(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係る携帯端末充電システムの充電器(待避位置)の斜視図である。
図2は、充電器(待避位置)の側面図である。
図3は、実施形態に係る携帯端末充電システムの充電器(閉塞位置)の斜視図である。
図4は、充電器(閉塞位置)の側面図である。
図5は、フラップ側突起部を示す要部拡大図である。
図6は、充電器側接続端子を示す図である。
図7は、実施形態に係る携帯端末充電システムの携帯端末の斜視図である。
図8は、端末側突起部を示す要部拡大図である。
図9は、端末側接続端子を示す図である。
図10は、実施形態に係る携帯端末充電システムのブロック図である。
図11は、収容状態における接続端子の説明図である。
図12は、収容状態における抵抗創出部の説明図である。
図13は、検出端子非接触状態における接続端子の説明図である。
図14は、検出端子非接触状態における抵抗創出部の説明図である。ここで、
図5は
図3のA部分拡大図であり、
図9は
図7のB部分拡大図である。また、
図12、
図14は、幅方向視における要部断面図である。
【0013】
図10に示すように、実施形態に係る携帯端末充電システム1は、電源100と接続される充電器2と、充電器2に設けられた複数の充電器側接続端子3と、バッテリ44を有する携帯端末4と、携帯端末4に設けられた複数の端末側接続端子5とを含んで構成されている。携帯端末充電システム1は、端末側接続端子5と充電器側接続端子3とが電気的に接続すること、すなわち接続端子接続状態となることで、電源100からの電力によりバッテリ44が充電されるものである。
【0014】
充電器2は、携帯端末4を充電する際に、携帯端末4が載置されるものである。充電器2は、ACアダプタ200を介して、電源100、例えば、商用電源から電力が供給されるものである。充電器2は、
図1に示すように、充電器本体21と、フラップ22と、付勢部材23と、複数の充電器側接続端子3が設けられる充電器側コネクタ24と、スイッチ回路25とを含んで構成されている。
【0015】
充電器本体21は、基部21aと、前方壁部21bと、後方壁部21cと、底面21dと、端末収容部21eと、位置決め部21fと、幅方向規制部21gとを含んで構成されている。基部21aには、充電器側コネクタ24と、スイッチ回路25とが内部に設けられている。前方壁部21bおよび後方壁部21cは、
図2に示すように、基部21aの幅方向における両端から、鉛直方向のうち上方向に延在して形成されている。つまり、充電器本体21は、幅方向視において、上方向に開口するコ字状に形成されている。ここで、後方壁部21cは、前方壁部21bより上方向に延在、すなわち前方壁部21bよりも底面21dからの距離が長く形成されている。後方壁部21cは、
図3に示すように、前方壁部21bと対向する側に、フラップ22を収容するフラップ収容部21hが形成されている。底面21dは、
図4に示すように、前方壁部21bと後方壁部21cとの間に形成されている。底面21dは、複数の充電器側接続端子3が設けられている。本実施形態では、底面21dの幅方向における中央部に、充電器側コネクタ24の一部、すなわち複数の充電器側接続端子3が端末収容部21eに露出している。端末収容部21eは、携帯端末4の後述する一部が挿入されるものであり、前方壁部21b、後方壁部21cおよび底面21dにより形成された空間である。従って、携帯端末4の一部が端末収容部21eに挿入されると、複数の充電器側接続端子3が携帯端末4の後述する端子面41aと対向する。位置決め部21fは、端末収容部21eに一部が収容された携帯端末4と接触することで、携帯端末4を充電器2に対して収容状態とするものである。つまり、位置決め部21fは、端子面41aと底面21dとの鉛直方向の間隔を一定に維持するものである。位置決め部21fは、複数の充電器側接続端子3を挟んで底面21dから上方向に突出してそれぞれ形成されている。幅方向規制部21gは、収容状態で、充電器2に対する携帯端末4の幅方向における相対移動を規制するものである。幅方向規制部21gは、後方壁部21cの幅方向における両端部の底面21d側にそれぞれ前方壁部21b側に突出して形成されている。各幅方向規制部21gは、端末収容部21eに携帯端末4の一部が収容される際に、携帯端末4の後述する各幅方向規制穴41bにそれぞれ挿入され、収容状態での相対移動を規制することとなる。
