特許第5764166号(P5764166)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5764166
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】保守用トロッコ
(51)【国際特許分類】
   B60T 7/08 20060101AFI20150723BHJP
   B61D 15/00 20060101ALI20150723BHJP
   B60T 7/20 20060101ALI20150723BHJP
   E01B 29/00 20060101ALI20150723BHJP
   B61H 13/02 20060101ALN20150723BHJP
【FI】
   B60T7/08 Z
   B61D15/00 A
   B60T7/20
   B60T7/08 B
   E01B29/00
   !B61H13/02
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-132337(P2013-132337)
(22)【出願日】2013年6月25日
(65)【公開番号】特開2015-6828(P2015-6828A)
(43)【公開日】2015年1月15日
【審査請求日】2013年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】504116722
【氏名又は名称】株式会社トキオ
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(72)【発明者】
【氏名】近藤 修治
(72)【発明者】
【氏名】嘉屋 幸修
【審査官】 中尾 麗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−035766(JP,A)
【文献】 特開2011−246005(JP,A)
【文献】 特開平10−278785(JP,A)
【文献】 特開平08−258713(JP,A)
【文献】 特開2001−270433(JP,A)
【文献】 実開平05−035536(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 7/08
B60T 7/20
B61D 15/00
E01B 29/00
B61H 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後一対のボギー台車(2)(2)によって荷受台枠(1)を支持する保守用トロッコに於て、
連結杆(14)によって連動連結された一対の第1揺動アーム(9)・第2揺動アーム(8)と、該第1揺動アーム(9)・第2揺動アーム(8)の各々に枢着されたブレーキ操作力伝達用のロッド棒(7)(7)と、圧縮空気供給用のエアー配管(30)と、上記圧縮空気により上記第1揺動アーム(9)を揺動させるエアーブレーキシリンダ(3)とを、上記荷受台枠(1)に搭載し、該荷受台枠(1)に揺動自在に枢着された第3揺動アーム(6)と、上記荷受台枠(1)に固着されると共に上記第3揺動アーム(6)に連結された駐車ブレーキ解除用リターンシリンダ(4)と、上記第3揺動アーム(6)を弾発付勢する駐車ブレーキ用コイルスプリング(5)とを、備え、上記ボギー台車(2)(2)の各々に、上記ロッド棒(7)(7)に連動連結する機械的ブレーキリンク機構(20)(20)を配設し、
上記リターンシリンダ(4)と上記エアーブレーキシリンダ(3)は、車体前後方向に沿って直列状に連結一体化されて連結気筒体(45)を構成し、
上記荷受台枠(1)とモーターカーの連結が切り離されて上記エアー配管(30)の圧縮空気を使い切った切離留置状態に於て、上記コイルスプリング(5)の弾発付勢力(F)によって、上記リターンシリンダ(4)のロッド(4a)が引き込まれると共に上記エアーブレーキシリンダ(3)のロッド(3a)が押し出され、上記第1揺動アーム(9)・第2揺動アーム(8)が揺動し、該第1揺動アーム(9)・第2揺動アーム(8)に枢着された上記ロッド棒(7)(7)を介して上記機械的ブレーキリンク機構(20)(20)にブレーキ操作力を伝達し、前後一対の上記ボギー台車(2)(2)に駐車ブレーキが2台同時に掛かるように構成され、
さらに、上記荷受台枠(1)上にて操作可能な手回しハンドル部(12)を有する駐車ブレーキ手動解除手段(10)を具備し、上記切離留置状態に於て、上記駐車ブレーキ手動解除手段(10)によって、前後一対の上記ボギー台車(2)(2)の駐車ブレーキを2台同時に解除するように構成されたことを特徴とする保守用トロッコ。
