特許第5764174号(P5764174)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5764174ナトリウム・グルコース共輸送体2阻害剤の調製に有用な方法及び化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5764174
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】ナトリウム・グルコース共輸送体2阻害剤の調製に有用な方法及び化合物
(51)【国際特許分類】
   C07H 9/04 20060101AFI20150723BHJP
【FI】
   C07H9/04CSP
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2013-176646(P2013-176646)
(22)【出願日】2013年8月28日
(62)【分割の表示】特願2010-518296(P2010-518296)の分割
【原出願日】2008年7月17日
(65)【公開番号】特開2014-1230(P2014-1230A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2013年8月29日
(31)【優先権主張番号】60/952,122
(32)【優先日】2007年7月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508192566
【氏名又は名称】レクシコン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グッドウィン ニコル キャスリーン
(72)【発明者】
【氏名】ハリソン ブライス オールデン
(72)【発明者】
【氏名】飯村 真也
(72)【発明者】
【氏名】メイボン ロス
(72)【発明者】
【氏名】ソン チュウリン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ウェンシュエ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン チエ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ハイミン
(72)【発明者】
【氏名】チャオ マシュー マンチュ
【審査官】 砂原 一公
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−527589(JP,A)
【文献】 特表2005−531588(JP,A)
【文献】 DAVIS, Nicola J. et al,Selective oxidation of monosaccharide derivatives to uronic acids,Tetrahedron Letters,1993年,vol.34, No.7,p.1181-1184
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
((3aS,5R,6S,6aS)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル)(モルホリノ)メタノン。
【請求項2】
式:
【化1】



化合物又はその塩
【請求項3】
式:
【化2】



化合物又はその塩
【請求項4】
結晶性である、請求項に記載の化合物又はその塩
【請求項5】
.6度、13.2度、17.0度、17.4度、18.6度、19.5度、20.5度、20.8度、及び/又は23.2度の2θの1つ又は複数にピークを有するX線粉末回折パターンを有する、請求項に記載の化合物又はその塩
【請求項6】
13℃の融点を有する、請求項に記載の化合物又はその塩
【請求項7】
式:
【化3】



化合物又はその塩
【請求項8】
結晶性である、請求項に記載の化合物又はその塩
【請求項9】
.0度、16.9度、17.6度、18.2度、18.4度、18.8度、及び/又は22.7度の2θの1つ又は複数にピークを有するX線粉末回折パターンを有する、請求項に記載の化合物又はその塩
【請求項10】
融点が136℃である、請求項に記載の化合物又はその塩
【請求項11】
式:
【化4】



の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1. 発明の分野
本発明は、ナトリウム・グルコース共輸送体2の阻害剤を調製する方法に関する。
【0002】
本願は、2008年7月26日付で出願された米国仮特許出願第60/952,122号明細書(その全体が参照により本明細書中に援用される)に対する優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
2. 背景
ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)は、腎臓濾過液からグルコースを再吸収し、尿中へのグルコース喪失を防ぐ輸送体である。SGLT2の競合的阻害剤は、グルコースの腎排せつをもたらすため、糖尿病等の疾患に関連する高い血糖値を正常値へ戻すために使用され得る(非特許文献1)。
【0004】
糖尿病の治療に使用することのできる新たな薬物を探求する中で、多数のSGLT2阻害剤が開示されている。例えば非特許文献1、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照されたい。少なくとも1つの阻害剤が、2型真性糖尿病の治療薬(treatment)として
臨床開発中である。例えば非特許文献2を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,515,117号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0035841号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/0138439号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Handlon, A.L., Expert Opin. Ther. Patents 15(11): 1531-1540 (2005)
【非特許文献2】Komoroski, B., et al.「ナトリウム−グルコース取り込み輸送体2(SGLT2)の選択的阻害剤であるDapagliflozin(BMS−512148)は、2型真性糖尿病患者において空腹時血清グルコース及びグルコース値変動を14日間にわたって低減する(Dapagliflozin (BMS-512148), a Selective Inhibitor of the Sodium-Glucose Uptake Transporter 2 (SGLT2), Reduces Fasting Serum Glucose and Glucose Excursion in Type 2 Diabetes Mellitus Patients Over 14 Days)」American Diabetes Assn. 67th Scientific Sessions, Abstract 0188-OR (2007)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
3. 発明の概要
本発明は、或る特定のSGLT2阻害剤を調製する方法、及びそれに有用な化合物を包含する。
【0008】
本発明の一実施の形態は、式I:
【0009】
【化1】
【0010】
の化合物(その置換基(substitutes)は本明細書中で定義される)及びその塩を調製す
る方法であって、式II:
【0011】
【化2】
【0012】
の化合物を、適切な条件下で塩基と接触させることを含む、方法を包含する。
【0013】
式Iの化合物を含む、SGLT2阻害剤の調製に有用な様々な中間体も本発明に包含される。
4. 図面の簡単な説明
本発明の或る特定の態様は、添付の図面を参照して理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(2S,3S,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(メチルチオ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテートの結晶性固体形態のX線回折パターンを示す図である。株式会社リガクのMiniFlex回折計(Cu(1.54060Å)放射)を用いてスペクトルを得た。
図2】(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)((3aS,5R,6S,6aS)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル)メタノンの結晶性固体形態のX線回折パターンを示す図である。株式会社リガクのMiniFlex回折計(Cu(1.54060Å)放射)を用いてスペクトルを得た。
図3】((3aS,5R,6S,6aS)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル)(モルホリノ)メタノンの結晶性固体形態のX線回折パターンを示す図である。株式会社リガクのMiniFlex回折計(Cu(1.54060Å)放射)を用いてスペクトルを得た。
図4】1−クロロ−2−(4−エトキシベンジル)−4−ヨードベンゼンの結晶性固体形態のX線回折パターンを示す図である。株式会社リガクのMiniFlex回折計(Cu(1.54060Å)放射)を用いてスペクトルを得た。
【発明を実施するための形態】
【0015】
5. 詳細な説明
ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害する新規の化合物が、近年開示されている。2006年9月29日付で出願された米国仮特許出願第60/848,156号明細書及び2007年3月8日付で出願された米国仮特許出願第60/905,714号明細書を参照されたい。本発明は、これらの化合物を調製する新たな方法の発見に一部基づく。本発明の具体的な方法は、化合物の大規模製造を可能にするものである。
【0016】
5.1. 定義
