軸受7と、反負荷側ブラケット5に設けられた反負荷側軸受8とを介して、負荷側ブラケット4および反負荷側ブラケット5に対し回転自在に支持される。回転子鉄心9は、シャフト6の外周に取り付けられる。永久磁石10は、回転子鉄心9の外周に設けられ、固定子鉄心2の内周と空隙を介して対向する。回転子鉄心9および永久磁石10により、円筒状の回転子が構成される。エンコーダ11は、シャフト6の反負荷側に設けられ、シャフト6の回転角度を検出する。
【0004】
コネクタ12は、図6および図8に示すように、主として、絶縁部材121、複数のコネクタピン122、複数のリード線123、および複数の熱収縮チューブ124を備え、複数のコネクタピン122に外部のACサーボモータ駆動電源部15が接続される。図8は、コネクタ12を図6の線BBで切断したときの側断面の一部を示す図である。
図8において、絶縁部材121は、筒状であり、絶縁部材121には、固定子の外周と内周との間を貫通する貫通孔121aが形成される。コネクタピン122は、貫通孔121a内に配置され、コネクタピン122の端部122aは固定子の外周側を向いている。リード線123の端部123aは、コネクタピン122の端部122bと電気的に接続され、リード線123の端部123aと反対側の端部(図示省略)は、固定子巻線3と電気的に接続される。具体的には、コネクタピン122の端部122b内にリード線123の導体線123tが設けられることにより、コネクタピン122の端部122bとリード線123の端部123aとが電気的に接続される。熱収縮チューブ124は、筒状であり、コネクタピン122の端部122bとリード線123の端部123aとの接続部分を覆うように絶縁補助のために設けられる。熱収縮チューブ124の外周と貫通孔121aとの間には、隙間121sが形成される。
【0005】
以上に説明したコネクタ12の製造は、次の手順で行われる。
まず、リード線123の端部123aが熱収縮チューブ124の端部124aから突出するまで、熱収縮チューブ124内にリード線123を通す。その後、コネクタピン122の端部122b内にリード線123の導体線123tを挿入する。その後、コネクタピン122の端部122bとリード線123の導体線123tとをかしめる。つまり、コネクタピン122の端部122bの上から圧力を加えることにより、リード線123の端部123aとコネクタピン122の端部122bとを接着する。その後、かしめたコネクタピン122とリード線123の接続部分を熱収縮チューブ124で覆い、熱収縮チューブ124をヒートガンで加熱し、収縮させる。これにより、コネクタピン122とリード線123の接続部分に熱収縮チューブ124が固定される。その後、収縮した熱収縮チューブ124で覆われたコネクタピン122とリード線123を、コネクタピン122の端部122aが固定子の外周側を向くように貫通孔121a内に挿入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−112482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の回転電機では、熱収縮チューブ124をヒートガンで加熱し、収縮させる必要があるため、作業性が悪いという問題点があった。
そこで、本発明は、従来よりも作業効率を向上させた、コネクタを備える回転電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成した。
請求項1に記載の発明は、円筒状の回転子と、回転子の外周側に設けられ、固定子巻線により回転磁界を発生させて内周側で回転子を回転させる円筒状の固定子と、固定子に設けられ、固定子の内周と外周の間を貫通する貫通孔が形成された絶縁部材と、貫通孔内に設けられたコネクタピンと、一方端部が固定子巻線と電気的に接続され、他方端部がコネクタピンの一方端部と接続されたリード線と、コネクタピンの一方端部とリード線の他方端部との接続部分を覆うように貫通孔内に設けられた弾性部材と、を備え、弾性部材は、コネクタピンの一方端部からリード線の他方端部にかけて延設され、コネクタピンの外径よりも小さくかつリード線の外径よりも小さい内径を備えるとともに、貫通孔の内径よりも小さい外径