【文献】
J. Chem. Soc. Perkin I,1973年,2506−2508
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
式IIIまたはIIIAの前記化合物は、式IVの前記化合物のモル量、または両方が存在する場合、式IVおよびIの化合物の合わせたモル量と比較して、等モル量未満で提供される、請求項1又は2に記載の方法。
【発明の概要】
【0005】
したがって、第1の態様では、本発明は、式I:
【化1】
(式中、R
1は、C
1−C
4ハロアルキルであり、
R
2は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
R
3は、メチルまたはエチルである)の化合物の調製のためのプロセスを提供し、
式IV:
【化2】
(式中、R
1、R
2、およびR
3は、式Iの前記化合物に関して定義される通りである)の化合物を、
式IIIまたはIIIA:
【化3】
(式中、nは、0または1であり、
R
3は、式Iの前記化合物に関して定義される通りであり、
R
4は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである)の化合物と、
酸の存在下で反応させることを含む。
【0006】
式IVの化合物は、本明細書で、式Iの化合物に対して、「イソ」異性体と称される。
【0007】
上記の置換基の定義に挙げるアルキル基は、直鎖または分岐鎖であってもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、またはtert−ブチル、好ましくは、メチルまたはエチルである。ハロゲンは、概してフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であり、好ましくは、フッ素である。C
1−C
4ハロアルキル基は、言及されたC
1−C
4アルキル基に由来し、好ましくは、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルである。
【0008】
アリールは、単環、または共に縮合されるかもしくは共有結合で結合される複合環であり得る、芳香族炭化水素環系を指す。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニル、アントラセニル、フェナントレニル、およびビフェニルが挙げられる。
【0009】
ヘテロアリールは、その中の少なくとも1個の酸素、窒素、または硫黄原子が環員として存在する、一環、二環、または三環系を含む芳香族環系を指す。例としては、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、インドリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、およびナフチリジニルが挙げられる。
【0010】
例えば、R
2およびR
4は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであってもよい。これは、アルキル、アリール、およびヘテロアリール基が1個以上の同一のまたは異なる置換基を担持しても、しなくてもよいことを意味する。通常は、3個以下の置換基が同時に存在する。置換基の例としては、次のものが挙げられる:ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルコキシ、アルケニルオキシ、ハロアルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルケニルオキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アルキルカルボニル、ハロアルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アルコキシアルキル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、アルキルアミノ、およびジアルキルアミノ。
【0011】
好ましい任意の置換基は、C
1−C
8アルキル、ハロ−C
1−C
8アルキル、C
3−C
8シクロアルキル、C
3−C
8シクロアルキル−C
1−C
8アルキル、C
2−C
8アルケニル、ハロ−C
2−C
8アルケニル、C
3−C
8シクロ−C
2−C
8アルケニル、C
2−C
8アルキニル、ハロ−C
2−C
8アルキニル、C
1−C
8アルコキシ、ハロ−C
1−C
8アルコキシ、C
3−C
8シクロアルコキシ、C
2−C
8アルケニルオキシ、ハロ−C
2−C
8アルケニルオキシ、C
2−C
8アルキニルオキシ、ハロ−C
2−C
8アルケニルオキシ、C
1−C
8アルキルチオ、ハロ−C
1−C
8アルキルチオ、C
3−C
8シクロアルキルチオ、C
2−C
8アルケニルチオ、C
2−C
8アルキニルチオ、C
1−C
8アルキルカルボニル、ハロ−C
1−C
8アルキルカルボニル、C
3−C
8シクロアルキルカルボニル、C
2−C
8アルケニルカルボニル、C
2−C
8アルキニルカルボニル、C
1−C
8アルコキシ−C
1−C
8アルキル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、C
1−C
8アルキルアミノ、およびC
1−C
8ジアルキルアミノである。
【0012】
より好ましい任意の置換基は、C
1−C
4アルキル、ハロ−C
1−C
4アルキル、C
3−C
6シクロアルキル、C
3−C
6シクロアルキル−C
1−C
4アルキル、C
2−C
4アルケニル、ハロ−C
2−C
4アルケニル、C
3−C
6シクロ−C
2−C
4アルケニル、C
