【実施例1】
【0021】
  本発明の実施例1に係る予告システム1は、取引の申し込み期限の前に、当該期限の到来を予告する。本実施例では、取引の申し込み期限一例としてインターネット・オークションの入札申込期限(以下単に、入札期限という)を挙げて説明する。
【0022】
  予告システム1は、
図1に示すような、端末装置110及び120と、端末装置110及び120と無線通信可能な基地局200と、基地局200とコンピュータ通信網10(以下単に、通信網10という)を介して通信可能に接続された予告装置300と、で構成される。
【0023】
  通信網10は、例えば、インターネットで構成される。通信網10は、LAN(Local Area Network)又は公衆回線網であっても良い。
【0024】
  端末装置110及び120は、例えば、携帯電話で構成される。端末装置110及び120は、ノート型のパーソナル・コンピュータであっても、タブレット型のコンピュータであっても良い。
【0025】
  端末装置110は、例えば、タッチパッドなどの入力部111と、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示部119と、を備える。端末装置120は、端末装置110の有する入力部111及び表示部119と同様の構成を有する入力部121及び表示部129で構成される。端末装置110及び120は、互いに同様の構成を有し、同様の動作を行うため、以下主に、端末装置110について説明を行う。
【0026】
  端末装置110は、インターネット・オークションで入札可能な商品を検索するために用いられる、
図2に示すような検索ページを表示する。端末装置110は、入力部111をユーザに操作されると、当該操作に応じて商品の検索条件を入力し、入力された検索条件を表すデータ(以下、検索条件データという)と、検索リクエストと、を予告装置300へ送信する。
【0027】
  その後、端末装置110は、予告装置300から検索条件を満足する商品の名称、現在価格、及び入札期限を表す情報を取得し、取得した情報を検索ページに表示する。その後、表示部119を確認したユーザは、取引をウォッチする商品(以下、ウォッチ商品という)を決定する。
【0028】
  ここで、取引をウォッチするとは、取引状況の変化についての通知を受けることをいう。この通知は、予告装置300が記憶するウォッチリストと称されるリストに識別情報(以下、ユーザIDという)が登録されているユーザに対して行われる。このため、取引をウォッチするユーザのことを、ウォッチリストに登録されたユーザともいう。
【0029】
  取引状況の変化についての通知は、取引の申込期限の到来についての予告を含むが、これに限定される訳では無く、例えば、入札取引であれば、最高額入札額が変化したことや、最高額で入札しているユーザ(以下、最高額入札者という)が別のユーザに代わったことの通知を含む。
【0030】
  その後、ユーザは、ウォッチする商品を選択する操作等を入力部111に行い、端末装置110は、ウォッチ対象とされる商品を識別する情報(以下、ウォッチ商品IDという)と、ユーザIDと、を、当該操作に応じて入力部111から入力する。次に、端末装置110は、ウォッチ商品IDと、ユーザIDと、当該ユーザIDをウォッチリストに登録することを求めるウォッチリクエストと、を予告装置300へ送信する。
【0031】
  その後、端末装置110は、ウォッチ商品の入札期限が近づくと、
図3に示すような、入札期限の到来を予告するメッセージ(以下、予告メッセージという)を予告装置300から受信し、受信したメッセージを表示部119に表示する。
【0032】
  表示部119に表示された予告メッセージには、申込期限、申込期限が到来する商品名、及び商品の現在価格が記載されている。表示部119を確認したユーザが、表示された情報に基づいて商品の入札を決意すると、商品の入札申込みに用いられるページ(以下、入札申込ページという)を表示させる操作等を入力部111に行う。端末装置110は、当該操作に応じて、入札する商品(以下、入札商品という)を識別する情報(以下、入札商品IDという)を入力部111から入力する。次に、端末装置110は、入札申込ページの送信を求める送信リクエストと、入力された入札商品ID及びユーザIDと、を予告装置300へ送信する。
【0033】
  その後、端末装置110は、予告装置300から、
