特許第5763863号(P5763863)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5763863
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】MIMO中継装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/15 20060101AFI20150723BHJP
   H04B 7/04 20060101ALI20150723BHJP
   H04J 99/00 20090101ALI20150723BHJP
【FI】
   H04B7/15
   H04B7/04
   H04J15/00
【請求項の数】16
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-501559(P2015-501559)
(86)(22)【出願日】2012年12月27日
(65)【公表番号】特表2015-513275(P2015-513275A)
(43)【公表日】2015年4月30日
(86)【国際出願番号】KR2012011611
(87)【国際公開番号】WO2014035017
(87)【国際公開日】20140306
【審査請求日】2014年9月17日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0095505
(32)【優先日】2012年8月30日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514236452
【氏名又は名称】エムティーアイ カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】514235824
【氏名又は名称】チョ,ヒョン−シク
(73)【特許権者】
【識別番号】514235813
【氏名又は名称】キサン テレコム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ヒョン−シク
(72)【発明者】
【氏名】イム,キ−ホ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ピョン−ギ
【審査官】 川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−541242(JP,A)
【文献】 特表2008−503907(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/084553(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/04
H04B 7/14 − 7/22
H04J 99/00
H04W 4/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局または中継器との独立的なMIMO経路に対応設置された数個の第1入出力端子、単一の同軸ケーブルの一端が連結される第1ケーブル端子、前記数個の第1入出力端子それぞれに連結されて上向き信号と下向き信号を分離する数個の第1信号分離部、前記第1ケーブル端子に連結されて上向き信号と下向き信号を分離する第2信号分離部、前記数個の第1信号分離部のうちで少なくとも一つと前記第2信号分離部との間にそれぞれ連結された第1上向き信号増幅部と第1下向き信号増幅部、及び前記数個の第1信号分離部のうちで少なくとも他の一つと前記第2信号分離部との間に連結された第2下向き信号増幅部を含む第1中継装置と
記単一の同軸ケーブルの他端が連結される第2ケーブル端子、使用者端末との独立的なMIMO経路に対応設置された数個の第2入出力端子、前記第2ケーブル端子に連結されて上向き信号と下向き信号を分離する第3信号分離部、該第3信号分離部と前記数個の第2入出力端子のうちで少なくとも一つの間を連結するバイパスライン、及び前記第3信号分離部と前記数個の第2入出力端子のうちで少なくとも他の一つの間に連結された第3下向き信号増幅部を含む第2中継装置を含
前記第1上向き信号増幅部と第1下向き信号増幅部は、それぞれ周波数ダウンコンバータ、フィルター、及び増幅器が順次に直列連結された第1部分と、周波数アップコンバータ、フィルター、増幅器、可変減衰器及び電力増幅器が順次に直列連結された第2部分を具備し前記第1部分と前記第2部分が直列連結されたスーパーヘテロダイン方式の増幅器で構成され、
前記第2下向き信号増幅部は前記スーパーヘテロダイン方式の増幅器の前記第1部分と同一に構成され、前記第3下向き信号増幅部は前記スーパーヘテロダイン方式の増幅器の前記第2部分と同一に構成されていることを特徴とするMIMO中継装置。
【請求項2】
前記第1上向き信号増幅部から出力された上向き信号を複数の信号分配して前記複数の第1信号分離部それぞれ入力する上向き信号分配部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のMIMO中継装置。
【請求項3】
前記バイパスラインを通じて伝送される第1下向き信号に基づいて前記第3下向き信号増幅部から出力された第2下向き信号の出力レベルを調節する出力調節部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のMIMO中継装置。
【請求項4】
前記出力調節部は前記バイパスラインを通じて伝送される第1下向き信号を検出する第1検出部、前記第3下向き信号増幅部から出力された第2下向き信号を検出する第2検出部、及び前記検出された第1下向き信号に基づいて前記第3下向き信号増幅部の可変減衰器を制御して前記第2下向き信号の出力レベルを調整する制御部を含むことを特徴とする請求項3に記載のMIMO中継装置。
【請求項5】
前記数個の第1入出力端子は数本のドナーアンテナをそれぞれ連結するためのものであることを特徴とする請求項1に記載のMIMO中継装置。
【請求項6】
