(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5763805
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】温度センサ
(51)【国際特許分類】
G01K 7/22 20060101AFI20150723BHJP
G03G 15/20 20060101ALI20150723BHJP
G01K 13/08 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
G01K7/22 J
G03G15/20 555
G01K13/08 B
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-92235(P2014-92235)
(22)【出願日】2014年4月28日
【審査請求日】2014年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000145242
【氏名又は名称】株式会社芝浦電子
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(72)【発明者】
【氏名】浅利 朋宏
(72)【発明者】
【氏名】細井 浩也
【審査官】
深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】
実開平05−019929(JP,U)
【文献】
特開平08−210928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 7/22
G01K 13/08
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に使用される定着手段の内側に配置され、前記定着手段の湾曲する内周面の温度を測定し、
感熱体と、前記感熱体と電気的に接続される第1リード線及び第2リード線と、を有する感熱素子と、
前記感熱素子を支持するとともに、前記内周面に押し付けられる弾性支持体と、
前記弾性支持体を固定して保持するホルダと、を備え、
前記弾性支持体は、
前記ホルダに固定される側から前記感熱素子が支持される側に向けて、先細りに形成されている、
ことを特徴とする温度センサ。
【請求項2】
前記弾性支持体は、
負荷のない状態で扁平をなしている、
請求項1に記載の温度センサ。
【請求項3】
前記弾性支持体が前記内周面に押し付けられると、
前記弾性支持体の先端部分が、前記内周面に倣って湾曲し、前記内周面と面接触する、
請求項1又は2に記載の温度センサ。
【請求項4】
前記弾性支持体は、
前記第1リード線及び前記第2リード線のそれぞれが電気的に接続される第1接続子及び第2接続子を備える、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の温度センサ。
【請求項5】
前記弾性支持体は、
前記感熱体と、前記第1リード線及び前記第2リード線と、を表裏のいずれか一方の面側において支持する板状弾性体からなる、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の温度センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を用いた印刷機、複写機などの画像形成装置に使用される定着器用の温度を測定するのに好適な温度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷機、複写機に代表される画像形成装置において、電子写真方式により記録紙上へ担持させた未定着トナー像を定着させる装置が知られている。この定着器は、定着手段と加圧手段とを備える。定着手段と加圧手段は、記録紙と記録紙に静電的に担持させたトナー(樹脂、磁性体、着色料などからなる)を互いに圧接・回転させる。定着手段と加圧手段は、各々、ローラ、エンドレスベルト体などから構成される。加圧手段はニップとも称される圧接部を備え、定着器は、定着手段と圧接部で記録紙を挟持搬送させながらトナーに熱と圧力を加えることで、溶融定着を行う。
画像形成装置は、定着手段の表面温度を温度センサで測定し、測定された温度に応じて定着手段を加熱してその表面温度を制御することによって、記録紙上のトナーの定着を常に正常な状態で行なう。なお、測定値は、トナーの正常な定着を目的とする以外にも用いることができる。
