(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記包袋ドキュメントファイルを端末装置に送信する包袋ドキュメントファイル送信手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の包袋ドキュメントファイル生成装置。
前記第1の情報保存部に保存された前記包袋ドキュメントファイルをダウンロードしまたは閲覧するウェブページへリンクするためのリンク情報を端末装置に送信するリンク情報送信手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の包袋ドキュメントファイル生成装置。
前記ファイル添付手段は、前記データ抽出手段により前記電子メールから抽出された添付ファイルに拡張子を追加し、または前記データ抽出手段により前記電子メールから抽出された添付ファイルの拡張子を変更し、当該拡張子が追加または変更された添付ファイルを前記中間ドキュメントファイルに添付することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の包袋ドキュメントファイル生成装置。
前記包袋ドキュメントファイルのファイルフォーマットはポータブル・ドキュメント・フォーマット(PDF)であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の包袋ドキュメントファイル生成装置。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0037】
(システムの構成)
図1は本発明の実施形態による包袋ドキュメントファイル生成装置を含む包袋ドキュメントファイル生成システムを示している。
図1において、包袋ドキュメントファイル生成システム1は、利用者から送信された電子メールおよびそれに添付された添付ファイルを用いて包袋ドキュメントファイルを生成する機能を備えたシステムである。包袋ドキュメントファイルとは、概説すれば、利用者から送信された電子メールおよびそれに添付された添付ファイルを包含したファイルにタイムスタンプを付加したものである。利用者は、例えば、テキストファイル、文書ファイル、画像ファイル、動画ファイル等、様々なファイル(電子データ)を添付ファイルとして電子メールに添付することができ、このような添付ファイルが添付された電子メールを後述する宛先に送信することにより、当該電子メールおよび添付ファイルを包含したファイルにタイムスタンプが付加された包袋ドキュメントファイルを取得することができる。この包袋ドキュメントファイルにより、電子メールに添付した上記ファイルの真正性の証明の容易性および確実性が保証される。なお、何の添付ファイルも添付されていない電子メールを送信すれば、当該電子メールのみを包含したファイルにタイムスタンプが付加された包袋ドキュメントファイルを取得することができる。
【0038】
包袋ドキュメントファイル生成システム1は、端末装置2、メールサーバ5、メインサーバ6およびタイムスタンプ発行サーバ31を備えている。端末装置2は例えば利用者が職場で利用するパーソナルコンピュータである。端末装置2には、一般に広く普及しているメールソフトがインストールされており、端末装置2はこのメールソフトにより電子メールクライアント3として機能することができる。なお、包袋ドキュメントファイル生成システム1は、実際には複数台の端末装置2を備えている場合が多いが、本実施形態では、説明の便宜上、1台の端末装置2を備えている場合を例にあげる。メールサーバ5は電子メールを配送するためのサーバコンピュータである。メインサーバ6は、本発明の包袋ドキュメントファイル生成装置の具体例であり、後述するように、包袋ドキュメントファイルの生成等に関する種々の機能を備えたサーバコンピュータである。メールサーバ5およびメインサーバ6は例えば利用者または管理者の事業所に設置されている。タイムスタンプ発行サーバ31は例えばタイムスタンプ局に設置され、タイムスタンプを発行する機能を備えたサーバコンピュータである。
【0039】
端末装置2、メールサーバ5、メインサーバ6およびタイムスタンプ発行サーバ31はそれぞれコンピュータネットワークを介して
図1に示すように接続されている。例えば、端末装置2とメールサーバ5およびメインサーバ6との間は相互にイントラネットを介して接続されている。メインサーバ6とタイムスタンプ発行サーバ31との間はインターネット等を介して接続されている。
【0040】
メインサーバ6は、メールサーバ5との間で電子メールの送受信を行う電子メールクライアント11と、包袋ドキュメントファイルを生成する包袋ドキュメントファイル生成部12と、包袋ドキュメントファイルの端末装置2へのダウンロードに関する制御を行うダウンロード制御部21と、各種データを保存するデータ保存部22とを備えている。具体的に説明すると、メインサーバ6は、一般のサーバコンピュータと同様に、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置(例えば半導体記憶素子、ハードディスク等)、入力装置(例えばキーボード、マウス、タッチパッド等)、出力装置(例えばディスプレイ装置等)、通信インタフェース等のハードウェア資源を有している。また、記憶装置には、電子メールクライアント11、包袋ドキュメントファイル生成部12およびダウンロード制御部21としてメインサーバ6を機能させるためのコンピュータプログラムが記憶されている。そして、CPUがこれらコンピュータプログラムに従って上述した記憶装置、入力装置、出力装置、通信インタフェース等を制御することにより、メインサーバ6は、電子メールクライアント11、包袋ドキュメントファイル生成部12およびダウンロード制御部21として機能する。
【0041】
包袋ドキュメントファイル生成部12は、メール受信制御部13、メールデータ抽出部14、中間ドキュメントファイル生成部15、ファイル添付部16、タイムスタンプ付加部17および包袋ドキュメントファイル出力部18を備えている。メール受信制御部13は、メールサーバ5からメインサーバ6の電子メールクライアント11に取り込むべき電子メールを特定するための情報(例えばメールIDおよびパスワード)を電子メールクライアント11に提供すると共に、電子メールクライアント11が受信した電子メールごとに、包袋ドキュメントファイルの生成、保存、送信等の設定に用いるべき設定情報セット811ないし819(
図5、
図6参照)のうちの1つの設定情報セットを特定する。メールデータ抽出部14は、メインサーバ6の電子メールクライアント11により受信された電子メールから当該電子メールのメールヘッダ、メール本文および添付ファイルを抽出する。中間ドキュメントファイル生成部15は、メールデータ抽出部14により電子メールから抽出されたメールヘッダの内容およびメール本文の内容を閲覧可能に記述した中間ドキュメントファイルを生成する。ファイル添付部16は、中間ドキュメントファイル生成部15により生成された中間ドキュメントファイルにメールデータ抽出部14により抽出された添付ファイルを添付する。タイムスタンプ付加部17は、ファイル添付部16により添付ファイルが添付された中間ドキュメントファイルにタイムスタンプを付加する。包袋ドキュメントファイル出力部18は、ファイル添付部16により添付ファイルが添付された中間ドキュメントファイルにタイムスタンプ付加部17によりタイムスタンプが付加されることで生成された包袋ドキュメントファイルを包袋ドキュメントファイル保存部24に出力する。このような包袋ドキュメントファイル生成部12の各部の詳細については、後に
