特許第5763921号(P5763921)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5763921
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】電子部品を形成できる生地
(51)【国際特許分類】
   G01L 1/20 20060101AFI20150723BHJP
   G01L 5/00 20060101ALI20150723BHJP
   H01H 1/06 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
   G01L1/20 A
   G01L5/00 Z
   H01H1/06 Z
【請求項の数】16
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2010-522169(P2010-522169)
(86)(22)【出願日】2008年9月3日
(65)【公表番号】特表2010-539444(P2010-539444A)
(43)【公表日】2010年12月16日
(86)【国際出願番号】CN2008001571
(87)【国際公開番号】WO2009033362
(87)【国際公開日】20090319
【審査請求日】2011年8月29日
【審判番号】不服2014-5220(P2014-5220/J1)
【審判請求日】2014年3月19日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2007/002648
(32)【優先日】2007年9月4日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510058597
【氏名又は名称】ヤン,チャンミン
(73)【特許権者】
【識別番号】510058601
【氏名又は名称】ヤン,ツーリン
(73)【特許権者】
【識別番号】510058612
【氏名又は名称】ヤン,チンウェン
(73)【特許権者】
【識別番号】510058623
【氏名又は名称】ヤン,ハオ
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,チャンミン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ツーリン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,チンウェン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ハオ
【合議体】
【審判長】 森 竜介
【審判官】 関根 洋之
【審判官】 酒井 伸芳
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−529007(JP,A)
【文献】 特開2001−207318(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3070358(JP,U)
【文献】 国際公開第2006/125186(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 1/14,1/20,5/00
H01H 1/00,1/06,9/00
A41D 1/00,13/00
A44B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を形成できる生地において,
前記生地は,生地層と電気伝導区を含み,
前記生地層は,少なくとも1つの裂け目を持ち,
前記電気伝導区は,前記生地層に設けられ,前記裂け目の周囲であって,裂け目の縁から一定の距離に又は裂け目の縁の周囲に位置し,
前記電気伝導区は,前記裂け目の一方側に設けられた第一電気伝導領域と,前記裂け目の他方側に設けられた第二電気伝導領域と,を含み,
前記裂け目の間隔は,前記生地層に加えられた外力によって拡大し,これにより前記第一電気伝導領域と前記第二電気伝導領域の間の電気特性が変化し,
前記生地層は,弾力性を有し,この結果,前記外力を受けなくなると,前記裂け目の形状が原形に戻ると共に,前記間隔が元のサイズに縮小することを特徴とする
電気特性の変化を検出して出力できるセンサー用生地である
電子部品を形成できる生地。
【請求項2】
前記外力によって変化する前記第一電気伝導領域と前記第二電気伝導領域の間の電気特性は,電気抵抗又は電気容量である
請求項1に記載の電子部品を形成できる生地。
【請求項3】
前記第一電気伝導領域又は第二電気伝導領域は,前記裂け目の縁から一定の距離で隔てられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品を形成できる生地。
【請求項4】
前記生地の裂け目は,H型であり,
前記電気伝導区は,第一電気伝導領域と第二電気伝導を含み,
前記第一電気伝導領域と前記第二電気伝導領域は,それぞれ前記H型の裂け目によって区分された2つの内部の領域に位置することを特徴とする
請求項1〜3のいずれかに記載の電子部品を形成できる生地。
【請求項5】
前記電気伝導区は,さらに第三電気伝導領域を有し,
前記第三電気伝導領域は,前記H型の裂け目によって区分された外側の領域に位置することを特徴とする
請求項4に記載の電子部品を形成できる生地。
【請求項6】
前記生地はさらに,スペーサーを含み,
前記スペーサーは前記生地層の片側に位置することを特徴とする
請求項1〜5のいずれかに記載の電子部品を形成できる生地。
【請求項7】
前記生地はさらに,前記電気伝導区に電気的に連接する制御回路を含むことを特徴とする
請求項1〜6のいずれかに記載の電子部品を形成できる生地。
【請求項8】
前記制御回路は抵抗計又は容量計を含むことを特徴とする
請求項7に記載の電子部品を形成できる生地。
【請求項9】
前記生地はさらに,制御回路に通じる出力計を含むことを特徴とする
請求項7又は請求項8に記載の電子部品を形成できる生地。
【請求項10】
