特許第5764152号(P5764152)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5764152
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】半導体レーザ装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/024 20060101AFI20150723BHJP
   H01L 23/427 20060101ALI20150723BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
   H01S5/024
   H01L23/46 B
   H01L23/46 Z
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-26032(P2013-26032)
(22)【出願日】2013年2月13日
(65)【公開番号】特開2014-154851(P2014-154851A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2014年7月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】阪本 真一
【審査官】 百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05305344(US,A)
【文献】 特表2005−535142(JP,A)
【文献】 特開2005−079580(JP,A)
【文献】 特開2002−374031(JP,A)
【文献】 特開2001−237486(JP,A)
【文献】 特開2004−186527(JP,A)
【文献】 特開2003−188462(JP,A)
【文献】 特開2002−134799(JP,A)
【文献】 実開平03−016364(JP,U)
【文献】 特開平11−177181(JP,A)
【文献】 特表2004−503923(JP,A)
【文献】 特開2001−284732(JP,A)
【文献】 特開2006−54345(JP,A)
【文献】 特開2004−186212(JP,A)
【文献】 特開2004−146720(JP,A)
【文献】 国際公開第99/039412(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00−5/50
H01L 23/427
H01L 23/473
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体レーザダイオード列が基板の表面上に形成されている複数の半導体レーザユニットと、
前記基板を支持する支持部材と
を備え、
前記支持部材は、
前記半導体レーザダイオード列に沿って延伸する複数の冷却路が形成されており、
前記基板における、前記半導体レーザダイオード列よりも前記支持部材側の部分を第1の部分とし、当該第1の部分の反対側の部分を第2の部分とした場合に、前記第2の部分に、前記半導体レーザユニットの導光装置を構成する部材が配置されており、
前記支持部材には、凹状の複数の切り欠き部が上下方向に並ぶように形成され、
前記半導体レーザユニットは、前記切り欠き部に前記基板の前記第1の部分が差し込まれることにより、上下方向に積層された状態に配置され、
前記冷却路は、隣り合う前記切り欠き部同士の間に形成されている
ことを特徴とする半導体レーザ装置。
【請求項2】
前記半導体レーザダイオード列を構成する複数の半導体レーザダイオードの各々から、前記冷却路までの最短距離が互いに等しい
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
【請求項3】
前記基板は、
前記第1の部分が、前記第2の部分よりも、高い熱伝導率を有する
ことを特徴とする請求項またはに記載の半導体レーザ装置。
【請求項4】
前記基板は、
前記第1の部分に、ヒートパイプが設けられている
ことを特徴とする請求項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項5】
前記半導体レーザダイオード列は、出射されるレーザビームの波長が互いに同一である、複数の半導体ダイオードから構成されている
ことを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
【請求項6】
前記複数の半導体レーザユニットに対応する複数の前記半導体レーザダイオード列は、出射されるレーザビームの波長が互いに異なる
ことを特徴とする請求項に記載の半導体レーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体レーザダイオード列が形成された半導体レーザユニットを備える、半導体レーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高出力のレーザビームを得ることを目的として、複数の半導体レーザダイオードが積層(スタック)され、これら複数の半導体レーザダイオードから出力された複数のレーザビームを合波するように構成されたスタック型レーザが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記スタック型レーザは、その構造上、複数のレーザビームの間隔を狭めることが困難である。このため、上記スタック型レーザは、複数のレーザビームのエネルギー密度が高めることができず、ファイバレーザの励起光のような、より高輝度な出力ビームを得ることは困難である。
【0004】
