(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接合領域が固相接着を含み、前記第1および第2の複合物品の前記上層内に含有された前記ポリマー材料が相互の中に拡散される、請求項1または2に記載の複合材料。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の内容は、例えば、エレクトロニクス、オプティクス、通信、建築、構築物等に関する用途など、建築材料および技術材料に使用するための複合物品を目的としている。ここに記載された実施形態の複合物品は自己清浄性特性を有し、長期間の耐用年数を容易にし、それらが共に使用される物品のメンテナンスを低減した。
【0021】
図1は、実施形態による複合物品の断面図を示す。図示されたように、複合物品100は、複数の層を備えることができる。複合物品100は、接着剤層101と、接着剤層101の上に重なるコア層103と、コア層103の上に重なる上層105とを備えることができる。さらに図示されたように、複合物品100は、接着剤層101が境界面113においてコア層103と直接接触しているように形成され得る。特定の実施形態において、コア層103は、層101および103の間の境界面113において接着剤層101に直接に接着され得る。さらに、複合物品100は、上層105が境界面111においてコア層103と直接接触しているように形成され得る。いくつかの実施形態において、上層105は、境界面111においてコア層103に直接に接着され得る。
【0022】
さらに図示されたように、複合物品100は、接着剤層101の主面によって画定された基礎表面115を備えることができる。複合物品100を別の物品に付着させるために使用できるのはこの表面である。複合物品100は、上層105の最上面によって画定された外面109を備えることができる。実施形態によって、上層105は、上層105を形成する材料の体積内に配置された光触媒材料107を備えるように形成されてもよい。
【0023】
接着剤層101を特に参照して、基礎構造物など、下にある構造物への複合物品100の接着を容易にするために接着剤層101を形成することができる。それ故に、様々な用途において様々な材料上のオーバーレイまたはコーティングとして複合物品100を利用することができる。さらに、接着剤層101は、一緒に接着された複数の層から形成されてもよい。ここでより詳細に説明されるように、このような層は、キャスティングプロセスによって形成されてもよい。
【0024】
実施形態によって、接着剤層101がポリマー材料を含有することができる。より詳しくは、接着剤層がフルオロポリマー材料を含有することができる。例えば、特定の適したフルオロポリマー材料には、テトラハロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、ヘキサフロオロプロピレン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、エチレンおよびプロピレンのフッ素含有ホモポリマー、コポリマーおよびターポリマーなどの材料が挙げられる。さらに特定の場合において、フルオロポリマーには、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、過フッ素化エラストマー(FFPM/FFKM)、ペルフルオロポリエーテル(PFPE)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフロオロプロピレンおよびフッ化ビニリデンターポリマー(THV)、およびそれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0025】
特定の場合において、接着剤層101は、ポリマー材料の組み合わせを含有することができるように形成され得る。すなわち、ポリマー材料のブレンド、例えばフルオロポリマー材料とエラストマーを使用することができる。特定の場合において、接着剤層101は、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)とエラストマー、例えば過フッ素化エラストマー(FFPM/FFKM)とのブレンドを含有するように形成され得る。
【0026】
さらに特定の場合において、特定のタイプのフルオロポリマーを用いてもよい。例えば、焼結されていないPTFE材料を用いてもよい。焼結されていないPTFEは、剪断される時にフィブリルを形成することができる。2つの焼結されていないPTFE表面が互いに剪断されるとき、フィブリルは相互にもつれ合い、物品の後続の焼結を可能にするために十分な強度の機械的接着を形成する。焼結した後、2つの焼結されていないPTFE層は区別できず、単一の焼結PTFE層を形成する。
【0027】
1つの実施形態によって、接着剤層101は、FEPと過フッ素化エラストマーとのブレンドを含有することができる。ブレンドは、コア層103に接着するための適した強度および材料特性を示したままで、フルオロポリマー材料であるにもかかわらず接着剤特性を促進する。
【0028】
複合物品100は、接着剤層101が特定の平均厚さ(T
