特許第5764137号(P5764137)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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▶ インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5764137
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】小型リストを有する手術ツール
(51)【国際特許分類】
   A61B 19/00 20060101AFI20150723BHJP
【FI】
   A61B19/00 502
【請求項の数】8
【全頁数】54
(21)【出願番号】特願2012-539035(P2012-539035)
(86)(22)【出願日】2010年11月12日
(65)【公表番号】特表2013-510684(P2013-510684A)
(43)【公表日】2013年3月28日
(86)【国際出願番号】US2010056607
(87)【国際公開番号】WO2011060315
(87)【国際公開日】20110519
【審査請求日】2013年9月26日
(31)【優先権主張番号】61/260,903
(32)【優先日】2009年11月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/260,910
(32)【優先日】2009年11月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/260,915
(32)【優先日】2009年11月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100062409
【弁理士】
【氏名又は名称】安村 高明
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】バーバンク, ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ダーカス, グレゴリー ザ セカンド
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー, トッド
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0208186(US,A1)
【文献】 特表2002−504863(JP,A)
【文献】 特開2008−036219(JP,A)
【文献】 特開2001−276091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00 − 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端と遠位端とを有する管状器具シャフトであって、該器具シャフトは、該近位端と該遠位端との間に孔を有し、該器具シャフトは、器具シャフト軸を有する、器具シャフトと、
エンドエフェクタ本体を備えるエンドエフェクタと、
器具シャフトの該遠位端と枢動可能に連結され、該エンドエフェクタ本体と枢動可能に連結される中間リスト部材であって、該器具シャフトに対する該中間リスト部材の枢動は、該器具シャフトに対して第1軸の周囲に該中間リスト部材を配向し、該中間リスト部材に対する該エンドエフェクタ本体の枢動は、該中間リスト部材に対して第2軸の周囲に該エンドエフェクタを配向し、該第1軸は該器具シャフト軸を横断し、該第2軸は該第1軸を横断し、該中間リスト部材は、該第1軸に沿った外部幅および該第2軸に沿った外部長さを有し、該長さは、該中間リスト部材が該第2軸に沿って細長い断面を有するように、該幅とは有意に異なる、中間リスト部材と、
該エンドエフェクタ本体を配向し、該エンドエフェクタを作動するように、該器具シャフトの孔を通して遠位に延在する作動システムであって、該作動システムの一部分は、該器具シャフトと該エンドエフェクタ本体との間の該中間リスト部材の該細長い断面から該第1軸に沿って横方向に分離されている、作動システムと
該シャフトを該中間リスト部材に枢動可能に連結する第1の継手と、
該中間リスト部材を該エンドエフェクタ本体に枢動可能に連結する第2の継手と
を備え
該第1の継手は、該第1の継手が、該作動システムの該横方向に分離した部分がない、該器具シャフトと該エンドエフェクタ本体との間の中央領域内に配置されるように、該中間リスト部材の幅以内で該第1軸に沿って延在する単一の枢動シャフトを備え、
該第2の継手は、該第2軸に沿って分離される、第1および第2の同軸枢動シャフトを備える、低侵襲手術ツール。
【請求項2】
前記中間リスト部材の幅は、該中間リスト部材の長さの4分の1未満である、請求項1に記載のツール。
【請求項3】
前記第1軸および前記第2軸は、交差するか、交差から2mm以内にある、請求項1に記載のツール。
【請求項4】
前記第1軸および前記第2軸は、交差する、請求項に記載のツール。
【請求項5】
前記中間リスト部材は、前記器具シャフトと前記エンドエフェククタ本体との間、および前記第2の継手の前記同軸枢動シャフトの間で、前記作動システムの制御ケーブルを誘導するための誘導表面を備える、請求項に記載のツール。
【請求項6】
前記器具シャフトと固定して連結され、前記第1軸の周囲で回転するために前記中間リスト部材と枢動可能に連結される支持部材をさらに備え、該支持部材は、該器具シャフトの孔と前記エンドエフェクタ本体との間に送られる前記作動システムの制御ケーブルを誘導するための誘導表面を備え、該誘導表面は、前記第1および前記第2軸の周囲での枢動中にケーブル張力の変化を阻止するように該制御ケーブルを拘束する、請求項に記載のツール。
【請求項7】
前記作動システムの配向部分は、前記第1および前記第2軸の周囲で前記器具シャフトに対する前記エンドエフェクタ本体の配向を変化させるように動作可能であり、前記配向部分は、その配向を変更するよう前記エンドエフェクタ本体に適用される力が、該作動システムによって前記孔を通して近位に伝達されるように後方駆動可能である、請求項1に記載のツール。
【請求項8】
前記エンドエフェクタの作動は、該エンドエフェクタの継手の関節動作を含む、請求項1に記載のツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本願は、2009年11月13日出願の米国仮出願番号61/260,903(代理人事件番号ISRG02320PROV、名称「WRIST ARTICULATION BY LINKED TENSION MEMBERS」)、2009年11月13日出願の米国仮出願番号61/260,910(代理人事件番号ISRG02340PROV、名称「DOUBLE UNIVERSAL JOINT」)、および、2009年11月13日出願の米国仮出願番号61/260,915(代理人事件番号ISRG02350PROV、名称「SURGICAL TOOL WITH A TWO DEGREE OF FREEDOM WRIST」)の利益を主張し、これらの仮出願の全開示は本明細書において参考として援用される。本願は、2009年11月13日出願の米国仮出願番号61/260,907(代理人事件番号ISRG02330PROV、名称「END EFFECTOR WITH REDUNDANT CLOSING MECHANISMS」)および2009年11月13日出願の米国仮出願番号61/260,919(代理人事件番号ISRG02360PROV、名称「MOTOR INTERFACE FOR PARALLEL DRIVE SHAFTS WITHIN AN INDEPENDENTLY ROTATING MEMBER」)に関連し、これらの仮出願の全開示は本明細書において参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
低侵襲手術技法は、診断または外科的手技中に損傷される外部組織の量を低減し、それにより、患者の回復時間、不快感、および有害な副作用を低減することを目的としている。結果として、低侵襲手術技法を使用して、標準的な手術の入院の平均的長さが有意に短縮されてもよい。また、患者の回復時間、患者の不快感、手術の副作用、および仕事を休む時間も、低侵襲手術で低減されてもよい。
【0003】
低侵襲手術の一般的な形態は、内視鏡検査であり、内視鏡検査の一般的な形態は、腹腔の内側の低侵襲検査および手術である、腹腔鏡検査である。標準的な腹腔鏡手術では、患者の腹部がガスで吹送され、腹腔鏡器具用の進入ポートを提供するように、カニューレスリーブが小(約1/2インチ以下)切開を通過させられる。
【0004】
腹腔鏡手術器具は、概して、手術野を視認するための内視鏡(腹腔鏡)と、手術部位で作業するためのツールとを含む。作業ツールは、各ツールの作業端またはエンドエフェクタが、延長チューブ(例えば、器具シャフトまたは主シャフトとしても知られる)によってそのハンドルから分離されることを除いて、従来の(切開)手術で使用されるものと典型的には同様である。エンドエフェクタは、例えば、クランプ、把持装置、鋏、吻合器、焼灼ツール、線形カッター、または針ホルダを含むことができる。
【0005】
外科的手技を行うために、外科医は、作業ツールを、内部手術部位までカニューレスリーブに通過させ、腹部の外側からそれらを操作する。外科医は、内視鏡から得られる手術部位の画像を表示するモニタから、手技を視認する。同様の内視鏡技法が、例えば、関節鏡検査、後腹膜鏡検査、骨盤鏡検査、腎盂鏡検査、膀胱鏡検査、脳槽鏡検査、洞房鏡検査、子宮鏡検査、尿道鏡検査、および同等物で採用される。
【0006】
低侵襲遠隔手術ロボットシステムは、内部手術部位で作業するときに外科医の器用さを増大させるように、および外科医が遠隔場所(滅菌野の外側)から患者に手術をすることを可能にするように、開発されている。遠隔手術システムでは、外科医にはしばしば、制御コンソールにおいて手術部位の画像が提供される。好適なビューアまたはディスプレイ上で手術部位の3次元画像を視認しながら、外科医は、制御コンソールのマスタ入力または制御デバイスを操作することによって、患者に外科的手技を行う。マスタ入力デバイスのそれぞれは、サーボ機械的に作動/関節動作する手術器具の運動を制御する。外科的手技中に、遠隔手術システムは、種々の手術器具またはツールの機械的作動および制御を提供することができる。遠隔手術ツールの多くは、マスタ入力デバイスの操作に応じて、外科医にとって種々の機能、例えば、針を保持または駆動すること、血管を把持すること、組織を解離すること等を果たす、ジョーまたは他の関節動作可能なエンドエフェクタを有する。遠位リスト継手を有するツールは、外科医が内部手術部位内でツールを配向させることを可能にし、外科医がリアルタイムで組織と相互作用する(および組織を治療する)ことができる自由を多大に増進する。
【0007】
遠隔手術システムは、増大する種々の治療のために外科医による増加する用途を見出している。新しいツール、具体的には、吻合器、線形カッター、および同等物等のツール(内部組織に対して有意な締め付け力および他の力を課すことが可能である)が、この増大を継続するのに役立つ。残念ながら、特に、遠隔手術タスクに所望されるツールでの応答時間、精度、融通性、および信頼性を保持しながら、既知のツールリストを通して所望の遠隔手術エンドエフェクタの力を伝達することは困難となり得る。
【0008】
例えば、線形締め付け、切断、および吻合デバイスを備える、非ロボット手術ツールが、多くの異なる外科的手技において採用されてきた。そのようなツールは、消化管から癌性または異常組織を切除するために使用することができる。残念ながら、既知の線形締め付け、切断、および吻合デバイスを含む、多くの手術ツールは、小型関節動作リストにわたって所望のトルク(例えば、組織締め付けトルク)または力(例えば、ステープル発射力)を伝達する能力が欠けており、それが手術ツールの有効性を低減する場合がある。シャフト駆動型締め付け機構を伴う代替的ツールもまた、外科医の手首の自然な動作を模倣するように、エンドエフェクタの回転移動を提供することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記で挙げられる理由により、改良された手術用および/またはロボットリスト構造を提供することが望ましい。また、強化されたエンドエフェクタの力、および遠隔手術制御に好適な応答時間を可能にしながら、外科医の手首の自然な動作を模倣するリスト機構を含む、改良型低侵襲手術ツールを提供することも望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
2自由度リストおよび関連方法を伴う手術ツールを提供する。開示された手術ツールは、低侵襲手術で使用されるときに特に有益であってもよい。多くの実施形態では、中間リスト部材は、シャフトに対して直角な第1軸の周囲で回転するよう、器具シャフトの遠位端と枢動可能に連結され、エンドエフェクタ本体は、第1軸に対して直角な第2軸の周囲で回転するよう、中間部材に枢動可能に連結される。そのような2自由度リストは、外科医の手首の自然な動作を模倣する方法でエンドエフェクタ本体を関節動作させ、それにより、エンドエフェクタ本体の所望量の操縦性を提供するために使用することができる。多くの実施形態では、中間部材は、細長い形状を有する。細長い形状は、作動構成要素、例えば、器具シャフトに対してエンドエフェクタ本体を関節動作させる作動構成要素、およびエンドエフェクタ本体に対して1つ以上のエンドエフェクタ特徴を関節動作させる作動構成要素(例えば、制御ケーブル、駆動シャフト)の経路指定のために、隣接領域を空けておく。多くの実施形態では、2自由度リストは、制御ケーブルを誘導するための内部通路を含む。そのような内部通路は、第1および第2軸の周囲での枢動中に制御ケーブル張力の変化を阻止するように構成することができる。
【0011】
例示的実施形態は、リンク張力部材を介して、リスト関節動作を提供する。多くの実施形態では、エンドエフェクタが内部手術空間内で配向されることを可能にするように、エンドエフェクタが、2自由度継手を介して細長いシャフトの遠位端と連結される。例示的実施形態では、張力部材の対向移動が、シャフトに対してエンドエフェクタを角度配向させ、張力部材とエンドエフェクタとの間の摺動界面が、張力部材の張力の変化を阻止するよう、エンドエフェクタの配向との相関関係において張力部材の位置を変化させる。張力部材の張力のそのような変化を阻止することによって、例えば、対向張力部材が、共通線形駆動機構(例えば、モータ駆動型キャプスタン)を共有する状態で、張力部材がリンクペアとして使用されるときに、手術ツール構成要素の不利な制御ケーブルの緩みおよび/または過大応力が回避されてもよい。リンクペアの中の張力部材を作動させることにより、シャフトに対するエンドエフェクタの円滑で反応の良い関節動作を提供してもよい。リンク張力部材によりリスト関節動作はまた、シャフトの遠位での手術ツールの長さを短縮するために使用することもでき、それは、密閉身体空間内のアクセス、身体構造へのアクセスの角度、および身体構造の可視性を向上させてもよい。
【0012】
角度を通してトルクを伝達するための機構、角度を通してトルクを伝達するための機構を備える低侵襲手術ツール、および関連方法も提供される。開示された機構は、例えば、2自由度リストを介して器具シャフトに取り付けられる手術用エンドエフェクタのシャフト駆動型作動機構にトルクを伝達するために、使用することができる。多くの手術用途(例えば、多くの低侵襲手術用途)では、外科医の手首の(しばしば比較的急速な)自然な動作を模倣するよう、2自由度リストを介して器具シャフトの遠位端に取り付けられる手術用エンドエフェクタを備える、手術ツールを使用することが有益であってもよい。回転可能なシャフト駆動でエンドエフェクタを作動させることによって、狭いシャフトを通して、高レベルの力を組織に適用することができる。例えば、高い締め付け力を生成するよう、エンドエフェクタの締め付けジョーを関節動作させるために、そのようなシャフト駆動型機構を使用することができる。例示的実施形態は、球端部がソケット角度を制約するように一緒に連結され、ソケットを横断するピンがトルクを伝える、比較的単純な二重ボールソケット継手システムを使用して、低侵襲手術ツールの角度を成すリストを通して十分なトルクを伝達することができる。この単純配設は、例えば、手術器具で使用するための小型化に役立つ。この単純配設はまた、60度を超える角度を通してトルクを伝達するツールの信頼性も向上させ、それにより、器具シャフトに対するエンドエフェクタの実質的な再配向を可能にしてもよい。多くの実施形態では、駆動シャフトおよび被駆動シャフトの回転速度は、駆動シャフトおよび被駆動シャフトが非平行であるときでさえも実質的に等しく、それは、角度を通したトルクの円滑な伝達を提供するのに役立ってもよい。
【0013】
第1の側面では、低侵襲手術ツールが提供される。手術ツールは、その間に孔を伴って近位端および遠位端を有する、管状器具シャフトと、エンドエフェクタ本体を含むエンドエフェクタと、シャフトの遠位端と枢動可能に連結され、エンドエフェクタ本体と枢動可能に連結される、中間リスト部材と、エンドエフェクタ本体を配向させ、エンドエフェクタを作動させるよう、シャフトの孔を通して遠位に延在する作動システムとを含む。器具シャフトは、器具シャフト軸を有する。シャフトに対する中間本体の枢動は、シャフトに対して第1軸の周囲で中間部材を配向させる。中間部材に対するエンドエフェクタ本体の枢動は、中間部材に対して第2軸の周囲でエンドエフェクタ本体を配向させる。第1軸は、シャフト軸に対して直角である。第2軸は、第1軸に対して直角である。中間部材は、第1軸に沿った外部幅と、第2軸に沿った外部長さとを有する。長さは、中間部材が細長い断面を有するように、幅とは有意に異なる。作動システムの一部分は、シャフトとエンドエフェクタ本体との間の中間部材の細長い断面から横方向に分離される。
【0014】
中間部材は、1つ以上の追加の特徴および/または特性を含むことができる。例えば、中間部材の幅は、中間部材の長さの4分の1未満となり得る。第1軸および第2軸は、同一平面上である2mm以内にあり得る。第1軸および第2軸は、同一平面上にあり得る。中間部材は、器具シャフトとエンドエフェクタ本体との間で作動システムの制御ケーブルを誘導するための内部通路を含むことができる。
【0015】
手術ツールは、1つ以上の追加の構成要素を含むことができる。例えば、手術ツールは、シャフトを中間部材に枢動可能に連結する第1の継手と、中間部材をエンドエフェクタ本体に枢動可能に連結する第2の継手とを含むことができる。第1の継手が、作動システムの横方向に分離した部分がない、シャフトとエンドエフェクタ本体との間の中央領域内に配置されるように、第1の継手は、中間部材の幅以内で第1軸に沿って延在する、単一の枢動シャフトを含むことができる。第2の継手は、第2軸に沿って分離される、第1および第2の同軸枢動シャフトを含むことができる。中間部材は、器具シャフトとエンドエフェクタ本体との間、および第2の継手の同軸枢動シャフトの間で、作動システムの制御ケーブルを誘導するための内部通路を含むことができる。手術ツールは、器具シャフトと固定して連結され、第1軸の周囲で回転するために中間部材と枢動可能に連結される、支持部材を含むことができる。支持部材は、器具シャフトの孔とエンドエフェクタ本体との間に送られる作動システムの制御ケーブルを誘導するための内部通路を含むことができる。ガイド表面は、第1および第2軸の周囲での枢動中にケーブル張力の変化を阻止するよう、制御ケーブルを拘束することができる。
【0016】