特に明示のない限り、「アルケニル」という用語は、2個〜20個(例えば2個〜10個又は2個〜6個)の炭素原子を有し、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む直鎖、分岐、及び/又は環状の炭化水素を意味する。代表的なアルケニル部分としては、ビニル、アリル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブチレニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、1−ヘプテニル、2−ヘプテニル、3−ヘプテニル、1−オクテニル、2−オクテニル、3−オクテニル、1−ノネニル、2−ノネニル、3−ノネニル、1−デセニル、2−デセニル、及び3−デセニルが挙げられる。
【0017】
特に明示のない限り、「アルコキシ」という用語は、−O−アルキル基を意味する。アルコキシ基の例としては、−OCH、−OCHCH、−O(CHCH、−O(CHCH、−O(CHCH、及び−O(CHCHが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
特に明示のない限り、「アルキル」という用語は、1個〜20個(例えば1個〜10個又は1個〜4個)の炭素原子を有する直鎖、分岐、及び/又は環状(「シクロアルキル」)の炭化水素を意味する。1個〜4個の炭素を有するアルキル部分は「低級アルキル」と称される。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、及びドデシルが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキル部分は単環式であっても、又は多環式であってもよく、例としてはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びアダマンチルが挙げられる。アルキル部分のさらなる例は直鎖、分岐、及び/又は環状部分(例えば1−エチル−4−メチル−シクロヘキシル)を有する。「アルキル」という用語は飽和炭化水素、並びにアルケニル部分及びアルキニル部分を含む。
【0019】
特に明示のない限り、「アルキルアリール」又は「アルキル−アリール」という用語は、アリール部分と結合したアルキル部分を意味する。
【0020】
特に明示のない限り、「アルキルヘテロアリール」又は「アルキル−ヘテロアリール」という用語は、ヘテロアリール部分と結合したアルキル部分を意味する。
【0021】
特に明示のない限り、「アルキル複素環」又は「アルキル−複素環」という用語は、複素環部分と結合したアルキル部分を意味する。
【0022】
特に明示のない限り、「アルキニル」という用語は、2個〜20個(例えば2個〜20個又は2個〜6個)の炭素原子を有し、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む直鎖、分岐、又は環状の炭化水素を意味する。代表的なアルキニル部分としては、アセチレニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−メチル−1−ブチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、5−ヘキシ
ニル、1−ヘプチニル、2−ヘプチニル、6−ヘプチニル、1−オクチニル、2−オクチニル、7−オクチニル、1−ノニニル、2−ノニニル、8−ノニニル、1−デシニル、2−デシニル、及び9−デシニルが挙げられる。
【0023】
特に明示のない限り、「アリール」という用語は、芳香環、又は炭素原子及び水素原子で構成される芳香環系若しくは部分芳香環系を意味する。アリール部分は共に結合又は縮合した複数の環を含んでもよい。アリール部分の例としては、アントラセニル、アズレニル、ビフェニル、フルオレニル、インダン、インデニル、ナフチル、フェナントレニル、フェニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン、及びトリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
特に明示のない限り、「アリールアルキル」又は「アリール−アルキル」という用語は、アルキル部分と結合したアリール部分を意味する。
【0025】
特に明示のない限り、「ハロゲン」及び「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を包含する。
【0026】
特に明示のない限り、「ヘテロアルキル」という用語は、炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子(例えばN、O、又はS)に置換されているアルキル部分(例えば直鎖、分岐鎖、又は環式である)を表す。
【0027】
特に明示のない限り、「ヘテロアリール」という用語は、炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子(例えばN、O、又はS)に置換されているアリール部分を意味する。例としては、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾキナゾリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、イミダゾリル、インドリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、フタラジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、テトラゾリル、チアゾリル、及びトリアジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
特に明示のない限り、「ヘテロアリールアルキル」又は「ヘテロアリール−アルキル」という用語は、アルキル部分と結合したヘテロアリール部分を意味する。
【0029】
特に明示のない限り、「複素環」という用語は、炭素、水素、及び少なくとも1つのヘテロ原子(例えばN、O、又はS)で構成される芳香族、部分芳香族、又は非芳香族の単環式又は多環式の環又は環系を表す。複素環は、共に縮合又は結合した複数(すなわち2つ以上)の環を含んでもよい。複素環はヘテロアリールを含む。例としては、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル、シンノリニル、フラニル、ヒダントイニル、モルホリニル、オキセタニル、オキシラニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、及びバレロラクタミルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
特に明示のない限り、「複素環アルキル」又は「複素環−アルキル」という用語は、アルキル部分と結合した複素環部分を表す。
【0031】
特に明示のない限り、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、非芳香族の複素環を表す。
【0032】
特に明示のない限り、「ヘテロシクロアルキルアルキル」又は「ヘテロシクロアルキル−アルキル」という用語は、アルキル部分と結合したヘテロシクロアルキル部分を表す。
【0033】
特に明示のない限り、「薬学的に許容される塩」という用語は、無機酸及び無機塩基、並びに有機酸及び有機塩基を含む、薬学的に許容される非毒性の酸又は塩基から調製される塩を表す。好適な薬学的に許容される塩基付加塩としては、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、及び亜鉛から生成される金属塩、又はリシン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、及びプロカインから生成される有機塩が挙げられるが、これらに限定されない。好適な非毒性酸としては、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン(ethenesulfonic)酸、ギ酸、フマル酸、フロ酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸、及びp−トルエンスルホン酸等の無機酸及び有機酸が挙げられるが、これらに限定されない。具体的な非毒性酸としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及びメタンスルホン酸が挙げられる。したがって、具体的な塩の例には塩酸塩及びメシレート塩が含まれる。他の例は当該技術分野でよく知られている。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed.(Mack Publishing, Easton PA: 1990)及びRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th ed.(Mack Publishing, Easton PA: 1995)を参照されたい。
【0034】
特に明示のない限り、「立体異性体混合物」という用語は、ラセミ混合物、及び立体異性体的に豊富な混合物(例えば、R/S=30/70、35/65、40/60、45/55、55/45、60/40、65/35、及び70/30)を包含する。
【0035】
特に明示のない限り、「立体異性体的に純粋である」という用語は、化合物の1つの立体異性体を含み、その化合物の他の立体異性体を実質的に含まない組成物を意味する。例えば、1つの立体中心を有する化合物の立体異性体的に純粋である組成物は、その化合物の反対の立体異性体を実質的に含まない。2つの立体中心を有する化合物の立体異性体的に純粋である組成物は、その化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まない。典型的な立体異性体的に純粋である化合物は、約80重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体と、約20重量%未満のその化合物の他の立体異性体とを含むか、約90重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体と、約10重量%未満のその化合物の他の立体異性体とを含むか、約95重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体と、約5重量%未満のその化合物の他の立体異性体とを含むか、約97重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体と、約3重量%未満のその化合物の他の立体異性体とを含むか、又は約99重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体と、約1重量%未満のその化合物の他の立体異性体とを含む。
