特許第5763762号(P5763762)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5763762-毛髪の洗浄方法 図000008
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5763762
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】毛髪の洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/46 20060101AFI20150723BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20150723BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
   A61K8/46
   A61K8/41
   A61Q5/02
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-519827(P2013-519827)
(86)(22)【出願日】2011年7月14日
(65)【公表番号】特表2013-533261(P2013-533261A)
(43)【公表日】2013年8月22日
(86)【国際出願番号】US2011044012
(87)【国際公開番号】WO2012009539
(87)【国際公開日】20120119
【審査請求日】2013年1月15日
(31)【優先権主張番号】61/364,519
(32)【優先日】2010年7月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100161115
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 智史
(72)【発明者】
【氏名】ハトン,ハワード デイヴィッド ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】シャイベル,ジェフリー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】キッコ,デイヴィッド ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】シュ,ジュイン
(72)【発明者】
【氏名】ソーンダーズ,チャールズ ウィンストン
(72)【発明者】
【氏名】プライス,ケネス ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ウルビン,ステファニー アン
(72)【発明者】
【氏名】グリーン,フィリップ リチャード
【審査官】 池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第00483689(EP,A1)
【文献】 国際公開第99/018929(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/090617(WO,A1)
【文献】 特表2006−528635(JP,A)
【文献】 特開昭62−246549(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第19944544(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪の洗浄方法であって、
(a)前記毛髪に組成物を適用する工程と、
(b)水性溶媒を使用して、前記組成物を溶解して泡立てる工程と、
(c)水性溶媒で前記毛髪をすすぐ工程と、
を含み、
前記すすぎ工程の間に、毛髪1グラム(乾燥重量)当り、合計100グラム〜300グラムの水性溶媒が使用され、
前記組成物が、3重量%〜35重量%の、10−メチルドデシルスルファートナトリウム若しくはアンモニウム塩、11−メチルドデシルスルファートナトリウム若しくはアンモニウム塩、10−メチルドデシルスルファートエトキシル化ナトリウム若しくはアンモニウム塩、11−メチルドデシルスルファート−1−エトキシル化ナトリウム若しくはアンモニウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの分枝状化合物と、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、トリデシル硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、マイレス硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの直鎖状化合物との混合物を含み前記組成物がポリアクリレート会合性増粘剤及びトリヒドロキシステアリン高分子増粘剤を含まない、方法。
【請求項2】
前記すすぎ工程の間に、毛髪1グラム(乾燥重量)当り、合計120グラム〜270グラムの水性溶媒が使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記すすぎ工程の間に、毛髪1グラム(乾燥重量)当り、合計170グラム〜210グラムの水性溶媒が使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
記直鎖状化合物対前記分枝状化合物の重量比(直鎖:分枝)が、10:1〜1:2である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記直鎖状化合物対前記分枝状化合物の重量比(直鎖:分枝)が、4.5:1〜1.75:1である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物が、美容的に許容可能な水性キャリアを更に含み、注ぐことが可能な液体の形態である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物が、10重量%〜25重量%の前記混合物を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
溶解工程が、0.1秒〜300秒の分散時間を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
溶解工程が、120秒〜180秒の分散時間を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記泡立てる工程が、合計0.19グラムの界面活性剤を含む組成物の泡の容積を合計200mLに到達させるために、0.1秒〜80秒の泡立て時間を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記泡立てる工程が、合計0.19グラムの界面活性剤を含む組成物の泡の容積を合計200mLに到達させるために、5秒〜50秒の泡立て時間を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物がカチオン性界面活性剤を更に含み、前記カチオン性界面活性剤がベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムメチルスルファート、ベヘニルトリメチルアンモニウムエチルスルファート、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムメチルスルファート、及びステアリルトリメチルアンモニウムエチルスルファートからなる群から選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