前記数個の第1入出力端子は基地局または中継器と連結される数個のケーブルをそれぞれ連結するためのものであることを特徴とする請求項1に記載のMIMO中継装置。
【請求項7】
前記数個の第2入出力端子は数本のサービスアンテナをそれぞれ連結するためのものであることを特徴とする請求項1に記載のMIMO中継装置。
【請求項8】
上向き信号及び下向き信号のうちで少なくとも一つはMIMO信号であることを特徴とする請求項1に記載のMIMO中継装置。
【請求項9】
基地局または中継器との独立的なMIMO経路に対応設置された数個の第1入出力端子、単一の同軸ケーブルの一端が連結される第1ケーブル端子、前記数個の第1入出力端子のうちで少なくとも一つに連結されて上向き信号と下向き信号を分離する第1信号分離部、前記第1ケーブル端子に連結されて上向き信号と下向き信号を分離する第2信号分離部、前記数個の第1入出力端子のうちで少なくとも他の一つと前記第2信号分離部との間を連結する第1バイパスライン、前記第1信号分離部と前記第2信号分離部との間に連結された第1下向き信号増幅部を含む第1中継装置と
記単一の同軸ケーブルの他端が連結される第2ケーブル端子、使用者端末との独立的なMIMO経路に対応設置された数個の第2入出力端子、前記第2ケーブル端子に連結されて上向き信号と下向き信号を分離する第3信号分離部、該第3信号分離部と前記数個の第2入出力端子のうちで少なくとも一つの間を連結する第2バイパスライン、及び前記第3信号分離部と前記数個の第2入出力端子のうちで少なくとも他の一つの間に連結された第2下向き信号増幅部を含む第2中継装置を含
周波数ダウンコンバータ、フィルター、及び増幅器が順次に直列連結された第1部分と、周波数アップコンバータ、フィルター、増幅器、可変減衰器及び電力増幅器が順次に直列連結された第2部分を具備するスーパーヘテロダイン方式の増幅器で、前記第1下向き信号増幅部は前記スーパーヘテロダイン方式の増幅器の前記第1部分で構成され、前記第2下向き信号増幅部は前記スーパーヘテロダイン方式の増幅器の前記第2部分で構成されていることを特徴とするMIMO中継装置。
【請求項10】
前記第1バイパスラインを通じて伝送される上向き信号を分配して前記第1信号分離部に入力する上向き信号分配部をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のMIMO中継装置。
【請求項11】
前記第2バイパスラインを通じて伝送される第1下向き信号に基づいて前記第2下向き信号増幅部から出力された第2下向き信号の出力レベルを調節する出力調節部をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のMIMO中継装置。
【請求項12】
前記出力調節部は前記第2バイパスラインを通じて伝送される第1下向き信号を検出する第1検出部、前記第2下向き信号増幅部から出力された第2下向き信号を検出する第2検出部、及び前記検出された第1下向き信号に基づいて前記第2下向き信号増幅部の可変減衰器を制御して第2下向き信号の出力レベルを調整する制御部を含むことを特徴とする請求項11に記載のMIMO中継装置。
【請求項13】
前記数個の第1入出力端子は数本のドナーアンテナをそれぞれ連結するためのものであることを特徴とする請求項9に記載のMIMO中継装置。
【請求項14】
前記数個の第1入出力端子は基地局または中継器と連結される数個のケーブルをそれぞれ連結するためのものであることを特徴とする請求項9に記載のMIMO中継装置。
【請求項15】
前記数個の第2入出力端子は数本のサービスアンテナをそれぞれ連結するためのものであることを特徴とする請求項9に記載のMIMO中継装置。
【請求項16】
上向き信号及び下向き信号のうちで少なくとも一つはMIMO信号であることを特徴とする請求項9に記載のMIMO中継装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LTE(Long Term Evolution)通信システムのような多重接続方式の無線通信システムなどで適用しているMIMO(Multiple Input Multiple Outputと、以下、MIMOと略称する)方式の信号を効果的に中継するためのMIMO中継装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムらは音声、データなどのような多様なタイプの通信コンテンツを提供するために幅広く展開される。このようなシステムらは利用可能なシステムリソースら(例えば、帯域幅、伝送電力)を共有することで複数の使用者らとの通信を支援することができる多重接続システムらであることがある。そのような多重接続システムらは、例えば、コード分割多重接続(CDMA)システム、時分割多重接続(TDMA)システム、周波数分割多重接続(FDMA)システム、3GPPロングトムエボリューション(LTE)システム、及び直交周波数分割多重接続(OFDMA)システムなどを含む。
【0003】
一般に、無線多重接続通信システムは、複数の無線端末らに対する通信を同時に支援することができる。それぞれの端末は順方向リンク及び逆方向リンク上の伝送らを通じて一つ以上の基地局らと通信する。順方向リンク(または、ダウンリンクや下向きリンクと称する)は、基地局らから端末らへの通信リンクを指称し、逆方向リンク(または、アップリンクや上向きリンクと称する)は、端末らから基地局らへの通信リンクを指称する。このような通信リンクは単一入力単一出力(SISO)方式、多重入力単一出力(MISO)方式、または多重入力多重出力(MIMO)方式を通じて設定されることができる。
【0004】
MIMO方式のシステムらは、データ伝送のために複数(NT)の伝送アンテナ及び複数(NR)の受信アンテナを利用する。NT本の伝送アンテナら及びNR本の受信アンテナらによって形成されるMIMOチャンネルはNS個の独立チャンネルらに分解されることができるし、独立チャンネルらは空間チャンネルとして指称されることができる。NS個の独立チャンネルらそれぞれはディメンション(dimension)に対応する。複数の伝送及び受信アンテナらによって生成された追加的ディメンションらが利用されたら、MIMOシステムは改善された性能(例えば、さらに高い処理量及び/または、さらに大きい信頼性)を提供することができる。