【0016】
フラップ22は、携帯端末4の挿入方向視、本実施形態における鉛直方向のうち下方向視において、端末収容部21eを閉塞する閉塞位置と、携帯端末4を端末収容部21eに挿入できる待避位置との間で回動するものである。本実施形態におけるフラップ22は、平板状に形成されており、充電器本体21に回動自在に支持されている。フラップ22は、幅方向における両端部の底面21d側と反対側にそれぞれ回動軸22aが形成されている。各回動軸22aは、後方壁部21cの鉛直方向における上方向の端部で、かつ幅方向における両端部に形成された図示しない支持部に対して回動自在に支持されている。ここで、フラップ22は、
図4に示すように、鉛直方向における下方向の端部である先端部22bが前方壁部21bと接触できるように、回動軸22aから先端部22bまでの長さが設定されている。本実施形態における閉塞位置とは、先端部22bが前方壁部21bと接触するまで、フラップ22が前方壁部21bに向かって回動する位置をいう。また、本実施形態における待避位置とは、
図2に示すように、後方壁部21cに収容されるまで、フラップ22が後方壁部21cに向かって回動する位置をいう。
【0017】
また、フラップ22は、
図3に示すように、実施形態における抵抗創出部6の一部を構成するフラップ側突起部22cが形成されている。フラップ側突起部22cは、フラップ22の収容状態における携帯端末4と対向する対向面22dに形成されている。フラップ側突起部22cは、対向面22dの幅方向における両端部の先端部22b側にそれぞれ形成されている。本実施形態におけるフラップ側突起部22cは、
図5に示すように、半円板状で、対向面22dに形成されている突起部のうち、最も先端部22b側に形成されている。
【0018】
付勢部材23は、
図4に示すように、フラップ22を閉塞位置に向けて付勢するものである。本実施形態における付勢部材23は、
図1に示すように、フラップ22の各回動軸22aに対応してそれぞれ設けられ、フラップ22が前方壁部21bに向かって回動する方向の回転力を各回動軸22aに付与する、例えばコイルスプリングである。
【0019】
充電器側コネクタ24は、複数の充電器側接続端子3を充電器2に対して固定するものである。充電器側コネクタ24には、
図6に示すように、複数の充電器側接続端子3が底面21dから上方向に向けて突出して設けられている。
【0020】
スイッチ回路25は、
図10に示すように、電源100と充電器側電源端子3Pとの通電、非通電を切り替えるものである。スイッチ回路25は、例えば、FET(電界効果トランジスタ)を含み、ソース端子25Sと、ゲート端子25Gと、ドレイン端子25Dとを有している。ソース端子25Sは、ACアダプタ200を介して電源100と電気的に接続されている。ゲート端子25Gは、充電器側検出端子3Dと電気的に接続されている。ドレイン端子25Dは、充電器側電源端子3Pと電気的に接続されている。スイッチ回路25は、端末側検出端子5Dと充電器側検出端子3Dとが電気的に接続され(検出端子接続状態)、かつ携帯端末4の電源回路42からの検出電圧がゲート端子25Gに印加されるとソース端子25Sとドレイン端子25Dとが電気的に接続される(通電状態)。つまり、スイッチ回路25は、検出端子接続状態に基づいて充電器2が携帯端末4と接続されていることを電源回路42からの検出電圧に基づいて判断する。そして、端末側電源端子5Pと充電器側電源端子3Pとが電気的に接続されている(電源端子接続状態)と、端末側電源端子5Pおよび充電器側電源端子3Pを介して電源100からバッテリ44に電力を供給する。一方、スイッチ回路25は、端末側検出端子5Dと充電器側検出端子3Dとが電気的に接続されていない(検出端子非接続状態)、あるいは検出端子接続状態であっても、検出電圧がゲート端子25Gに印加されていないと、ソース端子25Sとドレイン端子25Dとが電気的に接続されない(非通電状態)。