毛髪洗浄用組成物であって、0.1秒〜300秒の分散時間で水性溶媒中に溶解し、前記組成物は、3重量%〜25重量%の、10−メチルドデシルスルファートナトリウム若しくはアンモニウム塩、11−メチルドデシルスルファートナトリウム若しくはアンモニウム塩、10−メチルドデシルスルファートエトキシル化ナトリウム若しくはアンモニウム塩、11−メチルドデシルスルファート−1−エトキシル化ナトリウム若しくはアンモニウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの分枝状化合物と、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、トリデシル硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、マイレス硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの直鎖状化合物との混合物を含み、前記組成物が、ポリアクリレート会合性増粘剤及びトリヒドロキシステアリン高分子増粘剤を含まない、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
毛髪の洗浄方法であって、(a)毛髪に組成物を適用する工程と、(b)水性溶媒を使用して、組成物を溶解して泡立てる工程と、(c)水性溶媒で毛髪をすすぐ工程とを含み、すすぎ工程の間に、毛髪1グラム(乾燥重量)当り、合計約100グラム〜約300グラムの水性溶媒が使用され、組成物が、約3重量%〜約35重量%の、少なくとも2種の式Iの化合物の混合物を含む。
【背景技術】
【0002】
毛髪用に配合された洗浄組成物は、定期的に利用され、典型的には、毎日のように利用される。ヒトの毛髪を洗浄する際、洗浄組成物、すなわちシャンプーは、典型的には、パッケージから分取され、予め湿潤させた毛髪に適用される。洗浄組成物は、手を使用して、毛髪に塗擦され、洗浄を必要とする全ての毛髪へと分配される。水への溶解、及び手による塗擦動作を通じて、泡が形成される。泡が形成されると、気泡の形成により洗浄組成物の容積が増大するため、洗浄組成物はより容易に頭髪全体にわたって拡散し得ることになる。消費者にとって、泡は洗浄が行われていることの重要な指標である。洗浄組成物により毛髪を洗浄した後(典型的には、この洗浄は、数秒から数分まで持続する)、水を使用して組成物を毛髪から洗い流す。
【0003】
良好な洗浄を推進する界面活性剤パラメータ(例えば、界面をパッキングし、凝集する能力)と、泡を形成する能力との間には、相関関係が存在する。例えば界面でのパッキング作用により、空気−水界面、及び汚れ−水界面に非常に迅速に入り込む、界面活性剤が必要とされている。分枝状界面活性剤は、パッキング作用がより緩い(分枝に起因する)ことから単量体形態をとり、したがって界面に到達させるために崩壊させる必要があるような大きい凝集体を形成しないことから、これらの界面に迅速かつ効率的に入り込む。しかしながら、稠密なパッキングは、良好な泡の質と相関関係がある。ミセルのパッキングの稠密性をより低くした場合、臨界ミセル濃度(CMC)は、泡立ち速度だけでなく泡の質の低下にも相関関係がある。崩壊させる必要がある程稠密にパッキングされたミセル(低CMC)では、泡立ちが緩慢になり、またそれにより、洗浄も緩慢になるという欠点がある。
【0004】
人口が増加し、社会がより高度に発展するにつれて、典型的には需要は増大し、水などの基本的な資源の利用度及び費用が増大する。更には、世界の一部の地域、例えば、赤道付近の地域では、水は常に比較的供給不足の状態である。それゆえ、水が供給不足であるか、又は比較的入手し難い場合に使用することができる、毛髪の洗浄方法を提供する必要がある。
【0005】
毛髪の洗浄に際し使用する水量をより少なくするためには、組成物は、従来の組成物に必要とされる水量よりも少ない水量でも溶解し得るものであるべきである。更には、その組成物は、より少量の水が利用される場合にも泡を形成するべきである。更には、組成物は、組成物を毛髪からすすぐために使用される水量がより少量になり得るようなものであるべきである。現代では、洗浄などの毎日の家事を、可能な限り迅速に行なうことが求められている。毛髪用組成物の関連では、家事の迅速化には、より迅速な分散(溶解)時間、より迅速な泡形成、及び/又はより迅速なすすぎが必要とされる。最後に、天然資源及び再生可能資源から誘導することができる、洗浄活性物質を見出す必要性が存在する。
【0006】
洗浄組成物への分枝状化合物の使用は、例えば、国際公開第99/18929号、同第2005/009385号、米国特許第6,150,312号、国際公開第2009/090617号、同第2009/053931号で既知である。これらの既存の技術は、本発明の有利点及び利益の全てを提供するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第99/18929号
【特許文献2】国際公開第2005/009385号
【特許文献3】米国特許第6,150,312号
【特許文献4】国際公開第2009/090617号
【特許文献5】国際公開第2009/053931号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様では、本発明は、毛髪の洗浄方法に関し、この方法は、
(a)前記毛髪に組成物を適用する工程と、
(b)水性溶媒を使用して、前記組成物を溶解して泡立てる工程と、
(c)水性溶媒で前記毛髪をすすぐ工程と、を含み、
前記すすぎ工程の間に、毛髪1グラム(乾燥重量)当り、合計100グラム〜300グラムの水性溶媒が使用され、
前記組成物が、3重量%〜35重量%の、10−メチルドデシルスルファートナトリウム若しくはアンモニウム塩、11−メチルドデシルスルファートナトリウム若しくはアンモニウム塩、10−メチルドデシルスルファートエトキシル化ナトリウム若しくはアンモニウム塩、11−メチルドデシルスルファート−1−エトキシル化ナトリウム若しくはアンモニウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの分枝状化合物と、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、トリデシル硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、マイレス硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの直鎖状化合物との混合物を含み、前記組成物が、ポリアクリレート会合性増粘剤及びトリヒドロキシステアリン高分子増粘剤を含まない。
【0010】
