(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
動作及び非動作のいずれかを設定可能なハンズフリー通話機能を有する通信端末が通信回線を介して受信した音声メッセージを、当該通信端末が備える外部スピーカにて音声出力する動作を制御する方法において、
ハンズフリー通話機能の動作及び非動作のいずれかを設定する段階と、
受信した前記音声メッセージを文字言語情報に変換する音声認識段階と、
通信端末のユーザ以外の者に受信メッセージに応じた音声信号を聞かせてよいか否かを判定するため、前記音声認識段階にて変換した文字言語情報に予め定められた一字以上の文字からなる文字列解析情報の文字列が含まれるか否かを解析するメッセージ解析段階と、
前記ハンズフリー通話機能が動作する設定のときには、前記メッセージ解析段階の結果に応じて、受信した前記音声メッセージに対応する音声信号を生成して前記外部スピーカを介して出力する一方、前記ハンズフリー通話機能が非動作の設定のときには、受信した前記音声メッセージに対応する音声信号の生成を行なわない段階と
を含むことを特徴とするメッセージの音声出力制御方法。
動作及び非動作のいずれかを設定可能なハンズフリー通話機能を有する通信端末の動作を制御する制御装置にて実行されるコンピュータプログラムを記録した記録媒体において、
通信回線を介して通信端末が受信した音声メッセージを、当該通信端末が備える外部スピーカにて音声出力する動作を制御するコンピュータプログラムであって、
ハンズフリー通話機能の動作及び非動作のいずれかを設定する手順と、
受信した前記音声メッセージを文字言語情報に変換する音声認識手順と、
通信端末のユーザ以外の者に受信した前記音声メッセージに応じた音声信号を聞かせてよいか否かを判定するため、前記音声認識手順により変換した文字言語情報に予め定められた一字以上の文字からなる文字列解析情報の文字列が含まれるか否かを解析するメッセージ解析手順と、
前記ハンズフリー通話機能が動作する設定のときには、前記メッセージ解析手順の結果に応じて、受信した前記音声メッセージに対応する音声信号を生成して前記外部スピーカを介して出力する一方、前記ハンズフリー通話機能が非動作の設定のときには、受信した前記音声メッセージに対応する音声信号の生成を行なわない手順と
を前記制御装置に実行させることを特徴とするコンピュータプログラムを記録した記録媒体。
動作及び非動作のいずれかを設定可能なハンズフリー通話機能を有する通信端末が通信回線を介して受信した音声メッセージを、当該通信端末が備える外部スピーカにて音声出力する動作を制御する方法において、
ハンズフリー通話機能の動作及び非動作のいずれかを設定する段階と、
前記音声メッセージに対応する音声信号の特徴を抽出して音声信号パターン情報を出力する音声分析段階と、
音声信号の特徴情報が含まれる予め定められた音声信号パターン解析情報に基づいて、前記音声分析段階で出力した音声信号パターン情報を解析する解析処理を実行するメッセージ解析段階と、
前記ハンズフリー通話機能が動作する設定のときには、前記解析処理の結果に応じて前記音声メッセージに対応する音声信号を生成して前記外部スピーカを介して出力する一方、前記ハンズフリー通話機能が非動作の設定のときには、前記音声メッセージに対応する音声信号の生成を行なわない段階と
を含むことを特徴とするメッセージの音声出力制御方法。
動作及び非動作のいずれかを設定可能なハンズフリー通話機能を有する通信端末の動作を制御する制御装置にて実行されるコンピュータプログラムを記録した記録媒体において、
通信回線を介して通信端末が受信した音声メッセージを、当該通信端末が備える外部スピーカにて音声出力する動作を制御するコンピュータプログラムであって、
ハンズフリー通話機能の動作及び非動作のいずれかを設定する手順と、
前記音声メッセージに対応する音声信号の特徴を抽出して音声信号パターン情報を出力
する音声分析手順と、
音声信号の特徴情報が含まれる予め定められた音声信号パターン解析情報に基づいて、
前記音声分析手順で出力した音声信号パターン情報を解析する解析処理を実行するメッセージ解析手順と、
前記ハンズフリー通話機能が動作する設定のときには、前記解析処理の結果に応じて前記音声メッセージに対応する音声信号を生成して前記外部スピーカを介して出力する一方、前記ハンズフリー通話機能が非動作の設定のときには、前記音声メッセージに対応する音声信号の生成を行なわない手順と
を前記制御装置に実行させることを特徴とするコンピュータプログラムを記録した記録媒体。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態を表す機能ブロック図である。このプライバシー保護装置の実施例は、携帯電話端末100の機能の一部として実装された場合を示している。本発明は、携帯電話端末に限らず、携帯情報端末などの、メッセージの受信が可能であり、端末自身がハンズフリー機能を有する、あるいは外部の機器を接続することによってハンズフリー機能に対応する情報処理装置を対象として実施可能である。
