特許第5764261号(P5764261)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5764261
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】延長された寿命を備えた不織研磨品
(51)【国際特許分類】
   B24D 11/00 20060101AFI20150730BHJP
   B24D 3/00 20060101ALI20150730BHJP
   B24D 3/02 20060101ALI20150730BHJP
【FI】
   B24D11/00 D
   B24D3/00 340
   B24D3/00 330C
   B24D3/02 Z
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-516099(P2014-516099)
(86)(22)【出願日】2012年6月28日
(65)【公表番号】特表2014-516817(P2014-516817A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】US2012044743
(87)【国際公開番号】WO2013003650
(87)【国際公開日】20130103
【審査請求日】2013年12月11日
(31)【優先権主張番号】61/503,539
(32)【優先日】2011年6月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391010770
【氏名又は名称】サンーゴバン アブレイシブズ,インコーポレイティド
(73)【特許権者】
【識別番号】507169495
【氏名又は名称】サン−ゴバン アブラジフ
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100089347
【弁理士】
【氏名又は名称】木川 幸治
(74)【代理人】
【識別番号】100154379
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】シグイ・スー
(72)【発明者】
【氏名】アレハンドロ・ゴメス
(72)【発明者】
【氏名】ゴドフレド・ヴェラ
【審査官】 大山 健
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04355489(US,A)
【文献】 特表2000−502960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24D 3/00−3/34
B24D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステープルファイバーの不織ウェブのいかなる追加層もない単層を形成するステープルファイバーの不織ウェブであるステープルファイバーのブレンドを含む不織ウェブと、
不織ウェブに結合された研磨粒子と、
を含み、
前記ブレンドにおいて、第1の方式が第1の平均化された線密度を有するステープルファイバーの第1の部分であり、第2の方式が第2の平均化された線密度を有するステープルファイバーの第2の部分であり、第1の方式と第2の方式の間の最大限の差が少なくとも50デニールである、
研磨品。
【請求項2】
前記ブレンドが、少なくとも約80デニールであり、約300デニールを超えない線密度を有するステープルファイバーの第1の部分を含む、請求項に記載の研磨品。
【請求項3】
前記ブレンドが、少なくとも約320デニールであり、約1000デニールを超えない線密度を有するステープルファイバーの第2の部分を含む、請求項に記載の研磨品。
【請求項4】
前記研磨粒子がシリル化される、請求項1に記載の研磨品。
【請求項5】
前記研磨粒子が接着剤によって不織ウェブに結合される、請求項1に記載の研磨品。
【請求項6】
前記単層材料が少なくとも約10%の圧縮比で圧縮される、請求項1に記載の研磨品。
【請求項7】
G比を研磨対象の摩耗の量に対する除去された材料の量の比としたとき、少なくとも約10のG比を有する、請求項1に記載の研磨品。
【請求項8】
ステープルファイバーが、
平均化された第1の線密度を有する繊維の第1の部分および第1の線密度とは異なる平均化された第2の線密度を有する繊維の第2の部分のブレンドを含み、第1の線密度と第2の線密度の間の最大限の差が少なくとも50デニールである、ステープルファイバーの不織ウェブと、
磨粒子と、
前記不織ウェブと研磨粒子を結合する結合剤と、
を含む、
圧縮された研磨品。
【請求項9】
ステープルファイバーの少なくとも、平均化された線密度を有する第1の部分と平均化された線密度を有する第2の部分であり第1の部分と第2の部分の間の最大限の差が少なくとも50デニールである、2つの部分をブレンドすることと、
繊維ウェブを形成することと、
繊維ウェブを研磨粒子と混合して研磨ウェブを産出することと、
飽和配合により研磨ウェブを飽和させることと、
飽和した研磨ウェブを圧縮することと、
圧縮の間に飽和している研磨ウェブを硬化させて研磨品を形成することと、
を含む、
研磨品を製作する方法。
【請求項10】
ステープルファイバーの少なくとも2つの部分に対して、ニードルパンチング、カーディング、水流交絡またはその組み合わせを施して、それを施す前より、ステープルファイバーの少なくとも2つの部分を高密度化することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記繊維ウェブの形成がステープルファイバーのブレンドされた部分に結合剤を適用することを含み、
前記結合剤を適用することが、
ステープルファイバーのブレンドされた部分上に結合剤を噴霧すること、
ブレンドされた部分を結合剤配合に浸漬すること、
ブレンドされた部分を結合剤配合に浸漬し浸漬後にブレンドされた部分を圧搾すること、
ステープルファイバーのブレンドされた部分上で結合剤にブラシをかけること、
ステープルファイバーのブレンドされた部分上に結合剤を巻くこと、
またはその任意の組み合わせ、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記研磨粒子を混合前にカップリング剤により処理することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して研磨剤を含む不織単層研磨材に関する。
【背景技術】
【0002】
研磨品(研磨布紙および結合研磨材等)は、粗研磨、研削または艶出し等によって、機械加工ピースに対して様々な産業において使用される。研磨品を利用する機械加工は、光学産業、自動車塗料修理業から金属製造産業まで、幅広い産業上の範囲にわたる。これらの各々の例において、製造設備は研磨材を使用してバルク材を除去するかまたは製品の表面特徴に影響を与える。
