(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれのヌクレオシド間連結基が、独立して、ホスホジエステルヌクレオシド間連結基又はホスホロチオエートヌクレオシド間連結基である、請求項1〜11のいずれか1項のオリゴマー化合物。
請求項1〜13のいずれか1項のオリゴマー化合物を1以上の組織、細胞、動物と接触させることを含むin vitroで遺伝子発現を阻害する方法に使用するための、請求項1〜13のいずれか1項のオリゴマー化合物。
【発明の概要】
【0015】
本発明で提供するのは、少なくとも1つの2’−置換基と、5’−置換基、5’−リン部分、又は5’−置換基と5’−リン部分の両方のいずれかを有する修飾ヌクレオシド、そのような修飾ヌクレオシドが含まれるオリゴマー化合物、及びそのオリゴマー化合物を使用する方法である。本発明でまた提供するのは、これらの修飾ヌクレオシド及びオリゴマー化合物を製造するための中間体及び方法である。ある態様では、オリゴマー化合物へ取り込むことができる、5’−モノ(R、S、又は混合)若しくはビス置換で2’−O−置換された修飾ヌクレオシドを提供する。本発明で提供する修飾ヌクレオシドは、それらがその中へ取り込まれるオリゴマー化合物の1以上の特性(例えば、ヌクレアーゼ抵抗性のような)を増強するのに有用であることが期待される。ある態様において、これら修飾ヌクレオシドの1以上を取り込む、本発明で提供するオリゴマー化合物及び組成物は、標的RNAの一部へハイブリダイズして、標的RNAの通常の機能の損失をもたらすことが期待される。本オリゴマー化合物はまた、診断応用におけるプライマー及びプローブとして有用であることが期待される。
【0016】
諸変数については、本明細書においてさらに詳しく個々に定義する。本発明で提供する修飾ヌクレオシド及びオリゴマー化合物には、本明細書において開示する態様と定義される諸変数のすべての組合せが含まれると理解されたい。
【0019】
[式中:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
Aは、O、S、又はN(R
1)であり;
R
1は、H、C
1−C
6アルキル、又は置換C
1−C
6アルキルであり;
T
1とT
2の一方は、H、保護基、又はリン部分であり、そしてT
1とT
2の他方は、H、保護基、又は反応性リン基であり;
Q
1とQ
2の一方は、H、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換C
2−C
6アルキニルであり、そしてQ
1とQ
2の他方は、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換C
2−C
6アルキニルであり;
G
1は、O−[C(R
2)(R
3)]
n−[(C=O)
m−X]
j−Z、又はハロゲンであり;
それぞれのR
2及びR
3は、独立して、H又はハロゲンであり;
Xは、O、S、又はN(E
1)であり;
Zは、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、置換C
2−C
6アルキニル、又はN(E
2)(E
3)であり;
E
1、E
2、及びE
3は、それぞれ独立して、H、C
1−C
6アルキル、又は置換C
1−C
6アルキルであり;
nは、1〜約6であり;
mは、0又は1であり;
jは、0又は1であり;
それぞれの置換基は、ハロゲン、OJ
1、N(J
1)(J
2)、=NJ
1、SJ
1、N
3、CN、OC(=L)J
1、OC(=L)N(J
1)(J
2)、及びC(=L)N(J
1)(J
2)より独立して選択される、1以上の保護化されていてもよい置換基を含み;
Lは、O、S、又はNJ
3であり;
それぞれのJ
1、J
2、及びJ
3は、独立して、H又はC
1−C
6アルキルであり;そして
jが1であるとき、Zは、ハロゲン又はN(E
2)(E
3)以外であり、そしてAがOであるとき、G
1は、ハロゲン以外である]を有する化合物を本発明で提供する。
【0020】
ある態様では、Bxが、ウラシル、5−チアゾロ−ウラシル、2−チオ−ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、チミン、2’−チオ−チミン、シトシン、5−メチルシトシン、5−チアゾロ−シトシン、5−プロピニル−シトシン、アデニン、グアニン、2,6−ジアミノプリン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾチアジン−2(3H)−オン、9−(2−アミノエトキシ)−H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、2H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−オン、又はH−ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−オンである。ある態様では、Bxが、ウラシル、チミン、シトシン、5−メチルシトシン、アデニン、又はグアニンである。
【0021】
ある態様では、Q
1がHである。ある態様では、Q
2がHである。ある態様では、Q
1とQ
2がそれぞれH以外である。ある態様では、Q
1とQ
2が置換C
1−C
6アルキルである。ある態様において、置換C
1−C
6アルキルは、ハロゲン、C
2−C
6アルケニル、OJ
1、NJ
1J
2、及びCNより選択される少なくとも1つの置換基を含み、ここでそれぞれのJ
1及びJ
2は、独立して、H又はC
1−C
6アルキルである。ある態様において、置換C
1−C
6アルキルは、フルオロ及びOCH
3より選択される少なくとも1つの置換基を含む。
【0022】
ある態様では、Q
1及びQ
2の少なくとも1つがC
1−C
6アルキルである。ある態様では、Q
1がメチルである。ある態様では、Q
2がメチルである。
【0023】
ある態様では、G
1が、OCH
3、OCH
2F、OCHF
2、OCF
3、OCH
2CH
3、O(CH
2)
2F、OCH
2CHF
2、OCH
2CF
3、OCH
2−CH=CH
2、O(CH
2)
2−OCH
3、O(CH
2)
2−SCH
3、O(CH
2)
2−OCF
3、O(CH
2)
3−N(R
4)(R
5)、O(CH
2)
2−ON(R
4)(R
5)、O(CH
2)
2−O(CH
2)
2−N(R
4)(R
5)、OCH
2C(=O)−N(R
4)(R
5)、OCH
2C(=O)−N(R
6)−(CH
2)
2−N(R
4)(R
5)、又はO(CH
2)
2−N(R
6)−C(=NR
7)[N(R
4)(R
5)]であり、ここでR
4、R
5、R
6、及びR
7は、それぞれ独立して、H又はC
1−C
6アルキルである。ある態様では、G
1が、OCH
3、OCF
3、OCH
2CH
3、OCH
2CF
3、OCH
2−CH=CH
2、O(CH
2)
2−OCH
3、O(CH
2)
2−O(CH
2)
2−N(CH
3)
2、OCH
2C(=O)−N(H)CH
3、OCH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2、又はOCH
2−N(H)−C(=NH)NH
2である。ある態様では、G
1が、OCH
3、O(CH
2)
2−OCH
3、OCH
2C(=O)−N(H)CH
3、又はOCH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2である。ある態様では、G
1がO(CH
2)
2−OCH
3である。ある態様では、G
1がFである。
【0024】
ある態様では、T
1及びT
2の少なくとも1つが、ベンジル、ベンゾイル、2,6−ジクロロベンジル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、メシレート、トシラート、ジメトキシトリチル(DMT)、9−フェニルキサンチン−9−イル(ピキシル)、及び9−(p−メトキシフェニル)キサンチン−9−イル(MOX)より選択されるヒドロキシル保護基である。ある態様では、T
1が、アセチル、ベンジル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、及びジメトキシトリチルより選択される。ある態様では、T
1が4,4’−ジメトキシトリチルである。
【0025】
ある態様では、T
1がリン部分である。ある態様において、リン部分は、式:
【0027】
[式中:
R
aとR
cは、それぞれ独立して、OH、SH、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、置換C
1−C
6アルコキシ、アミノ、又は置換アミノであり;そして
R
bは、O又はSである]を有する。
【0028】
ある態様では、R
aとR
cがそれぞれOHである。ある態様では、R
aとR
cがそれぞれOCH
3である。ある態様では、R
aとR
cがそれぞれOCH
2CH
3である。ある態様では、R
bがOである。ある態様では、R
bがSである。
【0029】
ある態様では、R
aがR
cとは異なる。ある態様では、R
aとR
cがそれぞれOH以外である。
【0030】
ある態様では、T
2が反応性リン基である。ある態様では、T
2が、ジイソプロピルシアノエトキシホスホロアミダイト及びH−ホスホネートより選択される反応性リン基である。ある態様では、T
1が4,4’−ジメトキシトリチルであり、T
2がジイソプロピルシアノエトキシホスホロアミダイトである。ある態様では、T
1がリン部分であり、T
2がジイソプロピルシアノエトキシホスホロアミダイトである。
【0031】
ある態様では、AがOである。ある態様では、AがSである。ある態様では、AがN(R
1)である。ある態様では、R
1がH又はCH
3である。
【0034】
の構造を有する化合物を本発明で提供する。
【0035】
ある態様では、Bxが複素環式塩基部分であり;Aは、Oであり;T
1は、H又は保護基であり;T
2は、H、保護基、又は反応性リン基であり;Q
1とQ
2の一方は、C
1−C
6アルキルであり、そしてQ
1とQ
2の他方は、Hであり;そしてG
1は、OCH
3、O(CH
2)
2−OCH
3、OCH
2C(=O)−N(H)CH
3、又はOCH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2である、式Iaを有する化合物を提供する。ある態様では、Bxが複素環式塩基部分であり;Aは、Oであり;T
1は、H又は保護基であり;T
2は、H、保護基、又は反応性リン基であり;Q
1がCH
3であって、Q
2は、Hであり、そしてG
1は、OCH
3、O(CH
2)
2−OCH
3、OCH
2C(=O)−N(H)CH
3、又はOCH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2である、式Iaを有する化合物を提供する。ある態様では、Bxが複素環式塩基部分であり;Aは、Oであり;T
1は、H又は保護基であり;T
2は、H、保護基、又は反応性リン基であり;Q
1がCH
3であって、Q
2は、Hであり、そしてG
1は、O(CH
2)
2−OCH
3である、式Iaを有する化合物を提供する。
【0036】
ある態様では、Bxが複素環式塩基部分であり;Aは、Oであり;T
1は、H又は保護基であり;T
2は、H、保護基、又は反応性リン基であり;Q
2がCH
3であって、Q
1は、Hであり、そしてG
1は、OCH
3、O(CH
2)
2−OCH
3、OCH
2C(=O)−N(H)CH
3、又はOCH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2である、式Iaを有する化合物を提供する。ある態様では、Bxが複素環式塩基部分であり;Aは、Oであり;T
1は、H又は保護基であり;T
2は、H、保護基、又は反応性リン基であり;Q
2がCH
3であって、Q
1は、Hであり、そしてG
1は、O(CH
2)
2−OCH
3である、式Iaを有する化合物を提供する。
【0039】
[式中、式IIのそれぞれのモノマーについて独立して:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
Aは、O、S、又はN(R
1)であり;
R
1は、H、C
1−C
6アルキル、又は置換C
1−C
6アルキルであり;
T
3とT
4の一方は、該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり、そしてT
3とT
4の他方は、H、保護基、リン部分、5’若しくは3’−末端基、又は該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり;
Q
1とQ
2の一方は、H、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換C
2−C
6アルキニルであり、そしてQ
1とQ
2の他方は、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換C
2−C
6アルキニルであり;
G
1は、O−[C(R
2)(R
3)]
n−[(C=O)
m−X]
j−Z、又はハロゲンであり;
それぞれのR
2及びR
3は、独立して、H又はハロゲンであり;
Xは、O、S、又はN(E
1)であり;
Zは、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、置換C
2−C
6アルキニル、又はN(E
2)(E
3)であり;
E
1、E
2、及びE
3は、それぞれ独立して、H、C
1−C
6アルキル、又は置換C
1−C
6アルキルであり;
nは、1〜約6であり;
mは、0又は1であり;
jは、0又は1であり;
それぞれの置換基は、ハロゲン、OJ
1、N(J
1)(J
2)、=NJ
1、SJ
1、N
3、CN、OC(=L)J
1、OC(=L)N(J
1)(J
2)、及びC(=L)N(J
1)(J
2)より独立して選択される、1以上の保護化されていてもよい置換基を含み;
Lは、O、S、又はNJ
3であり;
それぞれのJ
1、J
2、及びJ
3は、独立して、H又はC
1−C
6アルキルであり;そして
jが1であるとき、Zは、ハロゲン又はN(E
2)(E
3)以外であり、そしてAがOであるとき、G
1は、ハロゲン以外である]の少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物を提供する。
【0040】
ある態様では、それぞれのBxが、独立して、ウラシル、5−チアゾロ−ウラシル、2−チオ−ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、チミン、2’−チオ−チミン、シトシン、5−メチルシトシン、5−チアゾロ−シトシン、5−プロピニル−シトシン、アデニン、グアニン、2,6−ジアミノプリン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾチアジン−2(3H)−オン、9−(2−アミノエトキシ)−H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、2H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−オン、又はH−ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−オンである。ある態様では、それぞれのBxが、独立して、ウラシル、チミン、シトシン、5−メチルシトシン、アデニン、又はグアニンである。
【0041】
ある態様では、式IIのそれぞれのモノマーについて、Q
1がHである、式IIの少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物を提供する。ある態様では、それぞれのQ
2がHである。ある態様では、それぞれのQ
1とそれぞれのQ
2がH以外である。ある態様では、式IIのそれぞれのモノマーについて、Q
1及びQ
2の少なくとも1つが置換C
1−C
6アルキルである。ある態様では、それぞれの置換C
1−C
6アルキルが、ハロゲン、C
2−C
6アルケニル、OJ
1、NJ
1J
2、及びCNより独立して選択される少なくとも1つの置換基を含み、ここでそれぞれのJ
1及びJ
2は、独立して、H又はC
1−C
6アルキルである。ある態様では、それぞれの置換C
1−C
6アルキルが、フルオロ及びOCH
3より独立して選択される少なくとも1つの置換基を含む。
【0042】
ある態様では、式IIのそれぞれのモノマーについて、Q
1及びQ
2の少なくとも1つがC
1−C
6アルキルである、式IIの少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物を提供する。ある態様では、式IIのそれぞれのモノマーについて、Q
1がメチルである。ある態様では、式IIのそれぞれのモノマーについて、Q
2がメチルである。
【0043】
ある態様では、式IIのそれぞれのモノマーについて独立して、G
1が、OCH
3、OCH
2F、OCHF
2、OCF
3、OCH
2CH
3、O(CH
2)
2F、OCH
2CHF
2、OCH
2CF
3、OCH
2−CH=CH
2、O(CH
2)
2−OCH
3、O(CH
2)
2−SCH
3、O(CH
2)
2−OCF
3、O(CH
2)
3−N(R
4)(R
5)、O(CH
2)
2−ON(R
4)(R
5)、O(CH
2)
2−O(CH
2)
2−N(R
4)(R
5)、OCH
2C(=O)−N(R
4)(R
5)、OCH
2C(=O)−N(R
6)−(CH
2)
2−N(R
4)(R
5)、又はO(CH
2)
2−N(R
6)−C(=NR
7)[N(R
4)(R
5)]であり、ここでR
4、R
5、R
6、及びR
7は、それぞれ独立して、H又はC
1−C
6アルキルである、式IIの少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物を提供する。ある態様では、それぞれのG
1が、独立して、OCH
3、OCF
3、OCH
2CH
3、OCH
2CF
3、OCH
2−CH=CH
2、O(CH
2)
2−OCH
3、O(CH
2)
2−O(CH
2)
2−N(CH
3)
2、OCH
2C(=O)−N(H)CH
3、OCH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2、又はOCH
2−N(H)−C(=NH)NH
2である。ある態様では、それぞれのG
1が、独立して、OCH
3、O(CH
2)
2−OCH
3、OCH
2C(=O)−N(H)CH
3、又はOCH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2である。ある態様では、それぞれのG
1が、独立して、O(CH
2)
2−OCH
3である。ある態様では、それぞれのG
1がFである。
【0044】
ある態様では、T
3及びT
4の少なくとも1つが5’若しくは3’−末端基である、式IIの少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物を提供する。ある態様では、T
3及びT
4の少なくとも1つがコンジュゲート基である、式IIの少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物を提供する。ある態様では、T
3がリン部分である、式IIの1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物を提供する。
【0047】
[式中:
R
aとR
cは、それぞれ独立して、OH、SH、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、置換C
1−C
6アルコキシ、アミノ、又は置換アミノであり;そして
R
bは、O又はSである]を有するリン部分である、式IIの少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物を提供する。
【0048】
ある態様では、R
aとR
cがそれぞれOHである。ある態様では、R
aとR
cがそれぞれOCH
3である。ある態様では、R
aとR
cがそれぞれOCH
2CH
3である。ある態様では、R
bがOである。ある態様では、R
bがSである。
【0049】
ある態様では、R
aがR
cとは異なる。ある態様では、R
aとR
cがそれぞれOH以外である。
【0050】
ある態様では、式IIのそれぞれのモノマーが式IIa:
【0052】
の構造を有する、式IIの少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物を提供する。
【0053】
ある態様では、式IIaのそれぞれのモノマーについて独立して:Bxが複素環式塩基部分であり;Aは、Oであり;T
3とT
4の一方は、該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり、そしてT
3とT
4の他方は、H、保護基、リン部分、5’若しくは3’−末端基、又は該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり;Q
1とQ
2の一方がCH
3であって、Q
1とQ
2の他方は、Hであり;そしてG
1は、OCH
3、O(CH
2)
2−OCH
3、OCH
2C(=O)−N(H)CH
3、又はOCH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2である、式IIaの少なくとも1つのモノマーを有するオリゴマー化合物を提供する。
【0054】
ある態様では、式IIaのそれぞれのモノマーについて独立して:Bxが複素環式塩基部分であり;Aは、Oであり;T
3とT
4の一方は、該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり、そしてT
3とT
4の他方は、H、保護基、リン部分、5’若しくは3’−末端基、又は該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり;Q
1がCH
3であって、Q
2は、Hであり、そしてG
1は、OCH
3、O(CH
2)
2−OCH
3、OCH
2C(=O)−N(H)CH
3、又はOCH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2である、式IIaの少なくとも1つのモノマーを有するオリゴマー化合物を提供する。Q
1がCH
3であって、Q
2は、Hである。
【0055】
ある態様では、式IIaのそれぞれのモノマーについて独立して:Bxが複素環式塩基部分であり;Aは、Oであり;T
3とT
4の一方は、該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり、そしてT
3とT
4の他方は、H、保護基、リン部分、5’若しくは3’−末端基、又は該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり;Q
1がCH
3であって、Q
2は、Hであり、そしてG
1は、O(CH
2)
2−OCH
3である、式IIaの少なくとも1つのモノマーを有するオリゴマー化合物を提供する。
【0056】
ある態様では、式IIaのそれぞれのモノマーについて独立して:Bxが複素環式塩基部分であり;Aは、Oであり;T
3とT
4の一方は、該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり、そしてT
3とT
4の他方は、H、保護基、リン部分、5’若しくは3’−末端基、又は該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり;Q
2がCH
3であって、Q
1は、Hであり、そしてG
1は、OCH
3、O(CH
2)
2−OCH
3、OCH
2C(=O)−N(H)CH
3、又はOCH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2である、式IIaの少なくとも1つのモノマーを有するオリゴマー化合物を提供する。
【0057】
ある態様では、式IIaのそれぞれのモノマーについて独立して:Bxが複素環式塩基部分であり;Aは、Oであり;T
3とT
4の一方は、該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり、そしてT
3とT
4の他方は、H、保護基、リン部分、5’若しくは3’−末端基、又は該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり;Q
2がCH
3であって、Q
1は、Hであり、そしてG
1は、O(CH
2)
2−OCH
3である、式IIaの少なくとも1つのモノマーを有するオリゴマー化合物を提供する。
【0058】
ある態様では、式IIの1つのモノマーを5’端に含んでなるオリゴマー化合物を提供する。
【0059】
ある態様では、式IIのモノマーが2つ以上連続する少なくとも1つの領域を含んでなるオリゴマー化合物を提供する。ある態様において、この少なくとも1つの領域は、式IIのモノマーを2〜5連続して含む。
【0060】
ある態様では、少なくとも2つの領域を含んでなるオリゴマー化合物を提供し、ここでそれぞれの領域は、独立して、式IIのモノマーを1〜約5連続して含み、そしてここでそれぞれの領域は、式IIを有するモノマーとは異なって、ヌクレオシド及び修飾ヌクレオシドより独立して選択される、少なくとも1つのモノマーサブユニットによって分離される。ある態様では、式IIのモノマーが連続する1つの領域が5’端に位置して、式IIのモノマーが連続する第二領域が3’端に位置しているギャップ化(gapped)オリゴマー化合物を提供し、ここでこの2つの領域は、式IIを有するモノマーとは異なるヌクレオシド及び修飾ヌクレオシドより独立して選択される、約6〜約18のモノマーサブユニットを含んでなる内部領域によって分離される。ある態様において、この内部領域は、約8〜約14の連続β−D−2’−デオキシリボフラノシルヌクレオシドを含む。ある態様において、この内部領域は、約9〜約12の連続β−D−2’−デオキシリボフラノシルヌクレオシドを含む。
【0061】
ある態様では、式IIのモノマーが2〜3連続する第一領域、式IIのモノマーが1〜3連続する任意選択の第二領域、及び8〜14のβ−D−2’−デオキシリボフラノシルヌクレオシドの第三領域を含んでなり、ここで前記第三領域は、前記第一領域と前記第二領域の間に位置している、オリゴマー化合物を提供する。
【0062】
ある態様では、それぞれのヌクレオシド間連結基が、独立して、ホスホジエステルヌクレオシド間連結基又はホスホロチオエートヌクレオシド間連結基である、オリゴマー化合物を提供する。ある態様では、それぞれのヌクレオシド間連結基が本質的にホスホロチオエートヌクレオシド間連結基である、オリゴマー化合物を提供する。
【0063】
ある態様では、第一オリゴマー化合物と第二オリゴマー化合物を含んでなる二本鎖組成物を提供し、ここで第一オリゴマー化合物は、第二オリゴマー化合物に相補的であり、そして第二オリゴマー化合物は、核酸標的に相補的であり、第一及び第二オリゴマー化合物の少なくとも1つは、本発明で提供されるようなオリゴマー化合物であって、ここで前記組成物は、1以上の5’若しくは3’−末端基を含んでもよい。
【0064】
ある態様では、本発明で提供されるようなオリゴマー化合物又は二本鎖組成物と細胞を接触させることを含んでなる方法を本発明で提供し、ここでこのオリゴマー化合物又は二本鎖組成物の1つの鎖は、標的RNAに相補的である。ある態様において、その細胞は、動物にある。ある態様において、その細胞は、ヒトにある。ある態様において、標的RNAは、mRNA、プレmRNA、マイクロRNA、及び他のノンコーディングRNAより選択される。ある態様において、標的RNAは、mRNAである。ある態様において、標的RNAは、ヒトmRNAである。ある態様において、標的RNAは、切断されて、それによりその機能を阻害する。ある態様において、該方法は、オリゴマー化合物又は二本鎖組成物の前記細胞に対するアンチセンス活性を評価する工程をさらに含む。ある態様において、評価工程は、標的RNAの量を検出することを含む。ある態様において、評価工程は、タンパク質の量を検出することを含む。ある態様において、評価工程は、1以上の表現型効果の検出を含む。
【0065】
ある態様では、そのオリゴマー化合物と二本鎖組成物を療法における使用に提供する。ある態様において、療法は、望まれない遺伝子発現を特徴とする疾患を治療することを含む。ある態様において、療法は、遺伝子発現を阻害することによって疾患を治療することである。ある態様において、療法は、ノンコーディングRNAの調節(低下させるか又は増加させること)に関連し、これが次に、疾患状態を創出することに関与している他の遺伝子の発現に影響を及ぼす。ある態様において、療法は、本発明で提供するようなオリゴマー化合物又は二本鎖組成物と動物中の細胞を接触させることを含む。
【0066】
ある態様では、そのオリゴマー化合物及び二本鎖組成物を、望まれない遺伝子発現を特徴とする疾患の治療用医薬品の製造へ提供する。
【0067】
ある態様では、そのオリゴマー化合物及び二本鎖組成物を、遺伝子発現を阻害することによって疾患を治療するための医薬品の製造へ提供する。
【0068】
ある態様では、本発明で提供するようなオリゴマー化合物又は二本鎖組成物と医薬的に許容される担体を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0071】
[式中:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
T
5は、リン部分又は反応性リン基であり;
T
6は、H、保護基、又は反応性リン基であり;
Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換C
2−C
6アルキニルであり;
G
1は、O−[C(R
2)(R
3)]
n−[(C=O)
m−X]
j−Z、又はハロゲンであり;
それぞれのR
2及びR
3は、独立して、H又はハロゲンであり;
Xは、O、S、又はN(E
1)であり;
Zは、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、置換C
2−C
6アルキニル、又はN(E
2)(E
3)であり;
E
1、E
2、及びE
3は、それぞれ独立して、H、C
1−C
6アルキル、又は置換C
1−C
6アルキルであり;
nは、1〜約6であり;
mは、0又は1であり;
jは、0又は1であり;
それぞれの置換基は、ハロゲン、OJ
1、N(J
1)(J
2)、=NJ
1、SJ
1、N
3、CN、OC(=L)J
1、OC(=L)N(J
1)(J
2)、及びC(=L)N(J
1)(J
2)より独立して選択される、1以上の保護化されていてもよい置換基を含み;
Lは、O、S、又はNJ
3であり;
それぞれのJ
1、J
2、及びJ
3は、独立して、H又はC
1−C
6アルキルであり;
jが1であるとき、Zは、ハロゲン又はN(E
2)(E
3)以外であり;そして
Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4がそれぞれHであるとき、又はQ
1とQ
2がHであってQ
3とQ
4がそれぞれFであるとき、又はQ
1とQ
2がそれぞれHであってQ
3とQ
4の一方がHでありQ
3とQ
4の他方がR
9であるとき、このときG
1は、H、ヒドロキシル、OR
9、ハロゲン、CF
3、CCl
3、CHCl
2、及びCH
2OH以外であり、ここでR
9は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、又はアルカリールである]を有する化合物を提供する。
【0072】
ある態様では、Bxが、ウラシル、5−チアゾロ−ウラシル、2−チオ−ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、チミン、2’−チオ−チミン、シトシン、5−メチルシトシン、5−チアゾロ−シトシン、5−プロピニル−シトシン、アデニン、グアニン、2,6−ジアミノプリン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾチアジン−2(3H)−オン、9−(2−アミノエトキシ)−H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、2H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−オン、又はH−ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−オンである。ある態様では、Bxが、ウラシル、チミン、シトシン、5−メチルシトシン、アデニン、又はグアニンである。
【0073】
ある態様では、G
1が、OCH
3、OCH
2F、OCHF
2、OCF
3、OCH
2CH
3、O(CH
2)
2F、OCH
2CHF
2、OCH
2CF
3、OCH
2−CH=CH
2、O(CH
2)
2−OCH
3、O(CH
2)
2−SCH
3、O(CH
2)
2−OCF
3、O(CH
2)
3−N(R
4)(R
5)、O(CH
2)
2−ON(R
4)(R
5)、O(CH
2)
2−O(CH
2)
2−N(R
4)(R
5)、OCH
2C(=O)−N(R
4)(R
5)、OCH
2C(=O)−N(R
6)−(CH
2)
2−N(R
4)(R
5)、又はO(CH
2)
2−N(R
6)−C(=NR
7)[N(R
4)(R
5)]であり、ここでR
4、R
5、R
6、及びR
7は、それぞれ独立して、H又はC
1−C
6アルキルである。ある態様では、G
1が、OCH
3、OCF
3、OCH
2CH
3、OCH
2CF
3、OCH
2−CH=CH
2、O(CH
2)
2−OCH
3、O(CH
2)
2−O(CH
2)
2−N(CH
3)
2、OCH
2C(=O)−N(H)CH
3、OCH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2、又はOCH
2−N(H)−C(=NH)NH
2である。ある態様では、G
1が、OCH
3、O(CH
2)
2−OCH
3、OCH
2C(=O)−N(H)CH
3、又はOCH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2である。ある態様では、G
1がFである。
【0074】
ある態様では、T
5がリン部分である。ある態様では、リン部分が式:
【0076】
[式中:
R
aとR
cは、それぞれ独立して、OH、SH、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、置換C
1−C
6アルコキシ、アミノ、又は置換アミノであり;そして
R
bは、O又はSである]を有する。
【0077】
ある態様では、R
aとR
cがそれぞれOHである。ある態様では、R
aとR
cがそれぞれOCH
3である。ある態様では、R
aとR
cがそれぞれOCH
2CH
3である。ある態様では、R
bがOである。ある態様では、R
bがSである。
【0078】
ある態様では、R
aがR
cとは異なる。ある態様では、R
aとR
cがそれぞれOH以外である。
【0079】
ある態様では、T
5が反応性リン基である。ある態様では、T
6が、アセチル、ベンジル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、及びジメトキシトリチルより選択される。ある態様では、T
6が4,4’−ジメトキシトリチルである。ある態様では、T
6が反応性リン基である。ある態様では、T
6が、ジイソプロピルシアノエトキシホスホロアミダイト及びH−ホスホネートより選択される反応性リン基である。ある態様では、T
5がリン部分であり、T
6がジイソプロピルシアノエトキシホスホロアミダイトである。
【0080】
ある態様において、リン部分は、−P(OH)
2(=O)である。
【0081】
ある態様では、Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4の1つが置換C
1−C
6アルキルである。ある態様では、Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4がHである。ある態様では、置換C
1−C
6アルキルが、ハロゲン、C
2−C
6アルケニル、OJ
1、NJ
1J
2、及びCNより選択される少なくとも1つの置換基を含み、ここでそれぞれのJ
1及びJ
2は、独立して、H又はC
1−C
6アルキルである。ある態様において、置換C
1−C
6アルキルは、フルオロ及びOCH
3より選択される少なくとも1つの置換基を含む。
【0082】
ある態様では、Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4の1つがC
1−C
6アルキルである。ある態様では、Q
1及びQ
2の1つがC
1−C
6アルキルである。ある態様では、Q
3とQ
4がC
1−C
6アルキルである。ある態様において、C
1−C
6アルキルは、メチルである。ある態様では、Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4の他の3つがHである。ある態様では、Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4の1つがFである。ある態様では、Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4の2つがFである。ある態様では、Q
1とQ
2がそれぞれFである。ある態様では、Q
3とQ
4がそれぞれFである。ある態様では、Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4のそれぞれがF又はHである。
【0088】
[式中、式IVのそれぞれのモノマーについて独立して:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
T
7とT
8の一方は、該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり、そしてT
7とT
8の他方は、H、ヒドロキシル保護基、リン部分、5’若しくは3’−末端基、又は該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり;
Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換C
2−C
6アルキニルであり;
G
1は、O−[C(R
2)(R
3)]
n−[(C=O)
m−X]
j−Z、又はハロゲンであり;
それぞれのR
2及びR
3は、独立して、H又はハロゲンであり;
Xは、O、S、又はN(E
1)であり;
Zは、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、置換C
2−C
6アルキニル、又はN(E
2)(E
3)であり;
E
1、E
2、及びE
3は、それぞれ独立して、H、C
1−C
6アルキル、又は置換C
1−C
6アルキルであり;
nは、1〜約6であり;
mは、0又は1であり;
jは、0又は1であり;
それぞれの置換基は、ハロゲン、OJ
1、N(J
1)(J
2)、=NJ
1、SJ
1、N
3、CN、OC(=L)J
1、OC(=L)N(J
1)(J