2−C
4アルキニル、ハロ−C
2−C
4アルキニル、C
1−C
4アルコキシ、ハロ−C
1−C
4アルコキシ、C
3−C
6シクロアルコキシ、C
2−C
4アルケニルオキシ、ハロ−C
2−C
4アルケニルオキシ、C
2−C
4アルキニルオキシ、ハロ−C
2−C
4アルケニルオキシ、C
1−C
4アルキルチオ、ハロ−C
1−C
4アルキルチオ、C
3−C
6シクロアルキルチオ、C
2−C
4アルケニルチオ、C
2−C
4アルキニルチオ、C
1−C
4アルキルカルボニル、ハロ−C
1−C
4アルキルカルボニル、C
3−C
6シクロアルキルカルボニル、C
2−C
4アルケニルカルボニル、C
2−C
4アルキニルカルボニル、C
1−C
4アルコキシ−C
1−C
4アルキル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、C
1−C
4アルキルアミノ、およびC
1−C
4ジアルキルアミノである。
【0013】
より好ましい任意の置換基は、C
1−C
4アルキル、C
1−C
4ハロアルキル、C
1−C
4アルコキシ、ハロ−C
1−C
4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、およびアミノである。
【0014】
任意に置換されたアリールの典型的例としては、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2−シアノフェニル、3−シアノフェニル、4−シアノフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2,3−ジブロモフェニル、2,4−ジブロモフェニル、2,5−ジブロモフェニル、2,6−ジブロモフェニル、3,4−ジブロモフェニル、3,5−ジブロモフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,3−ジメトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、2,3−ジシアノフェニル、2,4−ジシアノフェニル、2,5−ジシアノフェニル、2,6−ジシアノフェニル、3,4−ジシアノフェニル、3,5−ジシアノフェニル、2,3−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2,3−ビス(トリフルオロメトキシ)フェニル、2,4−ビス(トリフルオロメトキシ)フェニル、2,5−ビス(トリフルオロメトキシ)フェニル、2,6−ビス(トリフルオロメトキシ)フェニル、3,4−ビス(トリフルオロメトキシ)フェニル、3,5−ビス(トリフルオロメトキシ)フェニル、2−クロロ−5−フルオロフェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロ−5−メトキシフェニル、5−クロロ−2−フルオロフェニル、2−クロロ−5−メチルフェニル、2−クロロ−5−メトキシフェニル、5−フルオロ−2−メチルフェニル、5−クロロ−2−メチルフェニル、5−メトキシ−2−メチルフェニル、5−フルオロ−2−メトキシフェニル、5−クロロ−2−メトキシフェニル、および2−メトキシ−5−メチルフェニルが挙げられる。
【0015】
任意に置換されたヘテロアリールの典型的例としては、5−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−1−イル、3−メチル−5−トリフルオロメチルピラゾール−1−イル、3,5−ビス−トリフルオロメチルピラゾール−1−イル、3,5−ジメチルピラゾール−1−イル、5−エチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−1−イル、5−メチル−3−トリフルオロメトキシピラゾール−1−イル、2−メチル−4−トリフルオロメチルイミダゾール−1−イル、4−メチル−2−トリフルオロメチルイミダゾール−1−イル、2,4−ビス−トリフルオロメチルイミダゾール−1−イル、2,4−ジメチルイミダゾール−1−イル、2−エチル−4−トリフルオロメチルイミダゾール−1−イル、2−メチル−4−トリフルオロメトキシイミダゾール−1−イル、5−メチル−3−トリフルオロメチル[1,2,4]チアゾール−1−イル、3−メチル−5−トリフルオロメチル[1,2,4]チアゾール−1−イル、3,5−ビス−トリフルオロメチル[1,2,4]チアゾール−1−イル、および3,5−ジメチル[1,2,4]チアゾール−1−イル、5−エチル−3−トリフルオロメチル[1,2,4]チアゾール−1−イル、5−メチル−3−トリフルオロメトキシ[1,2,4]チアゾール−1−イルが挙げられる。
【0016】
単独のまたは別の置換基の一部としてのシクロアルキルは、言及された炭素原子の数に応じて、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。
【0017】
単独のまたは別の置換基の一部としてのアルコキシは、言及された炭素原子の数に応じて、例えば、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ、n−ブトキシ、2−n−ブトキシ、または2−tert−ブトキシである。
【0018】
単独のまたは別の置換基の一部としてのアルケニルは、言及された炭素原子の数に応じて、例えば、エテニル、アリル、プロペン−1−イル、ブテン−2−イル、ブテン−3−イル、ペンテン−1−イル、ペンテン−3−イル、ヘキセン−1−イル、または4−メチル−ペンテン−3−イルである。
【0019】
単独のまたは別の置換基の一部としてのアルキニルは、言及された炭素原子の数に応じて、例えば、エチニル、プロピン−1−イル、プロピン−2−イル、ブチン−1−イル、ブチン−2−イル、1−メチル−2−ブチニル、ヘキシン−1−イル、または1−エチル−2−ブチニルである。