図4に示すような入札申込ページを取得し、表示部119に表示する。その後、端末装置110は、ユーザの操作に応じて入力部111から入力された入札額を表す情報を予告装置300へ送信することで、入札の申込みを行う。
【0034】
  尚、本実施例では、ユーザは、検索結果を確認した後、ウォッチする商品を選択する操作を入力部111にするとして説明したが、ウォッチする商品を選択せずに入札する商品を選択する操作をしてもよい。この場合であっても、後述するように、ユーザは、ウォッチリストにユーザIDが登録されるので、入札期限の到来について予告を受ける。
【0035】
  図1に戻り予告システムの説明を再開する。基地局200は、例えば、携帯電話の基地局や無線LANの基地局である。基地局200は、端末装置110及び120と予告装置300との通信を中継する。
【0036】
  予告装置300は、
図5に示すようなサーバ機で構成される。予告装置300は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、ハードディスク304、メディアコントローラ305、LAN(Local Area Network)カード306、ビデオカード307、LCD(Liquid Crystal Display)308、キーボード309、スピーカ310、及びタッチパッド311で構成される。
【0037】
  CPU301は、ROM302又はハードディスク304に保存されたプログラムに従ってプログラムを実行することで、予告装置300の全体制御を行う。RAM303は、CPU301によるプログラムの実行時において、処理対象とするデータを一時的に記憶するワークメモリである。
【0038】
  ハードディスク304は、各種のデータを保存したテーブルを記憶する情報記憶部である。尚、予告装置300は、ハードディスク304の代わりに、フラッシュメモリを備えても良い。
【0039】
  メディアコントローラ305は、フラッシュメモリ、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、及びブルーレイディスク(Blu-ray Disc)(登録商標)を含む記録媒体から各種のデータ及びプログラムを読み出す。
【0040】
  LANカード306は、通信網10及び基地局200を介して接続する端末装置110及び120との間でデータを送受信する。キーボード309及びタッチパッド311は、ユーザの操作に応じた信号を入力する。
【0041】
  ビデオカード307は、CPU301から出力されたデジタル信号に基づいて画像を描画(つまり、レンダリング)すると共に、描画された画像を表す画像信号を出力する。LCD308は、ビデオカード307から出力された画像信号に従って画像を表示する。なお、予告装置300は、LCD308の代わりに、PDP(Plasma Display Panel)又はEL(Electroluminescence)ディスプレイを備えても良い。スピーカ310は、CPU301から出力された信号に基づいて音声を出力する。
【0042】
  次に、予告装置300の有する機能について説明する。
  
図5に示したハードディスク304は、CPU301と協働して、
図6に示す情報記憶部390として機能する。
【0043】
  情報記憶部390は、
図7に示すような商品テーブルを記憶している。商品テーブルには、オークションに出品された商品を識別する情報(以下、商品IDという)と、商品名を表す情報と、商品のジャンルを識別する情報と、ジャンル名を表す情報と、が対応付けられたレコードが複数保存されている。
【0044】
  商品のジャンルとは、商品の種別をいい、オークションに出品される商品は、いずれかの種別(つまり、ジャンル)に分類される。ジャンルには、一例として、洋服などの商品が分類される「ファッション」や映画やテレビ番組等の映像や音楽を記録したDVDが分類される「DVD(Digital Versatile Disc)」を挙げることができる。
【0045】
  また、情報記憶部390は、
図8に示すような入札テーブルを記憶している。入札テーブルには、
図7の商品テーブルに保存されている商品IDと、商品IDで識別される商品の入札期限を表す情報、期限の到来を予告する日時(以下、予告日時という)を表す情報、予告が行われたか否かを表す予告フラグ、当該商品の現在価格を表す情報、最高額入札者のユーザID、当該商品のウォッチリスト、及び入札の自動延長の有無を表す情報、が対応付けられたレコードが複数保存される。入札の自動延長については、実施例2で説明する。
【0046】