【0003】
表面特徴は、光沢、テクスチャーおよび均一性を含む。例えば、金属部品の製造者は、表面の洗浄、バリ取り、ブレンドおよび艶出しのために、研磨品を使用する。研磨品はコーティング除去のためにも使用される。例えば、これらの適用のために使用される研磨製品には、耐用年数に関して限界がある。それゆえ、改善された研磨製品が所望されるだろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
特定の実施形態において、研磨品は単層材料を含む。単層材料はステープルファイバーの不織ウェブを含む。不織ウェブは不織ウェブに結合された研磨粒子を含有する。
【0005】
一実施形態において、圧縮された研磨品は不織ウェブの単層を含む。不織ウェブはステープルファイバーを含む。ステープルファイバーは、第1の線密度を有する繊維の第1の部分および第2の線密度を有する繊維の第2の部分のブレンドを含むことができる。不織ウェブは結合剤および研磨粒子をさらに含む。圧縮された研磨品は少なくとも約10%の圧縮比をさらに有する。
【0006】
別の実施形態において、研磨品を製作する方法はステープルファイバーの少なくとも2つの部分をブレンドすることおよび繊維ウェブを形成することを含む。方法は繊維ウェブを粒と混合して研磨ウェブを産出することをさらに含む。さらに、方法は飽和配合により研磨ウェブを飽和させて飽和した研磨ウェブを圧縮することを含み、そこで方法は圧縮の間に飽和し研磨ウェブを硬化させて研磨品を形成することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付図面の参照によって、本開示はより良好に理解することができ、その多数の特色および利点は当業者に明らかになる。
図1】例示的な研磨品のイラストを含む図である。
図2】例示的な研磨品の横断面図を含む図である。
図3】研磨品の横断面の詳細な概観図を含む図である。
図4】研磨品を製作するプロセススキームのイラストを含む図である。
図5】研磨品の製作のためのいくつかの方法工程のイラストを含む図である。
図6】研磨品の試験性能からの結果のイラストを含む図である。
図7】研磨品の試験性能からの結果のイラストを含む図である。
図8】研磨品の試験性能からの結果のイラストを含む図である。 異なる図面中の同じ参照記号の使用は、類似または同一の事項を指示する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
特定の実施形態において、研磨品は単層材料を含むことができる。単層材料はステープルファイバーの不織ウェブを含むことができる。不織ウェブは不織ウェブに結合された研磨粒子を含有することができる。
【0009】
図1は研磨品10を示す。研磨材はディスクの形態である。ディスク10は、結合剤または接着剤(図1中で示されない)によって不織ウェブに接着される単層の不織ウェブおよび研磨粒子(図1中で示されない)を含む。
【0010】
図2は研磨品10の横断面図である。単層の不織ウェブはステープルファイバー12および14の不織ウェブである。ステープルファイバーは天然繊維またはポリマー繊維であり得る。一実施形態において、天然繊維は、ケナフ繊維、麻繊維、ジュート繊維、亜麻繊維、サイザル繊維またはその任意の組み合わせから選択することができる。別の実施形態において、ポリマー繊維は、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはその組み合わせから選択することができる。図2中で、ステープルファイバーはステープルファイバーのブレンドも含む。一実施形態において、ブレンドは異なる起源のステープルファイバー(天然繊維およびポリマー繊維のブレンド等)を含む。別の実施形態において、ブレンドは異なる天然繊維のブレンド(ケナフ繊維および亜麻繊維のブレンド等)を含むことができる。なお他の実施形態において、ブレンドは異なるポリマー繊維のブレンド(ポリアミド繊維およびポリエステル繊維のブレンド等)を含むことができる。さらに他の実施形態において、ブレンドは異なるポリアミド繊維のブレンドを含むことができる。例えば、ポリアミド繊維はナイロン繊維またはアラミド繊維から選択することができる。ナイロン繊維はナイロン−6またはナイロン−6,6であり得る。異なるポリアミド繊維のブレンドはナイロン−6およびナイロン−6,6繊維のブレンドを含むことができる。ブレンドは2つ以上のタイプの異なるタイプの繊維を含むことができる。例えば、ブレンドは2つ以上の天然繊維および1つまたは複数のポリマー繊維を含むことができる。別の実施形態において、ブレンドは3つ以上ポリマー繊維を含むことができる。
【0011】
各々のタイプのステープルファイバーは、約1重量%〜約99重量%(約5重量%、約10重量%、約20重量%、約30重量%、約40重量%、約50重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%、約90重量%またはさらに約95重量%等)の任意の部分において存在することができる。2つのタイプのステープルファイバーのブレンドは、約1:99〜約50:50(約5:95、約10:90、約20:80、約30:70または約40:60等)にわたる任意の比率を有することができる。比率は繊維のタイプの重量または体積に基づくことができる。
【0012】
さらに他の実施形態において、ブレンドは異なる物理的特性の繊維も含む。一実施形態において、ブレンドは異なる線密度のステープルファイバーを含むことができる。一実施形態において、ブレンドは異なる組成物の繊維(すなわち天然繊維およびポリマー繊維)を含むことができ、それらは同じまたは異なる線密度を有することができる。線密度はデニールで測定される。デニールは単一のフィラメントの9,000メートルの長さあたりのグラムにおける質量である。例えば、200デニールを有するナイロン繊維は、9,000メートルのこの繊維が200グラムの重さであることを意味する。一実施形態において、1つのタイプの繊維は約50デニール〜約1200デニールにわたる線密度を有することができる。別の実施形態において、ステープルファイバーのブレンドは、少なくとも約50デニール(少なくとも約60デニール、少なくとも約80デニール、少なくとも約100デニール、少なくとも約200デニール、少なくとも約250デニール、少なくとも約300デニール、少なくとも約320デニール、少なくとも約350デニールまたは少なくとも約400デニール等)の間の線密度を有するステープルファイバーの1つの部分を含む。別の実施形態において、ステープルファイバーのブレンドは、約250デニールを超えない(約280デニールを超えない、約300デニールを超えない、約400デニールを超えない、約500デニールを超えない、約600デニールを超えない、約800デニールを超えない、約900デニールを超えない、約1000デニールを超えない、または約1200デニールを超えない等)線密度を有するステープルファイバーの1つの部分を含む。
