(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記互いに電気的に接続された検出電極の数は2本ずつであり、前記第1方向に隣接する2本の検出電極の電気的組合せ同士は互いに異なっている請求項1に記載のタッチパネル。
前記互いに電気的に接続された検出電極の数は3本ずつであり、前記第1方向に隣接する3本の検出電極の電気的組合せ同士は互いに異なっている、請求項1に記載のタッチパネル。
前記複数の検出電極は、互いに接続され前記第1方向に順番に並んだ第1検出電極、第2検出電極及び第3検出電極からなる第1組と、互いに接続され前記第1方向に順番に並んだ第4検出電極、第5検出電極及び第6検出電極とからなる第2組とを有し、
前記第1方向における前記第2検出電極と前記第3検出電極との間に前記第4検出電極が配置され、
前記第1方向における前記第4検出電極と前記第5検出電極との間に前記第3検出電極が配置され、
前記第1方向における前記第1検出電極と前記第2検出電極との間には他の第2組の第6検出電極が配置される隙間が確保されており、
前記第1方向における前記第5検出電極と前記第6検出電極との間には他の第1組の第1検出電極が配置される隙間が確保されている、請求項4に記載のタッチパネル。
前記第1方向に交差する第2方向に並びかつ前記複数の検出電極に重なって配置された第2検出電極であり、互いに電気的に接続された第2検出電極の組を含みつつ予定同時検出本数と同数で前記第2方向に隣接する第2検出電極の電気的組み合わせ同士は互いに異なっている、複数の第2検出電極と、
前記複数の第2検出電極から延び、前記複数の第2検出電極より外側の領域に形成されている複数の第2引き回し配線とをさらに備えた、請求項1に記載のタッチパネル。
【発明を実施するための形態】
【0020】
1.第1実施形態
(1)タッチパネル装置
図1、
図2及び
図3を用いて、第1実施形態のタッチパネル装置1を説明する。
図1及び
図2は、第1実施形態に係るタッチパネル装置の模式的平面図である。なお、
図1は、上側電極群とそれに接続された引き回し配線とを示す図であり、
図2は、下側電極群とそれに接続された引き回し配線とを示す図である。
図3は、タッチパネルの断面図である。タッチパネル装置1は、例えば、スマートフォン、タブレットPC、ノートPCや、それらのアクセサリに採用される。
【0021】
タッチパネル装置1は、マトリックス式(ディジタル式)の抵抗膜式タッチパネル2を有している。抵抗膜式タッチパネル2は、主に、上側電極部材3と、下側電極部材5とから構成されている。上側電極部材3は、
図3に示すように、例えば矩形の透明絶縁フィルム11と、その下面に形成された上側電極群13とを有している。下側電極部材5は、例えば矩形の透明絶縁フィルム15と、その上面の上に形成された下側電極群17とを有している。上側電極部材3と下側電極部材5は、周縁部においてスペーサ14を介して互いに接着されている。
【0022】
透明絶縁フィルム11、15の材料は、ポリカーボネート系、ポリアミド系、若しくは、ポリエーテルケトン系などのエンジニアリングプラスチック、又は、アクリル系、ポリエチレンテレフタレート系、若しくは、ポリブチレンテレフタレート系などの樹脂フィルムを用いることができる。
上側電極群13と下側電極群17は、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、若しくはITO等の金属酸化物、又は、金、銀、銅、錫、ニッケル、アルミニウム、若しくはパラジウム等の金属や導電性ポリマーの薄膜によって形成されてもよい。
上側電極群13と下側電極群17は、カーボン、銀などの導電性を有するペーストまたは、不透明の導電性インキによって形成されてもよい。導電性インキは、バインダー中に導電性物質を混入したインキである。導電性物質として、例えば、カーボンナノチューブ、金属粒子、金属ナノファイバー、導電性樹脂高分子であるPEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)が挙げられる。
【0023】
スペーサ14の材料としては、透明絶縁基材と同様の樹脂フィルム等の他、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、若しくは、シリコーン系樹脂のような樹脂の印刷層又は塗布層を用いることができる。スペーサ14は、一般に上側電極部材3と下側電極部材5とを固定する枠形態の両面テープ、接着剤又は粘着剤からなる接着層と兼ねさせることが多い。
スペーサ14によって、上側電極群13と下側電極群17は、平面視において重なって配置され、上下方向に隙間を空けて対向している。したがって、上側電極群13の領域が下側電極群17に向かって押し下げられると、押し下げ領域に位置付けられている上側電極と下側電極が電気的に導通する。押し下げは、例えば、指、スタイラスペン、棒などで行えばよい。
【0024】
透明絶縁フィルム11の上には、装飾用フィルム7がPSA8を介して接着されている。装飾用フィルム7は、例えば、ハードコート付きフィルムである。PSA8は、例えば、両面テープを用いて実現される。また、透明絶縁フィルム15の下には、基板9がPSA10を介して接着されている。基板9は、例えば、PCポリカーボネート、ガラスから構成されている。
なお、上記の積層構造において、具体的な層の数、種類、積層順番は特に限定されない。
【0025】
タッチパネル装置1は、タッチパネル・コントローラ21をさらに備えている。タッチパネル・コントローラ21は、コンピュータに組み込まれたプログラムとCPU、RAM、ROM、ICなどにより実現できる。タッチパネル・コントローラ21は、駆動・電圧検出回路(図示せず)を有している。駆動・電圧検出回路は、検出電極に電圧を印加してその変化を検出することで、押し下げ位置を検出する機能を有している。
【0026】
上側電極群13及び下側電極群17は、透明絶縁フィルム11及び透明絶縁フィルム15にそれぞれ形成された複数個の短冊状パターンからなる。
上側電極群13は、上側電極X1〜X10からなり、各上側電極は
図1の左右方向であるX方向に長く延びている。下側電極群17は、下側電極Y1〜Y10からなり、各下側電極は
図1の上下方向であるY方向に長く延びている。なお、上側電極群及び下側電極群の個数、形状、位置は本実施形態に限定されない。
【0027】
以上より、抵抗膜式タッチパネル2は、10本の上側電極X1〜X10と10本の下側電極Y1〜Y10の交点となる100個のマトリックス領域に区分されている。なお、上側電極群と下側電極群が必ずしも、直交することは必要ではなく、いかなる角度で交わっていてもよい。
なお、
図1の点線22で示す矩形の内側(つまり、中央部分)が上記のマトリックスが形成されたセンサ領域23であり、点線22より外側(つまり、中央部分を囲む縁部分)が額縁領域24である。
【0028】
図1を用いて、上側電極X1〜X10を詳細に説明する。電極X1と電極X4が互いに電気的に接続され、電極X5と電極X8が互いに接続されている。上記の接続箇所は、各電極のX方向第1側端(
図1の左側端)である。接続構造として、Y方向に延びるバスパー電極61、62がそれぞれ形成されている。さらに、電極X3と電極X6が互いに電気的に接続され、電極X7と電極X10が互いに電気的に接続されている。上記の接続箇所は、各電極のX方向第2側端(
図1の右側端)である。接続構造として、Y方向に延びるバスパー電極63、64がそれぞれ形成されている。
なお、この実施形態では、電極X2と電極X9は、他の電極に接続されていないが、電極の数が多い他の実施形態では、それぞれ他の電極に接続される。