前記生地はさらに,生地層に設けられ,制御回路に通じる導電参照区を少なくとも一つ含むことを特徴とする
請求項7又は請求項9に記載の電子部品を形成できる生地。
【請求項11】
少なくとも一つの前記導電参照区は,二つ以上の参照区を含み,
前記制御回路は,前記二つ以上の参照区との間で電流回路を形成するかどうかによって漏電を判断することを特徴とする
請求項10に記載の電子部品を形成できる生地。
【請求項12】
前記制御回路は,前記導電参照区と前記電気伝導区の間に電流回路を形成するかどうかによって漏電を判断することを特徴とする
請求項10に記載の電子部品を形成できる生地。
【請求項13】
前記制御回路は,複数の電気伝導領域の間に電流回路を形成するかどうかによって漏電を判断することを特徴とする
請求項10に記載の電子部品を形成できる生地。
【請求項14】
前記電気伝導区は,電極として使用されることを特徴とする
請求項1〜10のいずれかに記載の電子部品を形成できる生地。
【請求項15】
前記生地層の裂け目の両側の材質は,異なることを特徴とする
請求項1〜10のいずれかに記載の電子部品を形成できる生地。
【請求項16】
前記導電参照区は,電極として使用されることを特徴とする
請求項10に記載の電子部品を形成できる生地。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,電子部品を形成できる生地,特に裂け目を持ち,かつ裂け目の両側に電気伝導区が設けられる生地に関する。
【0002】
本願は前2007年9月4日付で提出した国際特許出願PCT/CN2007/002648に基づき,かつ,その優先権を主張し,すべての内容は本願に引用される。
【背景技術】
【0003】
現在,導電材料を生地あるいは革に統合して,電気回路,あるいは電子部品を形成する技術が多数あり,その一部は統合した導電材料と生地を電子スイッチとして使用する技術である。例えば米国特許第7145432号に掲載する折曲げ可能な切替装置が,織物を3層に重ね合わせたことによって形成する電子スイッチであり,また,米国特許第6642467号(中国CN1252762)において,上下2層の導電材料に弾力性材料を挟んだことで作られた電子スイッチも掲載する。この電子スイッチが圧力センサー,張力センサーとして使用することができるが,感圧部品(pressure sensitive component)を増加する必要がある。感圧部品の電気特性はくわえた圧力に従って変化する。しかし,上記に述べた電子スイッチのほとんどは織物層と部品が多すぎるため,製造過程は比較的に煩雑となる。
また,米国特許第6596955号には,導電材料がファスナーに固定されるため,ファスナーだけに適用し,応用上には制限があり,そして使用者自分で修理することができない。中国特許第CN1666308号にも,上下2つの部品から形成されて電子スイッチを掲載するが,生地との結合が難しいから,製造過程も比較的に煩雑となる。
【0004】
その他に,信号あるいは電流伝送器として使用する例もあり,例えば米国特許第7154071号,しかし同様に製造過程が煩雑である欠点を持つ。米国第4237886号および第6970731号の特許となると,すべてスナップボタンの方式を利用し,長く使用すると落ちやすいのである。米国特許第6210771号に掲示する構造はツーピース(two-piece)で,スイッチマトリクス(switch matrix)として使用することができるが,ミス信号を生みやすいだけではなく,生地が汗あるいは雨に濡れて,効果が減る或いは使用者が感電する恐れがある。また,当該特許に掲載する構造は圧力を測ることだけができ,張力(strain)を測定することできない。
例えば,米国特許第7210939号は,導電ボタン穴で相互に連接する方式(interconnect element having a button hole)を採用するが,穴とコネクタを手動で電源または電子設備に連接するしかないし,連接すると切ることもできない。外力の変化によって自動的に導通状態または非導通状態を変更できないため,環境保護と省エネルギーには非理想であり,しかも導通程度を区分できない。
【0005】
これによると,上記の電子部品を形成できる生地は構造と使用の面で,やはり不便さと欠陥が存在し,更に改善する必要がある。上記の問題を解決するため,関連製造メーカーは長年来色々な工夫をして,解決方法に関する研究に取り組んでいるが,未だ実用的な設計を完成しておらず,通常の製品にも上記の問題を解決できる適当な構造がないため,関係業者にとっては至急解決が望まれる問題となっている。その故に,如何にして新たな構造を持つ,電子部品を形成できる生地を作るかということは,眼前の実に重大な研究課題であり,業界で改善しなければならない目標でもある。
【0006】
上記の電子部品を形成できる既存の生地は欠陥が存在するから,本発明者は当該製品の設計・製造に従事する長年の実践経験と豊富な専門知識に基づき,学理応用と結び,もっと実用性があり,既存の生地より優れた新型生地を作り出すことを目差して,積極的に革新の研究を展開している。そして,絶えずの研究・設計に経って,何度も試作・改善を繰り返し,ようやく実用価値を確実に持つ本発明ができた。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は既存の電子部品を形成できる生地の欠陥を克服し,新しい構造を有し,電子部品を形成できる生地を提供することである。解決すべき技術的課題は,製造過程をより簡単にするため,単一の布に電気伝導区域を形成することである。
本発明のもう一つ目的は,新しい構造を有し,電子部品を形成できる生地を提供することで,解決すべき技術的課題は,生地が濡れていたら自動的に電源を遮断することである。
【0008】
本発明の他の目的は,新しい構造を有し,電子部品を形成できる生地を提供することで,解決すべき技術的課題は,生地を張力センサー(strain gauge)あるいは圧力センサー(pressure gauge)として使用することである。
本発明の他の目的は新しい構造を有し,電子部品を形成できる生地を提供することで,解決すべき技術的課題は,生地を電極として使用することである。