2)、及びC(=L)N(J
1)(J
2)より独立して選択される、1以上の保護化されていてもよい置換基を含み;
Lは、O、S、又はNJ
3であり;
それぞれのJ
1、J
2、及びJ
3は、独立して、H又はC
1−C
6アルキルであり;
jが1であるとき、Zは、ハロゲン又はN(E
2)(E
3)以外であり;そして
Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4がそれぞれHであるとき、又はQ
1とQ
2がHであってQ
3とQ
4がそれぞれFであるとき、又はQ
1とQ
2がそれぞれHであってQ
3とQ
4の一方がHでありQ
3とQ
4の他方がR
9であるとき、このときG
1は、H、ヒドロキシル、OR
9、ハロゲン、CF
3、CCl
3、CHCl
2、及びCH
2OH以外であり、ここでR
9は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、又はアルカリールである]の少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物を提供する。
【0089】
ある態様では、それぞれのBxが、独立して、ウラシル、5−チアゾロ−ウラシル、2−チオ−ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、チミン、2’−チオ−チミン、シトシン、5−メチルシトシン、5−チアゾロ−シトシン、5−プロピニル−シトシン、アデニン、グアニン、2,6−ジアミノプリン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾチアジン−2(3H)−オン、9−(2−アミノエトキシ)−H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、2H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−オン、又はH−ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−オンである、式IVの少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物を提供する。ある態様では、それぞれのBxが、独立して、ウラシル、チミン、シトシン、5−メチルシトシン、アデニン、又はグアニンである。
【0090】
ある態様では、式IVのそれぞれのモノマーについて独立して、G
1が、OCH
3、OCH
2F、OCHF
2、OCF
3、OCH
2CH
3、O(CH
2)
2F、OCH
2CHF
2、OCH
2CF
3、OCH
2−CH=CH
2、O(CH
2)
2−OCH
3、O(CH
2)
2−SCH
3、O(CH
2)
2−OCF
3、O(CH
2)
3−N(R
4)(R
5)、O(CH
2)
2−ON(R
4)(R
5)、O(CH
2)
2−O(CH
2)
2−N(R
4)(R
5)、OCH
2C(=O)−N(R
4)(R
5)、OCH
2C(=O)−N(R
6)−(CH
2)
2−N(R
4)(R
5)、又はO(CH
2)
2−N(R
6)−C(=NR
7)[N(R
4)(R
5)]であり、ここでR
4、R
5、R
6、及びR
7は、それぞれ独立して、H又はC
1−C
6アルキルである、式IVの少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物を提供する。ある態様では、式IVのそれぞれのモノマーについて独立して、G
1が、OCH
3、OCF
3、OCH
2CH
3、OCH
2CF
3、OCH
2−CH=CH
2、O(CH
2)
2−OCH
3、O(CH
2)
2−O(CH
2)
2−N(CH
3)
2、OCH
2C(=O)−N(H)CH
3、OCH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2、又はOCH
2−N(H)−C(=NH)NH
2である。ある態様では、式IVのそれぞれのモノマーについて独立して、G
1が、OCH
3、O(CH
2)
2−OCH
3、OCH
2C(=O)−N(H)CH
3、又はOCH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2である。ある態様では、式IVのそれぞれのモノマーについて、G
1がFである。
【0091】
ある態様では、1つのT
8が3’−末端基である。ある態様では、T
7及びT
8の少なくとも1つがコンジュゲート基である。ある態様では、1つのT
7がリン部分である。ある態様において、リン部分は、式:
【0093】
[式中:
R
aとR
cは、それぞれ独立して、OH、SH、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、置換C
1−C
6アルコキシ、アミノ、又は置換アミノであり;そして
R
bは、O又はSである]を有する。
【0094】
ある態様では、R
aとR
cがそれぞれOHである。ある態様では、R
aとR
cがそれぞれOCH
3である。ある態様では、R
aとR
cがそれぞれOCH
2CH
3である。ある態様では、R
bがOである。ある態様では、R
bがSである。
【0095】
ある態様では、R
aがR
cとは異なる。ある態様では、R
aとR
cがそれぞれOH以外である。
【0096】
ある態様では、式IVのそれぞれのモノマーについて、Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4の1つが置換C
1−C
6アルキルである。ある態様では、式IVのそれぞれのモノマーについて、Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4の1つが置換C
1−C
6アルキルであり、Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4の他の3つがHである。ある態様では、式IVのそれぞれのモノマーについて、Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4の1つが置換C
1−C
6アルキルであり、Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4の他の3つがHである。ある態様において、置換C
1−C
6アルキルは、ハロゲン、C
2−C
6アルケニル、OJ
1、NJ
1J
2、及びCNより選択される少なくとも1つの置換基を含み、ここでそれぞれのJ
1及びJ
2は、独立して、H又はC
1−C
6アルキルである。ある態様において、置換C
1−C
6アルキルは、フルオロ及びOCH
3より選択される少なくとも1つの置換基を含む。
【0097】
ある態様では、式IVのそれぞれのモノマーについて、Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4の1つがC
1−C
6アルキルである。ある態様では、式IVのそれぞれのモノマーについて、Q
1及びQ
2の1つがC
1−C
6アルキルである。ある態様では、式IVのそれぞれのモノマーについて、Q
3及びQ
4の1つがC
1−C
6アルキルである。ある態様において、C
1−C
6アルキル基は、メチルである。
【0098】
ある態様では、式IVのそれぞれのモノマーについて、Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4の3つがHである。ある態様では、式IVのそれぞれのモノマーについて、Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4の1つがFである。ある態様では、式IVのそれぞれのモノマーについて、Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4の2つがFである。ある態様では、式IVのそれぞれのモノマーについて、Q
1とQ
2がそれぞれFである。ある態様では、式IVのそれぞれのモノマーについて、Q
3とQ
4がそれぞれFである。ある態様では、式IVのそれぞれのモノマーについて、Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4がそれぞれF又はHである。
【0099】
ある態様では、式IVの少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物を提供し、ここで式IVのそれぞれのモノマーは、構造:
【0102】
ある態様では、式IVの1つのモノマーを5’端に含んでなるオリゴマー化合物を提供する。
【0103】
ある態様では、式IVのモノマーが2つ以上連続する少なくとも1つの領域を含んでなるオリゴマー化合物を提供する。ある態様において、その少なくとも1つの領域は、式IVのモノマーを2〜5連続して含む。
【0104】
ある態様では、少なくとも2つの領域を含んでなるオリゴマー化合物を提供し、ここでそれぞれの領域は、独立して、式IVのモノマーを1〜約5連続して含み、そしてここでそれぞれの領域は、式IVを有するモノマーとは異なって、ヌクレオシド及び修飾ヌクレオシドより独立して選択される、少なくとも1つのモノマーサブユニットによって分離される。ある態様では、式IVのモノマーが連続する1つの領域が5’端に位置して、式IVのモノマーが連続する第二領域が3’端に位置しているギャップ化オリゴマー化合物を提供し、ここでこの2つの領域は、式IVを有するモノマーとは異なるヌクレオシド及び修飾ヌクレオシドより独立して選択される、約6〜約18のモノマーサブユニットを含んでなる内部領域によって分離される。ある態様において、この内部領域は、約8〜約14の連続β−D−2’−デオキシリボフラノシルヌクレオシドを含む。ある態様において、この内部領域は、約9〜約12の連続β−D−2’−デオキシリボフラノシルヌクレオシドを含む。
【0105】
ある態様では、式IVのモノマーが2〜3連続する第一領域、式IVのモノマーが1〜3連続する任意選択の第二領域、及び8〜14のβ−D−2’−デオキシリボフラノシルヌクレオシドの第三領域を含んでなり、ここで前記第三領域は、前記第一領域と前記第二領域の間に位置している、オリゴマー化合物を提供する。
【0106】
ある態様では、それぞれのヌクレオシド間連結基が、独立して、ホスホジエステルヌクレオシド間連結基又はホスホロチオエートヌクレオシド間連結基である、オリゴマー化合物を提供する。ある態様では、それぞれのヌクレオシド間連結基が本質的にホスホロチオエートヌクレオシド間連結基である、オリゴマー化合物を提供する。
【0107】
ある態様では、第一オリゴマー化合物と第二オリゴマー化合物を含んでなる二本鎖組成物を提供し、ここで第一オリゴマー化合物は、第二オリゴマー化合物に相補的であり、そして第二オリゴマー化合物は、核酸標的に相補的であり、第一及び第二オリゴマー化合物の少なくとも1つは、本発明で提供されるようなオリゴマー化合物であり、そしてここで前記組成物は、1以上の5’若しくは3’−末端基を含んでもよい。
【0108】
ある態様では、本発明で提供されるようなオリゴマー化合物又は二本鎖組成物と細胞を接触させることを含んでなる方法を本発明で提供し、ここでこのオリゴマー化合物又は二本鎖組成物の1つの鎖は、標的RNAに相補的である。ある態様において、その細胞は、動物にある。ある態様において、その細胞は、ヒトにある。ある態様において、標的RNAは、mRNA、プレmRNA、及びマイクロRNAより選択される。ある態様において、標的RNAは、mRNAである。ある態様において、標的RNAは、ヒトmRNAである。ある態様において、標的RNAは、切断されて、それによりその機能を阻害する。ある態様において、該方法は、オリゴマー化合物又は二本鎖組成物の前記細胞に対するアンチセンス活性を評価する工程をさらに含む。ある態様において、評価工程は、標的RNAの量を検出することを含む。ある態様において、評価工程は、タンパク質の量を検出することを含む。ある態様において、評価工程は、1以上の表現型効果の検出を含む。
【0109】
ある態様では、そのオリゴマー化合物と二本鎖組成物を療法における使用に提供する。ある態様において、療法は、望まれない遺伝子発現を特徴とする疾患を治療することを含む。ある態様において、療法は、遺伝子発現を阻害することによって疾患を治療することである。ある態様において、療法は、ノンコーディングRNAの調節(低下させるか又は増加させること)に関連し、これが次に、疾患状態を創出することに関与している他の遺伝子の発現に影響を及ぼす。ある態様において、療法は、本発明で提供するようなオリゴマー化合物又は二本鎖組成物と動物中の細胞を接触させることを含む。
【0110】
ある態様では、そのオリゴマー化合物及び二本鎖組成物を、望まれない遺伝子発現を特徴とする疾患の治療用医薬品の製造へ提供する。
【0111】
ある態様では、そのオリゴマー化合物及び二本鎖組成物を、遺伝子発現を阻害することによって疾患を治療するための医薬品の製造へ提供する。
【0112】
ある態様では、本発明で提供するようなオリゴマー化合物又は二本鎖組成物と医薬的に許容される担体を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0115】
[式中:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
T
1とT
2の一方は、H又はヒドロキシル保護基であり、そしてT
1とT
2の他方は、H、ヒドロキシル保護基、又は反応性リン基であり;
Q
1とQ
2の一方は、H、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換C
2−C
6アルキニルであり、そしてQ
1とQ
2の他方は、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換C
2−C
6アルキニルであり;
G
1は、O−[C(R
2)(R
3)]
n−[(C=O)
m−X]
j−Zであり;
それぞれのR
2及びR
3は、独立して、H又はハロゲンであり;
Xは、O、S、又はN(E
1)であり;
Zは、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、置換C
2−C
6アルキニル、又はN(E
2)(E
3)であり;
E
1とE
2は、それぞれ独立して、H、C
1−C
6アルキル、又は置換C
1−C
6アルキルであり;
nは、1〜約6であり;
mは、0又は1であり;
jは、0又は1であり;
ここでそれぞれの置換基は、ハロゲン、OJ
1、N(J
1)(J
2)、=NJ
1、SJ
1、N
3、CN、OC(=L)J
1、OC(=L)N(J
1)(J
2)、及びC(=L)N(J
1)(J
2)より独立して選択される、1以上の保護化されていてもよい置換基を含み、ここでそれぞれのJ
1、J
2、及びJ
3は、独立して、H又はC
1−C
6アルキルであり;Lは、O、S、又はNJ
3であり;そして
jが1であるとき、Zは、ハロゲン又はN(E
2)(E
3)以外である]を有する化合物である。
【0116】
ある態様では、Bxが、ウラシル、5−メチルウラシル、5−チアゾロ−ウラシル、2−チオ−ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、チミン、2’−チオ−チミン、シトシン、5−メチルシトシン、5−チアゾロ−シトシン、5−プロピニル−シトシン、アデニン、グアニン、2,6−ジアミノプリン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾチアジン−2(3H)−オン、9−(2−アミノエトキシ)−H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、2H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−オン、又はH−ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−オンである。ある態様では、Bxが、ウラシル、5−メチルウラシル、チミン、シトシン、5−メチルシトシン、アデニン、又はグアニンである。
【0117】
ある態様では、T
1及びT
2の少なくとも1つが、ベンジル、ベンゾイル、2,6−ジクロロベンジル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、メシレート、トシラート、ジメトキシトリチル(DMT)、9−フェニルキサンチン−9−イル(ピキシル)、及び9−(p−メトキシフェニル)キサンチン−9−イル(MOX)より選択されるヒドロキシル保護基である。ある態様では、T
1が、アセチル、ベンジル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、及びジメトキシトリチルより選択される。ある態様では、T
1が4,4’−ジメトキシトリチルである。ある態様では、T
2が反応性リン基である。ある態様では、T
2が、ジイソプロピルシアノエトキシホスホロアミダイト及びH−ホスホネートより選択される反応性リン基である。ある態様では、T
1が4,4’−ジメトキシトリチルであり、T
2がジイソプロピルシアノエトキシホスホロアミダイトである。
【0118】
ある態様では、Q
1がHである。ある態様では、Q
2がHである。ある態様では、Q
1とQ
2がそれぞれH以外である。ある態様では、Q
1及びQ
2の1つが置換C
1−C
6アルキルである。ある態様において、置換C
1−C
6アルキルは、ハロゲン、C
2−C
6アルケニル、OJ
1、NJ
1J
2、及びCNより選択される少なくとも1つの置換基を含み、ここでそれぞれのJ
1及びJ
2は、独立して、H又はC
1−C
6アルキルである。ある態様において、置換C
1−C
6アルキルは、フルオロ及びOCH
3より選択される少なくとも1つの置換基を含む。ある態様では、Q
1とQ
2がC
1−C
6アルキルである。ある態様では、Q
1及びQ
2の少なくとも1つがメチルである。
【0119】
ある態様では、Gが、CH
3、CH
2F、CHF
2、CF
3、CH
2CH
3、CH
2CH
2F、CH
2CHF
2、CH
2CF
3、CH
2−CH=CH
2、(CH
2)
2−O−CH
3、(CH
2)
2−S−CH
3、(CH
2)
2−O−CF
3、(CH
2)
3−N(A
1)(A
2)、(CH
2)
2−O−N(A
1)(A
2)、(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−N(A
1)(A
2)、CH
2C(=O)−N(A
1)(A
2)、CH
2C(=O)−N(A
3)−(CH
2)
2−N(A
1)(A
2)、又は(CH
2)
2−N(A
3)−C(=NA
4)[N(A
1)(A
2)]であり、ここでA
1、A
2、A
3、及びA
4は、それぞれ独立して、H又はC
1−C
6アルキルである。ある態様では、Gが、CH
3、CF
3、CH
2CH
3、CH
2CF
3、CH
2−CH=CH
2、(CH
2)
2−O−CH
3、(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−N(CH
3)
2、CH
2C(=O)N(H)CH
3、CH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2、又はCH
2−N(H)−C(=NH)NH
2である。ある態様では、G
1が、CH
3、CH
2CH
2−O−CH
3、CH
2C(=O)N(H)CH
3、又はCH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2である。
【0120】
ある態様において、本発明で提供する化合物は、構造:
【0123】
本発明でまた提供するのは、オリゴマー化合物であり、ここでそれぞれのオリゴマー化合物は、式II:
【0125】
[式中、式IIのそれぞれのモノマーについて独立して:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
T
3とT
4の一方は、該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり、そしてT
3とT
4の他方は、H、ヒドロキシル保護基、5’若しくは3’−末端基、又は該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり;
Q
1とQ
2の一方は、H、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換C
2−C
6アルキニルであり、そしてQ
1とQ
2の他方は、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換C
2−C
6アルキニルであり;
Gは、[C(R
1)(R
2)]
n−[(C=O)
m−X]
j−Zであり;
それぞれのR
1及びR
2は、独立して、H又はハロゲンであり;
Xは、O、S、又はN(E
1)であり;
Zは、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、置換C
2−C
6アルキニル、又はN(E
1)(E
2)であり;
E
1とE
2は、それぞれ独立して、H、C
1−C
6アルキル、又は置換C
1−C
6アルキルであり;
nは、1〜約6であり;
mは、0又は1であり;
jは、0又は1であり;
ここでそれぞれの置換基は、ハロゲン、OJ
1、N(J
1)(J
2)、=NJ
1、SJ
1、N
3、CN、OC(=L)J
1、OC(=L)N(J
1)(J
2)、及びC(=L)N(J
1)(J
2)より独立して選択される、1以上の保護化されていてもよい置換基を含み、ここでそれぞれのJ
1、J
2、及びJ
3は、独立して、H又はC
1−C
6アルキルであり;Lは、O、S、又はNJ
3であり;そして
jが1であるとき、Zは、ハロゲン又はN(E
2)(E
3)以外である]の少なくとも1つのモノマーを含む。
【0126】
ある態様では、それぞれのBxが、独立して、ウラシル、5−メチルウラシル、5−チアゾロ−ウラシル、2−チオ−ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、チミン、2’−チオ−チミン、シトシン、5−メチルシトシン、5−チアゾロ−シトシン、5−プロピニル−シトシン、アデニン、グアニン、2,6−ジアミノプリン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾチアジン−2(3H)−オン、9−(2−アミノエトキシ)−H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、2H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−オン、又はH−ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−オンである。ある態様では、それぞれのBxが、独立して、ウラシル、5−メチルウラシル、チミン、シトシン、5−メチルシトシン、アデニン、又はグアニンである。
【0127】
ある態様では、T
3及びT
4の少なくとも1つが5’若しくは3’−末端基である。ある態様では、T
3及びT
4の少なくとも1つがコンジュゲート基又はリン酸エステル部分である。
【0128】
ある態様では、それぞれのQ
1がHである。ある態様では、それぞれのQ
2がHである。ある態様では、それぞれのQ
1とそれぞれのQ
2がH以外である。ある態様では、式IIのそれぞれのモノマーについて、Q
1及びQ
2の少なくとも1つが置換C
1−C
6アルキルである。ある態様では、それぞれの置換C
1−C
6アルキルが、ハロゲン、C
2−C
6アルケニル、OJ
1、NJ
1J
2、及びCNより選択される少なくとも1つの置換基を含み、ここでそれぞれのJ
1及びJ
2は、独立して、H又はC
1−C
6アルキルである。ある態様では、それぞれの置換C
1−C
6アルキルが、フルオロ及びOCH
3より選択される少なくとも1つの置換基を含む。ある態様では、式IIのそれぞれのモノマーについて、Q
1及びQ
2の少なくとも1つがC
1−C
6アルキルである。ある態様では、式IIのそれぞれのモノマーについて、Q
1及びQ
2の少なくとも1つがメチルである。
【0129】
ある態様では、式IIのそれぞれのモノマーについて、Gが、CH
3、CH
2F、CHF
2、CF
3、CH
2CH
3、CH
2CH
2F、CH
2CHF
2、CH
2CF
3、CH
2−CH=CH
2、(CH
2)
2−O−CH
3、(CH
2)
2−S−CH
3、(CH
2)
2−O−CF
3、(CH
2)
3−N(A
1)(A
2)、(CH
2)
2−O−N(A
1)(A
2)、(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−N(A
1)(A
2)、CH
2C(=O)−N(A
1)(A
2)、CH
2C(=O)−N(A
3)−(CH
2)
2−N(A
1)(A
2)、又は(CH
2)
2−N(A
3)−C(=NA
4)[N(A
1)(A
2)]であり、ここでA
1、A
2、A
3、及びA
4は、それぞれ独立して、H又はC
1−C
6アルキルである。ある態様では、式IIのそれぞれのモノマーについて、Gが、CH
3、CF
3、CH
2CH
3、CH
2CF
3、CH
2−CH=CH
2、(CH
2)
2−O−CH
3、(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−N(CH
3)
2、CH
2C(=O)N(H)CH
3、CH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2、又はCH
2−N(H)−C(=NH)NH
2である。ある態様では、式IIのそれぞれのモノマーについて、Gが、CH
3、CH
2CH
2−O−CH
3、CH
2C(=O)N(H)CH
3、又はCH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2である。
【0130】
ある態様では、式IIのそれぞれのモノマーが構造:
【0132】
を有するオリゴマー化合物を提供する。
【0133】
ある態様では、式IIのモノマーが2つ以上連続する少なくとも1つの領域を含んでなるオリゴマー化合物を提供する。ある態様において、その少なくとも1つの領域は、式IIのモノマーを2〜5連続して含む。
【0134】
ある態様では、少なくとも2つの領域を含んでなるオリゴマー化合物を提供し、ここでそれぞれの領域は、独立して、式IIのモノマーを1〜約5連続して含み、そしてここでこの2つの領域は、式IIを有するモノマーとは異なって、ヌクレオシド及び修飾ヌクレオシドより独立して選択される、少なくとも1つのモノマーサブユニットを含んでなる内部領域によって分離される。ある態様では、式IIのモノマーが連続する1つの領域が5’端に位置して、式IIのモノマーが連続する第二領域が3’端に位置しているギャップ化オリゴマー化合物を含んでなるオリゴマー化合物を提供し、ここでこの2つの領域は、式IIを有するモノマーとは異なり、ヌクレオシド及び修飾ヌクレオシドより独立して選択される、約6〜約18のモノマーサブユニットを含んでなる内部領域によって分離される。ある態様において、この内部領域は、約8〜約14の連続β−D−2’−デオキシリボフラノシルヌクレオシドを含む。ある態様において、この内部領域は、約9〜約12の連続β−D−2’−デオキシリボフラノシルヌクレオシドを含む。
【0135】
ある態様では、式IIのモノマーが2〜3連続する第一領域、式IIのモノマーが1又は2連続する任意選択の第二領域、及び8〜14のβ−D−2’−デオキシリボフラノシルヌクレオシドの第三領域を含んでなり、ここで前記第三領域は、前記第一領域と前記第二領域の間に位置している、オリゴマー化合物を提供する。
【0136】
ある態様では、それぞれのヌクレオシド間連結基が、独立して、ホスホジエステルヌクレオシド間連結基又はホスホロチオエートヌクレオシド間連結基である、オリゴマー化合物を提供する。ある態様では、それぞれのヌクレオシド間連結基が本質的にホスホロチオエートヌクレオシド間連結基である、オリゴマー化合物を提供する。
【0137】
ある態様では、本発明で提供されるようなオリゴマー化合物と細胞を接触させることを含んでなる方法を提供し、ここで前記オリゴマー化合物は、標的RNAに相補的である。ある態様において、その細胞は、動物にある。ある態様において、その細胞は、ヒトにある。ある態様において、標的RNAは、mRNA、プレmRNA、及びマイクロRNAより選択される。ある態様において、標的RNAは、mRNAである。ある態様において、標的RNAは、ヒトmRNAである。ある態様において、標的RNAは、切断されて、それによりその機能を阻害する。
【0138】
ある態様において、該方法は、前記オリゴマー化合物の前記細胞に対するアンチセンス活性を評価する工程をさらに含む。ある態様において、評価には、標的RNAの量を検出することが含まれる。ある態様において、評価には、タンパク質の量を検出することが含まれる。ある態様において、評価には、1以上の表現型効果の検出が含まれる。
【0139】
ある態様では、そのオリゴマー化合物を療法における使用に提供する。ある態様において、療法は、望まれない遺伝子発現を特徴とする疾患を治療することを含む。ある態様において、療法は、遺伝子発現を阻害することによって疾患を治療することである。ある態様において、療法は、ノンコーディングRNAの調節(低下させるか又は増加させること)に関連し、これが次に、疾患状態を創出することに関与している他の遺伝子の発現に影響を及ぼす。ある態様において、療法は、本発明で提供するようなオリゴマー化合物又は二本鎖組成物と動物中の細胞を接触させることを含む。ある態様では、動物中の細胞を本オリゴマー化合物と接触させることができる。
【0140】
ある態様では、望まれない遺伝子発現を特徴とする疾患の治療用医薬品の製造へのオリゴマー化合物の使用を提供する。ある態様では、遺伝子発現を阻害することによって疾患を治療するための医薬品の製造へのオリゴマー化合物の使用を提供する。
【0141】
また提供するのは、本発明で提供するようなオリゴマー化合物と医薬的に許容される担体をそれぞれ含む医薬組成物である。
【発明を実施するための形態】
【0142】
ある態様では、少なくとも1つの5’−置換基と2’−置換基を有する修飾ヌクレオシド、これら修飾ヌクレオシドが含まれるオリゴマー化合物、及びこれらオリゴマー化合物を使用する方法を提供する。本発明でまた提供するのは、これらの修飾ヌクレオシド及びオリゴマー化合物を製造するための中間体及び方法である。より特別には、オリゴマー化合物へ取り込むことができる、5’−モノ(R、S、又は混合)若しくはビス置換で2’−置換された修飾ヌクレオシドを提供する。本発明で提供する修飾ヌクレオシドは、それらがその中へ取り込まれるオリゴマー化合物の1以上の特性(例えば、ヌクレアーゼ抵抗性のような)を増強するのに有用であることが期待される。ある態様において、本発明で提供するオリゴマー化合物及び組成物は、標的RNAの一部へハイブリダイズして、標的RNAの通常の機能の損失をもたらすことが期待される。本オリゴマー化合物はまた、診断応用におけるプライマー及びプローブとして有用であることが期待される。
【0145】
[式中:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
Aは、O、S、又はN(R
1)であり;
R
1は、H、C
1−C
6アルキル、又は置換C
1−C
6アルキルであり;
T
1とT
2の一方は、H、保護基、又はリン部分であり、そしてT
1とT
2の他方は、H、保護基、又は反応性リン基であり;
Q
1とQ
2の一方は、H、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換C
2−C
6アルキニルであり、そしてQ
1とQ
2の他方は、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換C
2−C
6アルキニルであり;
G
1は、O−[C(R
2)(R
3)]
n−[(C=O)
m−X]
j−Z、又はハロゲンであり;
それぞれのR
2及びR
3は、独立して、H又はハロゲンであり;
Xは、O、S、又はN(E
1)であり;
Zは、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、置換C
2−C
6アルキニル、又はN(E
2)(E
3)であり;
E
1、E
2、及びE
3は、それぞれ独立して、H、C
1−C
6アルキル、又は置換C
1−C
6アルキルであり;
nは、1〜約6であり;
mは、0又は1であり;
jは、0又は1であり;
それぞれの置換基は、ハロゲン、OJ
1、N(J
1)(J
2)、=NJ
1、SJ
1、N
3、CN、OC(=L)J
1、OC(=L)N(J
1)(J
2)、及びC(=L)N(J
1)(J
2)より独立して選択される、1以上の保護化されていてもよい置換基を含み;
Lは、O、S、又はNJ
3であり;
それぞれのJ
1、J
2、及びJ
3は、独立して、H又はC
1−C
6アルキルであり;そして
jが1であるとき、Zは、ハロゲン又はN(E
2)(E
3)以外であり、そしてAがOであるとき、G
1は、ハロゲン以外である]を有する化合物を提供する。
【0149】
本発明の1つの側面において、式II:
【0151】
[式中、式IIのそれぞれのモノマーについて独立して:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
Aは、O、S、又はN(R
1)であり;
R
1は、H、C
1−C
6アルキル、又は置換C
1−C
6アルキルであり;
T
3とT
4の一方は、該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり、そしてT
3とT
4の他方は、H、保護基、リン部分、5’若しくは3’−末端基、又は該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり;
Q
1とQ
2の一方は、H、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換C
2−C
6アルキニルであり、そしてQ
1とQ
2の他方は、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換C
2−C
6アルキニルであり;
G
1は、O−[C(R
2)(R
3)]
n−[(C=O)
m−X]
j−Z、又はハロゲンであり;
それぞれのR
2及びR
3は、独立して、H又はハロゲンであり;
Xは、O、S、又はN(E
1)であり;
Zは、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、置換C
2−C
6アルキニル、又はN(E
2)(E
3)であり;
E
1、E
2、及びE
3は、それぞれ独立して、H、C
1−C
6アルキル、又は置換C
1−C
6アルキルであり;
nは、1〜約6であり;
mは、0又は1であり;
jは、0又は1であり;
それぞれの置換基は、ハロゲン、OJ
1、N(J
1)(J
2)、=NJ
1、SJ
1、N
3、CN、OC(=L)J
1、OC(=L)N(J
1)(J
2)、及びC(=L)N(J
1)(J
2)より独立して選択される、1以上の保護化されていてもよい置換基を含み;
Lは、O、S、又はNJ
3であり;
それぞれのJ
1、J
2、及びJ
3は、独立して、H又はC
1−C
6アルキルであり;そして
jが1であるとき、Zは、ハロゲン又はN(E
2)(E
3)以外であり、そしてAがOであるとき、G
1は、ハロゲン以外である]を有する少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物を提供する。
【0152】
ある態様では、式IIを有する少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物を提供し、ここで式IIのそれぞれのモノマーは、構造:
【0155】
本発明の1つの側面において、式III:
【0157】
[式中:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
T
5は、リン部分又は反応性リン基であり;
T
6は、H、保護基、又は反応性リン基であり;
Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換C
2−C
6アルキニルであり;
G
1は、O−[C(R
2)(R
3)]
n−[(C=O)
m−X]
j−Z、又はハロゲンであり;
それぞれのR
2及びR
3は、独立して、H又はハロゲンであり;
Xは、O、S、又はN(E
1)であり;
Zは、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、置換C
2−C
6アルキニル、又はN(E
2)(E
3)であり;
E
1、E
2、及びE
3は、それぞれ独立して、H、C
1−C
6アルキル、又は置換C
1−C
6アルキルであり;
nは、1〜約6であり;
mは、0又は1であり;
jは、0又は1であり;
それぞれの置換基は、ハロゲン、OJ
1、N(J
1)(J
2)、=NJ
1、SJ
1、N
3、CN、OC(=L)J
1、OC(=L)N(J
1)(J
2)、及びC(=L)N(J
1)(J
2)より独立して選択される、1以上の保護化されていてもよい置換基を含み;
Lは、O、S、又はNJ
3であり;
それぞれのJ
1、J
2、及びJ
3は、独立して、H又はC
1−C
6アルキルであり;
jが1であるとき、Zは、ハロゲン又はN(E
2)(E
3)以外であり;そして
Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4がそれぞれHであるとき、又はQ
1とQ
2がHであってQ
3とQ
4がそれぞれFであるとき、又はQ
1とQ
2がそれぞれHであってQ
3とQ
4の一方がHでありQ
3とQ
4の他方がR
9であるとき、このときG
1は、H、ヒドロキシル、OR
9、ハロゲン、CF
3、CCl
3、CHCl
2、及びCH
2OH以外であり、ここでR
9は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、又はアルカリールである]を有する化合物を提供する。
【0160】
を有する式IIIの化合物を提供する。
【0161】
本発明の1つの側面において、式IV:
【0163】
[式中、式IVのそれぞれのモノマーについて独立して:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
T
7とT
8の一方は、該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり、そしてT
7とT
8の他方は、H、ヒドロキシル保護基、リン部分、5’若しくは3’−末端基、又は該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり;
Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換C
2−C
6アルキニルであり;
G
1は、O−[C(R
2)(R
3)]
n−[(C=O)
m−X]
j−Z、又はハロゲンであり;
それぞれのR
2及びR
3は、独立して、H又はハロゲンであり;
Xは、O、S、又はN(E
1)であり;
Zは、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、置換C