【0021】
複数の充電器側接続端子3は、携帯端末4が収容状態で、複数の端末側接続端子5とそれぞれ電気的に接続されるものである。複数の充電器側接続端子3は、複数の端末側接続端子5の接続状態を維持しつつ、充電器2に対する携帯端末4の離接に追従して進退自在に形成されている。本実施形態における複数の充電器側接続端子3は、
図6に示すように、スプリング端子であり、本体部31と、端子部32と、図示しない端子部付勢部材とを有している。本体部31は、充電器側コネクタ24に固定されている。端子部32は、充電器2に対して携帯端末4が離接する方向、本実施形態における鉛直方向に移動自在に本体部31に支持されている。端子部付勢部材は、本体部31と端子部32との間に介在することで、端子部32に外力が作用していない状態(無負荷状態)で、端子部32が本体部31から最も突出するように、端子部32を本体部31に対して上方向に付勢する、例えばコイルスプリングである。
【0022】
本実施形態における複数の充電器側接続端子3は、充電器側検出端子3Dと、充電器側電源端子3Pと、充電器側GND端子3Gと、充電器側認識信号端子3Rとを含んでいる。充電器側検出端子3Dは、収容状態で端末側検出端子5Dと電気的に接続される。充電器側電源端子3Pは、収容状態で端末側電源端子5Pと電気的に接続される。充電器側GND端子3Gは、0Vが印加されており、収容状態で端末側GND端子5Gと電気的に接続される。充電器側認識信号端子3Rは、収容状態で端末側認識信号端子5Rと電気的に接続される。複数の充電器側接続端子3は、無負荷状態で、本体部31から露出する端子部32の鉛直方向における長さが異なる。つまり、複数の充電器側接続端子3は、無負荷状態で、底面21dから先端までの上方向の長さが異なる。
【0023】
充電器側検出端子3D、充電器側電源端子3P、充電器側GND端子3G、充電器側認識信号端子3Rの無負荷状態でのそれぞれの長さHd,Hp,Hg、Hrは、Hg>Hp=Hr>Hdとなる。つまり、無負荷状態では、充電器側検出端子3Dが最も短く、充電器側GND端子3Gが長く、充電器側電源端子3Pおよび充電器側認識信号端子3Rが充電器側検出端子3Dと充電器側GND端子3Gとの間の長さである。従って、充電器2に対して携帯端末4が収容状態となる場合は、まず充電器側GND端子3Gが端末側GND端子5Gと接続状態となり、次に充電器側電源端子3Pが端末側電源端子5Pと、充電器側認識信号端子3Rが端末側認識信号端子5Rと接続状態となり、最後に充電器側検出端子3Dが端末側検出端子5Dと接続状態となる。一方、収容状態から充電器2に対して携帯端末4を取り外す場合は、まず充電器側検出端子3Dが端末側検出端子5Dと非接続状態となり、次に充電器側電源端子3Pが端末側電源端子5Pと、充電器側認識信号端子3Rが端末側認識信号端子5Rと非接続状態となり、最後に充電器側GND端子3Gが端末側GND端子5Gと非接続状態となる。なお、本実施形態における複数の充電器側接続端子3は、
図1に示すように、前後方向に2列、幅方向に8列で配置されているが、上記各端子を含んでいれば数や配列に制限はない。
【0024】
携帯端末4は、オペレータが持ち運び、種々の操作をすることで、種々の業務を行うために用いるものである。携帯端末4は、
図10に示すように、筐体41と、電源回路42と、充電回路43と、バッテリ44と、端末制御部45と、記憶部46と、表示部47と、操作部48と、複数の端末側接続端子5が設けられる端末側コネクタ49とを含んで構成されている。また、図示は省略するが、少なくとも無線あるいは有線のいずれかで、外部の装置と情報のやりとりを行う通信部をさらに含んでいる。
【0025】
筐体41は、
図7に示すように、平板状に形成されている。少なくとも筐体41は、表示部47、操作部48および端末側コネクタ49が外部に露出して設けられている(
図8および
図11参照)。筐体41は、端子面41aと、幅方向規制穴41bとを含んで構成されている。端子面41aは、