【0003】
この温度センサは、ローラなどの定着手段の外周面に接する外接タイプ(例えば、特許文献1)と、定着手段の内周面に接する内接タイプ(例えば、特許文献2)と、に区分される。定着器は、ローラ定着、IH(Inductive Heating)定着及びオンデマンド定着に区分されるが、外接タイプは主にローラ定着に用いられ、内接タイプは主にIH定着、オンデマンド定着に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−277054号公報
【特許文献2】特開2003−307966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
内接タイプの温度センサを開示する特許文献1は、定着用温度センサの感熱面を予め湾曲させておき、温度測定対象である定着手段の内周面(測定対象面)に湾曲させた感熱面を面接触させることを提案している。特許文献1による温度センサは、感熱面が測定対象面と面接触するので、定着ローラの温度変化に敏感に反応して、高い精度で温度を測定することができる。
しかし、特許文献1は、測定対象面の曲率と異なる曲率の温度センサを用いると感熱面を測定対象面に面接触できないので、曲率が異なる測定対象面を有する定着ローラ(定着手段)ごとに、この曲率に合った曲率の感熱面を有する温度センサを用意する必要がある。つまり、特許文献1は、一種類の温度センサが、曲率の異なる測定対象面を有する定着手段を賄うことができない。また、測定対象面に合うように感熱面を予め湾曲するには、高い精度の曲げ加工が必要になり、温度センサの製造コストを押し上げる要因の一つとなる。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、異なる測定対象面を備える定着手段に対して共用できる温度センサを低コストで提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明の温度センサは、
画像形成装置に使用される定着手段の内側に配置され、定着手段の湾曲する内周面の温度を測定し、感熱体と、感熱体に電気的に接続される第1リード線及び第2リード線と、を有する感熱素子と、感熱素子を支持するとともに、測定対象に押し付けられる弾性支持体と、弾性支持体を固定して保持するホルダと、を備える。
本発明の温度センサは、弾性支持体が、ホルダに固定される側(根元)から感熱素子が接続される側(先端)に向けて、先細りに形成されていることを特徴とする。
本発明の温度センサは、弾性支持体が先細りに形成されているので、根元から先端に向けて剛性が小さくなる。したがって、弾性支持体を測定対象に押し付けると、剛性の小さい先端に近い領域は測定対象に倣って湾曲するので、曲率が異なる測定対象に対しても面で接触させることができる。一方で、剛性の大きい根元部分が存在することにより、測定対象と接触する圧力(接圧)を確保できるので、安定した面接触を実現し、測定温度の精度向上に寄与する。
【0007】
本発明の温度センサにおいて、弾性支持体は、負荷のない状態で扁平をなしていることが好ましい。
本発明の温度センサは、弾性支持体に湾曲、屈曲させるなどの加工を施すことを排除するものではない。しかし、先細りに形成することにより、測定対象が湾曲していても面接触を得ることができるのに加えて、必要な接圧を得ることができるので、湾曲させるなどの加工を施す必要がない。したがって、負荷のない状態で扁平な弾性支持体は、金属板を打ち抜くだけで得ることができるので、温度センサの製造コストを抑えることができる。
【0008】
本発明の温度センサは、弾性支持体が内周面に押し付けられると、第1接続子及び第2接続子の先端部分が、内周面に倣って湾曲し、面接触することができる。
【0009】
本発明の温度センサにおける弾性支持体の形態として、少なくとも以下の第1形態と第2形態を含む。
第1形態は、弾性支持体として第1接続子と第2接続子の二つの部材を備え、第1リード線及び第2リード線のそれぞれが第1接続子及び第2接続子に電気的に接続される。この第1形態は、弾性支持体に電気的な信号の伝送経路としての機能を担うことになる。
第2形態は、弾性支持体が単一の板状弾性体からなり、板状弾性体は、感熱体と、第1リード線及び第2リード線と、を表裏のいずれか一方の面側において支持する。この第2形態は、弾性支持体に電気的な信号の伝送経路としての機能を求めない。