を備えた円筒部と、円筒部の外周部の軸方向中間部において、他の部位よりも径方向外側に突出するように軸方向に複数個設けられ、貫通孔の内径よりも大きい外径を備えた凸部と、円筒部の内周部の複数個の凸部に対応する軸方向位置において、他の部位よりも径方向外側に凹むように軸方向に複数個設けられた溝部と、を有し、複数個の凸部は、円筒部の外周部の軸方向中央部に配置された第1凸部と、第1凸部から一方の側及び他方の側にそれぞれ振り分け配置された第2凸部及び第3凸部と、からなり、複数個の溝部は、円筒部の内周部の軸方向中央部に、第1凸部と同一の軸方向位置にて配置された第1溝部と、第1溝部から一方の側及び他方の側に、第2凸部及び第3凸部と同一の軸方向位置にそれぞれ振り分け配置された第2溝部及び第3溝部と、からなり、第1溝部、第2溝部、及び第3溝部からなる複数個の溝部のそれぞれは、V字状の断面形状を備えたV字溝である回転電機に関するものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、従来よりも作業効率を向上させた、コネクタを備える回転電機を提供することができる。
また、作業者は、弾性部材を絶縁部材の貫通孔に容易に挿入できるため、作業効率がさらに向上する。
また、コネクタピン及びリード線のがたつきを抑えることができる。
また、作業者は、弾性部材内にリード線を通す際、弾性部材の方向を気にすることなく作業することができるので、作業効率がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例1に係る回転電機の平面図
図2】本発明の実施例1に係る回転電機の側断面図
図3】本発明の実施例1に係るコネクタの側断面の一部を示す図
図4】本発明の実施例1に係るゴムブッシュの側断面図
図5】本発明の実施例1に係るゴムブッシュの正断面図
図6】従来の回転電機の平面図
図7】従来の回転電機の側断面図
図8】従来のコネクタの側断面の一部を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0012】
図1および図2を参照して、本発明の回転電機の構成について説明する。図1は、本発明の実施例1に係る回転電機の平面図である。図2は、本発明の実施例1に係る回転電機を図1の線AAで切断したときの側断面図である。なお、図1および図2において、図7に示した従来の回転電機と同じ構成部品については同じ符号を付している。
【0013】
図1において、回転電機は、フレーム1、固定子鉄心2、固定子巻線3、負荷側ブラケット4、反負荷側ブラケット5、シャフト6、負荷側軸受7、反負荷側軸受8、回転子鉄心9、永久磁石10、エンコーダ11、ボルト13、ボルト14、およびコネクタ22を備える。
フレーム1は、金属製であり、筒状である。固定子鉄心2は、フレーム1の内周面に嵌合固着される。固定子巻線3は、固定子鉄心2に巻装され、回転磁界を発生させる。負荷側ブラケット4は、フレーム1の負荷側端部にボルト13により取り付けられ、反負荷側ブラケット5は、フレーム1の反負荷側端部にボルト14により取り付けられる。フレーム1、固定子鉄心2、固定子巻線3、負荷側ブラケット4、および反負荷側ブラケット5により、略円筒状の固定子が構成される。シャフト6は、負荷側ブラケット4に設けられた負荷側軸受7と、反負荷側ブラケット5に設けられた反負荷側軸受8とを介して、負荷側ブラケット4および反負荷側ブラケット5に対し回転自在に支持される。回転子鉄心9は、シャフト6の外周に取り付けられる。永久磁石10は、回転子鉄心9の外周に設けられ、固定子鉄心2の内周と空隙を介して対向する。回転子鉄心9および永久磁石10により、円筒状の回転子が構成される。エンコーダ11は、シャフト6の反負荷側に設けられ、シャフト6の回転角度を検出する。
【0014】
コネクタ22は、図1および図3に示すように、主として、絶縁部材221、複数のコネクタピン222、複数のリード線223、および複数のゴムブッシュ224を備え、複数のコネクタピン222に外部のACサーボモータ駆動電源部15が接続される。図3は、コネクタ22を図1の線BBで切断したときの側断面の一部を示す図である。
