【実施例】
【0029】
[実施例1]
下記表1〜3に示す割合で各種原料を含有させて調製した泡状毛髪化粧料(処方例1〜17)を、下記のフォーマー容器Aにより泡状に吐出して毛髪に塗布した際の「ボリューム感」および「まとまり感」を、下記の方法によって評価した。
【0030】
フォーマー容器A:ポンプフォーマー、大和製罐株式会社製、メッシュの粗さ(目開き)は混合室200メッシュ(1インチ(25.4mm)あたり200の桝目)、先端255メッシュ(1インチ(25.4mm)あたり255の桝目)
【0031】
(毛髪のボリューム感の評価方法および評価基準)
専門パネラー10名により、試験用ウィッグ(毛髪の長さ:20cm)に、各処方例で調製した泡状毛髪化粧料を4.0g手に取り、軽くのばした後、毛髪に均一に塗布した。その後、毛髪を根元から立ち上げ、ボリューム感を下記の3段階評価(評価点)で官能評価し、評価点の平均値を求め、以下の基準で判定した。
3点:ふんわりとしたボリュームが非常に出やすい(根元から非常に立ち上りやすい)
2点:ふんわりとしたボリュームが出やすい(根元から立ち上りやすい)
1点:ボリュームが出にくい(根元から立ち上りにくい)
【0032】
[ボリューム感の評価基準]
◎:2.5点以上
○:2.0点以上、2.5点未満
△:1.5点以上、2.0点未満
×:1.5点未満
【0033】
(試験用毛束の作製)
化学的処理(例えば、パーマ処理、ヘアカラー処理、ブリーチ処理等)を全く受けていない毛髪を用いて、長さ20cm、重さ15gの試験用毛束を作製し、完全に乾燥させた後に以下の評価に用いた。
【0034】
(毛髪のまとまり感の評価方法)
専門パネラー10名により、試験用毛束(長さ:20cm、重さ:15g)に、各処方例で調製した泡状毛髪化粧料を2.0g塗布し、毛髪に均一にのばした。その後、20℃、湿度60%で24時間以上調湿し、まとまり感を下記の3段階評価(評価点)で官能評価し、評価点の平均値を求め、以下の基準で判定した。
3点:非常にまとまり感がある
2点:まとまり感がある
1点:まとまり感がない(髪が広がる)
【0035】
[まとまり感の評価基準]
◎:2.5点以上
○:2.0点以上、2.5点未満
△:1.5点以上、2.0点未満
×:1.5点未満
【0036】
これらの結果を、泡状毛髪化粧料の処方例(処方例1〜17)と共に、下記表1〜3に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
表1の結果から、次のように考察できる。(A)皮膜形成ポリマーが、ジメチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体を含む場合には、ボリューム感が出ることが分かる(処方例1、6、7)。また(A)皮膜形成ポリマーが塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体を含む場合には、まとまり感が良いことが分かる(処方例2、6)。
【0041】
表2の結果から、次のように考察できる。(A)皮膜形成ポリマーの含有量が0.1質量%より少なくなると(処方例8)、十分なボリューム感とまとまり感が得られないことが分かる。また(A)皮膜形成ポリマーの含有量が5質量%よりも多くなると(処方例13)、皮膜形成ポリマーの重さが感じられ、ボリューム感が低下することが分かる。
【0042】
表3の結果から次のように考察できる。(C)1,3−ブチレングリコールと、(A)皮膜形成ポリマーと組み合わせることによって(処方例15)、毛髪のボリューム感がより向上していることが分かる。
【0043】
[実施例2]
下記表4に示す割合で各種原料を含有させて調製した泡状毛髪化粧料(処方例18〜23)を、上記のフォーマー容器Aにより泡状に吐出して毛髪に塗布した際の「ボリューム感」および「まとまり感」を上記の方法で評価すると共に、「毛髪のベタつき感」を下記の方法によって評価した。
【0044】
(毛髪のベタつき感の評価方法)
専門パネラー10名により、上記で得られた試験用毛束(長さ:20cm、重さ:15g)に、各処方例で調製した泡状毛髪化粧料を2.0g塗布し、毛髪に均一にのばした。その後、20℃、湿度60%で24時間以上調湿し、毛髪のベタつきを下記の3段階評価(評価点)で官能評価し、評価点の平均値を求め、以下の基準で判定した。
3点:全くベタつかない
2点:ほとんどベタつかない
1点:ベタつく
【0045】
[毛髪のベタつき感の評価基準]
◎:2.5点以上
○:2.0点以上、2.5点未満
△:1.5点以上、2.0点未満
×:1.5点未満
【0046】
これらの結果を、泡状毛髪化粧料の処方例(処方例18〜23)と共に、下記表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】