図8に示すように、筐体41の外周面の1つであり、底面21dと対向する面である。端子面41aは、複数の端末側接続端子5が設けられている。本実施形態では、端子面41aの幅方向における中央部に、端末側コネクタ49の一部、すなわち複数の端末側接続端子5が外部に露出している。幅方向規制穴41bは、各幅方向規制部21gにそれぞれ対応して形成されるものであり、収容状態で、幅方向規制部21gがそれぞれ挿入されるものである。幅方向規制穴41bは、筐体41の裏面41cの幅方向における両端部の端子面41a側にそれぞれ裏面41cおよび端子面41aに開口するように筐体41を切り欠いて形成されている。
【0026】
また、筐体41は、
図7に示すように、実施形態における抵抗創出部6の一部を構成する端末側突起部41dが形成されている。端末側突起部41dは、フラップ22の対向面22dと対向する面、すなわち裏面41cに形成されている。端末側突起部41dは、裏面41cの幅方向における両端部の端子面41a側にそれぞれ形成されている。本実施形態における各端末側突起部41dは、
図9に示すように、三角柱状で、幅方向において幅方向規制穴41bよりも中央部側に形成されている。ここで、一対のフラップ側突起部22cおよび端末側突起部41dは、携帯端末4の収容状態での鉛直方向視において、少なくとも一部、本実施形態では全部が重なるように、フラップ22および筐体41に形成されている。また、一対のフラップ側突起部22cおよび端末側突起部41dは、
図12に示すように、幅方向視において、携帯端末4の収容状態から検出端子非接続状態までの間で接触していないように形成されている。つまり、抵抗創出部6は、携帯端末4の収容状態、すなわち
図11に示すように、すべての接続端子が接続状態となってから検出端子非接続状態となるまでの間において、携帯端末4を充電器2に対して挿入方向(下方向)と反対方向(上方向)に相対移動させても、抵抗を創出しない。また、一対のフラップ側突起部22cおよび端末側突起部41dは、検出端子非接続状態となってから電源端子非接続状態となるまでの間において、
図14に示すように、携帯端末4の収容状態での幅方向視において接触するように形成されている。つまり、抵抗創出部6は、携帯端末4を充電器2に対して挿入方向(下方向)と反対方向(上方向)に相対移動させて携帯端末4を充電器2から引き抜く際に、収容状態から電源端子非接続状態となるまでの間に抵抗を創出する。
【0027】
電源回路42は、
図10に示すように充電器2と接続されていることが検出される間は、充電器側電源端子3Pおよび端末側電源端子5Pを介して充電器2から電力の供給を受け付けるものである。電源回路42は、端末側認識信号端子5Rと、端末側検出端子5Dと、端末側電源端子5Pと、端末側GND端子5Gと、充電回路43とそれぞれ電気的に接続されている。電源回路42は、端末側認識信号端子5Rと充電器側認識信号端子3Rとが電気的に接続され(識別信号端子接続状態)、充電器2から識別電圧が印加され、識別電圧が充電器2固有の所定電圧であるか否かを判断し、識別電圧が所定電圧であると判断すると、ONとなる。電源回路42は、ONとなると、検出電圧を端末側検出端子5Dに印加する。つまり、電源回路42は、携帯端末4が載置されたものが充電器2であると判断すると、スイッチ回路25を通電状態とさせ、電源端子接続状態および端末側GND端子5Gと充電器側GND端子3Gとが電気的に接続されている(GND端子接続状態)と、充電回路43を介して充電器2からの電力をバッテリ44に供給する。また、電源回路42は、検出端子接続状態から検出端子非接続状態となるとOFFとなる。電源回路42は、OFFとなると、端末側認識信号端子5Rおよび端末側電源端子5Pからの電流を遮断することで、端末側認識信号端子5Rおよび端末側電源端子5Pとの電気的な接続を遮断する。ここで、電源回路42は、検出端子非接続状態となってから所定時間X(例えば、1.5msec)経過後にOFFとなる。
【0028】
