(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である携帯端末試験装置の外観を示す図である。携帯端末試験装置100は、フェムトセル基地局等の小型無線基地局経由での通信モードにおける携帯端末の試験を行う際に用いられるものである。具体的には、携帯端末試験装置100は、試験開始時に、携帯端末を小型無線基地局経由での通信モードにするために用いられる。なお、本実施形態では、小型無線基地局をフェムトセル基地局であるものとして説明するが、小型無線基地局はこれに限られず、携帯端末試験装置100に収容可能な任意の無線基地局とすることができる。
【0013】
図1に示すように、携帯端末試験装置100は、シールドボックス110、センサ111、アンテナ112、カメラ113、及び検出装置114を含んで構成されている。
【0014】
シールドボックス110は、外部からの電波の侵入を遮断可能な材料を用いて構成された筐体である。電波の侵入を遮断するための材料としては、例えば、導電性を有する金属や金属布などを用いることができる。シールドボックス110は、蓋120(開閉部)の開閉が可能であり、後述するように、携帯端末及びフェムトセル基地局を収容することができる。
【0015】
センサ111は、蓋120の開閉状態を検出する検出器である。センサ111は、蓋120の開閉状態に応じた検出信号を出力可能なものであればよく、磁気スイッチや機械式スイッチなど、任意の検出器を用いることができる。
【0016】
アンテナ112は、フェムトセル基地局からの電波を受信可能に構成されている。アンテナ112は、シールドボックス110に携帯電話及びフェムトセル基地局が収容された状態においてフェムトセル基地局からの電波を受信可能なように、シールドボックス110の内部に配設される。なお、アンテナ112は、シールドボックス110に固設されているのではなく、試験実施時に、シールドボックス110内部に配設されることとしてもよい。
【0017】
カメラ113(表示検出部)は、シールドボックス110に収容されたフェムトセル基地局の動作状態を検出するために用いられる。カメラ113は、蓋120が閉じられた状態において、シールドボックス110に収容されたフェムトセル基地局の動作状態を示す表示部を撮影可能なように、シールドボックス110の内部に配設される。カメラ113は、例えば、所定の間隔で撮影画像を出力してもよいし、外部装置からの制御に応じて撮影画像を出力することとしてもよい。また、カメラ113は、例えば、シールドボックス110内部を広範に撮影可能とするために、視野角が180度程度のものであってもよい。なお、
図1では、カメラ113は蓋120の内側に配設されているが、カメラ113が配設される場所は、シールドボックス110に収容されたフェムトセル基地局の動作状態を示す表示部を撮影可能な任意の場所とすることができる。また、カメラ113は、シールドボックス110に固設されているのではなく、試験実施時に、シールドボックス110内部に配設されることとしてもよい。
【0018】
検出装置114は、アンテナ112の出力に基づいて、シールドボックス110に収容されたフェムトセル基地局からの電波の状態を示す検出信号を外部装置(例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等)に送信する。また、検出装置114は、カメラ113の出力に基づいて、シールドボックス110に収容されたフェムトセル基地局の動作状態を示す検出信号を外部装置に送信する。検出装置114は、無線LAN(Local Area Network)等の無線通信手段を介して検出信号を送信することとしてもよいし、イーサネット(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等の有線通信手段を介して検出信号を送信することとしてもよい。検出装置114の具体的な構成例については後述する。
【0019】
図2は、シールドボックス110に携帯端末及びフェムトセル基地局が収容された状態の一例を示す図である。
図2に示すように、携帯端末200及びフェムトセル基地局201は、シールドボックス110の内部に収容される。フェムトセル基地局201には、例えば、シールドボックス110外部の商用交流電源202から電源が供給される。なお、フェムトセル基地局201と商用交流電源202とを接続するための配線は、例えば、シールドボックスの一部に設けられた小さな開口部(小穴)を介して行うことができる。シールドボックス内部と外部との間における他の配線についても同様である。また、フェムトセル基地局201は、ブロードバンド回線経由で通信を行うためのルータ203に接続される。
【0020】
図2に示すように、検出装置114は、センサ111、アンテナ112、及びカメラ113と接続される。これにより、検出装置114は、センサ111の検出結果や、アンテナ112によって受信されるフェムトセル基地局201からの電波の状態、カメラ113によって撮影されるフェムトセル基地局201の表示部204の状態に基づいて、外部装置であるPC205に検出信号を送信する処理を行うことができる。
