【実施例3】
【0023】
2−(1−ベンジル(または置換ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル)マロン酸塩の調製
実施例2から得られた2.0mmolの酸を、それぞれ、5mLの水に加え、5分間撹拌し、アルカリ4.0mmolまたはアミノ酸4.0mmolの水溶液5mLを滴下により加え、続いて、この混合物を室温で4時間撹拌し、減圧下で濃縮して水を除去し、次いで、オイル状物質が得られ、その後、20mLの無水アルコールを加え、この混合物を、固形物が沈殿した後にろ過して、ろ過ケーキを2mLの無水アルコールによって洗浄し、次いで、真空乾燥を施すと、最終的には、下記の生成物を得ることができる。
【0024】
(1)2−(1−ベンジル−1H−インダゾール−3−オキシル)マロン酸二ナトリウム塩(Y1)
収率:75%
IR (KBr, cm
-1): 2983 (w), 1643 (s), 1334 (m), 741 (m), 723 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 5.21 (s, 1H, CH(COO
-)
2), 5.33 (s, 2H, CH
2C
6H
5), 7.03〜7.79 (m, 9H, 2Ar)
(2)2−(1−ベンジル−1H−インダゾール−3−オキシル)マロン酸二カリウム塩(Y2)
収率:86%
IR (KBr, cm
-1): 2978 (w), 1639 (s), 1328 (m), 740 (m), 721 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 5.23 (s, 1H, CH(COO
-)
2), 5.35 (s, 2H, CH
2C
6H
5), 6.97〜7.78 (m, 9H, 2Ar)
(3)2−(1−ベンジル−1H−インダゾール−3−オキシル)マロン酸二アンモニウム塩(Y3)
収率:75%
IR (KBr, cm
-1): 3197 (s), 1593 (s), 1326 (s), 1105 (m), 771 (s), 746 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 5.22 (s, 1H, CH(COO
-)
2), 5.34 (s, 2H, CH
2C
6H
5), 7.03〜7.81(m, 9H, 2Ar)
(4)2−(1−ベンジル−1H−インダゾール−3−オキシル)マロン酸二ヒスチジン塩(Y4)
収率:92%
IR (KBr, cm
-1): 3128 (m), 3026 (m), 1618 (s), 1329 (m), 1259 (w), 744 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 3.10〜3.24 (m, 4H, ヒスチジンの2CH
2), 3.89〜3.94 (m, 2H, ヒスチジンの2CHNH
2COOH), 5.28 (s, 1H, CH(COO
-)
2), 5.34 (s, 2H, CH
2C
6H
5), 7.05〜7.80 (m, 11H, 2Arの9H, および2イミダゾールの2H), 8.27 (s, 2H, 2イミダゾールの2H)
(5)2−(1−ベンジル−1H−インダゾール−3−オキシル)マロン酸二リシン塩(Y5)
収率:86%
IR (KBr, cm
-1): 3031 (s), 2941 (s), 1615 (s), 1325 (m), 741 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 1.30〜1.43 (m, 4H, リシンの2H
2NC
2H
4CH
2CH
2), 1.60〜1.63 (m, 4H, リシンの2H
2NC
2H
4CH
2CH
2), 1.78〜1.82 (m, 4H, リシンの2H
2NCH
2CH
2C
2H
4), 2.90〜2.93 (m, 4H, リシンの2H
2NCH
2CH
2C
2H
4), 3.65 (m, 2H, リシンの2CH(NH
2)COOH), 5.24 (s, 1H, CH(COO
-)
2), 5.36 (s, 2H, CH
2C
6H
5), 7.09〜7.81 (m, 9H, 2Ar)
(6)2−[1−(4−メチル−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル)マロン酸二ナトリウム塩(Y6)
収率:76%
IR (KBr, cm
-1): 2983 (m), 1621 (s), 1336 (s), 1256 (m), 746 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 2.15 (s,3H, C
6H
4CH
3), 5.22 (s, 1H, CH(COO
-)
2), 5.27 (s, 2H, CH
2C
6H
4CH
3), 6.97〜7.80 (m, 8H, 2Ar)