図7および
図8等を参照しながら説明する。
【0042】
また、データ保存部22はメインサーバ6の上記記憶装置により実現される。データ保存部22は、メインサーバ6の電子メールクライアント11が受信した電子メールおよび当該電子メールクライアント11から送信すべき電子メールを保存する電子メール保存部23、包袋ドキュメントファイル生成部12により生成された包袋ドキュメントファイルを保存する包袋ドキュメントファイル保存部24、および後述の設定情報セット811ないし819を保存する設定情報保存部25を備えている。さらに、データ保存部22には、包袋ドキュメントファイルの生成過程で生成される中間ドキュメントファイル等を一時保存する記憶領域が設けられている。
【0043】
なお、メインサーバ6の電子メールクライアント11が電子メール受信手段および包袋ドキュメントファイル送信手段の具体例である。また、メールデータ抽出部14がデータ抽出手段の具体例であり、中間ドキュメントファイル生成部15が中間ドキュメントファイル生成手段の具体例である。また、ファイル添付部16がファイル添付手段の具体例であり、タイムスタンプ付加部17がタイムスタンプ付加手段の具体例であり、包袋ドキュメントファイル出力部18が包袋ドキュメントファイル保存手段、包袋ドキュメントファイル送信手段およびリンク情報送信手段の具体例である。さらに、包袋ドキュメントファイル保存部24が第1の情報保存部の具体例であり、設定情報保存部25が第2の情報保存部の具体例であり、ダウンロード制御部21が包袋ドキュメントファイル送信手段の具体例である。
【0044】
(電子メールと包袋ドキュメントファイル)
図2は添付ファイルが添付された電子メールの記述的構造の具体例を示している。
図2に示すように、記述的構造の観点から電子メール41を見ると、電子メール41には、差出人42、宛先43、CC44、BCC45、件名46、添付ファイル名47およびメール本文48が記述されている。差出人42は、当該電子メール41を送信した利用者のメールアドレスであり、宛先43は、利用者が設定した当該電子メール41の送信先のメールアドレスであり、CC44およびBCC45は、利用者が設定した当該電子メール41の他の送信先のメールアドレスである。件名46は、利用者が記述した当該電子メール41の標題であり、添付ファイル名47は、添付ファイル49、50のファイル名である。メール本文48は、利用者が記述した当該電子メールの本文である。また、当該電子メール41には、利用者が指定した複数のファイルがそれぞれ添付ファイル49、50として添付されている。
【0045】
図3は包袋ドキュメントファイルの記述的構造の具体例を示している。
図3に示す包袋ドキュメントファイル51は、
図2中の電子メール41および添付ファイル49、50を用いて包袋ドキュメントファイル生成部12により生成されたものである。なお、以下、ある電子メールおよびそれに添付された添付ファイルを用いて包袋ドキュメントファイル生成部12により包袋ドキュメントファイルが生成された場合、当該電子メールを、包袋ドキュメントファイルの生成の基礎となる(となった)電子メールということがある。
【0046】
記述的構造の観点から包袋ドキュメントファイル51を見ると、包袋ドキュメントファイル51には、日付52、差出人53、CC54、BCC55、件名56、添付ファイル名57およびメール本文58が記述されている。日付52は、当該包袋ドキュメントファイル51の生成の基礎となった電子メール41のメール送信時刻(date)であり、後述するメールヘッダ71(
図4参照)に記述されている。差出人53は、当該包袋ドキュメントファイル51の生成の基礎となった電子メール41を送信した利用者のメールアドレス42である。CC54およびBCC55は、当該包袋ドキュメントファイル51の生成の基礎となった電子メール41の他の送信先のメールアドレス44、45である。件名56は、当該包袋ドキュメントファイル51の生成の基礎となった電子メール41の標題46であり、添付ファイル名57は、当該包袋ドキュメントファイル51の生成の基礎となった電子メール41に添付された添付ファイル49、50のファイル名47である。メール本文58は、当該包袋ドキュメントファイル51の生成の基礎となった電子メール41のメール本文48である。
【0047】
ここで、
図3中の包袋ドキュメントファイル51の日付52、差出人53、CC54、BCC55、件名56、添付ファイル名57およびメール本文58の内容は次の通りである。
日付52:「Tue,26 Oct 2010 09:11:57 +0900」(2010年10月26日火曜日9時11分57秒)
差出人53:「ABC@RRR.co.jp」
CC54:「DEF@RRR.co.jp」、「GHI@RRR.co.jp」
BCC55:「JKL@RRR.co.jp」
件名56:「製品○○○の仕様について」
添付ファイル名57:「部品No.1234の設計図」.SFC、「耐久性試験の結果とその評価(MMM研究所において2010年9月30日実施).DOC」
メール本文58:「お疲れ様です。製品○○○の仕様を決めるに当たり、(中略)RRR株式会社 田中太郎」
なお、
図3に示すようにメール本文が長文である場合など、包袋ドキュメントファイル51における上記記述の全体が1ページに収まらない場合には、包袋ドキュメントファイル51のページ数は2ページ以上となるが、上記記述の全体が1ページに収まる場合には、包袋ドキュメントファイル51のページ数は1ページである。
【0048】
さらに、当該包袋ドキュメントファイル51には、当該包袋ドキュメントファイル51の生成の基礎となった電子メール41に添付された添付ファイル49、50が含まれている。なお、後述するように、端末装置2から送信された電子メールに添付された添付ファイルは、包袋ドキュメントファイルの生成途中で生成される中間ドキュメントファイルに添付され、そして、当該添付ファイルが添付された中間ドキュメントファイルにタイムスタンプを付加することにより包袋ドキュメントファイルとなる。この点から、添付ファイルは、包袋ドキュメントファイルに「添付されている」と表現することもできる。しかしながら、包袋ドキュメントファイルは、上述したように、利用者から送信された電子メールおよびそれに添付された添付ファイルを包含したファイルにタイプスタンプを付加したものであるので、このような包袋ドキュメントファイルの概念に照らし、添付ファイルは、包袋ドキュメントファイルに「含まれている」と表現することとする。
【0049】
図4は電子メールのデータ構造と包袋ドキュメントファイルのデータ構造を、
図2中の電子メール41および
図3中の包袋ドキュメントファイル51を例にあげて示している。
図4において、データ構造の観点から電子メール41を見ると、電子メール41は、メールヘッダ71、メール本文72および添付ファイル49、50を備えている。メールヘッダ71には、