【0020】
好ましくは、nは、1である。
好ましくは、R
1は、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり、
好ましくは、R
2は、C
1−C
8アルキル、フェニル、またはフェニル−C
1−C
8アルキルであり、ここでアルキル、フェニル、およびフェニルアルキルは、1個以上、例えば、1個から3個の、C
1−C
4アルキル、C
1−C
4ハロアルキル、C
1−C
4アルコキシ、ハロ−C
1−C
4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、およびアミノでそれぞれ任意に置換される。より好ましくは、R
2は、C
1−C
8アルキルまたはC
1−C
8ハロアルキル、フェニルまたはベンジルであり、ここでフェニルおよびベンジルは、ハロゲン、例えば、1個から3個のハロゲン原子でそれぞれ任意に置換される。より好ましくは、R
2は、C
1−C
6アルキルである。さらにより好ましくは、R
2は、C
1−C
4アルキルである。最も好ましくは、R
2は、メチルまたはエチルである。
【0021】
好ましくは、R
3は、メチルである。
好ましくは、R
4は、水素、C
1−C
8アルキル、フェニル、またはフェニル−C
1−C
8アルキルであり、ここでアルキル、フェニル、およびフェニルアルキルは、1個以上の、例えば、1個から3個の、C
1−C
4アルキル、C
1−C
4ハロアルキル、C
1−C
4アルコキシ、ハロ−C
1−C
4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、およびアミノでそれぞれ任意に置換される。より好ましくは、R
4は、水素、C
1−C
8アルキルまたはC
1−C
8ハロアルキル、フェニルまたはベンジルであり、ここでフェニルおよびベンジルは、ハロゲンでそれぞれ任意に置換される。より好ましくは、R
4は、水素またはC
1−C
6アルキルである。最も好ましくは、R
4は、水素、メチル、またはエチルである。
【0022】
本発明に従ったプロセスは、好ましくは、R
1がジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり、R
2がC
1−C
6アルキル、例えば、エチルであり、R
3がメチルであり、R
4が水素またはC
1−C
6アルキル、例えば、メチルまたはエチルである、式Iの化合物の調製に好適である。
【0023】
本発明に従ったプロセスは、R
1がジフルオロメチルである、式Iの化合物の調製に特に好適である。
【0024】
本発明に従ったプロセスは、R
1がジフルオロメチルであり、R
2がエチルであり、R
3がメチルであり、R
4が水素またはC
1−C
6アルキルである、式Iの化合物の調製に特に非常に好適である。
【0025】
また、本発明に従ったプロセスは、R
1がトリフルオロメチルであり、R
2がエチルであり、R
3がメチルであり、R
4が水素またはC
1−C
6アルキルである、式Iの化合物の調製に特に非常に好適である。
【0026】
好ましいプロセスでは、プロセスは、式IIIの化合物を利用し、式中、nは、1である。特に好ましいプロセスでは、nは、1であり、R
3は、メチルである。
【0027】
本発明の任意の態様では、好ましくは、式IIIまたはIIIAの化合物は、メチルホスホン酸ジメチル、亜リン酸トリメチル、リン酸トリメチル、またはリン酸ジメチル、より好ましくは、リン酸トリメチルである。
【0028】
例えば、本発明は、式IIIまたはIIIAの化合物および酸を用いて式IVの化合物を異性化することを含む、式Iの化合物の調製のためのプロセスを提供する。
【0029】
酸は、外因性酸であってもよい。例えば、酸は、例えば、本発明の反応によって、またはあらゆる他の反応によって、インサイツで形成され得た任意の酸とは対照的に、反応に添加される酸であってもよい。例えば、酸は、ピラゾール部分がアルキル化される、先行する反応ステップによってインサイツで形成された酸でなくてもよい。別の実施形態では、酸は、式IIIまたはIIIAの化合物からインサイツで形成されない酸であり、例えば、それは、ピラゾール部分(例えば、式IIの化合物)が式IIIまたはIIIAの化合物によってアルキル化される、先行する反応ステップから形成される酸ではない。概して、酸は、外因性酸および/または本発明の任意の態様に関連して式IIIまたはIIIAの化合物からインサイツで形成されない酸であってもよい。
【0030】
式IVの化合物は、式IVの化合物および式Iの化合物を含む混合物として提供されてもよい。例えば、式IVの化合物は、対応するピラゾールをNアルキル化することによって生成されてもよい。これは、概して、式IVおよび式Iの化合物の混合物をもたらす。本発明に従って、混合物中の式Iの化合物の割合は、酸の添加によって改善、例えば、増加されてもよい。したがって、本発明は、式Iの化合物および式IVの化合物を含む混合物中の、式Iの化合物の割合を増加させるためのプロセスを提供する。
【0031】
式IVの化合物は、式Iの化合物および式IVの化合物を含む混合物として提供されてもよく、該混合物は、式II:
【化4】
(式中、R
1およびR
2は、式Iの化合物に関して定義される通りである)の化合物をN−アルキル化することによって調製され、
【0032】
それによって、例えば、式Iの化合物および式IVの化合物を含む混合物を生成する。次いで混合物は、酸の存在下で、式IIIまたはIIIAの化合物と反応させられてもよい。
【0033】
