(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5763351
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】記録媒体管理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20150723BHJP
【FI】
A63F7/02 352F
A63F7/02 352L
【請求項の数】2
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2011-9320(P2011-9320)
(22)【出願日】2011年1月19日
(65)【公開番号】特開2012-147975(P2012-147975A)
(43)【公開日】2012年8月9日
【審査請求日】2013年7月12日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501005966
【氏名又は名称】大都販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075410
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 則昭
(74)【代理人】
【識別番号】100135541
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 昭太郎
(72)【発明者】
【氏名】高山 佳一
【審査官】
田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−296561(JP,A)
【文献】
特開2003−260254(JP,A)
【文献】
特開2008−086341(JP,A)
【文献】
特開2002−301255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に設置される遊技機に隣接して設置され、記録媒体が受付可能に構成された台間機と、当該台間機と通信可能な管理装置とからなり、
前記遊技機の近傍に人物が存在していることを検知する人物検知手段と、
前記遊技機の稼働を検知する稼働検知手段と、
少なくとも前記人物検知手段による人物の検知状態及び前記稼働検知手段における遊技機の稼働の検知状態に基づいて、前記記録媒体の使用を制限するか否かを判定する使用制限付加判定手段と、
少なくとも前記使用制限付加判定手段により当該記録媒体の使用を制限する旨の判定がなされた場合は、前記記録媒体に使用制限情報を記録する書込制御手段と、を備え、
前記使用制限付加判定手段は、前記稼働検知手段の検知状態に関わらず、前記人物検知手段が非検知の場合、及び、前記稼働検知手段は非検知の状態を維持しているが、前記台間機において前記記録媒体或いは入金を検知した時を除き前記人物検知手段が非検知から検知の状態に変化している場合、のいずれの場合でも、前記記録媒体の使用を制限する旨の判定をする構成としたことを特徴とする、記録媒体管理システム。
【請求項2】
遊技場に設置される遊技機に隣接して設置され、記録媒体が受付可能に構成された台間機と、当該台間機と通信可能な管理装置とからなり、
前記遊技機の近傍に人物が存在していることを検知する人物検知手段と、
前記遊技機の稼働を検知する稼働検知手段と、
少なくとも前記人物検知手段による人物の検知状態及び前記稼働検知手段における遊技機の稼働の検知状態に基づいて、前記記録媒体の使用を制限するか否かを判定する使用制限付加判定手段と、
前記使用制限付加判定手段により、記録媒体の使用を制限するか否かの使用制限情報を、各記録媒体と関連付けて記憶する使用制限情報記憶手段と、
少なくとも前記使用制限付加判定手段により当該記録媒体の使用を制限する旨の判定がなされた場合は、前記使用制限情報記憶手段に、当該記録媒体と関連付けて使用制限情報を記憶する記憶制御手段と、を備え、
前記使用制限付加判定手段は、前記稼働検知手段の検知状態に関わらず、前記人物検知手段が非検知の場合、及び、前記稼働検知手段は非検知の状態を維持しているが、前記台間機において前記記録媒体或いは入金を検知した時を除き前記人物検知手段が非検知から検知の状態に変化している場合、のいずれの場合でも、前記記録媒体の使用を制限する旨の判定をする構成としたことを特徴とする、記録媒体管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技場で利用される記録媒体を管理する記録媒体管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ玉やメダル等の遊技媒体を遊技機に投入して遊技を行うパチンコ機やスロットマシン等の遊技機が知られている。遊技者(遊技客)がパチンコ機やスロットマシン等で遊技を行う際には、予め、隣接する遊技機の台間に配設された台間機からパチンコ玉等の遊技媒体を借り受ける必要がある。
【0003】
パチンコ玉等の遊技媒体を貸し出す従来技術には、台間機に投入した硬貨又は紙幣に相当するパチンコ玉を貸し出す技術、プリペイドカード、貯玉カード又は会員カードを台間機に挿入し、遊技者が投出ボタンを押下する度に、例えば、500円分のパチンコ玉等の遊技媒体を貸し出す技術などがある。
【0004】
特に、後者のプリペイドカードによる方式では、プリペイドカードの発行を受けた遊技者が、プリペイドカードを台間に配設された台間機に挿入し、所定の操作を行うと、台間機等からパチンコ玉等の遊技媒体が貸し出される。プリペイドカードにはカード毎に設定される識別情報(カードID)が記録され、識別情報毎に残度数が管理装置に記憶されている。台間機でプリペイドカードが使用されると、前記管理装置に記憶されている当該カードに係る識別情報の残度数が書き換えられる。
【0005】
このようなプリペイドカードによる方式では、残度数を有するカードが台間機に挿入された状態で、遊技者からの投出ボタンの押下を受け付けると、500円分のパチンコ玉等の遊技媒体を貸し出す等、必要に応じてパチンコ玉等の遊技媒体の貸し出しを行う。そのため遊技者が遊技中に食事やトイレのために遊技機から一時的に離席した場合、カードを抜き忘れてしまうことでカードが盗難されてしまうことが多々発生していた。
【0006】
