【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、カプセル内に収容されるコーヒーと、水注入装置によってカプセル内に加圧下で注入される熱水とから、コーヒー抽出物を生成するためのカプセルであって、該カプセルは、
周縁と、側壁と、入口壁とを備え、入口壁が平坦部または凸部を備える、円錐台状の本体と、
本体の周縁に対してシールされる下側供給壁と、
カプセル内の所定用量のコーヒーと、
を備え、
平坦部または凸部が起伏状または凹状の構造部を有し、
起伏状または凹状の構造部は、注入装置に属するブレードの構造部を通じた貫通を容易にするように配置されるとともに、注入装置のブレードがそれに沿って延びる円形経路の半径R2に等しい所定の半径R1の略円形経路上で延びる、カプセルに関する。
【0009】
第1の形態において、構造部は、半径R1の連続する凹状の円形部または環状部を形成する。
【0010】
第2の形態において、構造部は、半径R1の複数の弓形の凹部を形成する。
【0011】
第3の形態において、構造部は、半径R1の連続する円形の、または環状のエンボスを形成する。エンボス構造の利点は、本質的に、構造部の周囲で局部的な剛性を高めて、穿孔を容易にすることである。
【0012】
第4の形態において、構造部は、半径R1の円形経路に沿って延びる複数の不連続なエンボス部を形成する。
【0013】
一般に、構造部は、前記構造部の外側の入口壁の厚さに比べて局部的に減少された入口壁の厚さを形成することが好ましい。結果として、カプセルの本体の他の部分と比べて構造部の穿孔抵抗が減少し、そのため、ブレードによる穿孔が容易となるが、より良好な幾何学的に且つ寸法的に規定された穿孔もなされる。
【0014】
第5の形態において、構造部は、複数の注入穴を備える半径R1の環状凹部と、注入穴をシール状態で覆うために内壁に対してシールされる気密膜とを備える。
【0015】
先の全ての形態において、本体は、少なくとも入口壁および側壁、好ましくは周縁も形成する自立的な一体成形のカップ形状物で形成されるのが好ましい。
【0016】
第6の形態において、構造部は、硬質骨格部に対して支持される多孔質膜または1つ以上のフィルタによって形成される。骨格部は、ブレードの貫通を容易にする構造部を形成する多孔質部分を分離する幾つかの脚を形成することができる。
【0017】
第7の形態では、構造部が1つ以上の脆弱ラインを形成する。ラインは、第1の実施形態の場合と同様に円形として分布させることができ、または、横方向に方向付けられて半径R1の円形経路に沿って分布される一連のラインとして分布されるのが好ましい。より好ましくは、ラインは、例えばレーザまたは機械的な刻設によって入口壁の厚さを減少させることにより得らえる。
【0018】
第8の形態において、構造部は、カプセルの側壁と比べて減少された厚さを有する入口壁によって得られる。
【0019】
また、本発明は、カプセル内に収容されるコーヒーと、水注入装置によってカプセル内に加圧下で注入される熱水とから、コーヒー抽出物を生成するためのカプセルであって、該カプセルは、
周縁と、側壁と、入口壁とを備える円錐台状の本体と、
本体の周縁に対してシールされる下側供給壁と、
カプセル内の所定用量のコーヒーと、
を備え、
入口壁が、注入装置に属するブレードの貫通を容易にするように配置される構造部を有し、構造部が、側壁の厚さと比べて減少された厚さの形態で、注入装置のブレードがそれに沿って延びる円形経路の半径に等しい半径を少なくとも成す、カプセルに関する。
【0020】
一形態において、本体は、前記フランジ状の周縁によって延びる自立的な一体成形物であることが好ましい。
【0021】
厚さの減少は、カプセルの中心軸から側壁の接合部へ、または該接合部へ向かって延びることができる。
【0022】