【0013】
別の実施形態において、ブレンドはステープルファイバーの二峰性のブレンドを含む。ステープルファイバーの1つの部分は平均化された線密度の第1の方式を有する。ステープルファイバーの第2の部分は平均化された線密度の第2の方式を有する。第1の方式および第2の方式の最大限の差は、少なくとも約50デニール、少なくとも約75デニール、少なくとも約100デニール、少なくとも約125デニール、少なくとも約150デニール、少なくとも約175デニール、少なくとも約200デニール、少なくとも約225デニール、少なくとも約250デニール、少なくとも約275デニール、少なくとも約300デニール、少なくとも約325デニール、少なくとも約350デニール、少なくとも約375デニール、少なくとも約400デニール、少なくとも約425デニール、少なくとも約450デニール、少なくとも約475デニール、または少なくとも約500デニールであり得る。
【0014】
さらに図2を参照して、ステープルファイバー12はステープルファイバー14とは異なる線密度を有する。一実施形態において、繊維12は、約50デニール〜約400デニール(約60デニール〜約350デニール、または約80デニール〜約300デニール等)にわたる線密度を有することができる。別の実施形態において、繊維14は、約250デニール〜約1200デニール(約300デニール〜約1100デニール、または約320デニール〜約1000デニール等)にわたる線密度を有することができる。
【0015】
一実施形態において、不織ウェブを高密度化することができる。高密度化はニードルパンチング、カーディング、水流交絡またはその組み合わせによって達成することができる。
【0016】
図2は研磨粒子16も図示する。研磨粒子は、アルミナ、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、ダイヤモンド、凝集粒およびその任意の組み合わせから選択することができる。「凝集粒」という用語は研磨粒および結合材料を含む三次元の顆粒を指し、顆粒は少なくとも35体積%孔隙率を有する。繊維状粒が顆粒中の粒のすべてまたは一部を作製すると記載されなければ、凝集した研磨粒顆粒は、約1.0のアスペクト比を有するずんぐりしているかまたは球状の研磨粒からなる。凝集研磨粒の顆粒は、2004年1月20日にBright et al.に交付された、Porous Abrasive Articles with Agglomerated Abrasivesというタイトルの米国特許第6679758B2号(その全体は参照として本明細書に援用される)中で記載された凝集物によって例示される。
【0017】
一実施形態において、研磨粒子は不織ウェブ中で均一に分布することができる。別の実施形態において、研磨粒子は不織ウェブの1つの側面に適用され、したがってかかる側面上により濃縮され得る。別の実施形態において、研磨粒子は、不織ウェブの1つの側面に適用し、続いて不織ウェブの反対の表面に適用することができ、そこで粒子のより高い濃度はウェブの中心よりむしろ表面上にある。
【0018】
研磨粒子は、U.S.Coated Abrasive Manufactures Institute(「CAMI」)の等級システムに記載の約24グリット〜約150グリットにわたる平均粒度を有することができる。別の実施形態において、研磨粒子は約30グリット〜約120グリットの平均粒度を有することができる。なお他の実施形態において、研磨粒子は約36グリット〜約100グリットの平均粒度を有することができる。別の実施形態において、研磨粒子は少なくとも約93ミクロン、少なくとも約116ミクロンまたは少なくとも約141ミクロンの平均粒度を有する。なお他の実施形態において、研磨粒子は、約715ミクロンを超えない、約745ミクロンを超えないまたは約764ミクロンを超えない平均粒度を有する。研磨粒子は少なくとも約8.0、少なくとも約8.5、少なくともさらに約9.0のモース硬度を有することができる。
【0019】
一実施形態において、研磨粒子は表面処理することができる。一実施形態において、研磨材はシリル化される。別の実施形態において、表面処理はカップリング剤によって行うことができる。カップリング剤は、アミノアルキルシラン、イソシアナトシラン、クロロアルキルシランまたはその任意の組み合わせから選択されるカップリング剤を含むシランであり得る。
【0020】
図3図2の横断面の詳細な切り抜きをさらに図示する。ポリマー結合剤18は研磨粒子16とステープルファイバー12および14を結合する。ポリマー結合剤18は硬化可能ポリマー結合剤を含むことができる。硬化可能ポリマー結合剤18は、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリメタクリル酸、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、セルロース、ポリエーテル、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステル、フェノキシ、ラテックス、フッ素化ポリマー、塩素化ポリマー、シロキサン、シリル化合物、シランおよびその任意の組み合わせから選択される有機ポリマーを含むことができる。さらに、硬化可能ポリマー結合剤はブロックされた樹脂を含むことができる。ポリマー結合剤18は強く柔軟なポリマー結合剤であり得る。ポリマー結合剤18は研磨の間に不織ウェブを保持することができ、一方で支持体がワークピースの形状に順応するように十分に柔軟であることを可能にする。
【0021】
一実施形態において、ポリマー結合剤18は、成分(分散した充填剤、溶媒、可塑剤、連鎖移動剤、触媒、安定剤、分散剤または硬化剤、反応メディエーターまたは分散物の流動性に影響を及ぼすための薬剤等)をさらに含むことができる飽和配合から形成することができる。上記の構成要素に加えて、例えば、静電防止剤(グラファイト、カーボンブラックおよび同種のもの等);懸濁化剤(ヒュームドシリカ等);抗目詰まり剤(リチウム、亜鉛、カルシウムまたはステアリン酸マグネシウムを含む金属ステアリン酸塩等);潤滑剤(ワックス等);湿潤剤;色素;充填剤(炭酸カルシウム、タルク、粘土および同種のもの等);粘度調整剤(合成ポリアミドワックス等);消泡剤;またはその任意の組み合わせを含む他の成分も飽和配合に追加することができる。