充電回路43は、バッテリ44と電気的に接続されており、電源回路42から供給される充電器2からの電力によりバッテリ44の充電制御を行うものである。充電回路43は、バッテリ44の充電状態を監視しており、充電状態に応じて、充電の要否を判断してバッテリ44の充電を行う。
【0029】
バッテリ44は、充放電が可能な二次電池であり、オペレータが携帯端末4を充電器2から取り外し、持ち運びながら操作する場合において携帯端末4の電源となるものである。バッテリ44には、例えば、鉛蓄電池、ニッケル・カドニウム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池などがある。なお、バッテリ44は、容易に交換可能に筐体41に設けられていてもよい。
【0030】
端末制御部45は、携帯端末4に搭載されている各機器と電気的に接続され、各機器を制御するものである。端末制御部45は、ハード構成は、主に演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)、メモリ(RAM、ROM)などから構成されている。
【0031】
記憶部46は、プログラムや情報を永続的に記憶する装置である。記憶部46には、ハードディスクドライブに代表される磁気ディスクなどの内部記憶装置や、USBメモリに代表されるフラッシュメモリなどの外部記憶装置が含まれる。
【0032】
表示部47は、端末制御部45の表示制御に基づいて、オペレータに必要な情報を表示する。表示部47は、
図11に示すように、筐体41の前面41eに表示面が露出して配置されており、バッテリ44からの電力により駆動する液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのディスプレイである。本実施形態における表示部47は、携帯端末4における表示を行う機能以外に、入力部としての機能も有するタッチパネルディスプレイであり、ユーザーが任意の位置を押圧することで、位置に対する電気信号が端末制御部45に出力される。
【0033】
操作部48は、オペレータが操作することで、操作に基づいた電気信号を端末制御部45に入力するものである。操作部48は、筐体41の前面41eに操作面が露出して配置されており、例えば押下することで電気信号を出力するボタンや、回転することで、電圧を変化させた電気信号を出力するボリュームなどで構成されている。
【0034】
端末側コネクタ49は、複数の端末側接続端子5を携帯端末4に対して固定するものである。端末側コネクタ49には、
図8に示すように、複数の端末側接続端子5が端子面41aに露出して設けられている。
【0035】
複数の端末側接続端子5は、携帯端末4が収容状態で、
図11に示すように、複数の充電器側接続端子3とそれぞれ電気的に接続されるものである。本実施形態における複数の端末側接続端子5は、端末側検出端子5Dと、端末側電源端子5Pと、端末側GND端子5Gと、端末側認識信号端子5Rとを含んでいる。複数の端末側接続端子5は、
図8に示すように、平面状に形成されている。
【0036】
次に、本実施形態に係る携帯端末充電システム1による携帯端末4の充電について説明する。まず、充電器2に対して携帯端末4を載置することで、バッテリ44を充電するまでについて説明する。まず、オペレータは、携帯端末4の一部を端末収容部21eに挿入して収容状態とする。この際、収容状態となる前に、まずGND端子接続状態となり、次に、
図13に示すように、電源端子接続状態および認識信号端子接続状態となる。ここでは、電源回路42がONとなり、スイッチ回路25と電源回路42とが電気的に接続され、電源回路42に電源100から電力が供給できる状態となる。また、認識信号端子接続状態となることで、電源回路42から端末側検出端子5Dに検出電圧が印加される。そして、
図11に示すように、収容状態となると、検出端子接続状態となり、検出電圧がスイッチ回路25に印加され、スイッチ回路25が通電状態となり、電源回路42および充電回路43を介して、バッテリ44に電源100から電力が供給され、バッテリ44が充電される。
【0037】
