(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記位置決め手段が、前記表示体と表示体の設けられる部位とのいずれか一方に設けた凸部と、他方に設けた凹部とから成り、凸部と凹部の少なくとも一方が高さ方向に変位することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の蛇口直結型浄水器。
前記表示体が係合部を有し、前記表示体の設けられる部位が被係合部を有し、前記被係合部に前記係合部より大きい切り欠きを有し、前記表示体の係合部を前記切り欠きを通じて前記表示体の設けられる部位に取り付けまたは取り外しすることにより、前記表示体の設けられる部位からの表示体の着脱を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の蛇口直結型浄水器。
前記表示体が、大きさが2種類以上の複数の係合部を有し、前記表示体の設けられる部位の被係合部が、大きさが2種類以上の複数の切り欠きを有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の蛇口直結型浄水器。
【背景技術】
【0002】
従来、浄水器におけるカートリッジは、使用による濾過性能の低下に対応するために交換可能に構成されているが、使用者自身が交換時期を適切に判断することが難しいことから、カートリッジの交換時期を表示する表示体を設けた浄水器が提供されている。
【0003】
例えば、特許文献1に示された浄水器は、本体あるいはカバーにカートリッジの交換時期を表示するための回転あるいはスライド自在に移動可能な表示体を備えている。新しいカートリッジを浄水器に装着する際に、表示体を移動調整して、使用開始時期あるいは使用終了時期を設定することにより、常時、カートリッジの交換時期を目視できるようになっている。そして、本体及び表示体に互いに嵌合する凹凸が設けられ、カバーを外すときにしか表示体が回転しないようになっている。
【0004】
また、特許文献2に示された浄水器においては、回動操作可能な表示体を用いて浄水器本体の上面の窓部にカートリッジを交換すべき時期を表示しており、表示体が汚れにくくなるように表示体の配置も配慮してある。
【0005】
あるいは、特許文献3に示された浄水器においては、カートリッジの寿命を表す指標である浄水使用量をインジケータで検知し、LCDに表示することで、カートリッジの交換時期を使用者に知らせるようにしてある。
【0006】
しかし、特許文献1に示された浄水器は、表示する時期の変更を忘れたときや間違えたときに、表示する時期を変更するためにわざわざカバーを外さなければならず面倒であるという問題があった。
【0007】
特許文献2に示された浄水器においては、表示体が汚れにくくなるような配慮はされているが、表示体が汚れてしまった場合の配慮がなされていない。また表示体が浄水器本体内部にあるため、表示体を取り外すことが困難である。
【0008】
特許文献3に示された浄水器においては、浄水使用量をインジケータで検知し、LCDに表示するため、浄水器使用者の家族構成に関わらずカートリッジの交換時期を適切に判断出来るが、浄水使用量を検知するインジケータや、浄水使用量を表示するためのLCD、これらを作動させるための電源を必要とするため、浄水器のコストを押し上げてしまうという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑み、安価であり、カートリッジを装着し浄水器を組み立て蛇口に取り付けた状態において容易に操作できて、汚れてしまった場合においても容易に掃除ができる、カートリッジ交換時期をわかりやすく表示するための表示体を備えた蛇口直結型浄水器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本発明は下記の構成から成る。
【0012】
すなわち、蛇口に直接取り付け可能な浄水器本体と、前記浄水器本体に着脱自在なカートリッジとを備えた蛇口直結型浄水器において、前記カートリッジの交換時期を表示するための表示体と、前記表示体の位置決め手段とを備え、前記表示体は外面に露出しており、前記浄水器本体にカートリッジを装着し前記蛇口直結型浄水器を組み立て蛇口に取り付けた状態において、前記表示体を操作可能とする。
【0013】
ここで、前記浄水器本体は、前記カートリッジを固定する着脱可能なカバーを備え、前記カバーを取り付けた状態においても、前記表示体を操作可能とすると好ましい。
【0014】