【0021】
なお、フェムトセル基地局201の表示部204には、例えば、1つまたは複数個のLED(Light Emitting Diode)が設けられており、フェムトセル基地局201の動作状態に応じて、各LEDの表示状態(点灯/点滅/色、等)が変化する。
図3は、フェムトセル基地局201の表示部204の一例を示す図である。
図3に示す例では、表示部204には、動作状態に応じて表示状態が変化する4つのLEDが設けられており、4つのLEDは、上から順に、「モデム」、「機能1」、「機能2」、「電源」に関する状態を示すものとなっている。
図4は、フェムトセル基地局201の動作状態に応じた、LEDの表示状態の一例を示している。具体的には、正常時においては、「機能1」、「機能2」、「電源」のLEDが緑色の点灯状態となり、通信なしの場合には「モデム」のLEDが緑色の点灯状態、通信ありの場合には「モデム」のLEDが緑色の点滅状態となる。一方、異常時においては、「機能1」のLEDが赤色の点滅状態となり、その他のLEDが不灯状態となる。
【0022】
図5は、検出装置114のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5に示すように、検出装置114は、メモリ500、プロセッサ501、アンテナインタフェース502、カメラインタフェース503、通信インタフェース504、及び電源ユニット505を含んで構成される。
【0023】
メモリ500は、プロセッサ501によって実行されるプログラムや、各種データを記憶するための記憶領域である。メモリ500は、メモリカード等の取り外し可能な記憶媒体を含んでもよい。メモリ500には、例えば、
図4に例示した、フェムトセル基地局201の動作状態に応じたLEDの表示状態を示す表示状態データを格納しておくことができる。なお、メモリ500に格納された表示状態データは、フェムトセル基地局201の機種に応じて書き換え可能とすることができる。また、メモリ500には、複数機種のフェムトセル基地局201の表示状態データが、機種を示す情報と対応づけられて格納されていてもよい。
【0024】
プロセッサ501は、メモリ500に記憶されているプログラムを実行することにより、検出装置114における各種機能を実現する。検出装置114における各種機能については後述する。
【0025】
アンテナインタフェース502は、アンテナ112によって受信されるフェムトセル基地局201からの電波の強度を示す信号をプロセッサ501に送信するためのインタフェースである。アンテナインタフェース502は、例えば、アンテナ112によって受信された電波から所望の周波数の電波を抽出するためのフィルタや、電波を増幅するための増幅回路、電波の強度を検出するための強度検出回路などを含むことができる。
【0026】
カメラインタフェース503は、カメラ113から出力される画像データを受信して、該画像データをプロセッサ501に送信するためのインタフェースである。また、カメラインタフェース503は、カメラ113の動作を制御するための制御信号をプロセッサ501から受信して、該制御信号をカメラ113に送信するように構成されていてもよい。なお、
図2に示した例では、カメラ113には商用交流電源202から電源が供給されることとしたが、カメラインタフェース503を介してカメラ113に電源が供給されることとしてもよい。
【0027】
通信インタフェース504は、PC205に検出信号を送信するためのインタフェースである。通信インタフェース504は、例えば、無線LANやイーサネット(登録商標)、USB等による通信を行うためのインタフェースとすることができる。
【0028】
電源ユニット505は、検出装置114の各部に電源を供給するための回路である。電源ユニット505は、例えば、商用交流電源202から供給される交流電圧を、所定レベルの直流電圧に変換するためのAC−DCコンバータを含んでいてもよい。また、電源ユニット505は、バッテリを含んで構成されていてもよい。
【0029】
図6は、検出装置114の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図6に示すように、検出装置114は、電波状態検出部600、電波状態記憶部601、動作状態検出部602、動作状態記憶部603、及び検出信号出力部604を含んで構成される。
【0030】
電波状態検出部600は、アンテナ112を介して受信される電波の状態を検出し、検出結果を示す電波状態データを電波状態記憶部601に格納する。電波状態データには、例えば、電波の強度が所定レベルであるかどうかを示す情報や、検出時刻を示す情報などが含まれる。
【0031】
