(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の本体部が上側に位置し、かつ、第2の本体部が下側に位置する場合に、前記第1の本体部の上側の左右方向における一方側である隅部に配置されたアンテナと、前記第1の本体部の左右方向における他方側の側端部に配置されたアンテナと、前記第2の本体部の左右方向における他方側の側端部に配置されたアンテナと、による複数のアンテナを備えるとともに、第1の表示器を備える前記第1の本体部と第2の表示器を備える前記第2の本体部とがヒンジ部を介して連結された折り畳み式の無線通信装置に適用され、
ユーザが当該無線通信装置を保持している位置である保持位置を特定するための保持位置特定情報を取得し、
前記複数のアンテナの中から、前記取得された保持位置特定情報により特定される保持位置と異なる位置に配置されたアンテナを選択し、
前記選択されたアンテナを介して無線通信を行い、
前記無線通信装置は、画像情報が表す画像を表示する表示器を備え、
前記表示器に対する前記画像の回転位置である画像回転位置を、互いに異なる複数の画像回転位置から選択し、
前記選択された画像回転位置を有する画像を表す前記画像情報を生成し、
前記選択された画像回転位置を表す画像回転位置情報を前記保持位置特定情報として取得するように構成され、
前記選択された画像回転位置が変化した時点から、予め設定された遅延時間が経過した後に、当該変化後の画像回転位置を表す画像回転位置情報を前記保持位置特定情報として取得するように構成された無線通信方法。
第1の本体部が上側に位置し、かつ、第2の本体部が下側に位置する場合に、前記第1の本体部の上側の左右方向における一方側である隅部に配置されたアンテナと、前記第1の本体部の左右方向における他方側の側端部に配置されたアンテナと、前記第2の本体部の左右方向における他方側の側端部に配置されたアンテナと、による複数のアンテナを備えるとともに、第1の表示器を備える前記第1の本体部と第2の表示器を備える前記第2の本体部とがヒンジ部を介して連結された折り畳み式の無線通信装置に、
ユーザが当該無線通信装置を保持している位置である保持位置を特定するための保持位置特定情報を取得し、前記複数のアンテナの中から、当該取得された保持位置特定情報により特定される保持位置と異なる位置に配置されたアンテナを選択するアンテナ選択手段を実現させるとともに、
前記選択されたアンテナを介して無線通信を行わせ、
前記無線通信装置は、画像情報が表す画像を表示する表示器を備え、
前記無線通信装置に、更に、
画像を表す画像情報を生成する画像情報生成手段を実現させるとともに、
前記画像情報生成手段は、前記表示器に対する前記画像の回転位置である画像回転位置を、互いに異なる複数の画像回転位置から選択し、当該選択した画像回転位置を有する画像を表す前記画像情報を生成するように構成され、
前記アンテナ選択手段は、前記選択された画像回転位置を表す画像回転位置情報を前記保持位置特定情報として取得するように構成され
前記アンテナ選択手段は、前記選択された画像回転位置が変化した時点から、予め設定された遅延時間が経過した後に、当該変化後の画像回転位置を表す画像回転位置情報を前記保持位置特定情報として取得するように構成されるプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る、無線通信装置、携帯電話装置、無線通信方法、及び、プログラム、の各実施形態について
図1〜
図8を参照しながら説明する。
【0016】
<第1実施形態>
図1に示したように、第1実施形態に係る無線通信装置1は、第1の本体部10と、第2の本体部20と、ヒンジ部30と、を備える。本例では、無線通信装置1は、折り畳み式の携帯電話装置である。
【0017】
また、無線通信装置1は、後述するように、図示しない中央処理装置(CPU;Central Processing Unit)及び記憶装置(本例では、メモリ)を含む制御部を備える。制御部は、メモリに記憶されている所定のプログラムをCPUが実行することにより、無線通信装置1を構成する各部を制御する。
【0018】
第1の本体部10及び第2の本体部20のそれぞれは、長方形状を有する平板状の部材である。ヒンジ部30は、第1の本体部10の端部のうちの長辺の一方を構成する端部と、第2の本体部20の端部のうちの長辺の一方を構成する端部と、を揺動可能に連結する。
【0019】
第1の本体部10は、長方形状を有する第1のディスプレイ(第1の表示器)11を備える。第1のディスプレイ11は、タッチパネル式のディスプレイである。第1のディスプレイ11は、文字及び図形等からなる画像を表す画像情報を制御部から受け付ける。第1のディスプレイ11は、受け付けた画像情報が表す画像を表示する。