【0015】
携帯電話端末100は、通常のメール機能が備わった携帯電話端末と同様に、無線回路108と、メール処理回路109と、通話回路107と、通話回路に含まれるマイク107aとスピーカ107bと、音声通話やメールの着信を知らせる着信音出力回路106と、メール読み上げ機能のための、音声合成回路103と、音声合成回路103を制御してハンズフリー機能を制御するためのハンズフリー機能制御回路105と、受信されたメールを、メールの受信時刻その他の情報とともに格納するメール情報格納回路102と、前記メール情報格納回路102に格納されたメール情報を表示するメール情報表示回路101と、解析情報リストであるキーワードリスト110と、アンテナ113と、メール解析回路104とを備えている。
【0016】
前記メール情報格納回路102に格納される情報としては、前記メールの受信時刻以外に、メール本文のテキストデータ、発信者や題名などのメールヘッダのテキストデータ、さらにメールが開封されたのか否かを示す、メールの開封・未開封情報、さらにメール解析結果などを格納する。
【0017】
ここで、メールの開封未開封の情報は、メールが、メール読み上げ機能により読み上げられた時に、該メールを開封済みの状態とし、プライバシー保護機能によりメール読み上げが抑止され、結果としてメールが読み上げられていない時に未開封の状態とする。あるいは、メール表示機能によってメール本文が1度でも表示された場合に、該メールを開封済み状態とし、一度も表示されていない時に未開封とする、通常のメールの開封および未開封の状態情報と共有しても良い。これらの情報は、情報端末使用者がメール情報表示回路101によりメールの情報を呼び出して、図示されていない表示装置に表示させる際に、メールの情報と合わせて表示される。
【0018】
さらに携帯電話端末100は、プライバシー保護機能を操作するためのユーザインターフェースを司るプライバシー保護操作部114と、前記プライバシー保護機能操作部114に含まれる、前記キーワードリスト110の設定を行うプライバシー保護情報入力回路112と、前記キーワードリスト110の情報を表示するプライバシー保護情報表示回路111とを有する。
【0019】
ここで、メール情報表示回路101と、プライバシー保護操作部114は、携帯電話端末100のユーザインターフェースの特定の一部機能を表すものであり、図には示されていない、携帯電話端末100のユーザインターフェース機能に統合されるものであっても良い。
【0020】
キーワードリスト110には、受信されたメールの解析で用いられる、1文字以上の文字列からなるキーワードと、設定されたキーワードそれぞれに対して設定される属性情報を1組の解析情報として、1組以上の解析情報が格納される。
【0021】
キーワードは、例えば会社名や人名などの名詞その他の単語、あるいは、より長い、文字数の多い、文章などでも良い。またキーワードは後述の論理条件の指定と共に複数指定されても良い。
【0022】
またキーワードの属性情報とは、メールデータの特定の範囲をメール解析の対象として指定するための解析範囲情報と、そのキーワードに関する論理条件と、設定されたキーワードそれぞれの解析を有効とするか否かの有効無効情報と、設定されたキーワードがどのグループに含まれるかを示す、グループ情報などがある。
【0023】
属性情報のうち、解析範囲情報とは、具体的には、メール本文や、あるいは、題名や発信元などのメールヘッダ部の特定部分を、解析対象として1箇所以上指定することにより、解析の対象とする範囲を限定するための情報となる。
【0024】
属性情報のうち、論理条件とは、メール解析回路104が解析情報を用いてメールデータを解析する際の、解析情報に対する解析の条件を、論理演算表現により指定する情報を指す。例えば、キーワードが解析範囲情報に指定された解析範囲に含まれなかった場合に条件成立とみなして真とするNOT条件や、あるいは、逆にキーワードのすべてが、解析範囲に含まれていた場合に真とするAND条件や、さらにはまた、指定されたキーワードのいずれかが解析範囲に含まれた場合に真とするOR条件などが論理条件となる。
【0025】
解析情報に、複数のキーワードと論理条件と解析範囲を指定することにより、携帯電話端末100の使用者は、より高度で柔軟なハンズフリー機能の使用可否判断の設定をすることができる。例えば、複数のメールアドレスを用いている送信者からのメールを、確実に判断する設定を、柔軟に、かつ、簡潔に設定することが可能となる。この柔軟性は、複数のメールアドレスを想定して、送信元や送信先のアドレスを複数指定して設定可能であるということに留まらない。例えば、メールにおいては、本文冒頭あるいは末尾で、To:、From:や、一般の通信文と同じく「殿、様」という文言・文字送信者が自らの名前を名乗った文言や、あて先、送付先を含んだ文言が付与されることも多い。そのような文言を対象に、本発明のキーワードと属性条件を設定すれば、特定の人物や会社名がメッセージ中に含まれることを検出することにより、それら特定の人物や会社が関係したと考えられる、すべてのメールに、プライバシー保護を設定することなどが可能となる。