【0022】
特定の実施形態において、ポリマー結合剤18のポリマー結合剤材料は、繊維12または14と研磨粒子16との間の位置することができる。一実施形態において、ポリマー結合剤18は研磨粒子16の上に重ねることができる。別の実施形態において、研磨粒子は接着剤により不織ウェブに結合させることができる。接着剤は、エポキシ系接着剤、ポリサルファイド系接着剤、ポリウレタン系接着剤、フェノール系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリビニルブチラール系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、ビニルエステル系接着剤またはその組み合わせから選択することができる。
【0023】
図4はステープルファイバーの単層不織ウェブに粒を適用するプロセス40のための1つのオプションを図示する。単層不織ウェブ4022はロール402から巻き出され、飽和配合により飽和される。飽和溶液はポリマー樹脂を含有し、硬化剤および/または潤滑剤をさらに含有することができる。ポリマー樹脂は、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ尿素樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ラテックス樹脂、エポキシ樹脂またはその組み合わせから選択することができる。硬化剤は、ポリマー樹脂の硬化を開始、触媒、またはそうでなければ促進する任意の慣習的な薬剤であり得る。潤滑剤は任意の慣習的な潤滑剤であり得る。複数の実施形態において、潤滑剤は、ワックス、脂肪酸または脂肪酸塩であり得る。一実施形態において、潤滑剤は、アルカリステアリン酸塩(ステアリン酸リチウム等)であり得る。飽和は図4の要素42中で図示されるような浸漬および圧搾のプロセスによって遂行することができる。飽和した不織ウェブの1つの側面上に、研磨粒子を図4の要素44中で示されるように適用し、続いて要素46中で示されるように接着剤を噴霧適用する。部分的に処理されたウェブは3段式のオーブン48の最も低いレベル482を介する1つの走行中で硬化させる。オーブンを出ると同時に、部分的に処理されたウェブは向きを変え、反対の側面は研磨材(44)により処理され、接着剤(46)により噴霧され、続いて、圧縮されていない研磨不織ウェブ4024(すなわち研磨粒子を含有する不織ウェブ)がロール404上に巻かれる前に、オーブン48の中央のレベル484および第3のレベル486を介する2つの走行がある。
【0024】
特定の実施形態において、研磨品は圧縮される。図5は圧縮された研磨品の調製のための方法工程を図示する。図2および3中で図示されるように研磨材を含有するステープルファイバーの不織ウェブの飽和した単層は飽和溶液により飽和され、それはポリマー樹脂を含有し、硬化剤および/または潤滑剤をさらに含有することができる。ポリマー樹脂は、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ尿素樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ラテックス樹脂またはその組み合わせから選択することができる。硬化剤は、ポリマー樹脂の硬化を開始、触媒、またはそうでなければ促進する任意の慣習的な薬剤であり得る。潤滑剤は任意の慣習的な潤滑剤であり得る。複数の実施形態において、潤滑剤は、ワックス、合成パラフィン、脂肪酸、脂肪酸塩またはテフロン(登録商標)粉末であり得る。一実施形態において、潤滑剤は、アルカリステアリン酸塩(ステアリン酸リチウム等)であり得る。
【0025】
さらに図5を参照して、次いで飽和した不織研磨ウェブの単層を圧縮する。圧縮は、例えば金属板の間で飽和した不織研磨ウェブの単層のスラブを所望される厚みまで圧迫することによって行うことができる。複数の実施形態において、圧縮された飽和した不織研磨ウェブの単層の厚みは、約1/4インチ、約1cm、約1/2インチ、約1.5cm、約2.0cmまたは約1インチの厚みである。他の実施形態において、圧縮は圧縮比で表現することができる。圧縮比は、パーセンテージで表現された1−(d(圧縮された)/d(圧縮されていない))の結果であり、式中、d(圧縮された)およびd(圧縮されていない)は、圧縮された研磨品または圧縮されていない研磨品のg/cmでの厚みまたは密度を示す。圧縮は圧縮された飽和した不織研磨ウェブの単層を硬化させることによってその仕上げを達成する(すなわち、金属板は硬化の間にウェブのスラブをその場で保持する)。
【0026】
一実施形態において、圧縮比は少なくとも約10%であり得る。別の実施形態において、圧縮比は少なくとも約20%であり得る。なお他の実施形態において、圧縮比は少なくとも約50%であり得る。別の実施形態において、圧縮比は約90%を超えない。
【0027】
一実施形態において、研磨品は、25.4mmの半球状のプローブによる力の適用によって測定されるように、20kg/25%圧縮〜90kg/25%圧縮(30kg/25%圧縮〜80kg/25%圧縮、さらに40kg/25%圧縮〜70kg/25%圧縮等)の硬度を有して、厚さ方向に沿って25%まで研磨品を圧縮することができる。特定の実施形態において、硬度は50〜60kg/25%圧縮であり得る。
【0028】
G比は研磨ホイール摩耗の量に対する除去された材料の量の比である。6.35mmの厚みを有するサンプル研磨ホイールは76mmの外径および6.35mmの内径まで切削される。金属板(アルミニウム)はサンプルディスクによる研削にさらされる。研削は、表面に対して垂直な状態を維持したサンプルディスクにより実行され、その結果サンプルディスクの全厚みが金属板に接して配置されて端の研削が回避される。0.9kgの荷重を使用して金属板に対してディスクを押し付ける。プレートは、各々の周期の間で15秒の冷却期間で、5回の1分の周期で研削される。
【0029】
一実施形態において、研磨品または本発明に記載の圧縮された研磨品のG比は少なくとも約10である。別の実施形態において、G比は少なくとも約15である。なお他の実施形態において、G比は少なくとも約19である。
【0030】
研磨品を形成する方法に目を向けると、ステープルファイバーの2つ以上の部分のブレンドを含む不織ウェブの単層を提供することができる。例えば、ステープルファイバーのブレンドを無作為に堆積させ、ポリマー結合剤(アクリルラテックスまたはポリウレタンラテックス等)と共に結合させることができる。一実施形態において、ブレンドは異なる線密度の繊維であり得る。線密度の差は、約100デニール、約200デニール、約300デニールまたは約400デニールであり得る。一例として、200g/mと800g/mの間のステープルファイバーのブレンドを使用することができる。ウェブはニードルパンチング、カーディング、または水流交絡することができる。結合剤樹脂を含有する結合剤配合を適用することができ、処理された結合剤を硬化させて半完成した不織ウェブを形成することができる。一実施形態において、半完成した不織ウェブの厚みは、少なくとも約1.5cm(少なくとも約1/2インチ、さらに少なくとも約2.0cm等)である。さらに、不織層は約400g/mと約700g/mの間の重量を有することができる。
