(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
食器洗浄機の使用時間帯は、夕食後の食器類を洗浄する等のために、夜間になることが多いものであり、静粛化が望まれるものであるが、従来の食器洗浄機においては、排水運転を行うときに騒音が生じる虞があり、改善が望まれるものであった。
【0006】
すなわち、排水ポンプを作動させて湯水を排出するときの排水揚程が、食器洗浄機から延設される外部接続ホースの設置形態の変化等により、変動することになる。
つまり、排水ポンプにて排出される湯水を外部に導くために食器洗浄機から外部接続ホースが延設されることになり、そして、外部接続ホースは、水平方向に沿って延びる状態で配設されて、食器洗浄機が設置される設置箇所の排水管に接続されることが多いが、設置箇所によっては、その排水管が上方に位置するため、外部接続ホースが上方に向けて延びる状態で配設されて、設置箇所の排水管に接続されることがある。ちなみに、外部接続ホースを上方に向けて延びる状態で配設するときの上昇量は、多いときには1メートル程度になる場合がある。
【0007】
したがって、排水揚程が変動しても、洗浄空間内の湯水を適切に排出できるようにするには、排水ポンプの排水能力を排水揚程が高いときにも湯水を排水することができる高排水能力に定めることになる。
しかしながら、この場合には、排水揚程が低いときにも、排水ポンプが高排水能力にて作動することになるため、排水揚程が低いときにも、排水ポンプが高排水能力にて作動して大きな音を発生する不都合がある。
【0008】
ちなみに、排水運転を、排水ポンプを作動させたのち設定時間が経過すると、排水ポンプの作動を停止する形態にて行う場合においては、その排水ポンプを作動させる設定時間を、排水揚程が高い場合においても洗浄空間内に貯留されている湯水の全量を適切に排出することができる時間に設定することになる。
しかしながら、このように洗浄排水用の設定時間を定める場合には、排水揚程が小さいときには、洗浄排水用の設定時間が経過するよりもかなり前に、洗浄空間に貯留されている湯水が無くなり、排水ポンプにエアー噛みが発生して、大きな騒音を発生する状態が、長時間に亘って生じる不都合があった。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、排水運転における騒音の発生を極力抑制することができる食器洗浄機を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の食器洗浄機は、洗浄槽の洗浄空間内の洗浄対象物を洗浄する洗浄処理、前記洗浄対象物をすすぐすすぎ処理、及び、前記洗浄対象物を乾燥する乾燥処理を実行する制御手段が設けられ、
前記制御手段が、前記洗浄空間内に貯留された湯水を排出するときには、前記洗浄空間の底部から湯水を吸引して外部に排出する排水ポンプを作動させる排水運転を実行するように構成されたものであって、その第1特徴構成は、
前記制御手段が、前記排水運転において、前記排水ポンプを設定低排水能力にて作動させ、その後、前記洗浄槽に貯留された湯水の水位を検出する水位検出手段の検出水位が設定待機時間経過しても変化しないときには、前記設定低排水能力よりも高い設定高排水能力にて前記排水ポンプを作動させるように構成され
、
前記洗浄空間からの空気吸引口と前記洗浄空間への空気供給口とに亘る通風経路を通して通風手段にて循環される前記洗浄空間の空気を、除湿用の湯水との接触により冷却することにより、空気中の水分を凝縮させて除湿し、かつ、除湿処理後の湯水及び凝縮水を前記洗浄空間内に流動させるように構成された除湿部と、前記洗浄空間の空気を加熱する加熱手段とが設けられ、
前記除湿部への除湿用の湯水の供給を断続する湯水断続手段が設けられ、
前記水位検出手段が、前記洗浄空間の底部に湯水増加水位の湯水が貯留されたことを検出するように構成され、
前記制御手段が、前記乾燥処理において、前記加熱手段にて前記洗浄空間の空気を加熱しながら、前記除湿用の湯水と前記通風経路を通過する空気とを接触させるべく、前記通風手段、前記加熱手段、及び、前記湯水断続手段を制御するように構成され、且つ、前記排水運転として、前記乾燥処理運転において前記洗浄空間の底部に貯留されることになる湯水が前記湯水増加水位になると、その湯水増加水位の湯水を排出するように構成され、
前記空気吸引口及び前記空気供給口が、前記洗浄空間の側壁部における下位側箇所に形成され、
前記通風経路が、前記空気吸引口から上方側に伸びる上昇経路部分とその上昇経路部分の上端部から前記空気供給口に向けて下方側に伸びる下降経路部分とからなる逆U字状に構成され、
前記除湿部が、
前記通風経路における前記上昇経路部分を通過する空気に対して除湿用の湯水を下方に向けて噴出させる噴出手段を備えて、前記上昇経路部分を上方に向けて通風する空気を、前記噴出手段により下方に向けて噴出される除湿用の湯水との接触により冷却することにより、空気中の水分を凝縮させて除湿するように構成され、且つ、除湿処理後の湯水及び凝縮された湯水が前記空気吸引口を通して前記洗浄空間内に流動させるように構成されている点を特徴とする。
【0011】
すなわち、排水運転を行うときに、先ず、排水ポンプが設定低排水能力に作動されることになり、その後、設定待機時間が経過するまでに、洗浄槽に貯留された湯水の水位を検出する水位検出手段の検出水位が変化したときには、設定低排水能力にて排水ポンプを作動することが継続されて、洗浄空間の湯水が排水されることになる。
そして、排水ポンプを設定低排水能力に作動させた後、設定待機時間が経過しても、洗浄槽に貯留された湯水の水位を検出する水位検出手段の検出水位が変化しないときには、設定低排水能力よりも高い設定高排水能力にて排水ポンプを作動させて、洗浄空間の湯水が排水されることになる。
【0012】
つまり、排水ポンプを設定低排水能力にて作動させた後、設定待機時間が経過するまでに、洗浄槽に貯留された湯水の水位を検出する水位検出手段の検出水位が変化するということは、排水揚程が低いため、設定低排水能力にて排水ポンプを作動させても、洗浄空間の湯水が適切に排水されている状態であるから、設定低排水能力にて排水ポンプを作動することを継続して、洗浄空間の湯水を排水することになる。
【0013】
そして、排水ポンプを設定低排水能力にて作動させた後、設定待機時間が経過しても、洗浄槽に貯留された湯水の水位を検出する水位検出手段の検出水位が変化しないということは、排水揚程が高いため、設定低排水能力にて排水ポンプを作動させても、洗浄空間の湯水が適切に排水されない状態であるから、設定低排水能力よりも高い設定高排水能力にて排水ポンプを作動させて、洗浄空間の湯水を排水することになる。
【0014】
このように、排水揚程が低いときには、作動したときに大きな音を発生しない設定低排水能力にて排水ポンプを作動させ、排水揚程が高いときにだけ、排水ポンプを設定高排水能力にて作動させるものであるから、排水運転を行うときに、大きな音を発生することを極力抑制できる。
【0015】
要するに、本発明の第1特徴構成によれば、排水運転における騒音の発生を極力抑制することができる食器洗浄機を提供できる。
また、本発明の第1特徴構成によれば、乾燥処理として、加熱手段にて洗浄空間の空気を加熱しながら、通風経路を通過する空気を、除湿用の湯水との接触により冷却することにより、空気中の水分を凝縮させて除湿することを行うものであるから、乾燥処理を行う際に、湿った空気が機外に排出されることがないため、湿った空気が、使用者や食器洗浄機が設置されている箇所に存在する他の機器類に吹き付けられることを抑制できるものとなり、使用勝手がよいものとなる。