場合によっては、実質的に同時に、例えば、同時に、対応する置換ピラゾールをNアルキル化し、アルキル化から生成された式IVの任意の化合物を異性化することが有利であり得る。これは1ステップで行われてもよい。
【0034】
したがって、さらなる態様では、本発明は、式I:
【化5】
(式中、R
1は、C
1−C
4ハロアルキルであり、
R
2は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
R
3は、メチルまたはエチルである)の化合物の調製のために、プロセス、例えば、位置選択的なプロセスを提供し
式II:
【化6】
(式中、R
1およびR
2は、式Iの化合物に関して定義される通りである)の化合物を、
式IIIまたはIIIA:
【化7】
(式中、nは、0または1であり、
R
3は、式Iの化合物に関して定義される通りであり、
R
4は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである)の化合物と、
酸、例えば、外因性酸および/または式IIIまたはIIIAの化合物からインサイツで形成される酸以外の酸の存在下で、反応させることを含む。
【0035】
n、R
1、R
2、R
3、およびR
4の好ましい定義は、上記に提供された定義と同じである。最も好ましくは、R
1は、ジフルオロメチルであり、R
2は、C
1−C
6アルキル、例えば、エチルであり、R
3は、メチルである。
【0036】
理論に拘束されずに、酸は触媒として作用して、式Iの化合物および式IVの化合物を相互変換し、それによって式IおよびIVの化合物の割合を熱力学的平衡まで促進すると考えられる。
【0037】
さらなる態様では、本発明は、図式I:
【化8】
(式中、R
1は、C
1−C
4ハロアルキルであり、
R
2は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
R
3は、メチルまたはエチルである)に従って、式IVの化合物および式Iの化合物を相互変換するためのプロセスを提供し、
相互変換試薬として、式IIIまたはIIIA:
【化9】
(式中、nは、0または1であり、R
3は、式IおよびIVの化合物に関して定義される通りであり、
R
4は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである)の化合物、
および酸を用いる。
【0038】
n、R
1、R
2、R
3、およびR
4の好ましい定義は、上記に提供された定義と同じである。最も好ましくは、R
1は、ジフルオロメチルであり、R
2は、C
1−C
6アルキル、例えば、エチルであり、R
3は、メチルであり、R
4は、水素またはC
1−C
6アルキルである。
【0039】
我々は、鉱物酸、ブレンステッド酸、およびルイス酸を含む広範な酸が、式IVの化合物の式Iの化合物への変換を触媒することを見出している。好ましくは、酸は、ブレンステッド酸である。好適な酸には有機酸が含まれる。有機酸は、例えば、カルボキシル基を含有する酸である。特に、酸は、有機極性もしくは非極性溶媒中のブレンステッドおよび/またはルイス酸として作用することができる任意の酸であってもよい。酸は、遊離酸であっても、樹脂またはポリマー製の固体支持体に結合されてもよい。理論に拘束されずに、酸は、リン酸ベースのメチル化剤の酸素原子上で正電荷を帯び、それによって試薬をより求電子性にし、それは次に、式IおよびIVの化合物の割合の、熱力学的平衡への移動を触媒すると考えられる。
【0040】
好適な酸の例としては、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸、化合物を含有するボロン、例えば、ボロン酸、ボラン、ハロボロン、チタンIV塩、酸化ケイ素、および酸化アルミニウムが挙げられる。好ましくは、酸は、次のものからなる群から選択される:MeSO
3H、ポリリン酸、p−トシル−OH、オルトリン酸、BF
3−DMS、BF
3−THF、およびTi(O−イソプロピル)
4。酸は、固体支持体、例えば、イオン交換樹脂に連結されてもよい。例としては、スルホン酸官能性を有するイオン交換樹脂である、アンバーリスト(登録商標)15がある。
【0041】
より好ましくは、酸は、リン酸、ホスホン酸、またはスルホン酸、例えば、ポリリン酸またはMeSO
3Hである。ポリリン酸は、2つ以上の単位のオルトポリリン酸を効果的に含み、交互の酸素−リン光体骨格を有する。ポリリン酸化合物に関する一般式は、HO(PO
2OH)
xHであり、式中、x=分子中のリン酸単位の数である。例えば、xは、1から1000であり得るが、本発明は、xの値によって限定されない。MeSO
3H等のスルホン酸が特に好ましい。
【0042】
錯誤回避のために、ポリリン酸という用語は、オルトポリリン酸(H
3PO
4)およびポリリン酸を含む。スルホン酸という用語は、式R−SO
3Hの化合物を指し、式中、Rは、アルキルまたはフェニル等の有機ラジカルである。
【0043】
本発明にしたがった反応は、不活性溶媒中、好ましくは、無水不活性溶媒中で行うことができる。好適溶媒は、例えば、キシレン、メシチレン、tert−ブチルベンゼン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、デカリン、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジフェニルエーテル、およびアニソールである。本発明にしたがった反応は、好ましくは、無希釈で、例えば、追加的な溶媒を用いずに行われる。
【0044】