  さらに、情報記憶部390は、予告日時を定めるパラメタ(以下単に、設定パラメタという)が保存される、
図9に示すようなパラメタテーブルを記憶している。パラメタテーブルには、設定パラメタの更新に用いられる情報として、予告数を表す情報、予告後アクセス数を表す情報、予告後アクセス率を表す情報、応答時間の合計を表す情報、期限後開封数を表す情報、及び期限後開封率を表す情報、が対応付けられたレコードが1つ保存されている。
【0047】
  予告数とは、予告装置300が入札期限の到来を予告した回数をいう。予告後アクセス数は、入札期限の到来を予告された商品の入札申込ページに対するアクセス総数の内で、予告を受けたユーザによる予告後から期限までに行われたアクセスをカウントしたものをいう。予告後アクセス率は、予告数に対する予告後アクセス数の割合をいう。
【0048】
  本実施例では、予告装置300は、入札期限の到来を予告するために、予告メッセージを含んだ電子メール(以下、予告メールという)を送付する。このため、応答時間とは、予告メールの送信時点から、予告メールを確認したユーザが入札期限の到来を予告された商品の入札申込ページに予告後から期限までの間にアクセスした場合におけるアクセス時点までの時間をいう。
【0049】
  応答時間の合計とは、予告メールを送信されたユーザに対する応答時間の合計をいう。期限後開封数とは、予告メールが予告する入札期限よりも後に、予告メールを開封したユーザの数をいい、期限後開封率は、予告数に対する期限後開封数の割合をいう。
【0050】
  さらに、情報記憶部390は、アクセス数等のカウントに用いられるログが保存される、
図10に示すようなログテーブルを記憶している。ログテーブルには、ログの保存日時を表す保存日時情報と、ログの内容を表す内容情報と、ログの内容に関連したユーザID及び商品IDと、が対応付けられたレコードが複数保存される。
【0051】
  引き続き予告装置300が有する機能について説明する。
  
図5のCPU301は、LANカード306が検索リクエストを端末装置110から受信すると、商品を検索する検索処理の実行を開始する。CPU301は、検索処理を実行することで、
図6に示す情報取得部320及び検索部325として機能する。
【0052】
  検索処理が開始されると、情報取得部320は、端末装置110から受信された検索条件データを、
図5のLANカード306から取得する。次に、検索部325は、検索条件データから、検索キーワードと、検索対象とする商品が属するジャンルのジャンルIDと、を抽出する。その後、検索部325は、
図7の商品テーブルから、抽出したジャンルIDと、検索キーワードに一部又は全部が一致する商品名を表す情報と、に対応付けられた商品IDを複数検索する。次に、検索部325は、
図8の入札テーブルから、検索した複数の商品IDにそれぞれ対応付けられた期限を表す情報及び現在価格を表す情報を検索する。
【0053】
  その後、検索部325は、検索した商品ID、商品名を表す情報、期限を表す情報、及び現在価格を表す情報を、端末装置110を宛先としてLANカード306に出力する。LANカード306は、これらの情報を端末装置110に送信し、端末装置110はこれらの情報を、
図2の検索ページに表示する。
【0054】
  端末装置110のユーザは、検索ページを確認し、検索された複数の商品からウォッチする商品を決定する。端末装置110は、ユーザの操作に応じて、ユーザIDと、ウォッチ商品IDと、ウォッチ商品のウォッチリストにユーザを登録するよう求めるウォッチリクエストと、を予告装置300へ送信する。
【0055】
  その後、LANカード306が、ウォッチリクエストを端末装置110から受信すると、CPU301は、
図11に示すような登録処理の実行を開始する。CPU301は、登録処理を実行することで、
図6に示す情報取得部320の他に、登録部330として機能する。
【0056】
  登録処理の実行が開始されると、情報取得部320は、LANカード306からリクエストを取得し、取得したリクエストがウォッチリクエストであると判別した後に(ステップS01;Yes)、LANカード306からユーザID及びウォッチ商品IDを取得する(ステップS02)。次に、登録部330は、
図8の入札テーブルに保存されている、ウォッチ商品IDと同じ商品IDに対応付けられたウォッチリスト(つまり、ウォッチ商品のウォッチリスト)に、取得したユーザIDを追加登録する(ステップS03)。その後、登録部330は、登録処理の実行を終了する。
【0057】