本発明の目的およびその技術的課題の解決は,下記の技術方案を採用して実現できる。本発明が提供する電子部品を形成できる生地は,生地層と電気伝導区を含む。生地層は弾力性を持ち,中には少なくとも1つの裂け目があり,電気伝導区はこの生地層に設けられる。裂け目と電気伝導区との間の構造は外力によって変化する。
本発明の目的およびその技術的課題の解決は更に下記の技術措置を採用して,実現できる。
【0009】
前記の電子部品を形成できる生地において,電気伝導区は少なくとも1つの第一電気伝導領域を含み,この第一電気伝導領域は裂け目の一端側から裂け目の他端側まで延伸する。
【0010】
上記の電子部品を形成できる生地において,電気伝導区は少なくとも1つの第一電気伝導領域と,少なくとも1つの第二電気伝導領域を含み,それぞれ裂け目の両側に位置する。
【0011】
上記の電子部品を形成できる生地において,電気伝導区に電気的に連接する制御回路が含まれる。
【0012】
上記の電子部品を形成できる生地において,制御回路に電気的に連接する出力計が含まれる。
上記の電子部品を形成できる生地において,生地層に設けられ,制御回路に電気的に連接する通じる導電参照区が含まれる。
【0013】
本発明は既存技術と比べると,顕著な利点と有益な効果がある。上述の通り,それらの目的を達成するために,本発明は電子部品を形成できる一種の生地を提供する,この生地は,生地層を1つ,第一電気伝導領域を1つと,導線2本を含む。生地層に1つ裂け目があり,第一電気伝導領域は生地層に位置して,裂け目の片側から裂け目の反対側まで延伸し,或いは裂け目の両側にそれぞれ1つの電気伝導区があり,その場合,発生した信号はデジタル信号(digital signal)である。スミストリガー(smith trigger)でノイズ信号を処理することもできる。
【0014】
上記の技術方案によって,本発明の電子部品を形成できる生地は少なくとも下記の優れた点と有益効果を有する。
1,本発明の電子部品を形成できる生地は,電気伝導区を単一の生地に形成することができて,製造過程は比較的に簡便である。
2,本発明の電子部品を形成できる生地は,濡れたら自動的に電源を切ることができる。
3,本発明の電子部品を形成できる生地は,張力センサー(strain gauge)あるいは圧力センサー(pressure gauge)として使用することができる。
4,本発明の電子部品を形成できる生地は,電極として使用することができる。
上述したように,本発明は上記のいろいろな利点と実用的な価値を持ち,製品構造の面でも機能の面でも大きな改善があり,技術的には著しい進歩を遂げ,使い易さと実用的な効果が実現した。そのうえ,電子部品を形成できる既存の生地より際立った機能を持ち,より実用性があり,実に目新しい,先進的,実用的な新設計である。
【0015】
上記の説明は,ただ本発明の技術方案を概述だけであり,本発明の技術手段をもっとはっきり了解し,明細書の内容に基づいて実施することができるようにするため,そして,本発明の上記と他の目的,特徴,利点がもっとわかりやすくなるようにするために,次に,添付図面を参照して,好ましい実施形態に基づいて更に本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第一の好ましい実施形態の説明図である。
図2】本発明の第一の好ましい実施形態の生地層が引っ張られる状態の説明図である。
図3】本発明の第二の好ましい実施形態の説明図である。
図4】本発明の第二の好ましい実施形態の生地層が引っ張られる状態の説明図である。
図5】本発明の第三の好ましい実施形態の説明図である。
図6図5の6-6切断線に沿う断面図である。
図7図6の生地層が押し付けられる状態の説明図である。
図8】本発明の第四の好ましい実施形態の説明図である。
図9】本発明の第五の好ましい実施形態の側面図である。
図10】本発明の第六の好ましい実施形態の説明図である。
図11図10の11-11切断線に沿う断面図である。
図12図10の生地層が押し付けられる状態の説明図である。
図13図12の13-13切断線に沿う断面図である。
図14】本発明の第七の好ましい実施形態の説明図である。
図15】本発明の第八の好ましい実施形態の説明図である。
図16】本発明の第九の好ましい実施形態の説明図である。
図17】本発明の第十の好ましい実施形態の説明図である。
図18】本発明の第十一の好ましい実施形態の断面図である。
図19】本発明の第十二の好ましい実施形態の説明図である。
図20】本発明の第十三の好ましい実施形態の説明図である。
図21】本発明の第十四の好ましい実施形態の説明図である。
図22】本発明の第十五の好ましい実施形態の局部説明図である。
図23】本発明の第十六の好ましい実施形態の局部説明図である。
図24】本発明の第十七の好ましい実施形態の局部説明図である。
【符号の説明】
【0017】
10:電子部品を形成できる生地
12:生地層 1121:裂け目 14:第一電気伝導領域
141:第一端 143:第二端 16:導線
18:制御回路 19:出力計
10a:電子部品を形成できる生地
12a:生地層 1211a:裂け目 14a:第一電気伝導領域
15a:参照区 16a:導線 18a:制御回路
20:電子部品を形成できる生地 D:弾性方向
22:生地層 221:裂け目 223:参照区
23:第一電気伝導領域24:第二電気伝導領域25:スペーサー
251:穴 26:導線 27:使用者皮膚
20a:電子部品を形成できる生地
22a:生地層 221a:裂け目 23a:第一電気伝導領域
24a:第二電気伝導領域26a:導線 28:制御回路
29a:出力計
20b:電子部品を形成できる生地
22b:生地層 221b:裂け目 223b:凸起部
23b:第一電気伝導領域24b:第二電気伝導領域
30:電子部品を形成できる生地
32:生地層 321:裂け目 323:外側辺
33:第一電気伝導領域34:第二電気伝導領域 35:スペーサー
351:穴 36:導線 37:使用者の指
38:制御回路 39:出力計
40:電子部品を形成できる生地