図3において、絶縁部材221は、筒状であり、絶縁部材221には、固定子の外周と内周との間を貫通する貫通孔221aが形成される。コネクタピン222は、貫通孔221a内に配置され、コネクタピン222の端部222aは固定子の外周側を向いている。リード線223の端部223aは、コネクタピン222の端部222bと電気的に接続され、リード線223の端部223aと反対側の端部(図示省略)は、固定子巻線3と電気的に接続される。具体的には、コネクタピン222の端部222b内にリード線223の導体線223tが設けられることにより、コネクタピン222の端部222bとリード線223の端部223aとが電気的に接続される。
【0015】
ゴムブッシング224は、筒状の弾性部材であり、コネクタピン222の端部222bとリード線223の端部223aとの接続部分を覆うように絶縁補助のために設けられる。図4は、本発明の実施例1に係るゴムブッシュの側断面図である。図5は、ゴムブッシュ224を図4の線CCで切断したときの正断面図である。
ここで、図4および図5に示した、コネクタピン222の端部222bを覆うゴムブッシュ224の端部224aの内径R1は、コネクタピン222の端部222bの外径より小さくなっている。同様に、リード線223の端部223aを覆うゴムブッシュ224の端部224bの内径R1は、リード線223の端部223aの外径より小さくなっている。
また、ゴムブッシュ224の端部224aの外径R2は、絶縁部材221の貫通孔221aの内径より小さくなっている。同様に、ゴムブッシュ224の端部224bの外径R2は、絶縁部材221の貫通孔221aの内径より小さくなっている。
また、ゴムブッシュ224の端部224aおよび端部224b以外の部分には、リング状の凸部224cが3つ形成される。この凸部224cの外径R3は、絶縁部材221の貫通孔221aの内径より大きくなっている。
また、ゴムブッシュ224の内周であって3つの凸部224cそれぞれに対応する位置に、リング状の溝224dが形成されている。溝224dは、V字状に形成される。
【0016】
以上に説明したコネクタ22の製造は、次の手順で行われる。
まず、リード線223の端部223aがゴムブッシュ224の端部224aから突出するまで、ゴムブッシュ224内にリード線223を通す。その後、コネクタピン222の端部222b内にリード線223の導体線223tを挿入する。その後、コネクタピン222の端部222bとリード線223の導体線223tとをかしめる。つまり、コネクタピン222の端部222bの上から圧力を加えることにより、リード線223の端部223aとコネクタピン222の端部222bとを接着する。その後、かしめたコネクタピン222とリード線223を、コネクタピン222の端部222aが固定子の外周側を向くように貫通孔221a内に挿入する。その後、リード線223に通していたゴムブッシュ224を、貫通孔221a内に挿入する。
【0017】
以上のように、本実施例では、コネクタピン222の端部222bを覆うゴムブッシュ224の端部224aの内径R1は、コネクタピン222の端部222bの外径より小さくなっている。同様に、リード線223の端部223aを覆うゴムブッシュ224の端部224bの内径R1も、リード線223の端部223aの外径より小さくなっている。
これにより、コネクタピン222の端部222bとリード線223の端部223aとの接続部分にゴムブッシュ224を固定することができる。その結果、図8に示した従来の熱収縮チューブ124を用いずに済み、作業者は、ヒートガンなどを用いて熱収縮チューブ124を加熱収縮させずに済むため、作業効率が向上する。
【0018】
また、本実施例では、ゴムブッシュ224の端部224aの外径R2は、絶縁部材221の貫通孔221aの内径より小さくなっている。
これにより、作業者は、ゴムブッシュ224を絶縁部材221の貫通孔221aに容易に挿入できるため、作業効率がさらに向上する。
【0019】
また、本実施例では、ゴムブッシュ224の端部224bの外径R2は、絶縁部材221の貫通孔221aの内径より小さくなっている。
これにより、作業者は、ゴムブッシュ224内にリード線223を通す際、ゴムブッシュ224の方向を気にすることなく作業することができる。その結果、作業効率がさらに向上する。