以上のように、互いに電気的に接続されていない検出電極同士が隣接する配置において、さらに、互いに電気的に接続された検出電極の組が含まれ、具体的には、2本の電極同士が互いに電気的に接続された組が含まれている。
【0029】
上記の構成を他の表現を用いて以下に説明する。複数の検出電極は、互いに接続された第1電極(X1)及び第2電極(X4)からなる第1対と、互いに接続された第3電極(X3)と第4電極(X6)からなる第2対とを有している。第3電極(X3)は、Y方向における第1電極(X1)と第2電極(X4)との間の第2電極(X4)に近い側に配置されており、Y方向における第1電極(X1)と第3電極(X3)との間には他の第2対の第4電極に相当する電極(X2)が配置される隙間が確保されている。第2電極(X4)は、Y方向における第3電極(X3)と第4電極(X6)との間の第3電極(X3)に近い側に配置されており、Y方向における第2電極(X4)と第4電極(X6)との間には他の第1対の第1電極に相当する電極(X5)が配置される隙間が確保されている。
【0030】
この抵抗膜式タッチパネル2では、例えば、Y方向において、第1対の第1電極(X1)、他の第2対の第4電極に相当する電極(X2)、第2対の第3電極(X3)、第1対の第2電極(X4)、他の第1対の第1電極(X5)、第2対の第4電極(X6)の順番で各電極が配置される。このように、Y方向に隣接する2本の検出電極の電気的組合せ同士は互いに異なっているので、例えば2本の電極が検出された場合に、その組み合わせは一意的に決定される。
なお、「Y方向に隣接する2本の検出電極の電気的組合せ同士は互いに異なっている」とは、互いに電気的に接続された検出電極を1つの電極として考えた場合に、Y方向に隣接する2本の検出電極の組み合わせ同士に同じものが存在しないことを意味する。上記の例では、第1電極(X1)と第2電極(X4)は互いに電気的に接続されているので1つの電極として考え、さらに第3電極(X3)と第4電極(X6)は互いに電気的に接続されているので1つの電極として考える。
【0031】
図2を用いて、下側電極Y1〜Y10を詳細に説明する。電極Y1と電極Y4が互いに電気的に接続され、電極Y5と電極Y8が互いに接続されている。上記の接続箇所は、各電極のY方向第1側端(
図2の上側端)である。接続構造として、X方向に延びるバスパー電極65、66がそれぞれ形成されている。さらに、電極Y3と電極Y6が互いに電気的に接続され、電極Y7と電極Y10が互いに電気的に接続されている。上記の接続箇所は、各電極のY方向第2側端(
図2の下側端)である。接続構造として、X方向に延びるバスパー電極67、68がそれぞれ形成されている。
なお、この実施形態では、電極Y2と電極Y9は、他の電極に接続されていないが、電極の数が多い他の実施形態では、それぞれ他の電極に接続される。
以上のように、互いに電気的に接続されていない検出電極同士が隣接する配置において、さらに、互いに電気的に接続された検出電極の組が含まれ、具体的には、2本の電極同士が互いに電気的に接続された各組が含まれている。
【0032】
上記の構成を他の表現を用いて以下に説明する。複数の検出電極は、互いに接続された第1電極(Y1)及び第2電極(Y4)からなる第1対と、互いに接続された第3電極(Y3)と第4電極(Y6)からなる第2対とを有している。第3電極(Y3)は、第1電極(Y1)と第2電極(Y4)とのX方向間において第2電極(Y4)に近い側に配置されており、第1電極(Y1)と第3電極(Y3)とのX方向間には他の第2対の第4電極に相当する電極(Y2)が配置される隙間が確保されている。第2電極(Y4)は、第3電極(Y3)と第4電極(Y6)とのX方向間において第3電極(Y3)に近い側に配置されており、第2電極(Y4)と第4電極(Y6)との間には他の第1対の第1電極(Y5)が配置される隙間が確保されている。
【0033】
この抵抗膜式タッチパネル2では、例えば、X方向において、第1対の第1電極(Y1)、他の第2対の第4電極に相当する電極(Y2)、第2対の第3電極(Y3)、第1対の第2電極(Y4)、他の第1対の第1電極(Y5)、第2対の第4電極(Y6)の順番で各電極が配置される。このように、X方向に隣接する2本の検出電極の電気的組合せ同士は互いに異なっているので、例えば2本の電極が検出された場合に、その組み合わせは一意的に決定される。
なお、「X方向に隣接する2本の検出電極の電気的組合せ同士は互いに異なっている」とは、互いに電気的に接続された検出電極を1つの電極として考えた場合に、X方向に隣接する2本の検出電極の組み合わせ同士に同じものが存在しないことを意味する。上記の例では、第1電極(Y1)と第2電極(Y4)は互いに電気的に接続されているので1つの電極として考え、さらに第3電極(Y3)と第4電極(Y6)は互いに電気的に接続されているので1つの電極として考える。
【0034】
なお、抵抗膜式タッチパネル2は、通常、
図1に示すように、FPC29を介してタッチパネル・コントローラ21と接続される。
また、上側電極群13及び下側電極群17から抵抗膜式タッチパネル2の入出力端までは、引き回し配線30A〜30Gが設けられる。引き回し配線30は、通常、金、銀、銅、若しくは、ニッケルなどの金属あるいはカーボンなどの導電性を有するペーストを用い、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、若しくは、フレキソ印刷などの印刷法、又は、刷毛塗法などによって行うが、FPC29と上側電極群13及び下側電極群17との間の導通を図ることができればこれに限定されない。引き回し配線30A〜30Gは、それぞれ、FPC29に接続される端子部を有している。なお、タッチパネルへの接続手段は実施形態に限定されない。例えば、FPCを用いなくてもよい。
また、タッチパネル・コントローラはFPC上に設けられていてもよい。
【0035】
図1を用いて、上側電極群13に接続された引き回し配線30A〜30Fを説明する。引き回し配線30A〜30Fは、透明絶縁フィルム11の下面の額縁領域24に形成されている。引き回し配線30A〜30Cは
図1の左側に配置され、引き回し配線30D〜30Fは
図1の右側に配置されている。引き回し配線30Aは電極X1及び電極X4に接続され、引き回し配線30Bは電極X5及び電極X8に接続され、引き回し配線30Cは電極X9に接続されている。引き回し配線30Dは電極X2に接続され、引き回し配線30Eは電極X3及び電極X6に接続され、引き回し配線30Fは電極X7及び電極X10に接続されている。
以上に述べたように引き回し配線の数は、従来であれば10本必要であるところを6本に減らせている。また、引き回し配線の数が増えれば増えるほど、配線数が1/2に近くなる。
【0036】
図2を用いて、下側電極群17に接続された引き回し配線31A〜31Fを説明する。引き回し配線31A〜31Fは、透明絶縁フィルム15の上面の額縁領域24に形成されている。配線31A〜31Cは
図2の左側に配置され、配線31D〜31Fは
図2の右側に配置されている。配線31Aは電極Y1及び電極Y4に接続され、配線31Bは電極Y2に接続され、配線31Cは電極Y3及び電極Y6に接続されている。配線31Dは電極Y5及び電極Y8に接続され、配線31Eは電極Y9に接続され、配線31Fは電極Y7及び電極Y10に接続されている。
以上に述べたように引き回し配線の数は、従来であれば10本必要であるところを6本に減らせている。また、引き回し配線の数が増えれば増えるほど、配線数が1/2に近くなることが分かる。
【0037】
(2)押し下げ検出制御動作
図4、
図5及び