42:生地層 421:裂け目 43:第一電気伝導領域
44:第二電気伝導領域46:導線 48:制御回路
49:出力計
50:電子部品を形成できる生地
52:生地層 521:裂け目 53:第一電気伝導領域
54:第二電気伝導領域56:導線 58:制御回路
59:出力計
60:電子部品を形成できる生地
62:生地層 621:裂け目 63:第一電気伝導領域
64:第二電気伝導領域
70:電子部品を形成できる生地
72:生地層 721:裂け目 73:第一電気伝導領域
74:第二電気伝導領域 75:第三電気伝導領域 76:導線
80:電子部品を形成できる生地
81:基底生地 82:生地層 83:第一電気伝導領域
84:第二電気伝導領域 85:スペーサー 87:使用者の皮膚
89:制御回路
90:電子部品を形成できる生地
91:生地層 911:裂け目 92:第一電気伝導領域
93a:第二電気伝導領域 93b:第二電気伝導領域
130:電子部品を形成できる生地
131:生地層 1311:第一電気伝導領域 132:裂け目
132a,132b,132c:第二電気伝導領域
140:電子部品を形成できる生地
141:生地層 1411:第一電気伝導領域 142:裂け目
142a,142b,142c:第二電気伝導領域
110:電子部品を形成できる生地
111:生地層(多層) 111a:上層 111b:下層
1121:裂け目 113:第一電気伝導領域 114a:第二電気伝導領域
114b:第二電気伝導領域114c:第二電気伝導領域
120:電子部品を形成できる生地
121:生地層(多層) 1221:裂け目
123a,123b,123c:第一電気伝導領域 124:第二電気伝導領域
150:電子部品を形成できる生地
151:生地層(多層) 151a:上層 151b:下層
1521:裂け目 153:第一電気伝導領域
154a,154b,154c:第二電気伝導領域
【発明を実施するための形態】
【0018】
予定の発明目的を達成するために採用する技術手段と効果をもっと詳しく述べるため,下記は添付図面と好ましい実施形態を結合し,本発明に基づいて提供された電子部品を形成できる生地の具体的な実施方式,構造,特徴と効果について,詳しく説明する。
【0019】
本発明の上記およびほかの技術内容,特徴と効果について,下記の通りに,添付図面を参照して,好ましい実施形態の詳細な説明で,十分にと表している。具体的な実施方法の説明によって,予定の目的に達成するために採用する技術手段と効果に対いての理解を更に深めることができるが,添付図面はただ参照と説明のためであり,本発明を制限するものではない。
【0020】
図1は本発明の第一好ましい実施形態の説明図である。本発明の第一の好ましい実施形態の電子部品を形成できる生地10は,1つの生地層12,電気伝導区,2つの導線16,1つの制御回路18および1つの出力計19を含む。
【0021】
上記の生地層12は織布で,弾力性を持ち,この生地層12に1つの裂け目1121があり,生地層12の弾性を増加するために,製造過程中にほかの弾力性材料が添加される。例えばゴム,フォーム材,スポンジ,スプリング,綿,弾性繊維(spandex),人造弾力繊維(lycra),合成ゴム(SBR,Styrene Butadiene Rubber)と発泡材料。
上記の電気伝導区は第一電気伝導領域14を含み,生地層12に設けられ,そして裂け目1121の片側から裂け目1121の反対側まで延伸し,しかもこの第一電気伝導領域14は生地層12の裂け目1121の縁に位置する。第一電気伝導領域14は下記の方式で形成できるが,下記の方式に限らない。
【0022】
1.非電気伝導繊維と電気伝導繊維を紡織工芸(Textile process)で共に紡織することによって形成し,この紡織工芸がニッティング(knitting),ウィービング(weaving),タッチング(tatting),刺繍(embroidering)あるいはほかの適切な技術である。
2.電気伝導金属片を生地層12に埋め込み,粘着し或いは縫い込むことによって形成する。
3.電気伝導の細いコードを生地層12に縫いこむことによって形成する。
4.生地層12に導電物質を塗装し或いは貼りつけることによって形成する。
5.導電生地と生地層を粘着し或いは縫い合せることによって形成する。
【0023】
上記の非電気伝導は繊維,綿,麻,ナイロンなどを採用できるが,これらの材料に限らない。電気伝導繊維は導電性高分子繊維或いは金属繊維導電材を採用できるが,これらの材料に限らない,また,ステンレス繊維と非導電性繊維を混紡して,或いは絶縁繊維に電気伝導物質を塗装する,または電気伝導物質は絶縁繊維に滲入することによって形成できる。電気伝導維は第一電気伝導層14に1%から100%の比例を占めることができる。本実施形態で,第一電気伝導領域14は電気伝導の細いコードを裂け目12の周りに縫いこむことによって形成する。第一電気伝導領域14はU字形を呈して,第一端141と第二端143を有する。この電子部品を形成できる生地は,部分品として服,シーツまたはほかの革,例えば座席,車のハンドルに縫い込むことができる。
【0024】
上記の2つの導線16は生地層12に設けられ,しかもそれぞれ第一電気伝導領域14の第一端141および第二端143と連接する。
【0025】
上記の制御回路18は生地層12に置かれ,プリント配線板あるいは集積回路を採用することができる。この制御回路18は2つの導線16と接続し,第一電気伝導領域14,2つの導線16および制御回路18は共同に一つの電子回路になる。制御回路18内に抵抗計があり,この電子回路の抵抗値の測定に使い,制御回路18内に電源を含めることができる。
【0026】
上記の出力計19は制御回路18に通じる,かつスピーカーとすることができる。
【0027】