我々は、酸の濃度を増加させることが、相互変換の起こる速度を増加させるが、過剰な酸は、収率の低減をもたらす可能性があることを見出している。例えば、酸は、0.1重量%から20%重量%、例えば、0.5重量%から10重量%、例えば、1重量%から6重量%の量で、反応中に存在し得る。酸は、それが、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%の濃度で、反応中に存在するように使用されてもよい。重量%は、式IVの化合物の量、または両方が存在する場合、式IVおよびIの化合物を合わせた量に対する。
【0045】
例えば、酸は、式IVの化合物のモル量、または両方が存在する場合、式IVおよびIの化合物の合わせたモル量と比較して、0.01モル%から0.5モル%、好ましくは、0.02モル%から0.1モル%の量で使用されてもよい。酸の量は、式IVの化合物のモル量、または両方が存在する場合、式IVおよびIの化合物の合わせたモル量と比較して、少なくとも0.01モル%、好ましくは、少なくとも0.02モル%であってもよく、0.5モル%以下、好ましくは、0.1モル%以下であってもよい。酸は、触媒量で使用されてもよい。
【0046】
式IVの化合物が式Iの化合物に変換される反応の温度は、例えば、50から250℃、例えば、100から200℃、例えば、140から180℃の温度で行われてもよい。好ましくは、反応は、少なくとも100℃、少なくとも120℃、少なくとも140℃、少なくとも160℃で行われる。当業者は、反応を最適化して最も好適な温度を見出すことができるであろう。
【0047】
本発明に従った反応では、式IIIまたはIIIAの化合物は、式IVの化合物のモル量、または両方が存在する場合、式IVおよびIの化合物のモル量に対して、例えば、少なくとも約0.01モル%から、式IおよびIVの化合物に対して、最大でモル過剰、例えば、最大30倍過剰、例えば、最大10倍過剰で使用される。
【0048】
好ましくは、式IIIまたはIIIAの化合物は、式IVの化合物のモル量、または両方が存在する場合、式IVおよびIの化合物の合わせたモル量と比較して、等モル量未満で、より好ましくは、0.5モル%未満、さらにより好ましくは、0.3モル%未満で使用される。式IIIまたはIIIAの化合物の量は、式IVの化合物のモル量、または両方が存在する場合、式IVおよびIの化合物の合わせたモル量と比較して、好ましくは、少なくとも0.01モル%、好ましくは、少なくとも0.05モル%である。式IIIまたはIIIAの化合物の量は、式IVの化合物のモル量、または両方が存在する場合、式IVおよびIの化合物の合わせたモル量と比較して、好ましくは、0.01モル%から3モル%の範囲で、好ましくは、0.05から0.9モル%の範囲で、さらにより好ましくは、0.05モル%から0.3モル%の範囲である。式IVの化合物を異性化することは、触媒量の式IIIまたはIIIAの化合物を用いてもよい。
【0049】
国際公開第2008/145257号は、メチルヒドラジンを用いたN−アルキル化置換ピラゾールへの合成経路を記載する。ヒドラジンの代わりにメチルヒドラジンを使用することは、その中でメチル基が所望のピラゾール窒素原子上に配置されるN−アルキル化置換ピラゾールの合成を可能にし、それによってアルキル化のための別個のステップに対する必要性を回避する。次に、本発明は、高い位置選択性を有する非イソ異性体の合成を可能にするアルキル化ステップを提供する。これにより、ヒドラジンを含む経路がより実行可能となる。
【0050】
さらなる態様では、本発明は、式I:
【化10】
(式中、R
1は、C
1−C
4ハロアルキルであり、
R
2は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
R
3は、メチルまたはエチルである)の化合物の調製のためのプロセス、例えば、位置選択的なプロセスを提供し、
a. 式V:
【化11】
(式中、R
1は、C
1−C
4ハロアルキルであり、
R
2は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
R
5は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである)の化合物を、
ヒドラジンと反応させて、式II:
【化12】
(式中、R
1およびR
2は、式Iに関して定義される通りである)の化合物を生成すること、および
b. 式IIの化合物を式IIIまたはIIIA:
【化13】
(式中、R
3は、式Iに関して定義される通りであり、
nは、0または1であり、
R
4は、水素、任意に置換されたC
1−C
6アルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである)の化合物と、
酸、例えば、外因性酸および/または式IIIまたはIIIAの化合物からインサイツで形成される酸以外の酸の存在下で、反応させることを含む。
【0051】
n、R
1、R
2、R
3、R
4の好ましい定義は、上記に提供される定義と同じであり、R
5の好ましい定義は、R
4に関する定義と同じである。最も好ましくは、R
1は、ジフルオロメチルであり、R
2は、C
1−C
6アルキル、例えば、エチルであり、R
3は、メチルであり、R
4およびR
5は、独立して水素またはC
1−C
6アルキル、例えば、エチルである。
【0052】
式IIの化合物は既知であるか、または、文献内で既知のプロセスと同様に、ヒドラジンを用いて調製することができる。例えば、かかる化合物は、それらがオルトギ酸トリメチルとの反応およびその後のヒドラジンとの反応による2ステップの合成を用いて、それらがその上に基づく、3−オキソ−カルボン酸エステルから調製することができる。かかる反応は、例えば、日本特許第2000−044541号に記載される。式IIの化合物の調製のためのさらなる合成経路は、日本特許第2001−322983号に記載され、ここで、例えば、3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステルは、3−クロロ−4,4,4−トリフルオロ−2−ホルミル−2−ブテン酸エチルエステルから出発して、ヒドラジンとの反応によって調製される。また、国際公開第2006/045504号は、ヒドラジンを用いて式Vの化合物から式IIの化合物を生成するために用いられ得る手順を説明する。式IIIおよびIIIAの化合物は、市販されている。