第2の態様では、本発明は、毛髪洗浄用組成物に関し、組成物は、約0.1秒〜約300秒の分散時間で水性溶媒中に溶解し、組成物は、約3重量%〜約35重量%の、10−メチルドデシルスルファートナトリウム若しくはアンモニウム塩、11−メチルドデシルスルファートナトリウム若しくはアンモニウム塩、10−メチルドデシルスルファートエトキシル化ナトリウム若しくはアンモニウム塩、11−メチルドデシルスルファート−1−エトキシル化ナトリウム若しくはアンモニウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの分枝状化合物と、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、トリデシル硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、マイレス硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの直鎖状化合物との混合物を含み、前記組成物が、ポリアクリレート会合性増粘剤及びトリヒドロキシステアリン高分子増粘剤を含まない
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】すすぎ行程の回数対3つの異なる組成物に関する摩擦のグラフ。x軸はくし/ブラシの往復回数であり、y軸は摩擦力(グラム単位の抵抗力)である。組成物A及び組成物Bは、本発明に従うものである。組成物Cは、本発明に従うものではない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
特に記述のない限り、全ての百分率は、組成物全体の重量によるものである。全ての比率は、特に記述のない限り、重量比である。全ての範囲は、包含的であり、かつ組み合わせ可能である。有効数字の数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。用語「分子量」又は「M.Wt.」は、本明細書で使用するとき、特に記述のない限り、重量平均分子量を指す。
【0014】
全ての数値的な量は、特に記述のない限り、用語「約」によって修飾されることが理解されよう。特に記述のない限り、全ての測定は、25℃で周囲条件下で実施されるものと理解され、「周囲条件」とは、約1気圧の圧力下で約50%の相対湿度での条件を意味する。列挙される成分に関する場合、特に指定のない限り、全てのこのような重量は活性レベルに基づくものであり、市販の材料中に含まれ得るキャリア又は副生成物を含むものではない。
【0015】
本明細書では、「含む」とは、最終結果に影響を及ぼさない、他の工程及び他の成分を追加し得ることを意味する。この用語は、用語「〜からなる」及び用語「本質的に〜からなる」を包含する。本発明の組成物、方法、使用法、キット、及びプロセスは、本明細書で説明される、本発明の必須要素及び制約、並びに本明細書で説明される、追加成分若しくは任意成分、構成要素、工程、又は制約のいずれをも含み、それらからなり、本質的にそれらからなることができる。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「実質的に含まない」とは、組成物全体の、約1重量%未満、又は約0.8重量%未満、又は約0.5重量%未満、又は約0.3重量%未満、又は約0重量%を意味する。
【0017】
「毛髪」とは、本明細書で使用するとき、頭皮の毛、顔面の毛、及び身体の毛を含めた、哺乳類の毛を意味し、特に、ヒトの頭部及び頭皮上の毛に関する。
【0018】
本明細書で使用するとき、「末端付近分枝状」の、脂肪酸、脂肪族アルコール、並びに脂肪酸及び脂肪族アルコールの誘導体(すなわち、「末端付近分枝状化合物」)は、最長鎖の非官能化末端から40%以内の場所にある炭素原子上に、1、2、又は3の(C1〜C3)アルキル分枝を含む。この末端付近分枝状の、脂肪酸、脂肪族アルコール、並びに脂肪酸及び脂肪族アルコールの誘導体の、官能化末端は、酸、アルコール、又は誘導体部分を含むものである。炭素主鎖の末端の非官能化炭素は、「ω」位置と称される。例えば、鎖中に炭素原子を10個含む末端付近分枝状化合物はω−3の位置までの分枝を有し得るが、鎖中に炭素原子を30個含む末端付近分枝状化合物はω−11の位置までの分枝を有し得る。本明細書での末端付近分枝状化合物は、典型的には、化合物のω−1、ω−2、ω−3、ω−4、ω−5、及び/又はω−6の位置で、あるいはω−1、ω−2、及び/又はω−3の位置で、あるいはω−1及び/又はω−2の位置で、分枝を有する。
【0019】
【化1】
【0020】
ω−1の位置で分枝を有する末端付近分枝状化合物は、「イソ」と称される。ω−2の位置で分枝を有する末端付近分枝状化合物は、「アンテイソ」と称される。例えば、その炭素主鎖中に炭素原子を10個含み、ω−1の位置にメチル分枝を有する化合物では、分枝は炭素鎖の非官能化末端の40%以内の場所に存在するため(例えば、2/10×100%=20%)、末端付近分枝状と称される。対照的に、炭素主鎖中に炭素原子を10個含み、ω−4の位置にメチル分枝を有する化合物では、分枝は炭素鎖の非官能化末端の40%以内の場所には存在しないため(例えば、5/10×100%=50%)、「末端付近分枝状」とは称されない。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「アルキル」とは、直鎖状及び分枝状の、飽和炭化水素基を指す。本明細書で使用するとき、用語「アルケニル」は、「アルキル」と同様に定義されるが、ただし、炭素−炭素二重結合を含み、例えば、エテニル、プロペニル、及びブテニルである。
【0022】
本明細書で使用するとき、「直鎖状」の、脂肪酸、脂肪族アルコール、並びに脂肪酸及び脂肪族アルコールの誘導体(すなわち、「直鎖状化合物」)は、その炭素鎖上に分枝を含まない。
【0023】
本明細書で使用するとき、「中鎖」分枝状の、脂肪酸、脂肪族アルコール、並びに脂肪酸及び脂肪族アルコールの誘導体(すなわち、「中鎖分枝化合物」)は、炭素主鎖の非官能化末端の約40%〜約60%の場所にある炭素原子上に、アルキル分枝を含む。例えば、鎖中に炭素原子を12個含む中鎖分枝状化合物は、ω−5及び/又はω−6の位置に分枝を有し得る。鎖中に炭素原子を30個含む中鎖分枝状化合物は、ω−12〜ω−17の位置に分枝を有し得る。
【0024】
「美容的に許容可能な」とは、本明細書で使用するとき、説明される組成物、処方、又は成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、及びアレルギー反応性などを伴わず、ヒトのケラチン組織と接触させて使用するために好適であることを意味する。本明細書で説明され、ケラチン組織に直接適用するという用途を有する全ての組成物は、美容的に許容可能である様制限される。
【0025】
「炭素主鎖」とは、本明細書で使用するとき、その化合物中の炭素主鎖を意味する。
【0026】
「誘導体」としては、本明細書で使用するとき、所定の化合物のアミド誘導体、エーテル誘導体、エステル誘導体、アミノ誘導体、カルボキシル誘導体、アセチル誘導体、及び/又はアルコール誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書で説明される洗浄組成物は、優れた性能上の利益を提供する。これらの利益としては、分散(溶解)が非常に迅速であること、従来の組成物よりも溶解するために必要とされる水が少ないこと、迅速な泡形成により泡立ち時間が短縮されること、迅速かつ完全なすすぎによりすすぎ時間が短縮されることが挙げられる。更には、本組成物は、低温で安定であり、硬水条件に耐容性がある。
【0028】