図2に示す差出人42、宛先43、CC44、BCC45、件名46および添付ファイル名47等が含まれている。なお、包袋ドキュメントファイル生成システム1は、標準化された、または一般化したデータ構造を有する電子メールを取り扱うことができる。
【0050】
一方、包袋ドキュメントファイル51は、ヘッダ記述データ74、本文記述データ75、添付ファイルデータ76、属性データ77、およびタイムスタンプデータ78を備えている。ヘッダ記述データ74は、当該包袋ドキュメントファイル51の生成の基礎となる電子メール41のメールヘッダ71に含まれる内容を、後述する設定情報セット811ないし819のいずれかに含まれる設定情報に基づいて形式的に編集したデータであり、その実質的な内容はメールヘッダ71の内容と同じである。本文記述データ75は、当該包袋ドキュメントファイル51の生成の基礎となる電子メール41のメール本文72に含まれる内容を、後述する設定情報セット811ないし819のいずれかに含まれる設定情報に基づいて形式的に編集したデータであり、その実質的な内容はメール本文72の内容と同じである。また、添付ファイルデータ76には、添付ファイル49、50および電子メール自体79が含まれている。添付ファイルデータ76に含まれている添付ファイル49、50は、当該包袋ドキュメントファイル51の生成の基礎となる電子メール41に添付された添付ファイル49、50と同一である。添付ファイルデータ76に含まれている電子メール自体79は、当該包袋ドキュメントファイル51の生成の基礎となる電子メール41から添付ファイル49、50を除いたものと同一である。なお、添付ファイル49、50が添付された状態のままの電子メール41を電子メール自体79に含めるようにしてもよい。また、属性データ77には、包袋ドキュメントファイル51のタイトル、サブタイトル、作成者、キーワード等が含まれている。また、タイムスタンプデータ78にはタイムスタンプトークンが含まれ、タイムスタンプトークンには、後述する中間ドキュメントファイルのハッシュ値と、包袋ドキュメントファイル51が生成された年月日時分秒を示す時刻情報とが暗号化されて含まれている。
【0051】
ここで、包袋ドキュメントファイルのファイルフォーマットとして、ポータブル・ドキュメント・フォーマット(PDF)を採用することが望ましい。これにより、包袋ドキュメントファイルの汎用性を高めることができる。なお、包袋ドキュメントファイルのファイルフォーマットとして、汎用性が高く、または広く普及している他のファイルフォーマットを採用してもよい。
【0052】
(設定情報セット)
図5は設定情報セット811中の具体的な設定情報を示している。
図5において、設定情報セット811は、包袋ドキュメントファイルについての種々の設定事項を定めた複数の設定情報のセットないし集まりである。設定情報セット811は、メインサーバ6におけるデータ保存部22の設定情報保存部25に保存されている。設定情報セット811は、包袋ドキュメントファイル51の生成、保存、送信等を行うときに包袋ドキュメントファイル生成部12により用いられる。
【0053】
設定情報セット811には、電子メールの受信に関する設定情報(
図5中の設定情報項目No.1−1〜1−3)が含まれている。電子メールの受信に関する設定情報には、電子メールクライアント11がメールサーバ5にアクセスする際に用いるメールアドレス、ログインID、ログインパスワード等が含まれている。また、設定情報セット811には、端末装置2から送信された電子メールのメールヘッダの内容、メール本文の内容、および添付ファイル名を中間ドキュメントファイルのページにどのようなレイアウトで記述するかを定めたレイアウト設定情報(
図5中の設定情報項目No.2−1〜4−5、5−2〜5−5)が含まれている。
図3に示す包袋ドキュメントファイル51を例にあげると、レイアウト設定情報には、日付52、差出人53、CC54、BCC55、件名56、添付ファイル名57、メール本文58の記述に用いる文字のエンコード、フォントタイプ、フォントサイズ等を設定する情報、さらには、日付52、差出人53、CC54、BCC55、件名56および添付ファイル名57の見出しの表示位置、内容の表示位置、表示間隔等を設定する情報と、メール本文58の内容の表示位置、表示間隔等を設定する情報が含まれている。また、設定情報セット811には、包袋ドキュメントファイルに含ませることができる添付ファイルのサイズの合計の最大値を定めた添付ファイルサイズ設定情報(
図5中の設定情報項目No.5−1)が含まれている。また、設定情報セット811には、包袋ドキュメントファイルの属性データに関する設定情報(
図5中の設定情報項目No.6−1〜6−4)が含まれている。また、設定情報セット811には、中間ドキュメントファイルにパスワードを設定するか否かを定めたパスワード設定情報(
図5中の設定情報項目No.7−1)が含まれている。さらに、設定情報セット811には、包袋ドキュメントファイルにパスワードを設定する場合に用いるユーザーパスワードおよびオーナーパスワード(
図5中の設定情報項目No.7−2および7−3)が含まれている。また、設定情報セット811には、後述する拡張子追加処理に関する設定情報(
図5中の設定情報項目No.7−4および7−5)が含まれている。また、設定情報セット811には、タイムスタンプトークンを取得するためにタイムスタンプ発行サーバ31と通信を行うための設定情報(
図5中の設定情報項目No.8−1〜8−10)が含まれている。また、設定情報セット811には、包袋ドキュメントファイルを返信用電子メールに添付して端末装置2に送信するか、それとも端末装置2からのダウンロード要求に応じて包袋ドキュメントファイルを端末装置2に直接送信するかの選択を定めた送信方法設定情報(
図5中の設定情報項目No.9−1)が含まれている。また、設定情報セット811には、包袋ドキュメントファイル生成部12により生成された包袋ドキュメントファイルを保存すべき、包袋ドキュメントファイル保存部24におけるディレクトリまたはフォルダを定めた保存先設定情報(設定情報項目No.9−2)が含まれている。また、設定情報セット811には、システム管理に関する設定情報(
図5中の設定情報項目No.10−1および10−2)が含まれている。以上のほかにも、設定情報セット811には、種々の設定情報が含まれている。
【0054】
図6は複数の設定情報セット811ないし819とこれらにそれぞれ割り当てられたメールアドレスを示している。
図6に示すように、設定情報保存部25には複数の設定情報セット811ないし819が保存されている。それぞれの設定情報セット811ないし819間において、設定情報の項目(設定可能な設定情報の種類、
図5参照)は共通している。しかしながら、それぞれの設定情報セット811ないし819間において、各設定情報の設定値を異ならせることができる。例えば、複数の設定情報セット811ないし819のそれぞれには、中間ドキュメントファイルにパスワードを設定するか否かを定めた設定情報(
図5中の設定情報項目No.7−1)が含まれている。複数の設定情報セット811ないし819のうち、設定情報セット811には、例えば中間ドキュメントファイルにパスワードを設定する旨の設定値「1」を当該設定情報(