図6を用いて、タッチパネル・コントローラ21による押し下げ検出制御を説明する。
図4は、座標決定制御のフローチャートである。
図5及び
図6は、タッチパネルの部分平面図である。
なお、この実施形態では、一方向に隣接する2本の電極が押し下げられた状態になれば当該押し下げ位置を正しく決定できるようになっている。したがって、スタイラスペン等の一定幅の先端形状を有している入力部材を用いることが好ましい。
【0038】
タッチパネル・コントローラ21は、最初に、候補となる上側電極を決定する(ステップS1)。
タッチパネル・コントローラ21は、次に、候補となる下側電極を決定する(ステップS2)。上記いずれの場合も、決定方法は従来のマトリクス抵抗膜方式によるので、ここでは説明を省略する。
【0039】
タッチパネル・コントローラ21は、最後に、候補となる上側電極と候補となる下側電極の組み合わせに基づいて、押し下げポイントの座標を決定する(ステップS3)。
なお、上記の検出制御において、タッチパネル・コントローラ21は、複数のポイントの押し下げを検出することができる。
【0040】
タッチパネル・コントローラ21は、上記の検出制御において、上側電極群13又は下側電極群17の1本の電極のみが押し下げられた状態又は一方向に隣接する3本の電極が押し下げられた状態では、押し下げ位置を決定することができない。したがって、そのような場合は、タッチパネル・コントローラ21は、当該押し下げポイントについては、ゴーストであるとして位置決定を行わない。
【0041】
例えば、
図5のA領域は、電極X1と電極X2に対応しているので、タッチパネル・コントローラ21は、Y方向の位置を決定できる。しかし、
図5のB領域は、電極X4のみが押し下げられた状態であるので、タッチパネル・コントローラ21は、押し下げポイントのY方向位置を決定するに当たって、押し下げられているのが電極X1及び電極X4のいずれであるかを判断できない。
【0042】
さらに、タッチパネル・コントローラ21は、上記の押し下げ検出制御において、複数の押し下げポイントが検出された場合に、検出された押し下げポイントが有効であるか否かを判断する。具体的には、
図6において、A領域とC領域が検出されたとする。A領域は電極X1と電極X2に対応しており、C領域は電極X3と電極X4に対応している。したがって、検出信号が出力されるのは、第1引き回し配線30A、第4引き回し配線30D、第5引き回し配線30Eとなり、その結果2つの押し下げポイントのY方向の位置が判定不可能になる。そこで、このような場合には、タッチパネル・コントローラ21は、いずれかの1点は無効ポイントであるとして無視する処理を行う。
【0043】
一方、
図6において、A領域とD領域が押し下げられた場合は、A領域は電極X1と電極X2に対応しており、D領域は電極X5と電極X6とに対応している。このようにA領域とD領域は間に2本の電極X3及び電極X4を間に挟むように離れて配置されているので、両方とも有効な領域として検出される。したがって、検出信号が出力されるのは、引き回し配線30A、引き回し配線30B、引き回し配線30D、引き回し配線30Eとなり、その結果2つの押し下げポイントのY方向の位置が判定可能になる。
【0044】
2.第2実施形態
前記実施形態では、2本の検出電極が互いに電気的に接続された対が複数配置されていたが、互いに電気的に接続された検出電極の対が1つでもあれば引き回し配線の本数を減らすことができるので、前記実施形態には限定されない。以下に、3本の検出電極が互いに電気的に接続された組を配置した実施形態を説明する。
図7及び
図8を用いて、本発明の第2実施形態に係るタッチパネル装置101を説明する。
図7は、第2実施形態に係るタッチパネル装置の模式的平面図である。
図8は、タッチパネルの部分平面図である。なお、第1実施形態と共通部分については、説明を適宜省略する。
なお、この実施形態では、一方向に隣接する3本の電極が押し下げられた状態になれば当該押し下げ位置を正しく決定できるようになっている。したがって、スタイラスペン等の一定の先端形状を有している入力部材を用いることが好ましい。
【0045】
タッチパネル装置101は、マトリックス式(ディジタル式)の抵抗膜式タッチパネル102を有している。抵抗膜式タッチパネル102は、主に、上側電極部材と、下側電極部材とから構成されている。上側電極部材は、例えば矩形の透明絶縁フィルム111と、その下面に形成された上側電極群113とを有している。下側電極部材は、例えば矩形の透明絶縁フィルム(図示せず)と、その上面に形成された下側電極群(図示せず)とを有している。上側電極部材と下側電極部材は、周縁部においてスペーサ(図示せず)を介して互いに接着されている。
【0046】
タッチパネル装置101は、タッチパネル・コントローラ121をさらに備えている。タッチパネル・コントローラ121の構成及び機能は前記実施形態と同様である。
【0047】
上側電極群113及び下側電極群117は、透明絶縁フィルム111及び透明絶縁フィルム(図示せず)にそれぞれ形成された複数個の短冊状パターンからなる。
上側電極群113は、Y方向に並んだ上側電極X1〜X17からなり、各上側電極は
図7の左右方向であるX方向に長く延びている。下側電極群117は、X方向に並んだ下側電極Y1〜Y8からなり、各下側電極は
図7の上下方向であるY方向に長く延びている。
【0048】
以上より、抵抗膜式タッチパネル2は、17本の上側電極X1〜X17と8本の下側電極Y1〜Y8の交点となる136個のマトリックス領域に区分されている。なお、上側電極群と下側電極群が必ずしも、直交することは必要ではなく、いかなる角度で交わっていてもよい。
なお、
図7の点線122で示す矩形の内側(つまり、中央部分)が上記のマトリックスが形成されたセンサ領域123であり、点線122より外側(つまり、中央部分を囲む縁部分)が額縁領域124である。
【0049】
上側電極X1〜X10について、詳細に説明する。電極X1と電極X3とX5が互いに電気的に接続され、電極X7と電極X9と電極X11が互いに接続され、電極X13と電極X15と電極X17とが互いに接続されている。上記の接続箇所は、各電極のX方向第1側端(
図7の左側端)である。接続構造として、Y方向に延びるバスパー電極161、162、163がそれぞれ形成されている。さらに、電極X4と電極X6とX8が互いに電気的に接続され、電極X10と電極X12と電極X14が互いに接続されている。上記の接続箇所は、各電極のX方向第2側端(
図7の右側端)である。接続構造として、Y方向に延びるバスパー電極164、165がそれぞれ形成されている。
なお、この実施形態では、電極X2と電極X16は、他の電極に接続されていないが、電極の数が多い他の実施形態では、それぞれ他の電極に接続される。
以上のように、互いに電気的に接続されていない検出電極同士が隣接する配置において、さらに、互いに電気的に接続された検出電極の組が複数含まれ、具体的には、3本の電極同士が互いに電気的に接続された組が含まれている。
【0050】
上記の構成を他の表現を用いて以下に説明する。複数の検出電極は、互いに接続され第1方向に順番に並んだ第1検出電極(X1)、第2検出電極(X3)及び第3検出電極(X5)からなる第1組と、互いに接続され第1方向に順番に並んだ第4検出電極(X4)、第5検出電極(X6)及び第6検出電極(X8)とからなる第2組とを有している。Y方向における第2検出電極(X3)と第3検出電極(X5)との間に、第4検出電極(X4)が配置されている。Y方向における第4検出電極(X4)と第5検出電極(X6)との間に、第3検出電極(X5)が配置されている。Y方向における第1検出電極(X1)と第2検出電極(X3)との間には、他の第2組の第6検出電極に相当する電極(X2)が配置される隙間が確保されている。Y方向における第5検出電極(X6)と第6検出電極(X8)との間には、他の第1組の第1検出電極(X7)が配置される隙間が確保されている。