表4の結果から次のように考察できる。(A)皮膜形成ポリマーと、(B)ノニオン性界面活性剤の質量比が1:2〜1:10の場合(処方例20〜22)、毛髪のボリューム感とまとまり感が良好で、ベタつきが軽減していることが分かる。
【0049】
[実施例3]
下記表5に示す割合で各種原料を含有させて調製した泡状毛髪化粧料(処方例24〜30)を、上記のフォーマー容器Aにより泡状に吐出して毛髪に塗布した際の、「毛髪のボリューム感」、「毛髪のまとまり感」および「毛髪のベタつき感」を上記の方法で評価すると共に、泡質(起泡性、泡のきめ、泡持ち)を下記の方法によって評価した。
【0050】
(泡質の評価方法)
専門パネラー10名により、各処方例で調製した毛髪化粧料を、上記フォーマー容器Aを用いて泡状にした際の泡質(起泡性、泡のきめ、泡持ち)について、下記の3段階評価(評価点)で官能評価し、評価点の平均値を求め、以下の基準で判定した。
【0051】
(1)起泡性
[評価点]
3点:非常に起泡性が良い
2点:起泡性が良い
1点:起泡性が悪い
【0052】
(2)泡のきめ
[評価点]
3点:非常に泡のきめが細かい
2点:泡のきめが細かい
1点:泡のきめが粗い
【0053】
(3)泡持ち
[評価点]
3点:非常に泡持ちが良い(非常に泡がつぶれにくい)
2点:泡持ちが良い(泡がつぶれにくい)
1点:泡持ちが悪い(泡がつぶれやすい)
【0054】
[泡質の評価基準]
◎:2.5点以上
○:2.0点以上、2.5点未満
△:1.5点以上、2.0点未満
×:1.5点未満
【0055】
これらの結果を、泡状毛髪化粧料の処方例(処方例24〜30)と共に、下記表5に示す。尚、表5には、比較のために前記表4に示した処方例21の結果も同時に示した。
【0056】
【表5】
【0057】
表5の結果から次の様に考察できる。ポリオキシエチレンラウリルエーテルと、ポリオキシエチレンオレイルエーテルの質量比が1:1〜1:10の場合(処方例21、26〜28)、泡質(起泡性、泡のきめ、泡持ち)が良好であることが分かる。
【0058】
[実施例4]
前記表5に示した処方例26の泡状毛髪化粧料を、下記のフォーマー容器(またはミスト容器)により泡状に吐出して毛髪に塗布した際の泡質(起泡性、泡のきめ、泡持ち)を上記の方法によって評価すると共に、塗布性(毛髪へのつけやすさ)を下記の方法によって評価した。但し、ミスト容器で吐出する場合は、塗布性(毛髪へのつけやすさ)のみを評価した。
【0059】
(1)フォーマー容器A(前記)
(2)フォーマー容器B:スクイズフォーマー、大和製罐株式会社製、メッシュの粗さ(目開き)は混合室200メッシュ(1インチ(25.4mm)あたり200の桝目)、先端255メッシュ(1インチ(25.4mm)あたり255の桝目)
(3)ミスト容器
【0060】
(塗布性の評価方法)
専門パネラー10名により、試験用ウィッグ(毛髪の長さ:20cm)に、毛髪化粧料を4.0g手に取り、毛髪に均一にのばして塗布した。その際の塗布性(毛髪へのつけやすさ)を、下記の3段階評価(評価点)で官能評価し、評価点の平均値を求め、以下の基準で判定した。
3点:非常に毛髪につけやすい
2点:毛髪につけやすい
1点:毛髪につけにくい
【0061】
[塗布性の評価基準]
◎:2.5点以上
○:2.0点以上、2.5点未満
△:1.5点以上、2.0点未満
×:1.5点未満
【0062】
これらの結果を、フォーマー容器(またはミスト容器)の種類別に、下記表6に示す。
【0063】
【表6】
【0064】
表6の結果から次のように考察できる。フォーマー容器にて泡状に吐出させることによって、塗布性(毛髪へつけやすさ)が良好であり、特にポンプフォーマー容器(フォーマー容器A)では泡のきめ、泡持ちが良好であることが分かる。
【0065】
[実施例5]
下記表7に示す割合で各種原料を含有させて調製した泡状毛髪化粧料(処方例31〜33)を、上記のフォーマー容器Aにより泡状に吐出して毛髪に塗布した際の「ポンプの目詰まり」の発生状況を、泡状毛髪化粧料の粘度との関係で下記の方法で評価した。尚、毛髪化粧料の粘度(25℃)は、BM型粘度計にて、ローターNo.1、回転数60rpm、ローター回転開始から1分間経過後の試料粘度を測定した。
【0066】
(ポンプの目詰まりの評価方法)
各処方例で調製した毛髪化粧料を、上記フォーマー容器Aにて泡を吐出させた後、1週間、25℃と5℃で放置してポンプの目詰まり状況を評価した。
【0067】
[評価基準]
○:詰まらない
△:若干詰まりの傾向がある(ポンプを押した時にひっかかりを感じる)
×:詰まる
【0068】
これらの結果を、泡状毛髪化粧料の処方例(処方例31〜33)と共に、下記表7に示す。尚、表7には、比較のために前記表5に示した処方例26の結果も同時に示した。
【0069】
【表7】
【0070】
表7の結果から明らかなように、泡状毛髪化粧料の粘度が15mPa・sよりも高くなると、ポンプの目詰まりが起こりやすくなることが分かる。