また、乾燥処理を行うときには、除湿部からの除湿処理後の湯水及び凝縮水が洗浄槽内に流動され、そして、洗浄槽内の洗浄空間の底部に貯留される湯水が湯水増加水位になると、排水運転を行うことが繰り返されることになる。
ちなみに、湯水増加水位とは、洗浄槽内の洗浄対象物や加熱手段を浸漬させない水位に定めることになる。
このように、除湿部からの除湿処理後の湯水及び凝縮水を、洗浄槽内に流動させて、排水ポンプを用いて、外部に排出するものであるから、排水ポンプの排出能力を用いて、除湿部からの除湿処理後の湯水及び凝縮水を的確に外部に排出することができる。
つまり、洗浄処理やすすぎ処理のために洗浄空間に貯留された湯水を排出するために備えられている排水ポンプを用いて、除湿部からの除湿処理後の湯水及び凝縮水を外部に排出するものであるから、本来構成を有効利用した簡素な構成にて、除湿部からの除湿処理後の湯水及び凝縮水を的確に外部に排出することができるのである。
また、洗浄槽内の洗浄空間の底部に貯留される湯水が湯水増加水位になると、乾燥用排水運転を行うことを繰り返すようにするものであるから、例えば、乾燥処理中は、除湿部からの除湿処理後の湯水及び凝縮水が洗浄槽に流動する単位時間当たりの流量に合わせた排出能力にて排水ポンプを連続的に作動させながら、洗浄槽内に流動される除湿部からの除湿処理後の湯水及び凝縮水を連続的に排出するように構成する場合に較べて、ランニングコストの低下を図ることができる。
さらに、排水運転は、排水ポンプを設定低排水能力にて作動させ、その後、洗浄槽に貯留された湯水の水位を検出する水位検出手段の検出水位が設定待機時間経過しても変化しないときには、設定低排水能力よりも高い設定高排水能力にて排水ポンプを作動させるものであるから、湯水排出水位の湯水を排出することを、大きな音を発生することを極力抑制した状態で行うことができる。
要するに、本発明の第1特徴構成によれば、上記作用効果に加えて、湿った空気が機外に排出されることがなくて、使い勝手が良い状態で乾燥処理を行うことができ、しかも、その乾燥処理にて生じる除湿処理後の湯水及び凝縮水を、本来構成を有効利用した簡素な構成で、且つ、ランニングコストの低下を図る形態にて、的確に外部に排出することができ、加えて、除湿処理後の湯水及び凝縮水を排出することを、大きな音を発生することを極力抑制した状態で行うことができる食器洗浄機を提供できる。
また、本発明の第1特徴構成によれば、空気吸引口及び空気供給口が、洗浄空間の側壁部における下位側箇所に形成され、且つ、通風経路が、空気吸引口から上方側に伸びる上昇経路部分とその上昇経路部分の上端部から空気供給口に向けて下方側に伸びる下降経路部分とからなる逆U字状に構成されているから、洗浄空間内の残菜類が通風経路内に詰まることを抑制できる。
説明を加えると、洗浄処理の際やすすぎ処理の際に、洗浄対象物に付着していた残菜類が空気吸引口や空気供給口を通して通風経路内に飛散する虞があるが、上昇経路部分は空気吸引口を最も下側に位置する状態で上下方向に伸びるものであり、下降経路部分は空気供給口を最も下側に位置する状態で上下方向に伸びるものであるから、通風経路内に飛散した残菜類が通風経路の上部側には移行することが無く、また、通風経路内に飛散した残菜類は通風経路内を自重落下して洗浄空間内に戻るから、洗浄空間の残菜類が通風経路内に詰まることを抑制できるものとなる。
また、空気吸引口及び空気供給口が、洗浄空間の側壁部における下位側箇所に形成されているので、上昇経路部分と下降経路部分とからなる逆U字状に構成される通風経路を、空気吸引口及び空気供給口が形成される箇所から上方に向けて大きく伸びる状態で形成することができ、残菜類が引っかかり易い通風手段や除湿部を、空気吸引口及び空気供給口から大きく上方に離れた位置に配置させることができ、通風経路内に飛散した残菜類が通風手段や除湿部にまで侵入して付着することを回避し易いものにできる。
そして、除湿部が、通風手段の通風作動によって上昇経路部分を上方に向けて通過する空気に対して噴出手段により除湿用水を下方に向けて噴出させ、上昇経路部分を上方に向けて通過する空気を噴出させる除湿用水との接触により冷却して空気中の水分を凝縮させるものであるから、除湿用水の使用量を少なくしながら洗浄空間内の空気の除湿を行うことが可能となる。
説明を加えると、上方に向けて通過する空気と噴出手段により下方側に噴出させる除湿用水とを接触させて空気中の水分を凝縮させるものであるから、空気と噴出させる除湿用の湯水とが対向する方向にて移動しながら接触させることになり、下方に向けて噴出される除湿用の湯水が上方に向けて通風してくる除湿前の空気と順次接触することになり、下方に向かう除湿用の湯水が空気と接触して空気中の水分を凝縮させる状態が長い領域にわたって続くことになる。
その結果、乾燥処理を実行するときに、除湿用の湯水の使用量を少なくしながら洗浄空間内の空気の除湿を行うことが可能となるのである。
従って、本発明の第1特徴構成によれば、上記作用効果に加えて、洗浄処理やすすぎ処理において飛散する残菜類が通風経路に詰まることを回避して、長期にわたり良好に使用することができ、しかも、除湿のために使用する湯水の使用量の少量化を図りながら洗浄空間内の空気の除湿を行うことが可能となる食器洗浄機を提供できる。
【0016】
本発明の第2特徴構成は、上記した第1特徴構成に加えて、
前記洗浄空間への湯水供給を断続する湯水断続手段が設けられ、
前記水位検出手段が、前記洗浄空間内に洗浄用水位の湯水が貯留されたことを検出するように構成され、
前記制御手段が、前記洗浄処理及び前記すすぎ処理において、前記洗浄用水位の湯水を前記洗浄空間内に貯留して洗浄及びすすぎを行うべく、前記湯水断続手段を制御するように構成され、且つ、前記排水運転として、前記洗浄空間内に貯留された前記洗浄用水位の湯水を排出する運転を実行するように構成されている点を特徴とする。
【0017】
すなわち、洗浄処理及びすすぎ処理において、洗浄用水位の湯水が貯留されて洗浄及びすすぎが行われることになり、そして、洗浄処理及びすすぎ処理の後で、排水運転が行われて、洗浄空間内に貯留された洗浄用水位の湯水が排出されることになる。
【0018】
排水運転は、排水ポンプを設定低排水能力にて作動させ、その後、洗浄槽に貯留された湯水の水位を検出する水位検出手段の検出水位が設定待機時間経過しても変化しないときには、設定低排水能力よりも高い設定高排水能力にて排水ポンプを作動させるものであるから、洗浄処理及びすすぎ処理の後で、洗浄用水位の湯水を排出することを、大きな音を発生することを極力抑制した状態で行うことができる。
【0019】
要するに、本発明の第2特徴構成によれば、上記した第1特徴構成による作用効果に加えて、洗浄処理及びすすぎ処理の後で、洗浄用水位の湯水を排出することを、大きな音を発生することを極力抑制した状態で行うことができる食器洗浄機を提供できる。
【0020】
本発明の第3特徴構成は、上記した第2特徴構成に加えて、
前記制御手段が、
前記洗浄処理及び前記すすぎ処理の前記排水運転において、前記水位検出手段の検出水位が前記洗浄用水位から変化すると、その時点から洗浄排水用の設定時間が経過するまで前記排水ポンプを作動させるように構成されている点を特徴とする。
【0021】
すなわち、排水ポンプを作動させて洗浄空間の湯水の排出を開始した後、洗浄空間に貯留される湯水の水位を検出する水位検出手段の検出水位が洗浄用水位から変化すると、その時点から洗浄排水用の設定時間が経過するまで排水ポンプ作動させるようにする形態にて排水運転が行われることになる。
【0022】
このように、水位検出手段の検出水位が洗浄用水位から変化すると、その時点から洗浄排水用の設定時間が経過するまで排水ポンプ作動させるようにする形態にて排水運転を行うものであるから、構成の簡素化を図りながら、洗浄用水位の湯水を的確に排出することができる。