(7)2−[1−(4−メチル−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル)マロン酸二カリウム塩(Y7)
収率:80%
IR (KBr, cm
-1): 2986 (m), 1625 (s), 1338 (m), 1255 (m), 744 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 2.17 (s, 3H, C
6H
4CH
3), 5.25 (s, 1H, CH(COO
-)
2), 5.30 (s, 2H, CH
2C
6H
4CH
3), 6.99〜7.85 (m, 8H, 2Ar)
(8)2−[1−(4−メチル−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル)マロン酸二アンモニウム塩(Y8)
収率:70%
IR (KBr, cm
-1): 3330 (s), 2983 (m), 1600 (s), 1331 (m), 746 (m)
11HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 2.13 (s, 3H, C
6H
4CH
3), 5.21 (s, 1H, CH(COO
-)
2), 5.28 (s, 2H, CH
2C
6H
4CH
3), 6.89〜7.80 (m, 8H, 2Ar)
(9)2−[1−(4−メチル−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル)マロン酸二リシン塩(Y9)
収率:88%
IR (KBr, cm
-1): 3432 (s), 2930 (s), 1619 (s), 1335 (m), 743 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 1.30〜1.38 (m, 4H, リシンの2H
2NC
2H
4CH
2CH
2), 1.54〜1.64 (m, 4H, リシンの2H
2NC
2H
4CH
2CH
2), 1.74〜1.81 (m, 4H, リシンの2H
2NCH
2CH
2C
2H
4), 2.12 (s, 3H, CH
2C
6H
4CH
3), 2.86〜2.91 (m, 4H, リシンの2H
2NCH
2CH
2C
2H
4), 3.61〜3.65 (m, 2H, リシンの2CH(NH
2)COOH), 5.20 (s, 2H, CH
2C
6H
5CH
3), 5.28 (s, 1H, CH (COO
-)
2), 6.92〜7.76 (m, 8H, 2Ar)
(10)2−[1−(3−フルオロ−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル)マロン酸二ナトリウム塩(Y10)
収率:83%
IR (KBr, cm
-1): 2927 (w), 1619 (s), 1337 (m), 739 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 5.22 (s, 1H, CH (COOH)
2), 5.34 (s, 2H, CH
2C
6H
4F), 6.77〜7.80 (m, 8H, 2Ar)
(11)2−[1−(3−フルオロ−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル)マロン酸二カリウム塩(Y11)
収率:80%
IR (KBr, cm
-1): 2929 (w), 1605 (s), 1331 (m), 741 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 5.22 (s, 1H, CH (COOH)
2), 5.30 (s, 2H, CH
2C
6H
4F), 6.75〜7.80 (m, 8H, 2Ar)
(12)2−[1−(3−フルオロ−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル)マロン酸二アンモニウム塩(Y12)
収率:75%
IR (KBr, cm
-1): 3340 (s), 2931 (w), 1641 (s), 1336 (m), 743 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 5.35 (s, 1H, CH(COOH)
2), 5.43 (s, 2H, CH
2C
6H
4F), 6.77〜7.78 (m, 8H, 2Ar)
(13)2−[1−(3−フルオロ−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル)マロン酸二ヒスチジン塩(Y13)
収率:84%
IR (KBr, cm
-1): 3154 (s), 3012 (m), 1600 (s), 1331 (m), 1226 (w), 741 (m)
1HNMR(500MHz, D