さらに、近年はパチンコ機の近傍に計数機を設け、パチンコ機から払い出され、パチンコ機の上皿又は下皿に在るパチンコ玉等の遊技媒体を、パチンコ機の上皿又は下皿から流出させて、流出させた遊技媒体をこの計数機で計数し、その計数結果を台間機でデータとして保持する技術がある。この技術では、遊技者が遊技を止める場合、保持されたデータ(持玉データ)も会員カード等の記録媒体に記録して遊技者に返却する場合がある。そのため、万一、上述の様な盗難被害にあった場合、当該会員カードに記録されている持玉データの残度数によっては、プリペイドカードの場合などと比較して被害が大きくなる。
【0007】
この様な盗難を防止する技術として、特許文献1に示す技術が知られている。この技術は、遊技機の
稼働状況を示す信号の1つであるアウト玉信号や、遊技者の着座を検知する検知信号(重量センサー・温度センサー・赤外線センサーからの検知信号)を受信しなくなってから一定時間経過すると、記録媒体の返却を禁止する制御を行うものである。
【0008】
【特許文献1】特開2006−296561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、この特許文献1に示す技術は、アウト玉信号のみ、或いは各種のセンサーからの遊技者の着座を検知する検知信号のみを基準として記録媒体の返却禁止制御を行うものであるため、以下のような課題点を有していた。
【0010】
すなわち、アウト玉信号のみを基準とした場合、パチンコ機の機種によっては、リーチ演出の時間が長く、その間に記録媒体の返却禁止制御が行われてしまい、リーチ演出で大当たりを引けなかったため遊技をやめようとしたら、記録媒体の返却ができなくなる場合がある。また、パチンコ機ではリーチ演出待ちの回数を示す保留玉があり、この保留玉の回数分のリーチ演出は長時間に及ぶものとなる。ここで、例えば最後のアウト玉信号受信から、リーチ演出分の時間だけ経過すると返却禁止制御を行うように時間設定をすると、遊技を止めたにもかかわらず、記録媒体の返却を忘れて席を立つ遊技者の場合も、返却禁止制御が行われるまでに、リーチ演出分の時間と同等の時間の経過を必要とし、この長時間がセキュリティの空白期間となる。
【0011】
また、例えば、各種センサーからの遊技者の着座を検知する検知信号のみを基準とした場合、当該各種センサーは遊技者の着座を検知するものであるため、台間機に、残度数のある持玉データが記録されている会員カードや残度数が残っているプリペイドカード等の記録媒体が挿入されたままとなっている場合、第三者が着座して返却操作を行うと、当該記録媒体が何らの制限や報知もなく返却されることとなり、セキュリティ上の問題が存在する。
【0012】
このように、単一の信号を基準とするとセキュリティの精度が落ちるという課題があった。
【0013】
そこでこの発明は上記課題に鑑み、記録媒体の盗難と思われる疑義行為を精度よく検知可能にしたり、疑義行為により返却された記録媒体の使用を制限可能にしたりする装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、遊技場に設置される遊技機に隣接して設置され、記録媒体が受付可能に構成された台間機と、当該台間機と通信可能な管理装置とからなり、
前記遊技機の近傍に人物が存在していることを検知する人物検知手段と、
前記遊技機の稼働を検知する稼働検知手段と、
少なくとも前記人物検知手段による人物の検知状態及び前記稼働検知手段における遊技機の稼働の検知状態に基づいて、前記記録媒体の使用を制限するか否かを判定する使用制限付加判定手段と、
少なくとも前記使用制限付加判定手段により当該記録媒体の使用を制限する旨の判定がなされた場合は、前記記録媒体に使用制限情報を記録する書込制御手段と、を備え、
前記使用制限付加判定手段は、前記稼働検知手段の検知状態に関わらず、前記人物検知手段が非検知の場合、
及び、前記稼働検知手段は非検知の状態を維持しているが、前記台間機において前記記録媒体或いは入金を検知した時を除き前記人物検知手段が非検知から検知の状態に変化している場合
、のいずれの場合でも、前記記録媒体の使用を制限する旨の判定をする構成とした、記録媒体管理システムとした。
【0015】
また、請求項2の発明は、遊技場に設置される遊技機に隣接して設置され、記録媒体が受付可能に構成された台間機と、当該台間機と通信可能な管理装置とからなり、
前記遊技機の近傍に人物が存在していることを検知する人物検知手段と、
前記遊技機の稼働を検知する稼働検知手段と、
少なくとも前記人物検知手段による人物の検知状態及び前記稼働検知手段における遊技機の稼働の検知状態に基づいて、前記記録媒体の使用を制限するか否かを判定する使用制限付加判定手段と、
前記使用制限付加判定手段により、記録媒体の使用を制限するか否かの使用制限情報を、各記録媒体と関連付けて記憶する使用制限情報記憶手段と、
少なくとも前記使用制限付加判定手段により当該記録媒体の使用を制限する旨の判定がなされた場合は、前記使用制限情報記憶手段に、当該記録媒体と関連付けて使用制限情報を記憶する記憶制御手段と、を備え、
前記使用制限付加判定手段は、前記稼働検知手段の検知状態に関わらず、前記人物検知手段が非検知の場合、
及び、前記稼働検知手段は非検知の状態を維持しているが、前記台間機において前記記録媒体或いは入金を検知した時を除き前記人物検知手段が非検知から検知の状態に変化している場合
、のいずれの場合でも、前記記録媒体の使用を制限する旨の判定をする構成とした、記録媒体管理システムとした。
【発明の効果】
【0016】
請求項1及び2の発明によれば、遊技機の近傍に人物が存在しているか否かの検知と、当該遊技機が稼働しているか否かの検知との複数の検知結果により記録媒体の使用を制限するか否かを判定するため、精度の高い判定が可能となる。また、使用を制限する旨の判定がなされた場合、記録媒体に使用制限情報を記憶する等の構成としたため、記録媒体を第三者が不正に台間機から排出させ、使用しようとした場合、当該記録媒体の使用が制限され、適切な処置を採ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明は、遊技場に設置される遊技機に隣接して設置され、記録媒体が受付可能に構成された台間機と、当該台間機と通信可能な管理装置とからなり、
前記遊技機の近傍に人物が存在していることを検知する人物検知手段と、
前記遊技機の稼働を検知する稼働検知手段と、