【0036】
特に明示のない限り、「置換された」という用語は、化学構造又は部分を説明するために用いる場合は、その水素原子の1つ又は複数が、アルコール、アルデヒド、アルコキシ、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケニル、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、t−ブチル)、アルキニル、アルキルカルボニルオキシ(−OC(O)アルキル)、アミド(−C(O)NH−アルキル−又は−アルキルNHC(O)アルキル)、アミジニル(−C(NH)NH−アルキル−又は−C(NR)NH)、(アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ等の第一級、第二級、及び第三級の)アミン、アロイル、アリール、アリールオキシ、アゾ、カルバモイル(−NHC(O)O−アルキル−又は−OC(O)NH−アルキル)、カルバミル(例えばCONH
並びにCONH−アルキル、CONH−アリール、及びCONH−アリールアルキル)、カルボニル、カルボキシル、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸塩化物、シアノ、エステル、エポキシド、エーテル(例えばメトキシ、エトキシ)、グアニジノ、ハロ、ハロアルキル(例えば−CCl、−CF、−C(CF)、ヘテロアルキル、ヘミアセタール、(第一級及び第二級の)イミン、イソシアネート、イソチオシアネート、ケトン、ニトリル、ニトロ、オキソ、ホスホジエステル、スルフィド、スルホンアミド(例えばSONH)、スルホン、(アルキルスルホニル、アリールスルホニル及びアリールアルキルスルホニルを含む)スルホニル、スルホキシド、チオール(例えばスルフヒドリル、チオエーテル)並びに尿素(−NHCONH−アルキル−)等(これらに限定されない)の化学的部分、又は官能基で置換された、その構造又は部分の誘導体を表す。
【0037】
特に明示のない限り、「挙げられる(複数)(include)」という用語は、「挙げられ
るが、これらに限定されない」と同じ意味を有し、「挙げられる(単数)(includes)」という用語は、「挙げられるが、これに限定されない」と同じ意味を有する。同様に、「等(such as)」という用語は、「等(これらに限定されない)」と同じ意味を有する。
【0038】
特に明示のない限り、一連の名詞の直前にくる1つ又は複数の形容詞は、それぞれの名詞にかかるものと解釈すべきである。例えば、「必要に応じて置換されたアルキル、アリール、又はヘテロアリール」という語句は、「必要に応じて置換されたアルキル、必要に応じて置換されたアリール、又は必要に応じて置換されたヘテロアリール」と同じ意味を有する。
【0039】
より大きい化合物の一部を形成する化学的部分は、単一分子として存在する場合にそれを一般的に指す名称、又はその基を一般的に指す名称を用いて本明細書に記載され得ることに留意すべきである。例えば、「ピリジン」及び「ピリジル」という用語は、他の化学的部分と結合した部分を記載するのに用いる場合に、同じ意味を表す。したがって、「XOH(式中、Xはピリジルである)」及び「XOH(式中、Xはピリジンである)」という2つの語句は同じ意味を表し、ピリジン−2−オール、ピリジン−3−オール、及びピリジン−4−オールの化合物を包含する。
【0040】
また、構造又は構造の一部分の立体化学が例えば太線又は破線で示されない場合、構造又は構造の一部分はその全ての立体異性体を包含すると解釈されることに留意すべきである。さらに、原子価が満たされていない図で示された任意の原子は、この原子価を満たすのに十分な水素原子と結合していると推測される。さらに、一本の破線に平行な一本の実線で示された化学結合は、原子価に応じて、単結合及び二重(例えば芳香族)結合の両方を包含する。
【0041】
5.2. 方法
本発明は、式I:
【0042】
【化3】
【0043】
(式中、YはO、S、NR、又はC(Rであり、ZはO、S、SO、又はSOであり、Rは各々独立して、水素、ハロゲン、シアノ、OR1A、SR1A、又は必要に応じて置換されたアルキルであり、R1Aは各々独立して、水素、又は必要に応じて置換されたアルキル若しくはアリールであり、Rは各々独立して、水素、ハロゲン、シアノ、OR2A、SR2A、又は必要に応じて置換されたアルキルであり、R2Aは各々独立して、水素、又は必要に応じて置換されたアルキル若しくはアリールであり、Rは必要に応じて置換されたアルキル、アリール又は複素環であり、Rは各々独立して、水素、又は必要に応じて置換されたアルキル若しくはアリールであり、nは1〜3であり、mは1〜3である)の化合物並びにその塩及び共結晶を調製する方法を包含する。
【0044】
具体的なアプローチを下記スキーム1:
【0045】
【化4】
【0046】
(式中、Pは各々独立して、酸性条件下で安定なヒドロキシル保護基である)に示す。このアプローチでは、式II(a)の化合物を酸化することで式IIの化合物が提供され、これを次に塩基と接触させて式Iの化合物を得る。好適な酸化条件は当該技術分野で既知であり、m−クロロフェニル過酸、過酢酸、オキソン、過酸化水素又はその錯体(例えば過酸化尿素)と酸無水物(例えば無水フタル酸)との混合物等のペルオキシ化合物の使用が挙げられる。好適な塩基もまた当該技術分野で既知であり、アルコキシド、水酸化物、炭酸塩、及びアミンが挙げられる。
【0047】
当然ながら、本明細書中で提供される様々な部分(例えばR〜R)の定義に包含される、潜在的な反応部分を当該技術分野で既知の方法を用いて保護してもよい。さらに、最終生成物を当該技術分野で既知のさらなる反応に付し、式Iに包含される他の化合物を得ることができる。また、最終生成物を結晶化させてもよい。一方法では、生成物をアミノ酸(例えばL−フェニルアラニン、L−フェニルグリシン、L−アルギニン)と共結晶化させる。
【0048】
本明細書中で開示される全ての(例えばスキーム1〜スキーム3における)包括的構造及び反応に関して、適用可能な場合には、本発明の或る特定の実施形態においてYはC(Rである。他の実施形態では、ZはS、SO、又はSOである。他の実施形態
では、Pは各々独立して、C(O)Rであるが、ここで各々のRは独立して、アルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルである。Pの例としては、アセチル、ベンゾイル、及びピバロイルが挙げられる。他の実施形態では、RはOR1Aであり、R1Aは、例えば必要に応じて置換された低級アルキルである。他の実施形態では、Rはハロゲンである。他の実施形態では、Rは低級アルキル(例えばメチル又はエチル)である。他の実施形態では、Rは水素である。他の実施形態では、mは1である。他の実施形態では、nは1である。
【0049】
一実施形態では、YはCHであり、ZはS又はSOであり、Rはエトキシであり、Rはクロロであり、Rはメチルである。例えば、特定の方法では、式Iの化合物は式:
【0050】
【化5】
【0051】
を有する。
【0052】
別の実施形態では、YはCHであり、ZはS又はSOであり、Rはエトキシであり、Rはクロロであり、Rはエチルである。例えば、特定の方法では、式Iの化合物は式:
【0053】
【化6】
【0054】
を有する。
【0055】
特定の実施形態では、式II(a)の化合物は式II(b)を有し、下記スキーム2:
【0056】
【化7】
【0057】
(式中、Xは臭素、ヨウ素、アルカンスルホキシ、又はアルコキシスルホキシである)に示すように調製することができる。好適な反応条件は当該技術分野で既知である。例えば、塩基性条件(例えばN,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基の使用)が用いられ得る。一方法では、式II(b)の化合物は式:
【0058】
【化8】
【0059】
を有する。
【0060】
具体的な式II(b)の化合物は、(2S,3S,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(メチルチオ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート:
【0061】
【化9】
【0062】
である。
【0063】
この化合物の特定の結晶形態は、示差走査熱量測定法(DSC)で測定されるような融点(開始温度)が約156℃である。この形態は、約7.7度、11.9度、12.4度、16.9度、19.5度、19.9度、21.9度、23.2度、24.1度、及び/又は27.7度の2θの1つ又は複数にピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。当業者が十分に理解しているように、結晶形態のX線回折パターンにおけるピークの相対強度は、試料の調製法及びデータの収集法に応じて変化し得る。これを念頭において、この結晶形態のXRPDパターンの一例を図1に提供する。
【0064】
一般に、式II(a)の化合物は、下記スキーム3:
【0065】
【化10】
【0066】
(式中、Pは各々独立して、酸性条件下で安定なヒドロキシル保護基であるか、又は両方のPが一緒になって単一の保護基を提供し、X’は塩素、臭素、又はヨウ素であり、X’’は脱離基(例えばアミノ、アルコキシアミノ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、フェノキシ、カルボキシ、スルホキシ)である)に示すアプローチにより調製すること
ができる。特定の方法では、Pは各々独立して、C(O)Rであるか、又は両方のPが一緒になってC(Rを提供するが、ここで、Rは各々独立して、アルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルである。