2−C
6アルキニル、又はN(E
2)(E
3)であり;
E
1、E
2、及びE
3は、それぞれ独立して、H、C
1−C
6アルキル、又は置換C
1−C
6アルキルであり;
nは、1〜約6であり;
mは、0又は1であり;
jは、0又は1であり;
それぞれの置換基は、ハロゲン、OJ
1、N(J
1)(J
2)、=NJ
1、SJ
1、N
3、CN、OC(=L)J
1、OC(=L)N(J
1)(J
2)、及びC(=L)N(J
1)(J
2)より独立して選択される、1以上の保護化されていてもよい置換基を含み;
Lは、O、S、又はNJ
3であり;
それぞれのJ
1、J
2、及びJ
3は、独立して、H又はC
1−C
6アルキルであり;
jが1であるとき、Zは、ハロゲン又はN(E
2)(E
3)以外であり;そして
Q
1、Q
2、Q
3、及びQ
4がそれぞれHであるとき、又はQ
1とQ
2がHであってQ
3とQ
4がそれぞれFであるとき、又はQ
1とQ
2がそれぞれHであってQ
3とQ
4の一方がHでありQ
3とQ
4の他方がR
9であるとき、このときG
1は、H、ヒドロキシル、OR
9、ハロゲン、CF
3、CCl
3、CHCl
2、及びCH
2OH以外であり、ここでR
9は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、又はアルカリールである]を有する少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物を提供する。
【0164】
ある態様では、式IVを有する少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物を提供し、ここで式IVのそれぞれのモノマーは、構造:
【0167】
ある態様では、本発明で提供するようなオリゴマー化合物の少なくとも1つを含んでなる二本鎖組成物を提供する。ある態様では、そのようなオリゴマー化合物のそれぞれに、式IIのモノマー及び/又は式IVのモノマーより選択される1以上のモノマーを含めることができる。ある態様では、この二本鎖組成物の1つの鎖だけが本発明で提供するようなモノマーの1以上を含む。ある態様では、この二本鎖組成物の1つの鎖だけが本発明で提供するような単一のモノマーを含み、ここでそのようなモノマーに好ましい位置は、5’−末端モノマーである。
【0168】
ある態様において、本発明で提供する5’及び2’−修飾ヌクレオシドは、オリゴマー化合物を1以上の位置で修飾するのに有用である。そのような修飾オリゴマー化合物は、特別なモチーフを有すると記載することができる。モチーフには、制限なしに、ギャップ化モチーフ、ヘミマーモチーフ、ブロックマーモチーフ、均一完全修飾モチーフ、位置的修飾モチーフ、及び交替モチーフが含まれる。これらのモチーフと共同して、限定されないが、ホスホジエステル及びホスホロチオエートヌクレオシド間連結が含まれる、多種多様なヌクレオシド間連結も使用し得て、これらは均一に、又は様々な組合せで取り込むことができる。本オリゴマー化合物には、例えば、コンジュゲート又はレポーター基のような、少なくとも1つの5’若しくは3’−末端基をさらに含めることができる。本発明で提供する5’及び2’−修飾ヌクレオシドのポジショニング、連結戦略の使用、及び5’若しくは3’−末端基については、選択される標的へ望まれる活性を増強するために容易に最適化することができる。
【0169】
本明細書に使用するように、「モチーフ」という用語は、モノマーサブユニットのオリゴマー化合物内での相対的なポジショニングによって創出されるパターンに言及し、ここでそのパターンは、糖基を比較することによって決定される。オリゴマー化合物のモチーフについての唯一の決定因子は、糖基の間の違い、又は違いの不足なのである。本明細書に使用するように、「糖基」という用語には、それがモチーフへ適用される場合、フラノース環を有する天然に存在する糖、修飾フラノース環を有する糖、及び、糖代用物(ここではフラノース環が、例えば、モルホリノ又はヘキシトール環系のような別の環系に置き換わっている)が含まれる。それぞれの糖基が同じである(DNA、RNA、修飾、又は代用物)とき、このモチーフは、均一完全修飾と呼ばれる。2以上の種類の糖基が存在しているとき、このモチーフは、オリゴマー化合物内部での、異なる種類の糖基を有するモノマーサブユニットのポジショニングに対する、第一種の糖基を有するモノマーサブユニットのポジショニングより創出されるパターンによって規定される。
【0170】
モチーフを有するオリゴマー化合物の製造において有用ないくつかの異なる種類の糖基の具体例には、制限なしに、β−D−リボース、β−D−2’−デオキシリボース、置換糖(2’,5’及びビス置換糖のような)、4’−S−糖(4’−S−リボース、4’−S−2’−デオキシリボース、及び4’−S−2’−置換リボースのような)、二環系修飾糖(2’−O−CH
2−4’若しくは2’−O−(CH
2)
2−4’架橋リボース由来の二環系糖のような)、及び糖代用物(リボース環がモルホリノ又はヘキシトール環系で置き換えられた場合のような)が含まれる。それぞれの位置で使用される複素環式塩基及びヌクレオシド間連結の種類は可変的であり、モチーフを決定するときの因子ではない。限定されないが、キャッピング基、コンジュゲート基、及び他の5’若しくは3’−末端基が含まれる1以上の他の基の存在も、モチーフを決定するときの因子ではない。
【0171】
モチーフの製造について教示する代表的な米国特許には、制限なしに、5,013,830;5,149,797;5,220,007;5,256,775;5,366,878;5,403,711;5,491,133;5,565,350;5,623,065;5,652,355;5,652,356;及び5,700,922号が含まれ、このうちあるものは、本出願とともに共有されて、このそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。モチーフについては、国際特許出願PCT/US2005/019219(2005年6月2日出願、WO2005/121371として2005年12月22日公開)及びPCT/US2005/019220(2005年6月2日出願、WO2005/121372として2005年12月22日公開)においても開示され;そのいずれも、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0172】
本明細書に使用するように、「交替モチーフ」という用語は、連結したモノマーサブユニットの連続配列を含んでなるオリゴマー化合物に言及し、ここでそのモノマーサブユニットは、オリゴマー化合物の本質的に全体の配列で交替する、2つの異なる種類の糖基を有する。交替モチーフを有するオリゴマー化合物は、式:5’−A(−L−B−L−A)
n(−L−B)
nn−3’(ここでAとBは、異なる糖基を有するモノマーサブユニットであり、それぞれのLは、独立して、ヌクレオシド間連結基であり、nは、約4〜約12であり、nnは、0又は1である)によって記載することができる。複素環式塩基とヌクレオシド間連結は、独立して、それぞれの位置で可変的である。このモチーフには、限定されないが、キャッピング基、コンジュゲート基、及び他の5’若しくは3’−末端基が含まれる、1以上の他の基の使用がさらに含まれてもよい。これにより、長さが約9〜約26のモノマーサブユニットの交替オリゴマー化合物が可能になる。この長さ範囲は、より長いオリゴマー化合物もより短いオリゴマー化合物も本発明で提供するオリゴマー化合物に受け容れられるので、制限的であることを意味しない。ある態様では、A及びBの1つが、本発明で提供するような5’及び2’−修飾ヌクレオシドである。
【0173】
本明細書に使用するように、「均一完全修飾モチーフ」という用語は、同じ種類の糖基をそれぞれ有する連結したモノマーサブユニットの連続配列を含んでなるオリゴマー化合物に言及する。複素環式塩基とヌクレオシド間連結は、独立して、それぞれの位置で可変的である。このモチーフには、限定されないが、キャッピング基、コンジュゲート基、及び他の5’若しくは3’−末端基が含まれる、1以上の他の基の使用がさらに含まれてもよい。ある態様において、均一完全修飾モチーフには、5’及び2’−修飾ヌクレオシドの連続配列が含まれる。ある態様では、5’及び2’−修飾ヌクレオシドの連続配列の5’及び3’−端の一方又は両方が1以上の非修飾ヌクレオシドのような5’若しくは3’−末端基を含む。
【0174】
本明細書に使用するように、「ヘミマーモチーフ」という用語は、同じ種類の糖基をそれぞれ有するモノマーサブユニットの連続配列を、5’端又は3’端に位置して、異なる種類の糖基を有するモノマーサブユニットのさらに短い連続配列とともに含んでなるオリゴマー化合物に言及する。複素環式塩基とヌクレオシド間連結は、独立して、それぞれの位置で可変的である。このモチーフには、限定されないが、キャッピング基、コンジュゲート基、及び他の5’若しくは3’−末端基が含まれる、1以上の他の基の使用がさらに含まれてもよい。一般に、ヘミマーは、均一であるが異なる糖基がオリゴマー化合物の3’端又は5’端のいずれかに位置する短い領域(1、2、3、4、又は約5のモノマーサブユニット)をさらに含んでなる、均一な糖基のオリゴマー化合物である。
【0175】
ある態様において、ヘミマーモチーフは、第一種の糖基を有する約10〜約28のモノマーサブユニットの連続配列を、第二種の糖基が末端の一方に位置する1〜5又は2〜約5のモノマーサブユニットとともに含む。ある態様において、ヘミマーは、1〜12の連続した5’及び2’−修飾ヌクレオシドが末端の一方に位置する、約8〜約20のβ−D−2’−デオキシリボヌクレオシドの連続配列である。ある態様において、ヘミマーは、1〜5の連続した5’及び2’−修飾ヌクレオシドが末端の一方に位置する、約8〜約20のβ−D−2’−デオキシリボヌクレオシドの連続配列である。ある態様において、ヘミマーは、1〜3の連続した5’及び2’−修飾ヌクレオシドが末端の一方に位置する、約12〜約18のβ−D−2’−デオキシリボヌクレオシドの連続配列である。ある態様において、ヘミマーは、1〜3の連続した5’及び2’−修飾ヌクレオシドが末端の一方に位置する、約10〜約14のβ−D−2’−デオキシリボヌクレオシドの連続配列である。
【0176】
本明細書に使用するように、「ブロックマーモチーフ」という用語は、それぞれのモノマーサブユニットの糖基が、異なる種類の糖基を有する連続したモノマーサブユニットの中断的な内部ブロックを除けば同じである、モノマーサブユニットの他の点では連続した配列を含んでなるオリゴマー化合物に言及する。複素環式塩基とヌクレオシド間連結は、独立して、ブロッカーオリゴマー化合物のそれぞれの位置で可変的である。このモチーフには、限定されないが、キャッピング基、コンジュゲート基、及び他の5’若しくは3’−末端基が含まれる、1以上の他の基の使用がさらに含まれてもよい。ブロックマーは、その定義においてギャップマーと幾分重なるが、典型的には、ブロックマーでは、ブロック中のモノマーサブユニットだけが天然に存在しない糖基を有して、ギャップマーでは、外部領域中のモノマーサブユニットだけが天然に存在しない糖基を有するのであり、ブロックマー又はギャップマーにおける残りのモノマーサブユニットは、β−D−2’−デオキシリボヌクレオシド又はβ−D−リボヌクレオシドである。ある態様では、モノマーサブユニットのすべてが天然に存在しない糖基を含む、ブロックマーのオリゴマー化合物を本発明で提供する。
【0177】
本明細書に使用するように、「位置的修飾モチーフ」という用語は、別の種類の糖基を有する1〜約5の連続したモノマーサブユニットの2以上の領域で中断された、第一種の糖基を有するモノマーサブユニットの他の点では連続した配列が含まれることを意味する。1〜約5の連続したモノマーサブユニットの2以上の領域のそれぞれは、糖基の種類に関して、独立して均一に修飾される。ある態様では、2以上の領域のそれぞれが同じ種類の糖基を有する。ある態様では、2以上の領域のそれぞれが異なる種類の糖基を有する。ある態様では、2以上の領域のそれぞれが、独立して、同じか又は異なる種類の糖基を有する。複素環式塩基とヌクレオシド間連結は、独立して、位置的修飾オリゴマー化合物のそれぞれの位置で可変的である。このモチーフには、限定されないが、キャッピング基、コンジュゲート基、及び他の5’若しくは3’−末端基が含まれる、1以上の他の基の使用がさらに含まれてもよい。ある態様では、2〜約5の連続した5’及び2’−修飾ヌクレオシドの2又は3の領域がそれぞれさらに含まれる、8〜20のβ−D−2’−デオキシリボヌクレオシドの配列を含んでなる位置的修飾オリゴマー化合物を提供する。位置的修飾オリゴマー化合物がギャップ化モチーフ、ヘミマーモチーフ、ブロックマーモチーフ、及び交替モチーフから区別されるのは、どの位置モチーフでも規定される領域置換のパターンがこれらの他のモチーフの1つについて本明細書で提供される定義に適合しないからである。「位置的修飾オリゴマー化合物」という用語には、多くの異なる特定の置換パターンが含まれる。
【0178】
本明細書に使用するように、「ギャップマー」又は「ギャップ化オリゴマー化合物」という用語は、2つの外部領域又はウィングと内部領域又はギャップを有するオリゴマー化合物に言及する。この3つの領域は、外部領域の糖基が内部領域の糖基とは異なる、モノマーサブユニットの連続配列を形成して、そしてここで特別な領域内のそれぞれのモノマーサブユニットの糖基は、本質的に同じである。ある態様では、特別な領域内のそれぞれのモノマーサブユニットが同じ糖基を有する。外部領域の糖基が同じであるとき、ギャップマーは、対称性のギャップマーであり、そして5’−外部領域に使用される糖基が3’−外部領域に使用される糖基とは異なるとき、ギャップマーは、非対称性のギャップマーである。ある態様において、外部領域は、小さく(それぞれ独立して、1、2、3、4、又は約5のモノマーサブユニット)、モノマーサブユニットは、天然に存在しない糖基を含み、内部領域は、β−D−2’−デオキシリボ−ヌクレオシドを含んでなる。ある態様において、外部領域は、それぞれ独立して、天然に存在しない糖基を有する1〜約5のモノマーサブユニットを含み、そして内部領域は、6〜18の非修飾ヌクレオシドを含む。内部領域又はギャップは、β−D−2’−デオキシリボヌクレオシドを概して含むが、天然に存在しない糖基を含む可能性もある。複素環式塩基とヌクレオシド間連結は、ギャップ化オリゴマー化合物のそれぞれの位置で、独立して可変的である。このモチーフには、限定されないが、キャッピング基、コンジュゲート基、及び他の5’若しくは3’−末端基が含まれる、1以上の他の基の使用がさらに含まれてもよい。
【0179】
ある態様において、ギャップ化オリゴマー化合物は、β−D−2’−デオキシリボヌクレオシドの内部領域を含み、外部領域の一方は、本明細書に開示されるような5’及び2’−修飾ヌクレオシドを含んでなる。ある態様において、ギャップ化オリゴマー化合物は、β−D−2’−デオキシリボヌクレオシドの内部領域を含み、外部領域の両方は、本発明で提供するような5’及び2’−修飾ヌクレオシドを含んでなる。ある態様では、モノマーサブユニットのすべてが天然に存在しない糖基を含むギャップ化オリゴマー化合物を本発明で提供する。
【0180】
ある態様では、1又は2の5’及び2’−修飾ヌクレオシドを5’端に、2又は3の5’及び2’−修飾ヌクレオシドを3’端に、そして10〜16のβ−D−2’−デオキシリボヌクレオシドの内部領域を含んでなる、ギャップ化オリゴマー化合物を提供する。ある態様では、1つの5’及び2’−修飾ヌクレオシドを5’端に、2つの5’及び2’−修飾ヌクレオシドを3’端に、そして10〜16のβ−D−2’−デオキシリボヌクレオシドの内部領域を含んでなる、ギャップ化オリゴマー化合物を提供する。ある態様では、1つの5’及び2’−修飾ヌクレオシドを5’端に、2つの5’及び2’−修飾ヌクレオシドを3’端に、そして10〜14のβ−D−2’−デオキシリボヌクレオシドの内部領域を含んでなる、ギャップ化オリゴマー化合物を提供する。
【0181】
ある態様では、約10〜約21のモノマーサブユニットの長さである、ギャップ化オリゴマー化合物を提供する。ある態様では、約12〜約16のモノマーサブユニットの長さである、ギャップ化オリゴマー化合物を提供する。ある態様では、約12〜約14のモノマーサブユニットの長さである、ギャップ化オリゴマー化合物を提供する。
【0182】
本明細書に使用する「置換基(substituent)」及び「置換基(substituent group)」という用語には、望まれる特性を増強するか又は他の望まれる効果を提供するために、他の基又は親化合物へ典型的には付加される基が含まれることを意味する。置換基は、保護化されても非保護化でもよく、親化合物中の1つの利用可能な部位又は多くの利用可能な部位へ付加することができる。置換基はまた、他の置換基でさらに置換されてよく、親化合物へ直接的に付けても、又はアルキル又はヒドロカービル基のような連結基を介して付けてもよい。
【0183】
本発明に従う置換基には、制限なしに、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル(−C(O)R
aa)、カルボキシル(−C(O)O−R
aa)、脂肪族基、脂環式基、アルコキシ、置換オキシ(−O−R
aa)、アリール、アラルキル、複素環式基、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アミノ(−N(R
bb)(R
cc)、イミノ(=NR
bb)、アミド(−C(O)N(R
bb)(R
cc)又は−N(R
bb)C(O)R
aa)、アジド(−N
3)、ニトロ(−NO
2)、シアノ(−CN)、カルバミド(−OC(O)N(R
bb)(R
cc)又は−N(R
bb)C(O)OR
aa)、ウレイド(−N(R
bb)C(O)N(R
bb)(R
cc))、チオウレイド(−N(R
bb)C(S)N(R
bb)−(R
cc))、グアニジニル(−N(R
bb)C(=NR
bb)N(R
bb)(R
cc))、アミジニル(−C(=NR
bb)N(R
bb)(R
cc)又は−N(R
bb)C(=NR
bb)(R
aa))、チオール(−SR
bb)、スルフィニル(−S(O)R
bb)、スルホニル(−S(O)
2R
bb)、及びスルホンアミジル(−S(O)
2N(R
bb)(R
cc)又は−N(R
bb)S−(O)
2R
bb)が含まれる。ここで、それぞれのR
aa、R
bb、及びR
ccは、独立して、H、連結されてもよい化学官能基、又はさらなる置換基であり、好ましいリストには、制限なしに、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、脂肪族、アルコキシ、アシル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、脂環式、複素環式、及びヘテロアリールアルキルが含まれる。本明細書に記載される化合物内で選択される置換基は、再帰的な度合いで存在する。
【0184】
この文脈において、「再帰的置換基」は、ある置換基からそれ自体の別の例が引用され得ることを意味する。このような置換基の再帰的な性質のために、所与の特許請求項には、理論上、大きな数が存在し得る。医化学及び有機化学の当業者は、そのような置換基の全体数が、企図される化合物に望まれる特性によって合理的に制約されることを理解されよう。そのような特性には、例示すれば、そして制限なしに、分子量、溶解度、又は対数Pのような物理特性、企図される標的に対する活性のような応用特性、そして合成の容易さのような実地特性が含まれる。
【0185】
再帰的置換基は、本発明の企図される側面である。医化学及び有機化学の当業者は、このような置換基の多様性を理解されよう。再帰的置換基が本発明の特許請求項に存在する度合いまで、全体数は、上記に述べたように決定されよう。
【0186】
本明細書に使用する「安定した化合物」及び「安定した構造」という用語は、反応混合物からの有用な純度までの単離、及び有効な治療薬剤への製剤化に耐えるのに十分頑丈である化合物を示すものである。本発明では、安定した化合物だけを考慮する。
【0187】
本明細書に使用する「アルキル」という用語は、24までの炭素原子を含有する、飽和した直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。アルキル基の例には、制限なしに、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、n−ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、等が含まれる。アルキル基には、典型的には、1〜約24の炭素原子、より典型的には、1〜約12の炭素原子(C
1−C
12アルキル)が含まれ、1〜約6の炭素原子がより好ましい。本明細書に使用する「低級アルキル」という用語には、1〜約6の炭素原子が含まれる。本明細書に使用するアルキル基には、1以上のさらなる置換基が含まれてもよい。
【0188】
本明細書に使用する「アルケニル」という用語は、24までの炭素原子を含有して、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。アルケニル基の例には、制限なしに、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イル、1,3−ブタジエンのようなジエン、等が含まれる。アルケニル基には、典型的には、2〜約24の炭素原子、より典型的には2〜約12の炭素原子が含まれ、2〜約6の炭素原子がより好ましい。本明細書に使用するアルケニル基には、1以上のさらなる置換基が含まれてもよい。
【0189】
本明細書に使用する「アルキニル」という用語は、24までの炭素原子を含有して、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する、直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。アルキニル基の例には、制限なしに、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニル、等が含まれる。アルキニル基には、典型的には、2〜約24の炭素原子、より典型的には、2〜約12の炭素原子が含まれ、2〜約6の炭素原子がより好ましい。本明細書に使用するアルキニル基には、1以上のさらなる置換基が含まれてもよい。
【0190】
本明細書に使用する「アシル」という用語は、有機酸からヒドロキシル基の除去によって生成する残基を意味し、一般式:−C(O)−X(ここでXは、典型的には、脂肪族、脂環式、又は芳香族である)を有する。例には、脂肪族カルボニル、芳香族カルボニル、脂肪族スルホニル、芳香族スルフィニル、脂肪族スルフィニル、芳香族リン酸エステル、脂肪族リン酸エステル、等が含まれる。本明細書に使用するアシル基には、さらなる置換基が含まれてもよい。
【0191】
「脂環式」という用語は、環が脂肪族である、環式の環系に言及する。この環系は、少なくとも1つの環が脂肪族である、1以上の環を含むことができる。好ましい脂環には、環中に約5〜約9の炭素原子を有する環が含まれる。本明細書に使用する脂環には、さらなる置換基が含まれてもよい。
【0192】
本明細書に使用する「脂肪族」という用語は、どの2つの炭素原子間の飽和も、単結合、二重結合、又は三重結合である、24までの炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素基に言及する。脂肪族基は、好ましくは、1〜約24の炭素原子、より典型的には、1〜約12の炭素原子を含有し、1〜約6の炭素原子がより好ましい。脂肪族基の直鎖又は分岐鎖は、窒素、酸素、イオウ、及びリンが含まれる、1以上のヘテロ原子で中断されてよい。ヘテロ原子によって中断されるこのような脂肪族基には、制限なしに、ポリアルキレングリコールのようなポリアルコキシ、ポリアミン、及びポリイミンが含まれる。本明細書に使用するように脂肪族基には、さらなる置換基が含まれてもよい。
【0193】
本明細書に使用する「アルコキシ」という用語は、アルキル基と酸素原子の間で形成される残基を意味し、ここではアルコキシ基を親分子へ付けるのに酸素原子が使用される。アルコキシ基の例には、制限なしに、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、ネオペントキシ、n−ヘキソキシ、等が含まれる。本明細書に使用するアルコキシ基には、さらなる置換基が含まれてもよい。
【0194】
本明細書に使用する「アミノアルキル」という用語は、アミノ置換されたC
1−C
12アルキル残基を意味する。この残基のアルキル部分は、親分子と共有結合を形成する。アミノ基は、どの位置にあってもよくて、アミノアルキル基は、アルキル及び/又はアミノ部分にて、さらなる置換基で置換され得る。
【0195】
本明細書に使用する「アラルキル」及び「アリールアルキル」という用語は、C
1−C
12アルキル残基へ共有結合している芳香族基を意味する。得られるアラルキル(又はアリールアルキル)基のアルキル残基部分は、親分子と共有結合を形成する。例には、制限なしに、ベンジル、フェネチル、等が含まれる。本明細書に使用するアラルキル基には、そのアルキル、そのアリール、又は両方の基へ付いてその残基を形成する、さらなる置換基が含まれてもよい。
【0196】
本明細書に使用する「アリール」及び「芳香族」という用語は、1以上の芳香族環を有する、単環式若しくは多環式の炭素環式環系の残基を意味する。アリール基の例には、制限なしに、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、イデニル、等が含まれる。好ましいアリール環系は、1以上の環に約5〜約20の炭素原子を有する。本明細書に使用するアリール基には、さらなる置換基が含まれてもよい。
【0197】
本明細書に使用する「ハロ」及び「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素より選択される原子を意味する。
【0198】
本明細書に使用する「ヘテロアリール」及び「複素芳香族」という用語は、環の少なくとも1つが芳香族であり、1以上のヘテロ原子が含まれる、単環式若しくは多環式の芳香族環、環系、又は縮合環系を含んでなる残基を意味する。ヘテロアリールには、縮合環の1以上がヘテロ原子を含有しない系が含まれる、縮合環系も含まれることを意味する。ヘテロアリール基には、典型的には、イオウ、窒素、又は酸素より選択される1つの環原子が含まれる。ヘテロアリール基の例には、制限なしに、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノキサリニル、等が含まれる。ヘテロアリール残基は、親分子へ直接的に付けても、又は脂肪族基又はヘテロ原子のような連結部分を介して付けてもよい。本明細書に使用するヘテロアリール基には、さらなる置換基が含まれてもよい。
【0199】
本明細書に使用する「ヘテロアリールアルキル」という用語は、共有結合したC
1−C
12アルキル残基がさらに含まれる、先に定義したようなヘテロアリール基を意味する。得られるヘテロアリールアルキル基のアルキル残基部分は、親分子と共有結合を形成することが可能である。例には、制限なしに、ピリジニルメチル、ピリミジニルエチル、ナフチリジニルプロピル、等が含まれる。本明細書に使用するヘテロアリールアルキル基には、ヘテロアリール部分又はアルキル部分の一方又は両方の上に、さらなる置換基が含まれてもよい。
【0200】
本明細書に使用する「複素環式残基」という用語は、少なくとも1つのヘテロ原子が含まれて、不飽和、一部飽和、又は完全飽和であり、それによりヘテロアリール基が含まれる、単環式若しくは多環式の環系を意味する。複素環式には、縮合環の1以上が少なくとも1つのヘテロ原子を含有して、他の環が1以上のヘテロ原子を含有しても、ヘテロ原子を含有しなくてもよい、縮合環系も含まれることを意味する。複素環式残基には、典型的には、イオウ、窒素、又は酸素より選択される少なくとも1つの原子が含まれる。複素環式残基の例には、[1,3]ジオキソラニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キノキサリニル、ピリダジノニル、テトラヒドロフリル、等が含まれる。本明細書に使用する複素環式基には、さらなる置換基が含まれてもよい。
【0201】
「ヒドロカービル」という用語には、C、O、及びHを含む残基が含まれる。含まれるのは、あらゆる飽和度を有する、直鎖、分岐鎖、及び環式の基である。このようなヒドロカービル基には、N、O、及びSより選択される1以上のヘテロ原子が含まれ得て、1以上の置換基でさらに単置換又は多置換され得る。
【0202】
本明細書に使用する「単環式若しくは多環式構造」という用語には、環が縮合又は連結している単環式若しくは多環式残基の環系より選択されるすべての環系が含まれて、脂肪族、脂環式、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アリールアルキル、複素環式、ヘテロアリール、複素芳香族、及びヘテロアリールアルキルより個別に選択される単一及び混合の環系が含まれることを意味する。このような単環式及び多環式の構造は、それぞれが同じ飽和レベルをを有するか、又はそれぞれ独立して、完全飽和、一部飽和、又は完全不飽和が含まれる、多様な飽和度を有する複数の環を含有し得る。それぞれの環は、C、N、O、及びSより選択される環原子を含んで、複素環式環、並びに、Cだけの環原子を含んでなる環を生じる可能性があり、これは、例えば、1つの環が炭素環原子だけを有して、縮合環が2つの窒素原子を有するベンゾイミダゾールのような混合モチーフにおいて存在し得る。単環式若しくは多環式構造は、例えば、2つの=O基が環の1つへ付く、フタルイミドのような置換基でさらに置換され得る。単環式若しくは多環式構造は、環原子を介して直接的に、置換基を介して、又は二官能性の連結部分を介して、といった様々な戦略を使用して、親分子へ付けることができる。
【0203】
「オキソ」という用語は、(=O)基を意味する。
【0204】
当該技術分野で知られているような連結基又は二官能性連結部分は、化学官能基、コンジュゲート基、レポーター基、及び他の基を、例えば、オリゴマー化合物のような親化合物中の選択部位へ付けるのに有用である。一般に、二官能性連結部分は、2つの官能基を有するヒドロカービル部分を含む。この官能基の一方は、親分子又は目的の化合物へ結合するように選択されて、他方は、化学官能基又はコンジュゲート基のような本質的にすべての選択基へ結合するように選択される。いくつかの態様において、このリンカーは、エチレングリコール又はアミノ酸単位のような反復単位の鎖構造又はポリマーを含む。二官能性連結部分において常套的に使用される官能基の例には、制限なしに、求核基と反応するための求電子体と、求電子基と反応するための求核体が含まれる。いくつかの態様において、二官能性連結部分には、アミノ、ヒドロキシル、カルボン酸、チオール、不飽和物(例、二重若しくは三重結合)、等が含まれる。二官能性連結部分のいくつかの非限定的な例には、8−アミノ−3,6−ジオキサオクタン酸(ADO)、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、及び6−アミノヘキサン酸(AHEX又はAHA)が含まれる。他の連結基には、制限なしに、置換C
1−C
10アルキル、置換若しくは未置換C
2−C
10アルケニル、又は置換若しくは未置換C
2−C
10アルキニルが含まれ、ここで好ましい置換基の非限定的なリストには、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、及びアルキニルが含まれる。
【0205】
ある態様において、本発明で提供するオリゴマー化合物は、1以上のコンジュゲート基の共有結合によって修飾することができる。一般に、コンジュゲート基は、それらが付くオリゴマー化合物の1以上の特性を変化させる。そのようなオリゴヌクレオチド特性には、制限なしに、薬力学、薬物動態、結合、吸収、細胞分布、細胞取込み、電荷、及びクリアランスが含まれる。コンジュゲート基は、化学の技術分野で常套的に使用されて、直接的に、又は任意選択の連結部分又は連結基を介して、オリゴマー化合物のような親化合物へ連結される。コンジュゲート基の好ましいリストには、制限なしに、インターカレーター、レポーター分子、ポリアミン、ポリアミド、ポリエチレングリコール、チオエーテル、ポリエーテル、コレステロール、チオコレステロール、コール酸部分、葉酸、脂質、リン脂質、ビオチン、フェナジン、フェナントリジン、アントラキノン、アダマンタン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、及び色素が含まれる。
【0206】
ある態様において、本発明で提供するオリゴマー化合物は、1以上の5’若しくは3’−末端基の共有結合によって修飾され得る。本明細書に使用する「5’若しくは3’−末端基」、「5’−末端基」及び「3’−末端基」という用語には、オリゴマー化合物の追跡を可能にすること(蛍光標識又は他のレポーター基)、オリゴマー化合物の薬物動態又は薬力学を改善すること(例えば、取込み及び/又は送達を増強することのような)、又は、オリゴマー化合物の1以上の他の望ましい特性を増強すること(ヌクレアーゼ安定性又は結合親和性を向上させるための基)といった様々な目的のために、オリゴマー化合物の5’及び3’端の一方又は両方にそれぞれ配置され得る、当業者に知られた有用な基が含まれることを意味する。ある態様において、5’及び3’−末端基には、制限なしに、修飾又は非修飾ヌクレオシド;独立して修飾又は非修飾である、2以上の連結ヌクレオシド;コンジュゲート基;キャッピング基;リン酸エステル部分;及び、保護基が含まれる。ある態様において、5’及び3’−末端基には、制限なしに、修飾又は非修飾ヌクレオシド;独立して修飾又は非修飾であり、核酸標的及び/又は、例えば、二本鎖組成物中の第二鎖のいずれかに対してハイブリダイズし得るか又はハイブリダイズし得ない、1以上の連結ヌクレオシド;コンジュゲート基;キャッピング基;リン酸エステル部分;及び、保護基が含まれる。
【0207】
本明細書に使用する「リン酸エステル部分」という用語は、リン酸エステル並びに修飾リン酸エステルが含まれる、末端リン酸基を意味する。リン酸エステル部分は、いずれの末端に位置してもよいが、5’−末端ヌクレオシドであることが好ましい。1つの側面において、末端リン酸は、式:−O−P(=O)(OH)OHを有して非修飾である。別の側面において、末端リン酸は、O及びOH基の1以上が、H、O、S、N(R)、又はアルキル(ここでRは、H、アミノ保護基、又は未置換若しくは置換アルキルである)に置き換わるように修飾される。ある態様において、5’及び/又は3’−末端基は、それぞれ独立して非修飾又は修飾である、1〜3のリン酸エステル部分を含むことができる。
【0208】
本明細書に使用するように、「リン部分」という用語は、1価のP
Vリン残基を意味する。ある態様において、リン部分は、式:
【0210】
[式中:
R
aとR
cは、それぞれ独立して、OH、SH、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、置換C
1−C
6アルコキシ、アミノ、又は置換アミノであり;そして
R
bは、O又はSである]を有する。
【0211】
本明細書に使用する「保護基」という用語は、ヒドロキシル、アミノ、及びチオール基が制限なしに含まれる反応性の基を、合成手順の間の望まれない反応に対して保護することが当該技術分野において知られている、不安定な化学部分を意味する。保護基は、典型的には、他の反応部位での反応の間に部位を保護するために、選択的及び/又は直交的に使用されて、非保護基をそのままにして、又はさらなる反応のために利用可能にして、外すことができる。当該技術分野で知られているような保護基については、グリーン(Greene)著の「有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」第4版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、ニューヨーク(2007)に概ね記載されている。
【0212】
本発明で提供するようなオリゴマー化合物へ種々の基を前駆体として選択的に取り込むことができる。例えば、アミノ基を本発明で提供するような化合物中へアジド基として入れることができて、これは、合成中の望ましい時点でアミノ基へ化学的に変換することができる。一般に、種々の基は、その最終の基への適正な時点での変換のために、保護化されるか又は、親化合物の他の領域を修飾する反応に対しては不活性である前駆体として存在する。さらなる代表的な保護基又は前駆体基については、Agrawal et al,「オリゴヌクレオチドコンジュゲートのプロトコール(Protocols for Oligonucleotide Conjugates)」、ヒュマナプレス;ニュージャージー、1994, 26, 1-72 に考察されている。
【0213】
「直交的に保護された」という用語は、異なる群の保護基で保護されている官能基に言及して、ここで保護基の各群は、どの順序でも、そして他のすべての群の存在下で外すことができる(Barany et al, J. Am. Chem. Soc, 1977, 99, 7363-7365 ;Barany et al, J. Am. Chem. Soc, 1980, 102, 3084-3095 を参照のこと)。直交保護化は、例えば、自動オリゴヌクレオチド合成において広く使用されている。官能基は、脱保護手順によって影響を受けない、1以上の他の保護された官能基の存在下で脱保護される。この脱保護された官能基は、何らかのやり方で、そしてある時点で反応して、異なる反応条件のセットの下で、さらなる直交保護基を外す。これにより、望まれる化合物又はオリゴマー化合物へ達すべき選択的な化学が可能になる。
【0214】
ヒドロキシル保護基の例には、制限なしに、アセチル、t−ブチル、t−ブトキシメチル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、p−クロロフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル、ジフェニルメチル、p−ニトロベンジル、ビス(2−アセトキシエトキシ)メチル(ACE)、2−トリメチルシリルエチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリフェニルシリル、[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル(TOM)、ベンゾイルホルメート、クロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、ピバロイル、ベンゾイル、p−フェニルベンゾイル、9−フルオレニルメチルカーボネート、メシレート、トシラート、トリフェニルメチル(トリチル)、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチル(DMT)、トリメトキシトリチル、1−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−4−イル(FPMP)、9−フェニルキサンチン−9−イル(ピキシル)、及び9−(p−メトキシフェニル)キサンチン−9−イル(MOX)が含まれる。ここで、より一般的に使用されるヒドロキシル保護基には、制限なしに、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、ベンゾイル、メシレート、トシラート、ジメトキシトリチル(DMT)、9−フェニルキサンチン−9−イル(ピキシル)、及び9−(p−メトキシフェニル)キサンチン−9−イル(MOX)が含まれる。