上記の構造によって,電子部品を形成できる生地10は,なんら外力を受けない時,生地層12の裂け目1121は図1のように閉じている。この時,第一電気伝導領域141の第一端141と第二端143は互いに接触する。しかし,使用者が左右両側から電子部品を形成できる生地10を引っ張ると,図2のように,生地層12の裂け目1121は開き,この時,制御回路18の抵抗値は第一電気伝導領域14の第一端141と第二端143との分離によって大きくなり,これによって,制御回路18は抵抗値の変化を察知して,出力計19を命じて音を出力させることができる。この生地10は変位センサー,スピードセンサーあるいは加速度センサーとすることができる。例えば電子部品を形成できる生地を靴内に置くと,使用者の足取り分析と転びを観測することができる。また,使用者のバストあるいはウエストサイズが年齢によって増えていくか或は減っていくかを測定できる。
【0028】
この生地層12は弾力性を持つから,使用者の引っ張る力は比較的に小さい時,生地層12の裂け目1121はそのままに閉じている。使用者の引っ張る力は予定限界値より大きくなければ,裂け目1121を開かせることができない。この予定限界値が生地層12の弾性材料の比例によって決められる。生地層12は不織布,プラスチックあるいは革など弾性に代わり他の材質さえ採用できる。
【0029】
裂け目1121の左右両側は異なる材料も採用できる。例えば裂け目1121の左側の材料は全然弾性がなく,裂け目1121の右側の材料は弾性がある。その場合の引っ張る力は裂け目1121の左右両側が全部弾性材料である場合の2倍にならないと同じ程度の反応ができない。
【0030】
また,設計においては,生地層12の裂け目1121の広さを拡大することができる。外力を受けない時,この裂け目1121が開く状態を呈し,使用者が使用と,裂け目1121両側の生地層12が内へ突き出て,裂け目1121が閉まるようになる。そうすると,電子回路の抵抗値を変化することができる。
【0031】
その他に,電子部品を形成できる生地10は電子スイッチとして使用することができる,つまり電子回路の抵抗値の高低によって電子スイッチのショート(ON)とオープン(OFF)状態を形成する。しかもこのスイッチの設定は外力の強さによって決められ,即ち外力はある値より大きい,同時に電気抵抗値もある設定値を越えるとすると,ショート状態あるいはオープン状態に設定するものである。
【0032】
電子部品を形成できる生地10は単一の生地に設けられるため,その製造過程は周知の相互に平行する生地を採用するものより簡便である。
【0033】
その他に,実際に製造する時,製造者は異なる弾性生地を選択して,裂け目1121の大きさ,第一電気伝導領域14の厚さを変えること,あるいは裂け目の間の第一電気伝導領域の重ね,或いは裂け目の間の第一電気伝導領域の分離によって,電子部品を形成できる生地10のレスポンスと電気抵抗値(Electric resistance)を変更することができる。また,実際に応用する時,電子部品を形成できる生地10を衣服にして,使用者に着せ,そして使用者の肢體動作によって,電子部品を形成できる生地10が引っ張られ,出力計19に命じて音を出させることができる。これによって,電子部品を形成できる生地10は耳と口が不自由な人の疎通器或いは使用者の信号発生器として使用することができる,その他に,電子部品を形成できる生地10は使用者の姿勢変化を感測する,つまり姿勢変化のセンサーとして使用することができる。遠い所で見守る者は着用者の姿勢変化を感測することによって,転んだまたは墜落したかどうかを分かり,援助に行くかどうかを決定することができる。また,出力計19をLED表示灯とすることもでき,電子回路の抵抗値が変化すると,表示灯が点灯できる。
本発明の趣旨に基づき,電子部品を形成できる生地10は実際には多種の変化ができる。図3および図示4を参照して,本発明の第二の好ましい実施形態の電子部品を形成できる生地10aは前記の実施形態と概ね同じであり,その相違点は,生地層12aの裂け目121aの数と第一電気伝導領域14aの数は全て2つであり,この2つの第一電気伝導領域14aはそれぞれ2つの裂け目12aの縁に設けられ,しかも2つの第一電気伝導領域14aは相互に接続し,全体的にはW字形を呈する。
【0034】
それ以外に,電子部品を形成できる生地10aはまた二つの導電参照区15aを含み,導電参照区が生地層12aにまたはほかの生地層に設けられ,第一電気伝導領域14aとの間に隙間がある。この参照区15aは制御回路18aに通じる。電気部品を形成できる生地10aは正常に使用されるときは,この2つの参照区15aと第一電気伝導領域14aは互いに接触しない,電子回路を形成しないのであるが,2つの参照区15aは共同に回路を形成するとき,あるいはいずれかの参照区15aと第一電気伝導領域14aは回路を形成するとき,例えば生地層12aが濡れた時,漏電による感電を防止するために,この制御回路18aは自動的に電源を遮断することができる。同時に湿度センサーとして使用することができる。
【0035】
その他に,この生地層12aの裂け目121aの数は3つ以上で,かつ全体の形を波浪状にすると,同様の効果が達成できる。
【0036】
図5および図6は,本発明の第三好ましい実施形態の説明図と断面図である。本発明の第三の好ましい実施形態の電子部品を形成できる生地20は1つの生地層22,電気伝導区,2つの参照区223,1つのスペーサー25,多数の導線26,1つの制御回路(図に表示していない)および1つの出力計(図に表示していない)を含む。
【0037】
上記の生地層22は2つの裂け目221を有し,かつ弾性を持っている。くわえた外力の大きさが同じである場合,使用者は生地層22の弾力性方向Dに沿って生地層22を引っ張る時,生地層22の変形量は他の方向に沿って引っ張られる時より大きい。この生地層22の裂け目221の延伸方向は弾性方向Dと垂直である。
【0038】