【0020】
また、第1のディスプレイ11は、表示している画像に含まれるボタンがユーザによって押された場合(即ち、ボタンが表示された位置にて第1のディスプレイ11が押された場合)に、そのボタンに対応付けられた情報を受け付け、受け付けた情報を制御部へ出力する。
【0021】
第2の本体部20は、第1のディスプレイ11と同様の機能を有する第2のディスプレイ(第2の表示器)21を備える。更に、第2の本体部20は、複数(本例では、2つ)のボタン式スイッチ22を備える。
【0022】
加えて、無線通信装置1は、複数(本例では、3つ)のアンテナ41,42,43を備える。各アンテナ41,42,43は、無線信号としての電波(電磁波)を外部へ放射(送信)するとともに、外部から無線信号としての電波を受信するように構成されている。複数のアンテナ41,42,43は、互いに異なる位置に配置されている。
【0023】
アンテナ41は、第1の本体部10の内部に埋設されている。アンテナ41は、無線通信装置1の正面視において、第1の本体部10が上側に位置し、且つ、第2の本体部20が下側に位置する場合に、第1の本体部10の左側の端部(即ち、第1の本体部10の端部のうちの、短辺の一方を構成する端部)に配置されている。
【0024】
アンテナ(第2のアンテナ)42は、第2の本体部20の内部に埋設されている。アンテナ42は、無線通信装置1の正面視において、第1の本体部10が上側に位置し、且つ、第2の本体部20が下側に位置する場合に、第2の本体部20の左側の端部(即ち、第2の本体部20の端部のうちの、短辺の一方を構成する端部)に配置されている。
【0025】
アンテナ(第1のアンテナ)43は、第1の本体部10の内部に埋設されている。アンテナ43は、無線通信装置1の正面視において、第1の本体部10が上側に位置し、且つ、第2の本体部20が下側に位置する場合に、第1の本体部10の右上側の隅部(即ち、第1の本体部10の端部のうちの、長辺の一方と短辺の一方との交点を構成する端部)に配置されている。
【0026】
なお、本例では、
図1及び
図2に示したように、ユーザが無線通信装置1を見た場合に、第1の本体部10が上側に位置し、且つ、第2の本体部20が下側に位置する状態における装置回転位置を第1の装置回転位置と呼ぶ。ここで、装置回転位置は、ユーザに対する無線通信装置1の回転位置(回転方向における位置、回転角度)である。
【0027】
また、
図3に示したように、ユーザが無線通信装置1を見た場合に、第1の本体部10が右側に位置し、且つ、第2の本体部20が左側に位置する状態における装置回転位置を第2の装置回転位置と呼ぶ。即ち、本例では、第1の装置回転位置と第2の装置回転位置とは、装置回転位置が90度だけ異なる回転位置である。
【0028】
従って、装置回転位置が第2の装置回転位置である場合、第2のアンテナ42は、無線通信装置1の上側の端部に位置する。即ち、第2のアンテナ42は、装置回転位置が第2の装置回転位置である場合に、ユーザとの間の距離が最も長くなる端部(第2の端部)に配置されている、と言うことができる。
【0029】
また、装置回転位置が第1の装置回転位置である場合、第1のアンテナ43は、無線通信装置1の上側の端部に位置する。即ち、第1のアンテナ43は、装置回転位置が第1の装置回転位置である場合に、ユーザとの間の距離が最も長くなる端部(第1の端部)に配置されている、と言うことができる。
【0030】
ところで、ユーザは、無線通信装置1の端部のうちの、当該ユーザとの間の距離が最も短くなる端部(即ち、下側の端部)を保持することが多い。従って、上記構成によれば、装置回転位置が第1の装置回転位置である場合には、第1のアンテナ43の位置が保持位置と異なる位置となり、一方、装置回転位置が第2の装置回転位置である場合には、第2のアンテナ42の位置が保持位置と異なる位置となる。
【0031】
この結果、無線通信装置1は、装置回転位置が第1の装置回転位置及び第2の装置回転位置のいずれである場合においても、保持位置と異なる位置に配置されたアンテナを確実に選択することができる。
【0032】
加えて、無線通信装置1は、
図4に示したように、制御部(画像情報生成手段、アンテナ選択手段、情報記憶手段)51と、無線送受信部52と、無線受信部53と、高周波スイッチ54と、を備える。
【0033】
制御部51は、実行中のプログラムから出力される指示に応じて、又は、ユーザにより入力された指示に応じて、画像回転位置を、互いに異なる複数の画像回転位置から選択する。ここで、画像回転位置は、表示器(第1のディスプレイ11又は第2のディスプレイ21、即ち、無線通信装置1)に対する画像の回転位置である。
【0034】
本例では、制御部51は、第1の画像回転位置と、第2の画像回転位置と、のいずれか一方を選択する。第1の画像回転位置は、