また、前記表示体が、前記浄水器本体の前記カバー取り付け端部と前記カバーとの間に設けられていると好ましい。
【0015】
また、前記表示体が、前記浄水器本体と前記カートリッジとの間に設けられていると好ましい。
【0016】
また、前記浄水器本体は、前記浄水器本体を蛇口に取り付けるための部材を備え、前記表示体が、前記浄水器本体上面かつ蛇口に取り付けるための部材の直下に設けられていると好ましい。
【0017】
また、前記表示体がリング状あるいはリング状の一部を切り欠いた形状であり、前記表示体の内径が前記蛇口に取り付けるための部材の外径よりも大きいと好ましい。
【0018】
また、前記浄水器本体は、前記浄水器本体を構成する部材の中に着脱可能な部材を備え、前記表示体が前記着脱可能な部材に備えられており、前記着脱可能な部材を装着した状態においても前記表示体が操作可能であると好ましい。
【0019】
また、前記着脱可能な部材が、前記浄水器本体を蛇口に取り付けるための部材であると好ましい。
【0020】
また、前記表示体が、前記カートリッジに設けられると好ましい。
【0021】
また、前記位置決め手段が、前記表示体と表示体の設けられる部位とのいずれか一方に設けた凸部と、他方に設けた凹部とから成り、凸部と凹部の少なくとも一方が高さ方向に変位すると好ましい。
【0022】
また、前記表示体が回動可能であると好ましい。
【0023】
また、前記表示体が、所定の回転位置のみで前記表示体の設けられる部位から着脱できると好ましい。
【0024】
また、前記表示体が係合部を有し、前記表示体の設けられる部位が被係合部を有し、前記被係合部に前記係合部より大きい切り欠きを有し、前記表示体の係合部を前記切り欠きを通じて前記表示体の設けられる部位に取り付けまたは取り外しすることにより、前記表示体の設けられる部位からの表示体の着脱を行うと好ましい。
【0025】
また、前記表示体が、大きさが2種類以上の複数の係合部を有し、前記表示体の設けられる部位の被係合部が、大きさが2種類以上の複数の切り欠きを有すると好ましい。
【0026】
また、前記カートリッジの交換時期を指示する複数の合いマークを備えると好ましい。
【0027】
また、前記複数の合いマークがカートリッジの交換時期のみを指示すると好ましい。
【0028】
また、前記表示体が、設けられている蛇口直結型浄水器用カートリッジも好ましい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、浄水器本体にカートリッジの交換時期を表示するための表示体と、表示体の位置決め手段を設け、表示体は外面に露出しており、浄水器本体にカートリッジを装着し浄水器を組み立て蛇口に取り付けた状態においても表示体を操作可能にしているので、使用者が、表示体を直接視認しやすく、表示する時期の変更を忘れたときや間違えたときにでも、浄水器を蛇口から取り外したり、分解したりすることなく表示する時期を変更することが可能となる。また、表示体は外面に露出しているので、汚れた場合ふき取り掃除などがしやすい。
【0030】
また、浄水器本体は、カートリッジを固定する着脱可能なカバーを備え、カバーを取り付けた状態においても、表示体を操作可能としているので、表示する時期の変更を忘れたときや間違えたときにでも、カバーを取り外すことなく表示する時期を変更することが可能となる。
【0031】
また、表示体が、浄水器本体のカバー取り付け端部と前記カバーとの間に設けられているので、表示体を操作中に、表示体が浄水器本体から外れることがなく、安定した操作性を得ることができる。
【0032】
また、表示体が、浄水器本体とカートリッジとの間に設けられていると、表示体を操作中に、表示体が浄水器本体から外れることがなく、安定した操作性を得ることができる。
【0033】
また、浄水器本体は、浄水器本体を蛇口に取り付けるための部材を備え、表示体が、浄水器本体上面かつ蛇口に取り付けるための部材の直下に設けられているので、表示体を直接視認しやすい。
【0034】
また、浄水器本体上面かつ蛇口に取り付けるための部材の直下に設けられた表示体が、リング状あるいはリング状の一部を切り欠いた形状であり、表示体の内径が前記蛇口に取り付けるための部材の外径よりも大きいため、浄水器を蛇口から取り外すことなく、表示体を持ち上げて洗浄可能である。
【0035】