  端末装置110のユーザが、
図2の検索ページを確認し、ウォッチする商品ではなく、入札する商品を決定した場合には、端末装置110は、ユーザの操作に応じて、入札商品IDと、ユーザIDと、入札申込ページの送信リクエストと、を予告装置300へ送信する。その後、LANカード306が送信リクエストを受信すると、CPU301は、既に一部説明した、
図11の登録処理を開始する。
【0058】
  登録処理の実行が開始されると、情報取得部320は、LANカード306からリクエストを取得し、取得したリクエストがウォッチリクエストでないと判別した後に(ステップS01;No)、取得したリクエストが送信リクエストであると判別する(ステップS04;Yes)。尚、情報取得部320は、取得したリクエストが送信リクエストでないと判別すると(ステップS04;No)、登録処理の実行を終了する。
【0059】
  その後、情報取得部320がLANカード306から入札商品IDとユーザIDとを取得した後に(ステップS05)、登録部330は、取得された入札商品IDで識別される商品の入札申込ページを、端末装置110を宛先としてLANカード306へ出力する(ステップS06)。
【0060】
  その後、登録部330は、ユーザIDと、入札商品IDと、当該ユーザIDで識別されるユーザが、入札商品IDで識別される商品の入札申込ページにアクセスしたという内容を表す内容情報と、ログの保存日時情報と、を対応付けて、
図10のログテーブルに保存する。尚、登録部330は、ログの保存日時情報として、入札申込ページへのアクセス日時を表す情報を保存してもいい。
【0061】
  その後、LANカード306は、入札申込ページを端末装置110に送信し、端末装置110は入札申込ページを表示する。端末装置110のユーザは、入札申込ページを確認し、入札額を決定する。端末装置110は、ユーザの操作に応じて、入札額を表す情報を予告装置300へ送信する。
【0062】
  その後、情報取得部320が、LANカード306から入札額を表す情報を取得する(ステップS07)。次に、登録部330は、
図8の入札テーブルに保存されている、入札商品IDと同じ商品IDに対応付けられた最高額入札者のユーザIDと現在価格を表す情報とを、取得したユーザIDと入札額を表す情報とで更新する(ステップS08)。
【0063】
  その後、登録部330は、ユーザIDと、入札商品IDと、当該ユーザIDで識別されるユーザが、入札商品IDで識別される商品の入札をしたという内容を表す内容情報と、ログの保存日時情報と、を対応付けて、
図10のログテーブルに保存する。尚、登録部330は、ログの保存日時情報として、入札日時を表す情報を保存してもいい。
【0064】
  次に、登録部330は、入札商品IDと同じ商品IDに対応付けられたウォッチリスト(つまり、入札商品のウォッチリスト)に、取得したユーザIDが含まれていない場合に、当該ユーザIDを当該ウォッチリストに追加登録する(ステップS09)。その後、登録部330は、登録処理の実行を終了する。
【0065】
  図5のCPU301は、電源を投入されると、
図12に示す予告処理の実行を開始する。予告処理は、ウォッチリストに登録されたユーザに入札期限の到来を予告する処理である。この処理の実行により、CPU301は、
図6に示す算出部340、更新部350、期限取得部360、及び通知部370として機能する。
【0066】
  予告処理の実行が開始されると、
図8の入札テーブルに商品IDが保存された商品について、予告日時を設定する予告日時設定処理が実行される(ステップS11)。
【0067】
  予告日時設定処理が開始されると、算出部340は、
図9のパラメタテーブルに保存された設定パラメタを取得する。次に、期限取得部360は、
図8の入札テーブルに保存された複数のレコードのそれぞれから入札期限を表す情報を取得する。その後、算出部340は、取得した複数の情報でそれぞれ表される入札期限よりも設定パラメタで表される時間だけ早い日時を予告日時として算出する。本実施例では、設定パラメタは、当初30分を表す値に設定されているとして説明するが、これに限定される訳ではない。
【0068】
  その後、更新部350は、算出された複数の予告日時のそれぞれについて、算出に用いた入札期限を表す情報と入札テーブルでそれぞれ対応付けられた予告日時を表す情報を、算出された予告日時を表す情報で更新する。
【0069】