図2に示したように、装置回転位置が第1の装置回転位置である場合において、表示器の上方向と画像の上方向とが一致する画像回転位置である。即ち、本例では、第1の画像回転位置を有する画像は、横方向の長さが縦方向の長さよりも長い(横長の)画像である。
【0035】
また、第2の画像回転位置は、
図5に示したように、装置回転位置が第1の装置回転位置である場合において、表示器の上方向と画像の右方向とが一致する画像回転位置である。即ち、本例では、第2の画像回転位置を有する画像は、横方向の長さが縦方向の長さよりも短い(縦長の)画像である。このように、本例では、第1の画像回転位置と第2の画像回転位置とは、画像回転位置が90度だけ異なる回転位置である。
【0036】
そして、制御部51は、選択した画像回転位置を有する画像を表す画像情報を、第1のディスプレイ11及び第2のディスプレイ21のそれぞれに対して生成する。制御部51は、生成した画像情報を第1のディスプレイ11及び第2のディスプレイ21のそれぞれへ出力する。
【0037】
また、制御部51は、送信情報を生成し、生成した送信情報を無線送受信部52へ出力する。また、制御部51は、無線送受信部52及び無線受信部53のそれぞれから受信情報を受け付ける。
【0038】
無線送受信部52は、制御部51から送信情報を受け付ける。無線送受信部52は、受け付けた送信情報に基づく無線信号をアンテナ41から送信させる。また、無線送受信部52は、アンテナ41により受信された無線信号を受け付ける。無線送受信部52は、受け付けた無線信号に基づく受信情報を制御部51へ出力する。
【0039】
また、制御部51は、ユーザが無線通信装置1を保持している位置である保持位置を特定するための保持位置特定情報を取得する。本例では、制御部51は、選択された画像回転位置を表す画像回転位置情報を保持位置特定情報として取得する。
【0040】
加えて、制御部51は、複数のアンテナ42,43の中から、取得された保持位置特定情報により特定される保持位置と異なる位置に配置されたアンテナを選択する。即ち、本例では、制御部51は、第1のアンテナ43及び第2のアンテナ42のいずれか一方を選択する。
【0041】
具体的には、制御部51は、保持位置特定情報と、アンテナを特定するためのアンテナ特定情報と、を対応付けて予め記憶装置に記憶させている。即ち、記憶装置は、第1の画像回転位置を表す保持位置特定情報と、第1のアンテナ43を特定するためのアンテナ特定情報と、を対応付けて記憶するとともに、第2の画像回転位置を表す保持位置特定情報と、第2のアンテナ42を特定するためのアンテナ特定情報と、を対応付けて記憶している。そして、制御部51は、取得された保持位置特定情報と対応付けて記憶装置に記憶されているアンテナ特定情報により特定されるアンテナを選択する。
【0042】
制御部51は、選択されたアンテナを表す選択指示信号を高周波スイッチ54へ出力する。
【0043】
高周波スイッチ54は、第1のアンテナ43により受信された無線信号を無線受信部53へ出力する第1の状態と、第2のアンテナ42により受信された無線信号を無線受信部53へ出力する第2の状態と、のいずれか一方に状態が切り替わるように構成されている。
【0044】
高周波スイッチ54は、制御部51から選択指示信号を受け付ける。高周波スイッチ54は、受け付けた選択指示信号が表すアンテナが第1のアンテナ43である場合、状態を第1の状態に設定する。一方、高周波スイッチ54は、受け付けた選択指示信号が表すアンテナが第2のアンテナ42である場合、状態を第2の状態に設定する。
【0045】
無線受信部53は、高周波スイッチ54を経由して、第1のアンテナ43又は第2のアンテナ42により受信された無線信号を受け付ける。無線受信部53は、受け付けた無線信号に基づく受信情報を制御部51へ出力する。
【0046】
このような構成により、無線通信装置1は、選択されたアンテナを介して無線通信を行うように構成されている、と言うことができる。
【0047】
次に、上述した無線通信装置1の作動について具体的に説明する。
いま、
図2に示したように、第1のディスプレイ11及び第2のディスプレイ21が、第1の画像回転位置を有する画像を出力している場合を想定する。
【0048】
この場合、ユーザは、左手によって、楕円RA1により囲まれた領域にて無線通信装置1を保持するとともに、右手によって、楕円RA2により囲まれた領域にて無線通信装置1を保持する。
【0049】
一方、この場合、制御部51は、上述したように、第1のアンテナ43を選択し、第1のアンテナ43を表す選択指示信号を高周波スイッチ54へ出力する。これにより、高周波スイッチ54は、状態を第1の状態に設定する。これにより、無線通信装置1は、選択されたアンテナである第1のアンテナ43と、アンテナ41と、を介して無線通信を行う。