図5中の設定情報項目No.7−1)の設定値として含ませることができ、設定情報セット812には、中間ドキュメントファイルにパスワードを設定しない旨の設定値「0」を当該設定情報(
図5中の設定情報項目No.7−1)の設定値として含ませることができる。包袋ドキュメントファイル生成部12は、設定情報セット811を用いて包袋ドキュメントファイルを生成するときには中間ドキュメントファイルにパスワードを設定し、一方、設定情報セット812を用いて包袋ドキュメントファイルを生成するときには中間ドキュメントファイルにパスワードを設定しない。
【0055】
また、複数の設定情報セット811ないし819のそれぞれには、互いに異なるメールアドレスが割り当てられている。例えば、
図6に示すように、設定情報セット811には、「MailArchive01@YYY.com」というメールアドレスが割り当てられ、設定情報セット812には、「MailArchive02@YYY.com」というメールアドレスが割り当てられている。
図5に示すように、例えば設定情報セット811に割り当てられたメールアドレスは、設定情報(
図5中の設定情報項目No.1−1)として当該設定情報セット811に含まれている。この点は設定情報セット812ないし819についても同様である。また、メインサーバ6の電子メールクライアント11は、複数の設定情報セット811ないし819にそれぞれ割り当てられたメールアドレスが宛先として記述された電子メールをメールサーバ5から受信する。また、利用者が、電子メールの宛先のメールアドレスとして例えば「MailArchive01@YYY.com」と記述し、当該電子メールを端末装置2から送信すると、当該電子メールを受信した包袋ドキュメントファイル生成部12は、「MailArchive01@YYY.com」というメールアドレスが割り当てられた設定情報セット811を用いて包袋ドキュメントファイルの生成、保存、送信等を行う。一方、利用者が、電子メールの宛先のメールアドレスとして例えば「MailArchive02@YYY.com」と記述し、当該電子メールを端末装置2から送信すると、当該電子メールを受信した包袋ドキュメントファイル生成部12は、「MailArchive02@YYY.com」というメールアドレスが割り当てられた設定情報セット812を用いて包袋ドキュメントファイルの生成、保存、送信等を行う。
【0056】
各設定情報セット811ないし819は、管理者により事前に設定され、設定情報保存部25に保存されている。設定情報セットを何個設定するか、各設定情報セットにおける各設定情報の値をどのように設定するか、それぞれの設定情報セットにどのようなメールアドレスを割り当てるかは、管理者が任意に設定することができる。
【0057】
(システムの動作:メール返信)
図7は包袋ドキュメントファイル生成システム1の動作の第1の具体例を示している。これより、包袋ドキュメントファイル生成システム1の動作を、
図2中の電子メール41を用いて包袋ドキュメントファイル51を生成する場合を例にあげて説明する。また、包袋ドキュメントファイル51にパスワードを設定し、包袋ドキュメントファイル51を返信メールに添付して返信する場合を例にあげる。
【0058】
図7において、利用者は、端末装置2を操作して電子メール41を作成し、その電子メール41に、真正性の証明の容易性および確実性の保証を獲得したい例えば2つのファイルを添付ファイル49、50として添付する。また、利用者は、事前に設定され、メインサーバ6の設定情報保存部25に保存された複数の設定情報セット811ないし819にそれぞれ割り当てられた複数のメールアドレスの中から、任意のメールアドレス、例えば設定情報セット811に割り当てられた「MailArchive01@YYY.com」を選択し、当該選択したメールアドレスを電子メール41の宛先43として記述する(ステップS1)。そして、利用者は電子メール41を送信すべき旨の指示を端末装置2に与える。これに応じ、端末装置2の電子メールクライアント3は、電子メール41の宛先43として記述されたメールアドレス宛に、電子メール41を送信する(ステップS2)。そして、端末装置2から送信された電子メール41は、メールサーバ5により受信され(ステップS3)、メールサーバ5の内部に設けられた記憶装置に保存される(ステップS4)。
【0059】
メインサーバ6は、設定情報セット811ないし819にそれぞれ割り当てられた複数のメールアドレス宛に送信された電子メールの自己への送信を所定の設定間隔により周期的ないし定期的に要求している(ステップS5)。メールサーバ5はこの要求に応じて、上記複数のメールアドレス宛に送信された電子メールをメインサーバ6に送信し、メインサーバ6は当該電子メールを受信する。
【0060】
これについて具体的に説明すると、メインサーバ6において、メール受信制御部13は、設定情報セット811ないし819に含まれているメールアドレス、ログインIDおよびログインパスワード(
図5中の設定情報項目No.1−1〜1−3)を設定情報保存部25から読み取る。例えば、
図6に示すように、設定情報保存部25には9つの設定情報セット811ないし819が保存されているので、9組のメールアドレス、ログインIDおよびログインパスワードがメール受信制御部13により設定情報保存部25から読み取られる。続いて、メール受信制御部13はこれら9組のメールアドレス、ログインIDおよびログインパスワードを同時に、または順次に電子メールクライアント11に送る。続いて、電子メールクライアント11は、メール受信制御部13から受け取った9組のメールアドレス、ログインIDおよびログインパスワードを用いて、設定情報セット811ないし819にそれぞれ割り当てられた9つのメールアドレス宛に送信された電子メールの自己への送信をメールサーバ5に要求する。この要求に応じ、メールサーバ5は、上記9つのメールアドレスのうちのいずれかのメールアドレス宛に送信された電子メールがある場合には、その電子メールをメインサーバ6の電子メールクライアント11に送信する。そして、電子メールクライアント11は当該電子メールを受信し、当該受信した電子メールを電子メール保存部23に保存する。なお、電子メールクライアント11がメールサーバ5から複数の電子メールを受信した場合には、当該複数の電子メールを電子メール保存部23に保存する。
【0061】
上記ステップS4において、メールサーバ5の内部に設けられた記憶装置には、設定情報セット811に割り当てられたメールアドレス宛に端末装置2から送信された電子メール41(すなわち、宛先43としてメールアドレス「MailArchive01@YYY.com」が記述された電子メール41)が保存されているので、メールサーバ5は、ステップS5におけるメインサーバ6の電子メールクライアント11からの要求に応じて、この電子メール41を電子メールクライアント11に送信する。そして、電子メールクライアント11は当該電子メール41を受信し、当該受信した電子メール41を電子メール保存部23に保存する。なお、ここでは、電子メールクライアント11がメールサーバ5から1つの電子メール41のみを受信したものとする。
【0062】
続いて、メール受信制御部13は、当該受信した電子メール41の宛先43として記述されたメールアドレスが割り当てられた設定情報セット811を、包袋ドキュメントファイルの生成、保存、送信等についての設定に用いる設定情報セットとして特定する(ステップS6)。