動作状態検出部602は、カメラ113からの画像データに基づいて、フェムトセル基地局201の動作状態を検出し、該動作状態を示す動作状態データを動作状態記憶部603に格納する。動作状態データには、例えば、フェムトセル基地局201の動作が正常であるかどうかを示す情報や、検出時刻を示す情報などが含まれる。例えば、動作状態検出部602は、カメラ113によって撮影された画像の中から、フェムトセル基地局201の表示部204の部分を抽出し、該表示部204におけるLEDの表示状態を検出することができる。そして、動作状態検出部602は、例えば、検出したLEDの表示状態を、メモリ500に記憶されている表示状態データと比較することにより、フェムトセル基地局201の動作状態を判定することができる。
【0032】
検出信号出力部604は、電波状態記憶部601に記憶されている電波状態データと、動作状態記憶部603に記憶されている動作状態データとに基づいて、フェムトセル基地局201からの電波の状態と、フェムトセル基地局201の動作状態とを示す検出信号をPC205に送信する。なお、検出信号出力部604は、PC205等の外部装置に検出信号を送信するのではなく、携帯端末試験装置100における外部から視認可能な位置に配設された表示部に、当該電波の状態及び動作状態を表示するための検出信号を出力することとしてもよい。
【0033】
図7は、検出装置114の動作の一例を示すフローチャートである。
図7に示す処理は、例えば、検出装置114の検出信号出力部604が、センサ111から出力される検出信号に基づいて、シールドボックス110の蓋120が閉じられたことを検出したことを契機として開始されることとしてもよい。また例えば、PC205等の外部装置から検出装置114に処理開始の指示が送信されることとしてもよい。また例えば、検出装置114に処理開始を指示するためのスイッチが設けられていてもよい。
【0034】
処理が開始されると、電波状態検出部600は、アンテナ112によって受信された電波の強度に基づいて、フェムトセル基地局201からの電波の状態を検出する(S701)。具体的には、例えば、電波状態検出部600は、フェムトセル基地局201からの電波が所定レベル以上であるかどうかを判定する。そして、電波状態検出部600は、検出した電波の状態を示す電波状態データを電波状態記憶部601に格納する(S702)。
【0035】
検出信号出力部604は、電波状態記憶部601に格納された電波状態データに基づいて、フェムトセル基地局201からの電波の状態が正常であるかどうかを判定する(S703)。
【0036】
電波状態が正常でない場合(S703:NO)、検出信号出力部604は、電波状態記憶部601に格納されている電波状態データのうち、検出時間から所定時間が経過したものを削除する(S704)。このように、所定時間が経過した電波状態データを削除することにより、電波状態記憶部601に記録される電波状態データのサイズを抑制することができる。
【0037】
一方、電波状態が正常である場合(S703:YES)、検出信号出力部604は、電波状態記憶部601に格納されている電波状態データ(即ち、電波状態が正常であることを示す検出信号)をPC205に送信する(S705)。このとき、検出信号出力部604は、直近の電波状態データだけではなく、電波状態記憶部601に格納されている過去の電波状態データについてもPC205に送信することができる。
【0038】
検出装置114においては、電波状態の検出と同様に、動作状態の検出も行われる。動作状態検出部602は、カメラ113によって撮影されたフェムトセル基地局201の表示部204の画像に基づいて、フェムトセル基地局201の動作状態を検出する(S706)。具体的には、例えば、動作状態検出部602は、フェムトセル基地局201の表示部204の表示状態が、フェムトセル基地局201の正常動作時のものであるかどうかを判定する。そして、動作状態検出部602は、検出した動作状態を示す動作状態データを動作状態記憶部603に格納する(S707)。
【0039】
検出信号出力部604は、動作状態記憶部603に格納された動作状態データに基づいて、フェムトセル基地局201の動作状態が正常であるかどうかを判定する(S708)。
【0040】
動作状態が正常でない場合(S708:NO)、検出信号出力部604は、動作状態記憶部603に格納されている動作状態データのうち、検出時間から所定時間が経過したものを削除する(S709)。このように、所定時間が経過した動作状態データを削除することにより、動作状態記憶部603に記録される動作状態データのサイズを抑制することができる。
【0041】
一方、動作状態が正常である場合(S708:YES)、検出信号出力部604は、動作状態記憶部603に格納されている動作状態データ(即ち、動作状態が正常であることを示す検出信号)をPC205に送信する(S710)。このとき、検出信号出力部604は、直近の動作状態データだけではなく、動作状態記憶部603に格納されている過去の動作状態データについてもPC205に送信することができる。
【0042】