【0050】
即ち、無線通信装置1は、保持位置と異なる位置に配置されたアンテナ41,43を介して無線通信を行う。この結果、無線通信の品質が過度に低下することを防止することができる。
【0051】
次いで、制御部51が出力する画像情報が表す画像の画像回転位置が第1の画像回転位置から第2の画像回転位置へ変化した場合を想定する。
【0052】
この場合、
図5に示したように、第1のディスプレイ11及び第2のディスプレイ21が、第2の画像回転位置を有する画像を出力する。
この画像を見たユーザは、保持位置を変更する。即ち、ユーザは、
図3に示したように、左手によって、楕円RB1により囲まれた領域にて無線通信装置1を保持するとともに、右手によって、楕円RB2により囲まれた領域にて無線通信装置1を保持する。
【0053】
一方、この場合、制御部51は、上述したように、第2のアンテナ42を選択し、第2のアンテナ42を表す選択指示信号を高周波スイッチ54へ出力する。これにより、高周波スイッチ54は、状態を第2の状態に切り替える。これにより、無線通信装置1は、選択されたアンテナである第2のアンテナ42と、アンテナ41と、を介して無線通信を行う。
【0054】
即ち、無線通信装置1は、保持位置と異なる位置に配置されたアンテナ41,42を介して無線通信を行う。この結果、無線通信の品質が過度に低下することを防止することができる。
【0055】
以上、説明したように、本発明による無線通信装置の第1実施形態によれば、無線通信装置1は、保持位置と異なる位置に配置されたアンテナを介して無線通信を行うことができる。この結果、無線通信の品質が過度に低下することを防止することができる。
【0056】
更に、第1実施形態によれば、受信レベルを検出する回路を設けるとともに、検出した受信レベルを比較するための回路を設ける必要がない。従って、無線通信装置1の大きさを小さくすることができる。また、検出した受信レベルを比較するための処理を処理装置が実行する必要がないので、処理負荷が過大となることを防止することもできる。
【0057】
加えて、第1実施形態において、制御部51は、選択された画像回転位置を表す画像回転位置情報を保持位置特定情報として取得するように構成されている。
ところで、表示器(第1のディスプレイ11及び第2のディスプレイ21)に対する画像の回転位置が変化した場合、ユーザは、保持位置を変更することが多い。従って、第1実施形態によれば、実際の保持位置に応じた保持位置特定情報を高い精度にて取得することができる。
【0058】
なお、第1実施形態の変形例において、制御部51は、選択された画像回転位置が変化した時点から、予め設定された遅延時間が経過した後に、当該変化後の画像回転位置を表す画像回転位置情報を保持位置特定情報として取得するように構成されていてもよい。
【0059】
ところで、表示器に表示される画像の画像回転位置が変化した場合、画像回転位置が変化した時点から、ユーザが無線通信装置1の保持位置を変更するまでには、遅延時間を要することが多い。従って、この変形例によれば、実際に保持位置が変化したタイミングと、選択されるアンテナを変更するタイミングと、をより一層近づけることができる。この結果、無線通信の品質が過度に低下することをより一層確実に防止することができる。
【0060】
また、第1実施形態の他の変形例において、無線通信装置1は、保持位置特定情報に基づいて選択したアンテナにより受信された無線信号を受け付ける(即ち、選択したアンテナを介して無線信号を受信する)ように構成されていたが、選択したアンテナを介して無線信号を送信するように構成されていてもよい。また、無線通信装置1は、選択したアンテナを介して無線信号を送信及び受信するように構成されていてもよい。
【0061】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る無線通信装置について説明する。第2実施形態に係る無線通信装置は、上記第1実施形態に係る無線通信装置に対して、ユーザに対する無線通信装置の回転位置(装置回転位置)を検出し、検出された装置回転位置に基づいて保持位置特定情報を取得する点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0062】
第2実施形態に係る無線通信装置1は、
図6に示したように、第1実施形態に係る無線通信装置1の構成に加えて、地磁気センサ(アンテナ選択手段の一部、装置回転位置検出器)55を備える。地磁気センサ55は、地磁気を検出する。
【0063】
