特許第5763601号(P5763601)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5763601
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】止水装置
(51)【国際特許分類】
   E03F 7/02 20060101AFI20150723BHJP
   F16L 55/18 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
   E03F7/02
   F16L55/18 B
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-202981(P2012-202981)
(22)【出願日】2012年9月14日
(65)【公開番号】特開2014-58779(P2014-58779A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2014年3月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】593143142
【氏名又は名称】株式会社昇和産業
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(72)【発明者】
【氏名】三戸 常次
(72)【発明者】
【氏名】三戸 謙太郎
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−222877(JP,A)
【文献】 特開2010−24707(JP,A)
【文献】 特開2004−137776(JP,A)
【文献】 特開昭60−80636(JP,A)
【文献】 特開2003−27583(JP,A)
【文献】 特開2012−122596(JP,A)
【文献】 特開2003−239374(JP,A)
【文献】 特開2011−106537(JP,A)
【文献】 特開平6−264694(JP,A)
【文献】 特開平11−131985(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第3244460(DE,A1)
【文献】 独国特許出願公開第3421659(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 1/00−11/00
F16L 55/00
F16L 55/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
補修すべき管路内の上流側と下流側とに止水板を設置するとともに両者間を連通する流路管を設置した止水装置において、
前記管路内の上流側と下流側とに固定される止水板と、
前記管路内の円周方向に沿って配置され前記止水板を取り付ける部分を備えた取り付け曲板と、
前記取り付け曲板の円周方向の終端部に挿入される打ち込み曲板と、
前記取り付け曲板と前記打ち込み曲板とを連結する結合部材と、
前記取り付け曲板および前記打ち込み板が前記管路の内周面に接する面に配置された止水パッキンとを備え、
上記止水板には前記管路内の上流側と下流側とを連通する流路管を取り付け、
前記取り付け曲板の円周方向の終端部に前記打ち込み曲板を挿入し前記結合部材によって連結することにより前記取り付け曲板及び打ち込み曲板が前記止水パッキンを圧縮しつつ前記管路内周面に密着されるように構成したことを特徴とする止水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、下水管、排水管などの管内清掃や補修工事に際して、部分的にその区域の流水を止めるための止水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下水管、排水管などの清掃や管内補修工事に際して、部分的に流水を止めるために各種の止水装置が提案され、またそれらを用いた各種の止水作業方法が用いられてきた。
【0003】
そして、その区域の流水を部分的に止めることによって、その部分の流水を排出するためバイパス管を使って通過させ、その区域の下水管、排水管などの清掃や管内補修工事を行うものである。また、湖沼や海に通じる下水管、排水管などの清掃や管内補修工事の場合には、湖沼や海からの逆流を止めることによって、管内の清掃や補修工事を行っている。
【0004】
具体的には、例えば特開2000―265537号公報には、下水管路を共用した状態で補修工事対象区間への下水の流入を阻止可能な止水装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000―265537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来から使用されている装置は大掛かりであるため、装置を設置する工事に余計な工期が必要となり、また装置の製作費用が嵩むため必然的に工事費用にもその費用が反映されるので好ましくない。また、諸般の情勢による経費節減の折から費用が掛からず工期も短縮することが求められ、近年におけるこのような工事に対する諸要求には変化が生じている。
【0007】