【0026】
属性情報のうち、グループ情報とは、複数設定されるキーワードを組み合わせて使用することを容易にするものである。例えば、グループ名を、取引先Aや取引先B、あるいは家族などとし、それらのグループに1つ以上のキーワードを登録する。グループと、グループに属するキーワードの設定後は、グループ名を指定するだけで、グループに登録された複数キーワードをまとめて指定して、有効・無効などの設定を行うことを可能とする。
【0027】
メール解析回路104は、受信されたメールに対して、キーワードリストの中の、有効と設定された解析情報すべてに対して、あるいは、グループで有効と設定されている解析情報のすべてについて、解析情報のそれぞれに設定された属性情報に従って、メールデータを解析して解析結果を出力する。解析結果をもって、ハンズフリー制御の要否判断が行われる。
【0028】
またメール解析回路104は特殊解析として、正規表現等の特殊な検索処理が可能であるように実装しても良い。
【0029】
図1に示される外部ハンズフリー通話装置300は、携帯電話端末とは別の、ハンズフリー通話のための外部の装置を示している。例えば、自動車の運転者が運転中に携帯電話で通話するための、車載用ハンズフリー通話装置などである。
【0030】
外部装置インターフェース200は、前記外部ハンズフリー通話装置300と携帯電話端末100を接続するインターフェースであり、携帯電話端末と外部装置との接続に用いられる一般的なインターフェースと同様であり、例えばUniversal Serial Bus(USB)などのケーブル接続によるデジタルインターフェースによる接続や、同じく、ケーブル接続による音声出力・入力ジャックなどのアナログインターフェース、あるいは赤外線インターフェースやBluetooth(登録商標)などの、その他のワイヤレスインターフェースであっても良い。
【0031】
本実施の形態においては、携帯電話端末100に具備された通話用のスピーカ107bを用いて、ハンズフリー機能を用いる場合と、外部に外部ハンズフリー通話装置300を、外部装置インターフェースを介して別途接続してハンズフリー機能を用いる場合とが、携帯電話端末100の使用者によって選択的に、あるいは、外部装置インターフェースと外部ハンズフリー通話装置300が接続された状態をもって自動的に切り替えて、使用することが可能であるような携帯電話端末を表している。
【0032】
次に、
図2を参照しながら、解析情報リストの設定、および表示、さらに受信されたメールの表示動作について説明する。
図2は、携帯電話端末100の使用者が、携帯電話端末100のユーザインターフェースを通して行うプライバシー保護設定の操作に沿って、解析情報リストの設定や表示の処理が行われる様子を示している。携帯電話端末使用者は、図示されていないユーザインターフェースの操作画面に表示されるメニューの選択や入力ダイアログへの入力を、図示されていないボタン等により、文字列や所定の入力を行って操作を行う。
図2に示される処理は、
図1のプライバシー保護機能操作部114に含まれるプライバシー保護情報表示回路111と、プライバシー設定入力回路112、さらにメール情報表示回路101とに関する。
【0033】
図2のステップS100は、携帯電話端末使用者が、図示されていない携帯電話端末100のユーザインターフェースによりプライバシー保護設定開始の操作を行った状態を示す。ステップS100に続くステップS102の処理で、メール情報表示回路101とプライバシー情報表示回路111とプライバシー保護設定入力回路112の処理はキーワード設定と、キーワードグループ有効・無効設定と、設定表示と、プライバシー保護機能開始/停止切替に分岐する。これは、前記101、111、112の3つ回路には、4つの主たる処理があることを示している。
【0034】
解析情報のキーワードが設定される処理を説明する。はじめにステップS201で、1つ、あるいは複数のキーワードの文字列を携帯端末使用者が入力する。この入力と、以降のステップS202からS220までの一連の情報入力は、携帯端末使用者のプライバシー保護情報入力回路114に対して操作することで行われる。ステップ201で入力されたキーワードや、以降のステップ202からS220で入力される情報はキーワードリスト110に、一連の解析情報として格納される。
【0035】
携帯端末使用者は、直前で入力されたキーワードが、どのグループに属するかをステップS202で指定する。ここで新規なグループを新たに入力して設定しても良いし、あるいは、既にグループが過去に設定済みであれば、設定済みのグループを呼び出して指定しても良い。特定のグループに属することを指定しない場合は、このステップを飛ばしても良い。
【0036】