【0005】
一方、上のようなMIMO通信方式で電波陰影地域をカバーするか、または基地局の取付費が負担な地域に中継器を構成させる必要がある。
【0006】
しかし、既存の一般な中継器は基地局で使用者端末機の方に通信信号を送る下向き信号に対して基地局から送信された信号を受信する一つの受信アンテナとサービス区域を向ける一つの再送信アンテナを具備し、受信された信号を増幅して再送信する形態でなされているが、このような既存の中継器をMIMO方式の通信システムに適用して順方向リンクでMIMO方式の信号を中継する場合、使用者端末機でMIMO通信方式の信号に対する復元が不可能になる問題点が発生したし、これは使用者端末機から基地局側に信号を送る逆方向リンクに対しても同一な現象が発生する問題点があった。
【0007】
また、基地局または中継器から複数のアンテナらまでMIMO信号を一定距離を拡張するか、または伝達するためにはMIMOアンテナの数に対応する多数個の伝送ケーブルが必要であるが、その多数個の伝送ケーブルの設置によってケーブル購入費、作業時間及び人力などが増えて施設費が大幅に上昇し、設置空間にも多くの制約が従う問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述した従来の問題点を解決するためのものであり、その目的はLTE(Long Term Evolution)通信システムのような多重接続方式の無線通信システムなどで適用しているMIMO信号を歪曲なしに効果的に中継することができるようにすると共に一つのケーブルを通じて複数のサービスアンテナまで一定距離を拡張して送るようにする、MIMO中継装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために本発明の一側面によるMIMO中継装置は、基地局または中継器との独立的なMIMO経路に対応設置された多数個の第1入出力端子、単一の同軸ケーブルの一端が連結される第1ケーブル端子、前記多数個の第1入出力端子それぞれに連結されて上向き信号と下向き信号を分離する多数個の第1信号分離部、前記第1ケーブル端子に連結されて上向き信号と下向き信号を分離する第2信号分離部、前記多数個の第1信号分離部のうちで少なくとも一つと前記第2信号分離部との間にそれぞれ連結された第1上向き信号増幅部と第1下向き信号増幅部、及び前記多数個の第1信号分離部のうちで少なくとも他の一つと前記第2信号分離部との間に連結された第2下向き信号増幅部を含む第1中継装置と、及び前記単一の同軸ケーブルの他端が連結される第2ケーブル端子、使用者端末との独立的なMIMO経路に対応設置された多数個の第2入出力端子、前記第2ケーブル端子に連結されて上向き信号と下向き信号を分離する第3信号分離部、前記第3信号分離部と前記多数個の第2入出力端子のうちで少なくとも一つの間を連結するバイパスライン、及び前記第3信号分離部と前記多数個の第2入出力端子のうちで少なくとも他の一つの間に連結された第3下向き信号増幅部を含む第2中継装置を含んで、前記第1上向き信号増幅部と第1下向き信号増幅部はそれぞれ周波数ダウンコンバータ、フィルター、及び増幅器を含む第1部分と、周波数アップコンバータ、フィルター、増幅器、可変減衰器及び電力増幅器を含む第2部分を具備して信号の選択度と増幅度を高めることができるスーパーヘテロダイン方式の増幅器で構成され、前記第2下向き信号増幅部は前記スーパーヘテロダイン方式の増幅器の前記第1部分と同一に構成され、前記第3下向き信号増幅部は前記スーパーヘテロダイン方式の増幅器の前記第2部分と同一に構成されたことを特徴とする。
【0010】
本発明の他の側面によるMIMO中継装置は、前記第1上向き信号増幅部から出力された上向き信号を複数の信号で分配し、前記複数の第1信号分離部でそれぞれ入力する上向き信号分配部をさらに含むことができる。
【0011】
本発明のまた他の側面によるMIMO中継装置は、前記バイパスラインを通じて伝送される第1下向き信号を基礎で前記第3下向き信号増幅部から出力された第2下向き信号の出力レベルを調節する出力調節部をさらに含むことができるし、前記出力調節部は前記バイパスラインを通じて伝送される第1下向き信号を検出する第1検出部、前記第3下向き信号増幅部から出力された第2下向き信号を検出する第2検出部、及び前記検出された第1下向き信号を基準で前記第3下向き信号増幅部の可変減衰器を制御して前記第2下向き信号の出力レベルを調整する制御部を含むことができる。
【0012】
本発明のまた他の側面によれば、前記多数個の第1入出力端子は多数本のドナーアンテナをそれぞれ連結するためのものであるか、または基地局または中継器と連結される多数個のケーブルをそれぞれ連結するためのものであることができるし、前記多数個の第2入出力端子は多数本のサービスアンテナをそれぞれ連結するためのものであることができる。
【0013】
前述した目的を達成するために本発明の一側面によるMIMO中継装置は、基地局または中継器との独立的なMIMO経路に対応設置された多数個の第1入出力端子、単一の同軸ケーブルの一端が連結される第1ケーブル端子、前記多数個の第1入出力端子のうちで少なくとも一つに連結されて上向き信号と下向き信号を分離する第1信号分離部、前記第1ケーブル端子に連結されて上向き信号と下向き信号を分離する第2信号分離部、前記多数個の第1入出力端子のうちで少なくとも他の一つと前記第2信号分離部との間を連結する第1バイパスライン、前記第1信号分離部と前記第2信号分離部との間に連結された第1下向き信号増幅部を含む第1中継装置と、及び前記単一の同軸ケーブルの他端が連結される第2ケーブル端子、使用者端末との独立的なMIMO経路に対応設置された多数個の第2入出力端子、前記第2ケーブル端子に連結されて上向き信号と下向き信号を分離する第3信号分離部、前記第3信号分離部と前記多数個の第2入出力端子のうちで少なくとも一つの間を連結する第2バイパスライン、及び前記第3信号分離部と前記多数個の第2入出力端子のうちで少なくとも他の一つの間に連結された第2下向き信号増幅部を含む第2中継装置を含んで、周波数ダウンコンバータ、フィルター、及び増幅器を含む第1部分と、周波数アップコンバータ、フィルター、増幅器、可変減衰器及び電力増幅器を含む第2部分を具備して信号の選択度と増幅度を高めることができるスーパーヘテロダイン方式の増幅器で、前記第1下向き信号増幅部は前記スーパーヘテロダイン方式の増幅器の前記第1部分で構成され、前記第2下向き信号増幅部は前記スーパーヘテロダイン方式の増幅器の前記第2部分で構成されたことを特徴とする。