理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、分枝状化合物は、直鎖状化合物と比較して、パッキングの効率が劣るものと考えている。パッキングの効率は、化合物中の分枝の配置、及び分枝のサイズに応じて変化する。効率的なパッキングは、良好な泡立ち及び洗浄と相関関係があるが、パッキングがあまりにも効率的であると結晶性が導かれることになり、結果として、より望ましくない分散速度、より望ましくないすすぎ反応速度、及びより望ましくない泡立ち反応速度が生じる恐れがある。本発明者らは、パッキングの程度を、分枝状化合物と直鎖状化合物との比率を最適化することによって調整することができ、また分枝状化合物中の分枝の配置によっても調整することができる点を、更に見出した。組成物中に直鎖状化合物を存在させることで、分枝状化合物により得られる利益が最適化される。
【0029】
第1の態様は、毛髪に組成物を適用することを含む、毛髪の洗浄方法に関する。この方法はまた、水性溶媒を使用して、組成物を溶解して泡立てる工程も含む。一実施形態では、水性溶媒は、少なくとも約50重量%の、又は少なくとも約60重量%の、又は少なくとも約70重量%の、又は少なくとも約80重量%の、又は少なくとも約90重量%の水である。
【0030】
一実施形態では、溶解工程は、約0.1秒〜約300秒の、又は約50秒〜約250秒の、又は約100秒〜約200秒の、又は約120秒〜約180秒の、又は約150秒〜約160秒の分散時間を伴う。「分散時間」とは、本明細書で使用するとき、組成物を水中に完全に分散させるために費やされる時間である。分散時間は、水溶液中の電気伝導度の変化を測定することによって測定することができる。組成物が溶解するにつれて、溶液中にはより多くのイオンが存在するようになり、伝導度が増大する。溶液中に組成物が完全に溶解すると、伝導度の値は、最終的には定数で横ばい状態となる。結果として、分散時間の測定は、組成物を水に添加するときに開始され、伝導度がその最終値に到達するときに終了する。この測定は、分散時間に関する技術的な測定法であり、実際に消費者が使用した場合の分散時間と相関関係がある。様々な消費者により、様々な量のエネルギーが(例えば、消費者が彼らの手を擦り合わせることによって加えられるエネルギー)組成物/溶媒に加えられることになるが、技術的分散時間の改善は、消費者が使用する際の分散時間の改善にも通じるものである。
【0031】
一実施形態では、泡立てることは、合計0.19グラムの界面活性剤を含む組成物が、合計200mLの泡の容積に到達するための、約0.1秒〜約80秒の、又は約2秒〜約60秒の、又は約5秒〜約50秒の、又は約10秒〜約30秒の泡立ち時間を含む。「泡立ち時間」とは、本明細書で使用するとき、泡の容積が、使用と共に、どの程度急速に増大するかである。泡立ち時間は、機械的に泡を発生させる機械を用い測定することができる。組成物が、より急速に(機械的動作の時間)泡を作り出すという点で利点を示す場合には、この利点は、消費者使用の際に、より容易に泡が発生することになるということと相関関係がある。経時的に泡の容積を測定し、同時に測定された複数種の異なる組成物と比較することができる。2つの異なる組成物間の泡の容積の差異は、特定の時点、例えば、20秒後に測定することができ、あるいは、特定の泡の容積に到達するまでに費やされる時間を測定することもできる。
【0032】
この方法はまた、水性溶媒で毛髪をすすぐことも含む。一実施形態では、すすぎ工程の間に、毛髪1グラム(乾燥重量)当り、合計約120グラム〜約270グラムの、又は140グラム〜約250グラムの、又は150グラム〜約240グラムの、又は約160グラム〜約230グラムの、又は約170グラム〜約210グラムの、又は180グラム〜約200グラムの水性溶媒が使用される。
【0033】
本組成物は、約3重量%〜約35重量%の、上述のような、少なくとも2種化合物の混合物を含む。一実施形態では、本組成物は、約4重量%〜約34重量%の、又は約5重量%〜約30重量%の、又は約10重量%〜約28重量%の、又は約20重量%〜約25重量%の、上述のような、少なくとも2種化合物の混合物を含む。
【0034】
一実施形態では、本組成物は少なくとも1つの直鎖状化合物、及び少なくとも1つの分枝状化合物を含
【0035】
一実施形態では、直鎖状化合物と分枝状化合物との重量比(直鎖:分枝)は、約10:1〜約1:2、又は約5:1〜約1:1、又は約4.5:1〜約1.75:1、又は約3.5:1〜約2.5:1である。
【0036】
一実施形態では、分枝状化合物は、末端付近分枝状化合物、中鎖分枝状化合物、及びこれらの混合物からなる群から選択される。一実施形態では、分枝状化合物は、末端付近分枝状化合物である。一実施形態では、分枝状化合物は、ω−1、ω−2、ω−3、ω−4、ω−5、及びω−6、あるいはω−1、ω−2、及びω−3、あるいはω−1及びω−2からなる群から選択される位置に配置される、少なくとも1つの分枝を含む。一実施形態では、分枝状化合物は、1つのみの分枝を含み、その分枝は、ω−1、ω−2、及びω−3、あるいはω−1及びω−2からなる群から選択される位置に配置される。本組成物は、末端付近分枝状化合物又は中鎖分枝状化合物のいずれでもない分枝状化合物を実質的に含み得ない。一実施形態では、本組成物は、中鎖分枝状化合物を実質的に含まない。
【0037】
一実施形態では、分枝状化合物は、1つの分枝を含み、その分枝は、メチル分枝及びエチル分枝からなる群から選択されるか、あるいは、その分枝は、メチル分枝である。この分枝は、炭素原子及び水素原子のみを含み得る。一実施形態では、分枝状化合物は、10−メチルドデシルスルファートナトリウム若しくはアンモニウム塩、11−メチルドデシルスルファートナトリウム若しくはアンモニウム塩、10−メチルドデシルスルファートエトキシル化ナトリウム若しくはアンモニウム塩、11−メチルドデシルスルファート−1−エトキシル化ナトリウム若しくはアンモニウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。そのような分枝状化合物は、下記の合成情報を使用して合成することができ、かつ/あるいはAldrich及び他の専門の化学製造業者から購入することができる。
【0038】
一実施形態では、直鎖状化合物は、炭素原子を12〜14個含むアニオン性界面活性剤の塩である。直鎖状化合物は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、トリデシル硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、マイレス硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0039】
本組成物は、補助界面活性剤を更に含み得る。一実施形態では、この補助界面活性剤は、本組成物全体の約0.01重量%〜約20重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%の量で存在し得る、アニオン性補助界面活性剤である。このアニオン性補助界面活性剤は、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。一実施形態では、アニオン性補助界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム又はラウレス硫酸ナトリウムである。一実施形態では、アニオン性補助界面活性剤は、CAPB(ココアミドプロピルベタイン)、ココベタイン(CocoB)、ラウロアンホ酢酸ナトリウム(NaLAA)、ラウリルヒドロキシスルタイン(LHS)、ココモノエタノールアミド(CMEA)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0040】