【0067】
このアプローチでは、式II(a)の化合物は、式II(d)の化合物を、Zの性質によって異なる試薬及び反応条件と接触させることにより得られる。例えば、式II(d)の化合物を、ルイス酸(例えばトリメチルシリル トリフルオロメタンスルホネート)
及びチオ尿素と接触させて、ZがSである(例えば上記スキーム2に示す式II(c)の)化合物を得ることができる。式II(d)の化合物を、酸性条件下でヒドロキシル化合物と接触させて、ZがOである化合物を得ることができる。
【0068】
式II(d)の化合物は、式II(e)の化合物を、好適な反応条件下でP−X’’’(ここで、X’’’は塩素、臭素、ヨウ素、アルキルカルボキシ、アルカンスルホキシ、又はアルコキシスルホキシである)と接触させることにより得ることができる。好適な反応条件は当該技術分野で既知である。例えば、反応はピリジン等の塩基により触媒されてもよい。特定の実施形態では、式II(d)の化合物は式:
【0069】
【化11】
【0070】
を有し、Pの塩は、例えば塩化アシル又は無水酢酸である。
【0071】
式II(e)の化合物は、式III(a)の化合物を、式II(e)の化合物を提供するのに十分な条件下で、酸と接触させることにより調製することができる。好適な酸は当該技術分野で既知であり、酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、及びトルエンスルホン酸が挙げられる。
【0072】
式III(a)の化合物は、式III(b)の化合物を還元することにより調製することができる。好適な還元条件は当該技術分野で既知であり、塩化セリウム及び水素化ホウ素ナトリウム、ボラン錯体、酵素還元、並びに水素化又は移動水素化の使用が挙げられる。特定の実施形態では、式III(b)の化合物は式:
【0073】
【化12】
【0074】
を有する。
【0075】
具体的な式III(b)の化合物は、(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)((3aS,5R,6S,6aS)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルテトラ
ヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル)メタノン:
【0076】
【化13】
【0077】
である。
【0078】
この化合物の特定の結晶形態は、DSCにより測定されるような融点(開始温度)が約113℃である。この形態は、約7.6度、13.2度、17.0度、17.4度、18.6度、19.5度、20.5度、20.8度、及び/又は23.2度の2θの1つ又は複数にピークを有するXRPDパターンを提供する。この結晶形態のXRPDパターンの一例を図2に提供する。
【0079】
式III(b)の化合物は、式IVの化合物を式Vの化合物とカップリングすることにより調製することができる。好適なカップリング条件は当該技術分野で既知であり、マグネシウム試薬(例えばハロゲン化アルキルマグネシウム、ジアルキルマグネシウム、リチウムトリアルキルマグネシウムハライド)、及び有機リチウム試薬(例えばn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム)等のメタル化(metalating)剤(例えばマグネシウム又はリチウム)又はトランスメタル化(transmetalating)剤の使
用が挙げられる。したがって、式III(b)の化合物は、式IV(a):
【0080】
【化14】
【0081】
(式中、MはNa、K、Li、又はMg等の適当な金属であり、X’はCl、Br、又はIであり、pは金属に応じて0、1、又は2である)の化合物を好適な条件下で用いて調製することができる。
【0082】
特定の方法では、式Vの化合物においてX’’はアミノ(例えばモルホリノ)である。具体的な式Vの化合物は、((3aS,5R,6S,6aS)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル)(モルホリノ)メタノン:
【0083】
【化15】
【0084】
である。
【0085】
この化合物の特定の結晶形態は、DSCにより測定されるような融点(開始温度)が約136℃である。この形態は、約9.0度、16.9度、17.6度、18.2度、18.4度、18.8度、及び/又は22.7度の2θの1つ又は複数にピークを有するXRPDパターンを提供する。この結晶形態のXRPDパターンの一例を図3に提供する。
【0086】
この特定の式Vの化合物は、下記スキーム4:
【0087】
【化16】
【0088】
に示すようなアプローチにより調製することができる。
【0089】
好適な反応条件は当該技術分野で既知であり、下記実施例に記載の条件が挙げられる。一般に、L−(−)−キシロースを、化合物1を提供するのに十分な条件下で環化し、これを次に酸化して、化合物2を提供し、これを次に((3aS,5R,6S,6aS)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル)(モルホリノ)メタノンを提供するのに十分な条件下で、モルホリンと接触させる。本発明は、式1及び式2の化合物(その結晶形態を含む)を包含する。
【0090】
スキーム3に戻るが、本発明の特定の方法では、式IVの化合物は式:
【0091】
【化17】
【0092】
を有する。
【0093】
具体的な式IVの化合物は、1−クロロ−2−(4−エトキシベンジル)−4−ヨードベンゼン:
【0094】
【化18】
【0095】
である。
【0096】
この化合物の特定の結晶形態は、融点(融点測定装置により求められる)が約65℃である。この形態は、約5.1度、13.5度、15.2度、20.3度、22.2度、及び/又は27.0度の2θの1つ又は複数にピークを有するXRPDパターンを提供する。この結晶形態のXRPDパターンの一例を図4に提供する。
【0097】
具体的な式IV(a)の化合物には、式:
【0098】
【化19】
【0099】
の化合物が含まれる。
【0100】
より具体的な化合物は、式:
【0101】
【化20】
【0102】
を有する。
【0103】
具体的な式IV(a)の化合物は、下記に示す(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)マグネシウムヨージド及び(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)マグネシウムクロリドである:
【0104】
【化21】
【0105】
式IV及び式Vの化合物は、下記に開示される方法及び当該技術分野で既知の方法等により調製することができる。例えば、米国特許第6,515,117号明細書、Davis. N.J., et al., Tetrahedron Letters 34(7): 1181-4 (1993)を参照されたい。
【実施例】
【0106】
6. 実施例
本発明の態様は、以下の実施例から理解することができるが、実施例は本発明の範囲を
限定するものではない。
【0107】
6.1. ((3aS,5R,6S,6aS)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル)(モルホリノ)メタノンの合成
【0108】
【化22】
【0109】
メカニカルスターラー、温度プローブ付きラバーセプタム、及びガスバブラーを備えた12L容三口丸底フラスコに、L−(−)−キシロース(504.40g、3.360mol)、アセトン(5L、試薬グレード)、及び無水MgSO粉末(811.23g、6.740mol/2.0当量)を投入した。懸濁液を周囲温度で攪拌し始め(set stirring)、次に濃HSO(50mL、0.938mol/0.28当量)を添加した。緩やかな(slow mild)発熱が見られ(温度は約1時間かけて24℃まで上昇した)、反
応混合物を周囲温度で一晩攪拌した。16.25時間後、全てのL−キシロースが消費されたことがTLCにより示唆され、主生成物であるビス−アセトニドと共に、幾らかの(3aS,5S,6R,6aS)−5−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−6−オールが生じた。反応混合物を濾過し、回収した固体をアセトン(1回の洗浄につき500mL)で2回洗浄した。黄色の攪拌濾液を、濃NHOH溶液(39mL)でpH=8.7まで中和した。10分間攪拌した後、浮遊固体を濾過により除去した。濾液を濃縮して、粗ビス−アセトニド中間体を黄色油(725.23g)として得た。この黄色油を、メカニカルスターラー、温度プローブ付きラバーセプタム、及びガスバブラーを備えた5L容三口丸底フラスコにおいて攪拌しながら、2.5Lの水に懸濁した。1N HCl水溶液(142mL)を用いてpHを9から2に調節し、ビス−アセトニド中間体が(3aS,5S,6R,6aS)−5−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−6−オールに十分に変換されたことがGCにより示されるまで、室温で6時間攪拌した。反応混合物を50%(w/w)KHPO水溶液を添加することでpH=7まで中和した。溶媒を次に蒸発させ、酢酸エチル(1.25L)を添加することにより白色懸濁液を得て、これを濾過した。濾液を真空下で濃縮することにより橙色油を得て、これを1Lのメチルtert−ブチルエーテルに溶解した。この溶液は、KF=0.23重量%の水を有しており、これを濃縮して、(3aS,5S,6R,6aS)−5−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−6−オールを、橙色油(551.23g、収率86%、GCによる純度96.7面積%)として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ1.22(s,3H)1.37(s,3H)3.51(dd,J=11.12,5.81Hz,1H)3.61(dd,J=11.12,5.05Hz,1H)3.93〜4.00(m,1H)3.96(s,1H)4.36(d,J=3.79Hz,1H)4.86(br.s.,2H)5.79(d,J=3.54Hz,1H)。13C NMR(101MHz,DMSO−d)δ26.48、27.02、59.30、73.88、81.71、85.