【請求項2】
上記手回しハンドル部(12)は、手動で回転力が与えられた際、上記コイルスプリング(5)の弾発付勢力(F)に抗して上記第3揺動アーム(6)を揺動させて前後一対の上記ボギー台車(2)(2)の上記駐車ブレーキを2台同時に解除し、かつ、上記手回しハンドル部(12)から手を離すと、上記コイルスプリング(5)の弾発付勢力(F)によって自動的に逆方向に回転し、自動的に上記駐車ブレーキが掛かるように構成された請求項1記載の保守用トロッコ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保守用トロッコに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前後一対のボギー台車によって荷受台枠を支持する保守用トロッコが知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来の保守用トロッコは、荷受台枠にブレーキ機構を有していなかった。即ち、荷受台枠には、エアー配管のみを配設し、ボギー台車の各々に、ブレーキシリンダ及びブレーキリンク機構を別々に設置していた。荷受台枠のエアー配管と、ボギー台車のブレーキシリンダを接続し、各々のブレーキシリンダに圧縮空気を供給してボギー台車のブレーキを掛けるように構成されていた(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−278785号公報
【特許文献2】特開平8−258713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の保守用トロッコは、モーターカーとの連結が切り離されてエアー配管の圧縮空気を使い切ってしまうと、ブレーキが効かなくなって逸走する虞れがあった。そこで、ボギー台車の各々に、手回しハンドルを付設し、手回しハンドルを回転させて手動で駐車ブレーキを掛けるように構成されたものが提案されている。
しかし、この手回しハンドルは、ボギー台車の各々に付設され、つまり、トロッコの前後の2箇所に設けられている為、トロッコを駐車(留置)する際、作業員が2箇所の手回しハンドルを回して、2台のボギー台車に別々に、駐車ブレーキを掛ける必要があった。また、トロッコを移動させる際には、作業員が2箇所の手回しハンドルを回して駐車ブレーキを解除し、次に、トロッコを移動させてから、再び2箇所の手回しハンドルを回して駐車ブレーキを掛ける作業が必要となり、非常に面倒であった。また、作業員が意識して手回しハンドルを回さない限り駐車ブレーキを掛けることができない為、駐車ブレーキを解除して移動させた後、駐車ブレーキを掛け忘れるとトロッコが逸走する虞れがあった。
【0005】
そこで、本発明は、モーターカーとの連結を切り離して圧縮空気を大気開放すると自動的に前後一対のボギー台車に2台同時に駐車ブレーキが掛かり、かつ、移動させる時だけ駐車ブレーキを容易に解除できる保守用トロッコを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る保守用トロッコは、前後一対のボギー台車によって荷受台枠を支持する保守用トロッコに於て、連結杆によって連動連結された一対の第1揺動アーム・第2揺動アームと、該第1揺動アーム・第2揺動アームの各々に枢着されたブレーキ操作力伝達用のロッド棒と、圧縮空気供給用のエアー配管と、上記圧縮空気により上記第1揺動アームを揺動させるエアーブレーキシリンダとを、上記荷受台枠に搭載し、該荷受台枠に揺動自在に枢着された第3揺動アームと、上記荷受台枠に固着されると共に上記第3揺動アームに連結された駐車ブレーキ解除用リターンシリンダと、上記第3揺動アームを弾発付勢する駐車ブレーキ用コイルスプリングとを、備え、上記ボギー台車の各々に、上記ロッド棒に連動連結する機械的ブレーキリンク機構を配設し、上記リターンシリンダと上記エアーブレーキシリンダは、車体前後方向に沿って直列状に連結一体化されて連結気筒体を構成し、上記荷受台枠とモーターカーの連結が切り離されて上記エアー配管の圧縮空気を使い切った切離留置状態に於て、上記コイルスプリングの弾発付勢力によって、上記リターンシリンダのロッドが引き込まれると共に上記エアーブレーキシリンダのロッドが押し出され、上記第1揺動アーム・第2揺動アームが揺動し、該第1揺動アーム・第2揺動アームに枢着された上記ロッド棒を介して上記機械的ブレーキリンク機構にブレーキ操作力を伝達し、前後一対の上記ボギー台車に駐車ブレーキが2台同時に掛かるように構成され、さらに、上記荷受台枠上にて操作可能な手回しハンドル部を有する駐車ブレーキ手動解除手段を具備し、上記切離留置状態に於て、上記駐車ブレーキ手動解除手段によって、前後一対の上記ボギー台車の駐車ブレーキを2台同時に解除するように構成されたものである。