少なくとも前記人物検知手段による人物の検知状態及び前記稼働検知手段における遊技機の稼働の検知状態に基づいて、前記記録媒体の使用を制限するか否かを判定する使用制限付加判定手段と、
少なくとも前記使用制限付加判定手段により当該記録媒体の使用を制限する旨の判定がなされた場合は、前記記録媒体に使用制限情報を記録する書込制御手段と、を備え、
前記使用制限付加判定手段は、前記稼働検知手段の検知状態に関わらず、前記人物検知手段が非検知の場合、
及び、前記稼働検知手段は非検知の状態を維持しているが、
前記台間機において前記記録媒体或いは入金を検知した時を除き前記人物検知手段が非検知から検知の状態に変化している場合
、のいずれの場合でも、前記記録媒体の使用を制限する旨の判定をする構成とすることによって、記録媒体を第三者が不正に台間機から排出させ、使用しようとした場合、当該記録媒体の使用が制限され、適切な処置を採ることが可能である。
【実施例1】
【0018】
以下、この発明の実施例1を図に基づいて説明する。
図1はこの発明の盗難防止装置の概略構成図であり、当該装置は、記録媒体A、遊技機B、隣接する遊技機と遊技機の間に設けられており、記録媒体Aの読み取り、保持及び遊技媒体の貸し出し、払い出しが可能な機能等を有する台間機C、遊技場全体を管理するコンピュータから成る管理装置D及び精算機やPOS等のその他の機器Eとから構成されている。
【0019】
台間機Cには各遊技機Bに対応して人物の有無を検知するための人物検知手段1を設けている。具体的には、各遊技機Bの前方の座席付近に遊技者が存在しているかどうかを赤外線センサーによって検知する。本実施例では各遊技機Bに対応した各台センサーとし、遊技機Bの前方に配置されている座席付近に照準を合わせている。そして、当該センサーは、人の存在を検知すると、その旨の検知信号を、台間機Cの通信手段2を介して送出する。このとき、台間機Cは自身に割り当てられた識別情報を付加して送出する。また、遊技機Bの下方に、遊技機Bの盤面に投出され、当該遊技機Bから排出されたパチンコ玉を検知する稼働検知手段3を設けている。この稼働検知手段3は具体的には、遊技機Bから排出されるパチンコ玉を検知、計数するアウトボックスである。このアウトボックスは、排出されたパチンコ玉を10個計数するたびに、後述の管理装置Dに対して、稼働信号としてパルス信号を当該遊技機Bの識別情報と共に送出する構成となっている。また、
図2に示すように、遊技機Bの上皿又は下皿の下部に計数機4を設けている。遊技機Bの上皿又は下皿に在るパチンコ玉等の遊技媒体を、遊技機Bの上皿又は下皿から流出させて、流出させた遊技媒体をこの計数機4で計数し、その計数結果を持玉情報として台間機Cの持玉情報記憶手段5に記憶する。
【0020】
また、前記台間機Cには、玉貸しを受けるために台間機Cに投入された貨幣の金額、あるいは挿入された記録媒体Aに記録された情報から特定される有価価値情報(金額情報)のうち、玉貸しに使用されていない残金情報を記憶する残金情報記憶手段6と、記録媒体Aの返却操作を受け付ける返却操作手段7と、記録媒体Aを返却する制御を行う返却制御手段8と、台間機C内に保持されている記録媒体Aに使用制限情報を書き込ませる書込制御手段9と、台間機C内に保持されている記録媒体Aから情報を読み出すと共に、当該記録媒体Aに情報を書き込むリーダライタ、管理装置Dや計数機4との情報の通信を行う通信手段2、記録媒体Aの挿入を認識すると記録媒体検知信号と共に当該台間機Cの識別情報及び当該記録媒体Aの識別情報を管理装置Dに送出するセンサー等の記録媒体検知手段10、さらに使用される記録媒体Aに記録されている使用制限情報を参照する使用制限情報参照手段11、使用制限処理を行う使用制限処理手段12が少なくとも備えられている。なお、前記返却操作手段7は、前記遊技機Bに備えることとしても良い。また記録媒体検知手段10は、記録媒体Aが台間機Cに挿入されている間は、継続して記録媒体検知信号と共に当該台間機Cの識別情報及び当該記録媒体Aの識別情報を管理装置Dに送出する。なお、記録媒体Aの一例として、カード(会員カード、ビジターカード等)、ICコイン、プリペイドカード等が挙げられる。
【0021】
また、管理装置Dは、コンピュータであり、各種演算を行うCPU(=Central Processing Unit)や、所定の情報を記憶するハードディスクなどの記憶装置、一時的な情報を保持するRAMなどから構成されている。これは公知の事項であるので詳細な説明は省略する。この管理装置Dには、遊技場内に配設されている各台間機Cの残金情報記憶手段6に記憶されている残金情報と同一の情報を、台間機C毎に区分けして記憶する残金情報記憶手段13と、各台間機Cの持玉情報記憶手段5に記憶している持玉情報と同一の情報を、台間機C毎に区分けして記憶する持玉情報記憶手段14と、前記人物検知手段1から受信した検知信号に基づく検知情報を、人物検知手段1対応して配設されている遊技機B毎に区分けして保持する人物検知状態保持手段15と、前記稼働検知手段3から受信した稼働信号に基づく稼働情報を、遊技機B毎に区分けして保持する稼働検知状態保持手段16と、これら人物検知状態保持手段15に保持されている検知情報と稼働検知状態保持手段16に保持されている稼働情報等を用いて、記録媒体Aの使用の可否を判断する使用制限付加判定手段17と、この使用制限付加手段17による判定結果を記憶する使用制限情報保持手段18と、返却操作受付信号を受信すると、その時に使用制限情報保持手段18に記憶されている使用制限情報を参照して、その結果を台間機Cに送信させる制御を行う使用制限情報参照手段19と、各機器との通信を行う通信手段20が少なくとも備えられている。前記管理装置Dの残金情報記憶手段13に記憶されている残金情報及び持玉情報記憶手段14に記憶されている持玉情報は、各台間機Cの持玉情報記憶手段5及び残金情報記憶手段6から随時持玉情報及び残金情報を受信し、更新記憶される。
【0022】
なお、台間機Cに設けた持玉情報記憶手段5、残金情報記憶手段6、管理装置Dに設けた残金情報記憶手段13、持玉情報記憶手段14、人物検知状態保持手段15、