この抵抗膜式タッチパネル102では、例えば、Y方向において、第1組の第1検出電極(X1)、他の第2組の第6検出電極に相当する電極(X2)、第1組の第2検出電極(X3)、第2組の第4検出電極(X4)、第1組の第3検出電極(X5)、第2組の第5検出電極(X6)、他の第1組の第1検出電極(X7)、第2組の第6検出電極(X8)の順番で各電極が配置される。このようにY方向に隣接する3本の検出電極の電気的組合せ同士は互いに異なっているので、例えば3本の電極が検出された場合に、その組み合わせは一意的に決定される。
【0051】
下側電極Y1〜Y8について、詳細に説明する。電極Y1と電極Y3と電極Y5が互いに電気的に接続されている。上記の接続箇所は、各電極のY方向第1側端(
図7の上側端)である。接続構造として、X方向に延びるバスパー電極166が形成されている。さらに、電極Y4と電極Y6と電極Y8が互いに電気的に接続されている。上記の接続箇所は、各電極のY方向第2側端(
図7の下側端)である。接続構造として、X方向に延びるバスパー電極167がそれぞれ形成されている。この実施形態では、電極Y2と電極Y7は、他の電極に接続されていないが、電極の数が多い他の実施形態では、それぞれ他の電極に接続される。
以上のように、互いに電気的に接続されていない検出電極同士が隣接する配置において、さらに、互いに電気的に接続された検出電極の複数の組が含まれ、具体的には、3本の電極同士が互いに電気的に接続された組が含まれている。
【0052】
上記の構成を他の表現を用いて以下に説明する。複数の検出電極は、互いに接続され第1方向に順番に並んだ第1検出電極(Y1)、第2検出電極(Y3)及び第3検出電極(Y5)からなる第1組と、互いに接続されX方向に順番に並んだ第4検出電極(Y4)、第5検出電極(Y6)及び第6検出電極(Y8)とからなる第2組とを有している。X方向における第2検出電極(Y3)と第3検出電極(Y5)との間に、第4検出電極(Y4)が配置されている。X方向における第4検出電極(Y4)と第5検出電極(Y6)との間に、第3検出電極(Y5)が配置されている。X方向における第1検出電極(Y1)と第2検出電極(Y3)との間には、他の第2組の第6検出電極に相当する電極(Y2)が配置される隙間が確保されている。X方向における第5検出電極(Y6)と第6検出電極(YX8)との間には、他の第1組の第1検出電極に相当する電極(Y7)が配置される隙間が確保されている。
【0053】
この抵抗膜式タッチパネル102では、例えば、X方向において、第1組の第1検出電極(Y1)、他の第2組の第6検出電極に相当する電極(Y2)、第1組の第2検出電極(Y3)、第2組の第4検出電極(Y4)、第1組の第3検出電極(Y5)、第2組の第5検出電極(Y6)、他の第1組の第1検出電極(Y7)、第2組の第6検出電極(Y8)の順番で各電極が配置される。このようにX方向に隣接する3本の検出電極の電気的組合せ同士は互いに異なっているので、例えば3本の電極が検出された場合に、その組み合わせは一意的に決定される。
【0054】
図7を用いて、上側電極群113に接続された引き回し配線130A〜130Gを説明する。引き回し配線130A〜130Gは、透明絶縁フィルム111の下面の額縁領域124に形成されている。配線130A〜130Cは
図7の左側に配置され、配線130D〜130Gは
図7の右側に配置されている。配線130Aは電極X1、電極X3及び電極X5に接続され、配線130Bは電極X7、電極X9及び電極X11に接続され、配線130Cは電極X13、電極X15及び電極X17に接続されている。配線130Dは電極X2に接続され、配線130Eは電極X4、電極X6及び電極X8に接続され、配線130Fは電極X10、電極X12及び電極X14に接続され、配線130Gは電極X16に接続されている。
【0055】
以上に述べたように引き回し配線の数は、従来であれば17本必要であるところを7本に減らせている。また、引き回し配線の数が増えれば増えるほど、配線数が1/3に近くなる。
なお、下側電極群に接続された引き回し配線の説明は省略する。
【0056】
この実施形態では、一方向に並んで隣接した3本の電極が押し下げられことを想定しているが、一方向に並んで隣接した2本の電極が押し下げられる場合も実際にはある。そこで、3本の電極が押し下げられた場合に、より正確に位置検出を行うための制御を以下に説明する。
図8に示すように、E領域において押し下げが行われたとする。E領域は電極X3、電極X4及び電極X5に対応している。この場合、検出された電極に対応する引き回し配線は引き回し配線130Aと引き回し配線130Eとになるので、例えば電極X3と電極X4が押し下げられ、同時に他の押し下げポイントとして電極X4と電極X5とが押し下げられた場合と区別できない。そこで、タッチパネル・コントローラ121は、E領域の中心付近であるF領域を検出位置であると暫定的に判断する。
続いて、押し下げ位置が
図8の右斜め上方向のG領域に移動すれば、対応する検出電極は電極X2、電極X3、電極X4となるので、タッチパネル・コントローラ121は、押し下げ位置が移動したことが分かる。また、押し下げ位置が
図8の右斜め下方向のH領域に移動すれば、その時点では、対応する検出電極は電極X4、電極X5、電極X6となり対応する引き回し配線が変化しないので、タッチパネル・コントローラ121は押し下げ位置が移動したことが分からない。しかし、押し下げ位置がさらに移動を続けて
図8の左斜め下方向のI領域に移動すれば、対応する検出電極は電極X5、電極X6、X7となり対応する引き回し配線が変化するので、タッチパネル・コントローラ121は押し下げ位置が移動したことが分かる。
【0057】
3.第3実施形態
前記第2実施形態では、3本の検出電極が互いに電気的に接続された複数の組が向きを交互に変えて配置されていたが、互いに電気的に接続された検出電極の組が1つでもあれば引き回し配線の本数を減らすことができるので、前記実施形態には限定されない。以下に、3本の検出電極が互いに電気的に接続された組が複数配置されており、各組の形状及び向きが同じになる実施形態を説明する。
図9を用いて、本発明の第3実施形態に係るタッチパネル装置201を説明する。
図9は、第3実施形態に係るタッチパネル装置の模式的平面図である。なお、第1実施形態及び第2実施形態との共通部分については、説明を適宜省略する。特に、下側電極群及びそれに接続された引き回し配線の説明は省略する。
【0058】
タッチパネル装置201は、マトリックス式(ディジタル式)の抵抗膜式タッチパネル202を有している。抵抗膜式タッチパネル202は、主に、上側電極部材と、下側電極部材とから構成されている。上側電極部材は、例えば矩形の透明絶縁フィルム211と、その下面に形成された上側電極群213とを有している。下側電極部材は、例えば矩形の透明絶縁フィルム(図示せず)と、その上面の上に形成された下側電極群(図示せず)とを有している。上側電極部材と下側電極部材は、周縁部においてスペーサ(図示せず)を介して互いに接着されている。
【0059】
タッチパネル装置201は、タッチパネル・コントローラ221をさらに備えている。タッチパネル・コントローラ221の構成及び機能は前記実施形態と同様である。
【0060】
上側電極群213は、透明絶縁フィルム211に形成された複数個の短冊状パターンからなる。
上側電極群213は、Y方向に並んだ上側電極X1〜X14からなり、各上側電極は