本組成物は、高融点脂肪族化合物を含み得る。本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。高融点化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993、及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,1992に見出される。本組成物は、湿らせた毛髪へ適用する際の滑るような感触、乾燥した毛髪に対する柔軟性及び湿気を含んだ感触などの、コンディショニング利益の改善を提供する観点から、本組成物全体の約0.1重量%〜約40重量%、又は約1重量%〜約30重量%、又は約1.5重量%〜約16重量%、又は約1.5重量%〜約8重量%の高融点脂肪族化合物を含み得る。一実施形態では、脂肪族アルコールは、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0041】
本組成物は、カチオン性ポリマーを含み得る。本組成物は、本組成物全体の約0.05重量%〜約3重量%、又は約0.075重量%〜約2.0重量%、又は約0.1重量%〜約1.0重量%のカチオン性ポリマーを含み得る。このカチオン性ポリマーは、本組成物の使用目的のpHで、約0.5ミリ等量/グラム〜約7ミリ等量/グラム、又は約0.9ミリ等量/グラム〜約5ミリ等量/グラム、又は約1.2ミリ等量/グラム〜約4ミリ等量/グラムのカチオン電荷密度を有し得、そのpHは、通常は、約pH 3〜約pH 9、又は約pH 4〜約pH 8の範囲となる。本明細書では、ポリマーの「カチオン電荷密度」とは、そのポリマー上の正電荷の数と、そのポリマーの重量平均分子量との比率を指す。このカチオン性ポリマーの重量平均分子量は、約10,000〜1000万、又は約50,000〜約500万、又は約100,000〜約300万とすることができる。
【0042】
好適なカチオン性ポリマーは、四級アンモニウムなどのカチオン性窒素含有部分、又はカチオン性プロトン化アミノ部分を含み得る。対イオンは、ハロゲン化物(例えば、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)、スルファート、メチルスルファート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。カチオン性ポリマーは、多糖類ポリマー、カチオン性グアーガム誘導体、四級窒素含有セルロースエーテル、合成ポリマー、エーテル化セルロースのコポリマー、グアー及びデンプン、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。カチオン性ポリマーは、本組成物中で可溶性であるか、又はカチオン性ポリマー、並びにアニオン性、両性、及び/又は双極性イオン性界面活性剤によって形成された組成物中の、複合コアセルベート相中で可溶性であるべきである。カチオン性ポリマーの複合コアセルベートはまた、本組成物中の他の帯電物質で形成することもできる。
【0043】
一実施形態では、カチオン性ポリマーは、カチオン性界面活性剤である。カチオン性界面活性剤は、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムメチルスルファート、若しくはベヘニルトリメチルアンモニウムエチルスルファート、及びステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムメチルスルファート、若しくはステアリルトリメチルアンモニウムエチルスルファートからなる群から選択することができる。より長鎖のアルキル基は、より短鎖のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、湿った毛髪及び乾燥した毛髪に対して、滑らかさ及び柔軟な感触の改善を提供すると考えられる。そのようなカチオン性界面活性剤は、より短鎖のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、刺激の低減を提供することができるとも考えられる。
【0044】
一実施形態では、カチオン性界面活性剤は、約12〜約22個の炭素のアルキル基を有する、三級アミドアミンである。この三級アミドアミンは、ステアラミドプロピルジメチル−、ステアラミドプロピルジエチル−、ステアラミドエチルジエチル−、ステアラミドエチルジメチル−、パルミトアミドプロピルジメチル−、パルミトアミドプロピルジエチル−、パルミトアミドエチルジエチル−、パルミトアミドエチルジメチル−、ベヘンアミドプロピルジメチル−、ベヘンアミドプロピルジエチル−、ベヘンアミドエチルジエチル−、ベヘンアミドエチルジメチル−、アラキドアミドプロピルジメチル−、アラキドアミドプロピルジエチル−、アラキドアミドエチルジエチル−、及びアラキドアミドエチルジメチル−アミン、ジエチルアミノエチルステアラミド、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0045】
カチオン性界面活性剤は、ジアルキル(14〜18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジヒドロ添加タローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物からなる群から選択される、ジ−長鎖アルキル四級化アンモニウム塩とすることができる。
【0046】
本組成物は、コンディショニング剤を含み得る。このコンディショニング剤は、乳化液体粒子を形成する、非水溶性の、水分散性、不揮発性の液体を含み得る。このコンディショニング剤は、シリコーン(例えば、シリコーンオイル、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、高屈折シリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステル)、又はこれらの組み合わせ、あるいは本明細書での水性界面活性剤マトリックス中に、他の方法で液体の分散粒子を形成する、コンディショニング剤とすることができる。シリコーンコンディショニング剤の濃度は、本組成物全体の約0.01重量%〜約10重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%とすることができる。好適なシリコーンコンディショニング剤、及びそのシリコーンに関する任意選択的な懸濁化剤は、米国特許第5,104,646号で説明されている。一実施形態では、本組成物は、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)のコポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)のコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される、シリコーンガムを含む。