稼働検知状態保持手段16、及び使用制限情報保持手段18は、例えば、大容量メモリーとして機能するハードディスク(HD)を用いることができる。また、記憶媒体(メディア)へのアクセスを実現するための外部記憶ドライブを備えれば、記憶媒体に記録されたプログラム等を台間機C又は管理装置Dのシステムにロードすることができる。当該記憶媒体には、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、CD−R、CD−RW、PCカード、DVD、ICメモリーカード、MO、メモリースティック等が含まれる。
【0023】
また、台間機Cに設けた書込制御手段9、台間機Cや精算機やPOS等の他の機器Eに設けた使用制限情報参照手段11、管理装置Dに設けた使用制限付加判定手段17、使用制限情報参照手段19は、CPU、判定回路、ソフトウエア等により実現することができる。さらに、各台間機Cに設けた返却操作手段7はボタンやタッチパネルなどで実現できる。
【0024】
また、管理装置Dでの前記使用制限付加判定手段17における判定は、台間機Cから受信した記録媒体検知信号、台間機Cの識別情報、記録媒体Aの識別情報、前記人物検知手段1から送信された検知信号に基づき人物検知状態保持手段15に保持されている検知情報及び稼働検知手段3から送信された稼働信号に基づき稼働検知状態保持手段16に保持されている稼働情報に基づいて行う。詳しくは、記録媒体検知信号、台間機Cの識別情報、記録媒体Aの識別情報に基づいて、遊技場のどの台間機Cに、当該記録媒体Aが挿入されているのかを認識し、当該台間機Cに対応して配設されている遊技機Bの検知情報及び稼働情報と照合する。なお、この判定に際しては、残金情報記憶手段13に記録媒体Aと関連付けて記憶されている残金情報、及び持玉情報記憶手段14に記録媒体Aと関連付けて記憶されている持玉情報を含めて判断することとしても良い。また、これらの情報を含める場合は、例えば残金が残っているとき、持玉が残っているとき、残金及び持玉が残っているとき、で付加する使用制限情報を変えるよう構成することができる。
【0025】
また、人物検知状態保持手段15は、検知信号を受信した場合はセンサーフラグをオンにし、また、一定の条件下で検知信号を受信しなかった場合はセンサーフラグをオフにする。
【0026】
前記センサーフラグをオンにするかオフにするかは、
図3に示す処理に基づいて決定される。まず、検知信号を受信したか否かを判別し(ステップS11)、していなければ前に戻る。受信していれば、センサーフラグをオンにし(ステップS12)、これと同時にタイマーによる計時を開始する(ステップS13)。そして、この計時が予め設定によって決められた時間(
図3では3秒)を経過したか否かを判定する(ステップS14)。時間を経過していなければ、そこでさらに検知信号を受信したか否かを判定する(ステップS15)。検知信号を受信していなければ、再度時間経過の判定(ステップS14)に戻る。検知信号を受信すると、計時をリセットして(ステップS16)、再度センサーフラグをオンに設定する(ステップS12)。以降これを繰り返す。一方、時間経過の判定(ステップS14)で設定時間が経過したと判定された場合は、センサーフラグをオフにし(ステップS17)、計時をリセットして(ステップS18)最初に戻る。
【0027】
前記設定時間を設けているのは、通常であれば、センサーである人物検知手段1の検知信号が受信されなくなったと同時にセンサーフラグをオフにする構成で良いが、例えば、人物検知手段1に電源の瞬断等が起きた場合に、短時間の空隙(検知信号の受信が途絶した期間)が生じる。この空隙を生じさせないために、所定の設定時間の経過をみて判別している。したがって、設定時間の経過を考慮しない構成としても良い。この場合、検知信号を受信するとセンサーフラグをONにし、検知信号の受信が途絶えると、センサーフラグをOFFとし、センサーフラグがOFFとなった期間が短時間であれば、この期間を無視して処理する構成とする。このような構成とした場合、上述の短時間の空隙が生じてセンサーフラグがOFFになる可能性があるが、その後にセンサーフラグがONとなることで、空隙が生じる前と同等の状態と判断することができる。なお、この人物検知手段1からの検知信号は、人物検知手段1が人の存在を検知しなくなったら、検知信号の送出を停止する構成としている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば人物検知手段1は、検知していない状態の場合はその旨の信号(不検知信号)を送出する構成としても良い。
【0028】
また、稼働検知状態保持手段16は、稼働信号を受信した場合は、稼働フラグをオンにし、また、一定の条件下で稼働信号を受信しなかった場合は稼働フラグをオフにする。
【0029】
前記稼働フラグをオンにするかオフにするかの処理は、
図4のフローに基づいて決定される。まず、パルス信号の受信の有無を判別し(ステップS21)、受信していなければ前に戻る。パルス信号を受信していれば、稼働フラグをオンにし(ステップS22)、これと同時に計時を開始する(ステップS23)。そして、この計時が予め設定によって決められた時間(
図4では30秒)を経過したか否かを判別する(ステップS24)。設定時間を経過していなければ、そこでさらにパルス信号を受信したか否かを見る(ステップS25)。パルス信号を受信していなければ、再度時間経過の判定(ステップS24)に戻る。パルス信号を受信すると、計時をリセット(ステップS26)して、再度稼働フラグをオンに設定する(ステップS22)。以降これを繰り返す。一方、時間経過の判定(ステップS24)で設定時間が経過したと判定された場合は、稼働フラグをオフにし(ステップS27)、計時をリセットして(ステップS28)最初に戻る。
【0030】
前記稼働検知手段3であるアウトボックスからの稼働信号としてのパルス信号及び人物検知手段1からの検知信号、使用制限付加判定手段17での稼働フラグ及びセンサーフラグの関係を示すタイミングチャートを
図5に示す。
図5のパルス信号及び検知信号の推移を見ると、遊技機Bに遊技者が着座してから(=検知信号立ち上がり)一定時間経過後、遊技機Bが作動し(=パルス信号立ち上がり)、また、遊技者が遊技機Bでの遊技を止めてから(=パルス信号立ち下り)一定時間経った後に、遊技者が遊技機Bから離席する(=検知信号立ち下がり)のが一般的である。従って、検知信号及びパルス信号の受信の有無に、センサーフラグ及び稼働フラグのオン、オフを同期させた場合、通常の遊技終了時においても、センサーフラグのみがオン状態になっているため、記録媒体に使用制限情報を付加すると判定される。そこで、遊技を止めてから一定時間は稼働フラグをオン状態に維持している。