つまり、例えば、水位検出手段にて、洗浄空間内に貯留されている湯水の量が空に近い状態に対応する空水位であることを検出させて、水位検出手段が空水位を検出すると、排水ポンプを停止する形態にて排水運転を行うようにすることが考えられるが、この場合には、空水位を検出するために水位検出手段の構成が複雑になる不都合があるが、このような不都合を回避できるのである。
【0023】
そして、このように、水位検出手段の検出水位が洗浄用水位から変化すると、その時点から洗浄排水用の設定時間が経過するまで排水ポンプ作動させるようにする形態にて排水運転を行うものではあるものの、排水ポンプの排水能力が、排水揚程に応じて、設定低排水能力や設定高排水能力に調整されているから、洗浄排水用の設定時間が経過するまでに、洗浄空間に貯留されている湯水が無くなる場合があるとしても、その湯水が無くなるタイミングは、洗浄排水用の設定時間が経過する時点とは大きく異なることを抑制できるため、排水ポンプにエアー噛みが発生して騒音を発生することがあっても、その状態が長時間に亘って継続することがない。
【0024】
要するに、本発明の第3特徴構成によれば、上記した第2特徴構成による作用効果に加えて、構成の簡素化を図りながら、洗浄用水位の湯水を的確に排出することができ、しかも、排水ポンプにエアー噛みが発生して騒音を発生することがあっても、その状態が長時間に亘って継続することを回避できる食器洗浄機を提供できる。
【0032】
本発明の第
4特徴構成は、上記第
1〜3特徴構成
のいずれかに加えて、
前記制御手段が、
前記乾燥処理の前記排水運転において、前記水位検出手段の検出水位が前記湯水増加水位から変化すると、その時点から乾燥排水用の設定時間が経過するまで前記排水ポンプを作動させるように構成されている点を特徴とする。
【0033】
すなわち、排水ポンプを作動させて洗浄空間の湯水の排出を開始した後、洗浄空間に貯留される湯水の水位を検出する水位検出手段の検出水位が湯水増加水位から変化すると、その時点から乾燥排水用の設定時間が経過するまで排水ポンプ作動させるようにする形態にて排水運転が行われることになる。
【0034】
このように、水位検出手段の検出水位が湯水増加水位から変化すると、その時点から乾燥排水用の設定時間が経過するまで排水ポンプ作動させるようにする形態にて排水運転を行うものであるから、構成の簡素化を図りながら、湯水排出水位の湯水を的確に排出することができる。
つまり、例えば、水位検出手段にて、洗浄空間内に貯留されている湯水の量が空に近い状態に対応する空水位であることを検出させて、水位検出手段が空水位を検出すると、排水ポンプを停止する形態にて排水運転を行うようにすることが考えられるが、この場合には、空水位を検出するために水位検出手段の構成が複雑になる不都合があるが、このような不都合を回避できるのである。
【0035】
そして、このように、水位検出手段の検出水位が湯水増加水位から変化すると、その時点から乾燥排水用の設定時間が経過するまで排水ポンプ作動させるようにする形態にて排水運転を行うものではあるものの、排水ポンプの排水能力が、排水揚程に応じて、設定低排水能力や設定高排水能力に調整されているから、乾燥排水用の設定時間が経過するまでに、洗浄空間に貯留されている湯水が無くなる場合があるとしても、その湯水が無くなるタイミングは、乾燥排水用の設定時間が経過する時点とは大きく異なることを抑制できるため、排水ポンプにエアー噛みが発生して騒音を発生することがあっても、その状態が長時間に亘って継続することがない。
【0036】
要するに、本発明の第
4特徴構成によれば、上記した第
1〜3特徴構成
のいずれかによる作用効果に加えて、構成の簡素化を図りながら、湯水排出水位の湯水を的確に排出することができ、しかも、排水ポンプにエアー噛みが発生して騒音を発生することがあっても、その状態が長時間に亘って継続することを回避できる食器洗浄機を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0046】
〔実施形態〕
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜
図4に示すように、前面部が開口された本体ケース部としての本体部1が設けられ、平面視形状が四角状の洗浄槽Dを備えた引出し部2が、本体部1に対して、水平方向に沿って引出し及び収納自在に設けられて、食器洗浄機の一例としての引出し式の食器洗浄機が構成されている。
尚、例示はしないが、引出し部2を本体部1に対して移動自在に支持するスライド式レール機構が設けられており、引出し部2が、その大部分を本体部1の外方に露出させる状態に引き出すことができるように構成されている。
【0047】
そして、引出し部2を本体部1に収納した状態において洗浄槽Dの上面部を閉塞する内蓋部3が、引出し部2を本体部1から引き出した状態では洗浄槽Dの上面部を開口するように、引出し部2の引き出し及び収納に伴って自動的に開閉される形態で設けられており、洗浄槽Dの内部空間にて、開閉自在な洗浄空間Qが構成されている。
尚、
図2に示すように、本体部1の底部には、漏水受止め用のドレンパン14が配備されており、例示はしないが、このドレンパン14にて受止め回収された水の存否を検出する漏水センサが装備されることになる。
【0048】
引出し部2の前面部には、本体部1の前面部の開口を開閉する扉体Aが設けられ、その扉体Aには、引出し部2を本体部1から引き出すときや収納するときに把持するための把持部Bが設けられている。尚、詳述はしないが、把持部Bの内方側箇所には、引出し部2を本体部1に収納するに伴って本体部1の係止部Paに係合する係合手段Pが設けられており、この係合手段Pが係止部Paに係合することにより、引出し部2を本体部1に収納した状態に保持するようになっている。そして、係合手段Pは、引出し部2を本体部1から引き出すときに把持部Bを支持する手指にて、係合を解除する解除状態に操作できるようになっている。
また、扉体Aには、運転のための各種操作を行う操作部SSが設けられている。
【0049】
図5に示すように、上水道等の給水源に接続された給水路4A、その給水路4Aから分岐される洗浄槽用分岐路4B、及び、給水路4Aから分岐される除湿用分岐路4Cが設けられている。
洗浄槽用分岐路4Bは、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に洗浄及びすすぎのための湯水を供給する給水口5に接続され、除湿用分岐路4Cは、洗浄槽Dの前側壁部Dfに装備される後述の除湿部Gに接続されている。
【0050】
そして、給水路4Aを開閉する第1開閉弁V1と、洗浄槽用分岐路4Bを開閉する第2開閉弁V2と、除湿用分岐路4Cに装備されて、第1開閉弁V1及び前記第2開閉弁の開き状態において、その除湿用分岐路4Cを通流する湯水の通流量が洗浄槽用分岐路4Bを通流する湯水の通流量よりも少なくなるように制限する定流量弁V3とが設けられ、第1開閉弁V1、第2開閉弁V2、及び、定流量弁V3から、給水口5への湯水供給の断続と前記除湿部Gへの湯水供給の断続とを行う湯水断続手段Eが構成されている。
【0051】
つまり、洗浄空間Qに湯水を供給するときには、第1開閉弁V1、及び、第2開閉弁V2が開かれることになり、除湿部Gだけに湯水を供給するときには、第1開閉弁V1が開かれ、第2開閉弁V2が閉じられることになる。
尚、第1開閉弁V1には、洗浄槽用分岐路4Bを通流する湯水の通流量を、除湿用分岐路4Cを通流する湯水の通流量(例えば、200ml/分)よりも十分に大きい通流量ではあるものの、過大な通流量なることを抑制すべく制限する定流量弁V4が、一体的に組み込まれる状態で装備されている。
【0052】