48、104.69、110.73。
【0110】
アセトン(375mL、15倍)及びHO(125mL、5倍)中の(3aS,5S,6R,6aS)−5−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−6−オール(25.0g、131mmol)の溶液に、NaHCO(33.0g、3.0当量)、NaBr(2.8g、20mol%)、及びTEMPO(0.40g、2mol%)を20℃で添加した。混合物を0℃〜5℃に冷却し、次に固体トリクロロイソシアヌル酸(TCCA、30.5g、1.0当量)を少量ずつ添加した。懸濁液を20℃で24時間攪拌した。メタノール(20mL)を添加し、混合物を20℃で1時間攪拌した。この時点で白色懸濁液が形成された。混合物を濾過し、アセトン(50mL、2倍)で洗浄した。有機溶媒を真空下で除去し、水層をEtOAc(300mL、12倍、3回)で抽出し、合わせた有機層を濃縮することにより、油性混合物を幾らかの固体残渣と共に得た。アセトン(125mL、5倍)を添加し、混合物を濾過した。このアセトン溶液を次に濃縮し、所望の酸((3aS,5R,6S,6aS)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−カルボン酸)を黄色固体(21.0g、79%)として得た。H NMR(メタノール−d)、δ6.00(d,J=3.2Hz,1H)、4.72(d,J=3.2Hz,1H)、4.53(d,J=3.2Hz,1H)、4.38(d,J=3.2Hz,1H)、1.44(s,3H)、1.32(s,3H)。
【0111】
(3aS,5R,6S,6aS)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−カルボン酸(5.0g、24.5mmol)のTHF(100mL、20倍)溶液に、TBTU(11.8g、1.5当量)、N−メチルモルホリン(NMM、4.1mL、1.5当量)を添加し、混合物を20℃で30分間攪拌した。次にモルホリン(3.2mL、1.5当量)を添加し、反応混合物を20℃でさらに6時間攪拌した。固体を濾過により濾別し、ケーキをTHF(10mL、2倍、2回)で洗浄した。この有機溶液を真空下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、1:4→4:1)により精製して、4.3gの所望のモルホリンアミド(64%)を白色固体として得た。H NMR(CDCl)、δ6.02(d,J=3.2Hz,1H)、5.11(br s,1H)、4.62(d,J=3.2Hz,1H)、4.58(d,J=3.2Hz,1H)、3.9〜3.5(m,8H)、1.51(s,3H)、1.35(s,3H)。
【0112】
6.2. ((3aS,5R,6S,6aS)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル)(モルホリノ)メタノンの代替的合成
ジオール(3aS,5S,6R,6aS)−5−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−6−オールのアセトニトリル溶液(5.38kg、65%(w/w)、3.50kg活性、18.40mol)、アセトニトリル(10.5L)、及びTEMPO(28.4g、1mol%)の溶液を、KHPO(0.32kg、1.84mol)及びKHPO(1.25kg、9.20mol)の水(10.5L)溶液に添加した。NaClO(3.12kg、80%(w/w)、27.6mol、1.50当量)の水(7.0L)溶液、及びKHPO(2.89kg、0.90当量)の水(3.0L)溶液を、冷却しながら調製した。漂白剤(3.0L、約6%家庭用グレード)をKHPO溶液と混合した。約20%のNaClO溶液(1.6L)及び漂白剤/KHPO溶液(400mL、約1mol%)を添加した。この2つの溶液の残りを同時に添加した。反応混合物は暗赤褐色に変わり、緩やかな発熱が観察された。NaClO溶液の添加速度は約40mL/分(3時間〜4時間の添加)であり、漂白剤/KHPO溶液の添加速度は約10mL/分〜12mL/分(10時間の添加)であった(バッチは15℃〜25℃に維持する)。反応が完了す
るまで5時間〜6時間毎にTEMPO(14.3g、0.5mol%)をさらに投入した(通常2回の投入で十分である)。ヘッドスペースから水洗式スクラバー(scrubber with aqueous)への窒素スイープ(sweep)を行ない、この黄緑色の気体が容器中にたまらないようにした。反応混合物を10℃より低い温度に冷却し、3回に分けたNaSO(1.4kg、0.6当量)で1時間かけてクエンチした。次に、反応混合物を5℃〜15℃で、pHが2.0〜2.1(2.5L〜2.7L)に達するまでHPOで酸性化した。層を分離し、アセトニトリル(10.5L、3回)で水層を抽出した。合わせた有機層を真空下(約100トール〜120トール)、35℃より低い温度(蒸気:28℃〜32℃、浴:45℃〜50℃)で低容量(約6L〜7L)に濃縮した後、溶液のKFが1%未満に達するまで(アセトニトリルで約12L〜15Lの容量まで希釈した時点)、アセトニトリル(40L)でフラッシュした。モルホリン(1.61L、18.4mol、1.0当量)を4時間〜6時間かけて添加し、スラリーを窒素下で一晩エージングした。混合物を0℃〜5℃に冷却し、3時間エージングした後、濾過した。濾過ケーキをアセトニトリル(10L)で洗浄した。窒素流下で乾燥させることにより、((3aS,5R,6S,6aS)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−カルボン酸のモルホリン塩4.13kgを白色固体(内部標準として1,4−ジメトキシベンゼンを用いたH NMRに基づく純度92%〜94%、純度に対して補正した収率72%〜75%)として得た。H NMR(DO)δ5.96(d,J=3.6Hz,1H)、4.58(d,J=3.6Hz,1H)、4.53(d,J=3.2Hz,1H)、4.30(d,J=3.2Hz,1H)、3.84(m,2H)、3.18(m,2H)、1.40(s,1H)、1.25(s,1H)。13H NMR(DO)δ174.5、112.5、104.6、84.2、81.7、75.0、63.6、43.1、25.6、25.1。
【0113】
((3aS,5R,6S,6aS)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−カルボン酸のモルホリン塩(7.85kg、26.9mol)、モルホリン(2.40L、27.5mol)、及びホウ酸(340g、5.49mol、0.2当量)を、トルエン(31L)に添加した。得られたスラリーを脱気し、ディーンスタークトラップを用いて窒素下で12時間加熱還流した後、室温に冷却した。混合物を濾過して不溶分を除去し、濾過ケーキをトルエン(5L)で洗浄した。濾液を約14Lまで濃縮し、トルエン(約80L)でフラッシュして、過剰なモルホリンを除去した。最終容量が約12Lに達した時点で、ヘプタン(14L)を60℃〜70℃でゆっくりと添加した。得られたスラリーを室温まで徐々に冷却し、3時間エージングした。これを次に濾過して、ヘプタン(12L)で洗浄し、窒素下で乾燥させることにより、わずかに桃色の固体(6.26kg、純度97%、収率98%)を得た。融点:136℃(DSC)。H NMR(CDCl)、δ6.02(d,J=3.2Hz,1H)、5.11(br s,1H)、4.62(d,J=3.2Hz,1H)、4.58(d,J=3.2Hz,1H)、3.9〜3.5(m,8H)、1.51(s,3H)、1.35(s,3H)。13C NMR(メタノール−d)δ26.84、27.61、44.24、47.45、68.16、77.14、81.14、86.80、106.87、113.68、169.05。
【0114】
6.3. 1−クロロ−2−(4−エトキシベンジル)−4−ヨードベンゼンの合成
【0115】
【化23】
【0116】
メカニカルスターラー、温度プローブ付きラバーセプタム、及びガスバブラー付き等圧滴下漏斗を備える2L容三口丸底フラスコに、2−クロロ−5−ヨード安息香酸(199.41g、0.706mol)、ジクロロメタン(1.2L、KF=0.003重量%の水)を投入し、懸濁液を周囲温度で攪拌し始めた。次に、N,N−ジメチルホルムアミド(0.6mL、1.1mol%)を添加し、続いて塩化オキサリル(63mL、0.722mol、1.02当量)を11分かけて添加した。反応混合物を周囲温度で一晩攪拌し、溶液とした。18.75時間後、未反応の出発物質を消費するために、さらなる塩化オキサリル(6mL、0.069mol、0.10当量)を添加した。2時間後、反応混合物を真空下で濃縮することにより、粗2−クロロ−5−ヨードベンゾイルクロリドを淡黄色発泡体として得たが、これを次の工程に使用する。