【0063】
続いて、メインサーバ6のメールデータ抽出部14が、受信された電子メール41から、メールヘッダ71、メール本文72および添付ファイル49、50を抽出する(ステップS7)。続いて、メインサーバ6の中間ドキュメントファイル生成部15が、当該抽出されたメールヘッダ71およびメール本文72を用いて中間ドキュメントファイルを生成する(ステップS8)。
【0064】
すなわち、中間ドキュメントファイル生成部15は、当該抽出されたメールヘッダ71に含まれる内容を、ステップS6で特定された設定情報セット811に含まれる設定情報(例えば
図5中の設定情報項目No.3−1〜3−6)に基づいて形式的に編集することによりヘッダ記述データ74を生成する。また、中間ドキュメントファイル生成部15は、当該抽出されたメール本文72に含まれる内容を、ステップS6で特定された設定情報セット811に含まれる設定情報(例えば
図5中の設定情報項目No.4−1〜4−5)に基づいて形式的に編集することにより本文記述データ75を生成する。さらに、中間ドキュメントファイル生成部15は、ステップS6で特定された設定情報セット811に含まれる設定情報(
図5中の設定情報項目No.6−1〜6−4、2−1)に基づいて、中間ドキュメントファイルの属性データ、ページレイアウト等を設定する。
【0065】
続いて、メインサーバ6のファイル添付部16が、ステップS7で電子メール41から抽出した添付ファイル49、50と、電子メール自体79(電子メール41から添付ファイル49、50を取り除いたもの)を中間ドキュメントファイルに添付する(ステップS9)。ここで、ステップS6で特定された設定情報セット811には、中間ドキュメントファイルに添付が許される添付ファイルのサイズの合計の最大値を定めた設定情報(
図5中の設定情報項目No.5−1)が含まれている。ステップS9において、ファイル添付部16は、添付ファイル49、50および電子メール自体79のサイズの合計が、ステップS6で特定された設定情報セット811に含まれる当該設定情報に定められた添付ファイルのサイズの合計の最大値以内であるかを判断し、添付ファイル49、50および電子メール自体79のサイズの合計が、当該設定情報に定められた添付ファイルのサイズの合計の最大値以内である場合には、添付ファイル49、50および電子メール自体79の中間ドキュメントファイルへの添付を許可する。一方、添付ファイル49、50および電子メール自体79のサイズの合計が、当該設定情報に定められた添付ファイルのサイズの合計の最大値以内でない場合には、包袋ドキュメントファイル生成部12は、中間ドキュメントファイルの生成を中止し、その旨を利用者に通知する返信メールを作成し、当該返信メールをメインサーバ6の電子メールクライアント11に送る。そして、当該返信メールは端末装置2に送信される。これにより、利用者は包袋ドキュメントファイル51が生成されなかったことを知ることができる。なお、後述するように、このような添付ファイルサイズエラーが生じた場合に、管理者に管理者用通知メールを送信するようにしてもよい。
【0066】
続いて、中間ドキュメントファイル生成部15が、ステップS6で特定された設定情報セット811に含まれる設定情報に基づいて、中間ドキュメントファイルのセキュリティに関する設定を行う(ステップS10)。すなわち、ステップS6で特定された設定情報セット811には、中間ドキュメントファイルにパスワードを設定するか否かを定めた設定情報、ユーザーパスワードおよびオーナーパスワード(
図5中の設定情報項目No.7−1〜7−3)が含まれている。ここで、当該設定情報セット811において、中間ドキュメントファイルにパスワードを設定するか否かを定めた設定情報の設定値が、中間ドキュメントファイルにパスワードを設定すべきことを示す設定値「1」であったとする。この場合には、中間ドキュメントファイル生成部15は、当該設定情報セット811に含まれているユーザーパスワードおよびオーナーパスワードを中間ドキュメントファイルに設定する。その後、当該中間ドキュメントファイルは、メインサーバ6のデータ保存部22に一時保存される(ステップS11)。なお、このように中間ドキュメントファイルにユーザーパスワードおよびオーナーパスワードを設定した場合には、当該中間ドキュメントファイルにタイムスタンプの付加等を行うことによって生成される包袋ドキュメントファイルにも、ユーザーパスワードおよびオーナーパスワードが設定されることになる。
【0067】
続いて、メインサーバ6のタイムスタンプ付加部17が、ステップS11でデータ保存部22に一時保存された中間ドキュメントファイルを読み取る。続いて、タイムスタンプ付加部17は、ステップS6で特定された設定情報セット811に含まれるユーザーパスワードおよびオーナーパスワードを読み取り、これら読み取ったユーザーパスワードおよびオーナーパスワードを用いて、上記読み取った中間ドキュメントファイルを開く(ステップS12)。続いて、タイムスタンプ付加部17は、当該中間ドキュメントファイルのハッシュ値を算出する(ステップS13)。
【0068】
続いて、タイムスタンプ付加部17は、タイムスタンプ局に設置されたタイムスタンプ発行サーバ31とメインサーバ6との間の通信を確立し、ステップS13で算出したハッシュ値およびタイムスタンプ発行要求をタイムスタンプ発行サーバ31に送信する(ステップS14)。
【0069】
これに応じ、タイムスタンプ発行サーバ31はタイムスタンプを発行する(ステップS15)。すなわち、タイムスタンプ発行サーバ31は、メインサーバ6から受信したハッシュ値と、現在年月日時分秒を示す時刻情報とを結合させたものをタイムスタンプ局の秘密鍵で暗号化(電子署名)することによりタイムスタンプトークンを生成し、当該タイムスタンプトークンをメインサーバ6に返信する。
【0070】
続いて、メインサーバ6において、タイムスタンプ付加部17は、タイムスタンプ発行サーバ31から発行されたタイムスタンプを中間ドキュメントファイルに付加する。具体的には、タイムスタンプ付加部17は、タイムスタンプ発行サーバ31からタイムスタンプトークンを受信し、このタイムスタンプトークンをタイムスタンプデータ78として中間ドキュメントファイルに埋め込む(ステップS16)。これにより、電子メール41に基づく包袋ドキュメントファイル51が完成する。
【0071】
続いて、メインサーバ6の包袋ドキュメントファイル出力部18が、当該包袋ドキュメントファイル51を包袋ドキュメントファイル保存部24に保存する(ステップS17)。このとき、包袋ドキュメントファイル出力部18は、ステップS6で特定された設定情報セット811に含まれる設定情報(
図5中の設定情報項目No.9−2)に基づいて、包袋ドキュメントファイル51を保存すべきフォルダ(またはディレクトリ)を特定し、当該フォルダ内に包袋ドキュメントファイル51を保存する。なお、包袋ドキュメントファイルの保存については後に詳述する。
【0072】
続いて、包袋ドキュメントファイル出力部18は、ステップS6で特定された設定情報セット811に含まれる設定情報に基づいて、包袋ドキュメントファイル51を利用者の端末装置2に向けて送信する方法を選択する。すなわち、ステップS6で特定された設定情報セット811には、返信メールへの包袋ドキュメントファイルの添付の有無を定めた設定情報(