図9の左右方向であるX方向に長く延びている。
【0061】
以上より、抵抗膜式タッチパネル202は、14本の上側電極X1〜X14と図示しない下側電極との交点となる複数個のマトリックス領域に区分されている。
なお、
図9の点線222で示す矩形の内側(つまり、中央部分)が上記のマトリックスが形成されたセンサ領域223であり、点線222より外側(つまり、中央部分を囲む縁部分)が額縁領域224である。
【0062】
上側電極X1〜X14について、詳細に説明する。電極X1と電極X3と電極X5が互いに電気的に接続され、電極X4と電極X6と電極X8が互いに電気的に接続され、電極X7と電極X9と電極X11が互いに接続され、電極X10と電極X12と電極X14とが互いに接続されている。電極X1と電極X3の接続箇所は、各電極のX方向第1側端(
図9の左側端)であり、接続構造として、Y方向に延びるバスパー電極261、262、263、264がそれぞれ形成されている。電極X3とX5の接続箇所は、各電極のX方向第2側端(
図9の右側端)であり、接続構造として、Y方向に延びるバスパー電極265、266、267、268がそれぞれ形成されている。
なお、この実施形態では、電極X2と電極X13は、他の電極に接続されていないが、電極の数が多い他の実施形態では、それぞれ他の電極に接続される。
以上のように、互いに電気的に接続されていない検出電極同士が隣接する配置において、さらに、互いに電気的に接続された検出電極の組が複数含まれ、具体的には、3本の電極同士が互いに電気的に接続された組が含まれている。
【0063】
上記の構成を他の表現を用いて以下に説明する。複数の検出電極は、互いに接続され第1方向に順番に並んだ第1側電極(電極X1、電極X4、電極X7、電極X10)と、中間電極(電極X3、電極X6、電極X9、電極X12)と、第2側電極(電極X5、電極X8、電極X11、電極X14)とからなる複数の組を有している。
第1側電極(例えば、電極X4)と中間電極(例えば、電極X6)とは、X方向の第1端(
図9の左側端)同士が接続されている。中間電極(例えば、電極X6)と第2側電極(例えば、電極X8)とはX方向において第1端と反対側の第2端(
図9の右側端)同士が接続されている。第1側電極(例えば、電極X4)と中間電極(電極X6)との間には他の組の第2側電極(例えば、電極X5)が配置されている。中間電極(例えば、電極X6)と第2側電極(例えば、電極X8)との間には他の組の第1側電極(例えば、電極X7)が配置されている。
この抵抗膜式タッチパネル202では、例えば、Y方向において、第1の組の第1側電極(例えば、電極X4)、他の組の第2側電極(例えば、電極X5)、第1の組の中間電極(例えば、電極X6)、第2の組の第1側電極(例えば、電極X7)、第1の組の第2側電極(電極X8)、第2の組の中間電極(例えば、電極X9)、他の組の第1側電極(例えば、電極X10)、第2の組の第2側電極(例えば、電極X11)の順番で各電極が配置される。このようにY方向に隣接する3本の検出電極の電気的組合せ同士は互いに異なっているので、例えば3本の電極が検出された場合に、その組み合わせは一意的に決定される。
【0064】
図9を用いて、上側電極群213に接続された引き回し配線230A〜230Fを説明する。引き回し配線230A〜230Fは、透明絶縁フィルム211の下面の額縁領域224に形成されている。配線230A〜230Fは
図9の右側に配置され、配線230Fは
図9の左側に配置されている。配線230Aは電極X2に接続され、配線230Bは電極X1、電極X3及び電極X5に接続され、配線230Cは電極X4、電極X6、及び電極X8に接続され、配線230Dは電極X7、電極X9及び電極X11に接続され、配線230Eは電極X10、電極X12及び電極X14に接続され、配線230Fは電極X13に接続されている。
【0065】
以上に述べたように引き回し配線の数は、従来であれば14本必要であるところを6本に減らせている。また、引き回し配線の数が増えれば増えるほど、配線数が1/3に近くなる。
さらに、この実施形態では、引き回し配線の大半が額縁領域224の片側領域に配置できる。
【0066】
4.第4実施形態
前記第1〜第3実施形態では、複数の検出電極が互いに接続された組同士がさらに組み合わされていたが、互いに電気的に接続された検出電極の組が1つでもあれば引き回し配線の本数を減らすことができるので、前記実施形態には限定されない。以下に、複数の検出電極が互いに接続された組と単独の電極とを互いに組み合わせて配置した実施形態を説明する。
図10を用いて、本発明の第4実施形態に係るタッチパネル装置301を説明する。
図10は、第4実施形態に係るタッチパネル装置の模式的平面図である。なお、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態との共通部分については、説明を適宜省略する。特に、下側電極群及びそれに接続された引き回し配線の説明は省略する。
【0067】
タッチパネル装置301は、マトリックス式(ディジタル式)の抵抗膜式タッチパネル302を有している。抵抗膜式タッチパネル302は、主に、上側電極部材と、下側電極部材とから構成されている。上側電極部材は、例えば矩形の透明絶縁フィルム311と、その下面に形成された上側電極群313とを有している。下側電極部材は、例えば矩形の透明絶縁フィルム(図示せず)と、その上面の上に形成された下側電極群(図示せず)とを有している。上側電極部材と下側電極部材は、周縁部においてスペーサ(図示せず)を介して互いに接着されている。
【0068】
タッチパネル装置301は、タッチパネル・コントローラ321をさらに備えている。タッチパネル・コントローラ321の構成及び機能は前記実施形態と同様である。
【0069】
上側電極群313は、透明絶縁フィルム311に形成された複数個の短冊状パターンからなる。
上側電極群313は、Y方向に並んだ上側電極X1〜X14からなり、各上側電極は
図10の左右方向であるX方向に長く延びている。
【0070】
以上より、抵抗膜式タッチパネル2は、14本の上側電極X1〜X14と図示しない下側電極との交点となる複数個のマトリックス領域に区分されている。
なお、
図10の点線322で示す矩形の内側(つまり、中央部分)が上記のマトリックスが形成されたセンサ領域323であり、点線322より外側(つまり、中央部分を囲む縁部分)が額縁領域324である。
【0071】
上側電極X1〜X14について、詳細に説明する。電極X1と電極X5が互いに電気的に接続され、電極X7と電極X11が互いに電気的に接続されている。上記の電極同士の接続箇所は、各電極のX方向第1側端(
図10の左側端)である。接続構造として、Y方向に延びるバスパー電極361、362がそれぞれ形成されている。さらに、電極X4と電極X8が互いに電気的に接続され、電極X10と電極X14が互いに電気的に接続されている。上記の電極同士の接続箇所は、各電極のX方向第2側端(
図10の右側端)である。接続構造として、Y方向に延びるバスパー電極363、364がそれぞれ形成されている。
【0072】
電極X1と電極X5との間には、Y方向に順番に、電極X2、電極X3、電極X4が配置されている。電極X2と電極X3は他の電極に接続されていない。
電極X4と電極X8との間には、Y方向に順番に、電極X5、電極X6、電極X7が配置されている。電極X6は他の電極に接続されていない。
電極X7と電極X11との間には、Y方向に順番に、電極X8、電極X9、電極X10、電極X11が配置されている。電極X9は他の電極に接続されていない。
【0073】