そこで、従来、より高輝度な出力ビームを得るために、板状のサブマウントの表面上に複数の半導体レーザダイオードチップおよび複数のマイクロレンズを配列した、半導体レーザ装置が用いられている。この半導体レーザ装置によれば、複数の半導体レーザダイオードチップから出射された複数のレーザビームを複数のマイクロレンズによってコリメートした後、これら複数のレーザビームを密に整列し、さらに、これら複数のレーザビームを集光レンズによって集束することにより、より高輝度な出力ビームが得られるようになっている。
【0005】
このような半導体レーザ装置において、効率的に高輝度な出力ビームを得るためには、サブマウント上の各構成部材の位置や向きを精密に調整することにより、複数のレーザビームの各々の出射位置や伝搬方向の精度を高める必要がある。しかしながら、このような半導体レーザ装置は、複数の半導体レーザダイオードによって発せられた熱の影響を受け、サブマウントに歪や反りが生じてしまう虞がある。サブマウントに歪や反りが生じてしまうと、上記各構成部材の位置や向きが変化してしまい、レーザビームの出射位置や伝搬方向の精度が低下してしまう。
【0006】
そこで、このような問題が生じないように、冷却機能を備えた半導体レーザ装置が考案されている。例えば、下記特許文献2には、複数の半導体レーザユニットが積層されて構成されている半導体レーザ装置が開示されており、当該半導体レーザ装置において、各半導体レーザユニットは、板状かつ液体冷却式のヒートシンクの上面側に、半導体レーザモジュールを備えた構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−283807号公報(公開日:1994年10月7日)
【特許文献2】特開2012−89584号公報(公開日:2012年5月1日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献2の半導体レーザ装置は、液体冷却式のヒートシンクを用いていながら、半導体レーザダイオードによって発せられた熱を効果的に冷却することができないため、ヒートシンクの反りを抑制するといった課題を解決することができない。このため、上記特許文献2の半導体レーザ装置は、ヒートシンクの反りが生じないように、各半導体レーザモジュールの裏側にモリブデン補強体をさらに設けることで、全体の剛性を高めている。
【0009】
特に、上記特許文献2の半導体レーザ装置は、半導体レーザユニットにおける複数の半導体レーザモジュールが配置された面に対して垂直な方向(半導体レーザユニットが積層された方向)に貫通するように、冷却路を延伸させる構成を採用している。このために、半導体レーザモジュールが配置されたヒートシンクにおいては、冷却路からの距離に応じて部位毎に冷却効果が異なるために、ヒートシンクの部位毎に温度のばらつきが生じてしまう。半導体レーザモジュールにおいて、このような温度のばらつきは、当該半導体レーザモジュールが配置されたヒートシンクに歪や変形を生じさせ、半導体レーザモジュールから出射されるレーザ光の出射位置や伝搬方向の精度を低下させることとなる。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の半導体レーザダイオードが配置された基板における温度のばらつきを抑制することにより、当該基板の歪や反り等といった変形を抑制することが可能な、半導体レーザ装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため、本発明に係る半導体レーザ装置は、半導体レーザダイオード列が基板の表面上に形成されている半導体レーザユニットと、前記基板を支持する支持部材とを備え、前記支持部材は、前記半導体レーザダイオード列に沿って延伸する冷却路が形成されていることを特徴とする。
【0012】
上記半導体レーザ装置によれば、半導体レーザダイオード列に沿って上記冷却路が形成されているため、複数のレーザダイオードを均一に冷却することができる。よって、上記基板におけるレーザダイオード単位毎の温度分布は、いずれも同様のものとなる。これにより、上記半導体レーザ装置は、上記レーザダイオード単位毎の温度分布のばらつきに起因する、上記基板の歪や反りを抑制することができる。したがって、上記半導体レーザ装置は、上記複数のレーザビームの出射位置や伝搬方向の精度を高めることができ、結果的に、出力ビームを高出力化および高輝度化することができる。特に、半導体レーザダイオード列の近傍の基板端部を支持部材によって保持する構成を採用してもよく、この場合、半導体レーザダイオード列から発せられた熱を、支持部材によって効率的に冷却することができる。
【0013】
上記半導体レーザ装置において、前記半導体レーザダイオード列を構成する複数の半導体レーザダイオードの各々から、前記冷却路までの最短距離が互いに等しいことが好ましい。
【0014】
上記構成の半導体レーザ装置によれば、複数のレーザダイオードをより均一に冷却することができ、よって、上記基板の歪や反りをより抑制することができる。
【0015】
上記半導体レーザ装置において、前記支持部材は、前記基板に対して表裏対称となるように、前記基板の表面側および前記基板の裏面側の各々に、前記冷却路が形成されていることが好ましい。
【0016】
上記構成の半導体レーザ装置によれば、上記基板を、その表面側および裏面側の双方から均等に冷却することができるため、当該基板の表面側と裏面側との温度差を抑制し、当該基板の反りを防止することができる。これにより、上記構成の半導体レーザ装置は、上記基板の反りに起因する、上記複数のレーザビームの伝搬方向の変化を抑制することができる。したがって、上記半導体レーザ装置は、上記複数のレーザビームの出射位置や伝搬方向の精度を高めることができ、結果的に、出力ビームを高出力化および高輝度化することができる。