【0031】
これらのセンサーフラグと稼働フラグを用いて、前記管理装置Dの使用制限付加判定手段17では記録媒体Aに使用制限情報を付加するか否かを決定する。この時の決定条件は、表1の通りである。
【0032】
【表1】
【0033】
前記管理装置Dの使用制限付加判定手段17は、センサーフラグの状態と稼働フラグの状態とを常に監視し、パターン1は、センサーフラグがオフで、稼働フラグがオンの場合であり、この場合は、人物が存在しないのに遊技機Bにパチンコ玉が発射されている状態と考えられるので、異常と判定して使用制限情報を付加すると判定する。パターン2は、センサーフラグと稼働フラグがともにオフの場合であって、この場合は台間機C又は遊技機Bで返却操作がなされること自体が異常であると考えられるので、使用制限情報を付加すると判定する。
【0034】
パターン3は、センサーフラグと稼働フラグがともにオンの場合であり、この場合は、遊技者が遊技機Bの前に着座して遊技を行っていると考えられるので、このとき台間機C又は遊技機Bで返却操作がなされることは通常ありえることなので、使用制限情報を付加しないと判定する。
【0035】
パターン4はセンサーフラグがオンで、稼働フラグがオフの場合であり、これは以下の二通りに判断される。前記パターン3からパターン4の状態に変化した場合は、パターン3においてした判定を維持し、使用制限情報を付加しないと判定する。これは、それまで遊技を行っていた遊技者が、遊技は止めたが、まだ遊技機Bの前に着座している状態と考えられる。例えば、遊技を止めて帰るために荷物をまとめている場合や、遊技機Bでリーチがかかり、このリーチの演出を眺めている場合などが該当する。さらに、保留玉を消化するまでリーチ演出を見て、入賞しなかったために遊技をやめて離席する場合もある。
【0036】
また、前記パターン2からパターン4に変化した場合は、パターン2においてした判定を維持し、使用制限情報を付加すると判定する。これは、それまで誰も存在しないはずの状態から人の存在を検知した状態と考えられる。この状態で台間機C又は遊技機Bの返却操作がなされることは、遊技しないで突然返却操作をする人物が現れたと考えられるため、使用制限情報を付加すると判定する。
【0037】
また、例えば遊技者が遊技機Bの前に座り、金額等の有価価値を特定する情報及び持玉情報が記録された記録媒体Aを、当該遊技機Bに対応して配設されている台間機Cに検知させた後、当該遊技機Bで遊技を行う前に、思い直して別の遊技機Bに移ろうとする場合がある。その場合、管理装置Dの使用制限付加判定手段17において、稼働フラグとセンサーフラグを参照して、当該記録媒体Aに使用制限情報を付加するか否かを判定すると、この場合は、上述したパターン2からパターン4に変化した場合に該当し、使用制限を付加すると判定されてしまい、不便である。そこで例外として、上述のパターン2からパターン4に変化した場合でも、台間機Cで記録媒体Aが検知されたときは、台間機Cは記録媒体検知信号、台間機Cの識別情報、記録媒体Aの識別情報を管理装置Dに送出し、この記録媒体検知信号を受信した管理装置Dの使用制限付加判定手段17では使用制限情報を付加しない旨の判定を行う。
【0038】
つまり、管理装置Dが、人物検知手段1からの検知信号を受信中に記録媒体検知信号を受信した場合は、記録媒体検知信号を受信した時点から、使用制限付加判定手段17では使用制限情報を付加しない旨の判定を行う。また、記録媒体検知信号の受信後に、遊技機Bから稼働信号としてのパルス信号を受信すると、これ以後は、使用制限付加判定手段17は、人物検知手段1から送信された検知信号に基づく検知情報と、稼働検知手段3から送信された稼働信号に基づく稼働情報に基づいて、使用制限情報を付加するか否かの判定を行う。
【0039】
また、遊技者が遊技機Bに座り、当該遊技機Bに対応して配設されている台間機Cに現金を投入した後、当該遊技機Bで遊技をする前に、思い直して別の遊技機Bに移ろうとする場合がある。その場合、管理装置Dの使用制限付加判定手段17において、稼働フラグとセンサーフラグを参照して、当該記録媒体Aに使用制限情報を付加するか否かの判定をすると、この場合は、上述したパターン2からパターン4に変化した場合に該当し、使用制限情報を付加すると判定されてしまい、不便である。そこで例外として、上述のパターン2からパターン4に変化した場合でも、台間機Cは、入金があると100円を1パルスとして入金信号が管理装置Dに送出し、この入金信号を利用して、管理装置Dにおいて、人物検知手段1から送信された検知信号を受信中に、入金信号を受信すると、使用制限付加判定手段17では使用制限情報を付加しない旨の判定を行う。
【0040】
また、入金信号の受信後に、遊技機Bから稼働信号としてのパルス信号を受信すると、これ以後は、使用制限付加判定手段17は、人物検知手段1から送信された検知信号に基づく検知情報と、稼働検知手段3から送信された稼働信号に基づく稼働情報に基づいて、使用制限情報を付加するか否かの判定を行う。
【0041】
以上の判定を、各記録媒体Aについて、例えば1秒毎に行い、仮にその時に返却操作がなされたら、使用制限情報を付加するか否か、という各記録媒体Aの最新の使用制限情報を、記録媒体Aの識別情報で区分けして、使用制限情報保持手段18に更新して記憶しておく。そして、台間機C又は遊技機Bの返却操作手段7により返却操作がなされると、管理装置Dは、返却操作受付信号と共に記録媒体Aの識別情報を受信し、受信した識別情報に係る記録媒体Aについての、使用制限情報保持手段18に記憶されている使用制限情報を参照して、その結果を台間機Cに対して通知する。
【0042】
次に本実施例1の盗難防止装置の動作を、
図6を参照して説明する。台間機Cは、遊技者による記録媒体Aの返却操作を受け付けると(ステップS31)、管理装置Dに対して当該記録媒体Aの識別情報と共に、返却操作受付信号を送出する(ステップS32)。管理装置Dが通信手段20を介してこれらの信号を受信すると、管理装置Dの使用制限情報参照手段19は、その時に使用制限情報保持手段18に記憶されている、受信した識別情報に係る記録媒体Aの使用制限情報を参照して、(ステップS33)、その結果を台間機Cに送信する(ステップS34)。台間機Cは判定結果を受信すると、結果に応じた処理を行う(ステップS35)。