a)を有するように形成され得る。接着剤層101は、コア層103の平均厚さ(T
c)よりかなり小さい平均厚さ(T
a)を有するように形成されてもよい。1つの実施形態によって、接着剤層101は、約0.1ミクロン〜約0.05mmの範囲内の平均厚さを有するように形成され得る。
【0029】
複合物品100は、コア層103を備えるように形成され得る。コア層103は、複合物品100に適した特定の機械的、美的、および電気的性質を提供することができる。特定の場合において、コア層103は複数の層から形成され得る。コア層103は特定の浸漬キャスティング方法によって形成されてもよいことは理解されよう。1つの特定の形成方法に関する詳細が本明細書において提供される。
【0030】
実施形態によって、コア層103がポリマー材料、より詳しくはフルオロポリマー材料を含有することができる。適したフルオロポリマー材料には、テトラハロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、ヘキサフロオロプロピレン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、エチレンおよびプロピレンのフッ素含有ホモポリマー、コポリマーおよびターポリマーなどの材料が挙げられる。さらに特定の場合において、フルオロポリマーには、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、過フッ素化エラストマー(FFPM/FFKM)、ペルフルオロポリエーテル(PFPE)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフロオロプロピレンおよびフッ化ビニリデンターポリマー(THV)、およびそれらの組み合わせなどが挙げられる。特に、コア層103は、フルオロポリマー材料、特にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成され得る。1つの特定の場合において、コア層103は、本質的にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなるように形成され得る。
【0031】
さらに、コア層103は、充填剤を混入するように形成され得る。いくつかの適した充填剤には、炭素、マイカ、金属酸化物、金属ビスマス、シリケート、PEEK、PPS、およびエラストマーなどが挙げられる。充填剤材料は、複合物品100の放射線の特定の波長の透過性または吸収性、顔料着色性ならびに特定の電子的性質(例えば誘電特性)、光学的性質を促進する特徴、およびそれらの組み合わせなどの複合物品100の特定の態様を強化するように提供され得る。
【0032】
特に、コア層103は、材料の連続した層であり得る。すなわち、コア層103は、必ずしも布または織物品ではないが、実質的に均一な厚さの連続した材料の層である。すなわち、コア層103は、非常に小さい多孔度、例えばコア層103の全体積の1vol%未満を有してもよい。コア層103は、その厚さを貫通する開口を必ずしも有しない。実際、特定の場合において、コア層103は、密度の高い低透過性層として利用されてもよい。
【0033】
実施形態によって、コア層103は、接着剤層101の平均厚さ(T
a)または上層105の平均厚さ(T
up)よりもかなり大きい平均厚さ(T
C)を有するように形成され得る。特定の場合において、コア層は、約1ミクロン〜約0.1mmの間の範囲内の平均厚さ(T
c)を有することができる。
【0034】
上層105は、コア層103の上に重なるように形成され得る。さらに、上層105は、ポリマーと光触媒材料107とを含有する材料の組み合わせを混入することができる。いくつかの場合において、構成成分の重量パーセントに応じて、上層105は、ポリマー材料と光触媒材料107との混合物を含有することができる。特定の場合において、光触媒材料107は一般に、ポリマー材料の母材によって所定の位置に保持され得る。代わりに、上層105、そしてより詳しくは、上層105の部分は、光触媒材料107が多量に存在して母材を形成することができ、且つポリマー材料が光触媒材料の母材を含浸している(すなわち、光触媒材料の網目構造の細孔内に広がっている)ように形成され得る。
【0035】
図2は、実施形態による複合物品100の一部分の断面図を示す。実施形態によって、上層105は、ポリマー材料と光触媒材料107との組み合わせを含有するように形成され得る。特定の場合において、上層105は、上層105の全重量に対して少なくとも約25wt%の光触媒材料を含有することができる。他の場合において、上層内の光触媒材料の量はより多くてもよく、例えば上層105の全重量に対して少なくとも約28wt%、少なくとも約30wt%、少なくとも約33wt%、少なくとも約35wt%、少なくとも約38wt%、少なくとも約40wt%、少なくとも約42wt%、少なくとも約45wt%、少なくとも約47wt%、少なくとも約50wt%、少なくとも約52wt%、少なくとも約55wt%、少なくとも約57wt%、少なくとも約60wt%、少なくとも約62wt%、またはさらに少なくとも約65wt%であってもよい。あるいは、特定の場合において、上層105は、上層105の全重量に対して約90wt%以下、約85wt%以下、約80wt%以下、約75wt%以下、約70wt%以下、約65wt%以下、約60wt%以下、約55wt%以下、約50wt%以下、約45wt%以下、約40wt%以下、約35wt%以下の光触媒材料を含有するように形成されてもよい。上層105内の光触媒材料の含有量に応じて、上層105を構成する材料の重量パーセントの残余がポリマー材料を含有することができることは理解されよう。
