(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5764208
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】ターボジェットエンジンのための燃料噴射システムおよびそのような噴射システムを組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
F23R 3/28 20060101AFI20150723BHJP
F23R 3/60 20060101ALI20150723BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20150723BHJP
F02C 7/20 20060101ALI20150723BHJP
F01D 25/04 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
F23R3/28 A
F23R3/60
F02C7/00 F
F02C7/20 B
F01D25/04
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-521185(P2013-521185)
(86)(22)【出願日】2011年7月18日
(65)【公表番号】特表2013-535649(P2013-535649A)
(43)【公表日】2013年9月12日
(86)【国際出願番号】FR2011051703
(87)【国際公開番号】WO2012022873
(87)【国際公開日】20120223
【審査請求日】2014年6月24日
(31)【優先権主張番号】1056125
(32)【優先日】2010年7月26日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505277691
【氏名又は名称】スネクマ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビユネル,ジヤツク・マルセル・アルトウール
(72)【発明者】
【氏名】ドウ・スサ,マリオ・セザール
(72)【発明者】
【氏名】スビイ,ギローム
(72)【発明者】
【氏名】ドウムラン,ブリス・アルノー
【審査官】
瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−343092(JP,A)
【文献】
特開2008−8612(JP,A)
【文献】
特開2005−69675(JP,A)
【文献】
米国特許第4999996(US,A)
【文献】
米国特許第4542622(US,A)
【文献】
特開平3−75414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 25/00
F02C 7/20, 7/22
F23R 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボジェットエンジンのための燃料噴射システム(1)にして、基準軸(Y)に沿って延びる固定された部分(3)および摺動式横材(26)を備え、固定された部分(3)が、基部(7)および閉鎖カップ(44)によって軸方向に画定された空洞(11)を含み、摺動式横材(26)には、空洞(11)内に含まれるフランジ(36)が設けられる、噴射システムであって、フランジ(36)上に軸方向の力を及ぼすために空洞(11)内に配設されたばね手段(19)をさらに備えることを特徴とする、噴射システム(1)。
【請求項2】
ばね手段(19)が、波板(21)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の噴射システム(1)。
【請求項3】
波板(21)が円形であることを特徴とする、請求項2に記載の噴射システム(1)。
【請求項4】
ばね手段が、空洞内に軸方向に拘束されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の噴射システム(1)。
【請求項5】
ばね手段(19)とフランジ(36)の間に配設された座金(15)をさらに備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の噴射システム。
【請求項6】
ばね手段(19)が、10ニュートンから30ニュートンの範囲の力をフランジ(36)上に及ぼすことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の噴射システム(1)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の噴射システム(1)を少なくとも1つ備える燃焼室(2)であって、摺動式横材(26)が、燃料噴射装置(40)が中に挿入される心出しコーン(38)をさらに備える、燃焼室(2)。