【0117】
メカニカルスターラー、温度プローブ付きラバーセプタム、及びガスバブラー付き等圧滴下漏斗を備えるジャケット付き2L容三口丸底フラスコに、塩化アルミニウム(97.68g、0.733mol、1.04当量)、ジクロロメタン(0.65L、KF=0.003重量%の水)を投入し、懸濁液を窒素下で攪拌し始め、約6℃に冷却した。次に、エトキシベンゼン(90mL、0.712mol、1.01当量)を、内部温度を9℃より低く保ちながら、7分かけて添加した。得られた橙色溶液をジクロロメタン(75mL)で希釈し、−7℃に冷却した。次に、2−クロロ−5−ヨードベンゾイルクロリド(0.706mol以下)のジクロロメタン(350mL)溶液を、内部温度を+3℃より低く保ちながら、13分かけて添加した。反応混合物を少し温め、+5℃に2時間維持した。HPLC分析により反応が完了したことが示唆されると、ジャケット付き丸底フラスコにおいて、反応混合物を450mLの予冷した(約5℃)2N HCl水溶液中に入れ、攪拌しながらクエンチした。このクエンチは、内部温度を28℃より低く維持しながら10分かけて少量ずつ行なった。クエンチしたこの二相混合物を20℃で45分間攪拌し、下の有機相を、1N HCl水溶液(200mL)、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(1回の洗浄につき200mL、2回)、及び塩化ナトリウム飽和水溶液(200mL)で洗浄した。洗浄した抽出物をロータリーエバポレータで濃縮し、粗(2−クロロ−5−ヨードフェニル)(4−エトキシフェニル)メタノンをオフホワイトの固体(268.93g、HPLCによる220nmでの純度99.0面積%、200nmでの位置異性体1.0面積%、「そのままの(as-is)」収率98.5%)。
【0118】
メカニカルスターラー、温度プローブ付きラバーセプタム、及びガスバブラーを備えたジャケット付き1L容三口丸底フラスコに、粗(2−クロロ−5−ヨードフェニル)(4−エトキシフェニル)メタノン(30.13g、77.93mmol)、アセトニトリル(300mL、KF=0.004重量%の水)を投入し、懸濁液を窒素下で攪拌し始め、約5℃に冷却した。次に、トリエチルシラン(28mL、175.30mmol、2.25当量)を添加し、続いて三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル(24mL、194.46mmol、2.50当量)を約30秒かけて添加した。反応混合物を30分かけて周囲温度に温め、17時間攪拌した。反応混合物をメチルtert−ブチルエーテル(150mL)で希釈し、続いて重炭酸ナトリウム飽和水溶液(150mL)を約1分かけて添加した。穏やかな気体発生が見られ、この二相溶液を周囲温度で45分間攪拌した。上の有機相を重炭酸ナトリウム飽和水溶液(100mL)、及び塩化ナトリウム飽和水溶液(50
mL)で洗浄した。洗浄した抽出物を、その元の容量の約半分までロータリーエバポレータで濃縮し、水(70mL)で希釈した。白色顆粒が形成されるまで真空下、45℃でさらに濃縮を行ない、これを攪拌しながら周囲温度に冷却した。約30分間周囲温度に置いた後、浮遊固体を濾過により単離し、水(30mL)で洗浄して、真空下、45℃で乾燥させた。約2.5時間後、1−クロロ−2−(4−エトキシベンジル)−4−ヨードベンゼンが、わずかにろう白色の顆粒状の粉末(28.28g、HPLCによる220nmでの純度98.2面積%、「そのままの」収率97.4%)として得られた。
【0119】
6.4. (4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)((3aS,5R,6S,6aS)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル)メタノンの合成
【0120】
【化24】
【0121】
1−クロロ−2−(4−エトキシベンジル)−4−ヨードベンゼン(500mg、1.34mmol)のTHF(5.0mL)溶液に、i−PrMgCl(THF中2.0M、1.0mL、2.00mmol)を0℃〜5℃で添加し、混合物を0℃〜5℃で1.5時間攪拌した。(3aS,5R,6S,6aS)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル)(モルホリノ)メタノン(146.5mg、0.536mmol)のTHF(1.0mL)溶液を0℃〜5℃で滴下し、混合物を1時間攪拌し続け、20℃に温め、20℃で2時間攪拌した。反応物をNHCl飽和水溶液でクエンチし、MTBEで抽出し、塩水で洗浄した。有機層を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望のケトン(178mg、76%)を白色固体として得た。H NMR(CDCl)δ7.88(dd,J=8.4、2.0Hz,1H)、7.82(d,J=2.0Hz,1H)、7.50(d,J=8.4Hz,1H)、7.12(d,J=8.4Hz,2H)、6.86(d,J=8.4Hz,2H)、6.07(d,J=3.2Hz,1H)、5.21(d,J=3.2Hz,1H)、4.58(d,J=3.2Hz,1H)、4.56(d,J=3.2Hz,1H)、4.16(d,J=7.2Hz,2H)、4.03(q,J=7.2Hz,2H)、1.54(s,3H)、1.42(t,J=7.2Hz,3H)、1.37(s,3H)。
【0122】
6.5. (4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)((3aS,5R,6S,6aS)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル)メタノンの代替的合成
メカニカルスターラー、温度調節器、及び窒素注入口を備えた20L容の反応器に、ヨージド(3.00kg、8.05mol)及びTHF(8L、モルホリノアミドに対して4倍)を室温で投入し、−5℃に冷却した。上記溶液に、i−PrMgClのTHF溶液(Aldrich、2M、4.39L、8.82mol)を−5℃で3時間かけて滴下した。こ
のグリニャール溶液を下記のケトン形成において使用した。
【0123】
メカニカルスターラー、温度調節器、及び窒素注入口を備えた50L容の反応器に、モルホリノアミド(HPLC純度=97重量%、2.01kg、7.34mol)及びTHF(11L、5.5倍)を室温で投入し、室温で45分間、及び30℃で15分間攪拌し
た。この均一溶液を次に−25℃に冷却した。この溶液に、t−BuMgClのTHF溶液(Aldrich、1M、7.32L、7.91mol)を−25℃で3時間かけて添加した
。次に、上記グリニャール溶液を、この溶液に−20℃で41分かけて添加した。得られた溶液を−20℃でさらに攪拌した後、クエンチした。反応混合物を10重量%NHCl水溶液(10L、5倍)に0℃で激しく攪拌しながら添加し、0℃で30分間攪拌した。この混合物に、6N HCl(4L、2倍)を0℃でゆっくりと添加することにより、透明な溶液を得て、これを10℃で30分間攪拌した。分相した後、有機層を25重量%NaCl水溶液(5L、2.5倍)で洗浄した。次に、条件(200mbar、浴温50℃)下で有機層を3倍溶液に濃縮した。EtOAc(24L、12倍)を添加し、条件(150mbar、浴温50℃)下で3倍溶液まで蒸発させた。固体を清澄濾過(polish filtration)により除去した後、EtOAc(4L、2倍)を添加し、濃縮乾燥した(1
50mbar、浴温50℃)。湿ケーキを次に、メカニカルスターラー、温度調節器、及び窒素注入口を備えた50L容の反応器に移した。EtOAcを添加した後、懸濁液を70℃で加熱して、2.5倍均一溶液を得た。得られた均一溶液に、ヘプタン(5L、2.5倍)を同じ温度でゆっくりと添加した。均一溶液に種晶添加し(seeded)、わずかに混濁した溶液にヘプタン(15L、7.5倍)を70℃でゆっくりと添加した。70℃で0.5時間攪拌した後、懸濁液をゆっくりと60℃に冷却し、60℃で1時間攪拌した。次に、懸濁液をゆっくりと室温に冷却し、同じ温度で14時間攪拌した。結晶を回収し、ヘプタン(8L、4倍)で洗浄して、真空下、45℃で乾燥させ、所望のケトンを綿状固体(2.57kg、HPLCによる純度100重量%、純度調整収率:81%)として得た。