【0014】
本発明の他の側面によるMIMO中継装置は、前記第1バイパスラインを通じて伝送される上向き信号を分配して前記第1信号分離部で入力する上向き信号分配部と、及び前記第2バイパスラインを通じて伝送される第1下向き信号を基礎で前記第2下向き信号増幅部から出力された第2下向き信号の出力レベルを調節する出力調節部のうちで少なくとも一つをさらに含むことができる。
【0015】
前記出力調節部は、前記第2バイパスラインを通じて伝送される第1下向き信号を検出する第1検出部、前記第2下向き信号増幅部から出力された第2下向き信号を検出する第2検出部、及び前記検出された第1下向き信号を基準で前記第2下向き増幅部の可変減衰器を制御して第2下向き信号の出力レベルを調整する制御部を含むことができる。
【0016】
前記多数個の第1入出力端子は、多数本のドナーアンテナをそれぞれ連結するためのものであるか、基地局または中継器と連結される多数個のケーブルをそれぞれ連結するためのものであることができるし、前記多数個の第2入出力端子は多数本のサービスアンテナをそれぞれ連結するためのものであることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、LTE通信システムのような多重接続方式の無線通信システムなどで適用しているMIMO方式の信号を歪曲なしに効果的に中継することができる。
【0018】
また、基地局または中継器から複数のアンテナらまでMIMO信号を一定距離拡張するか、または伝達する時MIMOアンテナの数に対応する多数個の伝送ケーブルを一つの伝送ケーブルに共用化することができるようにして中継装置の施設費用を著しく減らすことができる。
【0019】
また、中継装置内で上向き信号の中継経路を一つで形成して逆方向信号がMIMO方式の信号ではない場合にも効率的に信号を中継しながら中継装置の製造費用を著しく減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は多重接続方式の無線通信システムでMIMO信号の送受信体系を説明するための図面である。
図2図2は一般的な無線中継器を説明するための図面である。
図3図3は本発明の一実施例によるMIMO中継装置の構成図である。
図4図4図3の第1下向き信号増幅部の詳細構成図である。
図5図5図3の第1上向き信号増幅部の詳細構成図である。
図6図6図3の第2下向き信号増幅部の詳細構成図である。
図7図7図3の第3下向き信号増幅部の詳細構成図である。
図8図8は本発明の他の実施例によるMIMO中継装置の構成図である。
図9図9図8の第1下向き信号増幅部の詳細構成図である。
図10図10図8の第2下向き信号増幅部の詳細構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例に対して具体的に説明する。
【0022】
無線信号伝達の区間で一つあるいはその以上の反射波による現象は通信システムの受信性能を低下させる主な要因でもあるが、このような多重反射波現象をよく利用すれば周波数効率を上げることができるが、この技術方式がMIMOシステムである。MIMOはその名称で分かるように送信側と受信側にすべて複数本のアンテナを使って伝送速度、容量増大、カバレッジ増大などの性能向上を図る方法である。
【0023】
簡単に送信側にアンテナが2本、受信側にアンテナが2本ある2×2システムを例えば、図1に示されたように送信アンテナ1番と受信アンテナ1番の間のチャンネルの特性をh11、送信アンテナ2番と受信アンテナ1番との間のチャンネルの特性をh12、送信アンテナ1番と受信アンテナ2番との間のチャンネルの特性をh21、送信アンテナ2番と受信アンテナ2番との間のチャンネルの特性をh22と言って、この場合のチャンネル特性らは一箇所に集めると下記数学式1のようなチャンネル行列が作われる。
【0024】
【数1】
【0025】
この時、x1とx2はそれぞれ送信アンテナ1と2で送信される送信信号になって、n1 とn2はそれぞれ受信アンテナ1と2に存在する雑音であり、y1とy2は受信信号になる。
【0026】
上の基礎的な数式を土台で次の数学式2、3のような二つの例を見られる。
【0027】
【数2】
【0028】
【数3】
【0029】
数学式2の行列の例は分析すれば、6=1x+2xと12=2x+4xで二つの式は情報量がひとつである結局、同じ式であることを分かる。反面に、数学式3の行列は二つの式が異なる式であるので結局行列、あるいは連立方程式を解けばお互いに異なる送信信号xとxの値を求め出すことができる。線型代数学では 数学式2の2×2行列はランク(rank)が1であると言って、数学式3の行列はランク(rank)が2であると言う。
【0030】
下の数学式4で、2本の送信アンテナと2本の受信アンテナで構成されて2×2のチャンネル行列を有してランク2の条件を維持するシステムでチャンネル行列の逆行列を適用してそれぞれのアンテナで受信される信号で送信信号が抽出される基本的な形態を見せる。
【0031】
【数4】
【0032】
このようなMIMO方式をMIMO SM(Spatial Multiplexing:空間多重方式)方式と言って、同時に送ることができるお互いに異なるデータストリームの個数は送信アンテナ本数(M)と受信アンテナ本数(N)のうちでさらに小さなものによって制限され、一般的なMIMOの形態は送受信アンテナの本数が同一な構造を有する。
【0033】