【0043】
具体的には、管理装置Dから台間機Cに使用制限を付加しない旨が通知されると、書込制御手段9は、台間機C内に保持されている記録媒体Aに、台間機C内の持玉情報記憶手段5に記憶されている持玉情報があればそれを記憶させ、残金情報記憶手段6に残金情報が記憶されていれば、残金情報を記憶させ、記録媒体Aを排出する。一方、使用制限を付加する旨が通知されると、書込制御手段9は、台間機C内に保持されている記録媒体Aに、使用制限情報を書き込むと共に、台間機C内の持玉情報記憶手段5に記憶されている持玉情報があればそれを記憶させ、残金情報記憶手段6に残金情報が記憶されていれば、残金情報を記憶させ、記録媒体Aを排出する。なお、上記では、記録媒体Aが残金情報及び持玉情報を記録する会員カードやビジターカード等を想定して説明したが、当該記録媒体Aがプリペイドカード等である場合には、残金情報のみを記憶させて、記録媒体Aを排出する。また、当該記録媒体Aが例えばビジター用のICコインである場合等は、台間機C内に予めストックされている記録媒体Aを用いることもできる。
【0044】
上記処理において排出された、使用制限情報が記録された記録媒体Aが、当該記録媒体Aを排出した台間機C、他の台間機C又は遊技場に配設されているその他の機器E(精算機、POS等)に対して使用される(各機器において記録媒体Aが検知される)と、当該機器は、それぞれ有している使用制限情報参照手段11を用いて当該記録媒体Aに記録されている使用制限情報を読み取り、所要の処理を行う。
【0045】
具体的には、当該機器に対して使用を制限する(使用できない)ように当該記録媒体Aに記録されている場合は、当該機器は、使用制限処理手段12により、当該記録媒体Aを返却したり、当該記録媒体Aに使用制限が付加されていることを従業員のインカムや管理装置D等に報知したりする。その他、当該機器において警告音を発報したり、備えられているランプ(図示省略)を点灯・点滅させるなどの処理を行ったりすることとしても良い。なお、管理装置Dで、報知を行った機器の識別情報及び報知を行った時刻を記憶する構成としても良い。
【0046】
また、遊技場内に配設されているセキュリティカメラ等の撮像手段(図示省略)に、当該記録媒体Aが検知された当該機器をズームして撮影するように指令を送る。なお、管理装置Dで、当該撮像手段が撮像した映像を記憶する構成としても良い。このような構成とすれば、記録媒体を第三者が不正に台間機から排出させ、使用しようとした場合、当該記録媒体の使用が制限され、適切な処置を採ることが可能である。
【0047】
なお、使用制限が付加された記録媒体Aについて、遊技場に配設されたどの範囲の機器まで使用を制限するのかについては、各遊技場の防犯計画や一般の遊技者の利便性を考慮して決定する。例えば、記録媒体Aに使用制限情報を書き込んだ台間機Cを含め、遊技場に配設されている記録媒体Aを使用する全ての機器について使用を制限した場合には、セキュリティ度は高いが、使用制限情報を書き込んだのが過誤であった場合等は、遊技者は当該記録媒体Aを不当に使用できなくなり、遊技者に迷惑を掛けることとなる可能性がある。
【0048】
また例えば、使用制限情報を書き込んだ台間機Cでは使用を制限しないが、それ以外の台間機C、精算機、POS等の他の機器Eでは、使用を制限するよう設定することとしても良い。この場合、使用制限情報を書き込んだ台間機Cでは使用できるため、使用制限情報を書き込んだのが過誤であった場合等に、遊技者に迷惑を掛けることは相対的に少なくなる可能性がある。更に、台間機Cに残存している記録媒体Aを、第三者が、不正に台間機Cから排出させた場合、同じ台間機Cで使用することは考えにくいので、セキュリティ度を高く維持できる可能性がある。
【0049】
また例えば、使用制限情報を書き込んだ台間機Cを含め、台間機Cでは使用を制限しないが、台間機C以外の精算機、POS等の他の機器Eでは、使用を制限するよう設定することとしても良い。この場合、使用が制限されているのは精算機やPOS等の機器だけであり、台間機Cでは使用できるため、使用制限情報を書き込んだのが過誤であった場合等に、遊技者に迷惑を掛けることは相対的に少なくなる可能性がある。しかしセキュリティ度は低くなり、他人の記録媒体Aを台間機Cから抜き取るゴト行為を見逃してしまう可能性は相対的に高くなることがあり得る。
<
稼働フラグ処理の他の構成例1>
【0050】
図7は前記稼働フラグ処理の別の構成を示すフロー図である。前記
図4では時間計測にタイマー(計時手段)を用いているが、
図7の構成では、時刻を測りその差分を出して計測している。従って、まず管理装置Dは、RAMやハードディスク(HD)等の記憶装置(図示省略)に現在の時刻を記憶する(ステップS41)。次に、現在までのパルス信号の受信回数情報を前記記憶装置に一時的に記憶する(ステップS42)。次に、パルス信号を受けたか否かを判断する(ステップS43)。具体的には、この判断は既に前記記憶装置に記憶されているパルス信号の累計受信回数情報と、現在までのパルス信号の受信回数情報との差分を算出する。
【0051】
算出された差分が0(ゼロ)ならば、パルス信号を受信していないこととなるので、NOに進む。そして、既に前記記憶装置に記憶されている時刻と現在時刻との差分が、予め設定したN秒以上かどうかを判断する(ステップS44)。これがN秒以上だと、YESに進み、稼働フラグをオフにする(ステップS45)。また、N秒未満だとステップS43に戻る。一方、パルス信号の判断(ステップS43)で差分が1以上ならば、YESに進み、稼働フラグをオンにする(ステップS46)。そして、前記記憶装置に記憶されている時刻を現在の時刻に更新記憶する(ステップS47)。また、前記記憶装置に記憶されているパルス信号の累計受信回数情報を現在までのパルス信号の受信回数情報に更新記憶する(ステップS48)。以上の稼働フラグ処理は1秒周期で行う。なお、パルス信号の受信の有無を判断する構成は、この
図7の構成に限らず、上述した
図4の構成でも同様である。
<
稼働フラグ処理の他の構成例2>
【0052】
図8は前記稼働フラグ処理のさらに別の構成を示すフロー図である。上述した
図4及び
図7の構成では、遊技場の開店時(=管理装置Dの起動時)から1秒毎に処理を行っていたが、この
図8の構成では、各遊技機Bから稼働信号であるパルス信号を受信したことを契機に、管理装置Dは処理を開始する。