【0053】
非置換窒素含有ヘテロ環のN−アルキル化は、Journal of the Chemical Society,Perkin Transactions 1,21,2506−2508(1973)およびBulletin of the Chemical Society of Japan,50,1510−1512(1977)に記載される。ピラゾールのN−アルキル化において位置選択的な特性を有する、かかるアルキル化剤については言及されない。
【0054】
場合によっては、式IIIの化合物および式IIIAの化合物の混合物を使用することができる。式IIIまたはIIIAの化合物について言及される場合、これは式IIIおよびIIIAの化合物の混合物を含む。同様に、異なる酸の混合物が使用されてもよい。
【0055】
本発明のさらなる態様では、式IV:
【化14】
(式中、R
1は、C
1−C
4ハロアルキルであり、
R
2は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
R
3は、メチルまたはエチルである)の化合物の、
式I:
【化15】
(式中、R
1、R
2、およびR
3は、式IVの化合物に関して定義される通りである)の化合物への変換において、リン酸、ホスホン酸、またはスルホン酸の使用が提供される。
【0056】
R
1、R
2、およびR
3の好ましい定義は、上記に提供される定義と同じである。最も好ましくは、R
1は、ジフルオロメチルであり、R
2は、C
1−C
6アルキル、例えば、エチルであり、R
3は、メチルである。
【0057】
本発明のさらなる態様では、式VI:
【化16】
の化合物を調製する方法、例えば、位置選択的な方法が提供され、式VII:
【化17】
の化合物を、式VIII:
【化18】
の化合物と、リン酸、ホスホン酸、またはスルホン酸の存在下で反応させることを含む。
【0058】
式Iの化合物は、その後、対応する酸に変換されてもよい。また、かかる化合物は、殺菌剤の生成において有用な中間体でもあり、例えば、国際公開第2008/145257号を参照されたい。例えば、式Iの化合物は、式IX:
【化19】
(式中、R
1およびR
3は、式Iの化合物に関して定義される通りである)の化合物に、
式Iの化合物を加水分解することによって、変換されてもよい。
【0059】
したがって、本発明は、式IX:
【化20】
(式中、R
1は、C
1−C
4ハロアルキルであり、R
3は、メチルまたはエチルである)の化合物の調製のためのプロセスを提供し、
a. 式I:
【化21】
(式中、R
1およびR
3は、式Iの化合物に関して定義される通りであり、R
2は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである)の化合物を、
本発明に従って調製すること、および
b. 式Iの化合物を加水分解して、式IXの化合物を生成すること、を含む。
【0060】
R
1、R
2、およびR
3の好ましい定義は、上記に提供される定義と同じである。最も好ましくは、R
1は、ジフルオロメチルであり、R
2は、C
1−C
6アルキル、例えば、エチルであり、R
3は、メチルである。
【0061】
式Iの化合物の加水分解は、例えば、国際公開第2008/145257号に記載される通り、次のステップを行うことによって達成することができる:
i) 次のステップによって、その化合物をインサイツで鹸化し、式IXの化合物の形成をもたらすこと、
ii) 塩基を添加して、式IXの化合物の陰イオンを形成すること、
ii’) 酸を添加して、式IXの化合物を形成すること。
【0062】
さらなる態様では、本発明は、式X:
【化22】
(式中、R
1は、C
1−C
4ハロアルキルであり、
R
3は、メチルまたはエチルであり、
Aは、ハロゲン、メチル、およびメトキシから独立して選択される、1個から3個の基によって、それぞれ任意に置換される、チエニル、フェニル、またはエチレンであり、
Bは、直接結合、シクロプロピレン、環付加ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−、またはビシクロ[2.2.1]ヘプテン環であり、
Dは、水素、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6ハロアルキル、C
1−C
6アルコキシ、C
1−C
6ハロアルコキシ、C
3−C
6シクロアルキル、C
1−C
6アルキリデン、C
1−C
6ハロアルキリデン、フェニル、またはハロゲンおよびトリハロメチルチオから独立して選択される1個から3個の置換基によって任意に置換されるフェニルである)の化合物の調製のためのプロセスを提供し、
式IX:
【化23】
(式中、R
1は、C
1−C
4ハロアルキルであり、R
3は、メチルまたはエチルである)の化合物を、
上述のプロセスに従って提供すること、および
式IXの化合物または対応する酸ハロゲン化物を、式XI:
【化24】
(式中、A、B、およびDは、式Xの化合物に関して定義される通りである)の化合物と反応させることを含む。
【0063】
式Xの化合物は、好ましくは、式XIIの化合物(イソピラザム)、式XIIIの化合物(セダキサン)、式XIVの化合物、式XVの化合物(ペンチオピラド)、式XVIの化合物(ビキサフェン)、式XVIIの化合物(フルキサピロキサド)、式XVIIIの化合物、または式XIXの化合物である。