また、浄水器本体は、浄水器本体を構成する部材の中に着脱可能な部材を備え、表示体が着脱可能な部材に備えられており、着脱可能な部材を装着した状態においても表示体が操作可能であるため、着脱可能な部材を浄水器本体に取り付けた状態においても表示する時期を変更することが可能となる。また、表示体が浄水器本体から着脱自在な部材と共に取り外し可能となるため、表示体が汚れた場合でも、取り外して洗浄できる。さらに、カートリッジの交換時期を表示する機能の付与・削除を着脱可能な部材の交換のみで行うことができるし、表示体取付け部が故障しても表示体の備えられた着脱可能な部材を交換するだけで回復できる。
【0036】
また、着脱可能な部材が、浄水器本体を蛇口に取り付けるための部材であると、カートリッジの交換時期を確認しやすくなる。
【0037】
また、表示体が、カートリッジに設けられているとカートリッジの交換時期の変更を忘れにくくなる。
【0038】
また、表示体の位置決め手段を、表示体と表示体の設けられる部位のいずれか一方に設けた凸部と、他方に設けた凹部で構成し、凸部と凹部の少なくとも一方を高さ方向に変位させることで、表示体の良好な位置決め性と操作性が得られる。
【0039】
また、表示体を回動可能とすることで操作が容易になる。
【0040】
また、表示体が、所定の回転位置のみで表示体の設けられる部位から着脱できることで、表示体が表示体の設けられる部位から容易に外れないようになる。
【0041】
また、表示体に係合部、表示体の設けられる部位に被係合部を設け、被係合部に係合部より大きい切り欠きを設けることで、表示体が表示体の設けられる部位から着脱自在となり、かつ表示体が表示体の設けられる部位から容易に外れないようになっている。
【0042】
さらに、表示体に大きさが2種類以上の複数の係合部、表示体の設けられる部位の被係合部に大きさが2種類以上の複数の切り欠きを設けることで、より表示体が表示体の設けられる部位から容易に外れ難くなり、落下による表示体の紛失や破損のリスクを低減することができる。
【0043】
また、カートリッジの交換時期を指示する複数の合いマークを備えているため、複数の家族構成に対応したカートリッジの交換時期を表示できる。
【0044】
また、複数の合いマークがカートリッジの交換時期のみを指示すると、表示時期の見間違いを起こしにくくなる。
【0045】
また、表示体が、設けられているカートリッジでは、カートリッジの交換時期の変更を忘れにくくなる。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下に本発明の実施形態を図を用いて説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、上記本発明の目的を達成できるものであれば良い。
【0048】
本発明の実施形態を
図1に示す。浄水器1は、浄水器本体2の右側方に水流の切換レバー3が配置され、切換レバー3の後方にカートリッジ4を覆う着脱可能な円筒状カバー5が配置され、浄水器本体2及びその構成部材の1つである円筒状カバー5の内部には、円柱形のカートリッジ4が配置されている。浄水器本体2の外周面で、かつ浄水器本体2の円筒状カバー取り付け端部と円筒状カバー5の間には、カ−トリッジ交換時期を表示可能な交換時期表示体6(表示体)が浄水器を蛇口に取り付けた状態においても操作可能でかつ外面に露出するように配置されている。浄水器1は、蛇口の先端に回転リング7(浄水器本体を蛇口に取り付けるための部材)を用いてねじ固定される。交換時期表示体6は浄水器を蛇口に取り付けた状態においても操作可能にしているので、表示する時期の変更を忘れたときや間違えたときにでも、浄水器を蛇口から取り外したり、分解したりすることなく表示する時期を変更することが可能となる。また、交換時期表示体6が外面に露出しているので、使用者が表示体を直接視認しやすし、汚れた場合ふき取り掃除などがしやすい。
【0049】
なお、ここでいう浄水器本体2とは、カートリッジ4以外の、継続的に使用される組立体であり、水流切換機構を内蔵し、蛇口に接続するための蛇口接続部8(浄水器本体を蛇口に取り付けるための部分)、円筒状カバー5など脱着可能な部材を有する。
【0050】
浄水器本体2は、
図1及び
図2に示すように、円筒状カバー5の中心軸が水平方向になるように配置されると共に、蛇口接続部8の中心軸が垂直方向になるように配置されるようにすると、使用するにあたって、浄水器の上下方向を小さくしてコンパクトな構成とすることができる。
【0051】
カートリッジ4は、成形加工性が良く強度も高いABS樹脂製の有底円筒形状を有するハウジング内に、活性炭等の吸着材と中空糸膜を充填したものである(図示省略)。カートリッジ4の底部には、管状の原水通水入口9、管状の浄水通水出口10が設けられており、浄水器本体2との接続部での水漏れを防止するためパッキン11が設けられている。パッキン11には、Oリングのような断面が円形のものや、角形のものなどが使用できる。