【0053】
(A)図は、上述した
図4の構成に対応するもので、管理装置Dにおいて、稼働検知状態保持手段16は、遊技機Bからのパルス信号を受信すると(ステップS51)、稼働フラグをオンにし(ステップS52)、タイマーにより計時を開始する(ステップS53)。この計時で、予め設定したN秒を経過したか否かを判断する(ステップS54)。N秒経過していなければ、NOに進み、再度時間経過判断を行う(ステップS54)。N秒経過しているとYESに進み、稼働フラグをオフにする(ステップS55)。以上で終了する。
【0054】
(B)図は、
図7に対応するもので、管理装置Dにおいて、稼働検知状態保持手段16は、遊技機Bからのパルス信号を受信すると(ステップS61)、稼働フラグをオンにし(ステップS62)、その時の現在時刻を記憶する(ステップS63)。記憶装置に既に記憶されている時刻と現在時刻との差分を算出し、算出された差分が、予め設定したN秒以上か否かを判断する(ステップS64)。N秒未満であればNOに進み、再度時間経過判断を行う(ステップS64)。N秒以上経過していれば、YESに進み、稼働フラグをオフにする(ステップS65)。以上で終了する。
【0055】
なお、前記(A)図、(B)図いずれの場合も、この処理の途中で更に、パルス信号を受信した場合は、処理を中止し、再度パルス信号受信のステップから処理を開始する(ステップS51又はステップS61)。
【0056】
なお、本実施例1では、人物検知手段1は赤外線センサーとしているが、これに限らず、個別カメラとしても良い(図示省略)。この個別カメラは、隣接する遊技機Bと遊技機Bの間に設けられた台間機Cの上方に、遊技機B2台に対して1台の割合で配置する。つまり、遊技機Bの上方に配設された呼び出しランプ(図示省略)間に適宜配置する。そしてこの個別カメラは、公知の、人物の顔を検知する機能を備えており、撮像エリア内に入ってきた人物や物体から、顔を検知するようになっている。当該個別カメラが顔を検知した場合は、カメラは管理装置Dに対して検知信号を送出する。この検知信号は、人物を検知している限り継続して送信される。
【実施例2】
【0057】
上記実施例1では、記録媒体Aに使用制限情報を記録し、この使用制限情報が記録された記録媒体Aが台間機Cやその他の機器Eで使用された場合は、記録媒体Aに記録されている使用制限情報を参照して、当該機器で当該記録媒体Aが使用可能か否かを判断することとしていた。
【0058】
これに対して、本実施例2では、記録媒体Aの排出時に参照する使用制限情報を、管理装置Dに当該記録媒体Aの識別情報とともに記憶し、台間機Cから排出された当該記録媒体Aが台間機Cやその他の機器Eでその後使用された場合、管理装置Dに記憶した当該記録媒体Aに関する使用制限情報を参照して、当該機器で当該記録媒体Aが使用可能か否かを判断する構成を示す。
【0059】
実施例2の概略構成図を
図9に示す。上記実施例1と同じ構成については同符号を用い、説明も省略する。また、実施例1の変形例についても同様であるため説明を省略する。
【0060】
台間機Cには、管理装置Dに記憶されている使用制限情報を参照する使用制限情報参照手段21が備えられている。また、管理装置Dには、各記録媒体Aについての使用制限情報を記憶する使用制限情報記憶手段22、使用制限情報保持手段
18を参照して、使用制限情報記憶手段22に使用制限情報を記憶させる記憶制御手段23が備えられている。使用制限情報参照手段21、記憶制御手段23はCPU、判定回路、ソフトウエア等により実現することができる。また、使用制限情報記憶手段22は、例えば、大容量メモリーとして機能するハードディスク(HD)を用いることができる。
【0061】
本実施例2の盗難防止装置の動作を、
図10を参照して説明する。台間機Cは、遊技者による記録媒体Aの返却操作を受け付けると(ステップS71)、管理装置Dに対して当該記録媒体Aの識別情報と共に、返却操作受付信号を送出する(ステップS72)。管理装置Dが通信手段20を介してこれらの信号を受信すると、管理装置Dの記憶制御手段23は、その時に使用制限情報保持手段18に記憶されている、受信した識別情報に係る記録媒体Aの使用制限情報を参照して、(ステップS73)、その結果を当該記録媒体Aの識別情報と関連付けて、使用制限情報記憶手段22に記憶する(ステップS74)。また、台間機Cに対して処理終了の旨の通知を送信する(ステップS75)。処理終了の旨の通知を受信した台間機Cは、記録媒体Aを返却する(ステップS76)。具体的には、台間機Cの書込制御手段9は、台間機C内に保持されている記録媒体Aに、台間機C内の持玉情報記憶手段5に記憶されている持玉情報があればそれを記憶させ、残金情報記憶手段6に残金情報が記憶されていれば、残金情報を記憶させ、記録媒体Aを排出する。
【0062】
上記処理において排出された記録媒体Aが、当該記録媒体Aを排出した台間機C、他の台間機C又は遊技場に配設されているその他の機器E(精算機、POS等)に対して使用される(各機器において記録媒体Aが検知される)と、当該機器は、それぞれ有している使用制限情報参照手段21を用いて管理装置Dの使用制限情報記憶手段22にアクセスし、当該記録媒体Aに関連付けて記憶されている使用制限情報を参照する。そして記憶されている使用制限情報に応じて、所要の処理を行う。なお、管理装置Dの使用制限情報記憶手段22が更新されると、所定のタイミングで各機器に対して使用制限情報を送信し、当該各機器は受信した使用制限情報を記憶する構成とし、記録媒体Aが当該各機器で使用された(各機器において記録媒体Aが検知された)場合、当該各機器は自身が記憶している使用制限情報を参照し、当該記録媒体Aに対して所要の処理を行う構成としても良い。
【0063】
具体的には、当該機器に対して使用を制限する(使用できない)ように使用制限情報記憶手段22に記憶されている場合は、当該機器は、使用制限処理手段12により、当該記録媒体Aを返却したり、当該記録媒体Aに使用制限が付加されていることを従業員のインカムや管理装置D等に報知したりする。その他、当該機器において警告音を発報したり、備えられているランプ(図示省略)を点灯・点滅させるなどの処理を行ったりすることとしても良い。なお、管理装置Dで、報知を行った機器の識別情報及び報知を行った時刻を記憶する構成としても良い。
【0064】