【0031】
第1の飽和配合による第1の飽和を不織層に適用することができる。第1の飽和配合は硬化可能結合剤(ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂またはその任意の組み合わせ等)を含むことができる。結合剤をブロックして熱の適用なしに硬化を実質的に防止することができる。第1の飽和は第1の飽和配合の中へ支持体を浸漬することによって適用することができる。浸漬後に、不織層を圧搾して過剰な結合剤樹脂を除去することができる。
【0032】
研磨粒子は、支持体上に研磨粒子を滴下させることまたは不織層の中へ研磨粒子を投入すること等によって、飽和した不織層に適用することができる。例えば、層の1側面あたり500g/m〜2000g/mを不織層上に滴下させて層の全体にわたって研磨粒を分布させることができる。接着剤は噴霧等によって研磨粒子の上に重ねて適用することができ、接着剤を乾燥させることができる。接着剤は後続する加工の間の研磨粒子の保持に役に立つことができる。代替の実施形態において、研磨粒子および飽和配合はスラリー中で組み合わせてともに適用することができ、第2のポリマー結合剤は存在しなくてもよい。
【0033】
一実施形態において、第2の飽和および飽和配合を適用することができる。第2の飽和は飽和配合の中へ支持体を浸漬することによって適用することができる。浸漬後に、不織布を圧搾して過剰な結合剤を除去することができる。なお他の実施形態において、研磨粒子の第2のロードおよび接着剤の第2の適用を行い、続いて、飽和配合の接着剤および結合剤をオーブン中で乾燥および硬化させる。生じた不織研磨ウェブは1kg/mと3kg/mの間の重量を有することができる。
【0034】
次いで不織研磨ウェブを圧縮することができる。圧縮は、不織研磨ウェブのスラブを飽和配合中で飽和させることから始まる。飽和は、2ロールコート機上の浸漬および圧搾のプロセスによって行うことができる。スラブは、少なくとも30cm、少なくとも35cm、少なくとも40cmまたは少なくとも50cmの側面の長さを有する正方形であり得る。スラブは2つの金属板の間に配置され、所望される厚みに圧縮することができる。圧縮されたスラブをオーブン中で硬化させる。
【実施例】
【0035】
サンプルディスク1および2は、約2.5インチのステープル長を有する500デニールのナイロン繊維を50重量%および約2.0インチのステープル長を有する200デニールのナイロン繊維を50重量%で含むステープルナイロン繊維のブレンドから調製される。ブレンドは約530g/mの重量を有する。ウェブはニードル織機中でさらにニードルパンチングされる。結合剤をブレンド上に適用する。結合剤配合は、約59.3%の水、1.5%のメラミン樹脂(Momentive Specialty Chemicals Inc.からの部分的にメチル化されたメラミン樹脂)、0.2%のトリトン100X(The Dow Chemical Companyからの非イオン性のオクチルフェノールエトキシレート界面活性剤)および39.0%のHycar 26138(Lubrizol Advanced Materials Inc.からの熱反応性アクリルラテックス)を含む。結合剤配合はブレンドの1つの側面上で噴霧され、3ステージオーブンのレベル1の上で硬化される。硬化後に、結合剤は反対の側面上で噴霧され、ブレンドは3ステージオーブンのレベル2およびレベル3を介して硬化される。生じた不織ウェブは、約590g/mの重量、約1.34mの幅および約2.3cmの厚みを有する。一実施形態において、結合剤の適用に続いて硬化を反復することができる。
【0036】
不織ウェブは浸漬および圧搾のプロセスによってポリウレタン樹脂混合物により飽和される。ポリウレタン樹脂混合物は、56%のポリウレタン樹脂(BLM500、Chemtura Corporationからのブロックされたイソシアネート硬化部位を備えたMDIベースのレタン(rethane)プレポリマー)、6.0%の硬化剤(Air ProductsからのAncamine DL−50)、30.5%のメチルイソブチルケトン(溶媒)、3.5%のステアリン酸リチウム(Chemturaからの抗目詰まり潤滑剤)および4%の着色剤を含む。
【0037】
60グリットまたは100グリットの平均粒度の酸化アルミニウムの凝集物の形態の研磨粒を、約800g/mで、飽和した不織ウェブの1つの側面上にホッパーから重力によって滴下させる。その後に、結合剤を側面上に噴霧する。結合剤配合は、56%の水、6.0%のHycar 26138(アクリルラテックス)、3.5%のトリトンX100(界面活性剤)および2.5%の着色剤を含む。材料は3ステージ硬化オーブンのレベル1を介して通過させる。第2のレベルに際して、レベル2のオーブンに入る前に、反対側は、60グリットまたは100グリットの平均粒度の酸化アルミニウムの凝集物の形態の研磨粒により重力によって処理され、結合剤により固定される。材料は硬化のためにレベル2およびレベル3上でオーブンの中へ戻される。複数の実施形態において、研磨粒適用、結合剤固定および硬化は反復することができる。研磨不織ウェブは、1.43mの幅、2.3cmの厚みおよび約2.71kg/mの重量を有する。研磨不織ウェブは43×43cmのスラブへと切断される。
【0038】
浸漬および圧搾のプロセスによってポリウレタン樹脂混合物中でスラブを飽和させた。飽和配合は、66%のポリウレタン樹脂(BLM500)、7.0%の硬化剤(Ancamine DL−50)、17%のメチルイソブチルケトン(溶媒)、4.3%のステアリン酸リチウム(潤滑剤)および5.7%の着色剤を含む。飽和したスラブは、2つの金属板の間に積み重ねて、0.63cm(圧縮比〜73%)の厚みまで圧縮することができる。ラックをオーブン中で配置し、126℃〜99℃の傾斜で18時間硬化させ、その間に熱伝達および揮発性薬品の除去を改善するようにラックを介して空気を出させる。
【0039】
金属板を取り出し、スラブを分離し、商品(研磨ディスク等)までさらに加工する。100グリットの酸化アルミニウム凝集物を含有するサンプル1は、中位の研磨ディスクである。60グリットの酸化アルミニウム凝集物を含有するサンプル2は、粗い研磨ディスクである。