作動ツールは、1つ以上の付加的な特徴および/または特性を含むことができる。作動システムの横方向に分離した部分は、エンドエフェクタの第1の作動機構を駆動するための第1の回転可能駆動シャフトを含むことができる。第1の駆動シャフトは、中間部材の第1の側面に隣接して通過するよう、エンドエフェクタ本体と孔との間に送ることができる。作動システムの横方向に分離した部分はさらに、エンドエフェクタの第2の作動機構を駆動するための第2の回転可能駆動シャフトを含むことができる。第2の駆動シャフトは、中間部材の第2の側面に隣接して通過するよう、エンドエフェクタ本体と孔との間に送ることができ、第2の側面は、第1の側面の反対側にある。作動システムの配向部分は、第1および第2軸の周囲で器具シャフトに対するエンドエフェクタ本体の配向を変化させるように動作可能となり得る。配向部分は、その配向を変更するようエンドエフェクタに適用される力が、作動システムによって孔を通して近位に伝達されるように、後方駆動可能となり得る。エンドエフェクタの作動は、前記エンドエフェクタの継手の関節動作を含むことができる。
【0017】
別の側面では、低侵襲手術ツールを製造するための方法が提供される。方法は、器具シャフトの細長い方向と非平行に配向される第1軸の周囲で回転するために、中間部材を器具シャフトに枢動可能に連結するステップと、第1軸および細長い方向と非平行に配向される第2軸の周囲で回転するために、エンドエフェクタを中間部材に枢動可能に連結するステップと、作動機構をエンドエフェクタと連結するステップとを含む。作動機構は、2次元で細長い方向に対してエンドエフェクタの配向を変化させるように動作可能である。作動機構の少なくとも一部分は、中間部材の外側を通過し、中間部材の少なくとも1つの側面から分離されるよう、エンドエフェクタと器具シャフトの孔との間に送られる。
【0018】
低侵襲手術ツールを製造するための方法では、器具シャフトに連結され、エンドエフェクタが連結される中間部材は、1つ以上の付加的な特徴および/または特性を含むことができる。例えば、第1軸は、第2軸に垂直となり得る。第1軸または前記第2軸のうちの少なくとも1つは、器具シャフトの細長い方向に垂直となり得る。中間部材は、第1軸の方向の外部幅と、第1軸の方向の幅よりも大きい第2軸の方向の最大外部長さとを有することができる。中間部材は、外部長さの3分の1未満である、第1軸方向の最大外部幅を有することができる。中間部材は、エンドエフェクタ本体と器具シャフトの孔との間に送られる制御ケーブルを誘導するための内部通路を含むことができる。ガイド表面は、第1および第2軸の周囲での枢動中にケーブル張力の変化を阻止するよう、制御ケーブルを拘束することができる。
【0019】
方法は、さらなるステップを含むことができる。例えば、方法はさらに、中間部材の内部通路を通してエンドエフェクタ制御ケーブルを送るステップを含むことができる。方法はさらに、その配向を変更するようエンドエフェクタに適用される力が、作動システムによって孔を通して近位に伝達されるように、器具シャフトに対するエンドエフェクタ本体の配向を変化させることによって、作動機構を後方駆動するステップをさらに含むことができる。エンドエフェクタの作動は、エンドエフェクタの継手を関節動作させるステップを含むことができる。
【0020】
別の側面では、低侵襲手術方法が提供される。方法は、低侵襲開口または天然口を介して、ツールの手術用エンドエフェクタを内部手術部位まで挿入するステップと、エンドエフェクタを支持するツールのシャフトに対して第1軸の周囲で中間部材を配向させるよう、第1の継手の周囲でツールのシャフトに対してツールの中間部材を枢動させるステップと、中間部材に対して第2軸の周囲でエンドエフェクタを配向させるよう、第2の継手の周囲で中間部材に対してエンドエフェクタを枢動させるステップと、孔と中心継手から横方向にオフセットされたエンドエフェクタとの間を通過する、作動システム構成要素を用いて、エンドエフェクタを機械的に作動させるステップとを含む。第1の継手および第2の継手のうちの1つは、ツールの断面の中心部分内に配置される、中心に位置する継手である、中心継手を含む。方法では、エンドエフェクタの作動は、エンドエフェクタの継手を関節動作させるステップを含むことができる。
【0021】
別の側面では、低侵襲手術ツールが提供される。手術ツールは、細長い第1のリンクと、第2のリンクと、第2のリンク上に配置される4つの取付特徴と、4つの張力部材とを含む。細長い第1のリンクは、遠位端と、近位端と、その間に画定される第1のリンク軸とを有する。第1のリンクは、軸方向孔を有する。第2のリンクは、第1軸および第2軸の周囲で第2のリンクを配向させるよう、前記第1のリンクの遠位端と枢動可能に連結される。第1および第2軸は、第1のリンク軸と非平行である。第1軸は、第2軸と非平行である。4つの張力部材は、張力部材の対向軸方向移動が、第1および第2軸の周囲で第1のリンクに対して第2のリンクを角度配向させるように、第1のリンクの孔の内側から取付特徴まで遠位に延在する。張力部材と取付特徴との間の界面は、張力部材の張力の変化を阻止するよう、第1のリンクに対する第2のリンクの角度配向との相関関係において、第2のリンクに対して張力部材の位置を変化させる。
【0022】
第1および第2軸は、1つ以上の付加的な特性を有することができる。例えば、第1および第2の軸は、非交差型となり得る。第1および第2軸は、種々の距離で、例えば、2mm以下で分離することができる。第1軸は、第1のリンク軸に対して直角となり得て、第2軸は、前記第1軸に対して直角となり得る。
【0023】
張力部材のそれぞれは、張力部材の運動を選択的に制約するよう、対応する取付特徴と相互作用することができる。例えば、張力部材のそれぞれは、第2のリンクが前記第1軸の周囲で枢動するときに、取付特徴のうちの1つに対して第1の関連中心の周囲で枢動することができる。張力部材のそれぞれは、第2のリンクが前記第2軸の周囲で枢動するときに、取付特徴のうちの1つに対して第2の関連中心の周囲で枢動することができる。張力部材は、取付特徴に摺動可能に係合することができる。界面は、円形断面および曲線界面軸を有する、曲線円筒表面を含むことができ、円形断面は、断面中心を画定し、曲線界面軸は、曲率中心を画定する。第1および第2の関連中心のそれぞれは、断面中心または曲率中心に対応することができる。
【0024】
取付特徴は、湾曲部分を備えることができる。例えば、取付特徴のそれぞれは、湾曲部分を備えることができる。張力部材のそれぞれは、第2のリンクが第1および第2軸のうちの1つの周囲で枢動するときに、湾曲部分に対して、かつそれに沿って摺動するよう、湾曲部分のうちの1つを摺動可能に受容するように構成される、取付ラグを備えることができる。湾曲部分のそれぞれは、第1軸または第2軸と垂直な平面内にある、中心線を備えることができる。湾曲部分のそれぞれは、その曲線中心線の周囲の第1の曲率半径と、その曲線中心線の固定曲率中心とを有することができる。固定曲率中心のそれぞれは、第1軸または第2軸のうちの少なくとも1つを含む平面内に位置することができる。湾曲部分の中心線のそれぞれは、第1軸または第2軸のうちの少なくとも1つを含む平面に接することができる。
【0025】
取付特徴は、取付ラグを備えることができる。例えば、取付特徴のそれぞれは、取付ラグを備えることができる。張力部材のそれぞれは、第2のリンクが第1および第2軸のうちの1つの周囲で枢動するときに、湾曲部分が取付ラグ内で摺動するように、取付ラグのうちの1つによって摺動可能に受容されるように構成される、湾曲部分を備えることができる。取付ラグのそれぞれは、第1軸または第2軸と平行に配向される接続穴軸を有することができる。各接続穴軸は、第1軸または第2軸のうちの少なくとも1つを含む平面内に位置することができる。湾曲部分のそれぞれは、第1軸または第2軸に垂直な平面内にある、曲線中心線を備えることができる。湾曲部分のそれぞれは、その曲線中心線の周囲の第1の曲率半径と、その曲線中心線の固定曲率中心とを有することができる。固定曲率中心のそれぞれは、第1軸または第2軸のうちの少なくとも1つを含む平面内に位置することができる。湾曲部分の中心線のそれぞれは、第1軸または第2軸のうちの少なくとも1つを含む平面に接することができる。
【0026】
対角線上に対向した張力部材を一緒に対合することができ、共通して作動させることができる。例えば、取付特徴のそれぞれは、第1のリンク軸に沿って見たときに第1および第2軸からオフセットすることができ、取付特徴のうちの1つは、第1のリンク軸に沿って見たときに第1および第2軸によって画定される各四分円の中に配置される。
第1の対角線上に対向した一対の張力部材は、第1の対角線上に対向した一対のうちの第1の張力部材から第1の対角線上に対向した一対のうちの第2の張力部材まで延在する、少なくとも1つのケーブルによって作動させることができ、少なくとも1つのケーブルは、第1のキャプスタンに巻き付けられる。第2のリンクに対する第1の対角線上に対向した一対の張力部材の変化する位置は、張力部材が球面中心継手で取付特徴に連結された場合に課される、少なくとも1つのケーブルの張力における振動を阻止することができる。第2の対角線上に対向した一対の張力部材は、第2の対角線上に対向した一対のうちの第1の張力部材から第1の対角線上に対向した一対のうちの第2の張力部材まで延在する、少なくとも1つのケーブルによって作動させることができ、少なくとも1つのケーブルは、第2のキャプスタンに巻き付けられる。第2のリンクに対する第2の対角線上に対向した一対の張力部材の変化する位置は、張力部材が球面中心継手で取付特徴に連結された場合に課される、少なくとも1つのケーブルの張力における振動を阻止することができる。第1の対角線上に対向した一対の張力部材は、第2の対角線上に対向した一対の張力部材とは異なり、第2のキャプスタンは、第1のキャプスタンとは異なる。
【0027】
別の側面では、手術ツールが提供される。手術ツールは、細長い第1のリンクと、複数の制御ケーブルと、第2のリンクと、複数のインターフェースアセンブリとを備える。細長い第1のリンクは、遠位端と、近位端と、およびその間に画定される第1のリンク軸とを有する。第1のリンクは、軸方向の孔を有する。複数の制御ケーブルは、第1のリンクの近位端に隣接して配置される制御ケーブル作動アセンブリから、第1のリンクの孔の内側で遠位に延在する。第2のリンクは、第1軸および第2軸の周囲で第2のリンクを配向させるよう、第1のリンクの遠位端と枢動可能に連結される。第1および第2軸は、第1のリンク軸と非平行である。第1軸は、第2軸と非平行である。各インターフェースアセンブリは、制御ケーブルの軸方向移動が、第1および第2軸の周囲で第1のリンクに対して第2のリンクを角度配向させるように、制御ケーブルのうちの1つを第2のリンクと連結する。インターフェースアセンブリのうちの1つは、湾曲部分の長さと、湾曲部分を摺動可能に受容するようにサイズ決定される取付ラグ穴を有する取付ラグとを有する。取付ラグは、第2のリンクが第1軸の周囲で回転するときに湾曲部分の周囲で回転し、第2のリンクが第2軸の周囲で回転するときに湾曲部分に対して、かつそれに沿って摺動する。
【0028】
多くの実施形態では、複数の制御ケーブルは、4本の制御ケーブルを備える。インターフェースアセンブリのそれぞれは、取付ラグが、第2のリンクが第1軸の周囲で回転するときに湾曲部分の周囲で回転し、第2のリンクが第2軸の周囲で回転するときに湾曲部分に対して、かつそれに沿って摺動するように、湾曲部分の長さと、湾曲部分を摺動可能に受容するようにサイズ決定される取付ラグ穴を有する取付ラグとを備えることができる。
【0029】
別の側面では、手術ツールを製造するための方法が提供される。方法は、第1のリンクの細長い方向と非平行に配向される第1軸の周囲で回転するように、および第1のリンクの細長い方向および第1軸の両方と非平行に配向される第2軸の周囲で回転するように、第2のリンクを第1のリンクに枢動可能に連結するためのステップと、張力部材を、第2のリンク上に配置される4つの取付特徴のそれぞれと連結するステップと、張力部材を作動させることによって、2次元で第1のリンクに対して第2のリンクの角度配向を制御するように動作可能である作動機構と張力部材のそれぞれを連結するステップとを含む。取付特徴のそれぞれは、第1のリンクの細長い方向に沿って見たときに第1および第2軸からオフセットされる。取付特徴のうちの1つは、第1のリンクの細長い方向に沿って見たときに第1および第2軸によって画定される各四分円の中に配置される。張力部材のそれぞれは、張力部材の軸方向移動が軸の周囲で第1のリンクに対して第2のリンクを角度配向するように、第1のリンクの孔の内側から第2のリンクの取付特徴のうちの1つまで遠位に延在する。張力部材と取付特徴との間の界面は、張力部材の張力の変化を阻止するよう、第1のリンクに対する第2のリンクの角度配向との相関関係において、第2のリンクに対して張力部材の位置を変化させる。
【0030】
張力部材のそれぞれを作動機構と連結するステップは、付加的なステップ、例えば、張力部材の第1の張力部材を第1の制御ケーブルと連結するステップを含むことができる。張力部材の第2の張力部材を、第2の制御ケーブルと連結することができ、第2の張力部材は、第1の張力部材と対角線上に対向する。第1および第2の制御ケーブルは、作動機構の第1のキャプスタンと連結することができる。張力部材の第3の張力部材を、第3の制御ケーブルと連結することができる。張力部材の第4の張力部材を、第4の制御ケーブルと連結することができ、第4の張力部材は、第3の張力部材と対角線上に対向する。第3および第4の制御ケーブルは、作動機構の第2のキャプスタンと連結することができる。
【0031】
別の側面では、手術器具が提供される。手術器具は、第1のリンクと、取付特徴を備える第2のリンクと、第1および第2のリンクを連結する継手と、取付ラグを備える張力部材とを備える。取付特徴は、湾曲部分を備える。継手は、第1の平面内で画定される第1軸の周囲および第2の平面内で画定される第2軸の周囲で回転する。第1および第2軸は、相互に平行であり、相互からオフセットされる。取付ラグは、取付特徴に連結される。取付ラグは、張力部材が第1軸の周囲で継手を回転させると、湾曲部分の周囲で回転する。取付ラグは、作動部材が第2軸の周囲で回転すると、湾曲部分に対して、かつそれに沿って摺動する。
【0032】
別の側面では、角度を通してトルクを伝達するための機構が提供される。機構は、その間に画定される連結軸を伴う第1端および第2端を備える、連結部材と、連結ピンと、駆動軸および遠位端を有する、駆動シャフトと、近位端および被駆動を有する、被駆動シャフトとを含む。連結部材の第1端は、容器を備える。連結ピンは、容器を横断して延在する。駆動シャフト遠位端は、容器内で受容される。駆動シャフト遠位端は、駆動シャフトの回転が連結ピンを介した連結部材の回転を生じるように、連結軸と駆動軸との間の角度の範囲の全体を通して、連結ピンを受容するスロットを備える。被駆動シャフトの近位端は、連結軸の周囲での連結部材の回転が被駆動軸の周囲での被駆動シャフトの回転を生じるように、連結部材の第2端と連結される。駆動シャフトは、駆動軸と被駆動軸との間の角度が、シャフトの回転中に変化するときに、駆動軸と前記連結軸との間、および被駆動軸と連結軸との間で、対応する角度を維持するよう、被駆動シャフトと連結される。
【0033】
角度を通してトルクを伝達するための機構は、1つ以上の付加的な特徴を含むことができ、および/または1つ以上の付加的な特性を有することができる。例えば、機構はさらに、駆動シャフトを連結ピンと連結するようにクロスピンを備えることができる。クロスピンは、前結ピンと直角に配向させ、駆動シャフトに対する回転のために載置することができる。駆動シャフト遠位端の外面は、球面を備えることができる。駆動シャフトの外面は、その間での球面枢動中に相互に対して駆動シャフトおよび容器を軸方向に拘束するよう、連結部材の容器とインターフェースすることができる。容器は、駆動シャフト球面とインターフェースする球面を備えることができる。駆動シャフト遠位端は、一式の球面歯車の歯を備えることができ、被駆動シャフト近位端は、駆動軸と連結軸との間、および被駆動軸と連結軸との間で、実質的に同等の角度を維持するよう、駆動シャフトの歯車の歯とインターフェースする、一式の球面歯車の歯を備えることができる。多くの実施形態では、駆動シャフトおよび駆動シャフトの歯車の歯、または被駆動シャフトおよび被駆動シャフトの歯車の歯のうちの少なくとも一方は、一体化して形成される。多くの実施形態では、機構は、60度を超える角度を通してトルクを伝達するように動作可能である。
【0034】
別の側面では、角度を通してトルクを伝達するための機構が提供される。機構は、遠位端および駆動軸を有する、駆動シャフトと、近位端および被駆動軸を有する、被駆動シャフトと、駆動軸の周囲での駆動シャフトの回転が、被駆動軸の周囲での被駆動シャフトの回転を生じるように、駆動シャフト遠位端および被駆動シャフト近位端のそれぞれと連結される、連結部材とを含む。駆動シャフト遠位端および被駆動シャフト近位端のうちの少なくとも1つは、突起部を備える。連結部材は、その間に画定される連結軸を伴う駆動容器および被駆動容器を画定する、管状構造を備える。駆動容器または被駆動容器のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの突起部を受容し、駆動シャフトと被駆動シャフトとの間の角度の範囲を通して少なくとも1つの突起部を収容するように構成される、スロットを備える。突起部は、駆動シャフトと被駆動シャフトとの間で回転運動を伝えるようスロットと相互作用する。駆動シャフト遠位端は、駆動軸と被駆動軸との間の角度がシャフトの回転中に変化するときに、駆動軸と連結軸との間、および被駆動軸と連結軸との間で、対応する角度を維持するよう、被駆動シャフト近位端に係合する。多くの実施形態では、機構は、60度を超える角度を通してトルクを伝達するように動作可能である。
【0035】
多くの実施形態では、駆動シャフトおよび被駆動シャフトが連結部材に対して拘束されるように、駆動シャフトおよび被駆動シャフトは、連結部材とインターフェースする。例えば、駆動シャフト遠位端および被駆動シャフト近位端のそれぞれは、各シャフトについて、前記シャフト軸と連結軸との間に画定される交点が、シャフト軸に沿って、かつ連結軸に沿って軸方向に付加されるように、それぞれ、駆動容器および被駆動容器と相互作用する外面を備えることができる。駆動シャフト遠位端および被駆動シャフト近位端の外面は、球面を備えることができる。駆動容器および被駆動容器は、球面を備えることができる。
【0036】
多くの実施形態では、駆動シャフト遠位端および被駆動シャフト近位端は、インターフェースする歯車の歯を備える。例えば、駆動シャフト遠位端は、駆動軸の周囲に延在する駆動シャフトの歯車の歯の表面を備えることができ、被駆動シャフト近位端は、被駆動軸の周囲に延在する被駆動シャフトの歯車の歯の表面を備えることができ、駆動シャフトの歯車の歯の表面は、角度の間の対応性を維持するよう、被駆動シャフトの歯車の歯の表面に係合することができる。多くの実施形態では、駆動シャフトおよび駆動シャフトの歯車の歯の表面、または被駆動シャフトおよび被駆動シャフトの歯車の歯の表面のうちの少なくとも一方は、一体化して形成される。多くの実施形態では、駆動シャフトの歯車の歯の表面は、駆動軸から放射状に延在する駆動シャフトの歯車の歯の外形によって画定され、被駆動シャフトの歯車の歯の表面は、被駆動軸から放射状に延在する被駆動シャフトの歯車の歯の外形によって画定され、駆動シャフトの歯車の歯の表面は、駆動/連結器角度と被駆動/連結器角度との間で実質的な等価を維持するよう、被駆動シャフトの歯車の歯の表面に係合する。多くの実施形態では、駆動シャフトの歯車の歯の表面は、駆動軸の周囲で駆動シャフトの歯車の歯の外形を回転させることによって画定される、外旋表面を備え、被駆動シャフトの歯車の歯の表面は、被駆動軸の周囲で被駆動シャフトの歯車の歯の外形を回転させることによって画定される、外旋表面を備える。
【0037】