  次に、更新部350は、予告日時を仮変更する日時(以下、仮変更日時という)を、所定時間後の日時に設定する。予告タイミングを適切な時期に調整するためである。また、更新部350は、予告タイミングの変更により、予告メールに対してユーザがどの程度反応したかを表す反応度合い(以下、反応度という)が改善したか否かを検証する日時(以下、検証日時という)を、仮変更日時よりも所定時間後の日時に設定する。その後、更新部350は、予告日時設定処理の実行を終了する。
【0070】
  ステップS11の次に、通知部370は、現在日時を、例えば、OS(Operating System)から取得した後に、入札期限の到来を予告する必要がある商品(以下、予告必要商品という)が存在するか否かを判別する(ステップS12)。
【0071】
  ここで、期限を予告する商品は、予告日時が到来しているが、未だ期限の予告が行われていない商品である。このため、通知部370は、
図8の入札テーブルから、予告が行われていないことを表す予告フラグと、現在日時よりも前の予告日時を表す情報と、が保存されたレコードを1つ検索する。次に、通知部370は、検索したレコードに保存された商品IDで識別される商品を予告必要商品と判別する。
【0072】
  通知部370は、予告必要商品が存在すると判別すると(ステップS12;Yes)、予告メッセージを出力する予告メッセージ出力処理を実行する(ステップS13)。
【0073】
  通知部370は、予告メッセージ出力処理を開始すると、入札テーブルから、予告必要商品の商品IDに対応づけられた入札期限を表す情報、現在価格を表す情報、及び最高額入札者を表す情報等を取得し、取得した情報を含んだ予告メッセージを作成する。
【0074】
  その後、通知部370は、入札テーブルから、予告必要商品の商品IDに対応づけられたウォッチリストを取得する。本実施例では、ユーザIDは、ユーザのメールアドレスであるとして説明を行う。このため、通知部370は、取得したウォッチリストに登録されている複数のユーザIDを宛先とし、予告メッセージを含んだ予告メールを作成した後に、
図5のLANカード306に予告メールを出力する。
【0075】
  その後、LANカード306が予告メールを送信し終えると、通知部370は、ウォッチリストに登録された複数のユーザに対して、予告必要商品の入札期限が記載された予告メールを送信したという内容の内容情報を作成する。次に、通知部370は、当該複数のユーザのユーザIDと、予告必要商品の商品IDと、作成した内容情報と、ログの保存日時情報と、を対応付けて、
図10のログテーブルに保存する。その後、通知部370は、予告メッセージ出力処理の実行を終了する。尚、登録部330は、ログの保存日時情報として、予告メールの送信日時を表す情報を保存しても良い。
【0076】
  尚、予告メールには、端末装置110で開封されると、開封されたことを通知する電子メール(以下、開封確認メールという)が送信元へ返信される設定がされている。この開封確認メールには、期限を予告した商品の商品ID及び予告を受けたユーザのユーザIDが記載されている。このため、LANカード306が開封確認メールを受信すると、情報取得部320がLANカード306から開封確認メールを取得し、登録部330が開封確認メールに記載された商品ID及びユーザIDと、予告メールが開封されたという内容の内容情報と、ログの保存日時情報と、を対応付けてログテーブルに保存する。尚、登録部330は、ログの保存日時情報として、予告メールの開封日時や開封確認メールの受信日時を表す情報を保存しても良い。
【0077】
  予告必要商品が存在しないと判別された場合(ステップS12;No)、又は、ステップS13が実行された後に、算出部340は、現在日時を取得する。次に、算出部340は、現在日時が設定パラメタの仮変更日時よりも後の日時であるか否かに基づいて、仮変更日時が到来したか否かを判別する(ステップS14)。
【0078】
  このとき、仮変更日時が到来したと算出部340が判別すると(ステップS14;Yes)、更新部350は、設定パラメタの値を仮変更した値を決定する仮変更パラメタ値決定処理を実行する(ステップS15)。このとき、更新部350は、現在の設定パラメタの値を所定値だけ増加させるか、所定値だけ減少させるか、をランダムに決定する。
【0079】
  次に、設定パラメタの値を仮変更した値を用いた予告日時設定処理が実行される(ステップS16)。ステップS16で実行される予告日時設定処理は、ステップS11で実行された予告日時設定処理と同様の処理である。ステップS16で予告日時設定処理を開始すると、期限取得部360は、