次に携帯端末使用者が、ステップS203で、直前に入力されたキーワードが対象とする解析範囲を指定する。ここでは、メール本文と題名を含むなどの、解析対象として含む範囲を複数個所指定しても良いし、発信元と送信先以外の箇所といったように、解析対象として除外する範囲を複数個所指定しても良い。次にステップS205で、ステップS201で入力された1つ以上のキーワードに対して論理条件、AND条件、OR条件、NOT条件などを入力する。
【0037】
以上のステップS201からステップS205までの処理で携帯端末使用者により入力された、キーワードの文字列と、解析範囲情報と、論理条件と、グループ情報は、1組の解析情報として、解析情報リストであるキーワードリスト110に格納される。携帯端末使用者がステップS201からS205までの一連の操作を繰り返し行うことで、キーワードリスト110に複数組の解析情報が格納される。
【0038】
キーワードグループの有効・無効の設定の処理を説明する。有効・無効の設定は、ステップS201からS220までと同様に携帯端末使用者のプライバシー保護情報入力回路114に対して操作することで行われる。はじめにステップS301で、携帯端末使用者が設定対象のグループを選択する。次にステップS302で、携帯端末使用者が有効から無効へ、あるいは、逆に無効から有効への設定切替を行う。ここで前記キーワード設定の時に明示的にグループに属することを指定されなかったキーワードに対しては、キーワード個別に有効・無効を設定可能としても良いし、または、グループ指定のないキーワードとして一括して有効・無効を設定可能としても良い。
【0039】
この有効・無効情報は、解析情報の属性情報の有効無効情報として、キーワードリスト110の対応する解析情報の領域に格納される。グループの設定を有効とすれば、キーワードリスト110に格納された解析情報のうち、このグループと同じグループと指定されたすべての解析情報の有効無効情報に、有効を示す情報が格納される。(以下、「有効とされた」と書く)同様に無効とすれば、同じグループの解析情報のすべてが無効を示す情報が格納される。(以下、「無効とされた」と書く)有効とされたすべての解析情報は、メール受信時に解析処理に用いられる。
【0040】
このグループ情報によって、携帯電話端末使用者は、複数のキーワードの使用の有無を、時々の状況に応じて容易に設定を切り替えることが可能となる。グループに指定の無いキーワードに対する有効・無効設定においても同様である。また、さらにハンズフリー機能の制御に関する有効・無効設定とは別に、ここで着信音の制御に関する有効・無効を別途設定しても良い。
【0041】
次に設定表示機能について説明する。設定表示機能は、プライバシー保護情報表示回路111あるが、ステップS201からS220あるいは、ステップS301からS303の処理によって、キーワードリスト110に格納された情報を読み出して表示することによって行われる。
【0042】
ステップS401で携帯電話端末使用者が表示するべき情報の選択を行って、選択された情報をステップS402で表示する。本実施例においてはプライバシー情報表示回路111がキーワードリスト110に保持された情報を読み出して、図示されていない表示回路に表示するか、あるいは、メール情報表示回路101がメール情報格納回路102に保持された情報を、図示されていない表示回路に表示する。
【0043】
キーワードリストの表示の場合は、プライバシー保護情報表示回路111は、キーワードリスト110に格納された複数の解析情報を読み出して、キーワードと属性情報を図示されていない操作画面にリストとして表示する。
【0044】
メール情報の表示の場合は、メール情報格納回路102に格納されたメール情報を、メール情報表示回路101によって、図示されていない操作画面にリストとして表示する。ここで表示される情報はメール情報格納回路に格納された一連の情報であり、メール本文、ヘッダ情報、受信時刻に加え、メール解析回路104によって解析した結果や、メールが開封されたか否か、あるいはハンズフリー機能によって読み上げが行われたか否かを示す情報が表示される。
【0045】
プライバシー保護機能開始/停止切替の設定処理を説明する。ステップS501で、携帯電話端末使用者の入力により、停止しているプライバシー保護機能を開始するのか、あるいは、既に動作中のプライバシー保護機能を停止するのかの切替の設定が行われる。
【0046】
この切替設定により、プライバシー保護機能が開始され、動作している場合で、かつ、ハンズフリー通話が動作するように携帯電話端末100が設定されている状態において、プライバシー保護機能が、設定に応じて、ハンズフリー通話動作時のメール読み上げを抑止するように動作する。
【0047】
以下の説明では、プライバシー保護機能が開始され動作中に切り替えられた場合を、プライバシー機能有効状態とし、逆の場合を無効状態と記す。プライバシー機能有効・無効の設定情報が格納される場所は、機能ブロック図に示されていないが、プライバシー保護機能が動作する際に適宜読み出し可能であるような場所、例えば所定のメモリに保持すれば良い。
【0048】
次に、メール受信時の動作について、