また、遊技場内に配設されているセキュリティカメラ等の撮像手段(図示省略)に、当該記録媒体Aが検知された当該機器をズームして撮影するように指令を送る。なお、管理装置Dで、当該撮像手段が撮像した映像を記憶する構成としても良い。このような構成とすれば、記録媒体を第三者が不正に台間機から排出させ、使用しようとした場合、当該記録媒体の使用が制限され、適切な処置を採ることが可能である。
【0065】
なお、上記実施例1及び2では、遊技機をパチンコ機で説明したが、この発明は、スロットマシン等他の遊技機にも適用できる。また、上記実施例1、2では、人物を検知するためのセンサー、カメラ
を台間機Cに設けたり、呼び出しランプ間に設けたりした構成としたが、これに限定されるものではなく、遊技機Bの前方に人物が存在することを検知できる位置であればどこに設けても良い。例えば、遊技機Bの上方に配設されている呼び出しランプ内や遊技機島(図示省略)の幕板等に設けることもできるし、遊技機B本体に内蔵させても良い。
【0066】
また、上記実施例1及び2では、稼働検知手段3としてアウトボックスを示し、アウトボックスから送出されるパルス信号(いわゆる打玉信号)を用いる構成を示したが、この構成に限定されるわけではない。例えば、稼働検知手段3は、入賞によって遊技機Bから払い出された遊技媒体数を示す出玉信号を受信する出玉信号受信手段(図示省略)とすることができる。当該出玉信号受信手段で出玉信号を受信したときは、遊技機Bが
稼働していると判断できる。すなわち、
稼働検知手段3は遊技機Bが稼働していること(遊技がなされていること)を検知可能なものであれば良い。
【0067】
また、上記実施例1及び2では使用制限情報保持手段18に最新の判定結果を更新して保持し、返却操作受付信号を受信すると、使用制限情報参照手段19は、その時に使用制限情報保持手段18に記憶されている使用制限情報を参照する構成を示したが、この構成に限定されるわけではない。例えば、返却操作受付信号と記録媒体の識別情報とを受信すると、管理装置Dの使用制限付加判定手段17は、当該記録媒体Aについて使用制限を付加するか否かの判定を行う構成とする。つまり、使用制限付加判定手段17は、返却操作受付信号を受信したときに、使用制限を付加するか否かの判定を行う構成である。
【0068】
また、上記実施例1及び2では、使用制限付加判定の結果、使用制限を付加すると判定された場合、記録媒体Aに使用制限情報を書き込む、あるいは使用制限情報記憶手段22に当該記録媒体の識別情報とともにその旨を記憶する構成を示した。しかし、この構成に限定されるものではない。例えば、使用制限付加判定の結果、使用制限を付加すると判定された場合には、従業員が所持するインカム又は管理装置Dに別途設けた表示装置の少なくとも一方に、当該記録媒体Aの識別情報、当該記録媒体Aが使用制限を付加された旨、当該記録媒体Aが挿入されていた機器の識別情報等を報知する、あるいは遊技場内に配設されているセキュリティカメラ等の撮像手段に、使用制限を付加すべきと判定された記録媒体Aが挿入されている台間機Cをズームして撮影するように指令を送る構成としても良い。
【0069】
このような構成とすれば、使用制限を付加すると判定したのが過誤であった場合等でも、遊技者は当該記録媒体Aを自由に使用でき、遊技者に迷惑を掛けることがない。
【0070】
なお上記実施例1及び2では、記録媒体Aを台間機CやPOS、精算機等のその他の機器E等に挿入する形式であることを想定して説明したが、この構成に限定されるものではなく、記録媒体Aと台間機Cやその他の機器Eとが電気的、磁気的に通信可能な構成であればよい。例えば、記録媒体Aを台間機Cやその他の機器Eに近接させて、台間機C、その他の機器Eが記録媒体Aを受け付け、記録媒体Aから情報を読み取り、記録媒体Aに情報を書き込む形式であっても良い。この場合、例えば実施例1に示したような記録媒体Aに使用制限情報を書き込む構成では、記録媒体Aに残金情報や持玉情報又はこれらを特定可能な情報を書き込む際に使用制限情報を書き込むように構成することが出来る。
【0071】
さらに、上記実施例1及び2において、台間機C、その他の機器Eから排出される記録媒体が、台間機C、その他の機器Eに受け付けさせた記録媒体Aとは異なる記録媒体である、例えばレシートである場合は、当該レシートに印字するバーコード等に使用制限情報を記録する構成としても良いし、レシートの発行番号等、当該レシートを特定可能な情報と使用制限情報とを関連付けて、台間機C、その他の機器Eといった機器側に記憶させる構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【
図1】この発明の実施例1の盗難防止装置の概略構成図である。
【
図2】この発明の実施例1の盗難防止装置の遊技機、台間機、計数機の外観構成の概略を例示した模式図である。
【
図3】この発明の実施例1の盗難防止装置の人物検知手段によるセンサーフラグの処理を示すフロー図である。
【
図4】この発明の実施例1の盗難防止装置の稼働検知手段による稼働フラグの処理を示すフロー図である。
【
図5】この発明の実施例1の盗難防止装置の使用制限付加判定における各検知及びフラグのタイミングチャート図である。
【
図6】この発明の実施例1の盗難防止装置の動作フロー図である。
【
図7】この発明の実施例1の盗難防止装置の稼働検知手段による稼働フラグの処理を示す他のフロー図である。
【
図8】(A)図及び(B)図とも、この発明の実施例1の盗難防止装置の稼働検知手段による稼働フラグの処理を示す、さらに他のフロー図である。
【
図9】この発明の実施例2の盗難防止装置の概略構成図である。
【
図10】この発明の実施例2の盗難防止装置の動作フロー図である。
【符号の説明】
【0073】
A 記録媒体 B 遊技機
C 台間機 D 管理装置
E その他の機器
1 人物検知手段 2 通信手段
3 稼働検知手段 4 計数機
5 持玉情報記憶手段 6 残金情報記憶手段
7 返却操作手段 8 返却制御手段
9 書込制御手段 10 記録媒体検知手段
11 使用制限情報参照手段 12 使用制限処理手段
13 残金情報記憶手段 14 持玉情報記憶手段
15 人物検知状態保持手段 16 稼働検知状態保持手段
17 使用制限付加判定手段 18 使用制限情報保持手段
19 使用制限情報参照手段 20 通信手段
21 使用制限情報参照手段 22 使用制限情報記憶手段
23 記憶制御手段