電極X10と電極X14との間には、Y方向に順番に、電極X11、電極X12、電極X13が配置されている。電極X12及び電極X13は他の電極に接続されていない。
【0074】
以上のように、互いに電気的に接続された検出電極の組が複数含まれ、具体的には、2本の電極同士が互いに電気的に接続された組(例えば、電極X1と電極X5の組、電極X4と電極X8の組、電極X7と電極X11との組、電極X10と電極X14との組)と、単独の電極(例えば、電極X3、電極X6、電極X9、電極X12)とを組み合わせることで構成している。このようにY方向に隣接する2本の検出電極の電気的組合せ同士は互いに異なっているので、例えば2本の電極が検出された場合に、その組み合わせは一意的に決定される。
【0075】
図10を用いて、上側電極群313に接続された引き回し配線330A〜330Jを説明する。引き回し配線330A〜330Fは、透明絶縁フィルム311の下面の額縁領域324に形成されている。配線330A〜330Eは
図10の左側に配置され、配線330F〜330Jは
図10の右側に配置されている。配線330Aは電極X1及び電極X5に接続され、配線330Bは電極X6に接続され、配線330Cは電極X7及び電極X11に接続され、配線330Dは電極X12に接続され、配線330Eは電極X13に接続されている。配線330Fは電極X2に接続され、配線330Gは電極X3に接続され、配線330Hは電極X4及び電極X8に接続され、配線330Iは電極X9に接続され、配線330Jは電極X10及び電極X14に接続されている。
【0076】
以上に述べたように引き回し配線の数は、従来であれば14本必要であるところを10本に減らせている。また、引き回し配線の数が増えれば増えるほど、配線数の減少率が高くなる。
この実施形態では、同じ検出電極(電気的に互いに接続されたものは同じとする)が4本おきにしか現れないので、検出された検出電極の本数が3本までは、同じ組み合わせが生じないという利点がある。
【0077】
5.実施形態の共通事項
上記第1〜第4実施形態は、下記の構成及び機能を共通に有している。
タッチパネル(例えば、抵抗膜式タッチパネル2、102,202、302)は、基材と、複数の検出電極と、複数の引き回し配線とを備えている。複数の検出電極(例えば、第1実施形態の
図1の上側電極X1〜X10、第2実施形態の
図7の上側電極X1〜X17、第3実施形態の
図9の上側電極X1〜X14、第4実施形態の
図10の上側電極X1〜X14)は、基材(例えば、透明絶縁フィルム11、111、211、311)の第1面(例えば、下面)に形成されて第1方向(例えば、X方向)に並んで配置された検出電極であり、互いに電気的に接続された検出電極の複数の組(例えば、第1の実施形態の電極X1と電極X4、第2実施形態の電極X1、電極X3及び電極X5、第3実施形態の電極X1、電極X3及び電極X5、第4実施形態の電極X1及び電極X5)を含みつつ予定同時検出本数(第1実施形態及び第4実施形態では2本、第2実施形態及び第3実施形態では3本)と同数で第1方向に隣接する検出電極の電気的組み合わせ同士は互いに異なっている。
複数の引き回し配線(例えば、第1実施形態の引き回し配線30A〜30F、第2実施形態の配線130A〜130G、第3実施形態の配線230A〜203E、第4実施形態の配線330A〜330J)は、複数の検出電極から延び、第1面において複数の検出電極より外側の領域(例えば、額縁領域24、124、224、324)に形成されている。
【0078】
このタッチパネルでは、互いに電気的に接続された検出電極の組を含んでいるので、引き回し配線の数を減らすことができ、その結果、複数の検出電極より外側の領域を小さくでき、つまりタッチパネルを小型化できる。
また、予定同時検出本数と同数で第1方向に隣接する検出電極の電気的組み合わせ同士は互いに異なっているので、例えば予定同時検出本数の電極が検出された場合に、その組み合わせは一意的に決定される。
上記の構成を複数用意してそれらを積層方向に並べて、しかも電極の延びる方向を交差させるように配置することで、平面における押し下げ位置を検出できる。
【0079】
6.第5実施形態
タッチパネルにおける抵抗膜マトリックス(デジタル)検出方式の構成及び方法を詳細に説明する。なお、この実施形態は、第1〜第4実施形態におけるタッチパネル・コントローラの詳細説明である。
【0080】
図11を用いて、タッチパネル・コントローラ21の構成を説明する。
図11は、タッチパネル・コントローラ及びスイッチ回路の制御構成を示すブロック図である。
タッチパネル・コントローラ21は、制御部403と、記憶部405と、検出回路407とを有している。制御部403は、CPUからなる。記憶部405は、RAM、ROMからなり、プログラム及びデータを保存する。検出回路407は、装飾用フィルム7が押圧された位置を検出するための回路であり、直流電源409と、電圧検出器411とを有している。直流電源409は、上側電極X1〜X10及び下側電極Y1〜Y10に電力を供給する。電圧検出器411は、上側電極X1〜X10及び下側電極Y1〜Y10に接続されている(後述)。
【0081】
タッチパネル・コントローラ21とタッチパネルとの間にはスイッチ回路401が配置されている。スイッチ回路401は、複数のスイッチ401aを有している。複数のスイッチ401aは、上側電極X1〜〜X10及び下側電極Y1〜Y10と、直流電源409とを接続及び遮断可能である。スイッチ回路401の各スイッチ401aは、制御部403によりオンオフを制御される。なお、スイッチ回路401は、タッチパネル・コントローラ21の内部に設けられていてもよい。
【0082】
次に、タッチパネル装置1の一般的な抵抗膜マトリックス(デジタル)検出方式の方法を説明する。
第1に、制御部403は、スイッチ回路401のスイッチ401aを制御することで、直流電源409の直流電圧を下側電極Y1〜Y10に印加する。そして、制御部403は、スイッチ回路401のスイッチ401aを制御することで、電圧検出器411を用いて上側電極X1〜X10に対応する電圧の発生を順番に検出する。電圧が発生するとは、例えば電極X1に対応する10個の交差マトリックスのいずれかが押下げられ当該交差マトリックスが電気導通状態にあることを意味している。制御部403は、電圧が検出された上側電極を候補電極として405に記憶する。このステップは、
図4のステップS1に対応している。
【0083】
第2に、制御部403は、スイッチ回路401のスイッチ401aを制御することで、直流電源409の直流電圧を上側電極X1〜X10に印加する。そして、制御部403は、スイッチ回路401のスイッチ401aを制御することで、電圧検出器411を用いて下側電極Y1〜Y10に対応する電圧の発生を順番に検出する。電圧が発生するとは、例えば電極Y1に対応する10個の交差マトリックスのいずれかが押下げられ当該交差マトリックスが電気導通状態にあることを意味している。制御部403は、電圧が検出された下側電極を候補電極として記憶部405に保存する。このステップは、
図4のステップS2に対応している。
【0084】
第3に、制御部403は、記憶部405に保存された各候補電極の情報を読み出す。そして、さらに、制御部403は、読み出された候補電極同士で電圧が検出される否かを判定することで、候補電極同士の組合せを決定する。制御部403は、候補電極の組合せ情報を記憶部405に保存する。このステップは、
図4のステップS3に対応している。
【0085】
7.第6実施形態
第1実施形態及び第5実施形態の組合せの変形例として、以下に第6実施形態を説明する。なお、基本的な構造及び動作は同じであるので、第1実施形態及び第5実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、本実施形態では、互いに接続された2本の電極のいずれが押されたかを電圧検出器が判別可能な電圧検出構成が開示されている。