図8の入札テーブルに保存された複数のレコードのそれぞれから入札期限を表す情報を取得した後、取得した複数の情報でそれぞれ表される入札期限よりも仮変更した設定パラメタ値で表される時間だけ早い日時を予告日時として算出する。
【0080】
  次に、更新部350は、算出された複数の予告日時のそれぞれについて、算出に用いた入札期限を表す情報とそれぞれ対応付けられた予告日時を表す情報を、算出された予告日時を表す情報で更新した後に、予告日時設定処理の実行を終了する。その後、ステップS12から上記処理が繰り返される。
【0081】
  ステップS14において、算出部340は、仮変更日時が到来していないと判別すると(ステップS14;No)、現在時刻が検証日時よりも後であるか否かに基づいて、検証日時が到来したか否かを判別する(ステップS17)。このとき、算出部340は、検証日時が到来したと判別すると(ステップS17;Yes)、入札期限の予告に対するユーザのアクションを記録したログデータを集計するアクション集計処理を実行する(ステップS18)。
【0082】
  アクション集計処理を開始すると、算出部340は、予告数、予告後アクセス数、予告後アクセス率、応答時間の合計値、期限後開封数、及び期限後開封率を算出する。
【0083】
  先ず、予告数の算出方法の一例を説明する。算出部340は、
図10のログテーブルにおいて、予告メールを送信したという内容を表す内容情報(以下、送信内容情報という)に対応付けられたユーザIDの数をカウントする。これにより、算出部340は、予告メールの送信数を算出し、算出した送信数を予告数とする。
【0084】
  次に、予告後アクセス数及び予告後アクセス率、並びに応答時間及び応答時間の合計値の算出方法の一例を説明する。算出部340は、
図10のログテーブルから、送信内容情報と、送信内容情報に対応付けられた保存日時情報と商品IDと複数のユーザIDとの組合せを複数取得する。これにより、算出部340は、予告メールの送信日時と、入札期限が予告された商品と、予告を受けた複数のユーザと、の複数の組合せを特定する。
【0085】
  次に、算出部340は、特定した複数の組合せの内から1つに注目し、注目した組合せを注目組合せとする。また、算出部340は、この注目組合せを構成する送信日時と商品と複数のユーザとを、注目送信日時、注目商品、及び複数の注目ユーザとする。
【0086】
  その後、算出部340は、注目商品の商品IDと対応付けられた入札期限を表す情報を、
図8の入札テーブルから取得する。次に、算出部340は、注目送信日時から注目商品の入札期限までの日時を表す保存日時情報と、注目商品の商品IDと、複数の注目ユーザのユーザIDのいずれかと、に対応付けられた内容情報の内で、入札申込ページにアクセスしたという内容の内容情報を複数取得する。注目送信日時から注目商品の入札期限までに、注目商品を予告されたユーザが、注目商品の入札申込ページにアクセスしたという内容の内容情報を取得するためである。
【0087】
  その後、算出部340は、取得した内容情報の数をカウントする。注目商品について予告を受けた複数の注目ユーザのいずれかが、予告メールの送信後入札期限までに注目商品の入札申込ページへアクセスした回数を算出するためである。
【0088】
  また、算出部340は、取得した複数の内容情報にそれぞれ対応付けられた情報で表される保存日時(つまり、アクセス日時)と、注目送信日時と、の差異でそれぞれ表される時間を応答時間とする。注目商品についての予告から、当該予告に反応した複数の注目ユーザのいずれかが入札期限前に入札申込ページへアクセスするまでに要した時間を算出するためである。
【0089】
  その後、算出部340は、未注目の組合せが無くなるまで上記処理を繰り返した後、それぞれの組合せ毎にカウントした内容情報数を合算して、予告後アクセス数を算出する。その後、算出部340は、予告後アクセス数を予告数で除算することで、予告後アクセス率を算出する。また、算出部340は、それぞれの組合せ毎に算出した複数の応答時間を合算して、応答時間の合計値を算出する。
【0090】
  次に、期限後開封数及び期限後開封率の算出方法の一例を説明する。算出部340は、予告後アクセス数の算出と同様に、入札期限が予告された商品と予告を受けた複数のユーザとの組合せを複数特定する。次に、算出部340は、特定した複数の組合せの内から1つに注目し、注目した組合せを構成する商品と複数のユーザとを、注目商品及び複数の注目ユーザとする。
【0091】