次に、充電器2に対して携帯端末4を取り外すことで、バッテリ44の充電を終了するまでについて説明する。携帯端末4が収容状態では、充電器2からバッテリ44に電源100からの電力を供給できる状態であり、
図12に示すように、一対のフラップ側突起部22cおよび端末側突起部41dが接触していない状態である。次に、オペレータが充電器2に対して携帯端末4を取り外す、すなわち充電器2に対して携帯端末4を引き抜くために、上方向に引き上げると、充電器2に対して携帯端末4が鉛直方向に離間するのに伴い、複数の充電器側接続端子3がそれぞれ複数の端末側接続端子5との接続状態を維持しつつ伸びる。このとき、一対のフラップ側突起部22cおよび端末側突起部41dは、接触していない状態を維持しているので、オペレータが充電器2に対して携帯端末4を上方向に引き上げるのに必要な力は一定である。次に、オペレータが充電器2に対して携帯端末4をさらに引き上げ続けると、
図13に示すように、検出端末非接触状態となる。ここで、検出端子非接続状態となることで、所定時間X経過後、電源回路42がOFFとなる。このとき、一対のフラップ側突起部22cおよび端末側突起部41dは、
図14に示すように、接触を開始する。一対のフラップ側突起部22cおよび端末側突起部41dが接触した状態で、オペレータが充電器2に対して携帯端末4を上方向に引き上げると、端末側突起部41dがフラップ側突起部22cを乗り越えることになる。端末側突起部41dがフラップ側突起部22cを乗り越えるためには、フラップ22を閉塞位置に向けて付勢する付勢部材23に対抗して、フラップ22を待避位置に向けて回動させることとなり、これが抵抗力として作用し、オペレータが充電器2に対して携帯端末4をさらに上方向に引き上げるのに必要な力が大きくなる。そのため、オペレータが充電器2に対して携帯端末4を上方向に引き上げる力が一定である場合は、充電器2に対して携帯端末4が鉛直方向に離間する速度が遅くなる。次に、オペレータが充電器2に対して携帯端末4をさらに引き上げ続けると、電源端子非接続状態および認識信号端子非接続状態となる。ここで、電源端子非接続状態および認識信号端子非接続状態となることで、電源回路42がOFFとなり、スイッチ回路25と電源回路42とが電気的に接続されなくなり、電源回路42に電源100から電力が供給されない状態となる。このとき、一対のフラップ側突起部22cおよび端末側突起部41dは、端末側突起部41dがフラップ側突起部22cを乗り越え、接触が終了する。一対のフラップ側突起部22cおよび端末側突起部41dが非接触となることで、抵抗力が作用しなくなり、大きくなっていたオペレータが充電器2に対して携帯端末4をさらに上方向に引き上げるのに必要な力が小さくなる。次に、オペレータが充電器2に対して携帯端末4をさらに引き上げ続けると、GND端子非接触状態となり、端末収容部21eから携帯端末4が取り外され、充電器2に対して携帯端末4が引き抜かれる。なお、抵抗力は、充電器2に対して携帯端末4を上方向に引き上げた際に、充電器2が携帯端末4に追従して、充電器2の載置場所から浮く程度に設定されている。
【0038】
本実施形態に係る携帯端末充電システム1は、携帯端末4を充電器2に対して挿入方向と反対方向に相対移動させる間に、抵抗創出部6が抵抗を創出し、抵抗力によりオペレータが充電器2に対して携帯端末4をさらに上方向に引き上げるのに必要な力を大きくすることができる。
図15は、抵抗創出部を有さない場合における電源回路のON/OFFと、接続端子OFFタイミングとの関係図である。
図16は、抵抗創出部を有する場合における電源回路のON/OFFと、接続端子OFFタイミングとの関係図である。