【0007】
また、上記手回しハンドル部は、手動で回転力が与えられた際、上記コイルスプリングの弾発付勢力に抗して上記第3揺動アームを揺動させて前後一対の上記ボギー台車の上記駐車ブレーキを2台同時に解除し、かつ、上記手回しハンドル部から手を離すと、上記コイルスプリングの弾発付勢力によって自動的に逆方向に回転し、自動的に上記駐車ブレーキが掛かるように構成されたものである
【発明の効果】
【0008】
本発明の保守用トロッコによれば、荷受台枠上で(1箇所の)手回しハンドル部を操作するだけで、前後一対のボギー台車の駐車ブレーキを2台同時に解除できる。荷受台枠とモーターカーの連結が切り離されるのと同時に、コイルスプリングの弾発付勢力によって、前後一対のボギー台車に自動的に駐車ブレーキを掛け、安全に留置でき、作業員の駐車ブレーキの掛け忘れや操作ミスによる逸走を確実に防止できる。また、コイルスプリングが耐久性に優れ、長期間使用できる。2台のボギー台車のエアー配管を省略して、製造コストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の一形態を示した側面図である。
図2】荷受台枠を示した図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
図3】荷受台枠及びボギー台車を示した側面図である。
図4】牽引走行状態を示した要部拡大平面図である。
図5】切離留置状態を示した要部拡大平面図である。
図6】リターンシリンダ及びエアーブレーキシリンダの牽引走行状態を示した拡大断面側面図である。
図7】リターンシリンダ及びエアーブレーキシリンダの減速制動状態を示した拡大断面側面図である。
図8】リターンシリンダ及びエアーブレーキシリンダの切離留置状態を示した拡大断面側面図である。
図9】ボギー台車を示した図であって、(A)は拡大平面図であり、(B)は拡大側面図であり、(C)は他の拡大側面図である。
図10】駐車ブレーキ手動解除手段を示した拡大側面図である。
図11】エアー配管を示した簡略図である。
図12】コイルスプリングのばね特性を示したグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1に示すように、本発明の保守用トロッコは、前後一対のボギー台車2,2によって荷受台枠1を支持する(ボギー式)軌道走行用トロッコである。荷受台枠1には、例えば、クレーン50や発電機51等が積載されている。
図2図3に示すように、本発明の保守用トロッコは、連結杆14によって連動連結された一対の第1揺動アーム9・第2揺動アーム8と、第1揺動アーム9・第2揺動アーム8の各々に枢着されたブレーキ操作力伝達用のロッド棒7,7と、(第1揺動アーム9に連結され)圧縮空気により第1揺動アーム9を揺動させるエアーブレーキシリンダ3とを、荷受台枠1に搭載している。また、荷受台枠1に揺動自在に枢着された第3揺動アーム6と、荷受台枠1に固着されると共に第3揺動アーム6に連結された駐車ブレーキ解除用リターンシリンダ4と、第3揺動アーム6を弾発付勢する駐車ブレーキ用コイルスプリング5とを、備えている。
【0011】
図4図5に示すように、第1揺動アーム9と第2揺動アーム8は、長手方向中間位置に連結杆14が連結され、ハの字状に設置されている。第3揺動アーム6は、第1揺動アーム9と第2揺動アーム8の間に配設され、荷受台枠1の固定部に揺動自在に枢着されている。第2揺動アーム8は、荷受台枠1の固定部に揺動自在に枢着され、ブレーキ操作力伝達用ロッド棒7が連結されている。第1揺動アーム9には、ブレーキ操作力伝達用ロッド棒7と、エアーブレーキシリンダ3のロッド3aが連結され、引っ張りバネ34によってエアーブレーキシリンダ3のロッドを引き込む方向に(常に)弾発付勢されている。エアーブレーキシリンダ3は、圧縮空気が供給されるとロッドを押し出して、第1揺動アーム9と第2揺動アーム8を連動して揺動させるように構成されている。