制御部51は、地磁気センサ55により検出された地磁気に基づいて装置回転位置を検出する。本例では、制御部51は、検出された地磁気の大きさが予め設定された基準値よりも大きい場合に、装置回転位置が第1の装置回転位置であると検出し、一方、検出された地磁気の大きさが上記基準値よりも小さい場合に、装置回転位置が第2の装置回転位置であると検出する。
【0064】
制御部51は、検出された装置回転位置を表す装置回転位置情報を保持位置特定情報として取得する。
本例では、制御部51が備える記憶装置は、第1の装置回転位置を表す保持位置特定情報と、第1のアンテナ43を特定するためのアンテナ特定情報と、を対応付けて記憶するとともに、第2の装置回転位置を表す保持位置特定情報と、第2のアンテナ42を特定するためのアンテナ特定情報と、を対応付けて記憶している。そして、制御部51は、取得された保持位置特定情報と対応付けて記憶装置に記憶されているアンテナ特定情報により特定されるアンテナを選択する。
【0065】
ところで、ユーザは、ユーザに対する無線通信装置1の回転位置を変更する際、保持位置を変更することが多い。従って、上記構成によれば、実際の保持位置に応じた保持位置特定情報を高い精度にて取得することができる。
【0066】
この第2実施形態に係る無線通信装置によっても、第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0067】
なお、第2実施形態の変形例において、制御部51は、検出された装置回転位置を表す装置回転位置情報と、選択された画像回転位置を表す画像回転位置情報と、に基づいて保持位置特定情報を取得するように構成されていてもよい。
【0068】
これによれば、装置回転位置情報及び画像回転位置情報のいずれか一方に基づいて保持位置特定情報を取得する場合よりも、実際の保持位置に応じた保持位置特定情報を高い精度にて取得することができる。
【0069】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る無線通信装置について説明する。第3実施形態に係る無線通信装置は、上記第1実施形態に係る無線通信装置に対して、保持位置を検出し、検出された保持位置に基づいて保持位置特定情報を取得する点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0070】
第3実施形態に係る無線通信装置1は、
図7に示したように、第1実施形態に係る無線通信装置1の構成に加えて、複数の光センサ(アンテナ選択手段の一部、保持位置検出器)56を備える。
【0071】
第3実施形態に係る無線通信装置1には、外部に開口する開口部が複数形成される。本例では、複数の開口部は、無線通信装置1の4つの隅部のそれぞれに配置される。
光センサ56は、複数の開口部のそれぞれに対して1つずつ配設される。各光センサ56は、開口部を介して外部から入射する光の強度を検出する。
【0072】
制御部51は、光センサ56により検出された光の強度に基づいて保持位置を検出する。本例では、制御部51は、予め設定された基準値よりも小さい光の強度が検出された位置を保持位置として検出する。本例では、保持位置は、第1の保持位置と、第2の保持位置と、のいずれか一方である。第1の保持位置は、装置回転位置が第1の装置回転位置である場合に、無線通信装置1の下側に位置する2つの隅部である。第2の保持位置は、装置回転位置が第2の装置回転位置である場合に、無線通信装置1の下側に位置する2つの隅部である。
【0073】
制御部51は、検出された保持位置を表す保持位置情報を保持位置特定情報として取得する。
本例では、制御部51が備える記憶装置は、第1の保持位置を表す保持位置特定情報と、第1のアンテナ43を特定するためのアンテナ特定情報と、を対応付けて記憶するとともに、第2の保持位置を表す保持位置特定情報と、第2のアンテナ42を特定するためのアンテナ特定情報と、を対応付けて記憶している。そして、制御部51は、取得された保持位置特定情報と対応付けて記憶装置に記憶されているアンテナ特定情報により特定されるアンテナを選択する。
【0074】
この第3実施形態に係る無線通信装置によっても、第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0075】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る無線通信装置について
図8を参照しながら説明する。
第4実施形態に係る無線通信装置100は、無線通信を行う装置である。
【0076】
更に、この無線通信装置100は、
互いに異なる位置に配置された複数のアンテナ101a,101b,…と、
ユーザが無線通信装置100を保持している位置である保持位置を特定するための保持位置特定情報を取得し、複数のアンテナ101a,101b,…の中から、当該取得された保持位置特定情報により特定される保持位置と異なる位置に配置されたアンテナを選択するアンテナ選択部(アンテナ選択手段)102と、