【0124】
6.6. (2S,3S,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(メチルチオ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテートの合成
【0125】
【化25】
【0126】
ケトン(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)((3aS,5R,6S,6aS)−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル)メタノン(114.7g、0.265mol)のMeOH(2L、17倍)溶液に、CeCl・7HO(118.5g、1.2当量)を添加し、混合物を、全ての固体が溶解するまで20℃で攪拌した。混合物を次に−78℃に冷却し、NaBH(12.03g、1.2当量)を、反応混合物の温度が−70℃を超えないように少量ずつ添加した。混合物を−78℃で1時間攪拌し、0℃にゆっくりと温め、NHCl飽和水溶液(550mL、5倍)でクエンチした。混合物を真空下で濃縮して、MeOHを除去した後、EtOAc(1.1L、10倍、2回)で抽出し、塩水(5
50mL、5倍)で洗浄した。合わせた有機層(organics)を真空下で濃縮して、所望のアルコールを無色油(粗、115g)として得た。この無色油にAcOH(650mL)及びHO(450mL)を添加し、混合物を100℃に加熱し、15時間攪拌した。混合物を次に室温(20℃)に冷却し、真空下で濃縮して、黄色油(粗、約118g)を得た。この粗油にピリジン(500mL)を添加し、混合物を0℃に冷却した。次に、AcO(195mL、約8.0当量)を添加し、混合物を20℃に温め、20℃で2時間攪拌した。反応混合物をHO(500mL)でクエンチして、EtOAc(1000mL)で希釈した。有機層を分離し、真空下で濃縮して、EtOAc及びピリジンを除去した。残渣をEtOAc(1000mL)で希釈し、NaHSO水溶液(1N、500mL、2回)及び塩水(300mL)で洗浄した。有機層を濃縮して、所望のテトラアセテート中間体を黄色発泡体(約133g)として得た。
【0127】
テトラアセテート(133g、0.237mol、純粋と仮定)及びチオ尿素(36.1、2.0当量)のジオキサン(530mL、4倍)溶液に、トリメチルシリル トリフ
ルオロメタンスルホネート(TMSOTf)(64.5mL、1.5当量)を添加し、反応混合物を80℃に3.5時間加熱した。混合物を20℃に冷却し、MeI(37mL、2.5当量)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DiPEA)(207mL、5.0当量)を添加して、混合物を20℃で3時間攪拌した。混合物を次にメチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)(1.3L、10倍)で希釈し、HO(650mL、5倍、2回)で洗浄した。有機層を分離し、真空下で濃縮して、黄色固体を得た。この黄色固体にMeOH(650mL、5倍)を添加し、混合物を60℃で2時間再スラリー化した(reslurried)後、0℃に冷却し、0℃で1時間攪拌した。混合物を濾過し、ケーキをMeOH(0℃、70mL、3回)で洗浄した。ケーキを真空下、45℃で一晩乾燥させて、所望のトリアセテート(2S,3S,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(メチルチオ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(88g、4工程を通して収率60%)を淡黄色固体として得た。H NMR(CDCl)δ7.37(d,J=8.0Hz,1H)、7.20(dd,J=8.0、2.0Hz,1H)、7.07(m,2H)、6.85(m,2H)、5.32(t,J=9.6Hz,1H)、5.20(t,J=9.6Hz,1H)、5.05(t,J=9.6Hz,1H)、4.51(d,J=9.6Hz,1H)、4.38(d,J=9.6Hz,1H)、4.04(m,2H)、2.17(s,3H)、2.11(s,3H)、2.02(s,3H)、1.73(s,3H)、1.42(t,J=7.2Hz,3H)。
【0128】
6.7. (2S,3S,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(メチルチオ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテートの代替的合成
窒素雰囲気下の50L容の反応器に、40LのMeOHを投入し、続いてケトン(2.50kg、5.78mol)及びCeCl・7HO(2.16kg、1.0当量)を投入した。メタノール(7.5L)をすすぎ液(rinse)として添加した(全部で47.
5L、19倍)。新たに調製したNaBH(87.5g、0.4当量)の1N NaOH(250mL)水溶液を、15℃〜25℃でゆっくりと(35分間)添加した。混合物を次に15分間攪拌した。反応混合物のHPLC分析によって、ジアステレオマー比が約90:10であることが示された。反応混合物を10重量%NHCl水溶液(2.5L、1倍)でクエンチして、混合物を真空下で5倍に濃縮し、水(10L、4倍)及びMTBE(12.5L、5倍)で希釈した。混合物を10℃に冷却し、混合物のpHが2.0に達するまで6N HCl水溶液を添加した。攪拌を10分間続け、層を分離した。有機層をHO(5L、2倍)で洗浄した。合わせた水層をMTBE(12.5L、5倍)で抽出した。合わせた有機層を塩水(2.5L、1倍)で洗浄し、真空下で3倍に濃縮した。MeCN(15L、6倍)を添加した。混合物を10L(4倍)に再度濃縮して、固体
残渣を全て清澄濾過により除去した。ケーキを最小限量のMeCNで洗浄した。
【0129】
有機濾液を50L容の反応器に移し、予め調製した(pre-prepred)20mol%H
SO水溶液(61.8mLの98%濃HSO及び5LのHO)を添加した。混合物を80℃に2時間加熱した後、20℃に冷却した。反応混合物をKCO飽和水溶液(5L、2倍)でクエンチして、MTBE(15L、6倍)で希釈した。有機層を分離し、塩水(5L、2倍)で洗浄し、真空下で5L(2倍)に濃縮した。MeCN(12.5L、5倍)を添加して、混合物を7.5L(3倍)に濃縮した。
【0130】
上記(3S,4R,5R,6S)−6−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2,3,4,5−テトラオールのMeCN溶液を10℃に冷却し、ジメチルアミノピリジン(17.53g、2.5mol%)を添加し、続いて無水酢酸(3.23L、6.0当量)及びトリエチルアミン(5L、2倍、6.0当量)を、混合物の温度が20℃より低い温度に維持されるようにゆっくりと添加した。次に、反応混合物を20℃に温め、1時間攪拌して、MTBE(15L、6倍)で希釈した。混合物を水(7.5L、3倍)でゆっくりとクエンチした。有機層を分離して、KHCO飽和水溶液(5L、2倍)、1N NaHSO(5L、2倍)、及び塩水(5L、2倍)で順に洗浄した。
【0131】
次に、有機層を真空下で5L(2倍)に濃縮した。MeCN(12.5L、5倍)を添加し、溶液を7.5L(3倍)に濃縮した(KF=0.08%)。ジオキサン(12.5L、5倍)を添加し、溶液を7.50L(3倍)に濃縮した(KF=0.02%)。残留固体を清澄濾過により全て除去して、ケーキを最小限量のジオキサン(500mL)で洗浄した。
【0132】
上記濾液に、チオ尿素(880g、2.0当量)及びTMSOTf(1.57L、1.5当量)を添加した。反応混合物を80℃に3時間加熱した(97%超の変換)。混合物を20℃に冷却して、ヨウ化メチル(541mL、1.5当量)及びジエチルイソプロピルアミン(3.02L、3.0当量)を添加し、混合物を20℃で18時間攪拌した。追加のヨウ化メチル(90mL、0.25当量)を添加し、混合物を20℃で1時間攪拌した。混合物を次にMTBE(25L、10倍)で希釈し、水(12.5L、5倍、2回)で洗浄した。有機層を分離し、真空下で約5L(2倍)に濃縮した。MeOH(12.5L、5倍)を添加し、混合物を5倍に濃縮してスラリーを得た。混合物を次に60℃で1時間加熱し、0℃に冷却して、0℃で1時間攪拌した。混合物を濾過し、ケーキをMeOH(0℃;2.5L、1倍で2回;1.0L、0.4倍)で洗浄した。ケーキを真空下、45℃で一晩乾燥させて、所望のトリアセテート(1.49kg、4工程を通して収率47%)を淡黄色/オフホワイトの固体として得た。