上記の電気伝導区は第一電気伝導領域23および第二電気伝導領域24を含み,生地層22に設けられ,しかもそれぞれが裂け目221の両側に位置する。参照区223は生地層22に設けられる。外力を受けない時,第一電気伝導領域23が,第二電気伝導領域24と接触し,電気抵抗値は0である。外力をくわえた時,第一電気伝導領域23と第二電気伝導領域24は互いに別れて,抵抗値は無限に向かう。発生した信号はデジタル信号(digital signal)であり,類比信号(analogic signal)ではない。電子部品を形成できる生地20の単純なショートオープンスイッチ(ON/OFF switch)は伝統の加速度計或いはジャイロスコープのように敏感すぎることはない,体に着ることもできし,水で洗うこともできる。この電子部品を形成できる生地20が足取り分析と姿勢変化の長期追跡にも用いられることができる.この電子部品を形成できる生地20を着ると,身体中の各位置のショートオープン(ON/OFF)信号,つまり0,1信号が無線或いは有線の方式で看護用設備へ発送され,看護用設備は使用者の現状,例えば転び,癲癇,脳卒中など不正常の挙止変化を発生するかどうかを知ることができる。また0,1信号を3D動畫に変換することもできる。脳卒患者ならば,この足取り分析と姿勢変化の信号を利用してリハビリテーションを行うことができ,同時に医療者は使用者の回復状況を追跡できる。正常人ならば,運動指導に使用することができる。例えば中国カンフーは呼吸と手足姿勢の協調性を重視するが,普通の人には分かりにくい。しかし本感測計を採用して呼吸と姿勢を感測でき,同時に3D動畫で呼吸変化を表示することができる。初心者にとってとても分かり易い。
【0039】
上記のスペーサー25は生地層22内側に設けられ,そして2つの穴251を持ち,この2つ穴251の位置は生地層22の裂け目221と対応する。スペーサー25は使用者の皮膚2と直接に接触し,埋め込み或いは縫いこむ方式で生地層22に固定されることができる。このスペーサー25が金属で,或いは布,不織布,革など非金属材料で作られることができる。
【0040】
上記の制御回路は生地層22に置かれ,しかもそれらの導線26によって,参照区223,第一電気伝導領域23,第二電気伝導領域24と接続する。出力計は生地層22に貼りつけられ,かつ制御回路に通じる。
これによって,使用者は生地層22の裂け目221に指を挿入する時(図7のように),第一電気伝導領域23と第二電気伝導領域24で形成した抵抗値は,第一電気伝導領域23と第二電気伝導領域24との間隔変化によって変化する。制御回路は抵抗値変化を察することができ,そして出力計に命じて信号を出させる。制御回路は抵抗計を含み,第一電気伝導領域23と第二電気伝導領域24で形成した抵抗値を測定することができる。また,使用者は指の触感で裂け目が閉じているか開いているかを判断でき,更に電子部品を形成できる生地20が確かに触られたことを確認できる。スペーサー25は生地層22を高く支えから,使用者はもっと簡単に裂け目221に指を挿すことができる。
【0041】
それ以外に,電子部品を形成できる生地20の使用には,生地層22を引っ張ることによって,電気抵抗値を変えることができる。また,電子部品を形成できる生地20を肌着に製造し使用者に着せると,使用者の呼吸動作で発生した電気抵抗値の変化を分析することによって,電子部品を形成できる生地20は呼吸モニターとして使用することができる。また,電子部品を形成できる生地20をシーツあるいは座席に敷くと,違う位置にある生地20は圧力を受けるため電気抵抗値が変化し,着用者の寝る姿或いは座る姿の変化を反映することができる。また,嚥下センサーとして使用することもできる。
【0042】
その他に,電気抵抗値の変化量は生地層22の受けた圧力または張力の大きさによって変化するから,電気抵抗の変化は2つの電気伝導区の接触面積と関係があり,接触面積は小さければ小さいほど抵抗値は大きくなる。その故に電子部品を形成できる生地20は可変電気抵抗器,圧力センサー(pressure gauge),張力センサー(strain gauge)あるいはスイッチとしてすることもできる,しかもこのスイッチの設定は外力の大きさによって決められ,即ち外力はある値より大きい時,オン或いはオフに設定できる。
【0043】
図8は第四の好ましい実施形態の説明図である。本発明の第四の好ましい実施形態の電子部品を形成できる生地20aは第三の実施形態と概ね同じで,その相違点は,第四実施形態の電子部品を形成できる生地20aの第一電気伝導領域23a,第二電気伝導領域24aがそれぞれ生地層22aの裂け目221aの両側に位置し,しかも裂け目221aの縁との間に一定の距離がことである。第一電気伝導領域23aと第二電気伝導領域24aが共に蓄電器を形成し,制御回路28a内に容量計を含み,第一電気伝導領域23aと第二電気伝導領域24aとの間の容量値を測定することができる。
【0044】
これによって,電子部品を形成できる生地20aはタッチスイッチとして使用することができる,この蓄電器の容量値は,第一電気伝導領域23aと第二電気伝導領域24aとの間隔とは反比例関係を呈し,第一電気伝導領域23aの面積,第二電気伝導領域24aの面積とは正比例を呈するから,使用者は指で生地層22aの裂け目221aの縁に少し接触すると,第一電気伝導領域23a,第二電気伝導領域24aは形と間隔のわずかな変化と指の接触によって,容量値が微かな変化を発生する。この時,制御回路28aはこの容量値の変化によって出力計29aに命じて音を出させることができる。また,誤触防止のため,電子部品を形成できる生地20aを,使用者が裂け目221aに指を挿ことによって,容量値がもっと大きな変化を起こす時こそ,制御回路28aは出力器29aに命じて音を出させるように設計することができる。それ以外に,第一電気伝導領域23a,第二電気伝導領域24aは電極として使用することもでき,即ち第一電気伝導領域23a,第二電気伝導領域24aが使用者の皮膚と直接接触することによって,電気部品を形成できる生地20aは使用者の生理信号,例えば使用者の心電図,呼吸,筋電図,脳波,体脂肪,嚥下,人体表面の電気抵抗を測定することができ,或いは電流を提供すること,例えば神経電気刺激治療法(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation;TENS)に必要な電流極片を提供することができる。また,皮膚に近づかなくても心電図,動悸など生理パラメーターを測定することもできる。
【0045】