図5中の設定情報項目No.9−1)が含まれている。ここで、当該設定情報セット811において、返信メールへの包袋ドキュメントファイルの添付の有無を定めた設定情報の設定値が、返信メールへの包袋ドキュメントファイルの添付を行うべきことを示す設定値「1」であったとする。この場合には、包袋ドキュメントファイル出力部18は、返信メールを生成し、当該返信メールに包袋ドキュメントファイル51を添付し、包袋ドキュメントファイル51が添付された返信メールを、メインサーバ6の電子メールクライアント11に送る。この包袋ドキュメントファイル51が添付された返信メールは、電子メールクライアント11によりメールサーバ5に送信される(ステップS18)。さらに、包袋ドキュメントファイル51が添付された当該返信メールは、メールサーバ5により受信され(ステップS19)、メールサーバ5内の記憶装置に保存される(ステップS20)。端末装置2の電子メールクライアント3は、メールサーバ5に対し、事前に設定されたメールアドレスが宛先として記述された電子メールの自己への送信を所定の設定間隔により周期的に要求している。メールサーバ5はこの要求に応じて、包袋ドキュメントファイル51が添付された上記返信メールを端末装置2に送信し、端末装置2の電子メールクライアント3は、包袋ドキュメントファイル51が添付された当該返信メールを受信する(ステップS21)。これにより、利用者は、包袋ドキュメントファイル51を取得することができる。
【0073】
(システムの動作:ダウンロード)
図8は包袋ドキュメントファイル生成システム1の動作の第2の具体例を示し、
図9は、この第2の具体例における包袋ドキュメントファイルの生成の基礎となる電子メールを示している。
図8に示す具体例は、
図9中の電子メール91を用いて包袋ドキュメントファイルを生成する場合である。
図8に示す具体例では、
図7に示す具体例と異なり、包袋ドキュメントファイルにパスワードを設定せず、利用者からのダウンロード要求に応じて包袋ドキュメントファイルをメインサーバ6から端末装置2に直接送信する場合を例にあげる。
【0074】
図8において、利用者は端末装置2を操作し、電子メール91を作成し、この電子メール91に添付ファイル92を添付する。このとき、利用者は、事前に設定され、メインサーバ6の設定情報保存部25に保存された複数の設定情報セット811ないし819にそれぞれ割り当てられた複数のメールアドレスの中から、任意のメールアドレス、例えば「MailArchive02@YYY.com」を選択し、当該選択したメールアドレスを電子メール91の宛先43として記述する(ステップS31)。そして、利用者は電子メール91を送信すべき旨の指示を端末装置2に与える。これに応じ、端末装置2の電子メールクライアント3は、電子メール91の宛先43として記述されたメールアドレス宛に、電子メール91を送信する(ステップS32)。そして、端末装置2から送信された電子メール91は、メールサーバ5により受信され(ステップS33)、メールサーバ5の内部に設けられた記憶装置に保存される(ステップS34)。
【0075】
メインサーバ6は、設定情報セット811ないし819にそれぞれ割り当てられた複数のメールアドレス宛に送信された電子メールの自己への送信を所定の設定間隔により周期的ないし定期的に要求している(ステップS35)。メールサーバ5はこの要求に応じて、上記複数のメールアドレス宛に送信された電子メールをメインサーバ6に送信し、メインサーバ6は当該電子メールを受信する。すなわち、上述した
図7中のステップS5と同様に、メインサーバ6において、メール受信制御部13は、9つの設定情報セット811ないし819に含まれているメールアドレス、ログインIDおよびログインパスワード(
図5中の設定情報項目No.1−1〜1−3)を設定情報保存部25から読み取り、これら9組のメールアドレス、ログインIDおよびログインパスワードを同時または順次に電子メールクライアント11に送る。続いて、電子メールクライアント11は、メール受信制御部13から受け取った9組のメールアドレス、ログインIDおよびログインパスワードを用いて、設定情報セット811ないし819にそれぞれ割り当てられた9つのメールアドレス宛に送信された電子メールの自己への送信をメールサーバ5に要求する。
【0076】
上記ステップS34において、メールサーバ5の内部に設けられた記憶装置には、設定情報セット812に割り当てられたメールアドレス宛に端末装置2から送信された電子メール91(すなわち、宛先43としてメールアドレス「MailArchive02@YYY.com」が記述された電子メール91)が保存されているので、メールサーバ5は、ステップS35におけるメインサーバ6の電子メールクライアント11からの要求に応じて、この電子メール91を電子メールクライアント11に送信する。そして、電子メールクライアント11は当該電子メール91を受信し、当該受信した電子メール91を電子メール保存部23に保存する。なお、この具体例では、電子メールクライアント11がメールサーバ5から1つの電子メール91のみを受信したものとする。
【0077】
続いて、メール受信制御部13は、当該受信した電子メール91の宛先43として記述されたメールアドレスが割り当てられた設定情報セット812を、包袋ドキュメントファイルの生成、保存、送信等についての設定に用いる設定情報セットとして特定する(ステップS36)。
【0078】
続いて、
図7に示すステップS7と同様に、メインサーバ6において、メールデータ抽出部14が、受信された電子メール91から、メールヘッダ、メール本文および添付ファイル92を抽出する(ステップS37)。続いて、ステップS36で特定された設定情報セット812に含まれる設定情報に基づいて、中間ドキュメントファイル生成部15が、
図7に示すステップS8およびS9と同様に、電子メール91から抽出されたメールヘッダおよびメール本文を用いて中間ドキュメントファイルを生成し、さらに、ファイル添付部16が、電子メール91から抽出した添付ファイル92と、電子メール自体(電子メール91から添付ファイル92を取り除いたもの)を当該中間ドキュメントファイルに添付する(ステップS38およびS39)。
【0079】
続いて、中間ドキュメントファイル生成部15が、ステップS36で特定された設定情報セット812に含まれる設定情報に基づいて、中間ドキュメントファイルのセキュリティに関する設定を行う。ここで、ステップS36で特定された設定情報セット812には、中間ドキュメントファイルにパスワードを設定するか否かを定めた設定情報の設定値が、中間ドキュメントファイルにパスワードを設定しないことを示す設定値「0」であったとする。この場合には、中間ドキュメントファイル生成部15は、当該中間ドキュメントファイルにいずれのパスワードも設定しない(ステップS40)。その後、当該中間ドキュメントファイルは、メインサーバ6のデータ保存部22に一時保存される(ステップS41)。
【0080】
続いて、メインサーバ6のタイムスタンプ付加部17が、ステップS42でデータ保存部22に一時保存された中間ドキュメントファイルを読み取り、上記読み取った中間ドキュメントファイルを開く(ステップS42)。そして、タイムスタンプ付加部17は、