【0036】
実施形態によって、上層105内のポリマー材料がフルオロポリマーを含有することができる。適したフルオロポリマー材料には、テトラハロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、ヘキサフロオロプロピレン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、エチレンおよびプロピレンのフッ素含有ホモポリマー、コポリマーおよびターポリマーなどの材料が挙げられる。さらに特定の場合において、フルオロポリマーには、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、過フッ素化エラストマー(FFPM/FFKM)、ペルフルオロポリエーテル(PFPE)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフロオロプロピレンおよびフッ化ビニリデンターポリマー(THV)、およびそれらの組み合わせなどが挙げられる。1つの特定の実施形態において、上層105内のポリマー材料がペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)を含有する。特定の典型的な複合物品100において、上層105が、本質的にペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)からなるポリマーを含有する。別の実施形態によって、上層105が、本質的にPFAおよび光触媒材料からなるように形成される。
【0037】
光触媒材料107が、特に有効な濃度において外面109に存在し得る。外面109の一部に存在して画定する光触媒材料は、露光される間有効であるにすぎない。上層を形成するポリマー材料の体積内に埋められた光触媒材料は、効果が無くされている。ここに記載された複合材料を形成する方法は、上層105の外面109に有効な濃度の光触媒材料の配置を容易にする。
【0038】
特定の実施形態において、上層105内に存在している光触媒材料のかなりの含有量が、上層105の外面109に存在し得る。例えば、1つの実施形態において、上層105内に存在している光触媒材料107の全含有量の少なくとも10%が、上層105の外面109の少なくとも一部と相接触してそれを画定する。実際、特定の場合において、上層105内に存在している光触媒材料107の全含有量の少なくとも約15%、例えば少なくとも約18%、少なくとも約20%、少なくとも約22%、少なくとも約25%、少なくとも約28%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、またはさらに約50%が、上層105の外面109に存在し得る。さらに、1つの非限定的な実施形態において、上層105内に存在している光触媒材料107の全含有量の約90%以下、約80%以下、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約40%以下が、上層105の外面109に存在し得る。
【0039】
1つの実施形態において、外面109は、外面109の全面積の少なくとも約25%が光触媒材料107によって画定されるように形成され得る。別の場合において、光触媒材料が、外面109の全面積のより大きいパーセンテージを画定することができ、例えば上層105の外面109の全表面積の少なくとも約30%、少なくとも約32%、少なくとも約35%、少なくとも約37%、少なくとも約40%、少なくとも約42%、少なくとも約45%、少なくとも約47%、少なくとも約50%、少なくとも約52%、少なくとも約55%、少なくとも約57%、少なくとも約60%、少なくとも約62%、またはさらに少なくとも約65%を画定することができる。さらに、特定の場合において、光触媒材料107は、上層105の外面109の全面積の約99%以下、約95%以下、約90%以下、約85%以下、またはさらに約80%以下を画定することができる。
【0040】
実施形態によって、上層は、従来の光反応性複合材料と比べて上層105の外面109において単位面積当たり少なくとも約2%大きい濃度の光触媒材料を含むように形成され得る。外面の光触媒材料109の濃度は、外面109と相接触して露出された光触媒材料の濃度によって測定される。特に、典型的な従来の光反応性複合材料には、Saint−Gobain Performance Plastics,Incから入手可能なSHEERFILL(登録商標)EverClean材料があり、それはコートされた布コア層上にPTFEおよび酸化チタン光触媒材料の上層を備える。
【0041】