別の側面では、低侵襲手術ツールが提供される。手術ツールは、器具シャフトと、遠位端および駆動軸を有する、駆動シャフトと、近位端および被駆動軸を有する、被駆動シャフトと、駆動および被駆動シャフトの回転速度が、駆動軸および被駆動軸が非平行であるときに実質的に平等であるように、駆動シャフトを被駆動シャフトと連結する連結部材と、エンドエフェクタの配向を、器具シャフトに対して2次元で変化させることができるように、器具シャフトと連結されるエンドエフェクタとを含む。駆動シャフトは、器具シャフト内で回転するために載置される。エンドエフェクタは、被駆動軸の周囲での被駆動シャフトの回転が、関節動作特徴の関節動作を生じるように、被駆動シャフトと連結される特徴を備える。
【0038】
多くの実施形態では、駆動シャフトは、連結部材と軸方向かつ回転可能に連結され、被駆動シャフトは、連結部材と軸方向かつ回転可能に連結され、駆動シャフトは、被駆動シャフトに係合する。例えば、連結部材は、その間に画定される連結軸を伴う第1端および第2端を備えることができ、駆動シャフト遠位端は、駆動軸の周囲での駆動シャフトの回転が、連結軸の周囲での連結部材の回転を生じるように、連結部材の第1端と軸方向かつ回転可能に連結することができる。被駆動シャフト近位端は、連結軸の周囲での連結部材の回転が、被駆動軸の周囲での被駆動シャフトの回転を生じるように、連結部材の第2端と軸方向かつ回転可能に連結することができる。駆動シャフト遠位端は、駆動軸および被駆動軸の間の角度がシャフトの回転中に変化するときに、駆動軸と連結軸との間、および被駆動軸と連結軸との間で、対応する角度を維持するよう、被駆動シャフト近位端に係合することができる。駆動シャフト遠位端は、球面歯車の歯を備えることができ、被駆動シャフト近位端は、駆動シャフトの歯車の歯に係合する球面歯車の歯を備えることができる。多くの実施形態では、駆動シャフトおよび駆動シャフトの歯車の歯、または被駆動シャフトおよび被駆動シャフトの歯車の歯のうちの少なくとも一方は、一体化して形成される。
【0039】
多くの実施形態では、ツールはさらに、駆動シャフトと連結部材との間の回転運動を伝えるよう、連結部材を駆動シャフトと連結する連結ピンを備える。例えば、ツールはさらに、連結部材の第1端容器と、容器を横断する連結ピンと、容器とインターフェースする、駆動シャフト遠位端の外面と、連結軸と駆動軸との間の角度の範囲の全体を通して連結ピンを受容する、駆動シャフト遠位端スロットとを備えることができる。連結ピンとスロットとの間の相互作用は、駆動シャフトの回転が連結部材の回転を生じるように、駆動シャフトを連結部材と連結することができる。機構はさらに、駆動シャフトを連結ピンと連結するようにクロススピンを備えることができる。クロスピンは、連結ピンと直角に配向させ、駆動シャフトに対する回転のために載置することができる。
【0040】
多くの実施形態では、駆動シャフト遠位端または被駆動シャフト近位端のうちの少なくとも1つは、突起部を備える。連結部材は、連結軸に沿って配置される駆動容器および被駆動容器を画定する、管状構造を備えることができ、駆動容器または被駆動容器のうちの少なくとも1つは、突起部を受容し、駆動軸と被駆動軸との間の角度の範囲を通して突起部を収容するように構成されるスロットを備えることができる。突起部は、駆動シャフトまたは被駆動シャフトのうちの少なくとも1つと連結部材との間の回転運動を伝えるよう、スロットと相互作用することができる。
【0041】
本発明の性質および利点をより完全に理解するために、次の詳細な説明および添付の図面を参照するべきである。本発明の他の側面、目的、および利点は、以下の図面および詳細な説明から明らかになるであろう。
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
近位端と遠位端とを有する管状器具シャフトであって、該管状器具シャフトは、該近位端と該遠位端との間に孔を有し、該管状器具シャフトは、器具シャフト軸を有する、管状器具シャフトと、
エンドエフェクタ本体を備えるエンドエフェクタと、
該シャフトの該遠位端と枢動可能に連結され、該エンドエフェクタ本体と枢動可能に連結される中間リスト部材であって、該シャフトに対する該中間部材の枢動は、該シャフトに対して第1軸の周囲に該中間部材を配向し、該中間部材に対する該エンドエフェクタ本体の枢動は、該中間部材に対して第2軸の周囲に該エンドエフェクタを配向し、該第1軸は該シャフト軸を横断し、該第2軸は該第1軸を横断し、該中間部材は、該第1軸に沿った外部幅および該第2軸に沿った外部長さを有し、該長さは、該中間部材が細長い断面を有するように、該幅とは有意に異なる、中間リスト部材と、
該エンドエフェクタ本体を配向し、該エンドエフェクタを作動するように、該シャフトの孔を通して遠位に延在する作動システムであって、該作動システムの一部分は、該シャフトと該エンドエフェクタ本体との間の該中間部材の該細長い断面から横方向に分離されている、作動システムと
を備える、低侵襲手術ツール。
(項目2)
前記中間部材の幅は、該中間部材の長さの4分の1未満である、項目1に記載のツール。
(項目3)
前記第1軸および前記第2軸は、同一平面上で2mm以内にある、項目1に記載のツール。
(項目4)
前記第1軸および第2軸は、同一平面上にある、項目3に記載のツール。
(項目5)
前記シャフトを前記中間部材に枢動可能に連結する第1の継手と、該中間部材を前記エンドエフェクタ本体に枢動可能に連結する第2の継手とをさらに備え、該第1の継手は、該第1の継手が、前記作動システムの前記横方向に分離した部分がない、該シャフトと該エンドエフェクタ本体との間の中央領域内に配置されるように、該中間部材の幅以内で前記第1軸に沿って延在する単一の枢動シャフトを備え、該第2の継手は、前記第2軸に沿って分離される、第1および第2の同軸枢動シャフトを備える、項目1に記載のツール。
(項目6)
前記中間部材は、前記器具シャフトと前記エンドエフェククタ本体との間、および前記第2の継手の前記同軸枢動シャフトの間で、前記作動システムの制御ケーブルを誘導するための内部通路を備える、項目5に記載のツール。
(項目7)
前記器具シャフトと固定して連結され、前記第1軸の周囲で回転するために前記中間部材と枢動可能に連結される支持部材をさらに備え、該支持部材は、該器具シャフトの孔と前記エンドエフェクタ本体との間に送られる前記作動システムの制御ケーブルを誘導するための内部通路を備え、ガイド表面は、前記第1および第2軸の周囲での枢動中にケーブル張力の変化を阻止するように該制御ケーブルを拘束する、項目6に記載のツール。
(項目8)
前記作動システムの前記横方向に分離した部分は、前記エンドエフェクタの第1の作動機構を駆動するための第1の回転可能駆動シャフトを備え、第1の駆動シャフトは、前記中間部材の第1の側面に隣接して通過するように該エンドエフェクタ本体と前記孔との間に送られる、項目1に記載のツール。
(項目9)
前記作動システムの前記横方向に分離した部分は、前記エンドエフェクタの第2の作動機構を駆動するための第2の回転可能駆動シャフトをさらに備え、第2の駆動シャフトは、前記中間部材の第2の側面に隣接して通過するように該エンドエフェクタ本体と前記孔との間に送られ、該第2の側面は、前記第1の側面の反対側にある、項目8に記載のツール。
(項目10)
前記作動システムの配向部分は、前記第1および第2軸の周囲で前記器具シャフトに対する前記エンドエフェクタ本体の配向を変化させるように動作可能であり、前記配向部分は、その配向を変更するよう前記エンドエフェクタ本体に適用される力が、該作動システムによって前記孔を通して近位に伝達されるように後方駆動可能である、項目1に記載のツール。
(項目11)
前記エンドエフェクタの作動は、該エンドエフェクタの継手の関節動作を含む、項目1に記載のツール。
(項目12)
低侵襲手術ツールを製造するための方法であって、
器具シャフトの細長い方向と非平行に配向される第1軸の周囲で回転するために、中間部材を該器具シャフトに枢動可能に連結することと、
該第1軸および該細長い方向と非平行に配向される第2軸の周囲で回転するために、エンドエフェクタを該中間部材に枢動可能に連結することと、
作動機構を該エンドエフェクタと連結することであって、該作動機構は、2次元で該細長い方向に対して該エンドエフェクタの配向を変化させるように動作可能であり、該作動機構の少なくとも一部分は、該中間部材の外側を通過し、該中間部材の少なくとも1つの側面から分離されるように該エンドエフェクタと該器具シャフトの孔との間に送られる、ことと
を含む、方法。
(項目13)
前記第1軸は、前記第2軸に垂直であり、該第1軸または該第2軸のうちの少なくとも1つは、前記器具シャフトの細長い方向に垂直である、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記中間部材は、前記第1軸の方向の外部幅と、該第1軸の方向の幅よりも大きい前記第2軸の方向の最大外部長さとを有する、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記中間部材は、前記外部長さの3分の1未満である、前記第1軸方向の最大外部幅を有する、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記中間部材は、前記エンドエフェクタ本体と前記器具シャフトの孔との間に送られる制御ケーブルを誘導するための内部通路を備え、前記ガイド表面は、前記第1および第2軸の周囲での枢動中にケーブル張力の変化を阻止するように該制御ケーブルを拘束し、
前記方法は、該中間部材の該内部通路を通してエンドエフェクタ制御ケーブルを送ることをさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目17)
前記エンドエフェクタの配向を変更するように該エンドエフェクタに適用される力が、前記作動システムによって前記孔を通して近位に伝達されるように、前記器具シャフトに対する該エンドエフェクタ本体の配向を変化させることによって、前記作動機構を後方駆動することをさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目18)
前記エンドエフェクタの作動は、該エンドエフェクタの継手を関節動作させることを含む、項目12に記載の方法。
(項目19)
低侵襲開口または天然口を介して、ツールの手術用エンドエフェクタを内部手術部位に挿入することと、
該エンドエフェクタを支持する該ツールのシャフトに対して第1軸の周囲で中間部材を配向させるように第1の継手の周囲で該ツールの該シャフトに対して該ツールの該中間部材を枢動させることと、
該中間部材に対して第2軸の周囲で該エンドエフェクタを配向させるように第2の継手の周囲で該中間部材に対して該エンドエフェクタを枢動させることであって、該第1の継手および該第2の継手のうちの1つは、該ツールの断面の中心部分内に配置される、中心に位置する継手を備える、ことと、
該孔と該中心継手から横方向にオフセットされた該エンドエフェクタとの間を通過する、作動システム構成要素を用いて、該エンドエフェクタを機械的に作動させることと
を含む、低侵襲手術方法。
(項目20)
前記エンドエフェクタの作動は、該エンドエフェクタの継手を関節動作させることを含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
器具シャフトと、
手術用エンドエフェクタと、
該エンドエフェクタが第1のリスト枢動軸および第2のリスト枢動軸の周囲で該シャフトに対して移動するように、該器具シャフトおよび該エンドエフェクタを連結するリストと
を備え、
該リストは、支持部材と中間部材とを備え、
該中間部材は、第1端と、第2端と、該第1および第2端の間の軸に沿った該中間部材内のスロットとを備え、
該支持部材は、該第1のリスト枢動軸を画定するように、該スロットの内側で該中間部材に枢動可能に連結され、
該第2のリスト枢動軸は、該中間部材の該第1および第2端の間で画定される、手術器具。
(項目22)
遠位端、近位端、および該遠位端と該近位端との間に画定される第1のリンク軸を有する、第1のリンクと、
第2のリンクであって、該第2のリンクは、第1軸および第2軸の周囲で第2のリンクを配向させるように該第1のリンクの該遠位端と枢動可能に連結され、該第1および第2軸は、該第1のリンク軸と非平行であり、該第1軸は、該第2軸と非平行である、第2のリンクと、
該第2のリンク上に配置される4つの取付特徴と、
張力部材の対向軸方向移動が、該第1および第2軸の周囲で該第1のリンクに対して該第2のリンクを角度配向させるように、該第1のリンクから該取付特徴まで遠位に延在する、4つの張力部材であって、該張力部材と該取付特徴との間の界面は、該張力部材の張力の変化を阻止するよう、該第1のリンクに対する該第2のリンクの角度配向との相関関係において、該第2のリンクに対して該張力部材の位置を変化させる、張力部材と
を備える、手術ツール。
(項目23)
前記第1および第2軸は、交差していない、項目22に記載の手術ツール。
(項目24)
前記張力部材のそれぞれは、前記第2のリンクが前記第1軸の周囲で枢動するときに、前記取付特徴のうちの1つに対して第1の関連中心の周囲で枢動し、該張力部材のそれぞれは、該第2のリンクが前記第2軸の周囲で枢動するときに、該取付特徴のうちの1つに対して第2の関連中心の周囲で枢動する、項目23に記載の手術ツール。
(項目25)
前記張力部材は、前記取付特徴に摺動可能に係合し、前記界面は、円形断面および曲線界面軸を有する曲線円筒表面を備え、該円形断面は断面中心を画定し、該曲線界面軸は、曲率中心を画定し、第1および第2の関連中心のそれぞれは、断面中心または曲率中心に対応する、項目24に記載の手術ツール。
(項目26)
前記第1および第2軸は、2mm以下で分離される、項目23に記載の手術ツール。
(項目27)
前記第1軸は、前記第1のリンク軸を横断し、前記第2軸は、該第1軸を横断する、項目22に記載の手術ツール。
(項目28)
前記取付特徴のそれぞれは、湾曲部分を備え、
前記張力部材のそれぞれは、前記第1のリンクが前記第1および第2軸のうちの1つの周囲で枢動するときに、該湾曲部分に対して、かつ該湾曲部分に沿って摺動するように該湾曲部分のうちの1つを摺動可能に受容するように構成される取付ラグを備える、項目22に記載の手術ツール。
(項目29)
前記湾曲部分のそれぞれは、
前記第1軸または前記第2軸と垂直な平面内にある中心線と、
その曲線中心線の周囲の第1の曲率半径およびその曲線中心線の固定曲率中心と
を備える、項目28に記載のツール。
(項目30)
前記固定曲率中心のそれぞれは、前記第1軸または前記第2軸のうちの少なくとも1つを含む平面内にある、項目29に記載の手術ツール。
(項目31)
前記湾曲部分の中心線のそれぞれは、前記第1軸または前記第2軸のうちの少なくとも1つを含む平面に接する、項目29に記載の手術ツール。
(項目32)
前記取付特徴のそれぞれは、取付ラグを備える、項目22に記載のツール。
(項目33)
前記取付ラグのそれぞれは、前記第1軸または前記第2軸と平行に配向される接続穴軸を有する、項目32に記載の手術ツール。
(項目34)
各接続穴軸は、前記第1軸または前記第2軸のうちの少なくとも1つを含む平面内にある、項目33に記載の手術ツール。
(項目35)
前記張力部材のそれぞれは、前記第2のリンクが前記第1および第2軸のうちの1つの周囲で枢動するときに、湾曲部分が前記取付ラグ内で摺動するように、前記取付ラグのうちの1つによって摺動可能に受容されるように構成される、湾曲部分を備える、項目32に記載の手術ツール。
(項目36)
前記取付特徴のそれぞれは、前記第1のリンク軸に沿って見たときに前記第1および第2軸からオフセットされ、前記取付特徴のうちの1つは、前記第1のリンク軸に沿って見たときに前記第1および第2軸によって画定される各四分円の中に配置され、
第1の対角線上に対向した一対の前記張力部材は、前記第1の対角線上に対向した一対のうちの第1の張力部材から前記第1の対角線上に対向した一対のうちの第2の張力部材まで延在する、少なくとも1つのケーブルによって作動させられ、前記少なくとも1つのケーブルは、第1のキャプスタンに巻き付けられ、前記第2のリンクに対する前記第1の対角線上に対向した一対の前記張力部材の変化する位置は、前記張力部材が球面中心継手で前記取付特徴に連結された場合に課される、前記少なくとも1つのケーブルの張力における振動を阻止する、項目22に記載の手術ツール。
(項目37)
第2の対角線上に対向した一対の前記張力部材は、前記第2の対角線上に対向した一対のうちの第1の張力部材から前記第1の対角線上に対向した一対のうちの第2の張力部材まで延在する、少なくとも1つのケーブルによって作動させられ、前記少なくとも1つのケーブルは、第2のキャプスタンに巻き付けられ、前記第2のリンクに対する前記第2の対角線上に対向した一対の前記張力部材の変化する位置は、前記張力部材が球面中心継手で前記取付特徴に連結された場合に課される、前記少なくとも1つのケーブルの張力における振動を阻止し、前記第2の一対の張力部材は、前記第1の一対の張力部材とは異なり、前記第2のキャプスタンは、前記第1のキャプスタンとは異なる、項目36に記載の手術ツール。
(項目38)
遠位端、近位端、および該遠位端と該近位端との間に画定される第1のリンク軸を有する第1のリンクと、
該第1のリンクの該近位端に隣接して配置される制御ケーブル作動アセンブリから遠位に延在する複数の制御ケーブルと、
第1軸および第2軸の周囲で第2のリンクを配向させるように該第1のリンクの該遠位端と枢動可能に連結される第2のリンクであって、該第1および第2軸は、該第1のリンク軸と非平行であり、該第1軸は、該第2軸と非平行である、第2のリンクと、
複数のインターフェースアセンブリであって、各インターフェースアセンブリは、該制御ケーブルの軸方向移動が、該第1および第2軸の周囲で該第1のリンクに対して該第2のリンクを角度配向させるように、該制御ケーブルのうちの1つを該第2のリンクと連結し、該インターフェースアセンブリのうちの1つは、湾曲部分、および該湾曲部分を摺動可能に受容するようにサイズ決定される取付ラグ穴を有する取付ラグを有し、該取付ラグは、該第2のリンクが該第1軸の周囲で回転するときに該湾曲部分の周囲で回転し、該第2のリンクが該第2軸の周囲で回転するときに該湾曲部分に対して、かつ該湾曲部分に沿って摺動する、インターフェースアセンブリと
を含む、手術ツール。
(項目39)
前記複数の制御ケーブルは、4本の制御ケーブルを備え、前記インターフェースアセンブリのそれぞれは、前記取付ラグが、前記第2のリンクが前記第1軸の周囲で回転するときに前記湾曲部分の周囲で回転し、該第2のリンクが前記第2軸の周囲で回転するときに該湾曲部分に対して、かつ該湾曲部分に沿って摺動するように、湾曲部分の長さと、該湾曲部分を摺動可能に受容するようにサイズ決定される取付ラグ穴を有する取付ラグとを備える、項目38に記載の手術ツール。
(項目40)
手術ツールを製造するための方法であって、
第1のリンクの細長い方向と非平行に配向される第1軸の周囲で回転するように、および該第1のリンクの該細長い方向および該第1軸の両方と非平行に配向される第2軸の周囲で回転するように、第2のリンクを該第1のリンクに枢動可能に連結するためのことであって、4つの取付特徴は、該第2のリンク上に配置され、該取付特徴のそれぞれは、該第1のリンクの該細長い方向に沿って見たときに該第1および第2軸からオフセットされ、該取付特徴のうちの1つは、該第1のリンクの該細長い方向に沿って見たときに該第1および第2軸によって画定される各四分円の中に配置される、ことと、
張力部材を該取付特徴のそれぞれと連結することであって、該張力部材のそれぞれは、該張力部材の軸方向移動が該軸の周囲で該第1のリンクに対して該第2のリンクを角度配向させるように、該第1のリンクの孔の内側から該第2のリンクの該取付特徴のうちの1つまで遠位に延在し、該張力部材と該取付特徴との間の界面は、該張力部材の張力の変化を阻止するよう、該第1のリンクに対する該第2のリンクの角度配向との相関関係において、該第2のリンクに対して該張力部材の位置を変化させる、ことと、
該張力部材を作動させることによって、2次元で該第1のリンクに対して該第2のリンクの該配向を制御するように動作可能である作動機構と該張力部材を連結することと