【0017】
上記半導体レーザ装置において、互いに積層された複数の前記半導体レーザユニットを備え、前記支持部材は、前記複数の半導体レーザユニットの各々の端部を支持し、前記支持部材は、前記複数の基板の各々に対して、表裏対称となるように、当該基板の表面側および当該基板の裏面側の各々に、前記冷却路が形成されていることが好ましい。
【0018】
上記構成の半導体レーザ装置によれば、複数の半導体レーザユニットの各々において、基板の反りを防止することができる。
【0019】
上記半導体レーザ装置において、前記支持部材は、上層の基板と下層の基板との間に、前記上層の基板に対する前記裏面側の冷却路として機能するとともに、前記下層の基板に対する前記表面側の冷却路として機能する、共用の前記冷却路が形成されていることが好ましい。
【0020】
上記構成の半導体レーザ装置によれば、1本の冷却路によって上層の基板および下層の基板の双方を冷却することができる。すなわち、上記構成の半導体レーザ装置によれば、支持部材に形成する冷却路の本数を削減することができるため、例えば、支持部材の製造コストを抑制することができる。
【0021】
上記半導体レーザ装置において、前記基板は、前記半導体レーザダイオード列よりも前記支持部材側の部分である第1の部分が、当該第1の部分の反対側の部分である第2の部分よりも、高い熱伝導率を有することが好ましい。特に、上記半導体レーザ装置において、前記基板は、前記第1の部分に、ヒートパイプが設けられていることが好ましい。
【0022】
上記構成の半導体レーザ装置によれば、上記基板において、半導体レーザダイオード列によって発せられた熱の殆どが、熱抵抗が低い支持部材側(第1の部分)へ伝わり、支持部材によって積極的に放熱されることとなる。すなわち、上記構成の半導体レーザ装置によれば、半導体レーザダイオード列によって発せられた熱を、効率的に放熱することができる。
【0023】
上記半導体レーザ装置において、前記半導体ダイオード列は、出射されるレーザビームの波長が互いに同一である、複数の半導体ダイオードから構成されていることが好ましい。
【0024】
上記構成の半導体レーザ装置によれば、出力ビームをより高出力化およびより高輝度化することができる。
【0025】
上記半導体レーザ装置において、前記複数の半導体レーザユニットに対応する複数の前記半導体レーザダイオード列は、出射されるレーザビームの波長が互いに異なることが好ましい。
【0026】
上記構成の半導体レーザ装置によれば、出力ビームをより高出力化およびより高輝度化することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、複数の半導体レーザダイオードが配置された基板における温度のばらつきを抑制することができるため、当該基板の歪や反り等といった変形を抑制することが可能な、半導体レーザ装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本実施形態に係る半導体レーザ装置の構成を示す斜視図である。
図2】本実施形態に係る半導体レーザ装置の構成を示す側面図である。
図3図2に示す半導体レーザ装置のA−A断面図である。
図4】本実施形態に係る半導体レーザユニットの構成を示す上面図である。
図5】本実施形態の変形例に係る半導体レーザ装置の構成を示す側面図である。
図6】本実施形態に係る半導体レーザ装置における、冷却液の流れの一例を示す。
図7】本実施形態に係る半導体レーザユニットの構成(図4の変形例)を示す上面図である。
図8】本実施形態に係る半導体レーザ装置における、複数層のレーザビームを波長合成する構成の一例を示す。
図9】本実施形態に係る半導体レーザ装置の構成(図2の変形例)を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る半導体レーザ装置について説明する。
【0030】
〔半導体レーザ装置100の構成〕
まず、図1図3を参照して、本実施形態に係る半導体レーザ装置100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る半導体レーザ装置100の構成を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る半導体レーザ装置100の構成を示す側面図である。図3は、図2に示す半導体レーザ装置100のA−A断面図である。
【0031】
半導体レーザ装置100は、複数の半導体レーザダイオードの各々からレーザビームを出射し、これら複数のレーザビームを合波することによって、高出力かつ高輝度なレーザビームを出力する装置である。図1図3に示すように、半導体レーザ装置100は、垂直方向(z軸方向)に積み重ねられた複数の半導体レーザユニット110(半導体レーザユニット110−1〜110−4)を備えている。
【0032】
半導体レーザ装置100は、支持部材120をさらに備えている。支持部材120は、複数の半導体レーザユニット110が等間隔に積層された状態で、当該複数の半導体レーザユニット110の各々の後端部(x軸負側の端部であって、半導体レーザダイオード列近傍の端部)を支持する。すなわち、半導体レーザ装置100は、支持部材120によって、複数の半導体レーザユニット110を片持ちする構成を採用している。
【0033】