第3揺動アーム6には、駐車ブレーキ用コイルスプリング5が連結され、弾発付勢力Fをもって弾発付勢されている。第3揺動アーム6には、リターンシリンダ4のロッド4aが連結され、コイルスプリング5の弾発付勢力Fによって、リターンシリンダ4のロッド4aを引き込む方向に(常に)弾発付勢されている。リターンシリンダ4は、圧縮空気が供給されるとロッドを押し出して、コイルスプリング5の弾発付勢力Fに抗して第3揺動アーム6を押し込んで保持するように構成されている。
【0012】
リターンシリンダ4とエアーブレーキシリンダ3は、車体前後方向に沿って直列状に連結一体化されて連結気筒体45を構成している。
図5に示すように、後述の切離留置状態で、連結気筒体45は、コイルスプリング5の弾発付勢力Fによりリターンシリンダ4のロッド4aが引き込まれると共にエアーブレーキシリンダ3のロッド3aが押し出される(図8参照)。つまり、図6に示すように、リターンシリンダ4は、ピストンの両側にロッドを有するダブルロッドシリンダ(両ロッドシリンダ)から成り、圧縮空気が供給されている状態では、ロッド4aを押し出し、図8に示すように、リターンシリンダ4に圧縮空気が供給されていない状態では、(コイルスプリング5の弾発付勢力Fによって)ロッド4aが引き込まれて、エアーブレーキシリンダ3のロッド3aを押し出す。従って、図5に示すように、切離留置状態に於て、コイルスプリング5の弾発付勢力Fをリターンシリンダ4のロッド4a及びエアーブレーキシリンダ3のロッド3aを介して第1揺動アーム9に伝達し、第1揺動アーム9と第2揺動アーム8を連動して揺動させるように構成されている。
【0013】
コイルスプリング5は、金属から成り、2本使用されている。図12に於て、コイルスプリング5は、作動ストロークの初動端部Xで48kgfの張力(弾発付勢力)を発生するように設定されると共に、ばね定数Kが0.364kgf/mmに設定されている。
図4図5に示すように、荷受台枠1は、スプリング脱着用の張力解除手段41を備えている。張力解除手段41は、ウォームギア42を一体に有する回転軸43と、ウォームギア42によって螺進するスクリューシャフト44とを、有し、スクリューシャフト44の先端部にスプリング取着部46を形成し、さらに、スクリューシャフト44を係止するストッパーピン47を具備している。コイルスプリング5は、張力解除手段41を介して荷受台枠1の固定部に取着されている。なお、張力解除手段41は、回転軸43に取付可能な非常用ハンドル48を備え、通常時は、非常用ハンドル48は回転軸43から取り外されて荷受台枠1の固定部に取付けられている。
【0014】
図1図3に示すように、ボギー台車2,2は、その各々に、ロッド棒7,7に連動連結する機械的ブレーキリンク機構20,20を配設している。ロッド棒7,7と機械的ブレーキリンク機構20,20は、連結部Z,Zにて枢着されている。ボギー台車2は、4つの車輪40を有している。
図9に示すように、機械的ブレーキリンク機構20は、上方突出状の連結用レバー21を備え、連結用レバー21はロッド棒7に連結部Zで連結されている。連結用レバー21は、基端部に回動軸部22が挿通され、前後方向揺動自在に枢着されている。また、ハの字状に配設された前後一対の連動アーム23A,23Bと、連動アーム23A,23Bの長手方向中間位置に連結された連結杆24とを、備え、回動軸部22と連動アーム23Aの一方を揺動部材27をもって連動連結している。このようにして、連結用レバー21と前後一対の連動アーム23A,23Bとが連動し、連動アーム23A,23Bの揺動に伴って、制動用押圧部材25,25がブレーキシュー26,26を各車輪40に押し付けて摺接させ、摩擦力によって回転を拘束して制動を行う。なお、車輪40に対して向かい合う一対の押圧部材25,25は、ターンバックル28を具備する連動機構によって連動連結されている。このように、機械的ブレーキリンク機構20は、4つの車輪40…に対して均等に制動力を作用させるように構成され、本発明の保守用トロッコにクレーン50や重量の大きな重機や荷物を積載した場合であっても、信頼性の高いブレーキを掛け、安全に制動・留置が可能である。
【0015】
図11に示すように、荷受台枠1には、圧縮空気供給用のエアー配管30が設けられている。エアー配管30は、減圧弁用の貫通制動管と電磁弁用の元圧管16とを備えている。