図7に示すステップS13〜S16と同様に、当該中間ドキュメントファイルにタイムスタンプを付加する(ステップS43〜S46)。これにより、電子メール91に基づく包袋ドキュメントファイルが完成する。続いて、包袋ドキュメントファイル出力部18が、
図7に示すステップS17と同様に、当該包袋ドキュメントファイルを包袋ドキュメントファイル保存部24に保存する(ステップS47)。
【0081】
続いて、包袋ドキュメントファイル出力部18は、ステップS36で特定された設定情報セット812に含まれる設定情報に基づいて、包袋ドキュメントファイルを利用者の端末装置2に向けて送信する方法を選択する。ここで、当該設定情報セット812において、返信メールへの包袋ドキュメントファイルの添付の有無を定めた設定情報(
図5中の設定情報項目No.9−1)の設定値が、返信メールへの包袋ドキュメントファイルの添付を行わないことを示す設定値「0」であったとする。この場合には、包袋ドキュメントファイル出力部18は返信メールを生成し、電子メール91に基づく包袋ドキュメントファイルをこの返信メールに添付せずに、当該返信メールをメインサーバ6の電子メールクライアント11に送る。この返信メールには、電子メール91に基づく包袋ドキュメントファイルが生成されたことを通知するメッセージと、当該包袋ドキュメントファイルをダウンロードするウェブページへリンクするためのリンク情報が記述されている。リンク情報は例えば当該包袋ドキュメントファイルをダウンロードするためのウェブページのURL(Uniform Resource Locator)である。包袋ドキュメントファイル出力部18により送られた返信メールは、電子メールクライアント11によりメールサーバ5に送信される(ステップS48)。さらに、当該返信メールは、メールサーバ5により受信され(ステップS49)、メールサーバ5内の記憶装置に保存された後(ステップS50)、端末装置2の電子メールクライアント3からの要求に応じて、端末装置2に送信され、端末装置2の電子メールクライアント3により受信される(ステップS51)。これにより、利用者は、この返信メールを読むことにより、電子メール91に基づく包袋ドキュメントファイルが生成されたことを知ることができる。
【0082】
ここで、メインサーバ6はウェブサーバとしての機能を有している。利用者は、端末装置2にインストールされているウェブブラウザを操作してメインサーバ6にアクセスすることにより包袋ドキュメントファイルのダウンロードおよび閲覧を行うことができる。ステップS51において端末装置2により受信された返信メールには、電子メール91に基づく包袋ドキュメントファイルをダウンロードするためのウェブページのURLが記述されている。利用者が、この返信メールを電子メールクライアント3により開き、当該返信メール中のURLをマウスでクリックすると、電子メールクライアント3と連携して動作するウェブブラウザが起動し、このウェブブラウザが当該URLの指し示すウェブページにアクセスする。これにより、当該利用者の端末装置2のディスプレイ装置には、ダウンロード画面が表示される。ダウンロード画面には電子メール91に基づく包袋ドキュメントファイルのダウンロードの開始を指示するボタン等が設けられている。利用者が端末装置2を操作し、ダウンロードの開始を指示するボタンをマウスでクリックすると、端末装置2からメインサーバ6にダウンロード要求が送信される(ステップS52)。メインサーバ6がこのダウンロード要求を受信すると、メインサーバ6のダウンロード制御部21が、データ保存部22の包袋ドキュメントファイル保存部24に保存された、電子メール91に基づく包袋ドキュメントファイルを読み取り、これを端末装置2に送信する(ステップS53)。そして、端末装置2は当該包袋ドキュメントファイルを受信する(ステップS54)。これにより、利用者は、電子メール91に基づく包袋ドキュメントファイルを取得することができる。このように、返信メールに包袋ドキュメントファイルをダウンロードするためのウェブページのURLを記述することにより、利用者は、自らが包袋ドキュメントファイル生成システム1に生成を依頼した包袋ドキュメントファイルを簡単な操作でダウンロードすることができる。すなわち、当該包袋ドキュメントファイルをダウンロードするために、ウェブブラウザを操作してダウンロードページを探す手間や、メインサーバ6に多数保存された包袋ドキュメントファイルの中から所望の包袋ドキュメントファイルを選び出す手間を省くことができる。
【0083】
なお、上記返信メールには、電子メール91に基づく包袋ドキュメントファイルを閲覧するためのウェブページへのリンク情報(例えば当該ウェブページのURL)を記述してもよい。これにより、利用者は、電子メール91に基づく包袋ドキュメントファイルを簡単な操作で閲覧することができる。例えば包袋ドキュメントファイルの確認をする必要があるだけの場合には、当該包袋ドキュメントファイルをダウンロードしなくても、当該包袋ドキュメントファイルの内容を見ることができるので、当該包袋ドキュメントファイルのダウンロードにより、利用者の端末装置2内の記憶装置の使用容量が増加するのを防ぐことができる。
【0084】
以上、説明した通り、本発明の実施形態による包袋ドキュメントファイル生成システム1によれば、端末装置2からメールサーバ5を介して送信された電子メールからメールヘッダ、メール本文および添付ファイルを抽出し、これらを用いて包袋ドキュメントファイルを自動的に生成し、利用者に提供することができる。これにより、利用者は、一般に広く利用されている電子メールクライアントを利用し、タイムスタンプを付加したいファイルを電子メールに添付して送信すれば、タイプスタンプが付加された包袋ドキュメントファイルを取得することができる。したがって、端末装置2に既にインストールされている電子メールクライアントおよびメールサーバをそのまま利用することができるので、利用者が今まで利用してきた既存の事務処理環境に、包袋ドキュメントファイル生成システム1を容易に導入することができる。
【0085】
また、本発明の実施形態による包袋ドキュメントファイル生成システム1によれば、利用者が、電子メールの宛先として選択したメールアドレスが割り当てられた設定情報セット811ないし819に基づいて包袋ドキュメントファイルの生成、保存、送信等を行うので、利用者の要望に合致した形態の包袋ドキュメントファイルを、当該利用者の要望に合致した情報伝送経路を介して提供することができる。さらに、利用者が電子メールの宛先として当該電子メールに記述したメールアドレスにより設定情報セット811ないし819のうちのいずれかが自動的に特定されるので、利用者は、包袋ドキュメントファイルに関する設定を電子メールの宛先のメールアドレスを選択するだけで終えることができ、包袋ドキュメントファイルに関する設定をきわめて容易に行うことができる。
【0086】
(拡張子追加処理)
本発明の実施形態による包袋ドキュメントファイル生成システム1は、包袋ドキュメントファイルに含ませる添付ファイルの拡張子を変更し、または新たな拡張子を追加する機能を備えている。これにより、包袋ドキュメントファイルに含まれた添付ファイルが、メールソフトやセキュリティソフト、ドキュメントファイル閲覧ソフト等のフィルタリング機能により閲覧不能または保存不能となることを防止することができる。