それ以外に,設計者は第一電気伝導領域23a,第二電気伝導領域24aの距離,面積,材質あるいは表面粗度を変えることによって,各種の異なる容量値をもっている生地を作ることができる。また,第一電気伝導領域23a,第二電気伝導領域24aは裂け目221aの縁と一定の距離を隔てるから,第一電気伝導領域23aと第二電気伝導領域24aが裂け目221aの閉じることによって互いに接触して,短絡になることが起こない。裂け目221aの距離は外力の変化に従って変化し,容量値もそれに従って変化するから,変位センサー,スピードセンサーと加速度センサーとして使用することができる。
【0046】
また,蓄電器の容量値は生地層22aの受けた張力の大きさによって変化するから,電子部品を形成できる生地20が可変蓄電器として使用することができる。
【0047】
図9は本発明の第五の好ましい実施形態の側面図である。本発明の第五の好ましい実施形態の電子部品を形成できる生地20bは生地層22b,電気伝導区,多数の導線26b(図に表示していない),1つの制御回路(図に表示していない)および1つの出力計(図に表示していない)を含み,電気伝導区は2つの第一電気伝導領域23bと2つの第二電気伝導領域24bを含む。第三実施形態との相違点は生地層22bに二つの凸起部223bがあり,生地層22bの裂け目221b,第一電気伝導領域23bと第二電気伝導領域24bはすべて凸起部223bに設けられことである。凸起部223bも同様に使用者がもっと容易に裂け目221bに指を挿すことに役立つ。
【0048】
図10および図11はそれぞれ本発明の第六の好ましい実施形態の説明図と断面図である。本発明の第六好ましい実施形態の電子部品を形成できる生地30は上記の第三の好ましい実施形態との共通点は,1つの生地層32,電気伝導区,1つのスペーサー35,2つの導線36,1つの制御回路38および1つの出力計39を含み,生地層32には1つの裂け目321と2つの外側辺323があり,電気伝導区は1つの第一電気伝導領域33と1つの第二電気伝導領域34を含むことである。その相違点は,裂け目321の延伸方向は生地層32の弾性方向Dに平行し,スペーサー35は弾性材料で製造されることである。使用者の指37は裂け目321の片側から生地層32を押し付ける時,図12および図13のように,スペーサー35は圧力を受けるため変形し,生地層32は左右両端が張力を受けたから,2つの外側辺323を裂け目321へ収縮させる。第一電気伝導領域33と第二電気伝導領域34で形成した蓄電器の容量値は第一電気伝導領域33と第二電気伝導領域34との互いに近づくにつれて下がっていく。これによって,制御回路38はこの蓄電器の容量値の変化によって出力計39に命じて音を出させることができる。
【0049】
図14は本発明の第七の好ましい実施形態の説明図である。本発明の第七の好ましい実施形態の電子部品を形成できる生地40は前記の好ましい実施形態と概ね同じで,その相違点は下記の通りである。第一電気伝導領域43,第二電気伝導領域44は生地層42の裂け目421の両側に位置し,しかも裂け目421と一定の距離を隔て,第一電気伝導領域43と第二電気伝導領域44が共に蓄電器を形成でき,制御回路は容量計を含み,第一電気伝導領域43と第二電気伝導領域44で形成した蓄電器の容量を測定することができる。
【0050】
図15は本発明の第八の好ましい実施形態の平面説明図である。本発明第八好ましい実施形態の電子部品を形成できる生地50は前記の好ましい実施形態と概ね同じで,ただ,第八好ましい実施形態において,第一電気伝導領域53,第二電気伝導領域54の長さは生地層52の裂け目521の長さより大きい,この長くした第一電気伝導領域53と第二電気伝導領域54は,電子部品を形成できる生地が外力を受けたときには,蓄電器容量の変化をいっそうに明らかにすることができる。
【0051】
図16は本発明の第九の好ましい実施形態の平面説明図である。本発明の第九好ましい実施形態の電子部品を形成できる生地60は前記の好ましい実施形態と概ね同じで,その相違点は,生地層62の裂け目621はU字形を呈し,電気伝導区の第一電気伝導領域63および第二電気伝導領域64a,64b,64cはそれぞれ裂け目62の内側と外側に設けられることである。
【0052】
図17は本発明の第十の好ましい実施形態の平面説明図である。本発明の第十の好ましい実施形態の電子部品を形成できる生地70は前記の好ましい実施形態と概ね同じで,1つの生地層72,多数の電気伝導区を含み,電気伝導区は多数の第一電気伝導領域73,多数の第二電気伝導領域74,多数の第三電気伝導領域75,多数の導線76,1つの制御回路(図に表示していない)および1つの出力計(図に表示していない)を含む。生地層72は多数の裂け目721を有し,そしてマトリックスに並べ,この裂け目721はH字形を呈する。いずれかの第一電気伝導領域73はすべて1つの第二電気伝導領域74とペアになってこの裂け目721内側の両側に並び,第三電気伝導領域はH型の外側に位置し,制御回路は導線76で第一電気伝導領域73,第二電気伝導領域74,第三電気伝導領域75と接続する。電子部品を形成できる生地70はスイッチマトリックス(switch matrix)あるいはキーボード(keyboard)として使用することができ,同時に使用者の加えた力の方向を知ることができる。第一電気伝導領域73と第三電気伝導領域75とが反応が発生すれば,左へ圧力を加えることを示し,第二電気伝導領域74と第三電気伝導領域75とが反応が産生すれば,右へ圧力を加えることを示し,しかもH字形の裂け目721は外力で開き易い。
【0053】
図18は本発明の第十一の好ましい実施形態の平面説明図である。本発明の第十一好ましい実施形態の電子部品を形成できる生地80は上記の好ましい実施形態と概ね同じで,その相違点は,また1つの基底生地81を含み,この基底生地81がスペーサー85と制御回路89をその上に固定することに用いられることである。このスペーサー85は導電材料で製造され,この基底生地81は導電材料を含み,第一電気伝導領域83および第二電気伝導領域84はこのスペーサー85と基底生地81によって,制御回路89に通じることができる。基底生地81は使用者の皮膚と接触する。
【0054】