元圧管16は、牽引用のモーターカー及び後続車両に連結するためのカプラ35,35を付設している。エアー配管30には、EF制御弁31と、圧縮空気を備蓄するための供給エアタンク32・制御エアタンク33と、複式逆止弁36と、三方コック(三方弁)37と、空気タンク38と、電磁弁ユニット39とを、具備し、リターンシリンダ4及びエアーブレーキシリンダ3に連結されると共に圧縮空気を供給できるように構成されている。なお、供給エアタンク32と制御エアタンク33には、ドレインコックが設けられている。
【0016】
図4に示すように、荷受台枠1を牽引用のモーターカーに連結し元圧管16に圧縮空気の供給を受ける牽引走行状態に於て、リターンシリンダ4に圧縮空気が供給されてロッド4aが押し出され(図6参照)、コイルスプリング5の弾発付勢力Fに抗して第3揺動アーム6を押し込んだ状態で保持される。なお、図7に示すように、供給エアタンク32と制御エアタンク33からエアーブレーキシリンダ3に圧縮空気を供給して、ロッド3aを往復動させ第1揺動アーム9及び第2揺動アーム8を揺動させて、ボギー台車2,2に減速制動ためのブレーキを掛ける。この減速制動ブレーキは、モーターカーの電気的制御によって適宜調整されるも良い。
【0017】
図5に示すように、本発明の保守用トロッコは、荷受台枠1とモーターカーの連結が切り離されてエアー配管30の圧縮空気を使い切った切離留置状態に於て、コイルスプリング5の弾発付勢力Fによって、前後一対のボギー台車2,2に駐車ブレーキが2台同時に掛かるように構成されている。
切離留置状態下で、供給エアタンク32・制御エアタンク33の圧縮空気を無くなるまで使い切る、又は、ドレインコックを開放してエアー配管30を大気開放した場合には、リターンシリンダ4に圧縮空気が供給されなくなり、コイルスプリング5の弾発付勢力Fによってロッド4aが引き込まれてエアーブレーキシリンダ3のロッド3aを押し出す(図8参照)。第1揺動アーム9及び第2揺動アーム8が揺動し、ロッド棒7,7が矢印方向に引っ張られる。ロッド棒7,7を(内向きに)引っ張ることで、機械的ブレーキリンク機構20,20が、前後一対のボギー台車2,2に駐車ブレーキを掛ける。
【0018】
図1図3に示すように、荷受台枠1上にて操作可能な手回しハンドル部12を有する駐車ブレーキ手動解除手段10を具備し、切離留置状態に於て、駐車ブレーキ手動解除手段10によって、前後一対のボギー台車2,2の駐車ブレーキを2台同時に解除するように構成されている。
図10に示すように、駐車ブレーキ手動解除手段10は、平面視円形状の手回しハンドル部12と、荷受台枠1上に立設される支柱部11と、軸心L廻りに揺動自在に枢着されたボールネジ軸部(ボールネジシャフト)13と、複数の球体を内有しボールネジ軸部13に球体を介して螺着されたボールナット15を一体に有するプルロッド部17と、プルロッド部17の下端に枢着されプルロッド部17の昇降に連動して揺動するように枢着された解除用レバー部18と、解除用レバー部18に連動連結された解除操作力伝達用ロッド棒19とを、備えている。ロッド棒19は、第3揺動アーム6に連結されている(図2図3参照)。
駐車ブレーキ手動解除手段10は、手回しハンドル部12を回転させることで、プルロッド部17を上昇させると共に解除用レバー部18を回動させ、ロッド棒19を矢印方向に引き込む。この際、ロッド棒19は、第3揺動アーム6を引っ張って、コイルスプリング5の弾発付勢力Fに抗して解除操作力を付与する。
【0019】
つまり、手回しハンドル部12は、手動で回転力が与えられた際、コイルスプリング5の弾発付勢力Fに抗して第3揺動アーム6を揺動させて前後一対のボギー台車2,2の駐車ブレーキを2台同時に解除するように構成されている。また、手回しハンドル部12から手を離すと、コイルスプリング5の弾発付勢力Fによって(手回しハンドル部12が)自動的に逆方向に回転し、自動的に駐車ブレーキが掛かるように構成されている。
駐車ブレーキ手動解除手段10は、ボールネジ軸部13とボールナット15の摩擦抵抗が小さく、手回しハンドル部12が小さな力で軽く回転するように構成されている。このため、解除用レバー部18がプルロッド部17(の下端)を下方へ引っ張ると、ボールナット15がボールネジ軸部13に回転力を発生し、手回しハンドル部12が逆方向に回転する。即ち、手回しハンドル部12の回転摩擦抵抗が小さい為、手回しハンドル部12をブレーキ解除方向に回転させるか、又は、手で持ってブレーキ解除状態を保持していない限り、手回しハンドル部12が自動的に逆方向に回転してコイルスプリング5の弾発付勢力Fによる自動的に駐車ブレーキが掛かるように構成されている。従って、作業員の操作ミスや掛け忘れによって、駐車ブレーキが掛からないという従来の問題点を解消し、確実に逸走を防止して安全な状態での留置が可能となる。手回しハンドル部12に、ブレーキ解除方向と逆方向の操作力を付加すると、操作力に相当する分だけブレーキ力を増加できる。