【0052】
カートリッジ4の交換は、円筒状カバー5を浄水器本体2の円筒状カバー取り付け端部から取り外すことで可能となる。なお、浄水器本体2の円筒状カバー取り付け端部への円筒状カバー5の接続方法は、脱着が容易なバヨネット構造としているが、ねじ固定構造やパチンと嵌る嵌着構造でもよい。また、交換時期表示体6は、円筒状カバー5を取り付けた状態においても操作可能としているので、表示する時期の変更を忘れたときや間違えたときにでも、円筒状カバー5を取り外すことなく表示する時期を変更することが可能となる。
【0053】
カートリッジ4は、内部の中空糸膜を見て、その汚れ具合が確認できるように、ハウジングの一部あるいは全部を透明ABS樹脂とするのが好ましい。アクリル樹脂やポリスチレン、AS樹脂などでも良い。
【0054】
次に、カ−トリッジ4の交換時期を表示する交換時期表示体6およびその表示機構、位置決め手段、係合・取り外し機構について詳細に説明する。
【0055】
まず、交換時期表示体6およびその表示機構を説明する。
【0056】
交換時期表示体6は、回動可能とすると操作が容易になる。さらに、交換時期表示体6の形状をリング形状にすると操作が容易になり好ましい。もちろん、表示する時期を変更するための操作としては、回動によるものだけでなく、例えば(往復動作を含む)直線的な直動、スライド動作によるものであってもよい。
【0057】
交換時期表示体6はリング状で、浄水器本体2の円筒状カバー取り付け端部と円筒状カバー5の間に配置されている。交換時期表示体6が浄水器本体2の円筒状カバー取り付け端部と円筒状カバー5の間に配置されているので、浄水器の使用中に交換時期表示体6を操作しても浄水器本体2から交換時期表示体6が外れることがなく、安定した操作性を得ることができる。外周面には表示部13として「1 2 (省略) 12 」と月単位の交換時期の文字(数字)を印刷したシールを貼り付けてある。表示部13は交換時期表示体6への印刷や刻印で設けてもよい。このような簡易な交換表示体であるので、LCDによる表示などよりはるかに安価に製造することができる。交換時期表示体6は回動可能であり、任意の位置に停止することができる。浄水器本体2に設けた合いマーク12が1〜12の数字を指し示すようにすることができる。ここで言う合いマーク12とは、カートリッジの交換時期を指示する印のことをいう。これによって使用者はカートリッジの交換時期を常に見て取ることができ、交換時期を忘れることがない。
図1には1月を指し示した状態を記載した。蛇口直結型浄水器のカートリッジ4の使用期間は約2〜3ヶ月と短期間のため、
図1のように月単位ではなく、
図3に示すように「1/10 1/20 1/30 (省略) 12/20 12/30」や「1 ・ ・ 2 ・ ・ (省略) ・ ・ 12 ・ ・」というように10日単位で表示した方が、カートリッジの交換時期がより明確になり好ましい。
【0058】
合いマーク12の近傍に、「カ−トリッジ交換時期」、「次回交換時期」、「交換時期」等の補足文字を印刷、刻印やシ−ル等でその付近に設ければ、表示を補足してより分かり易くなり、機能性を高めることができる。
【0059】
合いマーク12の形状としては、合わせやすいように三角を用いた。矢印や丸、「−」、四角等でもよい。大きさについては小さ過ぎると確認し難くなり、大きすぎると指示するところがわかりにくくなるため、カートリッジ4の交換時期を表示する文字に対して50〜150%の大きさが好ましい。浄水器本体2の外壁に凹凸を形成して合いマーク12を設けても良いが、シールや印刷等を用いて浄水器の外壁とは異なる色で合いマークを表示すると確認し易くなり好ましい。浄水器本体2の外壁に凹凸を設けた上に印刷を用いて浄水器本体2の外壁とは異なる色で合いマーク12を表示すると、さらに確認し易くなりより好ましい。
【0060】
合いマーク12の配置は、浄水器本体2を蛇口の先端に取り付けた際に、使用者から最も見やすくなるように、浄水器本体2の上面に配置した。また、合いマーク12の配置を浄水器本体2の上面かつ浄水器1を蛇口に取付けた際に使用者から見て手前方向になるようにすると、さらに確認しやすくなり好ましい。
【0061】