また、第1開閉弁V1、第2開閉弁V2、及び、定流量弁V3が、本体部1の背部側箇所に配設され、洗浄槽用分岐路4Bにおける第2開閉弁V2と給水口5とを接続する部分が、可撓性ホースR1にて構成され、除湿用分岐路4Cにおける定流量弁V3と除湿部Gとを接続する部分が、可撓性ホースR2にて構成されている。
【0053】
また、
図2及び
図5に示すように、引出し部2における洗浄槽Dの底部下方には、正転で洗浄ポンプとして機能し、逆転で排水ポンプとして機能する兼用ポンプ6が設けられ、洗浄槽Dの洗浄空間Qの内部には、洗浄用ノズル8や加熱手段としての電気式の加熱ヒータ9などが配置され、さらに、食器などの洗浄対象物を収納載置する洗浄かご10が、洗浄槽Dの内部に着脱自在に装着されている。
【0054】
兼用ポンプ6は、洗浄槽Dの底部に形成した水貯留用凹部Sに、吸引管11にて接続され、かつ、排水管12が接続されている。
つまり、兼用ポンプ6は、正転状態においては、洗浄空間Qの底部に貯留した湯水を洗浄用ノズル8に圧送して、洗浄ノズル8から湯水を噴出させることになり、また、逆転状態においては、排水管12を通して、洗浄空間Q内に貯留されている湯水を外部に排出することになる。
【0055】
湯水を外部に排出する構成について説明を加えると、排水管12が、引き出し部2に装備され、排水トラップ12Bが、本体部1の背部側箇所に配設され、そして、その排水管12の先端部と排水トラップ12Bとが、排水ホース12Aにて接続され、排水トラップ12Bには、外部接続ホース12Cが接続されている。
したがって、外部接続ホース12Cが、食器洗浄機を設置する箇所に装備されている設置箇所の排水管に接続されることにより、洗浄空間Qの湯水を外部に排水できるようになっている。
尚、設置箇所の排水管が低位置に配備される場合には、外部接続ホース12Cは、水平方向に伸びる状態で配設されることになるが、設置箇所の排水管が高位置に配備される場合には、外部接続ホース12Cは、上方に向けて延びる状態で配設されることになり、その結果、洗浄空間Qの湯水を排出する際の排水揚程が変化することになる。
【0056】
また、
図5に示すように、水貯留用凹部Sには、連通路としての案内管13を介して水位検出手段としての水位検出センサJが接続されている。
この水位検出センサJは、後述の如く、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が洗浄用水位Y2(
図11参照)であること、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が、洗浄空間Qから大部分の湯水を排出した状態に相当して、加熱ヒータ9が露出する程度に低い湯水排出水位Y1a(
図10参照)であること、及び、洗浄槽D内に貯留される湯水が洗浄用水位Y2より設定量高い異常水位Y3(
図12参照)であることを検出するように構成されている。
また、水位検出センサJは、
図10に示すように、湯水の水位が湯水排出水位Y1aから少し高い水位に変化した湯水増加水位Y1bを検出できるように構成されており、その詳細は後述する。
【0057】
図2、
図3及び
図5に示すように、洗浄槽Dにおける洗浄空間Qを形成する4つの側壁部のうちの、機体前面側、つまり引出し部前面側に相当する前側壁部Dfには、乾燥ユニットKが取り付けられている。
つまり、前側壁部Dfには、
図6にも示すように、乾燥ユニットKからの空気を洗浄空間Qに供給する空気供給口21、及び、乾燥ユニットKが洗浄空間Q内の空気を吸引する空気吸引口22が、洗浄空間Qの下位側に相当する箇所でかつ左右両側に離れた位置に形成されている。具体的には、空気供給口21及び空気吸引口22は、洗浄かご10よりも下方側でかつ上述の水貯留用凹部Sよりも上方側に位置するように形成され、そして、本実施形態においては、空気供給口21を右側に、且つ、空気吸引口22を左側に位置させている。
【0058】
乾燥ユニットKは、洗浄槽Dの前側壁部Dfに止着されるケーシング20の内部に、空気吸引口22と空気供給口21とに亘る通風経路Fを通して洗浄空間Qの空気を循環させる通風手段としての循環ファン23、及び、通風経路Fを通して循環される空気を除湿する上述の除湿部Gを備えて構成されている。
通風経路Fは、空気吸引口22から上方側に伸びる上昇経路部分f1とその上昇経路部分f1の上端部から空気供給口21に向けて下方側に伸びる下降経路部分f2とからなる逆U字状に形成されており、上昇経路部分f1に、除湿部Gが配設され、下降経路部分f2に、循環ファン23が配設されている。
【0059】
除湿部Gは、複数枚の伝熱板24を板厚方向に沿って間隔を隔てて並置して、それら伝熱板24に向けて除湿用の湯水を噴出ノズル25から噴出することによって、複数枚の伝熱板24の間を通して上方に向けて流動する空気を、伝熱板24の表面を流下する除湿用水との接触及び伝熱板24の間を流下する除湿用水との接触により冷却することにより、空気中の水分を凝縮させて除湿するように構成されている。
尚、噴出ノズル25から噴出された除湿用の湯水及び凝縮された湯水は、空気吸引口22を通して洗浄槽Dの洗浄空間Q内に流動して水貯留用凹部Sに貯留されることになる。
【0060】
そして、電気式の加熱ヒータ9を加熱作用させた状態で、循環ファン23を通風作動させ且つ噴出ノズル25から除湿用の湯水を噴出させることにより、洗浄空間Qから吸引した空気を除湿部Gにて除湿したのち、乾燥用の空気として洗浄空間Qに供給し、その供給された空気を電気式の加熱ヒータ9にて加熱することにより、洗浄空間Q内の洗浄対象物を乾燥する乾燥運転を行えるように構成されている。
【0061】
また、電気式の加熱ヒータ9を停止させた状態で、循環ファン23の通風作動及び噴出ノズル25からの除湿用の湯水の噴出作動を行わせることにより、洗浄空間Qから吸引した空気中の臭気成分を除湿部Gにて除湿用水に吸収させたのち、洗浄空間Qに供給することにより、洗浄空間Qを消臭する消臭運転を行えるように構成されている。
【0062】
乾燥運転における空気の流れについて説明を加えると、
図6に示すように、洗浄槽Dの前側壁部Dfに形成した空気供給口21から洗浄空間Qに供給される空気は、主たる流れとして、上昇しながら後側壁部に向けて流動し、その後、前側壁部Dfにおける下方側で且つ空気供給口21とは左右方向で離れた位置に形成した空気吸引口22に向けて下方側に移動しながら流動して、空気吸引口22から排出される形態で流れることになり、洗浄槽内における空気吸引口22が位置する側の下方側の部分にも、空気が流動し易いものとなるのである。
したがって、洗浄槽内の洗浄対象物の全体に空気を通流させて、洗浄対象物を効率良く乾燥することにより、乾燥時間の短縮化を図ることができるものとなる。
【0063】
図5に示すように、引出し部2には、運転を制御する制御手段としての制御部Hが装備されている。
そして、この制御部Hが、
図14に示すように、操作部SSにて入力される指令に基づいて、兼用ポンプ6を駆動する直流モータ6a、電気式の加熱ヒータ9、循環ファン23、及び、湯水断続手段Eの作動を制御して、洗浄槽Dの内部にて形成される洗浄空間Qの洗浄対象物を洗浄する洗浄処理としての洗浄運転、洗浄対象物のすすぎを行うすすぎ処理としてのすすぎ運転、洗浄槽Dの洗浄空間Qに貯留された湯水を排水する排水処理としての排水運転、電気式の加熱ヒータ9を加熱作用させた状態で、循環ファン23の通風作動及び噴出ノズル25からの除湿用の湯水の噴出作動を行わせる乾燥処理としての乾燥運転、及び、電気式の加熱ヒータ9を停止させた状態で、循環ファン23の通風作動及び噴出ノズル25からの除湿用の湯水の噴出作動を行わせる消臭処理としての消臭運転を行うように構成されている。
【0064】
図14において、6Aは、兼用ポンプ6を駆動する直流モータ6aに印加する駆動電圧を調整する直流モータ駆動回路であり、直流モータ6aの駆動電圧を、制御部Hから指令される指令電圧に調整するように構成されている。