電波状態が正常となり(S703:YES)、電波状態データのPC205への送信(S705)が行われた後の動作について説明する。電波状態検出部600は、引き続き、アンテナ112によって受信された電波の強度に基づいて、フェムトセル基地局201からの電波の状態を検出し、電波状態データを生成する(S711)。検出信号出力部604は、電波状態データに基づいて電波状態が正常であるかどうかを判定する(S712)。電波状態が正常でない場合(S712:NO)、検出信号出力部604は、フェムトセル基地局201からの電波の状態が異常であることをPC205に通知する(S713)。一方、電波状態が正常である場合(S712:YES)、検出信号出力部604は、電波状態が正常であることを示す電波状態データをPC205に送信する(S714)。なお、検出信号出力部604は、電波状態が正常な場合(S712:YES)は、電波状態データの送信を行わないこととしてもよい。
【0043】
同様に、動作状態が正常となり(S703:YES)、動作状態データのPC205への送信(S710)が行われた後の動作について説明する。動作状態検出部602は、引き続き、カメラ113によって撮影されたフェムトセル基地局201の表示部204の画像に基づいて、フェムトセル基地局201の動作状態を検出し、動作状態データを生成する(S715)。検出信号出力部604は、動作状態データに基づいて動作状態が正常であるかどうかを判定する(S716)。動作状態が正常でない場合(S716:NO)、検出信号出力部604は、フェムトセル基地局201の動作状態が異常であることをPC205に通知する(S717)。一方、動作状態が正常である場合(S716:YES)、検出信号出力部604は、動作状態が正常であることを示す動作状態データをPC205に送信する(S718)。なお、検出信号出力部604は、動作状態が正常な場合(S716:YES)は、動作状態データの送信を行わないこととしてもよい。
【0044】
検出信号出力部604は、センサ111からの検出信号に基づいてシールドボックス110の蓋120の開閉状態を検出する(S719)。シールドボックス110の蓋120が閉まっている間(S719:NO)、電波状態の検出処理(S711〜S714)及び動作状態の検出処理(S715〜S718)が繰り返し実行される。そして、検出信号出力部604が、シールドボックス110の蓋120が開いたことを検出すると(S719:YES)、処理が終了する。
【0045】
以上、本実施形態の携帯端末試験装置100について説明した。本実施形態によれば、シールボックス110内に携帯端末200及びフェムトセル基地局201を収容したままの状態で、フェムトセル基地局201からの電波の状態が正常であるかどうかを、携帯端末試験装置100からの検出信号によって検知することができる。これにより、シールドボックス110に収容された携帯端末200がフェムトセル通信モードに切り替わったかどうかを、シールドボックス110を何度も開閉することなく判定することができる。つまり、フェムトセル通信モードにおける携帯端末200の試験を行う際の、フェムトセル基地局201の動作状態の確認を容易にすることができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、シールドボックス110内に携帯端末200及びフェムトセル基地局201を収容したままの状態で、フェムトセル基地局201の動作状態が正常であるかどうかを、フェムトセル基地局201の表示部204の表示状態の検出結果に応じた検出信号によって検知することができる。これにより、シールドボックス110に収容された携帯端末200がフェムトセル通信モードに切り替わったかどうかを、シールドボックス110を何度も開閉することなく判定することができる。つまり、フェムトセル通信モードにおける携帯端末200の試験を行う際の、フェムトセル基地局201の動作状態の確認を容易にすることができる。
【0047】
なお、本実施形態では、フェムトセル基地局201の表示部204の表示状態を検出するためにカメラ113を用いることとしたが、表示部204の表示状態を検出するためのデバイスはこれに限られない。例えば、表示部204をカバーするようにフォトダイオード等の光検出器を配設することにより、表示部204の表示状態を検出することとしてもよい。また、シールドボックス110の一部(例えば蓋120の一部)に、シールドボックス110内部を視認可能なガラス窓等を設けることにより、フェムトセル基地局201の表示部204の表示状態を試験実施者が確認可能としてもよい。
【0048】
また、本実施形態によれば、携帯端末試験装置100は、フェムトセル基地局201からの電波の状態や表示部204の表示状態を示す検出信号を、PC205等の外部装置に送信することができる。これにより、PC205等の外部装置を用いてシールドボックス110内の状態をモニタリングすることができる。
【0049】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0050】
例えば、本実施形態では、フェムトセル基地局201からの電波の状態と、フェムトセル基地局201の表示部204の表示状態とが検出されることとしたが、携帯端末試験装置100は、これらの状態のうちいずれか一方のみを検出することとしてもよい。