このような状況下において、従来のような大掛かりな装置に代えて簡便な装置によって補修工事を行うことが求められ、しかも湖沼や海に通じる下水管、排水管などの清掃や管内補修工事の場合には、水圧に対する耐圧力が高く安全を重視した工事を遂行することが求められている。即ち、少数の部品構成によって止水装置を構成するとともに、設置工事が簡単でありながら耐圧力が高く、確実な止水機能を発揮できる止水装置の開発と市場への提供が緊急の要請となっている。
【0008】
この発明は、このような課題を解決するものであり、下水管、排水管などの管内清掃や補修工事に際して、その区域の流水を部分的に止めるものの、その部分を通過する流水についてはバイパス管を使って排出させ、その区域の下水管、排水管などの清掃や管内補修工事を行うために、設置が容易であってしかも耐圧力が高く確実な止水機能を発揮できる簡便な止水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明によれば、補修すべき管路内の上流側と下流側とに止水板を設置するとともに両者間を連通する流路管を設置した止水装置において、前記管路内の上流側と下流側とに固定される止水板と、前記管路内の円周方向に沿って配置され前記止水板を取り付ける部分を備えた取り付け曲板と、前記取り付け曲板の円周方向の終端部に挿入される打ち込み曲板と、前記取り付け曲板と前記打ち込み曲板とを連結する結合部材と、前記取り付け曲板および前記打ち込み曲板が前記管路の内周面に接する面に配置された止水パッキンとを備え、前記取り付け曲板の円周方向の終端部に前記打ち込み曲板を挿入し前記結合部材によって両者を連結することにより前記取り付け曲板及び打ち込み曲板が前記止水パッキンを圧縮しつつ前記管路内周面に密着されるように構成し、上記止水板には前記管路内の上流側と下流側とを連通する流路管を取り付けた止水装置を提供できる。
【0010】
また、実施態様として、前記管路内の円周方向に沿って配置され前記止水板を取り付ける部分を備えた取り付け曲板は、複数の部分に分割して止水装置構成できる。
【0011】
さらに、前記管路内に固定される止水板には、運転制御用の通信線を通す連通管を設置したことを特徴とする止水装置を構成できる。
【0012】
さらに、前記取り付け曲板および/または前記打ち込み曲板には、前記管路内に固定するためのロックボルトが配置され、両者が前記結合部材によって連結された後に前記ロックボルトによって前記管路内に固定されるように構成した止水装置を構成できる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、補修すべき管路内の上流側と下流側とに止水板を設置するとともに両者間を連通する流路管を設置した止水装置において、前記管路内の上流側と下流側とに固定される止水板と、前記管路内の円周方向に沿って配置され前記止水板を取り付ける部分を備えた取り付け曲板と、前記取り付け曲板の円周方向の終端部に挿入される打ち込み曲板と、前記取り付け曲板と前記打ち込み曲板とを連結する結合部材と、前記取り付け曲板および前記打ち込み曲板が前記管路の内周面に接する面に配置された止水パッキンとを備え、前記取り付け曲板の円周方向の終端部に前記打ち込み曲板を挿入し前記結合部材によって連結することにより前記取り付け曲板及び打ち込み曲板が前記止水パッキンを圧縮しつつ前記管路内周面に密着されるように構成し、上記止水板には前記管路内の上流側と下流側とを連通する流路管を取り付けたから、補修すべき管路内の上流側と下流側とを確実に封止し、さらに補修区域を除水して補修工事を簡便に行うことが可能となり、さらに設置工事が簡単でありながら工事区域における水圧に対しても、耐圧力が高く安全で確実な止水機能を発揮できる止水装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の実施の一形態による補修すべき管路内における要部を示す断面図である。
図2図1における中央部の縦方向断面図である。
図3】この発明の実施の一形態による取り付け曲板の説明図である。
図4】この発明の実施の一形態による打ち込み曲板の説明図である。
図5図1における上面から見た部分平面図である。
図6】この発明の実施の一形態による結合部材の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明の実施の一形態による止水装置を清掃または補修すべき管路内に設置した状態おける要部を示す断面図である。清掃または補修すべき管路とは、例えば既設のヒューム管1であって本発明では、内径が1100ミリメートルくらいのものを例として説明する。
【0016】
ヒューム管1の内側には、三枚の取り付け曲板2、3、4と打ち込み曲板5とが円弧状に形成された状態で配置されている。三枚の取り付け曲板2、3、4および打ち込み曲板5は、ヒューム管1の内径に沿う円弧状の曲面2a、3a、4a、5aに対して、この面と直交し中心方向に向かうフランジ部2b、3b、4b、5bが溶接などにより固定されて一体に形成されている。そして、円弧状の曲面2a、3a、4a、5aにはそれぞれの面ごとに少なくとも一つの孔が適宜形成され、その孔の内側にはナット2c、3c、4c、5cが溶接などによって固定されている。さらに、フランジ部2b、3b、4b、5bには円周方向に複数の孔が適宜配列して形成されており、この孔に合わせて円弧状の曲面側にナット2d、3d、4d、5dが溶接などによって固定されている。