を含む、方法。
(項目41)
前記張力部材のそれぞれを作動機構と連結するステップは、
前記張力部材の第1の張力部材を第1の制御ケーブルと連結するステップと、
前記張力部材の第2の張力部材を第2の制御ケーブルと連結するステップであって、前記第2の張力部材は、前記第1の張力部材と対角線上に対向する、ステップと、
前記第1および第2の制御ケーブルを前記作動機構の第1のキャプスタンと連結するステップと、
前記張力部材の第3の張力部材を第3の制御ケーブルと連結するステップと、
前記張力部材の第4の張力部材を第4の制御ケーブルと連結するステップであって、前記第4の張力部材は、前記第3の張力部材と対角線上に対向する、ステップと、
前記第3および第4の制御ケーブルを前記作動機構の第2のキャプスタンと連結するステップと
を含む、項目40に記載の方法。
(項目42)
第1のリンクと、
取付特徴を備える第2のリンクであって、該取付特徴は湾曲部分を備える、第2のリンクと、
該第1および第2のリンクを連結する継手であって、該継手は、第1軸の周囲および第2軸の周囲で回転し、該第1および第2軸は、非平行であり、相互からオフセットされる、継手と、
取付ラグを備える、張力部材であって、該取付ラグは、該取付特徴に連結され、該取付ラグは、該張力部材が該第1軸の周囲で該継手を回転させると、該湾曲部分の周囲で回転し、該取付ラグは、該張力部材が該第2軸の周囲で該継手を回転させると、該湾曲部分に対して、かつ該湾曲部分に沿って摺動する、張力部材と
を備える、手術器具。
(項目43)
角度を通してトルクを伝達するための機構であって、
連結部材であって、該連結部材は、その間に画定される連結軸を伴う第1端および第2端を備え、該第1端は容器を備える、連結部材と、
該容器を横断して延在する、連結ピンと、
駆動軸、および該容器内で受容される遠位端を有する、駆動シャフトであって、該駆動シャフト遠位端は、該駆動シャフトの回転が該連結ピンを介した該連結部材の回転を生じるように、該連結軸と該駆動軸との間の角度の範囲の全体を通して該連結ピンを受容する、スロットを備える、駆動シャフトと、
近位端、および被駆動軸を有する、被駆動シャフトであって、該被駆動シャフトの該近位端は、該連結軸の周囲での該連結部材の回転が該被駆動軸の周囲での該被駆動シャフトの回転を生じるように、該連結部材の該第2端と連結され、該駆動シャフトは、該駆動軸と該被駆動軸との間の角度が該シャフトの回転中に変化するときに、
該駆動軸と該連結軸との間と、
該被駆動軸と該連結軸との間とで、
対応する角度を維持するよう、該被駆動シャフトと連結される、被駆動シャフトと
を備える、機構。
(項目44)
前記駆動シャフトを前記連結ピンと連結するようにクロスピンをさらに備え、該クロスピンは、該連結ピンを横断し、前記駆動シャフトに対する回転のために載置される、項目43に記載の機構。
(項目45)
前記駆動シャフト遠位端の外面は球面を備え、前記駆動シャフトの外面は、その間での球面枢動中に相互に対して前記駆動シャフトおよび容器を軸方向に拘束するように、前記連結部材の前記容器とインターフェースする、項目43に記載の機構。
(項目46)
前記容器は、前記駆動シャフト球面とインターフェースする球面を備える、項目45に記載の機構。
(項目47)
前記駆動シャフト遠位端はさらに、一式の球面歯車の歯を備え、
前記被駆動シャフト近位端は、
前記駆動軸と前記連結軸との間と、
前記被駆動軸と該連結軸との間とで、
実質的に同等の角度を維持するように、前記駆動シャフトの歯車の歯とインターフェースする、一式の球面歯車の歯を備える、項目43に記載の機構。
(項目48)
前記駆動シャフトおよび該駆動シャフトの歯車の歯、または前記被駆動シャフトおよび該被駆動シャフトの歯車の歯のうちの少なくとも一方は、一体化して形成される、項目47に記載の機構。
(項目49)
前記機構は、60度を超える角度を通してトルクを伝達するように動作可能である、項目43に記載の機構。
(項目50)
角度を通してトルクを伝達するための機構であって、
遠位端および駆動軸を有する、駆動シャフトと、
近位端および被駆動軸を有する、被駆動シャフトであって、該駆動シャフト遠位端または該被駆動シャフト近位端のうちの少なくとも1つは、突起部を備える、被駆動シャフトと、
該駆動軸の周囲での該駆動シャフトの回転が、該被駆動軸の周囲での該被駆動シャフトの回転を生じるように、該駆動シャフト遠位端および該被駆動シャフト近位端のそれぞれと連結される、連結部材であって、該連結部材は、その間に画定される連結軸を伴う駆動容器および被駆動容器を画定する、管状構造を備え、該駆動容器または被駆動容器のうちの少なくとも1つは、該少なくとも1つの突起部を受容し、該駆動シャフトと該被駆動シャフトとの間の角度の範囲を通して該少なくとも1つの突起部を収容するように構成される、スロットを備え、該突起部は、該駆動シャフトと該被駆動シャフトとの間で回転運動を伝えるよう該スロットと相互作用する、連結部材と
を備え、
該駆動シャフト遠位端は、該駆動軸と該被駆動軸との間の角度が該シャフトの回転中に変化するときに、
該駆動軸と該連結軸との間と、
該被駆動軸と該連結軸との間とで、
対応する角度を維持するよう、該被駆動シャフト近位端に係合する、機構。
(項目51)
前記駆動シャフト遠位端および前記被駆動シャフト近位端のそれぞれは、各シャフトについて、前記シャフト軸と前記連結軸との間に画定される交点が、前記シャフト軸に沿って、かつ前記連結軸に沿って軸方向に付加されるように、それぞれ、前記駆動容器および前記被駆動容器と相互作用する外面を備える、項目50に記載の機構。
(項目52)
各外面は、球面を備える、項目51に記載の機構。
(項目53)
各容器は、球面を備える、項目52に記載の機構。
(項目54)
前記駆動シャフト遠位端は、前記駆動軸の周囲に延在する駆動シャフトの歯車の歯の表面を備え、前記被駆動シャフト近位端は、前記被駆動軸の周囲に延在する被駆動シャフトの歯車の歯の表面を備え、前記駆動シャフトの歯車の歯の表面は、前記角度の間の対応性を維持するよう、前記被駆動シャフトの歯車の歯の表面に係合する、項目50に記載の機構。
(項目55)
前記駆動シャフトおよび前記駆動シャフトの歯車の歯の表面、または前記被駆動シャフトおよび前記被駆動シャフトの歯車の歯の表面のうちの少なくとも一方は、一体化して形成される、項目54に記載の機構。
(項目56)
前記駆動シャフトの歯車の歯の表面は、前記駆動軸から放射状に延在する駆動シャフトの歯車の歯の外形によって画定され、前記被駆動シャフトの歯車の歯の表面は、前記被駆動軸から放射状に延在する被駆動シャフトの歯車の歯の外形によって画定され、前記駆動シャフトの歯車の歯の表面は、前記駆動/連結器角度と前記被駆動/連結器角度との間で実質的な等価を維持するよう、被駆動シャフトの歯車の歯の表面に係合する、項目54に記載の機構。
(項目57)
前記駆動シャフトの歯車の歯の表面は、前記駆動軸の周囲で前記駆動シャフトの歯車の歯の外形を回転させることによって画定される、外旋表面を備え、前記被駆動シャフトの歯車の歯の表面は、前記被駆動軸の周囲で前記被駆動シャフトの歯車の歯の外形を回転させることによって画定される、外旋表面を備える、項目54に記載の機構。
(項目58)
前記機構は、60度を超える角度を通してトルクを伝達するように動作可能である、項目50に記載の機構。
(項目59)
器具シャフトと、
遠位端および駆動軸を有する、駆動シャフトであって、該器具シャフト内で回転するために載置される、駆動シャフトと、
近位端および被駆動軸を有する、被駆動シャフトと、
該駆動および被駆動シャフトの回転速度が、該駆動軸および該被駆動軸が非平行であるときに実質的に平等であるように、該駆動シャフトを該被駆動シャフトと連結する連結部材と、
エンドエフェクタの配向を、該器具シャフトに対して2次元で変化させることができるように、該器具シャフトと連結されるエンドエフェクタであって、該被駆動軸の周囲での該被駆動シャフトの回転が、関節動作特徴の関節動作を生じるように、該被駆動シャフトと連結される該特徴を備える、エンドエフェクタと
を備える、低侵襲手術ツール。
(項目60)
前記連結部材は、その間に画定される連結軸を伴う第1端および第2端を備え、
前記駆動シャフト遠位端は、前記駆動軸の周囲での前記駆動シャフトの回転が、前記連結軸の周囲での前記連結部材の回転を生じるように、前記連結部材の第1端と軸方向かつ回転可能に連結され、
前記被駆動シャフト近位端は、前記連結軸の周囲での前記連結部材の回転が、前記被駆動軸の周囲での前記被駆動シャフトの回転を生じるように、前記連結部材の第2端と軸方向かつ回転可能に連結され、
前記駆動シャフト遠位端は、前記駆動軸および前記被駆動軸の間の角度が前記シャフトの回転中に変化するときに、
前記駆動軸と前記連結軸との間と、
前記被駆動軸と前記連結軸との間とで、
対応する角度を維持するよう、前記被駆動シャフト近位端に係合する、項目59に記載のツール。
(項目61)
前記駆動シャフト遠位端は、球面歯車の歯を備え、前記被駆動シャフト近位端は、前記駆動シャフトの歯車の歯に係合する球面歯車の歯を備える、項目60に記載のツール。
(項目62)
前記駆動シャフトおよび前記駆動シャフトの歯車の歯、または前記被駆動シャフトおよび前記被駆動シャフトの歯車の歯のうちの少なくとも一方は、一体化して形成される、項目61に記載のツール。
(項目63)
連結部材の第1端容器と、
前記容器を横断する連結ピンと、
前記容器とインターフェースする、駆動シャフト遠位端の外面と、
前記連結軸と前記駆動軸との間の角度の範囲の全体を通して前記連結ピンを受容する、駆動シャフト遠位端スロットであって、前記連結ピンと前記スロットとの間の相互作用は、前記駆動シャフトの回転が前記連結部材の回転を生じるように、前記駆動シャフトを前記連結部材と連結する、駆動シャフト遠位端スロットと
をさらに備える、項目60に記載のツール。
(項目64)
前記駆動シャフトを前記連結ピンと連結するようにクロススピンをさらに備え、前記クロスピンは、前記連結ピンと直角に配向され、前記駆動シャフトに対する回転のために載置される、項目63に記載のツール。
(項目65)
前記駆動シャフト遠位端または前記被駆動シャフト近位端のうちの少なくとも1つは、突起部を備え、
前記連結部材は、前記連結軸に沿って配置される駆動容器および被駆動容器を画定する、管状構造を備え、
該駆動容器または該被駆動容器のうちの少なくとも1つは、該突起部を受容し、前記駆動軸と前記被駆動軸との間の角度の範囲を通して該突起部を収容するように構成されるスロットを備え、
該突起部は、前記駆動シャフトまたは前記被駆動シャフトのうちの少なくとも1つと該連結部材との間の回転運動を伝えるように該スロットと相互作用する、項目60に記載のツール。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1図1は、多くの実施形態による、手術を行うために使用されている低侵襲ロボット手術システムの平面図である。
図2図2は、多くの実施形態による、ロボット手術システムのための外科医の制御コンソールの斜視図である。
図3図3は、多くの実施形態による、ロボット手術システムの電子カートの斜視図である。
図4図4は、多くの実施形態による、ロボット手術システムの簡素化した概略図である。
図5a図5aは、多くの実施形態による、ロボット手術システムの患者側カート(手術ロボット)の正面図である。
図5b図5bは、ロボット手術ツールの正面図である。
図6図6は、多くの実施形態による、エンドエフェクタ本体を器具シャフトと連結する、2自由度リストの斜視図である。
図7図7は、多くの実施形態による、リストの中間部材とリストの支持部材との間、および中間部材とエンドエフェクタ本体との間の回転自由度を図示する、図6の2自由度リストの斜視図である。
図8図8aは、多くの実施形態による、支持部材ケーブル誘導表面および中間部材ケーブル誘導表面の簡素化した概略図である。図8bは、多くの実施形態による、中間部材ケーブル誘導表面の簡素化した概略図である。
図9図9は、多くの実施形態による、制御ケーブルを誘導するための内部通路への入口を図示する、図6および7の支持部材の端面図である。
図10図10は、多くの実施形態による、2自由度リストの反対側に隣接する作動システム構成要素の経路指定、および2自由度リストを通した制御ケーブルの経路指定を図示する、図6および7の2自由度リストの斜視図である。
図11図11aは、多くの実施形態による、図6および7の2自由度リストの中間部材と支持部材との間の硬質接触を限定する、角度配向を図示する側面図である。図11bは、多くの実施形態による、図6および7の2自由度リストとエンドエフェクタ本体との間の硬質接触を限定する、角度配向を図示する側面図である。
図12図12は、多くの実施形態による、手術用アセンブリの簡素化した概略図である。
図13a図13aは、多くの実施形態による、2自由度継手を介して第1のリンクと連結された第2のリンクを有する、手術ツールの簡素化した概略図であり、第2のリンクは、リンク張力部材と連結される湾曲部分の取付特徴を備え、視認方向は、2自由度継手の第2軸と平行である。
図13b図13bは、多くの実施形態による、その通常の中心線の固定曲率中心を伴う湾曲部分を有する、取付特徴を図式的に図示する。
図13c図13cは、図13bの断面A−Aを示す。
図13d図13dは、多くの実施形態による、第2軸の周囲で回転させられる第2のリンクを示す、図13aの手術ツールの簡素化した概略図である。
図13e図13eは、多くの実施形態による、図13aおよび13dの手術ツールの簡素化した概略図であり、視認方向は、2自由度継手の第1軸と平行である。
図13f図13fは、多くの実施形態による、第1軸の周囲で回転させられる第2のリンクを示す、図13a、13d、および13eの手術ツールの簡素化した概略図である。
図13g図13gは、多くの実施形態による、2自由度継手を介して第1のリンクと連結された第2のリンクを有する、手術ツールの斜視図であり、第2のリンクは、リンク張力部材と連結される湾曲部分の取付特徴を備える。
図13h図13hは、多くの実施形態による、2自由度継手の第1軸の周囲での第2のリンクの60度配向を示す、図13gの手術ツールの側面図である。
図13i図13iは、多くの実施形態による、2自由度継手の第2軸の周囲での第2のリンクの30度配向を示す、図13gおよび13hの手術ツールの側面図である。
図14a図14aは、多くの実施形態による、2自由度継手を介して第1のリンクと連結された第2のリンクを有する、手術ツールの簡素化した概略図であり、第2のリンクは、湾曲部分端を有するリンク張力部材と連結される取付特徴を備え、視認方向は、2自由度継手の第2軸と平行である。
図14b図14bは、多くの実施形態による、第2軸の周囲で回転させられる第2のリンクを示す、図14aの手術ツールの簡素化した概略図である。
図14c図14cは、多くの実施形態による、図14aおよび14bの手術ツールの簡素化した概略図であり、視認方向は、2自由度継手の第1軸と平行である。
図14d図14dは、多くの実施形態による、第1軸の周囲で回転させられる第2のリンクを示す、図14a、14b、および14cの手術ツールの簡素化した概略図である。
図14e図14eは、多くの実施形態による、2自由度継手を介して第1のリンクと連結された第2のリンクを有する、手術ツールの斜視図であり、第2のリンクは、湾曲部分端を有するリンク張力部材と連結される取付ラグを備える。
図15図15は、多くの実施形態による、手術ツールを製造するための方法の簡素化したフローチャートである。
図16図16は、多くの実施形態による、手術用アセンブリの簡素化した概略図である。
図17図17は、多くの実施形態による、角度を通してトルクを伝達するための機構を有するツールアセンブリの簡素化した斜視図である。
図18図18は、多くの実施形態による、駆動シャフトと被駆動シャフトとの間のインライン構成で角度を通してトルクを伝達するための機構の側面図である。
図19a図19aは、多くの実施形態による、インライン構成のための駆動シャフトの噛合球面歯車の歯と被駆動シャフトとの間の係合を示す、図18の機構の断面図である。
図19b図19bは、多くの実施形態による、角度構成のための駆動シャフトの噛合球面歯車の歯と被駆動シャフトとの間の係合を示す、図18および19aの機構の断面図である。
図19c図19cは、多くの実施形態による、代替的なシャフト角度拘束構成を図示する。
図19d図19dは、多くの実施形態による、駆動シャフトおよび被駆動シャフトのピン受容横スロットの構成を図示する、図18、19a、および19bの機構の断面図である。
図20図20は、図18、19a、19b、および19dの駆動および被駆動シャフトの斜視図の各種である。
図21図21aは、多くの実施形態による、連結ピンに垂直な視認方向に沿った図18、19a、19b、および19cの機構の側面図である。図21bは、多くの実施形態による、連結ピンに平行な視認方向に沿った図18、19a、19b、19c、および21aの機構の側面図である。
図22図22aは、多くの実施形態による、シャフト角度拘束を提供するように構成される、球面歯車の歯の複数列を有する、駆動および被駆動シャフトの斜視図である。図22bは、歯車の歯の断面および歯車の歯の球面配設を図示する、図22aの駆動および被駆動シャフトの断面/斜視図である。
図23a図23aは、多くの実施形態による、二重クロスピンを有する、角度を通してトルクを伝達するための機構の側面図である。
図23b図23bは、連結要素がない、図23aの機構の側面図である。
図23c図23cは、図23aおよび23bの機構の断面図である。
図23d図23dは、駆動および被駆動シャフトのそれぞれのクロスピン受容孔を示す、図23a、23b、および23cの駆動および被駆動シャフトの斜視図である。
図23e図23eは、駆動および被駆動シャフトのそれぞれのピン受容横スロットの構成を図示する、図23a、23b、23c、および23dの駆動および被駆動シャフトの斜視図である。
図24a図24aは、多くの実施形態による、スロットと相互作用する突起部が、駆動シャフトと連結部材との間、および連結部材と被駆動シャフトとの間で回転運動を伝える、角度を通してトルクを伝達するための機構の簡素化した概略図である。
図24b図24bは、多くの実施形態による、突起部に平行な視認方向に沿った図24aの機構の図である。
図24c図24cは、多くの実施形態による、2部品連結部材の詳細を図示する、突起部に垂直な視認方向に沿った図24aおよび24bの機構の図である。
図24d図24dは、多くの実施形態による、角度構成の図24a、24b、および24cの機構を図示する。
図25図25aおよび25bは、多くの実施形態による、修正U字形継手連結部材が、駆動シャフトと連結部材との間、および連結部材と被駆動シャフトとの間で回転運動を伝える、角度を通してトルクを伝達するための機構の簡素化した概略図である。
図26図26は、多くの実施形態による、リンク張力部材によって関節動作させられる2自由度リストと、リストを横断する角度を通してトルクを伝達する二重自在継手とを有する、小型リスト設計を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下の説明では、本発明の種々の実施形態を説明する。説明の目的で、実施形態の徹底的な理解を提供するために、具体的構成および詳細が記載される。しかしながら、本発明は具体的詳細なしで実践されてもよいことも、当業者に明白となるであろう。さらに、説明されている実施形態を曖昧にしないために、周知の特徴が省略または簡素化されてもよい。
【0044】