他の場合において、外面の光触媒材料の全濃度が、従来の光反応性複合材料と比べて単位面積当たり少なくとも4%大きい濃度であり得る。さらに別の実施形態において、複合物品100は、外面109が、従来の光反応性複合材料の外面に存在している触媒材料と比べて少なくとも約6%大きい濃度、例えば少なくとも約8%大きい濃度、少なくとも約10%大きい濃度、少なくとも約12%大きい濃度、少なくとも約15%大きい濃度、少なくとも約18%大きい濃度、またはさらに少なくとも約20%大きい濃度の光触媒材料を含むように形成され得る。さらに、特定の場合において、上層105は、外面109が、従来の光反応性複合材料の外面に存在している光触媒材料と比べて単位面積当たり約99%以下、例えば約90%以下、約80%以下、またはさらに約70%以下でいっそう大きい濃度の光触媒材料を含むように形成され得る。
【0042】
材料の表面の光触媒材料の量を測定するための好ましい方法は、観察試験のための走査電子顕微鏡または他の光学拡大装置の利用を含めることができる。
【0043】
従来の製品の外面の光触媒材料の量と比べて新規な複合物品の外面の光触媒材料において異なっているパーセント(PMext%)を計算するための適した式は、PMext%=[(PMn−PMc)]/PMc]×100%であり得る。PMnは、上記の観察試験を使用して試料の外面において同定された光触媒材料(例えば、粒子)の平均値であり、PMcは、上記の観察試験を使用して外面において同定された光触媒材料(例えば、粒子)の平均値である。
【0044】
上層105の外面109は特に平滑な平均表面荒さ(R
a)を有することができ、それを光学技術または表面プロフィロメーターを使用して測定することができる。実際、外面の平均表面荒さは、コートされた布コア層上にPTFEおよび酸化チタン光触媒材料の上層を備えるSaint−Gobain Performance Plastics, Incから入手可能なSHEERFILL(登録商標)EverClean材料などの従来の光反応性複合材料の平均表面荒さと比べて少なくとも約2%減少であり得る。特に、当該形成方法は、平滑且つ均一な上層105の形成を容易にし、また、外面109の光触媒材料の有効な配置を容易にする。別の実施形態によって、外面の平均表面荒さは、従来の光反応性複合材料の平均表面荒さ(R
a)と比べて少なくとも約4%減少、例えば少なくとも約6%減少、少なくとも約8%減少、少なくとも約10%減少、少なくとも約12%減少、少なくとも約15%減少、少なくとも約25%減少、少なくとも約40%減少、またはさらに少なくとも約50%減少であり得る。
【0045】
新規な複合物品と従来の製品との間の表面荒さにおいて異なったパーセント(R
a%)を計算するために適した式は、R
a%=[(R
ac−R
an)]/R
ac]×100%であり得る。R
anは、新規な複合物品の外面109の平均表面荒さ(Ra)であり、R
acは、従来の製品の外面の平均表面荒さである。
【0046】
実施形態によって、光触媒材料107が、電磁スペクトルの可視光線および紫外部にわたる範囲内の放射線に露光された時に光レドックス反応を開始することができる光半導性材料を含有することができる。実施形態によって、光触媒材料107が酸化物を含有することができる。いくつかの適した酸化物には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、酸化タングステン、およびそれらの組み合わせなどの特定の遷移金属酸化物構成成分を混入する金属酸化物が挙げられる。特定の実施形態によって、光触媒材料107が二酸化チタン(TiO
2)を含み、より詳しくは本質的に二酸化チタン(TiO
2)からなってもよい。特定の実施形態について、二酸化チタンがアナスターゼ相二酸化チタンであってもよい。
【0047】
1つの実施形態において、光触媒材料は粒状材料であり得る。粒状材料は、例えば、細長、針状、小板、不規則、丸形、およびそれらの組み合わせなどの特定の形態を有することができる。さらに、光触媒材料107は、サブミクロンである平均粒度を有する粒状材料であり得る。いくつかの場合において、光触媒材料は、およそナノスケールである平均粒度を有する粒状材料であり得る。例えば、粒状光触媒材料107の平均粒度は、約1ミクロン以下、例えば約0.5ミクロン以下、約0.1ミクロン以下、約0.08ミクロン以下、約0.05ミクロン以下、約0.03ミクロン以下、またはさらに約0.01ミクロン以下であり得る。
【0048】
実施形態によって、上層105は、平均厚さ(T
up)が粒状光触媒材料の平均粒度の約25倍〜約1000倍の範囲内、例えば約25倍〜約500倍の範囲内、またはさらに約100倍〜約500倍の範囲内であるように形成され得る。特に薄く平滑な上層105の形成は、外面109においての光触媒材料の配置を容易にすることができる。
【0049】
1つの実施形態において、上層105は、コア層103の平均厚さ(T
c)よりもかなり小さい平均厚さ(T
up)を有するように形成され得る。特定の場合において、上層105は、約0.01ミクロン〜約0.05mmの範囲内である平均厚さ(T
up)を有することができる。
【0050】