具体的には、支持部材120の正面(x軸正側の面)には、半導体レーザユニット110に応じた数(図1〜3では4つ)の切り欠きが形成されている。当該切り欠きは、半導体レーザユニット110(サブマウント112)の後端部の形状と、略同形状となっている。そして、各切り欠きに対し、対応する半導体レーザユニット110(サブマウント112)の後端部が差し込まれることにより、支持部材120は、複数の半導体レーザユニット110が予め定められた姿勢となるように、当該複数の半導体レーザユニット110の各々の後端部を、半導体レーザダイオード列に沿って、密着しつつ挟み込むように支持することとなる。
【0034】
さらに、図示を省略する固定手段(例えば、接着剤、螺子等)によって、各半導体レーザユニット110が支持部材120に固定されることにより、支持部材120による各半導体レーザユニット110の支持は、より確実なものとなる。支持部材120は、内部に冷却液が流通する冷却路122が形成されており、各半導体レーザユニット110を冷却するヒートシンクとしても機能する。
【0035】
〔半導体レーザユニット110の構成〕
次に、図4を参照して、半導体レーザユニット110の構成について説明する。図4は、本実施形態に係る半導体レーザユニット110の構成を示す上面図である。半導体レーザ装置100が備える4つの半導体レーザユニット110(半導体レーザユニット110−1〜110−4)は、いずれも図4に示す半導体レーザユニット110と、同様の構成である。
【0036】
(半導体レーザダイオード)
半導体レーザユニット110は、矩形板状のサブマウント112(基板)および半導体レーザダイオード(半導体レーザダイオードチップ)LD1〜LD10を備えている。半導体レーザダイオードLD1〜LD10は、各々が独立したチップ上に形成されている。半導体レーザダイオードLD1〜LD10は、サブマウント112の表面上において、当該サブマウント112の後端部に沿って、図中y軸方向に、等間隔且つ直線状に、1列に並んだ状態に配置されている。すなわち、半導体レーザダイオードLD1〜LD10は、サブマウント112の表面上において、半導体レーザダイオード列をなしている。
【0037】
半導体レーザダイオードLD1〜LD10の各々は、サブマウント112の表面上において、活性層がxy平面と平行になるように、且つ、レーザビームの出射面がx軸正方向を向くように、配置されている。これにより、半導体レーザダイオードLD1〜LD10から出射された複数のレーザビームは、各々が、サブマウント112の表面上において、xy平面に対して平行に、且つ、x軸正方向に向かって、伝搬することとなる。すなわち、上記複数のレーザビームは、サブマウント112の表面上において、等間隔且つ並列な、レーザビーム列をなす。
【0038】
(導光装置)
半導体レーザユニット110は、さらに、F軸コリメートレンズFAC1〜FAC10、S軸コリメートレンズSAC1〜SAC10、およびミラーM1〜M10を備えている。すなわち、半導体レーザユニット110においては、1つの半導体レーザダイオードに対し、レーザビームの伝搬経路上に、順に、F軸コリメートレンズ、S軸コリメートレンズ、およびミラーが、それぞれ1つずつ直線状に並べて配置されている。これらの部材は、何れも、直接、又は、不図示のマウントを介してサブマウント112の表面上に設置される。そして、これらの部材は、半導体レーザユニット110において、導光装置を構成する。この導光装置は、半導体レーザダイオードLD1〜LD10から出射されたx軸方向(第1の水平方向)に伝搬する複数のレーザビームの間隔をより密にして、y軸方向(第2の水平方向)に伝搬させる機能を有する。
【0039】
F軸コリメートレンズFACi(i=1〜10の整数)は、半導体レーザダイオードLDi(i=1〜10の整数)から出射されたレーザビームのF軸方向の広がりをコリメートするためのものである。S軸コリメートレンズSACi(i=1〜10の整数)は、半導体レーザダイオードLDiから出射されたレーザビームのS軸方向の広がりをコリメートするためのものである。F軸コリメートレンズFACi及びS軸コリメートレンズSACiを透過したレーザビームは、伝搬方向がx軸正方向に収斂されたコリメートビームとなり、ミラーMiへ伝搬する。なお、半導体レーザダイオードLDiから出射されるレーザビームのS軸方向の広がりが十分に小さい場合、S軸コリメートレンズSACiは省略しても構わない。
【0040】
ミラーMi(i=1〜10の整数)は、レーザビームの伝搬方向をx軸正方向から、y軸負方向へ変換するためのものである。ミラーMiには、従来から知られている各種ミラーを用いることができるが、必要に応じて、レーザビームの伝搬方向をx軸正方向から、z軸正方向へ変換する第1のミラー(いわゆる「跳ね上げミラー」)と、レーザビームの伝搬方向をz軸正方向から、y軸負方向へ変換する第2のミラー(いわゆる「折り返しミラー」)とを備えて構成されたものを用いることが好ましい。
【0041】
ここで、ミラーM1〜M10のx軸方向の位置は、上記複数のレーザビーム(ミラーM1〜M10によって伝搬方向が変更された後のもの)の出射方向(y軸負方向)から離間するものほど、半導体レーザダイオードに近づく方向(x軸負方向)に、所定量ずつシフトしている。各シフト量は、上記複数のレーザビーム(ミラーM1〜M10によって伝搬方向が変更される前のもの)の間隔よりも、小さくなっている。これにより、上記複数のレーザビームは、等間隔且つより密に整列した状態で、半導体レーザユニット110から出射されるようになっている。
【0042】
半導体レーザユニット110から出射された上記複数のレーザビームは、当該複数のレーザビームの光路上に配置された1または複数の集光レンズによって集束され、出力ビームとして出力される。例えば、図4では、一例として、上記光路上に配置されたF軸集光レンズFLとS軸集光レンズSLとによって、複数(10本)のレーザビームが、光ファイバOFの入射端面において集束し、これにより、高出力化および高輝度化されたレーザビーム(出力ビーム)が光ファイバOF内に入射される様子を示している。実際には、4つの半導体レーザユニット110から出力された複数(10本×4=40本)のレーザビームが、光ファイバOFの入射端面において集束し、光ファイバOF内に入射されることとなる。