【0047】
一実施形態では、本組成物は、末端アミノシリコーンを含む。この末端アミノシリコーンは、次の式IIIに一致し得る。
(R1a3-a−Si−(−OSiG2n−O−SiG3-a(R1aIII
式中、Gは、水素、フェニル、ヒドロキシ、又はC1〜C8のアルキル、好ましくはメチルであり、aは1〜3の値を有する整数、好ましくは1であり、bは、0、1、又は2、好ましくは1であり、nは、0〜1,999の数であり、R1は、一般式CqH2qLに一致する一価のラジカルであって、式中、qは、2〜8の値を有する整数であり、Lは、基:−N(R2)CH2−CH2−N(R22、−N(R22、−N(R23-、−N(R2)CH2−CH2−NR22-から選択され、式中、R2は、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和炭化水素ラジカル、好ましくは約C1〜約C20のアルキルラジカルであり、A-は、ハロゲン化物イオンである。一実施形態では、末端アミノシリコーンは、上述のような式IIIに一致し、式中、Gはメチルであり、aは1であり、bは1であり、nは200〜1000の数であり、R1は一般式CqH2qLに一致する一価のラジカルであって、式中、qは2〜8の値を有する整数であり、Lは基:−N(R2)CH2−CH2−N(R22、−N(R22、−N(R23-、−N(R2)CH2−CH2−NR22-から選択され、式中、R2は約C1〜約C20のアルキルラジカルであり、A-はハロゲン化物イオンである。
【0048】
本組成物はまた、抗フケ活性物質も含み得る。この抗フケ活性物質は、抗菌活性物質、ピリジンチオン塩、アゾール、硫化セレン、粒子状イオウ、角質溶解酸、サリチル酸、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、コールタール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。本組成物は、ジンクピリジンチオン(ZPT)を含み得る。ピリジンチオン抗フケ剤は、例えば、米国特許第2,809,971号で説明されている。抗フケ活性物質の濃度は、本組成物全体の約0.01重量%〜約5重量%、又は約0.1重量%〜約3重量%、又は約0.1重量%〜約2重量%とすることができる。
【0049】
本組成物は、保湿剤を含み得る。この保湿剤は、多価アルコール、水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。保湿剤は、本明細書で使用される場合、好ましくは、本組成物全体の約0.1重量%〜約20重量%、より好ましくは、約0.5重量%〜約5重量%の濃度で使用される。
【0050】
本組成物は、本組成物中に水溶性材料を分散形態で懸濁させるのに有効な濃度で、又は本組成物の粘度を修正するのに有効な濃度で、懸濁化剤を更に含み得る。この懸濁化剤の濃度は、本組成物全体の約0.1重量%〜約10重量%、又は約0.3重量%〜約5.0重量%の範囲とすることができる。この懸濁化剤は、アニオン性ポリマー及び/又は非イオン性ポリマー(例えば、ビニルポリマー、アシル誘導体、長鎖アミンオキシド、及びこれらの混合物、脂肪酸のアルカノールアミド、長鎖アルカノールアミドの長鎖エステル、グリセリルエステル、少なくとも約16個の炭素原子を有する脂肪族アルキル部分を有する一級アミン、少なくとも約12個の炭素原子をそれぞれ有する2つの脂肪族アルキル部分を有する二級アミン)とすることができる。懸濁化剤の例は、米国特許第4,741,855号で説明されている。
【0051】
本組成物は、注ぐことが可能な液体(周囲条件下で注ぐことが可能)の形態とすることができる。それゆえ、そのような組成物は、典型的には、約20%〜約95%、又は約60%〜約85%の濃度で存在する、美容的に許容可能な水性キャリアを含むことになる。一実施形態では、本組成物は、美容的に許容可能な水性キャリアを更に含み、注ぐことが可能な液体の形態である。美容的に許容可能な水性キャリアは、水、並びに低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液からなる群から選択することができる。低級アルキルアルコールは、1〜6個の炭素を有する一価アルコールとすることができる。一実施形態では、低級アルキルアルコールは、エタノール及びイソプロパノールである。多価アルコールは、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールとすることができる。
【0052】
上記のカチオン性界面活性剤は、高融点脂肪族化合物及び水性キャリアと共に一体化して、本組成物中でゲルマトリックスを形成し得る。このゲルマトリックスは、湿った毛髪へ適用する際の滑るような感触、及び乾燥した毛髪に対する柔軟性及び湿気を含んだ感触などの、様々なコンディショニング利益を提供するために好適である。上記のゲルマトリックスを提供する観点から、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物は、カチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物との重量比が、約1:1〜約1:10、又は約1:1〜約1:6の範囲内にあるような濃度で含有される。ゲルネットワーク又はゲルマトリックスの存在は、SAXS及びDSC(示差走査熱量測定)による分析試験方法を含む、様々な試験方法によって測定することができる。
【0053】
本組成物は、水溶性ビタミン及びその誘導体、水溶性アミノ酸並びにその塩及び/又は誘導体、粘度調整剤、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤、起泡増進剤、追加的な界面活性剤又は非イオン性補助界面活性剤、殺シラミ剤、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、ビタミン、ナイアシンアミド、カフェイン、及びミノキシジルを更に含み得る。本組成物は、本組成物全体の約0重量%〜約5重量%の、ビタミン及びアミノ酸を含み得る。本組成物はまた、CI名を有するものなどの水溶性成分を含む、無機、ニトロソ、モノアゾ、ジスアゾ、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン、植物色素、天然色素などの、顔料材料も含み得る。本組成物は、約0%〜約5%の顔料材料を含み得る。本組成物は、約0%〜約5%の抗菌剤を含み得る。本組成物は、約6〜約10、又は約7〜約10、又は約7〜約9のpHを有し得る。
【0054】
一実施形態では、本組成物は、泡立ちの際に、空気−水界面、及び/又は汚れ−水界面への界面活性剤の移行を遅延させる化合物を実質的に含まない。一実施形態では、本組成物は、ポリアクリレート会合性増粘剤、及びトリヒドロキシステアリン高分子増粘剤を、約0.5重量%未満で含むか、又は実質的に含まない。ポリアクリレート会合性増粘剤の例としては、商標名カルボマーを有するものが挙げられる。Thixcin(登録商標)は、トリヒドロキシステアリン高分子増粘剤の一例である。
【0055】
第1の態様は、ヘアケア及び/又はヘアスタイリング組成物を提供して、毛髪に適用することを更に含み得る。更には、又は代替として、この第1の態様は、毛髪にスタイリング効果を適用するための、用具を提供することを含み得る。