減少された厚さの入口壁は、ブレードによる穿孔中に壁の剛性を高めるために入口壁上で局部的に延びる(内側および/または外側)補強部材を備えてもよい。補強部材は、複数の狭い隆起として径方向に延びることができ、および/または、入口壁の中心軸の周囲に同軸に延びることができる。補強部材は、例えば狭い径方向に延びる隆起として、本体の入口壁上および側壁上の両方で延びることが好ましい。ブレードの延在のための半径R2の円形ラインに対応する半径R1の所定の円形ラインには補強部材が実質的に無いことが好ましい。「実質的に無い」とは、ここでは、前記半径ラインの周長の少なくとも80%、より好ましくは少なくとも95%が前記補強部材によって覆われていないことを意味する。補強部材を形成する同軸に延びる隆起は、半径(R1)の前記円形ラインの外側で延びることが好ましい。
【0023】
全ての実施形態では、円錐台状の本体を高分子材料から形成することができる。
【0024】
円錐台状の本体は、ポリプロピレンまたはポリエチレンを備えることが好ましい。
【0025】
別の手段では、円錐台状の本体が生体分解性材料を備えることもできる。例えば、円錐台状の本体は、セルロース、でん粉系材料、または、ポリ乳酸(PLA)を備える。
【0026】
別の手段において、減少された厚さの構造部は、前記構造部の外側の本体の材料とは異なる材料から形成される。より具体的には、構造部は、埋め込まれ、またはシールされ、またはさもなければ本体の側壁と接続されるプラスチックまたはアルミニウム箔から形成することができる。
【0027】
供給壁は、例えば欧州特許第0512470号に詳しく記載されるような穿孔要素を備えるカプセルホルダに抗してカプセル内で増大する圧力の作用下で穿孔する膜であってもよい。供給壁は、薄いアルミニウム、薄い高分子、または、これらの組み合わせであることが好ましい。好ましい例において、供給壁は、約20〜100ミクロンのアルミニウム箔である。
【0028】
また、供給壁は、プラスチックフィルタ膜、濾紙、または、他の生体分解性材料から形成されるフィルタなどの透過性の壁であってもよい。
【0029】
供給壁は、熱または超音波溶着など、本体の周縁の底面にシール状態で接続される。
【0030】
周縁はシール手段を備えることができる。シール手段は、周縁から延びる少なくとも1つの一体の突出部またはリップ、もしくは、ゴム、軟質プラスチック、発泡体、または、繊維などの付加的なシール要素を形成する。
【0031】
シール手段は、装置の圧縮力下で圧縮されるときに軟化する、および/または、カプセル内に注入される液体の温度によって軟化する材料の厚さによって形成され得る。
【0032】
シール手段は、カプセルの本体と一体を成すことができ、すなわち、同じ材料から形成することができる。例えば、シール手段は、でん粉を備える生体分解性材料、および、随意的には、少なくとも1つの生体分解性樹脂、繊維、たんぱく質、脂質、および、これらの組み合わせの中から選択される構成要素であってもよい。
【0033】
カプセルの重要な寸法および形状に関して、構造部の半径R1は、好ましくは4〜12mm、最も好ましくは6〜9mmの範囲である。入口壁は22〜25mmの範囲の直径を有することが好ましい。カプセルの供給壁は30〜40mmの範囲の直径を有することが好ましい。カプセルの本体は、27〜30mmの範囲の高さを有することが好ましい。カプセルの周縁は、3〜5mmの範囲の幅を有することが好ましい。
【0034】
カプセルの穿孔を改善するため、入口壁は、本体のフランジ状の周縁が通る平面に対して5〜40度の角度を成す凸部を有する。
【0035】
また、本発明は、前記入口壁を通じてカプセル内に水を注入するための一連のブレードを備える飲料製造装置の水注入装置に関連付けられる本発明のカプセルを備えるカプセルシステムに関し、ブレードは、起伏状または凹状の構造部がそれに沿って延びる半径R1にほぼ等しい半径R2の円形経路に沿って配置される。水注入装置は、原料層、例えば挽いたコーヒーを通じたカプセル内への水の均一な分配を確保するために、半径R2の前記円形経路に沿って均一に分布される3つのブレードを備えることが好ましい。