2自由度リスト機構を伴う手術ツール、および関連方法が提供される。多くの実施形態では、2自由度リストは、器具シャフトの遠位端およびエンドエフェクタ本体の両方と枢動可能に連結される、細長い中間リスト部材を含む。中間部材は、器具シャフトの細長い方向に対して直角である第1軸の周囲で回転するように、器具シャフトと枢動可能に連結することができる。エンドエフェクタ本体は、第1軸に対して直角である第2軸の周囲で回転するよう、中間部材と枢動可能に連結することができる。第2軸の周囲で中間本体に対してエンドエフェクタ本体を枢動させることと組み合わせた、第1軸の周囲で器具シャフトに対して中間部材を枢動させることは、2次元で器具シャフトに対してエンドエフェクタ本体を再配向させるために使用することができる。2次元でエンドエフェクタ本体に対してエンドエフェクタ本体を再配向させる能力は、外科医の手首の自然な動作を模倣し、それにより、エンドエフェクタ本体の望ましい量の操縦性を提供するために使用することができる。
【0045】
多くの実施形態では、2自由度リストは、低侵襲手術ツール内で有利に統合される。例えば、中間リスト部材は、器具シャフトの直径とほぼ同等である長さと、長さより有意に小さい幅、例えば、長さの3分の1未満である幅とを有することができ、幅はしばしば、長さの半分未満であり、場合によっては、幅は長さの4分の1未満である。
多くの実施形態では、中間本体の細長い方向に対して直角に配向される軸の周囲でシャフトまたはエンドエフェクタ本体に対する中間部材の回転を提供する、中心に位置する枢動軸が使用され、中間本体の細長い方向と平行に配向される軸の周囲でシャフトまたはエンドエフェクタ本体に対する中間部材の回転を提供する、2つの同軸上の周辺に位置する枢動軸が使用される。中間部材の寸法および結果として生じる運動は、エンドエフェクタ関節動作および作動構成要素を送るために、隣接する領域を開けておく。有利に、依然として低侵襲ツールの断面内にある間に、第1および第2軸から離間されるよう、関節動作構成要素を送ることができ、それにより、軸力関節動作構成要素の使用、例えば、張力関節動作構成要素の使用を可能にする。例示的実施形態が、中間リスト部材からオフセットされるケーブルおよび回転駆動シャフトの両方を採用してもよい一方で、ツール(関節動作構成要素、エンドエフェクタ、および手関節システム)の外形は、好ましくは、1インチ未満となり、しばしば、約2分の1インチである。中間リスト部材は、中間リスト部材を通して1本以上の制御ケーブルを送るように、誘導特徴を伴う経路指定設備を含むことができる。リストは、リストを横断してロール軸トルク(例えば、0.33Nm)を伝達するように構成することができる。リストは、器具の可動域を限定して角度過大移動による損傷から他の構成要素を保護するように、硬質停止部を伴って構成することができる。リストは、ゼロ効果まで調整可能なピッチ軸とヨー軸の距離を伴って、コンパクトな長さを有することができる。
【0046】
多くの実施形態では、2自由度リストは、制御ケーブルを誘導するための内部通路を含む。内部通路は、第1および第2軸の周囲での枢動中に制御ケーブルの張力の変化を阻止するように構成することができる。
【0047】
リンク張力部材によるリスト関節動作を伴う改良型手術用および/またはロボットリスト構造も提供される。多くの実施形態では、リンク張力部材は、2自由度継手を介して第1のリンクと連結される第2のリンクを関節運動させるために使用される。リンク張力部材は、第2のリンク上に配置される取付特徴を介して第2のリンクと連結することができる。2自由度継手、リンク張力部材、および取付特徴の幾何学形状は、張力部材の張力の変化を阻止するよう、張力部材の対向軸方向移動が、第1のリンクに対して第2のリンクを角度配向させるように選択することができる。多くの実施形態では、対角線上に対向した張力部材が対合され、作動機構によって作動させられる。例えば、対角線上に対向した張力部材は、少なくとも1本の制御ケーブルと連結することができ、少なくとも1本の制御ケーブルは、モータ駆動型キャプスタンによって作動させることができる。
【0048】
リンク張力部材を介する、開示されたリスト関節動作は、2自由度継手を介して細長い第1のリンクと連結される第2のリンクを有する、手術ツールで有利に採用されてもよい。開示されたリスト関節動作は、低侵襲手術ツールで採用されるときに特に有利であってもよい。信頼性があり、円滑な動作特性を有する、低侵襲手術ツールが望ましい。リンク張力部材の張力の変化を阻止することによって、不利な制御ケーブルの緩みおよび/またはツール構成要素の過大応力が回避されてもよい。線形駆動機構、例えば、モータ駆動型キャプスタンを介してリンク張力部材を作動させることにより、円滑な動作特性を提供してもよい。開示されたリスト関節動作はまた、密閉身体空間内のアクセス、身体構造へのアクセスの角度、および身体構造の可視性を向上させる、第1のリンクの遠位で短縮した長さを伴う手術ツールも可能にする。開示されたリスト関節動作は、リストを通過する付加的な機構、例えば、駆動シャフトに干渉することなく、リスト関節動作を可能にする。開示されたリスト関節動作はまた、リストの中でより線ケーブルの使用を回避することによって、増大した寿命を提供してもよい。開示されたリスト関節動作はまた、60度のリスト関節動作角度を提供するために使用することもできる。開示されたリスト関節動作はまた、モータ駆動型キャプスタンによって駆動される可撓性ケーブルに容易に取付可能であるために有利である、小径(例えば、皮下注射)管類を採用することもできる。
【0049】
多くの実施形態では、リンク張力部材を介したリスト関節動作を有する低侵襲手術ツールは、2自由度継手を介して第1のリンクに枢動可能に取り付けられる、第2のリンクを含むことができる。継手は、第1のリンクに対して直角な第1の回転軸と、第1の回転軸に対して直角な第2の回転軸とを有することができる。第2のリンクは、第1のリンクに対して第2のリンクを関節動作させるよう、4つのリンク張力部材と連結することができる。4つの張力部材は、依然として低侵襲ツールの断面内にある間に、2つの軸によって画定される四分円の中に1つの張力部材を位置付けることによって、2自由度継手の2つの軸から離間することができる。例示的実施形態では、ツール(リンク張力部材、制御ケーブルおよび駆動シャフト等の他のエンドエフェクタ作動構成要素、エンドエフェクタ、および手関節システムを含む)の外径は、好ましくは1インチ未満、しばしば約2分の1インチとなる。
【0050】
角度を通してトルクを伝達するための機構、角度を通してトルクを伝達するための機構を備える低侵襲手術ツール、および関連方法も提供される。そのような機構は、あり得る破壊点の数を削減することによって機構の信頼性を増大してもよい、比較的単純な設計を有する。例えば、多くの実施形態では、角度を通してトルクを伝達するための機構は、既存の機構と比較して、削減された部品数を有してもよい。
【0051】
開示された機構は、角度の範囲を通したトルクの円滑な伝達を提供してもよい。多くの実施形態では、角度を通してトルクを伝達するための機構は、60度を超える角度を通してトルクを伝達するように動作可能である。多くの実施形態では、入力および出力シャフトが非平行であり、不等価回転速度と関連付けられる振動力の生成を回避することによる、角度を通したトルクの円滑な伝達を提供してもよいときでさえも、出力シャフト(例えば、被駆動シャフト)の回転速度は、入力シャフト(例えば、駆動シャフト)の回転速度と実質的に等しい。機構(シャフト、エンドエフェクタ、および継手システムを含む)の外径は、好ましくは、1インチ未満となり、しばしば、2分の1インチ未満であり、理想的には、わずか8mm(または場合によってはわずか5mm)である。複数のシャフト駆動システムが単一のリスト内に嵌合することを可能にするために、本明細書で説明される機構の駆動シャフト、被駆動シャフト、および連結器は、好ましくは、わずか5mmの直径内、理想的には、わずか3mmの直径内で嵌合する。継手を横断して伝達されるトルクはしばしば、0.2Nmよりも大きくなり、理想的には、0.3Nmよりも大きい。所望の時間量でエンドエフェクタによる所望の作業を生じるために、シャフトおよび継手システムは、典型的には、少なくとも100rpmの速度で回転可能となり、理想的には、少なくとも数千rpmで回転可能である。継手は、好ましくは、最大トルクおよびリスト角度で駆動されるときに、少なくとも数分の動作の寿命、理想的には少なくとも数時間の寿命を有する。シャフト自体を除外する、例示的な駆動シャフトと被駆動シャフトの継手アセンブリは、10よりも少ない別個に加工および/または機械加工された部品を含み、多くの実施形態では、3つだけの別個に加工および/または機械加工された部品を含む。
【0052】
開示された機構の構成要素を加工するために、入手可能な材料を使用することができる。多くの実施形態では、駆動シャフト、被駆動シャフト、および連結器は、例えば、465ステンレス鋼、状態H950から加工することができる。駆動および被駆動シャフト端は、シャフトに不可欠となり得る。クロスピンは、例えば、30パーセント冷間加工された、Nitronic 60ステンレス鋼から加工することができる。
【0053】
開示された機構は、低侵襲手術ツールの一部として使用されるときに特に有益であってもよい。上記で論議されるように、低侵襲手術ツールは、典型的には、ツールの直径を拘束する、カニューレスリーブを通して患者に導入される。開示された機構の比較的単純な設計は、低侵襲手術ツール内で使用するためにサイズ決定することができる。比較的単純な設計はまた、あり得る破壊点を削減してもよく、低侵襲手術ツールの信頼性を増大してもよい削減である。60度を超える角度を通してトルクを伝達するように開示された機構を構成する能力は、低侵襲手術ツールのエンドエフェクタと器具シャフトとの間で比較的大量の関節動作の使用を可能にする。同等の回転速度の使用を通した、角度を通してトルクを円滑に伝達する開示された機構の能力はまた、振動移動および/または力の生成に起因する場合がある、患者および/または手術ツールへの損害を回避することによって有益であってもよい。
【0054】
類似参照数字が、多くの実施形態による、いくつかの図の全体を通して、類似部品を表す、図面を参照すると、図1から図5bは、低侵襲ロボット手術システムの側面を図示し、図6から図12は、2自由度リストの側面を図示し、図13aから図16は、リンク張力部材によるリスト関節動作の側面を図示し、図17から図25bは、角度を通してトルクを伝達するための機構の側面を図示する。理解することができるように、先述の特徴は、個別に、または任意の組み合わせで利用することができる。例えば、図10、13g、13h、13i、および26は、本明細書で開示されるようなリンク張力部材によって関節動作させられる2自由度リストを有する、小型リスト設計、ならびに2自由度リストを横断する角度を通してトルクを伝達するための二重自在継手の使用を図示する。
【0055】
低侵襲ロボット手術
図1は、典型的には、手術台14上に横たわっている患者12に低侵襲診断または外科的手技を行うために使用される、低侵襲ロボット手術(MIRS)システム10の平面図である。システムは、手技中に外科医18によって使用するための外科医のコンソール16を含むことができる。1人以上の助手20も、手技に参加してもよい。MIRSシステム10はさらに、患者側カート22(手術ロボット)と、電子カート24とを含むことができる。患者側カート22は、外科医18がコンソール16を通して手術部位を視認している間に、患者12の身体の低侵襲切開を通して、少なくとも1つの取り外し可能に連結されたツールアセンブリ26(以降では単に「ツール」と呼ばれる)を操作することができる。手術部位の画像は、内視鏡28を配向させるよう患者側カート22によって操作することができる、立体内視鏡等の内視鏡28によって取得することができる。電子カート24は、外科医のコンソール16を通した外科医18への後続の表示のために、手術部位の画像を処理するために使用することができる。一度に使用される手術ツール26の数は、概して、とりわけ、診断または外科的手技および手術室内の空間の制約に依存する。手技中に使用されているツール26のうちの1つ以上を交換することが必要な場合、助手20は、患者側カート22からツール26を除去し、それを手術室内のトレイ30からの別のツール26と置換してもよい。
【0056】
図2は、外科医のコンソール16の斜視図である。外科医のコンソール16は、奥行き知覚を可能にする、手術部位の協調立体像を外科医18に提示するための左眼ディスプレイ32および右眼ディスプレイ34を含む。コンソール16はさらに、1つ以上の入力制御デバイス36を含み、それは順に、患者側カート22(図1に示される)に1つ以上のツールを操作させる。入力制御デバイス36は、テレプレゼンス、つまり、外科医がツール26を直接制御する強い感覚を有するように、入力制御デバイス36がツール26と一体であるという知覚を外科医に提供するよう、関連ツール26(図1に示される)と同じ自由度を提供する。この目的を達成するために、位置、力、および触覚フィードバックセンサ(図示せず)が、入力制御デバイス36を通して外科医の手にツール26からの位置、力、および触感を返送するために採用されてもよい。
【0057】
外科医が、手技を直接監視し、必要であれば物理的に存在し、電話または他の通信媒体よりもむしろ直接助手に話し掛けてもよいように、外科医のコンソール16は通常、患者と同じ部屋の中に位置する。しかしながら、外科医は、患者とは異なる部屋、全く異なる建物、または他の遠隔場所に位置することができ、遠隔手術手技(すなわち、滅菌野の外から手術すること)を可能にすることができる。
【0058】
図3は、電子カート24の斜視図である。電子カート24は、内視鏡28と連結することができ、外科医のコンソール上で、あるいは局所および/または遠隔に位置する任意の他の好適なディスプレイ上で、外科医等に後に表示するために、捕捉された画像を処理するプロセッサを含むことができる。例えば、立体内視鏡が使用される場合、電子カート24は、手術部位の協調立体画像を外科医に提示するよう、捕捉された画像を処理することができる。そのような協調は、対向画像間の整合を含むことができ、立体内視鏡の立体作業距離を調整するステップを含むことができる。別の実施例として、画像処理は、光学収差等の画像捕捉デバイスの撮像誤差を補うように、以前に判定されたカメラ較正パラメータの使用を含むことができる。
【0059】
図4は、ロボット手術システム50(図1のMIRSシステム10等)を図式的に図示する。上述のように、外科医のコンソール52(図1の外科医のコンソール16等)は、低侵襲手技中に患者側カート(手術ロボット)54(図1の患者側カート22等)を制御するために外科医によって使用することができる。患者側カート54は、手技部位の画像を捕捉し、捕捉された画像を電子カート56(図1の電子カート24等)に出力するために、立体内視鏡等の撮像デバイスを使用することができる。上述のように、電子カート56は、後続の表示前に、種々の方法で捕捉された画像を処理することができる。例えば、電子カート56は、外科医のコンソール52を介して外科医に組み合わせられた画像を表示する前に、仮想制御インターフェースを用いて捕捉された画像を重ねることができる。患者側カート54は、電子カート56の外側で処理するために捕捉された画像を出力することができる。例えば、患者側カート54は、捕捉された画像を処理するために使用することができるプロセッサ58に、捕捉された画像を出力することができる。画像はまた、合同で、連続して、および/またはそれらの組み合わせで、捕捉された画像を処理するよう、ともに連結することができる、電子カート56およびプロセッサ58の組み合わせによって処理することもできる。1つ以上の別個のディスプレイ60も、手技部位の画像、または任意の他の関連画像等の画像の局所および/または遠隔表示のために、プロセッサ58および/または電子カート56と連結することができる。
【0060】
図5aおよび5bは、それぞれ、患者側カート22および手術ツール62を示す。手術ツール62は、手術ツール26の実施例である。示された患者側カート22は、3つの手術ツール26、および手技の部位の画像の捕捉に使用される立体内視鏡等の撮像デバイス28の操作を提供する。操作は、いくつかのロボット継手を有するロボット機構によって提供される。撮像デバイス28および手術ツール26は、切開のサイズを最小限化するよう、運動学的遠隔中心が切開で維持されるように、患者の切開を通して位置付け、操作することができる。手術部位の画像は、撮像デバイス28の視野内に位置付けられるときに、手術ツール26の遠位端の画像を含むことができる。
【0061】
2自由度リスト
図6は、多くの実施形態による、エンドエフェクタ本体72を器具シャフト74と連結する、2自由度リスト70の斜視図である。リスト70は、支持部材76と、第1のヒンジ点78と、中間部材80と、第2のヒンジ点82と、第3のヒンジ点84とを含む。支持部材76は、図示されるように器具シャフト74の孔の内側に位置付けられるよう、4つの取付特徴86(例えば、機械的締結具)を介して器具シャフト74に固定して取り付けられる。中間部材80は、中心に位置する第1のヒンジ点78を介して、第1軸88の周囲で回転するために、支持部材76に枢動可能に連結される。エンドエフェクタ本体72は、周辺に位置する第2のヒンジ点82および周辺に位置する第3のヒンジ点84を介して、第2軸90の周囲で回転するために、枢動可能に中間部材80と連結される。第2のヒンジ点82および第3のヒンジ点84は、同軸であり、第2軸90と整合される。第2軸90は、第1軸88の周囲で中間部材とともに枢動する。
【0062】
第1軸88および第2軸90は、所望の運動学および/または空間特性を伴う小型2自由度リストを提供するように位置付けることができる。例えば、第1軸88および第2軸90は、同一平面上にあり、それにより、玉継手状運動学を伴う小型リスト部材を提供することができる。多くの実施形態では、第1軸88および第2軸90は、器具シャフト74の細長い方向に沿った所望の距離によって分離される。そのような分離は、リスト機構の運動学を、2自由度リストを介して器具シャフト74に対してエンドエフェクタ本体72を配向させるために使用される作動システム構成要素の運動学に接近および/または合致させるために使用することができる。多くの実施形態では、第1軸88および第2軸90は、器具シャフト74に対してエンドエフェクタ本体72を配向させるために使用される作動システム構成要素の運動学にほぼ合致する、小型性および運動学の所望の組み合わせを伴う2自由度リストを提供するよう、器具シャフト74の細長い方向に沿った所望の距離によって分離される。例えば、第1軸88と第2軸90との4mm分離が、使用される作動システム配向構成要素の運動学に合致する場合、2自由度リストは、より小型のリストを提供するよう、より小さい分離(例えば、2mm)を伴って構成することができる。多くの実施形態では、使用される作動システム配向構成要素の運動学に正確には合致しないことによる有意に不利な動作特性を含むことなく、そのような分離距離低下を採用することができる。第1軸88および第2軸90は、所望の空間特性を伴う小型2自由度リストを提供するように位置付けることができる。例えば、第1軸88および第2軸90は、作動システム構成要素および関連取付特徴のための付加的な空間を提供するように分離することができる。
【0063】
支持部材76は、器具シャフト74と第1のヒンジ点78との間の遷移嵌合を提供する。支持部材76は、長方形の主要部分92と、片持ち遠位部分100とを含む。長方形の主要部分92は、関節動作および/または作動構成要素(図示せず)の経路指定のために孔の2つの隣接領域を開けておく、器具シャフト孔の内径よりも小さい厚さを有する。支持部材の主要部分92は、器具シャフト孔の内側に送られるエンドエフェクタ制御ケーブルを誘導するために使用することができる、2つの内部通路94を含む。内部通路94は、主要部分92の近位端96と主要部分92の遠位端98との間に送られ、概して器具シャフト74の細長い方向と整合される。以下でさらに論議されるように、多くの実施形態では、内部通路94は、一定の制御ケーブル経路長を維持することによって、第1および第2軸の周囲での枢動中に制御ケーブル張力の変化を阻止するよう、中間部材のケーブルガイド表面と併せて稼働するように構成される。方持ち遠位部分100は、第1のヒンジ点78の単一枢動シャフトを受容する、取付ラグを有する。単一枢動シャフトの使用は例示的にすぎず、第1のヒンジ点78の代わりに、他の枢動継手構成要素を使用することができ、例えば、同軸上で整合された2つの枢動ピンを使用することができる。支持部材76は、例えば、器具シャフト74に対するエンドエフェクタ本体72の所望の範囲の再配向に必要なエンドエフェクタ本体72と器具シャフト74との間の隙間を提供するよう、器具シャフト74およびエンドエフェクタ本体72に対する所望の場所に第1のヒンジ点78(したがって第1軸88)を配置するように構成される。