図3のフロー図を用いて説明する。このフロー図は、携帯電話端末100が、ハンズフリー通話機能で動作するよう設定されている状態で、メール着信した場合の動作を示す。
【0049】
S601でメールが着信すると、次にメール処理回路109でメールデータを受信する(ステップS602)。
【0050】
次にメール解析ステップS603では、メール解析回路104が、メールデータを解析して、後段のプライバシー保護の要否判断ステップS604で判断を下すための解析結果を出力する。
【0051】
メール解析ステップS603では初めに、プライバシー保護機能が有効か無効か、いずれの設定状態であるのかをステップS620での情報により確認する。
【0052】
ここでプライバシー保護機能が無効であった場合は、メール解析回路104は、メールデータの内容によらず常に、プライバシー保護が不要の解析結果情報を出力する。
【0053】
プライバシー保護機能が有効であった場合には、メール解析処理ステップS603では、メール解析回路104は、キーワードリスト110から、属性情報の有効無効情報が有効と設定されたキーワードとその属性情報からなる解析情報を読み込む(
図3のS630)。メール解析回路104は、メール処理回路109からメールデータを受け取り、前段で読み込まれた解析情報それぞれに関してメールデータの解析を行う。
【0054】
解析情報に従ったメールの解析が成立した場合、例えば、キーワードを含む時に真とすると属性情報の論理条件として設定されたキーワードが、属性情報の解析範囲情報に指定されたメールデータの範囲の中で検出された場合には、メール解析回路104は、後段のプライバシー保護要否判断ステップS604へ、プライバシー保護が必要との結果を出力する。それと同時にステップS603で、メール解析回路104は、メールデータおよびメール解析の結果その他、メールの受信時刻などの情報をメール情報格納回路102へと格納する。
【0055】
前段のメール解析処理ステップS603でのプライバシー保護要否判断に基づき、メール解析回路104からハンズフリー機能制御回路105と着信音出力回路106への出力内容が切り替わり、その結果、プライバシー保護判断ステップS604で、その後の処理が分岐される。
【0056】
メール解析回路104での解析が、1つ以上の解析情報の解析が成立し、プライバシー保護が必要との結果であった場合には、メール解析回路104からハンズフリー機能制御回路105と着信音出力回路106への出力は、ハンズフリー動作の抑止を指示する信号となる。ハンズフリー機能制御回路105は、メール解析回路104からの信号に基づいて、該メールの読み上げを抑止し、同時に着信音出力回路106は着信音の出力を抑止する。さらにメール解析回路104は、メールが未開封である旨の情報を、メール格納回路S640に記録する(ステップS610)。この結果、携帯電話端末使用者の設定条件に応じて、メールの内容が音声として読み上げられることはおろか、メール着信時の着信音すら鳴らないので、メールの存在を示す音声が携帯電話端末の周囲に漏洩されずに、プライバシー保護が実現される。また、ここでは、着信音とメール読み上げとを同一に制御しているが、着信音とメール読み上げを別に制御するよう、キーワードの有効・無効条件を設定して、個別に制御しても良い。
【0057】
メール解析回路104での解析が、1つの解析情報の解析も成立せず、プライバシー保護が不要との結果であった場合には、メール解析回路104からハンズフリー機能制御回路105と着信音出力回路106への出力は、ハンズフリー動作を指示する信号となる。着信音出力回路106は、メール解析回路104からの信号に基づき、着信されたことを報知するための着信音を出力する。さらにハンズフリー機能制御回路105は、メール解析回路104からの信号に基づいて、該メールを読み上げるよう、音声合成回路103を制御する。音声合成回路103は、メール情報格納回路から該メールのメールデータを読み出して、メールの読み上げ音声を合成し(ステップ606)、生成された音声信号を、外部ハンズフリー装置インターフェース200あるいは通話回路107の通話用スピーカ107bに出力する(S607および107c)。外部ハンズフリーインターフェース200に出力して外部ハンズフリー装置300を用いるか、あるいは、携帯電話端末100に具備された通話用スピーカ107bによって出力するかは、携帯電話端末100の設定状態に応じて選択される。
【0058】
最後にメール解析回路104は、受信されたメールはハンズフリー機能によってメールが読み上げられ、開封されたことを示す情報をメール情報格納回路102に格納する(S608)。
【0059】
(実施例2)
第2の実施例を、
図4を用いて説明する。なお、以下の説明では、第1の実施例と同様の内容となる箇所の、冗長な説明を省き、第1の実施例と異なる箇所に焦点を絞って説明する。
【0060】
第2の実施例では、ハンズフリー機能の使用の要否を判断するため、その内容を解析する対象が音声メッセージとなる。