又、L1は、操作部SSに設けた警報ランプ、L2は、操作部SSに内蔵した警報ブザー、L3は、操作部SSに設けた表示部であり、これら警報ランプL1、警報ブザーL2、及び、表示部L3にて、異常が発生したときに警報作動する警報手段Lが構成されることになる。ちなみに、表示部L3には、発生した異常の内容に対応するコードが表示されることになる。
尚、
図14において、Nは、引出し部2が本体部1の収納位置に収納されたことを検出する収納スイッチ、9Aは、加熱ヒータ9の駆動回路、23Aは、循環ファン23の駆動電圧を調整する駆動ファン駆動回路である。
【0065】
次に、制御部Hが実行する運転について説明を加える
尚、操作部SSにより、洗浄運転、すすぎ運転、乾燥運転、消臭運転の順に運転させる連続運転コースや、乾燥運転のみ運転させる乾燥のみコースなど各種の運転コースを選択できるように構成され、さらに、連続運転コースとして、標準運転コース、念入り運転コース、スピーディ運転コース、快速運転コースを選択できるように構成されているが、本実施形態においては、連続コースの標準運転コースについてのみ説明する。
【0066】
図15のフローチャートに基づいて、制御部Hの制御作動について説明する。
先ず、収納スイッチNにより、引出し部2が本体部1の収納位置に収納されることが検出され(#1)、操作部SSの電源スイッチがON操作され(#2)、運転コースの選択が行われ(#3)、操作部SSのスタートスイッチがON操作されると(#4)、選択された運転コースが実行されることになる。
【0067】
以下、連続コースの標準運転コースが選択されて、操作部SSのスタートスイッチがON操作された場合であるとして、説明を続ける。
操作部SSスタートスイッチがON操作された後は、先ず、洗浄運転(#5)、その洗浄運転後の排水運転(#6)が実行され、次に、すすぎ運転(#7)、そのすすぎ運転後の排水運転(#8)が実行される。そして、すぎ運転が2回終了したか否かが判別されて(#9)、2回終了していない場合には、すすぎ運転(#7)、そのすすぎ運転後の排水運転(#8)が再び実行される。
【0068】
#9にて、すぎ運転が2回終了したと判別した場合には、加熱すすぎ運転(#10)、その加熱すすぎ運転後の排水運転(#11)が実行され、引き続き、乾燥運転(#12)、消臭運転(#13)が順次実行される。
【0069】
洗浄運転は、先ず、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を開弁して、給水路4A及び洗浄槽用分岐路4Bを通して給水口5から洗浄空間Q内に湯水を供給することに加えて、除湿用分岐路4Cを通して除湿部Gに湯水を供給して、その除湿部Gから空気吸引口22を通して洗浄空間Q内に湯水を供給する。そして、洗浄空間Qの水位が洗浄用水位Y2に達したことが水位検出センサJにて検出されると、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を閉じて、洗浄空間Qへの湯水の供給を停止する。
【0070】
その後、兼用ポンプ6を正転作動させ且つ加熱ヒータ9を作動させて、洗浄水を洗浄ノズル8から洗浄対象物に向けて噴出する洗浄動作を、洗浄運転用設定時間が経過するまで行うことになる。
尚、使用者が操作部SSのスタートスイッチをON操作する前に洗浄用洗剤を洗浄槽D内に投入しておくことにより、洗剤を用いた洗浄を行うことができる。
【0071】
洗浄運転後の排水運転は、兼用ポンプ6を逆転作動させ、洗浄槽D内の湯水を排水する排水動作を、洗浄排水用の設定時間(例えば、20秒)が経過するまで行うことになるが、その詳細は後述する。
【0072】
すすぎ運転は、上述の洗浄運転と同様に、洗浄空間Qに湯水を供給して、水位検出センサJにて洗浄用水位Y2が検出されると、湯水の供給を停止することになる。
その後、兼用ポンプ6および加熱ヒータ9を作動させて、加熱ヒータ9にて加熱されたすすぎ水により洗浄対象物のすすぎを設定時間が経過するまで行うことになる。
【0073】
すすぎ運転後の排水運転は、洗浄運転後の排水運転と同様に、兼用ポンプ6を逆転作動させて、洗浄槽D内の湯水を排水する排水動作を、設定時間(例えば、20秒)が経過するまで行うことになる。
【0074】
加熱すすぎ動作は、上述の洗浄運転と同様に、洗浄空間Qに湯水を供給して、水位検出センサJにて洗浄用水位Y2が検出されると、湯水の供給を停止することになる。
その後、兼用ポンプ6および加熱ヒータ9を作動させて、加熱ヒータ9にて加熱されたすすぎ水により洗浄対象物のすすぎを行うことになり、そして、図外の温度センサにより、すすぎ水の温度が仕上げ用設定温度(例えば、67℃)になると、加熱すすぎ動作を終了することになる。
【0075】
加熱すすぎ運転後の排水運転は、洗浄運転後の排水運転と同様に、兼用ポンプ6を逆転作動させて、洗浄槽D内の湯水を排水する排水動作を、設定時間(例えば、20秒)が経過するまで行うことになる。
【0076】
乾燥運転は、電気式の加熱ヒータ9を加熱作用させた状態で、循環ファン23の通風作動及び噴出ノズル25からの除湿用の湯水の噴出作動を行わせることになり、その状態を乾燥用設定時間(例えば、25分)が経過するまで継続させる。
そして、乾燥運転中において、水位検出センサJにて上述した湯水増加水位Y1bであることが検出されると、乾燥用の排水運転を行うことになる。
この乾燥用の排水運転は、兼用ポンプ6を逆転作動させて排水する排水動作を、設定時間(20秒)が経過するまで行うことになるが、その詳細は後述する。
【0077】
尚、この乾燥運転中において、水位検出センサJにて湯水増加水位Y1bを検出するということは、本実施形態の場合には、水位検出センサJが、湯水排出水位Y1aを検出する状態から検出しない状態に変化したことを意味するものである。
つまり、本実施形態の場合には、後述の如く、水位検出センサJが検出可能な範囲の最低水位が、湯水排出水位Y1aであるため、水位検出センサJが湯水排出水位Y1aを検出しなくなるということ、換言すれば、湯水増加水位Y1bを検出するということは、洗浄空間Qの底部には、湯水排出水位Y1aよりも少し高い水位の湯水が貯留されたことになる。
【0078】
ちなみに、水位検出センサJが検出可能な範囲の最低水位を、湯水排出水位Y1aよりも低い水位となるように構成する場合には、水位検出センサJが、湯水排出水位Y1aを検出したことをもって、洗浄空間Qの底部に、湯水増加水位Y1bに相当する水位の湯水が貯留された状態であるとすることができる。つまり、湯水排出水位Y1aを、湯水増加水位Y1bとして用いることができるものとなる。
【0079】
消臭運転は、電気式の加熱ヒータ9を停止させた状態で、循環ファン23の通風作動及び噴出ノズル25の除湿用水の噴出作動を行わせることになり、その状態を消臭用設定時間が経過するまで行う。
そして、消臭運転中において、乾燥運転の場合と同様に、水位検出センサJにて湯水増加水位Y1bが検出されると、消臭用の排水運転を行うことになる。
この消臭用の排水運転は、乾燥用の排水運転と同様に、兼用ポンプ6を逆転作動させて排水する排水動作を、設定時間(例えば、20秒)が経過するまで行うことになる。
【0080】
尚、
図16のフローチャートには例示しないが、制御部Hは、給水路4A、洗浄槽用分岐路4B及び除湿用分岐路4Cを通して洗浄空間Qに供給される単位時間当たりの湯水供給量よりも単位時間当たりの排水量を多くする状態で兼用ポンプ6を作動させるように構成されるものであり、そして、洗浄運転やすすぎ運転において、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を開き状態にして湯水を洗浄槽Dの洗浄空間Qに供給しているときに、水位検出センサJにて異常水位Y3が検出されたときには、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を閉じ状態にし、且つ、兼用ポンプ6を排水のために作動させる漏水防止運転処理を実行するように構成されている。