【0064】
中間部材80は、第1のヒンジ点78、第2のヒンジ点82、および第3のヒンジ点84の間の遷移嵌合を提供する。中間部材80は、関節動作および/または作動構成要素(図示せず)の経路指定のために2つの隣接領域を開けておく、器具シャフト孔の内径よりも小さい厚さ(例えば、主要部分92の厚さと同様である)を有する、細長い長方形の主要部分を含む。中間部材80は、支持部材遠位部分100の取付ラグを受容するように構成される、中心スロット102を含む。中心スロット102は、第1軸88の周囲での中間部材80の回転の範囲の全体を通して、遠位部分100の取付ラグを収容するように構成される。中心スロット102はまた、支持部材内部通路94を通して送られるエンドエフェクタ制御ケーブル(図示せず)を収容するように構成することもできる。中心スロット102はまた、エンドエフェクタ制御ケーブルを誘導するように構成される表面を含むこともできる。以下でさらに論議されるように、多くの実施形態では、中心スロットケーブル誘導表面は、実質的に一定の制御ケーブル経路長を維持することによって、第1および第2軸の周囲での枢動中に制御ケーブルの張力の変化を阻止するように構成される。多くの実施形態では、中心スロットケーブル誘導表面は、第1および第2軸の周囲での枢動中に一定の制御ケーブル経路長を維持するように、内部通路94と併せて稼働する。中心スロット102はまた、第1のヒンジ点78の単一枢動シャフトを受容する、対向取付フランジも提供する。第2のヒンジ点82は、中間部材80の第1端から片持ちされる枢動シャフトを含む。第3のヒンジ点84は、中間部材80の対向する第2端から片持ちされる枢動シャフトを含む。片持ち枢動シャフトの使用は例示的にすぎず、他の好適な枢動シャフトを使用することができる。多くの実施形態では、第2および第3のヒンジ点82、84の位置および配向(したがって第2軸90の位置および配向)は、第1軸88に対する第2軸90の所望の位置および配向を提供するよう選択される。例えば、多くの実施形態では、第1および第2の軸は、同一平面上にない。多くの実施形態では、第1および第2軸は、同一平面上にある。多くの実施形態では、第1軸88に対する第2軸90の位置および/または配向は、器具シャフト74に対するエンドエフェクタ本体72の移動のための所望の運動学を提供するように選択される。
【0065】
図7は、多くの実施形態による、第1軸88の周囲での中間部材80と支持部材76との間の回転自由度、および第2軸90の周囲でのエンドエフェクタ本体(図示せず)と中間部材80との間の回転自由度を図示する、図6の2自由度リスト70の斜視図である。支持部材76は、例えば、エンドエフェクタ本体の関節動作のための空間を提供するよう、エンドエフェクタ本体と器具シャフトとの間の隙間を提供するように、器具シャフト74の遠位端から遠位の所望の場所に第1のヒンジ点78を位置付けるよう、器具シャフト74に取り付けられる。中間部材中心スロット102は、エンドエフェクタ制御ケーブル(図示せず)の経路指定に適応するよう、エンドエフェクタ本体に隣接する中間部材80の側面に開いている。図7の視認方向から、支持部材76の一方の内部通路94は、可視的であり、他方の内部通路94は、図から隠されている。多くの実施形態では、1本の制御ケーブルが、2つの内部通路94のそれぞれを通して送られる。これら2本の制御ケーブルのそれぞれはさらに、第1軸88の両側で1本ずつ、中間部材中心スロット102を通して送られる。
【0066】
図8aは、第2軸90を通して得られ、第1軸88に垂直である、例証的な支持および中間部材のケーブル誘導表面を示す、リスト70の概略断面図である。支持部材遠位端100は、湾曲弧形状の中心線が第1軸88と整合されるように、湾曲弧形状を伴う第1の滑車表面104を含む。中間部材スロット102の内面は、湾曲弧形状の中心線(第2の滑車の中心線110および第3の滑車の中心線112)が第1軸88からオフセットされ、それと平行であるように、湾曲弧形状を伴う第2の滑車表面106および第3の滑車表面108を画定する。図示された滑車表面は、一定の曲率を有するが、これは例示的にすぎず、他の好適な表面を使用することができる。第1の滑車表面104、第2の滑車表面106、および第3の滑車表面108は、第1軸88の周囲での中間本体80の回転のために(したがって第1軸88の周囲でのエンドエフェクタ本体の回転のために)制御ケーブルを誘導することができる、円滑ケーブル誘導表面を提供する。多くの実施形態では、第1の滑車表面104、第2の滑車表面106、および第3の滑車表面108は、一定の制御ケーブル経路長を維持することによって、第1軸の周囲での枢動中に制御ケーブル張力の変化を阻止する。多くの実施形態では、第1の滑車表面104、第2の滑車表面106、および第3の滑車表面108は、第1軸の周囲での枢動中に一定の制御ケーブル経路長を維持するように、内部通路94と併せて稼働する。
【0067】
図8bは、多くの実施形態による、付加的な中間部材ケーブル誘導表面の簡素化した概略図である。図8bは、図8aの断面AAを図示する。中間部材スロット102の内面はさらに、湾曲弧形状の中心線(第4の滑車の中心線118および第5の滑車の中心線120)が第2軸90からオフセットされるように、湾曲弧形状の中心線とともに湾曲弧形状を伴う第4の滑車表面114および第5の滑車表面116を画定する。図示された滑車表面は、一定の曲率を有するが、これは例示的にすぎず、他の好適な表面を使用することができる。第4の滑車表面114および第5の滑車表面116は、第2軸90の周囲での中間本体80に対するエンドエフェクタ本体の回転のために制御ケーブルを誘導することができる、円滑ケーブル誘導表面を提供する。多くの実施形態では、第4の滑車表面114および第5の滑車表面116は、一定の制御ケーブル経路長を維持することによって、第2軸の周囲での枢動中に制御ケーブル張力の変化を阻止する。多くの実施形態では、第4の滑車表面114および第5の滑車表面116は、第2軸の周囲での枢動中に一定の制御ケーブル経路長を維持するように、内部通路94と併せて稼働する。
【0068】
図9は、多くの実施形態による、作動システムの制御ケーブルを誘導するための内部通路94への入口を図示する、図6および7の支持部材76の近位端面図である。支持部材の内部通路94は、器具シャフトの遠位端で制御ケーブルの断面位置を拘束するために使用することができる。
【0069】
図10は、多くの実施形態による、2自由度リスト70の両側に沿った作動システム構成要素の例示的な経路指定、および2自由度リストを通した制御ケーブル122、124の経路指定を示す、図6および7の2自由度リスト70の斜視図である。2自由度リストの略平面構成、およびそれを支持するシャフト内のその中心位置は、そのような作動システム構成要素の経路してのために隣接領域を開いておく。図示した実施形態では、これらの作動システム構成要素は、リストより上側に送られる第1の駆動シャフトアセンブリ126と、リストより下側に送られる第2の駆動シャフトアセンブリ128と、リストより上側および下側に送られるエンドエフェクタ関節動作引張ロッド130、132、134、および136と、上記で論議されるように支持部材の内部通路および中間部材スロット102を介してリストを通して送られる制御ケーブル122、124とを含む。
【0070】
2自由度リスト70は、(第1の継手78を介した)第1軸88の周囲での回転および(第2の継手82および第3の継手84を介した)第2軸90の周囲での回転の両方のために、角度配向制限硬質接触を提供する特徴を含む。そのような角度配向制限硬質接触は、角度過大移動による損傷からリスト横断構成要素を保護する働きをする。図11aは、(第1の継手78を介した)第1軸88の周囲での回転のための、2自由度リスト70の中間部材80と支持部材76との間の角度配向制限硬質接触を図示する。角度配向制限硬質接触は、中間部材80が第1の継手78の周囲で反対方向に回転させられると、中間部材80と支持部材76との間で生じる。図11bは、(第2の継手82および第3の継手84を介した)第2軸90の周囲での回転のための、2自由度リスト70の中間部材80とエンドエフェクタ本体72との間の角度配向制限硬質接触を図示する。同様の角度配向制限硬質接触は、エンドエフェクタ本体72が第2軸90の周囲で反対方向に回転させられると、中間部材80とエンドエフェクタ本体72との間で生じる。
【0071】
図12は、多くの実施形態による、2自由度リスト70を有するツールアセンブリ140の簡素化した概略図である。ツールアセンブリ140は、近位作動アセンブリ142と、主要シャフト144と、エンドエフェクタ146の関節動作エンドエフェクタ基部と、2自由度リスト70とを含む。多くの実施形態では、近位作動アセンブリ142は、2次元で主要シャフト144に対してエンドエフェクタ基部を選択的に再配向させるよう、エンドエフェクタ基部と動作可能に連結され、エンドエフェクタ基部に対して1つ以上のエンドエフェクタ特徴を関節動作させるよう、エンドエフェクタ146と動作可能に連結される。作動アセンブリ142をエンドエフェクタ146と連結するために、種々の作動構成要素、例えば、制御ケーブル、ケーブル/ハイポチューブの組み合わせ、駆動シャフト、引張ロッド、および押しロッドを使用することができる。多くの実施形態では、作動構成要素は、主要シャフト144の孔を通して、作動アセンブリ142とエンドエフェクタ146との間に送られる。
【0072】
ツールアセンブリ140は、近位作動機構142で使用される手動および/または自動作動を用いた手持ち式デバイスとして、種々の用途で使用するために構成することができる。そのようなものとして、ツールアセンブリ140は、低侵襲ロボット手術を超えた用途、例えば、非ロボット低侵襲手術、非低侵襲ロボット手術、非ロボット非低侵襲手術、ならびに2自由度リストの使用が有益となる他の用途を有することができる。
【0073】
リンク張力部材によるリスト関節動作
図13aは、多くの実施形態による、リンク張力部材によるリスト関節動作を伴う手術ツール170の簡素化した概略図である。手術ツール170は、2自由度継手を介して2自由度リストと枢動可能に連結される、第2のリンク172を含む。継手は、第1軸176および第2軸178の周囲で第2のリンク172と第1のリンク174との間の回転運動を提供する。第1軸176は、第1のリンク174に対して固定され、第2軸178は、第2のリンク172に対して固定される。4つの取付特徴180、182、184、186は、第2のリンク172の上に配置される。取付特徴180、182、184、186のそれぞれは、それぞれ、張力部材188、190、192、194と連結される。張力部材188、190、192、194は、第1のリンク174の孔を通して送られ、制御ケーブル198、200、202、204を介して作動機構196と連結される。多くの実施形態では、張力部材188、190、192、194は、動作荷重下での伸張を最小限化するように、および費用を削減するように構成される(例えば、長さ17インチ、0.04インチの外径、0.02インチの内径、長さ15.2インチ、0.06インチの外径、0.02インチの内径)。多くの実施形態では、取付特徴180、182、184、186、張力部材188、190、192、194、第1軸176、および第2軸178は、張力部材の対向軸方向移動が、張力部材の張力の変化を阻止するよう、第1のリンク174に対して第2のリンク172を角度配向させるように構成される。図示された実施形態では、作動機構196は、第1のモータ駆動型キャプスタン206と、第2のモータ駆動型キャプスタン208とを含む。第1の対角線上に対向した一対の制御ケーブル(例えば、制御ケーブル198、202)は、第1のモータ駆動型キャプスタン206の時計回りの回転が、等量だけ制御ケーブル202を後退させ、制御ケーブル198を延長させ、第1のモータ駆動型キャプスタン206の反時計回りの回転が、等量だけ制御ケーブル198を後退させ、制御ケーブル202を延長させるように、第1のモータ駆動型キャプスタン206に巻き付けられる。同様に、第2の対角線上に対向した一対の制御ケーブル(例えば、制御ケーブル200、204)は、第2のモータ駆動型キャプスタン208の時計回りの回転が、等量だけ制御ケーブル200を後退させ、制御ケーブル204を延長させ、第2のモータ駆動型キャプスタン208の反時計回りの回転が、等量だけ制御ケーブル204を後退させ、制御ケーブル200を延長させるように、第2のモータ駆動型キャプスタン208に巻き付けられる。
【0074】
図13bおよび13cは、取付特徴180、182、184、186のうちの1つを図式的に図示する。取付特徴180、182、184、186は、その湾曲した通常の中心線214の固定曲率中心212、およびその湾曲した通常の中心線214の周囲の第1の曲率半径216を伴う湾曲部分210を有する。固定曲率中心のそれぞれは、第2軸178を含む2次元平面上に位置することができる。湾曲した通常の中心線は、第2軸178に垂直に配向された2次元平面上に位置することができる。4本の湾曲した通常の中心線は、第1軸176を含む2次元平面に接することができる。張力部材188、190、192、194のそれぞれは、張力部材の長さに垂直に配向された穴軸を伴う取付ラグ218、220、222、224を有する。取付ラグの穴は、対応する取付特徴の湾曲部分を摺動して受容するようにサイズ決定される。取付ラグは、第1のリンク174に対する第2のリンク172の関節動作中に、湾曲部分の周囲で回転する、および/または湾曲部分に沿って摺動するように構成される。
【0075】
第2のリンク172が第2軸178の周囲で回転すると、取付ラグ218、220、222、224は、取付特徴180、182、184、186の対応する湾曲部分に沿って摺動する。図13dは、多くの実施形態による、第2軸178の周囲で回転させられる第2のリンク172を示す、図13aの手術ツールの簡素化した概略図である。取付ラグ218、220、222、224のそれぞれは、張力部材のそれぞれが、その対応する取付特徴の湾曲部分の固定曲率中心と整合されるように、対応する取付特徴の湾曲部分に沿って摺動する。結果として上張力部材190、194は、(図13aに描写された中立の第2のリンクの配向と比較して)下張力部材188、192が後退するのと同じ量だけ延長する。張力部材のそのような平衡延長/後退により、1対以上の張力部材を、共通作動機構によってリンクし、作動させることができる。例えば、対角線上に対向した張力部材は、少なくとも1本の制御ケーブルと連結することができ、少なくとも1本の制御ケーブルは、モータ駆動型キャプスタンによって作動させることができる。(例えば、サーボ制御された)モータ駆動型キャプスタンの回転は、同時に(および平等に)、一対の張力部材のうちの第1の張力部材と連結される制御ケーブルの一部を延長させ、一対の張力部材のうちの第2の張力部材と連結される制御ケーブルの一部を後退させるために使用することができる。制御ケーブルのそのような同時かつ平等な延長/後退は、リンク張力部材の張力の変化を阻止することができ、それは、不利な制御ケーブルの緩みおよび/またはツール構成要素の過大応力を回避するのに役立ってもよい。
【0076】
図13eは、多くの実施形態による、2自由度継手の第1軸176と平行な視認方向からの図13aおよび13dの手術ツール170を図示する。上記で論議されるように、取付特徴180、182、184、186は、通常の中心線および固定曲率中心を有する、湾曲部分を含む。通常の中心線のそれぞれは、自由度継手の第1軸176を含む平面に接する。固定曲率中心のそれぞれは、自由度継手の第2軸178を含む平面内にある。
【0077】
第2のリンク172が第1軸176の周囲で回転すると、取付ラグ218、220、222、224は、対応する取付特徴の湾曲部分の通常の中心線の周囲で回転する。図13fは、多くの実施形態による、第1軸176の周囲で回転させられる第2のリンク172を示す、図13a、13d、および13eの手術ツール170の簡素化した概略図である。取付ラグ218、220、222、224のそれぞれは、張力部材のそれぞれが、その対応する中心線と整合されるように、取付特徴180、182、184、186の対応する湾曲部分の通常の中心線の周囲で回転する。結果として上張力部材188、190は、(図13eに描写された中立の第2のリンクの配向と比較して)下張力部材192、194が後退するのと同じ量だけ延長する。上記で論議されるように、張力部材のそのような平衡延長/後退により、1対以上の張力部材を、共通作動機構によってリンクし、作動させることができる。例えば、2つの対角線上に対向した張力部材188、194を備える、第1の一対の4つの張力部材は、第1のモータ駆動型キャプスタンによって作動させることができ、2つの対角線上に対向した張力部材190、192を備える、第2の一対の4つの張力部材は、第2のモータ駆動型キャプスタンによって作動させることができる。第1および第2のモータ駆動型キャプスタンは、2自由度継手によって提供される配向の範囲内で、第1のリンク174に対して第2のリンク172を関節動作させるために使用することができる。
【0078】
図13gは、多くの実施形態による、2自由度継手を介して第1のリンク234と連結された第2のリンク232を有する、手術ツール230の斜視図である。図示された2自由度継手は、支持部材238に対して第1軸の周囲で回転するように枢動可能に連結される、中間部材236を含む。第2のリンク232は、中間部材236に対して第2軸の周囲で回転するよう、中間部材236と枢動可能にに連結される。第2のリンク232は、湾曲部分を備える、4つの取付特徴240、242、244(246は図から隠されている)を備える。4つの張力部材248、250、252(254は図から隠されている)は、4つの取付特徴240、242、244と連結される。
【0079】
図示された手術ツール230は、上記で論議され、図13a、13d、13e、および13fに図示される、手術ツール170と同様に構成される。したがって、手術ツール170に関する上記の論議は、リンク張力部材を介したリスト関節動作をさらに図示する、図13gに図示される手術ツール230に該当する。図13hは、多くの実施形態による、2自由度継手の第1軸の周囲での第2のリンクの60度配向を示す、2自由度継手の第1軸の周囲での第2のリンク232の60度配向を示す、図13gの手術ツール230の側面図である。図13gに図示された整合配向から、図13hに図示された配向まで、張力部材取付ラグは、取付特徴の湾曲部分の通常の中心線の周囲で枢動し、それにより、張力部材と湾曲部分の通常の中心線との間の整合を維持している。図13iは、多くの実施形態による、2自由度継手の第2軸の周囲での第2のリンクの30度配向を示す、図13gの手術ツール230の側面図である。図13gに図示された整合配向から、図13iに図示された配向まで、張力部材取付ラグは、取付特徴の湾曲部分に沿って摺動し、それにより、張力部材と湾曲部分の固定曲率中心との間の整合を維持している。
【0080】