【発明の効果】
【0010】
本発明の温度センサは、弾性支持体を測定対象に押し付けると、剛性の小さい先端に近い領域は測定対象に倣って湾曲するので、曲率が異なる測定対象に対しても面で接触させることができる。一方で、剛性の大きい根元部分が存在することにより、測定対象と接触する圧力(接圧)を確保できるので、安定した面接触を実現し、測定温度の精度向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態における温度センサを示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【
図2】第1実施形態における温度センサが定着器に設けられる様子を示す図である。
【
図4】第2実施形態における温度センサを示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態による定着器用の温度センサ1は、
図1に示すように、ホルダ10と、ホルダ10に一方の側が保持される一対の接続子(弾性支持体,第1接続子,第2接続子)20A,20Bと、接続子20A,20Bの間に設けられるサーミスタ素子30と、サーミスタ素子30を含めて、接続子20A,20Bの他方の側を表裏から挟み込む電気絶縁性の保持体40と、を備えている。温度センサ1は、内接タイプのセンサであり、
図2に示すように、定着器50において加圧ロール55と対向する定着ロール,定着フィルムなどの定着手段51の内周面(測定対象面)53に、先端側を押し付けて使用される。なお、温度センサ1において、サーミスタ素子30が設けられる側を先端とし、ホルダ10が設けられる側を後端と定義する。
【0013】
[ホルダ10]
ホルダ10は、外観が矩形の平板状に形成され、定着手段51の内部に設けられる適宜の部材に固定されながら、接続子20A,20Bを保持する。ホルダ10は、接続子20A,20Bと対応する接続孔11A,11Bを備え、接続子20A,20Bと図示を省略する引出し線は、接続孔11A,11Bの内部で溶接などにより固定されることで電気的な接続が確保される。この引出し線は、計測機器に接続される。ホルダ10は、絶縁性の樹脂材料を射出成形することで一体に成形されている。接続子20A,20Bは、この射出成形のときに所定の位置に配置されることで、樹脂材料にインサート成形される。ただし、本発明は、インサート成形によることなく、接続子20A,20Bをホルダ10に固定することを許容する。
【0014】
[接続子20A,20B]
接続子20A,20Bは、導電性及び弾性を備える金属材料からなる厚さが一定の板材を打抜いて形成されており、無負荷の状態では扁平をなしている。
接続子20A,20Bは、先端側にサーミスタ素子30のリード線32A,32Bが電気的に接続されることで、サーミスタ素子30を支持する。接続子20A,20Bを構成する金属材料としては、ステンレス鋼、Fe−Ni合金などを用いることができる。温度を測定している間に、例えば接続子20Aの側から供給され、リード線32A,サーミスタ31、リード線32B及び接続子20Bの順に流れてきた電流を、図示を省略する引出し線を介して計測することにより、サーミスタ31の抵抗の変化を検知し、温度を測定する。つまり、接続子20A,20Bはサーミスタ素子30(サーミスタ31,リード線32A,32B)に対して電気的な信号の伝送経路を構成する。
接続子20A,20Bは、ホルダ10に保持される後端側から先端側に向けて、段階的に先細りに形成されている。接続子20A,20Bは、幅の広い根元部21A,21Bと、根元部21A,21Bよりも幅の狭い中間部22A,22Bと、中間部22A,22Bよりも幅の狭い先端部23A,23Bと、を備えており、根元部,中間部及び先端部の順に剛性が小さくなる。接続子20A,20Bを先細りにすることによる作用及び効果については、後述する。
【0015】
[サーミスタ素子30]
サーミスタ素子30は、サーミスタ31とリード線32A,32Bからなるが、サーミスタ31の具体的な構成は任意であり、ダイオード形サーミスタ、ビード形サーミスタ、チップサーミスタ及び薄膜サーミスタなど、公知のサーミスタを広く適用できる。
サーミスタ素子30は、リード線32A,32Bが等しい長さに形成されており、そのためにサーミスタ31は、接続子20Aと接続子20Bの間の中間に配置される。
【0016】
[保持体40]