図15に示すように、抵抗創出部6を有さない場合は、検出端子非接続状態(検出端子OFF)となってから電源端子非接続状態(電源端子OFF)となるまでにおいて、オペレータが充電器2に対して携帯端末4を上方向に引き上げるのに対して抵抗が創出されていない。従って、例えば、オペレータが素早く引き抜いたり、斜めに引き抜いたりなど、予定されている通常の引き抜き方とは異なる引き抜き方をすることで、検出端子非接続状態から電源回路42がOFFとなる所定時間Xまでに、電源端子非接続状態(電源端子OFF)となる可能性がある(同図に示すY)。電源回路42がOFFとなる前に電源端子非接続状態となると、充電器側電源端子3Pと端末側電源端子5Pとの間で電流が流れている状態で、充電器側電源端子3Pが端末側電源端子5Pから離間することになり、スパークが発生する可能性がある。これにより、充電器2に対する携帯端末4の抜き差し、いわゆる挿抜が繰り返し行われることで、充電器側電源端子3Pおよび端末側電源端子5Pに施されたメッキなどが剥がれ、すなわち充電器側電源端子3Pおよび端末側電源端子5Pを損傷させ、バッテリ44の充電不良となる可能性がある。一方、
図16に示すように、抵抗創出部6を有する場合は、検出端子非接続状態(検出端子OFF)となってから電源端子非接続状態(電源端子OFF)となるまでにおいて、オペレータが充電器2に対して携帯端末4を上方向に引き上げるのに対して抵抗が創出される。従って、予定されている通常の引き抜き方とは異なる引き抜き方をしても、抵抗が創出されていない場合と比較して、検出端子非接続状態となってから、電源端子非接続状態となるまでの時間を長くすることができるので、検出端子非接続状態から電源回路42がOFFとなる所定時間Xまでに、電源端子非接続状態(電源端子OFF)となることを抑制できる(同図に示すZ)。
【0039】
以上により、本実施形態に係る携帯端末充電システム1は、外力が作用していない場合に、フラップ22が端末収容部21eを閉塞する閉塞位置となるので、複数の充電器側接続端子3に異物が付着することを抑制することができる。また、本実施形態に係る携帯端末充電システム1は、抵抗創出部6により、検出端子非接続状態から電源回路42がOFFとなるまで、すなわちバッテリ44に電源100からの電力が供給できる状態で、電源端子非接続状態となることを抑制できる。これらにより、接続端子間のスパークの発生を抑制することができる。
【0040】
なお、上記実施形態におけるフラップ側突起部22cおよび端末側突起部41dは、フラップ22および筐体41に対してそれぞれ一体に形成されていても、フラップ22および筐体41に対して別部材として形成されていてもよい。別部材として形成されている場合は、フラップ側突起部22cおよび端末側突起部41dが設けられていない既存の充電器2および携帯端末4に、接着剤や両面粘着シートなどでフラップ側突起部22cおよび端末側突起部41dをフラップ22および筐体41にそれぞれ固定することで、抵抗創出部6を形成することができる。
【0041】
また、上記実施形態では、抵抗創出部6をフラップ側突起部22cおよび端末側突起部41dとしたが、これに限定されるものではない。
図17は、抵抗創出部の変形例を示す図である。
図18は、抵抗創出部の変形例を示す図である。
図17に示すように、抵抗創出部6は、フラップ22の対向面22dに形成された接触突起部22eと携帯端末4の筐体41に形成された窪み部41fであってもよい。この場合は、検出端子非接触状態となってから電源端子非接触状態となるまでの間に、接触突起部22eがフラップ22に作用する付勢部材23の付勢力により、窪み部41fに入り込み抵抗を創出することとなる。また、
図18に示すように、抵抗創出部6は、携帯端末4の筐体41に形成された接触突起部41gとフラップ22の対向面22dに形成された窪み部22fであってもよい。この場合は、検出端子非接触状態となってから電源端子非接触状態となるまでの間に、接触突起部41gがフラップ22に作用する付勢部材23の付勢力により、窪み部22fに入り込み抵抗を創出することとなる。
【解決手段】携帯端末充電システムは、電源と接続される充電器と、充電器に設けられた複数の充電器側接続端子と、バッテリを有する携帯端末と、携帯端末に設けられた複数の端末側接続端子とを備える。携帯端末を充電器に対して挿入方向と反対方向に相対移動させることで、端末側検出端子および充電器側検出端子が検出端子非接続状態となってから、端末側電源端子および充電器側電源端子が電源端子非接続状態となるまでの間に、相対移動に対して抵抗を創出する抵抗創出部(フラップ側突起部22c、端末側突起部41d)を備える。