図14aは、多くの実施形態による、リンク張力部材によりリスト関節動作を伴う手術ツール260の簡素化した概略図である。手術ツール260は、2自由度継手を介して第1のリンク264と枢動可能にに連結される、第2のリンク262を含む。継手は、第1軸266および第2軸268の周囲で第2のリンク262と第1のリンク264との間の回転運動を提供する。第1軸266は、第1のリンク264に対して固定され、第2軸268は、第2のリンク262に対して固定される。4つの取付特徴270、272、274、276は、第2のリンク262の上に配置される。取付特徴270、272、274、276のそれぞれは、それぞれ、張力部材278、280、282、284と連結される。張力部材278、280、282、284は、第1のリンク264の穴を通して送られ、作動機構(図示せず、例えば、上記で説明されるような遠隔ロボット手術システム内の遠隔操作手術器具を作動させることと関連付けられる作動機構)と連結される。多くの実施形態では、取付特徴270、272、274、276、張力部材278、280、282、284、第1軸266、および第2軸268は、張力部材の対向軸方向移動が、張力部材の張力の変化を阻止するよう、第1のリンク264に対して第2のリンク262を角度配向させるように構成される。
【0081】
取付特徴270、272、274、276のそれぞれは、第2軸268と平行に配向された穴軸を伴う取付ラグを含む。張力部材278、280、282、284のそれぞれは、その通常の中心線の周囲の第1の曲率半径と、その曲線中心線の固定曲率中心とを有する、湾曲部分の一部を備えることができる。湾曲した通常の中心線は、第1軸266に垂直に配向された2次元平面上に位置することができる。取付特徴ラグ穴は、張力部材の湾曲部分を摺動して受容するようにサイズ決定される。取付特徴ラグは、第1のリンク264に対する第2のリンク262の関節動作中に、張力部材の湾曲部分周囲で回転し、および/または張力部材の湾曲部分に沿って摺動するように構成される。
【0082】
第2のリンク262が第2軸268の周囲で回転すると、張力部材の湾曲部分のそれぞれは、対応する取付特徴ラグに対して摺動する。図14bは、多くの実施形態による、第1軸266の周囲で回転させられる第2のリンク262を示す、図14aの手術ツール260の簡素化した概略図である。張力部材の湾曲部分のそれぞれは、対応する取付特徴ラグに対して摺動する。結果として上張力部材280、284は、(図14aに描写された中立の第2のリンクの配向と比較して)下張力部材278、282が後退するのと同じ量だけ延長する。これは、上記で論議される手術ツール170と同様である、張力部材の平衡延長/後退を提供する。したがって、手術ツール170に関して上記で論議される、張力部材のそのような平衡延長/後退の付加的な側面および便益性は、手術ツール260に該当し、ここでは繰り返さない。
【0083】
図14cは、多くの実施形態による、2自由度継手の第2軸268と平行な視認方向からの図14aおよび14bの手術ツール260を図示する。上記で論議されるように、取付特徴270、272、274、276のそれぞれは、第2軸268と平行に配向された穴軸を伴う取付ラグを含む。張力部材のそれぞれは、その通常の中心線と、固定曲率中心とを有する、湾曲部分を備えることができる。
【0084】
第2のリンク262が第2軸268の周囲で回転すると、張力部材の湾曲部分は、取付特徴ラグ内で枢動する。図14dは、多くの実施形態による、第2軸268の周囲で回転させられる第2のリンク262を示す、図14a、14b、および14cの手術ツール260の簡素化した概略図である。張力部材の湾曲部分のそれぞれは、張力部材のそれぞれが、対応する取付特徴ラグ穴と整合されたままであるように、対応する取付特徴ラグ穴の内側で枢動する。結果として上張力部材278、280は、(図14cに描写された中立の第2のリンクの配向と比較して)下張力部材282、284が後退するのと同じ量だけ延長する。上記で論議されるように、張力部材のそのような平衡延長/後退により、1対以上の張力部材を、共通作動機構によってリンクし、作動させることができる。したがって、手術ツール170に関して上記で論議される、張力部材のそのような平衡延長/後退の付加的な側面および便益性は、手術ツール260に該当し、ここでは繰り返さない。
【0085】
図14eは、多くの実施形態による、2自由度継手を介して第1のリンク(図示せず)と連結された第2のリンク292を有する、手術ツール290の部分斜視図である。図示された2由度継手は、支持部材296に対して第1軸の周囲で回転するように枢動可能にに連結される、中間部材294を含む。第2のリンク292は、中間部材294に対して第2軸の周囲で回転するように枢動可能にに連結される。第2のリンク292は、4つの取付特徴298、300、302(304は図から隠されている)を備え、そのそれぞれは、取付ラグを備える。4つの張力部材306、308、310、312は、4つの取付特徴298、300、302、304と連結される。張力部材306、308、310、312のそれぞれは、対応する取付特徴ラグによって摺動して受容される、湾曲部分を備える。図示される手術ツール290は、上記で論議され、図14a、14b、14c、および14dに図示される手術ツール260と同様に構成される。したがって、手術ツール260に関する上記の論議は、リンク張力部材を介したリスト関節動作をさらに図示する、図14eに図示される手術ツール290に該当する。
【0086】
図15は、多くの実施形態による、手術ツールを製造するための方法320の簡素化したフローチャートである。作用322では、第2のリンクが、第1および第2の軸の周囲で回転するように第1のリンクと連結される。例えば、第2のリンクを第1のリンクに連結するために、2自由度継手機構をを使用することができる。2自由度継手は、第1軸の周囲で第1のリンクに対して回転するように第2のリンクと枢動可能に連結される、中間部材を含むことができる。第2のリンクは、第2軸の周囲で中間部材に対して回転するように、中間部材と枢動可能に連結することができる。第1のリンクは、遠位端、近位端、およびその間に画定される第1のリンク軸を有することができる。第1のリンクは、軸孔を有することができる。第1および第2軸は、第1のリンク軸と非平行となり得る。第1軸は、第2軸と非平行となり得る。第2のリンクは、4つの取付特徴を備えることができる。取付特徴のそれぞれは、第1のリンク軸に沿って見ると、第1および第2軸からオフセットすることができる。取付特徴のそれぞれは、第1のリンク軸に沿って見ると、第1および第2軸によって画定される各四分円内に配置することができる。
【0087】
作用324では、張力部材が第2のリンク取付特徴のそれぞれと連結される。張力部材のそれぞれは、張力部材の軸方向移動が軸の周囲で第1のリンクに対して第2のリンクを角度配向させるように、第1のリンクの孔の内側から第2のリンクの取付特徴のうちの1つまで遠位に延在することができる。張力部材と取付特徴との間の界面は、張力部材の張力の変化を阻止するよう、第1のリンクに対する第2のリンクの角度配向との相関関係において、第2のリンクに対して張力部材の位置を変化させることができる。
【0088】
作用326では、張力部材のそれぞれは、張力部材を作動させることによって、2次元で第1のリンクに対する第2のリンクの角度配向を制御するように動作可能な作動機構と連結される。例えば、4つ張力部材のうちの第1の張力部材は、第1の制御ケーブルと連結することができ、張力部材のうちの第2の張力部材は、第2の制御ケーブルと連結することができる。第1および第2の張力部材は、対角線上に対向した張力部材となり得る。第1および第2の制御ケーブルは、作動機構の第1のキャプスタンと連結することができる。4つの張力部材のうちの第3の張力部材は、第3の制御ケーブルと連結することができ、4つの張力部材のうちの第4の張力部材は、第4の制御ケーブルと連結することができる。第3および第4の張力部材は、対角線上に対向した張力部材となり得る。第3および第4の制御ケーブルは、作動機構の第2のキャプスタンと連結することができる。
【0089】
図16は、多くの実施形態による、リンク張力部材によって関節動作させられたリストを有する、ツールアセンブリ330の簡素化した概略図である。ツールアセンブリ330は、近位作動アセンブリ332と、主要シャフト334と、エンドエフェクタ336の関節動作エンドエフェクタ基部と、2自由度リスト338とを含む。多くの実施形態では、近位作動アセンブリ332は、手術ツール170、260に関して上記で説明されるように、リンク張力部材を介して2次元で主要シャフト334に対してエンドエフェクタ基部を選択的に再配向させるよう、エンドエフェクタ基部と動作可能に連結され、エンドエフェクタ基部に対して1つ以上のエンドエフェクタ特徴を関節動作させるよう、エンドエフェクタ336と動作可能に連結される。作動アセンブリ332をエンドエフェクタ336と連結するために、種々の作動構成要素、例えば、制御ケーブル、駆動シャフト、ならびに上記のリンク張力部材および対応するエンドエフェクタ基部取付特徴を使用することができる。多くの実施形態では、作動構成要素は、主要シャフト334の孔を通して、作動アセンブリ332とエンドエフェクタ336との間に送られる。
【0090】
ツールアセンブリ330は、例えば、近位作動機構332で使用される手動および/または自動作動を用いた手持ち式デバイスとして、種々の用途で使用するために構成することができる。そのようなものとして、ツールアセンブリ330は、低侵襲ロボット手術を超えた用途、例えば、非ロボット低侵襲手術、非低侵襲ロボット手術、非ロボット非低侵襲手術、ならびにリンク張力部材によって関節動作させられる2自由度リストの使用が有益となる他の用途を有することができる。
【0091】
角度を通してトルクを伝達するための機構
図17は、多くの実施形態による、角度を通してトルクを伝達するための機構372を有する、ツールアセンブリ370の簡素化した概略図である。ツールアセンブリ370は、近位トルク源374と、主要シャフト376と、エンドエフェクタ378の関節動作エンドエフェクタ基部と、トルク伝達機構372とを含む。トルク伝達機構372は、駆動シャフト380の回転が被駆動シャフト382の対応する回転を生じさせるように、駆動シャフト380と、被駆動シャフト382と、駆動シャフト380および被駆動シャフト382の両方と連結される連結部材384とを含む。多くの実施形態では、駆動シャフト380は、主要シャフト376に対する回転のために載置され、主要シャフト376の孔(中心線またはオフセット)を通して送られる。多くの実施形態では、トルク伝達機構372は、被駆動シャフト382の回転速度が、シャフト間の相対的角度配向において駆動シャフト380の回転速度に実質的に合致するように構成される。動作中、近位トルク源374が駆動シャフト380を回転させ、それが連結部材384を回転させ、それが被駆動シャフト382を回転させ、それにより、主要シャフト376とエンドエフェクタ378との間の角度を通してトルクを伝達させる。多くの実施形態では、被駆動シャフト382は、エンドエフェクタ378のシャフト駆動型機構を作動させる。例えば、エンドエフェクタのシャフト駆動型機構は、関節動作エンドエフェクタ基部に対して締め付けジョーを作動させることができ、および/または手術デバイス(例えば、吻合デバイス、カッターデバイス、焼灼デバイス)を作動させることができる。そのようなシャフト駆動型機構は例示的にすぎない。被駆動シャフトは、他の好適なシャフト駆動型機構を作動させるために使用することができる。加えて、ツールアセンブリ370は、1つのトルク伝達機構372とともに示されているが、これは例示的にすぎない。1つ以上のトルク伝達機構372は、例えば、近位トルク源374から対応する1つ以上のエンドエフェクタ機構へトルクを伝えるために使用することができる。
【0092】
ツールアセンブリ370は、例えば、近位トルク源374で使用される手動および/または自動作動を用いた手持ち式デバイスとして、種々の用途で使用するために構成することができる。そのようなものとして、ツールアセンブリ370は、低侵襲ロボット手術を超えた用途、例えば、非ロボット低侵襲手術、非低侵襲ロボット手術、非ロボット非低侵襲手術、ならびに角度を通してトルクを伝達するための開示された機構が有益となる他の用途を有することができる。
【0093】
図18は、多くの実施形態による、角度を通してトルクを伝達するための機構390の側面図である。トルク伝達機構390は、駆動シャフト392と、連結部材394と、被駆動シャフト396と、第1の連結ピン398と、第2の連結ピン400とを含む。図18は、インライン構成のトルク伝達機構390を図示する。
【0094】
駆動シャフト392は、連結部材394と軸方向かつ回転可能に連結される。駆動シャフト392は、連結部材394の第1の容器404内で受容される遠位端402を有する。駆動シャフト遠位端402は、横スロット406を備える。第1の連結ピン398は、第1の容器404を横断するよう連結部材394と噛合する。第1の連結ピン398は、駆動シャフトの横スロット406によって受容される。駆動シャフト遠位端402および連結部材の第1の容器404は、相補的な形状の界面、例えば、球面を有することができる。第1の連結ピン398と駆動シャフトの横スロット404との間の相互作用は、駆動シャフト392および連結部材394を軸方向かつ回転可能に連結する。加えて、駆動シャフト遠位端402および連結部材の第1の容器404の界面間の相互作用はさらに、連結部材394に対して駆動シャフト392を保持することができる。
【0095】
同様に、被駆動シャフト396は、連結部材394と軸方向かつ回転可能に連結される。被駆動シャフト396は、連結部材394の第2の容器410内で受容される近位端408を有する。被駆動シャフト近位端408は、横スロット412を備える。第2の連結ピン400は、第2の容器410を横断するよう連結部材394と噛合する。第2の連結ピン400は、被駆動シャフトの横スロット412によって受容される。被駆動シャフト近位端408および連結部材の第2の容器410は、相補的な形状の界面、例えば、球面を有することができる。第2の連結ピン400と被駆動シャフトの横スロット412との間の相互作用は、被駆動シャフト396および連結部材394を軸方向かつ回転可能に連結する。加えて、被駆動シャフト近位端408および連結部材の第2の容器410の界面間の相互作用はさらに、連結部材394に対して被駆動シャフト396を保持することができる。
【0096】
図19aは、多くの実施形態による、駆動シャフト392の球面歯車の歯414と被駆動シャフト396の噛合球面歯車の歯416との間の係合を示す、図18のトルク伝達機構390の断面図である。歯車の歯は、球体の表面上の幾何学的な小円の一般形態であるため、「球面」と称される。図示された断面は、それぞれ、駆動シャフト392、被駆動シャフト396、および連結部材394の中心線を含み、第1の連結ピン398および第2の連結ピン400と平行な視認方向に沿って得られている。図示されたインライン構成では、連結部材394、駆動シャフト392、および被駆動シャフト396は、整合されている。連結部材394は、連結部材軸418の周囲で回転する。連結部材軸418は、2つの容器404、410の間の縦中心線である。駆動シャフト392は、駆動軸420の周囲を回転する。被駆動シャフト396は、被駆動軸422の周囲を回転する。駆動シャフト392は、第1の連結ピン398の周囲で枢動するように拘束される(それにより、連結部材394に対して枢動するように拘束される)。同様に、被駆動シャフト396は、第2の連結ピン400の周囲で枢動するように拘束される(それにより、連結部材394に対して枢動するように拘束される)。駆動シャフトの歯車の歯414と被駆動シャフトの歯車の歯416との間の係合によって提供される、駆動シャフト392と被駆動シャフト396との間の付加的な拘束は、駆動シャフト392と連結部材394との間の相対的角度配向を、被駆動シャフト396と連結部材394との間の相対的角度配向に結び付ける。
【0097】
図19aはまた、連結部材の第1の容器404の内側球面426とインターフェースする、駆動シャフトの外側球面424も含む。同様に、被駆動シャフトの外側球面428は、連結部材の第2の容器410の内側球面430とインターフェースする。上記で論議されるように、第1の連結ピン398によって提供される拘束は、駆動シャフト392および連結部材394を軸方向かつ回転可能に連結し、第2の連結ピン400によって提供される拘束は、被駆動シャフト396および連結部材394を軸方向かつ回転可能に連結する。加えて、界面接触球面によって提供される拘束はさらに、連結部材394に対して駆動シャフト392および被駆動シャフト396を拘束することができる。
【0098】
図19bは、多くの実施形態による、角度構成のための駆動シャフトの歯車の歯414と被駆動シャフトの歯車の歯416との間の係合を図示する、図18および19aのトルク伝達機構390の断面図である。図示された断面は、駆動軸420、被駆動軸422、および連結部材軸418を含み、第1の連結ピン398および第2の連結ピン400と平行な視認方向に沿って得られている。
【0099】
図示された角度構成では、被駆動軸422は、駆動軸420から70度逸脱する。駆動シャフトの歯車の歯414と被駆動シャフトの歯車の歯416との間の係合によって提供される拘束は、駆動軸420と連結軸418との間の35度逸脱、および連結軸418と被駆動軸422との間の35度逸脱の間で平等に分布している、70度をもたらす。同等の相対角度で配向される連結部材を、駆動シャフトおよび被駆動シャフトの両方に拘束することによって、駆動シャフトと連結部材との間の回転速度差は、連結部材の回転が被駆動シャフトに伝えられると効果的に取り消され、それにより、駆動シャフトと被駆動シャフトとの間の回転速度差を実質的に排除する。
【0100】
駆動シャフトの歯車の歯414および被駆動シャフトの歯車の歯416は、トルク伝達機構390の角度配向のために、駆動シャフト392と被駆動シャフト396との間の上記の拘束を提供するよう、球状に配向される。角度構成のために、駆動シャフト392の回転、および被駆動シャフト396の対応する回転は、駆動シャフト遠位端402および被駆動シャフト近位端408の異なる部分を連結軸418によって交差させる。球形歯車の歯の使用は、駆動シャフトに対して連結部材を配向させるために必要な角度配向を依然として提供しながら、シャフトのこの移動を可能にする。
【0101】
他の好適なシャフト角度拘束構成も使用することができる。例えば、図19cに図示されるように、駆動シャフト特徴(例えば、駆動シャフト遠位端から片持ちされる球面432を備える特徴)は、被駆動シャフト特徴(被駆動シャフト近位端から片持ちされる球面を備える片持ち駆動シャフト特徴を受容する円筒孔434を備える、特徴)と係合することができる。いくつかのシャフト角度拘束の使用は、駆動軸420と連結軸418との間の相対角度と、連結軸418と被駆動軸422との間の相対角度との間で、いくらかのレベルの変動をもたらす場合があるが、駆動シャフト392と被駆動シャフト396との間の結果として生じる回転速度の変動は、いくつかの用途で容認可能であってもよい。
【0102】
好適なシャフト角度拘束を提供するために、他の球面歯車の歯の外形を使用することができる。例えば、駆動シャフト遠位端402は、駆動軸420の周囲に延在する歯車の歯の表面を備えることができ、被駆動シャフト近位端408は、シャフト角度拘束を提供するよう、駆動シャフトの歯車の歯の表面が被駆動シャフトの歯車の歯の表面に係合するように、被駆動軸422の周囲に延在する相補的な歯車の歯の表面を備えることができる。駆動シャフトの歯車の歯の表面は、駆動軸420から放射状に延在する、駆動シャフトの歯車の歯の外形によって画定することができ、被駆動シャフトの歯車の歯の表面は、駆動/連結器角度と被駆動/連結器角度との間で実質的な等価を維持するシャフト角度拘束を提供するよう、被駆動軸422から放射状に延在する被駆動シャフトの歯車の歯の外形によって画定することができる。駆動シャフトの歯車の歯の表面は、駆動軸420の周囲で駆動シャフトの歯車の歯の外形を回転させることによって画定される外旋表面を備えることができ、被駆動シャフトの歯車の歯の表面は、被駆動軸422の周囲で被駆動シャフトの歯車の歯の外形を回転させることによって画定される外旋表面を備えることができる。例えば、図19cでは、片持ち球面432は、駆動軸から放射状に延在する歯車の歯の外形(その円形断面)と、駆動軸420の周囲でその歯車の歯の外形を回転させることによって画定される外旋表面とを含む。円筒孔表面434は、被駆動軸422から放射状に延在する相補的な歯車の歯の外形(その直線断面)と、駆動軸422の周囲でその歯車の歯の外形を回転させることによって画定される外旋表面とを含む。例えば、図19aに図示された歯車の歯の外形と図19cに図示された歯車の歯の外形との間の中間形状の歯車の歯の外形といった、他の歯車の歯の外形を同様に構成することができる。