保持体40は、所定寸法の電気的な絶縁シート41を先端側で折り返すことで形成される。絶縁シート41は、耐摩耗性および耐熱性を備える樹脂フィルムからなる。この樹脂フィルムは、ポリイミド樹脂、フッ素系樹脂、または、ポリイミド系樹脂とフッ素樹脂の混合物からなることが好ましい。絶縁シート41は、折り返した内側の少なくとも一方の面に接着剤を塗布しておき、この接着剤により折り返した内側の面同士を貼り合わせる。
【0017】
[定着器における温度センサ1の配置]
温度センサ1は、
図2に示すように、先端側が定着手段51の内周面53に押し付けられ、接続子20A,20Bの先端部23A,23Bから中間部22A,22Bの途中にかけて内周面53の曲率に倣って湾曲することで、先端部23A,23Bに相当する温度センサ1は内周面53と面で接触することができる。ここで、幅の狭い先端部23A,23Bは、剛性が低く柔軟性を備えていると言えるので、容易に内周面53に倣うことができる。一方で、根元部21A,21Bは剛性が高く、先端部23A,23Bの湾曲により大きなばね力が生ずるので、先端部23A,23Bが内周面53と面で接触する圧力(以下、接圧)を付与することができる。
ここで、仮に接続子20A,20Bの長さ方向の全体が先端部23A,23Bと同様に幅が狭ければ、内周面53に倣う部分の接圧が低くなるので、内周面53から接続子20A,20Bへの熱伝達が不安定となり、高い精度で温度を測定することができない。一方で、接続子20A,20Bの長さ方向の全体が根元部21A,21Bと同様に幅が広ければ、その先端部分が内周面53に倣うように湾曲することができず、面による接触が得られにくくなるので、やはり高い精度で温度を測定することができない。
【0018】
さらに、温度センサ1は、扁平な接続子20A,20Bを用い、内周面53に押し付けて主に先端部23A,23Bを湾曲させることで面接触を実現するものであるから、内周面53の曲率に関わらずに面接触を実現することができる。したがって、曲率の違う内周面を備える定着器に対して、一種類の温度センサ1を用意すれば足りるので、曲率の違う内周面を備える定着器に対応して複数種の温度センサを作製、用意するのに比べて、温度センサのコスト削減に寄与する。
【0019】
[第2実施形態]
以上説明した第1実施形態は、弾性支持体として接続子20A,20Bと二つの部材を備え、接続子20A,20Bは電気的な信号の伝送経路としての機能を担うが、本発明は、弾性支持体に電気的な信号の伝送経路としての機能を求めない形態をも包含する。この形態(第2実施形態)を、
図4を参照して説明する。なお、以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明することとし、第1実施形態と同様の構成部分については、第1実施形態と同じ符号を用いる。
【0020】
第2実施形態に係る温度センサ2は、接続子20A,20Bの代替として、弾性支持板120を備える。弾性支持板120は、接続子20A,20Bに比べて全体として幅広で扁平な金属板から構成されている。ただし、弾性支持板120は、電気的な信号の伝送経路として機能しないので、金属板に限らず、他の材料、例えば耐熱性の樹脂材料からなる板材を用いることもできる。
弾性支持板120は、ホルダ10に保持される後端側から先端側に向けて、段階的に先細りに形成されている。弾性支持板120は、幅の広い根元部121と、根元部121よりも幅の狭い中間部122と、中間部122よりも幅の狭い先端部123と、を備えており、根元部,中間部及び先端部の順に剛性が小さくなる。弾性支持板120は、根元部121の一部がホルダ10の内部に挿入されることで、ホルダ110に保持される。
弾性支持板120は、サーミスタ素子130が設けられる側の面が絶縁シート42で覆われており、サーミスタ素子130のリード線132A,132Bとの電気的な絶縁が図られている。絶縁シート42は、第1実施形態の絶縁シート41と同様の素材で構成される。
【0021】
絶縁シート42で覆われる弾性支持板120の面側には、サーミスタ素子130が配設される。このサーミスタ素子130は、サーミスタ131とリード線132A,132Bとから構成され、リード線132A,132Bは、サーミスタ131との接続部位から離れるのにつれて間隔が拡がるように設けられている。