本実施形態では、交換時期表示体6にカートリッジの交換時期の文字をシールや印刷、刻印により設け、浄水器本体2に合いマークを設けたが、逆に交換時期表示体6に合いマークを、浄水器本体2にカートリッジの交換時期の文字を設ける別の実施形態も可能である。特に交換時期表示体6を直動操作する場合には、この逆のケースの方が、交換時期表示体6をコンパクトに構成できる。この直動操作での交換時期の表示は、例えば、次のような構成で実現できる。浄水器本体2に直線部を有する部分を形成し、その部分に直線状の溝を設け、溝の近傍の浄水器本体2外面に、溝の長手方向に沿って、交換時期の複数の文字を印刷する。一方、交換時期表示体6はその長さを溝の長手方向長さより短くし、その表面には合いマークを印刷すると共に、溝にパチンと嵌着できる形状寸法とする。溝の内側側面に交換時期の文字に対応して複数の凹部を設け、交換時期表示体6外側側面には、その凹部に係合する凸部を設ける。交換時期表示体6を溝にパチンと嵌め込んで、溝の長手方向にスライドさせることにより、クリック感を持って、交換時期表示体6を位置決めし、交換時期を表示することができる。
【0062】
また、本実施形態では、交換時期表示体6に、カートリッジの交換時期の文字を表示したが、カートリッジ寿命が明らかにわかっている場合には、表示する文字をカートリッジの開始時期とすることにより、結果としてカートリッジ交換時期を使用者に示すことも可能である。
【0063】
次に、交換時期表示体6の位置決め手段について説明する。
【0064】
図4は交換時期表示体6を示した図であり、
図5および
図6は浄水器本体2の交換時期表示体6設置部分(表示体の設けられる部位)を示した図である。
図4に示すように、交換時期表示体6の内周面には、10°間隔に36個の凹部14が設けられている。凹部14は断面が略半円上であり、後述の凸部15と係合するようになっている。一方、
図5、
図6に示すように、浄水器本体2の交換時期表示体6設置部分に設けた凸部15は凹部14とほぼ同じ半径の略半円状であり、その周囲はコの字型に切り欠いてある。すなわち、コの字型の内側が板バネ状部16となっていて、凸部15はその高さ方向に変位可能になっている。交換時期表示体6の凹部14の1つに浄水器本体2の凸部15が係合した状態から、交換時期表示体6を回転させると、凸部15は沈み込むように変位して凹部14から外れる。交換時期表示体6を10°回転させたところで次の凹部14に嵌り込む。この瞬間に、「カチッ」という感触が、回転操作した使用者に感じられる。凹部14と凸部15が係合する位置で、合いマーク12が表示部13の数字または各数字の間を指すようになっている。このようにして使用者は算出したカートリッジの交換時期が合いマーク12の指し示す位置にくるように、交換時期表示体6を回転して合わせ、位置決めすることができる。浄水器本体2の円筒状カバー取り付け端部に円筒状カバー5を取り付けた状態でも交換時期表示体6を回転可能としているので、使用者は容易に交換時期表示体6を回転させることができ、「カチッ」という明確な感触を得ながら停止させることができる。このとき交換時期表示体6の凹部14と浄水器本体2の凸部15が係合しているので交換時期表示体6がずれてしまうことがない。
【0065】
本実施形態は、交換時期表示体6に凹部14、浄水器本体2の交換時期表示体6設置部分に凸部15を設けているが、交換時期表示体6に凸部、浄水器本体2の交換時期表示体6設置部分に凹部を設けてもよい。この場合、凹部14が高さ方向に変位することになる。
【0066】
浄水器本体2の交換時期表示体6設置部分の凸部15については、別部材として金属の板バネや、鋼球とバネを組み合わせたものを用いてもよいが、本実施形態のように浄水器本体2の交換時期表示体6設置部分に板バネ状部16を一体成形すると部材点数少なくすることができ、コスト安でしかも組立が容易になるため好ましい。
【0067】
さらに、交換時期表示体6の係合・取り外し機構について説明する。
【0068】
図4に示すように、交換時期表示体6の内周面には部分的に縮径した一対の係合部17が設けられている。
図5、
図6に示す浄水器本体2の交換時期表示体6設置部分の被係合部18に摺動可能に引っかかっているので交換時期表示体6を浄水器本体2の交換時期表示体6設置部分から外そうとしても容易に外れないようになっている。被係合部18に係合部17よりわずかに大きい切り欠き19を一対設けることで、所定の回転位置のみで交換時期表示体6を浄水器本体2の交換時期表示体6設置部分から着脱することができる。これにより、交換時期表示体6に、飛散水が付着してカビや雑菌が繁殖して美観を著しく損ねた場合でも、交換時期表示体6を取り外して洗浄可能となる。
【0069】
本実施形態は、交換時期表示体6をリング状としているが、
図7に示すようなリングの一部を切り欠いたような形状でもよい。
【0070】