【0020】
なお、図示省略するが、故障発生時やメンテナンスの為に、荷受台枠1からコイルスプリング5を取り外す際には、荷受台枠1の固定部に取付けられている非常用ハンドル48を取り外し、張力解除手段41の回転軸43に取付けて回転させる。ストッパーピン47を抜取り、次に、コイルスプリング5を縮める方向にスクリューシャフト44を螺進する。コイルスプリング5の弾発力が十分に小さくなったところで、スプリング取着部46からコイルスプリング5を取り外す。コイルスプリング5を取り付ける際は、上記作業を逆の手順で行う。通常時は、非常用ハンドル48を回転軸43から取外し、荷受台枠1の固定部の所定の箇所に取付けて収納する。
【0021】
以上のように、本発明に係る保守用トロッコは、前後一対のボギー台車2,2によって荷受台枠1を支持する保守用トロッコに於て、連結杆14によって連動連結された一対の第1揺動アーム9・第2揺動アーム8と、第1揺動アーム9・第2揺動アーム8の各々に枢着されたブレーキ操作力伝達用のロッド棒7,7と、圧縮空気供給用のエアー配管30と、圧縮空気により第1揺動アーム9を揺動させるエアーブレーキシリンダ3とを、荷受台枠1に搭載し、荷受台枠1に揺動自在に枢着された第3揺動アーム6と、荷受台枠1に固着されると共に第3揺動アーム6に連結された駐車ブレーキ解除用リターンシリンダ4と、第3揺動アーム6を弾発付勢する駐車ブレーキ用コイルスプリング5とを、備え、ボギー台車2,2の各々に、ロッド棒7,7に連動連結する機械的ブレーキリンク機構20,20を配設し、荷受台枠1とモーターカーの連結が切り離されてエアー配管30の圧縮空気を使い切った切離留置状態に於て、コイルスプリング5の弾発付勢力Fによって、前後一対のボギー台車2,2に駐車ブレーキが2台同時に掛かるように構成され、さらに、荷受台枠1上にて操作可能な手回しハンドル部12を有する駐車ブレーキ手動解除手段10を具備し、切離留置状態に於て、駐車ブレーキ手動解除手段10によって、前後一対のボギー台車2,2の駐車ブレーキを2台同時に解除するように構成されたので、荷受台枠1上で(1箇所の)手回しハンドル部12を操作するだけで、前後一対のボギー台車2,2の駐車ブレーキを2台同時に解除できる。荷受台枠1とモーターカーの連結が切り離されるのと同時に、コイルスプリング5の弾発付勢力Fによって、前後一対のボギー台車2,2に自動的に駐車ブレーキを掛け、安全に留置でき、作業員の駐車ブレーキの掛け忘れや操作ミスによる逸走を確実に防止できる。また、コイルスプリング5が耐久性に優れ、長期間使用できる。2台のボギー台車2,2のエアー配管を省略して、製造コストを削減できる。
【0022】
また、手回しハンドル部12は、手動で回転力が与えられた際、コイルスプリング5の弾発付勢力Fに抗して第3揺動アーム6を揺動させて前後一対のボギー台車2,2の駐車ブレーキを2台同時に解除し、かつ、手回しハンドル部12から手を離すと、コイルスプリング5の弾発付勢力Fによって自動的に逆方向に回転し、自動的に駐車ブレーキが掛かるように構成されたので、作業員の操作ミスや掛け忘れによる逸走を防止して安全な状態で留置できる。
【0023】
また、リターンシリンダ4とエアーブレーキシリンダ3は、車体前後方向に沿って直列状に連結一体化されて連結気筒体45を構成し、切離留置状態下で、連結気筒体45は、コイルスプリング5の弾発付勢力Fによりリターンシリンダ4のロッド4aが引き込まれると共にエアーブレーキシリンダ3のロッド3aが押し出されるように構成されたので、コンパクトに設置でき、かつ、第1揺動アーム9及び第2揺動アーム8に確実にブレーキ操作力を伝達して、信頼性の高いブレーキを掛けることができる。
【符号の説明】
【0024】
1 荷受台枠
2 ボギー台車
3 エアーブレーキシリンダ
3a ロッド
4 リターンシリンダ
4a ロッド
5 コイルスプリング
6 第3揺動アーム
7 ロッド棒
8 第2揺動アーム
9 第1揺動アーム
10 駐車ブレーキ手動解除手段
12 手回しハンドル部
14 連結杆
20 機械的ブレーキリンク機構
30 エアー配管
45 連結気筒体
F 弾発付勢力
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12