【0040】
実施例1:性能
サンプルを試験して、切削率、ホイール摩耗およびG比を決定する。G比はホイール摩耗の量に対する除去された材料の量の比である。6.35mmの厚みを有するサンプルホイールは76mmの外径および6.35mmの内径まで切削される。金属板(アルミニウムまたはステンレス鋼等)はサンプルディスクによる研削にさらされる。研削は、表面に対して垂直な状態を維持したサンプルディスクにより実行され、その結果サンプルディスクの全厚みが金属板に接して配置されて端の研削が回避される。0.9kgの荷重を使用して金属板に対してディスクを押し付ける。プレートは、各々の周期の間で15秒の冷却期間で、5回の1分の周期で研削される。ホイールは9,000rpmで回転させる。切削率は研削前後のプレートの重量の差から決定される。ホイール摩耗は研削前後のホイールの重量の差から決定される。表1は、3M(アルミニウム上の3M SC CRS Surface Conditioning Disc)からの商品と比較した、サンプル1(中位研磨ディスク、Vortex RB MEDとも表記される)、サンプル2(粗い研磨ディスク、Vortex RB CRSとも表記される)についての性能値を要約する。
【0041】
【表1】
【0042】
サンプル1およびサンプル2(すなわちVortex RB MEDおよびVortex RB CRS)は、3Mの製品の切削の2倍以上の切削率(除去された材料)ならびにサンプル1について2.5倍およびサンプル2について4倍で3Mの製品の寿命を超える寿命を備えた良好な性能を示す。
【0043】
図6は、時間の関数としてサンプル1(Vortex RB MED)、サンプル2(Vortex RB CRS)および3M SC CRSのアルミニウムの中への切削率を図示する。任意の与えられた時間間隔において、サンプル1および2の切削は3Mの製品の切削より優れている。さらに、3Mの製品の寿命の間に、すなわち最初の45分以内に、両方のVortexディスクは3Mの製品よりも多くの材料を切削した。これは、 Vortex製品が、寿命の延長に起因してだけではなく、本質的により高い品質にも起因して3Mの製品より優れていることを示す。
【0044】
図7は、時間の関数としてサンプル1(Vortex RB MED)、サンプル2(Vortex RB CRS)および3M SC CRSのステンレス鋼の中への切削率を図示する。ステンレス鋼のより硬いワークピースでさえ、任意の与えられた時間間隔において、サンプル1および2の切削は3Mの製品の切削より優れている。3Mの製品の寿命の間に、すなわち最初の50分以内に、両方のVortexディスクは3Mの製品よりも多くの鋼を切削した。これは、Vortex製品が軟質材料(アルミニウム等)に関してだけではなく、硬質材料(鋼等)にも3Mの製品より優れていることを示す。
【0045】
図8は3つのディスクの総ステンレス鋼切削率を図示する。市販の3Mの製品よりも、Vortex RB MEDディスクは約78%高い性能を有し、Vortex RB CRSは100%以上良い性能を有する。
【0046】
研磨品はステープルファイバーの不織ウェブを含む。ステープルファイバーの不織ウェブは、ステープルファイバーの不織ウェブのいかなる追加層もない単層を形成することができる。不織ウェブは不織ウェブに結合された研磨粒子をさらに含む。一実施形態において、不織ウェブは結合剤をさらに含む。別の実施形態において、結合剤は、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリメタクリル酸、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、セルロース、ポリエーテル、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステル、フェノキシ、ラテックス、フッ素化ポリマー、塩素化ポリマー、シロキサン、シリル化合物、シランまたはその任意の組み合わせから選択される有機ポリマーで構成することができる。
【0047】
研磨品の別の実施形態において、ブレンドは、少なくとも約80デニールであり、約300デニールを超えない(約100デニールと約250デニールの間等、約125デニールと約250デニールの間等、約150デニールと約225デニールの間等、約180デニールと約220デニールの間等)線密度を有するステープルファイバーの最初の部分を含むことができる。ブレンドは、少なくとも約320デニールであり、約1000デニールを超えない(約350デニールと約800デニールの間等、約400デニールと約600デニールの間等、約450デニールと約550デニールの間等)線密度を有しているステープルファイバーの第2の部分をさらに含むことができる。
【0048】
研磨品の別の実施形態において、ブレンドはステープルファイバーの二峰性のブレンドを含み、そこで第1の方式は第1の線密度を有するステープルファイバーの第1の部分であり、第2の方式は第2の線密度を有するステープルファイバーの第2の部分であり、そこで第1の方式と第2の方式との間の最大限の差は少なくとも50デニールである。別の実施形態において、第1の方式と第2の方式との間の差は、少なくとも100デニール(少なくとも150デニール等、少なくとも200デニール等、少なくとも250デニール等、少なくとも300デニール等、少なくとも350デニール等、少なくとも400デニール等、少なくとも450デニール等、少なくとも500デニール等)である。
【0049】
研磨品の一実施形態において、ブレンドは約5:95〜約95:5にわたる比でステープルファイバーの第1の部分および第2の部分を含む。一実施形態において、比は約20:80〜約80:20にわたる。別の実施形態において、比は約30:70〜約70:30にわたる。なお他の実施形態において、比は約40:60〜約60:40にわたる。別の実施形態において、比は約40:60である。なお他の実施形態において、比は約50:50である。なお他の実施形態において、比は約60:40である。
【0050】
さらなる一実施形態において、不織ウェブは高密度化される。別の実施形態において、研磨品は、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ケナフ繊維、麻繊維、ジュート繊維、亜麻繊維もしくはサイザル繊維、またはその任意の組み合わせを含むステープルファイバーを有する。別の実施形態において、ポリアミドはナイロン、アラミドまたはその組み合わせから選択される。なお他の実施形態において、ナイロンは、ナイロン−6;ナイロン−6,6;またはその組み合わせから選択される。
【0051】