【0043】
ここで、4つの半導体レーザユニット110の各々は、同一の半導体レーザユニット110内を伝搬する複数のレーザビームの波長が同一であることが好ましい。さらに、上記4つの半導体レーザユニット110は、層単位で、出力ビームの波長が互いに異なっていることが好ましい。すなわち、光ファイバOF内に入射されるレーザビームは、波長合成されたものであることが好ましい。これにより、半導体レーザ装置100は、出力ビームをより高出力化およびより高輝度化することができる。
【0044】
各半導体レーザユニット110は、最適な出力ビームが得られるように、サブマウント上に配置される各構成部材の位置および向きが精密に調整された後、図1に示すように、支持部材120に挿し込まれ、他の半導体レーザユニット110とともに積層構造をなすこととなる。
【0045】
〔冷却路122の構成〕
図1図3の半導体レーザ装置100において、注目すべきは、複数の半導体レーザユニット110を備えていることに応じて、支持部材120に対し、複数の冷却路122(冷却路122−1〜122−5)が形成されている点である。特に、複数の冷却路122は、その配置に関し、以下の工夫点を有する。
【0046】
(工夫点1)支持部材120には、半導体レーザダイオード列に沿ってy軸方向に延伸する冷却路122が形成されている。これにより、サブマウント112におけるy軸方向の温度を均一化することができるので、本実施形態の半導体レーザ装置100は、半導体レーザダイオード列を構成する複数のレーザダイオードを均一に冷却することができる。これにより、本実施形態の半導体レーザ装置100は、サブマウント112のy軸方向の温度のばらつきに起因する、サブマウント112の歪や反り等といった変形を抑制することができ、したがって、複数のレーザビームの出射位置や伝搬方向の精度低下を抑制することができる。
【0047】
特に、冷却路122は、半導体レーザダイオード列と平行に延伸している。すなわち、半導体レーザダイオード列を構成する複数の半導体レーザダイオードの各々から、冷却路122までの最短距離が互いに等しくなっている。これにより、本実施形態の半導体レーザ装置100は、複数のレーザダイオードをより均一に冷却することができる。
【0048】
(工夫点2)支持部材120には、半導体レーザダイオード列に沿ってy軸方向に延伸する冷却路122が、半導体レーザダイオード列毎に形成されている。これにより、本実施形態の半導体レーザ装置100は、複数のサブマウント112の各々について、y軸方向の温度を均一化することができる。したがって、本実施形態の半導体レーザ装置100は、複数の半導体レーザユニット110の各々について、サブマウント112の歪や反り等といった変形を抑制することができ、よって、複数のレーザビームの出射位置や伝搬方向の精度低下を抑制することができる。
【0049】
(工夫点3)支持部材120には、複数のサブマウント112の各々に対し、上下(表裏)対称となるように、当該サブマウント112の表面側の冷却路122と、当該サブマウント112の裏面側の冷却路122とが、それぞれ形成されている。具体的には、半導体レーザユニット110−1のサブマウント112に対し、冷却路122−1,122−2が、上下対称に形成されている。また、半導体レーザユニット110−2のサブマウント112に対し、冷却路122−2,122−3が、上下対称に形成されている。また、半導体レーザユニット110−3のサブマウント112に対し、冷却路122−3,122−4が、上下対称に形成されている。また、半導体レーザユニット110−4のサブマウント112に対し、冷却路122−4,122−5が、上下対称に形成されている。
【0050】
これにより、本実施形態の半導体レーザ装置100は、複数のサブマウント112の各々に対し、その表面側および裏面側の双方から均等に冷却することができるため、当該サブマウント112の表面側と裏面側との温度差を抑制し、当該サブマウント112の反りを防止することができる。これにより、本実施形態の半導体レーザ装置100は、各半導体レーザユニット110において、サブマウント112の反りに起因する、複数のレーザビームの出射位置や伝搬方向の精度低下を抑制することができ、したがって、高出力かつ高輝度なレーザビームを得ることができる。
【0051】
(工夫点4)支持部材120において、各上下一対のサブマウント112間には、上層のサブマウント112に対する裏面側の冷却路122として機能するとともに、下層のサブマウント112に対する表面側の冷却路として機能する、共用の冷却路122が形成されている。すなわち、本実施形態の半導体レーザ装置100は、1本の冷却路122で、2つのサブマウントを冷却するように構成されている。具体的には、冷却路122−2は、半導体レーザユニット110−1のサブマウント112と、半導体レーザユニット110−2のサブマウント112とを、ともに冷却する。また、冷却路122−3は、半導体レーザユニット110−2のサブマウント112と、半導体レーザユニット110−3のサブマウント112とを、ともに冷却する。また、冷却路122−4は、半導体レーザユニット110−3のサブマウント112と、半導体レーザユニット110−4のサブマウント112とを、ともに冷却する。
【0052】