上層105は、本質的に特定の材料を含有しないように形成されてもよい。例えば、1つの実施形態において、上層105は、本質的にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなるように形成され得る。他の実施形態において、上層105は、本質的にフッ素化エチレンプロピレン(FEP)を含有しないように形成され得る。他の実施形態において、上層105は、本質的にポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)を含有しないように形成され得る。
【0051】
別の実施形態によって、複合物品100は、上層が従来の光反応性複合材料の光反応性と比べて増加された光反応性を有するように形成され得る。1つの典型的な従来の光反応性複合材料には、Saint−Gobain Performance Plastics,Incから入手可能なSHEERFILL(登録商標)EverClean材料があり、そこにおいて浸漬被覆された織布複合材の上層は、二酸化チタン粒状材料が光触媒材料として層に埋め込まれている。
【0052】
一般に標準化試験JISR1703−2に基づいた染料試験によって光反応性複合材料の光反応性を測定することができ、それは、試料中のメチレンブルー染料の分解活性を測定することによって活性レベルを測定する。得られた性質は分解活性指数(DAI)を提供し、それは1体積および1分当たり分解するメチレンブルー染料の量(単位:μmol/L/分)である。1つの実施形態において、DAIは少なくとも約3μmol/L/分、例えば少なくとも約5μmol/L/分、少なくとも約8μmol/L/分、またはさらに少なくとも約10μmol/L/分であり得る。別の実施形態において、DAIは、約100μmol/L/分以下、例えば約50μmol/L/分以下、またはさらに約30μmol/L/分以下である。特定の実施形態においてDAIは少なくとも約12μmol/L/分および約20μmol/L/分以下である。
【0053】
染料は、上層105の外面109の光触媒材料(例えば、TiO
2)にだけ付着する。それ故に、複合材料の試料を染料に暴露する前、および暴露後に再び、特定の波長の光を表面に向けることができる。測定を行なうための特定のプロセス制御には、0.20mmol/Lのメチレンブルー染料溶液の濃度、1.75×2.75インチの複合物品、または複合物品の少なくとも上層の試験片の大きさが挙げられる。試料を溶液中に10分間浸漬することができる。その後、材料のΔE*
abを式ΔE*
ab=[(ΔL*)
2+(Δa*)
2+(Δb*)
2]
1/2を用いて計算することができ、上式中、ΔL*、Δa*、Δb*はCIELab色空間を規定する個々の色座標の変化を表す。少なくとも3つの単一測定が、試料の表面にわたる3つのランダムな位置で行われる。測定された結果はΔE*
abを計算するために用いられ、値は、試料について平均ΔE*
abを定量するための平均である。
【0054】
1つの特定の実施形態によって、ここに記載された実施形態の複合物品は、平均ΔE*
abによって測定された時に少なくとも約20の光反応性を有する。他の実施形態において、光反応性は少なくとも約21、例えば少なくとも約22、少なくとも約23、またはさらに少なくとも約24である。特定の場合において、光反応性は約60以下、例えば約55以下、または約50以下である場合がある。
【0055】
別の実施形態によって、複合物品100の上層105の増加された光反応性は、従来の光反応性複合材料の光反応性と比べて少なくとも約2%、例えば少なくとも約4%、少なくとも約6%、少なくとも約8%、少なくとも約10%、少なくとも約12%、少なくとも約15%、少なくとも約18%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、またはさらに少なくとも約40%増加であり得る。さらに、増加された光反応性は、従来の製品の光反応性と比べて約150%以下、例えば約125%以下、またはさらに約100%以下である場合がある。従来の製品と比べて新規な複合物品の光反応性において異なったパーセントを比較するための適した式はPR%=[(PRn−PRc)]/PRc]×100%であり得るが、上式中、PRnが新規な複合材料の光反応性(すなわち、平均ΔE*
ab)であり、PRcが、従来の製品の光反応性(すなわち、平均ΔE*
ab)である。
【0056】
複合物品100を形成する方法に関して、特定の加工技術を用いて、ここで説明された特徴を有する複合物品100の形成を容易にすることができる。1つの典型的なプロセスにおいて、米国特許第5,075,065号明細書に一般に説明されたプロセスなどの浸漬キャスティングプロセスによって複合物品を形成することができる。浸漬キャスティングプロセスは移動ベルトを利用することができ、それはポリイミド材料から形成されてもよい。移動ベルトは、移動ベルトをコートして材料の薄い層を移動ベルト上に形成することが意図された構成成分を含有する材料の特定の分散体を通過されてもよい。移動ベルトを材料の薄い層でコートした後、材料は、その上に堆積された薄い層の機械的およびまたは化学的性質を変化させるためにさらなる加工(例えば、焼結)を受けてもよい。浸漬キャスティングプロセスを必要な回数様々な分散体を通して繰り返して、同じ材料の多層または一連の異なった層を含む層状複合材を形成することができる。
【0057】