2O), δ (ppm): 3.10〜3.13 (d, 4H, ヒスチジンの2CH
2), 3.83〜3.87 (m, 2H, Histidineの2CHNH
2COOH), 5.22 (s, 1H, CH(COO
-)
2), 5.26 (s, 2H, CH
2C
6H
4F), 6.71〜7.73 (m, 10H, 2Arおよびヒスチジンの2イミダゾールの2H), 8.33 (s, 2H, ヒスチジンの2イミダゾール)
(14)2−[1−(3−フルオロ−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル)マロン酸二リシン塩(Y14)
収率:85%
IR (KBr, cm
-1): 3435 (s), 2931 (s), 1622 (s), 1328 (m), 744 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 1.32〜1.46 (m, 4H, リシンの2H
2NC
2H
4CH
2CH
2), 1.55〜1.66 (m, 4H, リシンの2H
2NC
2H
4CH
2CH
2), 1.72〜1.79 (m, 4H, リシンの2H
2NCH
2CH
2C
2H
4), 2.89〜2.93 (m, 4H, リシンの2H
2NCH
2CH
2C
2H
4), 3.55〜3.59 (m, 2H, リシンの2CH(NH
2)COOH), 5.25 (s, 1H, CH(COO
-)
2), 5.35 (s, 2H, CH
2C
6H
4F), 6.80〜7.87 (m, 8H, 2Ar)
(15)2−[1−(3−クロロ−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル]マロン酸二ナトリウム塩(Y15)
収率:80%
IR (KBr, cm
-1): 2937 (w), 1619 (s), 1336 (s), 744 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 5.22 (s, 1H, CH(COOH)
2), 5.26 (s, 2H, CH
2C
6H
4Cl), 6.94〜7.80 (m, 8H, 2Ar)
(16)2−[1−(3−クロロ−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル]マロン酸二カリウム塩(Y16)
収率:78%
IR (KBr, cm
-1): 2940 (w), 1605 (s), 1337 (s), 746 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 5.39 (s, 1H, CH (COOH)
2), 5.43 (s, 2H, CH
2C
6H
4Cl), 7.08〜7.95 (m, 8H, 2Ar)
(17)2−[1−(3−クロロ−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル]マロン酸二アンモニウム塩(Y17)
収率:71%
IR (KBr, cm
-1) : 3250 (s), 2942 (m), 1641 (s), 1322 (m), 746 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 5.23 (s, 1H, CH (COOH)
2), 5.33 (s, 2H, CH
2C
6H
4Cl), 6.76〜7.81 (m, 8H, 2Ar)
(18)2−[1−(3−クロロ−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル]マロン酸二ヒスチジン塩(Y18)
収率:82%
IR (KBr, cm
-1) : 3132 (s), 2932 (m), 1640 (s), 1326 (m), 742 (m)
1HNMR (300MHz, D2O), δ (ppm): 3.10 (m, 4H, ヒスチジンの2CH
2), 3.81〜3.83 (m, 2H, ヒスチジンの2CHNH
2COOH), 5.16 (s, 1H, CH(COO
-)
2), 5.22 (s, 2H, CH
2C
6H
4Cl), 6.86〜7.69 (m, 10H, 2Ar の8Hおよびヒスチジンの2イミダゾールの2H), 8.32 (s, 2H, ヒスチジンの2イミダゾール)
(19)2−[1−(3−クロロ−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル]マロン酸二リシン塩(Y19)
収率:91%
IR (KBr, cm
-1): 2934 (m
2), 1613 (s),, 1320 (m), 1105 (m), 741 (m
4)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 1.26〜1.34 (m, 4H, リシンの2H
2NC
2H
4CH
2CH
2), 1.49〜1.56 (m, 4H, リシンの2H