図12を用いて、上側電極群と下側電極群を説明する。
図12は、タッチパネルの部分平面図である。
上側電極群13Aは、上側電極X1〜X10からなり、各上側電極は
図12の左右方向であるX方向に長く延びている。
下側電極群17Aは、図示していないが、下側電極Y1〜Y10からなり、各下側電極は
図12の上下方向であるY方向に長く延びている。下側電極Y1〜10は、上側電極X1〜X10と隙間を空けて対向し、上側電極X1〜X10に当接可能である。なお、
図12には、電極Y5のみが示されている。
【0086】
以上より、抵抗膜式タッチパネル2は、10本の上側電極X1〜X10と10本の下側電極Y1〜Y10の交点となる100個のマトリックス領域に区分されている。
【0087】
第1実施形態と同様に、電極X1と電極X4が互いに電気的に接続され、電極X5と電極X8が互いに接続されている。上記の接続箇所は、各電極のX方向第1側端(
図12の左側端)である。接続構造として、抵抗R
S1がそれぞれ設けられている。さらに、電極X3と電極X6が互いに電気的に接続され、電極X7と電極X10が互いに電気的に接続されている。上記の接続箇所は、各電極のX方向第2側端(
図12の右側端)である。接続構造として、抵抗R
S1がそれぞれ設けられている。
抵抗R
S1は、所望の抵抗値を実現できればよく、材料は限定されない。抵抗R
S1は、ITO、CNT、PEDOTなどの透明導電材料からなるパターンであってもよい。また、抵抗R
S1は、カーボン、銀などの導電性を有するペーストからなるパターンであってもよい。銀の場合は、線幅を細くして抵抗値を高めてもよい。さらに、抵抗R
S1は、チップ抵抗器のような部材によって実現されてもよい。抵抗R
S1は、上記の構成を適宜組み合わせて実現されてもよい。
以上より、各部材の材料の組み合わせの一例として、電極及び引き回し配線に銀を用いて、複数電極同士を接続する部分にカーボンを用いることが考えられる。
【0088】
ここで、電極X3と電極X6を接続する抵抗R
S1を用いた、電圧検出器411による電圧検出構成を説明する。抵抗R
S1は、基準抵抗としての抵抗R
Bに接続されている。さらに、電圧検出器411の入力部は、抵抗R
S1と抵抗R
Bとの間に接続されている。
以下、候補電極の選択動作を説明するが、説明の簡便化のために、電極Y5に電圧が印加されており、電極Y5において電極X3と電極X6のいずれかが押される場合に、電極X3又は電極X6を候補電極として選択する制御を説明する。直流電源409から電圧V
Dが電極Y5に印加された場合に、電極X3と電極Y5との交点である点P
2又は電極X6と電極Y5との交点である点P
1が押されれば、電圧検出器411は、抵抗R
Bにおける電圧降下を測定可能である。つまり、以上の構成において、電圧検出器411における測定値によって、制御部403が電極X3又は電極X6のいずれの位置が押されたかを判断できる。
なお、電極Y5における直流電源409から点P
1までの抵抗成分が抵抗R
1であり、電極Y5における点P
1から点P
2までの抵抗成分が抵抗R
2である。このように電極Y5において所定の抵抗成分が得られるように、電極Y1〜Y10は、例えば、カーボン又はITOによって抵抗値を高くしてもよい。下側電極Y1〜Y10は、シート抵抗が50[Ω]を超える材料から構成されることが好ましい。この場合、下側電極Y1〜Y10の抵抗値は上側電極X1〜X10の抵抗値と同じ程度でも良いが、高い方が好ましい。その場合は、各部材の材料の組み合わせの一例として、上側電極X1〜X10に銀又は銀及びカーボンを用いて、下側電極Y1〜Y10にITO又はカーボンを用いてもよい。
【0089】
ここで、
図12に示すように、ペンによってK領域(電極X3、電極X4及び電極X5をまたがった領域)押された場合に、従来であれば電極X3と電極X6のいずれが押されたか(
図12の点P
1と点P
2のいずれが押されたか)を判別できなかった。しかし、本実施形態では、上記の構成によって、以下のようにして判別が可能である。
このタッチパネルでは、直流電源409が電極Y5に電圧を印加した状態で電圧検出器411が抵抗R
Bの電圧降下を測定すれば、その値によって、制御部403が、互いに接続された電極X3及び電極X6のいずれの位置が電極Y5に対応して押されたのかを判別可能である。それは、電極X3の位置が押された場合と電極X6の位置が押された場合とで、抵抗R
S1での電圧降下の有無が異なり、さらに電極Y5での電圧降下が異なるからである。
【0090】
最初に、
図12及び
図13を用いて、電極X3が押された場合を説明する。
図13は、電圧検出器による電圧検出を説明するための電気回路図である。
図12に示すようにK領域が押された(電極X3が押された)場合には、
図13に示すように抵抗R
1と、抵抗R
S1と、抵抗R
Bとが直列に接続された状態になる。したがって、電圧検出器411によって測定されたV
Bは下記の通りになる。
【0091】
(数1)
V
B=(R
B*V
D)/(R
B+R
S1+R
1)
【0092】
次に、
図14及び
図15を用いて、電極X6が押された場合を説明する。
図14は、タッチパネルの部分平面図である。
図15は、電圧検出器による電圧検出を説明するための電気回路図である。
図14に示すようにL領域が押された(電極X6が押された)場合には、
図15に示すように抵抗R
1と、抵抗R
Bとが直列に接続された状態になる。したがって、電圧検出器411によって測定されたV
Aは下記の通りになる。
【0093】
(数2)
V
A=(R
B*V
D)/(R
B+R
1+R
2)
【0094】
さらに、電極X3及び電極X6が押された場合(実際には、電極X3、電極X4、電極X5、電極X6が押されている)は、電圧検出器411によって測定されたV
ABは下記の通りになる。
【0095】
(数3)
V
AB=[R
B/(R
B+R
S)]*V
D (ただし、R
S=R
1+(R
S1*R
2)/(R
S1+R
2))
【0096】
以上よりV
A、V
B、V
ABが互いに異なるので、電極X6が押されずに電極X3だけが押され場合、電極X3が押されずに電極X6だけが押された場合、電極X3及び電極X6の両方が押された場合を区別可能である。
なお、上記の説明では、合計3本の電極(例えば、電極X3、電極X4、電極X5)の領域が押された場合を説明しているが、合計1本の電極が押された場合にも、電極X6が押されずに電極X3だけが押された場合(点P
2が押された場合)と、電極X3が押されずに電極X6だけが押された場合(点P
1が押された場合)とを区別可能である。
【0097】
前記実施形態では、電極Y5が所定の抵抗成分を有することで、例えば4本の電極の位置が押された場合でも、抵抗値の正確な検出が可能となるという有利な点があった。そして、この点では、下側電極Y1〜Y10の抵抗値は上側電極X1〜X10の抵抗値よりそれぞれ高いことが好ましい。しかし、電極Y5の抵抗成分がほとんどない又は非常に少ない場合でも、電極X3又は電極X6のいずれに対応する位置が押されかの判別は可能である。
【0098】
8.第7実施形態
第2実施形態及び第5実施形態の組合せの変形例として、以下に第7実施形態を説明する。なお、基本的な構造及び動作は同じであるので、第2実施形態及び第5実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、本実施形態では、互いに接続された3本の電極のいずれが押されたかを電圧検出器が判別可能な電圧検出構成が開示されている。