図2は、一般な中継器を説明するための図面であり、同図面に示されたように、一般な無線中継器210は2本の送受信アンテナを具備した基地局220で2本の送受信アンテナを具備した使用者端末機230側にMIMO通信信号を送信する下向きMIMO信号に対して基地局220から伝送された信号を受信する一つの受信アンテナ210aとサービス区域、すなわち、使用者端末機230側を向ける一つの再送信アンテナ210bを接続して、受信された信号を下向き信号増幅部213で増幅して再送信する形態で構成されている。
【0034】
この場合は、基地局と中継器との間のリンクで相互接続されるアンテナの数がそれぞれ2本と1本になって(すなわち、2×1)、中継器と端末機との間のリンクで相互接続されるアンテナの数がそれぞれ1本と2本になるので(すなわち1×2)、MIMO信号の伝送及び復元が不可能になる。これは使用者端末機230から基地局220側に信号を送信する上向き信号がMIMO方式である場合に対しても同じ現象が発生する。
【0035】
図2で参照符号211〜212は、上向き信号と下向き信号を分離するためのデュプレックサーを示して、参照符号214は上向き信号増幅部を示す。
【0036】
前述したようにMIMOの基本的な原理は、空間上の反射波信号を利用して基地局、あるいは中継器から二つ以上の異なる経路(アンテナ包含)を通じてお互いに異なるデータを端末に送って、同じ時間以内に同じ周波数で伝送効率を増加させるものである。このような二つ以上のMIMO信号を基地局や中継器から二つ以上のサービスアンテナまで伝達して、サービスアンテナらと端末機との間にMIMOの効果を有することができるようにするために二つ以上のお互いにまじない経路を作ってくれなければならないが、このために二つ以上のケーブルを施設する場合に費用が大きく増加される。
【0037】
本発明の実施例によれば、数学式1のようにサービス用アンテナらと端末機との間の伝送チャンネル行列を2×2で作りながらMIMO方式の基地局、あるいは中継器の信号を一つのケーブルを使ってサービス用アンテナまで送ることができるようにするし、その一つのケーブル内に二つ以上の経路を作るために中継器内に二つ以上のトランシーバ(または下向き/上向き信号増幅部と称する)を具備し、その二つ以上のトランシーバのうちで少なくとも一つのトランシーバの周波数ダウン(down)部分と周波数アップ(up)部分をお互いに分離し、それぞれ基地局や中継器に有線あるいは無線で接続されるドナーとサービスアンテナ側に具現することで、一つのケーブル内に二つ以上の独立的な他の経路を有するようにすることができる。また、本発明の実施例によればMIMO経路内の逆方向経路は存在しないように具現することでさらに中継器自体の製造費用も節減することができる。
【0038】
結局、本発明の実施例によればMIMO方式の通信をするための基地局や中継器に有線、あるいは無線で接続されるドナーでサービスアンテナの間は完全に分離した二つの独立的なチャンネルを有することで、完璧な空間MIMO信号を中継することができるが、これに対する具体的な実施例の説明は次のようである。
【0039】
図3は、本発明の一実施例によるMIMO中継装置の構成図であり、同図面に示されたように、単一の同軸ケーブル500を媒介でお互いに連結された第1中継装置300及び第2中継装置400を含むことができるし、第1中継装置300は第1入出力端子310、第1ケーブル端子320、第1信号分離部330、第2信号分離部340、第1下向き信号増幅部350、第1上向き信号増幅部360、第2下向き信号増幅部370、及び上向き信号分配部380を含むことができるし、第2中継装置400は第2入出力端子410、第2ケーブル端子420、第3信号分離部440、バイパスライン460、第3下向き信号増幅部470、及び出力調節部490を含むことができる。
【0040】
図3に対する説明で下向き信号または上向き信号は、MIMO方式を含む信号であることがあるが、本実施例では下向き信号はMIMO方式の信号であり、上向き信号はMIMO方式ではない他の方式の信号の場合を例えて説明する。
【0041】
先ず、図3の実施例による第1中継装置300の構成に対して説明する。
【0042】
第1入出力端子310は、基地局または中継器との独立的なMIMO経路の数(例えば、対向する基地局または中継器のアンテナ数)に対応するように第1中継装置300の一側に設置された多数個の端子として、例えば、基地局または中継器のアンテナ数が2本である場合に第1入出力端子310は、2個の入出力端子311、312を含むことができるし、各入出力端子311、312には一例でドナーアンテナ(図示せず)が連結されるか、または他の例で基地局または中継器の出力と連結されるケーブル(図示せず)が連結されることができる。
【0043】
本実施例による第1ケーブル端子320は、単一の同軸ケーブル500の一端が連結されるように第1中継装置300の一側に設置された単一の端子を示す。
【0044】
第1信号分離部330は周波数別に上向き信号と下向き信号をお互いに分離するためのものであり、例えば、前述した2個の入出力端子311、312それぞれに連結された2個の信号分離部331、332を含むことができるし、各信号分離部331、332はデュプレックサーで構成することができるし、信号分離部332は場合によって、例えば、上向き信号分配部380を具備しない場合下向き帯域用フィルターで構成することができる。
【0045】
第2信号分離部340は第1ケーブル端子320に連結され、第1ケーブル端子320を通じて入出力される上向き信号と下向き信号を周波数別にお互いに分離するためのものである。
【0046】
第1下向き信号増幅部350は、前述した第1信号分離部331、332のうちで一つ331と第2信号分離部340との間に連結されて第1順方向増幅経路を形成するためのものであり、例えば、図4に示されたように増幅器(a)、局部発振器(b)とミキサ(c)を含む順方向ダウンコンバータ(b、c)、増幅器(d)、フィルター(e)、増幅器(f、g)、局部発振器(h)とミキサ(i)を含む順方向アップコンバータ(h、i)、増幅器(j)、フィルター(k)、増幅器(l)、可変減衰器(m)、及び増幅器(n)が順次に直列連結された伝統的なスーパーヘテロダイン方式の増幅器で構成することができる。