これにより、本実施形態の半導体レーザ装置100は、サブマウント112間における冷却路122の本数を削減することができ、当該冷却路122の形成を容易化することができるため、例えば、支持部材120の製造コストを抑制することができる。さらに、共用の冷却路122を設けたことにより、サブマウント112間における冷却路122の容積を拡大することができ、したがって、冷却効果を高めることができる。
【0053】
(工夫点5)本実施形態の半導体レーザ装置100は、各サブマウント112の後端部を片持ちする構成を採用したために、仮に、いずれかのサブマウント112において、半導体レーザダイオードによって発せられた熱による応力が生じた場合であっても、当該応力を当該サブマウント112の先端へ逃がすことができる。このため、本実施形態の半導体レーザ装置100は、サブマウント112の歪や反り等の変形がより生じ難くなっている。
【0054】
〔変形例〕
次に、図5を参照して、半導体レーザ装置100の変形例について説明する。図5は、本実施形態の変形例に係る半導体レーザ装置100の構成を示す側面図である。
【0055】
本変形例(図5)の半導体レーザ装置100は、複数の半導体レーザユニット110の各々のサブマウント112に対し、ヒートパイプ118(伝熱部材)が設けられている点で、図2の半導体レーザ装置100と異なる。
【0056】
具体的には、複数のサブマウント112の各々において、半導体レーザダイオード列よりも支持部材120側(x軸負側)の部分である第1の部分には、図5に示すように、当該サブマウント112よりも高い熱伝導率を有するヒートパイプ118が埋め込まれている。これにより、複数のサブマウント112の各々において、上記第1の部分は、当該第1の部分の反対側(x軸正側)の部分である第2の部分よりも、高い熱伝導率を有するものとなっている。ヒートパイプ118は、金属製(例えば、銅製)且つ筒状の部材の内部に、液体(例えば、代替フロン)が封入されたものであり、高温側においては、上記液体の蒸発に伴って熱を吸収し、低温側においては、上記液体の蒸気が凝集によって熱を放出することにより、伝熱効率を高めるものである。
【0057】
これにより、複数のサブマウント112の各々において、半導体レーザダイオード列によって発せられた熱の殆どが、熱抵抗が低い支持部材120側(第1の部分)へ伝わり、支持部材120(具体的には、当該第1の部分の上下に設けられた冷却路122)によって積極的に放熱されることとなる。すなわち、本変形例の半導体レーザ装置100は、半導体レーザダイオード列によって発せられた熱を効率的に放熱することができ、したがって、各層において、上記発熱によるサブマウント112の歪や反り等の変形を抑制することができる。
【0058】
また、複数のサブマウント112の各々においては、上記熱が、レーザビームが出射される側の部分である第2の部分に伝わり難くなったことにより、当該第2の部分において、上記熱に起因する歪(特に、積層された複数のサブマウント112同士の熱干渉に起因する歪)が生じ難くなっている。これにより、本変形例の半導体レーザ装置100は、半導体レーザダイオードからミラーまでの光路長に依らず、第2の部分に配置されている各部材(S軸コリメートレンズおよびミラー)の位置ずれを抑制することができ、したがって、複数の半導体レーザユニット110から出力される複数のレーザビームの、出射位置や伝搬方向の精度低下を抑制することができる。
【0059】
なお、本変形例では、伝熱部材の一例として、ヒートパイプ118を用いたが、これに限らない。すなわち、伝熱部材には、少なくともサブマウント112よりも熱伝導率が高いものであれば、どのようなものを用いてもよい。また、本変形例では、サブマウント112に伝熱部材を埋め込むことにより、当該サブマウント112の第1の部分の熱伝導率を第2の部分よりも高めているが、これに限らない。すなわち、サブマウント112に伝熱部材を埋め込むことなく、当該サブマウント112の第1の部分の熱伝導率を第2の部分よりも高めてもよい。例えば、第1の部分の素材を第2の部分の素材と異ならせることにより、当該第1の部分の熱伝導率を第2の部分よりも高めてもよい。
【0060】
〔冷却液の流れの一例〕
次に、図6を参照して、半導体レーザ装置100における、冷却液の流れの一例を説明する。図6は、本実施形態に係る半導体レーザ装置100における、冷却液の流れの一例を示す。
【0061】
図6に示す例では、半導体レーザ装置100は、注入パイプ602および排出パイプ604をさらに備える。注入パイプ602は、冷却路122に冷却液を送り込むためのものである。排出パイプ604は、冷却路122から冷却液を排出するためのものである。注入パイプ602および排出パイプ604としては、例えば、金属製(例えば、銅製、アルミ製)のもの、樹脂製のもの、等が用いられる。冷却液としては、例えば、水、不凍液等が用いられる。
【0062】
図6に示す例では、注入パイプ602は、1本の冷却路から5本の冷却路に分岐している。注入パイプ602の5本の冷却路は、それぞれ、対応する冷却路122の注入側(図中y軸負側)の端部へ接続されている。注入パイプ602の1本の冷却路は、例えば、冷却ポンプ(図示省略)の吐出口に接続されている。
【0063】
一方、排出パイプ604は、5本の冷却路から1本の冷却路に合流している。排出パイプ604の5本の冷却路は、それぞれ、対応する冷却路122の排出側(図中y軸正側)の端部へ接続されている。排出パイプ604の1本の冷却路は、例えば、上記冷却ポンプの流入口に接続されている。
【0064】
冷却路122に対するパイプ(注入パイプ602および排出パイプ604)の接続方法は、特に限定はせず、従来から知られている様々な接続方法(例えば、冷却路122の端部から延伸する筒状のコネクタに対しパイプを挿し込む方法、冷却路122の端部とパイプの端部とを密着させた状態で、パイプを支持部材120の壁面等に固定する方法)を採用することができる。