【0056】
本発明の第2の態様は、毛髪洗浄用組成物に関し、本組成物は、約3重量%〜約35重量%の、上述のような、少なくとも2種化合物の混合物を含む。一実施形態では、本組成物は、約0.1秒〜約300秒の分散時間で水性溶媒中に溶解する。一実施形態では、本組成物は、少なくとも1種直鎖状化合物、及び少なくとも1種分枝状化合物を含む。一実施形態では、分枝状化合物は、10−メチルドデシルスルファートナトリウム若しくはアンモニウム塩、11−メチルドデシルスルファートナトリウム若しくはアンモニウム塩、10−メチルドデシルスルファートエトキシル化ナトリウム若しくはアンモニウム塩、11−メチルドデシルスルファート−1−エトキシル化ナトリウム若しくはアンモニウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0057】
本組成物に関連する、第1の実施形態に関して上記で開示されるような様々な実施形態は、第2の実施形態の本組成物に、同様に適切である。
【0058】
本発明の第3の態様は、毛髪洗浄用組成物の使用に関し、本組成物は、約0.1秒〜約300秒の分散時間で水性溶媒中に溶解し、本組成物は、約3重量%〜約35重量%の、上述のような少なくとも2種化合物の混合物を含む。
【0059】
一実施形態は、毛髪洗浄用組成物の使用に関し、本組成物は、約120秒〜約180秒の分散時間で水性溶媒中に溶解し、本組成物は、約3重量%〜約35重量%の少なくとも1種直鎖状化合物と、少なくとも1種分枝状化合物とを含む、組成物を含み、分枝状化合物は、10−メチルドデシルスルファートナトリウム若しくはアンモニウム塩、11−メチルドデシルスルファートナトリウム若しくはアンモニウム塩、10−メチルドデシルスルファートエトキシル化ナトリウム若しくはアンモニウム塩、11−メチルドデシルスルファート−1−エトキシル化ナトリウム若しくはアンモニウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択され、直鎖状化合物と分枝状化合物との重量比(直鎖:分枝)は約4.5:1〜約1.75:1である。
【0060】
本組成物に関連する、第1の実施形態に関して上記で開示されるような様々な実施形態は、第3の実施形態による本組成物の使用に、同様に適切である。
【0061】
合成機序
分枝状化合物は、メタセシスによって合成することができる。有用な機序はまた、Suguro及びMori(1979),Agric.Biol.Chem.,43(4),869、Yuasa及びTsuruta(2004),Flavour Fragr.J.,19,199でも論じられている。更には、遺伝子組み換えバクテリアを介した製造が、米国特許第2010/0105955号、同第2010/0105963号、国際公開第2007/136752号、同第2008/119082号、同第2009/111672号、及び米国特許第61/289039号で説明されている。
【0062】
末端付近分枝アルコールを調製するための、3−メチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、及び4−メチル−1−ペンテンを使用する、トリオレイン酸グリセリルのメタセシス:
反応物質、及びその後続の生成物は、油から誘導することができる:トリオレエート(スキーム1に示す)、ダイズ(水素添加)、ナタネ、キャノーラ、パーム、パーム核、ココナツ、ジャトロファ、高エルカ酸ナタネ、綿実、タロー、イエローグリース、トウモロコシ、ヒマワリ、ババス、及びこれらの混合物。メタセシス反応で使用されるオレフィンは、単一の分枝オレフィン、分枝オレフィンの混合物、あるいは分枝オレフィンと、芳香族アルキル、パラフィン、分枝パラフィン、及びシクロアルカンなどの他の非反応性不純物との混合物とすることができる。
【0063】
【化2】
【0064】
I.A.末端付近分枝アルコールの混合物の合成:約8.854g(0.010モル)のトリオレイン酸グリセリル(Sigmaカタログ#T7140)及び25mLのヘキサンを、316ステンレス鋼攪拌圧力槽内に定置する。溶媒及びトリオレイン酸グリセリルは、槽への導入の前に、4Aモレキュラーシーブの上で予備乾燥させる。約0.0006モルの六塩化タングステン、及び0.0006モルのテトラメチルスズを、槽に添加する。この反応器を密封して、攪拌し、N2で数回パージする。約0.030モルの、3−メチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、及び4−メチル−1−ペンテンのブレンドを、N2下でこの槽に添加する。攪拌混合物を、100psigのN2下で220℃まで加熱し、この温度で数時間維持する。反応器を冷却して、生成物を取り出す。この反応混合物を、2〜3mLの濃水酸化アンモニウムで急冷し、追加の10mLヘキサンで抽出する。このヘキサン、及び残留している揮発性オレフィンを、ロータリーエバポレーター上で取り除く。残渣生成物に、分留を施して、残存した不揮発性オレフィン混合物を取り出す。11−メチル−9−テトラデセン、12−メチル−9−トリデセン、及び12−メチル−9−テトラデセンの混合物を主として含有するこの分枝オレフィン混合物に、標準的反応条件下で水素添加して、分枝を有する高品質の準バイオディーゼル燃料を生成する。蒸留後のフラスコの底の画分には、新たに分枝トリグリセリド混合物が主として含まれる。この新たなトリグリセリド混合物に、メタノール、及びメタノール中の触媒量の水酸化ナトリウム若しくはナトリウムメトキシドの存在下で、標準的なエステル交換条件を施す。混合相は、グリセリン(下相)と、12−メチル−9−テトラデセン酸メチルエステル、12−メチル−9−トリデセン酸メチルエステル、及び11−メチル−9−テトラデカン酸メチルエステルから主としてなる、メチルエステルの混合物(上相)とに分離する。この特異な分枝メチルエステル混合物を、水素の存在下で、銅クロマイト触媒を使用して、標準的な手順を用いて還元し、本質的に、12−メチルテトラデカン−1−オール、12−メチルトリデカン−1−オール、及び11−メチルテトラデカン−1−オールの混合物を得る。この混合物を真空蒸留して、精製混合物を提供する。
【0065】
I.B.スルホン化:攪拌し及びN2パージにより空気を排除した反応容器に、実施例I.A.に従い調製した末端付近アルコール混合物を22.1グラム(約0.1モル)充填する。50mLのジエチルエーテルを添加する。この混合物を、−5℃まで冷却する。混合物の温度を10℃未満に維持しながら、12.23グラム(0.105モル)のクロロスルホン酸を滴加する。真空を適用して、発生するHClガスを除去しながら、混合物を〜30℃まで昇温させた。ジエチルエーテルを、蒸発させつつ2回置換しながら、連続的に2時間混合する。次いでこのエーテルを、次の工程の前に、真空によって除去する。得られた混合物を、氷浴中で冷却された、22.68gの、25%ナトリウムメトキシド(0.105モル)/メタノール溶液を含む、ステンレス鋼のビーカーに、混合しつつ徐々に添加する。この混合物を1時間攪拌し、次いで、ステンレス鋼製のトレー内に注ぎ込む。次いで、溶媒を蒸発させ、真空オーブンを使用して、この試料を更に乾燥させる。末端付近分枝アルコールスルファート界面活性剤が得られる。
【0066】