【0047】
第1上向き信号増幅部360は、前述した第1信号分離部331、332のうちで一つ331と第2信号分離部340との間に連結されて第1逆方向増幅経路を形成するためのものであり、例えば、図5に示されたように増幅器(a)、局部発振器(b)とミキサ(c)を含む逆方向ダウンコンバータ(b、c)、増幅器(d)、フィルター(e)、増幅器(f、g)、局部発振器(h)とミキサ(i)を含む逆方向アップコンバータ(h、i)、増幅器(j)、フィルター(k)、増幅器(l)、可変減衰器(m)、及び増幅器(n)が順次に直列連結された伝統的なスーパーヘテロダイン方式の増幅器で構成することができる。
【0048】
説明の便宜のために前述したような図4、5のスーパーヘテロダイン方式の増幅器でa〜fの構成を第1部分でg〜nの構成を第2部分で区分するようにする。
【0049】
第2下向き信号増幅部370は、前述した第1信号分離部331、332のうちで他の一つ332と第2信号分離部340との間に連結されて第2順方向増幅経路を形成するためのものであり、例えば、図6に示されたように増幅器(a)、局部発振器(b)とミキサ(c)を含む順方向ダウンコンバータ(b、c)、増幅器(d)、フィルター(e)、増幅器(f)が順次に直列連結された伝統的なスーパーヘテロダイン方式の増幅器の第1部分(図4のa〜f参照)で構成することができる。
【0050】
上向き信号分配部380は前述した第1上向き信号増幅部360から出力された上向き信号を複数の信号で分配して前述した複数の第1信号分離部331、332でそれぞれ入力するためのものであり、図3の実施例で選択的に構成することができる。
【0051】
次に、図3の実施例による第2中継装置400の構成に対して説明する。
【0052】
第2入出力端子410は使用者端末との独立的なMIMO経路の数(例えば、対向する使用者端末のアンテナ数)に対応するように第2中継装置400の一側に設置された多数個の端子として、例えば、使用者端末のアンテナ数が2本である場合に第2入出力端子410は2個の入出力端子411、412を含むことができるし、各入出力端子411、412には一例でサービスアンテナ(図示せず)が連結されることができる。
【0053】
本実施例による第2ケーブル端子420は、単一の同軸ケーブル500の一端が連結されるように第2中継装置400の一側に設置された単一の端子を示す。
【0054】
第3信号分離部440は第2ケーブル端子420に連結されて第2ケーブル端子420を通じて入出力される下向き信号と上向き信号を周波数別にお互いに分離するためのものである。
【0055】
バイパスライン460は第3信号分離部440と多数個の第2入出力端子411、412のうちで一つ411の間を連結して上向き信号と下向き信号を信号処理なしにそのままバイパスするためのものである。
【0056】
第3下向き信号増幅部470は、前述した第3信号分離部440と多数個の第2入出力端子411、412のうちで他の一つ412の間に連結されて順方向増幅経路を形成するためのものであり、例えば、図7に示されたように増幅器(g)、局部発振器(h)とミキサ(i)を含む順方向アップコンバータ(h、i)、増幅器(j)、フィルター(k)、増幅器(l)、可変減衰器(m)、及び増幅器(n)が順次に直列連結された伝統的なスーパーヘテロダイン方式の増幅器の第2部分(図4のg〜n参照)で構成することができる。
【0057】
出力調節部490はバイパスライン460を通じて伝送される第1下向き信号を基礎で第3下向き信号増幅部470から出力された第2下向き信号の出力レベルを調節するためのものであり、バイパスライン460を通じて伝送される第1下向き信号を検出する第1検出部491、第3下向き信号増幅部470から出力された第2下向き信号を検出する第2検出部492、及び検出された第1下向き信号を基準で第3下向き信号増幅部470の可変減衰器(m)を制御して第2下向き信号の出力レベルを調整する制御部493を含むことができる。
【0058】
図3の実施例によるMIMO中継装置の動作を順方向経路及び逆方向経路で区分して説明する。
【0059】
先ず、図3のMIMO中継装置の順方向経路に対して説明する。
【0060】
第1中継装置300の2個の入出力端子311、312を通じて入力された基地局または中継器からの2個の高周波下向き信号中の一つ(以下、第1高周波下向き信号と称する)は信号分離部331を通じて下向き信号増幅部350に入力されて、下向き信号増幅部350は入力された第1高周波下向き信号を中間周波数にダウンして(図4のa〜d)、フィルターを使って選択度を高めた後(図4のe〜f)、再び高周波信号にアップして増幅して(図4のg〜n)出力して、前述した2個の高周波下向き信号のうちで他の一つ(以下、第2高周波下向き信号と称する)は信号分離部332を通じて下向き信号増幅部370に入力されて、下向き信号増幅部370は入力された第2高周波下向き信号を中間周波数にダウンして(図6のa〜d)、フィルターを使って選択度を高めた後に増幅して(図6のe〜f)出力する。下向き信号増幅部350から出力された第1高周波下向き信号と下向き信号増幅部370から出力された中間周波下向き信号は信号分離部340を通じて順方向に出力されて、信号分離部340から出力された第1高周波下向き信号と中間周波下向き信号は単一のケーブル端子320を通じて出力されて単一の同軸ケーブル500を通じて一定距離が延長伝送されて第2中継装置400に伝達される。
【0061】
第2中継装置400の単一ケーブル端子420を通じて入力された第1高周波下向き信号と中間周波下向き信号は信号分離部440に入力され、信号分離部440は入力された第1高周波下向き信号と中間周波下向き信号を分離してバイパスライン460と下向き信号増幅部470にそれぞれ出力する。下向き信号増幅部470は入力された中間周波下向き信号を周波数アップして第2高周波下向き信号に復元した後出力する(図7のg〜n参照)。
【0062】