図4に示すように交換時期表示体6の係合部17を2箇所に設け、かつ大きさを異なった2種類とし、これに対応するように浄水器本体2の切り欠き19を2箇所に設け、かつ大きさを2種類にすることで、係合部17と切り欠き19のそれぞれの大きさの対応する箇所でしか交換時期表示体6が外れなくなるため、交換時期表示体6が浄水器本体2の交換時期表示体6設置部分から容易に外れ難くなり、落下による交換時期表示体の紛失や破損のリスクを低減することができる。
【0071】
係合部17は1つでもよいが、本実施形態のように2つ以上あれば、回転が安定し好ましい。2つの場合は180°ごと、3つの場合は120°毎といったように均等に配置するとさらに回転が安定して、より好ましい。
【0072】
本実施形態は、
図4および
図5に示すように、被係合部18に交換時期表示体6の係合部17よりもわずかに大きい切り欠き19を設けているが、
図8および
図9に示すように、浄水器本体2の交換時期表示体6設置部分の被係合部22の大きさを交換時期表示体6の係合部20よりも小さくして、係合部20に被係合部22よりもわずかに大きい切り欠き21を設けてもよい。
【0073】
上記実施形態では、交換時期表示体6は、浄水器本体2の円筒状カバー取り付け端部と円筒状カバー5の間に配置されているが、円筒状カバーの有無に関わらず、交換表示体が、位置決め手段を備え、外面に露出しており、浄水器本体にカートリッジを装着し蛇口直結型浄水器を組み立て蛇口に取り付けた状態において、交換時期表示体を操作可能としたものであれば、どこに配置されていてもよい。ここで「外面に露出」とは、交換表示体の表示部が、それの設けられた部位において、別の部材・部品を外すことなく、視認可能であることを意味する。交換時期表示体は、後述するように、例えば浄水器本体上面や前面、浄水器本体端面部、蛇口接続部(浄水器本体を蛇口に取り付けるための部分)直下の浄水器本体外面、浄水器本体とカートリッジの間、浄水器本体を構成する部材の中の着脱可能な部材(前記円筒状カバーを含む)の外面、もしくはカートリッジなどの外面(カートリッジの上面外周、カートリッジの側面外周など)に露出するように配置されても良い。なお、上記の「蛇口接続部直下」には、蛇口接続部の周縁下方や斜め下近傍などの位置も含むものとする。
【0074】
図4〜
図9を用いて説明された交換時期表示体の表示機構、位置決め手段、交換表示体の設けられる部位との係合・取り外し機構は、交換時期表示体がどこに配置されても適用することができる。
【0075】
図10、
図11には、交換時期表示体24を浄水器本体23の上面の蛇口接続部直下の浄水器本体外面に露出するように配置した実施形態を図示した。この場合、使用者が交換時期表示体を正面から見ることになり、より視認しやすい。浄水器25は、カートリッジ27を取り付けるための円筒状カバー5を用いず、バヨネット構造あるいはネジ固定構造を用いて浄水器本体23にカートリッジ27を取り付ける。交換時期表示体24は、浄水器本体23の上面に着脱可能で且つ、浄水器本体を蛇口の取り付けた際に蛇口の吐水口の軸心に対して回動可能に配置している。
【0076】
交換時期表示体24をリング状あるいはリング状の一部を切り欠いた形状にして、交換時期表示体24の内径を回転リング28の外径よりも大きくすると、浄水器本体23を蛇口から取り外すことなく交換時期表示体24を持ち上げることができ、交換時期表示体24等が汚れた際にも容易に掃除ができるためより好ましい。
【0077】
図14、
図15には、交換時期表示体が浄水器本体とカートリッジの間に設けられている実施形態を示す。これらの場合、カートリッジを浄水器本体に取り付けるバヨネット構造やネジ固定構造による接続部分の外面に露出するように、かつ回動可能に交換時期表示体31が設けられている。
図14はカートリッジの軸が鉛直方向の形態であり、
図15は、カートリッジの軸が水平方向の形態である。いずれの形態においても、バヨネット構造やネジ固定構造の接続部分は外面形状が円柱形状であり、その外周面が、リング状をした交換時期表示体31の設置部分(表示体の設けられる部位)となっている。交換時期表示体31を設置するので、前記接続部分は、通常より少し長さを伸ばすことが好ましい。交換時期表示体31はカートリッジを外した状態で、接続部分に嵌め込み・設置し、その後カートリッジを接続する。交換時期表示体31と前記接続部分と位置決め機構、係合・取り外し機構としては、
図4〜
図9で示されたような機構を、双方が嵌め合う円周面に設けることができる。いずれの形態も浄水器本体とカートリッジの間に交換時期表示体31があるので、浄水器の使用中に交換時期表示体を操作しても交換時期表示体が外れることがない。