【請求項8】
請求項7に記載の燃焼室を備える、航空機エンジン。
【請求項9】
基部(7)を有するハウジング(13)を備える固定された部分(3)と、フランジ(36)を備える摺動式横材(26)とを備える噴射システム(1)を組み立てる方法であって、
(a)フランジ(36)がハウジング(13)の基部(7)を圧迫するように摺動式横材(26)を固定された部分(3)上に配置するステップと、
(b)ばね手段(19)を配置するステップと、
(c)ばね手段(19)が軸方向に中で拘束される空洞(11)を形成するために、閉鎖カップ(44)をハウジング(13)上に固定するステップと、
を含む方法。
【請求項10】
ステップ(a)と(b)の間に、
(a’)座金(15)をフランジ(36)上に配置するステップ
をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボジェットエンジンのための噴射システムおよびそのような噴射システムを組み立てる方法に関する。本発明はまた、少なくとも1つのそのような噴射システムを備える燃焼室にも関する。
【背景技術】
【0002】
ターボジェットエンジンの燃焼室は、一般に、内壁および外壁を備え、これらの壁は、それらの上流側端部において、環状燃焼室の基部を画定するために環状基部によって接続されている。燃焼室の基部の周囲にわたって均一に分散された噴射システムは、点火されて燃焼ガスをもたらす空気および燃料の混合物を送出する。
【0003】
図1は、そのような従来技術の燃焼室の部分図を示している。燃焼室2は、タービンの全体軸に対して長手方向の回転対称を有する。これは、内側ケーシング壁4および外側ケーシング壁6を備える。内側の室壁8は、内側ケーシング壁4と共に通路10を画定し、外側の室壁12は、外側ケーシング壁6と共に通路14を画定する。
【0004】
内側の室壁8および外側の室壁12は、それらの上流側端部において室の基部16によって接続される。等角度に離間して置かれた、通常は14から22の複数の噴射システム1(
図1では1つの噴射システムのみが示されている)が、室の基部16上に設けられる。
【0005】
図2からより詳細に分かるように、各噴射システム1は、基部7、側壁5、および閉鎖カップ44によって画定された空洞11を含む固定された部分3を備える。基部7は、閉鎖カップ44と同様にリングの形状である。側壁5は、基準軸Yを中心とする円筒形状を有する。固定された部分3はまた、スワーラ要素24、ベンチュリ25、およびボウル28も備える。基部7は、スワーラ要素24から径方向に突出するショルダを形成する。スワーラ要素24は、ボウル28上に装着される。ボウル28は、偏向体20および2つの半体リング22によって室の基部16に接続される。スワーラ要素24は、ブレードまたはリブの第1の段30と、ブレードまたはリブの第2の段32とを備え、これらの段は、空気を噴射システムの基準軸Yを中心に回転させるように機能する。段30および32のブレードまたはリブは、同じ方向または反対方向に向けられ得る。固定された部分3は、基準軸Yを中心に延び、この軸を中心に回転対称を有する。
【0006】
摺動式横材26のフランジ36の上面と閉鎖カップ44の間には、比較的大きい隙間が設けられる。この隙間は、摺動式横材26に径方向の可動性を与えること、および燃焼室が噴射装置上に装着されたときに製造公差を受け入れることが意図される。
【0007】
そのような噴射システムが設けられた燃焼室が、たとえば欧州特許第1731837号明細書の文献に説明されている。
【0008】
しかしながら、そのような噴射システムが設けられたそのような燃焼室では、噴射装置の先端部がかなり摩耗し、耐用年数が短縮されるという弱点があることを本出願人は見出した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第1731837号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、噴射装置の先端部の摩耗を抑制するために使用され得る噴射システムを提案することによって、従来技術の欠点を少なくとも部分的に克服することが意図される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するために、本発明は、第1の態様では、ターボジェットエンジンのための燃料噴射システムであって、基準軸に沿って延びる固定された部分および摺動式横材を備え、固定された部分が、基部および閉鎖カップによって軸方向に画定された空洞を含み、摺動式横材には、空洞内に含まれるフランジが設けられ、噴射システムが、フランジ上に軸方向の力を及ぼすために空洞内に配設されたばね手段をさらに備える、噴射システムを提案する。