を備え、
上記選択されたアンテナを介して無線通信を行うように構成される。
【0077】
保持位置に配置されたアンテナが送受信する無線信号は、ユーザ(の手)により減衰させられる。即ち、このアンテナを介した無線通信の品質は、低下(劣化)しやすい。そこで、上記のように無線通信装置100を構成することにより、無線通信装置100は、保持位置と異なる位置に配置されたアンテナを介して無線通信を行うことができる。この結果、無線通信の品質が過度に低下することを防止することができる。
【0078】
更に、上記構成によれば、受信レベルを検出する回路を設けるとともに、検出した受信レベルを比較するための回路を設ける必要がない。従って、無線通信装置100の大きさを小さくすることができる。また、検出した受信レベルを比較するための処理を処理装置が実行する必要がないので、無線通信装置100が処理装置を備える場合には処理負荷が過大となることを防止することもできる。
【0079】
この場合、上記無線通信装置は、
上記保持位置特定情報と、上記アンテナを特定するためのアンテナ特定情報と、を対応付けて記憶する情報記憶手段を備え、
上記アンテナ選択手段は、上記取得された保持位置特定情報と対応付けて上記記憶されているアンテナ特定情報により特定される上記アンテナを選択するように構成されることが好適である。
【0080】
この場合、上記無線通信装置は、
画像を表す画像情報を生成する画像情報生成手段と、
上記生成された画像情報が表す画像を表示する表示器と、
を備え、
上記画像情報生成手段は、上記表示器に対する上記画像の回転位置である画像回転位置を、互いに異なる複数の画像回転位置から選択し、当該選択した画像回転位置を有する画像を表す上記画像情報を生成するように構成され、
上記アンテナ選択手段は、上記選択された画像回転位置を表す画像回転位置情報を上記保持位置特定情報として取得するように構成されることが好適である。
【0081】
ところで、表示器に対する画像の回転位置が変化した場合、ユーザは、保持位置を変更することが多い。従って、上記構成によれば、実際の保持位置に応じた保持位置特定情報を高い精度にて取得することができる。
【0082】
この場合、上記アンテナ選択手段は、上記選択された画像回転位置が変化した時点から、予め設定された遅延時間が経過した後に、当該変化後の画像回転位置を表す画像回転位置情報を上記保持位置特定情報として取得するように構成されることが好適である。
【0083】
ところで、表示器に表示される画像の画像回転位置が変化した場合、画像回転位置が変化した時点から、ユーザが無線通信装置の保持位置を変更するまでには、遅延時間を要することが多い。従って、上記構成によれば、実際に保持位置が変化したタイミングと、選択されるアンテナを変更するタイミングと、をより一層近づけることができる。この結果、無線通信の品質が過度に低下することをより一層確実に防止することができる。
【0084】
また、上記無線通信装置の他の態様において、
上記アンテナ選択手段は、ユーザに対する上記無線通信装置の回転位置である装置回転位置を検出し、当該検出された装置回転位置を表す装置回転位置情報を上記保持位置特定情報として取得するように構成されることが好適である。
【0085】
ところで、ユーザは、ユーザに対する無線通信装置の回転位置を変更する際、保持位置を変更することが多い。従って、上記構成によれば、実際の保持位置に応じた保持位置特定情報を高い精度にて取得することができる。
【0086】
この場合、上記アンテナ選択手段は、地磁気を検出する地磁気センサを含み、当該地磁気センサにより検出された地磁気に基づいて上記装置回転位置を検出するように構成されることが好適である。
【0087】
また、上記無線通信装置の他の態様において、
上記アンテナ選択手段は、上記保持位置を検出し、当該検出された保持位置を表す保持位置情報を上記保持位置特定情報として取得するように構成されることが好適である。
【0088】
この場合、上記アンテナ選択手段は、光の強度を検出する光センサを含み、当該光センサにより検出された光の強度に基づいて上記保持位置を検出するように構成されることが好適である。
【0089】
また、本発明の他の態様に係る無線通信装置は、
画像を表す画像情報を生成する画像情報生成手段と、
上記生成された画像情報が表す画像を表示する表示器と、
を備え、
上記画像情報生成手段は、上記表示器に対する上記画像の回転位置である画像回転位置を、互いに異なる複数の画像回転位置から選択し、当該選択した画像回転位置を有する画像を表す上記画像情報を生成するように構成され、