【0065】
図6の半導体レーザ装置100において、注入パイプ602に送り込まれた冷却液は、注入パイプ602内で分岐されることにより、各冷却路122(冷却路122−1〜122−5)に送り込まれる。各冷却路122に送り込まれた冷却液は、xy平面に対して平行に、且つ、各半導体レーザダイオード列に沿って、各冷却路122内を通過する。そして、各冷却路122を通過した冷却液は、排出パイプ604内に送り込まれ、排出パイプ604内で合流された後、排出パイプ604から排出される。排出パイプ604から排出された冷却液は、例えば、上記冷却ポンプへ戻され、再び、注入パイプ602に送り込まれる。
【0066】
図6の構成によれば、各冷却路122(冷却路122−1〜122−5)に対し、概ね同じ温度の冷却液が送り込まれるため、複数のサブマウント112の各々に対し、その表面側および裏面側の双方から、より均等に冷却することができる。よって、各半導体レーザユニット110において、サブマウント112の温度ばらつきを抑制することができるため、当該サブマウント112の歪や反り等といった変形を抑制することができる。
【0067】
さらに、図6の構成によれば、複数の半導体レーザユニット110(半導体レーザユニット110−1〜110−4)を同程度に冷却することができるため、各半導体レーザユニット110間における温度差(すなわち、z軸方向の温度のばらつき)を抑制することができる。よって、複数の半導体レーザ装置100間において、レーザビームの精度のばらつきを抑制することができる。
【0068】
〔複数層のレーザビームを波長合成する構成の一例〕
次に、図7および図8を参照して、半導体レーザ装置100における、複数層のレーザビームを波長合成する構成の一例を説明する。
【0069】
図7は、本実施形態に係る半導体レーザユニット110の構成(図4の変形例)を示す上面図である。
【0070】
図7に示すサブマウント112の表面上において、ミラーM1〜M10によって密に整列された複数のレーザビームの光路上となる位置には、波長選択ビームスプリッタ116が配置されている。この波長選択ビームスプリッタ116は、側方(y軸正方向)から入射されたレーザビームを、その内部において下方(z軸負方向)へ反射する。波長選択ビームスプリッタ116は、さらに、上方(z軸正方向)から入射されたレーザビームを、下方へ透過する。これにより、波長選択ビームスプリッタ116は、当該層のレーザビームと、上層のレーザビームとを波長合成し、この波長合成されたレーザビームを下方へ出射することが可能となっている。なお、波長選択ビームスプリッタ116の側面および上面には、レーザビームの反射を防止するための反射防止膜(図示省略)が装着されている。
【0071】
図7のサブマウント112において、波長選択ビームスプリッタ116の下方となる位置(すなわち、波長選択ビームスプリッタ116から出射されたレーザビームの伝搬方向の位置)には、空孔114が形成されている。これにより、波長選択ビームスプリッタ116から下方に出射されたレーザビームは、サブマウント112によって遮られることなく、空孔114内を通って、サブマウント112の裏側へと伝搬可能となっている。
【0072】
図8は、本実施形態に係る半導体レーザ装置100における、複数層のレーザビームを波長合成する構成の一例を示す。図8において、レーザビームの伝搬方向を矢印で示す。また、図8の半導体レーザ装置100において、層単位での複数のレーザビームには、互いに波長が異なるものが用いられている。また、複数の半導体レーザユニット110の各々には、図7の半導体レーザユニット110と同様に、波長選択ビームスプリッタ116および空孔114が設けられている。
【0073】
そして、いずれの半導体レーザユニット110も、当該層のレーザビームを、波長選択ビームスプリッタ116によって下方へ反射するとともに、当該層よりも上層のレーザビームを、波長選択ビームスプリッタ116によって下方へ透過するように構成されている。すなわち、いずれの半導体レーザユニット110も、波長選択ビームスプリッタ116によって、当該層のレーザビームと、上層のレーザビームとを波長合成し、波長合成されたレーザビームを下方へ出射するように構成されている。
【0074】
これにより、図8の半導体レーザ装置100は、互いに波長が異なる複数層のレーザビームを波長合成し、これにより高輝度化されたレーザビームを、最下層の空孔114から出射することが可能となっている。
【0075】
ここで、半導体レーザ装置100による波長合成の具体例を説明する。例えば、各層のレーザビームの波長を、以下のように設定する。
【0076】
第1層(半導体レーザユニット110−1):λ1
第2層(半導体レーザユニット110−2):λ2
第3層(半導体レーザユニット110−3):λ3
第4層(半導体レーザユニット110−4):λ4
そして、各層の波長選択ビームスプリッタ116を、以下のように構成する。
【0077】
第1層:側方から入射された波長λ1のレーザビームを下方へ反射する。
【0078】
第2層:側方から入射された波長λ2のレーザビームを下方へ反射するとともに、上方から入射された波長λ1のレーザビームを下方へ透過する。
【0079】
第3層:側方から入射された波長λ3のレーザビームを下方へ反射するとともに、上方から入射された波長λ1および波長λ2のレーザビームを下方へ透過する。
【0080】
第4層:側方から入射された波長λ4のレーザビームを下方へ反射するとともに、上方から入射された波長λ1、波長λ2、および波長λ3のレーザビームを下方へ透過する。
【0081】