サーミスタ131は、絶縁シート42の表面に固定された緩衝材としてのスポンジ44の上に配置されている。リード線132A,132Bは、サーミスタ131との接続部分の近傍を除いて、絶縁シート42に接するようにして固定される。
弾性支持板120は、サーミスタ素子130が配設される面側及びその裏面側の両方が、絶縁シート43で覆われている。絶縁シート43も、第1実施形態の絶縁シート41と同様の素材で構成することができるとともに、絶縁シート41と同様の方法で表裏両面の貼り合わせを行えばよい。
【0022】
ホルダ110は、弾性支持板120を保持するとともに、接続子125A,125Bを保持する。ホルダ110を絶縁性の樹脂材料を射出成形により作成する場合、弾性支持板120、接続子125A,125Bを、この射出成形のときに所定の位置に配置することで、ホルダ110にインサート成形することができる。
接続子125A,125Bは、サーミスタ素子130と計測機器との電気的な接続を仲介する部材であり、導電性を備える金属板から構成される。ホルダ110は、接続子125A,125Bの各々に対応する接続孔111A,111Bを備えている。リード線132A,132Bはその末端部分が接続孔111A,111Bに引き出されており、リード線132A,132Bと接続子125A,125Bは、各々、接続孔111A,111Bの内部で溶接などにより接合されることで電気的な接続が確保される。
【0023】
温度センサ2は、その先端側が定着手段51の内周面53に押し付けられると、第1実施形態と同様に、必要な接圧を確保しながら、内周面53に倣いながら面で接触することができるのに加えて、内周面53の曲率に関わらずに面接触を実現することができる、という効果を奏する。
温度センサ2は、サーミスタ131と弾性支持板120の間にスポンジ44を介在させている。このスポンジ44は、サーミスタ131に対して断熱材として機能するとともに、サーミスタ131を測定対象に柔軟にフィットさせることにより、安定して温度センサ2による温度検知を行うことができる。
【0024】
一方で、前述した第1実施形態の温度センサ1は、サーミスタ素子30が接続された接続子20A,20Bを覆う保持体40が一枚の絶縁シート41で構成されるので、二枚の絶縁シート42,43を用い、かつスポンジ44を用いる温度センサ2に比べて構造が簡易である。また、温度センサ1は、スポンジ44を用いていないので、熱容量が小さく抑えられる結果、温度測定の応答性を速くできる。
【0025】
以上本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
例えば、上述した接続子20A,20Bは、先細りの一例として、根元から先端に向けて段階的に幅を狭くしているが、
図3に示すように連続的に幅を狭くすることもできる。また、先細りにする例として、幅を段階的に又は連続的に細くする例を示したが、例えば、幅を一定とする一方、厚さを段階的に又は連続的に薄くすることによっても、測定対象面に倣って湾曲しつつ、必要な接圧を得ることができる。
また、本発明の温度センサの適用対象は、好ましくは、定着器の内周面の温度測定であるが、これに限定されることはない。測定対象面に倣って湾曲しつつ、必要な接圧が得られる、という作用・効果が必要とされるいかなる用途、部位に、本発明の温度センサを適用することができる。
【符号の説明】
【0026】
1,2 温度センサ
10,110 ホルダ
11A,11B 接続孔
20A,20B 接続子
21A,21B 根元部
22A,22B 中間部
23A,23B 先端部
30 サーミスタ素子
31 サーミスタ
32A,32B リード線
40 保持体
41,42,43 絶縁シート
44 スポンジ
111A,111B 接続孔
120 弾性支持板
121 根元部
122 中間部
123 先端部
125A,125B 接続子
130 サーミスタ素子
131 サーミスタ
132A,132B リード線
【要約】
【課題】内径の異なる定着手段に対して共用できる温度センサを低コストで提供する。
【解決手段】本発明の温度センサ1は、サーミスタ31と、電気的に接続されるリード線32A,32Bと、を有するサーミスタ素子30と、リード線32A,32Bのそれぞれが電気的に接続される接続子20A,20Bと、接続子20A,20Bを固定して保持するホルダ10と、を備え、接続子20A,20Bは、ホルダ10に固定される側である後端からサーミスタ素子30が接続される側である先端に向けて、先細りに形成されている。
【選択図】
図1