【0133】
6.8. (2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(メチルチオ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオールの合成
【0134】
【化26】
【0135】
MeOH(900mL、10倍)中の(2S,3S,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(メチルチオ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(90.0g、0.164mol)のスラリーに、MeOH中NaOMe(25重量%、18mL、0.2倍)を20℃で添加して、混合物を全ての固体が消滅するまで20℃で2時間攪拌した。混合物を次に300mLに濃縮して、HO(1L)に添加し、1時間攪拌した。固体を濾過し、HO(100mL、3回)で洗浄し、ケーキを真空下、45℃で一晩乾燥させて、所望のメチルメチルチオラート(67.0g、95%)を得た。H NMR(CDCl)δ7.38(d,J=8.4Hz,1H)、7.22(m,2H)、7.11(d,J=8.8Hz,2H)、6.83(d,J=8.8Hz,2H)、4.35(d,J=9.6Hz,1H)、4.15(d,J=9.6Hz,1H)、4.10〜3.95(m,3H)、3.64(t,J=8.8Hz,1H)、3.50(m,2H)、2.73(br s,3H)、2.17(s,3H)、1.40(t,J=7.2Hz,3H)。
【0136】
6.9. 結晶性無水(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(メチルチオ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール形態1の調製
わずかに陽圧の窒素圧下で、50L容の反応器にMeOH(12L)及びトリアセテート(1.70kg、3.09mol)を投入した。メタノール(5L)をすすぎ液として添加した。次に、スラリーにMeOH中NaOMe(25重量%、340mL、0.2倍)を20℃で15分で添加し、混合物を全ての固体が消滅するまで20℃で2時間攪拌した。混合物に、5gの種晶(DSC123℃)添加を行ないながら、水(25.5L、15倍)を45分でゆっくりと添加した。固体が崩壊したら(crashed out)、混合物を2
0℃で1時間攪拌し、0℃に冷却して、30分間攪拌した。固体を濾過し、水(1.7L、1倍、2回)で洗浄し、ケーキを真空下、45℃で一晩乾燥させて、表題の化合物(DSCピークによる融点約123℃;1.28kg、収率97.7%)を得た。
【0137】
6.10. 結晶性無水(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(メチルチオ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール形態2の調製
わずかに陽圧の窒素圧下で、50L容の反応器に、MEK(2−ブタノン、4L)及び(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(メチルチオ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール形態1(1.49kg)を投入した。MEK(3.45L)をすすぎ液として添加した。混合物を80℃に加熱し、ヘプタン(14.9L、10倍)を1.5時間でゆっくりと添加した。固体が崩壊し始めたら、混合物にヘプタン(14.9L、10倍)を6時間で投入した。混合物を80℃で15時間攪拌した。混合物を20℃で3時間冷却し、20℃で1時間攪拌した。固体を濾過し、ケーキをMEK/ヘプタン(2.5:7.5(v/v)、1.49L、1倍、2回)で洗浄して、窒素下で12時間、及び真空下、50℃で24時間乾燥させて、表題の化合物を白色固体(DSCピークによる融点約134℃;1.48kg、回収率98%)として得た。
【0138】
6.11. 結晶性無水(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(メチルチオ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール形態2の代替的調製
250L容の反応器に、トリアセテート(10kg)及びメタノール(75kg)を投入した。ナトリウムメトキシド(1.6kg、30%溶液)を、5kgのメタノールすすぎ液とともに添加した。混合物を室温で少なくとも2時間、又は反応が完了するまで攪拌した。炭(Darco G−60、1kg)を5kgメタノールすすぎ液とともに添加した。この混合物を40℃で1時間加熱し、室温に冷却し、セライトを通して濾過した。ケ
ーキをメタノール(10kg)で洗浄した。水(100kg)を添加し、混合物を真空下で濃縮した。MTBE(200kg)及び水(50kg)を添加し、分相した。有機層を水(100kg)で洗浄し、真空下で濃縮した。MEK(100kg)を添加して、その溶媒を真空下で蒸留した。このMEK添加及び蒸留を繰り返して溶液を乾燥させた。十分なMEKを添加して、(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(メチルチオ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオールのMEK(50L)溶液を作製した。この溶液を清澄濾過して、ヘプタン(100L)を約80℃で添加した。形態2の種晶(0.1kg)を添加し、続いてヘプタン(100L)を80℃でゆっくりと添加した。加熱を80℃で8時間以上続けて、少なくとも3時間かけて20℃に冷却し、この温度に少なくとも2時間維持し、濾過して、MEK/ヘプタンで洗浄した。ケーキを真空下、50℃で乾燥させて、表題の化合物を白色固体(6.6kg、収率86%)として得た。
【0139】
6.12. (2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオールの合成
【0140】
【化27】
【0141】
過酸化尿素(UHP、92.34g、6.0当量)及び無水フタル酸(72.70g、3.0当量)の混合物に、MeCN(720mL)及びMeOH(180mL)を添加した。混合物を全ての固体が溶解するまで20℃で攪拌した。次に、(2S,3S,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(メチルチオ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(90.00g、0.163mol)のMeCN(540mL、6倍)溶液を添加し、混合物を20℃で7時間攪拌した。混合物をEtOAc(900mL、10倍)で希釈し、NaHCO飽和水溶液(900mL、450mL)及びHO(450mL)で洗浄した。有機層を次に真空下で濃縮して、白色固体(約95g)を得た。上記白色固体に、MeOH(900mL)、続いてMeOH中NaOMe(25重量%、18mL、0.2倍)を添加し、混合物を全ての固体が消滅するまで20℃で3時間攪拌した。混合物を300mLに濃縮して、HO(1350mL)に攪拌しながらゆっくりと添加した。攪拌を1時間続けた。固体を濾過し、ケーキをHO(90mL、2回)で洗浄し、真空下、45℃で一晩乾燥させて、所望のスルホン(71.4g、96%)を得た。H NMR(CDCl)δ7.35(d,J=8.4Hz,1H)、7.20(m,2H)、7.081(d,J=8.8Hz,2H)、6.78(d,J=8.8Hz,2H)、4.58(br s,1H)、4.51(br s,1H)、4.42(d,J=9.6Hz,1H)、4.24(d,J=9.6Hz,1H)、4.10〜3.90(m,4H)、3.74(m,1H)、3.54(m,1H)、3.36(br s,1H)、2.81(s,3H)、1.37(t,J=7.2Hz,3H)。
【0142】
上記に引用した刊行物(例えば特許及び特許出願)は全て、その全体が参照により本明細書中に援用される。
図1
図2
図3
図4