【0012】
したがって、従来技術の噴射システムと比べて、本発明の噴射システムは、組立時に空洞内でプレストレスがかけられるばね手段を備え、このばね手段は、摺動式横材のフランジを空洞の基部または閉鎖カップに押し付け、それによって作動中、空洞内の摺動式横材内の振動を防止する。実際に、空洞内の摺動式横材の進行を防止することにより、摺動式横材内に挿入された噴射装置先端部上の摩耗が抑制され、したがってシステムの耐用年数が増大される。しかしながら、ばね手段は、噴射装置および噴射システムの膨張差を受け入れるために、摺動式横材が空洞内で径方向に変位され得るようにしてプレストレスがかけられる。故に、ばね手段は、熱膨張差を受け入れるために空洞内で摺動式横材が径方向に変位するのを可能にしながら、空洞内の摺動式横材の振動を無くすことができる。
【0013】
ばね手段は、こうして、固定された部分に対して摺動式横材が振動によって微小変位することを防止することができる。
【0014】
本発明の噴射システムはまた、個々にまたは技術的に可能なあらゆる組合せで得られる、以下の特徴の1つまたは複数を有することもできる。
【0015】
好ましい実施形態では、ばね手段は、空洞内に軸方向に拘束される。ばね手段は、好ましくは、摺動式横材を軸方向に遮りながら、空洞内で径方向に変位させることを可能にする。
【0016】
好ましい実施形態では、ばね手段は波板を備える。
【0017】
有利には、波板は円形である。
【0018】
有利には、波板は、基準軸に対して回転対称を有する。
【0019】
有利には、波板は、ニッケルおよびクロムを含む合金から形成される。
【0020】
さまざまな実施形態では、
波板の外径は空洞の内径とほぼ等しく、それにより、波板は空洞の側壁に接触し、
波板は空洞の内径より小さい外径を有し、それにより、波板は、空洞の側壁から距離を離して存在する。
【0021】
有利には、摺動式横材は心出しコーンを備え、波板は、その中心に、摺動式横材の心出しコーンの外径より大きい内径を有するオリフィスを有し、それにより、このオリフィスは、組立中、波板が心出しコーン周りを通ることを可能にし得る。
【0022】
別の実施形態によれば、ばね手段は、矩形の断面を有するコイルばねによって構成される。コイルばねは、好ましくは、基準軸に対して回転対称を有する。
【0023】
有利には、空洞は、側壁によって径方向に画定される。これらの側壁は、好ましくは、基準軸を中心に回転対称を有する。
【0024】
さらには、そして好ましくは、本発明の噴射システムは、ばね手段とフランジの間に配設された座金を備える。この座金は、ばね手段が、摺動式横材の位置に関係なく、フランジを自由に圧迫することができることを意味する。さらには、この座金は、ばね手段が、可動式である摺動式横材と直接接触しないことを意味する。さらには、座金は、ばね手段が、摺動式横材と空洞の側壁との間に挟まれるようになることを防止する。
【0025】
座金の外径は、好ましくは空洞の内径にほぼ等しく、それにより、座金は、空洞の側壁と接触する。したがって、ばね手段は、空洞の壁とフランジの間に挟まれ得ない。
【0026】
有利には、ばね手段は、座金と閉鎖カップの間に軸方向に拘束される。
【0027】
有利には、ばね手段は、10ニュートンから30ニュートンの範囲にある力をフランジ上に及ぼす。実際には、ばね手段は、摺動式横材が振動することを防止するのに十分な大きさの力をフランジ上に及ぼさなければならない。その上、ばね手段によって及ぼされた力は、噴射装置の組み立てを可能にするために、また、作動時、噴射システムが、特に摺動式横材に挿入された噴射装置の熱膨張差を受け入れることを可能にするために、摺動式横材を径方向に変位させなければならない。
【0028】
別の態様では、本発明は、噴射装置の先端部の耐用年数が改善された燃焼室を提案する。
【0029】
この目的を達成するために、第2の態様では、本発明は、本発明による少なくとも1つの噴射システムを備える燃焼システムであって、摺動式横材が、燃料噴射装置が中に挿入される心出しコーンをさらに備える、燃焼室を提供する。
【0030】
本発明はまた、耐用年数が改善された航空機エンジンも提案する。
【0031】
この目的を達成するために、第3の態様では、本発明は、本発明の第2の態様による燃焼室を備える航空機エンジンに関する。
【0032】
本発明はまた、熱膨張差および機械加工公差を受け入れ、耐用年数および摩耗抵抗が改善された噴射システムを組み立てる方法も提案する。
【0033】