【化25】
【0064】
式IXの化合物または対応する酸ハロゲン化物を、式XIの化合物と反応させるステップは、例えば、国際公開第2004/035589号、または国際公開第2009/135860号に記載される、既知の方法に従って行われてもよい。例えば、式IXの化合物を、塩化チオニル、塩化オキサリル、ボスゲン、SF
4、DAST、デオキソフルオロ、または臭化チオニル等のハロゲン化剤で処理して、酸−ハロゲン、例えば、酸塩化物を得ることができ、次いでそれは、好適な塩基、例えば、LiOH、KOH、NaOH、NEt
3、NaHCO
3、KHCO
3、Na
2CO
3、またはK
2CO
3の存在下で、例えば、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、酢酸エチル、またはDMF等の溶媒中、例えば、−10℃から30℃で、式XIの化合物と反応させることができる。
【0065】
イソピラザム、セダキサン、ペンチオピラド、フルキサピロキサド、およびビキサフェンは、既知の殺菌剤である。式XIVの化合物は、例えば、国際公開第2007/048556号から既知であり、式XVIIIの化合物は、例えば、国際公開第2010/000612号から既知であり、式XIXの化合物は、例えば、国際公開第2008/053044号から既知である。
【0066】
我々は、式IおよびIVの化合物が異なる沸点を有し、それは式Iの化合物を式IVの化合物から分離するために活用され得ることを見出している。したがって、プロセスは、蒸留によって式IおよびIVの化合物の混合物を分離することを含んでもよい。例えば、イソ−DFPEは、約95℃/10mbarの沸点を有する一方で、DFPEは、約120℃/1mbarの沸点を有する。この分離ステップは、異性化の完了後に行われてもよく、または例えば、プロセスが継続的である場合、異性化と同時に行われてもよい。
【0067】
本発明のさらなる態様では、式IV
【化26】
(式中、R
1は、C
1−C
4ハロアルキルであり、R
2は、C
1−C
6アルキルであり、
R
3は、メチルまたはエチルである)の化合物を、
式I
【化27】
(式中、式中、R
1は、C
1−C
4ハロアルキルであり、R
2は、C
1−C
6アルキルであり、R
3は、メチルまたはエチルである)の化合物から、
蒸留によって分離する方法が提供される。
【0068】
式Iの化合物は、結晶化によって精製されてもよい。
【0069】
好ましくは、置換基R
1、R
2、およびR
3の識別は、式IおよびIVの化合物の識別と同じである。R
1、R
2、およびR
3の好ましい定義は、上記に提供される定義と同じである。最も好ましくは、R
1は、ジフルオロメチルであり、R
2は、C
1−C
6アルキル、例えば、エチルであり、R
3は、メチルである。好ましくは、式Iの化合物および式IVの化合物の両方に関して、R
1は、ジフルオロメチルであり、R
2は、エチルであり、R
3は、メチルである。別の実施形態では、式Iの化合物および式IVの化合物の両方に関して、R
1は、トリフルオロメチルであり、R
2は、エチルであり、R
3は、メチルである。好ましくは、蒸留は、真空蒸留である。
【0070】
表1は、本発明の式Iの化合物の例を示す。
表1 式Iの化合物
【化28】
【表1】
【0071】
次に、本発明は、次の非限定的実施例を用いて説明されるであろう。当業者であれば、反応物について、ならびに反応条件および技術についての両方の手順からの適切な変形を即座に認識するであろう。
【0072】
本明細書で言及された全ての参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。本発明の全ての態様および好ましい特徴は、それが明らかに不可能である場合を除いて、互いに組み合わせることができる。
【実施例】
【0074】
実施例1:
エチル3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(DFPE):20.4gのエチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(イソ−DFPE)に、14.4gのリン酸トリメチルおよび0.82gのメタンスルホン酸を添加した。混合物を170℃まで加熱し、7時間撹拌した。溶液を冷却し、蒸留して、再生リン酸トリメチルおよび2.0gの出発エチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩を得た。残りの溶液を50gの冷水に添加した。溶液を30分間撹拌した。沈殿固体をろ過し、乾燥させて、16.2gの生成物を得た。
【0075】
実施例2:
エチル3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(DFPE):20.4gのエチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(イソ−DFPE)に、11.3gの亜リン酸ジメチルおよび0.82gのメタンスルホン酸を添加した。混合物を170℃まで加熱し、7時間撹拌した。溶液を冷却し、蒸留して、再生リン酸トリメチルおよび0.9gの出発エチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(イソ−DFPE)を得た。残りの溶液を50gの冷水に添加した。溶液を30分間撹拌した。沈殿固体をろ過し、乾燥させて、14.1gの生成物を得た。
【0076】
実施例3:
20.4gのエチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(イソ−DFPE)に、2.8gのリン酸トリメチルおよび0.4gのメタンスルホン酸を添加した。混合物を180℃まで徐々に加熱し、8時間維持して、94:6の比率のエチル3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(DFPE):イソ−DFPEを得た。次いで未反応のイソ−DFPEを90℃/10mbarで蒸留し、次いで次のバッチで再利用した。蒸留物の底からのDFPE(mp約75℃、bp約120℃/1mbar)の粗生成物をトルエン中に溶解させ、水で洗浄して、イオン性の副生成物を除去した。得られた、粗エチル3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(DFPE)の溶液は、さらに精製せずに、次のステップ、例えば、加水分解のために直接使用することができる。DFPEおよびイソ−DFPEの両方に対する異性化反応からの合わせた化学収率は、94.1%である。
【0077】
実施例4:
この実施例は、エチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(イソ−DFPE)のイソ型が、酸の存在下で、代替的なN−アルキル化異性体に戻ることを示す。
【0078】
4.1gのイソ−DFPEに、8.2gのリン酸トリメチルおよび0.30gのポリリン酸を添加した。混合物を170℃まで加熱し、8時間撹拌した。GC分析用に、試料を定期的に採取した。結果を
図1に示す。
【0079】
実施例5:
次の実験は、酸の存在下で、エチル3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(DFPE)と、エチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(イソ−DFPE) との間に平衡が存在するという証拠を提供する。
【0080】
4.0gのDFPEに、10.0gのリン酸トリメチルおよび0.30gのポリリン酸を添加した。混合物を170℃まで加熱し、5時間撹拌した。GC分析用に、試料を定期的に採取した。結果を表2に示す。
【表2】
【0081】
実施例6:
6.0gのエチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(イソ−DFPE)に、12.0gのリン酸トリメチルおよび0.45gのポリリン酸を添加した。混合物を所望の温度まで加熱し、6〜7時間撹拌した。GC分析用に、試料を定期的に採取した。結果を
図2に示す。
【0082】
実施例7:
マルチポット反応ブロックの各反応器中に、エチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(イソ−DFPE)、リン酸トリメチル、およびポリリン酸を配置した。反応ブロックを156℃まで加熱し、7時間維持した。GC分析用に、試料を各反応器から定期的に採取した。表3は、この系列における5つの実験の条件を記載する。
【表3】
結果を
図3に示す。
【0083】
実施例8:
マルチポット反応ブロックの各反応器中に、3.0gのエチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(イソ−DPFE)、6.0gのリン酸トリメチル、および選択された触媒(0.65mmol、アンバーリスト(登録商標)を除く、15:1.0g)を配置した。反応ブロックを156℃まで加熱し、7時間撹拌した。GC分析用に、試料を定期的に採取した。結果を
図4Aおよび4Bに示す。
【0084】
実施例9:
8.2gのエチル3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸塩(NHDFPE)に、24.6gのリン酸トリメチルおよび0.60gのポリリン酸を添加した。混合物を170℃まで加熱し、5時間撹拌した。GC分析用に、試料を定期的に採取した。結果を
図5に示す。
【0085】
実施例10:
23.2gのエチル3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸塩(NHDFPE)に、19.2gのメチルホスホン酸ジメチルおよび0.48gのメタンスルホン酸を添加した。混合物を160℃まで加熱し、7時間撹拌した。GC分析用に、試料を定期的に採取した。結果を
図6に示す。
【0086】
実施例11:
21.66gの3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸塩(NHDFPE)に、25.3gの亜リン酸トリメチルおより0.48gのメタンスルホン酸を添加した。混合物をパール反応器中で160℃まで加熱し、7時間撹拌した。7時間の期間終了時に試料を採取し、GCによって分析した。GC分析により、63.7%DFPEおよび30.8%イソ−DFPEが示された。
【0087】
実施例12:
2〜4モル%メチル硫酸を追加的に含有する、69.6gの85%純粋なエチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(イソ−DFPE):エチル3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(DFPE)(35:65)に、4.2gのリン酸トリメチルを添加した。混合物を180℃まで6時間加熱して、10:90イソ−DFPE:DFPEの比率を得た。次いで未反応のイソ−DFPEを蒸留し、次のバッチで再利用した。蒸留物の底からのDFPEの粗生成物をトルエン中に溶解させ、それをさらに精製せずに、次のステップ、例えば、加水分解のために直接使用することができる。DFPEおよびイソDFPEの両方に対する異性化反応からの合わせた収率は、92.5%である。