【0017】
また、図3および図4に示すように、三枚の取り付け曲板2、3、4および打ち込み曲板5は、それぞれの円周方向の両端部が曲げ加工または溶接によって内径方向に向かう立ち上がり2e、3e、4e、5eが形成されており、それぞれ円周方向で互いに隣り合う部分がボルトとナットによって結合されるように構成されている。図3は取り付け曲板3を、図4は打ち込み曲板5を示している。
【0018】
ここで、打ち込み曲板5の両端で内径方向に向かう立ち上がり5eは、ヒューム管1の軸線方向に向かって傾斜して形成されている。つまり、図5に展開して示すように、一方(図5では上側)の幅が狭く、他方(図5では下側)の幅が広くなるように形成されている。この打ち込み曲板5の両端で内径方向に向かう立ち上がり5eに対向して形成される取り付け曲板2、4の内径方向に向かう立ち上がり2e、4eもそれぞれこれに対向するように、ヒューム管1の軸線方向に向かって傾斜して形成されている。
【0019】
また、打ち込み曲板5の両端で内径方向に向かう立ち上がり5eの内側には、取り付け板5f、5fが溶接により固定されている。そして、取り付け板5f、5fには取り付け曲板2、4と打ち込み曲板5とを連結するため、締め付けボルト6を挿入するための穴が形成され、締め付けボルト6に噛合うナットを嵌入するクボミ部5gが形成されている。この締め付けボルト6およびこれに噛合うナットは結合部材を構成する。
【0020】
一方、この取り付け板5f、5fに対向するように、取り付け曲板2、4の立ち上がり2e、4eの内側には締め付けボルト6を挿入するための穴が形成された固定板2f、4fが溶接によって固定されている。
【0021】
また、三枚の取り付け曲板2、3、4および打ち込み曲板5のフランジ部2b、3b、4b、5bには、上下に二分割された半円形の止水板7、8がボルト7a、8aによって取り付けられる。このボルト7a、8aは、三枚の取り付け曲板2、3、4および打ち込み曲板5のフランジ部2b、3b、4b、5bに固定されたナット2d、3d、4d、5dにそれぞれネジ締めによって結合し、止水板7、8を取り付け曲板2、3、4および打ち込み曲板5に固定する。
【0022】
なお、図3には取り付け曲板3を、図4には打ち込み曲板5をそれぞれ示しているが、取り付け曲板2、4については個別に図示していない。そのために、ナット2c、4cやナット2d、4dさらに固定板2f、4fなどが図面には示されていないが、図3に示す取り付け曲板3の各部材と同等に対応して形成されているものであるから容易に理解できる。
【0023】
止水板7には、管路の補修期間中に上流側から下流側へバイパス管として機能し、排水を流すための流路管9が連結されている。この流路管9には図示しないが、必要に応じて排水路を開閉制御するためのバルヴなどが取り付けられる。なお、この流路管9の長さは、工事区間によって定まるが百メートルを超えることもある。
【0024】
また、止水板8には、工事作業員との通信用または工事機器の制御用の配線を通過させるための連通管10、11が必要に応じて設置される。連通管10、11内の配線は漏水しないように図示しないが公知の方法で密閉状態を維持して設置される。また、流路管9や連通管10、11は、止水板7、8に溶接などで取り付けられており、工事現場への運搬に便利なように比較的短い長さで構成されている。そして、両側に形成されたフランジ部分をボルトとナットで連結し、複数個を組み合わせて所定の長さに延長して設置される。
【0025】
二枚の止水板7、8には、中央の接合部分にL字状の山型鋼7b、8bが溶接などによって固定されており、この山型鋼7b、8bを図2に示すように、ボルトとナットにより止水パッキン12を挟んで、締め付けることによって両者を結合する。
【0026】
次に、本発明に係る上記構成の止水装置を、清掃または補修すべきヒューム管1内に設置する手順について説明する。既に述べたように、図面に示すのは清掃または補修すべきヒューム管1の下流側に設置する実施形態である。
【0027】
図1および図2に示すように、三枚の取り付け曲板2、3、4および打ち込み曲板5がヒューム管1内に配置される。その際、ヒューム管1の内面には止水パッキン12(弾力性に優れるクロロプレンゴムなどで形成される)が張られる。そして、三枚の取り付け曲板2、3、4および打ち込み曲板5は、相互に隣り合う部品ごとにそれぞれの立ち上がり2e、3e、4e、5eがボルトとナットによって結合される。なお、この結合作業は仮締め付けであり、最終的な本締めは後述の作業が完了してから行われる。
【0028】
ここで、取り付け曲板2と打ち込み曲板5および取り付け曲板4と打ち込み曲板5は、傾斜した立ち上がり2eと立ち上がり5eおよび立ち上がり4eと立ち上がり5eが、接合部に防水パッキン12を介在してそれぞれ締め付けボルト6によって相互に傾斜面に沿って接近するように取り付けられる。
【0029】
即ち、締め付けボルト6が固定板2fの孔に挿入され、さらに取り付け板5fの孔に挿入される。この場合に、傾斜した立ち上がり2eと立ち上がり5eにはそれぞれ細長い溝が形成されており、この溝を貫通して締め付けボルト6が取り付けられる。そして、取り付け板5fの孔の裏側に形成されたクボミ部5gに複数個のボールベアリングを嵌入したうえで、締め付けボルト6の先端にナット6aが嵌め込まれて締め付けされる。ナット6aはボルト6に締め付けた後は、ロックピンなどにより固定され緩まないようにされている。