研磨品の他の一実施形態において、研磨粒子は不織ウェブ中で均一に分布する。研磨粒子は、U.S.Coated Abrasive Manufacturers Instituteの等級システムの約24グリット〜約150グリットにわたる平均粒度を有する。別の実施形態において、研磨粒子は、少なくとも約93ミクロン、少なくとも約116ミクロンまたは少なくとも約141ミクロンの平均粒度を有する。なお他の実施形態において、研磨粒子は、約715ミクロンを超えない、約745ミクロンを超えないまたは約764ミクロンを超えない平均粒度を有する。
【0052】
研磨品のさらなる実施形態において、研磨粒子は、アルミナ、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、ダイヤモンド、凝集粒またはその任意の組み合わせから選択される。一実施形態において、研磨粒子はシリル化される。
【0053】
一実施形態において、研磨粒子は接着剤によって不織ウェブに結合される。接着剤は、エポキシ系接着剤、ポリサルファイド系接着剤、ポリウレタン系接着剤、フェノール系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリビニルブチラール系接着剤、ポリオレフィン系接着剤またはビニルエステル系接着剤から選択される。
【0054】
一実施形態において、研磨品の単層材料は少なくとも約10%の圧縮比で圧縮される。圧縮率は、圧縮されていない物品の厚みによって割った、圧縮されていない物品の厚みおよび圧縮された物品の厚みの差である。別の実施形態において、圧縮比は少なくとも約20%である。別の実施形態において、圧縮比は少なくとも約50%である。なお他の実施形態において、圧縮比は約90%を超えない。
【0055】
研磨品の一実施形態において、単層材料は少なくとも約10のG比を有する。G比は、ワークピースの切削材料の質量の比(単層から磨耗された材料の質量に対するアルミニウムまたはステンレス鋼等)である。別の実施形態において、G比は少なくとも約15である。さらなる実施形態において、G比は少なくとも約17である。なお他の実施形態において、G比は少なくとも約19である。
【0056】
圧縮された研磨品はステープルファイバーの不織ウェブを含む。ステープルファイバーは、第1の線密度を有する繊維の第1の部分および第2の線密度を有する繊維の第2の部分のブレンドを含む。圧縮された研磨品は結合剤および研磨粒子をさらに含む。一実施形態において、ブレンドは二峰性のブレンドであり得、第1の部分と第2の部分の線密度の間の最大限の差は少なくとも約50デニール(約75デニール等、約100デニール等、約125デニール等、約150デニール等、約175デニール、約200デニール等、約250デニール等、約300デニール等、約350デニール等、約400デニール等、約450デニール等、約500デニール等)である。
【0057】
圧縮された研磨品は少なくとも約10%の圧縮比を有する。別の実施形態において、圧縮比は少なくとも約20%である。なお他の実施形態において、圧縮比は少なくとも約50%である。なお他の実施形態において、圧縮比は約90%を超えない。
【0058】
一実施形態において、圧縮された研磨品は、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ケナフ繊維、麻繊維、ジュート繊維、亜麻繊維、サイザル繊維、またはその任意の組み合わせを含むステープルファイバーを有する。ポリアミドはナイロン、アラミドまたはその組み合わせから選択することができる。一実施形態において、ナイロンは、ナイロン−6;ナイロン−6,6;またはその組み合わせから選択することができる。
【0059】
一実施形態において、第1の部分および第2の部分は30:70〜70:30にわたる比である。別の実施形態において、比は約40:60である。さらなる実施形態において、比は約50:50である。なお他の実施形態において、比は約60:40である。
【0060】
圧縮された研磨品の一実施形態において、第1の線密度は約80デニール〜約300デニールにわたり、第2の線密度は約320密度〜約1000デニールにわたる。別の実施形態において、第1の線密度は約200デニールであり、第2の線密度は約500デニールである。
【0061】
圧縮された研磨品の別の実施形態において、結合剤は、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリメタクリル酸、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、セルロース、ポリエーテル、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、ラテックス、フッ素化ポリマー、塩素化ポリマー、シロキサン、シリル化合物、シランまたはその任意の組み合わせから選択される有機ポリマーで構成される。
【0062】
一実施形態において、研磨粒子は、アルミナ、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、ダイヤモンド、凝集粒またはその任意の組み合わせから選択される。
【0063】
別の実施形態において、圧縮された研磨品は少なくとも約10のG比を有する。さらなる実施形態において、G比は少なくとも約15であり得る。なお他の実施形態において、G比は少なくとも約17であり得る。その上さらなる一実施形態において、G比は少なくとも約19である。
【0064】
研磨品を製作する方法は、ステープルファイバーの少なくとも2つの部分をブレンドすることと;繊維ウェブを形成することと;繊維ウェブを粒と混合して研磨ウェブを産出することと;飽和配合により研磨ウェブを飽和させることと;飽和した研磨ウェブを圧縮することと;圧縮の間に飽和している研磨ウェブを硬化させて研磨品を形成することとを含む。
【0065】
方法の一実施形態において、ブレンドすることはステープルファイバーの2つ以上の部分を高密度化することをさらに含むことができる。一実施形態において、高密度化することは、ニードルパンチング、カーディングまたは水流交絡またはその組み合わせを含むことができる。
【0066】
方法の一実施形態において、ステープルファイバーの各々の部分は、約80デニール〜約1000デニールにわたる線密度を有することができ、2つの線密度は同じではない。一実施形態において、ステープルファイバーは、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはその任意の組み合わせから選択されるポリマーを含むことができる。ポリアミドは、ナイロン、アラミドまたはその組み合わせから選択することができる。ナイロンは、ナイロン−6;ナイロン−6,6;またはその組み合わせから選択することができる。