【0215】
アミノ保護基の例には、制限なしに、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル(Teoc)、1−メチル−l−(4−ビフェニリル)エトキシカルボニル(Bpoc)、t−ブトキシカルボニル(BOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、及びベンジル−オキシカルボニル(Cbz)のようなカルバメート保護基;ホルミル、アセチル、トリハロアセチル、ベンゾイル、及びニトロフェニルアセチルのようなアミド保護基;2−ニトロベンゼンスルホニルのようなスルホンアミド保護基;並びに、フタルイミド及びジチアスクシノイルのようなイミン及び環式イミド保護基が含まれる。
【0216】
チオール保護基の例には、制限なしに、トリフェニルメチル(トリチル)、ベンジル(Bn)、等が含まれる。
【0217】
ある態様では、1以上の保護化されていてもよいリン含有ヌクレオシド間連結を有する、本発明で提供するようなオリゴマー化合物を製造することができる。ホスホジエステル及びホスホロチオエート連結のようなリン含有ヌクレオシド間連結の代表的な保護基には、β−シアノエチル、ジフェニルシリルエチル、δ−シアノブテニル、シアノp−キシリル(CPX)、N−メチル−N−トリフルオロアセチルエチル(META)、アセトキシフェノキシエチル(APE)、及びブテン−4−イル基が含まれる。例えば、米国特許第4,725,677号及びRe.34,069(β−シアノエチル);Beaucage et al, Tetrahedron, 1993, 49(10), 1925-1963 ;Beaucage et al, Tetrahedron, 1993, 49(46), 10441-10488 ;Beaucage et al, Tetrahedron, 1992, 48(12), 2223-2311 を参照のこと。
【0218】
ある態様では、例えば、ホスホジエステル及びホスホロチオエートヌクレオシド間連結が含まれるヌクレオシド間連結を形成するのに有用である、反応性リン基を有する化合物を製造する。当該技術分野では、このような反応性リン基が知られていて、P
III又はP
V原子価状態のリン原子を含有して、限定されないが、ホスホロアミダイト、H−ホスホネート、リン酸トリエステル、及びリン含有キラル補助剤が含まれる。ある態様では、フリーの3’−ヒドロキシル基との反応時に5’−メチレンホスホネートヌクレオシド間連結を提供する、反応性リン基が含まれる。このような反応性リン基には、制限なしに、6’−(P=R
e)(OR
d)
2[ここでそれぞれのR
dは、独立して、保護基、C
1−C
6アルキル、置換C
1−C
6アルキル、アリール、又は置換アリールであり、R
eは、O又はSである]が含まれる。ある態様では、反応性リン基が、ジイソプロピルシアノエトキシホスホロアミダイト(−O
*−P[N[(CH(CH
3)
2]
2]O(CH
2)
2CN)、H−ホスホネート(−O
*−P(=O)(H)OH)[ここでO
*は、モノマーについてのマーカッシュ(Markush)群より提供される]より選択される。好ましい合成の固相合成は、ホスホロアミダイト(P
III化学)を反応性亜リン酸エステルとして利用する。引き続き、この中間体の亜リン酸エステル化合物は、既知の方法を使用してリン酸エステル又はチオリン酸エステル(P
V化学)へ酸化されて、ホスホジエステル又はホスホロチオエートヌクレオシド間連結を得る。追加の反応性リン酸エステル及び亜リン酸エステルについては、Tetrahedron Report Number 309(Beaucage and Iyer, Tetrahedron, 1992, 48, 2223-2311)に開示されている。
【0219】
本明細書に使用するように、「ヌクレオシド間連結」又は「ヌクレオシド間連結基」という用語は、当該技術分野で知られているあらゆる種類のヌクレオシド間連結基が含まれることを意味し、限定されないが、ホスホジエステル及びホスホロチオエートのようなリン含有ヌクレオシド間連結基、並びにホルムアセチル及びメチレンイミノのような非リン含有ヌクレオシド間連結基が含まれる。ヌクレオシド間連結には、アミド−3(3’−CH
2−C(=O)−N(H)−5’)、アミド−4(3’−CH
2−N(H)−C(=O)−5’)、及びホスホン酸メチル(ここでは、リン原子が必ずしも存在しない)のような中性の非イオン性ヌクレオシド間連結も含まれる。
【0220】
ある態様では、修飾された(例えば、天然に存在しない)ヌクレオシド間連結を含有する1以上のヌクレオシド間連結を有する、本発明で提供するようなオリゴマー化合物を製造することができる。ヌクレオシド間連結の2つの主要な群は、リン原子の存在又は非存在によって定義される。リン原子を有する修飾ヌクレオシド間連結には、制限なしに、正常な3’−5’連結を有する、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチル及び他のホスホン酸アルキル(3’−アルキレンホスホネート、5’−アルキレンホスホネート、及びキラルホスホネートが含まれる)、ホスフィネート、ホスホロアミデート(3’−アミノホスホロアミデート及びアミノアルキルホスホロアミデートが含まれる)、チオノホスホロアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、セレノリン酸エステル、及びボラノリン酸エステル、これらの中の2’−5’連結類似体、並びに、1以上のヌクレオチド間連結が3’→3’、5’→5’、又は2’→2’連結である、逆極性を有するものが含まれる。逆極性を有するオリゴヌクレオチドは、3’端ヌクレオチド間連結に、単一の3’→3’連結、即ち、脱塩基であり得る単一の逆位ヌクレオシド残基(ヌクレオ塩基は欠失しているか、又はその代わりにヒドロキシル基を有する)を含む可能性がある。様々な塩、混合塩、及び遊離酸の形態も含まれる。
【0221】
上記のリン含有連結の製造について教示する代表的な米国特許には、制限なしに、米国特許第3,687,808;4,469,863;4,476,301;5,023,243;5,177,196;5,188,897;5,194,599;5,264,423;5,276,019;5,278,302;5,286,717;5,321,131;5,399,676;5,405,939;5,453,496;5,455,233;5,466,677;5,476,925;5,519,126;5,527,899;5,536,821;5,541,306;5,550,111;5,563,253;5,565,555;5,571,799;5,587,361;5,625,050;5,672,697、及び5,721,218号が含まれ、このうちあるものは、本出願とともに共有されて、このそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0222】
ある態様では、1以上の非リン含有ヌクレオシド間連結を有する、本発明で提供するようなオリゴマー化合物を製造することができる。このようなオリゴマー化合物には、制限なしに、短鎖アルキル若しくはシクロアルキルヌクレオシド間連結、混合ヘテロ原子及びアルキル若しくはシクロアルキルヌクレオシド間連結、又は1以上の短鎖ヘテロ原子若しくは複素環式ヌクレオシド間連結によって生成されるものが含まれる。これらには、シロキサン骨格;スルフィド、スルホキシド、及びスルホン骨格;ホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格;メチレンホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格;リボアセチル骨格;アルケン含有骨格;スルファメート骨格;メチレンイミノ及びメチレンヒドラジノ骨格;スルホネート及びスルホンアミド骨格;アミド骨格;並びに、混合したN、O、S、及びCH
2成分部分を有する他の骨格を有するものが含まれる。
【0223】
上記のオリゴヌクレオシドの製造について教示する代表的な米国特許には、制限なしに、米国特許第5,034,506;5,166,315;5,185,444;5,214,134;5,216,141;5,235,033;5,264,562;5,264,564;5,405,938;5,434,257;5,466,677;5,470,967;5,489,677;5,541,307;5,561,225;5,596,086;5,602,240;5,608,046;5,610,289;5,618,704;5,623,070;5,663,312;5,633,360;5,677,437;5,677,439;5,646,269、及び5,792,608号が含まれ、このうちあるものは、本出願とともに共有されて、このそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0224】
本明細書に使用するように、「中性ヌクレオシド間連結」という句には、非イオン性であるヌクレオシド間連結が含まれると企図される。中性ヌクレオシド間連結には、制限なしに、ホスホトリエステル、ホスホン酸メチル、MMI(3’−CH
2−N(CH
3)−O−5’)、アミド−3(3’−CH
2−C(=O)−N(H)−5’)、アミド−4(3’−CH
2−N(H)−C(=O)−5’)、ホルムアセタール(3’−O−CH
2−O−5’)、及びチオホルムアセタール(3’−S−CH
2−O−5’)が含まれる。さらなる中性ヌクレオシド間連結には、シロキサン(ジアルキルシロキサン)、カルボン酸エステル、カルボキサミド、スルフィド、スルホン酸エステル及びアミドを含んでなる非イオン性の連結が含まれる(例えば、「アンチセンス研究における炭水化物の修飾(Carbohydrate Modifications in Antisense Research)」Y. S. Sanghvi and P. D. Cook(監修),ACS Symposium Series 580; 第3及び4章、40-65 を参照のこと)。さらなる中性ヌクレオシド間連結には、混合したN、O、S、及びCH
2成分部分を含んでなる非イオン性連結が含まれる。
【0225】
本発明で提供する5’及び2’−修飾ヌクレオシドは、例えば、以下の実施例において例解されるような、適用可能な有機合成技術のいずれによっても製造することができる。当該技術分野では、多くのそのような技術がよく知られている。しかしながら、この既知技術の多くは、「有機合成法概論(Compendium of Organic Synthetic Methods)」ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、ニューヨーク:第1巻、Ian T. Harrison and Shuyen Harrison(1971);第2巻、Ian T. Harrison and Shuyen Harrison(1974);第3巻、Louis S. Hegedus and Leroy Wade(1977);第4巻、Leroy G. Wade Jr., 1980;第5巻、Leroy G. Wade Jr.(1984);及び第6巻、Michael B. Smith;並びに、March, J.「先端有機化学(Advanced Organic Chemistry)」第3版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、ニューヨーク(1985);「有機合成総覧:現代有機化学における選択性、戦略、及び効率(Comprehensive Organic Chemistry. Selectivity, Strategy & Efficiency in Modern Organic Chemistry)」第9巻中、Barry M. Trost(主任監修者)、ペルガモン・プレス、ニューヨーク(1993);「先端有機化学・パートB:反応及び合成(Advanced Organic Chemistry, Part B: Reactions and Synthesis)」第4版; Carey and Sundberg, Kluwer Academic/Plenum Publishers, ニューヨーク(2001);「先端有機化学:反応、機序、及び構造(Advanced Organic Chemistry, Reactions, Mechanisms, and Structure)」第2版、March, マクグローヒル(1977); Greene, T. W., and Wutz, P.G.M.「有機合成の保護基(Protecting Groups in Organic Synthesis)」第4版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、ニューヨーク(1991); 及び Larock, R.C.「有機変換総説(Comprehensive Organic Transformations)」第2版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、ニューヨーク(1999)に詳述されている。
【0226】
本明細書に記載の化合物は、1以上の不斉中心を含有するので、(R)−又は(S)−、α又はβ、あるいは、アミノ酸の場合のような(D)−又は(L)−といった絶対的な立体化学に関して定義され得る、鏡像異性体、ジアステレオマー、及び他の立体異性型を生じる。本発明に含まれるのは、すべてのそのようなあり得る異性体、並びにそのラセミ型と光学的に純粋な形態である。光学異性体は、そのそれぞれの光学活性前駆体より、上記に記載の手順によっても、ラセミ混合物を分割することによっても、製造してよい。この分割は、分割剤の存在下で、クロマトグラフィーによるか又は反復結晶化によって、又は当業者に知られているこれらの技術の何らかの組合せによって行うことができる。分割に関するさらなる詳細については、Jacques, et al.「鏡像異性体、ラセミ体、及び分割(Enantiomers, Racemates, and Resolutions)」ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(1981)に見出すことができる。本明細書に記載の化合物が、オレフィン二重結合、他の不飽和、又は他の幾何学的非対称性の中心を含有して、他に特定されなければ、該化合物には、E及びZ幾何異性体又はcis及びtrans−異性体のいずれも含まれると企図される。同様に、すべての互変異性型も含まれると企図される。本明細書において出現するどの炭素−炭素二重結合の配置も、便宜上のためにのみ選択されて、本文でそのように述べられなければ、特別な配置に限定することを企図しない。
【0227】
当該技術分野で知られているように、ヌクレオシドは、塩基−糖の組合せである。ヌクレオシドの塩基部分は、通常、複素環式塩基部分である。このような複素環式塩基の最も一般的な2つの群は、プリンとピリミジンである。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分へ共有結合したリン酸エステル基がさらに含まれるヌクレオシドである。ペントフラノシル糖が含まれるヌクレオシドでは、リン酸エステル基は、糖の2’、3’又は5’のいずれかのヒドロキシル部分へ連結することができる。オリゴヌクレオチドを生成する場合、リン酸エステル基は、隣接するヌクレオシドを互いに共有結合させて、線状のポリマー化合物を生成する。この線状ポリマー構造のそれぞれの端は、ハイブリダイゼーションによるか又は共有結合の形成によって、結合して環状の構造を形成する可能性がある。しかしながら、開いた線状構造が一般的には望ましい。このオリゴヌクレオチド構造の内部で、リン酸エステル基は、通常、オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間連結を形成すると言われる。RNA及びDNAの正常なヌクレオシド間連結は、3’→5’ホスホジエステル連結である。
【0228】
本明細書に使用する「ヌクレオチド模倣体」という用語には、例えば、ペプチド核酸(PNA)又はモルホリノ(−N(H)−C(=O)−O−によって連結する)のような、糖及び連結の代用基がある、オリゴマー化合物へ取り込まれるモノマーが含まれることを意味する。一般に、各位の複素環式塩基は、核酸標的へのハイブリダイゼーションのために維持されるが、糖と連結は、ネイティブ基と同様に機能するが、1以上の増強された特性を有することが期待される代用基で置き換えられる。
【0229】
本明細書に使用するように、「ヌクレオシド模倣体」という用語には、オリゴマー化合物の1以上の位置で糖と塩基を置き換えるために使用される構造が含まれると企図される。ヌクレオシド模倣体の例には、制限なしに、複素環式塩基部分を、フェノキサジン部分(例えば、グアノシン塩基とハイブリダイズするときに4つの水素結合を形成する、G−クランプとも呼ばれる、9−(2−アミノエトキシ)−1,3−ジアザフェノキサジン−2−オン基)のようなその模倣体で置き換えることと、例えば、モルホリノ、シクロヘキセニル、又なビシクロ[3.1.0]ヘキシルのような基で糖基をさらに置き換えることが含まれる。
【0230】
本明細書に使用するように、「修飾ヌクレオシド」という用語には、オリゴマー合成を使用してオリゴマー化合物へ取り込むことができる、あらゆる種類の修飾ヌクレオシドが含まれることを意味する。この用語には、修飾された立体化学構造、1以上の置換、及び(本明細書の他所で記載する代用基の使用とは対照的な)基の欠失といった、ヌクレオシドへなされる修飾が含まれると企図される。この用語には、フラノース糖(又は4’−S類似体)部分を有するヌクレオシドが含まれて、複素環式塩基を含めることができるが、脱塩基修飾ヌクレオシドも想定される。代表的な修飾ヌクレオシドの1つの群には、制限なしに、置換ヌクレオシド(2’、5’及び/又は4’−置換ヌクレオシドのような)、4’−S−修飾ヌクレオシド(4’−S−リボヌクレオシド、4’−S−2’−デオキシリボヌクレオシド、及び4’−S−2’−置換リボヌクレオシドのような)、二環系修飾ヌクレオシド(例えば、糖基が2’−O−CHR
a−4’架橋基[ここでR
aは、H、アルキル、又は置換アルキルである]を有する二環系ヌクレオシドのような)、及び塩基修飾ヌクレオシドが含まれる。糖は、例えば、5’−置換がさらに含まれる二環系修飾ヌクレオシド、又は2’−置換基がさらに含まれる5’若しくは4’置換ヌクレオシドのように、収載した上記置換の1より多くで修飾される可能性がある。「修飾ヌクレオシド」という用語には、塩基及び糖修飾ヌクレオシドのような上記修飾の組合せも含まれる。これらの修飾は、当該技術分野では他の修飾が知られていて、本明細書に記載の修飾ヌクレオシドについて可能な修飾としても想定されるので、例示であって、網羅的でないことを意味する。
【0231】
本明細書に使用するように、「モノマーサブユニット」という用語には、β−D−リボヌクレオシド、β−D−2’−デオキシリボヌクレオシド、修飾ヌクレオシド[置換ヌクレオシド(2’、5’及びビス置換ヌクレオシドのような)、4’−S−修飾ヌクレオシド(4’−S−リボヌクレオシド、4’−S−2’−デオキシリボヌクレオシド、及び4’−S−2’−置換リボヌクレオシドのような)、二環系修飾ヌクレオシド(二環系ヌクレオシドのような、ここで糖基は、2’−O−CHR
a−4’架橋基を有して、ここでR
aは、H、アルキル、又は置換アルキルである)、他の修飾ヌクレオシドが含まれる]、ヌクレオシド模倣体、及び糖代用物を有するヌクレオシドのようなモノマーサブユニットが含まれる、1つの好ましいリストを用いたオリゴマー合成に受け入れられる、あらゆる種類のモノマー単位が含まれることを意味する。
【0232】
「オリゴヌクレオチド」という用語は、リボ核酸(RNA)又はデオキシリボ核酸(DNA)のオリゴマー又はポリマーに言及する。この用語には、天然に存在するヌクレオ塩基、糖、及び共有性ヌクレオシド間連結より構成されるオリゴヌクレオチドが含まれる。「オリゴヌクレオチド類似体」という用語は、1以上の天然に存在しない部分を有するオリゴヌクレオチドを意味する。このような天然に存在しないオリゴヌクレオチドは、しばしば、例えば、細胞取込みの増強、核酸標的への親和性の増強、及び/又はヌクレアーゼの存在下での安定性の増加といった望まれる特性のために、天然に存在する形態に優って望ましい。
【0233】
「オリゴヌクレオシド」という用語は、リン原子を有さないヌクレオシド間連結によって結合したヌクレオシドの配列に言及する。この種のヌクレオシド間連結には、短鎖アルキル、シクロアルキル、混合ヘテロ原子アルキル、混合ヘテロ原子シクロアルキル、1以上の短鎖ヘテロ原子(連結)、及び1以上の短鎖複素環式(連結)が含まれる。これらのヌクレオシド間連結には、制限なしに、シロキサン、スルフィド、スルホキシド、スルホン、アセチル、ホルムアセチル、チオホルムアセチル、メチレンホルムアセチル、チオホルムアセチル、アルケニル、スルファメート、メチレンイミノ、メチレンヒドラジノ、スルホネート、スルホンアミド、アミド、及び混合したN、O、S、及びCH
2成分部分を有する他のものが含まれる。
【0234】
本明細書に使用する「複素環式塩基部分」及び「ヌクレオ塩基」という用語には、非修飾又は天然に存在するヌクレオ塩基、修飾又は天然に存在しないヌクレオ塩基、並びにこれらの合成模倣体(例えば、フェノキサジンのような)が含まれる。一般に、複素環式塩基部分は、核酸の塩基へ水素結合することが可能な1以上の原子又は原子群を含有する複素環式系である。
【0235】
本明細書に使用するように、「非修飾ヌクレオ塩基」及び「天然に存在するヌクレオ塩基」という用語には、プリン塩基のアデニン(A)及びグアニン(G)と、ピリミジン塩基のチミン(T)、シトシン(C)、及びウラシル(U)が含まれる。修飾ヌクレオ塩基には、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6−メチル及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2−プロピル及び他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミン及び2−チオシトシン、5−ハロウラシル及びシトシン、5−プロピニル(−C≡C−CH
3)ウラシル及びシトシンとピリミジン塩基の他のアルキニル誘導体、6−アゾウラシル、シトシン及びチミン、5−ウラシル(シュードウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシル及び他の8−置換アデニン及びグアニン、5−ハロ、特に5−ブロモ、5−トリフルオロメチル及び他の5−置換ウラシル及びシトシン、7−メチルグアニン及び7−メチルアデニン、2−F−アデニン、2−アミノ−アデニン、8−アザグアニン及び8−アザアデニン、7−デアザグアニン及び7−デアザアデニン、3−デアザグアニン及び3−デアザアデニン、普遍塩基、疎水性塩基、雑多塩基、サイズ拡張塩基、及びフッ素化塩基といった、本明細書に定義される他の合成及び天然ヌクレオ塩基が含まれる。さらなる修飾ヌクレオ塩基には、フェノキサジンシチジン(1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン)、フェノチアジンシチジン(1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾチアジン−2(3H)−オン)、置換フェノキサジンシチジン(例、9−(2−アミノエトキシ)−H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン)のようなG−クランプ、カルバゾールシチジン(2H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−オン)、ピリドインドールシチジン(H−ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−オン)のような三環系ピリミジンが含まれる。修飾ヌクレオ塩基には、プリン又はピリミジン塩基が他の複素環で置き換わっているもの、例えば、7−デアザ−アデニン、7−デアザグアノシン、2−アミノピリジン、及び2−ピリドンも含めてよい。さらなるヌクレオ塩基には、米国特許第3,687,808号に開示されるもの、「高分子科学及び工学コンサイス事典(The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering)」Kroschwitz, J. I.(監修)、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(1990)858-859 に開示されるもの;Englisch et al., Angewandte Chemie(国際版)、1991, 30, 613 によって開示されるもの;及び、Sanghvi, Y. S., 第15章、「アンチセンスの研究及び応用(Antisense Research and Applications)」Crooke, S. T. and Lebleu, B.(監修)、CRCプレス(1993)273-288 によって開示されるものが含まれる。
【0236】
5’及び2’−修飾ヌクレオシドのそれぞれの複素環式塩基部分は、標的鎖への親和性のような1以上の特性を増強するか又は他の特性に有利なやり方で影響を及ぼすために、1以上の置換基で修飾することができる。修飾ヌクレオ塩基には、制限なしに、本明細書に定義されるような、普遍塩基、疎水性塩基、雑多塩基、サイズ拡張塩基、及びフッ素化塩基が含まれる。これらのヌクレオ塩基のあるものは、本発明で提供するようなオリゴマー化合物の結合親和性を増加させるのに特に有用である。これらには、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン、及びN−2、N−6及びO−6置換プリンが含まれ、2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル、及び5−プロピニルシトシンが含まれる。5−メチルシトシン置換は、核酸二重鎖の安定性を0.6〜1.2℃高めることが示されている(「アンチセンスの研究及び応用(Antisense Research and Applications)」Sanghvi, Y. S., Crooke, S. T. and Lebleu, B.(監修)、CRCプレス、ボカラトン(1993)276-278)。
【0237】
上記の修飾ヌクレオ塩基、並びに他の修飾ヌクレオ塩基のいくらかの製造について教示する代表的な米国特許には、制限なしに、U.S.3,687,808;4,845,205;5,130,302;5,134,066;5,175,273;5,367,066;5,432,272;5,457,187;5,459,255;5,484,908;5,502,177;5,525,711;5,552,540;5,587,469;5,594,121;5,596,091;5,614,617;5,645,985;5,681,941;5,750,692;5,763,588;5,830,653、及び6,005,096号が含まれ、このうちあるものは、本出願とともに共有されて、このそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0238】
一般に、「オリゴマー化合物」という用語は、連結したモノマーサブユニットの連続配列に言及する。一般に、それぞれの連結したモノマーサブユニットは、直接的又は間接的に複素環式塩基部分へ付くが、脱塩基部位もあり得る。オリゴマー化合物中の複素環式塩基の少なくともいくつか、そして概してそのほとんどは、本質的にはすべてではないとしても、核酸分子、通常は、予め選択されたRNA標的へハイブリダイズすることが可能である。故に、「オリゴマー化合物」という用語には、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド類似体、及びオリゴヌクレオシドが含まれる。それにはまた、複数の天然に存在しないヌクレオシド模倣体、及び/又は糖代用基を有するヌクレオシドを有するポリマーが含まれる。ある態様では、オリゴマー化合物が、天然に存在するヌクレオシド、天然に存在しないヌクレオシド、修飾ヌクレオシド、ヌクレオシド模倣体、及び糖代用基を有するヌクレオシドより独立して選択される複数のモノマーサブユニットを含む。
【0239】
本明細書に開示されるような特定のモチーフを有するオリゴマー化合物を製造するとき、本発明で提供する5’及び2’−修飾ヌクレオシドのような天然に存在しないモノマーサブユニットを他の天然に存在しないモノマーサブユニット、天然に存在するモノマーサブユニット(ヌクレオシド)、又はこれらの混合物と混合することが有利であり得る。ある態様では、少なくとも1つのモノマーサブユニットが本発明で提供するような5’及び2’−修飾ヌクレオシドである、連結したモノマーサブユニットの連続配列を含んでなるオリゴマー化合物を本発明で提供する。ある態様では、本発明で提供するような複数の5’及び2’−修飾ヌクレオシドを含んでなるオリゴマー化合物を提供する。
【0240】
オリゴマー化合物は、常套的には線状で製造するが、環状であるように結合するか又は他のやり方で製造することもできる、及び/又は分岐が含まれるように製造することもできる。オリゴマー化合物は、例えば、ハイブリダイズして二本鎖組成物を生成する2つの鎖のような、二本鎖構築体を形成することができる。二本鎖組成物は、連結又は分離し得て、その両端にコンジュゲート及び/又は突出(overhangs)のような様々な他の基を含めることができる。
【0241】
本発明で提供するオリゴマー化合物は、糖基が修飾された1以上のヌクレオシドを含有してもよい。そのような糖修飾ヌクレオシドは、増強されたヌクレアーゼ安定性、増加した結合親和性、又は他の何らかの有益な生物学的特性をオリゴマー化合物へ付与し得る。本明細書に使用するように、「修飾糖」という用語は、本発明において有用な他の点では非修飾であるか又は修飾されたヌクレオシドのフラノース糖部分へなされ得る修飾に言及する。このような修飾糖には、制限なしに、1以上の置換基での置換、2つのノンジェミナル環炭素原子の架橋形成による二環系ヌクレオシドの生成、又は二置換メチレン基[C(R)
2]又はヘテロ原子若しくは置換ヘテロ原子(NR)での4’−O原子の置換が含まれる。修飾糖部分はまた、例えば、5’−置換基を二環系ヌクレオシドに付けることといった、これら修飾の混合物を含み得る。
【0242】
ある態様では、フラノース糖部分(例、ヌクレオシドのために使用される糖置換基)を修飾するのに有用な置換基の例には、制限なしに、2’−F、2’−アリル、2’−アミノ、2’−アジド、2’−チオ、2’−O−アリル、2’−OCF
3、2’−O−C
1−C
10アルキル、2’−O−CH
3、OCF
3、2’−O−CH
2CH
3、2’−O−(CH
2)
2CH
3、2’−O−(CH
2)
2−O−CH
3、2’−O(CH
2)
2SCH
3、2’−O−CH
2−CH=CH
2(MOE)、2’−O−(CH
2)
S−N(R
m)(R
n)、2’−O−(CH
2)
2−O−N(R
m)(R
n)、2’−O−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−N(R
m)(R
n)、2’−O−CH
2C(=O)−N(R
m)(R
n)、2’−O−CH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(R
m)(R
n)及び2’−O−CH
2−N(H)−C(=NR
m)[N(R
m)(R
n)]、5’−ビニル、5’−メチル(R又はS)、及び4’−S(ここでそれぞれのR
m及びR
nは、独立して、H、置換又は未置換C
1−C
10アルキル、又は保護基である)が含まれる。修飾糖部分のさらなる例には、制限なしに、二環系糖(例、以下に考察する二環系核酸又は二環系ヌクレオシド)が含まれる。
【0243】
本発明では、2’−F−5’−メチル置換ヌクレオシド(他の開示された5’,2’ビス置換ヌクレオシドについては、PCT国際特許出願WO2008/101157、2008年8月21日公開を参照のこと)、及びリボシル環酸素原子のSで置き換えと2’位でのさらなる置換(公開された米国特許出願US2005−0130923、2005年6月16日公開)、またあるいは二環系核酸の5’−置換(PCT国際特許出願WO2007/134181、2007年11月22日公開を参照のこと、ここでは、4’−CH
2−O−2’二環系ヌクレオシドが5’位で、5’−メチル又は5’−ビニル基でさらに置換されている)といった、上記修飾の組合せも制限なしに提供される。
【0244】
本明細書に使用するように、「二環系核酸」及び「二環系ヌクレオシド」という用語は、その糖部分が二環系(例、二環系糖)であるヌクレオシドに言及する。ある態様では、二環系核酸が、フラノース環が2つのノンジェミナル環炭素原子の間に架橋を含む、ヌクレオシドを含む。二環系ヌクレオシドの例には、制限なしに、4’及び2’リボシル環原子の間に架橋を含んでなるヌクレオシドが含まれる。ある態様では、本発明で提供するオリゴマー化合物には、その架橋が式:4’−(CH
2)−O−2’(LNA);4’−(CH
2)−S−2’;4’−(CH
2)
2−O−2’(ENA);4’−CH(CH
3)−O−2’及び4’−C−H(CH
2OCH
3)−O−2’(及びその類似体、2008年7月15日発行の米国特許第7,399,845号を参照のこと);4’−C(CH
3)(CH
3)−O−2’(及びその類似体、公開された国際特許出願WO/2009/006478、2009年1月8日公開を参照のこと);4’−CH
2−N(OCH
3)−2’(及びその類似体、公開された国際特許出願WO/2008/1507292、2008年12月11日公開を参照のこと);4’−CH
2−O−N(CH
3)−2’(公開された米国特許出願US2004−0171570、2004年9月2日公開を参照のこと);4’−CH
2−N(R)−O−2’(ここでRは、H、C
1−C
12アルキル、又は保護基である)(米国特許第7,427,612号、2008年9月23日発行を参照のこと);4’−CH
2−C(H)(CH
3)−2’(Chattopadhyaya, et al, J. Org. Chem., 2009, 74, 118-134 を参照のこと);及び、4’−CH
2−C(=CH
2)−2’(及びその類似体、公開された国際特許出願WO2008/154401、2008年12月8日公開を参照のこと)の1つを含む、1以上の二環系ヌクレオシドが含まれる。上述の二環系ヌクレオシドのいずれも、例えば、α−L−リボフラノース及びβ−D−リボフラノースが含まれる、1以上の立体化学的な糖構造を有して製造することができる(PCT国際特許出願PCT/DK98/00393,WO99/14226として1999年3月25日公開)。
【0245】
本明細書に使用するように、「糖代用物」にという用語は、別の環系若しくは開放系のような別の構造がある非フラノース(又は4’−置換フラノース)基での、ヌクレオシドフラノース環の置き換えに言及する。このような構造は、5員フラノース環に対する6員環のように単純であっても、ペプチド核酸に使用される非環系の場合のようにより複雑であってもよい。この用語には、当該技術分野で知られたあらゆる種類の糖代用物での糖基の置き換えが含まれることを意味して、制限なしに、モルホリノ、シクロヘキセニル、及びシクロヘキシトールのような糖代用基が含まれる。糖代用基を有するほとんどのモノマーサブユニットにおいて、複素環式塩基部分は、概して、ハイブリダイゼーションを可能にするように維持される。
【0246】
ある態様において、糖代用基を有するヌクレオシドには、制限なしに、下記に例示するようなテトラヒドロピラニル環系(ヘキシトールとも呼ばれる)のような代用環系でのリボシル環の置き換えが含まれる:
【0248】
当該技術分野では、多くの他の単環系、二環系、及び三環系の環系が知られていて、本発明で提供するようなオリゴマー化合物へ取り込むヌクレオシドを修飾するために使用し得る糖代用物として適している(例えば、総説:Leumann, Christian J. を参照のこと)。このような環系は、様々な追加の置換を受けて、その活性をさらに増強させることができる。
【0249】
このような修飾糖の製造について教示するいくつかの代表的な米国特許には、制限なしに、米国特許第4,981,957;5,118,800;5,319,080;5,359,044;5,393,878;5,446,137;5,466,786;5,514,785;5,519,134;5,567,811;5,576,427;5,591,722;5,597,909;5,610,300;5,627,053;5,639,873;5,646,265;5,670,633;5,700,920;5,792,847、及び6,600,032号と国際特許出願PCT/US2005/019219(2005年6月2日出願、2005年12月22日にWO2005/121371として公開)が含まれ、このうちあるものは、本出願とともに共有されて、このそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0250】
本開示の所有権を有する当業者は、本明細書に開示される方法を実践するために、連結したモノマーサブユニットの連続配列を含んでなる、本質的にあらゆる実行可能な長さのオリゴマー化合物を製造することができよう。このようなオリゴマー化合物には、本発明で提供する少なくとも1つ、そして好ましくは複数の5’及び2’−修飾ヌクレオシドが含まれて、限定されないが、ヌクレオシド、修飾ヌクレオシド、糖代用基を含んでなるヌクレオシド、及びヌクレオシド模倣体が含まれる、他のモノマーサブユニットも含めてよい。
【0251】
ある態様では、本発明で提供するオリゴマー化合物が約8〜約80のモノマーサブユニットの長さを含む。当業者は、これにより、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、又は80のモノマーサブユニットの長さ、又はその中のあらゆる範囲のオリゴマー化合物が具体化されることを理解されよう。
【0252】
ある態様では、本発明で提供するオリゴマー化合物が約8〜40のモノマーサブユニットの長さを含む。当業者は、これにより、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40のモノマーサブユニットの長さ、又はその中のあらゆる範囲のオリゴマー化合物が具体化されることを理解されよう。
【0253】
ある態様では、本発明で提供するオリゴマー化合物が約8〜20のモノマーサブユニットの長さを含む。当業者は、これにより、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20のモノマーサブユニットの長さ、又はその中のあらゆる範囲のオリゴマー化合物が具体化されることを理解されよう。
【0254】
ある態様では、本発明で提供するオリゴマー化合物が約8〜16のモノマーサブユニットの長さを含む。当業者は、これにより、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16のモノマーサブユニットの長さ、又はその中のあらゆる範囲のオリゴマー化合物が具体化されることを理解されよう。
【0255】