【0030】
このボルト6の締め付けによって、取り付け曲板2と打ち込み曲板5とが、相互に傾斜面に沿って接近するように取り付けられる。同様に取り付け曲板4と打ち込み曲板5は、傾斜した立ち上がり4eと立ち上がり5eが、それぞれ締め付けボルト6によって相互に傾斜面に沿って接近するように取り付けられる。
【0031】
三枚の取り付け曲板2、3、4および打ち込み曲板5は、相互に隣り合う部品ごとにそれぞれの立ち上がり2e、3e、4e、5eがボルトとナットによって結合されており、この段階でこの部分の最終的な本締めが行われる。そして、この取り付けが終わるとボルト6の基部の弛み止めナット6bが締められて、このナット6bと固定板2f、4fとの摩擦係数が上昇するためボルト6の弛みが防止される。
【0032】
この作業によって、打ち込み曲板5は、取り付け曲板2と取り付け曲板4との間に割り込まれ、三枚の取り付け曲板2、3、4および打ち込み曲板5がそれぞれ止水パッキン12を圧縮しながらヒューム管1の内周面に圧接され、気密性が保たれるようになる。そして、三枚の取り付け曲板2、3、4および打ち込み曲板5の内周面に取り付けられたナット2c、3c、4c、5cに、固定用のロックボルト2h、3h、4h、5hを挿入して締め付けると、三枚の取り付け曲板2、3、4および打ち込み曲板5は、ヒューム管1の内面に確実に固定され、水圧変動などが生じた場合においても不用意に位置ずれを起こさないようになる。なお、ロックボルト2h、4hは図示されていないが、ロックボルト3h、5hと同等の作用効果を生じるように形成されている。
【0033】
その後、取り付け曲板2、3、4および打ち込み曲板5のフランジ部2b、3b、4b、5bに、ボルト7a、8aおよびナット2d、3d、4d、5dによって、止水パッキン12を介して止水板7、8が取りけられる。さらに、止水板7、8は、山型鋼7b、8b相互間に止水パッキン12を介してボルト・ナットにより連結される。この連結作業が完了するとボルト7a、8aの本締め付けが行われて、止水パッキン12により漏水が完全に防止できる。
【0034】
ここで、図示した取り付け曲板2と止水板7、8とを結合した止水装置は、流路の下流側に設置した状態を示すもので、この止水装置の右側は湖沼または海などで止水板7、8には水圧が掛かっても止水機能を果たすように構成されている。即ち、この止水装置の左側に補修すべき管路の区間が繋がっている。さらに、この止水装置の左側である上流側にも同様の止水装置が設置されており、両方の止水装置の間には流路管9が連結されている。
【0035】
なお、流路管9は、必要な長さに連結して上流側の止水板7、8間に敷設される。また、ヒューム管1内の流量が少ない場合には、上流側の上側止水板8を取り付ける必要はないが、突然の豪雨によって河川の増水が予測される恐れがあるときには取り付けるべきである。なお、連通管10、11は必要に応じて適宜設置すればよい。
【0036】
このようにして止水装置が敷設されると、ヒューム管1内の流水は流路管9を通じて排出され、補修すべき管路内の上流側と下流側とを封止し、さらに補修区域を除水して清掃または補修工事を簡便に行うことが可能となる。
【0037】
上記止水装置の設置作業は水中で行われることが多いが、そのような作業は潜水夫によって実施される。そのような作業のために、一般的にはヒューム管1の要所ごとに水面上に突出した縦坑が準備されているので、この縦坑を通じて潜水夫が管内に出入りして工事が進められる。
【0038】
また、上流側と下流側に上記止水装置が設置されたあと、その間の作業区間を徐水しなければないが、そのような場合にもヒューム管1の要所ごとに水面上に突出した縦坑が利用され、作業員の出入りや徐水の際の空気の流通、さらには作業用の電力供給などにもこの縦坑が役立つ。
【0039】
なお、上記実施例においては、ヒューム管内に設置する取り付け曲板2、3、4の数が三枚であるが、これに限定されず増減できることは明らかであり、さらに止水板7、8に関しても、二分割に限定されず増減できる。これらの数に関しては部品製作の難易度や、設置場所への運搬費用などに基づいて決定されるのが望ましい。
【0040】
また、上記実施形態においては、取り付け曲板2、3、4に対して、打ち込み曲板5を上の位置に配置して取り付けているが、何れの位置関係であってもよく作業の手順によって適宜決定して進めることが望ましい。さらに、結合部材6はボルトおよびナットで構成したものに限定されず、取り付け曲板2と取り付け曲板4との間に挿入されることによって、取り付け曲板2、3、4および打ち込み曲板5を、ヒューム管1内に圧接させるように作用させる装置であれば良く、例えばスクリュージャッキなどで締め付ける方法によるものでもよい。
【0041】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で適宜実施形態を変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0042】
1;ヒューム管
2、3、4;取り付け曲板
5;打ち込み曲板
6;締め付けボルト(結合部材)
7、8;止水板
9;流路管
10、11;連通管
12;止水パッキン
図1
図2
図3
図4
図5
図6