【0067】
方法の別の実施形態において、繊維ウェブの形成は、ステープルファイバーのブレンドされた部分に結合剤を適用することを含むことができる。結合剤は、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリメタクリル酸、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、セルロース、ポリエーテル、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、ラテックス、フッ素化ポリマー、塩素化ポリマー、シロキサン、シリル化合物、シランまたはその任意の組み合わせから選択される有機ポリマーで構成することができる。
【0068】
一実施形態において、結合剤は、ステープルファイバーのブレンドされた部分上に結合剤を噴霧すること;ブレンドされた部分を結合剤配合に浸漬すること;ブレンドされた部分を結合剤配合に浸漬し浸漬後にブレンドされた部分を圧搾すること;ステープルファイバーのブレンドされた部分上で結合剤にブラシをかけること;もしくはステープルファイバーのブレンドされた部分上に結合剤を巻くこと;またはその任意の組み合わせによって、適用することができる。さらなる一実施形態において、繊維ウェブの形成は、ステープルファイバーのブレンドされた部分を硬化させることをさらに含むことができる。
【0069】
方法のさらなる一実施形態において、ステープルファイバーを混合することは、接着剤により繊維ウェブに粒を接着することを含むことができる。接着剤は、エポキシ系接着剤、ポリサルファイド系接着剤、ポリウレタン系接着剤、フェノール系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリビニルブチラール系接着剤、ポリオレフィン系接着剤またはビニルエステル系接着剤から選択することができる。
【0070】
方法の別の実施形態において、粒は、アルミナ、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、ダイヤモンド、凝集粒およびその任意の組み合わせから選択することができる。一実施形態において、粒は混合前にカップリング剤により処理することができる。カップリング剤は、アミノアルキルシラン、イソシアナトシラン、クロロアルキルシランまたはその任意の組み合わせから選択することができる。一実施形態において、粒は、U.S.Coated Abrasive Manufacturers Instituteの等級システムの約24グリット〜約150グリットにわたる平均粒度を有することができる。他の一実施形態において、粒は、少なくとも約93ミクロン、少なくとも約116ミクロンまたは少なくとも約141ミクロンの平均粒度を有することができる。なお他の一実施形態において、粒は、約715ミクロンを超えない、約745ミクロンを超えないまたは約764ミクロンを超えない平均粒度を有する。
【0071】
方法の一実施形態において、飽和配合は、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂またはその任意の組み合わせを含む。一実施形態において、圧縮は少なくとも約10%の圧縮比に圧縮することを含む。別の実施形態において、圧縮比は少なくとも約20%である。なお他の実施形態において、圧縮比は少なくとも約50%である。その上さらなる一実施形態において、圧縮比は約90%を超えない。
【0072】
概要または実施例における上記の作用のすべてが要求されるとは限らないこと、特定の作用の一部は要求されなくてもよいこと、および1つまたは複数のさらなる作用が記載されたものに加えて実行されてもよいことに注目されたい。なおさらに、作用がリストされる順序は、必ずしもそれらが実行される順序ではない。
【0073】
前述の明細書において、概念は特定の実施形態を参照して記載された。しかしながら、当業者は、請求項において以下に記載されるような本発明の範囲から逸脱せずに、様々な修飾および変化を行なうことができることを認識する。したがって、明細書および図は制限的な意味よりむしろ例示的な意味で考慮されるべきであり、かかる修飾はすべて発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0074】
「平均化した」という用語は、値を指す場合、平均、幾何平均または中央値を意味することが意図される。
【0075】
本明細書において使用される時、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、または任意の他のこれらの変化形は、非排他的包含を網羅するように意図される。例えば、特色のリストを含むプロセス、方法、物品または装置は、必ずしもそれらの特色にのみ限定されないが、かかるプロセス、方法、物品または装置の明示的にリストされない他の特色または固有の他の特色を含み得る。さらに、相反する明示的な記載がない限り、「または」は、「包含的なまたは」を指し、「排他的なまたは」を指さない。例えば、条件AまたはBは以下のいずれか1つを満たす。Aは真であり(または存在する)かつBは偽である(または存在しない)、Aは偽であり(または存在しない)かつBは真である(または存在する)、ならびにAおよびBの両方は真である(または存在する)。
【0076】
さらに、「1つの(a)」または「1つの(an)」の使用を用いて、本明細書において記載される要素および成分を記載する。これは単に便宜上および本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行なわれる。この記述は1つまたは少なくとも1つを含むように解釈されるべきであり、単数であることを明らかに意味しない限り、単数は複数も含む。
【0077】
利益、他の利点および問題に対する解決は、特定の実施形態に関して上記された。しかしながら、利益、利点、問題に対する解決、および任意の利益、利点もしくは解決を生じさせ得るか、またはより明らかにさせ得る任意の特色(複数可)は、請求項のいずれかまたはすべての決定的な、必要な、または必須の特色として解釈されるべきでない。
【0078】
本明細書を読了した後には、当業者は、明確にするために分離した実施形態のコンテキストで本明細書において記載される特定の特色が、単一の実施形態における組み合わせでも提供され得ることを認識するだろう。反対に、簡潔さのために単一の実施形態のコンテキストで記載される様々な特色は、分離してまたは任意の小組み合わせでも提供され得る。さらに、範囲中に明示される値への参照は、その範囲内の各々の値およびすべての値を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8