ある態様では、本発明で提供するオリゴマー化合物が約10〜14のモノマーサブユニットの長さを含む。当業者は、これにより、10、11、12、13、又は14のモノマーサブユニットの長さ、又はその中のあらゆる範囲のオリゴマー化合物が具体化されることを理解されよう。
【0256】
ある態様では、本発明で提供するオリゴマー化合物が約10〜18のモノマーサブユニットの長さを含む。当業者は、これにより、10、11、12、13、14、15、16、17、又は18のモノマーサブユニットの長さ、又はその中のあらゆる範囲のオリゴマー化合物が具体化されることを理解されよう。
【0257】
ある態様では、本発明で提供するオリゴマー化合物が約10〜21のモノマーサブユニットの長さを含む。当業者は、これにより、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は21のモノマーサブユニットの長さ、又はその中のあらゆる範囲のオリゴマー化合物が具体化されることを理解されよう。
【0258】
ある態様では、本発明で提供するオリゴマー化合物が約12〜14のモノマーサブユニットの長さを含む。当業者は、これにより、12、13、又は14のモノマーサブユニットの長さ、又はその中のあらゆる範囲のオリゴマー化合物が具体化されることを理解されよう。
【0259】
ある態様では、本発明で提供するオリゴマー化合物が約12〜18のモノマーサブユニットの長さを含む。当業者は、これにより、12、13、14、15、16、17、又は18のモノマーサブユニットの長さ、又はその中のあらゆる範囲のオリゴマー化合物が具体化されることを理解されよう。
【0260】
ある態様では、本発明で提供するオリゴマー化合物が約12〜21のモノマーサブユニットの長さを含む。当業者は、これにより、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は21のモノマーサブユニットの長さ、又はその中のあらゆる範囲のオリゴマー化合物が具体化されることを理解されよう。
【0261】
ある態様では、本発明で提供するオリゴマー化合物が約14〜18のモノマーサブユニットの長さを含む。当業者は、これにより、14、15、16、17、又は18のモノマーサブユニットの長さ、又はその中のあらゆる範囲のオリゴマー化合物が具体化されることを理解されよう。
【0262】
ある態様では、様々な範囲のあらゆる長さの連結したモノマーサブユニットのオリゴマー化合物を提供する。ある態様では、X〜Yの連結したモノマーサブユニットからなるオリゴマー化合物を提供し、ここでXとYは、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、及び50よりそれぞれ独立して選択される(但し、X<Y)。例えば、ある態様では、これにより、8〜9、8〜10、8〜11、8〜12、8〜13、8〜14、8〜15、8〜16、8〜17、8〜18、8〜19、8〜20、8〜21、8〜22、8〜23、8〜24、8〜25、8〜26、8〜27、8〜28、8〜29、8〜30、9〜10、9〜11、9〜12、9〜13、9〜14、9〜15、9〜16、9〜17、9〜18、9〜19、9〜20、9〜21、9〜22、9〜23、9〜24、9〜25、9〜26、9〜27、9〜28、9〜29、9〜30、10〜11、10〜12、10〜13、10〜14、10〜15、10〜16、10〜17、10〜18、10〜19、10〜20、10〜21、10〜22、10〜23、10〜24、10〜25、10〜26、10〜27、10〜28、10〜29、10〜30、11〜12、11〜13、11〜14、11〜15、11〜16、11〜17、11〜18、11〜19、11〜20、11〜21、11〜22、11〜23、11〜24、11〜25、11〜26、11〜27、11〜28、11〜29、11〜30、12〜13、12〜14、12〜15、12〜16、12〜17、12〜18、12〜19、12〜20、12〜21、12〜22、12〜23、12〜24、12〜25、12〜26、12〜27、12〜28、12〜29、12〜30、13〜14、13〜15、13〜16、13〜17、13〜18、13〜19、13〜20、13〜21、13〜22、13〜23、13〜24、13〜25、13〜26、13〜27、13〜28、13〜29、13〜30、14〜15、14〜16、14〜17、14〜18、14〜19、14〜20、14〜21、14〜22、14〜23、14〜24、14〜25、14〜26、14〜27、14〜28、14〜29、14〜30、15〜16、15〜17、15〜18、15〜19、15〜20、15〜21、15〜22、15〜23、15〜24、15〜25、15〜26、15〜27、15〜28、15〜29、15〜30、16〜17、16〜18、16〜19、16〜20、16〜21、16〜22、16〜23、16〜24、16〜25、16〜26、16〜27、16〜28、16〜29、16〜30、17〜18、17〜19、17〜20、17〜21、17〜22、17〜23、17〜24、17〜25、17〜26、17〜27、17〜28、17〜29、17〜30、18〜19、18〜20、18〜21、18〜22、18〜23、18〜24、18〜25、18〜26、18〜27、18〜28、18〜29、18〜30、19〜20、19〜21、19〜22、19〜23、19〜24、19〜25、19〜26、19〜29、19〜28、19〜29、19〜30、20〜21、20〜22、20〜23、20〜24、20〜25、20〜26、20〜27、20〜28、20〜29、20〜30、21〜22、21〜23、21〜24、21〜25、21〜26、21〜27、21〜28、21〜29、21〜30、22〜23、22〜24、22〜25、22〜26、22〜27、22〜28、22〜29、22〜30、23〜24、23〜25、23〜26、23〜27、23〜28、23〜29、23〜30、24〜25、24〜26、24〜27、24〜28、24〜29、24〜30、25〜26、25〜27、25〜28、25〜29、25〜30、26〜27、26〜28、26〜29、26〜30、27〜28、27〜29、27〜30、28〜29、28〜30、又は29〜30の連結したモノマーサブユニットを含んでなるあるオリゴマー化合物を提供する。
【0263】
ある態様において、本明細書に収載されるオリゴマー化合物の範囲は、オリゴマー化合物中のモノマーサブユニットの数を制限することを意味するが、このようなオリゴマー化合物には、限定されないが、ヒドロキシル保護基のような保護基、連結されてもよいコンジュゲート基、及び/又は他の置換基が含まれる、5’及び/又は3’−末端基がさらに含まれてよい。
【0264】
ある態様において、本明細書に開示されるようなオリゴマー化合物の製造は、DNAについては「オリゴヌクレオチド及び類似体のプロトコール(Protocols for Oligonucleotides and Analogs)」Agrawal(監修),ヒュマナプレス(1993)、及び/又はRNAについては、Scaringe, Methods, 2001, 23, 206-217;Gait et al「化学合成RNAのRNA:タンパク質相互作用における応用(Applications of Chemically synthesized RNA in RNA: Protein Interactions)」Smith(監修),1998, 1-36;Gallo et al, Tetrahedron, 2001, 57, 5707-5713 の文献手順に従って実施する。追加の固相合成法を、Caruthers 米国特許第4,415,732;4,458,066;4,500,707;4,668,777;4,973,679;及び,132,418号と、Koster 米国特許第4,725,677及びRe.34,069号に見出すことができる。
【0265】
オリゴマー化合物は、液相法ではなく、固体支持体法を使用して常套的に製造する。固体支持体法を利用するオリゴマー化合物の製造に通常使用される市販の機器は、例えば、アプライド・バイオシステムズ(カリフォルニア州フォスターシティ)が含まれるいくつかのベンダーによって販売されている。当該技術分野で知られているそのような合成についての他のどの手段も、追加的又は代替的に利用してよい。自動化合成技術が含まれる好適な固相技術については、「オリゴヌクレオチドと類似体:実践アプローチ(Oligonucleotides and Analogues, a Practical Approach)」F. Eckstein(監修)オックスフォード大学出版局、ニューヨーク(1991)に記載されている。
【0266】
RNAと関連類似体の合成は、RNA干渉及びマイクロRNAにおける努力が増加するにつれて、DNAと関連類似体の合成に比べて増加しつつある。現在、商業的に使用されている主要なRNA合成戦略には、5’−O−DMT−2’−O−t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、5’−O−DMT−2’−O−[1(2−フルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−4−イル](FPMP)、2’−O−[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル(2’−O−CH
2−O−Si(iPr)
3(TOM)、及び5’−O−シリルエーテル−2’−ACE(5’−O−ビス(トリメチルシロキシ)シクロドデシルオキシシリルエーテル(DOD)−2’−O−ビス(2−アセトキシエトキシ)メチル(ACE)が含まれる。RNA製品を現在提供している主要企業のいくつかの現行リストには、Pierce Nunleic Acid Technologies、Dharmacon Research 社、Ameri Biotechnologies 社、及びIntegrated DNA Technologies 社が含まれる。ある企業、Princeton Separations は、特に、TOM及びTBDMS化学でのカップリング時間を減らすことが宣伝されたRNA合成アクチベータを市販している。市販のRNA合成に使用されている主要な群は、TBDMS:5’−O−DMT−2’−O−t−ブチルジメチルシリル;TOM:2’−O−[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル;DOD/ACE:(5’−O−ビス(トリメチルシロキシ)シクロドデシルオキシシリルエーテル−2’−O−ビス(2−アセトキシエトキシ)メチル;及び、FPMP:5’−O−DMT−2’−O−[l(2−フルオロフェニル)−4−エトキシピペリジン−4−イル]である。ある態様では、上記RNA合成戦略のそれぞれを本発明で使用することができる。ある態様では、上記のRNA合成戦略をハイブリッド形式で、例えば、ある戦略からの5’−保護基を別の戦略からの2’−O−保護基とともに使用して、一緒に実施することができる。
【0267】
本明細書に使用するように「ハイブリダイゼーション」という用語には、本発明で提供するようなオリゴマー化合物の標的核酸への結合が含まれるように、オリゴマー化合物の相補鎖の対合が含まれる。ある態様において、対合の機序には、水素結合への近さに十分接近している、ヌクレオシド(又はモノマーサブユニット)の相補的な複素環式塩基部分の間での(ワトソン−クリック、フーグスティーン、又は逆フーグスティーン水素結合であり得る)水素結合が関与する。例えば、アデニンとチミンは、水素結合の形成を介して対合する相補的なヌクレオ塩基である。ハイブリダイゼーションは、様々な環境条件下で起こり得る。
【0268】
オリゴマー化合物が特異的にハイブリダイズ可能であるのは、その化合物の標的核酸への結合が標的核酸の正常機能に干渉して活性の損失をもたらすときである。特異的にハイブリダイズ可能であるには、特異結合が望まれる条件、即ち、生理学的条件(in vivo アッセイ又は療法的処置のための)又は他の診断条件(in vitro アッセイを実施するための)の下で、オリゴマー化合物の非標的核酸配列への非特異的な結合を回避するのに十分な度合いの相補性も求められる。
【0269】
本明細書に使用するように、「相補的な」という用語は、2つのヌクレオ塩基がどこに位置しているかに拘らない、2つのヌクレオ塩基の正確な対合の能力に言及する。例えば、オリゴマー化合物のある位置にあるヌクレオ塩基が、DNA、RNA、又はオリゴヌクレオチド分子である標的核酸のある位置にあるヌクレオ塩基と水素結合することが可能であれば、オリゴヌクレオチドと標的核酸の間の水素結合の位置は、相補的な位置であるとみなされる。このオリゴマー化合物とさらなるDNA、RNA、又はオリゴヌクレオチド分子は、それぞれの分子中の十分な数の相補的な位置が互いと水素結合することができるヌクレオ塩基によって占められるとき、互いに相補的である。このように、「特異的にハイブリダイズ可能」と「相補的な」は、オリゴマー化合物とその標的核酸の間で安定して特異的な結合が起こるように、十分な数のヌクレオ塩基にわたる十分な度合いの正確な対合又は相補性を示すために使用される用語である。
【0270】
当該技術分野では、オリゴマー化合物の配列は、特異的にハイブリダイズ可能であるために、その標的核酸の配列に対して100%相補的である必要はないと理解されている。さらに、オリゴマー化合物は、介在又は隣接のセグメントがハイブリダイゼーション事象に関与しない(例、ループ構造又はヘアピン構造)ように、1以上のセグメントにわたってハイブリダイズする場合がある。ある態様では、オリゴマー化合物が、それらが標的指向される標的核酸配列内の標的領域に対して、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%の配列相補性を含み得る。例えば、その20のヌクレオ塩基うち18が標的領域へ相補的であり、それ故に特異的にハイブリダイズするオリゴマー化合物は、90パーセントの相補性を示すことになる。この例において、残りの非相補的なヌクレオ塩基は、密集しても、相補的なヌクレオ塩基で分散されてもよく、互いに、又は相補的なヌクレオ塩基に対して連続しているに及ばない。このように、18ヌクレオ塩基の長さであり、4つの非相補的なヌクレオ塩基が標的核酸との完全な相補性の2つの領域に並列しているオリゴマー化合物は、標的核酸と77.8%の全体相補性を有するので、この範囲に該当することになる。標的核酸の領域とオリゴマー化合物のパーセント相補性は、当該技術分野で知られたBLASTプログラム(基本ローカルアライメント検索ツール)及びPowerBLASTプログラム(Altschul et al, J. Mol. Biol, 1990, 215, 403-410; Zhang and Madden, Genome Res.,1997,7,649-656)を使用して常套的に決定することができる。
【0271】
本発明にさらに含まれるのは、標的核酸の少なくとも一部へハイブリダイズする、アンチセンスオリゴマー化合物、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、外部ガイド配列(EGS)オリゴヌクレオチド、選択的スプライサー、プライマー、プローブのようなオリゴマー化合物と他のオリゴマー化合物である。これらのオリゴマー化合物は、それ自体として、一本鎖、二本鎖、環状、又はヘアピンのオリゴマー化合物の形態で導入されてよく、内部又は末端のバルジ(bulges)又はループのような構造要素を含有してよい。ある系へ導入されたならば、本発明で提供するオリゴマー化合物は、標的核酸の修飾をもたらす、1以上の酵素又は構造タンパク質の作用を誘発し得る。あるいは、オリゴマー化合物は、占有ベースの方法を介して標的核酸の活性を阻害して、それにより標的核酸の活性に干渉する場合がある。
【0272】
このような酵素の1つの非限定的な例は、RNアーゼH(RNA:DNA二重鎖のRNA鎖を切断する細胞エンドヌクレアーゼ)である。当該技術分野では、「DNA様」である一本鎖オリゴマー化合物がRNアーゼHを誘発することが知られている。故に、RNアーゼHの活性化は、RNA標的の切断をもたらして、それにより遺伝子発現のオリゴヌクレオチド媒介性の阻害の効率を大いに高める。RNアーゼIII及びリボヌクレアーゼLの酵素ファミリーにおける役割のように、他のリボヌクレアーゼについても同様の役割が提唱されてきた。
【0273】
オリゴマー化合物の1つの形態が一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドであるのに対して、多くの種では、二本鎖RNA(dsRNA)分子のような二本鎖構造の導入により、遺伝子又はその関連した遺伝子産物の機能の強力で特異的なアンチセンス媒介性の低下が誘発されることが示されてきた。この現象は、植物と動物の両方で起きて、ウイルス防御やトランスポゾン抑制との進化上の連関があると考えられている。
【0274】
ある態様では、本発明のオリゴマー化合物が1以上のヌクレアーゼに結合する、及び/又はそれを活性化する。ある態様では、そのような結合及び/又は活性化が最終的にはアンチセンス活性をもたらす。ある態様では、本発明のオリゴマー化合物が標的核酸と、そしてヌクレアーゼと相互作用して、ヌクレアーゼの活性化と標的核酸の切断をもたらす。ある態様では、本発明のオリゴマー化合物が標的核酸と、そしてヌクレアーゼと相互作用して、ヌクレアーゼの活性化と標的核酸の不活性化をもたらす。ある態様では、本発明のオリゴマー化合物が標的核酸との二重鎖を形成して、その二重鎖がヌクレアーゼを活性化して、オリゴマー化合物と標的核酸の一方又は両方の切断及び/又は不活性化をもたらす。ある態様では、本発明のオリゴマー化合物がヌクレアーゼに結合する、及び/又はそれを活性化して、その結合及び/又は活性化されたヌクレアーゼが標的核酸を切断するか又は不活性化する。ヌクレアーゼには、限定されないが、リボヌクレアーゼ(リボヌクレオチドを特異的に切断するヌクレアーゼ)、二本鎖ヌクレアーゼ(二本鎖二重鎖の一方又は両方の鎖を特異的に切断するヌクレアーゼ)、及び二本鎖リボヌクレアーゼが含まれる。例えば、ヌクレアーゼには、限定されないが、RNアーゼH、アルゴノートタンパク質(限定されないが、Ago2が含まれる)、及びダイサー(dicer)が含まれる。
【0275】
ある態様では、本発明のオリゴマー化合物がRNアーゼHを活性化する。RNアーゼHは、RNA鎖とDNA若しくはDNA様鎖を含んでなる二重鎖のRNA鎖を切断する細胞ヌクレアーゼである。ある態様では、本発明のオリゴマー化合物がRNアーゼHを活性化するのに十分DNA様であり、RNA核酸標的の切断をもたらす。あるそのような態様において、オリゴマー化合物は、DNA若しくはDNA様ヌクレオシドより構成される少なくとも1つの領域と、他のやり方で修飾されたヌクレオシドより構成される1以上の領域を含む。ある態様では、そのように他のやり方で修飾されたヌクレオシドがオリゴマー化合物の安定性、及び/又は標的核酸へのその親和性を高める。あるそのようなオリゴマー化合物は、望ましい特性の組合せを保有する。例えば、あるそのような化合物は、DNA若しくはDNA様領域によって、標的核酸を切断するRNアーゼH活性を支援することができる;そして、他のやり方で修飾されたヌクレオシドによって、標的核酸への高められた親和性、及び/又は高められた安定性(一本鎖特異的ヌクレアーゼに対する抵抗性が含まれる)を有する。ある態様では、そのような他のやり方で修飾されたヌクレオシドが、代謝プロフィール及び/又は薬理学的プロフィールのような、望まれる特性を有するオリゴマー化合物をもたらす。
【0276】
ある態様では、本発明のオリゴマー化合物がアルゴノートタンパク質(Ago)と相互作用する。ある態様では、そのようなオリゴマー化合物が、初めに、RISC経路の別のメンバー(例、ダイサー)と相互作用することによって、この経路に入る。ある態様では、オリゴマー化合物がAgoと相互作用することによって、RISC経路に入る。ある態様では、そのような相互作用が最終的にアンチセンス活性をもたらす。ある態様において、本発明は、オリゴマー化合物とAgoを接触させることを含んでなる、Agoを活性化する方法を提供する。ある態様では、そのようなオリゴマー化合物が修飾5’−リン酸基を含む。ある態様において、本発明は、Agoを活性化することが可能なオリゴマー化合物と細胞を接触させて、最終的に標的核酸の切断をもたらすことを含んでなる、標的核酸の細胞における発現又は量を調節する方法を提供する。ある態様において、細胞は、動物中にある。ある態様において、細胞は、in vitro にある。ある態様において、該方法は、マンガンの存在下で実施する。ある態様において、マンガンは、内因性である。ある態様において、該方法は、マグネシウムの非存在下で実施する。ある態様において、Agoは、細胞にとって内因性である。あるそのような態様において、細胞は、動物中にある。ある態様において、Agoは、ヒトのAgoである。ある態様において、Agoは、Ago2である。ある態様において、Agoは、ヒトのAgo2である。
【0277】
ある態様では、本発明のオリゴマー化合物が酵素ダイサーと相互作用する。あるそのような態様では、オリゴマー化合物がダイサーへ結合する、及び/又はダイサーによって切断される。あるそのような態様では、ダイサーとのそのような相互作用が最終的にアンチセンス活性をもたらす。ある態様において、ダイサーは、ヒトのダイサーである。ある態様では、ダイサーと相互作用するオリゴマー化合物が二本鎖オリゴマー化合物である。ある態様では、ダイサーと相互作用するオリゴマー化合物が一本鎖オリゴマー化合物である。
【0278】
二本鎖オリゴマー化合物がダイサーと相互作用する態様では、そのような二本鎖オリゴマー化合物がダイサー二重鎖を形成する。ある態様では、本明細書に記載するどのオリゴマー化合物も、ダイサー二重鎖の一方又は両方の鎖として適している場合がある。ある態様では、ダイサー二重鎖のそれぞれの鎖が本発明のオリゴマー化合物である。ある態様では、ダイサー二重鎖の一方の鎖が本発明のオリゴマー化合物であり、他の鎖は、あらゆる修飾又は非修飾オリゴマー化合物である。ある態様では、ダイサー二重鎖の一方又は両方の鎖が式IIのヌクレオシド又は式IVのヌクレオシドを5’端に含む。ある態様では、ダイサー二重鎖の一方の鎖がアンチセンスオリゴマー化合物であり、他方の鎖がそのセンス相補体である。
【0279】
ある態様において、ダイサー二重鎖は、3’突出を一方又は両方の端に含む。ある態様では、そのような突出が追加のヌクレオシドである。ある態様において、ダイサー二重鎖は、3’突出をセンスオリゴヌクレオチド上に含んで、アンチセンスオリゴヌクレオチド上には含まない。ある態様において、ダイサー二重鎖は、3’突出をアンチセンスオリゴヌクレオチド上に含んで、センスオリゴヌクレオチド上には含まない。ある態様では、ダイサー二重鎖の3’突出が1〜4のヌクレオシドを含む。ある態様では、そのような突出が2つのヌクレオシドを含む。ある態様において、3’突出中のヌクレオシドは、プリンヌクレオ塩基を含む。ある態様において、3’突出中のヌクレオシドは、アデニンヌクレオ塩基を含む。ある態様において、3’突出中のヌクレオシドは、ピリミジンを含む。ある態様では、3’−プリン突出を含んでなるダイサー二重鎖が、アンチセンス化合物としては、3’−ピリミジン突出を含んでなるダイサー二重鎖より有効である。ある態様では、ダイサー二重鎖のオリゴマー化合物が1以上の3’−デオキシヌクレオシドを含む。あるそのような態様において、3’−デオキシヌクレオシドは、dTヌクレオシドである。
【0280】
ある態様において、ダイサー二重鎖のそれぞれの鎖の5’端は、リン酸エステル部分を含む。ある態様において、ダイサー二重鎖のアンチセンス鎖は、リン酸エステル部分を含み、ダイサー二重鎖のセンス鎖は、リン酸エステル部分を含まない。ある態様において、ダイサー二重鎖のセンス鎖は、リン酸エステル部分を含み、ダイサー二重鎖のアンチセンス鎖は、リン酸エステル部分を含まない。ある態様では、ダイサー二重鎖がリン酸エステル部分を3’端に含まない。ある態様では、ダイサー二重鎖がダイサーによって切断される。そのような態様では、ダイサー二重鎖が、切断部位のヌクレオシド上に2’−OMe修飾を含まない。ある態様では、そのような切断部位のヌクレオシドがRNAである。
【0281】
ある態様では、ダイサーとオリゴマー化合物の相互作用が、最終的にアンチセンス活性をもたらす。ある態様では、ダイサーが二本鎖オリゴマー化合物の一方又は両方の鎖を切断して、生じる産物がRISC経路に入って、最終的にアンチセンス活性をもたらす。ある態様では、ダイサーが二本鎖オリゴマー化合物のいずれの鎖も切断しないが、それでもRISC経路への移行を促進して、最終的にアンチセンス活性をもたらす。ある態様では、ダイサーが一本鎖オリゴマー化合物を切断して、生じる産物がRISC経路に入り、最終的にアンチセンス活性をもたらす。ある態様では、ダイサーが一本鎖オリゴマー化合物を切断しないが、それでもRISC経路への移行を促進して、最終的にアンチセンス活性をもたらす。
【0282】
ある態様において、本発明は、オリゴマー化合物とダイサーを接触させることを含んでなる、ダイサーを活性化する方法を提供する。あるそのような態様において、ダイサーは、細胞中にある。あるそのような態様において、細胞は、動物中にある。
【0283】
いくつかの態様では、選択されたタンパク質の発現を調節する追加のオリゴマー化合物のスクリーニングにおいて、「好適な標的セグメント」が利用される場合がある。「モジュレーター」は、あるタンパク質をコードする核酸分子の発現を減少又は増加させて、好適な標的セグメントに相補的である少なくとも8のヌクレオ塩基部分を含むオリゴマー化合物である。このスクリーニング法は、あるタンパク質をコードする核酸分子の好適な標的セグメントを1以上の候補モジュレーターと接触させる工程と、タンパク質をコードする核酸分子の発現を減少又は増加させる1以上の候補モジュレーターを選択する工程を含む。単数又は複数の候補モジュレーターが、ペプチドをコードする核酸分子の発現を調節する(例えば、減少させるか又は増加させる)ことが可能であることが示されたならば、そのモジュレーターは、該ペプチドの機能のさらなる検討試験において、又は研究、診断、又は療法の薬剤としての使用のために、本発明で利用することができる。マイクロRNAへ標的指向されるオリゴマー化合物の場合、マイクロRNA標的RNA又はタンパク質の発現を増加させる程度によって、候補モジュレーターを評価することができる(マイクロRNAの活性への干渉により、マイクロRNAの1以上の標的の増加された発現がもたらされるので)。
【0284】
好適な標的セグメントはまた、本発明で提供するそのそれぞれの相補的なオリゴマー化合物と組み合わせて、安定した二本鎖(二重鎖)オリゴヌクレオチドを形成してもよい。当該技術分野では、そのような二本鎖オリゴヌクレオチド部分が、アンチセンス機序を介して、標的の発現を調節して、翻訳並びにRNAプロセシングを制御することが示されている。さらに、この二本鎖部分は、化学修飾を受けてよい(Fire et al, Nature, 1998, 391, 806-811; Timmons and Fire, Nature, 1998, 395, 854; Timmons et al, Gene, 2001, 263, 103-112; Tabara et al, Science, 1998, 282, 430-431; Montgomery et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1998, 95, 15502-15507; Tuschl et al, Genes Dev., 1999, 13, 3191-3197; Elbashir et al, Nature, 2001, 411, 494-498; Elbashir et al, Genes Dev., 2001, 15, 188-200)。例えば、そのような二本鎖部分は、二重鎖のアンチセンス鎖の、標的に対する典型的なハイブリダイゼーションによって標的を阻害して、それによって標的の酵素分解の契機となることが示された(Tijsterman et al, Science, 2002, 295, 694-697)。
【0285】
本発明で提供するオリゴマー化合物は、薬物探索と標的検証の分野でも応用することができる。ある態様において、本発明で提供するのは、タンパク質と病態、表現型、又は状態の間に存在する関係を解明しようとする薬物探索の努力における、オリゴマー化合物と本発明で同定される標的の使用である。これらの方法には、本発明で提供する1以上のオリゴマー化合物と試料、組織、細胞、又は生物を接触させること、処置後のある時点で標的の核酸又はタンパク質量、及び/又は関連する表現型又は化学的なエンドポイントを測定すること、及びこの測定値を非処置試料又は本発明で提供するようなさらなるオリゴマー化合物で処置した試料と比較してもよいことを含んでなる、標的ペプチドを検出又は調節することが含まれる。これらの方法はまた、他の実験と並行して、又は組み合わせて実施して、標的検証の方法のために未知の遺伝子の機能を決定するか、又は特別な疾患、状態、又は表現型の治療又は予防のための標的としての特別な遺伝子産物の正当性を決することができる。ある態様では、オリゴマー化合物を療法における使用に提供する。ある態様において、療法は、標的RNAを低下させることである。
【0286】
本明細書に使用するように、「用量」という用語は、単一の投与において提供される医薬品の特定量に言及する。ある態様では、2以上のボーラス剤、錠剤、又は注射剤で用量を投与し得る。例えば、ある態様において、皮下投与が望まれる場合、望まれる用量には、単一の注射剤では容易に提供されない容量が求められる。そのような態様では、2以上の注射剤を使用して、望まれる用量を達成してよい。ある態様では、用量を2以上の注射剤で投与して、個体における注射部位での反応を最小化し得る。
【0287】
ある態様では、標的RNAに対して非修飾DNAより高い親和性を有し得る化学修飾オリゴマー化合物を本発明で提供する。あるそのような態様では、次いで、より高い親和性により増加した効力がもたらされて、そのような化合物のより少ない用量の投与、毒性の可能性の低下、治療指数の改善、及び治療コスト全体の減少が可能になる。
【0288】
RNAi活性に対するヌクレオシド修飾の効果については、既存の文献(Elbashir et al., Nature, 2001, 411, 494-498; Nishikura et al, Cell, 2001, 107, 415-416; 及び Bass et al, Cell, 2000, 101, 235-238)に従って評価する。
【0289】
ある態様では、本発明で提供するオリゴマー化合物を、診断、治療、予防に、そして研究の試薬及びキットとして利用することができる。さらに、遺伝子発現を鋭敏な特異性で阻害することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、当業者によって、特別な遺伝子の機能を解明するために、又は生体経路の様々なメンバーの諸機能を区別するためにしばしば使用される。ある態様では、本発明で提供するオリゴマー化合物を、細胞及び組織の内部で発現される遺伝子の一部又は全相補体の発現パターンを解明するための示差及び/又はコンビナトリアル分析のツールとして、単独で、又は他のオリゴマー化合物又は他の治療薬剤と組み合わせて利用することができる。オリゴマー化合物はまた、遺伝子の増幅又は検出に有利である条件の下で、それぞれプライマー及びプローブとして効果的に使用することができる。これらのプライマー及びプローブは、タンパク質をコードする核酸分子の特異的な検出を必要とする方法において、そして検出又はさらなる試験における使用のための核酸分子の増幅において有用である。本発明で提供するようなオリゴマー化合物、特にプライマー及びプローブの核酸とのハイブリダイゼーションは、当該技術分野において知られた手段によって検出することができる。そのような手段には、酵素のオリゴヌクレオチドへのコンジュゲーション、オリゴヌクレオチドの放射標識化、又は他の好適な検出手段を含めてよい。選択されるタンパク質の試料中の量を検出するのにそのような検出手段を使用するキットも、製造することができる。
【0290】
1つの非限定的な例として、本発明で提供するオリゴマー化合物の1以上で処置された細胞又は組織内での発現パターンを、オリゴマー化合物で処置しない対照の細胞又は組織と比較して、産生されるパターンについて、例えば、検証する遺伝子の疾患関連性、シグナル伝達経路、細胞局在化、発現量、サイズ、構造、又は機能に関連する遺伝子発現の示差量を分析する。これらの分析は、被刺激及び非刺激細胞で、そして発現パターンに影響を及ぼす他の化合物及び/又はオリゴマー化合物の存在又は非存在下に実施することができる。
【0291】
当該技術分野において知られている遺伝子発現分析の方法の例には、DNAアレイ又はマイクロアレイ(Brazma and ViIo, FEBS Lett., 2000, 480, 17-24; Celis, et al, FEBS Lett, 2000, 480, 2-16)、SAGE(遺伝子発現の連続分析)(Madden, et al, Drug Discov. Today, 2000, 5, 415-425)、READS(消化cDNAの制限酵素増幅)(Prashar and Weissman, Methods Enzymol, 1999, 303, 258-72)、TOGA(全遺伝子発現分析)(Sutcliffe, et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2000, 97, 1976-81)、タンパク質アレイ及びプロテオミクス(Celis, etal, FEBS Lett., 2000, 480, 2-16; Jungblut, et al, Electrophoresis, 1999, 20, 2100-10)、発現配列タグ(EST)配列決定(Celis, et al, FEBS Lett., 2000, 480, 2-16; Larsson, et al, J. Biotechnol, 2000, 80, 143-57)、サブトラクティブRNAフィンガープリンティング(SuRF)(Fuchs, et al, Anal. Biochem., 2000, 286, 91-98; Larson, et al, Cytometry, 2000, 41, 203-208)、サブトラクティブクローニング、ディファレンシャルディスプレイ(DD)(Jurecic and Belmont, Curr. Opin. Microbiol, 2000, 3, 316-21)、比較ゲノムハイブリダイゼーション(Carulli, et al, J. Cell Biochem. Suppl, 1998, 31, 286-96)、FISH(蛍光 in situ ハイブリダイゼーション)技術(Going and Gusterson, Eur. J. Cancer, 1999, 35, 1895-904)、及び質量分析法(To, Comb. Chem. High Throughput Screen, 2000, 3, 235-41)が含まれる。
【0292】
(1) 式I:
【数1】
[式中:Bxは、複素環式塩基部分であり;Aは、O、S、又はN(R1)であり;R1は、H、C1−C6アルキル、又は置換C1−C6アルキルであり;T1とT2の一方は、H、保護基、又はリン部分であり、そしてT1とT2の他方は、H、保護基、又は反応性リン基であり;Q1とQ2の一方は、H、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、又は置換C2−C6アルキニルであり、そしてQ1とQ2の他方は、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、又は置換C2−C6アルキニルであり;G1は、O−[C(R2)(R3)]n−[(C=O)m−X]j−Z、又はハロゲンであり;それぞれのR2及びR3は、独立して、H又はハロゲンであり;
Xは、O、S、又はN(E1)であり;Zは、H、ハロゲン、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、置換C2−C6アルキニル、又はN(E2)(E3)であり;E1、E2、及びE3は、それぞれ独立して、H、C1−C6アルキル、又は置換C1−C6アルキルであり;nは、1〜約6であり;mは、0又は1であり;jは、0又は1であり;それぞれの置換基は、ハロゲン、OJ1、N(J1)(J2)、=NJ1、SJ1、N3、CN、OC(=L)J1、OC(=L)N(J1)(J2)、及びC(=L)N(J1)(J2)より独立して選択される、1以上の保護化されていてもよい置換基を含み;Lは、O、S、又はNJ3であり;
それぞれのJ1、J2、及びJ3は、独立して、H又はC1−C6アルキルであり;そして
jが1であるとき、Zは、ハロゲン又はN(E2)(E3)以外であり、そしてAがOであるとき、G1は、ハロゲン以外である]を有する化合物。
(2) Bxが、ウラシル、5−チアゾロ−ウラシル、2−チオ−ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、チミン、2’−チオ−チミン、シトシン、5−メチルシトシン、5−チアゾロ−シトシン、5−プロピニル−シトシン、アデニン、グアニン、2,6−ジアミノプリン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾチアジン−2(3H)−オン、9−(2−アミノエトキシ)−H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、2H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−オン、又はH−ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−オンである、(1)の化合物。
(3) Bxが、ウラシル、チミン、シトシン、5−メチルシトシン、アデニン、又はグアニンである、(1)の化合物。
(4) Q1がHである、(1)〜(3)のいずれか1項の化合物。
(5) Q2がHである、(1)〜(3)のいずれか1項の化合物。
(6) Q1とQ2がそれぞれH以外である、(1)〜(3)のいずれか1項の化合物。
(7) Q1及びQ2の一方が置換C1−C6アルキルである、(1)〜(6)のいずれか1項の化合物。
(8) 前記置換C1−C6アルキルが、ハロゲン、C2−C6アルケニル、OJ1、NJ1J2、及びCNより選択される少なくとも1つの置換基を含み、ここでそれぞれのJ1及びJ2は、独立して、H又はC1−C6アルキルである、(7)の化合物。
(9) 前記置換C1−C6アルキルが、フルオロ及びOCH3より選択される少なくとも1つの置換基を含む、(7)の化合物。
(10) Q1及びQ2の少なくとも1つがC1−C6アルキルである、(1)〜(9)のいずれか1項の化合物。
(11) Q1がメチルである、(1)〜(10)のいずれか1項の化合物。
(12) Q2がメチルである、(1)〜(10)のいずれか1項の化合物。
(13) G1が、OCH3、OCH2F、OCHF2、OCF3、OCH2CH3、O(CH2)2F、OCH2CHF2、OCH2CF3、OCH2−CH=CH2、O(CH2)2−OCH3、O(CH2)2−SCH3、O(CH2)2−OCF3、O(CH2)3−N(R4)(R5)、O(CH2)2−ON(R4)(R5)、O(CH2)2−O(CH2)2−N(R4)(R5)、OCH2C(=O)−N(R4)(R5)、OCH2C(=O)−N(R6)−(CH2)2−N(R4)(R5)、又はO(CH2)2−N(R6)−C(=NR7)[N(R4)(R5)]であり、ここでR4、R5、R6、及びR7は、それぞれ独立して、H又はC1−C6アルキルである、(1)〜(12)のいずれか1項の化合物。