図16を用いて、上側電極群と下側電極群を説明する。
図16は、タッチパネルの部分平面図である。この実施形態では、一方向に隣接する3本の電極が押し下げられた状態になれば当該押し下げ位置を正しく決定できるようになっている。
【0099】
上側電極群113Aは、Y方向に並んだ上側電極X1〜X17からなり、各上側電極は
図16の左右方向であるX方向に長く延びている。
下側電極群117Bは、X方向に並んだ下側電極Y1〜Y8からなり、各下側電極は
図16の上下方向であるY方向に長く延びている。なお、
図16には、電極Y5のみが示されている。
【0100】
以上より、抵抗膜式タッチパネルは、17本の上側電極X1〜X17と8本の下側電極Y1〜Y8の交点となる136個のマトリックス領域に区分されている。
上側電極X1〜X17について、詳細に説明する。電極X1と電極X3とX5が互いに電気的に接続され、電極X7と電極X9と電極X11が互いに接続され、電極X13と電極X15と電極X17とが互いに接続されている。以上のように、互いに電気的に接続されていない検出電極同士が隣接する配置において、さらに、互いに電気的に接続された検出電極の組が複数含まれ、具体的には、3本の電極同士が互いに電気的に接続された組が含まれている。
上記の接続箇所は、各電極のX方向第1側端(
図16左側端)である。接続構造として、抵抗R
S1、抵抗R
S2がそれぞれ設けられている。さらに、電極X4と電極X6とX8が互いに電気的に接続され、電極X10と電極X12と電極X14が互いに接続されている。上記の接続箇所は、各電極のX方向第2側端(
図16の右側端)である。接続構造として、抵抗R
S1、抵抗R
S2がそれぞれ設けられている。
【0101】
ここで、電極X1と電極X3を接続する抵抗R
S1をと、電極X3と電極X5を接続する抵抗R
S2を例として、電圧検出器411による電圧検出構成を説明する。抵抗R
S1及び抵抗R
S2は、抵抗R
Bに接続されている。さらに、電圧検出器411の入力部は、抵抗R
S2と抵抗R
Bとの間に接続されている。
以下、候補電極の選択動作を説明するが、説明の簡便化のために、電極Y5に電圧が印加されており、電極Y5において電極X3と電極X6のいずれかが押される場合の、電極X3又は電極X6を候補電極として選択する制御を説明する。直流電源409から電圧V
Dが電極Y5に印加された場合に、電極X1と電極Y5との交点である点P
1、電極X3と電極Y5との交点である点P
2、又は電極X5と電極Y5との交点である点P
3が押されれば、電圧検出器411は、抵抗R
Bにおける電圧降下Vを測定可能である。つまり、以上の構成において、直流電源409が例えば電極Y5に電圧を印加している場合に、電圧検出器411が電極X1、電極X3又は電極X5からの電圧を測定可能である。
なお、電極Y5における直流電源409から点P1までの抵抗成分が抵抗R
1であり、電極Y5における点P
1から点P
2までの抵抗成分が抵抗R
2であり、電極Y5における点P
2から点P
3までの抵抗成分が抵抗R
3である。
【0102】
従来であれば、ペンによって電極X1、電極X3又は電極X5のいずれが押されたか(
図16の点P
1、点P
2、点P
3のいずれが押されたか)を判別できなかった。しかし、本実施形態では、上記の構成によって、以下のようにして判別が可能である。
このタッチパネルでは、直流電源409が電極Y5に電圧を印加した状態で電圧検出器411が抵抗R
Bの電圧降下を測定すれば、その値によって、制御部403が、互いに接続された電極X1、電極X3及び電極X5のいずれが電極Y5に対応して押されたのかを判別可能である。それは、互いに接続された検出電極のうち押された位置の電極によって、抵抗R
S1、抵抗R
S2での電圧降下の有無が異なり、さらに電極Y5での電圧降下が異なるからである。
【0103】
最初に、
図16及び
図17を用いて、電極X1が押された場合を説明する。
図17は、電圧検出器による電圧検出を説明するための電気回路図である。
電極X1が押された場合には、
図17に示すように電極Y5における直流電源409から点P
1までの抵抗R
1と、抵抗R
S1と、抵抗R
S2と、抵抗R
Bとが直列に接続された状態になる。したがって、電圧検出器411によって測定されたV
1は下記の通りになる。
【0104】
(数4)
V
1=(R
B*V
D)/(R
B+R
S1+R
S2+R
1)
【0105】
次に、
図16及び
図18を用いて、電極X3が押された場合を説明する。
図18は、電圧検出器による電圧検出を説明するための電気回路図である。
電極X3が押された場合には、
図18に示すように電極Y5における直流電源409から点P
1までの抵抗R
1と、点P
1から点P
2までの抵抗R
2と、抵抗R
S2と、抵抗R
Bとが直列に接続された状態になる。したがって、電圧検出器411によって測定されたV
2は下記の通りになる。
【0106】
(数5)
V
2=(R
B*V
D)/(R
B+R
S2+R
1+R
2)
【0107】
次に、
図16及び
図19を用いて、電極X5が押された場合を説明する。
図19は、電圧検出器による電圧検出を説明するための電気回路図である。
電極X5が押された場合には、
図19に示すように電極Y5における直流電源409から点P
1までの抵抗R
1と、点P
1から点P
2までの抵抗R
2と、点P
2から点P
3までの抵抗R
3と、抵抗R
Bとが直列に接続された状態になる。したがって、電圧検出器411によって測定されたV
3は下記の通りになる。
【0108】
(数6)
V
3=(R
B*V
D)/(R
B+R
1+R
2+R
3)
以上よりV
1、V
2、V
3が互いに異なるので、電極X3及びX5が押されずに電極1だけが押された場合、電極X1及びX5が押されずに電極X3だけが押された場合、電極X1及び電極X3が押されずに電極X5が押された場合を、制御部403が区別可能である。
なお、この構成によって、電極X1と電極X3が押された場合、電極X3と電極X5が押された場合、電極X1、電極X3及び電極X5が押された場合も、制御部403が互いに区別できる。
【0109】
9.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【0110】
前記第1〜第4実施形態では抵抗膜方式のタッチパネルを説明したが、第1〜第4実施形態の構造は静電容量方式のタッチパネルにも適用できる。この場合、上側電極群と下側電極群はそれぞれ別の絶縁フィルムに形成されていてもよいし、1枚の絶縁フィルムの各面にそれぞれ形成されていてもよい。
【0111】
前記実施形態では上側電極群と下側電極群は同じ種類の電極パターンを採用していたが、上下において電極パターンは異なっていてもよい。
前記第1〜第4実施形態では検出電極同士はバスパー電極によって接続されていたが、検出電極同士の接続方法は前記実施形態に限定されない。例えば、引き回し配線の一部を用いて検出電極同士を接続してもよい。
【解決手段】抵抗膜式タッチパネル2は、透明絶縁フィルム11と、複数の上側電極X1〜X10と、複数の引き回し配線30A〜30Fとを備えている。複数の上側電極X1〜X10は、透明絶縁フィルム11の下面に形成されてY方向に並んで配置された検出電極であり、互いに電気的に接続された電極の組である電極X1と電極X4を含みつつ予定同時検出本数と同数でY方向に隣接する検出電極の電気的組み合わせ同士は互いに異なっている。複数の引き回し配線30A〜30Fは、複数の上側電極X1〜X10から延び、下面において複数の上側電極X1〜X10より外側の額縁領域24に形成されている。