2NC
2H
4CH
2CH
2), 1.72〜1.74 (m, 4H, リシンの2H
2NCH
2CH
2C
2H
4), 2.81〜2.86 (m, 4H, リシンの2H
2NCH
2CH
2C
2H
4), 3.52〜3.62 (m, 2H, リシンの2CH(NH
2)COOH), 5.13 (s, 2H, CH
2C
6H
4Cl), 5.21 (s, 1H, CH(COO
-)
2), 6.88〜7.76 (m, 8H, 2Ar)
(20)2−[1−(4−クロロ−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル]マロン酸二ナトリウム塩(Y20)
収率:84%
IR (KBr, cm
-1): 2980 (w), 1642 (s), 1336 (m), 739 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 5.16 (s, 2H, CH
2C
6H
4Cl), 5.22 (s, 1H, CH(COOH)
2), 6.92〜7.76 (m, 8H, 2Ar)
(21)2−[1−(4−クロロ−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル]マロン酸二カリウム塩(Y21)
収率:82%
IR (KBr, cm
-1): 2982 (w), 1636 (s), 1325 (m), 741 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 5.18 (s, 1H, CH(COOH)
2), 5.24 (s, 2H, CH
2C
6H
4Cl), 6.99〜7.83 (m, 8H, 2Ar)
(22)2−[1−(4−クロロ−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル]マロン酸二アンモニウム塩(Y22)
収率:78%
IR (KBr, cm
-1): 3232 (s), 2985 (w), 1612 (s), 1323 (m), 743 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 5.24 (s, 1H, CH(COOH)
2), 5.31 (s, 2H, CH
2C
6H
4Cl), 7.08〜7.96 (m, 8H, 2Ar)
(23)2−[1−(4−クロロ−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル]マロン酸二ヒスチジン塩(Y23)
収率:94%
IR (KBr, cm
-1): 3162 (m), 2978 (m), 1638 (s), 1315 (m), 746 (m)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 3.00〜3.14 (m, 4H, ヒスチジンの2CH
2), 3.81〜3.85 (m, 2H, ヒスチジンの2CHNH
2COOH), 5.19 (s, 1H, CH(COO
-)
2), 5.25 (s, 2H, CH
2C
6H
4Cl), 6.93〜7.71 (m, 10H, 2Arの8Hおよびヒスチジンの2イミダゾールの2H), 812 (s, 2H, ヒスチジンの2イミダゾール)
(24)2−[1−(4−クロロ−ベンジル)−1H−インダゾール−3−オキシル]マロン酸二リシン塩(Y24)
収率:93%
IR (KBr, cm
-1): 2930 (m), 1619 (s), 1316 (m), 1108 (m), 740 (s)
1HNMR (500MHz, D
2O), δ (ppm): 1.24〜1.32 (m, 4H, リシンの2H
2NC
2H
4CH
2CH
2), 1.48〜1.58 (m, 4H, リシンの2H
2NC
2H
4CH
2CH
2), 1.65〜1.67 (m, 4H, リシンの2H
2NCH
2CH
2C
2H
4), 2.80〜2.85 (m, 4H, リシンの2H
2NCH
2CH
2C
2H
4), 3.45〜3.53 (m, 2H, リシンの2CH(NH
2)COOH), 5.19 (s, 1H, CH(COO
-)
2), 5.21 (s, 2H, CH
2C
6H
4Cl), 6.95〜7.75 (m, 8H, 2Ar)
【0025】
典型的な化合物の活性
水晶体に対してH
2O
2が引き起こす酸化障害にin vitroで抵抗する能力について調査するために、いくつかの典型的な化合物を選択する。この実験については以下に説明する。
【0026】
1.眼水晶体の培養