(14) G1が、OCH3、OCF3、OCH2CH3、OCH2CF3、OCH2−CH=CH2、O(CH2)2−OCH3、O(CH2)2−O(CH2)2−N(CH3)2、OCH2C(=O)−N(H)CH3、OCH2C(=O)−N(H)−(CH2)2−N(CH3)2、又はOCH2−N(H)−C(=NH)NH2である、(1)〜(12)のいずれか1項の化合物。
(15) G1が、OCH3、O(CH2)2−OCH3、OCH2C(=O)−N(H)CH3、又はOCH2C(=O)−N(H)−(CH2)2−N(CH3)2である、(1)〜(12)のいずれか1項の化合物。
(16) G1がO(CH2)2−OCH3である、(1)〜(12)のいずれか1項の化合物。
(17) G1がFである、(1)〜(12)のいずれか1項の化合物。
(18) T1及びT2の少なくとも1つが、ベンジル、ベンゾイル、2,6−ジクロロベンジル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、メシレート、トシラート、ジメトキシトリチル(DMT)、9−フェニルキサンチン−9−イル(ピキシル)、及び9−(p−メトキシフェニル)キサンチン−9−イル(MOX)より選択されるヒドロキシル保護基である、(1)〜(17)のいずれか1項の化合物。
(19) T1が、アセチル、ベンジル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、及びジメトキシトリチルより選択される、(1)〜(17)のいずれか1項の化合物。
(20) T1が4,4’−ジメトキシトリチルである、(1)〜(17)のいずれか1項の化合物。
(21) T1がリン部分である、(1)〜(17)のいずれか1項の化合物。
(22) 前記リン部分が式:
【数2】
[式中:RaとRcは、それぞれ独立して、OH、SH、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、置換C1−C6アルコキシ、アミノ、又は置換アミノであり;そしてRbは、O又はSである]を有する、(21)の化合物。
(23) RaとRcがそれぞれOHである、(22)の化合物。
(24) RaとRcがそれぞれOCH3である、(22)の化合物。
(25) RaとRcがそれぞれOCH2CH3である、(22)の化合物。
(26) RbがOである、(22)〜(25)のいずれか1項の化合物。
(27) RbがSである、(22)〜(25)のいずれか1項の化合物。
(28) T2が反応性リン基である、(1)〜(27)のいずれか1項の化合物。
(29) T2が、ジイソプロピルシアノエトキシホスホロアミダイト及びH−ホスホネートより選択される反応性リン基である、(1)〜(27)のいずれか1項の化合物。
(30) T1が4,4’−ジメトキシトリチルであり、T2がジイソプロピルシアノエトキシホスホロアミダイトである、(1)〜(17)のいずれか1項の化合物。
(31) T1がリン部分であり、T2がジイソプロピルシアノエトキシホスホロアミダイトである、(1)〜(17)のいずれか1項の化合物。
(32) AがOである、(1)〜(31)のいずれか1項の化合物。
(33) AがSである、(1)〜(31)のいずれか1項の化合物。
(34) AがN(R1)である、(1)〜(31)のいずれか1項の化合物。
(35) R1がH又はCH3である、(34)の化合物。
(36) 構造:
【数3】
を有する、(1)〜(35)のいずれか1項の化合物。
(37) Bxが複素環式塩基部分であり;Aは、Oであり;T1は、H又は保護基であり;T2は、H、保護基、又は反応性リン基であり;Q1とQ2の一方は、C1−C6アルキルであり、そしてQ1とQ2の他方は、Hであり;そしてG1は、OCH3、O(CH2)2−OCH3、OCH2C(=O)−N(H)CH3、又はOCH2C(=O)−N(H)−(CH2)2−N(CH3)2である、(36)の化合物。
(38) Q1がCH3であり;そしてG1は、OCH3、O(CH2)2−OCH3、OCH2C(=O)−N(H)CH3、又はOCH2C(=O)−N(H)−(CH2)2−N(CH3)2である、(37)の化合物。
(39) Q2がCH3であり;そしてG1は、OCH3、O(CH2)2−OCH3、OCH2C(=O)−N(H)CH3、又はOCH2C(=O)−N(H)−(CH2)2−N(CH3)2である、(37)の化合物。
(40) G1がO(CH2)2−OCH3である、(38)又は(39)のいずれか1項の化合物。
(41) 式II:
【数4】
[式中、式IIのそれぞれのモノマーについて独立して:Bxは、複素環式塩基部分であり;Aは、O、S、又はN(R1)であり;R1は、H、C1−C6アルキル、又は置換C1−C6アルキルであり;T3とT4の一方は、該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり、そしてT3とT4の他方は、H、保護基、リン部分、5’若しくは3’−末端基、又は該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり;Q1とQ2の一方は、H、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、又は置換C2−C6アルキニルであり、そしてQ1とQ2の他方は、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、又は置換C2−C6アルキニルであり;G1は、O−[C(R2)(R3)]n−[(C=O)m−X]j−Z、又はハロゲンであり;それぞれのR2及びR3は、独立して、H又はハロゲンであり;Xは、O、S、又はN(E1)であり;Zは、H、ハロゲン、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、置換C2−C6アルキニル、又はN(E2)(E3)であり;E1、E2、及びE3は、それぞれ独立して、H、C1−C6アルキル、又は置換C1−C6アルキルであり;nは、1〜約6であり;mは、0又は1であり;jは、0又は1であり;それぞれの置換基は、ハロゲン、OJ1、N(J1)(J2)、=NJ1、SJ1、N3、CN、OC(=L)J1、OC(=L)N(J1)(J2)、及びC(=L)N(J1)(J2)より独立して選択される、1以上の保護化されていてもよい置換基を含み;Lは、O、S、又はNJ3であり;それぞれのJ1、J2、及びJ3は、独立して、H又はC1−C6アルキルであり;そしてjが1であるとき、Zは、ハロゲン又はN(E2)(E3)以外であり、そしてAがOであるとき、G1は、ハロゲン以外である]の少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物。
(42) それぞれのBxが、独立して、ウラシル、5−チアゾロ−ウラシル、2−チオ−ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、チミン、2’−チオ−チミン、シトシン、5−メチルシトシン、5−チアゾロ−シトシン、5−プロピニル−シトシン、アデニン、グアニン、2,6−ジアミノプリン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾチアジン−2(3H)−オン、9−(2−アミノエトキシ)−H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、2H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−オン、又はH−ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−オンである、(41)のオリゴマー化合物。
(43) それぞれのBxが、独立して、ウラシル、チミン、シトシン、5−メチルシトシン、アデニン、又はグアニンである、(43)のオリゴマー化合物。
(44) それぞれのQ1がHである、(41)〜(43)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(45) それぞれのQ2がHである、(41)〜(43)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(46) それぞれのQ1とそれぞれのQ2がH以外である、(41)〜(43)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(47) 式IIのそれぞれのモノマーについて、Q1及びQ2の少なくとも1つが置換C1−C6アルキルである、(41)〜(46)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(48) それぞれの置換C1−C6アルキルが、ハロゲン、C2−C6アルケニル、OJ1、NJ1J2、及びCNより独立して選択される少なくとも1つの置換基を含み、ここでそれぞれのJ1及びJ2は、独立して、H又はC1−C6アルキルである、(47)のオリゴマー化合物。
(49) それぞれの置換C1−C6アルキルが、フルオロ及びOCH3より独立して選択される少なくとも1つの置換基を含む、(47)のオリゴマー化合物。
(50) 式IIのそれぞれのモノマーについて、Q1及びQ2の少なくとも1つがC1−C6アルキルである、(41)〜(49)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(51) 式IIのそれぞれのモノマーについて、Q1がメチルである、(41)〜(49)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(52) 式IIのそれぞれのモノマーについて、Q2がメチルである、(41)〜(49)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(53) 式IIのそれぞれのモノマーについて独立して、G1が、OCH3、OCH2F、OCHF2、OCF3、OCH2CH3、O(CH2)2F、OCH2CHF2、OCH2CF3、OCH2−CH=CH2、O(CH2)2−OCH3、O(CH2)2−SCH3、O(CH2)2−OCF3、O(CH2)3−N(R4)(R5)、O(CH2)2−ON(R4)(R5)、O(CH2)2−O(CH2)2−N(R4)(R5)、OCH2C(=O)−N(R4)(R5)、OCH2C(=O)−N(R6)−(CH2)2−N(R4)(R5)、又はO(CH2)2−N(R6)−C(=NR7)[N(R4)(R5)]であり、ここでR4、R5、R6、及びR7は、それぞれ独立して、H又はC1−C6アルキルである、(41)〜(52)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(54) 式IIのそれぞれのモノマーについて独立して、G1が、OCH3、OCF3、OCH2CH3、OCH2CF3、OCH2−CH=CH2、O(CH2)2−OCH3、O(CH2)2−O(CH2)2−N(CH3)2、OCH2C(=O)−N(H)CH3、OCH2C(=O)−N(H)−(CH2)2−N(CH3)2、又はOCH2−N(H)−C(=NH)NH2である、(41)〜(52)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(55) 式IIのそれぞれのモノマーについて独立して、G1が、OCH3、O(CH2)2−OCH3、OCH2C(=O)−N(H)CH3、又はOCH2C(=O)−N(H)−(CH2)2−N(CH3)2である、(41)〜(52)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(56) 式IIのそれぞれのモノマーについて独立して、G1がO(CH2)2−OCH3である、(41)〜(52)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(57) 式IIのそれぞれのモノマーについて、G1がFである、(41)〜(52)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(58) T3及びT4の少なくとも1つが5’若しくは3’−末端基である、(41)〜(57)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(59) T3及びT4の少なくとも1つがコンジュゲート基である、(41)〜(57)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(60) T3がリン部分である、(41)〜(59)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(61) 前記リン部分が式:
【数5】
[式中:RaとRcは、それぞれ独立して、OH、SH、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、置換C1−C6アルコキシ、アミノ、又は置換アミノであり;そしてRbは、O又はSである]を有する、(59)のオリゴマー化合物。
(62) RaとRcがそれぞれOHである、(60)のオリゴマー化合物。
(63) RaとRcがそれぞれOCH3である、(60)のオリゴマー化合物。
(64) RaとRcがそれぞれOCH2CH3である、(60)のオリゴマー化合物。
(65) RbがOである、(60)〜(64)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(66) RbがSである、(60)〜(64)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(67) 式IIのそれぞれのモノマーが構造:
【数6】
を有する、(41)〜(66)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(68) 前記構造を有する式IIのそれぞれのモノマーについて独立して:Bxが複素環式塩基部分であり;Aは、Oであり;T3とT4の一方は、該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり、そしてT3とT4の他方は、H、保護基、リン部分、5’若しくは3’−末端基、又は該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり;Q1とQ2の一方は、C1−C6アルキルであり、そしてQ1とQ2の他方は、Hであり;そしてG1は、OCH3、O(CH2)2−OCH3、OCH2C(=O)−N(H)CH3、又はOCH2C(=O)−N(H)−(CH2)2−N(CH3)2である、(67)のオリゴマー化合物。
(69) 前記構造を有する式IIのそれぞれのモノマーについて独立して:Q1がCH3であり;そしてG1は、OCH3、O(CH2)2−OCH3、OCH2C(=O)−N(H)CH3、又はOCH2C(=O)−N(H)−(CH2)2−N(CH3)2である、(68)のオリゴマー化合物。
(70) 前記構造を有する式IIのそれぞれのモノマーについて独立して:Q2がCH3であり;そしてG1は、OCH3、O(CH2)2−OCH3、OCH2C(=O)−N(H)CH3、又はOCH2C(=O)−N(H)−(CH2)2−N(CH3)2である、(68)のオリゴマー化合物。
(71) 前記構造を有する式IIのそれぞれのモノマーについて:G1がO(CH2)2−OCH3である、(69)又は(70)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(72) 式IIの1つのモノマーを5’端に含んでなる、(41)〜(71)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(73) 式IIのモノマーが2つ以上連続する領域を少なくとも1つ含んでなる、(41)〜(72)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(74) 前記少なくとも1つの領域で、式IIのモノマーが2〜5つ連続する、(73)のオリゴマー化合物。
(75) 少なくとも2つの領域を含んでなり、ここでそれぞれの領域は、独立して、式IIのモノマーを1〜約5つ連続して含み、そしてここでそれぞれの領域は、式IIを有するモノマーとは異なるモノマーサブユニットであって、ヌクレオシド及び修飾ヌクレオシドより独立して選択される、少なくとも1つのモノマーサブユニットによって分離される、(41)〜(71)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(76) 式IIのモノマーが連続する1つの領域が5’端に位置して、式IIのモノマーが連続する第二領域が3’端に位置しているギャップ化(gapped)オリゴマー化合物を含んでなり、ここでこの2つの領域は、式IIを有するモノマーとは異なるヌクレオシド及び修飾ヌクレオシドより独立して選択される、約6〜約18のモノマーサブユニットを含んでなる内部領域によって分離される、(75)のオリゴマー化合物。
(77) 前記内部領域が約8〜約14の連続β−D−2’−デオキシリボフラノシルヌクレオシドを含む、(76)のオリゴマー化合物。
(78) 前記内部領域が約9〜約12の連続β−D−2’−デオキシリボフラノシルヌクレオシドを含む、(76)のオリゴマー化合物。
(79) 式IIのモノマーが2〜3つ連続する第一領域、式IIのモノマーが1〜3つ連続する任意選択の第二領域、及び8〜14のβ−D−2’−デオキシリボフラノシルヌクレオシドの第三領域を含んでなり、ここで前記第三領域は、前記第一領域と前記第二領域の間に位置している、(41)〜(71)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(80) それぞれのヌクレオシド間連結基が、独立して、ホスホジエステルヌクレオシド間連結基又はホスホロチオエートヌクレオシド間連結基である、(41)〜(79)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(81) それぞれのヌクレオシド間連結基が本質的にホスホロチオエートヌクレオシド間連結基である、(41)〜(79)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(82) 第一オリゴマー化合物と第二オリゴマー化合物を含んでなる二本鎖組成物であって:ここで第一オリゴマー化合物は、第二オリゴマー化合物に相補的であり、そして第二オリゴマー化合物は、核酸標的に相補的であり;第一及び第二オリゴマー化合物の少なくとも1つは、(41)〜(81)のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物であり;そして1以上の5’若しくは3’−末端基を含んでもよい、前記組成物。
(83) (41)〜(81)のいずれか1項のオリゴマー化合物又は(82)の二本鎖組成物と細胞を接触させることを含んでなる方法であって、ここで前記オリゴマー化合物又は前記二本鎖組成物の1つの鎖は、標的RNAに相補的である、前記方法。
(84) 前記細胞が動物にある、(83)の方法。
(85) 前記細胞がヒトにある、(84)の方法。
(86) 前記標的RNAが、mRNA、プレmRNA、及びマイクロRNAより選択される、(83)の方法。
(87) 前記標的RNAがmRNAである、(86)の方法。
(88) 前記標的RNAがヒトmRNAである、(87)の方法。
(89) 前記標的RNAが切断されて、それによりその機能を阻害する、(83)の方法。
(90) 前記オリゴマー化合物又は二本鎖組成物の前記細胞に対するアンチセンス活性を評価する工程をさらに含んでなる、(83)の方法。
(91) 前記評価工程が、標的RNAの量を検出することを含む、(90)の方法。
(92) 前記評価工程が、タンパク質の量を検出することを含む、(90)の方法。
(93) 前記評価工程が、1以上の表現型効果の検出を含む、(90)の方法。
(94) 療法における使用のための、(41)〜(81)のいずれか1項のオリゴマー化合物又は(82)の二本鎖組成物。
(95) 療法が、望まれない遺伝子発現を特徴とする疾患を治療することである、(94)のオリゴマー化合物又は二本鎖組成物。
(96) 療法が、遺伝子発現を阻害することによって疾患を治療することである、(94)のオリゴマー化合物又は二本鎖組成物。
(97) 動物中の細胞を接触させるための、(41)〜(82)及び(93)〜(95)のいずれか1項のオリゴマー化合物又は二本鎖組成物。
(98) (41)〜(81)のいずれか1項のオリゴマー化合物又は(82)の二本鎖組成物の、望まれない遺伝子発現を特徴とする疾患の治療用医薬品の製造への使用。
(99) (41)〜(81)のいずれか1項のオリゴマー化合物又は(82)の二本鎖組成物の、遺伝子発現を阻害することによって疾患を治療するための医薬品の製造への使用。
(100) (41)〜(81)のいずれか1項のオリゴマー化合物又は(82)の二本鎖組成物と医薬的に許容される担体を含んでなる医薬組成物。
(101) 式III:
【数7】
[式中:Bxは、複素環式塩基部分であり;T5は、リン部分又は反応性リン基であり;T6は、H、保護基、又は反応性リン基であり;Q1、Q2、Q3、及びQ4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、又は置換C2−C6アルキニルであり;G1は、O−[C(R2)(R3)]n−[(C=O)m−X]j−Z、又はハロゲンであり;それぞれのR2及びR3は、独立して、H又はハロゲンであり;Xは、O、S、又はN(E1)であり;Zは、H、ハロゲン、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、置換C2−C6アルキニル、又はN(E2)(E3)であり;E1、E2、及びE3は、それぞれ独立して、H、C1−C6アルキル、又は置換C1−C6アルキルであり;nは、1〜約6であり;mは、0又は1であり;jは、0又は1であり;それぞれの置換基は、ハロゲン、OJ1、N(J1)(J2)、=NJ1、SJ1、N3、CN、OC(=L)J1、OC(=L)N(J1)(J2)、及びC(=L)N(J1)(J2)より独立して選択される、1以上の保護化されていてもよい置換基を含み;Lは、O、S、又はNJ3であり;それぞれのJ1、J2、及びJ3は、独立して、H又はC1−C6アルキルであり;jが1であるとき、Zは、ハロゲン又はN(E2)(E3)以外であり;そしてQ1、Q2、Q3、及びQ4がそれぞれHであるとき、又はQ1とQ2がHであってQ3とQ4がそれぞれFであるとき、又はQ1とQ2がそれぞれHであってQ3とQ4の一方がHでありQ3とQ4の他方がR9であるとき、このときG1は、H、ヒドロキシル、OR9、ハロゲン、CF3、CCl3、CHCl2、及びCH2OH以外であり、ここでR9は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、又はアルカリールである]を有する化合物。
(102) Bxが、ウラシル、5−チアゾロ−ウラシル、2−チオ−ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、チミン、2’−チオ−チミン、シトシン、5−メチルシトシン、5−チアゾロ−シトシン、5−プロピニル−シトシン、アデニン、グアニン、2,6−ジアミノプリン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾチアジン−2(3H)−オン、9−(2−アミノエトキシ)−H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、2H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−オン、又はH−ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−オンである、(101)の化合物。
(103) Bxが、ウラシル、チミン、シトシン、5−メチルシトシン、アデニン、又はグアニンである、(101)の化合物。
(104) G1が、OCH3、OCH2F、OCHF2、OCF3、OCH2CH3、O(CH2)2F、OCH2CHF2、OCH2CF3、OCH2−CH=CH2、O(CH2)2−OCH3、O(CH2)2−SCH3、O(CH2)2−OCF3、O(CH2)3−N(R4)(R5)、O(CH2)2−ON(R4)(R5)、O(CH2)2−O(CH2)2−N(R4)(R5)、OCH2C(=O)−N(R4)(R5)、OCH2C(=O)−N(R6)−(CH2)2−N(R4)(R5)、又はO(CH2)2−N(R6)−C(=NR7)[N(R4)(R5)]であり、ここでR4、R5、R6、及びR7は、それぞれ独立して、H又はC1−C6アルキルである、(101)〜(103)のいずれか1項の化合物。
(105) G1が、OCH3、OCF3、OCH2CH3、OCH2CF3、OCH2−CH=CH2、O(CH2)2−OCH3、O(CH2)2−O(CH2)2−N(CH3)2、OCH2C(=O)−N(H)CH3、OCH2C(=O)−N(H)−(CH2)2−N(CH3)2、又はOCH2−N(H)−C(=NH)NH2である、(101)〜(103)のいずれか1項の化合物。
(106) G1が、OCH3、O(CH2)2−OCH3、OCH2C(=O)−N(H)CH3、又はOCH2C(=O)−N(H)−(CH2)2−N(CH3)2である、(101)〜(103)のいずれか1項の化合物。
(107) G1がFである、(101)〜(103)のいずれか1項の化合物。
(108) T5がリン部分である、(101)〜(107)のいずれか1項の化合物。
(109) 前記リン部分が式:
【数8】
[式中:RaとRcは、それぞれ独立して、OH、SH、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、置換C1−C6アルコキシ、アミノ、又は置換アミノであり;そしてRbは、O又はSである]を有する、(108)の化合物。
(110) RaとRcがそれぞれOHである、(109)の化合物。
(111) RaとRcがそれぞれOCH3である、(109)の化合物。
(112) RaとRcがそれぞれOCH2CH3である、(109)の化合物。
(113) RbがOである、(109)〜(112)のいずれか1項の化合物。
(114) RbがSである、(109)〜(112)のいずれか1項の化合物。
(115) T5が反応性リン基である、(101)〜(107)のいずれか1項の化合物。
(116) T6が、アセチル、ベンジル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、及びジメトキシトリチルより選択される、(101)〜(115)のいずれか1項の化合物。
(117) T6が4,4’−ジメトキシトリチルである、(101)〜(115)のいずれか1項の化合物。
(118) T6が反応性リン基である、(101)〜(115)のいずれか1項の化合物。
(119) T6が、ジイソプロピルシアノエトキシホスホロアミダイト及びH−ホスホネートより選択される反応性リン基である、(101)〜(115)のいずれか1項の化合物。
(120) T5がリン部分であり、T6がジイソプロピルシアノエトキシホスホロアミダイトである、(101)〜(107)のいずれか1項の化合物。
(121) 前記リン部分が−P(OH)2(=O)である、(120)の化合物。
(122) Q1、Q2、Q3、及びQ4の1つが置換C1−C6アルキルである、(101)〜(121)のいずれか1項の化合物。
(123) Q1、Q2、Q3、及びQ4の他の3つがHである、(122)の化合物。
(124) 前記置換C1−C6アルキルが、ハロゲン、C2−C6アルケニル、OJ1、NJ1J2、及びCNより選択される少なくとも1つの置換基を含み、ここでそれぞれのJ1及びJ2は、独立して、H又はC1−C6アルキルである、(122)又は(123)のいずれか1項の化合物。
(125) 前記置換C1−C6アルキルが、フルオロ及びOCH3より選択される少なくとも1つの置換基を含む、(122)又は(123)のいずれか1項の化合物。
(126) Q1、Q2、Q3、及びQ4の1つがC1−C6アルキルである、(101)〜(121)のいずれか1項の化合物。
(127) Q1及びQ2の1つがC1−C6アルキルである、(126)の化合物。
(128) Q3及びQ4の1つがC1−C6アルキルである、(126)の化合物。
(129) 前記C1−C6アルキルがメチルである、(126)〜(128)のいずれか1項の化合物。
(130) Q1、Q2、Q3、及びQ4の他の3つがHである、(126)〜(129)のいずれか1項の化合物。
(131) Q1、Q2、Q3、及びQ4の1つがFである、(111)〜(131)のいずれか1項の化合物。
(132) Q1、Q2、Q3、及びQ4の2つがFである、(101)〜(121)のいずれか1項の化合物。
(133) Q1とQ2がそれぞれFである、(101)〜(121)のいずれか1項の化合物。
(134) Q3とQ4がそれぞれFである、(101)〜(121)及び(133)のいずれか1項の化合物。
(135) Q1、Q2、Q3、及びQ4のそれぞれがF又はHである、(131)〜(134)のいずれか1項の化合物。
(136) 構造:
【数9】
を有する、(101)〜(135)のいずれか1項の化合物。
(137) 式IV:
【数10】
[式中、式IVのそれぞれのモノマーについて独立して:Bxは、複素環式塩基部分であり;T7とT8の一方は、該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり、そしてT7とT8の他方は、H、ヒドロキシル保護基、リン部分、5’若しくは3’−末端基、又は該モノマーをオリゴマー化合物へ連結させるヌクレオシド間連結基であり;Q1、Q2、Q3、及びQ4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、又は置換C2−C6アルキニルであり;G1は、O−[C(R2)(R3)]n−[(C=O)m−X]j−Z、又はハロゲンであり;それぞれのR2及びR3は、独立して、H又はハロゲンであり;Xは、O、S、又はN(E1)であり;Zは、H、ハロゲン、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、置換C2−C6アルキニル、又はN(E2)(E3)であり;E1、E2、及びE3は、それぞれ独立して、H、C1−C6アルキル、又は置換C1−C6アルキルであり;nは、1〜約6であり;mは、0又は1であり;jは、0又は1であり;それぞれの置換基は、ハロゲン、OJ1、N(J1)(J2)、=NJ1、SJ1、N3、CN、OC(=L)J1、OC(=L)N(J1)(J2)、及びC(=L)N(J1)(J2)より独立して選択される、1以上の保護化されていてもよい置換基を含み;Lは、O、S、又はNJ3であり;それぞれのJ1、J2、及びJ3は、独立して、H又はC1−C6アルキルであり;jが1であるとき、Zは、ハロゲン又はN(E2)(E3)以外であり;そしてQ1、Q2、Q3、及びQ4がそれぞれHであるとき、又はQ1とQ2がHであってQ3とQ4がそれぞれFであるとき、又はQ1とQ2がそれぞれHであってQ3とQ4の一方がHでありQ3とQ4の他方がR9であるとき、このときG1は、H、ヒドロキシル、OR9、ハロゲン、CF3、CCl3、CHCl2、及びCH2OH以外であり、ここでR9は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、又はアルカリールである]の少なくとも1つのモノマーを含んでなるオリゴマー化合物。
(138) それぞれのBxが、独立して、ウラシル、5−チアゾロ−ウラシル、2−チオ−ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、チミン、2’−チオ−チミン、シトシン、5−メチルシトシン、5−チアゾロ−シトシン、5−プロピニル−シトシン、アデニン、グアニン、2,6−ジアミノプリン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾチアジン−2(3H)−オン、9−(2−アミノエトキシ)−H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾオキサジン−2(3H)−オン、2H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−オン、又はH−ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−オンである、(137)のオリゴマー化合物。
(139) それぞれのBxが、独立して、ウラシル、チミン、シトシン、5−メチルシトシン、アデニン、又はグアニンである、(137)のオリゴマー化合物。
(140) 式IVのそれぞれのモノマーについて独立して、G1が、OCH3、OCH2F、OCHF2、OCF3、OCH2CH3、O(CH2)2F、OCH2CHF2、OCH2CF3、OCH2−CH=CH2、O(CH2)2−OCH3、O(CH2)2−SCH3、O(CH2)2−OCF3、O(CH2)3−N(R4)(R5)、O(CH2)2−ON(R4)(R5)、O(CH2)2−O(CH2)2−N(R4)(R5)、OCH2C(=O)−N(R4)(R5)、OCH2C(=O)−N(R6)−(CH2)2−N(R4)(R5)、又はO(CH2)2−N(R6)−C(=NR7)[N(R4)(R5)]であり、ここでR4、R5、R6、及びR7は、それぞれ独立して、H又はC1−C6アルキルである、(137)〜(139)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(141) 式IVのそれぞれのモノマーについて独立して、G1が、OCH3、OCF3、OCH2CH3、OCH2CF3、OCH2−CH=CH2、O(CH2)2−OCH3、O(CH2)2−O(CH2)2−N(CH3)2、OCH2C(=O)−N(H)CH3、OCH2C(=O)−N(H)−(CH2)2−N(CH3)2、又はOCH2−N(H)−C(=NH)NH2である、(137)〜(139)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(142) 式IVのそれぞれのモノマーについて独立して、G1が、OCH3、O(CH2)2−OCH3、OCH2C(=O)−N(H)CH3、又はOCH2C(=O)−N(H)−(CH2)2−N(CH3)2である、(137)〜(139)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(143) 式IVのそれぞれのモノマーについて、G1がFである、(137)〜(139)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(144) 1つのT8が3’−末端基である、(137)〜(143)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(145) T7及びT8の少なくとも1つがコンジュゲート基である、(137)〜(143)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(146) 1つのT7がリン部分である、(137)〜(145)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(147) 前記リン部分が式:
【数11】
[式中:RaとRcは、それぞれ独立して、OH、SH、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、置換C1−C6アルコキシ、アミノ、又は置換アミノであり;そしてRbは、O又はSである]を有する、(146)のオリゴマー化合物。
(148) RaとRcがそれぞれOHである、(147)のオリゴマー化合物。
(149) RaとRcがそれぞれOCH3である、(147)のオリゴマー化合物。
(150) RaとRcがそれぞれOCH2CH3である、(147)のオリゴマー化合物。
(151) RbがOである、(147)〜(150)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(152) RbがSである、(147)〜(150)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(153) 式IVのそれぞれのモノマーについて、Q1、Q2、Q3、及びQ4の1つが置換C1−C6アルキルである、(137)〜(152)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(154) 式IVのそれぞれのモノマーについて、Q1、Q2、Q3、及びQ4の1つが置換C1−C6アルキルであり、Q1、Q2、Q3、及びQ4の他の3つがHである、(137)〜(152)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(155) 前記置換C1−C6アルキルが、ハロゲン、C2−C6アルケニル、OJ1、NJ1J2、及びCNより選択される少なくとも1つの置換基を含み、ここでそれぞれのJ1及びJ2は、独立して、H又はC1−C6アルキルである、(153)又は(154)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(156) 前記置換C1−C6アルキルが、フルオロ及びOCH3より選択される少なくとも1つの置換基を含む、(153)又は(154)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(157) 式IVのそれぞれのモノマーについて、Q1、Q2、Q3、及びQ4の1つがC1−C6アルキルである、(137)〜(152)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(158) 式IVのそれぞれのモノマーについて、Q1及びQ2の1つがC1−C6アルキルである、(157)のオリゴマー化合物。
(159) 式IVのそれぞれのモノマーについて、Q3及びQ4の1つがC1−C6アルキルである、(157)のオリゴマー化合物。
(160) 前記C1−C6アルキル基がメチルである、(157)〜(159)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(161) 式IVのそれぞれのモノマーについて、Q1、Q2、Q3、及びQ4の3つがHである、(157)〜(160)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(162) 式IVのそれぞれのモノマーについて、Q1、Q2、Q3、及びQ4の1つがFである、(137)〜(153)及び(155)〜(160)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(163) 式IVのそれぞれのモノマーについて、Q1、Q2、Q3、及びQ4の2つがFである、(137)〜(152)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(164) 式IVのそれぞれのモノマーについて、Q1とQ2がそれぞれFである、(137)〜(152)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(165) 式IVのそれぞれのモノマーについて、Q3とQ4がそれぞれFである、(137)〜(152)及び(164)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(166) 式IVのそれぞれのモノマーについて、Q1、Q2、Q3、及びQ4がそれぞれF又はHである、(137)〜(152)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(167) 式IVのそれぞれのモノマーが構造:
【数12】
を有する、(137)〜(166)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(168) 式IVの1つのモノマーを5’端に含んでなる、(137)〜(167)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(169) 式IVのモノマーが2つ以上連続する領域を少なくとも1つ含む、(137)〜(167)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(170) 前記少なくとも1つの領域が、式IVのモノマーを2〜5連続して含む、(169)のオリゴマー化合物。
(171) 少なくとも2つの領域を含んでなり、ここでそれぞれの領域は、独立して、式IVのモノマーを1〜約5つ連続して含み、そしてここでそれぞれの領域は、式IVのモノマーとは異なるモノマーサブユニットであってヌクレオシド及び修飾ヌクレオシドより独立して選択される少なくとも1つのモノマーサブユニットによって分離される、(137)〜(167)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(172) 式IVのモノマーが連続する1つの領域が5’端に位置して、式IVのモノマーが連続する第二領域が3’端に位置しているギャップ化オリゴマー化合物を含んでなり、ここでこの2つの領域は、式IVを有するモノマーとは異なるヌクレオシド及び修飾ヌクレオシドより独立して選択される約6〜約18のモノマーサブユニットを含んでなる内部領域によって分離される、(171)のオリゴマー化合物。
(173) 前記内部領域が、約8〜約14の連続β−D−2’−デオキシリボフラノシルヌクレオシドを含む、(172)のオリゴマー化合物。
(174) 前記内部領域が、約9〜約12の連続β−D−2’−デオキシリボフラノシルヌクレオシドを含む、(172)のオリゴマー化合物。
(175) 式IVのモノマーが2〜3つ連続する第一領域、式IVのモノマーが1〜3つ連続する任意選択の第二領域、8〜14のβ−D−2’−デオキシリボフラノシルヌクレオシドの第三領域を含んでなり、ここで前記第三領域は、前記第一領域と前記第二領域の間に位置している、(137)〜(167)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(176) それぞれのヌクレオシド間連結基が、独立して、ホスホジエステルヌクレオシド間連結基又はホスホロチオエートヌクレオシド間連結基である、(137)〜(175)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(177) それぞれのヌクレオシド間連結基が本質的にホスホロチオエートヌクレオシド間連結基である、(137)〜(175)のいずれか1項のオリゴマー化合物。
(178) 第一オリゴマー化合物と第二オリゴマー化合物を含んでなる二本鎖組成物であって:ここで第一オリゴマー化合物は、第二オリゴマー化合物に相補的であり、そして第二オリゴマー化合物は、核酸標的に相補的であり;第一及び第二オリゴマー化合物の少なくとも1つは、(126)〜(167)のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物であり;そして1以上の5’若しくは3’−末端基を含んでもよい、前記組成物。
(179) (137)〜(177)のいずれか1項のオリゴマー化合物又は(178)の二本鎖組成物と細胞を接触させることを含んでなる方法であって、ここで前記オリゴマー化合物又は前記二本鎖組成物の1つの鎖は、標的RNAに相補的である、前記方法。
(180) 前記細胞が動物にある、(179)の方法。
(181) 前記細胞がヒトにある、(179)の方法。
(182) 前記標的RNAが、mRNA、プレmRNA、及びマイクロRNAより選択される、(179)の方法。
(183) 前記標的RNAがmRNAである、(182)の方法。
(184) 前記標的RNAがヒトmRNAである、(183)の方法。
(185) 前記標的RNAが切断されて、それによりその機能を阻害する、(179)の方法。
(186) 前記オリゴマー化合物又は前記二本鎖組成物の前記細胞に対するアンチセンス活性を評価する工程をさらに含んでなる、(179)の方法。
(187) 前記評価工程が、標的RNAの量を検出することを含む、(186)の方法。
(188) 前記評価工程が、タンパク質の量を検出することを含む、(186)の方法。
(189) 前記評価工程が、1以上の表現型効果の検出を含む、(186)の方法。
(190) 療法における使用のための、(137)〜(177)のいずれか1項のオリゴマー化合物又は(168)の二本鎖組成物。
(191) 療法が、望まれない遺伝子発現を特徴とする疾患を治療することである、(190)のオリゴマー化合物又は二本鎖組成物。
(192) 療法が、遺伝子発現を阻害することによって疾患を治療することである、(190)のオリゴマー化合物又は二本鎖組成物。
(193) 動物中の細胞を接触させるための、(137)〜(177)及び(190)〜(192)のいずれか1項のオリゴマー化合物、又は(168)及び(180)〜(182)のいずれか1項の二本鎖組成物。
(194) (137)〜(177)のいずれか1項のオリゴマー化合物又は(168)の二本鎖組成物の、望まれない遺伝子発現を特徴とする疾患の治療用医薬品の製造への使用。
(195) (137)〜(177)のいずれか1項のオリゴマー化合物又は(168)の二本鎖組成物の、遺伝子発現を阻害することによって疾患を治療するための医薬品の製造への使用。
(196) (136)〜(176)のいずれか1項のオリゴマー化合物又は(168)の二本鎖組成物と医薬的に許容される担体を含んでなる医薬組成物。
(197) モノマーサブユニットの少なくとも1つが5’−置換−2’−O−C1−C6アルキル又は5’−置換−2’−O−C1−C6置換アルキル修飾ヌクレオシドである、長さが8〜30のモノマーサブユニットであるオリゴマー化合物。
(198) それぞれのモノマーサブユニットが5’−置換−2’−O−C1−C6置換アルキル修飾ヌクレオシドである、(197)のオリゴマー化合物。
(199) 5’端に位置する1〜約5の連続モノマーサブユニットの第一領域と3’端に位置する1〜約5の連続モノマーサブユニットの第二領域を含んでなり、ここで第一領域と第二領域は、約6〜約18の連続β−D−2’−デオキシリボヌクレオシドを含んでなる内部領域によって分離され、ここでそれぞれのモノマーサブユニットは修飾ヌクレオシドである、(197)のオリゴマー化合物。
(200) それぞれのモノマーサブユニットが5’−置換−2’−O−C1−C6置換アルキル修飾ヌクレオシドである、(199)のオリゴマー化合物。
(201) (197)〜(200)のいずれか1項のオリゴマー化合物と細胞を接触させることを含んでなる、細胞中の標的RNAの量を低下させる方法。
(202) 前記オリゴマー化合物が前記標的RNAに相補的である、(201)の方法。
(203) 前記オリゴマー化合物が、単独で、又は相補鎖と組み合わせて、内因性リボヌクレアーゼを活性化する、(201)の方法。
(204) 前記内因性リボヌクレアーゼがRNアーゼH又は二本鎖リボヌクレアーゼである、(203)の方法。
(205) 二本鎖リボヌクレアーゼがアルゴノート(argonaute)タンパク質である、(204)の方法。
ある態様では、本発明で提供するオリゴマー化合物を記載のように利用することができるが、以下の実施例は、例解するためにのみ役立つのであって、限定することを企図しない。
【実施例】
【0293】
実施例(全般)
1H及び
13C NMRスペクトルは、300MHz及び75MHz Bruker分光計でそれぞれ記録した。
【0294】
実施例1:ヌクレオシドホスホロアミダイトの合成
ヌクレオシドホスホロアミダイトの製造は、本明細書において、そして限定されないが、米国特許第6,426,220号と公開PCT WO02/36743のような当該技術分野において例解される手順に従って実施する。
【0295】
実施例2:オリゴマー化合物の合成
本発明に従って使用するオリゴマー化合物は、固相合成の既知の技術により、簡便的かつ常套的に作製し得る。そのような合成用の機器は、例えば、アプライド・バイオシステムズ(カリフォルニア州フォスターシティ)が含まれるいくつかのベンダーによって販売されている。当該技術分野で知られているそのような合成についての他のどの手段も、追加的又は代替的に利用してよい。アルキル化誘導体とホスホロチオエート連結を有する誘導体のようなオリゴヌクレオチドを製造するために同様の技術を使用することがよく知られている。
【0296】
オリゴマー化合物:オリゴヌクレオチドが制限なしに含まれる未置換及び置換ホスホジエステル(P=O)オリゴマー化合物は、ヨウ素による酸化を伴う標準ホスホロアミダイト化学を使用して、自動化DNA合成機(アプライド・バイオシステムズモデル 394)で合成することができる。
【0297】
ある態様では、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結(P=S)をホスホジエステルヌクレオシド間連結と同様に合成するが、以下を例外とする:亜リン酸エステル連結の酸化のために3,H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン1,1−ジオキシドの10%(w/v)アセトニトリル溶液を利用することによってチオ化を実施する。チオ化反応工程の時間は、180秒へ増加して、通常のキャッピング工程がこれに先行する。55℃で12〜16時間のCPGカラムからの切断と濃水酸化アンモニウムにおける分解(deblocking)の後で、3容量より多いエタノールで、1M NH
4OAc溶液より沈殿させることによって、オリゴマー化合物を回収する。ホスフィネートヌクレオシド間連結は、米国特許第5,508,270号に記載のように製造することができる。
【0298】
ホスホン酸アルキルヌクレオシド間連結は、米国特許第4,469,863号に記載のように製造することができる。
【0299】
3’−デオキシ−3’−メチレンホスホネートヌクレオシド間連結は、米国特許5,610,289号又は5,625,050号に記載のように製造することができる。
【0300】
ホスホロアミダイトヌクレオシド間連結は、米国特許第5,256,775号又は米国特許第5,366,878号に記載のように製造することができる。
【0301】
アルキルホスホノチオエートヌクレオシド間連結は、公開されたPCT出願PCT/US94/00902及びPCT/US93/06976(それぞれ、WO94/17093及びWO94/02499として公開)に記載のように製造することができる。
【0302】
3’−デオキシ−3’−アミノホスホロアミデートヌクレオシド間連結は、米国特許第5,476,925号に記載のように製造することができる。
【0303】
ホスホトリエステルヌクレオシド間連結は、米国特許第5,023,243号に記載のように製造することができる。
【0304】
ボラノリン酸エステルヌクレオシド間連結は、米国特許5,130,302号及び5,177,198号に記載のように製造することができる。
【0305】
1以上の非リン含有ヌクレオシド間連結を有するオリゴマー化合物(制限なしに、MMI連結オリゴヌクレオシドとしても同定されるメチレンメチルイミノ連結オリゴヌクレオシド、MDH連結オリゴヌクレオシドとしても同定されるメチレンジメチルヒドラゾ連結オリゴヌクレオシド、アミド−3連結オリゴヌクレオシドとしても同定されるメチレンカルボニルアミノ連結オリゴヌクレオシド、及びアミド−4連結オリゴヌクレオシドとしても同定されるメチレンアミノカルボニル連結オリゴヌクレオシドが含まれる)、並びに、例えば、交替MMI及びP=O又はP=S連結を有する混合骨格オリゴマー化合物は、米国特許5,378,825、5,386,023、5,489,677、5,602,240、及び5,610,289号に記載のように製造することができる。
【0306】
ホルムアセタール及びチオホルムアセタールヌクレオシド間連結は、米国特許5,264,562号及び5,264,564号に記載のように製造することができる。
【0307】
エチレンオキシドヌクレオシド間連結は、米国特許第5,223,618号に記載のように製造することができる。
【0308】
実施例3:オリゴマー化合物の単離及び精製
55℃で12〜16時間の制御細孔ガラス固体支持体又は他の支持媒体からの切断と濃水酸化アンモニウム中での分解の後で、オリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオシドが制限なしに含まれるオリゴマー化合物を、3容量より多いエタノールで、1M NH
4OAcからの沈殿によって回収する。合成したオリゴマー化合物について、エレクトロスプレー質量分析法(分子量決定)と毛管ゲル電気泳動によって分析する。この合成において得られるホスホロチオエート連結とホスホジエステル連結の相対量は、−16amu[原子質量単位]産物(+/−32+/−48)に対する正確な分子量の比によって決定する。ある試験では、Chiang et al., J. Biol. Chem. 1991, 266, 18162-18171 に記載のように、オリゴマー化合物をHPCLによって精製する。HPLC精製済みの材料で得られる結果は、非HPLC精製材料で得られるものと概ね同様である。
【0309】
実施例4:96ウェルプレートフォーマットを使用するオリゴマー化合物の合成
オリゴヌクレオチドが制限なしに含まれるオリゴマー化合物は、固相P(III)ホスホロアミダイト化学により、96配列を96ウェルフォーマットにおいて同時に組み立てることが可能な自動化合成機で合成することができる。ホスホジエステルヌクレオシド間連結は、ヨウ素水溶液での酸化によって得られる。ホスホロチオエートヌクレオシド間連結は、3,H−1,2ベンゾジチオール−3−オン1,1ジオキシド(Beaucage 試薬)を無水アセトニトリルにおいて利用する硫化によって産生する。標準塩基保護化β−シアノエチル−ジイソプロピルホスホロアミダイトは、市販ベンダー(例、PE−アプライド・バイオシステムズ、カリフォルニア州フォスターシティ又はファルマシア、ニュージャージー州ピスカタウェイ)より購入することができる。非標準ヌクレオシドは、標準法又は特許保護された方法により合成して、塩基保護化β−シアノエチルジイソプロピルホスホロアミダイトとして官能化することができる。
【0310】
濃NH
4OHを上昇温度(55〜60℃)で12〜16時間用いて、オリゴマー化合物を支持体より外して脱保護化してから、遊離した生成物を真空で乾燥させることができる。次いで、この乾燥した生成物を無菌水に再懸濁させてマスタープレートを得てから、これより、ロボットピペッターを利用して、すべての分析及び検査プレート試料を希釈する。
【0311】
実施例5:96ウェルプレートフォーマットを使用するオリゴマー化合物の分析
各ウェル中のオリゴマー化合物の濃度は、試料の希釈とUV吸収分光法によって評価することができる。個々の生成物の全長完全性については、96ウェルフォーマット(ベックマンP/ACE
TMMDQ)での毛管電気泳動(CE)によって評価しても、個々に製造した試料では、市販のCE装置(例、ベックマンP/ACE
TM5000,ABI270)で評価してもよい。塩基及び骨格の組成は、エレクトロスプレー質量分析法を利用する、オリゴマー化合物の質量分析によって確認する。単一及びマルチチャネルのロボットピペッターを使用して、マスタープレートより、すべてのアッセイ検査プレートを希釈する。プレートは、プレート上のオリゴマー化合物の少なくとも85%が少なくとも85%の全長であれば、受け容れられると判定する。
【0312】
実施例6:細胞のオリゴマー化合物での in vitro 処置
標的核酸の発現に対するオリゴマー化合物の効果については、その標的核酸が測定可能な量で存在していれば、多様な細胞種のいずれでも試験される。このことは、例えば、PCR又はノーザンブロット分析を使用して、常套的に決定することができる。American Type Culture Collection(ATCC,バージニア州マナッサス)より、多数の組織及び種に由来する細胞系を入手することができる。
【0313】
以下の細胞種は、例示の目的で提供するが、他の細胞種も、その選択した細胞種において標的が発現されるならば、常套的に使用することができる。このことは、当該技術分野で常套的な方法、例えば、ノーザンブロット分析、リボヌクレアーゼ保護化アッセイ、又はRT−PCRによって、容易に決定することができる。
【0314】
b.END細胞:マウスの脳内皮細胞系、b.ENDは、マックス・プランク研究所(バート・ナウハイム、ドイツ)のWerner Risau 博士より得た。10%胎仔ウシ血清(Invitrogen Life Technologies,カリフォルニア州カールスバッド)を補充した高グルコースDMEM(Invitrogen Life Technologies,カリフォルニア州カールスバッド)においてb.END細胞を常套的に培養する。細胞がほぼ90%の集密度に達したときに、トリプシン処置と希釈によって、それを常套的に継代する。限定されないが、オリゴマー化合物トランスフェクション実験が含まれる使用のために、細胞をほぼ3000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレート(Falcon-Primaria #353872,BD Biosciences,マサチューセッツ州ベドフォード)へ播く。
【0315】
オリゴマー化合物での細胞の処置を伴う実験:
細胞が適正な集密度に達したとき、記載のようなトランスフェクション法を使用して、それらをオリゴマー化合物で処置する。
【0316】
LIPOFECTIN
TM
細胞が65〜75%の集密度に達したとき、それらを1以上のオリゴマー化合物で処置する。オリゴマー化合物は、Opti−MEM
TM−1血清低減培地(Invitrogen Life Technologies,カリフォルニア州カールスバッド)においてLIPOFECTIN
TM(Invitrogen Life Technologies,カリフォルニア州カールスバッド)と混合して、望まれるオリゴマー化合物(複数)の濃度と100nMオリゴマー化合物(複数)につき2.5又は3μg/mLのLIPOFECTIN
TMの濃度とする。このトランスフェクション混合物を室温でほぼ0.5時間インキュベートする。96ウェルプレートで増殖した細胞では、ウェルを100μL OPTI−MEM
TM−1で1回洗浄してから、130μLのトランスフェクション混合物で処置する。24ウェルプレート又は他の標準組織培養プレートにおいて増殖した細胞も、適正量の培地及びオリゴマー化合物(複数)を使用して、同様に処置する。細胞を処置して、データを同一2検体又は同一3検体で入手する。37℃でほぼ4〜7時間の処置後、トランスフェクション混合物を含有する培地を新鮮な培養基に置き換える。オリゴマー化合物(複数)で処置後16〜24時間で細胞を採取する。
【0317】
当該技術分野で知られている他の好適なトランスフェクション試薬には、限定されないが、CYTOFECTIN
TM、LffOFECTAMINE
TM、OLIGOFECTAMINE
TM、及びFUGENE
TMが含まれる。当該技術分野で知られている他の好適なトランスフェクション法には、限定されないが、エレクトロポレーションが含まれる。
【0318】
実施例7:標的mRNA量のリアルタイム定量PCR分析
標的mRNA量の定量は、ABI PRISM
TM7600、7700、又は7900配列検出システム(PE−アプライド・バイオシステムズ、カリフォルニア州フォスターシティ)を製造業者の説明書に従って使用するリアルタイム定量PCRによって達成する。これは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)産物のリアルタイムでのハイスループット定量を可能にする、閉管式で非ゲルベースの蛍光検出システムである。PCRが完了した後で増幅産物を定量する標準PCRとは対照的に、リアルタイム定量PCRでは、産物が蓄積するにつれてそれを定量する。これは、フォワード及びリバースPCRプライマーの間で特異的にアニールして2つの蛍光色素を含有するオリゴヌクレオチドプローブをPCR反応に含めることによって達成される。プローブの5’端へレポーター色素(例、FAM又はJOE、PE−アプライド・バイオシステムズ(カリフォルニア州フォスターシティ)、Operon Technologies 社(カリフォルニア州アラメダ)、又は Integrated DNA Technologies 社(アイオワ州コラルビル)のいずれかより入手)を付けて、プローブの3’端へクエンチャー色素(例、TAMRA、PE−アプライド・バイオシステムズ(カリフォルニア州フォスターシティ)、Operon Technologies 社(カリフォルニア州アラメダ)、又は Integrated DNA Technologies 社(アイオワ州コラルビル)のいずれかより入手))を付ける。プローブと色素がインタクトであるとき、レポーター色素の発光は、3’クエンチャー色素の近接によって消光される。増幅の間、プローブの標的配列へのアニーリングにより、Taqポリメラーゼの5’−エクソヌクレアーゼ活性によって切断され得る基質が創出される。PCR増幅サイクルの伸長フェーズの間、プローブのTaqポリメラーゼによる切断によって、プローブの残り部分より(従って、クエンチャー部分より)レポーター色素が放出されて、配列特異的な蛍光シグナルが産生される。それぞれのサイクルに伴って、追加のレポーター色素分子がそのそれぞれのプローブより切断されて、ABI PRISM
TM配列検出システムへ組み込まれたレーザー光によって、一定の間隔で蛍光強度をモニタリングする。各アッセイにおいて、未処置対照試料からのmRNAの連続希釈液を含有する一連の並行反応物より標準曲線を作成して、これを使用して、試験試料のアンチセンスオリゴヌクレオチド処置後の阻害パーセントを定量する。
【0319】
定量PCR分析に先立って、測定される標的遺伝子に特異的なプライマー−プローブセットについて、GAPDH増幅反応で「多重化」される能力を評価する。多重化の時には、標的遺伝子と内部標準遺伝子GAPDHの両方を単一の試料において同時に増幅する。この分析では、未処置細胞より単離するmRNAも連続的に希釈する。各希釈液をGAPDHのみ、標的遺伝子のみ(「単一化」)又は両方(多重化)に特異的なプライマー−プローブセットの存在下に増幅する。PCR増幅に続いて、単一化試料と多重化試料の両方より、GAPDHと標的mRNAシグナルの標準曲線を希釈の関数として作成する。多重化試料より産生されるGAPDH及び標的シグナルの傾きと相関係数の両方が単一化試料より産生されるその対応値の10%以内に入るならば、その標的に特異的なプライマー−プローブセットは、多重化可能とみなされる。当該技術分野では、他のPCRの方法も知られている。
【0320】
RT及びPCRの試薬は、Invitrogen Life Technologies(カリフォルニア州カールスバッド)より入手される。30μLの全RNA溶液(20〜200ng)を含有する96ウェルプレートへ20μLのPCRカクテル(2.5xPCR緩衝液−MgCl
2、6.6mM MgCl
2、それぞれ375μMのdATP、dCTP、dCTP、及びdGTP、それぞれ375nMのフォワードプライマー及びリバースプライマー、125nMのプローブ、4単位のRNアーゼ阻害剤、1.25単位のPLATINUM(登録商標)Taq、5単位のMuLV逆転写酵素、及び2.5xROX色素)を加えることによってRT(リアルタイム)PCRを行う。RT反応は、48℃で30分間のインキュベーションによって行う。PLATINUM(登録商標)Taqを活性化する95℃で10分のインキュベーションに続き、40サイクルの2工程PCRプロトコールを行う:95℃で15秒(変性)に続き、60℃で1.5分(アニーリング/伸長)。
【0321】
RT(リアルタイム)PCRによって得られる遺伝子標的量は、GAPDH(その発現が一定である遺伝子)の発現量を使用すること、又はRIBOGREEN
TM(Molecular Probes 社、オレゴン州ユージーン)を使用して全RNAを定量することによって正規化する。GAPDH発現は、リアルタイムRT−PCRによって、標的と同時に実行して多重化するか又は別々に実行することによって定量する。RiboGreen
TMRNA定量試薬(Molecular Probes 社、オレゴン州ユージーン)を使用して全RNAを定量する。RIBOGREEN
TMによるRNA定量の方法については、Jones, L. J., et al,(Analytical Biochemistry, 1998, 265, 368-374)に教示されている。
【0322】
本アッセイでは、30μLの精製した細胞性RNAを含有する96ウェルプレートへ170μLのRIBOGREEN
TM作業試薬(RIBOGREEN
TM試薬を10mMトリス−HCl,1mM EDTA(pH7.5)で350倍希釈)をピペット注入する。このプレートを、CytoFluor 4000(PEアプライド・バイオシステムズ)において、485nmでの励起と530nmでの発光で読み取る。
【0323】
実施例8:標的発現のオリゴヌクレオチド阻害の分析
当該技術分野で知られた様々なやり方で、標的発現のアンチセンス調節についてアッセイすることができる。例えば、標的mRNA量は、例えば、ノーザンブロット分析、競合的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、又はリアルタイムPCRによって定量することができる。現下では、リアルタイム定量PCRが望ましい。全細胞性RNA又はポリ(A)+mRNAに対してRNA分析を実施することができる。本開示のRNA分析の1つの方法は、本発明の他の実施例において記載されるような全細胞性RNAの使用である。RNA単離の方法は、当該技術分野においてよく知られている。ノーザンブロット分析も、当該技術分野では常套的である。リアルタイム定量(PCR)は、簡便には、PEアプライド・バイオシステムズ(カリフォルニア州フォスターシティ)より入手可能で、製造業者の説明書に従って使用する、市販のABI PRISM
TM7600、7700、又は7900配列検出システムを使用して達成することができる。
【0324】
標的のタンパク質量は、免疫沈降、ウェスタンブロット分析(イムノブロッティング)、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、又は蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)のような、当該技術分野でよく知られた様々なやり方で定量することができる。標的へ指向される抗体は、抗体のMSRSカタログ(Aerie Corporation,ミシガン州バーミンガム)のような、様々な供給源より同定して入手するか、又は当該技術分野でよく知られた慣用のモノクローナル又はポリクローナル抗体産生法により製造することができる。ポリクローナル抗血清の調製法については、例えば、Ausubel, F. M. et al.「分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」第2巻、11.12.1-11.12.9 頁、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社(1997)に教示されている。モノクローナル抗体の調製については、例えば、Ausubel, F.M. et al.「分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」第2巻、11.4.1-11.11.5 頁、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社(1997)に教示されている。
【0325】
免疫沈降法は、当該技術分野において標準であり、例えば、Ausubel, F.M. et al.「分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」第2巻、10.16.1-10.16.11 頁、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社(1998)に見出すことができる。ウェスタンブロット(イムノブロット)分析は、当該技術分野において標準であり、例えば、Ausubel, F.M. et al.「分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」第2巻、10.8.1-10.8.21 頁、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社(1997)に見出すことができる。酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)は、当該技術分野において標準であり、例えば、Ausubel, F.M. et al.「分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」第2巻、11.2.1-11.2.22 頁、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社(1991)に見出すことができる。
【0326】
実施例9:表現型アッセイの設計と標的阻害剤の使用のための in vivo 試験
表現型アッセイ
本明細書に開示される方法によって標的阻害剤が同定されたならば、そのオリゴマー化合物について、特別な病態又は状態の治療における効力の予測となる測定可能なエンドポイントをそれぞれ有する、1以上の表現型アッセイにおいてさらに検討する。
【0327】
当業者には、表現型アッセイ、その使用のためのキット及び試薬がよく知られていて、本発明ではこれを使用して、健康及び病気における標的の役割及び/又は関連について検討する。いくつかの市販ベンダーのいずれからも購入し得る、代表的な表現型アッセイには、細胞生存度、細胞傷害性、増殖、又は細胞生存を決定するためのもの(Molecular Probes 社、オレゴン州ユージーン;パーキンエルマー、マサチューセッツ州ボストン)、酵素アッセイが含まれるタンパク質ベースのアッセイ(Panvera,LLC,ウィスコンシン州マジソン;BD Biosciences,ニュージャージー州フランクリンレイクス;Oncogene Research Products,カリフォルニア州サンディエゴ)、細胞制御、シグナル伝達、炎症、酸化プロセス及びアポトーシス(Assay Designs 社、ミシガン州アンアーバー)、トリグリセリド蓄積(シグマ・アルドリッチ、ミズーリ州セントルイス)、血管新生アッセイ、チューブ形成アッセイ、サイトカイン及びホルモンアッセイ、及び代謝アッセイ(Chemicon International 社、カリフォルニア州テメキュラ;アマーシャム・バイオサイエンス、ニュージャージー州ピスカタウェイ)が含まれる。
【0328】
1つの非限定的な実施例では、特別な表現型アッセイに適正であると判定された細胞(即ち、乳癌試験用に選択されるMCF−7細胞;肥満試験用の脂肪細胞)を、in vitro 試験より同定された標的阻害剤、並びに対照化合物で、本明細書に記載の方法によって決定される最適濃度で処置する。処置期間の最後に、処置及び非処置の細胞を本アッセイに特異的な1以上の方法によって分析して、表現型のアウトカム及びエンドポイントを決定する。
【0329】
表現型エンドポイントには、経時的又は処置用量での細胞形態の変化、並びにタンパク質、脂質、核酸、ホルモン、糖、又は金属のような細胞成分の量の変化が含まれる。pH、細胞周期の段階、生物学的指標の細胞による取込み又は排出が含まれる、細胞状態の測定値も、目的のエンドポイントである。
【0330】
細胞の1以上の遺伝子の処置後の発現を測定することも、標的阻害剤の効力又は能力の指標として使用される。処置細胞と非処置細胞の両方で、特徴となる遺伝子、又は特定の病態、状態、又は表現型との関連が疑われる遺伝子を測定する。
【0331】
in vivo 試験
本明細書に記載の in vivo 試験の個々の被検者は、ヒトが含まれる、温血の脊椎動物である。
【0332】
実施例10:RNA単離
ポリ(A)+mRNA単離
ポリ(A)+mRNAは、Miura et al.,(Clin. Chem., 1996, 42, 1758-1764)に従って単離する。ポリ(A)+mRNA単離の他の方法は、当該技術分野において常套的である。簡潔に言えば、96ウェルプレートで増殖させた細胞に対して、この細胞より増殖培地を除去して、各ウェルを200μLの冷PBSで洗浄する。60μLの溶解緩衝液(10mMトリス−HCl(pH7.6)、1mM EDTA、0.5M NaCl、0.5% NP−40、20mMバナジル−リボヌクレオシド錯体)を各ウェルへ加え、プレートを穏やかに振り混ぜてから、室温で5分間インキュベートする。55μLの溶解液をオリゴd(T)コート化96ウェルプレート(AGCT 社、カリフォルニア州アーヴィン)へ移す。プレートを室温で60分間インキュベートし、200μLの洗浄緩衝液(10mMトリス−HCl(pH7.6)、1mM EDTA、0.3M NaCl)で3回洗浄する。最終洗浄の後で、プレートをペーパータオルで拭って過剰の洗浄緩衝液を除去してから、5分間空気乾燥させる。70℃へ予熱した60μLの溶出緩衝液(5mMトリス−HCl(pH7.6))を各ウェルへ加え、プレートを90℃のホットプレート上で5分間インキュベートしてから、溶出液を新鮮な96ウェルプレートへ移す。
【0333】
すべての溶液の適正量を使用して、100mm又は他の標準プレートで増殖させた細胞を同様に処置してよい。
【0334】
全RNA単離
キアジェン社(カリフォルニア州バレンシア)より購入するRNEASY96
TMキット及び緩衝液を製造業者の推奨手順に従って使用して、全RNAを単離する。簡潔に言えば、96ウェルプレートで増殖させた細胞に対して、この細胞より増殖培地を除去して、各ウェルを200μLの冷PBSで洗浄する。150μLの緩衝液RLTを各ウェルへ加えて、プレートを20秒間激しく振り混ぜる。次いで、各ウェルへ150μLの70%エタノールを加えて、上下3回のピペッティングによって、その中身を混合する。次いで、この試料を、排液回収トレイを備えて真空源が付いたQIAVAC
TMマニフォールドへ接続したRNEASY96
TMウェルプレートへ移す。真空を1分間かける。RNEASY96
TMプレートの各ウェルへ500μLの緩衝液RW1を加えて、15分間インキュベートして、真空を再び1分間かける。RNEASY96
TMプレートの各ウェルへ追加の500μLの緩衝液RW1を加えて、真空を2分間かける。次いで、RNEASY96
TMプレートの各ウェルへ1mLの緩衝液RPEを加えて、真空を90秒の時間帯の間かける。次いで、緩衝液RPEでの洗浄を繰り返して、真空をさらに3分間かける。次いで、QIAVAC
TMマニフォールドよりプレートを外して、ペーパータオルで拭って乾燥させる。次いで、このプレートを、1.2mL回収管を含有する回収管ラックを備えたQIAVAC
TMマニフォールドへ再び付ける。次いで、140μLのRNアーゼフリー水を各ウェルへピペット注入し、1分間インキュベートしてから、真空を3分間かけることによって、RNAを溶出させる。
【0335】
この反復的なピペッティング及び溶出の工程は、QIAGEN Bio−Robot 9604(キアジェン社、カリフォルニア州バレンシア)を使用して自動化し得る。本質的には、培養プレート上での細胞の溶解の後で、プレートをロボットデッキへ移して、ここでピペッティング、DNアーゼ処理、及び溶出の工程を行う。
【0336】
実施例11:標的特異的なプライマー及びプローブ
公知の配列情報を使用して、標的配列へハイブリダイズするようにプローブとプライマーを設計することができる。
【0337】
例えば、ヒトのPTENでは、公知の配列情報(GENBANK
TM登録番号:U92436.1,配列番号1)を使用して、以下のプライマー−プローブセットを設計した。
【0338】
フォワードプライマー:AATGGCTAAGTGAAGATGACAATCAT(配列番号2)
リバースプライマー:TGCACATATCATTACACCAGTTCGT(配列番号3)
及び、PCRプローブ:FAM−TTGCAGCAATTCACTGTAAAGCTGGAAAGG−TAMRA(配列番号4)、ここでFAMは蛍光色素であり、TAMRAはクエンチャー色素である。
【0339】
実施例12:標的タンパク質量のウェスタンブロット分析
標準法を使用して、ウェスタンブロット分析(イムノブロット分析)を行う。オリゴヌクレオチド処置の16〜20時間後に細胞を採取し、PBSで1回洗浄し、レムリ緩衝液(100μl/ウェル)に懸濁させ、5分間煮沸して、16% SDS−PAGEゲル上にロードする。ゲルを150Vで1.5時間操作して、ウェスタンブロッティングのために膜へ移す。標的へ指向した適正な一次抗体を、この一次抗体の種に対して指向された放射標識又は蛍光標識二次抗体とともに使用する。PHOSPHORIMAGER
TM(Molecular Dynamics,カリフォルニア州サニーヴェイル)を使用して、バンドを可視化する。
【0340】
実施例13:化合物3の製造
【0341】
【化27】
【0342】
a)化合物2の製造
公知の文献(Prakash et al., Org. Let. 2003, 5, 403-406)に従って、エチル−2−ブロモアセテートをアルキル化のために使用して、化合物1を製造した。化合物1(5.378g,8.50ミリモル)を無水THF(66mL)に溶かした。これへN,N−ジメチルエチレンジアミン(18.7mL,170ミリモル)を加えて、この反応混合物を周囲温度で撹拌した。6時間後、トルエン(80mL)を加えて、溶媒を真空で蒸発させて、化合物2(6.12g,95%)を白色のフォームとして得た。
1H NMR (CDCl
3): δ 7.64 (s, 3H), 7.41-6.79 (m, 13H), 5.94 (d, 1H, J
1', 2' = 2.4 Hz), 4.41 (m, 1H), 4.31 (q ab, 2H), 4.19 (m, 1H), 3.95 (m, 1H), 3.75 (s, 6H), 3.52 (m, 2H), 2.75 (m, 2H), 2.48 (m, 2H), 2.24 (s, 6H), 1.36 (s, 3H)。
13C NMR (CDCl
3): δ 170.1, 164.7, 158.7, 151.0, 144.4, 135.5, 135.3, 134.9, 130.1, 129.0, 128.1, 127.7, 127.1, 113.3, 110.9, 88.5, 86.7, 84.8, 83.3, 70.7, 68.2, 61.8, 58.4, 45.4, 36.0, 12.0。HRMS (MALDI) C
37H
44N
4O
9 + Na
+の計算値:711.3006。実測値:711.3001。TLC: CH
2Cl
2-EtOAc-MeOH-NEt
3, 64:21:21:5, v/v/v/v; R
f 0.4。
【0343】