  その後、算出部340は、注目商品の商品IDと対応付けられた入札期限を表す情報を
図8の入札テーブルから取得した後に、入札期限よりも後の日時を表す保存日時情報と、注目商品の商品IDと、複数の注目ユーザそれぞれのユーザIDのいずれかと、に対応付けられた内容情報の内で、予告メールが開封されたという内容の内容情報を複数取得した後に、取得した内容情報の数をカウントする。その後、算出部340は、未注目の組合せが無くなるまで上記処理を繰り返した後、それぞれの組合せ毎にカウントした内容情報数を合算した値を期限後開封数とする。その後、算出部340は、期限後開封数を予告数で除算することで、期限後開封率を算出する。
【0092】
  算出部340が、予告数、予告後アクセス率、応答時間の合計値、及び期限後開封率の算出を終了すると、更新部350は、これらの値を表す情報で、
図9のパラメタテーブルに保存された情報をそれぞれ更新する。その後、更新部350は、アクション集計処理の実行を終了する。
【0093】
  図12のステップS18が実行された後、更新部350は、ユーザが予告メールに対してどの程度反応したかを表す反応度の最新値を保存する保存パラメタに、最新の反応度を保存する。尚、反応度を一度も算出していない場合には、更新部350は、反応度の最低値を保存パラメタに保存する。
【0094】
  次に、算出部340は、ステップS18のアクション集計処理で算出した予告後アクセス率、応答時間の合計値、及び期限後開封率に基づいて反応度を算出する反応度算出処理を実行する(ステップS19)。
【0095】
  算出部340は、予告後アクセス率と正の相関を有し、応答期間の合計値と負の相関を有し、期限後開封率と負の相関を有する反応度を算出する。算出部340は、ユーザによる予告メールに対する反応が高い程、反応度を高く算出する。算出部340が反応度を算出するために用いる適切な算出式は、当業者が設計により定めることができる。
【0096】
  その後、更新部350は、ステップS19で算出された最新の反応度が、保存パラメタに保存された前回の反応度よりも大きいか否かに基づいて、反応度が向上したか否かを判別する(ステップS20)。このとき、更新部350は、反応度が向上したと判別すると(ステップS20;Yes)、
図9のパラメタテーブルに保存された設定パラメタの値を、仮変更した値で更新する(ステップS21)。
【0097】
  反応度が向上しなかったと判別された場合(ステップS20;No)、又はステップS21の後に、ステップS11から上記処理が繰り返される。
【0098】
  これらの構成によれば、予告装置300は、期限を予告されたユーザが当該期限までに行ったアクションに基づいて算出される反応度が向上するように、予告日時から申込期限までの間隔を更新する。このため、従来よりもユーザの反応度が高くなるような適切な時期に予告が行われる。予告が適切な時期に行われるので、予告から期限までの猶予時間が長すぎるためにユーザが入札の申し込みを忘れたり、猶予時間が短すぎるために入札が期限に間に合わなかったりすることを従来よりも確実に防止できる。
【0099】
  これらの構成によれば、予告装置300は、予告日時から申込期限までの間隔を一時的に変化させることにより反応度が向上すれば、当該間隔を一時的に変化させた値で更新する。このため、予告日時から期限までの間隔が短すぎるために適切な時期に予告が行われていないのか、当該間隔が長過ぎるために適切な時期に予告が行われていないのかが不明な場合であっても、より適切な時期に期限の到来を予告できるようになる。
【0100】
  これらの構成によれば、予告装置300は、期限後開封率と負の相関を有する反応度を向上させるように、予告日時から申込期限までの間隔を更新する。このため、期限到来前に予告メールを開封するユーザが従来よりも増えるので、入札申込ページに対するユーザのアクセス数が従来よりも向上する。
【0101】
  これらの構成によれば、予告装置300は、応答期間と負の相関を有する反応度を向上させるように、予告日時から期限までの間隔を更新する。このため、応答期間が従来よりも減少するので、予告を受けてから入札申込ページへユーザがアクセスし忘れることを従来よりも確実に防止できる。
【0102】
  これらの構成によれば、予告装置300は、予告後アクセス率と正の相関を有した反応度を向上させるように、予告日時から期限までの間隔を更新する。このため、期限前における入札申込ページへのアクセス数が従来よりも増加するので、より活発な取引が行われるようになる。