この目的を達成するために、本発明の第4の態様では、基部を有するハウジングを備える固定された部分と、フランジを備える摺動式横材とを備える噴射システムを組み立てる方法であって、以下のステップ、
(a)フランジがハウジングの基部を圧迫するように摺動式横材を固定された部分上に配置するステップと、
(b)ばね手段を配置するステップと、
(c)ばね手段が軸方向に中に拘束される空洞を形成するために、閉鎖カップをハウジング上に固定するステップと、
を含む方法が提案される。
【0034】
有利には、方法は、ステップ(a)と(b)の間に、以下のステップ、
(a’)座金をフランジ上に配置するステップ、
をさらに含む。
【0035】
本発明の他の特性および利点が、添付の図を参照してなされる、以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】従来技術の噴射システムを備える、ターボジェットエンジンの燃焼室の全体断面図である。
【
図2】
図1の噴射システムの拡大された全体断面図である。
【
図3】本発明による噴射システムを備えるターボジェットエンジンの燃焼室の全体断面図である。
【
図4】本発明による噴射システムの拡大された全体断面図である。
【
図6a】本発明による組み立て方法のステップの拡大された全体斜視図である。
【
図6b】本発明による組み立て方法のステップの拡大された全体斜視図である。
【
図6c】本発明による組み立て方法のステップの拡大された全体斜視図である。
【
図6d】本発明による組み立て方法のステップの拡大された全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
明確にするために、同一または類似の要素には、図のすべてにおいて同一の参照記号が設けられる。
【0038】
図3は、全体参照番号2によって示された、本発明によるターボジェットエンジンの燃焼室の部分断面図を示している。この燃焼室は、本発明による噴射システム1を備える。
【0039】
燃焼室2は、タービンの全体軸に対して長手方向の回転対称を有する。燃焼室は、内側ケーシング壁4および外側ケーシング壁6を備える。内側の室壁8は、内側ケーシング壁4と共に通路10を画定し、外側の室壁12は、外側ケーシング壁6と共に通路14を画定する。
【0040】
内側の室壁8および外側の室壁12は、それらの上流側端部において室の基部16によって接続される。等角度に離間して置かれた、通常は14から22の複数の噴射システム1(
図3では1つの噴射システムのみが示されている)が、室の基部16上に設けられる。
【0041】
図4により詳細に見られ得るように、各噴射システム1は、基部7、側壁5、および閉鎖カップ44によって画定された空洞11を含む固定された部分3を備える。基部7の中心は、円筒状のオリフィスによって穿孔され、それにより、基部は、閉鎖カップ44と同様にリングの形態である。したがって、空洞は、完全に閉じられていない。側壁5は、基準軸Yを中心に円筒形状を有する。
【0042】
固定された部分3はまた、スワーラ要素24、ベンチュリ25、およびボウル28も備える。基部7は、スワーラ要素24から径方向に突出するショルダを形成する。スワーラ要素24は、ボウル28上に装着される。ボウル28は、偏向体20および2つの半体リング22によって室の基部16に接続される。スワーラ要素24は、ブレードまたはリブの第1の段および第2の段30、32を備え、これらの段は、空気を噴射システムの基準軸Yを中心に回転させるように機能する。段30および32のブレードまたはリブは、同じ方向または反対方向に向けられ得る。固定された部分3は、基準軸Yを中心に延び、この軸を中心に回転対称を有する。
【0043】
噴射システム1はまた、フランジ36を備える摺動式横材26も備える。摺動式横材26のフランジ36は、空洞11内に位置しており、空洞11の基部7を圧迫している。
【0044】
摺動式横材26は、噴射システム1に対して燃料噴射装置40を心出しすることが意図とされた心出し部分、たとえば、心出しコーン38をさらに備える。心出し部分は、空洞から、閉鎖カップ44の中央に位置するオリフィスを抜けて突出する。
【0045】
噴射システム1はまた、フランジ36の上面17を圧迫する座金15も備える。噴射システム1は、座金15を圧迫するばね手段19をさらに備える。
【0046】
図5においてより詳細に見られ得るように、ばね手段19は、リングの形態の、円形の波板21によって形成される。ばね手段もまた、基準軸Yに対して回転対称を有する。
【0047】
波板21は、好ましくは、600℃に近い温度に耐えることができる金属合金、好ましくはたとえば以下の組成を有するニッケルクロム合金から形成される:
【表1】
【0048】
波板21は、好ましくは、閉鎖カップ44と座金19と局所的に接触可能となるように波形状とされる。