b)化合物3の製造
無水ピリジン(2x75mL)との共蒸発によって化合物2(5.754g,8.35ミリモル)を乾燥させてから、CH
2Cl
2(60mL)に溶かした。この溶液へジイソプロピルアミンテトラゾリド(715mg,4.18ミリモル)と2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(3.18mL,10.02ミリモル)を加えた。13時間後、EtOAc(420mL)を加えて、約60mLの溶媒を真空で蒸発させた。この有機物を半飽和NaHCO
3(3x80mL)で、次いで塩水(2x40mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過して27℃の真空で蒸発させて、オイルを得た。得られる残渣をトルエン(2x300mL)と共蒸発させてフォームを得てから、CH
2Cl
2(20mL)に溶かした。迅速に撹拌する溶液へヘキサン(1000mL)を滴下漏斗よりゆっくり加えてワックスを得て、上清をデカントした。このワックスをヘキサンで3回洗浄して、洗液をデカントした。この沈殿操作をもう1回繰り返して白色のワックスを得て、これを周囲温度で真空乾燥させて、化合物3(6.60g,89%)をフォームとして得た。LRMS (ES): m/z 889 (M+H
+), 911 (M+Na
+)。
31P NMR (CDCl
3): δ 151.5, 151.0。
【0344】
標準的な固相合成手順に従って、化合物3をオリゴヌクレオチドへ取り込んだ。合成の間に、Glen Research(バージニア州スターリング)化学リン酸化試薬を使用することによって、オリゴヌクレオチドの5’端でのリン酸化を達成した。
【0345】
実施例14:化合物4の製造
【0346】
【化28】
【0347】
公知の特許出願WO94/22890に記載の手順に従って化合物4を製造した。標準的な固相合成手順に従って、化合物4をオリゴヌクレオチドへ取り込んだ。合成の間に、Glen Research(バージニア州スターリング)化学リン酸化試薬を使用することによって、オリゴヌクレオチドの5’端でのリン酸化を達成した。
【0348】
実施例15:化合物13の製造
【0349】
【化29】
【0350】
a)化合物6の製造
BnBrの代わりにNapBrを使用する、De Mesmaeker の方法(Mesmaeker et al, Synlett, 1997, 1287-1290)に従って、化合物5を製造した。乾燥した化合物5(21.1g,47.04ミリモル)を氷酢酸(104mL)及び無水酢酸(17.2mL)の混合物に溶かした。この溶液へ14滴の濃H
2SO
4を加えた。1.5時間後、得られる淡褐色の溶液をEtOAc(600mL)に希釈し、飽和NaHCO
3(5x600mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて高真空下に乾燥させて、化合物6(22.7g,99%)を薄色のオイルとして得た。ES MS m/z 515.1 [M+Na]
+。
【0351】
b)化合物7の製造
化合物6(23.3g,46.70ミリモル)及びチミン(10.01g,79.40ミリモル)の混合物を無水CH
3CN(233mL)に懸濁させた。この混合物へN,O−ビス−トリメチルシリルアセトアミド(41.06mL,167.94ミリモル)を加えて、55℃で1時間の加熱を続けた。この混合物を0℃へ冷やしてから、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(19.07mL,105.54ミリモル)を15分にわたり滴下した。引き続き、この混合物を55℃で加熱した。3時間後、この混合物を0℃へ冷やして、飽和NaHCO
3水溶液(20mL)の滴下で冷ました。この混合物をEtOAcへ注ぎ、塩水(4x0.8mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、高真空下に乾燥させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、ヘキサン中20%〜50% EtOAcで溶出させて、化合物7(22.27g,85%)を白色のフォームとして得た。ES MS m/z 559.2 [M+H]
+。
【0352】
c)化合物8の製造
化合物7(11.71g,20.98ミリモル)を無水DMF(115mL)に溶かした。これへ1,8−ジアザビシクル−[5−4−0]ウンデク−7−エン(DBU,9.30mL,62.41ミリモル)を加えた。この反応混合物を氷浴中で冷やした。これへベンジルクロロメチルエーテル(4.36mL,31.47ミリモル)を加えて、0℃で1時間撹拌した。この混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液(200mL)と塩水(200mL)で洗浄してから乾燥(Na
2SO
4)させ、濾過して蒸発させた。得られた残渣をメタノール(89mL)及びK
2CO
3(8.76g,63.40ミリモル)に溶かした。この反応混合物を室温で1時間撹拌した。この混合物をEtOAc(200mL)へ注ぎ、水(200mL)と塩水(200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、CH
2Cl
2中5%メタノールで溶出させて、化合物8(8.93g,80%)を白色のフォームとして得た。ES MS m/z 533.2 [M+H]
+。
【0353】
d)化合物9の製造
化合物8(4.30g,8.07ミリモル)を減圧下にP
2O
5で乾燥させて、無水DMF(24mL)に溶かした。この混合物を−20℃へ冷やした。これへNaH(0.48g,12.11ミリモル、鉱油中60%分散液)を撹拌しながら30分間加えて、1−メトキシ−2−ヨードエタン(2.25g,12.11ミリモル)の添加を続けた。この反応混合物を0℃へ温めた。0℃で1.5時間撹拌後、この反応混合物を−20℃へ冷やして、追加のNaH(0.48g,12.11ミリモル、鉱油中60%分散液)を加えた。撹拌を−20℃で30分間続けて、1−メトキシ−2−ヨードエタン(2.25g,12.11ミリモル)を加えた。この反応混合物を0℃へ温めて、さらに1.5時間撹拌した。この反応物をメタノール(5mL)で冷まし、EtOAc(100mL)で希釈し、水(100mL)と塩水(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して、減圧下に蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、CH
2Cl
2中5%メタノールで溶出させて、化合物9(2.95g,62%)を得た。ES MS m/z 591.2 [M+H]
+。
【0354】
e)化合物10の製造
化合物9(2.2g,3.73ミリモル)を無水ピリジン(7mL)に溶かして、氷浴中で冷やした。これへ塩化ベンゾイル(0.88mL,7.61ミリモル)を加えて、添加が終わったらすぐに、反応混合物をそのまま室温へ戻した。この反応混合物をアルゴン雰囲気下に室温で4時間撹拌して、引き続きこの反応混合物を氷浴中で冷やして、飽和NaHCO
3水溶液(5mL)を加えることによって冷ました。この反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液(2x50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して、濃縮した。得られた残渣をCH
2Cl
2(40mL)に溶かし、2,4−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ,1.93g,8.5ミリモル)とH
2O(0.15mL,8.5ミリモル)を加えて、室温で撹拌した。18時間後、反応混合物をEtOAc(60mL)で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液(2x80mL)、塩水(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して、減圧下に蒸発させた。残渣をMeOH(30mL)と水酸化パラジウム(1.1g,20重量% Pd担持カーボン、乾燥ベース)に溶かして、H
2雰囲気下に6時間撹拌した。これへ酢酸(0.56mL)を加えて、5分間撹拌した。この反応混合物をセライト545のパッドに通して濾過して、このセライトを大量のMeOHで洗浄した。合わせた濾液及び洗液を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、CH
2Cl
2中5%メタノールで溶出させて、化合物10(1.43g,88%)を得た。ES MS m/z 435.1 [M+H]
+。
【0355】
f)化合物11の製造
化合物10(1.33g,3.06ミリモル)及びイミダゾール(2.09,30.70ミリモル)の混合物を無水DMF(11.4mL)に溶かした。この溶液へ塩化tert−ブチルジメチルシリル(2.31g,15.33ミリモル)を加えて、アルゴンの雰囲気下に室温で16時間撹拌した。この反応混合物をEtOAc(75mL)で希釈し、飽和NaHCO
3(2x60mL)水溶液と塩水(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して、濃縮した。得られた残渣をメタノール性アンモニア(20mL,7M)に溶かして、55℃で24時間撹拌した。溶媒を減圧下に除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、ヘキサン中50% EtOAcで溶出させて、化合物11(1.21g,89%)を得た。ES MS m/z 455.2 [M+H]
+。
【0356】
g)化合物12の製造
化合物11(0.42g,0.96ミリモル)を塩化4,4’−ジメトキシトリチル(0.82g,2.41ミリモル)と混合して、減圧下にP
2O
5で乾燥させた。この混合物を無水ピリジン(3mL)に溶かして、アルゴンの雰囲気下に45℃で18時間撹拌した。この反応混合物を室温へ冷やし、EtOAc(40mL)で希釈して、飽和NaHCO
3水溶液(60mL)と塩水(40mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、初めにヘキサン中50% EtOAcで、次いでCH
2Cl
2中5%メタノールで溶出させた。得られた生成物を、THF(8.4mL)中の三フッ化水素酸トリエチルアミン(1.38mL,8.44ミリモル)及びトリエチルアミン(0.58mL,4.22ミリモル)の混合物に溶かした。72時間後、この混合物をEtOAc(60mL)で希釈し、水(40mL)、飽和NaHCO
3(40mL)水溶液、及び塩水(40mL)で洗浄してから、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して、蒸発させた。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、ヘキサン中70% EtOAcで溶出させて、化合物12(0.44g,73%)を得た。ES MS m/z 631.2 [M+H]
+。
【0357】
h)化合物13の製造
化合物12(0.35g,0.55ミリモル)を減圧下にP
2O
5で乾燥させてから、無水DMF(1.8mL)に溶かした。これへ1H−テトラゾール(0.033mg,0.48ミリモル)、N−メチルイミダゾール(0.012mL,0.15ミリモル)、及び2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(0.27mL,0.86ミリモル)を加えた。3時間後、EtOAc(40mL)を加えて、この混合物を飽和NaHCO
3(30mL)と塩水(40mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して、真空で蒸発させて、オイルを得た。この油状の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、EtOAc/ヘキサン(1:1)で溶出させて、化合物13(0.38g,83%)を白色のフォームとして得た。MS (ES): m/z 831 [M+H]
+;
31P NMR (121 MHz, CDCl
3): δ 150.2, 149。
【0358】
【化30-1】
【0359】
【化30-2】
【0360】
【化30-3】
【0361】
【化30-4】
【0362】
【化30-5】
【0363】
a)化合物36の製造
市販の1,2;5,6−ジ−O−イソプロピリデン−α−アロフラノース、化合物35(135g、519.0mmol)、2−(ブロモメチル)−ナフタレン(126g、570.0mmol)を、DMF(500mL)に500mL容三首フラスコで溶解させ、反応液を氷浴で冷却した。水酸化ナトリウム(60%w/w、29g、727.0mmol)を反応液に注意深く添加し(10分ごとに6gずつ)、添加後もさらに60分間攪拌を継続した。この時点でTLC分析では、糖(化合物35)は確認されなかった。反応液を注意深く砕氷(約500g)に注ぎ、氷が溶けるまで得られたスラリーを強く攪拌した。得られた淡白色固体を濾過で回収し、水中に懸濁させた。懸濁液をメカニカルスターラーで30分間強く攪拌し、濾過で固体を回収し、4〜6時間空気で乾燥させ、さらに、P
2O
5上で減圧下にて16時間乾燥して、化合物36(206.0g、99%)を淡白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.85 (m, 4H), 7.48 (m, 3H), 5.74 (s, IH), 4.92 (d, IH, J= 11.7), 4.75 (d, IH, J= 11.6), 4.58 (m, IH), 4.36 (m, IH), 4.15 (m, IH), 4.03-3.86 (m, 3H), 1.61 (s, 3H), 1.36 (s, 9H)
b)化合物37の製造
化合物36(200.0 g, 0.5モル)を少量にて、酢酸(2.2L)と水(740mL)の溶液に添加した。反応液を室温で16時間攪拌した後、TLC分析(30%EtOAc/ヘキサン)で化合物36が完全に消費されたことを確認した。次いで、反応液を減圧下で濃縮し、大部分の酢酸を除去した。得られた溶液を、EtOAc(1L)と水(1L)の攪拌溶液に注入した。次いで、固体KOHをこの混合物に加えて、水層を強塩基性(pH>12)にした。次いで、有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム溶液とブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過および減圧濃縮して、化合物37を黄色泡状物として得て、これをさらに精製せずに使用した。
【0364】
【化31-1】
【0365】
【化31-2】
【0366】
【化31-3】
【0367】
【化31-4】
【0368】
【化31-5】
【0369】
【化31-6】
【0370】
【化31-7】
【0371】
【化31-8】
【0372】
【化31-9】
【0373】
【化31-10】
【0374】
【化31-11】
【0375】
【化31-12】
【0376】
【化31-13】
【0377】
a)化合物88の製造
化合物87、5'-アミノ−デオキシチミジンは市販されている。化合物88は、Mag及びEngelsの方法によって製造した(Mag, M.; Engles, J. W. Nucleic Acids Res. 1989, 17, 5973- 5988)。
【0378】
b)化合物89の製造
化合物88(1.05 g, 1.88モル)とテトラゾール(0.11 g、1.5ミリモル)の無水DMF(9mL)溶液に1−メチルイミダゾール(0.039mL, 0.5ミリモル)を攪拌しながら窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を0℃に冷却し、2−シアノエチル−N,N,N',N'−テトライソプロピルホスホロヂアミダイト(0.89mL,2.8ミリモル)を添加した。3.5時間後、反応をブタノール(2 mL)で停止し、減圧下で反応液の容積を50%容に減容した。反応混合物をEtOAc(50 mL)で希釈し、飽和NaHCO3(35 mL)で洗浄し、さらにブライン(50 mL)で洗浄して、無水Na2SO4上で簡単に乾燥した。有機層を濾過し、減圧濃縮した。残渣をジエチルエーテルCH2Cl2 (1:1, 2.25 mL)に溶解させ、氷冷したペンタン溶液(300 mL)滴下した。得られた固体を濾過して化合物89(1.24 g、86.7%)を得た。31P NMR (121 MHz5 CD3CN): δ 148.31 and 148.08
【0379】
【化32-1】
【0380】
【化32-2】
【0381】
【化32-3】
【0382】
【化32-4】
【0383】
【化32-5】
【0384】
【化32-6】
【0385】
【化32-7】
【0386】
【化32-8】
【0387】
【化32-9】
【0388】
【化32-10】
【0389】
【化32-11】
【0390】
【化32-12】
【0391】
【化32-13】
【0392】
【化32-14】
【0393】
【化32-15】
【0394】
【化32-16】
【0395】
【化32-17】
【0396】
【化32-18】
【0397】
【化32-19】
【0398】
【化32-20】
【0399】
【化32-21】
【0400】
【化32-22】
【0401】
【化32-23】
【0402】
実施例57:PTENに標的指向する化学修飾ssRNA(in vivo試験)
オリゴマー化合物のアンチセンス活性を in vivo で試験することができる。5〜6週齢のBalb/cマウス(ジャクソンラボラトリー、メイン州バーハーバー)にPTENへ標的指向した修飾ssRNAを80mg/kg/日、60mg/kg/日、又は40mg/kg(1日2回)の用量で数日間注射する。このマウスを最終投与の72時間後に犠牲にする。肝臓組織をホモジェナイズして、本明細書で例示した手順を使用するリアルタイムPCRを使用して、未処置対照レベルと比較したmRNAレベル(% UTC)を定量する。本明細書に開示したような他の修飾及びモチーフも、in vivo 試験を受けることができる。肝臓トランスアミナーゼ量、血清中のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)も、生理食塩水注射マウスに比べて測定する。この試験の最後に、修飾ssRNAで処置した動物より肝臓及び脾臓の組織を採取し、この組織を秤量して、大まかな臓器変化について評価する。
【0403】
【化33】
【0404】
それぞれのヌクレオシドをホスホジエステルヌクレオシド間連結によって後続のヌクレオシドへ結合するが、下線を施したヌクレオシドは、後続のヌクレオシドへホスホロチオエートヌクレオシド間連結(5’→3’)によって結合する。5’端での「P」は、5’−リン酸基を示す。下付き文字x、f、m、又はeが続くヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。下付き文字「f」は、2’−フルオロ修飾ヌクレオシドを示し、下付き文字「m」は、2’−O−メチル修飾ヌクレオシドを示し、下付き文字「e」は、2’−O(CH
2)
2OCH
3(MOE)修飾ヌクレオシドを示して、下付き文字Rd又はSd又はxは、以下に収載する2’,5’−ビス修飾ヌクレオシド(Rd、Sd、Rb、Sb、Rc、又はSc)の1つを示す。一般に、その後にxを有する各修飾ヌクレオシドは、同じ糖修飾を有する。
【0405】
【化34】
【0406】
実施例58:PTENに標的指向するギャップ化オリゴマー化合物(in vivo 試験)
本開示に従って、オリゴマー化合物を合成して、20及び60mg/kgの用量でPTEN発現を in vivo で低下させるその能力を試験する。6週齢の雄性Balb/cマウス(ジャクソンラボラトリー、メイン州バーハーバー)に20又は60mg/kgの2−10−2ギャップ化オリゴマーでの単回腹腔内(i.p)注射を投与する。本発明で提供するような2’−O−MOE修飾ヌクレオシド又は他の修飾ヌクレオシドをウィングに有する5−10−5ギャップ化オリゴマーも比較に含める。本明細書に開示したような他のモチーフも、in vivo 試験を受けることができる。
【0407】
各用量群に4匹の動物を含める。最終投与から48時間後にマウスを犠牲にして、リアルタイムPCR及びRIBOGREEN(登録商標)RNA定量試薬(Molecular Probes 社、オレゴン州ユージーン)を標準プロトコールに従って使用して、肝臓中のPTEN mRNA量を定量する。PTEN mRNA量は、生理食塩水処置対照に対する正規化に先立って、全RNA(Ribogreenを使用する)に対して定量する。生理食塩水注射対照に対して正規化した、各処置群のmRNA発現の平均阻害(%)を定量する。
【0408】
肝臓トランスアミナーゼ量、血清中のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)を生理食塩水注射マウスに対して測定する。
【0409】
【化35】
【0410】
それぞれの非修飾ヌクレオシドは、β−D−2’−デオキシリボヌクレオシドである。それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結である。5’端での「P」は、5’−リン酸基を示す。
meCは、5’−メチルシトシンヌクレオシドを示す。下付き文字xを有する各ヌクレオシドは、実施例57の末尾のリスト、例えば、Rb、Sb、Rc、Sc、Rd、及びSdより選択される。
【0411】
一般に、その後にxを有する各修飾ヌクレオシドは、同じ糖修飾を有するが、異なる塩基を有する可能性がある。
【0412】
実施例59:PTENに標的指向するオリゴマー化合物(in vitro 試験)
本開示に従って、オリゴマー化合物を合成して、ある用量範囲にわたってPTEN発現を低下させるその能力を試験した。ヒトのヒーラ細胞をISIS 447581又はISIS 404320のいずれかで処置した。本明細書に記載の方法を使用して、0.20、0.62、1.9、5.5、16.7、及び50nMの用量濃度で用量比較を評価した。リアルタイムPCRを使用してPTENの発現量を定量して、本明細書に記載の方法を使用して、RIBOGREEN
TMに対して正規化した。PTEN mRNAの阻害パーセントを定量した。得られる用量−応答曲線を使用して、EC
50を決定した。4μM修飾オリゴマーと4μM相補的RNAを使用して、100mMリン酸緩衝液、0.1mM EDTA(pH7)において260nmでTmを評価した。EC
50を以下に収載する。
【0413】
【化36】
【0414】
それぞれのヌクレオシドをホスホジエステルヌクレオシド間連結によって後続のヌクレオシドへ結合するが、下線を施したヌクレオシドは、後続のヌクレオシドへホスホロチオエートヌクレオシド間連結(5’→3’)によって結合する。5’端での「P」は、5’−リン酸基を示す。下付き文字f、m、又はeが続くヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。下付き文字「f」は、2’−フルオロ修飾ヌクレオシドを示し、下付き文字「m」は、2’−O−メチル修飾ヌクレオシドを示し、下付き文字「e」は、2’−O(CH
2)
2OCH
3(MOE)修飾ヌクレオシドを示して、下付き文字Rcは、実施例57に収載する2’,5’−ビス修飾ヌクレオシドを示す。
【0415】
実施例60:修飾ssRNA5’リン酸の血清安定性アッセイ
血清安定性アッセイは、血清に見出されるヌクレアーゼや他の酵素の存在下でのオリゴマー化合物の安定性を評価するのに有用である。例えば、オリゴマー化合物の5’−末端リン酸基の安定性は、血清の存在下でオリゴマー化合物へ付いたままでいる5’−末端リン酸基の能力を評定することによって評価することができる。従って、血清安定性アッセイを利用して、5’−末端リン酸基を有する修飾ssRNAの安定性を評価した。
【0416】
下記に示す、5’−末端リン酸基を有する様々な修飾ssRNA(10μM)を95%の新鮮マウス血清に溶かして、37℃でインキュベートした。0、1、3、6又は24時間のインキュベーション時間の後で血清のアリコート(100μL)を取り出した。血清試料は、すぐに冷まして、瞬間凍結した。先の試料を強アニオン交換(SAX)及びオクタデシルシリル(C−18)カラムによって抽出した。それぞれのインキュベーション時間について、5’−末端リン酸基を有する全長修飾ssRNAの量をLC/MSによって定量して、5’−末端リン酸基を有する全長修飾ssRNAの半減期を計算した。この結果を以下の表に半減期(T
1/2)として示す。これらのデータは、オリゴマー化合物への修飾が5’−末端リン酸基の安定性を向上させ得ることを実証する。
【0417】
【化37】
【0418】
それぞれのヌクレオシドをホスホジエステルヌクレオシド間連結によって後続のヌクレオシドへ結合するが、下線を施したヌクレオシドは、後続のヌクレオシドへホスホロチオエートヌクレオシド間連結(5’→3’)によって結合する。5’端での「P」は、5’−リン酸基を示す。下付き文字d、e、f、R、又はSfが続くヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。下付き文字「d」は、2’−O−ジメチルアミノエチルアセトアミド(DMAEAc)修飾ヌクレオシドを示し、下付き文字「e」は、2’−O(CH
2)
2OCH
3(MOE)修飾ヌクレオシドを示し、下付き文字「f」は、2’−フルオロ修飾ヌクレオシドを示し、下付き文字「R」は、(R)−5’−メチル−2’−デオキシリボヌクレオシドを示して、下付き文字「Sf」は、下記に収載する2’,5’−ビス修飾ヌクレオシドを示す。
【0419】
【化38】
【0420】
実施例61:二重鎖アンチセンス化合物の設計及びスクリーニング
本発明に従って、本発明の化合物とその相補体を含んでなる一連の核酸二重鎖を設計することができる。この二重鎖のアンチセンス鎖のヌクレオ塩基配列は、本明細書に記載の標的配列へ標的指向されるアンチセンスオリゴヌクレオチドの少なくとも一部を含む。この鎖の両端は、1以上の天然又は修飾ヌクレオシドの付加によって修飾して、突出を形成させてよい。次いで、このdsRNAのセンス鎖をアンチセンス鎖の相補体として設計及び合成して、いずれかの末端への修飾又は付加も含有してよい。例えば、1つの態様では、dsRNA二重鎖の両鎖が中央のヌクレオ塩基に相補的であり、それぞれが一方又は両方の末端に突出を有する。
【0421】
例えば、配列:CGAGAGGCGGACGGGACCG(配列番号10)を有して、デオキシチミジン(dT)の2ヌクレオ塩基突出を有するアンチセンス鎖を含んでなる二重鎖は、以下の構造:
【0422】
【化39】
【0423】
を有するだろう。
【0424】
別の態様では、同じ配列:CGAGAGGCGGACGGGACCG(配列番号10)を有するアンチセンス鎖を含んでなる二重鎖を、以下に示すように、平滑末端(一本鎖突出なし)で製造してよい:
【0425】
【化40】
【0426】
二重鎖のRNA鎖は、本明細書に開示する方法によって合成しても、Dharmacon Research 社(コロラド州ラファイエット)より購入してもよい。合成したならばすぐに、相補的な鎖をアニールする。一本鎖の一定量を取って、50μMの濃度へ希釈する。希釈したならばすぐに、それぞれの鎖の30μLをアニーリング緩衝液の5X溶液の15μLと合わせる。緩衝液の最終濃度は、100mM酢酸カリウム、30mM HEPES−KOH(pH7.4)、及び2mM酢酸マグネシウムである。最終容量は、75μLである。この溶液を90℃で1分間インキュベートしてから、15秒間遠心分離させる。この試験管をそのまま37℃で1時間静置して、この時点でdsRNA二重鎖を実験法に使用する。dsRNA二重鎖の最終濃度は、20μMである。
【0427】
製造したらすぐに、この二重鎖化合物について、標的mRNA量を調節するその能力を評価する。細胞が80%の集密度に達するとき、それらを本発明の二重鎖化合物で処置する。96ウェルプレートで増殖させた細胞では、ウェルを200μLのOPTI−MEM−1
TM血清低減培地(Gibco BRL)で1回洗浄してから、5μg/mLのLIPOFECTAMINE 2000
TM(Invitrogen Life Technologies,カリフォルニア州カールスバッド)を含有する130μLのOPTI−MEM−1
TMと、望まれる最終濃度での二重鎖アンチセンス化合物で処置する。約4時間の処置後、培地を新鮮な培地と交換する。処置後16時間で細胞を採取し、この時点でRNAを単離して、本明細書に記載のような定量的リアルタイムPCRによって、標的の低下を測定する。
【0428】
実施例62:PTENに標的指向する5’及び2’ビス置換修飾オリゴマー化合物(in vitro 試験、ssRNA対siRNA)
一連の5’及び2’ビス置換修飾オリゴマー化合物を一本鎖RNA(ssRNA)として製造した。下記に収載するアンチセンス(AS)鎖は、ヒトPTENに標的指向するように設計して、それぞれについても、同じセンス鎖(ISIS 341401、下記に示す)との二重鎖の一部として、PTEN発現量を低下させるその能力をアッセイした。本明細書に記載の方法を使用して、以下に示すアンチセンス化合物で創出した一本鎖又は二本鎖オリゴマー化合物でヒーラ細胞を処置した。正規化したmRNA量を、使用した濃度の対数に対してプロットすることによって作成する線形回帰式を使用して、IC
50を計算した。
【0429】
【化41】
【0430】
それぞれのヌクレオシド間連結はホスホジエステルであるが、下線を施したヌクレオシドは、後続のヌクレオシドへホスホロチオエート(5’→3’)によって連結する。下付き文字が続かないそれぞれのヌクレオシドは、リボヌクレオシドである。5’端の「P」は、5’−リン酸基を示す。5’端の「Py」は、5’−メチレンホスホネート基(PO(OH)
2CH
2−)を示す。5’端の「Pz」は、5’−ジフルオロメチレンホスホネート基(PO(OH)
2CF
2−)を示す。下付き文字が続くヌクレオシドは、修飾を以下のように示す:下付き文字「d」は、2’−O−ジメチルアミノエチルアセトアミド(DMAEAc)修飾ヌクレオシドを示し、下付き文字「e」は、2’−O(CH
2)
2OCH
3(MOE)修飾ヌクレオシドを示し、下付き文字「f」は、2’−フルオロ修飾ヌクレオシドを示し、下付き文字「m」は、2’−O−メチル修飾ヌクレオシドを示し;そして、下付き文字「R」は、(R)−5’−メチル−2’−デオキシリボヌクレオシドを示す。上付き文字「me」は、ヌクレオシドのピリミジン塩基上の5−メチル基を示す。下付き文字「Rc」又は「Sc」があるヌクレオシドは、以下に示す。
【0431】
【化42】
【0432】
実施例63:PTENに標的指向する修飾オリゴマー化合物(in vitro試験)
本開示に従って、オリゴマー化合物を合成して、ある用量範囲にわたってPTEN発現を低下させるその能力を試験した。ヒトのヒーラ細胞をISIS447581、467074、418046、又は467076のいずれかで処置した。本明細書に記載の方法を使用して、0.067、0.2、0.62、1.9、5.5、16.7、及び50nMの用量濃度で用量比較を評価した。リアルタイムPCRを使用してPTENの発現量を定量して、本明細書に記載の方法を使用して、RIBOGREEN
TMに対して正規化した。PTEN mRNAの阻害パーセントを定量して、得られる用量−応答曲線を使用して、EC
50を決定した。EC
50を以下に収載する。
【0433】
【化43】
【0434】
それぞれのヌクレオシド間連結はホスホジエステルであるが、下線を施したヌクレオシドは、後続のヌクレオシドへホスホロチオエート(5’→3’)によって結合する。5’端での「P」は、5’−リン酸基を示す。5’端の「Py」は、5’−メチレンホスホネート基(PO(OH)
2CH
2−)を示す。下付き文字e、f、又はmが続くヌクレオシドは、以下のような修飾を示す:下付き文字「e」は、2’−O(CH
2)
2OCH
3(MOE)修飾ヌクレオシドを示し、下付き文字「f」は、2’−フルオロ修飾ヌクレオシドを示し、下付き文字「m」は、2’−O−メチル修飾ヌクレオシドを示す。上付き文字「me」は、ヌクレオシドのピリミジン塩基上の5−メチル基を示す。下付き文字「Rc」又は「Sc」があるヌクレオシドは、以下に示す。
【0435】
【化44】
【0436】
実施例64:肝細胞ホモジェネートアッセイにおけるssRNAの安定性(in vivo 試験)
オリゴマー化合物の安定性を細胞ホモジェネートアッセイにおいて評価することができる。bal/cマウスより、胎仔ウシ血清を含む氷冷した肝細胞洗浄培地(William E 培地)において肝細胞を採取し、1000gで8分間の遠心分離によって沈降させてから、肝細胞洗浄培地で洗浄した。肝細胞をRIPA緩衝液(50mMトリス(pH7.5)、10mM MgCl
2、150mM NaCl、0.5% NP−40代替物、1錠の Roche プロテアーゼ阻害剤#11836170001)とともにホモジェナイズして、4℃で15分間、14000gで遠心分離させて、上清を取り出して、氷中に保存した。タンパク質濃度(BSA mg/mL)を Bradford アッセイで定量して、Ripa 緩衝液容量又は細胞ホモジェネート容量の添加によって、2mg/mLの最終タンパク質濃度へ調整した。
【0437】
フェノール/クロロホルム抽出
ssRNA(1mL,20μL)をホモジェナイゼーション緩衝液(0.5% NP−40中20mMトリス(pH8)、20mM EDTA、及び0.1M NaCl)において、0、5、10、20、30、40、及び60分の時点でホモジェナイズした(例外:06/408877は、0、15、30、60、120、及び240分の時点、06/409044は、0、0.5、1、2、4、8、及び18時間の時点)。抽出に先立って、内部標準(18/355868、27マー、2’−O−メトキシエチル修飾ホスホロチオエートオリゴヌクレオチド、又は19/116847、5−10−5ギャップマー、2’−O−メトキシエチル修飾ホスホロチオエートオリゴヌクレオチド)を20μg/gの濃度で加えた。組織試料を70μLのNH
4OHと240μLのフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1)で抽出した。14000rpmで2分間の遠心分離後に、上清を取り出した。残る抽出溶媒を追加の500μLの水とともに激しく撹拌して、水層を取り出して、14000rpmで2分間の遠心分離後の上清と合わせた。
【0438】
固相抽出
1Mの酢酸トリエチルアンモニウム溶液(500μL)を上清へ加えた。9000rpmで20分間の遠心分離後に、この混合物の水層を予め条件付けたBiotage
TMフェニル固相抽出プレート(SPEプレート)上へロードした。SPEプレートを水で数回洗浄した。次いで、この試料を1.5mLの90% MeOH中1% TEAで溶出させて、タンパク質沈殿プレート(Phenomenex
TM)に通して濾過した。溶出液を蒸発乾固させて、50%の急冷緩衝液(8M尿素、50mM EDTA)と水で200μLへ希釈した後で、試料を注入した。
【0439】
LC−MS
Agilent 1100シリーズLC/MSDシステムを質量分析へ直列式に接続した。質量分析器は、エレクトロスプレー陰イオン化モードで作動した。ネブライザーの窒素ガスは325psiで設定して、乾燥用の窒素ガスは、12L/分で設定した。乾燥温度は、325℃であった。試料(25μL/ウェル)を自動サンプラーより導入して、300μL/分の流速を55℃で使用するXBridge OST C18 2.5μm 2.1mmx50mm HPLCカラムで逆相クロマトグラフィーを行った。イオン対緩衝液は、A:20%アセトニトリル中5mM酢酸トリブチルアンモニウム(TBAA)とB:90%アセトニトリル中5nM TBAAからなり、ローディング緩衝液は、25%アセトニトリル中25mM TBAAであった。分離は、9分で30%〜70% B、次いで11分で80% Bの勾配で実施した。
【0440】
最も豊富なイオンの抽出イオンクロマトグラムによるオリゴヌクレオチド及び内部標準の定量分析は、MSD ChemStationソフトウェアを使用して実施した。
【0441】
実施例65:PTENに標的指向する5’−修飾オリゴマー化合物(in vivo試験)
本開示に従って、オリゴマー化合物を合成して、75mg/kgの用量でPTEN発現を in vivo で低下させるその能力を試験した。6週齢の雄性Balb/cマウス(ジャクソンラボラトリー、メイン州バーハーバー)に75mg/kgのISIS 467074(5’−リン酸基を有する)と467074(5’−メチレンホスホネート基:PO(OH)
2CH
2−を有する)での単回腹腔内(i.p)注射を投与する。2’−O−MOE修飾ヌクレオシドを5’−ホスホロチオエート基のウィングに有する5−10−5ギャップ化オリゴマー、ISIS 116847を比較に含めた。
【0442】
各用量群は、4匹の動物からなった。最終投与から48時間後にマウスを犠牲にして、リアルタイムPCR及びRIBOGREEN(登録商標)RNA定量試薬(Molecular Probes 社、オレゴン州ユージーン)を標準プロトコールに従って使用して、肝臓中のPTEN mRNA量を定量した。PTEN mRNA量は、生理食塩水処置対照に対する正規化に先立って、全RNA(Ribogreenを使用する)に対して定量した。生理食塩水注射対照に対して正規化した、各処置群のPTEN mRNA発現の平均阻害(%)として、結果を以下に収載する。
【0443】
【化45】
【0444】
それぞれのヌクレオシド間連結はホスホジエステルであるが、下線を施したヌクレオシドは、後続のヌクレオシドへホスホロチオエート(5’→3’)によって結合する。5’端の「P」は、5’−リン酸基を示す。5’端の「Py」は、5’−メチレンホスホネート基(PO(OH)
2CH
2−)を示す。それぞれの非修飾ヌクレオシドは、β−D−2’−デオキシリボヌクレオシドである。下付き文字e、f、又はmが続くヌクレオシドは、以下のような修飾を示す:下付き文字「e」は、2’−O(CH
2)
2OCH
3(MOE)修飾ヌクレオシドを示し、下付き文字「f」は、2’−フルオロ修飾ヌクレオシドを示し、下付き文字「m」は、2’−O−メチル修飾ヌクレオシドを示す。上付き文字「me」は、ヌクレオシドのピリミジン塩基上の5−メチル基を示す。下付き文字「Sc」があるヌクレオシドは、以下に示す。
【0445】
【化46】
【0446】
実施例66:PTENに標的指向する5’−修飾オリゴマー化合物の安定性(in vivo 試験)
実施例65の3つのオリゴマー化合物の in vivo 安定性について評価した。PTENを評価した動物より組織試料を入手した。実施例64の記載と同じ技術を使用して、組織試料を採取して調製した。オリゴヌクレオチド標準の定量分析は、Chemstationソフトウェアを使用して、最も豊富な電荷状態(−4)での抽出イオンクロマトグラムによって実施した。ISIS 116847、467074、及び467076のインタクト化合物の組織レベル(μg/g)を測定して、以下に提供する。
【0447】
【化47】
【0448】
5−10−5MOEギャップマー化合物は、高いレベルで存在して、PTENの強力な阻害剤であった。インタクトな467076は、より低い濃度で存在して、PTENのより少ない阻害をもたらした。インタクトな467074は検出されず、最低量のPTEN低下をもたらした。5’−リン酸を欠いている467074をいくらか検出した。