これにより、図8の半導体レーザ装置100は、波長λ1、波長λ2、波長λ3、および波長λ4のレーザビームを波長合成し、これにより高輝度化されたレーザビームを、最下層の空孔114から出射することができる。
【0082】
なお、本例では、波長選択ビームスプリッタをサブマウント112に設ける例を示したが、波長選択ビームスプリッタをサブマウント112の外部に設ける構成としてもよい。この場合、サブマウント112には、上記空孔を形成する必要はない。
【0083】
また、波長選択ビームスプリッタの代わりに、ミラーや回折格子等を用いてもよい。波長選択ビームスプリッタ等をサブマウント112の外部に設ける場合、波長選択ビームスプリッタ等は、サブマウント112と同様に片持ち梁構造を有していてもよい。
【0084】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0085】
(半導体レーザユニットの数について)
本実施形態の半導体レーザ装置100は、4つの半導体レーザユニット110(半導体レーザユニット110−1〜110−4)を備えているが、これに限らない。すなわち、半導体レーザ装置100は、3つ以下の半導体レーザユニット110を備えてもよく、4つ以上の半導体レーザユニット110を備えてもよい。
【0086】
(半導体レーザダイオードの数について)
本実施形態の半導体レーザ装置100において、各半導体レーザユニット110は、10個の半導体レーザダイオードを備えているが、これに限らない。すなわち、各半導体レーザユニット110は、9つ以下の半導体レーザダイオードを備えてもよく、11個以上の半導体レーザダイオードを備えてもよい。
【0087】
(冷却路122の配置・形状について)
本実施形態の半導体レーザ装置100において、支持部材120に形成すべき冷却路122は、サブマウント112に対して上下対称であり、かつ、半導体レーザダイオード列に沿って延伸するものであれば、どのような配置・形状であってもよい。
【0088】
例えば、本実施形態の半導体レーザ装置100では、支持部材120において、上下一対のサブマウント112間に、上層のサブマウント112と下層のサブマウント112とで共用の1つの冷却路122を設けることとしたが、上層のサブマウント112用の冷却路122と、上層のサブマウント112用の冷却路122とを、それぞれ設ける構成としてもよい。
【0089】
また、本実施形態の半導体レーザ装置100では、サブマウント112の表面側および裏面側に対して、それぞれ1つの冷却路122を設けることとしたが、それぞれ複数の冷却路122を設ける構成としてもよい。
【0090】
また、本実施形態の半導体レーザ装置100では、複数の冷却路122(冷却路122−1〜122−5)がそれぞれ独立しているが、少なくとも一部の冷却路122において、他の冷却路122とつながっており、当該他の冷却路122とともに一続きの冷却路を構成するものであってもよい。
【0091】
また、本実施形態の半導体レーザ装置100では、半導体レーザダイオード列が直線状を成しているため、冷却路122も直線状に延伸する構成としている。ここで、半導体レーザダイオード列は、直線状以外の他の状態(例えば、円弧状、V字状)を成していてもよい。この場合、冷却路122は、半導体レーザダイオード列に沿って延伸することにより、上記他の状態に延伸するものとなり得る。
【0092】
また、本実施形態の半導体レーザ装置100において、支持部材120は、半導体レーザダイオード列に沿ってサブマウント122の端部を支持する構造を有しているが、少なくとも半導体レーザダイオード列に沿って冷却路122が延伸する構造であれば、他の構造を有していてもよい。
【0093】
図9は、本実施形態に係る半導体レーザ装置100の構成(図2の変形例)を示す側面図である。例えば、図9に示すように、支持部材120は、互いに積層された複数の板状部120Aと、当該複数の板状部120Aを片持ち支持する柱状部120Bとを備え、各板状部120Aの上面に、対応するサブマウント112を設置する構成を採用してもよい。この場合も、図9に示すように、半導体レーザダイオード列に沿って延伸するように、支持部材120に冷却路122(図9に示す例では、冷却路122−1〜122−4)を形成すれば、サブマウント112における温度のばらつきを抑制することができる。なお、図9に示す例では、柱状部120Bに冷却路122が形成されているが、各板状部120Aに冷却路122を形成してもよい。
【0094】
本実施形態では、本発明の「基板」の一例として「サブマウント」を用いたが、これに限らず、本発明の「基板」には、例えば「マウント」と呼称されるもの、「基板」と呼称されるもの等、半導体レーザダイオード列が形成される部材全般が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、半導体レーザダイオード列が形成された半導体レーザユニットを備える、半導体レーザ装置に好適に利用することができる。特に、複数の半導体レーザユニットが積層された半導体レーザ装置に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0096】
100 半導体レーザ装置
110(110−1〜110−4) 半導体レーザユニット
112 サブマウント(基板)
118 ヒートパイプ
120 支持部材
122(122−1〜122−5) 冷却路
602 注入パイプ
604 排出パイプ
LD1〜LD10 半導体レーザダイオード
FAC1〜FAC10 F軸コリメートレンズ
SAC1〜SAC10 S軸コリメートレンズ
M1〜M10 ミラー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9