実施形態によって、複合物品100を形成するプロセスは、移動ベルトを高濃度の光触媒材料を含む分散体中を通過させることによって開始され得る。特定の場合において、分散体は、分散体中のスラリーの全重量に対して約25wt%〜約65wt%の範囲内、より詳しくは約30wt%〜約45wt%の範囲内の量の酸化チタン粒子のスラリーを含有することができる。光触媒材料のこの初期層の形成は、上層105の外面109を有する複合物品の形成を容易にすることができ、そこにおいて高濃度の光触媒材料が上層105の外面109に存在し得る。機構は完全には理解されていないが、最初に上層を形成すること、特に、高濃度の光触媒材料を有する材料の薄い層を平滑面(すなわち、移動ベルト)に対して形成すること、そして次に上層がベルトに対して保持され、ベルトと付加的な層との間に挟まれることが、特に有効な上層の形成を容易にする。それ故に、複合物品、およびそれらの層の各々がトップダウン法で形成されてもよく、それは、SHEERFILL(登録商標)EverClean材料のような典型的な従来の光反応性複合材料におけるような、この層を形成する他の方法とは異なっている。
【0058】
後続の浸漬キャスティングプロセスを行い、複合物品の他の構成層を形成することができる。例えば、所望の構成成分と添加剤とを有する1つまたは複数の特定の分散体を用いて、コア層105を浸漬キャスティングによって形成して1つまたは複数の層を形成し、予め堆積された上層の上にコア層を製造することができる。例えば、互いに接着された複数の層を形成することによってコア層103を形成することができ、そこにおいて特定の層は、所望の性質を達成するために特定の分散体に添加される添加剤を含有することができる。したがって、コア層103を形成するために使用された2つの分散体中の化学成分は、各々の層の所望の特性に応じて、互いに異なっていてもよい。接着剤層101を同様な方法で形成することができることは理解されよう。
【0059】
図3は、実施形態による複合構造物の断面図を示す。図示されたように、複合構造物300は基礎構造物301を備えることができる。さらに、複合構造物は、基礎構造物301の上に重なる複合物品100を備えることができる。特定の場合において、複合物品100は、基礎構造物301と直接に接触していてもよく、より詳しくは、境界面310において基礎構造物の表面に直接に接着されてもよい。
【0060】
実施形態によって、基礎構造物301は、エレクトロニクス産業、オプティクス産業、エレクトロオプティクス産業、電気通信の他、RF周波数通信などの他の通信、医療産業、建築産業、およびそれらの組み合わせなどの様々な用途において利用される構造物であり得る。
【0061】
特定の場合において、基礎構造物301は、異なったタイプの材料の多層状構築物などの複合構造物を含有することができる。例えば、特定の複合構造物は、天然および合成材料の組み合わせを含有することができる。いくつかの複合構造物は、セラミック、ガラス、ポリマー、自然繊維、織材料、不織材料等からなる材料の群から選択される1つまたは複数の材料の組み合わせを含有することができる。
【0062】
1つの実施形態において、基礎構造物301は、構造布などの可撓性材料であり得る。実際、特定の場合において、可撓性材料は、織または不織支持材料と1つまたは複数の上に重なるかまたは下にある材料とを利用する複合材であり得る。上に重なるかまたは下にある材料は織材料または不織材料であってもよい。典型的な可撓性材料には、米国特許第7,196,025号明細書、米国特許第5,357,726号明細書、および米国特許第7,153,792号明細書(その情報を全体において本願明細書に組み込む)に記載された材料が挙げられる。
【0063】
特定の他の場合において、基礎構造物301は剛性材料であり得る。剛性材料は、上に記載された材料の何れかを混入する複合材料であり得る。より詳しくは、いくつかの適した剛性材料には、金属、金属合金、セラミック、ガラス、ポリマー、フォーム、およびそれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0064】
図4は、実施形態による複合構造物の断面図を示す。図示されたように、複合構造物400は基礎構造物401を備えることができる。基礎構造物401は、基層403と、基層403の上に重なる中間層405と、中間層405の上に重なる上層407とを導入する複合材料であり得る。さらに、複合構造物400は、基礎構造物401の上に重なる複合物品100を備えるように形成され得る。特定の場合において、複合物品100は、基礎構造物401と間接的に接触し得る。さらに特定の場合において、複合物品100は、基礎構造物401に直接に接着されてもよく、基礎構造物401の上層407の表面に直接に接着されてもよい。
【0065】
実施形態によって、基礎構造物401は複合材料であり得る。より詳しくは、中間層405は多孔性コア材料であり得る。中間層は、ガラス、セラミック、ポリマー、金属、金属合金、天然材料、織材料、不織材料、およびそれらの組み合わせなどの材料を含有することができる。
【0066】