【0061】
実施例2では、音声メッセージの蓄積や保存、あるいは呼び出しといった、音声メッセージの一連の機能を担う音声メッセージ処理回路420と、音声メッセージを認識し、文字言語情報422としてメッセージ解析回路に出力する音声認識回路409を備える。
【0062】
携帯電話端末100に、音声メッセージ処理が入力されると、その音声メッセージは、音声メッセージ処理回路420によって蓄積される。ハンズフリー機能が設定されていない状態では、携帯電話端末に受信・入力され、蓄積された音声メッセージは、ユーザの操作に応じて呼び出され、1件ごとに再生される。ハンズフリー機能が設定されて動作している状態の場合には、音声メッセージ処理回路は、音声メッセージを、音声信号として音声認識回路409に出力する。音声認識回路409は、入力された音声信号を認識し、文字言語情報としてメッセージ解析回路104に出力する。音声認識回路409によって、文字情報となった音声メッセージは、メッセージ解析回路104において、実施例1の場合と全く同様に、メッセージの内容に、特定のキーワードや文言が含まれるかを解析して、ハンズフリー機能使用の要否を判断し、制御する。
【0063】
実施例2においても、メッセージ中に特定のキーワードが含まれるか否かを、判断してハンズフリー機能使用要否を判断して制御するので、柔軟なプライバシー保護を実現できる。
【0064】
また、実施例2における音声メッセージは、留守番電話サービスのメッセージなどの、蓄積された伝言メッセージを対象としても良い。また、あるいは、着信した通話を、初めは留守番電話のメッセージを受けるように応答し、相手からの音声を、音声メッセージ420と、音声認識回路409と、メッセージ解析回路104とをリアルタイムで動作させても良い。その場合、着信後、留守番電話サービスへのメッセージとして発声される相手の音声を、メッセージ解析回路104で即時に解析し、解析された音声データに、事前にキーワードリスト410に、キーワードリストとともに設定された条件が成立した瞬間に、ハンズフリー通話に切り替える。これにより、音声メッセージの特定の内容を確認できた場合にのみ、確認された時点からハンズフリー機能により直接通話に切り替わり、特定の内容が確認できない場合には、終始、留守番設定された携帯電話端末への伝言メッセージとして蓄積させるような使用方法が可能となる。
【0065】
(実施例3)
第3の実施例を、
図5を用いて説明する。以下の説明では、第1の実施例と同様の内容となる箇所の、冗長な説明を省き、第1の実施例と異なる箇所に焦点を絞って説明する。
【0066】
実施例3では、ハンズフリー機能の使用の要否を判断する対象を、音声メッセージとする。
【0067】
第3の実施例では、実施例2と同様の音声メッセージ処理回路420と、音声分析回路509と、を備える。また、実施例1および実施例2のキーワードリスト410とは異なる、音声パターンリスト510を備える。また実施例1および実施例2のメッセージ解析回路とは異なる、音声パターン比較回路523を備える。
【0068】
実施例3では、音声メッセージ処理回路420から出力される音声メッセージを、音声分析回路509で分析する。音声分析回路509では、音声信号を分析し、音声信号の特徴を抽出して、音声信号パターン情報を音声パターン比較回路523に対して出力する。ここで音声信号パターン情報は、音声信号の特徴を表す情報であり、例えば話者特定が可能な声紋情報に相当する、音声スペクトル情報、音声ピッチ周波数、フォルマント、LPCパラメータ情報などを示す。また、音声パターンリスト510は、音声分析回路509によって出力される、音声信号パターン情報と同様の情報を、実施例1や実施例2のキーワードに替わって保持する。音声パターンリスト510への音声パターンの登録は、音声メッセージとして蓄積された音声メッセージから登録しても良いし(音声信号525)、あらたに携帯電話装置に対して音声を入力し、登録しても良い(音声信号524)。また音声パターンリスト510への音声パターンへの登録においては、実施例1や実施例2と同様に、登録する音声パターンごとに、論理条件を設定可能する。例えば、NOT条件によって、登録された音声パターンではないことを条件として設定しても良い。または、OR条件によって、複数の音声パターンのいずれかが含まれる場合を設定しても良い。さらに音声パターンリスト510への音声パターンへの登録においては、登録される音声パターンをグループ化しても良い。
【0069】
音声分析回路509から出力された音声信号パターン情報と、音声パターンリスト510に登録された音声パターンは、音声パターン比較回路523で比較され、ハンズフリー通話におけるプライバシー保護機能の使用要否が判断される。
【0070】