ラットおよびウサギを屠殺し、それらの眼球を取り出して、500u/mLのペニシリンを含有する食塩水で洗浄し、眼球をその後部から分割して眼球壁および硝子体を取り除き、提靱帯を取り去り、水晶体を取り出して、500u/mLのペニシリンと0.5mg/mLのストレプトマイシンとを含有するPBS溶液によって5分間洗浄する。実験前には、解剖鏡(anatomical lens)を用いて調べることにより、上記水晶体中に混濁化または他の異常状態がないことを確認し、次いで、上記水晶体を、2mLのDMEM/高グルコース(Beijing Thermo Fisher Scientific Biochemical Product Co.,Ltd.の製品)無菌培養液(これは、100u/mLのペニシリンおよび0.1mg/mLのストレプトマイシンを含有する)を含有する滅菌済み12ウェルプレート内に入れ、スクリーニングのために様々な化合物を加え、温度37℃、湿度95%およびCO
25%のインキュベーター中で1時間前培養し、続いて、H
2O
2とFeCl
3とを含有する2mLのDEME培養液を加え(すなわち、各ウェル中に合計4mLの培養液)(各ウェル中のH
2O
2の合計濃度は、ウサギに対しては2%、ラットに対しては5%であり、FeCl
3の濃度はすべて0.02%である)、同一条件下で24時間培養する。これらの実験は、以下のように数群に分け、バッチで実施し、各バッチには、陰性対照群とモデル群とが備わる。
【0027】
A.陰性対照群:H
2O
2を含有しないDMEM培養液。
B.モデル群(酸化障害群):H
2O
2およびFeCl
3を含有するDMEM培養液。
C.ビタミンC群:モデル群の成分に加えて、ビタミンCをさらに含有する(最終的な濃度は1mmol/L)。
D.ベンダザックリジン(BDL)群(BDLは、Zhejiang Shapuaisi Pharmaceutical Co.Ltd.によって提供され、その純度は98.5%を超えている):モデル群の成分に加えて、BDL(最終的な濃度は0.5mmol/Lである)をさらに含有する。
E.検体群:モデル群の成分に加えて、検体(最終的な濃度は0.5mmol/Lである)をさらに含有する。
【0028】
2.形態観察
24時間の培養後、眼水晶体の混濁化の程度を観察し、12ウェルプレート下の白色下地上に太さの異なる黒色の「+」を有する背景のもとで、写真を撮り、採点して3つの異なるグレードに分ける。
−は、正常で透明な水晶体を示す。
+は、軽度の混濁度(第1の「+」は、わずかに不明瞭であるが依然として明確に視認可能であり、第2の「+」は判然としている)を示し、等級Iである。
++は、中程度の混濁度(第2の「+」は、わずかに不明瞭であるが依然として明確に視認可能であり、第3の「+」は判然としている)を示し、等級IIである。
+++は、水晶体が完全に混濁化している(第3の「+」が明確に視認できない)ことを示し、等級IIIである。
【0029】
3.結果
in vitroでのウサギの眼水晶体に対してH
2O
2が引き起こす酸化障害に抵抗する検体化合物の能力についての結果は、表1に示しており、in vitroでのラットの眼水晶体に対してH
20
2によって引き起こされる酸化障害に抵抗する検体化合物の能力についての結果は、表2に示している。
【0030】
表1によれば、in vitroでのウサギの眼水晶体に対してH
2O
2が引き起こす酸化障害の阻害効果を示す化合物は、Y4およびY10であり、in vitroでのウサギの眼水晶体に対してH
2O
2が引き起こす酸化障害のY1、Y2、Y5およびY19の阻害効果は、顕著ではない。
【0031】
表2によれば、in vitroでのラットの眼水晶体に対してH
2O
2が引き起こす酸化障害の阻害効果を示す化合物は、Y1、Y4、Y5、Y14およびY19であり、in vitroでのラットの眼水晶体に対してH
2O
2が引き起こす酸化障害のY2およびY10の阻害効果は、顕著ではない。
【0032】
【表1】
【0033】
評価基準
モデル群に対する大量の実験によれば、上記群中の水晶体混濁化の異なる等級のパーセントと、上記モデル群中の水晶体混濁化の異なる等級のパーセントとの比率を定義として利用し、ここでは、わずかな改善(ν)に関しては、++(等級II、III)のパーセントは67%未満にすべきであり、かつ、+(等級I)のパーセントは33%を超えているべきであり、中程度の改善(νν)に関しては、++(等級II、III)のパーセントはさらに低下し、かつ、0(−)のパーセントが出現し、顕著な改善(ννν)に関しては、++(等級II、III)および+(等級I)のパーセントが消え、水晶体は、ほぼ透明である。
【0034】
【表2】
【0035】
評価基準
モデル群に対する膨大な実験によれば、上記群中の水晶体濁度の異なる等級のパーセントと、上記モデル群中の水晶体濁度の異なる等級のパーセントとの比率を定義として利用し、ここでは、わずかな改善(ν)に関しては、++(等級II III)のパーセントは、72%未満にすべきであり、かつ、+(等級I)のパーセントは、20%を超えているべきであり、中程度の改善(νν)に関しては、++(等級II III)のパーセントは、さらに低下し、かつ、0(−)のパーセントが出現し、顕著な改善(ννν)に関しては、++(等級II III)および+(等級I)のパーセントが消え、水晶体は、ほぼ透明である。