バイパスライン460を通じた第1高周波下向き信号と下向き信号増幅部470から出力された第2高周波下向き信号は第2中継装置400の2個の入出力端子411、412に連結された2本のサービスアンテナ(図示せず)を通じてそれぞれ外部に放射出力されるが、この時、出力調節部490はバイパスライン460を通じて伝送される第1高周波下向き信号に合わせて下向き増幅部470から出力された第2高周波下向き信号の出力レベルを調節する。
【0063】
次に図3のMIMO中継装置の逆方向経路に対して説明する。
【0064】
第2中継装置400の2個の入出力端子411、412のうちで一つ411を通じて入力された使用者端末(図示せず)からの逆方向の高周波上向き信号は、バイパスライン460を通じて信号分離部440に入力されて逆方向に出力され、信号分離部440から出力された高周波上向き信号は単一のケーブル端子420を通じて出力され、単一の同軸ケーブル500を通じて一定距離延長伝送されて第1中継装置300に伝達される。
【0065】
第1中継装置300の単一ケーブル端子320を通じて入力された高周波上向き信号は信号分離部340に入力され、信号分離部340は入力された高周波上向き信号を分離して単一の上向き信号増幅部360に出力する。上向き信号増幅部360は入力された高周波上向き信号を中間周波数にダウンして(図5のa〜d)、フィルターを使って選択度を高めた後(図5のe〜f)、再び高周波信号にアップして増幅して(図5のg〜n)出力する。
【0066】
上向き信号増幅部360から出力された高周波上向き信号は上向き信号分配部380に入力され、上向き信号分配部380は入力された一つの高周波上向き信号を2個の高周波上向き信号に分配して2個の信号分離部331、332に伝達する。2個の信号分離部331、332はそれぞれ入力された2個の高周波上向き信号を2個の入出力端子311、312を通じて逆方向に出力し、第1中継装置300の2個の入出力端子311、312を通じて出力された2個の高周波上向き信号は2本のドナーアンテナまたはケーブルを通じて基地局または中継器側に伝達される。
【0067】
図8は、本発明の他の実施例によるMIMO中継装置の構成図であり、同図面に示されたように、単一の同軸ケーブル500を媒介でお互いに連結された第1中継装置800及び第2中継装置400を含むことができるし、第1中継装置800は第1入出力端子810、第1ケーブル端子820、第1信号分離部830、第2信号分離部840、第1バイパスライン860、及び第1下向き信号増幅部870を含むことができるし、第2中継装置400は第2入出力端子410、第2ケーブル端子420、第3信号分離部440、第2バイパスライン460、第2下向き信号増幅部470、及び出力調節部490を含むことができる。
【0068】
図8に対する説明で下向き信号または上向き信号はMIMO方式を含む信号であることができるし、本実施例で下向き信号はMIMO方式の信号であり、上向き信号はMIMO方式ではない他の方式の信号の場合を例えて説明するようにする。
【0069】
先ず、図8の実施例による第1中継装置800の構成に対して説明する。
【0070】
第1入出力端子810は基地局または中継器との独立的なMIMO経路の数(例えば、基地局または中継器のアンテナ数)に対応するように第1中継装置800の一側に設置された多数個の端子として、例えば、基地局または中継器のアンテナ数が2本である場合に第1入出力端子810は2個の入出力端子811、812を含むことができるし、各入出力端子811、812には一例でドナーアンテナ(図示せず)が連結されるか、または他の例で基地局または中継器の出力と連結されるケーブル(図示せず)が連結されることができる。
【0071】
本実施例による第1ケーブル端子820は、単一の同軸ケーブル500の一端が連結されるように第1中継装置800の一側に設置された単一の端子を示す。
【0072】
第1信号分離部830は周波数別に上向き信号と下向き信号をお互いに分離するためのものであり、例えば、前述した2個の入出力端子811、812のうちで一つ812に連結されており、デュプレックサーまたは下向き帯域用フィルターで構成することができる。
【0073】
第2信号分離部840は第1ケーブル端子820に連結されて第1ケーブル端子820を通じて入出力される上向き信号と下向き信号を周波数別にお互いに分離するためのものである。
【0074】
第1バイパスライン860は前述した2個の入出力端子811、812のうちで一つ811と前述した第2信号分離部840との間を連結して上向き信号と下向き信号を信号処理なしにそのままバイパスするためのものである。
【0075】
第1下向き信号増幅部870は前述した第1信号分離部830と第2信号分離部840との間に連結されて順方向増幅経路を形成するためのものであり、例えば、図9に示されたように増幅器(a)、局部発振器(b)とミキサ(c)を含む順方向ダウンコンバータ(b、c)、増幅器(d)、フィルター(e)、及び増幅器(f)が順次に直列連結された伝統的なスーパーヘテロダイン方式の増幅器の第1部分(図4参照)で構成することができる。
【0076】
上向き信号分配部880は前述した第1バイパスライン860を通じて伝送される上向き信号を分配して前述した第1信号分離部830に入力するためのものであり、図8の実施例で選択的に具備することができる。図8の実施例で上向き信号分配部880を具備しない場合には前述した第1信号分離部830は上向き帯域用フィルターで構成することができる。
【0077】
次に、図8の実施例による第2中継装置400の構成に対して説明する。
【0078】
第2入出力端子410は使用者端末との独立的なMIMO経路の数(例えば、使用者端末のアンテナ数)に対応するように第2中継装置400の一側に設置された多数個の端子であり、例えば、使用者端末のアンテナ数が2本である場合に第2入出力端子410は2個の入出力端子411、412を含むことができるし、各入出力端子411、412には一例でサービスアンテナ(図示せず)が連結されることができる。
【0079】
本実施例による第2ケーブル端子420は、単一の同軸ケーブル500の一端が連結されるように第2中継装置400の一側に設置された単一の端子を示す。