【0081】
そして、漏水防止運転処理を実行しているときに、水位検出センサJにて上述した洗浄水位Y2よりも低い水位であることが検出されると、制御部Hは、兼用ポンプ6を停止させて漏水防止運転処理を停止するように構成されている。
ちなみに、水位検出センサJにて洗浄用水位Y2よりも低い水位であることが検出されるときとは、水位検出センサJが洗浄用水位Y2を検出している状態から洗浄用水位Y2を検出しない状態に変化したときである。
【0082】
また、本実施形態においては、制御部Hが、洗浄運転、すすぎ運転及び加熱すすぎ運転の夫々の後で行う排水運転(以下、第1排水運転と呼称)や、乾燥運転中及び消臭運転中において行う排水運転(以下、第2排水運転と呼称)において、兼用ポンプ6を設定低排水能力にて作動させ、その後、水位検出センサJの検出水位が設定待機時間経過しても変化しないときには、設定低排水能力よりも高い設定高排水能力にて兼用ポンプ6を作動させるように構成されている。
【0083】
本実施形態においては、兼用ポンプ6の排水能力を、直流モータ6aの回転速度を変更することによって調整するように構成されている。
つまり、制御部Hは、兼用ポンプ6の回転速度を検出する回転速度検出手段としての回転速度センサM(
図14参照)の検出情報に基づいて、兼用ポンプ6を設定低排出能力や設定高排出能力に対応する目標回転速度にて駆動すべく、直流モータ6aに供給する駆動電圧を比例積分制御により求めて、その駆動電圧を指令電圧として、直流モータ駆動回路6Aに指令する回転速度調整処理(以下、FB制御と略称)を実行するように構成されている。
【0084】
また、本実施形態においては、設定低排水能力に対応する第1目標回転速度と設定高排水能力に対応する第2目標回転速度とが、第1排水運転と第2排水運転とにおいて異なる値に設定されている。
つまり、洗浄運転、すすぎ運転及び加熱すすぎ運転は、洗浄用ノズル8から湯水を噴出することにより発生する音等により、食器洗浄機の運転音が大きいのに対して、乾燥運転中及び消臭運転中においては、食器洗浄機の運転音が小さい点に鑑みて、第2排水運転よりも第1排水運転において、兼用ポンプ6を高速で駆動させるように構成されている。
具体的には、第1排水運転における第1目標回転速度が、2900回転/分で、第2目標回転速度が、3400回転/分であり、第2排水運転における第1目標回転速度が、2400回転/分で、第2目標回転速度が、2900回転/分である。
【0085】
以下、第1排水運転の制御作動について、
図16のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、兼用ポンプ6を設定低排水能力に対応する第1目標回転速度にて逆転駆動することが開始される(#21)。ちなみに、
図16のフローチャートは、制御作動を分かり易く記載するために、#21の処理が、最初に1回だけ行われるように記載しているが、実際は、兼用ポンプ6を第1目標回転速度で駆動するためのFB制御が、兼用ポンプ6を第1目標回転速度で駆動する間は、繰り返し行われることになる。
その後、設定待機時間(例えば、10秒)が経過するまでに、水位検出センサJの検出水位が洗浄用水位Y2から変化するか否かが検出される(#22、#23)。
【0086】
#22、#23にて、設定待機時間(例えば、10秒)が経過するまでに、水位検出センサJの検出水位が洗浄用水位Y2から変化したことが検出された場合には、兼用ポンプ6を設定低排水能力に対応する第1目標回転速度にて逆転駆動することを継続した状態で、その時点から、洗浄排水用の設定時間(例えば、20秒)が経過するまで待機し(#26)、洗浄排水用の設定時間(例えば、20秒)が経過すると、兼用ポンプ6を停止させる(#27)。
【0087】
#22、#23にて、設定待機時間(例えば、10秒)が経過するまでに、水位検出センサJの検出水位が洗浄用水位Y2から変化したことが検出されない場合には、兼用ポンプ6を設定高排水能力に対応する第2目標回転速度にて逆転駆動することを開始する(#24)。ちなみに、
図16のフローチャートは、制御作動を分かり易く記載するために、#24の処理が、1回だけ行われるように記載しているが、実際は、兼用ポンプ6を第2目標回転速度で駆動するためのFB制御が、兼用ポンプ6を第2目標回転速度で駆動する間は、繰り返し行われることになる。
【0088】
次に、水位検出センサJの検出水位が洗浄用水位Y2から変化したことが検出されると(#25)、その時点から洗浄排水用の設定時間(例えば、20秒)が経過するまで待機し(#26)、その後、洗浄排水用の設定時間(例えば、20秒)が経過すると、兼用ポンプ6を停止させる(#27)。
【0089】
次に、第2排水運転について、乾燥運転における排水運転を代表にして説明する。
すなわち、乾燥運転を説明しながら、第2排水運転の制御作動について、
図17のフローチャートに基づいて説明する。
【0090】
先ず、加熱ヒータ9及び循環ファン23の作動が開始され、且つ、除湿用湯水の供給が開始される(#31)。
次に、兼用ポンプ6が駆動中である排水運転中であるか否かが判別され(#32)、排水運転中でない場合には、水位検出センサJの検出水位が湯増加水位Y1bであるか否かが判別される(#33)。つまり、除湿処理後の湯水及び凝縮水が湯水増加水位Y1bに相当する水位まで貯留された状態であるか否かが判別される。
【0091】
#33にて、湯水増加水位Y1bでないことを判別した場合には、乾燥運転を開始してからの経過時間が乾燥用設定時間(例えば、25分)を経過したかを判別し(#41)、乾燥用設定時間が経過している場合には、加熱ヒータ9、循環ファン23、兼用ポンプ6の作動を停止し、且つ、除湿用湯水の供給を停止して(#42)、次の運転に移行することになる。
また、#41にて、乾燥用設定時間が経過していないと判別した場合には、#32の処理に移行する。
【0092】
#33にて、湯水増加水位Y1bであることを判別した場合には、兼用ポンプ6を設定低排水能力に対応する第1目標回転速度にて逆転駆動することを開始して(#34)、排水運転を開始する。ちなみに、
図17のフローチャートは、制御作動を分かり易く記載するために、#34の処理が、1回だけ行われるように記載しているが、実際は、兼用ポンプ6を第1目標回転速度で駆動するためのFB制御が、兼用ポンプ6を第1目標回転速度で駆動する間は、繰り返し行われることになる。
【0093】
次に、設定待機時間(例えば、10秒)が経過するまでに、水位検出センサJの検出水位が湯水増加水位Y1bから変化するか否かを検出する(#35、#36)。ちなみに、水位検出センサJの検出水位が湯水増加水位Y1bから変化するとは、水位検出センサJにて湯水排出水位Y1aが検出されることに相当する。
【0094】
#35、#36にて、設定待機時間(例えば、10秒)が経過するまでに、水位検出センサJの検出水位が湯水増加水位Y1bから変化したことが検出された場合には、兼用ポンプ6を設定低排水能力に対応する第1目標回転速度にて逆転駆動することを継続した状態で、その時点からの経過時間が乾燥排水用の設定時間(例えば、20秒)を経過したか否かを判別し(#39)、乾燥排水用の設定時間(例えば、20秒)が経過していると、兼用ポンプ6を停止させ(#40)、その後、#41の処理に移行する。
【0095】