上記アンテナ選択手段は、ユーザに対する上記無線通信装置の回転位置である装置回転位置を検出し、当該検出された装置回転位置を表す装置回転位置情報と、上記選択された画像回転位置を表す画像回転位置情報と、に基づいて上記保持位置特定情報を取得するように構成されることが好適である。
【0090】
これによれば、装置回転位置情報及び画像回転位置情報のいずれか一方に基づいて保持位置特定情報を取得する場合よりも、実際の保持位置に応じた保持位置特定情報を高い精度にて取得することができる。
【0091】
この場合、上記複数のアンテナは、
ユーザに対する当該無線通信装置の回転位置である装置回転位置が第1の装置回転位置である場合に、当該ユーザとの間の距離が最も長くなる端部である第1の端部に配置された第1のアンテナと、
上記装置回転位置が、上記第1の装置回転位置と異なる第2の装置回転位置である場合に、上記ユーザとの間の距離が最も長くなる端部である第2の端部に配置された第2のアンテナと、
を含み、
上記アンテナ選択手段は、上記第1のアンテナ及び上記第2のアンテナのいずれか一方を選択するように構成されることが好適である。
【0092】
ところで、ユーザは、無線通信装置の端部のうちの、当該ユーザとの間の距離が最も短くなる端部を保持することが多い。従って、上記構成によれば、装置回転位置が第1の装置回転位置である場合には、第1のアンテナの位置が保持位置と異なる位置となり、一方、装置回転位置が第2の装置回転位置である場合には、第2のアンテナの位置が保持位置と異なる位置となる。この結果、無線通信装置は、装置回転位置が第1の装置回転位置及び第2の装置回転位置のいずれである場合においても、保持位置と異なる位置に配置されたアンテナを確実に選択することができる。
【0093】
また、本発明の他の形態である携帯電話装置は、無線通信を行う装置である。
更に、この携帯電話装置は、
互いに異なる位置に配置された複数のアンテナと、
ユーザが当該携帯電話装置を保持している位置である保持位置を特定するための保持位置特定情報を取得し、上記複数のアンテナの中から、当該取得された保持位置特定情報により特定される保持位置と異なる位置に配置されたアンテナを選択するアンテナ選択手段と、
を備え、
上記選択されたアンテナを介して無線通信を行うように構成される。
【0094】
この場合、上記携帯電話装置は、
上記保持位置特定情報と、上記アンテナを特定するためのアンテナ特定情報と、を対応付けて記憶する情報記憶手段を備え、
上記アンテナ選択手段は、上記取得された保持位置特定情報と対応付けて上記記憶されているアンテナ特定情報により特定される上記アンテナを選択するように構成されることが好適である。
【0095】
この場合、上記携帯電話装置は、
画像を表す画像情報を生成する画像情報生成手段と、
上記生成された画像情報が表す画像を表示する表示器と、
を備え、
上記画像情報生成手段は、上記表示器に対する上記画像の回転位置である画像回転位置を、互いに異なる複数の画像回転位置から選択し、当該選択した画像回転位置を有する画像を表す上記画像情報を生成するように構成され、
上記アンテナ選択手段は、上記選択された画像回転位置を表す画像回転位置情報を上記保持位置特定情報として取得するように構成されることが好適である。
【0096】
また、上記携帯電話装置の他の態様において、
上記アンテナ選択手段は、ユーザに対する上記携帯電話装置の回転位置である装置回転位置を検出し、当該検出された装置回転位置を表す装置回転位置情報を上記保持位置特定情報として取得するように構成されることが好適である。
【0097】
また、上記携帯電話装置の他の態様において、
上記アンテナ選択手段は、上記保持位置を検出し、当該検出された保持位置を表す保持位置情報を上記保持位置特定情報として取得するように構成されることが好適である。
【0098】
また、本発明の他の形態である無線通信方法は、
互いに異なる位置に配置された複数のアンテナを備えるとともに、無線通信を行う無線通信装置に適用され、
ユーザが当該無線通信装置を保持している位置である保持位置を特定するための保持位置特定情報を取得し、
上記複数のアンテナの中から、上記取得された保持位置特定情報により特定される保持位置と異なる位置に配置されたアンテナを選択し、
上記選択されたアンテナを介して無線通信を行う方法である。
【0099】
この場合、上記無線通信方法は、
上記保持位置特定情報と、上記アンテナを特定するためのアンテナ特定情報と、を対応付けて記憶する記憶装置に、上記取得された保持位置特定情報と対応付けて記憶されているアンテナ特定情報により特定される上記アンテナを選択するように構成されることが好適である。
【0100】
この場合、上記無線通信装置は、画像情報が表す画像を表示する表示器を備え、
上記無線通信方法は、
上記表示器に対する上記画像の回転位置である画像回転位置を、互いに異なる複数の画像回転位置から選択し、