また、実施例2と同様に、実施例3の対象となる音声メッセージは、留守番電話サービスのメッセージなどの、蓄積された伝言メッセージを対象としても良いし、あるいは、着信される通話を、初めは留守番電話のメッセージを受けるように応答し、相手からの音声を、音声メッセージ420と、音声分析回路509と、音声パターン比較回路523とをリアルタイムで動作させても良い。その場合、着信直後には留守番電話サービスとして応答し、留守番電話サービスへのメッセージとして発声される相手の音声を、音声分析回路509と、音声パターン比較回路523で即時分析および比較して、音声データ内に、事前に音声パターンリスト510に音声パターンとして設定された音声との一致・不一致が判定され、音声パターンに対して設定された論理条件で判定結果が成立した瞬間に、ハンズフリー通話に切り替えるように動作させる。これにより、例えば、音声メッセージの特定の特徴を確認できた場合にのみ、確認された時点からハンズフリー機能により直接通話に切り替わり、特定の内容が確認できない場合には、終始、留守番設定された携帯電話端末への伝言メッセージとして蓄積させるような使用方法が可能となる。
【0071】
以上説明したように、本発明により、受信、着信した通信の内容に応じた、高度で柔軟なハンズフリー機能の制御が可能となり、ハンズフリー機能が不用意に動作して、音声が届く範囲の、通信内容を知られたくない他者に対して情報が漏れることを防止すると言う、本発明の目的が達成される。
【0072】
上記の実施形態及び実施例の一部又は全部は以下の付記のようにも記載されうるが、これらに限定されるものではない。
【0073】
(付記1)
動作及び非動作のいずれかを設定可能なハンズフリー通話機能を有する通信端末において、
音声通話の相手音声を出力する外部スピーカと、
メッセージ通信手段と、
前記メッセージ通信手段にて受信した受信メッセージに応じた音声信号を生成し、前記外部スピーカを介して出力する音声信号生成手段と、
前記受信メッセージに対して解析処理を行うメッセージ解析手段と、
前記ハンズフリー通話機能が動作する設定のときには、前記音声信号生成手段により、前記解析処理の結果に応じて音声信号を生成する一方、前記ハンズフリー通話機能が非動作の設定のときには、前記音声信号生成手段による音声信号の生成を行なわないハンズフリー機能制御手段と
を備えることを特徴とする通信端末。
【0074】
(付記2)
付記1に記載の通信端末において、前記メッセージ解析結果に応じてメッセージ着信音を制御する手段を更に備えることを特徴とする通信端末。
【0075】
(付記3)
付記1に記載の通信端末において、前記解析情報のうち少なくともひとつは、当該解析情報が予め定められたグループに属することを示す属性情報であるグループ情報を含むことを特徴とする通信端末。
【0076】
(付記4)
付記1に記載の通信端末において、
前記解析情報のうち少なくともひとつは、当該解析情報を用いての解析処理を実行するか否かを示す属性情報である有効・無効情報を含み、
前記メッセージ解析回路は、前記有効・無効情報に応じて前記解析情報毎に解析処理を行うか否かを切り替える
ことを特徴とする通信端末。
【0077】
(付記5)
付記1に記載の通信端末において、前記解析情報リスト格納回路が格納中の前記解析情報を表示する手段を更に備えることを特徴とする通信端末。
【0078】
(付記6)
付記1に記載の通信端末において、前記メッセージ解析処理の結果を出力する手段を更に備えることを特徴とする通信端末。
【0079】
(付記7)
付記1に記載の通信端末において、
前記メッセージが電子メールであり、
前記メッセージ通信機能がメール通信機能であり、
前記受信メッセージが受信メールであり、
前記メッセージ解析回路がメール解析回路であり、
前記メッセージ解析がメール解析であり、
前記解析情報が1字以上の文字からなる文字列解析情報であり、
前記メール解析回路におけるメール解析は、前記文字列解析情報の文字列が電子メールデータに含まれるか否かの解析である
ことを特徴とする通信端末。
【0080】
(付記8)
付記7に記載の通信端末において、
前記文字解析情報に、メール本文およびメールヘッダ要素の1つ以上を指定することにより前記メール解析回路が前記メール解析の対象とする範囲解析範囲情報を更に付与し、
前記メール解析回路は前記解析範囲情報に応じた範囲を対象に前記メール解析する
ことを特徴とする通信端末。
【0081】
(付記9)
付記7に記載の通信端末において、
前記ハンズフリー機能制御回路が前記ハンズフリー音声信号生成手段の動作を制御した場合は、前記電子メールを開封済みの状態とし、
前記ハンズフリー機能制御回路が前記ハンズフリー音声信号生成手段の動作を制御しなかった場合は、前記電子メールを未開封済みの状態とする、通信端末。
【0082】
(付記10)
付記1に記載の通信端末において、
前記メッセージが音声メッセージであり、
前記メッセージ通信機能が音声メッセージ通信機能であり、
前記受信メッセージが受信音声メッセージであり、
前記解析情報が1字以上の文字からなる文字列解析情報であり、
前記音声メッセージを文字言語情報に変換する音声認識回路を更に備え、
前記メッセージ解析回路は、前記音声認識回路により文字言語情報に変換した前記受信音声メッセージに前記文字列解析情報の文字列が含まれるか否かを解析する