図示されたように、中間層405の多孔性コア材料は、1つまたは複数の材料に付着されるかまたは組み合わせられてもよい。例えば、中間層405の多孔性コア材料は、上層407および基層403それぞれによって画定されるような、上に重なるおよび下にあるスキン層を有することができる。スキン層は、ガラス、セラミック、ポリマー、金属、金属合金、天然材料、織材料、不織材料、およびそれらの組み合わせなどの材料から形成され得る。特定の場合において、基層403または上層405は複合材料、特に含浸材料(すなわち、「プレプレグ材料」)を含有することができるスキン層であり得る。例えば、複合材料は、不織材料と共に含浸され得る布または織材料を含有することができる。1つの特定の実施例において、適したプレプレグ材料には、ポリマーで含浸された織ガラス繊維が挙げられる。ポリマー材料は熱硬化性または熱可塑性材料であり得る。
【0067】
図5は、実施形態によるトランスミッタ/レシーバ構造物を図示する。図示されたように、トランスミッタ/レシーバ構造物500は、基部501と、基部501に付着されたトランスミッタ/レシーバ組立体503と、トランスミッタ/レシーバ組立体503上に重なるカバー505とを備えるトランスミッタ/レシーバ組立体を包含する。特に、カバー505は、トランスミッタ/レシーバ組立体503に特定の大気元素および過酷な環境要因からの保護を提供することができる。実施形態によって、カバー505は、ここに記載されたような複合物品100を包含することができる。さらに、カバーは、ここで実施形態において説明されたような基礎構造物と複合物品とを備える複合構造物を包含することができる(例えば、
図4および5において説明された構造物を参照)。カバー505は、外面507が複合物品100から構成され、上層105の外面109がカバー505全体の外面507を形成するように形成されてもよいことは理解されよう。
【0068】
図6は、実施形態による複合シートの斜視図を示す。特に、複合シート600は、接合領域603において第2の複合物品602に結合された第1の複合物品601を備える。第1および第2の複合物品601および602は、ここに記載された何れかの複合物品の特徴を備えることができる。
【0069】
特定の実施形態によって、複合物品601および602は、PFAを含む上層と、溶融流動化された接着によって画定された接合領域603とを備え、その結果、第1および第2の複合物品601および602は、化学的および/または機械的接着によって画定された溶融流動化された継目において互いに直接に接着される。特定の場合において、接合領域は固相接着を特徴とし得るが、そこにおいて第1および第2の複合物品601および602の化学成分は、相互の中に拡散し、機械的または化学結合を形成する。接合領域は、第1および第2の複合物品601および602の側面を特定の方法で接合する工程と、材料が一緒に溶融するまで当該領域に熱を適用する工程と、溶融流動接着(melt−flow bond)を形成する工程とによって形成され得ることは理解されよう。適した温度は、約250℃〜約400℃の範囲内、例えば約300℃〜約400℃、約325℃〜約400℃、またはさらに約330℃〜約400℃であり得る。
【0070】
さらに、接合領域は、第1および第2の複合物品601および602の少なくとも1つまたは複数の相当する層が溶融流動接着によって互いに接着されるように形成され得る。例えば、第1および第2の複合物品601および602の接着剤層を溶融流動接着を用いて一緒に接着することができ、そこにおいて十分な温度を接合領域に適用して第1および第2の複合物品601および602の接着剤層の溶融および拡散を引き起こす。代わりに、またはさらに、第1および第2の複合物品601および602のコア層を溶融流動接着を用いて一緒に接着することができ、そこにおいて十分な温度を接合領域に適用して第1および第2の複合物品601および602のコア層の一部または全ての溶融および拡散を引き起こす。代わりに、またはさらに、第1および第2の複合物品の上層601および602を溶融流動接着を用いて一緒に接着することができ、そこにおいて十分な温度を接合領域に適用して第1および第2の複合物品601および602の上層の溶融および拡散を引き起こす。
【0071】
図示されたように、第1の複合物品601は、接合領域603に平行に延在する長さ(L
1)を有することができる。すなわち、接合領域603は、第1および第2の複合物品601および602の長さに沿って延在することができる。
【0072】
1つの実施形態によって、複合シート600は大面積材料である。複合物品601は、少なくとも約10m、例えば少なくとも約20m、少なくとも約30m、少なくとも約40m、少なくとも約50m、少なくとも約100m、またはさらに少なくとも約300mの長さを有することができる。同様に、第2の複合物品602は、第1の複合物品601の長さ(L
1)と同じ長さ(L
2)を有することができる。さらに、複合シート600は、第1および第2の複合物品601および602の長さと同じである長さを有することができる。
【0073】
複合物品601は、少なくとも約0.5mの幅(W
1)、例えば少なくとも約0.8m、少なくとも約0.9m、少なくとも約1m、またはさらに少なくとも約1.5mを有することができる。同様に、第2の複合物品602は、第1の複合物品601の幅(W
1)と同じ幅(W