【0049】
波板は、閉鎖カップ44と座金15の間に組み付けられたときに軸方向に拘束され、それにより、座金15を介して摺動式横材26のフランジ36上に軸方向の力を及ぼす。
【0050】
座金15を介してフランジ36上にばね手段19によってかけられる力は、熱膨張の不在下では、摺動式横材は空洞内で変位できないが、熱膨張の存在下では、摺動式横材は、熱膨張差を受け入れることができるように径方向に変位できるように選択される。
【0051】
したがって、ばね手段19は、フランジ36を空洞の基部7に軸方向に押し付けた状態で保ち、これは、摺動式横材の振動が回避され、かつ摺動式横材内に挿入された噴射装置の先端部の早期摩耗が回避されることを意味する。さらには、ばね手段は、噴射システムおよび/または噴射装置の熱膨張発生時に変形することができる。
【0052】
座金15は、フランジ36へのばね手段によって及ぼされた力を分散させるために使用され得る。さらに、座金15は、ばね手段19が、空洞の側壁5と摺動式横材のフランジ26との間に挟まれるようになることを防止するために使用され得る。
【0053】
本発明の噴射システムはまた、軸Yに沿って、従来技術の噴射システムの高さより大きい高さh1を備えた空洞11を有する特徴を有することもできる。本発明によれば、空洞11は、フランジ36に加えて座金15およびばね手段19を含むことができなければならない。この目的を達成するために、基部7は、スワーラ要素24内においてより低く下げられ、一方で閉鎖カップ44は、従来技術の噴射システムの閉鎖カップと同じ位置に留まる。実際、閉鎖カップ44は、ガスが中で移動する通路10および14の空気力学は変更されてはならないため、変位させることはできない。
【0054】
次に、本発明による組み立て方法が、
図6aから
図6dを参照して詳細に説明される。
【0055】
図6aは、スワーラ要素24を備える固定された部分3を表しており、このスワーラ要素の上部には、ハウジング13の基部7を形成するショルダ23が存在する。基部7は、リングの形状であり、基準Yを有する軸に対して回転対称を有する。基部7は、基準軸Yを中心に円筒状である側壁5によって取り囲まれる。摺動式横材26は、リングの形態のフランジ36を備え、フランジの上部には、噴射装置の先端部40を受け入れるための心出しコーン38が存在する。摺動式横材もまた、基準Yを備えた軸に対して回転対称を有する。
【0056】
図6aに表された第1のステップ(a)中、摺動式横材は、フランジ36が基部7に当たるように固定された部分3上に配置される。
【0057】
図6bに表された第2のステップ(a’)中、座金15が、フランジ36の上面に配置される。座金15は、中央オリフィス27を有し、このオリフィスを貫通して摺動式横材の心出しコーン38が突出する。座金の外径は、好ましくは、空洞の内径とほぼ等しく、それにより、座金は空洞の側壁5と接触する。
【0058】
図6cに表された第3のステップ(b)中、ばね手段19が座金15上に配設される。これらのばね手段は、この場合、リングの形態の円形の金属波板21によって構成される。波板21は、空洞の内径にほぼ等しい外径を有し、それにより、波板は空洞の側壁と接触する。波板21の中心は、摺動式横材の心出しコーンの外径より大きい内径を備えたオリフィス29を有し、それにより、膨張差の発生時、波板は、心出しコーンの外壁によって拘束されることなく径方向に変形することができる。座金15および波板21は、こうして、心出しコーンに接触することなくこれを取り囲む。
【0059】
図6dに表された第4のステップ(c)中、閉鎖カップ44が側壁5に固定されて空洞11を形成し、この空洞内では、ばね手段11は、閉鎖カップ44と座金15の間に軸方向に拘束される。
【0060】
この目的を達成するために、たとえば、閉鎖カップは側壁5に溶接される。閉鎖カップ44が空洞の基部に対して固定される高さは、ばね手段が、空洞11内での摺動式横材のいかなる進行も防止するのに十分な大きさの力をフランジ上に及ぼすように算出される。しかしながら、ばね手段によってフランジにかけられるプレストレスの最大力は、膨張差を受け入れるために固定された部分に対して摺動式横材が変位するのを妨げるものであってはならない。
【0061】
当然ながら、本発明は、本明細書の上記において図を参照して説明された実施形態に限定されず、変形形態が、本発明の範囲から逸脱することなく企図され得る。例として、固定された部分の形状は、表示されたものによってのみ説明されてきたが、他の形状が企図されてもよい。同様に、燃焼室は、本発明の範囲から逸脱することなく別の形状を有することもできる。ばね手段の他の形状を使用することもまた、本発明の範囲から逸脱することなく想定され得る。