【0078】
図16〜
図21には、浄水器本体を構成する部材の中で着脱可能な部材に交換時期表示体を配置した場合の実施形態を示す。交換時期表示体を着脱可能な部材に配置することで、カートリッジの交換時期を表示する機能の付与・削除を着脱可能な部材の交換のみで行うことができる。また、交換時期表示体取付け部が故障しても交換時期表示体の備えられた着脱可能な部材を交換するだけで回復できる。また、交換時期表示体が浄水器本体から着脱自在な部材と共に取り外し可能となるため、交換時期表示体が汚れた場合でも、取り外して洗浄できる。さらに交換時期表示体を、
図4〜
図9で示されたような機構で、着脱可能な部材に係合・取り外し可能とすれば、交換時期表示体を取り外して、細部まで洗浄できる。なお、ここで言う着脱可能な部材とは、ドライバー等の工具を用いること無く、ねじ固定構造やバヨネット構造等を用いて着脱可能な部材の事を言う。
【0079】
ここで示す
図16〜
図19は、交換時期表示体を、前記円筒状カバーを取り付けた状態においても操作可能とした実施形態の例でもある。
【0080】
図16においては、交換時期表示体33はリング状で、円筒状カバー35の取り付け側端部に配置されている。交換時期表示体33は、円筒状カバー35に対して回動可能とすると操作が容易になる。さらに、交換時期表示体33の形状をリング形状にすると操作が容易になり好ましい。
【0081】
図16は交換時期表示体33は、円筒状カバー35の取り付け側端部に配置している実施形態であるが、
図18は、円筒状カバー35の反対側の端部に配置している実施形態である。詳細には図示しないが、
図19に示される交換時期表示体33と円筒状カバー35とが嵌め合い・係合する双方の円周面に、
図4〜
図6で示されたような凹部と凸部があり、交換時期表示体33は回動・位置決めされると共に、
図4〜
図9で示されたような係合部ならびに、被係合部と切り欠きがあって、双方は係合と取り外しができる。
【0082】
また、交換時期表示体は円筒状カバー以外に、
図20、
図21の実施形態に示すように蛇口接続部の回転リング37(浄水器本体を蛇口に取り付けるための部材)に配置してもよい。この実施形態の交換時期表示体36と回転リング37との位置決め機構、係合・取り外し機構としては、ここでも上記と同様に、
図4〜
図9で示されたような機構を、双方が嵌め合う円周面に設けることができる。
図20のように交換時期表示体36が回転リング37に配置されていると、浄水器の上面にカートリッジの交換時期が表示されることになるため見やすく、好ましい。
【0083】
上記以外にも、例えば浄水器本体内部を点検できる浄水器本体ボディ外面に設けられる着脱可能な蓋などがある場合、その蓋に交換時期表示体を配置することも可能であり、浄水器本体を構成する部材の中で着脱可能な部材であればどんな部材であっても、それに交換時期表示体を配置しても良い。
【0084】
さらに、図示はしないが、別の実施形態として、交換時期表示体が、浄水器本体端面部に配置されることも好ましい。この実施形態では、より交換時期表示体の操作がしやすくなる。この場合、例えば交換時期表示体が、
図19のように、係合するための短い円筒部を有する円盤状(有底筒状の形状)で、上述のような位置決め機構、係合・取り外し機構を円筒部内面に有するものであってもよい。交換時期表示体がこのような円盤状であると、交換時期表示体を浄水器本体端面部に取り付ける場合に配置しやすい。
【0085】
また、
図22、
図23には、交換時期表示体39をカートリッジ38に配置した実施形態を示す。交換時期表示体39をカートリッジ38に配置することで、カートリッジの交換時期を表示する機能の付与・削除をカートリッジの交換のみで行うことができる。また、カートリッジの交換の際に、交換時期表示体39が使用者の視野に入るため、カートリッジの交換時期の変更を忘れにくくなる。
【0086】
浄水器本体40に対して着脱可能な円柱形のカートリッジ38に交換時期表示体39を回動可能とすると操作が容易になる。さらに、交換時期表示体39の形状をリング形状にすると操作が容易になり好ましい。
【0087】
交換時期表示体39は、
図22ではカートリッジ37の側面外周に配置しているが、
図23に示すように端面(上面外周)に配置しても良い。この場合、交換時期表示体39を回動可能にするのではなく、合いマーク40の表示されている表示部材41を回動可能としても良い。
【0088】
図22、