I.C.末端付近分枝アルコールエトキシレート:223.7グラム(1.0モル)の、上記の実施例I.A.の末端付近アルコール混合物に加えて、好適な期間内にかつ制御可能な方式で、このアルコールとエチレンオキシドとの反応を促進するために十分な触媒を、冷却コイルを有する600mLステンレス鋼攪拌圧力槽に投入する。好適な触媒は、水酸化カリウムの50%水溶液からなる1.1グラムの溶液である。他の種類及び他の量の触媒を、使用することができる。触媒と共に導入される恐れがある、水などの副生成物をもたらし得る材料を除去するために、真空を適用しながら、この反応器を、実施例I.A.の末端付近分岐アルコール混合物を損失させない温度(水流吸引器を真空源として使用する場合、通常は、40℃〜90℃であるが、好ましくは、60℃〜80℃)で加熱する。水の除去は、通常は約50rpmの低速の攪拌を使用しながら、底部ドレンバルブ、又はステンレス鋼ガス分散フリット、若しくは任意の不活性浸漬管、若しくは焼結金属フリット材料のいずれかを通じた、低レベル(細流)の不活性ガス流を使用して、混合物をスパージすることによって、あるいは混合物の上方領域を不活性ガスで掃引することによって、促進させる。試料を反応器から採取し、Karl−Fischer滴定法などの、適切な分析方法を使用して、含水量に関して分析することができる。水除去工程の完了後、反応器システムが、無制御の反応速度を防止するように適切に設計されている場合には、エチレンオキシドを一度に全て添加することができる。しかしながら、最良の反応制御は、静的な真空下で(又は、任意選択的に、N2などの不活性ガスからの追加の圧力を使用して)、このアルコール−触媒の混合物とエチレンオキシドとの反応が、最小限の副生成物及び色発生を伴って生じるために好適な温度(通常は、85℃〜150℃であるが、好ましくは、約110℃〜130℃)まで、反応器を最初に加熱することによって得られる。反応器が、所望の温度に到達した後、308グラム(7.0モル)のエチレンオキシドを、冷却システムによって制御可能な速度で、通常は30〜60分の期間にわたって、添加する。エチレンオキシドの添加が完了した後、そのエチレンオキシドが反応によって消費されるまで、攪拌及び加熱を継続する。次いで、生成物を脱気し、反応槽から取り出して、そのまま保管することができ、又は触媒を、クエン酸、HCl、又は硫酸から選択される1等量の酸で中和して長期間保管することもできる。中和された生成物を濾過して、あらゆる固体残留物を除去することができる。この時点で、界面活性剤が準備される。
【実施例】
【0067】
手引き:=オレイル系油及び3−メチル−1−ブテンを介して誘導可能;=ナトリウム又はアンモニウム塩;適量=100%とするために十分な量;単位を有さない場合、数字は重量%の単位である。なお、下記の組成物A、C、E、G、I、Lは参考例である。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
シリコーン、SLS、EGDSを、任意の組成物A〜Fから除去して、浄化シャンプーを生成することができる。
【0072】
比較データ
上記の手引きを参照されたい。
【0073】
【表4】
【0074】
溶解時間実験:0.5グラムの組成物(合計0.13gの界面活性剤を含む)を、標準的なスライドガラス(Corning 2947 MicroSlides)上に定置する。組成物で覆われたスライドを、周囲条件で1分間平衡化させる。次いで、製品を含むスライドガラスを、1Lの水(34℃+/−2℃に維持)を含むビーカー内に浮遊させる。溶液を再現可能な方法で、400rpmで攪拌する(IKA BigSquid 1500RPM攪拌機)。導電率プローブを、溶液中に挿入する。溶液の導電率は、製品が溶解するにつれて上昇する。次いで、スライドを水中に定置したときから、導電率測定値が一定に維持されるようになるまで(製品が完全に溶解するまで)、時間を記録する。結果は、溶解するための秒数として得られる。
【0075】
泡立ち時間実験(制御SITA方法を使用):ヘアピースを用いるこの泡立ち性の試験方法は、組成物に関する、泡立ちの容易性及び容積を評価するように設計されたものである。東洋人の未処理の毛髪の房(平坦構造、59.1g/m(15g/10インチ))を、ヘキサン溶液からなる0.1gの人口皮脂で均一に処置し、現実的なレベルの汚れを提供する。泡の評価では、このヘアピースを、最初に水道水(38℃(100°F)、0.12〜0.17g/L(7〜10gpg)の硬度)で濡らし、毛髪1グラム(乾燥重量)当り1gのH2O含水量まで、脱水する。0.75グラムの組成物(合計0.19gの界面活性剤を含む)を、ヘアピースの中央に適用し、次いで、ヘアピースの下部を、毛髪上の組成物の上から、5回円運動して擦り付けて、この組成物を均等に分配する。この後、40回の前後ストロークを続ける。泡立ちの容易性は、泡の容積が、消費者に適切なレベル(200mLの泡)に到達するために必要な時間(秒)によって、判定される。
【0076】
すすぎ実験(制御された速度で毛髪をすすぐ際に測定される、毛髪に対する摩擦):4グラム、20.3cm(8インチ)の長さのヘアピースを、ヘアピースホルダー内に束ねて、40℃及び典型的な硬度(0.15〜0.17g/L(9〜10gpg))の水を使用し手操作で、10秒間湿潤させ、完全かつ均等な湿潤を確保する。束ねたヘアピースのホルダーの下方2.54cm(1インチ)から末端に向けた長さにわたって、乾燥毛髪1グラム当たり組成物(合計0.026グラムの界面活性剤を含む)が0.1グラムになるよう(毛髪1グラム当たり0.1グラム、すなわち、毛髪20グラムに関して2グラム)で、組成物を均一に適用する。より濃縮されている試作品に関しては、使用レベルは、毛髪1グラム当たり0.05グラム(合計0.013gの界面活性剤)まで低減する。このヘアピースを、30秒間、消費者によって典型的に使用される擦り付け運動によって泡立て、完全性を確保するために、40℃、1.5ガロン/分で流れる水を使用して、30秒間すすぐ(毛髪は手操作されている)。次いで、すすぎを開始すると同時に、毛髪の摩擦を、Instron又はTA−XTなどのロードセル計器を介して、測定する。すすぎ工程の間は、水流量を上記のように制御し、ロードセル計器のストロークは、毛髪からシャンプーが除去されるにつれて、摩擦が増大することを示す。組成物が完全にすすがれたことを示す、消費者に適切な摩擦(〜9.8N(1000グラムの抵抗力))により迅速に達する組成物は、必要とする水がより少ない。結果は、この摩擦に到達するために必要とされる水のグラム数として記録される。図1から、その計算は、以下の測定値に基づくものとした:各ストロークは12秒であり、水流量は、400mL/分である。毛髪からの組成物のすすぎの終了を表す、消費者に適切な摩擦の点(本明細書では、9.8N(1000gの抵抗))、この抵抗に到達するために必要なストローク数を見出し、このストローク数に従って、使用された水の量が計算される。例えば、10回のストロークは120秒を意味し、800グラムの水を意味する。ヘアピースの重量は、4グラムである。800グラムの水は、毛髪1グラム当り、200グラムの水となる。
【0077】
本明細書に開示される寸法及び値は、記載される正確な数値に厳密に限定されるものとして理解するべきではない。むしろ、特に指定のない限り、そのような各寸法は、記載される値、及びその値周辺の機能的に等価な範囲の双方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
図1