また、#35にて、水位検出センサJの検出水位が湯水排出水位Y1から変化しないことを判別し、かつ、#36にて、設定待機時間(例えば、10秒)が経過していないと判別する場合には、#32の処理に移行する。
【0096】
#35、#36にて、設定待機時間(例えば、10秒)が経過しても、水位検出センサJの検出水位が湯水増加水位Y1bから変化したことが検出されない場合には、兼用ポンプ6を設定高排水能力に対応する第2目標回転速度にて逆転駆動することを開始する(#37)。ちなみに、
図17のフローチャートは、制御作動を分かり易く記載するために、#37の処理が、1回だけ行われるように記載しているが、実際は、兼用ポンプ6を第2目標回転速度で駆動するためのFB制御が、兼用ポンプ6を第2目標回転速度で駆動する間は、繰り返し行われることになる。
【0097】
次に、水位検出センサJの検出水位が湯水増加水位Y1bから変化したか否かを判別し(#38)、水位検出センサJの検出水位が湯水増加水位Y1bから変化したことを判別した場合には、#39の処理、つまり、その時点からの経過時間が乾燥排水用の設定時間(例えば、20秒)を経過したか否かを判別する処理に移行することになり、#38にて、水位検出センサJの検出水位が湯水排出水位Y1bから変化したことを判別しない場合には、#32の処理に移行することになる。
【0098】
#32にて、排水運転中であると判別した場合には、排水能力を設定済みであるか否かを判別する(#43)。
つまり、#34にて、第1目標回転速度で兼用ポンプ6を逆転駆動することを開始したときには、排水運転中となり、その後、#35、#36にて、設定待機時間(例えば、10秒)が経過するまでに、水位検出センサJの検出水位が湯水増加水位Y1bから変化したことが検出されて、兼用ポンプ6を設定低排水能力に対応する第1目標回転速度にて逆転駆動することを継続する場合や、#35、#36にて、設定待機時間(例えば、10秒)が経過するまでに、水位検出センサJの検出水位が湯水増加水位Y1bから変化したことが検出されないため、#37にて、兼用ポンプ6を設定高排水能力に対応する第2目標回転速度にて逆転駆動することを開始したときには、排水能力の設定済みとなる。
【0099】
#43にて、排水能力の設定済みでないと判別したときには、#35の処理に移行し、また、排水能力の設定済みであると判別したときには、兼用ポンプ6の目標回転速度が第2目標回転速度であるか否かを判別する(#44)。
【0100】
#44にて、兼用ポンプ6の目標回転速度が第2目標回転速度でないと判別したときには、#39の処理に移行し、兼用ポンプ6の目標回転速度が第2目標回転速度であると判別したときには、水位検出センサJの検出水位が、既に湯水増加水位Y1bから変化したか否かを判別する(#45)。
そして、#45にて、既に湯水増加水位Y1bから変化していると判別したときには、#39の処理に移行し、既に湯水増加水位Y1bから変化していないと判別したときには、#38の処理に移行することになる。
【0101】
尚、消臭運転における排水運転は、上述した乾燥運転における排水運転と同様であるので、本書においては、その説明を省略する。
【0102】
本実施形態の食器洗浄機においては、
図4及び
図5に示すように、閉じた状態の洗浄空間Qの内部圧が機外圧となるように自動調整する圧力調整手段Wが設けられている。
すなわち、例えば、洗浄処理において、電気式の加熱ヒータ9を加熱させたときには洗浄空間Q内の温度はかなりの高温(例えば67℃)になる。その後、洗浄水が排出されて、すすぎ処理のためにすすぎ水が洗浄空間Qに供給され、そのすすぎ水が兼用ポンプ6の作動により洗浄ノズル8より噴出されることになるが、そのすすぎ水の温度は低温(例えば13〜17℃)である。このため、低温のすすぎ水が洗浄ノズル8から噴出されると、洗浄空間Q内の温度が急激に低下するものとなり、その結果、洗浄空間Q内の多量の空気が急激に収縮し、洗浄空間Qの内部圧が大きく減少しようとすることがあるが、このようなときには、圧力調整手段Wの作用によって、洗浄空間Qの内部圧が機外圧となるように自動調整されることになる。
【0103】
圧力調整手段Wは、洗浄槽Dの背壁DRに形成した連通孔32を通して、洗浄槽D内の洗浄空間Qと連通して、洗浄空間Q内の圧力を調整するように構成されるものであるが、本実施形態においては、その詳細な構成についての説明は省略する。
尚、圧力調節手段Wには、結露水が生じることがあるが、その結露水が水位検出センサJを介して、洗浄槽Dに回収されるように構成されている。
【0104】
以下、水位検出センサJについて説明する。
図7〜
図13に示すように、洗浄槽Dの底部に案内管13にて接続されて、その洗浄槽D内の湯水が導入される水位検出用の湯水貯留槽40と、湯水貯留槽40の内部に装備されて、その湯水貯留槽40に貯留される湯水の水位に応じて昇降する水位検出用のフロート41と、フロート41の本体部41Aから上方に延びる軸部41Bを昇降自在に案内する案内部Uと、湯水貯留槽40の上端よりも上方側箇所に位置されて、フロート41の上下2つの昇降位置を検出する一対の第1水位検出部T1及び第2検出部T2とが設けられている。
【0105】
湯水貯留槽40は、横断面形状が4角形状の有底筒状に形成されるものであって、その底部には、上述した案内管13が接続される連通口として連結用筒部40Cが形成され、そして、その上部に外嵌される蓋体42にて、上方開口が覆われるようになっている。
【0106】
ちなみに、湯水貯留槽40の上端側部分は、洗浄水受け入れ部40A、及び、圧力調整手段Wからの結露水を受け止める結露水受け部40Bが、外方に突出状態で設けられ、蓋体42が、洗浄水受け入れ用の貯留部40A及び結露水受け部40Bを覆う状態に形成され、そして、蓋体42における結露水受け部40Bを覆う部分には、圧力調整手段Wとの連結用の開口部Vkが形成されている。
尚、洗浄水受け入れ部40Aの機能については後述する。
【0107】
フロート40の上下2つの昇降位置は、洗浄用水位Y2を検出するための昇降位置(
図11参照)と、湯水排出水位Y1aを検出するための昇降位置(
図10参照)とであり、第1水位検出部T1が、高位側の洗浄用水位Y2を検出する昇降位置にフロート41が位置することを検出し、第2水位検出部T2が、低位側の湯水排出水位Y1aを検出する昇降位置にフロート41が位置することを検出するように構成されている。
【0108】
第1水位検出部T1及び第2検出部T2が、フォトインタラプタ式の光センサを用いて構成され、第1水位検出部T1が、蓋体42の上部に突設した第1センサ取付け部42aに装着され、第2水位検出部T2が、蓋体42の上部に突設した第2センサ取付け部42bに装着されている。
【0109】
また、蓋体42には、上述した異常水位を検出する異常水位検出用の電極43が、上端側を蓋体42の上方に位置させ、且つ、下端側を湯水貯留槽40内に突出させる状態で設けられている。
つまり、異常水位検出用の電極43は、
図12に示すように、湯水貯留槽40の水位が第1水位検出部T1及び第2検出部T2のうちの高水位側の第2水位検出部T1にて検出される水位よりも設定量高くなったときに湯水貯留槽40に貯留される湯水にて導通される状態で、蓋体42に装備されている。
【0110】
図7及び
図10に示すように、フロート41の軸部14Bが、フロート14が複数の昇降位置のうちの低水位側の昇降位置に位置する状態において、つまり、湯水排出水位Y1aを検出するための昇降位置に位置する状態において、その上端部を湯水貯留槽40の上端よりも下方に位置させる長さに形成されている。
また、案内部Uが、湯水貯留槽40の上端よりも下方に位置するフロート40の軸部40Bを案内すべく、湯水貯留槽40の上端よりも下方に位置して案内するように構成されている。
【0111】