図23の実施形態において、交換時期表示体6にシールを貼り付けて交換時期を表示しているが、シールではなく、交換表示体に印刷や刻印で交換時期をで表示しても良い。
【0089】
このような交換表示体を配置した蛇口直結型浄水器用カートリッジ自体も本発明の実施形態のひとつである。
【0091】
従来の浄水器においては、浄水器使用者の家族構成によって浄水使用量が異なることに対して配慮がなされていない。例えば、表示されるカートリッジの交換時期が4人家族での浄水使用を想定していた場合、3人家族の場合では1日の浄水使用量が少ないために、カートリッジが寿命に達しておらず、カートリッジが十分な性能を発揮できるにも関わらず交換される。逆に5人家族の場合では1日の浄水使用量が多くカートリッジが既に寿命に達しており、カートリッジが十分な性能を発揮できないにも関わらず交換されていないという問題があった。
【0092】
これに対し、カタログにカートリッジの交換時期を家族構成別に表示している浄水器もあるが、わざわざ使用者がカタログで自分の家族構成に対応する交換時期を調べるのは面倒であり、使用者がカタログに表示してあることに気がつかない場合もあるため有効な手段とは言えない。
【0093】
そこで、上記問題の解決のために、
図12のように、複数の合いマーク29を用いることで、複数の家族構成に対応したカートリッジの交換時期の表示が可能となる。
図12の上から順に3人家族、4人家族、5人家族を示しており複数の合いマーク29のうち、基準となる4人家族の合いマーク29に、交換時期を合わせることで、3人家族や5人家族の家族構成に対応したカートリッジの交換時期を表示できる。
【0094】
複数の合いマーク29を用いることで、ある合いマークをカートリッジの開始時期指示用とし、別の合いマークをカートリッジの交換時期指示用とすることも可能であるが、
図12のように、複数の合いマーク29がカートリッジの交換時期のみを指示するようにすると、表示時期の見間違いを起こしにくい。
【0095】
図12では交換時期の表示に関しては、「1 ・ ・ 2 ・ ・ (省略) ・ ・ 12 ・ ・」と10日単位で表示した。複数の合いマーク29を用いる場合、複数の合いマーク29の各々が月を表す数字を必ずしも指し示さない可能性があるため、交換時期は10日単位等短い期間で表示した方が好ましい。
【0096】
図12には「3人家族→ ・ 」、「4人家族→ 1月 」、「5人家族→ ・ 」を指し示した状態を記載した。複数の合いマーク29は、
図12のように家族構成を示すマークの他、文字で「5人家族」、「5人」等の表示をすることで、家族構成に合わせたカートリッジの交換時期を表示することができる。家族構成を示すマークについては、
図12のような人の形をしたようものの他、丸、三角形、四角形、星形など数を表せるようなものであれば何でも良い。
【0097】
また、家族構成の代わりに「飲用」、「料理」、「洗い」、「飲用+洗い」等の複数の文字あるいはマークを用いて表示することで、使用目的に応じたカートリッジの交換時期を表示することや、「5L/日」、「10L/日」、「20L/日」等、直接一日当りの使用水量目安で区別した複数の合いマークを用いて、使用水量に応じたカートリッジの交換時期を表示することもできる。
【0098】
また、
図13に示すように、複数の合いマーク29の近傍に補助合いマーク30を用いて表示してもよい。補助合いマーク30の配置は、複数の合いマーク29の近傍であれば、
図13のように右側でなくても上側、下側、左側、右斜め上側、右斜め下側、左斜め上側、左斜め下側のどこでも良い。複数の合いマーク29と補助合いマーク30の距離は、遠いと交換時期に対応する複数の合いマーク29がわかりにくくなるため10mm以下であることが好ましく、3mm以内であるとより好ましい。
【0099】
補助合いマーク30の形状は、交換時期に合わせやすいように三角を用いた。矢印や丸、「−」、四角、引き出し線等でも良い。
【0100】
複数の合いマーク29および補助合いマーク30の大きさについては小さ過ぎると確認し難くなり、大きすぎると指示するところがわかりにくくなるため、カートリッジ4の交換時期を表示する文字に対して50〜150%の大きさであることが好ましい。
補助合いマーク30の表示方法ついては、浄水器本体2の外壁に凹凸を形成して設けても良いが、シールや印刷等を用いて浄水器の外壁とは異なる色で表示すると確認し易くなり好ましい。浄水器本体2の外壁に凹凸を設けた上に印刷を用いて浄水器本体2の外壁とは異なる色で補助合いマーク30を表示すると、さらに確認し易くなりより好ましい。また、複数の合いマーク29は、各項目ごとに色を変えると、確認し易くなり好ましい。