【0020】
また、本実施例では、ゴムブッシュ224の端部224aおよび端部224b以外の部分に、外径が絶縁部材221の貫通孔221aの内径より大きい凸部224cが形成されている。
ここで、図8に示した従来のコネクタ12では、熱収縮チューブ124の外周と絶縁部材121の貫通孔121aとの間に隙間121sが形成されるため、コネクタピン122及びリード線123が、がたつきを起こす。その際、隣り合うコネクタピン122間でレアショートを起こしてしまう危険性があった。また、コネクタピン122と絶縁部材121の勘合部が磨耗してしまうという問題があった。
これに対し、本実施例では、ゴムブッシュ224に、外径が絶縁部材221の貫通孔221aの内径より大きい凸部224cが形成されている。よって、図3に示すように、この凸部224cが絶縁部材221の貫通孔221aの中でつぶれる形となり、コネクタピン222及びリード線223のがたつきを抑えることができる。
【0021】
また、本実施例では、ゴムブッシュ224の内周であって3つの凸部224cそれぞれに対応する位置に、リング状の溝224dが形成されている。
これにより、凸部224cが絶縁部材221の貫通孔221aの中でつぶれやすくなるので、溝224dが形成されないときと比べて、ゴムブッシュ224を貫通孔221a内に挿入しやすくなる。さらに、ゴムブッシュ224を貫通孔221a内に挿入した際、図3に示すように、凸部224cが絶縁部材221の貫通孔221aの中でつぶれるのに応じて、溝224dの内面がリード線223の端部223aとコネクタピン222の端部222bの外周に密着する。このため、コネクタピン222の端部222bとリード線223の端部223aとの接続部分を均一な圧力をかけるようにして覆うことができるので、当該接続部分の接続をより確実に保護することができる。
【0022】
なお、上述では、弾性部材として、ゴムからなるゴムブッシュ224を用いていたが、これに限定されない。弾性部材は、ゴムブッシュ224と同一形状であって、ゴム以外の他の弾性材料で構成された部材であってもよい。
【0023】
また、上述では、コンタクトピン222、リード線223、およびゴムブッシュ224をそれぞれ複数備えていたが、これに限定されず、それぞれ1つであってもよい。
【0024】
また、上述では、(1)ゴムブッシュ224の端部224aの内径R1をコネクタピン222の端部222bの外径より小さくし、ゴムブッシュ224の端部224bの内径R1をリード線223の端部223aの外径より小さくする点、(2)ゴムブッシュ224の端部224aの外径R2を、絶縁部材221の貫通孔221aの内径より小さくする点、(3)ゴムブッシュ224の端部224bの外径R2を、絶縁部材221の貫通孔221aの内径より小さくする点、(4)ゴムブッシュ224に凸部224cを3つ形成する点、(5)ゴムブッシュ224に溝224dを形成する点、の全てを具備する構成について説明したが、これに限定されない。少なくとも(1)を具備すれば、従来よりも作業効率を向上させることができる。なお、他の(2)〜(5)を任意に選択し、選択したものを(1)と組み合わせてもよい。
【0025】
また、上述では、ゴムブッシュ224に凸部224cを3つ形成していたが、3つに限らず1つでもよい。この場合でも、コネクタピン222及びリード線223のがたつきを抑えることができる。
【0026】
また、上述では、溝224dがV字状に形成されていたが、円弧状であってもよい。この場合でも、V字状の場合と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0027】
1 フレーム
2 固定子鉄心
3 固定子巻線
4 負荷側ブラケット
5 反負荷側ブラケット
6 シャフト
7 負荷側軸受
8 反負荷側軸受
9 回転子鉄心
10 永久磁石
11 エンコーダ
12、22 コネクタ
13、14 ボルト
15 ACサーボモータ駆動電源部
121、221 絶縁部材
122、222 コネクタピン
123、223 リード線
124 熱収縮チューブ
224 ゴムブッシュ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8