そして、第1水位検出部T1及び第2検出部T2のうちの低水位側の第2検出部T2にて検出される被検出部44aを備えた揺動レバー44が、フロート41の軸部41Bの上端部に連係されて上下に揺動する状態で設けられている。
説明を加えると、揺動レバー44が、第2センサ取付け部42bに、横軸心X回りで上下揺動自在に枢支され、その横軸心Xの一端側部分が、上述の被検出部44aに形成され、横軸心Xの他端側部分が、軸部41Bとの連係部44bに形成されている。
連係部44bは、二股状に形成されて、その連係部44bに、軸部41Bの上端が係合されるように構成されている。
【0112】
つまり、
図13に示すように、軸部41Bの上端部であって、上端よりも下方側箇所には、左右一対の旗状体41aが突設され、軸部41Bの上端には、外れ止め用の突起部41bが左右一対の旗状体41aと同方向に突出する状態に形成されている。
そして、揺動レバー44の二股状の連係部44bが、外れ止め用の突起部41bと左右一対の旗状体41aの間に挿入し、且つ、軸部41の上端が、二股状の連係部44bを貫通する状態となるように構成されている。
【0113】
図11に示すように、フロート41の軸部41Bが、フロート41が複数の昇降位置のうちの高水位側の昇降位置に位置する状態において、つまり、洗浄用水位Y2を検出する状態において、その上端部を湯水貯留槽40の上端よりも上方に位置させる長さに形成されている。
そして、上述した一対の旗状体41aのうちの1つが、第1検出部T1にて検出される被検出部と機能するように構成されている。
【0114】
案内部Uが、フロート41の昇降全範囲に亘って、軸部41Bの上端部に設けた一対の旗状体41aのうちの1つを係合する案内溝U1として構成されている。つまり、一対の旗状体41aのうち1つが、案内溝U1に係合される被案内片として機能するように構成されている。
ちなみに、案内部Uは、一対の旗状体41aのうちの第1検出部T1にて検出される被検出部と機能する旗状体41aが係合する補助案内溝U2をも備えるように構成されているが、この補助案内溝U2は、第1検出部T1の近くまでは存在するものの、被検出部と機能する旗状体41aが第1検出部T1にて検出される箇所では存在しないものであるため、フロート41の昇降全範囲に亘ってフロート41を案内するものではない。
【0115】
案内部Uについて説明を加えると、湯水貯留槽40の上方開口を覆う蓋体42が、フロート41軸部41Bの挿通箇所ほど低位となる状態で水貯留槽の上端よりも下方に突出する下向き凹入部分42A、及び、案内溝形成用の上方突出部分42Bを備える状態に形成され、案内溝U1が、蓋体42における凹入部分42A及び蓋体の上方突出部分42Bに亘る状態で形成されている。
【0116】
また、蓋体42には、補助案内溝U2を形成するための補助案内溝形成用の上方突出部分42Cを備える状態に形成され、補助案内溝U2が、蓋体42における凹入部分42A及び蓋体42の上方突出部分42Cに亘る状態で形成されている。
【0117】
そして、本実施形態の水位検出センサJは、揺動レバー44が、湯水排出水位Y1aに相当する下方側位置に揺動したときに、蓋体42の上面にて受け止められるようになっているため、その検出範囲の最低水位が、湯水排出水位Y1aに相当することになる。
また、揺動レバー44に備えさせた被検出部44aが、洗浄空間Qの湯水の水位が湯水排出水位Y1aであるときに、低水位側の第2検出部T2にて検出され、洗浄空間Qの湯水の水位が湯水排出水位Y1aよりも上昇すると、低水位側の第2検出部T2にて検出されない状態に変化するように構成されている。したがって、本実施形態の水位検出センサJは、被検出部44aが低水位側の第2検出部T2にて検出される状態から検出されない状態に変化する水位が、湯水増加水位Y1bに相当することになる。
【0118】
上述の洗浄水受け入れ部40Aについて説明を加えると、
図5に示すように、排水運転を行うときに、排水管12を通流する湯水の一部が、分岐管12aを通して、水位検出センサJ側に分岐流動するように構成され、そして、分岐管12が、洗浄水受け入れ部40Aに設けた管接続部40a接続されている。
したがって、排水運転を行うときに、兼用ポンプ6にて排水される湯水の一部が洗浄水受け入れ部40Aに流動したのち、湯水貯留槽40の内部に吐出されることにより、湯水貯留槽40の壁面を洗浄できるように構成されている。
【0119】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ)上記実施形態においては、湯水断続手段が、給水路を開閉する第1開閉弁と、洗浄槽用分岐路を開閉する第2開閉弁と、除湿用分岐路に装備された定流量弁とから構成される場合を例示したが、これらの弁に加えて、除湿用分岐路を開閉する開閉弁を備えさせるようにしてもよい。
そして、除湿用分岐路を開閉する開閉弁を備えさせる場合には、給水路を開閉する第1開閉弁を省略する形態で実施してもよい。
【0120】
(ロ)上記実施形態では、洗浄槽が本体ケース部に対して水平方向に沿って引き出し及び収納自在に設けられる引き出し式の食器洗浄機を例示したが、本体ケース部に洗浄槽が収納されて、本体ケース部の前面扉が開閉されることにより、洗浄槽の洗浄空間が開閉される形態の食器洗浄機についても、本発明は適用できるものである。
【0121】
(ハ)上記実施形態では、排水運転を実行するごとに、一旦、設定低排水能力にて排水ポンプを駆動し、その後、設定待機時間が経過しても水位検出手段の検出水位が変化しないときには、設定低排水能力よりも高い設定高排水能力にて排水ポンプを駆動する場合、つまり、設定低排水能力にて駆動して排水揚程を計測する運転を実行する場合を例示したが、食器洗浄機を設置後において初めて排水運転を行うときには、このような排水揚程を計測する運転を実行して、設定低排水能力にて運転するか、設定高排水能力にて運転するかを定めて、それ以降は、その定めた排水能力にて排水ポンプを運転するように構成してもよい。
つまり、食器洗浄機を一旦設置した後は、排水揚程が変化しないものであるから、初回の排水運転のときに、設定低排水能力にて運転するか、設定高排水能力にて運転するかを定めて、それ以降は、その定めた排水能力にて排水ポンプを運転するように構成してもよい。
【0122】
(ニ)上記実施形態では、設定低排水能力から設定高排水能力に1回だけ切り替える場合を例示したが、例えば、一旦、設定高排水能力に切り替えて、設定待機時間が経過しても水位検出手段の検出水位が変化しないときには、さらに大きな設定高排水能力に切り替えることを繰り返す形態にて実施してもよい。
つまり、設定高排水能力を複数段階に設定しておき、水位検出手段の検出水位が変化しないときには、順次高排水能力側に変更することを繰り返す形態で実施してもよい。
【0123】
(ホ)上記実施形態では、排水ポンプを直流モータにて駆動する場合を例示したが、排水ポンプを交流モータにて駆動するようにしてもよく、この場合、例えば、洗浄ポンプを設定目標回転速度にて駆動すべく、交流モータに供給する駆動電力を位相制御により調整するようにしたり、インバータ制御により、周波数や電圧を調整するようにするとよい。
【0124】
(へ)上記実施形態では、正転で洗浄ポンプして機能し、逆転で排水ポンプとして機能する兼用する兼用ポンプを例示したが、洗浄ポンプと排水ポンプとを各別に備える形態で実施しても良い。
【0125】
(ト)上記実施形態では、回転速度の調整により排水能力を調整する場合を例示したが、例えば、排水ポンプとして可変容量型のポンプを用いて、その容量調整により排水能力を調整するようにする等、排水能力の調整形態は各種変更できる。
【0126】
(チ)本発明を実施するに、水位検出手段としては、上記実施形態に記載の水位検出センサに代えて、種々の形態のものを適用できるものである。