【0087】
例えば、
図7に示すように、包袋ドキュメントファイル51を生成する過程のステップS9において、中間ドキュメントファイルに添付ファイル49、50を添付するとき、メインサーバ6のファイル添付部16は、例えば添付ファイル49の拡張子が、拡張子追加処理を適用すべき拡張子か否かを判断する。拡張子追加処理を適用すべき拡張子は、メールソフトやセキュリティソフト、ドキュメントファイル閲覧ソフト等のフィルタリング機能により閲覧不能または保存不能となる可能性のある拡張子(例えば「exe」、「com」、「bat」、「zip」等)であり、設定情報セット811中の設定情報(
図5中の設定情報項目No.7−4)として事前に定められている(設定情報セット812ないし819においても同様)。そして、添付ファイル49の拡張子が、拡張子追加処理を適用すべき拡張子である場合には、ファイル添付部16は、添付ファイル49に新たな拡張子を追加する。この新たな拡張子は、メールソフトやセキュリティソフト、ドキュメントファイル閲覧ソフト等のフィルタリング機能により閲覧不能または保存不能となる可能性のない拡張子(例えば「aaa」等)であり、設定情報セット811中の設定情報(
図5中の設定情報項目No.7−5)として事前に定められている(設定情報セット812ないし819においても同様)。一方、添付ファイル49の拡張子が、拡張子追加処理を適用すべき拡張子でない場合には、ファイル添付部16は、添付ファイル49に新たな拡張子を追加しない。添付ファイル50についても同様の処理が行われる。
【0088】
例えば、添付ファイルのファイル名が「abcd.exe」の場合、拡張子追加処理により当該添付ファイルに例えば拡張子「aaa」を追加すると、添付ファイルのファイル名は「abcd.exe.aaa」となる。なお、添付ファイルの拡張子が拡張子追加処理を適用すべき拡張子である場合に、当該添付ファイルに新たな拡張子を追加するのではなく、当該添付ファイルの拡張子を他の拡張子に変更してもよい。この場合、上記添付ファイルの拡張子を「aaa」を変更することにより、上記添付ファイルのファイル名は「abcd.aaa」となる。また、他の拡張子に変更したときには、例えば、包袋ドキュメントファイルの添付ファイル名57等に、ファイル名変更の明示と変更前ファイル名を追記してもよい。これにより、利用者が本来の拡張子を失念してしまうことを防ぐことができ、本来の拡張子の失念により添付ファイルを開けなくなるといった不都合をなくすことができる。
【0089】
なお、添付ファイル49、50の拡張子が、メールソフトやセキュリティソフト、ドキュメントファイル閲覧ソフト等のフィルタリング機能により閲覧不能または保存不能となる可能性のある拡張子である場合に、拡張子を変更せずに、包袋ドキュメントファイルの生成を中断して、エラーメールを利用者や管理者に送信するようにしてもよい。
【0090】
(包袋ドキュメントファイルの保存)
本発明の実施形態による包袋ドキュメントファイル生成システム1は、包袋ドキュメントファイルのアーカイブ(書庫ないし保存管理装置)としても機能する。例えば、
図7中のステップS17において、メインサーバ6の包袋ドキュメントファイル出力部18は、包袋ドキュメントファイル51を包袋ドキュメントファイル保存部24に保存する。ここで、包袋ドキュメントファイル保存部24には、例えば
図10に示すようなツリー構造で複数のフォルダが形成されている。そして、ステップS6で特定された設定情報セット811に含まれる設定情報(
図5中の設定情報項目No.9−2)には、包袋ドキュメントファイル51を保存すべきフォルダのフォルダ名またはパス名(例えば「Info/Products」)が定められている。包袋ドキュメントファイル出力部18は、ステップS17において、ステップS6で特定された設定情報セット811に含まれる設定情報(
図5中の設定情報項目No.9−2:「Info/Products」)に基づいて、包袋ドキュメントファイル51を保存すべきフォルダ(「Info/Products」)を特定する。さらに、包袋ドキュメントファイル出力部18は、当該設定情報に基づいて特定されたフォルダ内に、当該包袋ドキュメントファイル51の生成の基礎となる電子メール41の差出人のメールアドレスをフォルダ名としたフォルダを作成し、さらにこのフォルダ内に、当該包袋ドキュメントファイル51の生成時点の年月日に対応したフォルダを作成し、このフォルダ内に包袋ドキュメントファイル51を保存する。また、包袋ドキュメントファイル出力部18は、当該包袋ドキュメントファイル51の生成時点の年月日にランダムな複数桁の数字を付加した文字列を、当該包袋ドキュメントファイル51のファイル名として設定する。ファイル名にランダムな複数桁の数字を付加することにより、同日に同一の設定情報セット811に基づいて複数の包袋ドキュメントファイルが生成されても、これらすべての包袋ドキュメントファイルを確実に保存することができる。
【0091】
このように、本発明の包袋ドキュメントファイル生成システム1によれば、包袋ドキュメントファイルを所定のフォルダに振り分けて保存することができ、包袋ドキュメントファイルの効率の良い管理を実現することができる。また、包袋ドキュメントファイルの複数の保存先を事前に定め、これら複数の保存先を定めた複数の設定情報セット811ないし819を設定情報保存部25に事前に保存しておけば、利用者は、電子メールの宛先のメールアドレスを選択するだけで、包袋ドキュメントファイルの保存先を容易に選択することができる。
【0092】
また、これにより、各包袋ドキュメントファイルをメインサーバ6により一括管理することができ、管理が容易になると共に、セキュリティの向上がメインサーバ6だけのセキュリティ環境改善で足りるので容易となる。
【0093】
(システム管理)
本発明の実施形態による包袋ドキュメントファイル生成システム1は、システム管理機能を有している。メインサーバ6に対し、管理者通知用メールアドレス、管理者通知頻度等を事前に設定しておけば、メインサーバ6は、設定された管理者通知頻度に従って管理者通知用メールを管理者に自動的に送信する。管理者通知用メールの内容は、例えば、包袋ドキュメントファイルの保存履歴や、データ保存部の記憶状態を示す情報、エラー履歴等である。例えば、
図7中のステップS9において、添付ファイル49、50および電子メール自体79のサイズの合計が、ステップS6で特定された設定情報セット811に含まれる設定情報に定められた添付ファイルのサイズの合計の最大値以内でない場合に、このような添付ファイルサイズエラーが発生した事実を管理者通知メールの内容に含めるようにしてもよい。また、各種エラー通知メールは管理者通知頻度に関係なく即時送信してもよい。なお、管理者通知用メールアドレス、管理者通知頻度を設定情報セット811中に定めてもよい(
図5中の設定情報項目No.10−1および10−2参照)。
【0094】
なお、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う包袋ドキュメントファイル生成装置および包袋ドキュメントファイル生成方法もまた本発明の技術思想に含まれる。