ことを特徴とする通信端末。
【0083】
(付記11)
付記10に記載の通信端末において、
音声による通話機能を更に備え、
前記音声メッセージが着信した通話音声であり、
前記音声認識回路が前記通話音声を文字言語情報に変換して、前記メッセージ解析回路により文字言語情報に変換された前記通話音声を解析し、
前記ハンズフリー制御回路は前記解析結果に応じてハンズフリー機能の動作と停止の制御をする
ことを特徴とする通信端末。
【0084】
(付記12)
付記1に記載の通信端末において、
前記メッセージが音声メッセージであり、
前記解析情報が音声信号の特徴情報が含まれる音声信号パターン情報からなる音声信号パターン解析情報であり、
音声信号の特徴を抽出して音声信号パターン情報を出力する音声分析回路を更に備え、
前記メッセージ解析回路は、前記解析情報リスト格納回路の前記音声信号パターン情報と前記音声メッセージの音声信号パターン情報とを比較する
ことを特徴とする通信端末。
【0085】
(付記13)
付記12に記載の通信端末において、
音声による通話機能を更に備え、
前記音声メッセージが着信した通話音声であり、
前記メッセージ解析回路は前記通話音声を解析し、
前記ハンズフリー制御回路は前記解析の結果に応じてハンズフリー機能の動作と停止を制御する
ことを特徴とする通信端末。
【0086】
(付記14)
動作及び非動作のいずれかを設定可能なハンズフリー通話機能を有する通信端末が通信回線を介して受信したメッセージを、当該通信端末が備える外部スピーカにて音声出力する動作を制御する方法において、
ハンズフリー通話機能が動作するように設定する段階と、
通信端末が受信したメッセージに対して解析処理を行なうメッセージ解析段階と、
前記解析処理の結果及び前記受信メッセージに応じて音声信号を生成し、前記外部スピーカを介して出力する段階と
を含むことを特徴とするメッセージの音声出力制御方法。
【0087】
(付記15)
付記14に記載のメッセージの音声出力制御方法において、前記メッセージは電子メールであることを特徴とするメッセージの音声出力制御方法。
【0088】
(付記16)
付記14に記載のメッセージの音声出力制御方法において、
前記メッセージは音声メッセージであり、
前記音声メッセージを音声認識により文字言語情報へと前記通信端末が変換する段階を更に含み、
前記解析段階は文字言語情報に変換された前記音声メッセージを解析する
ことを特徴とするメッセージの音声出力制御方法。
【0089】
(付記17)
付記16に記載のメッセージの音声出力制御方法において、
前記通信端末が備える音声メッセージ格納手段に、受信した音声メッセージを前記通信端末の記憶装置に格納する段階を更に含み、
前記変換段階は、前記音声メッセージ格納手段に格納された音声メッセージを文字言語情報に変換する
ことを特徴とするメッセージの音声出力制御方法。
【0090】
(付記18)
付記16に記載のメッセージの音声出力制御方法において、前記変換段階は、受信した音声メッセージを逐次文字言語情報に変換することを特徴とするメッセージの音声出力制御方法。
【0091】
(付記19)
付記14に記載のメッセージの音声出力制御方法において、
前記メッセージは音声メッセージであり、
前記格納段階にて、文字解析情報に代わって、或いは、文字解析情報と共に、音声信号パターンからなる音声信号解析情報を1つ以上前記解析情報リスト格納回路に格納し、
前記解析段階にて、前記解析情報リスト格納回路に格納された前記音声信号パターンと、受信した前記音声メッセージとを比較する
ことを特徴とするメッセージの音声出力制御方法。
【0092】
(付記20)
付記19に記載のメッセージの音声出力制御方法において、
前記通信端末が備える音声メッセージ格納手段に、受信した音声メッセージを前記通信端末の記憶装置に格納する段階を更に含み、
前記解析段階は、前記音声メッセージ格納手段に格納された音声メッセージと、前記音声信号パターンとを比較する
ことを特徴とするメッセージの音声出力制御方法。
【0093】
(付記21)
付記19に記載のメッセージの音声出力制御方法において、受信した音声メッセージを逐次前記解析段階にて前記音声信号パターンと比較することを特徴とするメッセージの音声出力制御方法。
【0094】
(付記22)
動作及び非動作のいずれかを設定可能なハンズフリー通話機能を有する通信端末の動作を制御する制御装置にて実行されるコンピュータプログラムを記録した記録媒体において、
通信回線を介して通信端末が受信したメッセージを、当該通信端末が備える外部スピーカにて音声出力する動作を制御するコンピュータプログラムであって、
ハンズフリー通話機能が動作するように設定する手順と、
通信端末が受信したメッセージに対して解析処理を行なうメッセージ解析手順と、
前記解析処理の結果及び前記受信メッセージに応じて音声信号を生成し、前記外部スピーカを介して出力する手順と
を前記制御装置に実行させることを特徴とするコンピュータプログラムを記録した記録媒体。