【0103】
図19dは、多くの実施形態による、駆動シャフトの横スロット406および同様の被駆動シャフトの横スロット412の構成を図示する、図18、19a、および19bのトルク伝達機構390の断面図である。駆動シャフトの横スロット406は、駆動軸420と連結軸418との間の角度の範囲の全体を通して、第1の連結ピン398を収容するように構成される。同様に、被駆動シャフトの横スロット412は、被駆動軸422と連結軸418との間の角度の範囲の全体を通して、第2の連結ピン400を収容するように構成される。トルク伝達機構390が角度構成で操作されると、駆動シャフトの横スロット406内の第1の連結ピン398の位置は、駆動シャフト392の各360度回転のための単一振動周囲を受ける。同様に、被駆動シャフトの横スロット412内の第2の連結ピン400の位置は、被駆動シャフト396の各360度回転のための単一振動周囲を受ける。
【0104】
図20は、駆動シャフト392および被駆動シャフト396の斜視図の各種を提示する。これらの斜視図は、異なる視認方向からの駆動および被駆動シャフトの詳細、例えば、駆動シャフト392の球面歯車の歯414、被駆動シャフト396の球面歯車の歯416、駆動シャフトの横スロット406、被駆動シャフトの横スロット412、駆動シャフトの外側球面424、および被駆動シャフトの外側球面428を示す。
【0105】
横スロット406、412内の連結ピン398、400の振動は、図21aおよび21bを参照して説明することができる。図21aは、連結ピン398、400に垂直な視認方向に沿ったトルク伝達機構390の図である。図21bは、連結ピン398、400と平行な視認方向に沿ったトルク伝達機構390の図である。図21aおよび21bでは、連結部材394は、機構構成要素間の相互作用を図示するように透明である。図21aに示された位置では、駆動シャフト392と連結部材394との間の角度に適応するために、第1の連結ピン398は、駆動シャフトの横スロット内で傾けられる(これは、図21aに図示されたシャフト角度と併せて、図19dに図示されたスロット形状を考慮することによって視覚化することができる)。図21bでは、連結部材394は、図21aの連結部材配向から90度である角度配向を有し、それにより、連結ピン398、400を視認方向と整合させる。図21bに示された配向のために、連結ピン398、400は、(図19dと同様に)横スロット406、412内で傾けられない。トルク伝達機構390の360度回転中に、横スロット406、412内の連結ピン398、400の位置が、振動周期を完成させる。
【0106】
トルク伝達機構390では、相互に対して、回転シャフトおよび連結器はそれぞれ、関連ピンの縦中心線の周囲の「ヨー」自由度(DOF)と、ピントの縦中心線と垂直な線の周囲の「ピッチ」DOFとを有する。2つの「ヨー」軸は平行であり、「ピッチ」軸は、それぞれ、駆動および被駆動シャフトの間の全角度の半分となるように、回転シャフト間の係合によって拘束される。
【0107】
シャフト角度拘束を提供するよう、駆動および被駆動シャフトを連結するために、球面歯車の歯の複数列を使用することができる。例えば、図22aは、インターフェースする球面歯車の歯の複数列を図示する。図22bは、図22aの歯車の歯の断面外形および球面配設を図示する。
【0108】
図23aは、多くの実施形態による、ロボット手術システムの患者側カート(手術ロボット)の正面図である。トルク伝達機構440は、上記で説明される機構390と同様であるが、二重クロスピン構成を有する。例えば、機構440は、機構390と同じ連結部材394および同じ連結ピン398、400を使用するが、駆動シャフト444を連結ピン398と連結する駆動シャフトクロスピン442、および被駆動シャフト448を連結ピン400と連結する被駆動シャフトクロスピン446を組み込む。図23aでは、「透視」連結部材394は、二重クロスピン構成の詳細をより良好に図示するように示されている。
【0109】
図23bは、被駆動シャフトクロスピン446をより良好に図示するように、連結部材394が取り除かれ、「透視」被駆動シャフト448を伴う機構440を示す。被駆動シャフトクロスピン446は、被駆動シャフト448の孔の内側で受容され、被駆動シャフト孔の内側で回転可能である。連結ピン400は、被駆動シャフトクロスピン446の孔の内側で受容される。連結ピン400の中心線の周囲での被駆動シャフト448と連結部材394との間の相対的回転は、連結部材394に対する連結ピン400の回転および/または被駆動シャフトクロスピン446に対する連結ピン400の回転を介して生じる。同様に、駆動シャフトクロスピン442は、駆動シャフト444の孔の内側で受容され、駆動シャフト孔の内側で回転可能である。連結ピン398は、駆動シャフトクロスピン442の孔の内側で受容される。連結ピン400の中心線の周囲での駆動シャフト444と連結部材394との間の相対的回転は、連結部材394に対する連結ピン398の回転および/または駆動シャフトクロスピン442に対する連結ピン398の回転を介して生じる。
【0110】
図23cは、連結ピン398、400の中心線を通って得られる、図23aおよび23bの機構440の断面図である。駆動シャフトの横スロット406は、駆動シャフトクロスピン442の中心線に対する駆動シャフト444の回転を介して生じる、駆動シャフト444と連結部材394との間の角度の範囲の全体を通して連結ピン398を収容するように構成される。同様に、被駆動シャフトの横スロット412は、被駆動シャフトクロスピン446の中心線に対する被駆動シャフト448の回転を介して生じる、被駆動シャフト448と連結部材394との間の角度の範囲の全体を通して連結ピン400を収容するように構成される。図23cを図19dと比較することによって分かるように、機構440の二重クロスピン構成は、機構390の単一クロスピン構成と比較して、駆動および被駆動シャフトに沿った低減した機構の自由運動を提供する。そのような低減した自由運動は、駆動シャフトの歯車の歯414と被駆動シャフトの歯車の歯416との間のより一貫した連結を提供してもよい。
【0111】
図23dは、駆動シャフト444のクロスピン受容孔450および被駆動シャフト448の同様ののクロスピン受容孔452を示す。図23eは、駆動シャフトの横スロット406および被駆動シャフトの横スロット412を示す。
【0112】
図24aは、多くの実施形態による、シャフト突起部が連結部材スロットと相互作用して回転運動を伝える、角度を通してトルクを伝達するための機構460の簡素化した概略図である。トルク伝達機構460は、駆動シャフト462と、連結部材464と、被駆動シャフト466とを含む。
【0113】
駆動シャフト462は、連結部材464と軸方向かつ回転可能に連結するように構成される。駆動シャフト462は、近位端468、遠位端470、およびその間に画定される駆動軸472を有する。駆動シャフト462は、駆動シャフト遠位端470から突出する第1の円筒突起部474と、駆動シャフト遠位端470の対向側から突出する第2の円筒突起部476とを含む。駆動シャフト遠位端470は、球面478と、球面歯車の歯480とを有する。
【0114】
同様に、被駆動シャフト466は、連結部材464と軸方向かつ回転可能に連結するように構成される。被駆動シャフト466は、遠位端482、近位端484、およびその間に画定される被駆動軸486を有する。被駆動シャフト466は、被駆動シャフト近位端484から突出する第3の円筒突起部488と、被駆動シャフト近位端484の対向側から突出する第4の円筒突起部490とを含む。被駆動シャフト近位端484は、球面492と、球面歯車の歯494とを有する。
【0115】
連結部材464は、駆動シャフト遠位端470および被駆動シャフト近位端484の両方と軸方向に連結するように構成される。連結部材464は、駆動容器496、被駆動容器498、およびその間に画定される連結軸500を画定する、管状構造を有する。駆動容器496は、駆動シャフト遠位端470と駆動容器496との間に玉継手拘束を生成するよう、駆動シャフト遠位端470とインターフェースするように成形される。例えば、駆動容器496は、駆動シャフト遠位端の球面478とインターフェースするように構成される、1つ以上の表面を含むことができる。多くの実施形態では、駆動容器496は、駆動シャフト遠位端の球面478とインターフェースするように構成される、球面502を含む。同様に、被駆動容器498は、被駆動シャフト近位端484と被駆動容器498との間に玉継手拘束を生成するよう、被駆動シャフト近位端484とインターフェースするように成形される。例えば、被駆動容器498は、被駆動シャフト近位端の球面492とインターフェースするように構成される、1つ以上の表面を含むことができる。多くの実施形態では、被駆動容器498は、被駆動シャフト近位端の球面492とインターフェースするように構成される、球面504を含む。以下でより詳細に説明されるように、連結部材464は、1つ以上の別個の部品、例えば、2つの部品を含むことができる。
【0116】
連結部材464はまた、駆動シャフト遠位端470および被駆動シャフト近位端484の両方と回転可能に連結するように構成される。連結部材の第1の容器496は、第1のスロット506と、第2のスロット508とを含む。第1のスロット506および第2のスロット508は、それぞれ、第1の突起部474および第2の突起部476を受容し、(図24dに図示されるように)駆動シャフト462と被駆動シャフト466との間の角度の範囲の全体を通して突起部474、476を収容するように構成される。同様に、連結部材の第2の容器498は、第3のスロット510と、第4のスロット512とを含む。第3のスロット510および第4のスロット512は、それぞれ、第3の突起部488および第4の突起部490を受容し、駆動シャフト462と被駆動シャフト466との間の角度の範囲の全体を通して突起部488、490を収容するように構成される。駆動シャフト突起部474、476と第1の容器スロット506、508との間の相互作用は、駆動シャフト462から連結部材464へ回転運動を伝える。同様に、第2の容器スロット510、512と被駆動シャフト突起部488、490との間の相互作用は、連結部材464から被駆動シャフト466へ回転運動を伝える。
【0117】
トルク伝達機構460は、駆動シャフト462、連結部材464、および被駆動シャフト466の相対的角度配向を制御するために、駆動シャフト遠位端470と被駆動シャフト近位端484との間の係合を使用する。駆動シャフト462、連結部材464、および被駆動シャフト466の相対的配向を制御するために、係合特徴、例えば、球形歯車の歯480、494を使用することができる。駆動シャフト462と被駆動シャフト466との間のシャフト角度拘束は、トルク伝達機構460における噛合球面歯車の歯480、494によって提供されるが、球面歯車の歯の使用は例示的にすぎない。他の好適なシャフト角度拘束も使用することができ、例えば、上記で論議されるトルク伝達機構390用のシャフト角度拘束も、トルク伝達機構460で使用することができる。加えて、上記のトルク伝達機構390に適用可能な歯車の歯の定義はまた、トルク伝達機構460にも適用可能である。
【0118】
図24bは、多くの実施形態による、突起部に平行な視認方向に沿った図24aのトルク伝達機構460の図である。隠された線は、第1のスロット506内の第1の突起部474、および第3のスロット510内の第3の突起部488を図示する。スロットの細長い形状は、駆動シャフト462と連結部材464との間、および連結部材464と被駆動シャフト466との間で回転運動の移転を提供しながら、駆動シャフト462および被駆動シャフト466が連結部材464に対して枢動することを可能にする。
【0119】
図24cは、多くの実施形態による、2部品連結部材464の詳細を図示する、突起部に垂直な視認方向に沿った図24aおよび24bのトルク伝達機構460の図である。連結部材464は、第1の部品514と、第2の部品516とを含む。第1の部品514および第2の部品516は、取付締結具(図示せず)用の締結具穴を有する、取付フランジ518を含む。連結部材464は、取付フランジ518を介して接合されるものとして示される、第1の部品514および第2の部品516を含むものとして示されているが、このアプローチは例示的にすぎず、他の好適なアプローチを使用することができる。例えば、連結部材464は、中心管状部品と、駆動シャフト462および被駆動シャフト466が中心管状部品に対して位置付けられた後に中心管状部品に組み立てることができる、2つの隣接端部キャップとに分割することができる。
【0120】
図24dは、多くの実施形態による、角度構成の図24a、24b、および24cのトルク伝達機構460を図示する。球面歯車の歯480、494は、駆動シャフト遠位端470と連結部材の第1の容器496との間の界面によって提供される位置拘束、および被駆動シャフト近位端484と連結部材の第2の容器498との間の界面によって提供される位置拘束と併せて、駆動軸472と連結軸500との間の角度が、連結軸500と被駆動軸486との間の角度と実質的に同等となるように、トルク伝達機構460を拘束する。動作中、駆動軸472の周囲での駆動シャフト462の回転は、第1の突起部474と第1のスロット506との間の相互作用、および第2の突起部476と第2のスロット508との間の相互作用を介して、連結軸500の周囲での連結部材464の回転を生じる。動作中、スロット506、508内の突起部474、476の位置は、図18から図21bのトルク伝達機構390を参照して上記で論議される連結ピン398、400の振動と同様に振動する。同様に、連結軸500の周囲での連結部材464の回転は、被駆動軸486の周囲での被駆動シャフト466の回転を生じる。
【0121】
図25aおよび25bは、多くの実施形態による、修正U字形継手連結部材が、駆動シャフトと連結部材との間、および連結部材と被駆動シャフトとの間で回転運動を伝える、角度を通してトルクを伝達するための機構520の簡素化した概略図である。トルク伝達機構520は、駆動シャフト522と、第1の修正U字形継手連結器524と、連結部材526と、第2の修正U字形継手連結器528と、被駆動シャフト530とを含む。上記の実施形態と同様に、トルク伝達機構520は、駆動シャフト522、連結部材526、および被駆動シャフト530の相対的配向を拘束するために、駆動シャフトおよび被駆動シャフト係合特徴(例えば、球面歯車の歯532、534)を採用する。
【0122】
修正U字形継手連結器524、528は、それぞれ、駆動シャフト522を連結部材526に、連結部材526を被駆動シャフト530に、軸方向かつ回転可能に連結する。第1の修正U字形継手連結器524は、第1のピン536と、第2のピン538とを含む。第1のピン536は、第1のピン軸540の周囲での連結部材526に対する回転のために載置される。第2のピン538は、第1のピン軸540に対して直角に配向され、第1のピン536と連結される。駆動シャフト522は、第2のピン軸542の周囲で回転するように、第2のピン538と連結される。第2のピン軸542自体は、第1のピン軸540の周囲で回転する。駆動シャフト522は、第1のピン536を収容するように構成される開口部544を含む。同様に、第2の修正U字形継手連結器528は、第3のピン546と、第4のピン548とを含む。第3のピン546は、第3のピン軸550の周囲での連結部材526に対する回転のために載置される。第4のピン548は、第3のピン546に対して直角に配向され、第3のピン546と連結される。被駆動シャフト530は、第4のピン軸552の周囲で回転するように、第4のピン548と連結される。第4のピン軸552自体は、第3のピン軸550の周囲で回転する。被駆動シャフト530は、第3のピン546を収容するように構成される開口部554を含む。連結部材526は、第2のピン538および第4のピン548の設置を提供する、開口部556を含むことができる。
【0123】
動作中、トルク伝達機構520は、上記に記載されるトルク伝達機構390、460と同様に機能する。駆動シャフトおよび被駆動シャフト係合特徴(例えば、球面歯車の歯532、534)は、駆動シャフト522と連結部材526との間、および連結部材526と被駆動シャフト530との間の相対角度が実質的に等しくなるように、駆動シャフト522、連結部材526、および被駆動シャフト530の相対的配向を拘束する。動作中、駆動シャフト522の回転は、第1の修正U字形継手連結器524を介して連結部材526の回転を生じる。同様に、連結部材526の回転は、第2の修正U字形継手連結器528を介して被駆動シャフト530の回転を生じる。
【0124】
複合特徴
図26は、本明細書で開示されるようなリンク張力部材によって関節動作させられる2自由度リスト有する、小型リスト設計600、ならびに2自由度リストを横断する角度を通してトルクを伝達するための本明細書で開示されるような二重自在継手の使用を図示する。小型リスト600は、2自由度リスト、リンク張力部材によるリスト関節動作、および二重自在継手による角度を通したトルク伝達を統合する。これらの側面の3つ全てが小型リスト600に含まれるが、リストは、個別に、または任意の好適な組み合わせで、本明細書で開示される側面のうちのいずれかを利用することができる。これら3つの複合側面の有益性は、大角度変位能力(例えば、任意の方向に最大約60度)および比較的短い長さを伴う2自由度リスト機構を通して、中心線外トルクを伝達する能力である。(例えば、腸の手術中の)低侵襲手術環境では、そのような短い長さのリスト機構は、関節動作エンドエフェクタと支持シャフトの遠位端との間の横方向距離が最小限化されるように、動作のために伝達されたトルクを必要とする手術用エンドエフェクタが、狭い空間で操縦(ピッチ、ヨー、ロール)されることを可能にする。上記の説明は、特定の側面および特徴を説明することに集中している。しかしながら、実用的であるときはいつでも、種々の側面および特徴が組み合わせられてもよいことを理解されたい。つまり、一実施形態を参照して上記で説明される特定の側面および特徴は、たとえそのような代替実施形態が具体的に示されていなくても、1つ以上の他の実施形態に組み込まれてもよい。
【0125】
本明細書で説明される実施例および実施形態は例示目的のためであって、それらを考慮して種々の修正および変更が、当業者に提案され、本出願の範囲の精神および範囲、および添付の特許請求の範囲内に含まれることを理解されたい。多数の異なる組み合わせが可能であり、そのような組み合わせは、本発明の一部であると見なされる。
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11
図12
図13a
図13b
図13c
図13d
図13e
図13f
図13g
図14a
図14b
図14c
図14d
図14e
図15
図16
図17
図19a
図19b
図19c
図19d
図20
図22a
図22b
図23a
図23b
図23c
図23d
図23e
図24a
図24b
図24c
図24d
図25a
図25b
図26
図1
図13h
図13i
図18
図21