【0080】
第3信号分離部440は第2ケーブル端子420に連結され、第2ケーブル端子420を通じて入出力される下向き信号と上向き信号を周波数別にお互いに分離するためのものである。
【0081】
第2バイパスライン460は第3信号分離部440と多数個の第2入出力端子411、412のうちで一つ411の間を連結して上向き信号と下向き信号を信号処理なしにそのままバイパスするためのものである。
【0082】
第2下向き信号増幅部470は前述した第3信号分離部440と多数個の第2入出力端子411、412のうちで他の一つ412の間に連結され、順方向増幅経路を形成するためのものであり、例えば、図10に示されたように増幅器(g)、局部発振器(h)とミキサ(i)を含む順方向アップコンバータ(h、i)、増幅器(j)、フィルター(k)、増幅器(l)、可変減衰器(m)、及び増幅器(n)が順次に直列連結された伝統的なスーパーヘテロダイン方式の増幅器の第2部分(図4参照)で構成することができる。
【0083】
出力調節部490はバイパスライン460を通じて伝送される第1下向き信号を基礎で第2下向き信号増幅部470から出力された第2下向き信号の出力レベルを調節するためのものであり、バイパスライン460を通じて伝送される第1下向き信号を検出する第1検出部491、第2下向き信号増幅部470から出力された第2下向き信号を検出する第2検出部492、及び検出された第1下向き信号を基準で第2下向き信号増幅部470の可変減衰器(m)を制御して第2下向き信号の出力レベルを調整する制御部493を含むことができる。
【0084】
図8の実施例によるMIMO中継装置の動作を順方向経路及び逆方向経路で区分して説明する。
【0085】
先ず、図8のMIMO中継装置の順方向経路に対して説明する。
【0086】
第1中継装置800の2個の入出力端子811、812を通じて入力された基地局または中継器からの2個の高周波下向き信号中の一つ(以下、第1高周波下向き信号と称する)は、バイパスライン860を通じて信号分離部840に入力され、前述した2個の高周波下向き信号のうちで他の一つ(以下、第2高周波下向き信号と称する)は、信号分離部830を通じて下向き信号増幅部870に入力され、下向き信号増幅部870は入力された第2高周波下向き信号を中間周波数にダウンして(図9のa〜d)、フィルターを使って選択度を高めた後増幅して(図9のe〜f)出力する。バイパスライン860を通じて伝達された第1高周波下向き信号と下向き信号増幅部870から出力された中間周波下向き信号は信号分離部840を通じて順方向に出力され、信号分離部840から出力された第1高周波下向き信号と中間周波下向き信号は単一のケーブル端子820を通じて出力されて単一の同軸ケーブル500を通じて一定距離が延長伝送されて第2中継装置400に伝達される。
【0087】
第2中継装置400の単一ケーブル端子420を通じて入力された第1高周波下向き信号と中間周波下向き信号は信号分離部440に入力されて、信号分離部440は入力された第1高周波下向き信号と中間周波下向き信号を分離してバイパスライン460と下向き信号増幅部470にそれぞれ出力する。下向き信号増幅部470は入力された中間周波下向き信号を周波数アップして第2高周波下向き信号で復元した後に出力する(図10のg〜n参照)。
【0088】
バイパスライン460を通じた第1高周波下向き信号と下向き信号増幅部470から出力された第2高周波下向き信号は、第2中継装置400の2個の入出力端子411、412に連結された2本のサービスアンテナ(図示せず)を通じてそれぞれ外部に放射出力されるが、この時出力調節部490はバイパスライン460を通じて伝送される第1高周波下向き信号に合わせて下向き増幅部470から出力された第2高周波下向き信号の出力レベルを調節する。
【0089】
次に図8のMIMO中継装置の逆方向経路に対して説明する。
【0090】
第2中継装置400の2個の入出力端子411、412のうちで一つ411を通じて入力された使用者端末(図示せず)からの逆方向の高周波上向き信号は、バイパスライン460を通じて信号分離部440に入力されて逆方向に出力され、信号分離部440から出力された高周波上向き信号は単一のケーブル端子420を通じて出力されて単一の同軸ケーブル500を通じて一定距離が延長伝送されて第1中継装置800に伝達される。
【0091】
第1中継装置800の単一ケーブル端子820を通じて入力された高周波上向き信号は信号分離部840に入力され、信号分離部840は入力された高周波上向き信号を分離して単一のバイパスライン860を通じて2個の入出力端子811、812のうちで一つ811に送るが、この時上向き信号分配部880はバイパスライン860を通じて伝送される一つの高周波上向き信号を分配して信号分離部830に伝達する。信号分離部830は入力された高周波上向き信号を2個の入出力端子311、31のうちで他の一つ812を通じて逆方向に出力し、第1中継装置800の2個の入出力端子811、812を通じて出力された2個の高周波上向き信号は2本のドナーアンテナまたはケーブルを通じて基地局または中継器側に伝送される。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上で説明したように本発明によれば、LTE通信システムのような多重接続方式の無線通信システムなどで適用しているMIMO方式の信号を歪曲なしに効果的に中継することができる。
【0093】
また、基地局または中継器から複数のアンテナらまでMIMO信号を一定距離拡張するか、または伝達する時MIMOアンテナの数に対応する多数個の伝送ケーブルを一つの伝送ケーブルに共用化することができるようにして中継装置の施設費用を著しく減らすことができる。
【0094】
また、中継装置内で上向き信号の中継経路を一つで形成して逆方向信号がMIMO方式の信号ではない場合にも効率的に信号を中継しながら中継装置の製造費用を著しく減らすことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10