上記選択された画像回転位置を有する画像を表す上記画像情報を生成し、
上記選択された画像回転位置を表す画像回転位置情報を上記保持位置特定情報として取得するように構成されることが好適である。
【0101】
また、本発明の他の態様に係る無線通信方法は、
ユーザに対する上記無線通信装置の回転位置である装置回転位置を検出し、
上記検出された装置回転位置を表す装置回転位置情報を上記保持位置特定情報として取得するように構成されることが好適である。
【0102】
また、本発明の他の態様に係る無線通信方法は、
上記保持位置を検出し、
上記検出された保持位置を表す保持位置情報を上記保持位置特定情報として取得するように構成されることが好適である。
【0103】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
互いに異なる位置に配置された複数のアンテナを備えるとともに、無線通信を行う無線通信装置に、
ユーザが当該無線通信装置を保持している位置である保持位置を特定するための保持位置特定情報を取得し、上記複数のアンテナの中から、当該取得された保持位置特定情報により特定される保持位置と異なる位置に配置されたアンテナを選択するアンテナ選択手段を実現させるとともに、
上記選択されたアンテナを介して無線通信を行わせる。
【0104】
この場合、上記アンテナ選択手段は、上記保持位置特定情報と、上記アンテナを特定するためのアンテナ特定情報と、を対応付けて記憶する記憶装置に、上記取得された保持位置特定情報と対応付けて記憶されているアンテナ特定情報により特定される上記アンテナを選択するように構成されることが好適である。
【0105】
この場合、上記無線通信装置は、画像情報が表す画像を表示する表示器を備え、
上記無線通信装置に、更に、
画像を表す画像情報を生成する画像情報生成手段を実現させるとともに、
上記画像情報生成手段は、上記表示器に対する上記画像の回転位置である画像回転位置を、互いに異なる複数の画像回転位置から選択し、当該選択した画像回転位置を有する画像を表す上記画像情報を生成するように構成され、
上記アンテナ選択手段は、上記選択された画像回転位置を表す画像回転位置情報を上記保持位置特定情報として取得するように構成されることが好適である。
【0106】
また、上記プログラムの他の態様において、
上記無線通信装置は、ユーザに対する上記無線通信装置の回転位置である装置回転位置を検出する装置回転位置検出器を備え、
上記アンテナ選択手段は、上記検出された装置回転位置を表す装置回転位置情報を上記保持位置特定情報として取得するように構成されることが好適である。
【0107】
また、上記プログラムの他の態様において、
上記無線通信装置は、上記保持位置を検出する保持位置検出器を備え、
上記アンテナ選択手段は、上記検出された保持位置を表す保持位置情報を上記保持位置特定情報として取得するように構成されることが好適である。
【0108】
上述した構成を有する、携帯電話装置、無線通信方法、又は、プログラム、の発明であっても、上記無線通信装置と同様の作用を有するために、上述した本発明の目的を達成することができる。
【0109】
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0110】
例えば、上記各実施形態において、無線通信装置1は、折り畳み式の装置であったが、第1の本体部と、第2の本体部と、を平行に移動可能に構成されたスライド式の装置であってもよい。また、無線通信装置1は、1つの本体部からなるストレート式の装置であってもよい。
【0111】
また、上記各実施形態において、無線通信装置1は、携帯電話装置であったが、PDA(Personal Data Assistance)、ノートパソコン(ラップトップパソコン)、電子辞書装置、スマートフォン、PHS(Personal Handyphone System)、オーディオ装置、ナビゲーション装置又はゲーム機等であってもよい。
【0112】
なお、上記各実施形態において無線通信装置1の各機能は、回路等のハードウェアにより実現されていた。ところで、無線通信装置1は、処理装置が記憶装置に記憶されているプログラムを実行することにより、各機能を実現するように構成されていてもよい。この場合、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0113】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0114】
なお、本発明は、日本国にて2009年10月19日に出願された特願2009−240141の特許出願に基づく優先権主張の利益を享受するものであり、当該特許出願にて開示された内容のすべてが本明細書に含まれるものとする。