図19は本発明の第十二の好ましい実施形態の平面説明図である。本発明の第十二の好ましい実施形態の電子部品を形成できる生地90は上記の第九の好ましい実施形態と概ね同じであり,その相違点は下記の通りである。生地層91の裂け目911はU字形を呈し,第二電気伝導領域はまた2つに分けることができ,第一電気伝導領域92と第二電気伝導領域93a,93bはそれぞれ裂け目91の違う位置に設けられ,外力がない時は,第一電気伝導領域92は第二電気伝導領域93aと接触し,外力をくわえたときは,例えば引っ張ると,92と93bが導通する。これによって,外力の変化を判別することができる。
【0055】
図20は本発明の第十三の好ましい実施形態の説明図である。本発明の第十三の好ましい実施形態の電子部品を形成できる生地130は前記の第三の好ましい実施形態と概ね同じであり,その相違点は下記の通りである。生地層131の裂け目132はL型で,電気伝導区は第一電気伝導領域1311と第二電気伝導領域132a,132b,132cを含み,それぞれ裂け目1322の両側に位置する。外力を受けていない時,第一電気伝導領域1311は第二電気伝導領域132a,132b,132cと接触し,外力を増加していくと,第一電気伝導領域1311はまず第二電気伝導領域132cと別れ,次に132bと別れ,最後に132aと別れる。この時,図のように,外力をだんだん減らすと,第一電気伝導領域1311はまず第二電気伝導領域132aと接触し,また132bと接触し,最後に132cと互いに接触するようになる。
【0056】
図21は本発明の第十四の好ましい実施形態の説明図である。本発明の第十四の好ましい実施形態の電子部品を形成できる生地140は上記の第十三の好ましい実施形態と概ね同じであり,その相違点は下記の通りである。生地層141の裂け目142はカギ型で,第一電気伝導領域1411と第二電気伝導領域142a,142b,142cはそれぞれ裂け目142の両側の縁に位置し,外力を受けていない時,第一1411は第二電気伝導領域142a,142b,142cと接触し,外力を増加していくと,第一電気伝導領域1411はまず第二電気伝導領域142cと別れ,また142bと別れ,最後に142aと別れる。この時,図21のように,外力をだんだん減らすと,第一電気伝導領域はまず第二電気伝導領域142aと接触し,また142bと接触し,最後に142cと互いに接触するようになる。
【0057】
図22は本発明の第十五の好ましい実施形態の局部説明図である。本発明の第十五の好ましい実施形態の電子部品を形成できる生地110は前記の第三の好ましい実施形態と概ね同じであり,その相違点は下記の通りである。生地層(多層)111の裂け目1121両側の生地は上層部分111aと下層部分111bが積層されており,電気伝導区は第一電気伝導領域および第二電気伝導領域を含み,第一電気伝導領域は第二電気伝導領域と上下重なり,第一電気伝導領域113a,113b,113cと第二電気伝導領域114a,114b,114cはそれぞれ裂け目1121の両側に設けられ,外力がない時,第一電気伝導領域113a,113b,113cは第二電気伝導領域114a,114b,114cと接触し,外力をくわえたときは,例えば引っ張ると,第一電気伝導領域113a,113b,113cと第二電気伝導領域114a,114b,114cが導通する。これによって,外力の変化を判別することができる。
【0058】
図23は本発明の第十六の好ましい実施形態の局部説明図である。本発明の第十六の好ましい実施形態の電子部品を形成できる生地120は前記の第三の好ましい実施形態と概ね同じであり,その相違点は下記の通りである。生地層(多層)121の裂け目1221は生地層(多層)121にあり,しかもコ型を呈し,第一電気伝導領域と第二電気伝導領域は別の2つの生地層が上下重なる方式であり,即ちコ型の裂け目の両側の縁にあり,第一電気伝導領域123a,123b,123cと第二電気伝導領域124はそれぞれ裂け目1221の両側に設けられ,外力がない時,第一電気伝導領域123a,123b,123cは第二電気伝導領域124と接触し,第二電気伝導領域124が突き出ている部分に位置して,この突き出ている部分は第一電気伝導領域123a,123b,123cの位置しているへこむ溝の部分と契合し,外力をくわえたときは,例えば引っ張ると,第一電気伝導領域123a,123b,123cと第二電気伝導領域124が導通する。これによると,外力の変化を判別でき,加えた力の強さと方向を知ることができる。
【0059】
図24は本発明の第十七の好ましい実施形態の局部説明図である。本発明の第十七の好ましい実施形態の電子部品を形成できる生地150は前記の第三の好ましい実施形態と概ね同じであり,その相違点は下記の通りである。生地層(多層)151の裂け目1521は生地層の中にある,裂け目1521上層の生地層151aは裂け目下層の生地層151bと弾性係数が違い,生地上層151aと下層151bは上層と下層部分が積層されており,第一電気伝導領域と第二電気伝導領域は裂け目1521の上下両側にある。第一電気伝導領域153と第二電気伝導領域154a,154b,154cはそれぞれ裂け目1521の上下両側に設けられ,外力がない時,第一電気伝導領域153は第二電気伝導領域154a,154b,154cと接触し,外力をくわえたときは,例えば引っ張ると,第一電気伝導領域153と第二電気伝導領域154a,154b,154cが導通する,これによって,外力の変化例えばくわえた力の強さと方向を判別することができる。
【0060】
上記の内容は,ただ本発明の好ましい実施形態を示しただけであり,決して本発明に対していかなる形式の制限を行うものではない。本発明はすでに好ましい実施形態を上記のように掲示したが,決して本発明に対する制限ではなく,当業者であれば,本発明の技術方案の範囲から離れない場合,上記に掲示した技術内容を利用し,変更あるいは修飾ができ,同様の効果を有する実施形態とすることができる。ただ,本発明の技術方案の内容から離れず,本発明の技術本質に基づいて,以上の実施形態に対して行ういかなる簡単な修正,同等変化,修飾が,すべて本発明の技術的範囲に属する。
図1
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