2)を有することができる。さらに、複合シート600は、第1の複合物品601の幅と第2の複合物品602の幅との合計である幅を有することができる。複合シート600は第1および第2の複合物品601および602だけから製造されるように説明されているが、付加的な複合物品を接合して好ましい寸法の複合シートを形成できることは理解されよう。
【0074】
複合シート600は、少なくとも約2:1の長さ(L
cs):幅(W
t)として画定された第1のアスペクト比を有することができる。他の実施形態において、第1のアスペクト比はより大きくてもよく、例えば少なくとも約3:1、少なくとも約4:1、少なくとも約5:1、またはさらに少なくとも約10:1であってもよい。
【0075】
複合シート600は、少なくとも約100:1の長さ(L
cs):厚さ(T
cs)として画定された第2のアスペクト比を有することができる。他の実施形態において、第2のアスペクト比はより大きくてもよく、例えば少なくとも約500:1、少なくとも約1000:1であってもよい。
【実施例】
【0076】
実施例1
ここに記載されたようにメチレンブルーの色の変化を定量することによって光反応性を定量した。ここに記載された実施形態に従って3つの試料を形成し、複合シートを形成する条件などの様々な条件下で試料の光反応性を試験した。試料A、B、およびCは、約10〜40wt%のTiO
2を含むPFAシートから形成される。試料Aは標準試験によって試験され、色の変化は約31の光反応性として測定される。試料Bは試料Aと同じであるが、しかしながら染料を加えた後、試料を熱に暴露して、例えば加熱して接合領域を形成する工程などの形成プロセスをシミュレートする。加熱プロセスは、試料を約680°Fの温度に30秒間保持する工程を含む。試料の色を再び試験によって測定した。
【0077】
試料Cは試料Aと同じに製造されたが、しかしながら染料を加えた後、試料を熱に暴露して、例えば加熱して接合領域を形成する工程などの形成プロセスをシミュレートする。加熱プロセスは、試料を約680°Fの温度に180秒間保持する工程を含む。試料の色を再び試験によって測定した。表1は、測定されたデータを示す。
【0078】
【表1】
【0079】
表1から分かるように、試料Aの光反応性は非常に良く、31の値を有する。かなりの熱処理を受けたにもかかわらず、試料Bは、試料Aと比べて元の光反応性の約90%を維持する(すなわち、(28/31)×100%=90%)。試料Cは時間延長された後に光反応性がより低く、さらに十分な減少を示した。
【0080】
前述の実施形態は、様々な用途および環境において使用するための複合物品、複合構造物、および複合シートの特徴を説明する。複合物品は、最新技術からの発展を示す特徴の組み合わせ、例えば、特定の層状構造物、特定の層組成物、特定の光触媒材料、光触媒材料の有効な配置、上層の改良された光反応性、表面荒さ、滑かさおよび平面性の他、基礎構造物およびスキン層、大面積複合シート材料を備える複合構造物の使用および配列等を包含する。さらに、ここに記載された実施形態の複合物品を形成する方法は、ここに記載された複合物品、複合構造物、および複合シート材料の特徴を容易にする最新技術からの展開を示す。さらに、特定の最新複合材は、加工の間の光触媒材料の移行を軽減するために非溶融成形性材料を利用するが、これらの問題は広範囲にわたる研究によって克服され、独自の形成方法に至っている。
【0081】
前述の内容において、特定の実施形態および特定の構成成分の関係への参照は説明のためである。結合または接続されている構成成分への参照は、本明細書において考察された方法を実施するために理解されるように前記構成成分の間の直接的な関係または1つまたは複数の介在する構成成分を介した間接的な関係のどちらかを開示することが意図されることは理解されよう。それ故に、上に開示された主題は説明のためであり、制限的ではないと考えられなければならず、添付された請求の範囲は、本発明の真の範囲内にある全てのかかる改良、拡張、およびその他の実施形態に及ぶことが意図される。したがって、法律によって認められる最大限まで、本発明の範囲は、以下の請求の範囲およびそれらの等価物の最も広い許容しうる解釈によって決定されなければならず、前述の詳細な説明によって制限または限定されるべきでない。
【0082】
開示の要約は特許法に準拠するために提供され、それは請求項の範囲または意味を解釈または限定するために使用されないという理解によって提示される。さらに、前述の図面の詳細な説明において、開示を簡素化する目的のために単一の実施形態において様々な特徴が集められるかまたは説明されてもよい。この開示は、請求された実施形態が各々の請求項において明白に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという趣旨を反映するとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求の範囲が反映するように、本発明の主題は開示された実施形態の何れかの全ての特徴より少ない特徴に向けられてもよい。したがって、以下の請求の範囲は図面の詳細な説明に組み込まれ、各々の請求項はそれ自体で、別々に請求された主題を定義するものとして有効である。